(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】制御装置、災害支援システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241203BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2021118187
(22)【出願日】2021-07-16
【審査請求日】2023-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伯耆 雄介
(72)【発明者】
【氏名】杉山 宏石
(72)【発明者】
【氏名】勝又 久美子
(72)【発明者】
【氏名】良邊 理恵
(72)【発明者】
【氏名】桜田 伸
(72)【発明者】
【氏名】山中 富夫
【審査官】田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/061353(WO,A1)
【文献】エレクトリックキャンプ体験記・・・・・・プリウスPHVの外部給電,日本,2014年09月01日,[online],<URL : https://web.archive.org/web/20210922151213/https://www.rbbtoday.com/article/2014/09/01/122973.html?pickup_list_click=true >,[令和6年 7月24日検索],インターネット
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備える制御装置であって、
プロセッサは、
車両が備える履歴情報記録部から、車両の外部給電を行った回数または有無の履歴に関する履歴情報を取得し、
前記履歴情報に基づいて、前記車
両が前記外部給電
を行ったことがあるか否かを判定し、
前記車両が備える車種情報記録部が記録する車種情報に基づいて、前記車両が可搬型給電器および充放電器のいずれか一方を収容しているか否かを判定し、
前記
車両が前記外部給電を
行ったことがないと判定した場合
において、前記車両が可搬型給電器および充放電器のいずれかを収容していると判定したとき、前記外部給電の体験を推奨する推奨情報
および可搬型給電器または充放電器の準備を促す準備情報を出力し、
前記車両が前記外部給電を行ったことがないと判定した場合において、前記車両が可搬型給電器および充放電器のいずれかを収容していないと判定したとき、前記外部給電の体験を推奨する推奨情報および可搬型給電器または充放電器が配置されている施設に関する施設情報を出力する、
制御装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の制御装置であって、
前記プロセッサは、
可搬型給電器または充放電器の使用方法を遷移させて出力する、
制御装置。
【請求項3】
請求項
1または2に記載の制御装置であって、
前記プロセッサは、
前記
車両が前記外部給電を
行ったか否かを判定し、
前記
車両が前記外部給電を
行ったと判定した場合、前記車両に紐付けられた通信機器に対応付けられた支払い手段であって、電子マネーまたはポイントの入出金口座を示すウォレットに登録された複数の事業者が運営する複数の異なる支払い手段のいずれか1つに前記外部給電の体験による電子マネーまたはポイントを付与する付与処理を実行する、
制御装置。
【請求項4】
請求項
1~3のいずれか一つに記載の制御装置であって、
前記プロセッサは、
前記車両を識別する車両識別情報と、前記車両識別情報に対応付けられたユーザに関するユーザ情報と、を取得し、
前記車両識別情報と、前記ユーザ情報と、に基づいて、前記車両を所有するユーザが変更されたか否かを判定し、
前記車両を所有するユーザが変更されたと判定した場合、前記推奨情報を出力する、
制御装置。
【請求項5】
画像または文字を表示可能な表示部を備える車両と、
前記車両に紐付けられ、前記車両と通信可能な通信機器と、
制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
前記車両が備える履歴情報記録部から、前記車両の外部給電を行った回数または有無の履歴に関する履歴情報を取得し、
前記履歴情報に基づいて、前記車
両が前記外部給電
を行ったことがあるか否かを判定し、
前記車両が備える車種情報記録部が記録する車種情報に基づいて、前記車両が可搬型給電器および充放電器のいずれか一方を収容しているか否かを判定し、
前記
車両が前記外部給電を
行ったことがないと判定した場合
において、前記車両が可搬型給電器および充放電器のいずれかを収容していると判定したとき、前記外部給電の体験を推奨する推奨情報
および可搬型給電器または充放電器の準備を促す準備情報を出力し、
前記車両が前記外部給電を行ったことがないと判定した場合において、前記車両が可搬型給電器および充放電器のいずれかを収容していないと判定したとき、前記外部給電の体験を推奨する推奨情報および可搬型給電器または充放電器が配置されている施設に関する施設情報を出力する、
災害支援システム。
【請求項6】
プロセッサを備える制御装置に
実行させるプログラムであって、
前記プロセッサに、
車両が備える履歴情報記録部から、車両の外部給電を行った回数または有無の履歴に関する履歴情報を取得させ、
前記履歴情報に基づいて、前記車
両が前記外部給電
を行ったことがあるか否かを判定させ、
前記車両が備える車種情報記録部が記録する車種情報に基づいて、前記車両が可搬型給電器および充放電器のいずれか一方を収容しているか否かを判定させ、
前記
車両が前記外部給電を
行ったことがないと判定した場合
において、前記車両が可搬型給電器および充放電器のいずれかを収容していると判定したとき、前記外部給電の体験を推奨する推奨情報
および可搬型給電器または充放電器の準備を促す準備情報を出力させ、
前記車両が前記外部給電を行ったことがないと判定した場合において、前記車両が可搬型給電器および充放電器のいずれかを収容していないと判定したとき、前記外部給電の体験を推奨する推奨情報および可搬型給電器または充放電器が配置されている施設に関する施設情報を出力させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置、災害支援システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、災害時に、車両の位置によって変わる車両の状況を考慮して外部給電の適切な停止条件を設定することで、走行に必要な電力が不足することを防止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した特許文献1では、災害時における給電のタイミングしか考量していないため、車両を所有するユーザが外部給電を経験したことがない場合、給電方法の手順が分からない恐れがあった。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、車両を所有するユーザに外部給電の体験を促すことができる制御装置、災害支援システムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る制御装置は、車両による外部給電の実績の有無に関する履歴情報を取得し、前記履歴情報に基づいて、前記車両のユーザが前記外部給電の体験したことがあるか否かを判定し、前記ユーザが前記外部給電を体験したことがないと判定した場合、前記外部給電の体験を推奨する推奨情報を出力するように構成されたプロセッサを備える。
【0007】
また、本開示に係る災害支援システムは、画像または文字を表示可能な表示部を備える車両と、前記車両に紐付けられ、前記車両と通信可能な通信機器と、制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記車両による外部給電の実績の有無に関する履歴情報を取得し、前記履歴情報に基づいて、前記車両のユーザが前記外部給電の体験したことがあるか否かを判定し、前記ユーザが前記外部給電を体験したことがないと判定した場合、前記外部給電の体験を推奨する推奨情報を出力するように構成されたプロセッサを備える。
【0008】
また、本開示に係るプログラムは、制御装置に、車両による外部給電の実績の有無に関する履歴情報を取得し、前記履歴情報に基づいて、前記車両のユーザが前記外部給電の体験したことがあるか否かを判定し、前記ユーザが前記外部給電を体験したことがないと判定した場合、前記外部給電の体験を推奨する推奨情報を出力する、ことを実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、車両を所有するユーザに外部給電を体験させることができという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係る災害支援システムの概略構成を示す図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1に係る車両の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1に係る車両が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施の形態1に係る車両が備える表示部が表示する推奨情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施の形態1に係る車両が備える表示部が表示する準備情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施の形態1に係る車両が備える表示部が表示する可搬型給電器の使用方法の手順を示すメッセージの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施の形態1に係る車両が備える表示部が表示する搬型給電器の使用方法の手順を示すメッセージの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施の形態1に係る車両が備える表示部が表示する搬型給電器の使用方法の手順を示すメッセージの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施の形態2に係る災害支援システムの概略構成を示す図である。
【
図10】
図10は、実施の形態2に係る支援サーバの機能構成を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、実施の形態2に係る支援サーバが実行する処理の概要を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態に係る制御装置、災害支援システムおよびプログラムについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態により本開示が限定されるものではない。また、以下において、同一の部分には同一の符号を付して説明する。
【0012】
(実施の形態1)
〔災害支援システムの概略構成〕
図1は、実施の形態1に係る災害支援システムの概略構成を示す図である。
図1に示す災害支援システム1は、車両100と、車両100に紐付けられた通信機器200と、ネットワークNWを介して車両100および通信機器200と通信可能な管理サーバ300と、を備える。このネットワークNWは、例えばインターネット回線網、携帯電話回線網等から構成される。
【0013】
車両100は、HEV(Hybrid Electric Vehicle)、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、FCEV(Fuel Cell Electric Vehicle)およびBEV(Battery Electric Vehicle)のいずれかを用いて実現される。なお、車両100の詳細な構成は、後述する。
【0014】
通信機器200は、所定の通信規格に従って車両100と通信可能であり、かつ、ネットワークNWを介して管理サーバ300と通信可能である。ここで、所定の通信規格とは、Bluetooth(登録商標)およびWi-Fi(登録商標)の少なくとも一方である。通信機器200は、例えば携帯電話およびタブレット型の通信端末等を用いて実現される。
【0015】
管理サーバ300は、ネットワークNWを介して通信機器200に対応付けられた支払い手段であって、電子マネーまたはポイントの入出金口座を示すウォレットに登録された複数の事業者が運営する複数の異なる支払い手段を管理する。
【0016】
〔車両の機能構成〕
次に、車両100の詳細な機能構成について説明する。
図2は、車両100の機能構成を示すブロック図である。
図2に示すように、車両100は、エンジン101と、発電機102と、第1のインバータ103と、モータ104と、駆動輪105と、二次電池106と、コンバータ107と、切替部108と、第2のインバータ109と、インレット部110と、第1の検出部111と、車内コンセント112と、第2の検出部113と、燃料タンク114と、第3の検出部115と、第4の検出部116と、ドアロック機構117と、通信部118と、外部通信部119と、カーナビゲーションシステム120と、記録部121と、ECU(Electronic Control Unit)122と、を備える。
【0017】
エンジン101は、周知の内燃機関によって構成され、燃料タンク114内に貯留されている燃料を用いて動力を出力する。エンジン101は、ECU122の制御のもと、駆動する。エンジン101から出力された動力は、発電機102を駆動する。
【0018】
発電機102は、第1のインバータ103を介してモータ104と電気的に接続される。発電機102は、ECU122の制御のもと、発電した交流電力を、切替部108およびコンバータ107を介して二次電池106へ供給する。発電機102は、発電機能に加えてモータ機能を有する発電用モータジェネレータを用いて構成される。
【0019】
第1のインバータ103は、ECU122の制御のもと、切替部108およびコンバータ107を介して供給される二次電池106からの放電電力(直流電力)を交流電力に変換し、この交流電力をモータ104へ供給する。また、第1のインバータ103は、ECU122の制御のもと、車両100の回生制動時において、モータ104で発電される交流電力を直流電力に変換し、この直流電力を、切替部108およびコンバータ107を介して二次電池106へ供給する。第1のインバータ103は、例えば三相分のスイッチング素子を含むブリッジ回路を含む三相インバータ回路等を用いて構成される。
【0020】
モータ104は、ECU122の制御のもと、車両100の加速時に、第1のインバータ103から供給される交流電力によって駆動する。モータ104から出力された動力は、駆動輪105を駆動させる。また、モータ104は、ECU122の制御のもと、車両100の制動時に、駆動輪105から伝達される外力によって発電する発電機として機能し、この発電した電力を、第1のインバータ103から切替部108およびコンバータ107を介して二次電池106へ供給する。モータ104は、モータ機能に加えて発電機能を有する駆動用モータジェネレータを用いて構成される。
【0021】
二次電池106は、例えばニッケル水素電池若しくはリチウムイオン電池等の充放電可能な蓄電池または電気二重層キャパシタ等の蓄電素子等を用いて構成される。二次電池106は、コンバータ107によって充放電可能であり、高電圧の直流電力を蓄える。
【0022】
コンバータ107は、一端が二次電池106と電気的に接続され、他端が切替部108を介して第1のインバータ103および第2のインバータ109の一方と電気的に接続される。コンバータ107は、ECU122の制御のもと、二次電池106の充放電を行う。具体的には、コンバータ107は、二次電池106を充電する場合、第2のインバータ109、インレット部110および切替部108を介して外部から供給された直流電力を所定の電圧に降圧し、この降圧した充電電流を二次電池106に供給する。これに対して、コンバータ107は、二次電池106を放電させる場合、二次電池106からの直流電力の電圧を昇圧し、この昇圧した放電電流を、切替部108を介して第1のインバータ103へ供給する。
【0023】
切替部108は、一端がコンバータ107に電気的に接続され、他端が第1のインバータ103および第2のインバータ109の一方と電気的に接続され。切替部108は、ECU122の制御のもと、コンバータ107と、第1のインバータ103および第2のインバータ109の一方とを電気的に接続する。切替部108は、機械式リレーまたは半導体スイッチ等を用いて構成される。
【0024】
第2のインバータ109は、一端が切替部108に電気的に接続され、他端がインレット部110または車内コンセント112に電気的に接続される。第2のインバータ109は、ECU122の制御のもと、切替部108およびコンバータ107を介して供給される二次電池106からの放電電力(直流電力)を交流電力に変換し、この交流電力をインレット部110へ供給する。具体的には、第2のインバータ109は、ECU122の制御のもと、インレット部110および充放電ケーブル(図示せず)を介して外部へ交流電力を供給する。第2のインバータ109は、外部で使用される電力の形態に対応するように単相インバータ回路等を用いて構成される。
【0025】
インレット部110は、一端が第2のインバータ109と電気的に接続される。インレット部110は、充放電ケーブル(図示せず)が着脱自在に接続される。インレット部110は、充放電ケーブルを介して、外部から供給された交流電力を第2のインバータ109へ供給し、かつ、外部から入力された制御信号等を含む各種情報を通信部118へ出力する。また、インレット部110は、充放電ケーブルを介して第2のインバータ109から供給された交流電力を外部へ供給し、かつ、通信部118を介して入力されたECU122からの制御信号等を含む各種情報を外部へ出力する。
【0026】
第1の検出部111は、二次電池106のSOC(充電率)、温度、SOH(State of Health)、電圧値および電流値の各々を検出し、この検出結果をECU122へ出力する。第1の検出部111は、電流計、電圧計および温度センサ等を用いて構成される。
【0027】
車内コンセント112は、第2のインバータ109と電気的に接続される。車内コンセント112は、一般の電化製品の電源プラグを接続可能であり、電源プラグが接続された電化製品に対して第2のインバータ109から供給された交流電力を供給する。
【0028】
第2の検出部113は、車内コンセント112と第2のインバータ109との間に設けられ、車内コンセント112に接続された電気機器の消費電力および電流値の少なくとも一方を検出し、この検出結果をECU122へ出力する。第2の検出部113は、電力計、電流計および電圧計等を用いて構成される。
【0029】
燃料タンク114は、エンジン101へ供給される燃料を貯留する。ここで、燃料としては、ガソリン等の化石燃料である。なお、車両100がFCEVの場合、水素燃料を貯留する。
【0030】
第3の検出部115は、燃料タンク114内に貯留された燃料の残量を検出し、この検出結果をECU122へ出力する。第3の検出部115は、燃料計等を用いて構成される。
【0031】
第4の検出部116は、車両100の状態情報を検出し、この検出結果をECU122へ出力する。ここで、状態情報とは、車両100の加速度、傾斜角度および速度等である。第4の検出部116は、加速度センサ、速度センサおよびジャイロセンサ等を用いて構成される。
【0032】
ドアロック機構117は、ECU122の制御のもと、車両100に設けられた扉の開閉動作を行う。
【0033】
通信部118は、インレット部110を介して外部から入力された各種情報を含む制御信号を受信し、受信した制御信号をECU122へ出力する。また、通信部118は、ECU122から入力されたCANデータ等を含む制御信号をインレット部110へ出力する。通信部118は、通信モジュール等を用いて構成される。
【0034】
外部通信部119は、ECU122の制御のもと、所定の通信規格に従って、ECU122から入力される各種情報を通信機器200へ送信する。また、外部通信部119は、通信機器200から受信した各種情報をECU122へ出力する。ここで、所定の通信規格とは、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)の少なくとも一方である。外部通信部119は、無線通信モジュール等を用いて構成される。
【0035】
カーナビゲーションシステム120は、GPS(Global Positioning System)センサ120aと、地図データベース120bと、報知装置120cと、操作部120dと、を有する。
【0036】
GPSセンサ120aは、複数のGPS衛星または送信アンテナからの信号を受信し、受信した信号に基づいて、車両100の位置(経度および緯度)に関する位置情報を算出する。GPSセンサ120aは、GPS受信センサ等を用いて構成される。なお、実施の形態1では、GPSセンサ120aを複数個搭載することによって車両100の向き精度向上を図ってもよい。
【0037】
地図データベース120bは、各種の地図データを記憶する。地図データベース120bは、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を用いて構成される。
【0038】
報知装置120cは、画像、地図、映像および文字情報を表示する表示部120eと、音声や警報音等の音を発生する音声出力部120fと、を有する。表示部120eは、液晶や有機EL(Electro Luminescence)等の表示ディスプレイを用いて構成される。音声出力部120fは、スピーカ等を用いて構成される。
【0039】
操作部120dは、ユーザの操作の入力を受け付け、受け付けた各種の操作内容に応じた信号をECU122へ出力する。操作部120dは、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびジョグダイヤル等を用いて実現される。
【0040】
このように構成されたカーナビゲーションシステム120は、GPSセンサ120aによって取得した現在の車両100の位置に関する位置情報を、地図データベース120bが記憶する地図データに対応する地図上に重ねることによって、車両100の現在走行している道路および目的値までの走行経路等を含む情報を、表示部120eと音声出力部120fとによってユーザに対して報知する。
【0041】
記録部121は、車両100に関する各種情報を記録する。記録部121は、ECU122から入力された車両100のCANデータおよびECU122が実行する各種の処理中のデータ等を記録する。記録部121は、DRAM、ROM、Flashメモリ、SSD等を用いて構成される。記録部121は、車種情報記録部121aと、施設情報記録部121bと、給電手順情報記録部121cと、履歴情報記録部121dと、プログラム記録部121eと、を有する。車種情報記録部121aは、車両100を識別する車種識別情報、車両100の年式、発電の有無、HEV、PHEV、FCEVおよびBEVのいずれかを示す情報等を記録する。施設情報記録部121bは、可搬型給電器または充放電器が設置された施設の住所、名所および施設に関する業種等を含む施設情報を記録する。給電手順情報記録部121cは、可搬型給電器または充放電器を用いた給電方法の手順に関する給電手順情報を記録する。履歴情報記録部121dは、車両100の外部給電を行った回数または体験の有無等の履歴を記録する。プログラム記録部121eは、車両100が実行する各種のプログラムを記録する。
【0042】
ECU122は、メモリと、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアを有するプロセッサと、を用いて構成される。ECU122は、車両100を構成する各部の動作を制御する。ECU122は、取得部122aと、判定部122bと、出力制御部122cと、遷移制御部122dと、付与部122eと、を有する。
【0043】
取得部122aは、履歴情報記録部121dから車両100による外部給電の実績の有無に関する履歴情報を取得する。また、施設情報記録部121bが記録する施設情報を取得する。
【0044】
判定部122bは、取得部122aが取得した履歴情報に基づいて、車両100を所有するユーザが外部給電の体験したことがあるか否かを判定する。また、判定部122bは、操作部120dから入力される操作信号に基づいて、ユーザが外部給電の体験の申し込みがあったか否かを判定する。さらに、判定部122bは、ユーザが可搬型給電器または充放電器を所有しているか否かを判定する。
【0045】
出力制御部122cは、表示部120eに外部給電を体験することを推奨する推奨情報を出力する。また、出力制御部122cは、表示部120eまたは通信機器200に可搬型給電器または充放電器による外部給電の準備を促す準備情報を出力する。
【0046】
遷移制御部122dは、車両100の外部給電による使用方法を遷移させて表示部120eまたは通信機器200に出力する。具体的には、遷移制御部122dは、ユーザの操作に従って、車両100の外部給電による使用方法を遷移させて表示部120eまたは通信機器200に出力する。
【0047】
付与部122eは、ネットワークNWおよび外部通信部119を介して管理サーバ300が搭乗者によって通信機器200を用いて登録された支払い手段であって、電子マネーまたはポイントの入出金口座を示すウォレットサーバに登録された複数の事業者が運営する複数の異なる支払い手段のいずれか1つに、車両100の外部給電による体験に応じた電子マネーまたはポイントを付与する付与処理を実行する。
【0048】
〔車両の処理〕
次に、車両100が実行する処理について説明する。
図3は、車両100が実行する処理の概要を示すフローチャートである。なお、以下においては、搭乗者が車両100に搭乗した際に行う処理について説明する。
【0049】
図3に示すように、取得部122aは、履歴情報記録部121dから車両100による外部給電の実績の有無に関する履歴情報を取得する(ステップS101)。
【0050】
続いて、判定部122bは、取得部122aが取得した履歴情報に基づいて、車両100を所有するユーザが外部給電を体験したことがあるか否かを判定する(ステップS102)。判定部122bによって車両100を所有するユーザが外部給電を体験したことがあると判定した場合(ステップS102:Yes)、車両100は、本処理を終了する。これに対して、判定部122bによって車両100を所有するユーザが外部給電を体験したことがないと判定した場合(ステップS102:No)、車両100は、後述するステップS103を出力する。
【0051】
ステップS103において、出力制御部122cは、表示部120eに外部給電を体験することを推奨する推奨情報を出力する。具体的には、
図4に示すように、出力制御部122cは、外部給電を体験することを推奨するメッセージM1を含む推奨情報を表示部120eまたは通信機器200に出力する。これにより、車両100を所有するユーザ(搭乗者)は、車両100に給電機能が備わっていることを把握することができるうえ、車両100の外部給電を体験しようと意識することができる。
【0052】
続いて、判定部122bは、操作部120dから入力される操作信号に基づいて、ユーザが外部給電の体験の申し込みがあったか否かを判定する(ステップS104)。具体的には、判定部122bは、操作部120dから入力される操作信号に基づいて、
図4に示す表示部120eが表示する推奨情報のアイコンA1またはアイコンA2をユーザが選択したか否かを判定し、ユーザがアイコンA1を選択した場合、外部給電の体験の申し込みがあったと判定し、ユーザがアイコンA2を選択した場合、外部給電の体験の申し込みがなかったと判定する。判定部122bによってユーザが外部給電の体験の申し込みがあったと判定された場合(ステップS104:Yes)、車両100は、後述するステップS105へ移行する。これに対して、判定部122bによってユーザが外部給電の体験の申し込みがなかったと判定された場合(ステップS104:No)、車両100は、本処理を終了する。
【0053】
ステップS105において、判定部122bは、ユーザが可搬型給電器または充放電器を所有しているか否かを判定する。例えば、判定部122bは、車種情報記録部121aが記録する車種情報に基づいて、車両100のトランク内に可搬型給電器が収容されているか否かを判定する。判定部122bによってユーザが可搬型給電器または充放電器を所有していると判定された場合(ステップS105:Yes)、車両100は、後述するステップS106へ移行する。これに対して、判定部122bによってユーザが可搬型給電器または充放電器を所定していないと判定された場合(ステップS105:No)、車両100は、後述するステップS109へ移行する。
【0054】
ステップS106において、出力制御部122cは、表示部120eまたは通信機器200に可搬型給電器または充放電器による外部給電の準備を促す準備情報を出力する。具体的には、
図5に示すように、出力制御部122cは、可搬型給電器または充放電器による外部給電の準備を促すメッセージM2を含む準備情報を表示部120eまたは通信機器200に出力する。
【0055】
続いて、出力制御部122cは、車両100の外部給電による使用方法を表示部120eまたは通信機器200に出力する(ステップS107)。この場合、
図6~
図8に示すように、遷移制御部122dは、ユーザの操作に従って、車両100の外部給電の使用方法の手順を示すメッセージM3,M4,M5を順に遷移させながら表示部120eまたは通信機器200に出力する(
図6→
図7→
図8)。これにより、車両100のユーザは、表示部120eに表示されるメッセージを確認しながら、車両100の外部給電を行うことができる。この結果、ユーザは、容易に車両100の外部給電を体験することができる。
【0056】
ステップS108において、付与部122eは、ネットワークNWおよび外部通信部119を介して管理サーバ300が搭乗者によって通信機器200を用いて登録された支払い手段であって、電子マネーまたはポイントの入出金口座を示すウォレットサーバに登録された複数の事業者が運営する複数の異なる支払い手段のいずれか1つに、車両100の外部給電による体験に応じた電子マネーまたはポイントを付与する付与処理を実行する。この場合、付与部122eは、ユーザによる車両100の履歴情報記録部121dから履歴情報を取得し、取得した履歴情報に基づいて、ユーザが車両100の外部給電の体験を行ったか否かを判定する。そして、付与部122eは、ユーザが車両100の外部給電の体験を行った場合、車両100の外部給電による体験に応じた電子マネーまたはポイントを付与する付与処理を実行する。これにより、ユーザは、車両100の外部給電を体験することによって電子マネーまたはポイントを得ることができる。ステップS108の後、車両100は、本処理を終了する。
【0057】
ステップS109において、取得部122aは、施設情報記録部121bが記録する施設情報を取得する。
【0058】
続いて、出力制御部122cは、取得部122aが取得した施設情報を表示部120eに出力する(ステップS110)。例えば、
図9に示すように、出力制御部122cは、可搬型給電器または充放電器が設置された施設に関する施設名および住所等の位置情報を含む施設情報を表示部120eまたは通信機器200に出力する。これにより、ユーザは、可搬型給電器または充放電器が設置された施設を把握することができ、可搬型給電器または充放電器が設置された施設において車両100の外部給電を体験することができる。ステップS110の後、車両100は、ステップS107へ移行する。
【0059】
以上説明した実施の形態1によれば、出力制御部122cが判定部122bによって車両100を所有するユーザが車両100の外部給電を体験したことがないと判定した場合、車両100の外部給電の体験を推奨する推奨情報を表示部120eまたは通信機器200に出力する。これにより、車両100を所有するユーザに外部給電の体験を促すことができる。
【0060】
また、実施の形態1によれば、判定部122bによってユーザが車両100の外部給電を体験したことがないと判定され、かつ、ユーザが可搬型給電器および充放電器のいずれかを所有していると判定された場合、出力制御部122cが可搬型給電器または充放電器の準備を促す準備情報を出力する。これに対して、判定部122bによってユーザが車両100の外部給電を体験したことがないと判定され、ユーザが可搬型給電器および充放電器のいずれかを所有していないと判定された場合、出力制御部122cが可搬型給電器または充放電器が配置されている施設に関する施設情報を出力する。これにより、車両100を所有するユーザは、車両100の外部給電を体験することができる。
【0061】
さらに、実施の形態1によれば、遷移制御部122dが可搬型給電器または充放電器の使用方法を遷移させて表示部120eまたは通信機器200に出力するため、ユーザが車両100の外部給電の使用方法を知らない場合であっても、車両100の外部給電を容易に行うことができる。
【0062】
また、実施の形態1によれば、ユーザが車両100の外部給電の体験を行ったと判定した場合、付与部122eが車両100に紐付けられた通信機器200に対応付けられた支払い手段であって、電子マネーまたはポイントの入出金口座を示すウォレットに登録された複数の事業者が運営する複数の異なる支払い手段のいずれか1つに車両100の外部給電の体験による電子マネーまたはポイントを付与する付与処理を実行する。これにより、ユーザは、車両100の外部給電を体験できるだけでなく、電子マネーまたはポイントを得ることができる。
【0063】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態1では、車両100のECU122が車両100を所有するユーザの外部給電の経験の有無に応じて、ユーザが外部給電を体験するように促していたが、実施の形態2では、ネットワークNWを介して管理サーバが車両100を所有するユーザに対して、外部給電を体験するように促す。以下においては、実施の形態2に係る災害支援システムについて説明する。なお、実施の形態1に係る災害支援システム1と同一の構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0064】
〔災害支援システムの構成〕
図9は、実施の形態2に係る災害支援システムの概略構成を示す図である。
図9に示す災害支援システム1Aは、実施の形態1に係る災害支援システム1の構成に加えて、ネットワークNWを介して車両100、通信機器200および管理サーバ300と通信可能な支援サーバ400をさらに備える。
【0065】
〔支援サーバの機能構成〕
次に、支援サーバ400の機能構成について説明する。
図10は、支援サーバ400の機能構成を示すブロック図である。
図10に示す支援サーバ400は、通信部401と、記録部402と、サーバ制御部403と、を備える。
【0066】
通信部401は、サーバ制御部403のもと、ネットワークNWを介して車両100または通信機器200から各種情報を受信するとともに、車両100または通信機器200へ各種情報を送信する。通信部401は、各種情報を送受信可能な通信モジュール等を用いて構成される。
【0067】
記録部402は、支援サーバ400に関する各種情報を記録する。記録部402は、支援サーバ400が実行する各種のプログラムを記録するプログラム記録部402aと、地図データを記録する地図データ記録部402bと、可搬型給電器または充放電器が設置された施設に関する施設情報を記録する施設情報記録部402cと、車両100を所有するユーザに関するユーザ情報記録部402dと、可搬型給電器または充放電器を用いた給電方法の手順に関する給電手順情報を記憶する給電手順情報記録部402eと、車両100の外部給電の履歴を記録する履歴情報記録部402fと、を有する。記録部402は、DRAM、ROM、Flashメモリ、HDD、SSD等を用いて構成される。
【0068】
サーバ制御部403は、支援サーバ400を構成する各部を制御する。サーバ制御部403は、メモリと、CPU等のハードウェアを有するプロセッサを用いて構成される。サーバ制御部403は、ECU122と同様の機能を有する。具体的には、サーバ制御部403は、取得部122aと、判定部122bと、出力制御部122cと、遷移制御部122dと、付与部122eと、を有する。
【0069】
〔支援サーバの処理〕
次に、支援サーバ400が実行する処理について説明する。
図11は、支援サーバ400が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
【0070】
図11に示すように、取得部122aは、ネットワークNWおよび通信部401を介して、車両100から車種情報を取得し(ステップS201)、ユーザ情報記録部402dからユーザ情報を取得する(ステップS202)。
【0071】
続いて、判定部122bは、取得部122aが車両100から取得した車種情報に含まれる車両識別情報と、ユーザ情報記録部402dから取得したユーザ情報と、に基づいて、車両100を所有するユーザが変更したか否かを判定する(ステップS203)。判定部122bによって車両100を所有するユーザが変更されたと判定された場合(ステップS203:Yes)、支援サーバ400は、後述するステップS204へ移行する。これに対して、判定部122bによって車両100を所有するユーザが変更されていないと判定された場合(ステップS203:No)、支援サーバ400は、本処理を終了する。
【0072】
ステップS204~ステップS213は、
図3のステップS101~ステップS110それぞれに対応する。ステップS211の後、支援サーバ400は、本処理を終了する。
【0073】
以上説明した実施の形態2によれば、サーバ制御部403が車両識別情報と、ユーザ情報と、に基づいて、車両100を所有するユーザが変更されたか否かを判定し、車両100を所有するユーザが変更されたと判定した場合、車両100の外部給電の体験を推奨する推奨情報を表示部120eまたは通信機器200に出力する。これにより、車両100を所有するユーザが別の新たなユーザに変わった場合において、新たなユーザが車両100の外部給電を体験していないとき、車両100の外部給電の体験を促すことができる。
【0074】
(その他の実施の形態)
また、実施の形態1,2では、上記してきた「部」を、「回路」などに読み替えることができる。例えば、サーバ制御部は、サーバ制御回路に読み替えることができる。
【0075】
また、実施の形態1,2に係る災害支援システムに実行させるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルデータでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)、USB媒体、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0076】
また、実施の形態1,2に係る災害支援に実行させるプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。
【0077】
なお、本明細書におけるフローチャートの説明では、「まず」、「その後」、「続いて」等の表現を用いてステップ間の処理の前後関係を明示していたが、本実施の形態を実施するために必要な処理の順序は、それらの表現によって一意的に定められるわけではない。即ち、本明細書で記載したフローチャートにおける処理の順序は、矛盾のない範囲で変更することができる。
【0078】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施の形態に限定されるものではない。従って、添付のクレームおよびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0079】
1 災害支援システム
100 車両
101 エンジン
102 発電機
103 第1のインバータ
104 モータ
105 駆動輪
106 二次電池
107 コンバータ
108 切替部
109 第2のインバータ
110 インレット部
111 第1の検出部
112 車内コンセント
113 第2の検出部
114 燃料タンク
115 第3の検出部
116 第4の検出部
117 ドアロック機構
118,401 通信部
119 外部通信部
120 カーナビゲーションシステム
120a GPSセンサ
120b,402b 地図データベース
120c 報知装置
120d 操作部
120e 表示部
120f 音声出力部
121,402 記録部
121a 車種情報記録部
121b,402c 施設情報記録部
121c,402e 給電手順情報記録部
121d,402f 履歴情報記録部
121e,402a プログラム記録部
302b 地図データ記録部
122 ECU
122a 取得部
122b 判定部
122c 出力制御部
122d 遷移制御部
122e 付与部
300 管理サーバ
400 支援サーバ
402d ユーザ情報記録部
403 サーバ制御部
303a 取得部
303b 特定部
303c 判定部
303d 付与部
303e 生成部
303f 出力制御部
NW ネットワーク