(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】包装体
(51)【国際特許分類】
B65D 85/672 20060101AFI20241203BHJP
B65D 65/40 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
B65D85/672
B65D65/40 D
(21)【出願番号】P 2021173931
(22)【出願日】2021-10-25
【審査請求日】2023-12-20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 展示会名:2021東京国際包装展 開催場所:東京ビッグサイト(東京都江東区有明3丁目11-1) 開催年月日:令和3年2月24日~令和3年2月26日 販売年月日:令和3年5月20日 販売した場所:オンラインショップ(URL:https://shop.e-nepia.com/shop/default.aspx) 掲載年月日:令和3年5月20日 掲載アドレス:https://e-nepia.com/news/dtl.php?nm_id=124 販売年月日:令和3年6月7日 販売した場所:セイコーマート円山北5条店(札幌市中央区北5条西28丁目1番12号) 販売年月日:令和3年6月7日 販売した場所:セイコーマート北5条通り店(札幌市中央区北4条西22丁目) 販売年月日:令和3年6月7日 販売した場所:セイコーマート円山公園店(札幌市中央区大通西26丁目1-3) 他87店舗 掲載年月日:令和3年6月4日 掲載アドレス:https://secoma.co.jp/release/index.html 販売年月日:令和3年8月13日 販売した場所:オンラインショップ(URL:https://lohaco.yahoo.co.jp/) 販売年月日:令和3年10月2日 販売した場所:ライフ船堀店(東京都江戸川区船堀7-20-22)
(73)【特許権者】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 遥絵
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2007/139118(WO,A1)
【文献】特開2014-201323(JP,A)
【文献】特開2010-006442(JP,A)
【文献】特開昭54-143391(JP,A)
【文献】特開2002-166966(JP,A)
【文献】特開2023-061025(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/67-85/677
B65D 65/40-65/46
B65D 67/00-79/02
B65B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個のロール状衛生薄葉紙または衛生薄葉紙積層体を一纏めにして包装紙にて包装した包装体であって、前記包装紙の外面の一部に底面シール用ヒートシール層を有し、当該底面シール用ヒートシール層によって底面の少なくとも一部を被覆し、
周面には、のり代
、底面と周面との間の角部、天面と周面との間の角部以外にヒートシール層が設けられないことを特徴とする包装体。
【請求項2】
前記底面シール用ヒートシール層によって、前記底面をその全域に亘って被覆したことを特徴とする請求項1に記載の包装体。
【請求項3】
前記底面シール用ヒートシール層によって、前記底面と周面との間の角部をその周方向全域に亘って被覆したことを特徴とする請求項2に記載の包装体。
【請求項4】
前記包装紙の外面の一部に天面シール用ヒートシール層を有し、当該天面シール用ヒートシール層によって天面の少なくとも一部を被覆したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の包装体。
【請求項5】
前記天面シール用ヒートシール層によって、前記天面をその全域に亘って被覆したことを特徴とする請求項4に記載の包装体。
【請求項6】
前記天面シール用ヒートシール層によって、前記天面と周面との間の角部をその周方向全域に亘って被覆したことを特徴とする請求項5に記載の包装体。
【請求項7】
前記包装紙の坪量が30g/m
2~65g/m
2であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール状の衛生薄葉紙または衛生薄葉紙の積層体を紙材にて包装した包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トイレットペーパー、キッチンペーパー等の衛生薄葉紙をロール状にしたもの(以下、「ロール状の衛生薄葉紙」や「衛生薄葉紙のロール体」とも言う)や、ティシュペーパー、ワイパー等の衛生薄葉紙の積層体を一纏めにしてフィルムで包装した包装体が知られており、そのような包装体が、例えば、特許文献1および特許文献2に記載されている。
【0003】
ところで、近年、世界的にプラスチックゴミ問題が深刻化しており、地球環境の改善のため、包装の素材をプラスチックから他の素材に替えることが望まれている。そして、衛生薄葉紙のロール体や積層体を一纏めにして包装した包装体においても、包装の素材をプラスチックから紙材に替えることが、例えば、特許文献3および特許文献4において提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-269010号公報
【文献】特開2016-188092号公報
【文献】特開2021-054436号公報
【文献】特開2021-070501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、単に、包装の素材をプラスチックから紙に替えただけでは、包装体の運搬時等に包装体の底面が擦れて不用意に破れたり、包装体を床に置いて保管したとき等に床に付着していた水等が包装体の底面から浸透して収容物を汚したりするという虞がある。そのため、包装体の底面の耐摩耗性や防水性の観点から、包装体の構造には依然として改良の余地がある。
【0006】
本発明は、衛生薄葉紙のロール体または積層体を一纏めにして紙材にて包装した包装体において、底面の耐摩耗性および防水性を低コストかつ簡単に向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による包装体は、複数個のロール状衛生薄葉紙または衛生薄葉紙積層体を一纏めにして包装紙にて包装した包装体であって、前記包装紙の外面の一部に底面シール用ヒートシール層を有し、当該底面シール用ヒートシール層によって底面の少なくとも一部を被覆したことを特徴とするものである。
【0008】
この構成により、底面シール用ヒートシール層によって、底面の少なくとも一部を被覆したので、底面シール用ヒートシール層が底面の耐摩耗性向上および防水性向上に効果的に寄与し、底面の耐摩耗性および防水性を低コストかつ簡単に向上することができる。
【0009】
また、本発明による包装体は、前記底面シール用ヒートシール層によって、前記底面をその全域に亘って被覆したことを特徴とするものである。
【0010】
この構成により、底面シール用ヒートシール層によって、底面の全域を被覆したので、底面シール用ヒートシール層が底面の耐摩耗性向上および防水性向上により効果的に寄与し、底面の耐摩耗性および防水性を低コストかつ簡単により向上することができる。
【0011】
さらに、本発明による包装体は、前記底面シール用ヒートシール層によって、前記底面と周面との間の角部をその周方向全域に亘って被覆したことを特徴とするものである。
【0012】
この構成により、底面シール用ヒートシール層によって、底面と周面との間の角部をその周方向全域に亘って被覆したので、比較的破れやすい底面と周面との間の角部をヒートシール層によって低コストかつ簡単に補強することができる。
【0013】
加えて、本発明による包装体は、前記包装紙の外面の一部に天面シール用ヒートシール層を有し、当該天面シール用ヒートシール層によって天面の少なくとも一部を被覆したことを特徴とするものである。
【0014】
この構成により、天面シール用ヒートシール層によって、天面の少なくとも一部を被覆したので、天面シール用のヒートシール層が天面の耐摩耗性向上および防水性向上に寄与し、天面の耐摩耗性および防水性についても低コストかつ簡単に向上することができる。この場合、特には、複数の包装体を積重して保管するとき等に効果的である。
【0015】
本発明による包装体は、前記天面シール用ヒートシール層によって、前記天面をその全域に亘って被覆したことを特徴とするものである。
【0016】
この構成により、天面シール用ヒートシール層によって、天面の全域を被覆したので、天面シール用ヒートシール層が天面の耐摩耗性向上および防水性向上により効果的に寄与し、天面の耐摩耗性および防水性についても低コストかつ簡単により向上することができる。
【0017】
本発明による包装体は、前記天面シール用ヒートシール層によって、前記天面と周面との間の角部をその周方向全域に亘って被覆したことを特徴とするものである。
【0018】
この構成により、天面シール用ヒートシール層によって、天面と周面との間の角部をその周方向全域に亘って被覆したので、比較的破れやすい天面と周面との間の角部についても天面シール用ヒートシール層によって低コストかつ簡単に補強することができる。
【0019】
本発明による包装体は、前記包装紙の坪量が30g/m2~65g/m2であることを特徴とするものである。
【0020】
この構成により、包装紙が破れ難く、かつ良好な耐水性が得られ、しかも底面や天面のシール強度を向上することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、底面シール用ヒートシール層によって、包装体の底面の少なくとも一部を被覆したので、底面シール用ヒートシール層が包装体の底面の耐摩耗性向上および防水性向上に効果的に寄与し、包装体の底面の耐摩耗性および防水性を低コストかつ簡単に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態に係る複数のロール状衛生薄葉紙をキャラメル包装した包装体の全体斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る包装体の底面の平面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る包装体の包装袋について、当該包装体の上下のヒートシールおよびのり代のヒートシールの接着を剥がして展開し包装紙外面側から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明による包装体の形態について、
図1-
図3を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明は本形態の態様に限定されるものではない。
【0024】
本発明に係る衛生薄葉紙は、上述したように、トイレットペーパー、キッチンペーパー、ティシュペーパー、ワイパー等を含み、本明細書および特許請求の範囲の記載において、「ロール状衛生薄葉紙」は、トイレットペーパー、キッチンペーパー等の衛生薄葉紙をロール状にしたものであり、「衛生薄葉紙積層体」は、ティシュペーパー、ワイパー等の衛生薄葉紙を折り畳んで積層したものである。以下、本実施形態では、ロール状衛生薄葉紙を紙材の包装袋(以下「包装紙」とも言う)によってキャラメル包装した形態について説明する。
【0025】
また、本明細書および特許請求の範囲の記載において、「天面」および「底面」とは、ロール状衛生薄葉紙または衛生薄葉紙積層体を包装した状態の包装袋によって画成され外側に露出した面を指すものとして参照される。但し、これらの用語はあくまで便宜上のものであり、重力方向における絶対的な位置を規定するものではないことは勿論である。また、「上」、「下」などの用語についても同様である。
【0026】
さらに、本明細書、特許請求の範囲、および図面の記載において、「高さ方向」、「幅方向」、および「長さ方向」はそれぞれ直交するものとし、「ロール並列方向」は、上記「幅方向」および「長さ方向」のどちらかに対応するものとする。
【0027】
なお、
図1の全体斜視図については、説明の便宜のため、収容物が透視された状態を示す。
【0028】
図1は本発明の一実施形態に係る複数のロール状衛生薄葉紙2をキャラメル包装した包装体1の全体斜視図であり、
図2は本実施形態に係る包装体1の底面の平面図であり、
図3は本実施形態に係る包装体1の包装袋10について、当該包装体1の上下のヒートシール層12およびのり代11のヒートシール層12の接着を剥がして展開し包装紙外面側から見た平面図である。
図3の展開した包装紙を10Dとする。
【0029】
本発明に係る包装体1は、複数個のロール状衛生薄葉紙(本実施形態ではトイレットロール)2をその軸方向に垂直な方向に両端面が揃うように並列した状態で、紙材(紙資材)で胴巻き包装してなるものである。本実施形態に係る包装体1は、
図1に示すように、2列×2段4個のトイレットロール2を、紙材でキャラメル包装してなるものである。当該紙材としては、例えば、塗工紙、クラフト紙、ラミネート紙が挙げられる。また、紙材は繊維原料であるパルプ成分を含むスラリーを抄紙することによって得られる。パルプ成分としては、木材パルプ、非木材パルプ、古紙パルプが挙げられる。本実施形態では、紙材は、外側に艶を有する片艶紙である。当該キャラメル包装は、公知のものが採用されうる。具体的には、例えば、先ず、平坦状に形成された紙材の上に載置されたトイレットロール2を巻き込むようにして包み込み、その巻き込み方向において重畳する部分を後述のヒートシール層を介して接着する。次に、衛生紙ロール2の端面位置を越えて余剰した部分を、衛生紙ロール2の端面側に(
図3の符号UFLおよびDFLで表した山折り線および谷折り線に沿って山折り状および谷折り状にそれぞれ折り曲げ)折り込む。そして、折り込む際に形成される三角形片又は台形片の先端縁部同士を接着して、トイレットロール2を上下の端面側から被覆する。このようなキャラメル包装を行う装置としては,既知の装置を利用することができる。
【0030】
また、包装体1における紙材の接着は、上述したようにヒートシール方式により接着される。前記方法による接着のため紙材(のり代11および折込み部分の片面または両面)には、熱が印加されると接着機能を発揮するヒートシール剤が予め付与されてヒートシール層が設けられている。
図3に示すように、展開した包装紙10Dの外面には、図中に斜線ハッチングで表した部分、つまり、のり代11と包装紙10Dの周縁部には、ヒートシール層12が施されている。すなわち、
図3に示すように、ヒートシール層12は、矩形状の包装紙10Dの一方の表面(外面)の周縁側に「コ」の字状に設けられている。トイレットロール2を包装したときに、包装体1の底面10B側および天面10T側において露出する当該ヒートシール層12がそれぞれ、後述の底面シール用ヒートシール層12Bおよび天面シール用ヒートシール層12Tである。ヒートシール層12を構成する材料としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂や、その他の熱可塑性樹脂等を使用することができる。
【0031】
本実施形態に係る包装体1は、
図1-
図3に示すように、4個のトイレットロール2を一纏めにして包装紙にて包装したものであって、包装紙の外面の一部に底面シール用ヒートシール層12Bを有し、底面シール用ヒートシール層12Bによって底面10Bの少なくとも一部を被覆している。
【0032】
この構成により、底面シール用ヒートシール層12Bによって、底面10Bの少なくとも一部を被覆したので、底面シール用ヒートシール層12Bが底面10Bの耐摩耗性向上および防水性向上に効果的に寄与することができる。
【0033】
本実施形態では、より具体的には、
図1および
図2に示すように、底面シール用ヒートシール層12Bによって、底面10Bをその全域に亘って被覆している。
【0034】
この構成により、底面シール用ヒートシール層12Bによって、底面10Bの全域を被覆したので、底面シール用ヒートシール層12Bが底面10Bの耐摩耗性向上および防水性向上により効果的に寄与することができる。
【0035】
また、本実施形態では、より具体的には、
図1-
図3に示すように、底面シール用ヒートシール層12Bによって、底面10Bと周面10Pとの間の角部10CBをその周方向全域に亘って被覆している。
【0036】
この構成により、底面シール用ヒートシール層12Bによって、底面10Bと周面10Pとの間の角部10CBをその周方向全域に亘って被覆したので、比較的破れやすい底面10Bと周面10Pとの間の角部10CBをヒートシール層12Bによって低コストかつ簡単に補強することができる。なお、本実施形態では、角部10CBは、底面10Bと周面10Pとを画する縁部であり、線状のものであるが、本発明では、幅を有する帯状であってもよく、つまり、底面10B側および/または周面10P側にはみ出すように、包装体1の周方向に沿って延びるものであってよい。後述する天面10T側の角部10CTについても同様である。
【0037】
さらに、本実施形態では、
図1および
図3に示すように、包装紙の外面の一部に天面シール用ヒートシール層12Tを有し、当該天面シール用ヒートシール層12Tによって天面10Tの少なくとも一部を被覆している。
【0038】
この構成により、天面シール用ヒートシール層12Tによって、天面10Tの少なくとも一部を被覆したので、天面シール用のヒートシール層12Tが天面10Tの耐摩耗性向上および防水性向上に寄与することができる。この場合、特には、複数の包装体1を積重して保管するとき等に効果的である。
【0039】
本実施形態では、より具体的には、
図1および
図3に示すように、天面シール用ヒートシール層12Tによって、天面10Tをその全域に亘って被覆している。
【0040】
この構成により、天面シール用ヒートシール層12Tによって、天面10Tの全域を被覆したので、天面シール用ヒートシール層12Tが天面10Tの耐摩耗性向上および防水性向上により効果的に寄与することができる。
【0041】
本実施形態では、より具体的には、
図1および
図3に示すように、天面シール用ヒートシール層12Tによって、天面10Tと周面10Pとの間の角部10CTをその周方向全域に亘って被覆している。
【0042】
この構成により、天面シール用ヒートシール層12Tによって、天面10Tと周面10Pとの間の角部10CTをその周方向全域に亘って被覆したので、比較的破れやすい天面10Tと周面10Pとの間の角部10CTについても天面シール用ヒートシール層12Tによって低コストかつ簡単に補強することができる。
【0043】
本発明の効果を奏する上では、好ましくは、包装紙の坪量が30g/m2~65g/m2である。この構成により、包装紙が破れ難く、かつ良好な耐水性が得られ、しかも底面10Bや天面10Tのシール強度を向上することができる。すなわち、包装紙の坪量が30g/m2未満であると、包装紙が破れ易く、かつ良好な耐水性が得られなくなる。また、包装紙の坪量が65g/m2を超えると、底面10Bや天面10Tのシール時にヒートシール層12の加熱温度が低下し、良好なシール強度が得られなくなる(シール強度が低下する)。
【0044】
従来、衛生薄葉紙のロール体や積層体を一纏めにしてフィルムで包装した包装体が知られている一方、近年、世界的にプラスチックゴミ問題が深刻化しており、地球環境の改善のため、包装の素材をプラスチックから他の素材に替えることが望まれている。そして、衛生薄葉紙のロール体や積層体を一纏めにして包装した包装体においても、包装の素材をプラスチックから紙材に替えることが、例えば、特許文献3および特許文献4において提案されている。
【0045】
ところが、単に、包装の素材をプラスチックから紙に替えただけでは、包装体の運搬時に包装体の底面が擦れて不用意に破れたり、包装体を床に置いて保管したとき等に床に付着していた水等が包装体の底面から浸透して収容物を汚したりするという虞がある。
【0046】
本実施形態によれば、底面シール用ヒートシール層12B(および天面シール用ヒートシール層12T)によって、包装体1の底面10B(および天面10T)の少なくとも一部を被覆したので、底面シール用ヒートシール層12B(および天面シール用ヒートシール層12T)が包装体1の底面10B(および天面10T)の耐摩耗性向上および防水性向上に効果的に寄与することが可能となる。また、一般に、包装する際に包装紙の端部を折り畳んで封止するとき、互いに対向する面において接着剤を塗布し接着するところ、本実施形態では、一つの工程において、当該対向する面に加えて、包装体1の底面10B(および天面10T)の露出する部分にもヒートシール層を設けるので、包装体1の底面10B(および天面10T)の耐摩耗性および防水性を低コストかつ簡単に向上することができる。
【0047】
さらに、一つの工程において、包装体1の角部10CB、10CTにもヒートシール層12を設けているので、包装体1の角部10CB、10CTの耐摩耗性および防水性を低コストかつ簡単に向上することができる。
【0048】
<その他>
本発明は、上述した実施形態や、随所に述べた変形例に限られることなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で、適宜の変更や変形が可能である。
【0049】
例えば、上記実施形態およびそれらの変形例では、底面10Bおよび天面10Tの両方の全面にヒートシール層12を設けているが、本発明では、全面ではなく一部にヒートシール層12が設けられる態様も許容され、また、天面10T側にヒートシール層12を設けない態様も許容される。加えて、上記実施形態およびそれらの変形例では、底面10Bおよび天面10Tの角部10CB、10CTにヒートシール層12を設けているが、本発明ではこの限りではなく、角部10CB、10CTにヒートシール層12を設けなくてもよい。また、上記実施形態では、複数個のロール状衛生薄葉紙をキャラメル包装した形態について説明したが、本発明は、これに限らず、複数の衛生薄葉紙積層体をキャラメル包装で包装する場合についても適用可能であり、複数個のロール状衛生薄葉紙や衛生薄葉紙積層体をガゼット包装やピロー包装など他の形態で包装する場合についても適用可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 包装体
2 ロール状衛生薄葉紙
10 包装袋
10B 底面
10T 天面
10P 周面
10CB (底面側の)角部
10CT (天面側の)角部
10D 展開した包装紙
UFL 山折り線
DFL 谷折り線
11 のり代
12 ヒートシール層
12B 底面シール用ヒートシール層
12T 天面シール用ヒートシール層