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特許7597007搬送管理システム、搬送管理方法、およびプログラム
<図1>
  • 特許-搬送管理システム、搬送管理方法、およびプログラム 図1
  • 特許-搬送管理システム、搬送管理方法、およびプログラム 図2
  • 特許-搬送管理システム、搬送管理方法、およびプログラム 図3
  • 特許-搬送管理システム、搬送管理方法、およびプログラム 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】搬送管理システム、搬送管理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20240101AFI20241203BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20241203BHJP
   G06Q 10/04 20230101ALI20241203BHJP
【FI】
G06Q10/083
B65G61/00 542
G06Q10/04
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021182094
(22)【出願日】2021-11-08
(65)【公開番号】P2023069898
(43)【公開日】2023-05-18
【審査請求日】2023-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】岩本 国大
(72)【発明者】
【氏名】糸澤 祐太
(72)【発明者】
【氏名】古村 博隆
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-086291(JP,A)
【文献】特開2020-090151(JP,A)
【文献】特開2020-135229(JP,A)
【文献】米国特許第10310500(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B65G 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1の搬送車両と、各第1の搬送車両を収容可能な第2の搬送車両とによる荷物の搬送を管理する搬送管理システムであって、
前記搬送管理システムは、各第1の搬送車両による搬送ルート、および前記第2の搬送車両による搬送ルートを含む運行計画を生成する生成部を備え、
前記生成部は、
前記第2の搬送車両内において、各第1の搬送車両間で前記荷物を受け渡すことを許可した場合の前記運行計画を生成
前記第2の搬送車両は、
人間を輸送するバスとしての機能を備え、
各第1の搬送車両間で前記荷物を受け渡すとき、前記第2の搬送車両の出入口を閉鎖する制御を実行する、
搬送管理システム。
【請求項2】
前記搬送管理システムは、
各第1の搬送車両の位置情報を管理情報として記憶する記憶部、
を備え、
前記生成部は、
前記管理情報に基づいて前記運行計画を生成する、
請求項1に記載の搬送管理システム。
【請求項3】
前記管理情報は、
各第1の搬送車両が荷物を配送している状態であるか否かを示す第1ステータス情報、および各第1の搬送車両の収容部の空き状態を示す第2ステータス情報の少なくともいずれかをさらに含み、
前記生成部は、
前記第1ステータス情報および第2のステータス情報の少なくともいずれかに基づいて、前記運行計画を生成する、
請求項に記載の搬送管理システム。
【請求項4】
前記管理情報は、
前記第1ステータス情報および第2ステータス情報の両方を含み、
前記生成部は、
前記荷物の優先度にさらに基づいて前記運行計画を生成する、
請求項に記載の搬送管理システム。
【請求項5】
複数の第1の搬送車両と、各第1の搬送車両を収容可能な第2の搬送車両とによる荷物の搬送を管理する搬送管理方法であって、
コンピュータが、各第1の搬送車両による搬送ルート、および前記第2の搬送車両による搬送ルートを含む運行計画を生成する生成ステップを含み、
前記生成ステップは、
前記第2の搬送車両内において、各第1の搬送車両間で前記荷物を受け渡すことを許可した場合の前記運行計画を生成
前記第2の搬送車両は、
人間を輸送するバスとしての機能を備え、
各第1の搬送車両間で前記荷物を受け渡すとき、前記第2の搬送車両の出入口を閉鎖する制御を実行する、
搬送管理方法。
【請求項6】
コンピュータに、複数の第1の搬送車両と、各第1の搬送車両を収容可能な第2の搬送車両とによる荷物の搬送を管理する搬送管理方法を実行させるプログラムであって、
前記搬送管理方法は、
各第1の搬送車両による搬送ルート、および前記第2の搬送車両による搬送ルートを含む運行計画を生成する生成ステップを含み、
前記生成ステップは、
前記第2の搬送車両内において、各第1の搬送車両間で前記荷物を受け渡すことを許可した場合の前記運行計画を生成
前記第2の搬送車両は、
人間を輸送するバスとしての機能を備え、
各第1の搬送車両間で前記荷物を受け渡すとき、前記第2の搬送車両の出入口を閉鎖する制御を実行する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、搬送管理システム、搬送管理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、搬送ロボット等の小型の搬送車両と、小型の搬送車両を収容可能な大型の搬送車両とを用いて荷物を搬送する場合の搬送管理技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019―128801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
第1の搬送車両の搬送ルートと、第1の搬送車両を収容可能な第2の搬送車両の搬送ルートとを含む運行計画を生成する際に、より運行効率を向上させた運行計画を生成することが望まれている。
【0005】
本開示は、このような問題を解決するためになされたものであり、第1の搬送車両の搬送ルートと、第1の搬送車両を収容可能な第2の搬送車両の搬送ルートとを含む運行計画の運行効率を向上させる搬送管理システム、搬送管理方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施の形態における搬送管理システムは、
複数の第1の搬送車両と、各第1の搬送車両を収容可能な第2の搬送車両とによる荷物の搬送を管理する搬送管理システムであって、
前記搬送管理システムは、各第1の搬送車両による搬送ルート、および前記第2の搬送車両による搬送ルートを含む運行計画を生成する生成部を備え、
前記生成部は、
前記第2の搬送車両内において、各第1の搬送車両間で前記荷物を受け渡すことを許可した場合の前記運行計画を生成する。
【0007】
本実施の形態における搬送管理方法は、
複数の第1の搬送車両と、各第1の搬送車両を収容可能な第2の搬送車両とによる荷物の搬送を管理する搬送管理方法であって、
コンピュータが、各第1の搬送車両による搬送ルート、および前記第2の搬送車両による搬送ルートを含む運行計画を生成する生成ステップを含み、
前記生成ステップは、
前記第2の搬送車両内において、各第1の搬送車両間で前記荷物を受け渡すことを許可した場合の前記運行計画を生成する。
【0008】
本実施の形態におけるプログラムは、
コンピュータに、複数の第1の搬送車両と、各第1の搬送車両を収容可能な第2の搬送車両とによる荷物の搬送を管理する搬送管理方法を実行させるプログラムであって、
前記搬送管理方法は、
各第1の搬送車両による搬送ルート、および前記第2の搬送車両による搬送ルートを含む運行計画を生成する生成ステップを含み、
前記生成ステップは、
前記第2の搬送車両内において、各第1の搬送車両間で前記荷物を受け渡すことを許可した場合の前記運行計画を生成する。
【発明の効果】
【0009】
本開示により、第1の搬送車両の搬送ルートと、第1の搬送車両を収容可能な第2の搬送車両の搬送ルートとを含む運行計画の運行効率を向上させる搬送管理システム、搬送管理方法、およびプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態1にかかる搬送管理システムの構成を示す模式構成図である。
図2】実施形態1にかかる第1の搬送車両の構成を示すブロック図である。
図3】実施形態1にかかるサーバの構成を示すブロック図である。
図4】実施形態1にかかる搬送管理方法が生成する運行計画の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施形態1
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、特許請求の範囲に係る発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、実施形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。
【0012】
以下、図面を参照して実施形態1にかかる搬送管理システムについて説明する。図1は、実施形態1にかかる搬送管理システム1000の概要を示す模式図である。搬送管理システム1000は、複数の搬送車両100、複数の搬送車両200、およびサーバ300を備えている。搬送車両100は第1の搬送車両とも称され、搬送車両200は第2の搬送車両とも称される。なお、搬送車両200の数は、1台であってもよい。搬送管理システム1000は、複数の搬送車両100と、各搬送車両100を収容可能な搬送車両200とによる荷物の搬送を管理するシステムである。
【0013】
後述するサーバ300の機能は、搬送車両100や搬送車両200に備えられていてもよい。したがって、サーバ300を含まないシステムも、実施形態1にかかる搬送管理システム1000には含まれ得る。
【0014】
搬送車両100は、後述する搬送車両200よりも小型の搬送車両である。図示するように、搬送車両100は、搬送ロボットであってもよく小型の自動車であってもよい。搬送車両100は、後述する搬送車両200によって収容されることができる。例えば、搬送車両200が人間を輸送するバスの機能を備えている場合、搬送車両100は、人間が使用する出入口や専用の出入口から搬送車両200に乗車する。また、搬送車両100は、搬送車両200が備える荷台に乗車してもよい。搬送車両100は、後述する搬送車両200が進入できない場所(例えば、家屋の周辺)において搬送業務を行う。
【0015】
図2は、搬送車両100の機能構成を示すブロック図である。搬送車両100は、通信部110、センサ120、走行制御部130、収容部140、および駆動アーム150を備えている。
【0016】
通信部110は通信インタフェースである。搬送車両100は、通信部110を介して、後述するサーバ300から運行計画を受け取る。また、搬送車両100は、通信部110を介して、搬送車両100の位置情報をサーバ300に送信する。搬送車両100は、さらに、荷物の配送が完了したときに、その旨をサーバ300に送信してもよい。
【0017】
センサ120は、搬送車両100の周辺の環境データを収集し、走行制御部130に出力する。センサ120は、例えば、カメラ、レーダ、LIDAR等である。走行制御部130は、センサ120が収集した環境データを用いて、搬送車両100を運行計画に従って自律移動させる。搬送車両100は、自装置の位置をGPS(Global Positioning System)や、センサ120等により取得しているものとする。
【0018】
収容部140は、荷物を収容する機能を備えている。収容部140は、複数の荷物を収容可能であってもよく、具体的には棚であってもよい。収容部140が棚である場合、荷物は、箱であってもよい。このとき、後述するサーバ300は、棚のどの部分が使用されているか否かを管理していてもよい。また、収容部140には、ロック機構が設けられていてもよい。このような場合、搬送車両100は、配送先に到着したときや、他の搬送車両100との間で荷物を受け渡すときに、収容部140のロック機構を解除する制御を実行する。
【0019】
駆動アーム150は、荷物を配送元から受け取り、受け取った荷物を収容部140に格納する。また、駆動アーム150は、荷物を収容部140から取り出し、配送先のポスト等に荷物を格納する。そして、駆動アーム150は、他の搬送車両100との間で荷物の受け渡しを行うためにも用いられる。例えば、搬送車両100の駆動アーム150は、他の搬送車両100の収容部140から荷物を取り出して、搬送車両100の収容部140に荷物を格納する。また、例えば、駆動アーム150は、搬送車両200内に設けられた荷物の集積所から荷物を取り出し、取り出した荷物を収容部140に格納してもよい。
【0020】
図1に戻って、搬送車両100は、後述するサーバ300が生成した運行計画に従って自律移動する。搬送車両100は、まず、指定された地点まで走行して搬送車両200に乗車する。そして、搬送車両100は、搬送車両200によって荷物と共に運搬される。そして、搬送車両100は、指定された地点で搬送車両200から降車し、配送先まで荷物を搬送する。
【0021】
運行計画では、搬送車両200内において、各搬送車両100間で荷物を受け渡すことが許容されている。複数の搬送車両100は、直接荷物の受け渡しを行ってもよく、荷物の集積場所(例えば、棚)を介して荷物の受け渡しを行ってもよい。具体的には、複数の荷物を所持する搬送車両100が、荷物の一部を他の搬送車両100に渡してもよい。荷物を受け取った搬送車両100は、運行計画に従って搬送車両200から降車し、配送先まで荷物を搬送する。なお、搬送車両200の乗務員が、運行計画にしたがって、各搬送車両100間で荷物を移動させてもよい。
【0022】
搬送車両200は、搬送車両100よりも大型の搬送車両である。搬送車両200は、各搬送車両100を収容可能である。搬送車両200は、2台以上の搬送車両100を収容可能であってもよい。搬送車両200は、Electric Vehicle(EV)パレットと呼ばれる無人の自動運転車両であってもよい。なお、搬送車両200には、乗務員が乗車していてもよい。乗務員は、搬送車両200内に設けられたディスプレイの表示などに基づき、運行計画を確認してもよい。
【0023】
搬送車両200は、搬送車両100よりも高速で走行することができる。例えば、搬送車両200は車道を走行し、搬送車両100は歩道を走行してもよい。なお、搬送車両200は、自律移動車両であってもよく、人間が運転ないし運転の補助を行う車両であってもよい。
【0024】
搬送車両200は、上述の通り、人間を輸送することを目的とするバスとしての機能を備えていてもよい。このような場合、搬送車両200の内部は、搬送ロボットと人間の共用スペースとなっていてもよい。搬送ロボットである搬送車両200は、人間と同じ出入口を使用してもよく、専用の出入口を使用してもよい。
【0025】
搬送車両200は、後述するサーバ300から運行計画を受信し、運行計画に従って移動する。搬送車両200は、運行計画に従って自律移動を行ってもよい。また、運転者が、運行計画に含まれる搬送ルートに沿って、搬送車両200を走行させてもよい。そして、搬送車両200は、搬送車両200の位置情報を、サーバ300に送信する。
【0026】
サーバ300は、メモリやプロセッサなどを備えるコンピュータである。サーバ300は、各搬送車両100の位置情報、および搬送車両200の位置情報を管理している。また、サーバ300は、各搬送車両100の位置情報、および搬送車両200の位置情報に基づいて荷物の配送計画を生成する。配送計画は、運行計画とも称され、各搬送車両100の搬送ルートおよび搬送車両200の搬送ルートを含んでいる。
【0027】
次に、図3を参照して、サーバ300について詳細に説明する。サーバ300は、通信部310、記憶部320、および生成部330を備えている。通信部310は通信インタフェースであり、サーバ300は、通信部310を介して、搬送車両100および搬送車両200と通信する。
【0028】
記憶部320は、ハードディスク、フラッシュメモリ等の記憶装置である。また、記憶部320は、一時的に情報を保持するための記憶領域であるRAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶装置を含んでいてもよい。
【0029】
記憶部320は、荷物情報321、地図情報322、および管理情報323を記憶している。荷物情報321は、複数の荷物の各々の配送元情報および配送先情報を含む。荷物情報321は、各荷物の優先度をさらに含んでいてもよい。
【0030】
地図情報322は、配送エリアを含む地図データでえあり、後述する生成部330が運行計画を生成する際に使用される。地図情報322は、例えば、交差点等を表すノードと、通路を表すリンクとに番号付けした道路地図のデータであってもよい。また、地図情報322は、障害物となる建物の領域等を表した環境地図であってもよい。
【0031】
管理情報323は、各搬送車両100の位置情報および搬送車両200の位置情報を含む。位置情報は、例えば、GPS位置情報であってもよい。また、管理情報323は、各搬送車両100が荷物を配送している状態であるか否かを示す第1ステータス情報や、収容部140の空き状態を示す第2ステータス情報をさらに含んでいてもよい。現時点で荷物を配送していない搬送車両100や、収容部140に空きがある搬送車両100は、他の搬送車両100から荷物を受け取って配送業務を行うことができる。収容部140の空きに関する情報は、重量や容積に関する情報であってもよい。
【0032】
生成部330は、荷物情報321、地図情報322、および管理情報323に基づいて、搬送車両100および搬送車両200の運行計画を生成する。運行計画には、各搬送車両100の搬送ルート、および搬送車両200の搬送ルートが含まれている。また、運行計画には、各搬送車両100の間で荷物を受け渡すことの指示が含まれている。
【0033】
生成部330は、搬送車両200内において、各搬送車両100間で荷物を受け渡すことを許容した場合における運行計画を生成する。このような場合、複数の搬送車両100が連携して荷物を搬送できるため、サーバ300は、運行計画の効率を向上させることができる。
【0034】
生成部330は、例えば、荷物の受け渡しを行う場合の運行計画と、荷物の受け渡しを行わない場合の運行計画とを生成し、最も運行効率がよい運行計画(例えば、最も搬送時間が短い運行計画)を採用してもよい。荷物の受け渡しを行う場合、例えば、荷物の受け渡しを行う搬送車両100を位置情報に基づいて選択し、選択した搬送車両100の乗車位置や降車位置を決定し、運行計画を生成してもよい。運行計画の生成には、公知の任意のアルゴリズムを用いることができる。
【0035】
生成部330は、生成した運行計画を、搬送車両100および搬送車両200に送信する。搬送車両100および搬送車両200は、運行計画に従って自律移動を行い、荷物を配送先まで配送する。なお、上述の通り、運転者が、搬送車両200を搬送ルートに沿って走行させてもよい。
【0036】
生成部330は、第1ステータス情報、第2ステータス情報、および荷物の優先度に基づいて運行計画を生成してもよい。荷物の優先度が低い場合、生成部330は、例えば、配送業務を行っていない搬送車両100の位置情報のみを用いて運行計画を生成する。荷物の優先度が高い場合、生成部330は、配送業務を行っている搬送車両100のうち、収容部140に空きがある搬送車両100の位置情報も考慮して運行計画を生成する。
【0037】
生成部330は、管理情報323の更新に応じて、運行計画を随時更新してもよい。これにより、搬送業務を終えた搬送車両100や、搬送車両200の周辺に移動した搬送車両100を用いて、効率よく荷物を搬送できる。例えば、生成部330は、新たに生成した運行計画の効率が、もとの運行計画の効率よりも高い場合、運行計画を変更してもよい。生成部330は、優先度が高い荷物の配送時間が短くなる場合に、運行計画を変更してもよい。
【0038】
次に、図4を参照して、サーバ300が生成する運行計画の具体例について説明する。図4には、配送先Aに荷物aを配送し、配送先Bに荷物bを配送する運行計画が示されている。搬送車両100aは配送元(例えば、倉庫や住宅)から近い地点に位置しており、搬送車両100bは配送元から離れた地点に位置しているものとする。搬送車両100aは搬送車両Aとも称され、搬送車両100bは搬送車両Bとも称される。
【0039】
このような場合、まず、搬送車両100aが配送元から荷物aおよびbを受け取り、搬送車両200に乗車する。搬送車両100aは、搬送車両200内の集積所(例えば、棚)に荷物aおよびbを集積してもよく、荷物aおよびbを保持していてもよい。なお、搬送車両100aは、受け渡しを行う荷物aのみを集積所に集積してもよい。
【0040】
次に、搬送車両200は、搬送車両100bの周辺の地点Xまで移動する。そして、搬送車両100bが、地点Xで搬送車両200に乗車する。
【0041】
次に、搬送車両200内で、搬送車両100bは、搬送車両100aから荷物aを受け取る。搬送車両100bは、例えば、駆動アーム150で搬送車両100aの収容部140にアクセスし、荷物aを受け取ってもよい。また、搬送車両100bは、荷物の集積場所から荷物aを受け取ってもよい。荷物aの受け渡しは、搬送車両200の停車時に行われてもよく、搬送車両200の走行時に行われてもよい。
【0042】
荷物の受け渡しのとき、搬送車両100aは、搬送車両100bからの要求に応じて、収容部140のロックを解除する制御を実行してもよい。また、搬送車両200内の棚(集積所)にロックが設けられている場合、搬送車両200は棚のロックを解除する制御を実行してもよい。
【0043】
このような場合、搬送車両200内に不特定の人物が乗車していない方が好ましいため、搬送車両200は、搬送車両200の出入口を閉鎖する制御を行ってもよい。搬送車両100bが荷物aを受け取った後、搬送車両100aは、収容部140をロックしてもよい。なお、上述の通り、荷物の受け渡しは、運行計画を確認した乗務員によって行われてもよい。
【0044】
次に、搬送車両200は、荷物aの配送先の周辺の地点Yまで走行する。搬送車両100bは、地点Yで降車し、荷物aを配送先Aまで配送する。荷物aを配送した後、搬送車両100bは、荷物aの配送を完了した旨をサーバ300に送信する。荷物aを配送した後、搬送車両100bは、所定の基地まで自律移動を行ってもよく、新たな運行計画に従って新たな配送業務を開始してもよい。
【0045】
搬送車両100aが荷物aおよびbの両方を配送する場合には、搬送車両200は、搬送車両100aが戻ってくるまで地点Yで待機する必要がある。しかし、実施形態1にかかる搬送管理システムによると、搬送車両200が地点Yで待機する必要はないため、運行計画の効率を向上させることができる。
【0046】
次に、搬送車両200は、荷物bの配送先Bの周辺の地点Zまで走行する。搬送車両100aは、地点Zで降車し、荷物bを配送先Bまで配送する。荷物bを配送した後、搬送車両100bは、所定の基地まで自律移動を行ってもよく、新たな運行計画に従って新たな配送業務を開始してもよい。
【0047】
実施形態1にかかる搬送管理システムによると、第2の搬送車両内において、各第1の搬送車両間で荷物を受け渡すことができるため、荷物をより効率的に配送できる。
【0048】
なお、上述の実施形態では、ハードウェアの構成として説明したが、これに限定されるものではない。本開示は、任意の処理を、CPUにコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0049】
上述の例において、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0050】
なお、本発明は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0051】
1000 搬送管理システム
100、100a、100b 搬送車両
110 通信部
120 センサ
130 走行制御部
140 収容部
150 駆動アーム
200 搬送車両
300 サーバ
310 通信部
320 記憶部
321 荷物情報
322 地図情報
323 管理情報
330 生成部
図1
図2
図3
図4