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  • 特許-情報提供装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】情報提供装置
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20241203BHJP
   B60L 15/20 20060101ALI20241203BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20241203BHJP
   B60L 53/10 20190101ALI20241203BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20241203BHJP
   G08G 1/0969 20060101ALI20241203BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20241203BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20241203BHJP
   G16Y 40/60 20200101ALI20241203BHJP
【FI】
G01C21/34
B60L15/20 J
B60L50/60
B60L53/10
B60L58/12
G08G1/0969
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/60
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021163717
(22)【出願日】2021-10-04
(65)【公開番号】P2023054705
(43)【公開日】2023-04-14
【審査請求日】2024-03-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横山 大樹
(72)【発明者】
【氏名】坂柳 佳宏
(72)【発明者】
【氏名】杉山 緑
(72)【発明者】
【氏名】金子 智洋
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 洋孝
【審査官】櫻田 正紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-016198(JP,A)
【文献】特開2012-047670(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
B60L 1/00 - 58/40
G01C 21/34
G16Y 10/40
G16Y 20/20
G16Y 40/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行中および停車中に外部電源から供給される電力を充電可能な車両について、前記車両に関する情報を前記車両の搭乗者に提供する情報提供装置あって、
前記車両が荷物を運搬している場合に、荷物への振動入力を抑えた状態で前記車両が走行する必要がある第1運搬状態である場合には、前記第1運搬状態でない場合に比べて走行中給電レーンを走行する距離が長くなる走行ルートを前記車両の搭乗者に報知し、
前記走行中給電レーンは、前記車両が走行する路面の上に非接触式の給電装置が設置され、前記給電装置の上を前記車両が通過する際に前記給電装置から前記車両へと非接触で電力を供給することが可能なレーンであり、
前記第1運搬状態である場合の前記走行ルートは、走行中に前記外部電源から給電を受ける距離を長くして、停車中に前記外部電源から給電を受ける機会を減らす走行ルートである
ことを特徴とする情報提供装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両に搭載された電池の充電に関する情報をユーザに報知する情報提供装置について、ユーザにより設定された時刻と充電量とに基づいて充電スケジュールを決定し、その充電スケジュールをユーザに報知することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-140193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、外部電源から供給される電力を電池に蓄えることが可能な車両では、走行中や停車中に、接触給電や非接触給電による充電を行うことが想定される。また、その車両が荷物を運搬することが想定される。この場合、車両の搭乗者には、充電に関する情報とともに、運搬中の荷物に応じた情報が提供されることが望まれる。
【0005】
さらに、車両に積まれた荷物が精密機械などの振動に対して敏感な荷物である場合や、車両が多くの荷物を積んでいる場合などには、運搬時に生じる振動が荷物に影響を及ぼさないように走行することが望まれる。そのような中、運搬中に給電による停車が多いと、停車のたびに車両の加減速が発生することになり、加減速による振動の発生頻度を高めてしまう。この場合、運搬中の荷物に加減速による振動の影響を与えてしまう虞がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、外部電源から供給される電力を充電可能な車両が荷物を運搬する際、外部電源からの給電を受けつつ、荷物への振動入力が抑えられた状態で走行することを可能にする情報提供装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、走行中および停車中に外部電源から供給される電力を充電可能な車両について、前記車両に関する情報を前記車両の搭乗者に提供する情報提供装置あって、前記車両が荷物を運搬している場合に、荷物への振動入力を抑えた状態で前記車両が走行する必要がある第1運搬状態である場合には、前記第1運搬状態でない場合に比べて、走行中に前記外部電源からの給電を受ける割合が大きくなる走行ルートを前記車両の搭乗者に報知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、車両が荷物を運搬中、荷物への振動入力を抑えた状態で走行する必要がある場合には、そうでない場合に比べて、走行中に外部電源からの給電を受ける割合が大きくなる走行ルートを車両の搭乗者に報知することができる。これより、その荷物を運搬中に給電のために車両が停車する機会が減る。そのため、停車のたびに生じる加減速の発生頻度が減り、荷物に振動が入力される場面を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態における情報提供装置を含むシステム構成を模式的に示す図である。
図2図2は、車両とサーバとの構成を示すブロック図である。
図3図3は、車両での制御を示すフローチャート図である。
図4図4は、サーバでの制御を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態における情報提供装置について具体的に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
【0011】
図1は、実施形態における情報提供装置を含むシステム構成を模式的に示す図である。情報提供システム1は、車両2の搭乗者に各種情報を提供するように構成されたシステムである。この情報提供システム1では、車両2とサーバ3との間で通信可能に構成され、車両2からの情報提供要求に応じてサーバ3から車両2に走行ルートに関する情報を提供する。
【0012】
車両2は、外部電源から供給される電力をバッテリに充電可能な電動車両である。また、車両2は、外部電源から供給させる電力を受ける際、接触給電と非接触給電との両方の方式により受電することが可能である。さらに、車両2は、走行中と停車中とに、外部電源からの電力供給(給電)を受けることが可能である。つまり、車両2は、走行中には非接触給電による充電が可能であり、かつ停車中には給電方式は接触給電であるか、あるいは非接触給電であるかを問わず、外部電源から供給される電力を充電することが可能である。例えば、非接触給電を行う場合として、車両2が走行する路面上に給電装置が配置され、給電装置の上を車両2が通過または停車する際に、給電装置から車両2へと非接触で電力を供給することが可能である。
【0013】
また、車両2は荷物4を運搬する車両である。例えば、車両2の搭乗者(運転者)は荷物4の目的地情報に応じて荷物4を所定の地点まで運搬する。その際、車両2は荷物4を載せたまま給電を行うことが想定される。この場合、停車中に給電を行う場合には、車両2の加減速による振動が荷物4に入力されることが想定される。荷物4は、振動に弱い精密機械を含む場合や、その量が多い場合などには、運搬中に生じる振動が荷物4に入力されることを抑制することが望ましい。そこで、本実施形態の情報提供装置では、荷物4を運搬中の車両2について、外部電源からの給電を受けつつ、荷物4への振動入力が抑えられた状態で走行することを可能にする情報を、車両2の搭乗者に提供するように構成されている。
【0014】
一例として、図1に示すように、二台の車両2A,2Bについて、一方の車両2Aは荷物4が少ない車両または振動に弱い精密機器を運んでいない車両であり、他方の車両2Bは荷物4が多い車両または振動に弱い精密機器を運んでいる車両である場合を想定する。情報提供システム1では、車両2とサーバ3との間の通信により、サーバ3が走行ルートを決定し、そのルート情報を車両2の搭乗者に報知する。その際、情報提供システム1は、荷物4が多い車両2Bの走行ルートについては、給電効率よりも停車を減らして荷物4の振動入力を小さくすることを優先して、停車中の給電の割合が小さく、かつ走行中の給電の割合が大きくなる走行計画を立てる。一方、荷物4が少ない車両2Aの走行ルートについては、給電効率を重視して、停車中の給電の割合が大きい走行計画が立てられる。
【0015】
図2は、車両とサーバとの構成を示すブロック図である。
【0016】
車両2は、通信部21と、GPS受信機22と、制御部23と、報知部24と、を備える。
【0017】
通信部21は、サーバ3との間で無線通信を行う。通信部21は、サーバ3から送信された信号を受信するとともに、車両2からの信号をサーバ3へ送信する。この通信部21は他の機器と無線通信するための無線端末により構成されている。
【0018】
GPS受信機22は、衛星測位システムに準拠して車両2の自己位置を測位するための受信機である。このGPS受信機22は車両2の現在位置を検出する。GPS受信機22により検出された車両2の現在位置を示す情報がGPS受信機22から制御部23に出力される。これにより、制御部23は車両2の現在位置情報を取得することができる。
【0019】
制御部23は、車両2を制御する電子制御装置である。この電子制御装置は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェースを備えたマイクロコンピュータを含んで構成されている。つまり、制御部23はROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う。そして、制御部23は、車両2を制御するための各種制御を実行する。
【0020】
例えば、制御部23は、受電部による外部充電を制御する外部充電制御を実行する。受電部は、外部電源から受電した電力をバッテリに充電する充電器として機能する。この受電部は、給電装置から供給される電力を非接触で受電する受電コイルと、充電ケーブルが接続されて給電装置から供給される電力を接触で受電する充電ポートと、を含んで構成されている。外部充電制御では、制御部23からの制御信号が受電部に出力され、受電部を外部からの供給電力を受電可能な状態に制御する。さらに、バッテリは放電および蓄電が可能な二次電池であり、例えばリチウムイオン電池やニッケル水素電池などにより構成される。なお、送電コイルと受電コイルとを含む非接触給電システムは、磁界共鳴方式と電磁誘導方式とのうちのどちらであってもよい。
【0021】
また、制御部23は、荷物検知部23aと、ルート作成依頼部23bと、報知制御部23cと、を備える。
【0022】
荷物検知部23aは、車両2に積まれている荷物4を検知する。この荷物検知部23aは、荷物4の種類とその量を判別することにより、運搬中の荷物4のなかに精密機器が含まれているか否かを判定できるとともに、荷物4の量が所定量よりも多いか否かを判定できる。この所定量は予め設定された値である。例えば、荷物4にはICタグが付けられており、車両2はRFIDリーダを備えている。そのため、車両2はICタグの情報を取得することにより、運搬中の荷物4のなかに精密機器が含まれていることを把握することができる。車両2では、荷物検知部23aにより荷物4を検知することにより、現在積まれている荷物4の情報を取得する。
【0023】
ルート作成依頼部23bは、サーバ3に走行ルートの作成を依頼する。このルート作成依頼部23bは、荷物検知部23aにより取得された荷物情報に基づいて、車両2の走行ルートの作成依頼を行う。
【0024】
例えば、ルート作成依頼部23bは、作成依頼信号を生成し、その作成依頼信号をサーバ3に送信する。作成依頼信号は、出発地の情報と、目的地の情報と、荷物情報とを含む。出発地の情報は、GPS受信機22により取得した現在位置を示す情報に基づいて設定可能である。目的地の情報は、車両2の搭乗者がカーナビゲーション装置などに目的地を入力することにより設定可能である。荷物情報は、荷物4の量が多いことを示す荷物情報や、荷物4のなかに精密機器が含まれていることを示す荷物情報を含む。このルート作成依頼部23bは、出発地、目的地、荷物情報を含む作成依頼信号を生成して、その信号をサーバ3に送信する。
【0025】
報知制御部23cは、サーバ3から受信した情報を報知する報知制御を実行する。この報知制御部23cは、報知部24を制御して、サーバ3から受信した情報を車両2の搭乗者に報知する。
【0026】
報知部24は、車両2の搭乗者に情報を報知する装置である。例えば、報知部24は、カーナビケーション装置により構成されている。この場合、報知部24は、各種情報を表示する出力装置であるとともに、車両2の搭乗者からの情報入力を受け付ける入力装置として機能する。そのため、カーナビゲーション装置により構成された報知部24を車両2の搭乗者が操作することにより、目的地を設定することが可能である。
【0027】
サーバ3は、通信部31と、制御部32と、記憶部33と、を備える。
【0028】
通信部31は、車両2との間で無線通信を行う。通信部31は、車両2から送信された信号を受信するとともに、サーバ3から車両2へと信号を送信する。この通信部31は、車両2からの作成依頼信号を受信する。
【0029】
制御部32は、サーバ3を制御する電子制御装置である。この電子制御装置は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェースを備えたマイクロコンピュータを含んで構成されている。つまり、制御部32はROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う。そして、制御部32は、通信部31から入力された信号に基づいて各種制御を実行する。また、制御部32は、ルート作成部32aを備える。
【0030】
ルート作成部32aは、車両2の走行ルートを作成する。ルート作成部32aは、車両2から受信した作成依頼信号に含まれる情報と、記憶部33に格納された地図情報とに基づいて、その車両2の走行ルートを作成する。作成依頼信号には、出発地の情報、目的地の情報、荷物情報が含まれている。ルート作成部32aは、荷物情報に、荷物4の量が多いことを示す情報や、荷物4のなかに精密機器が含まれていることを示す情報が含まれているか否かを判定する。
【0031】
荷物4の量が多いことを示す荷物情報や、荷物4のなかに精密機器が含まれていることを示す荷物情報が含まれている場合、ルート作成部32aは、走行中の給電の割合が大きい走行ルートを作成する。例えば、走行中給電レーンの距離が長い走行ルートを作成する。これにより、その走行ルートを走行する車両2は、走行中給電レーンを走行する距離が長くなる。走行中給電レーンは、路面の上に非接触式の給電装置を設置し、例えば数キロ単位の長さで形成されることが可能である。車両2は、走行中給電レーンを低速で走行することにより非接触給電が可能である。
【0032】
記憶部33は、各種制御に用いることが可能な情報を格納している。この記憶部33は、地図情報データベース33aを含んで構成されている。
【0033】
地図情報データベース33aは、走行中に給電可能な非接触式の給電レーンの情報と、停車中に給電可能が可能な充電スタンドなどの接触充電地点の情報とを含む地図情報を格納するデータベースである。ルート作成部32aにより走行ルートを作成する際に、地図情報データベース33aの地図情報が参照される。
【0034】
このように構成された情報提供システム1では、車両2が運搬する荷物4の種類に応じて、停車中の給電割合と走行中の給電割合とを変化させた走行ルートを作成し、その情報をサーバ3から車両2に提供することが可能である。
【0035】
図3は、車両での制御を示すフローチャート図である。図3に示す制御は、車両2の制御部23により繰り返し実施される。
【0036】
車両2の制御部23は、目的地の情報が入力されたか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1では、カーナビゲーション装置などに目的地の情報が入力されたか否かが判定される。報知部24がカーナビゲーション装置により構成されている場合には、報知部24に目的地の情報が入力されたか否かが判定される。
【0037】
目的地の情報が入力されていないと判定された場合(ステップS1:No)、この制御ルーチンは終了する。
【0038】
目的地の情報が入力されたと判定された場合(ステップS1:Yes)、制御部23は、車両2が積んでいる荷物4の情報を取得する(ステップS2)。ステップS2では、荷物検知部23aにより検知した荷物4に関する情報(荷物情報)を制御部23が取得する。
【0039】
そして、制御部23は、サーバ3に走行ルートの作成を依頼する(ステップS3)。ステップS3では、ルート作成依頼部23bにより走行ルートの作成依頼を示す作成依頼信号が生成されるとともに、その作成依頼信号が車両2からサーバ3に送信される。この依頼信号には、出発地の情報、目的地の情報、荷物情報などが含まれる。
【0040】
制御部23は、サーバ3からのルート情報を受信したか否かを判定する(ステップS4)。ステップS4では、通信部21がサーバ3からのルート情報を受信したか否かが判定される。
【0041】
サーバ3からのルート情報を受信していないと判定された場合(ステップS4:No)、この制御ルーチンはステップS4にリターンする。
【0042】
サーバ3からのルート情報を受信したと判定された場合(ステップS4:Yes)、制御部23は、ルート情報に基づいた走行ルートを報知部24に表示する(ステップS5)。ステップS5では、カーナビゲーション装置により構成された報知部24に、ルート情報に基づいた走行ルートが表示される。これにより、車両2の搭乗者にルート情報を報知することになる。ステップS5の処理を実施すると、この制御ルーチンは終了する。
【0043】
図4は、サーバでの制御を示すフローチャート図である。なお、図4に示す制御は、サーバ3の制御部32により繰り返し実施される。
【0044】
サーバ3の制御部32は、車両2からのルート作成依頼を示す作成依頼信号を受信したか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11では、通信部31が作成依頼信号を受信したか否かが判定される。
【0045】
作成依頼信号を受信しない場合(ステップS11:No)、この制御ルーチンは終了する。
【0046】
作成依頼信号を受信した場合(ステップS11:Yes)、制御部32は、車両2が振動に弱い荷物4を積んでいるか否かを判定する(ステップS12)。ステップS12では、作成依頼信号に含まれている荷物情報に基づいて、その車両2が振動に弱い荷物4を積んでいるか否かが判定される。振動に弱い荷物4を積んでいる場合とは、荷物情報に、荷物4の量が多いことを示す情報や、荷物4のなかに精密機器が含まれていることを示す情報が含まれている場合のことである。この判定処理は、ルート作成部32aにより実施される。
【0047】
振動に弱い荷物4を積んでいると判定された場合(ステップS12:Yes)、制御部32は、走行中給電レーンの割合が大きくなるように走行ルートを作成する(ステップS13)。ステップS13では、作成依頼信号に含まれている出発地および目的地の情報と、地図情報データベース33aに格納された地図情報とに基づいて、走行中給電レーンを走行する距離が長くなる走行ルートが作成される。
【0048】
一方、振動に弱い荷物4を積んでいないと判定された場合(ステップS12:No)、制御部32は、停車中の給電の割合が大きくなるように走行ルートを作成する(ステップS14)。ステップS14では、給電効率が優先され、停車中の給電が多くなる走行ルートが作成される。この場合、作成依頼信号に含まれている出発地および目的地の情報と、地図情報データベース33aに格納された地図情報とに基づいて、停車中の給電の割合が大きくなる走行ルートが作成される。この走行ルートには、走行中給電レーンを含まなくてもよく、あるいは走行中給電レーンを含んでもよい。停車中は、接触給電により充電するため、非接触給電よりも給電効率が高くなることが期待される。また、非接触給電の場合には、走行中では給電装置に対する受電部の位置がずれる可能性があるが、停車中では給電装置に対する受電部の位置がずれることを抑制できるため、停車中は走行中よりも非接触給電の給電効率が高くなることが期待される。
【0049】
ステップS13,S14のいずれかの処理が実施されると、サーバ3は、ルート情報を車両2に送信する(ステップS15)。ステップS15では、ステップS13またはステップS14の処理で作成された走行ルートに関するルート情報が車両2に送信される。このステップS15の処理を実施すると、この制御ルーチンは終了する。
【0050】
このように構成された情報提供システム1では、サーバ3が車両2にルート情報を提供する情報提供装置として機能する。また、車両2の車載装置が搭乗者にルート情報を提供する情報提供装置として機能する。すなわち、情報提供装置は、サーバ3を含んで構成されるものであり、車両2を介して搭乗者にルート情報を提供することができる。
【0051】
以上説明した通り、実施形態によれば、車両2が荷物4を運搬中、荷物4への振動入力を抑えた状態で走行する必要がある場合には、そうでない場合に比べて、走行中に外部電源からの給電を受ける割合が大きくなる走行ルートを車両2の搭乗者に報知することができる。これにより、その荷物4を運搬中に給電のために車両2が停車する機会が減る。そのため、停車のたびに生じる加減速の発生頻度が減り、荷物4に振動が入力される場面を減らすことができる。
【0052】
なお、車両2は、ハイブリッド車両であってもよく、電動自動車であってもよい。
【0053】
また、振動に弱い荷物4を積んでいる状態とは、荷物4の種類や、荷物4の量に限定されない。例えば、荷物4の中身、荷物4の量、荷物4の大きさ、荷物4の重さなどの、性質を示す情報に基づいて、振動に弱い荷物4を積んでいる状態と表現することが可能である。
【0054】
また、報知部24は、カーナビゲーション装置に限定されない。例えば、車両2に設けられたヒューマン・マシン・インターフェース(HMI:Human Machine Interface)を介して視覚的または聴覚的に搭乗者にルート情報を報知することが可能である。HMIは、搭乗者と車両2との間で情報の入出力を行うためのインターフェースである。
【0055】
また、車両2は自動運転が可能な車両であってもよい。この場合、サーバ3が車両2にルート情報を提供することにより、車両2の制御部23は、受信したルート情報に基づいて自動運転を行うことが可能である。
【0056】
また、荷物4は車両2に積載される場合に限らず、車両2が荷物4を牽引する場合を含んでもよい。例えば、荷物4が新幹線などの電車である場合には、車両2は電車を牽引して道路を走行する場合が装置される。このような場合に車両2が低速で走行しつつ走行中の給電を実施することが可能になる。
【0057】
また、車両2とサーバ3とは、公衆回線などのネットワークを介して通信してもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 情報提供システム
2 車両
3 サーバ
4 荷物
21 通信部
22 GPS受信機
23 制御部
23a 荷物検知部
23b ルート作成依頼部
23c 報知制御部
24 報知部
31 通信部
32 制御部
32a ルート作成部
33 記憶部
33a 地図情報データベース
図1
図2
図3
図4