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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】車両の制御装置
(51)【国際特許分類】
   F02P 5/145 20060101AFI20241203BHJP
   F02D 43/00 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
F02P5/145 B
F02D43/00 301H
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021123217
(22)【出願日】2021-07-28
(65)【公開番号】P2023018869
(43)【公開日】2023-02-09
【審査請求日】2024-02-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】岡村 紘治
(72)【発明者】
【氏名】松永 仁
【審査官】小林 勝広
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-146953(JP,A)
【文献】特開2010-106676(JP,A)
【文献】特開平09-203367(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D 41/00 -45/00
F02P 5/145- 5/155
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の動力が変速装置を介して駆動輪に伝達される車両に適用され、
前記内燃機関のクランク軸は前記変速装置の入力軸とロックアップクラッチによって機械的に連結可能とされており、
前記内燃機関における燃焼制御を停止する停止処理と、
アクセル操作に応じた前記停止処理の終了に伴って前記内燃機関のトルクを小さい側に制限すべく前記内燃機関の燃焼効率を低下させるように前記内燃機関の所定の操作部を操作する復帰時処理と、を実行し、
前記所定の操作部は、前記燃焼効率を調整可能な操作部であり、
前記復帰時処理は、前記燃焼効率の低下量が大きい場合の下回り量の方が前記低下量が小さい場合の前記下回り量よりも大きくなるように、前記下回り量に応じて前記低下量を変える処理を含み、
前記下回り量は、前記変速装置の入力軸の回転速度を前記内燃機関のクランク軸の回転速度が下回る量である車両の制御装置。
【請求項2】
前記下回り量を取得する下回り量取得処理と、
前記ロックアップクラッチの状態を取得する状態取得処理と、を実行し、
前記復帰時処理は、前記下回り量が所定量以上であって且つ前記ロックアップクラッチが解放状態である場合、前記トルクを小さい側に制限する処理を禁止する処理を含む請求項1記載の車両の制御装置。
【請求項3】
前記下回り量を取得する下回り量取得処理を実行し、
前記復帰時処理は、前記停止処理の終了に伴って前記内燃機関のトルクを小さい側に制限する処理を徐々に緩和する制限緩和処理を含み、
前記制限緩和処理は、前記トルクの制限の緩和速度が大きい場合の前記下回り量が、前記緩和速度が小さい場合の前記下回り量よりも大きくなるように、前記下回り量に応じて前記緩和速度を変える処理を含む請求項1記載の車両の制御装置。
【請求項4】
前記下回り量を取得する下回り量取得処理を実行し、
前記復帰時処理は、前記小さい側への制限の度合いが小さい場合の前記下回り量が、前記制限の度合いが大きい場合の前記下回り量よりも大きくなるように、前記下回り量に応じて前記制限の度合いを変える処理を含む請求項1または3記載の車両の制御装置。
【請求項5】
前記ロックアップクラッチの状態を取得する状態取得処理を実行し、
前記復帰時処理は、前記ロックアップクラッチが解放状態でないときに前記トルクの制限が緩い場合の前記下回り量が、前記解放状態ではないときに前記トルクの制限が厳しい場合の前記下回り量よりも大きくなるように、前記解放状態ではないときに前記下回り量に応じて前記内燃機関のトルクの制限を変える処理を含む請求項1~4のいずれか1項に記載の車両の制御装置。
【請求項6】
前記所定の操作部は、点火装置であり、
前記復帰時処理は、充填効率によって実現可能な前記内燃機関のトルクに対して実際のトルクを制限する処理であって且つ、制限トルク算出処理、および点火遅角処理を含み、
前記制限トルク算出処理は、前記下回り量に応じて制限トルクを算出する処理を含み、
前記制限トルクは、前記内燃機関のトルクの上限ガード値であり、
前記点火遅角処理は、前記制限トルクおよび前記内燃機関の充填効率を入力として点火時期の遅角量を算出する処理である請求項1~5のいずれか1項に記載の車両の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば下記特許文献1には、燃料カット処理からの復帰時に点火時期を遅角させる制御装置が記載されている。これは、燃料カットからの復帰に伴って駆動輪に伝達されるトルクが急上昇することを抑制することを狙ったものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平4-353268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両には、内燃機関のクランク軸と変速装置の入力軸とを締結するロックアップクラッチを備えたものがある。ここで、燃料カット処理からの復帰時に、ロックアップクラッチが締結状態である場合には、上記のように点火時期を遅角させることによりトルクの急変に起因したショックを軽減できる。ただし、燃料カット処理からの復帰時に、ロックアップクラッチが解放状態である場合には、駆動輪にトルクが伝達されるまでに時間を要する。そのため、点火時期を遅角させる場合には、ユーザが車両の応答性が低いと感じる懸念がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
1.内燃機関の動力が変速装置を介して駆動輪に伝達される車両に適用され、前記内燃機関のクランク軸は前記変速装置の入力軸とロックアップクラッチによって機械的に連結可能とされており、前記内燃機関における燃焼制御を停止する停止処理と、アクセル操作に応じた前記停止処理の終了に伴って前記内燃機関のトルクを小さい側に制限すべく前記内燃機関の燃焼効率を低下させるように前記内燃機関の所定の操作部を操作する復帰時処理と、を実行し、前記所定の操作部は、前記燃焼効率を調整可能な操作部であり、前記復帰時処理は、前記燃焼効率の低下量が大きい場合の下回り量の方が前記低下量が小さい場合の前記下回り量よりも大きくなるように、前記下回り量に応じて前記低下量を変える処理を含み、前記下回り量は、前記変速装置の入力軸の回転速度を前記内燃機関のクランク軸の回転速度が下回る量である車両の制御装置である。
【0006】
下回り量が大きい場合には、小さい場合と比較して、内燃機関のトルクが駆動輪に伝達されるまでの時間が長くなる。そこで、上記構成では、上記下回り量が大きい場合には、小さい場合と比較して、燃焼効率の低下量を小さくする。これにより、上記下回り量が大きい場合に小さい場合と比較して、内燃機関のトルクが駆動輪に伝達されるまでの時間が長くなることを抑制できる。そのため、フューエルカット処理からの復帰時にユーザが車両の応答性が低いと感じることを抑制できる。
【0007】
2.前記下回り量を取得する下回り量取得処理と、前記ロックアップクラッチの状態を取得する状態取得処理と、を実行し、前記復帰時処理は、前記下回り量が所定量以上であって且つ前記ロックアップクラッチが解放状態である場合、前記トルクを小さい側に制限する処理を禁止する処理を含む上記1記載の車両の制御装置である。
【0008】
上記下回り量が大きい場合には、内燃機関のトルクが駆動輪に伝達されるまでの時間が、ユーザにとって長く感じられる長さとなるおそれがある。そこで上記構成では、そうした場合には、トルクを小さい側に制限する処理を禁止する。これにより、停止処理の終了時に上記下回り量が大きい場合であっても、内燃機関のトルクが駆動輪に伝達されるまでの時間が、ユーザにとって長く感じられる長さとなることを抑制できる。
【0009】
3.前記下回り量を取得する下回り量取得処理を実行し、前記復帰時処理は、前記停止処理の終了に伴って前記内燃機関のトルクを小さい側に制限する処理を徐々に緩和する制限緩和処理を含み、前記制限緩和処理は、前記トルクの制限の緩和速度が大きい場合の前記下回り量が、前記緩和速度が小さい場合の前記下回り量よりも大きくなるように、前記下回り量に応じて前記緩和速度を変える処理を含む上記1記載の車両の制御装置である。
【0010】
上記構成では、下回り量が大きい場合の制限の緩和速度を大きくすることにより、下回り量が大きい場合には、トルクの制限が早期に解消へと向かう。そのため、内燃機関のトルクが駆動輪に伝達されるまでの時間が、ユーザにとって長く感じられる長さとなることを抑制できる。
【0011】
4.前記下回り量を取得する下回り量取得処理を実行し、前記復帰時処理は、前記小さい側への制限の度合いが小さい場合の前記下回り量が、前記制限の度合いが大きい場合の前記下回り量よりも大きくなるように、前記下回り量に応じて前記制限の度合いを変える処理を含む上記1または3記載の車両の制御装置である。
【0012】
上記構成では、下回り量が大きい場合の制限の度合いを小さくすることにより、下回り量が大きい場合には、クランク軸のトルクがより大きくなる。そのため、内燃機関のトルクが駆動輪に伝達されるまでの時間が、ユーザにとって長く感じられる長さとなることを抑制できる。
【0013】
5.前記ロックアップクラッチの状態を取得する状態取得処理を実行し、前記復帰時処理は、前記ロックアップクラッチが解放状態でないときに前記トルクの制限が緩い場合の前記下回り量が、前記解放状態ではないときに前記トルクの制限が厳しい場合の前記下回り量よりも大きくなるように、前記解放状態ではないときに前記下回り量に応じて前記内燃機関のトルクの制限を変える処理を含む上記1~4のいずれか1つに記載の車両の制御装置である。
【0014】
ロックアップクラッチが解放状態ではない場合には、直結状態以外にもスリップ状態が含まれる。スリップ状態においては、直結状態と比較して、クランク軸のトルクが駆動輪に伝達するまでの時間が長くなる傾向がある。この傾向は、変速装置の入力軸の回転速度に対するクランク軸の回転速度の下回り量が大きい場合に特に顕著である。そこで上記構成では、解放状態ではないときにおいて、下回り量が大きい場合にはゼロである場合よりもトルクの制限を緩くする。これにより、下回り量が大きい場合には、クランク軸のトルクがより大きくなる。そのため、内燃機関のトルクが駆動輪に伝達されるまでの時間が、ユーザにとって長く感じられる長さとなることを抑制できる。
【0015】
6.前記所定の操作部は、点火装置であり、前記復帰時処理は、充填効率によって実現可能な前記内燃機関のトルクに対して実際のトルクを制限する処理であって且つ、制限トルク算出処理、および点火遅角処理を含み、前記制限トルク算出処理は、前記下回り量に応じて制限トルクを算出する処理を含み、前記制限トルクは、前記内燃機関のトルクの上限ガード値であり、前記点火遅角処理は、前記制限トルクおよび前記内燃機関の充填効率を入力として点火時期の遅角量を算出する処理である上記1~5のいずれか1つに記載の車両の制御装置。
【0016】
上記構成では、点火時期が一定なら、内燃機関のトルクは、充填効率に応じて定まる。そして上記構成では、充填効率に応じて定まるトルクが制限トルクを超える場合、点火時期を遅角させることにより、実際のトルクを制限トルク程度に制限できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1の実施形態にかかる制御装置および車両の駆動系の構成を示す図である。
図2】同実施形態にかかる制御装置が実行する処理の手順を示す流れ図である。
図3】同実施形態にかかる制御装置が実行する処理の手順を示す流れ図である。
図4】同実施形態にかかる制限トルクの推移を例示するタイムチャートである。
図5】同実施形態にかかる制御装置が実行する処理の手順を示す流れ図である。
図6】同実施形態にかかる制限トルクの推移を例示するタイムチャートである。
図7】同実施形態にかかる制御装置が実行する処理の手順を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、車両VCには、内燃機関10が搭載されている。内燃機関10の吸気通路12には、スロットルバルブ14が設けられている。吸気通路12のうちのスロットルバルブ14よりも下流側には、燃料噴射弁16が設けられている。
【0019】
吸気通路12内の空気および燃料の混合気は、吸気バルブ18の開動作に伴って、シリンダ20およびピストン22によって区画される燃焼室24に流入する。燃焼室24内の混合気は、点火装置26の火花放電によって燃焼に供される。燃焼によって生じたエネルギは、ピストン22を介してクランク軸28の回転エネルギに変換される。一方、燃焼に供された混合気は、排気バルブ30の開動作に伴って、排気として、排気通路32に排出される。
【0020】
クランク軸28の動力は、トルクコンバータ40および自動変速装置50を介して駆動輪60に伝達可能となっている。詳しくは、クランク軸28には、トルクコンバータ40の入力軸44が接続されている。トルクコンバータ40の出力軸46は、自動変速装置50の入力軸52に接続されている。
【0021】
トルクコンバータ40は、流体伝達機構であり、入力軸44に接続されたポンプインペラと、自動変速装置50の入力軸52に接続されているタービンインペラとを備えている。トルクコンバータ40では、流体を介してポンプインペラとタービンインペラとの間でトルク伝達が行われることにより、トルクコンバータ40の入力軸44と出力軸46との間でのトルク伝達が行われる。
【0022】
また、トルクコンバータ40は、ロックアップクラッチ42を備えている。ロックアップクラッチ42は、トルクコンバータ40の入力軸44と、出力軸46とを、直結可能なクラッチである。ロックアップクラッチ42は、直結状態、解放状態、およびスリップ状態のいずれかの状態をとる。直結状態は、入力軸44と出力軸46とが直結された状態である。解放状態は、入力軸44と出力軸46との間でロックアップクラッチ42を介したトルクの伝達が略無い状態である。スリップ状態は、入力軸44と出力軸46との間でロックアップクラッチ42を介したトルクの伝達をしつつ互いに相対回転可能な状態である。
【0023】
自動変速装置50は、入力軸52の回転速度と、出力軸54の回転速度との比である変速比を可変とする装置である。
制御装置70は、制御対象としての内燃機関10の制御量である、トルクおよび排気成分比率等を制御すべく、内燃機関10の各種操作部を操作する。また、制御装置70は、制御対象としての自動変速装置50の変速比を制御すべく、自動変速装置50の摩擦係合要素を操作する。さらに、制御装置70は、制御対象としてのトルクコンバータ40の係合状態を制御すべく、ロックアップクラッチ42を操作する。図1には、スロットルバルブ14、燃料噴射弁16、点火装置26、ロックアップクラッチ42、および自動変速装置50のそれぞれの操作信号MS1~MS5を記載している。
【0024】
制御装置70は制御量を制御するために、エアフローメータ80によって検出される吸入空気量Gaと、クランク角センサ82の出力信号Scrと、を参照する。また、制御装置70は、入力回転センサ84の出力信号Sinと、アクセルセンサ86によって検出されるアクセルペダルの踏み込み量であるアクセル操作量ACCPと、を参照する。また、制御装置70は、車速センサ88によって検出される車速SPDを参照する。
【0025】
制御装置70は、CPU72、ROM74、周辺回路76、および通信線78を備えている。CPU72、ROM74、および周辺回路76は、通信線78を介して通信可能とされている。ここで、周辺回路76は、内部の動作を規定するクロック信号を生成する回路、電源回路、およびリセット回路等を含む。制御装置70は、ROM74に記憶されたプログラムをCPU72が実行することにより制御量を制御する。
【0026】
CPU72は、アクセル操作量ACCPおよび車速SPDを入力として、ロックアップクラッチ42の係合状態を操作する。また、CPU72は、アクセル操作量ACCPに応じてスロットルバルブ14の開口度を操作する。また、CPU72は、混合気の空燃比が目標空燃比となるように燃料噴射弁16から噴射される燃料量を操作する。また、CPU72は、点火時期を基本点火時期に応じて設定すべく点火装置26を操作する。基本点火時期は、MBT点火時期およびノック限界点火時期のうちで小さい方の値、つまり遅角側の値が設定される。MBT点火時期は、現状の機関運転条件において最大トルクを得ることのできる点火時期である最大トルク点火時期のことである。ノック限界点火時期は、想定される最良の条件下でノッキングを許容できるレベル以内に収めることのできる点火時期の進角限界時期である。
【0027】
さらに、CPU72は、燃料噴射弁16からの燃料噴射の停止による内燃機関10への燃料供給の停止処理であるフューエルカット処理を実行する。以下では、制御装置70が実行する処理のうち、特に、フューエルカット処理に関する処理、およびフューエルカット処理からの復帰に関する処理について詳述する。
【0028】
(フューエルカット処理に関する処理)
図2に、フューエルカット処理に関する処理の手順を示す。図2に示す処理は、ROM74に記憶されたプログラムをCPU72がたとえば所定周期でくり返し実行することにより実現される。なお、以下では、先頭に「S」が付与された数字によって各処理のステップ番号を表現する。
【0029】
図2に示す一連の処理において、CPU72は、まず、フラグFが「1」であるか否かを判定する(S10)。フラグFは、「1」である場合に、フューエルカット処理を実行していることを示す一方、「0」である場合に、そうではないことを示す。CPU72は、フラグFが「0」であると判定する場合(S10:NO)、以下の条件(ア)および条件(イ)の論理積が真であるか否かを判定する(S12)。
【0030】
条件(ア):アクセルペダルが解放されている旨の条件である。この条件が成立するか否かは、アクセル操作量ACCPに基づき判定される。
条件(イ)クランク軸28の回転速度である機関回転速度NEが第1速度NthH以上である旨の条件である。機関回転速度NEは、CPU72により、出力信号Scrに基づき算出される。また、第1速度NthHは、車両VCの停止時におけるアイドル回転速度よりも大きい値に設定されている。
【0031】
CPU72は、論理積が真であると判定する場合(S12:YES)、フラグFに「1」を代入する(S14)。そしてCPU72は、フューエルカット処理を実行する(S16)。
【0032】
一方、CPU72は、フラグFが「1」であると判定する場合(S10:YES)、下記の条件(ウ)および条件(エ)の論理和が真であるか否かを判定する(S18)。
条件(ウ):アクセルペダルが踏み込まれた旨の条件である。この条件は、アクセル操作量ACCPが所定量以上となることで成立したと判定すればよい。
【0033】
条件(エ):機関回転速度NEが第2速度NthL以下である旨の条件である。第2速度NthLは、第1速度NthHよりも小さい値に設定されている。
CPU72は、論理和が偽であると判定する場合(S18:NO)、S16の処理に移行する。一方、CPU72は、論理和が真であると判定する場合(S18:YES)、フラグFに「0」を代入する(S20)。そしてCPU72は、燃料供給を開始する(S22)。
【0034】
なお、CPU72は、S16,S22の処理を完了する場合と、S12の処理において否定判定する場合と、には、図2に示す一連の処理を一旦終了する。
(フューエルカット処理からの復帰に関する処理)
図3に、フューエルカット処理からの復帰に関する処理の手順を示す。図3に示す処理は、ROM74に記憶されたプログラムをCPU72がたとえば所定周期でくり返し実行することにより実現される。
【0035】
図3に示す一連の処理において、CPU72は、まずフラグFが「1」から「0」に切り替わったときであるか否かを判定する(S30)。CPU72は、切り替わったときであると判定する場合(S30:YES)、アクセルペダルが踏まれたか否かを、換言すれば、アクセルONであるか否かを、判定する(S32)。次にCPU72は、入力回転速度Ninから機関回転速度NEを減算した値を、下回り量ΔNに代入する(S34)。入力回転速度Ninは、自動変速装置50の入力軸52の回転速度である。入力回転速度Ninは、CPU72により、出力信号Sinに基づき算出される。次にCPU72は、ロックアップ変数Vruを取得する(S36)。ロックアップ変数Vruは、ロックアップクラッチ42の状態を示す変数である。
【0036】
そして、CPU72は、以下の条件(オ)および条件(カ)の論理積が真であるか否かを判定する(S38)。
条件(オ):下回り量ΔNが所定量ΔNth以上である旨の条件である。ここで、所定量ΔNthは、後述のS40の処理を実行したのでは、フューエルカット処理の停止後、内燃機関10のトルクが駆動輪60に伝達されるまでの時間が過度に長くなると想定される値に設定されている。ここで、過度に長い時間とは、ユーザが車両VCの応答性が低いと感じる程度の時間である。
【0037】
条件(カ):ロックアップクラッチ42が解放状態である旨の条件である。
CPU72は、上記論理積が偽であると判定する場合(S38:NO)、制限トルクGtrqを算出する(S40)。制限トルクGtrqは、内燃機関10のトルクの上限ガード値である。CPU72は、制限トルクGtrqを漸増させる。そのため、CPU72は、制限トルクGtrqの初期値G0と、制限トルクGtrqの漸増速度を定める漸増速度変数ΔGとを算出する。詳しくは、CPU72は、初期値G0および漸増速度変数ΔGのそれぞれを、要求トルクTrq*および変速比変数Vgrの値に基づき算出する。要求トルクTrq*は、内燃機関10のトルクの要求値である。要求トルクTrq*は、CPU72により、アクセル操作量ACCPに基づき算出される。変速比変数Vgrは、自動変速装置50の変速比を定める変数である。
【0038】
具体的には、ROM74にマップデータが予め記憶された状態で、CPU72により、初期値G0をマップ演算する。ここで、マップデータは、要求トルクTrq*および変速比変数Vgrを入力変数とし、初期値G0を出力変数とする。また、ROM74にマップデータが予め記憶された状態で、CPU72により、漸増速度変数ΔGをマップ演算する。ここで、マップデータは、要求トルクTrq*および変速比変数Vgrを入力変数とし、漸増速度変数ΔGを出力変数とする。
【0039】
ちなみに、マップデータとは、入力変数の離散的な値と、入力変数の値のそれぞれに対応する出力変数の値と、の組データである。また、マップ演算は、入力変数の値がマップデータの入力変数の値のいずれかに一致する場合、対応するマップデータの出力変数の値を演算結果とする処理とすればよい。また、マップ演算は、入力変数の値がマップデータの入力変数の値のいずれにも一致しない場合、マップデータに含まれる複数の出力変数の値の補間によって得られる値を演算結果とする処理とすればよい。
【0040】
CPU72は、S40の処理が完了する場合、点火遅角量を算出する(S42)。すなわち、CPU72は、充填効率ηおよび基本点火時期に基づき生成されると想定されるトルクTrqrが制限トルクGtrqを上回る場合、上回り量に応じて点火遅角量を算出する。CPU72は、S42の処理を完了する場合と、S38の処理において肯定判定される場合と、には、点火装置26を操作すべく、点火装置26に操作信号MG3を出力する(S44)。すなわち、CPU72は、S38の処理において肯定判定される場合には、上述の基本点火時期に応じて操作信号MS3を出力する。また、CPU72は、S42の処理を完了する場合には、基本点火時期が点火遅角量によって遅角補正された値に応じて操作信号MS3を出力する。
【0041】
なお、CPU72は、S44の処理を完了する場合と、S30,S32の処理において否定判定する場合と、には、図3に示す一連の処理を一旦終了する。
ここで、本実施形態の作用および効果について説明する。
【0042】
図4に、フューエルカット処理の停止に伴ってS40の処理によって設定される制限トルクGtrqの推移を示す。また、図4には、充填効率ηおよび基本点火時期に基づき生成されると想定されるトルクTrqrを併せ示している。
【0043】
図4に示すように、時刻t1にフューエルカット処理が停止する場合、CPU72は、制限トルクGtrqを初期値G0とする。そしてCPU72は、制限トルクGtrqを、漸増させる。図4に示すように、制限トルクGtrqは、上記想定されるトルクTrqrよりも小さい。そのため、CPU72は、内燃機関10のトルクを制限トルクGtrqとすべく、点火時期を遅角して燃焼効率を低下させる。ここで燃焼効率は、混合気中の燃料量に対する図示トルクの比率等によって定量化される量である。この処理は、クランク軸28のトルクの急上昇に起因して車両VCにショックが生じることを抑制することを狙った処理である。
【0044】
ただし、ロックアップクラッチ42が解放状態の場合には、制限トルクGtrqによって内燃機関10のトルクを制限すると、同トルクが駆動輪60に伝達されるまでの時間が長くなる。そこで、CPU72は、ロックアップクラッチ42が解放状態であることを条件に、制限トルクGtrqによる制限を設けない。これにより、内燃機関10のトルクが駆動輪60に伝達されるまでの時間が、ユーザにとって不快に感じられる長さとなることを抑制できる。
【0045】
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0046】
上記第1の実施形態では、ロックアップクラッチ42が解放状態である所定の条件下、制限トルクGtrqを設けなかった。これに対し、本実施形態では、ロックアップクラッチ42が解放状態であっても、制限トルクGtrqを設ける。
【0047】
図5に、本実施形態にかかるフューエルカット処理からの復帰に関する処理の手順を示す。図5に示す処理は、ROM74に記憶されたプログラムをCPU72がたとえば所定周期でくり返し実行することにより実現される。なお、図5に示す処理において、図3に示した処理に対応する処理については、便宜上、同一のステップ番号を付与してその説明を省略する。
【0048】
図5に示す一連の処理において、CPU72は、S38の処理において肯定判定される場合であっても、制限トルクGtrqを算出する(S50)。ただし、CPU72は、ここで算出される制限トルクGtrqを、S40の処理において算出される値より大きくする。
【0049】
詳しくは、CPU72は、初期値G0および漸増速度変数ΔGを算出する。S50の処理において算出される初期値G0は、S40の処理において算出される初期値G0よりも大きい。また、S50の処理において算出される漸増速度変数ΔGは、S50の処理において算出される漸増速度変数ΔGよりも大きい。CPU72は、要求トルクTrq*および変速比変数Vgrに応じて初期値G0および漸増速度変数ΔGを可変設定する。
【0050】
具体的には、ROM74に予め記憶されたマップデータを用いて、CPU72により初期値G0および漸増速度変数ΔGがマップ演算される。マップデータは、要求トルクTrq*および変速比変数Vgrを入力変数として且つ初期値G0を出力変数とするデータと、要求トルクTrq*および変速比変数Vgrを入力変数として且つ漸増速度変数ΔGを出力変数とするデータとである。
【0051】
なお、CPU72は、S50の処理を完了する場合、S42の処理に移行する。
図6に実線にてS50の処理によって算出される制限トルクGtrqの推移を示す。また、2点鎖線にて、S40の処理によって算出される制限トルクGtrqの推移を示す。図6においても、時刻t1にフューエルカット処理が停止されるとしている。時刻t1以降において、S50の処理によって算出される制限トルクGtrqは、S40の処理によって算出される制限トルクGtrqよりも大きい。したがって、CPU72は、フューエルカット処理の終了後の点火時期を、ロックアップクラッチ42が解放状態である場合には、直結状態である場合と比較してより基本点火時期に近い値とする。
【0052】
<第3の実施形態>
以下、第3の実施形態について、第2の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0053】
本実施形態では、制限トルクGtrqの算出処理の入力に、下回り量ΔNを含める。
図7に、フューエルカット処理からの復帰に関する処理の手順を示す。図7に示す処理は、ROM74に記憶されたプログラムをCPU72がたとえば所定周期でくり返し実行することにより実現される。なお、図7に示す処理において、図5に示した処理に対応する処理については、便宜上、同一のステップ番号を付与してその説明を省略する。
【0054】
図7に示す一連の処理において、CPU72は、S36の処理を完了する場合、上記条件(カ)を満たすか否かを判定する(S38a)。CPU72は、条件(カ)を満たすと判定する場合(S38a:YES)、要求トルクTrq*、変速比変数Vgrおよび下回り量ΔNに基づき制限トルクGtrqを算出する(S50a)。ここで、CPU72は、下回り量ΔNが大きい場合に小さい場合よりも制限トルクGtrqを大きい値に算出する。詳しくは、CPU72は、要求トルクTrq*、変速比変数Vgrおよび下回り量ΔNに基づき、初期値G0および漸増速度変数ΔGのそれぞれを算出する。
【0055】
具体的には、ROM74に予め記憶されたマップデータを用いて、初期値G0および漸増速度変数ΔGをマップ演算する。ここでマップデータの1つは、要求トルクTrq*、変速比変数Vgrおよび下回り量ΔNを入力変数とし、初期値G0を出力変数とする。もう1つのマップデータは、要求トルクTrq*、変速比変数Vgrおよび下回り量ΔNを入力変数とし、漸増速度変数ΔGを出力変数とする。
【0056】
一方、CPU72は、条件(カ)を満たさないと判定する場合(S38a:NO)、条件(カ)を満たさない場合専用の制限トルクGtrqを算出する(S40a)。ここでも、CPU72は、要求トルクTrq*、変速比変数Vgrおよび下回り量ΔNに基づき制限トルクGtrqを算出する。ここで、CPU72は、下回り量ΔNが大きい場合に小さい場合よりも制限トルクGtrqを大きい値に算出する。すなわち、ロックアップクラッチ42が解放状態でないケースには、ロックアップクラッチ42がスリップ状態であるケースが含まれる。スリップ状態の場合、入力回転速度Ninと機関回転速度NEとの間に差が生じうる。そして、下回り量ΔNが大きいほど、クランク軸28と入力軸52との結合が弱いと考えられる。そのため、下回り量ΔNが大きいほど、フューエルカット処理の終了後、内燃機関10のトルクが駆動輪60に伝達されるまでの時間が長くなりやすい。
【0057】
より詳しくは、CPU72は、要求トルクTrq*、変速比変数Vgrおよび下回り量ΔNに基づき、初期値G0および漸増速度変数ΔGのそれぞれを算出する。
具体的には、ROM74に予め記憶されたマップデータを用いて、初期値G0および漸増速度変数ΔGをマップ演算する。ここでマップデータの1つは、要求トルクTrq*、変速比変数Vgrおよび下回り量ΔNを入力変数とし、初期値G0を出力変数とする。もう1つのマップデータは、要求トルクTrq*、変速比変数Vgrおよび下回り量ΔNを入力変数とし、漸増速度変数ΔGを出力変数とする。
【0058】
なお、要求トルクTrq*、変速比変数Vgrおよび下回り量ΔNが同じ場合、S50aにて算出された制限トルクGtrqは、S40aの処理にて算出された制限トルクGtrq以上とされる。
【0059】
<対応関係>
上記実施形態における事項と、上記「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項との対応関係は、次の通りである。以下では、「課題を解決するための手段」の欄に記載した解決手段の番号毎に、対応関係を示している。[1]停止処理は、S16の処理に対応する。復帰時処理は、図3のS36~S44の処理と、図5のS36~S44,S50の処理と、図7のS36,S38a,S40a,S42,S44,S50aの処理と、に対応する。[2]下回り量取得処理は、S34の処理に対応する。状態取得処理は、S36の処理に対応する。禁止する処理は、図3のS38の処理において肯定判定される場合に制限トルクを設けないことに対応する。[3]図6に例示した処理に対応する。制限緩和処理は、図5のS40,S50の処理または図7のS40a,S50aの処理において算出された漸増速度変数ΔGに基づき点火時期が操作されることに対応する。[4]図5のS40,S50の処理または図7のS40a,S50aの処理において算出された初期値G0に基づき点火時期が操作されることに対応する。[5]S40aの処理に対応する。[6]制限トルク算出処理は、S40,S40a,S50,S50aの処理に対応する。点火遅角処理は、S42の処理に対応する。
【0060】
<その他の実施形態>
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0061】
「制限トルクGtrqの算出処理の入力について」
・制限トルクGtrqの算出処理の入力としては、変速比変数Vgrおよび要求トルクTrq*に限らない。たとえば、負荷を示す変数として、要求トルクTrq*に代えて、アクセル操作量ACCPを用いてもよい。
【0062】
・制限トルクGtrqの算出処理の入力が、変速比変数Vgrおよび負荷を示す変数の双方を含むことは必須ではない。たとえば、変速比変数Vgrおよび負荷を示す変数の2つに関しては、そのうちのいずれか1つのみを含んでもよい。もっとも、変速比変数Vgrおよび負荷を示す変数の2つに関して、それらのうちの少なくとも1つを含むこと自体必須ではない。
【0063】
・S40aの処理においては、ロックアップクラッチ42が解放状態ではなくても、スリップが生じている場合を考慮して、下回り量ΔNを入力に含めたが、これに限らない。
「制限トルクGtrqについて」
・上記実施形態では、制限トルクGtrqを、初期値G0および漸増速度変数ΔGに基づき定めるとのみ記載した。換言すれば、漸増速度変数ΔGが1つに定まるものか否かについては言及しなかった。ここで漸増速度変数ΔGは、フューエルカット処理が停止される都度、1つの値が定まるものであってもよいが、これに限らない。たとえば、漸増速度変数ΔGによって制限トルクGtrqを規定時間増加させた後、第2の漸増速度変数の値に応じて制限トルクGtrqを漸増させてもよい。その場合、図4および図6に例示したように第2の漸増速度変数の方が、漸増速度変数ΔGよりも大きくしてもよい。
【0064】
・制限トルクGtrqとしては、初期値G0および漸増速度変数ΔGの双方を、制限トルクGtrqの算出処理の入力変数に基づき可変設定するものに限らない。たとえば、初期値G0および漸増速度変数ΔGの2つに関しては、そのうちの1つのみを可変設定してもよい。
【0065】
「制限緩和処理について」
・制限トルクGtrqを、漸増速度変数ΔGに従って漸増させることは必須ではない。すなわち、制限トルクGtrqを付与した後、これを一気に解消してもよい。換言すれば、内燃機関10のトルクを小さい側に制限する処理を徐々に緩和することは必須ではない。
【0066】
「復帰時処理について」
・復帰時処理が、制限トルクGtrqに応じて定まるトルクに応じて点火時期の遅角量を算出する処理を含むことは必須ではない。たとえば、内燃機関10のトルクに対するガード値としての制限トルクGtrqに代えて、アクセル操作量ACCP等から定まるトルクに対する減少補正量を算出してもよい。
【0067】
・点火時期を遅角させる処理が、制限されたトルクと充填効率ηとに基づき遅角量を算出する処理を含むことは必須ではない。たとえば、上記のように、アクセル操作量ACCP等から定まるトルクに対する減少補正量を算出する場合、減少補正量と充填効率ηとを入力として遅角量を算出する処理であってもよい。またたとえば、制限トルクGtrqの算出処理の入力変数と充填効率ηとに基づき遅角量を算出してもよい。
【0068】
「燃焼効率の低下手法について」
・上記実施形態では、点火時期をMBT点火時期よりも遅角させたが、これに限らない。たとえばMBT点火時期よりも進角させてもよい。
【0069】
「所定の操作部について」
・内燃機関を圧縮着火式の機関として且つ、燃焼効率を低下させる所定の操作部を、燃料噴射弁としてもよい。その場合、上記実施形態における点火時期を遅角させる処理を、噴射時期を遅角させる処理に代えればよい。
【0070】
「制御装置について」
・制御装置としては、CPU72とROM74とを備えて、ソフトウェア処理を実行するものに限らない。たとえば、上記実施形態においてソフトウェア処理されたものの少なくとも一部を、ハードウェア処理するたとえばASIC等の専用のハードウェア回路を備えてもよい。すなわち、制御装置は、以下の(a)~(c)のいずれかの構成であればよい。(a)上記処理の全てを、プログラムに従って実行する処理装置と、プログラムを記憶するROM等のプログラム格納装置とを備える。(b)上記処理の一部をプログラムに従って実行する処理装置およびプログラム格納装置と、残りの処理を実行する専用のハードウェア回路とを備える。(c)上記処理の全てを実行する専用のハードウェア回路を備える。ここで、処理装置およびプログラム格納装置を備えたソフトウェア実行装置や、専用のハードウェア回路は1または任意の複数個でよい。
【符号の説明】
【0071】
10…内燃機関
12…吸気通路
14…スロットルバルブ
16…燃料噴射弁
26…点火装置
28…クランク軸
40…トルクコンバータ
42…ロックアップクラッチ
50…自動変速装置
60…駆動輪
70…制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7