(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】カラオケシステム、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G10K 15/04 20060101AFI20241203BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
(21)【出願番号】P 2022040474
(22)【出願日】2022-03-15
【審査請求日】2023-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】戸田 勝巳
【審査官】渡邊 正宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-162647(JP,A)
【文献】特開2007-065154(JP,A)
【文献】特開2012-243270(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/00-15/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラオケ装置と、
所定のネットワーク内に備えられた前記カラオケ装置で実行可能な特定の機能の実行許可を表すライセンスを管理するサーバと、
を備え、
前記サーバは、前記カラオケ装置の特定の機能に対する許可情報を
、許可される前記カラオケ装置の識別情報と対応付けて出力し、
前記カラオケ装置は、前記許可情報を取得した端末装置から前記許可情報を受け付け
た場合、
前記許可情報が含むカラオケ装置の識別情報が、自装置の識別情報と一致するか否かを判定し、一致すると判定されると前記特定の機能を実行可能にする、
カラオケシステム。
【請求項2】
前記サーバは、前記許可情報を表示手段に出力し、
前記カラオケ装置は、表示手段に表示された前記許可情報を取得手段を介して取得した端末装置から前記許可情報を受け付けた場合、前記特定の機能を実行可能にする、
請求項1に記載のカラオケシステム。
【請求項3】
前記サーバは、前記特定の機能に対する有効な許可情報の生成数が、予め定められた前記特定の機能に対するライセンス数を超えた場合、新たな前記許可情報の生成をしない、
請求項1または請求項2に記載のカラオケシステム。
【請求項4】
前記許可情報は、有効期間の情報を含み、
前記
カラオケ装置は、許可情報が含む有効期間に基づいて、
受け付けた情報が有効な許可情報を含むか否かを判定する、
請求項1~3の何れか1項に記載のカラオケシステム。
【請求項5】
前記サーバは、前記有効期間の延長要求を受け付け、前記有効期間を変更し、変更した有効期間を前記カラオケ装置に通知し、
前記カラオケ装置は、許可情報を受け付けた端末装置に変更された有効期間を通知して有効期間を更新させる、
請求項4に記載のカラオケシステム。
【請求項6】
カラオケ装置と、前記カラオケ装置の
特定の機能を利用する際に必要となるライセンスの利用状態を管理するサーバと、を備えるカラオケシステムに適用される方法であって、
サーバが、カラオケ装置の特定の機能に対する許可情報
であって、許可される前記カラオケ装置の識別情報と対応付けられた許可情報を利用者に提供
することと、
前記利用者から前記許可情報を受け付けると、前記カラオケ装置が、前記特定の機能を有効にする
ことと、
を含み、
前記特定の機能は、前記カラオケ装置が前記利用者から前記許可情報を受け付けた場合であって、前記許可情報が含むカラオケ装置の識別情報が、自装置の識別情報と一致する場合に実行可能にされる、
方法。
【請求項7】
カラオケ装置と通信可能な端末装置
で実行されるプログラムであって、
前記端末装置のコンピュータに、
前記カラオケ装置の特定の機能に対する許可情報
であって、許可される前記カラオケ装置の識別情報と対応付けられた許可情報を取得する処理と、
前記カラオケ装置と通信可能に対応付ける処理と、
取得した前記許可情報を対応付けられた前記カラオケ装置に送信する処理と、
対応付けられた前記カラオケ装置に特定の機能を実行させる指示を送信する処理と、
前記許可情報に含まれる有効期間に基づいて前記特定の機能の許可情報を削除または有効期間を延長する処理と、
を実行させ
、
前記特定の機能は、前記カラオケ装置が前記端末装置から前記許可情報を受け付けた場合であって、前記許可情報が含むカラオケ装置の識別情報が、自装置の識別情報と一致する場合に実行可能にされる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケシステム、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケ店舗では、そのカラオケ店舗で直接、または、オンラインでカラオケルームを利用者が利用予約をした上で、カラオケ装置が提供されることが一般的である。例えば、特許文献1では、オンラインでカラオケルームを予約した際に発行される予約IDに基づいて、予約したカラオケルームを利用可能にする技術が開示されている。
【0003】
また、カラオケ装置では、ライセンス契約をすることで特定の機能を利用可能になるサービスが存在する。ライセンスは1つのカラオケ装置につき1つ必要となることから、カラオケ店舗の全てのカラオケ装置で同時に特定の機能を利用する場合、カラオケ装置の設置数の分だけライセンスを取得する必要が生じる。
【0004】
しかし、利用者の中には、特定の機能を利用しない利用者(第1利用者)が存在するため、ライセンス取得のためのコストを考慮して、ライセンスの取得数を一定数に止めて、カラオケ店舗で特定の機能を同時利用可能な数を制限することが考えられる。一般的には、カラオケ店舗における、一部の特定カラオケ装置にライセンスを紐付けて、その特定カラオケ装置が設置された特定カラオケルームでのみ特定の機能を利用可能としている。そのため、特定の機能を利用したい利用者(第2利用者)は、特定カラオケ装置を、カラオケ店舗またはオンラインで利用予約して、特定の機能を利用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のライセンスが特定カラオケ装置のみに紐付けられていると、特定カラオケルーム以外(他のカラオケルーム)では特定の機能を利用することができないこととなる。
【0007】
そのため、例えば、上記の第2利用者のみに特定カラオケルームの利用を限定した場合、上記の第1利用者が来店した際に他のカラオケルームが埋まっていると、特定カラオケルームが空いていても、第1利用者が利用することができず、他のカラオケルームが空くまで待つ必要が生じる。
【0008】
また、特定カラオケルームを第2利用者が来店する前に、第1利用者に案内した場合、他のカラオケルームが空いていても、特定カラオケルームが空くまで、第2利用者が待つ必要が生じる。
【0009】
つまり、従来技術においては、特定の機能のライセンスとカラオケ装置とが紐付くことに起因して、カラオケ装置のスムーズな利用を妨げるおそれがあった。
【0010】
本発明の目的は、カラオケ装置のスムーズな利用を実現することが可能なカラオケシステム、方法およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るカラオケシステムは、
カラオケ装置と、
所定のネットワーク内に備えられた前記カラオケ装置で実行可能な特定の機能の実行許可を表すライセンスを管理するサーバと、
を備え、
前記サーバは、前記カラオケ装置の特定の機能に対する許可情報を、許可される前記カラオケ装置の識別情報と対応付けて出力し、
前記カラオケ装置は、前記許可情報を取得した端末装置から前記許可情報を受け付けた場合、前記許可情報が含むカラオケ装置の識別情報が、自装置の識別情報と一致するか否かを判定し、一致すると判定されると前記特定の機能を実行可能にする。
【0012】
本発明に係る方法は、
カラオケ装置と、前記カラオケ装置の特定の機能を利用する際に必要となるライセンスの利用状態を管理するサーバと、を備えるカラオケシステムに適用される方法であって、
サーバが、カラオケ装置の特定の機能に対する許可情報であって、許可される前記カラオケ装置の識別情報と対応付けられた許可情報を利用者に提供することと、
前記利用者から前記許可情報を受け付けると、前記カラオケ装置が、前記特定の機能を有効にすることと、
を含み、
前記特定の機能は、前記カラオケ装置が前記利用者から前記許可情報を受け付けた場合であって、前記許可情報が含むカラオケ装置の識別情報が、自装置の識別情報と一致する場合に実行可能にされる。
【0013】
本発明に係るプログラムは、
カラオケ装置と通信可能な端末装置で実行されるプログラムであって、
前記端末装置のコンピュータに、
前記カラオケ装置の特定の機能に対する許可情報であって、許可される前記カラオケ装置の識別情報と対応付けられた許可情報を取得する処理と、
前記カラオケ装置と通信可能に対応付ける処理と、
取得した前記許可情報を対応付けられた前記カラオケ装置に送信する処理と、
対応付けられた前記カラオケ装置に特定の機能を実行させる指示を送信する処理と、
前記許可情報に含まれる有効期間に基づいて前記特定の機能の許可情報を削除または有効期間を延長する処理と、
を実行させ、
前記特定の機能は、前記カラオケ装置が前記端末装置から前記許可情報を受け付けた場合であって、前記許可情報が含むカラオケ装置の識別情報が、自装置の識別情報と一致する場合に実行可能にされる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、カラオケ装置のスムーズな利用を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムの構成を示す図である。
【
図2】カラオケシステムおよび端末装置における制御の動作例を示すフローチャートである。
【
図3】カラオケシステムおよび端末装置における制御の動作例を示すフローチャートである。
【
図4】端末装置における制御の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るカラオケシステム1の構成を示す図である。
【0017】
図1に示すように、カラオケシステム1は、例えば、カラオケ店舗におけるカラオケ装置20で実行可能な特定の機能の実行許可を表すライセンスを管理するシステムであり、サーバ10と、カラオケ装置20とを備える。
【0018】
特定の機能は、通常のカラオケ機能とは異なり、カラオケ店舗がカラオケ事業者と特別にライセンス契約をすることにより提供可能となるオプションのサービス機能である。特定の機能は、例えば、本人映像表示機能、ライブ配信機能、楽器演奏機能、特殊楽曲提供機能、年齢制限コンテンツ機能、より詳細な採点機能等、カラオケ装置20を通常利用する場合よりも付加価値のあるサービス機能である。
【0019】
ライセンスは、1つのカラオケ装置20で特定の機能を利用する際に、1つ必要となる。例えば、複数のカラオケ装置20で特定の機能を同時に利用する場合、特定の機能を利用するカラオケ装置20の数だけ必要となる。そのため、カラオケ店舗に含まれる全てのカラオケ装置20で特定の機能を利用する場合、全てのカラオケ装置20のそれぞれについてライセンスが必要となる。
【0020】
端末装置3は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、カラオケ装置用のナビゲーション装置等、利用者が携帯可能な装置である。端末装置3は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)および入出力回路を備えている。端末装置3は、例えば、ネットワークを介して通信可能にする通信回路、ディスプレイなどの表示部、タッチパネル、物理キー等の操作受付部、カメラなどの撮像部、マイクなどの音声取得部など種々の構成を含んでいる。端末装置3は、例えば、専用のアプリケーションをインストールすることにより、カラオケ装置20のリモコン装置として動作可能となり、カラオケ装置20と情報のやり取りが可能になる。端末装置3は、利用者の所有物であっても良いし、カラオケ店舗の所有物であっても良い。
【0021】
サーバ10は、カラオケシステム1に含まれる各カラオケ装置20で利用可能なライセンスの利用状態を管理するサーバ装置であり、例えばカラオケ店舗内の従業員等がいるスペースに設置される。サーバ10は、図示しないCPU、ROM、RAMおよび入出力回路を備えている。サーバ10は、管理部11と、生成部12と、出力部13と、入力受付部14とを備える。なお、本実施の形態では従業員がサーバ10の入力受付部14を操作しているが、サーバ10は、カラオケ店舗のフロントに備えられる受付装置(不図示)と通信可能な構成により、サーバ10でライセンスを管理する形態を採用してもよい。その場合、サーバ10は、カラオケ店舗外に設置されていても良い。
【0022】
管理部11は、カラオケ装置20の特定の機能のライセンスを管理する。具体的には、管理部11は、利用中の状態、または、未利用中の状態を表す状態情報を特定の機能のライセンスの情報に対応付けて記憶装置(不図示)に記憶する。一例として、CPUが管理部11として動作する。
【0023】
生成部12は、カラオケ装置20において特定の機能の実行を可能にする許可情報を生成する。より具体的に、許可情報はライセンス情報に基づいて生成され、カラオケ装置20が受け付けることで特定の機能を実行可能にするための情報である。一例として、許可情報はライセンス情報に基づいて生成されるシリアルキーおよびサーバ10との通信用URLの情報を含む。さらに生成部12は、端末装置3で読み取り可能な1次元コードや2次元コード、パスコード、ライセンスキー等によって許可情報を生成する。なお、本実施の形態では、許可情報を端末装置3で読み取り可能な情報としているが、利用者が読み取り可能な形態で出力してもよい。その場合、利用者によって端末装置3に入力されるように入力方法を合わせて出力するのが好ましい。
【0024】
また、許可情報は、有効期間の情報を含んでいてもよい。具体的には、利用者は、カラオケ店舗入店時にカラオケ装置20を利用する期間を予め設定する。入店時に特定の機能利用申請に対する許可情報の生成が行われるため、カラオケ装置20の利用期間または、特定の機能の利用期間の何れか短い期間の情報を入力することで有効期間が設定される。それにより、許可情報は、その利用者が希望する期間において有効な情報となる。
【0025】
出力部13は、生成された許可情報を出力する。具体的には、出力部13は、サーバ10の表示画面(表示手段)等に許可情報を出力する。
【0026】
カラオケ装置20は、利用者により選択されたカラオケ曲を演奏する演奏装置である。カラオケ装置20は、カラオケシステム1において複数設けられており、所定のネットワーク内に備えられている。カラオケ装置20は、カラオケ店舗における複数のカラオケルーム2のそれぞれに1つずつ設置されている。カラオケ装置20は、図示しないCPU、ROM、RAMおよび入出力回路を備えており、上記の特定の機能を実行可能である。カラオケ装置20は、受付部21と、判定部22と、実行部23とを有する。
【0027】
受付部21は、端末装置3から出力される、許可情報を受け付ける。また、受付部21は、端末装置3をカラオケ装置20のリモコン装置として動作させるための対応付けの要求を受け付ける。端末装置3とカラオケ装置20の対応付けについては、カラオケ関連技術文献においては括り付けとも呼ばれ、本実施の形態においては公知の括り付けの方法が用いられれば良い。
【0028】
判定部22は、受付部21を介して受け付けた情報が有効な許可情報を含むか否かについて判定する。具体的には、例えば、判定部22は、受付部21を介して受け付けた情報が、許可情報を含む特定の機能の実行要求であった場合、許可情報が含む有効期間を参照する。そして、参照された有効期間が実行要求を受け付けたタイミングを含まない場合、有効な許可情報は含まれていないと判定する。
【0029】
実行部23は、判定部22の判定結果に応じて特定の機能を実行可能にする。言い換えると、実行部23は、利用者から許可情報を受け付けると、特定の機能を有効にする。
【0030】
具体的には、実行部23は、実行要求が有効な許可情報を含まない実行要求であると判定部22が判定した場合、特定の機能を実行しない。また、実行部23は、実行要求が許可情報を含む実行要求であると判定部22が判定した場合、特定の機能を実行する。
【0031】
また、実行部23は、許可情報に含まれる有効期間が終了した場合、特定の機能の実行を終了する。また、端末装置3は、有効期間が終了した場合、取得していた許可情報を削除する。なお、端末装置3は、カラオケ装置20に許可情報を送信したタイミングで許可情報を削除しても良い。
【0032】
そして、サーバ10の管理部11は、有効期間が終了した場合、対応するライセンスを利用中の状態から利用可能の状態に変更する。
【0033】
次に、カラオケシステム1および端末装置3の動作例について説明する。
図2および
図3は、カラオケシステム1および端末装置3における制御の動作例を示すフローチャートである。なお、
図2における処理は、例えば、利用者が端末装置3において専用のアプリケーションを起動させた際に、適宜実行される。
【0034】
図2に示すように、端末装置3は、特定の機能の利用があるか否かについて判定する(ステップS101)。これは、例えば、利用者が端末装置3を操作して、特定の機能の利用の可否を選択する操作に基づく際の選択結果を端末装置3が識別することにより行われる。例えば、利用者が特定の機能の利用を選択した場合、端末装置3は、特定の機能の利用があると判定し、利用者が特定の機能の利用を選択しない場合、特定の機能の利用がないと判定する。なお、この処理は、行われても、行われなくても良い。その場合、本実施の形態では特定の機能を利用すると判定された場合(ステップS101、YES)とみなして動作する。
【0035】
判定の結果、特定の機能の利用がない場合(ステップS101、NO)、本制御は終了する(
図3参照)。一方、特定の機能の利用がある場合(ステップS101、YES)、端末装置3は、サーバ10から許可情報を取得したか否かについて判定する(ステップS102)。
【0036】
判定の結果、許可情報を取得しない場合(ステップS102、NO)、ステップS102の処理が繰り返される。なお、許可情報を一定時間取得しない場合、ステップS102の繰り返しを中断し、再びステップS101の処理を実行してもよい。一方、許可情報を取得した場合(ステップS102、YES)、
図3に示すように、端末装置3は、カラオケ装置20と通信可能に対応付ける処理を実行する(ステップS103)。これは、例えば、利用者が入室したカラオケルーム2に設置されたカラオケ装置20と、端末装置3との間で、許可情報を通信可能なように対応付ける処理を端末装置3が実行する。具体的には、ステップS102において許可情報を取得した場合、端末装置3の表示部に利用者がカラオケルーム2に入室した際に対応付けの実行をするように促す表示をする。そして、端末装置3は、利用者による対応付けを実行する操作を受け付けるとステップS103における対応付け処理を実行する仕組みを採用すればよい。
【0037】
次に、端末装置3は、特定の機能の許可情報を送信する(ステップS104)。その後、端末装置3は、有効期間が終了したか否かについて判定する(ステップS105)。判定の結果、有効期間が終了していない場合(ステップS105、NO)、ステップS105の処理が繰り返される。ステップS104の処理は、ステップS103の処理と同時に行ってもよい。その場合、一例として、対応付け処理において、許可情報を含めた対応付け要求をカラオケ装置20に送り、特定の機能が実行可能になったことを含めた対応付け許可通知を端末装置3が受け付ける。さらに、ステップS105の処理の繰り返しについては、所定の間隔で行われればよい。また、端末装置3がカラオケ装置20のリモコンとして括り付けられている状態が解除された場合、ステップS105の有効期間が終了した(ステップS105、YES)と判定されてもよい。
【0038】
一方、有効期間が終了した場合(ステップS105、YES)、端末装置3は、許可情報を削除する(ステップS106)。また、ステップS106において、カラオケ装置20に送られた許可情報の削除要求を送信し、削除要求を受け付けた場合、本制御は終了する。本実施の形態において、ステップS103の処理実行後から、ステップS106の処理実行後までが、特定の機能の実行可能な期間である。
【0039】
次に、サーバ10の動作例について説明する。なお、
図2における処理は、例えば、ステップS101でYESと判定された際に、従業員により入力受付部14を介してライセンス数を確認する操作をサーバ10が受け付けた際に、適宜実行される。
【0040】
図2に示すように、サーバ10は、特定の機能のライセンスがあるか否かについて判定する(ステップS201)。例えば、サーバ10は、記憶装置等に記憶されるライセンスの利用状況を確認し、利用可能な状態のライセンスがある場合、ライセンスがあると判定し、利用可能な状態のライセンスがない場合、ライセンスがないと判定する。
【0041】
判定の結果、特定の機能のライセンスがない場合(ステップS201、NO)、本制御は終了する。この時、出力部13は、利用可能な状態のライセンスがないことを出力し、サーバ装置10の表示画面(表示手段)に表示するのが好ましい。一方、特定の機能のライセンスがある場合(ステップS201、YES)、サーバ10は、許可情報を生成する(ステップS202)。一例として、ステップS201がYESの場合、出力部13を介して利用可能な状態のライセンスがあることを出力し、サーバ装置10の表示画面(表示手段)に表示し、従業員により入力受付部を介して許可情報の生成指示を受け付けるとS202の処理を実行するのが好ましい。
【0042】
そして、サーバ10は、許可情報を出力する(ステップS203)。具体的な出力の方法については、利用者が視認可能な形式、または、端末装置3の撮像部で読み取り可能にするために、表示画面に出力して表示されてもよいし、印刷装置に出力して印刷されてもよい。出力後に、例えば、入力受付手段を介して表示終了の支持を受け付ける、または、印刷装置からの印刷タスクの完了を受け付けると、本制御は終了する。本実施形態においては、この許可情報が、端末装置3によって取得された場合が、
図2におけるステップS102でYESと判定された場合である。
【0043】
最後に、カラオケ装置20の動作例について説明する。なお、
図3における処理は、カラオケ装置20を起動したことにより実行を開始されればよい。また、この処理は電源がオフされるまで繰り返し実行される。更に別の例では、端末装置3において実行される対応付ける処理(S103)の処理が実行され、通信が確立したことにより、カラオケ装置20において実行されてもよい。この場合、端末装置3との通信が切断されるまで繰り返し実行される。
【0044】
図3に示すように、カラオケ装置20は、端末装置3から送られる通信に許可情報が含まれているか否かについて判定する(ステップS301)。具体的には、端末装置3においてステップS104の処理が実行されたことに応じて送信される特定の機能の許可情報を受け付けたか否かを判定する。判定の結果、許可情報が含まれていない場合(ステップS301、NO)、本制御は終了する。
【0045】
一方、実行指示に許可情報がある場合(ステップS301、YES)、カラオケ装置20は、特定の機能を実行可能にする(ステップS302)。その後、本制御は終了する。
【0046】
以上のように構成された本実施の形態によれば、利用者に提供された許可情報をカラオケ装置20が受け付けることで、カラオケ装置20における特定の機能の実行可否を容易に切り替えることができる。
【0047】
具体的に、本実施の形態では、利用者が携帯可能な端末装置3を介して、サーバ10からのライセンスの実行許可がカラオケ装置20に伝達される。その結果、カラオケルーム2に、利用者が端末装置3を携帯して移動することで、そのカラオケ装置20とライセンスを一時的に紐付けることができる。
【0048】
例えば、ライセンスが特定カラオケ装置に紐付いている場合、その特定カラオケ装置が設置されたカラオケルームが空かない限り、特定の機能を利用することができなくなる。具体的には、特定の機能を利用しない第1利用者に、そのカラオケルームを提供した後に、特定の機能を利用したい第2利用者が来店したとする。この場合、第1利用者によってライセンスが利用されていないにも関わらず、ライセンスに対応したカラオケルームが埋まっているため、第2利用者に、特定の機能のライセンスを許可できなくなる。結果として、ライセンスに対応しないカラオケルームが空いていても、特定カラオケ装置が設置されたカラオケルームが空くまで第2利用者に待たせることとなる。
【0049】
また、ライセンスに対応したカラオケルームを第1利用者に提供しないようにすると、ライセンスに対応しないカラオケルームが埋まっていた場合、ライセンスに対応したカラオケルームが空いていても、第1利用者を通すことができなくなる。結果として、ライセンスに対応しないカラオケルームが空くまで第1利用者に待たせることになる。
【0050】
それに対し、本実施の形態では、上記の通り、カラオケ装置20における特定の機能の実行可否を容易に切り替えることができるので、特定の機能が利用可能であり、かつ、カラオケルーム2に空きがあれば、そのカラオケルーム2のカラオケ装置20で特定の機能を実行することができる。
【0051】
また、サーバ10により、許可情報を管理して、カラオケ装置20とライセンスを紐付けないようにすることで、特定の機能の利用頻度等に応じて、許可情報に対応する特定の機能のライセンスの契約数を一定の数に抑えることができる。その結果、許可情報に対応する特定の機能のライセンス契約数を節約することができる。
【0052】
また、ライセンスがカラオケ装置に紐付いていると、カラオケルームの広さと、利用者の人数との間に不整合が生じることがある。例えば、ライセンスが紐付いたカラオケ装置を設置したカラオケルームが8人部屋だった場合、特定の機能の利用を希望する利用者が1人で来店した際に、1人だけでそのカラオケルームを利用することが起こり得る。また、ライセンスが紐付いたカラオケ装置を設置したカラオケルームが2人部屋だった場合であって、特定の機能の利用を希望する利用者が合計5人で来店した場合、そのカラオケルームに全員入室することができなくなる。
【0053】
それに対して、本実施の形態では、利用者の人数に応じたカラオケルーム2を自由に選択した上で、その選択したカラオケルーム2のカラオケ装置20に許可情報を紐付けることで、特定の機能を利用可能になる。その結果、上記のようなカラオケルーム2の広さと、利用者の人数との間に不整合が生じることを抑制することができる。
【0054】
また、サーバ10が出力する許可情報を提供された利用者は確実に特定の機能を利用すると考えられるので、サーバ10が、特定の機能の実行可否を許可情報で管理することができる。その結果、特定の機能が実行されるカラオケ装置20の再生履歴と対応させて、特定の機能の利用の有無を管理しやすくすることができる。一例として、楽曲の利用方法によって楽曲1曲当たりの著作権料の支払い額が異なることがある。そのため、カラオケにおける楽曲(著作物)の利用と、特定の機能における楽曲(著作物)の利用とを分けて履歴管理をすることも可能であり、著作権の支払計算を、より正確、かつ、容易にすることができる。
【0055】
また、サーバ10が表示手段等に出力した内容に基づいて、許可情報を端末装置3に取得させるので、カラオケ装置20において特定の機能を実行するためのカギとして端末装置3を機能させることができる。端末装置3がカギの役割をするため、サーバ装置10とカラオケ装置20との間の通信回数を減らすことができる。本実施形態においては、サーバ装置10とカラオケ装置20との間の通信をしなくてもよい仕組みとなっている。
【0056】
また、特定の機能に対する有効な許可情報の生成数が、予め定められた特定の機能に対するライセンス数を超えた場合、新たな許可情報の生成をしないので、ライセンスがない場合に、許可情報を生成することを禁止することができる。
【0057】
また、有効期間に基づいて、新たな許可情報を提供するか否かについて判定するので、許可情報の有効期間に基づいて許可情報の生成を制限することができる。
【0058】
また、管理部11が、有効期間が終了した場合、対応するライセンスを利用中の状態から利用可能の状態に変更するので、次に特定の機能を利用したい利用者にライセンスの許可情報をスムーズに提供することができる。
【0059】
なお、上記実施の形態では、サーバ10では、許可情報の管理について言及されたのみであったが、本発明はこれに限定されない。例えば、利用者が利用するカラオケ装置20の識別情報と、特定の機能に対する許可情報とを紐づけて管理しても良い。
【0060】
この場合、生成部12は、許可情報を生成する際、特定の機能を利用する利用者が入室予定のカラオケルーム2のカラオケ装置20を識別するための識別情報と、特定の機能のライセンスとを対応付けて許可情報を生成する。識別情報は、カラオケ店舗における全てのカラオケ装置20のそれぞれを識別可能な情報であり、例えば数字、記号等で構成される情報である。
【0061】
そして、管理部11は、許可情報に対応するライセンスに、これから利用者に利用されるカラオケ装置20の識別情報を対応付けて記憶する。
【0062】
こうすることで、サーバ装置10がカラオケ装置20と通信をすることなく、特定の機能を有効にするカラオケ装置20を適切に管理することができる。
【0063】
また、この場合、カラオケ装置20においても、その許可情報が自装置の識別情報と対応したものかを判定しても良い。
【0064】
つまり、判定部22は、許可情報を受け付けた場合、許可情報を含むカラオケ装置の識別情報が、自装置の識別情報と一致するか否かについて判定する。具体的には、判定部22は、自装置の識別情報と、許可情報に含まれるカラオケ装置20の識別情報とが一致する場合、許可情報が有効であると判定する。そして、この場合、実行部23が、特定の機能の実行を可能にする。
【0065】
これにより、有効な許可情報であることをカラオケ装置20で認識することができるので、サーバ10が想定しているカラオケ装置20において確実に特定の機能が実行可能にされる。
【0066】
また、カラオケルームの利用にあたり、利用者が利用予約時に設定した時間を延長することがある。上記実施の形態では、その点について言及されていなかったが、サーバ10は、有効期間の延長要求を受け付けた場合、有効期間を変更するようにしても良い。
【0067】
サーバ10は、有効期間の延長要求を受け付ける。延長要求は、例えば、カラオケ装置20からサーバ装置10に対して送信される。このとき、カラオケ装置20は予めサーバ10のアドレスを知っていてもよいし、サーバ10のアドレスが許可情報に含まれていることで、延長要求の送信先のサーバ10のアドレスを特定してもよい。
【0068】
別の例(変形例示1)としては利用者が端末装置3からサーバ10に送信することにより、サーバ10が受け付けても良い。このとき、取得した許可情報にサーバ10のアドレスが含まれていることで、端末装置3が延長要求の送信先のサーバ10のアドレスを特定できればよい。または、端末装置3はカラオケ装置20との対応付けの処理を実行することにより、カラオケ装置20からサーバ10のアドレスを受信することでサーバ10のアドレスを特定できればよい。
【0069】
さらに別の例(変形例示2)としては、利用者から延長要求を口頭で伝えられた従業員がサーバ10に延長要求を入力することにより、サーバ10が受け付けても良い。このとき、従業員はサーバ10に対して所定の機能の利用を延長するカラオケ装置20を識別可能に入力する。
【0070】
サーバ10は延長要求を受け付けた場合、ライセンスに対応する許可情報の有効期間を変更して、変更した有効期間をカラオケ装置20に通知する。このとき、サーバ10は延長要求の送信元のアドレスからカラオケ装置20を特定して通知すればよい。また、管理部11は、許可情報に対応するライセンスに、特定されたカラオケ装置20の識別情報を対応付けて記憶してもよい。
【0071】
カラオケ装置20は、サーバ10から、変更した有効期間の通知を受けた場合、許可情報を受け付けた端末装置3に、変更された有効期間を通知して、有効期間を更新させる。
【0072】
このとき、端末装置3は有効期間が延長されたことをディスプレイなどの表示部に表示させる。これにより、利用者が、延長要求が受け付けられたことを認識することができる。
【0073】
次に、利用者による延長要求があった際の端末装置3の動作例について説明する。
図4は、端末装置3における制御の動作例を示すフローチャートである。なお、
図4における処理は、例えば、
図3における、ステップS104とステップS105との間のタイミングで適宜実行される。
【0074】
図4に示すように、端末装置3は、延長要求に関する通知を取得したか否かについて判定する(ステップS401)。判定の結果、延長要求に関する通知を取得していない場合(ステップS401、NO)、ステップS401の処理が繰り返される。
【0075】
一方、延長要求に関する通知を取得した場合(ステップS401、YES)、端末装置3は、延長が可能であるか否かについて判定する(ステップS402)。判定の結果、延長可能ではない場合(ステップS402、NO)、本制御は終了する。なお、延長可能ではない場合、その旨を利用者に通知しても良い。
【0076】
一方、延長可能である場合(ステップS402、YES)、端末装置3は、有効期間を延長する(ステップS403)。その後、本制御は終了する。なお、本制御の終了後、例えば、
図3におけるステップS105の処理が開始されても良い。
【0077】
このような構成によれば、利用者が、延長要求が受け付けられたことを容易に認識することができる。
【0078】
また、延長要求をしても、延長要求に係る期間が、他の利用者が、特定の機能のライセンスの許可情報を取得している場合がある。この場合において、ライセンスに空きがない場合は、例えば、サーバ10はカラオケ装置20の利用延長は可能であるが、特定の機能は利用不可である旨を、カラオケ装置20を介して利用者に通知しても良い。この場合、端末装置3は、特定の機能を利用せずに、カラオケ装置20の利用延長をするかを利用者に選択させるようにしても良い。
【0079】
また、上記実施の形態では、端末装置3が許可情報をカラオケ装置20に送信していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、端末装置で許可情報に関する1次元コードや2次元コードを表示し、その許可情報をカラオケ装置の読取部(不図示)にかざして、カラオケ装置が許可情報を受け付けるようにしても良い。また、端末装置で許可情報に関するパスコード等を表示して、利用者がカラオケ装置にそのパスコード等を入力操作することで、カラオケ装置が許可情報を受け付けるようにしても良い。
【0080】
また、上記実施の形態では、許可情報が端末装置3を経由して利用者に提供されていたが、本発明はこれに限定されず、サーバ10が許可情報(例えば、パスワード等)を紙等の媒体に出力することで利用者に提供するようにしても良い。この場合、利用者がその許可情報をカラオケ装置20に入力操作することで、カラオケ装置が許可情報を受け付けるようにしても良い。
【0081】
その他、上記実施の形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0082】
1 カラオケシステム
2 カラオケルーム
3 端末装置
10 サーバ
11 管理部
12 生成部
13 出力部
14 入力受付部
20 カラオケ装置
21 受付部
22 判定部
23 実行部