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特許7596989車両用制御装置、方法、プログラム、及び車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】車両用制御装置、方法、プログラム、及び車両
(51)【国際特許分類】
   B60T 7/12 20060101AFI20241203BHJP
   B60W 50/14 20200101ALI20241203BHJP
   B60T 7/16 20060101ALI20241203BHJP
   B60T 13/74 20060101ALI20241203BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20241203BHJP
【FI】
B60T7/12 A
B60W50/14
B60T7/16
B60T13/74 G
B60T13/74 Z
G16Y10/40
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021149263
(22)【出願日】2021-09-14
(65)【公開番号】P2023042131
(43)【公開日】2023-03-27
【審査請求日】2024-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】弁理士法人小笠原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松塚 桃子
【審査官】鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-030662(JP,A)
【文献】特表2019-534204(JP,A)
【文献】特開2003-281651(JP,A)
【文献】特開2004-096272(JP,A)
【文献】特開平07-246861(JP,A)
【文献】特開2018-034636(JP,A)
【文献】特開2015-196402(JP,A)
【文献】国際公開第2020/111163(WO,A1)
【文献】特開2011-098729(JP,A)
【文献】国際公開第2013/021424(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 7/12- 8/1769
B60T 8/32- 8/96
B60T 13/00- 13/74
G60Y 10/00- 40/60
B60W 10/00
B60W 10/02
B60W 10/04- 10/06
B60W 10/08
B60W 10/10
B60W 10/101-10/18
B60W 10/184-10/26
B60W 10/28
B60W 10/30
B60W 30/00- 60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された車両用制御装置であって、
前記車両のユーザーが有する外部端末が接続されるセンタと通信する通信部と、
前記車両のイグニッションがオフされた時の電動パーキングブレーキの作動状態を取得する取得部と、を備え、
前記通信部は、前記取得部が取得した前記作動状態が、前記電動パーキングブレーキのアンロックを示している場合、
前記車両のシフトレンジがパーキングギアを作動させるパーキング位置であれば、前記電動パーキングブレーキが非作動であることを、前記センタを経由して前記外部端末に通知せず、
前記シフトレンジが前記パーキングロック位置以外であれば、前記電動パーキングブレーキが非作動であることを、前記センタを経由して前記外部端末に通知する、
車両用制御装置。
【請求項2】
前記通信部は、前記センタを経由して前記外部端末から前記電動パーキングブレーキの作動に関する要求を受信し、
前記通信部が受信した前記要求に基づいて、前記電動パーキングブレーキの制御装置を起動させ、前記電動パーキングブレーキの作動状態を制御する制御部をさらに備える、
請求項1に記載の車両用制御装置。
【請求項3】
前記外部端末には、所定のアプリケーションがインストールされており、
前記通信部は、前記電動パーキングブレーキの作動状態を、前記センタを経由して前記外部端末の前記アプリケーションに通知する、
請求項1又は2に記載の車両用制御装置。
【請求項4】
車両に搭載された車両用制御装置が行う方法であって、
前記車両のイグニッションがオフされた時の電動パーキングブレーキの作動状態を取得するステップと、
記作動状態が前記電動パーキングブレーキのアンロックを示している場合、前記車両のシフトレンジがパーキングギアを作動させるパーキング位置であれば、前記電動パーキングブレーキが非作動であることを、センタを経由して前記車両のユーザーが有する外部端末に通知せず、前記シフトレンジが前記パーキングロック位置以外であれば、前記電動パーキングブレーキが非作動であることを、前記センタを経由して前記外部端末に通知するステップと、
を含む、方法。
【請求項5】
車両に搭載され、プロセッサとメモリとを備えた車両用制御装置のコンピューターが実行するプログラムであって、
前記車両のイグニッションがオフされた時の電動パーキングブレーキの作動状態を取得するステップと、
記作動状態が前記電動パーキングブレーキのアンロックを示している場合、前記車両のシフトレンジがパーキングギアを作動させるパーキング位置であれば、前記電動パーキングブレーキが非作動であることを、センタを経由して前記車両のユーザーが有する外部端末に通知せず、前記シフトレンジが前記パーキングロック位置以外であれば、前記電動パーキングブレーキが非作動であることを、前記センタを経由して前記外部端末に通知するステップと、
を含む、プログラム。
【請求項6】
請求項1乃至のいずれか1項に記載の車両用制御装置を搭載した、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両に搭載される、電動パーキングブレーキを制御する制御装置などに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両に取り付けられたタイヤの状態を常時監視し、タイヤに所定の異常状態が検知されたときに、スマートフォンなどの外部端末に通知する制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-300452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両に装備される電動パーキングブレーキ(EPB)には、ブレーキのロック状態とアンロック状態とをユーザーが手動操作で切り替えるものがある。この手動操作で状態を切り替える必要がある場合、車両を駐車するときなどに電動パーキングブレーキをロックし忘れて車両を離れてしまうことも起こり得る。車両を離れた後に電動パーキングブレーキがロックされているか否かを確認するためには、一旦車両に戻る必要がありユーザーにとって大変煩わしい。
【0005】
駐車時などの電動パーキングブレーキのロックし忘れは、パーキングブレーキの作動状態として不適切ではあるが、電動パーキングブレーキ自体の異常ではない。このため、上記特許文献1に記載された異常状態の検知に応じて外部端末に通知する方法では、電動パーキングブレーキをロックし忘れた場合、ユーザーはそのことを後で気付くことができない。よって、電動パーキングブレーキの作動状態をユーザーが適切に把握できる技術が望まれる。
【0006】
本開示は、上記課題を鑑みてなされたものであり、電動パーキングブレーキの作動状態をユーザーが適切に把握することができる、車両用制御装置などを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示技術の一態様は、車両に搭載された車両用制御装置であって、車両のユーザーが有する外部端末が接続されるセンタと通信する通信部と、車両のイグニッションがオフされた時の電動パーキングブレーキの作動状態を取得する取得部と、を備え、通信部は、取得部が取得した電動パーキングブレーキの作動状態を、センタを経由して外部端末に通知する、車両用制御装置である。
【発明の効果】
【0008】
本開示の車両用制御装置などによれば、電動パーキングブレーキの作動状態をユーザーなどが適切に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る車両用制御装置を含むシステムの概略構成を示す図
図2】車両用制御装置が実行する処理を説明するフローチャート
図3】センタが実行する処理を説明するフローチャート
図4】外部端末が実行する処理を説明するフローチャート
図5】車両用制御装置が実行する応用例に係る処理を説明するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の車両用制御装置は、車両のイグニッションがオフ時の電動パーキングブレーキ(EPB)の作動状態を、車両のユーザーや管理者などが所有する外部端末に通知する。これにより、ユーザーや管理者などは、駐車の際に電動パーキングブレーキをロックし忘れたことなどに気付くことができる。
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
<実施形態>
[構成]
図1は、本開示の一実施形態に係る車両用制御装置を含むシステムの概略構成を示す図である。図1に例示したシステム1は、車両10と、センタ100と、外部端末200と、を備える。車両10は、通信部20と、取得部30と、制御部40と、電動パーキングブレーキ(EPB)70と、を含む。通信部20、取得部30、制御部40、及び電動パーキングブレーキ(EPB)70は、CAN(Controller Area Network)などの車載ネットワークで通信可能に接続されている。通信部20、取得部30、及び制御部40が、本開示の一実施形態に係る車両用制御装置50を構成する。
【0012】
電動パーキングブレーキ(EPB)70は、電気モーターでパッドをディスクローターに押し付けてロックし、車両10の制動状態を保持するアクチュエータである。この制動状態の保持(ロック作動)及び解除(アンロック:ロック非作動)の切り替えは、図示しない制御装置によって制御される。
【0013】
通信部20は、車両10とセンタ100との間で行われる、情報や要求などの送信及び受信を制御する。本実施形態の通信部20は、センタ100に対する情報として、電動パーキングブレーキ(EPB)70の作動状態をセンタ100へ送信する。また、本実施形態の通信部20は、センタ100からの要求として、後述の外部端末200が送信してくる電動パーキングブレーキ(EPB)70の作動に関する要求(以下「EPB作動要求」という)をセンタ100から受信する。車両10とセンタ100との通信は、典型的には、外部のネットワークを経由して無線で行われる。この通信部20は、例えばデータ通信モジュール(DCM)とすることができる。
【0014】
取得部30は、車両10のイグニッションがオフされた時(IG-OFF時)の電動パーキングブレーキ(EPB)70の作動状態(ロック作動/ロック非作動)を取得する。この電動パーキングブレーキ(EPB)70の作動状態は、通信部20に出力される。また、取得部30は、シフトレンジがパーキングの位置に固定されてパーキングギアが作動しているパーキングロック(Pロック)状態になったことを取得することができる。このパーキングロック状態が取得された場合には、制御部40に伝えられる。
【0015】
制御部40は、通信部20がセンタ100から受信した外部端末200のEPB作動要求と取得部30が取得したパーキングロックの状態とに基づいて、電動パーキングブレーキ(EPB)70の制御装置(図示せず)を起動させ、電動パーキングブレーキ(EPB)70の作動状態を制御する。
【0016】
上述した通信部20、取得部30、及び制御部40の一部又は全部は、典型的にはプロセッサ、メモリ、及び入出力インタフェースなどを含んだ電子制御装置(ECU)として構成され得る。電子制御装置は、メモリに格納されたプログラムをプロセッサが読み出して実行することによって、上述した様々な制御を実施することができる。
【0017】
センタ100は、車両10の通信部20と通信可能であり、情報や要求などの送信及び受信を実行する。本実施形態のセンタ100は、車両10からの情報として、車両10の電動パーキングブレーキ(EPB)70の作動状態を通信部20から受信する。また、本実施形態のセンタ100は、車両10に対する要求として、外部端末200が送信してくるEPB作動要求を、外部端末200と紐付けられた車両10の通信部20へ送信する。さらに、センタ100は、外部端末200と通信可能であり、情報や要求などの通知(送信)及び受信を実行する。本実施形態のセンタ100は、外部端末200からの要求として、EPB作動要求を外部端末200から受信する。また、本実施形態のセンタ100は、外部端末200に対する情報として、外部端末200と紐付けられた車両10の電動パーキングブレーキ(EPB)70の作動状態を、外部端末200に通知(送信)する。センタ100と車両10との通信及びセンタ100と外部端末200との通信は、典型的には、外部のネットワークを経由して無線で行われる。
【0018】
外部端末200は、車両10のユーザーや管理者が所有するスマートフォンやパソコンなどの情報端末装置である。外部端末200は、センタ100と通信可能であり、情報や要求などの送信及び受信(通知)を実行する。本実施形態の外部端末200は、センタ100からの情報として、車両10の電動パーキングブレーキ(EPB)70の作動状態をセンタ100から受信する(通知を受ける)。また、本実施形態の外部端末200は、センタ100に対する要求として、EPB作動要求をセンタ100に送信する。さらに、外部端末200には、EPB作動要求に関わる専用のアプリケーションをインストールすることができ、ユーザーは、この専用のアプリケーションを通じて電動パーキングブレーキ(EPB)70の作動状態(ロック作動/ロック非作動)を指示することが可能である。専用のアプリケーションがインストールされている場合には、センタ100からの電動パーキングブレーキ(EPB)70の作動状態は、専用のアプリケーションに対して通知される。この外部端末200は、車両10に登録管理されることなどによって車両10と紐付けられる。車両10と紐付けられる外部端末200は、1つに限られず複数であっても構わない。
【0019】
[制御]
図2乃至図5をさらに参照して、本実施形態に係る車両用制御装置50を含むシステム1によって行われる制御を説明する。図2は、車両用制御装置50が実行する処理を説明するフローチャートである。図3は、センタ100が実行する処理を説明するフローチャートである。図4は、外部端末200が実行する処理を説明するフローチャートである。図5は、車両用制御装置50が実行する応用例に係る処理を説明するフローチャートである。
【0020】
(1)車両用制御装置の処理
図2に例示する車両用制御装置50の処理は、例えば、車両10のイグニッションがオフ(IG-OFF)されると開始される。
【0021】
(ステップS201)
車両用制御装置50の取得部30は、イグニッションがオフ時(IG-OFF時)の電動パーキングブレーキ(EPB)70の作動状態(以下「EPB作動状態」という)を取得する。このEPB作動状態は、電動パーキングブレーキ(EPB)70がロック作動している状態又はロック作動していない(アンロック)状態のいずれか一方である。EPB作動状態は、CAN信号を介して取得することができる。また、EPB作動状態は、通信部20に記憶されてもよい。EPB作動状態が取得されると、ステップS202に処理が進む。
【0022】
(ステップS202)
車両用制御装置50の通信部20は、取得部30が取得したEPB作動状態をセンタ100に送信する。この送信は、一度だけ行われてもよいし、所定の周期で繰り返し行われてもよい。繰り返して送信すれば、センタ100がEPB作動状態を受信できないといったことを抑制できる。EPB作動状態がセンタ100に送信されると、ステップS203に処理が進む。
【0023】
(ステップS203)
車両用制御装置50の通信部20は、EPB作動状態をセンタ100に送信した後、センタ100から外部端末200による電動パーキングブレーキ(EPB)70の作動に関する要求(以下「EPB作動要求」という)を受信したか否かを判断する。このEPB作動要求は、具体的には、電動パーキングブレーキ(EPB)70をロック作動させる要求(あるいは、電動パーキングブレーキ(EPB)70をアンロック作動させる要求)である。センタ100から外部端末200のEPB作動要求を受信した場合は(ステップS203、はい)、ステップS204に処理が進む。一方、センタ100から外部端末200のEPB作動要求を受信しない場合は(ステップS203、いいえ)、本車両用制御装置50の処理が終了する。
【0024】
(ステップS204)
車両用制御装置50の制御部40は、外部端末200のEPB作動要求に基づいて、EPB作動状態を制御する。この制御は、制御部40がEPB作動要求に応じたCAN信号を電動パーキングブレーキ(EPB)70を制御する所定の制御装置に向けて送信することで実施可能である。例えば、外部端末200のEPB作動要求が電動パーキングブレーキ(EPB)70をロック作動させる要求であれば、所定の制御装置を起動させ、かつ、電動パーキングブレーキ(EPB)70をロック作動させるCAN信号が車載ネットワークに送信される。外部端末200のEPB作動要求に基づいてEPB作動状態が制御されると、本車両用制御装置50の処理が終了する。
【0025】
(2)センタの処理
図3に例示するセンタ100の処理は、センタ100が稼働している期間中、繰り返し実行される。
【0026】
(ステップS301)
センタ100は、車両10(の通信部20)からEPB作動状態を受信したか否かを判断する。このEPB作動状態は、電動パーキングブレーキ(EPB)70がロック作動している状態又はロック作動していない(アンロック)状態のいずれかである。車両10からEPB作動状態を受信した場合は(ステップS301、はい)、ステップS302に処理が進む。一方、車両10からEPB作動状態を受信しない場合は(ステップS301、いいえ)、ステップS303に処理が進む。
【0027】
(ステップS302)
センタ100は、車両10から受信したEPB作動状態を外部端末200に通知(送信)する。この通知は、一度だけ行われてもよいし、所定の周期で繰り返し行われてもよい。繰り返して通知すれば、外部端末200がEPB作動状態を受信できないといったことを抑制できる。EPB作動状態が外部端末200に送信されると、ステップS303に処理が進む。
【0028】
(ステップS303)
センタ100は、外部端末200からEPB作動要求を受信したか否かを判断する。このEPB作動要求は、典型的には、停車時や駐車時などに電動パーキングブレーキ(EPB)70をロックし忘れたことへの対応となる、電動パーキングブレーキ(EPB)70をロック作動させる要求である。なお、ロック作動している電動パーキングブレーキ(EPB)70をアンロック作動させる要求であってもよい。外部端末200からEPB作動要求を受信した場合は(ステップS303、はい)、ステップS304に処理が進む。一方、外部端末200からEPB作動要求を受信しない場合は(ステップS303、いいえ)、ステップS301に処理が進む。
【0029】
(ステップS304)
センタ100は、外部端末200から受信したEPB作動要求を、車両10(の通信部20)に送信する。この送信は、一度だけ行われてもよいし、所定の周期で繰り返し行われてもよい。繰り返して送信すれば、車両10がEPB作動要求を受信できないといったことを抑制できる。EPB作動要求が車両10に送信されると、ステップS301に処理が進む。
【0030】
(3)外部端末の処理
図4に例示する外部端末200の処理は、外部端末200の電源が投入されている間、繰り返し実行される。
【0031】
(ステップS401)
外部端末200は、センタ100からEPB作動状態が通知されたか(EPB作動状態を受信したか)否かを判断する。このEPB作動状態は、電動パーキングブレーキ(EPB)70がロック作動している状態又はロック作動していない(アンロック)状態のいずれかである。センタ100からEPB作動状態が通知された場合は(ステップS401、はい)、ステップS402に処理が進む。一方、センタ100からEPB作動状態が通知されない場合は(ステップS401、いいえ)、ステップS401の処理を繰り返す。
【0032】
(ステップS402)
外部端末200は、センタ100から通知されたEPB作動状態に基づいて、電動パーキングブレーキ(EPB)70がロック作動の状態であるか否かを判断する。判断する電動パーキングブレーキ(EPB)70は、自己の外部端末200に紐付けられた車両10の電動パーキングブレーキ(EPB)70である。電動パーキングブレーキ(EPB)70がロック作動の状態である場合は(ステップS402、はい)、ステップS403に処理が進む。一方、電動パーキングブレーキ(EPB)70がロック作動の状態ではない(ロック非作動の状態である)場合は(ステップS402、いいえ)、ステップS401に処理が進む。
【0033】
(ステップS403)
外部端末200は、センタ100から通知されたEPB作動状態がロック作動の状態ではない(ロック非作動の状態である)場合、電動パーキングブレーキ(EPB)70をロック作動させるかどうかを判断する。この判断は、例えば、電動パーキングブレーキ(EPB)70がロック作動の状態ではないことを専用のアプリケーションを通じて知り得たユーザーなどが行うことができる。電動パーキングブレーキ(EPB)70をロック作動させる場合は(ステップS403、はい)、ステップS404に処理が進む。一方、電動パーキングブレーキ(EPB)70をロック作動させない場合は(ステップS403、いいえ)、ステップS401に処理が進む。
【0034】
(ステップS404)
外部端末200は、電動パーキングブレーキ(EPB)70をロック作動させる要求(EPB作動要求)をセンタ100に送信する。この送信は、例えば、専用のアプリケーションを通じてユーザーなどが指示することによって行うことができる。この送信は、一度だけ行われてもよいし、所定の周期で繰り返し行われてもよい。繰り返して送信すれば、センタ100がEPB作動要求を受信できないといったことを抑制できる。電動パーキングブレーキ(EPB)70をロック作動させるEPB作動要求がセンタ100に送信されると、ステップS401に処理が進む。
【0035】
上述した車両用制御装置50、センタ100、及び外部端末200による連携した処理によって、車両10のユーザーや管理者などは、停車や駐車の際に電動パーキングブレーキ(EPB)70をロックし忘れたことなどを容易に気付くことができる。また、車両10のユーザーや管理者などは、停車や駐車の際に電動パーキングブレーキ(EPB)70をロックし忘れたことなどに気付けば、センタ100を介した遠隔操作によって電動パーキングブレーキ(EPB)70をロック作動させることができる。
【0036】
(4)車両用制御装置の処理の応用例
図5に例示する応用例に係る車両用制御装置50の処理は、例えば、車両10のイグニッションがオフ(IG-OFF)されると開始される。
【0037】
(ステップS501)
車両用制御装置50の取得部30は、IG-OFF時のEPB作動状態を取得する。このEPB作動状態は、電動パーキングブレーキ(EPB)70がロック作動している状態又はロック作動していない(アンロック)状態のいずれか一方である。EPB作動状態は、CAN信号を介して取得することができる。また、EPB作動状態は、通信部20に記憶されてもよい。EPB作動状態が取得されると、ステップS502に処理が進む。
【0038】
(ステップS502)
車両用制御装置50の制御部40は、取得部30が取得したEPB作動状態に基づいて、電動パーキングブレーキ(EPB)70がロック作動の状態であるか否かを判断する。電動パーキングブレーキ(EPB)70がロック作動の状態である場合は(ステップS502、はい)、本応用例に係る車両用制御装置50の処理が終了する。一方、電動パーキングブレーキ(EPB)70がロック作動の状態ではない(ロック非作動の状態である)場合は(ステップS502、いいえ)、ステップS503に処理が進む。
【0039】
(ステップS503)
車両用制御装置50の通信部20は、取得部30が取得したEPB作動状態をセンタ100に送信する。この送信は、一度だけ行われてもよいし、所定の周期で繰り返し行われてもよい。繰り返して送信すれば、センタ100がEPB作動状態を受信できないといったことを抑制できる。EPB作動状態がセンタ100に送信されると、ステップS504に処理が進む。
【0040】
(ステップS504)
車両用制御装置50の通信部20は、EPB作動状態をセンタ100に送信した後、センタ100から外部端末200による電動パーキングブレーキ(EPB)70をロック作動させるEPB作動要求を受信したか否かを判断する。センタ100から外部端末200の電動パーキングブレーキ(EPB)70をロック作動させるEPB作動要求を受信した場合は(ステップS504、はい)、ステップS505に処理が進む。一方、センタ100から外部端末200の電動パーキングブレーキ(EPB)70をロック作動させるEPB作動要求を受信しない場合は(ステップS504、いいえ)、本応用例に係る車両用制御装置50の処理が終了する。
【0041】
(ステップS505)
車両用制御装置50の制御部40は、シフトレンジがパーキングの位置に固定されてパーキングギアが作動しているか否かを判断する。すなわち、この判断によって、車両10が動き出しにくい状態にあるかどうかが確認される。パーキングギアが作動している場合は(ステップS505、はい)、本応用例に係る車両用制御装置50の処理が終了する。一方、パーキングギアが作動していない場合は(ステップS505、いいえ)、ステップS506に処理が進む。
【0042】
(ステップS506)
車両用制御装置50の制御部40は、外部端末200からの電動パーキングブレーキ(EPB)70をロック作動させるEPB作動要求に基づいて、電動パーキングブレーキ(EPB)70をロック作動させる。例えば、制御部40が電動パーキングブレーキ(EPB)70をロック作動させるCAN信号を電動パーキングブレーキ(EPB)70を制御する所定の制御装置に向けてネットワーク送信することで実施可能である。外部端末200のEPB作動要求に基づいて電動パーキングブレーキ(EPB)70がロック作動されると、本応用例に係る車両用制御装置50の処理が終了する。
【0043】
上述した応用例に係る車両用制御装置50の処理によって、電動パーキングブレーキ(EPB)70がロック作動していない状態であっても、パーキングギアが作動している車両10が動き出し難いPロック状態である場合には、センタ100を経由してEPB作動状態を外部端末200に通知しないので、ユーザーに対する通知の煩わしさを抑制することができる。
【0044】
<作用・効果>
以上のように、本開示の一実施形態に係る車両用制御装置50によれば、車両10のイグニッションがオフの時(IG-OFF時)の電動パーキングブレーキ(EPB)70の作動状態を、センタ100を経由して、車両10に紐付けられた外部端末200に通知する。これにより、外部端末200を所持するユーザーや管理者などは、停車時や駐車時などに電動パーキングブレーキ(EPB)70をロックすることを忘れた時など、車両10の電動パーキングブレーキ(EPB)70の不適切な作動状態を容易に気付くことができる。よって、ユーザーや管理者などに安心感を与えることができる。
【0045】
また、本実施形態に係る車両用制御装置50によれば、車両10のユーザーや管理者などは、外部端末200から車両10に対して、センタ100を経由して、電動パーキングブレーキ(EPB)70の作動状態を要求することができる。これにより、ユーザーや管理者などが車両10から離れた位置に居ても、不適切な作動状態であった電動パーキングブレーキ(EPB)70のロック/アンロックの状態を、適切な作動状態に遠隔制御することが可能となる。よって、ユーザーや管理者などの利便性が向上する。
【0046】
また、本実施形態に係る車両用制御装置50によれば、例えば、停車中や駐車中の車両10の電動パーキングブレーキ(EPB)70がロック非作動の状態であっても、パーキングギアが作動しているパーキングロック(Pロック)状態である場合には、センタ100を経由して電動パーキングブレーキ(EPB)70の作動状態を外部端末200に通知しない。これにより、停車中や駐車中の車両10が動き出し難い状態である場合にも、電動パーキングブレーキ(EPB)70の作動状態がユーザーや管理者などに通知されるといった煩わしさを抑制することができる。
【0047】
なお、車両10が動き出し難い状態であることを判断する要因として、パーキングギアの作動状態以外にも、車両10が停車又は駐車している場所の路面の状況(勾配、水濡れなど)や車両10の積載重量などの情報を用いてもよい。
【0048】
以上、本開示技術の一実施形態を説明したが、本開示は、車両に搭載される制御装置だけでなく、制御装置を含むシステム、プロセッサとメモリを備えた制御装置が実行する方法、プログラム、プログラムを記憶したコンピューター読み取り可能な非一時的な記憶媒体、あるいは制御装置を備えた車両など、として捉えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本開示の制御装置は、車両に装備される電動パーキングブレーキの制御装置として利用可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 システム
10 車両
20 通信部
30 取得部
40 制御部
50 車両用制御装置
70 電動パーキングブレーキ(EPB)
100 センタ
200 外部端末
図1
図2
図3
図4
図5