(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】サーバ
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20241203BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20241203BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20241203BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20241203BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20241203BHJP
G16Y 40/20 20200101ALI20241203BHJP
【FI】
G06Q10/20
G06Q50/10
G08G1/00 D
G08G1/09 F
G16Y10/40
G16Y40/20
(21)【出願番号】P 2022032061
(22)【出願日】2022-03-02
【審査請求日】2023-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柏倉 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】山田 健一
(72)【発明者】
【氏名】岡 尚哉
(72)【発明者】
【氏名】前田 直子
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-216759(JP,A)
【文献】特開2003-162665(JP,A)
【文献】特開2003-345926(JP,A)
【文献】特開2020-82918(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G08G 1/00
G08G 1/09
G16Y 10/40
G16Y 40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車両の各々を管理するサーバであって、
前記複数の車両の各々と、前記複数の車両のメンテナンスを実施する第1メンテナンス場および第2メンテナンス場と、通信するサーバ側通信部と、
前記複数の車両の各々の状態に関する状態情報が取得されるように、前記サーバ側通信部を制御するサーバ側制御部と、を備え、
前記複数の車両の各々は、
車両本体と、
前記車両本体の運転支援制御および自動運転制御の少なくとも一方を実施するとともに、前記車両本体に取り付けられた搭載制御装置と、
前記サーバ側通信部と通信する車両側通信部と、を含み、
前記第1メンテナンス場は、前記車両本体のメンテナンスが実施可能であり、
前記第2メンテナンス場は、前記搭載制御装置のメンテナンスが実施可能であり、
前記サーバ側制御部は、前記状態情報に基づいて、前記第1メンテナンス場および前記第2メンテナンス場の少なくとも一方における前記車両のメンテナンスの割り当てを決定
し、
前記状態情報は、前記搭載制御装置の状態に関する情報と、前記車両本体の状態に関する情報とを含み、
前記第1メンテナンス場は、前記車両本体のメンテナンスが可能な前記車両の第1販売店を含み、
前記第2メンテナンス場は、前記搭載制御装置の制御的なメンテナンスは可能である第1メンテナンスセンタを含み、
前記サーバ側制御部は、前記状態情報に基づいて前記車両本体が異常であると判断した場合に、前記第1販売店において前記車両本体のメンテナンスを行うことを決定する、サーバ。
【請求項2】
前記サーバ側通信部は、前記第1メンテナンス場の第1スケジュール情報、および、前記第2メンテナンス場の第2スケジュール情報を取得可能であり、
前記サーバ側制御部は、前記状態情報と、前記第1スケジュール情報および前記第2スケジュール情報の少なくとも一方とに基づいて、前記第1メンテナンス場および前記第2メンテナンス場の少なくとも一方における前記車両のメンテナンスのスケジュールを決定する、請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記状態情報は、前記車両における異常情報を含み、
前記サーバ側制御部は、前記異常情報に基づく前記車両の異常の種類に応じて、前記第1メンテナンス場および前記第2メンテナンス場の少なくとも一方における前記車両のメンテナンスの時間の長さを決定する、請求項2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記サーバ側制御部は、前記異常の種類と、前記第1スケジュール情報および前記第2スケジュール情報の前記少なくとも一方とに基づいて、前記第1メンテナンス場および前記第2メンテナンス場の少なくとも一方における前記車両のメンテナンスの時間帯を決定する、請求項3に記載のサーバ。
【請求項5】
前記状態情報は、前記車両における部品の交換を要することを示す情報を含み、
前記異常の種類は、交換を要する前記部品の種類を含み、
前記サーバ側制御部は、前記部品の種類に応じて、前記車両のメンテナンスの時間の長さを決定する、請求項3または4に記載のサーバ。
【請求項6】
前記状態情報は、前記車両における部品の交換を要することを示す情報を含み、
前記異常の種類は、交換を要する前記部品の前記車両における配置位置を含み、
前記サーバ側制御部は、前記配置位置に応じて、前記車両のメンテナンスの時間の長さを決定する、請求項3~5のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項7】
前記状態情報は、前記搭載制御装置の状態に関する情報を含み、
前記第1メンテナンス場は、前記搭載制御装置の制御的なメンテナンスは不可能である一方で前記搭載制御装置の部品交換が可能な、前記車両の第
2販売店を含み、
前記第2メンテナンス場は、前記搭載制御装置の制御的なメンテナンスおよび前記搭載制御装置の部品交換が可能な第
2メンテナンスセンタを含み、
前記サーバ側制御部は、前記搭載制御装置の状態に関する情報を含む前記状態情報と、前記第1スケジュール情報および前記第2スケジュール情報の少なくとも一方とに基づいて、前記第
2販売店および前記第
2メンテナンスセンタにおける前記搭載制御装置のメンテナンスのスケジュールを決定する、請求項2~6のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項8】
前記状態情報は、前記搭載制御装置における部品の交換が必要であることを示す情報を含み、
前記第1スケジュール情報は、前記第
2販売店における前記部品の在庫によって前記部品の交換を行うことが可能か否かを示す情報を含み、
前記サーバ側制御部は、
前記第1スケジュール情報に基づいて前記第
2販売店において前記部品の在庫が不足していないと判断した場合に、前記第
2販売店において前記部品の交換を行うことを決定し、
前記第1スケジュール情報に基づいて
前記第
2販売店において前記部品の在庫が不足していると判断した場合に、前記第
2メンテナンスセンタにおいて前記部品の交換を行うことを決定する、請求項7に記載のサーバ。
【請求項9】
前記第
2販売店において、前記搭載制御装置の取り外しがさらに可能であり、
前記状態情報は、前記搭載制御装置の制御的な異常を示す情報を含み、
前記第1スケジュール情報は、前記第
2販売店における混雑状況に関する情報を含み、
前記サーバ側制御部は、
前記第1スケジュール情報に基づいて前記第
2販売店が混雑していないと判断した場合、前記第
2販売店において前記搭載制御装置を前記車両から取り外し、前記第
2メンテナンスセンタにおいて、取り外された前記搭載制御装置の制御的なメンテナンスを行うことを決定し、
前記第1スケジュール情報に基づいて前記第
2販売店が混雑していると判断した場合に、前記第
2販売店において前記搭載制御装置を前記車両から取り外さずに、前記第
2メンテナンスセンタにおいて、前記搭載制御装置の制御的なメンテナンスを行うことを決定する、請求項7または8に記載のサーバ。
【請求項10】
前記サーバ側制御部は、前記状態情報に基づいて、前記搭載制御装置が異常であり、かつ、前記車両本体が異常である一方で前記車両の走行は可能であると判断した場合に、前記第
1販売店において前記車両のメンテナンスを行うことを決定する、請求項1
~9のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項11】
前記状態情報は、前記搭載制御装置の状態に関する情報と、前記車両本体の状態に関する情報とを含み、
前記サーバ側通信部は、前記複数の車両の各々から直接的に前記車両本体の状態に関する情報を取得するとともに、前記複数の車両の各々と通信する管理サーバを介して前記複数の車両の各々の前記搭載制御装置の状態に関する情報を取得する、請求項1~1
0のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項12】
前記状態情報は、前記車両の異常箇所のメンテナンスを要求するメンテナンス要求信号を含み、
前記サーバ側制御部は、前記複数の車両の各々から前記メンテナンス要求信号が取得されるように、前記サーバ側通信部を制御する、請求項1~1
1のいずれか1項に記載のサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、特開2020-107074号公報(特許文献1)に記載のサービス提供システムは、ユーザから車両のメンテナンスの依頼を受けた場合に、ユーザ端末に配信した第1鍵情報とは別の第2鍵情報を役務提供者端末に配信する。役務提供者は、第2鍵情報が配信された自身の役務提供者端末を用いて、車両を運転することができる。役務提供者は、車両を自ら運転して整備場まで運んでメンテナンス作業を実施し、メンテナンス完了後、車両を運転して元の駐車位置に戻す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載のサービス提供システムは、上記のように、ユーザから車両のメンテナンスの依頼を受けた場合に、役務提供者による車両の運転を可能にする第2鍵情報を役務提供者端末に配信する。しかしながら、上記特許文献1には、車両のメンテナンスが行われる場所が複数(第1メンテナンス場および第2メンテナンス場)あることが考慮されていない。この場合、ユーザは、車両の状態(異常状態)に基づいて、第1メンテナンス場および第2メンテナンス場のいずれにおいてメンテナンスを行うかを選択する必要がある。このため、何らかの要因(たとえば第1メンテナンス場および第2メンテナンス場の知名度の差)によってユーザの選択が第1メンテナンス場および第2メンテナンス場の一方に集中することに起因して、上記一方におけるメンテナンスの効率が悪化する場合がある。したがって、第1メンテナンス場および第2メンテナンス場における車両のメンテナンスの効率が悪化するのを抑制することが望まれている。
【0005】
本開示は、かかる課題を解決するためになされたものであり、本開示の目的は、第1メンテナンス場および第2メンテナンス場における車両のメンテナンスの効率が悪化するのを抑制することが可能なサーバを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一の局面に従うサーバは、複数の車両の各々を管理するサーバであって、複数の車両の各々と、複数の車両のメンテナンスを実施する第1メンテナンス場および第2メンテナンス場と、通信するサーバ側通信部と、複数の車両の各々の状態に関する状態情報が取得されるように、サーバ側通信部を制御するサーバ側制御部と、を備え、複数の車両の各々は、車両本体と、車両本体の運転支援制御および自動運転制御の少なくとも一方を実施するとともに、車両本体に取り付けられた搭載制御装置と、サーバ側通信部と通信する車両側通信部と、を含み、第1メンテナンス場は、車両本体のメンテナンスが実施可能であり、第2メンテナンス場は、搭載制御装置のメンテナンスが実施可能であり、サーバ側制御部は、上記状態情報に基づいて、第1メンテナンス場および第2メンテナンス場の少なくとも一方における車両のメンテナンスの割り当てを決定する。
【0007】
上記一の局面に従うサーバでは、上記のように、サーバ側制御部は、車両の状態情報に基づいて、第1メンテナンス場および第2メンテナンス場の少なくとも一方における車両のメンテナンスの割り当てを決定する。これにより、サーバ側制御部により自動的にメンテナンス先が決定される。その結果、ユーザによりメンテナンス先が選択されないので、何らかの要因(たとえば第1メンテナンス場および第2メンテナンス場の知名度の差)に起因して、第1メンテナンス場および第2メンテナンス場のいずれか一方に選択が集中するのを抑制することができる。これにより、第1メンテナンス場および第2メンテナンス場における車両のメンテナンスの効率が悪化するのを抑制することができる。
【0008】
上記一の局面に従うサーバにおいて、好ましくは、サーバ側通信部は、第1メンテナンス場の第1スケジュール情報、および、第2メンテナンス場の第2スケジュール情報を取得可能であり、サーバ側制御部は、上記状態情報と、第1スケジュール情報および第2スケジュール情報の少なくとも一方とに基づいて、第1メンテナンス場および第2メンテナンス場の少なくとも一方における車両のメンテナンスのスケジュールを決定する。このように構成すれば、メンテナンスのスケジュールがサーバ側通信部により決定されるので、ユーザがメンテナンスのスケジュールを決定する(メンテナンス時間を決定する)必要がない。その結果、ユーザの手間をより低減することができる。
【0009】
この場合、好ましくは、上記状態情報は、車両における異常情報を含み、サーバ側制御部は、異常情報に基づく車両の異常の種類に応じて、第1メンテナンス場および第2メンテナンス場の少なくとも一方における車両のメンテナンスの時間の長さを決定する。このように構成すれば、異常の種類に応じたメンテナンスの種類ごとに、メンテナンスの時間の長さを適切に設定することができる。その結果、より確実にメンテナンスを予定時間内に完了させることができる。
【0010】
上記サーバ側制御部がメンテナンスの時間の長さを決定するサーバにおいて、好ましくは、サーバ側制御部は、異常の種類と、第1スケジュール情報および第2スケジュール情報の少なくとも一方とに基づいて、第1メンテナンス場および第2メンテナンス場の少なくとも一方における車両のメンテナンスの時間帯を決定する。このように構成すれば、ユーザは、メンテナンスを行う時間帯を決める必要がないので、ユーザの手間をより一層低減することができる。
【0011】
上記サーバ側制御部がメンテナンスの時間の長さを決定するサーバにおいて、好ましくは、上記状態情報は、車両における部品の交換を要することを示す情報を含み、上記異常の種類は、交換を要する部品の種類を含み、サーバ側制御部は、部品の種類に応じて、車両のメンテナンスの時間の長さを決定する。ここで、部品の種類によってメンテナンスに要する時間は互いに異なる。たとえば、車両において重要な部品のメンテナンスには比較的長い時間を要する。したがって、部品の種類に応じてメンテナンスの時間の長さを決定することにより、メンテナンスに要する時間が予定のメンテナンス時間より長くなるのを容易に抑制することができる。
【0012】
上記サーバ側制御部がメンテナンスの時間の長さを決定するサーバにおいて、好ましくは、上記状態情報は、車両における部品の交換を要することを示す情報を含み、異常の種類は、交換を要する部品の車両における配置位置を含み、サーバ側制御部は、配置位置に応じて、車両のメンテナンスの時間の長さを決定する。ここで、部品の配置位置によってメンテナンスに要する時間は互いに異なる。たとえば、車両において重要な部品の近くに配置されている部品のメンテナンスには比較的長い時間を要する。したがって、部品の配置位置に応じてメンテナンスの時間の長さを決定することにより、メンテナンスに要する時間が予定のメンテナンス時間より長くなるのをより一層容易に抑制することができる。
【0013】
上記サーバ側制御部がメンテナンスのスケジュールを決定するサーバにおいて、好ましくは、上記状態情報は、搭載制御装置の状態に関する情報を含み、第1メンテナンス場は、搭載制御装置の制御的なメンテナンスは不可能である一方で搭載制御装置の部品交換が可能な、車両の第1販売店を含み、第2メンテナンス場は、搭載制御装置の制御的なメンテナンスおよび搭載制御装置の部品交換が可能な第1メンテナンスセンタを含み、サーバ側制御部は、搭載制御装置の状態に関する情報を含む状態情報と、第1スケジュール情報および第2スケジュール情報の少なくとも一方とに基づいて、第1販売店および第1メンテナンスセンタにおける搭載制御装置のメンテナンスのスケジュールを決定する。ここで、サーバ側制御部により搭載制御装置のメンテナンスのスケジュールが決定されることにより、ユーザがメンテナンス先を決定する場合に比べて、第1販売店(または第1メンテナンスセンタ)がメンテナンス先として集中的に選択されるのを効果的に抑制することができる。
【0014】
この場合、好ましくは、上記状態情報は、搭載制御装置における部品の交換が必要であることを示す情報を含み、第1スケジュール情報は、第1販売店における部品の在庫によって部品の交換を行うことが可能か否かを示す情報を含み、サーバ側制御部は、第1スケジュール情報に基づいて第1販売店において部品の在庫が不足していないと判断した場合に、第1販売店において部品の交換を行うことを決定し、第1スケジュール情報に基づいて第1販売店において部品の在庫が不足していると判断した場合に、第1メンテナンスセンタにおいて部品の交換を行うことを決定する。このように構成すれば、部品の在庫が不足している第1販売店がメンテナンス先として選択されるのを抑制することができる。また、第1販売店において部品の在庫が不足していないのに第1メンテナンスセンタがメンテナンス先として選択されるのを抑制することができる。
【0015】
上記状態情報が搭載制御装置の状態に関する情報を含むサーバにおいて、好ましくは、第1販売店において、搭載制御装置の取り外しがさらに可能であり、状態情報は、搭載制御装置の制御的な異常を示す情報を含み、第1スケジュール情報は、第1販売店における混雑状況に関する情報を含み、サーバ側制御部は、第1スケジュール情報に基づいて第1販売店が混雑していないと判断した場合、第1販売店において搭載制御装置を車両から取り外し、第1メンテナンスセンタにおいて、取り外された搭載制御装置の制御的なメンテナンスを行うことを決定し、第1スケジュール情報に基づいて第1販売店が混雑していると判断した場合に、第1販売店において搭載制御装置を車両から取り外さずに、第1メンテナンスセンタにおいて、搭載制御装置の制御的なメンテナンスを行うことを決定する。このように構成すれば、混雑している第1販売店がメンテナンス先として選択されるのを抑制することができる。また、第1販売店が混雑していないのに第1メンテナンスセンタがメンテナンス先として選択されるのを抑制することができる。
【0016】
上記一の局面に従うサーバにおいて、好ましくは、上記状態情報は、搭載制御装置の状態に関する情報と、車両本体の状態に関する情報とを含み、第1メンテナンス場は、車両本体のメンテナンスが可能な車両の第2販売店を含み、第2メンテナンス場は、搭載制御装置の制御的なメンテナンスは可能である第2メンテナンスセンタを含み、サーバ側制御部は、状態情報に基づいて車両本体が異常であると判断した場合に、第2販売店において車両本体のメンテナンスを行うことを決定する。このように構成すれば、車両本体が異常である場合に、車両本体のメンテナンスが可能な第2販売店をメンテナンス先として選択することができる。
【0017】
この場合、好ましくは、サーバ側制御部は、上記状態情報に基づいて、搭載制御装置が異常であり、かつ、車両本体が異常である一方で車両の走行は可能であると判断した場合に、第2販売店において車両のメンテナンスを行うことを決定する。このように構成すれば、搭載制御装置が異常であり、かつ、車両本体が異常である一方で走行は可能である車両のメンテナンス先として、第2メンテナンスセンタが選択されるのを抑制することができる。
【0018】
上記一の局面に従うサーバにおいて、好ましくは、上記状態情報は、搭載制御装置の状態に関する情報と、車両本体の状態に関する情報とを含み、サーバ側通信部は、複数の車両の各々から直接的に車両本体の状態に関する情報を取得するとともに、複数の車両の各々と通信する管理サーバを介して複数の車両の各々の搭載制御装置の状態に関する情報を取得する。このように構成すれば、サーバ側通信部は、車両本体の状態に関する情報と、搭載制御装置の状態に関する情報とを、別々の通信相手(車両および管理サーバ)から取得することができる。その結果、車両および管理サーバの一方との通信が途絶えても、車両および管理サーバの他方から情報(車両本体の状態または搭載制御装置の状態の情報)を取得することができる。
【0019】
上記一の局面に従うサーバにおいて、好ましくは、上記状態情報は、車両の異常箇所のメンテナンスを要求するメンテナンス要求信号を含み、サーバ側制御部は、複数の車両の各々からメンテナンス要求信号が取得されるように、サーバ側通信部を制御する。このように構成すれば、取得されるメンテナンス要求信号に基づいて、第1メンテナンス場および第2メンテナンス場の少なくとも一方における車両のメンテナンスの割り当てを容易に決定することができる。
【発明の効果】
【0020】
本開示によれば、第1メンテナンス場および第2メンテナンス場における車両のメンテナンスの効率が悪化するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】一実施の形態による運行管理センタを含むMaaSシステムを示す図である。
【
図3】ディーラおよびADKメンテナンスセンタの実施可能なメンテナンスを示す図である。
【
図4】車両の異常状態とメンテナンスの時間(時間帯)との関係を示す図である。
【
図5】車両(ADK)の部品の重要度とメンテナンスの時間との関係を示す図である。
【
図6】LIDARおよび各種部品の間の距離とメンテナンスの時間との関係を示す図である。
【
図7】運行管理センタ等の制御シーケンスを示すシーケンス図である。
【
図8】運行管理センタのステップS10以降(
図7の分岐A)のフローを示すフロー図である。
【
図9】運行管理センタのステップS20以降(
図7の分岐B)のフローを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0023】
図1は、本開示の実施の形態に従う運行管理センタ100が用いられるMaaS(Mobility as a Service)システムの概要を示す図である。運行管理センタ100は、複数の車両10を管理するサーバである。なお、運行管理センタ100は、本開示の「サーバ」の一例である。
【0024】
図1を参照して、このMaaSシステムは、車両10と、ADK(Autonomous Driving Kit)管理サーバ20と、運行管理センタ100と、ディーラ30のサーバ31と、ADKメンテナンスセンタ40のサーバ41と、を備える。車両10は、ADK11を備える。なお、ADK管理サーバ20(後述の20a、20b)は、本開示の「管理サーバ」の一例である。また、ディーラ30は、本開示の「第1メンテナンス場」、「第1販売店」、および、「第2販売店」の一例である。また、ADKメンテナンスセンタ40は、本開示の「第2メンテナンス場」、「第1メンテナンスセンタ」、および、「第2メンテナンスセンタ」の一例である。また、ADK11(後述の11a、11b)は、本開示の「搭載制御装置」の一例である。
【0025】
複数の車両10は、複数の車両10aと、複数の車両10bとを含む。ADK11は、ADK11aと、ADK11bとを含む。車両10a(10b)は、ADK11a(11b)と、車両本体12と、車両制御インターフェース13と、DCM(Data Communication Module)14とを備える。また、車両本体12は、車両プラットフォーム(以下、「VP(Vehicle Platform)」と称する)12aを含む。なお、車両10aおよび車両10bは、ADK11a(11b)以外の部分同士が互いに異なる構成であってもよい。また、DCM14は、本開示の「車両側通信部」の一例である。
【0026】
なお、以下の説明において、単に「車両10」と記載されている場合は、車両10aおよび車両10bに共通する事項である。また、以下の説明において、単に「ADK11」と記載されている場合は、ADK11aおよびADK11bに共通する事項である。
【0027】
ADK11は、車両本体12の運転支援制御および自動運転制御を実施する。また、ADK11は、車両本体12に取り付けられている。具体的には、ADK11は、車両本体12のルーフトップなどに取り付けられる。
【0028】
車両制御インターフェース13は、CAN(Controller Area Network)等を通じてADK11と通信可能である。車両制御インターフェース13は、通信される信号毎に定義された所定のAPI(Application Program Interface)を実行することにより、ADK11から各種コマンドを受信する。また、車両制御インターフェース13は、車両本体12の状態をADK11へ出力する。
【0029】
車両制御インターフェース13は、ADK11からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応する制御コマンドをVP12aへ出力する。また、車両制御インターフェース13は、車両本体12の各種情報をVP12aから取得し、車両本体12の状態をADK11へ出力する。
【0030】
VP12aは、車両本体12を制御するための各種システムおよび各種センサを含む。VP12aは、ADK11から車両制御インターフェース13を通じて指示されるコマンドに従って各種車両制御を実行する。すなわち、ADK11からのコマンドに従ってVP12aが各種車両制御を実行することにより、車両10の自動運転および運転支援が行われる。
【0031】
ADK11は、車両10の走行計画を作成する。ADK11は、走行計画に従って車両10を走行させるための各種制御要求を、制御要求毎に定義されたAPIに従ってVP12aに出力する。また、ADK11は、車両状態(VP12aの状態)を示す各種信号を、信号毎に定義されたAPIに従ってVP12aから受ける。そして、ADK11は、車両状態を走行計画に反映する。ADK11は、上記走行計画や走行情報等を、ADK管理サーバ20に送信する。また、ADK11をVP12aから取り外すことも可能である。
【0032】
図2は、ADK11の概略的な構成を示す図である。
図2に示すように、ADK11は、2つの制御モジュール110と、LIDAR((Laser Imaging Detection and Ranging)111と、カメラ112と、センサ113とを含む。2つの制御モジュール110のうちの一方は、冗長用(予備用)のモジュールである。なお、LIDAR111、カメラ112、および、センサ113の各々は、本開示の「部品」の一例である。
【0033】
LIDAR111は、たとえば赤外パルスのレーザ光を発し、そのレーザ光の対象物からの反射光を検出することによって対象物の距離および方向を計測する。なお、LIDAR111の代わりに(または加えて)ミリ波レーダが設けられていてもよい。制御モジュール110は、LIDAR111により計測された上記距離および方向に基づいて、車両10の走行を制御する。
【0034】
カメラ112は、車外の画像を撮像するために設けられている。制御モジュール110は、カメラ112により撮像された画像と、予め記憶されている各地点に対応する画像との一致度に基づいて、車両10の走行している位置を把握し、車両10の走行を制御する。
【0035】
センサ113は、車両の姿勢、挙動あるいは位置を検出する姿勢用センサ等を含む。なお、センサ113が他の種類のセンサを含んでいてもよい。
【0036】
図1に示すVP12aは、ADK11からの制御要求に従って自動運転モードによる走行制御を実行する。ADK11が取り外されている場合には、VP12aは、マニュアルモードによる走行制御(ドライバ操作に応じた走行制御)も実行可能である。
【0037】
車両10のユーザは、典型的には個人ユーザであるが、これに限定されない。ユーザは、車両10を用いた自動運転サービスを提供する事業者(タクシー事業者、レンタカー事業者、カーシェア事業者、ライドシェアサービス事業者など)であってもよい。
【0038】
ADK管理サーバ20は、ADK11のメーカによって運営されるサーバである。ADK管理サーバ20は、ADK管理サーバ20aと、ADK管理サーバ20bとを含む。ADK管理サーバ20aおよびADK管理サーバ20bは、互いに異なるメーカによって運営されている。
【0039】
ADK管理サーバ20aは、複数の車両10aの各々のADK11aと通信可能である。また、ADK管理サーバ20bは、複数の車両10bの各々のADK11bと通信可能である。なお、以下の説明において、単に「ADK管理サーバ20」と記載されている場合は、ADK管理サーバ20aおよびADK管理サーバ20bに共通する事項である。ADK管理サーバ20は、ADK11から、ADK11の状態(異常状態)に関する情報を収集する。
【0040】
運行管理センタ100は、プロセッサ101と、記憶装置102と、通信部103とを備える。プロセッサ101は、所定の情報処理を行う。記憶装置102は、各種情報を保存可能に構成される。記憶装置102には、プロセッサ101により実行されるプログラムのほか、プログラムにおいて使用される情報(たとえば、マップ、数式、および各種パラメータ)が記憶されている。通信部103は、各種通信I/Fを含む。なお、プロセッサ101および通信部103は、それぞれ、本開示の「サーバ側制御部」および「サーバ側通信部」の一例である。
【0041】
通信部103は、複数の車両10の各々のDCM14と、ADK管理サーバ20(20a、20b)の各々と通信する。また、通信部103は、ディーラ30およびADKメンテナンスセンタ40の各々と通信する。具体的には、通信部103は、ディーラ30を管理するサーバ31およびADKメンテナンスセンタ40を管理するサーバ41の各々と通信する。
【0042】
サーバ31は、ディーラ30のスケジュール等を管理している。また、サーバ41は、ADKメンテナンスセンタ40のスケジュール等を管理している。通信部103は、サーバ31からディーラ30のスケジュール情報を取得可能であるとともに、サーバ41からADKメンテナンスセンタ40のスケジュール情報を取得可能である。なお、ディーラ30のスケジュール情報、および、ADKメンテナンスセンタ40のスケジュール情報は、それぞれ、本開示の「第1スケジュール情報」および「第2スケジュール情報」の一例である。
【0043】
図1では、簡略化のため、ディーラ30およびADKメンテナンスセンタ40の各々は1つずつしか図示されていないが、ディーラ30およびADKメンテナンスセンタ40の各々が複数設けられていてもよい。複数のディーラ30(ADKメンテナンスセンタ40)の各々に対してサーバ31(サーバ41)が1つずつ設けられていてもよいし、複数のディーラ30(ADKメンテナンスセンタ40)に対して1つのサーバ31(サーバ41)が設けられていてもよい。
【0044】
ディーラ30およびADKメンテナンスセンタ40の各々は、複数の車両10のメンテナンスを実施する。具体的には、
図3に示すように、ディーラ30において、車両本体12のメンテンナスが実施可能である。また、ディーラ30において、ADK11の部品交換が可能である。なお、ディーラ30において、ADK11の制御的なメンテナンスは不可能である。また、ディーラ30において、ADK11の取り外しが可能である。
【0045】
また、ADKメンテナンスセンタ40において、ADK11のメンテナンスが実施可能である。具体的には、ADKメンテナンスセンタ40において、ADK11の制御的なメンテナンスが可能である。また、ADKメンテナンスセンタ40において、ADK11の部品交換が可能である。なお、ADKメンテナンスセンタ40において、車両本体12のメンテナンスは不可能である。
【0046】
また、運行管理センタ100は、登録された複数の車両10の情報(以下、「車両情報」とも称する)と、登録された各ユーザの情報(以下、「ユーザ情報」とも称する)と、登録された各ADKの情報(以下、「車両情報」とも称する)と、を管理するように構成される。ユーザ情報、車両情報、および、ADK情報は、識別情報(ID)で区別されて記憶装置102に記憶されている。
【0047】
運行管理センタ100は、複数の車両10の各々の状態に関する状態情報が取得されるように、通信部103を制御する。具体的には、運行管理センタ100の通信部103は、複数の車両10(DCM14)の各々から直接的に車両本体12(VP12a)の状態に関する情報を取得する。以下、この情報を「車両本体状態情報」とも記載する。運行管理センタ100は、複数の車両10から取得された車両本体状態情報を記憶装置102に格納する。なお、通信部103は、ADK管理サーバ20を介して間接的に、複数の車両10の各々から車両本体状態情報を取得してもよい。
【0048】
また、運行管理センタ100の通信部103は、複数の車両10の各々と通信するADK管理サーバ20を介して、複数の車両10の各々のADK11の状態に関する情報を取得する。以下、この情報を「ADK状態情報」とも記載する。運行管理センタ100は、複数の車両10から取得されたADK状態情報を記憶装置102に格納する。なお、通信部103は、複数の車両10(ADK11)の各々から直接的にADK状態情報を取得してもよい。
【0049】
また、上記状態情報(車両本体状態情報およびADK状態情報)は、車両10(ADK11および車両本体12)の異常個所のメンテナンスを要求するメンテナンス要求信号を含む。したがって、プロセッサ101は、複数の車両10の各々からメンテナンス要求信号が取得されるように、通信部103を制御する。
【0050】
また、運行管理センタ100の通信部103は、取得された状態情報(車両本体状態情報およびADK状態情報)をディーラ30のサーバ31およびADKメンテナンスセンタ40のサーバ41の少なくとも一方に送信する。通信部103は、ディーラ30のサーバ31に上記状態情報を送信することにより、サーバ31からディーラ30のスケジュール情報を取得する。また、通信部103は、ADKメンテナンスセンタ40のサーバ41に上記状態情報を送信することにより、サーバ41からADKメンテナンスセンタ40のスケジュール情報を取得する。
【0051】
ここで、従来のシステムでは、ユーザは、第1メンテナンス場(ディーラ)および第2メンテナンス場(ADKメンテナンスセンタ)のいずれにおいてメンテナンスを行うかを選択する(メンテナンスのスケジュールを考える)必要がある。このため、何らかの要因(たとえば第1メンテナンス場および第2メンテナンス場の知名度の差)によってユーザの選択が第1メンテナンス場および第2メンテナンス場の一方に集中することに起因して、上記一方におけるメンテナンスの効率が悪化する場合がある。したがって、第1メンテナンス場および第2メンテナンス場における車両のメンテナンスの効率が悪化するのを抑制することが望まれている。
【0052】
そこで、本実施の形態では、プロセッサ101は、上記状態情報(メンテナンス要求信号)に基づいて、ディーラ30およびADKメンテナンスセンタ40の少なくとも一方における車両10のメンテナンスの割り当てを決定する。具体的には、プロセッサ101は、上記状態情報に基づいて検知されたADK11および車両本体12の少なくとも一方の状態(異常状態)に対応するメンテナンスを実施するためのメンテナンス先(メンテナンス実施場所)を決定する。
【0053】
たとえば、上記状態情報が、車両本体12の異常を示す情報を含んでいる場合、車両本体12のメンテナンスが可能なディーラ30に、メンテナンスが割り当てられる。また、上記状態情報が、ADK11の制御的な異常を示す情報を含んでいる場合、ADK11の制御的なメンテナンスが可能なADKメンテナンスセンタ40に、メンテナンスが割り当てられる。なお、上記状態情報が、車両本体12の異常を示す情報およびADK11の制御的な異常を示す情報の両方を含んでいる場合、ディーラ30およびADKメンテナンスセンタ40の両方に、メンテナンスが割り当てられる。
【0054】
また、プロセッサ101は、上記状態情報と、ディーラ30のスケジュール情報およびADKメンテナンスセンタ40のスケジュール情報の少なくとも一方とに基づいて、ディーラ30およびADKメンテナンスセンタ40の少なくとも一方における車両10のメンテナンスのスケジュールを決定する。プロセッサ101は、上記状態情報に基づいて検知された車両10の異常に対応するメンテナンス先において、メンテナンスが実施可能な時間帯にメンテナンスを行うことを決定する。ディーラ30およびADKメンテナンスセンタ40の少なくとも一方において上記時間帯にメンテナンスの予約がされるように、プロセッサ101は通信部103を制御してもよい。
【0055】
ここで、上記状態情報は、車両10における異常情報を含んでいる。この場合、プロセッサ101は、上記異常情報に基づく車両10の異常の種類に応じて、ディーラ30およびADKメンテナンスセンタ40の少なくとも一方における車両10のメンテナンスの時間の長さを決定する。
【0056】
たとえば、プロセッサ101は、ADK11の異常内容に基づいて、メンテナンスの重要度を判別する。
図4に示すように、プロセッサ101は、ADK11の2つの制御モジュール110(
図2参照)が両方とも異常である場合、メンテナンスの重要度が重度であると判別する。また、プロセッサ101は、ADK11の2つの制御モジュール110のうち1つが異常である場合、メンテナンスの重要度が中度であると判別する。また、カメラ112(
図2参照)の画像が乱れている場合、カメラ112のレンズを拭くだけで異常が解消される可能性が大きい。したがって、この場合、プロセッサ101は、メンテナンスの重要度が低度であると判別する。なお、上記の重要度の判別の例は、あくまで一例であり、これに限られない。
【0057】
また、上記のメンテナンスの重要度は、ディーラ30のサーバ31およびADKメンテナンスセンタ40のサーバ41によって判別されてもよい。この場合、サーバ31(41)は、スケジュール情報と共に上記重要度に関する情報を運行管理センタ100に送信する。
【0058】
そして、プロセッサ101は、判別されたメンテナンスの重要度に基づいて、メンテナンスの時間の長さを決定する。プロセッサ101は、メンテナンスの重要度が高度、中度、および、低度の場合に、それぞれ、メンテナンス時間を長時間(たとえば5時間)、中時間(たとえば3時間)、および、短時間(たとえば1時間)に決定する。なお、上記の例では、メンテナンスの重要度(メンテナンス時間)が3段階に分けられているが、これに限られない。メンテナンスの重要度(メンテナンス時間)が2段階、または、4段階以上に分けられていてもよい。
【0059】
また、プロセッサ101は、上記異常の種類と、ディーラ30のスケジュール情報およびADKメンテナンスセンタ40のスケジュール情報の少なくとも一方とに基づいて、ディーラ30およびADKメンテナンスセンタ40の少なくとも一方における車両10のメンテナンスの時間帯を決定する。具体的には、プロセッサ101は、メンテナンスの重要度に基づいて決定されたメンテナンスの時間と、ディーラ30およびADKメンテナンスセンタ40の各々におけるメンテナンスが可能な時間帯(予約の空き時間)とに基づいて、メンテナンスを行う時間帯を決定する。
【0060】
たとえば、2つの制御モジュール110が異常の場合、プロセッサ101は、ADK11の制御的なメンテナンスが可能なADKメンテナンスセンタ40において上記長時間のメンテナンスが可能な時間帯(たとえば12:00~17:00)を、メンテナンスを行う時間帯に決定する。また、1つの制御モジュール110が異常の場合、プロセッサ101は、ADKメンテナンスセンタ40において上記中時間のメンテナンスが可能な時間帯(たとえば15:00~18:00)を、メンテナンスを行う時間帯に決定する。
【0061】
また、カメラ112の画像が乱れている場合、プロセッサ101は、ディーラ30またはADKメンテナンスセンタ40において上記短時間のメンテナンスが可能な時間帯(たとえばディーラ30の10:00~11:00)を、メンテナンスを行う時間帯に決定する。
【0062】
なお、メンテナンスが実施可能な時間帯が複数ある場合は、プロセッサ101は、そのうちの最も早い時間帯を選択してもよいし、車両10の走行予定に基づいて時間帯を選択してもよい。また、プロセッサ101は、ディーラ30およびADKメンテナンスセンタ40のどちらでもメンテナンスが可能な場合は、ディーラ30およびADKメンテナンスセンタ40の各々の混雑状況に基づいて上記時間帯を選択してもよい。
【0063】
なお、上記のメンテナンスの時間(時間帯)の例はあくまで一例であり、これらに限られない。また、車両本体12の異常についても、上記と同様に、異常の種類(メンテナンスの重要度)に基づいてメンテナンスの時間(時間帯)が決定されてもよい。
【0064】
また、上記状態情報が、車両10における部品の交換を要することを示す情報を含むとする。この場合、上記異常の種類は、交換を要する部品の種類を含む。
【0065】
ここで、本実施の形態では、プロセッサ101は、上記交換を要する部品の種類に応じて、車両10のメンテナンスの時間の長さを決定する。具体的には、各種部品には、個別に重要度が設定されている。たとえば、
図5に示すように、LIDAR111、カメラ112、センサ113の順に重要度が高く設定されている。そして、プロセッサ101は、重要度が高い部品の交換ほど、作業時間(メンテナンス時間)を長くしてもよい。なお、上記ではADK11の部品を例に挙げたが、車両本体12の部品についても同様にメンテナンス時間が決定されてもよい。
【0066】
また、上記異常の種類は、交換を要する部品の車両10における配置位置を含んでいてもよい。この場合、プロセッサ101は、上記配置位置に応じて、車両10のメンテナンスの時間の長さを決定してもよい。たとえば、
図6に示すように、プロセッサ101は、LIDAR111との間の距離が比較的小さい部品の交換に要するメンテンナスの時間を、比較的長くしてもよい。
【0067】
図2に示す例では、カメラ112とLIDAR111との間の距離L1がセンサ113とLIDAR111との間の距離L2よりも小さいので、カメラ112の交換時間(メンテナンス時間)をセンサ113の交換時間(メンテナンス時間)よりも長く設定してもよい。なお、上記ではADK11の部品を例に挙げたが、車両本体12の部品についても同様の制御が行われてもよい。
【0068】
また、同種の部品同士の間においても、LIDAR111との距離に応じてメンテナンス時間を互いに異ならせてもよい。なお、記憶装置102には、各部品とLIDAR111との間の距離の情報が格納されていてもよい。また、LIDAR111以外の部分を距離の基準としてもよい。
【0069】
そして、プロセッサ101は、各部品ごとに決定されたメンテナンス時間の長さと、ディーラ30およびADKメンテナンスセンタ40の各々のスケジュール情報とに基づいて、メンテナンスを行う時間帯を決定する。
【0070】
なお、プロセッサ101は、上記の部品ごとに予め設定された重要度、および、LIDAR111との間の距離の両方を考慮して、メンテナンスの時間帯を決定してもよい。また、プロセッサ101は、上記の部品ごとに予め設定された重要度、および、LIDAR111との間の距離のいずれか一方のみを考慮して、メンテナンスの時間帯を決定してもよい。
【0071】
(スケジュール決定のシーケンス制御)
次に、
図7~
図9を参照して、運行管理センタ100(プロセッサ101)によるメンテナンスのスケジュール決定のシーケンス制御について説明する。
【0072】
図7に示すように、まず、ステップS1において、車両10のADK11は、ADK管理サーバ20にADK状態情報を送信する。また、ステップS2では、ADK管理サーバ20は、ステップS1において取得されたADK状態情報を運行管理センタ100の通信部103に送信する。また、ステップS3では、車両10は、DCM14(
図1参照)を通じて運行管理センタ100の通信部103に、車両本体状態情報を送信する。なお、ステップS1およびS3の順番は、いずれが先でもよいし、互いに同じタイミングであってもよい。
【0073】
次に、ステップS4では、運行管理センタ100の通信部103は、ディーラ30(サーバ31)に、ステップS2およびS3において取得されたADK状態情報および車両本体状態情報の少なくとも一方を送信する。ステップS5では、ディーラ30(サーバ31)は、ステップS4において上記状態情報が取得されたことに基づいて、ディーラ30のスケジュール情報を運行管理センタ100の通信部103に送信する。
【0074】
また、ステップS6では、運行管理センタ100の通信部103は、ADKメンテナンスセンタ40(サーバ41)に、ステップS2およびS3において取得されたADK状態情報および車両本体状態情報の少なくとも一方を送信する。ステップS7では、ADKメンテナンスセンタ40(サーバ41)は、ステップS6において上記状態情報が取得されたことに基づいて、ADKメンテナンスセンタ40のスケジュール情報を運行管理センタ100の通信部103に送信する。なお、ステップS4およびS5と、ステップS6およびS7との順番は、いずれが先でもよいし、互いに同じタイミングであってもよい。
【0075】
次に、ステップS8では、運行管理センタ100(プロセッサ101)は、ステップS2およびS3において取得された状態情報(ADK状態情報および車両本体状態情報)に基づいて、車両本体12に異常があるか否かを判定する。上記状態情報が車両本体12の異常を示す情報を含まないことにより車両本体12に異常がないと判定された場合(S8においてNo)、処理はステップS10(
図8参照)(分岐A)に進む。上記状態情報が車両本体12の異常を示す情報を含むことにより車両本体12に異常があると判定された場合(S8においてYes)、処理はステップS20(
図9参照)(分岐B)に進む。なお、ステップS8では、車両本体12の異常の判定よりも先にADK11の異常の判定(後述のステップS10およびS21)が行われてもよい。
【0076】
図8に示すように、ステップS10では、運行管理センタ100(プロセッサ101)は、ADK11に異常があるか否かを判定する。上記状態情報がADK11の異常を示す情報を含むことによりADK11に異常があると判定された場合(S10においてYes)、処理はステップS11に進む。上記状態情報がADK11の異常を示す情報を含まないことによりADK11に異常がないと判定された場合(S10においてNo)、処理は終了する。
【0077】
次に、ステップS11では、運行管理センタ100(プロセッサ101)は、ADK11の制御的なメンテナンス(たとえば制御モジュール110(
図2参照)のメンテナンス)が必要か否かを判定する。上記状態情報がADK11の制御的な異常を示す情報を含むことによりADK11の制御的なメンテナンスが必要であると判定された場合(S11においてYes)、処理はステップS12に進む。上記状態情報がADK11の制御的な異常を示す情報を含まないことによりADK11の制御的なメンテナンスは必要ないと判定された場合(S11においてNo)、処理はステップS13に進む。なお、処理がステップS13に進む場合、上記状態情報は、ADK11における部品の交換が必要であることを示す情報を含んでいる。
【0078】
ここで、ステップS5において取得されたディーラ30のスケジュール情報は、ディーラ30における混雑状況に関する情報を含む。ステップS12では、運行管理センタ100(プロセッサ101)は、ディーラ30のスケジュール情報(混雑状況の情報)に基づき、ディーラ30が混雑している否かを判定する。ディーラ30が混雑していると判定(判断)された場合(S12においてYes)、処理はステップS14に進む。ディーラ30が混雑していないと判定(判断)された場合(S12においてNo)、処理はステップS15に進む。なお、プロセッサ101は、所定の期間内(たとえば判定時から7日以内)においてディーラ30におけるメンテナンスの予約が埋まっている場合に、ディーラ30が混雑していると判定してもよい。
【0079】
なお、車両10のメンテナンスに対応可能なディーラ30が複数ある場合、ディーラ30が混雑しているとは、複数のディーラ30の全てが混雑していることにより、いずれのディーラ30でもメンテナンスが不可能な状態を意味する。
【0080】
ステップS14では、運行管理センタ100(プロセッサ101)は、ディーラ30においてADK11を車両10(車両本体12)から取り外さずに、ADKメンテナンスセンタ40において、ADK11の制御的なメンテナンスを行うことを決定する。すなわち、プロセッサ101は、ADK11が車両本体12に取り付けられた状態の車両10を、ADKメンテナンスセンタ40においてメンテナンスすることを決定する。
【0081】
また、ステップS15では、運行管理センタ100(プロセッサ101)は、ディーラ30においてADK11を車両10(車両本体12)から取り外し、ADKメンテナンスセンタ40において、取り外されたADK11の制御的なメンテナンスを行うことを決定する。この場合、ディーラ30において取り外されたADK11は、ディーラ30によってADKメンテナンスセンタ40まで郵送されてもよい。
【0082】
また、ステップS5において取得されたディーラ30のスケジュール情報は、ディーラ30におけるADK11の部品の在庫によって部品の交換を行うことが可能か否かを示す情報を含む。ステップS13では、運行管理センタ100(プロセッサ101)は、ディーラ30のスケジュール情報(在庫状況)に基づき、ディーラ30の部品の在庫が不足しているか否かを判定する。ディーラ30においてADK11の部品の在庫が不足していないと判定(判断)された場合(S13においてNo)、処理はステップS16に進む。ディーラ30においてADK11の部品の在庫が不足していると判定(判断)された場合(S13においてYes)、処理はステップS17に進む。なお、プロセッサ101は、ディーラ30において部品の在庫が所定数(たとえば0~4つ)以下の場合に、ディーラ30の部品の在庫が不足していると判定してもよい。
【0083】
なお、車両10のメンテナンスに対応可能なディーラ30が複数ある場合、ディーラ30の部品の在庫が不足しているとは、複数のディーラ30の全てにおいて在庫が不足していることにより、いずれのディーラ30でもメンテナンスが不可能な状態を意味する。
【0084】
ステップS16では、運行管理センタ100(プロセッサ101)は、ディーラ30においてメンテナンス(ADK11の部品の交換)を行うことを決定する。
【0085】
また、ステップS17では、運行管理センタ100(プロセッサ101)は、ADKメンテナンスセンタ40においてメンテナンス(ADK11の部品の交換)を行うことを決定する。この場合、プロセッサ101は、ADK11が車両本体12に取り付けられた状態の車両10を、ADKメンテナンスセンタ40においてメンテナンスすることを決定する。
【0086】
そして、ステップS14~S17の各々の後のステップS18では、運行管理センタ100(プロセッサ101)は、車両10のメンテナンスのスケジュールを決定する。具体的には、プロセッサ101は、上記状態情報と、ステップS5において取得されたディーラ30のスケジュール情報と、ステップS7において取得されたADKメンテナンスセンタ40のスケジュール情報とに基づいて、車両10のメンテナンスのスケジュールを決定する。スケジュールの決定方法の詳細な説明は、上述した通りであるので、説明は繰り返さない。
【0087】
なお、ステップS15では、ディーラ30およびADKメンテナンスセンタ40の各々においてメンテナンス(ADK11の取り外しとADK11の制御的なメンテナンス)が行われる。この場合、ディーラ30およびADKメンテナンスセンタ40の各々においてメンテナンスの予約がされてもよい。具体的には、プロセッサ101は、10:00~11:00にディーラ30においてADK11の取り外しを行い、12:00~17:00にADKメンテナンスセンタ40においてADK11の制御的なメンテナンスを行うようにスケジュールを決定してもよい。
【0088】
一方、
図9に示すように、ステップS20では、運行管理センタ100(プロセッサ101)は、車両10の走行が可能か否を判定する。たとえば、プロセッサ101は、ADK状態情報および車両本体状態情報の少なくとも一方に基づいて、車両10の走行が可能か否を判定する。走行が可能と判定された場合(S20においてYes)、処理はステップS21に進む。走行が不可能であると判定された場合(S20においてNo)、処理はステップS22に進む。なお、走行が不可能であると判定された場合(S20においてNo)、プロセッサ101は、車両10の運搬のためのレッカー車等を手配するように通信部103を制御してもよい。
【0089】
次に、ステップS21では、運行管理センタ100(プロセッサ101)は、ADK11に異常があるか否かを判定する。上記状態情報がADK11の異常を示す情報を含むことによりADK11に異常があると判定された場合(S21においてYes)、処理はステップS23に進む。上記状態情報がADK11の異常を示す情報を含まないことによりADK11に異常がないと判定された場合(S21においてNo)、処理はステップS22に進む。
【0090】
ステップS22では、運行管理センタ100(プロセッサ101)は、ディーラ30において車両本体12のメンテナンスを行うことを決定する。なお、ステップS20において、車両10の走行が不可能であると判定された場合(S20においてNo)、プロセッサ101は、図示しない車両整備工場において車両10のメンテナンスを行うことを決定してもよい。
【0091】
ステップS23では、運行管理センタ100(プロセッサ101)は、ADK11の制御的なメンテナンスが必要か否かを判定する。上記状態情報がADK11の制御的な異常を示す情報を含むことによりADK11の制御的なメンテナンスが必要であると判定された場合(S23においてYes)、処理はステップS24に進む。上記状態情報がADK11の制御的な異常を示す情報を含まないことによりADK11の制御的なメンテナンスは必要ないと判定された場合(S23においてNo)、処理はステップS25に進む。なお、処理がステップS25に進む場合、上記状態情報は、ADK11における部品の交換が必要であることを示す情報を含んでいる。
【0092】
ステップS24では、運行管理センタ100(プロセッサ101)は、ディーラ30のスケジュール情報に基づき、ディーラ30が混雑している否かを判定する。ディーラ30が混雑していると判定(判断)された場合(S24においてYes)、処理はステップS26に進む。ディーラ30が混雑していないと判定(判断)された場合(S24においてNo)、処理はステップS27に進む。
【0093】
ステップS26では、運行管理センタ100(プロセッサ101)は、ディーラ30において車両本体12のメンテナンスを行うともに、ADKメンテナンスセンタ40においてADK11の制御的なメンテナンスを行うことを決定する。具体的には、プロセッサ101は、ディーラ30においてADK11を車両10(車両本体12)から取り外さずに、ADKメンテナンスセンタ40においてADK11の制御的なメンテナンスを行うことを決定する。この場合、プロセッサ101は、ディーラ30に対して、車両本体12のメンテナンスを他の車両10のメンテナンス(たとえば緊急性が比較的低いメンテナンス)よりも優先するように依頼をしてもよい。
【0094】
また、ステップS27では、運行管理センタ100(プロセッサ101)は、ディーラ30において車両本体12のメンテナンスを行うことを決定する。さらに、プロセッサ101は、ディーラ30においてADK11を車両10(車両本体12)から取り外し、ADKメンテナンスセンタ40において、取り外されたADK11の制御的なメンテナンスを行うことを決定する。この場合、ディーラ30において取り外されたADK11は、ディーラ30によってADKメンテナンスセンタ40まで郵送されてもよい。
【0095】
また、ステップS25では、運行管理センタ100(プロセッサ101)は、ディーラ30のスケジュール情報(在庫状況)に基づき、ディーラ30におけるADK11の部品の在庫が不足しているか否かを判定する。ディーラ30においてADK11の部品の在庫が不足していないと判定(判断)された場合(S25においてNo)、処理はステップS28に進む。ディーラ30においてADK11の部品の在庫が不足していると判定(判断)された場合(S25においてYes)、処理はステップS29に進む。なお、プロセッサ101は、所定の期間内(たとえば判定時から3日以内)の在庫状況を判定してもよい。
【0096】
ステップS28では、運行管理センタ100(プロセッサ101)は、ディーラ30において車両本体12のメンテナンスおよびADK11の部品交換を行うことを決定する。
【0097】
また、ステップS29では、運行管理センタ100(プロセッサ101)は、ディーラ30において車両本体12のメンテナンスを行うとともに、ADKメンテナンスセンタ40においてADK11の部品交換を行うことを決定する。この場合、プロセッサ101は、ADK11が車両本体12に取り付けられた状態の車両10を、ADKメンテナンスセンタ40においてメンテナンスすることを決定する。
【0098】
そして、ステップS22、および、ステップS26~S29の各々の後のステップS30では、運行管理センタ100(プロセッサ101)は、車両10のメンテナンスのスケジュールを決定する。具体的には、プロセッサ101は、上記状態情報と、ステップS5において取得されたディーラ30のスケジュール情報と、ステップS7において取得されたADKメンテナンスセンタ40のスケジュール情報とに基づいて、車両10のメンテナンスのスケジュールを決定する。スケジュールの決定方法の詳細な説明は、上述した通りであるので、説明は繰り返さない。
【0099】
以上のように、本実施の形態においては、プロセッサ101は、車両10の状態情報に基づいて、ディーラ30およびADKメンテナンスセンタ40の少なくとも一方における車両10のメンテナンスの割り当てを決定する。これにより、プロセッサ101によりメンテナンス先が決定される。その結果、ユーザがメンテナンス先を選択する必要がないので、ユーザの手間を低減することができる。また、メンテナンス先が車両10の状態に基づいてプロセッサ101により決定されるので、上記メンテナンス先において、車両10の状態に応じた適切なメンテナンスを確実に行うことができる。その結果、車両10の状態(異常状態)を、すみやかに改善することができる。
【0100】
また、本実施の形態においては、プロセッサ101は、上記状態情報と、ディーラ30のスケジュール情報およびADKメンテナンスセンタ40のスケジュール情報とに基づいて、ディーラ30およびADKメンテナンスセンタ40の少なくとも一方における車両10のメンテナンスのスケジュールを決定する。
【0101】
これにより、プロセッサ101は、ディーラ30のスケジュール情報およびADKメンテナンスセンタ40のスケジュール情報の両方に基づいて、車両10のメンテナンスのスケジュールを決定することができる。その結果、たとえば車両10がディーラ30およびADKメンテナンスセンタ40のいずれにおいてもメンテナンスが可能な状態である場合、より早くメンテナンスが可能なメンテナンス先においてメンテナンスを行うことを決定することができる。また、車両10がディーラ30およびADKメンテナンスセンタ40の各々においてメンテナンスが必要な場合、プロセッサ101は、ディーラ30およびADKメンテナンスセンタ40の各々のスケジュールに基づいて、適切なスケジュールを作成することができる。たとえば、ディーラ30およびADKメンテナンスセンタ40の各々におけるメンテナンス同士の間の時間が適度な長さになるように調整することができる。また、上記メンテナンス同士が行われる時間帯が互いに重なるのを防止することができる。
【0102】
また、上記実施の形態では、プロセッサ101は、ディーラ30のスケジュール情報およびADKメンテナンスセンタ40のスケジュール情報の少なくとも一方に基づいて、メンテナンスのスケジュールを決定する例を示したが、本開示はこれに限られない。プロセッサ101は、上記スケジュール情報に基づかずに(車両10の状態情報のみに基づいて)、ディーラ30およびADKメンテナンスセンタ40の少なくとも一方におけるメンテナンスの割り当てを決定してもいい。
【0103】
また、上記実施の形態では、ディーラ30の混雑状況および在庫状況に基づいてメンテナンスのスケジュールを決定する例を示したが、本開示はこれに限られない。プロセッサ101は、ADKメンテナンスセンタ40の混雑状況および在庫状況に基づいてメンテナンスのスケジュールを決定してもよい。
【0104】
また、上記実施の形態では、車両10のメンテナンス先としてディーラ30とADKメンテナンスセンタ40とを例に挙げたが、本開示はこれに限られない。ディーラ30およびADKメンテナンスセンタ40以外(たとえば車両整備工場等)においてもメンテナンスが行われてもよい。
【0105】
また、上記実施の形態では、運行管理センタ100(プロセッサ101)は、ディーラ30のスケジュールおよびADKメンテナンスセンタ40のスケジュールの両方に基づいて、メンテナンスを決定する例を示したが、本開示はこれに限られない。プロセッサ101は、ディーラ30のスケジュールおよびADKメンテナンスセンタ40のスケジュールの一方に基づいて、メンテナンスを決してもよい。たとえば、プロセッサ101は、取得された状態情報に基づいて、ディーラ30およびADKメンテナンスセンタ40の一方のメンテナンスが不要であると判断した場合に、メンテナンスが不要な上記一方のスケジュール情報を取得しなくてもよい。
【0106】
また、上記実施の形態では、運転支援制御および自動運転制御を実施するADK(搭載制御装置)が車両10に搭載されている例を示したが、本開示はこれに限られない。運転支援制御および自動運転制御のうちの一方を実施する搭載制御装置が車両10に搭載されていてもよい。
【0107】
なお、上記実施の形態に記載されている構成、および、上記の各種変形例は、任意に組み合わされて実施されてもよい。
【0108】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0109】
10、10a、10b 車両,11、11a、11b ADK(搭載制御装置),12 車両本体,14 DCM(車両側通信部),20、20a、20b ADK管理サーバ(管理サーバ),30 ディーラ(第1メンテナンス場)(第1販売店)(第2販売店),40 ADKメンテナンスセンタ(第2メンテナンス場)(第1メンテナンスセンタ)(第2メンテナンスセンタ),100 運行管理センタ(サーバ),101 プロセッサ(サーバ側制御部),103 通信部(サーバ側通信部),111 LIDAR(部品),112 カメラ(部品),113 センサ(部品)。