(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】放射線撮影装置
(51)【国際特許分類】
G01T 7/00 20060101AFI20241203BHJP
【FI】
G01T7/00 A
(21)【出願番号】P 2021095791
(22)【出願日】2021-06-08
【審査請求日】2024-05-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丸山 忠
(72)【発明者】
【氏名】八野 悠里
【審査官】坂上 大貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-237692(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0251125(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T 1/00-1/16
1/167-7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次元状に配列され、放射線画像を検出するための複数の放射線検出素子を備えるセンサーモジュールと、
前記センサーモジュールを含む各部を制御し放射線画像を生成する制御回路が実装された電子回路基板と、
電源としての複数のバッテリーと、
前記複数のバッテリーを前記電子回路基板に個別に接続する電気導線と、を備え、
前記電気導線は、前記センサーモジュールの信号線に平行な同一線上で互いに逆向きに電流が流れる第一区間部を有する放射線撮影装置。
【請求項2】
前記第一区間部において一方向に流れる電流による磁界発生量と、その逆方向に流れる電流による磁界発生量とが同じになるように構成されている請求項1に記載の放射線撮影装置。
【請求項3】
前記複数のバッテリーは、同一仕様の2つのバッテリーであり、一方のバッテリーに接続された電気導線の前記第一区間部に属する部分と、他方のバッテリーに接続された電気導線の前記第一区間部に属する部分とは、同一長さで同一断面積である請求項1に記載の放射線撮影装置。
【請求項4】
前記複数の放射線検出素子の二次元状の配列を平面視したとき、前記電気導線は、前記センサーモジュールの信号線に直交する第二区間部を有し、
前記第二区間部は前記第一区間部より長い請求項1から請求項3のうちいずれか一に記載の放射線撮影装置。
【請求項5】
前記複数のバッテリーは、前記センサーモジュールの信号線に平行な同一線上で互いに逆向きに電流が流れる内部導電部を有する請求項1から請求項4のうちいずれか一に記載の放射線撮影装置。
【請求項6】
前記複数のバッテリーは、表裏逆に配置されることで、前記センサーモジュールの信号線に平行な同一線上で互いに逆向きに電流が流れる内部導電部を有するようにされている請求項5に記載の放射線撮影装置。
【請求項7】
二次元状に配列され、放射線画像を検出するための複数の放射線検出素子を備えるセンサーモジュールと、
前記センサーモジュールを含む各部を制御し放射線画像を生成する制御回路が実装された電子回路基板と、
電源としての複数のバッテリーと、
前記複数のバッテリーを前記電子回路基板に個別に接続する電気導線と、を備え、
前記複数のバッテリーは、前記センサーモジュールの信号線に平行な同一線上で互いに逆向きに電流が流れる内部導電部を有する放射線撮影装置。
【請求項8】
前記複数のバッテリーは、表裏逆に配置されることで、前記センサーモジュールの信号線に平行な同一線上で互いに逆向きに電流が流れる内部導電部を有するようにされている請求項7に記載の放射線撮影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
放射線撮影装置は、画像読取や無線転送など多くの電流変動が生じる要因があり、それにより内部の電子回路基板や基板間束線、バッテリーから、電磁界ノイズが発生する。その電磁界ノイズが放射線を検出するTFT(薄膜トランジスタ(thin film transistor))センサーモジュールに伝搬し、放射線画像の画像信号にノイズとして重畳するため、得られた放射線画像には横スジ等のノイズが発生してしまい、画質を著しく低下させてしまうことがある。
そのため、一般的には内部の電子回路基板から発する電磁界ノイズを低減する手段の一つとして、電子回路基板とTFTセンサーモジュール間に金属シールドを配置することが知られている(特許文献1等)。
一方で、シールドのノイズ低減効果は(シールド面積)×(シールド厚み)で決まるため、(シールド厚み)を厚くする方がノイズ低減効果を得ることができるが、シールドの重量が増えてしまうので、可搬性を一つの価値としているフラットパネルディテクター(FPD)と称される放射線撮影装置にとっては、その価値を損なってしまうことになる。
【0003】
特許文献2に記載の発明にあっては、配線を互いに近接させ或いは接触された状態とし、各配線に発生する磁界を互いに打ち消しあう状態にすることで発生する磁界を弱め、或いは磁界が発生していない状態とし、TFTセンサーモジュールへの電磁界ノイズを低減させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第05743477号公報
【文献】特許第5811584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、本発明者らは、TFTセンサーモジュールの信号線に直交して流れる電流よりも、TFTセンサーモジュールの信号線と並走して流れる電流による当該信号線への電磁界ノイズの影響が顕著であることを見出した。
【0006】
本発明の課題は、放射線画像を検出するセンサーモジュールへの内部電流よるノイズ影響を低減することにより、センサーモジュールが出力する信号のノイズを低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明に係る放射線撮影装置の一態様は、二次元状に配列され、放射線画像を検出するための複数の放射線検出素子を備えるセンサーモジュールと、前記センサーモジュールを含む各部を制御し放射線画像を生成する制御回路が実装された電子回路基板と、電源としての複数のバッテリーと、前記複数のバッテリーを前記電子回路基板に個別に接続する電気導線と、を備え、前記電気導線は、前記センサーモジュールの信号線に平行な同一線上で互いに逆向きに電流が流れる第一区間部を有する。
【0008】
また、本発明に係る放射線撮影装置の他の一態様は、二次元状に配列され、放射線画像を検出するための複数の放射線検出素子を備えるセンサーモジュールと、前記センサーモジュールを含む各部を制御し放射線画像を生成する制御回路が実装された電子回路基板と、電源としての複数のバッテリーと、前記複数のバッテリーを前記電子回路基板に個別に接続する電気導線と、を備え、前記複数のバッテリーは、前記センサーモジュールの信号線に平行な同一線上で互いに逆向きに電流が流れる内部導電部を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、放射線画像を検出するセンサーモジュールへの内部電流よるノイズ影響を低減することにより、センサーモジュールが出力する信号のノイズを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】本発明の第一実施形態の配置に係る放射線撮影装置の背面図(内部透視)である。
【
図3】比較例の配置に係る放射線撮影装置の背面図(内部透視)である。
【
図4】電磁気影響の相殺原理を説明するための、信号線と電源導線の斜視図である。
【
図5】各信号線への電磁界ノイズのレベルを示すグラフである。
【
図6】本発明の第二実施形態の配置に係る放射線撮影装置の背面図(内部透視)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明の範囲は、以下の実施形態や図面に記載されたものに限定されるものではない。
【0012】
図1に示すように本発明の一実施形態の放射線撮影装置100は、フロント板1及びバック板2を含む筐体と、TFTセンサーモジュール3と、鉛シート4と、基台5と、電子回路基板6と、電源としてのバッテリー7、電気導線8,9等を備える。
フロント板1側から、TFTセンサーモジュール3、鉛シート4、基台5の順で積層配置され、バック板2に対向する基台5の裏面に、電子回路基板6と、バッテリー7とが設置されている。
【0013】
TFTセンサーモジュール3は、二次元状に配列され、放射線画像を検出するための複数の放射線検出素子を備える。放射線検出素子は、フォトダイオード、フォトトランジスタ等の半導体素子である。放射線検出素子は、放射線の被照射量に応じた電荷を発生させる。TFTで構成されたスイッチ素子が放射線検出素子に一対一に接続され二次元状に配列されている。かかるスイッチ素子のオン・オフのタイミング制御により、各列の放射線検出素子の検知アナログ信号が信号線を通して送出される。
電子回路基板6は、バッテリー7から供給される電力に基づき動作し、TFTセンサーモジュール3を含む各部を制御し放射線画像を生成する制御回路のほか、電源回路、通信回路が実装されている。
以上の点は、従来の技術である。
放射線撮影装置100の動作による変動電流により、電子回路基板6や電気導線8,9、バッテリー7から電磁界が発生しTFTセンサーモジュール3にノイズを発生させる要因となり得る。
【0014】
(第一実施形態)
図2に、本発明の第一実施形態の配置に係る放射線撮影装置100Aを示す。
図3に、比較例の配置に係る放射線撮影装置100Zを示す。
図1に示した断面視の構成は共通である。
【0015】
図2は、バック板2側から見た内部透視図で、電子回路基板6と、2つのバッテリー7A,7Bと、電気導線8,9とを示す。また背後にはTFTセンサーモジュール3の信号線10を示す。信号線10は一方向(縦方向)に互いに平行に走っている。
バッテリー7Aは電気導線8により、バッテリー7Bは電気導線9により、個別に電子回路基板6に接続されている。
バッテリー7Aの正極から電子回路基板6に繋がる配線を、電気導線8P1,8P2とする。バッテリー7Aの負極から電子回路基板6に繋がる配線を、電気導線8N1,8N2とする。バッテリー7Bの正極から電子回路基板6に繋がる配線を、電気導線9P1,9P2とする。バッテリー7Bの負極から電子回路基板6に繋がる配線を、電気導線9N1,9N2とする。
【0016】
本実施形態に係る電気導線8P1及び電気導線9P1は、TFTセンサーモジュール3の信号線10に平行な同一線上で互いに逆向きに電流が流れる第一区間部11に相当する。
また、本実施形態に係る電気導線8N1及び電気導線9N1は、TFTセンサーモジュール3の信号線10に平行な同一線上で互いに逆向きに電流が流れる第一区間部11に相当する。
第一区間部11において一方向に流れる電流による磁界発生量と、その逆方向に流れる電流による磁界発生量とが同じになるように構成されている。そのために
図2に示す実施形態では、搭載される複数のバッテリーは、同一仕様の2つのバッテリー7A,7Bであり、一方のバッテリー7Aに接続された電気導線8の第一区間部11に属する部分8P1(8N1)と、他方のバッテリー7Bに接続された電気導線9の第一区間部11に属する部分9P1(9N1)とは、同一長さで同一断面積である。
【0017】
図2に示すように複数の放射線検出素子の二次元状の配列を平面視したとき、電気導線8,9は、TFTセンサーモジュール3の信号線10に直交する第二区間部12を有する。第二区間部12に属するのは、電気導線8P2、8N2、9P2,9N2である。
第二区間部12は第一区間部11より長くされている。個別に言及すると、電気導線8P1より電気導電8P2が長く、電気導線8N1より電気導電8N2が長く、電気導線9P1より電気導電9P2が長く、電気導線9N1より電気導電9N2が長い。
【0018】
また、本実施形態に係る複数のバッテリー7A,7Bは、TFTセンサーモジュール3の信号線10に平行な同一線上で互いに逆向きに電流が流れる内部導電部7A1と内部導電部7B1、内部導電部7A2と内部導電部7B2を有する。内部導電部7A1と内部導電部7B1とが信号線10に平行な同一線上で互いに逆向きに電流が流れるペアとなる。同様に内部導電部7A2と内部導電部7B2とが信号線10に平行な同一線上で互いに逆向きに電流が流れるペアとなる。
図2に示す実施形態では、複数のバッテリー7A,7Bは、表裏逆に配置されることで正極同士、負極同士が信号線10に平行な方向で対向し、TFTセンサーモジュール3の信号線10に平行な同一線上で互いに逆向きに電流が流れる内部導電部7A1と内部導電部7B1、内部導電部7A2と内部導電部7B2を有するようにされている。
なお、バッテリー7A,7B内に流れる電流は、負極から正極へバッテリー面内全体に流れ、電極に近いほど電流量が大きい。
【0019】
電気導線8,9に流れる電流により発生する磁界の影響により、信号線10にノイズが重畳し得るが、信号線10と並走する電流による影響が比較的大きく、信号線10と直交する電流による影響が比較的小さい。第二区間部12は第一区間部11より長いが、信号線10と直交する配置としたので、第二区間部12から信号へのノイズ影響を低く抑えることができる。
【0020】
本実施形態の放射線撮影装置100Aにおいては、信号線10と並走する電流による信号への影響は次の通りの相殺作用がある。
すなわち、電気導線8P1に流れる電流による信号線10への影響と、電気導線9P1に流れる電流による信号線10への影響とは、大きさが同じで極性が逆であるため、互いに相殺し、信号への影響が抑えられる。この相殺原理を、
図4を参照して説明する。
図4に示すように電気導線8P1によって発生する磁界と、電気導線9P1によって発生する磁界とが逆向きとなる。信号線10iに流れる信号は、電気導線8P1の近傍において電気導線8P1によって発生する磁界の影響を受けるが、電気導線9P1の近傍において電気導線9P1によって発生する磁界により逆極性でほぼ同量の影響を受けるため相殺される。すなわち、同一信号線10iに大きさが同じで逆向きの電磁界ノイズを与えることで、ノイズ影響を相殺する。
同様の相殺原理により、電気導線8N1に流れる電流による信号線10jへの影響と、電気導線9N1に流れる電流による信号線10jへの影響とは、大きさが同じで極性が逆であるため、互いに相殺し、信号への影響が抑えられる。
【0021】
また同様の相殺原理により、内部導電部7A1に流れる電流による信号線10jへの影響と内部導電部7B1に流れる電流による信号線10jへの影響とが相殺され、内部導電部7A2に流れる電流による信号線10iへの影響と内部導電部7B2に流れる電流による信号線10iへの影響とが相殺され、信号への影響が抑えられる。
【0022】
以上のように本実施形態の放射線撮影装置100Aによれば、内部電流によって発生する磁界のTFTセンサーモジュール3へのノイズ影響を低減することにより、TFTセンサーモジュール3が出力する信号のノイズを低減することができる。
以上の相殺効果を最大限に得るために、上述のように第一区間部11において一方向に流れる電流による磁界発生量と、その逆方向に流れる電流による磁界発生量とが同じになるようにした。また、バッテリー7A,7Bも、信号線10に沿って流れる内部電流に関し、一方向に流れる電流による磁界発生量と、その逆方向に流れる電流による磁界発生量とが同じになるようにした。
【0023】
これに対し
図3に示す比較例の配置に係る放射線撮影装置100Zは、信号線10に平行な同一線上では、電気導線8,9内もバッテリー7A,7B内も同じ方向に電流が流れている。そのため、
図5の実線グラフZに示すように電磁界ノイズが顕著に高まってしまう。
図5において、縦軸はノイズレベル、横軸は画像の横方向座標軸であり信号線に直交する。
図3に示す比較例の放射線撮影装置100Zにあっては、電源電流の近傍で並走する信号線10i、10jから取り出される信号に含まれるノイズレベルは、
図5に示すように高いピークとなる。
図2に示す本実施形態の放射線撮影装置100Aによれば、
図5中に破線グラフAで示すように信号線10i、10jから取り出される信号を含めて全体的にノイズレベルが低く抑えられる。
【0024】
(第二実施形態)
次に搭載バッテリー数を3とした本発明の第二実施形態を開示する。
図6に、本発明の第二実施形態の配置に係る放射線撮影装置100Bを示す。
図1に示した断面視の構成は第一実施形態と共通である。
本実施形態の放射線撮影装置100Bは、3つのバッテリー7C,7D,7Eを搭載している。簡単のため電気導線は正極配線のみを示す。
図6に示すように3つのバッテリー7C,7D,7Eからの正極配線を電気導線21P、電気導線22P、電気導線23Pとし、各区間を電気導線21P1,21P2,21P3、電気導線22P1,22P2,22P3、電気導線23P1,23P2,23P3とした。
【0025】
電気導線21P2、電気導線22P2及び電気導線23P2が第一区間部11に属する。なお、電気導線22P2は、電気導線21P2及び電気導線23P2と同一線上に配置されるが、作図上ずらして描いている。
電気導線21P2に流れる電流による信号線10kへの影響と、電気導線22P2,23P2に流れる電流による信号線10kへの影響とは、大きさが同じで極性が逆であるため、互いに相殺し、信号への影響が抑えられる。
このような相殺効果を最大限にえるために各バッテリー7C,7D,7Eから流れ出る電流量を調節する。
そのため、各電気導線21P,22P,23Pの太さや電子回路基板6までの長さを変えることで配線のインピーダンスを変え、各電気導線21P,22P,23Pに流れる電流量を調節する。
また、電気導線21P2,22P2,23P2のなかでも、信号線10と並走する区間が長いほど信号線10への磁界影響も大きいため、バッテリー7Cに接続する電気導線21P2の長さと、バッテリー7D,7Eに接続する電気導線22P2及び23P2の長さを調整することで信号線10への影響度を調節する。
以上により、電気導線21P2に流れる電流による信号線10kへの影響(磁界発生量)と、電気導線22P2,23P2に流れる電流による信号線10kへの影響(磁界発生量)とが同じ大きさとなるように調整する。これにより、両者の信号線10kへの影響(磁界発生量)は、大きさが同じで極性が逆であるため、互いに相殺し、信号への影響が抑えられる。
【0026】
電気導線21P1,21P3、電気導線22P1,22P3及び電気導線23P1,23P3が第二区間部12に属する。
第二区間部12(21P1+21P3,22P1+22P3,23P1+23P3)は第一区間部11(21P2,22P2,23P2)より長いが、信号線10と直交する配置としたので、第二区間部12から信号へのノイズ影響を低く抑えることができる。
また、3つのバッテリー7C,7D,7Eも、内部電流が信号線10と直交する配置としたので、バッテリー7C,7D,7Eの内部電流から信号へのノイズ影響を低く抑えることができる。
【0027】
図示を省略したが、バッテリー7C,7D,7Eの負極配線についても正極配線と同様に第一区間部と第二区間部とあるように配置することにより、信号線10へのノイズ影響を低く抑えることができる。
【0028】
以上のように本実施形態の放射線撮影装置100Bによれば、内部電流によって発生する磁界のTFTセンサーモジュール3へのノイズ影響を低減することにより、TFTセンサーモジュール3が出力する信号のノイズを低減することができる。
放射線撮影装置100Bにおいても上述の相殺効果を最大限に得るために、第一区間部11において一方向に流れる電流による磁界発生量と、その逆方向に流れる電流による磁界発生量とが同じになるようにした。
以上の実施形態よれば、バッテリー及びその配線から発生する磁界を互いに打ち消し弱めるのではなく、信号線10にそのまま影響させておき、互いに逆向きの磁界影響を同一信号線に与えることで当該信号線上での影響を相殺する。
以上の実施形態によれば、電子回路基板6、バッテリー7、電気導線8,9側と、TFTセンサーモジュール3との間にシールドを配置することなく、十分なノイズ低減効果を得ることができるので軽量に構成でき、画像価値と可搬性価値の両方を損なうことのない放射線撮影装置をユーザーに提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0029】
1 フロント板
2 バック板
3 TFTセンサーモジュール
4 鉛シート
5 基台
6 電子回路基板
7 バッテリー
7A,7B バッテリー
7A1 内部導電部
7A2 内部導電部
7B1 内部導電部
7B2 内部導電部
7C,7D,7E バッテリー
8,9 電気導線
10 信号線
11 第一区間部
12 第二区間部
21P,22P,23P 電気導線
100 放射線撮影装置
100A 放射線撮影装置(第一実施形態)
100B 放射線撮影装置(第二実施形態)
100Z 放射線撮影装置(比較例)