特許7596919IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

狭額縁な電子表示装置に関し、特に表示パネルの裏面にドライバーICを搭載するタイプの電子表示装置に関する。以下電子表示装置を単に表示装置と記す場合もある。

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

TABまたはCOFを用いたドライバー実装においては、電子表示デバイスとの電気的接続のため、表示装置に形成した電極と、TABまたはCOFの端子部分とをACF(異方性導電膜)を用いて接続することが一般的である。すなわち電子表示デバイスの周辺部分にTABまたはCOFとの接続を行うための電極を配置する必要があるため、額縁幅を電極幅より狭くすることはできない。 一方、電子表示装置の表示部をフィルム基材上に作製し、端部を折り曲げて裏に回す方法では、ドライバー素子を実装した後に、電子表示デバイス全体の変形を伴う加工を行う必要があり、ドライバー素子の破損、あるいはドライバー素子と電子表示デバイスとの接続部の破損などの恐れがある。またフィルム基材の電子表示デバイスの変形を伴う加工を行った後にドライバーICの実装を行うためには、ドライバー素子実装時の圧力、加熱、超音波振動などが、フィルム基材を通して電子表示デバイスのバックプレーン側に伝わり、特に繊細な部分である電子表示デバイスのTFTを破壊する恐れがある。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明者らはかかる課題を解決するために、鋭意研究を続けた結果、既存の電子表示デバイス製造設備を利用して製造可能であり、かつ狭額縁であり、駆動回路の実装についても高い良品率を得ることができる電子表示デバイスの構造およびその製造方法を見出し、本発明に到達した。

発明の効果[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明の構造によれば、TABないしCOFと電子表示デバイス部を接続するための電極領域が不要であるため、電子表示デバイスの表示部の極近傍からリードを取り出すことが可能であり、かつリード部をフライングリード化することで、表示部の極近傍ないしは表示部化の側面から直接リードを折り曲げることが可能となり、実質的に電子表示装置の額縁幅をリードの厚さ程度にまで狭くすることが可能である。
基板にガラス板などの硬質無機基板を用い、かつ好ましくは接着層を薄くすることで、ドライバーICの実装収率を格段に改善することができる。
また好ましくは、領域4を基板の裏側に接着した後にドライバーICを実装することが可能となるため、ドライバーIC実装後に発生する製品不良を低減することも可能である。

本発明では好ましくは高分子フィルムの一部または全部がシランカップリング剤の縮合物を介して基板に接着されている。シランカップリング剤縮合物層の存在はシランカップリング剤処理の結果である。かかるシランカップリング剤縮合物層の厚さは極めて薄く、基板、高分子フィルムの厚さに比較した場合には事実上無視できるレベルである。そのため、高分子フィルム層の平面性は、ほぼ基板に支配されるため極めて平滑な表面を得ることができる。これは大面積で高精細加工が必要な電子表示デバイスの形成においては必要不可欠な特性である。高分子フィルムを支持体(基板)なしで用いたり、あるいは数μm~数十μmの厚さを持つ一般的な接着剤、または粘着剤により高分子フィルムを基板に接着した場合には、高分子フィルムを折り曲げた際、高分子フィルム表面にウネリが生じ、きわめて精細な露光操作が必要な微細加工においては、このうねりの存在が致命傷となる場合がある。

シランカップリング剤縮合物層の耐熱性は、一般的な有機物からなる接着剤に比較して高く、電子表示デバイスを形成するための諸工程、より具体的にはアモルファスシリコン薄膜、ポリシリコン薄膜、酸化物半導体薄膜、化合物半導体膜などの形成工程での高温環境に十分耐えることができる。さらに、露光、現像、エッチング、レジスト剥離などの加工プロセスに用いられる薬液、溶剤、あるいはプラズマ加工などに十分耐えることができる。そのため、本発明の電子表示装置は、基板にシランカップリング剤縮合物層を介して高分子フィルムを積層して得られた積層体の高分子フィルム上にて直接的に電子表示デバイスに必要な加工を実施することが可能である。この加工方法によれば、フレキシブルなフィルムを、あたかも一枚の基板と見なして、従来型電子表示デバイスの製造装置を用いて実施することが可能である。
なお、本発明は、基板上に高分子の前駆体(代表的な例としてはポリイミドの前駆体であるポリアミド酸)溶液を塗布し、乾燥硬化して基板上で高分子フィルムを形成するプロセスについても、精緻な厚さ制御を行えば適用が可能となる。

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】 図1は本発明の電子表示装置の、ひとつの態様の断面構成を示す概略模式図である。電子表示装置の側面部のリードがフライングリードになっている。図1の態様では、基板の、第一の面と第二の面の両方に、シランカップリング剤層を介して高分子フィルムが接着されている。
【図2】 図2は本発明の電子表示装置の、ひとつの態様の断面構成を示す概略模式図である。電子表示装置の側面部のリードがフライングリードになっている。図2の態様では、基板の第一の面と高分子フィルムがシランカップリング剤層を介して接着されており、第二の面と高分子フィルムは接着剤によって接着されている。
【図3】 図3は本発明の電子表示装置の、ひとつの態様の断面構成を示す概略模式図である。電子表示装置の側面部のリードがフライングリードになっている。図3の態様では、基板の第一の面と高分子フィルムが接着剤で接着されており、第二の面と高分子フィルムがシランカップリング剤縮合物層を介して接着されている。
【図4】 図4は本発明の電子表示装置の、ひとつの態様の断面構成を示す概略模式図である。図4の態様では、フライングリードの全部が基板の側面に接触している。
【図5】 図5はフライングリード部を設けていない態様である。
【図6】 図6は、フィルムラミネート法を用いた場合の本発明の電子表示装置の製造工程の一例の前半を説明する図である。
【図7】 図7は、、フィルムラミネート法を用いた場合の本発明の電子表示装置の製造工程の一例の後半を説明する図である。また、領域1~領域4が図示されている。
【図8】 図8はワニス法を用いた場合の本発明の電子表示装置の製造工程の一例の前半を説明する図である。
【図9】 図9はワニス法を用いた場合の本発明の電子表示装置の製造工程の一例の後半を説明する図である。また、領域1~領域4が図示されている。ただしここでは領域2を設けていない場合について図示している。
【図10】 図10は、本発明の電子表示デバイスの側面部の詳細を示す模式図である。なおシランカップリング剤層、接着剤層、ドライバーIC等は省略されている。
【図11】 図11は、本発明の電子表示装置の側面部の詳細を示す模式図であって、表示デバイス近傍の高分子フィルムをわずかに残して領域2を形成した場合の様子を示している。
【図12】 図12は、本発明の電子表示装置の側面部の詳細を示す模式図であって、ギャップ部分に樹脂を充填した場合の様子を示している。
【図13】 図13は、本発明の電子表示装置の側面部の詳細を示す模式図であって、実質的にギャップが存在せず、さらに基板側面に位置する部分の高分子フィルムが全て除去されて配線部がフライングリードとなっている場合を示している。
【図14】 図14は、本発明の電子表示装置の側面部の詳細を示す模式図であって、実質的にギャップが存在せず、さらに基板側面がフライングリード化されており、さらに電子表示デバイスの表示部分の寸法が、基板寸法より大きい場合を示している。
【図15】 図15は、従来から用いられているTABを用いてドライバーICを実装する場合を示す模式図である。
【図16】 図16は、従来から提案されている電子表示装置の一例における、側面部分の形態を示す模式図である。
【図17】 図17は、本発明の実施例において用いた模擬表示デバイスの配置図である。

代表図 図1本件の代表的な図

1:電子表示装置 15:基板 20:シランカップリング剤縮合物層 21:シランカップリング剤(溶液) 30:高分子フィルム 32:エッチング部 35:高分子溶液または高分子前駆体溶液 40:リード(配線層) 42:フライングリード部 50:電子表示デバイスの駆動回路素子(ドライバーIC) 60:電子表示デバイス 70:接着剤層 80:異方性導電膜(ACF) 90:注型樹脂 150:ガラス基板 300:ポリイミドフィルム 310:ポリイミドフィルムの切り欠き領域 400:リード 600:模擬表示デバイス X1:領域1(表示領域) X2:領域2(領域1に隣接する第一の配線領域) X3:領域3(フライングリード領域) X4:領域4(領域3に隣接する第二の配線領域) Lo:電子表示装置の外形寸法 Ld:電子表示デバイスの表示部の外形寸法 Lg:側面ギャップ Lp:側面平行部寸法 Lpx:電子表示デバイスの画素寸法(ピクセルサイズ) Lov:オーバーハング寸法(Lg+Lb) Ts:基板厚さ Tf:高分子フィルム厚さ Tw:リード厚さ(フライングリード厚さ)

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