(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】提示制御装置、提示制御プログラム、自動運転制御装置、及び自動運転制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20241203BHJP
【FI】
G08G1/16 C
(21)【出願番号】P 2022180402
(22)【出願日】2022-11-10
【審査請求日】2024-02-14
(31)【優先権主張番号】P 2022012732
(32)【優先日】2022-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】久米 拓弥
(72)【発明者】
【氏名】和泉 一輝
【審査官】吉村 俊厚
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-001697(JP,A)
【文献】特開2018-173717(JP,A)
【文献】特開2018-079702(JP,A)
【文献】特開2010-018184(JP,A)
【文献】特開2009-149123(JP,A)
【文献】特開2022-011908(JP,A)
【文献】特開2021-160541(JP,A)
【文献】特開2021-094965(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
G01C 21/00 - 21/36
B60W 10/00 - 60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、前記自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御装置であって、
前記自律走行制御によって実施される自動車線変更の予定を把握する制御把握部(82)と、
所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の前記自動車線変更が予定される場合、1回目の前記自動車線変更に合わせて、複数回の前記自動車線変更の実施予定を報知する報知実施部(88)と
、を備え
、
前記報知実施部は、
予定された前記自動車線変更が複数回である場合、周辺監視の実施を前記ドライバに促す監視推奨報知を行い、
予定される前記自動車線変更が1回のみである場合、前記監視推奨報知の実施を制限する提示制御装置。
【請求項2】
ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、前記自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御装置であって、
前記自律走行制御によって実施される自動車線変更の予定を把握する制御把握部(82)と、
所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の前記自動車線変更が予定される場合、1回目の前記自動車線変更に合わせて、複数回の前記自動車線変更の実施予定を報知する報知実施部(88)と
、を備え
、
前記制御把握部は、2回目以降の前記自動車線変更の待機状態をさらに把握し、
前記報知実施部は、
1回目の前記自動車線変更の完了後に、2回目の前記自動車線変更が前記待機状態となった場合、周辺監視の実施を前記ドライバに促す監視推奨報知を行い、
1回目の前記自動車線変更の完了後に、2回目の前記自動車線変更が前記待機状態とならなかった場合、前記監視推奨報知の実施を制限する提示制御装置。
【請求項3】
ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、前記自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御装置であって、
前記自律走行制御によって実施される自動車線変更の予定を把握する制御把握部(82)と、
所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の前記自動車線変更が予定される場合、1回目の前記自動車線変更に合わせて、複数回の前記自動車線変更の実施予定を報知する報知実施部(88)と
、を備え
、
前記報知実施部は、
前記自車両の周囲の状況を示す鳥瞰コンテンツ(StA)を表示デバイス(21)によって表示させ、
予定された前記自動車線変更が複数回である場合、前記自動車線変更の繰り返しによって到達する到達レーン(Ln3)を再現する移動先レーン画像部(LpG)を、1回目の前記自動車線変更に合わせて前記鳥瞰コンテンツに表示させ、
複数回の前記自動車線変更の起点となる当初レーン(Ln1)を前記鳥瞰コンテンツにて再現する移動元レーン画像部(LpS)を、1回目の前記自動車線変更の完了後に非表示にする提示制御装置。
【請求項4】
ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、前記自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御装置であって、
前記自律走行制御によって実施される自動車線変更の予定を把握する制御把握部(82)と、
所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の前記自動車線変更が予定される場合、1回目の前記自動車線変更に合わせて、複数回の前記自動車線変更の実施予定を報知する報知実施部(88)と
、を備え
、
前記制御把握部は、前記自動車線変更の中断可能性の有無をさらに把握し、
前記報知実施部は、
前記自車両の周囲の状況を示す鳥瞰コンテンツ(StA)を表示デバイス(21)によって表示させ、
予定された前記自動車線変更が複数回である場合、前記自動車線変更の繰り返しによって到達する到達レーン(Ln3)を再現する移動先レーン画像部(LpG)を、1回目の前記自動車線変更に合わせて前記鳥瞰コンテンツに表示させ、
1回目の前記自動車線変更に前記中断可能性がある場合、複数回の前記自動車線変更の起点となる当初レーン(Ln1)を前記鳥瞰コンテンツにて再現する移動元レーン画像部(LpS)の表示を継続し、
1回目の前記自動車線変更に前記中断可能性がなくなった場合、前記移動元レーン画像部を非表示にする提示制御装置。
【請求項5】
前記制御把握部は、複数回の前記自動車線変更が行われる理由を把握し、
前記報知実施部は、複数回の前記自動車線変更が予定される場合、前記理由に応じて報知の内容を変更する請求項1~
4のいずれか一項に記載の提示制御装置。
【請求項6】
所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の前記自動車線変更が予定される場合、予定された複数回の前記自動車線変更が完了するまで、前記自車両の移動方向を示す方向指示器(44)の動作を継続させる指示器制御部(84)、をさらに備える請求項1~
4のいずれか一項に記載の提示制御装置。
【請求項7】
ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、前記自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御装置であって、
前記自律走行制御によって実施される自動車線変更の予定を把握する制御把握部(82)と、
所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の前記自動車線変更が予定される場合、1回目の前記自動車線変更に合わせて、複数回の前記自動車線変更の実施予定を報知する報知実施部(88)と
、を備え
、
前記報知実施部は、所定の区間である第1所定区間よりも短い第2所定区間内、又は所定の時間である第1所定時間よりも短い第2所定時間内にて複数回の前記自動車線変更が予定される場合、運転行動の実施を前記ドライバに依頼する運転依頼報知を行う提示制御装置。
【請求項8】
前記報知実施部は、
前記第2所定区間内又は前記第2所定時間内にて複数回の前記自動車線変更が予定される場合、前記運転行動としての加減速操作及び操舵操作の少なくとも一方の実施を前記ドライバに依頼する前記運転依頼報知を行い、
前記第1所定区間よりも短く前記第2所定区間よりも長い区間内、又は前記第1所定時間よりも短く前記第2所定時間よりも長い時間内にて複数回の前記自動車線変更が予定される場合、前記加減速操作及び前記操舵操作に関する前記運転依頼報知の実施を制限する請求項
7に記載の提示制御装置。
【請求項9】
前記報知実施部は、
前記第2所定区間内又は前記第2所定時間内にて複数回の前記自動車線変更が予定される場合、前記運転行動としての周辺監視の実施を前記ドライバに依頼する前記運転依頼報知を行い、
前記第1所定区間よりも短く前記第2所定区間よりも長い区間内、又は前記第1所定時間よりも短く前記第2所定時間よりも長い時間内にて複数回の前記自動車線変更が予定される場合、前記周辺監視に関する前記運転依頼報知の実施を制限する請求項
7に記載の提示制御装置。
【請求項10】
ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、前記自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御装置であって、
前記自律走行制御によって実施される自動車線変更の予定を把握する制御把握部(82)と、
所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の前記自動車線変更が予定される場合、1回目の前記自動車線変更に合わせて、複数回の前記自動車線変更の実施予定を報知する報知実施部(88)と
、を備え
、
所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の前記自動車線変更が予定された場合、1車線ずつの移動を繰り返す第1態様の移動制御を実施するか、複数車線を纏めて移動する第2態様の前記移動制御を実施するかが、前記自車両の走行する走行環境に応じて決定され、
前記報知実施部は、複数回の前記自動車線変更が予定される場合、前記移動制御の態様をさらに報知する提示制御装置。
【請求項11】
前記報知実施部は、前記自車両が一般道を走行している場合、前記第1態様での前記移動制御の実施を報知し、前記自車両が高速道路を走行している場合、前記第2態様での前記移動制御の実施を報知する請求項
10に記載の提示制御装置。
【請求項12】
前記報知実施部は、前記自車両の周囲に他車両が認識されている場合、前記第1態様での前記移動制御の実施を報知し、前記他車両が認識されていない場合、前記第2態様での前記移動制御の実施を報知する請求項
10に記載の提示制御装置。
【請求項13】
ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、前記自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御プログラムであって、
前記自律走行制御によって実施される自動車線変更の予定を把握し(S11)、
所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の前記自動車線変更が予定される場合、1回目の前記自動車線変更に合わせて、複数回の前記自動車線変更の実施予定を報知し(S14,S18)、
予定された前記自動車線変更が複数回である場合、周辺監視の実施を前記ドライバに促す監視推奨報知を行い、
予定される前記自動車線変更が1回のみである場合、前記監視推奨報知の実施を制限する、
ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(11)に実行させる提示制御プログラム。
【請求項14】
ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、前記自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御プログラムであって、
前記自律走行制御によって実施される自動車線変更の予定を把握し(S11)、
所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の前記自動車線変更が予定される場合、1回目の前記自動車線変更に合わせて、複数回の前記自動車線変更の実施予定を報知
し(S14,S18)、
2回目以降の前記自動車線変更の待機状態をさらに把握し、
1回目の前記自動車線変更の完了後に、2回目の前記自動車線変更が前記待機状態となった場合、周辺監視の実施を前記ドライバに促す監視推奨報知を行い、
1回目の前記自動車線変更の完了後に、2回目の前記自動車線変更が前記待機状態とならなかった場合、前記監視推奨報知の実施を制限する、
ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(11)に実行させる提示制御プログラム。
【請求項15】
ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、前記自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御プログラムであって、
前記自律走行制御によって実施される自動車線変更の予定を把握し(S11)、
所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の前記自動車線変更が予定される場合、1回目の前記自動車線変更に合わせて、複数回の前記自動車線変更の実施予定を報知
し(S14,S18)、
前記自車両の周囲の状況を示す鳥瞰コンテンツ(StA)を表示デバイス(21)によって表示させ、
予定された前記自動車線変更が複数回である場合、前記自動車線変更の繰り返しによって到達する到達レーン(Ln3)を再現する移動先レーン画像部(LpG)を、1回目の前記自動車線変更に合わせて前記鳥瞰コンテンツに表示させ、
複数回の前記自動車線変更の起点となる当初レーン(Ln1)を前記鳥瞰コンテンツにて再現する移動元レーン画像部(LpS)を、1回目の前記自動車線変更の完了後に非表示にする、
ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(11)に実行させる提示制御プログラム。
【請求項16】
ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、前記自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御プログラムであって、
前記自律走行制御によって実施される自動車線変更の予定を把握し(S11)、
所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の前記自動車線変更が予定される場合、1回目の前記自動車線変更に合わせて、複数回の前記自動車線変更の実施予定を報知
し(S14,S18)、
前記自車両の周囲の状況を示す鳥瞰コンテンツ(StA)を表示デバイス(21)によって表示させ、
予定された前記自動車線変更が複数回である場合、前記自動車線変更の繰り返しによって到達する到達レーン(Ln3)を再現する移動先レーン画像部(LpG)を、1回目の前記自動車線変更に合わせて前記鳥瞰コンテンツに表示させ、
前記自動車線変更の中断可能性の有無をさらに把握し(S20)、
1回目の前記自動車線変更に前記中断可能性がある場合、複数回の前記自動車線変更の起点となる当初レーン(Ln1)を前記鳥瞰コンテンツにて再現する移動元レーン画像部(LpS)の表示を継続し、
1回目の前記自動車線変更に前記中断可能性がなくなった場合、前記移動元レーン画像部を非表示にする(S21)、
ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(11)に実行させる提示制御プログラム。
【請求項17】
ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、前記自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御プログラムであって、
前記自律走行制御によって実施される自動車線変更の予定を把握し(S11)、
所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の前記自動車線変更が予定される場合、1回目の前記自動車線変更に合わせて、複数回の前記自動車線変更の実施予定を報知
し(S14,S18)、
所定の区間である第1所定区間よりも短い第2所定区間内、又は所定の時間である第1所定時間よりも短い第2所定時間内にて複数回の前記自動車線変更が予定される場合、運転行動の実施を前記ドライバに依頼する運転依頼報知を行う(S616)、
ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(11)に実行させる提示制御プログラム。
【請求項18】
ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、前記自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御プログラムであって、
前記自律走行制御によって実施される自動車線変更の予定を把握し(S11)、
所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の前記自動車線変更が予定される場合、1回目の前記自動車線変更に合わせて、複数回の前記自動車線変更の実施予定を報知
し(S14,S18)、
所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の前記自動車線変更が予定された場合、1車線ずつの移動を繰り返す第1態様の移動制御を実施するか、複数車線を纏めて移動する第2態様の前記移動制御を実施するかが、前記自車両の走行する走行環境に応じて決定され、
複数回の前記自動車線変更が予定される場合、前記移動制御の態様をさらに報知する、
ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(11)に実行させる提示制御プログラム。
【請求項19】
ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、前記自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御装置であって、
前記自律走行制御を行う自動運転制御装置(50b)にて生成される走行計画を把握する制御把握部(82)と、
所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の車線変更を実施する前記走行計画が把握された場合、運転行動の実施を前記ドライバに依頼する運転依頼報知を行う報知実施部(88)と
、を備え
、
前記報知実施部は、手動運転での前記車線変更の実施を前記ドライバに依頼する前記運転依頼報知と、前記自律走行制御の実施する自動車線変更の開始タイミングの決定を前記ドライバに依頼する前記運転依頼報知とを切り替えて実施する提示制御装置。
【請求項20】
前記報知実施部は、
前記自車両が一般道を走行中に複数回の前記車線変更の実施が計画された場合、前記手動運転での前記車線変更の実施を前記ドライバに依頼する前記運転依頼報知を行い、
前記自車両が高速道路を走行中に複数回の前記車線変更が計画された場合、前記開始タイミングの決定を前記ドライバに依頼する前記運転依頼報知を行う請求項
19に記載の提示制御装置。
【請求項21】
ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、前記自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御装置であって、
前記自律走行制御を行う自動運転制御装置(50b)にて生成される走行計画を把握する制御把握部(82)と、
所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の車線変更を実施する前記走行計画が把握された場合、運転行動の実施を前記ドライバに依頼する運転依頼報知を行う報知実施部(88)と
、を備え
、
前記報知実施部は、初回の前記車線変更が前記自律走行制御によって行われる場合、2回目以降の前記車線変更の手動運転での実施を前記運転依頼報知によって前記ドライバに依頼する提示制御装置。
【請求項22】
ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、前記自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御装置であって、
前記自律走行制御を行う自動運転制御装置(50b)にて生成される走行計画を把握する制御把握部(82)と、
所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の車線変更を実施する前記走行計画が把握された場合、運転行動の実施を前記ドライバに依頼する運転依頼報知を行う報知実施部(88)と
、を備え
、
前記報知実施部は、前記自律走行制御によって開始された2回目以降の前記車線変更が待機状態となった場合、手動運転による前記車線変更の実施を前記運転依頼報知によって前記ドライバに依頼する提示制御装置。
【請求項23】
前記報知実施部は、前記自車両の周囲の渋滞が把握されている場合、複数回の前記車線変更に関連する前記運転依頼報知を実施しない請求項
19~
22のいずれか一項に記載の提示制御装置。
【請求項24】
ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、前記自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御装置であって、
前記自律走行制御を行う自動運転制御装置(50b)にて生成される走行計画を把握する制御把握部(82)と、
所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の車線変更を実施する前記走行計画が把握された場合、運転行動の実施を前記ドライバに依頼する運転依頼報知を行う報知実施部(88)と
、を備え
、
前記報知実施部は、前記自車両の周囲の渋滞が把握されている場合、複数回の前記車線変更に関連する前記運転依頼報知を実施しない提示制御装置。
【請求項25】
ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、前記自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御プログラムであって、
前記自律走行制御を行う自動運転制御装置(50b)にて生成される走行計画を把握し(S411)、
所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の車線変更を実施する前記走行計画が把握された場合、運転行動の実施を前記ドライバに依頼する運転依頼報知を行
い(S416,S431,S436)、
手動運転での前記車線変更の実施を前記ドライバに依頼する前記運転依頼報知と、前記自律走行制御の実施する自動車線変更の開始タイミングの決定を前記ドライバに依頼する前記運転依頼報知とを切り替えて実施する、
ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(11)に実行させる提示制御プログラム。
【請求項26】
ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、前記自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御プログラムであって、
前記自律走行制御を行う自動運転制御装置(50b)にて生成される走行計画を把握し(S411)、
所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の車線変更を実施する前記走行計画が把握された場合、運転行動の実施を前記ドライバに依頼する運転依頼報知を行
い(S416,S431,S436)、
初回の前記車線変更が前記自律走行制御によって行われる場合、2回目以降の前記車線変更の手動運転での実施を前記運転依頼報知によって前記ドライバに依頼する(S536)、
ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(11)に実行させる提示制御プログラム。
【請求項27】
ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、前記自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御プログラムであって、
前記自律走行制御を行う自動運転制御装置(50b)にて生成される走行計画を把握し(S411)、
所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の車線変更を実施する前記走行計画が把握された場合、運転行動の実施を前記ドライバに依頼する運転依頼報知を行
い(S416,S431,S436)、
前記自律走行制御によって開始された2回目以降の前記車線変更が待機状態となった場合、手動運転による前記車線変更の実施を前記運転依頼報知によって前記ドライバに依頼する(S536)、
ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(11)に実行させる提示制御プログラム。
【請求項28】
ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、前記自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御プログラムであって、
前記自律走行制御を行う自動運転制御装置(50b)にて生成される走行計画を把握し(S411)、
所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の車線変更を実施する前記走行計画が把握された場合、運転行動の実施を前記ドライバに依頼する運転依頼報知を行
い(S416,S431,S436)、
前記自車両の周囲の渋滞が把握されている場合、複数回の前記車線変更に関連する前記運転依頼報知を実施しない、
ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(11)に実行させる提示制御プログラム。
【請求項29】
ドライバによる周辺監視義務のある運転支援制御と、前記ドライバによる周辺監視義務のない自律走行制御とを切り替える制御切替部(78)と、
前記自律走行制御による自車両(Am)の自動車線変更の実施を計画する車線変更制御部(79)と、を備え、
前記車線変更制御部は、複数回の前記自動車線変更を計画する場合、1回目の前記自動車線変更を実施する第1地点(P1s)から2回目の前記自動車線変更を実施する第2地点(P2s)までの間隔(DLC)を、前記運転支援制御による前記自動車線変更が複数回計画される場合の前記間隔よりも広く設定する自動運転制御装置。
【請求項30】
前記自車両の走行する道路の状況を把握する道路状況把握部(73)、をさらに備え、
前記車線変更制御部は、前記道路の状況に応じて前記第1地点及び前記第2地点の少なくとも一方を設定する請求項
29に記載の自動運転制御装置。
【請求項31】
前記道路状況把握部は、前記自車両の進行方向に存在する回避区間の存在を把握し、
前記車線変更制御部は、前記回避区間を避けるように前記第1地点及び前記第2地点を設定する請求項
30に記載の自動運転制御装置。
【請求項32】
前記自車両の後方を走行する後方車両を少なくとも把握する他車両把握部(72)、をさらに備え、
前記車線変更制御部は、前記自車両及び前記後方車両の間の車間距離が所定値よりも狭い場合、走行中の当初レーン(Ln1)から隣接レーンへの前記自動車線変更の実施を計画する請求項
29~
31のいずれか一項に記載の自動運転制御装置。
【請求項33】
前記車線変更制御部は、前記後方車両による前記自車両の追い抜きが前記他車両把握部によって把握された場合、前記当初レーンに戻る前記自動車線変更の実施を計画する請求項
32に記載の自動運転制御装置。
【請求項34】
ドライバによる周辺監視義務のある運転支援制御と、前記ドライバによる周辺監視義務のない自律走行制御とを切り替え(S101~S107)、
前記自律走行制御による自車両(Am)の自動車線変更の実施を計画し(S121~S123)、
複数回の前記自動車線変更を計画する場合には、1回目の前記自動車線変更を実施する第1地点(P1s)から2回目の前記自動車線変更を実施する第2地点(P2s)までの間隔(DLC)を、前記運転支援制御による前記自動車線変更が複数回計画される場合の前記間隔よりも広く設定する、
ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(51)に実行させる自動運転制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書における開示は、情報提示の制御技術、及び自動運転の制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、走行中の道路に対して自車両を道なりに走行させる自動運転装置が記載されている。この自動運転装置は、現在走行する車線から別の車線へと自車両を車線変更させる制御を実施できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような自動運転装置の発展により、近年、ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御が実現されつつある。こうした自律走行制御によれば、ドライバに周辺監視義務のない状態での自動車線変更も実施可能となり得る。しかし、ドライバに周辺監視義務のない状態下での自動車線変更が連続して行われた場合、ドライバ等の乗員は、複数回の自動車線変更が正常な制御に基づく行動か否かを判断し難くなる。その結果、複数回の自動車線変更が乗員に不安を覚えさせる要因となる虞があった。
【0005】
本開示は、複数回の自動車線変更が行われる場合であっても、乗員の不安を抑制可能な提示制御装置、提示制御プログラム、自動運転制御装置、及び自動運転制御プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、開示された一つの態様は、ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御装置であって、自律走行制御によって実施される自動車線変更の予定を把握する制御把握部(82)と、所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の自動車線変更が予定される場合、1回目の自動車線変更に合わせて、複数回の自動車線変更の実施予定を報知する報知実施部(88)と、を備え、報知実施部は、予定された自動車線変更が複数回である場合、周辺監視の実施をドライバに促す監視推奨報知を行い、予定される自動車線変更が1回のみである場合、監視推奨報知の実施を制限する提示制御装置とされる。
また開示された一つの態様は、ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御装置であって、自律走行制御によって実施される自動車線変更の予定を把握する制御把握部(82)と、所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の自動車線変更が予定される場合、1回目の自動車線変更に合わせて、複数回の自動車線変更の実施予定を報知する報知実施部(88)と、を備え、制御把握部は、2回目以降の自動車線変更の待機状態をさらに把握し、報知実施部は、1回目の自動車線変更の完了後に、2回目の自動車線変更が待機状態となった場合、周辺監視の実施をドライバに促す監視推奨報知を行い、1回目の自動車線変更の完了後に、2回目の自動車線変更が待機状態とならなかった場合、監視推奨報知の実施を制限する提示制御装置とされる。
また開示された一つの態様は、ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御装置であって、自律走行制御によって実施される自動車線変更の予定を把握する制御把握部(82)と、所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の自動車線変更が予定される場合、1回目の自動車線変更に合わせて、複数回の自動車線変更の実施予定を報知する報知実施部(88)と、を備え、報知実施部は、自車両の周囲の状況を示す鳥瞰コンテンツ(StA)を表示デバイス(21)によって表示させ、予定された自動車線変更が複数回である場合、自動車線変更の繰り返しによって到達する到達レーン(Ln3)を再現する移動先レーン画像部(LpG)を、1回目の自動車線変更に合わせて鳥瞰コンテンツに表示させ、複数回の自動車線変更の起点となる当初レーン(Ln1)を鳥瞰コンテンツにて再現する移動元レーン画像部(LpS)を、1回目の自動車線変更の完了後に非表示にする提示制御装置とされる。
また開示された一つの態様は、ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御装置であって、自律走行制御によって実施される自動車線変更の予定を把握する制御把握部(82)と、所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の自動車線変更が予定される場合、1回目の自動車線変更に合わせて、複数回の自動車線変更の実施予定を報知する報知実施部(88)と、を備え、制御把握部は、自動車線変更の中断可能性の有無をさらに把握し、報知実施部は、自車両の周囲の状況を示す鳥瞰コンテンツ(StA)を表示デバイス(21)によって表示させ、予定された自動車線変更が複数回である場合、自動車線変更の繰り返しによって到達する到達レーン(Ln3)を再現する移動先レーン画像部(LpG)を、1回目の自動車線変更に合わせて鳥瞰コンテンツに表示させ、1回目の自動車線変更に中断可能性がある場合、複数回の自動車線変更の起点となる当初レーン(Ln1)を鳥瞰コンテンツにて再現する移動元レーン画像部(LpS)の表示を継続し、1回目の自動車線変更に中断可能性がなくなった場合、移動元レーン画像部を非表示にする提示制御装置とされる。
また開示された一つの態様は、ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御装置であって、自律走行制御によって実施される自動車線変更の予定を把握する制御把握部(82)と、所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の自動車線変更が予定される場合、1回目の自動車線変更に合わせて、複数回の自動車線変更の実施予定を報知する報知実施部(88)と、を備え、報知実施部は、所定の区間である第1所定区間よりも短い第2所定区間内、又は所定の時間である第1所定時間よりも短い第2所定時間内にて複数回の自動車線変更が予定される場合、運転行動の実施をドライバに依頼する運転依頼報知を行う提示制御装置とされる。
また開示された一つの態様は、ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御装置であって、自律走行制御によって実施される自動車線変更の予定を把握する制御把握部(82)と、所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の自動車線変更が予定される場合、1回目の自動車線変更に合わせて、複数回の自動車線変更の実施予定を報知する報知実施部(88)と、を備え、所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の自動車線変更が予定された場合、1車線ずつの移動を繰り返す第1態様の移動制御を実施するか、複数車線を纏めて移動する第2態様の移動制御を実施するかが、自車両の走行する走行環境に応じて決定され、報知実施部は、複数回の自動車線変更が予定される場合、移動制御の態様をさらに報知する提示制御装置とされる。
【0007】
また開示された一つの態様は、ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御プログラムであって、自律走行制御によって実施される自動車線変更の予定を把握し(S11)、所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の自動車線変更が予定される場合、1回目の自動車線変更に合わせて、複数回の自動車線変更の実施予定を報知し(S14,S18)、予定された自動車線変更が複数回である場合、周辺監視の実施をドライバに促す監視推奨報知を行い、予定される自動車線変更が1回のみである場合、監視推奨報知の実施を制限する、ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(11)に実行させる提示制御プログラムとされる。
また開示された一つの態様は、ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御プログラムであって、自律走行制御によって実施される自動車線変更の予定を把握し(S11)、所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の自動車線変更が予定される場合、1回目の自動車線変更に合わせて、複数回の自動車線変更の実施予定を報知し(S14,S18)、2回目以降の自動車線変更の待機状態をさらに把握し、1回目の自動車線変更の完了後に、2回目の自動車線変更が待機状態となった場合、周辺監視の実施をドライバに促す監視推奨報知を行い、1回目の自動車線変更の完了後に、2回目の自動車線変更が待機状態とならなかった場合、監視推奨報知の実施を制限する、ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(11)に実行させる提示制御プログラムとされる。
また開示された一つの態様は、ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御プログラムであって、自律走行制御によって実施される自動車線変更の予定を把握し(S11)、所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の自動車線変更が予定される場合、1回目の自動車線変更に合わせて、複数回の自動車線変更の実施予定を報知し(S14,S18)、自車両の周囲の状況を示す鳥瞰コンテンツ(StA)を表示デバイス(21)によって表示させ、予定された自動車線変更が複数回である場合、自動車線変更の繰り返しによって到達する到達レーン(Ln3)を再現する移動先レーン画像部(LpG)を、1回目の自動車線変更に合わせて鳥瞰コンテンツに表示させ、複数回の自動車線変更の起点となる当初レーン(Ln1)を鳥瞰コンテンツにて再現する移動元レーン画像部(LpS)を、1回目の自動車線変更の完了後に非表示にする、ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(11)に実行させる提示制御プログラムとされる。
また開示された一つの態様は、ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御プログラムであって、自律走行制御によって実施される自動車線変更の予定を把握し(S11)、所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の自動車線変更が予定される場合、1回目の自動車線変更に合わせて、複数回の自動車線変更の実施予定を報知し(S14,S18)、自車両の周囲の状況を示す鳥瞰コンテンツ(StA)を表示デバイス(21)によって表示させ、予定された自動車線変更が複数回である場合、自動車線変更の繰り返しによって到達する到達レーン(Ln3)を再現する移動先レーン画像部(LpG)を、1回目の自動車線変更に合わせて鳥瞰コンテンツに表示させ、自動車線変更の中断可能性の有無をさらに把握し(S20)、1回目の自動車線変更に中断可能性がある場合、複数回の自動車線変更の起点となる当初レーン(Ln1)を鳥瞰コンテンツにて再現する移動元レーン画像部(LpS)の表示を継続し、1回目の自動車線変更に中断可能性がなくなった場合、移動元レーン画像部を非表示にする(S21)、ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(11)に実行させる提示制御プログラムとされる。
また開示された一つの態様は、ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御プログラムであって、自律走行制御によって実施される自動車線変更の予定を把握し(S11)、所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の自動車線変更が予定される場合、1回目の自動車線変更に合わせて、複数回の自動車線変更の実施予定を報知し(S14,S18)、所定の区間である第1所定区間よりも短い第2所定区間内、又は所定の時間である第1所定時間よりも短い第2所定時間内にて複数回の自動車線変更が予定される場合、運転行動の実施をドライバに依頼する運転依頼報知を行う(S616)、ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(11)に実行させる提示制御プログラムとされる。
また開示された一つの態様は、ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御プログラムであって、自律走行制御によって実施される自動車線変更の予定を把握し(S11)、所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の自動車線変更が予定される場合、1回目の自動車線変更に合わせて、複数回の自動車線変更の実施予定を報知し(S14,S18)、所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の自動車線変更が予定された場合、1車線ずつの移動を繰り返す第1態様の移動制御を実施するか、複数車線を纏めて移動する第2態様の移動制御を実施するかが、自車両の走行する走行環境に応じて決定され、複数回の自動車線変更が予定される場合、移動制御の態様をさらに報知する、ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(11)に実行させる提示制御プログラムとされる。
【0008】
これらの態様では、所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の自動車線変更が連続する場合、ドライバ等の乗員は、1回目の自動車線変更に合わせて実施される報知により、複数回の自動車線変更の実施予定を把握し得る。故に、乗員は、複数回の自動車線変更が正常な制御に基づく行動であると判断できる。その結果、複数回の自動車線変更が行われる場合でも、乗員の不安は抑制可能となる。
【0009】
また開示された一つの態様は、ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御装置であって、自律走行制御を行う自動運転制御装置(50b)にて生成される走行計画を把握する制御把握部(82)と、所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の車線変更を実施する走行計画が把握された場合、運転行動の実施をドライバに依頼する運転依頼報知を行う報知実施部(88)と、を備え、報知実施部は、手動運転での車線変更の実施をドライバに依頼する運転依頼報知と、自律走行制御の実施する自動車線変更の開始タイミングの決定をドライバに依頼する運転依頼報知とを切り替えて実施する提示制御装置とされる。
また開示された一つの態様は、ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御装置であって、自律走行制御を行う自動運転制御装置(50b)にて生成される走行計画を把握する制御把握部(82)と、所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の車線変更を実施する走行計画が把握された場合、運転行動の実施をドライバに依頼する運転依頼報知を行う報知実施部(88)と、を備え、報知実施部は、初回の車線変更が自律走行制御によって行われる場合、2回目以降の車線変更の手動運転での実施を運転依頼報知によってドライバに依頼する提示制御装置とされる。
また開示された一つの態様は、ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御装置であって、自律走行制御を行う自動運転制御装置(50b)にて生成される走行計画を把握する制御把握部(82)と、所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の車線変更を実施する走行計画が把握された場合、運転行動の実施をドライバに依頼する運転依頼報知を行う報知実施部(88)と、を備え、報知実施部は、自律走行制御によって開始された2回目以降の車線変更が待機状態となった場合、手動運転による車線変更の実施を運転依頼報知によってドライバに依頼する提示制御装置とされる。
また開示された一つの態様は、ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御装置であって、自律走行制御を行う自動運転制御装置(50b)にて生成される走行計画を把握する制御把握部(82)と、所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の車線変更を実施する走行計画が把握された場合、運転行動の実施をドライバに依頼する運転依頼報知を行う報知実施部(88)と、を備え、報知実施部は、自車両の周囲の渋滞が把握されている場合、複数回の車線変更に関連する運転依頼報知を実施しない提示制御装置とされる。
【0010】
また開示された一つの態様は、ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御プログラムであって、自律走行制御を行う自動運転制御装置(50b)にて生成される走行計画を把握し(S411)、所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の車線変更を実施する走行計画が把握された場合、運転行動の実施をドライバに依頼する運転依頼報知を行い(S416,S431,S436)、手動運転での車線変更の実施をドライバに依頼する運転依頼報知と、自律走行制御の実施する自動車線変更の開始タイミングの決定をドライバに依頼する運転依頼報知とを切り替えて実施する、ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(11)に実行させる提示制御プログラムとされる。
また開示された一つの態様は、ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御プログラムであって、自律走行制御を行う自動運転制御装置(50b)にて生成される走行計画を把握し(S411)、所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の車線変更を実施する走行計画が把握された場合、運転行動の実施をドライバに依頼する運転依頼報知を行い(S416,S431,S436)、初回の車線変更が自律走行制御によって行われる場合、2回目以降の車線変更の手動運転での実施を運転依頼報知によってドライバに依頼する(S536)、ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(11)に実行させる提示制御プログラムとされる。
また開示された一つの態様は、ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御プログラムであって、自律走行制御を行う自動運転制御装置(50b)にて生成される走行計画を把握し(S411)、所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の車線変更を実施する走行計画が把握された場合、運転行動の実施をドライバに依頼する運転依頼報知を行い(S416,S431,S436)、自律走行制御によって開始された2回目以降の車線変更が待機状態となった場合、手動運転による車線変更の実施を運転依頼報知によってドライバに依頼する(S536)、ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(11)に実行させる提示制御プログラムとされる。
また開示された一つの態様は、ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御プログラムであって、自律走行制御を行う自動運転制御装置(50b)にて生成される走行計画を把握し(S411)、所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の車線変更を実施する走行計画が把握された場合、運転行動の実施をドライバに依頼する運転依頼報知を行い(S416,S431,S436)、自車両の周囲の渋滞が把握されている場合、複数回の車線変更に関連する運転依頼報知を実施しない、ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(11)に実行させる提示制御プログラムとされる。
【0011】
これらの態様では、所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の車線変更を実施する走行計画が把握された場合、運転依頼報知により、運転行動の実施がドライバに依頼される。故に、ドライバは、運転依頼報知の認識により、正常な制御に基づく処理が自車両側において実行されていると判断できる。その結果、複数回の自動車線変更が行われる場合でも、ドライバ等の乗員の不安は抑制可能となる。
【0012】
また開示された一つの態様は、ドライバによる周辺監視義務のある運転支援制御と、ドライバによる周辺監視義務のない自律走行制御とを切り替える制御切替部(78)と、自律走行制御による自車両(Am)の自動車線変更の実施を計画する車線変更制御部(79)と、を備え、車線変更制御部は、複数回の自動車線変更を計画する場合、1回目の自動車線変更を実施する第1地点(P1s)から2回目の自動車線変更を実施する第2地点(P2s)までの間隔(DLC)を、運転支援制御による自動車線変更が複数回計画される場合の間隔よりも広く設定する自動運転制御装置とされる。
【0013】
また開示された一つの態様は、ドライバによる周辺監視義務のある運転支援制御と、ドライバによる周辺監視義務のない自律走行制御とを切り替え(S101~S107)、自律走行制御による自車両(Am)の自動車線変更の実施を計画し(S121~S123)、複数回の自動車線変更を計画する場合には、1回目の自動車線変更を実施する第1地点(P1s)から2回目の自動車線変更を実施する第2地点(P2s)までの間隔(DLC)を、運転支援制御による自動車線変更が複数回計画される場合の間隔よりも広く設定する、ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(51)に実行させる自動運転制御プログラムとされる。
【0014】
これらの態様では、ドライバに周辺監視義務のない場合、周辺監視義務のある場合よりも、1回目の自動車線変更が実施される第1地点から、2回目の自動車線変更が実施される第2地点までの間隔が、広く確保される。このように、計画された複数回の自動車線変更が間をあけて実施されれば、ドライバ等の乗員は、自動車線変更が連続的に繰り返されたと認識し難くなるため、正常な制御に基づき自動車線変更が行われたと判断できる。以上により、複数回の自動車線変更が行われる場合でも、乗員の不安は抑制可能となる。
【0015】
尚、上記及び特許請求の範囲における括弧内の参照番号は、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、技術的範囲を何ら制限するものではない。また、特に組み合わせに支障が生じなければ、特許請求の範囲において明示していない請求項同士の組み合せも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本開示の第一実施形態によるHCU及び自動運転ECUを含む車載ネットワークの全体像を示す図である。
【
図2】自動運転ECUの詳細を示すブロック図である。
【
図4】自動運転ECUにて実施される制御切替処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図5】自動運転ECUにて実施される車線変更計画処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図6】自動運転ECUにて実施される車線変更実行処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図7】連続LCでの自車ステータスの表示遷移を説明するためのタイミング図である。
【
図8】連続LC表示を行う自車ステータスの一例を示す図である。
【
図9】
図8に示す連続LC表示の表示遷移を示す図である。
【
図10】2回目の自動車線変更を案内する自車ステータスの一例を示す図である。
【
図12】2回目の自動車線変更が待機状態になった場合の監視推奨報知の一例を示す図である。
【
図13】連続LC表示を行う自車ステータスの別の一例を示す図である。
【
図14】
図13に示す連続LC表示の表示遷移を示す図である。
【
図15】2回目の自動車線変更を案内する自車ステータスの別の一例を示す図である。
【
図16】HCUにて実施される表示制御処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図17】第二実施形態による連続LCでの自車ステータスの表示遷移を説明するためのタイミング図である。
【
図18】連続LCにおける1回目の自動車線変更を案内する自車ステータスの一例を示す図である。
【
図19】連続LC表示を行う自車ステータスのさらに別の一例を示す図である。
【
図20】連続LCにおける1回目の自動車線変更を案内する自車ステータスの別の一例を示す図である。
【
図21】連続LC表示を行う自車ステータスのさらに別の一例を示す図である。
【
図22】第三実施形態の自動運転ECUにて実施される車線変更実行処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図23】第四実施形態のHCUにて実施される報知制御処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図24】報知制御処理のサブ処理として実施される連続LC用報知処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図25】第五実施形態の報知制御処理のサブ処理である連続LC用報知処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図26】第七実施形態のHCUにて実施される報知制御処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図27】第九実施形態にて一体連続LC制御の実施を報知する連続LC表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
【0018】
(第一実施形態)
図1~
図3に示す本開示の第一実施形態によるHCU(Human Machine Interface Control Unit)100は、車両(以下、自車両Am)において用いられるインターフェース制御装置である。HCU100は、自車両AmのHMI(Human Machine Interface)システム10を、複数の入出力デバイス等と共に構成している。HMIシステム10は、自車両Amのドライバ等の乗員による操作を受け付ける入力インターフェース機能と、ドライバ等へ向けて情報を提示する出力インターフェース機能とを備えている。
【0019】
HCU100は、自車両Amに搭載された車載ネットワーク1の通信バス99に通信可能に接続されている。HCU100は、車載ネットワーク1に設けられた複数のノードのうちの一つである。車載ネットワーク1の通信バス99には、周辺監視センサ30、ロケータ35、ナビゲーションECU(Electronic Control Unit)38、車載通信機39、走行制御ECU40、及びボディECU43等が接続されている。加えて車載ネットワーク1の通信バス99には、運転支援ECU50a及び自動運転ECU50b等が接続されている。通信バス99に接続されたこれらのノードは、相互に通信可能である。これら装置及び各ECU等のうちの特定ノード同士は、相互に直接的に電気接続され、通信バス99を介すことなく通信可能であってもよい。
【0020】
周辺監視センサ30は、自車両Amの周辺環境を監視する自律センサである。周辺監視センサ30には、例えばカメラユニット31、ミリ波レーダ32、ライダ33及びソナー34のうちの1つ又は複数が含まれている。周辺監視センサ30は、自車周囲の検出範囲から移動物体及び静止物体を検出可能である。周辺監視センサ30は、自車周囲の物体の検出情報を運転支援ECU50a及び自動運転ECU50b等に提供する。
【0021】
ロケータ35は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機及び慣性センサ等を含む構成である。ロケータ35は、GNSS受信機で複数の測位衛星から受信する測位信号、慣性センサの計測結果、及び通信バス99に出力された車速情報等を組み合わせ、自車両Amの自車位置及び進行方向等を逐次測位する。ロケータ35は、測位結果に基づく自車両Amの位置情報及び方角情報を、ロケータ情報として通信バス99に逐次出力する。
【0022】
ロケータ35は、地図データを格納した地図データベース(以下、地
図DB)36をさらに有している。地
図DB36は、多数の3次元地図データ及び2次元地図データを格納した大容量の記憶媒体を主体とする構成である。3次元地図データは、いわゆるHD(High Definition)マップであり、自動運転に必要な道路情報を含んでいる。具体的には、道路の3次元形状情報及び各レーンの詳細情報等が3次元地図データには含まれている。ロケータ35は、車載通信機39による車外通信により、3次元地図データ及び2次元地図データを最新の情報に更新可能である。ロケータ35は、現在位置周辺の地図データを地
図DB36から読み出し、運転支援ECU50a及び自動運転ECU50b等にロケータ情報と共に提供する。
【0023】
ナビゲーションECU38は、HCU100から取得する操作情報に基づき、ドライバ等の乗員が指定する目的地の情報を取得する。ナビゲーションECU38は、自車位置情報及び方角情報をロケータ35から取得し、現在位置から目的地までの経路を設定する。ナビゲーションECU38は、目的地までの設定経路を示す経路情報を、運転支援ECU50a、自動運転ECU50b及びHCU100等に提供する。ナビゲーションECU38は、HMIシステム10と連携し、目的地までの経路案内として、画面表示及び音声メッセージ等を組み合わせ、交差点及び分岐ポイント等にて自車両Amの進行方向をドライバに通知する。
【0024】
ここで、スマートフォン等のユーザ端末等が、車載ネットワーク1又はHCU100に接続されていてもよい。こうしたユーザ端末は、ロケータ35に替わって、自車位置情報、方角情報及び地図データ等を運転支援ECU50a及び自動運転ECU50b等に提供してもよい。さらに、ユーザ端末は、ナビゲーションECU38に替わって、目的地までの経路情報を、運転支援ECU50a、自動運転ECU50b及びHCU100等に提供してもよい。
【0025】
車載通信機39は、自車両Amに搭載された車外通信ユニットであり、V2X(Vehicle to Everything)通信機として機能する。車載通信機39は、道路脇に設置された路側機との間で無線通信によって情報を送受信する。一例として、車載通信機39は、自車両Amの現在位置周辺及び進行方向の渋滞情報及び道路工事情報等を路側機から受信する。渋滞情報及び道路工事情報は、VICS(登録商標)情報等である。車載通信機39は、受信した渋滞情報及び道路工事情報を自動運転ECU50b及びHCU100等に提供する。
【0026】
走行制御ECU40は、マイクロコントローラを主体として含む電子制御装置である。走行制御ECU40は、ブレーキ制御ECU、駆動制御ECU及び操舵制御ECUの機能を少なくとも有している。走行制御ECU40は、ドライバの運転操作に基づく操作指令、運転支援ECU50aの制御指令及び自動運転ECU50bの制御指令のいずれか一つに基づき、各輪のブレーキ力制御、車載動力源の出力制御及び操舵角制御を継続的に実施する。
【0027】
ボディECU43は、マイクロコントローラを主体として含む電子制御装置である。ボディECU43は、自車両Amに搭載された灯火装置(例えば、方向指示器44等)の作動を制御する機能を少なくとも有している。ボディECU43は、ステアリングコラム部等に設けられた方向指示スイッチ(ウィンカーレバー)へ入力されるユーザ操作の検知に基づき、操作方向に対応した左右いずれかの方向指示器44の点滅を開始させる。
【0028】
運転支援ECU50a及び自動運転ECU50bは、自車両Amの自動運転システム50を構成している。自動運転システム50の搭載により、自車両Amは、自動運転機能を備えた自動運転車両となり、自動運転機能によって走行可能となる。
【0029】
運転支援ECU50aは、自動運転システム50において、ドライバの運転操作を支援する運転支援機能を実現させる。運転支援ECU50aは、米国自動車技術会の規定する自動運転レベルにおいて、レベル2程度の高度運転支援又は部分的な自動運転を可能にする。運転支援ECU50aによって実施される自動運転は、ドライバの目視による自車周辺の監視が必要な周辺監視義務のある自動運転となる。
【0030】
自動運転ECU50bは、ドライバの運転操作を代行可能であり、米国自動車技術会の規定する自動運転レベルにおいて、システムが制御主体となるレベル3以上の自律走行を実施可能である。自動運転ECU50bによって実施される自動運転は、自車周囲の監視が不要となる、即ち、ドライバに周辺監視義務のないアイズオフの自動運転となる。
【0031】
以上の自動運転システム50では、運転支援ECU50aによる周辺監視義務のある自動運転制御と、自動運転ECU50bによる周辺監視義務のない自動運転制御とを少なくとも含む複数のうちで、自動運転機能の走行制御状態が切り替えられる。以下の説明では、運転支援ECU50aによるレベル2以下の自動運転制御を「運転支援制御」と記載し、自動運転ECU50bによるレベル3以上の自動運転制御を「自律走行制御」と記載する。尚、自動運転ECU50bは、レベル4以上の自動運転を実施可能であってよい。
【0032】
自律走行制御によって自車両Amが走行する自動運転期間では、予め規定された運転以外の特定の行為(以下、セカンドタスク)がドライバに許可され得る。セカンドタスクは、自動運転ECU50b及びHCU100が連携して行う運転操作の実施要求、即ち、運転交代の要請が発生するまで、ドライバに法規的に許可される。例えば、動画コンテンツ等のエンターテイメント系のコンテンツの視聴、スマートフォン等のデバイス操作及び食事等の行為が、セカンドタスクとして想定される。
【0033】
運転支援ECU50aは、処理部、RAM、記憶部、入出力インターフェース及びこれらを接続するバス等を備えた制御回路を主体として含むコンピュータである。運転支援ECU50aは、処理部でのプログラムの実行により、ACC(Adaptive Cruise Control)、LTC(Lane Trace Control)及びLCA(Lane Change Assist)等の運転支援機能を実現する。運転支援ECU50aは、運転支援制御の状態を示す制御ステータス情報を、自動運転ECU50bに提供する。
【0034】
自動運転ECU50bは、運転支援ECU50aよりも高い演算能力を備えており、ACC及びLTCに相当する走行制御を少なくとも実施できる。自動運転ECU50bは、自律走行制御が一時的に中断されるシーン等において、運転支援ECU50aに代わって、ドライバに周辺監視義務のある運転支援制御を実施可能であってよい。自動運転ECU50bは、処理部51、RAM52、記憶部53、入出力インターフェース54及びこれらを接続するバス等を備えた制御回路を主体として含むコンピュータである。処理部51は、RAM52へのアクセスにより、本開示の自動運転制御方法を実現するための種々の処理を実行する。記憶部53には、処理部51によって実行される種々のプログラム(自動運転制御プログラム等)が格納されている。処理部51によるプログラムの実行により、自動運転ECU50bには、自動運転機能を実現するための複数の機能部として、情報連携部61、環境認識部62、行動判断部63及び制御実行部64等が構築される(
図2参照)。
【0035】
情報連携部61は、HCU100の後述する情報連携部82への情報提供と、情報連携部82からの情報取得とを実施する。これら情報連携部61,82の連携により、自動運転ECU50b及びHCU100は、それぞれが取得した情報を共有する。情報連携部61は、自動運転機能の動作状態を示す制御ステータス情報を生成し、生成した制御ステータス情報を情報連携部82に提供する。制御ステータス情報には、後述する制御切替処理(
図4参照)、車線変更計画処理(
図5参照)及び車線変更実行処理(
図6参照)にて実施される判定の判定結果が含まれている。情報連携部61は、情報連携部82へ向けた制御ステータス情報の出力により、自動運転機能の動作状態に同期したHCU100による報知を可能にする。加えて、情報連携部61は、ドライバの操作情報等を情報連携部82から取得し、HMIシステム10等に入力されるユーザ操作の内容を把握する。
【0036】
環境認識部62は、ロケータ35より取得するロケータ情報及び地図データと、周辺監視センサ30より取得する検出情報とを組み合わせ、自車両Amの走行環境を認識する。環境認識部62は、周辺監視センサ30による検出情報、及び走行制御ECU40にて把握される自車両Amの車速情等に基づき、自車周囲の渋滞を把握する。環境認識部62は、現在の自車両Amの車速が渋滞速度(例えば、10km/h程度)以下であり、かつ、自車レーンを走行する前方車両が存在する場合、自車周囲が渋滞状態にあると判定する。さらに、環境認識部62は、自車周囲が渋滞状態にあると判定した後、自車両Am又は前方車両の車速が渋滞解消速度(例えば、60km/h程度)を超えた場合、渋滞が解消したと判定する。尚、環境認識部62は、渋滞に関連する判定に、車載通信機39によって受信される渋滞情報を用いてもよい。
【0037】
環境認識部62は、走行環境認識のためのサブ機能部として、他車両把握部72及び道路情報把握部73を有する。他車両把握部72は、自車両Amの周囲を走行する他車両等、自車周囲の動的な物標の相対位置及び相対速度等を把握する。他車両把握部72は、自車両Amと同一レーン(以下、自車レーン)を走行する前方車両及び後方車両、自車レーンに隣接した隣接レーンを走行する側方車両を少なくとも把握する。他車両把握部72は、3車線以上の道路を自車両Amが走行する場合、隣接レーンを挟んで自車レーンの反対側に位置した離間レーンを走行する側方車両を把握する。
【0038】
道路情報把握部73は、自車両Amが走行する道路に関連した情報を把握する。道路情報把握部73は、ナビゲーションECU38から経路情報を取得している場合、自車両Amが走行予定の道路の特定地点、具体的には、高速道路の分岐地点(ジャンクション等)、合流地点及び出口地点等を抽出する。さらに、道路情報把握部73は、自車両Amが走行予定の道路について、渋滞が発生している渋滞区間、及び道路工事等によって規制が生じている規制区間等を把握する。
【0039】
道路情報把握部73は、自車両Amの走行する道路又は走行予定の道路が予め設定された許可エリア又は制限付き許可エリア内か否かを把握する。許可エリア及び制限付き許可エリアか否かを示す情報は、地
図DB36に格納された地図データに記録されていてもよく、車載通信機39によって受信する受信情報に含まれていてもよい。許可エリア及び制限付き許可エリアは、ドライバによる周辺監視義務のない自動運転が法規的に許可される運行設計領域(Operational Design Domain)に相当し得る。詳記すると、周辺監視義務のない自動運転には、複数の制御モードとして、渋滞中の走行に限定して実施される渋滞限定制御(以下、渋滞時レベル3)と、特定の許可エリア内に限定して実施されるエリア限定制御(以下、エリアレベル3)とが含まれている。許可エリア内の道路では、渋滞時レベル3及びエリアレベル3の両方の実施が許可され、制限付きエリア内の道路では、渋滞時レベル3のみが実施を許可される。許可エリア及び制限付き許可エリアのいずれにも含まれない道路(以下、不許可エリア)では、周辺監視義務のない自動運転での走行は、禁止される。許可エリア及び制限付き許可エリアは、例えば高速道路又は自動車専用道路等に設定される。
【0040】
行動判断部63は、運転支援ECU50a及びHCU100と連携し、自動運転システム50及びドライバ間での運転交代を制御する。行動判断部63は、自動運転ECU50bに運転操作の制御権がある場合、環境認識部62による走行環境の認識結果に基づき、自車両Amを走行させる予定走行ラインを生成し、生成した予定走行ラインを制御実行部64に出力する。
【0041】
制御実行部64は、自動運転ECU50bに運転操作の制御権がある場合、走行制御ECU40との連携により、行動判断部63にて生成された予定走行ラインに従って、自車両Amの加減速制御及び操舵制御等を実行する。具体的に、制御実行部64は、予定走行ラインに基づく制御指令を生成し、生成した制御指令を走行制御ECU40へ向けて逐次出力する。
【0042】
次に、HMIシステム10に含まれる複数の表示デバイス、オーディオ装置24、アンビエントライト25、操作デバイス26及びHCU100の各詳細を順に説明する。
【0043】
表示デバイスは、画像表示等により、ドライバの視覚を通じて情報を提示する。表示デバイスには、メータディスプレイ21、センターインフォメーションディスプレイ(以下、CID)22及びヘッドアップディスプレイ(以下、HUD)23等が含まれている。CID22は、タッチパネルの機能を有しており、ドライバ等による表示画面へのタッチ操作を検出する。
【0044】
オーディオ装置24は、運転席を囲む配置にて車室内に設置された複数のスピーカを有しており、報知音又は音声メッセージ等をスピーカによって車室内に再生させる。アンビエントライト25は、インスツルメントパネル及びステアリングホイール等に設けられている。アンビエントライト25は、発光色を変化させるアンビエント表示により、ドライバの周辺視野を利用した情報提示を行う。
【0045】
操作デバイス26は、ドライバ等によるユーザ操作を受け付ける入力部である。操作デバイス26には、例えば自動運転機能の作動及び停止に関連するユーザ操作、経路案内の目的地の設定に関連するユーザ操作等が入力される。ステアリングホイールのスポーク部に設けられたステアスイッチ、ステアリングコラム部に設けられた操作レバー、及びドライバの発話内容を認識する音声入力装置等が、操作デバイス26に含まれる。
【0046】
HCU100は、複数の表示デバイス、オーディオ装置24及びアンビエントライト25を用いた情報提示を統合的に制御する情報提示装置である。HCU100は、自動運転システム50との連携により、自動運転に関連する情報の提示を制御する。HCU100は、処理部11、RAM12、記憶部13、入出力インターフェース14及びこれらを接続するバス等を備えた制御回路を主体として含むコンピュータである。処理部11は、RAM12へのアクセスにより、提示制御処理のための種々の処理を実行する。RAM12は、映像データ生成のためのビデオRAMを含む構成であってよい。記憶部13は、不揮発性の記憶媒体を含む構成である。記憶部13には、処理部11によって実行される種々のプログラム(提示制御プログラム等)が格納されている。HCU100は、記憶部13に記憶されたプログラムを処理部11によって実行することにより、複数の機能部を構築する。HCU100には、情報取得部81、情報連携部82、要求処理部84及び提示制御部88等の機能部が構築される(
図3参照)。
【0047】
情報取得部81は、ユーザ操作の内容を示す操作情報をCID22及び操作デバイス26等から取得する。情報取得部81は、自動運転機能に関連するユーザ操作の操作情報を、情報連携部82を通じて、自動運転ECU50bに提供する。情報取得部81は、自車両Amの目的地を設定するユーザ操作の操作情報を、要求処理部84を通じて、ナビゲーションECU38に提供する。
【0048】
情報連携部82は、自動運転ECU50bと連携し、自動運転システム50及びHCU100間での情報の共有を可能にする。情報連携部82は、情報取得部81にて把握される操作情報を、自動運転ECU50bに提供する。情報連携部82は、自動運転機能の状態を示す制御ステータス情報を、自動運転ECU50bから取得する。情報連携部82は、制御ステータス情報に基づき、自動運転システム50による自動運転の動作状態を把握する。具体的に、情報連携部82は、実施中の走行制御が運転支援制御及び自律走行制御のいずれであるか、即ち、ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御が自動運転機能によって実行されているか否かを把握する。情報連携部82は、ドライバに周辺監視義務のない状態で自車両Amが走行している場合、自律走行制御の制御モードをさらに把握する。
【0049】
要求処理部84は、通信バス99に接続された車載機器との間の通信により、HCU100と各車載機器との連携を可能にする。具体的に、要求処理部84は、目的地までの経路情報、地図データに基づく案内画像、及び案内の実施要求等をナビゲーションECU38から取得し、提示制御部88に提供することで、HMIシステム10による経路案内を可能にする。加えて要求処理部84は、ボディECU43への作動要求の出力により、自動運転に関連する表示に連携した方向指示器44のオン及びオフの切り替えを可能にする。
【0050】
提示制御部88は、各表示デバイス、オーディオ装置24及びアンビエントライト25等を用いたドライバへの情報の提供を統合的に実施する。提示制御部88は、情報連携部82にて取得される制御ステータス情報を自動運転機能に関連した情報提示の実施要求として処理し、自動運転の動作状態に合わせたコンテンツ提供及び情報提示を実施する。提示制御部88は、情報連携部82にてアイズオフでの自律走行制御の実施が把握されると、動画コンテンツ等の再生を可能にする。提示制御部88は、自律走行制御の終了予定を把握すると、ドライバへ向けた運転交代の要請等を実施する。
【0051】
次に、自動運転ECU50bによる自動運転制御及びHCU100による情報提示制御の詳細をさらに説明する。
【0052】
自動運転ECU50bにおいて、行動判断部63は、自動運転機能の動作状態を制御するためのサブ機能部として、制御切替部78及び車線変更制御部79を有する(
図2参照)。
【0053】
制御切替部78は、ドライバによる周辺監視義務のある運転支援制御と、ドライバによる周辺監視義務のない自律走行制御とを切り替える。さらに、自律走行制御によって自車両Amが走行する場合、制御切替部78は、エリアレベル3及び渋滞時レベル3を含む複数のうちで走行制御状態(制御モード)を切り替える。制御切替部78は、例えば運転支援ECU50aによる運転支援制御の開始に基づき、制御切替処理(
図4参照)を開始し、運転支援ECU50aと連携して、走行制御状態を複数のうちで切り替える。
【0054】
制御切替処理にて、制御切替部78は、自律走行制御の実施が許可された道路を自車両Amが走行しているか否かを判断する(S101)。道路情報把握部73にて自車両Amが不許可エリアを走行していると把握されている場合(S101:YES)、制御切替部78は、自律走行制御の実施を許可せず、運転支援ECU50aによる運転支援制御を継続させる(S107)。制御切替部78によって自律走行制御から運転支援制御に走行制御状態が遷移した場合、自動運転ECU50bが運転支援制御を実施してもよい。
【0055】
一方、自車両Amが許可エリア又は制限付き許可エリアを走行している場合(S101:NO)、制御切替部78は、レベル3への移行操作がドライバによって許可されているか否かを判定する(S102)。特定のユーザ操作(レベル3移行操作)等によって移行が許可されている場合(S102:YES)、制御切替部78は、自律走行制御の実施を可能にする。尚、ユーザ操作に基づく移行許可の有無の判定は省略されてもよい。
【0056】
制御切替部78は、自車両Amが許可エリアを走行しているか否かを判定する(S103)。自車両Amが許可エリアを走行している場合(S103:YES)、制御切替部78は、エリアレベル3の自律走行制御を自車両Amの走行制御状態に設定する(S105)。一方、自車両Amが制限付き許可エリアを走行している場合(S103:NO)、制御切替部78は、自車周囲の渋滞が渋滞しているか否かを判定する(S104)。自車周囲の渋滞が環境認識部62にて把握されている場合(S104:YES)、制御切替部78は、渋滞時レベル3の自律走行制御を自車両Amの走行制御状態に設定する(S106)。対して、自車周囲が非渋滞の状態である場合(S104:NO)、制御切替部78は、自律走行制御への移行を許可せず、運転支援制御を継続させる(S107)。
【0057】
車線変更制御部79は、自律走行制御による自車両Amの自動車線変更の実施を計画する。車線変更制御部79は、制御実行部64と連携し、ハンズオフかつアイズオフの状態を維持したままでの自車両Amの自動車線変更を可能にする。車線変更制御部79は、制御切替部78による自律走行制御への切り替えに基づき、車線変更計画処理(
図5参照)を開始する。
【0058】
車線変更計画処理にて、車線変更制御部79は、道路情報把握部73にて抽出された特定地点の中から、自車両Amが走行予定の道路において自車両Amに車線変更が必要となる地点(以下、LC必要地点P3,
図7参照)を特定する(S121)。LC必要地点P3は、高速道路の分岐地点及び出口地点等である。車線変更制御部79は、自車両Amが走行予定となる設定経路上の道路において、自動車線変更の実施を避けることが望ましい区間(以下、回避区間)をさらに特定する(S122)。車線変更制御部79は、道路情報把握部73にて抽出された合流地点の手前側区間(合流区間)、並びに道路情報把握部73にて把握された渋滞区間及び規制区間等を、回避区間として特定する。車両同士の間隔が狭くなり、他車両によって自車両Amの車線変更が妨げられ易くなる区間が回避区間に設定される。
【0059】
車線変更制御部79は、LC必要地点P3の手前側であり、かつ、回避区間を除く範囲にて自動車線変更が完了するように、自動車線変更を実施(開始)する地点(以下、LC開始点)及び実施予定区間を設定する(S123)。詳記すると、車線変更制御部79には、1回の自動車線変更に必要な距離又は時間が予め規定されている。車線変更制御部79は、実施予定区間の終点が回避区間に入らないように、言い替えれば、実施予定区間の全体が回避区間外となるように、LC開始点を決定する。尚、車線変更制御部79は、LC必要地点P3に到達するLC到達時刻t3を基準として、LC開始点を決定してもよい。
【0060】
ここで、LC必要地点P3にて複数回の車線変更が必要となる場合、車線変更制御部79は、複数のLC開始点を設定する。例えば、2回の車線変更が必要な場合、車線変更制御部79は、1回目の自動車線変更を実施する第1開始点P1sと、2回目の自動車線変更を実施する第2開始点P2sとを設定する(
図7参照)。車線変更制御部79は、第1開始点P1s及び第2開始点P2sと共に、これらを始点とする実施予定区間として第1区間LCS1及び第2区間LCS2を設定する。第1区間LCS1内にて1回目の自動車線変更が完了できないと予測される場合、及び第2区間LCS2内にて2回目の自動車線変更が完了できないと予測される場合、車線変更制御部79は、一連の自動車線変更の実施をキャンセルする。
【0061】
車線変更制御部79は、第1開始点P1sと第2開始点P2sとの間に、所定の実施間隔DLCを設定する。実施間隔DLCは、第1区間LCS1の終了点から第2区間LCS2の開始点の間に設定されてもよい。車線変更制御部79は、距離を基準に実施間隔DLCを設定してもよく、又は時間を基準に実施間隔DLCを設定してもよい。以上のような実施間隔DLCの設定により、所定の区間内又は所定の時間内に複数回の実施予定区間が設定され、所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の自動車線変更が予定されるシーンを、以下の説明では「連続LC」と記載する。例えば実施間隔DLCが1キロメートル程度に設定された場合、所定の区間は、例えば数キロメートル程度に設定される。また、実施間隔DLCが1分程度に設定された場合、所定の時間は、例えば数分程度に設定される。
【0062】
車線変更制御部79は、LC必要地点P3に対応する自動車線変更に加えて、自車前方の他車両を追い越すための自動車線変更を計画する。車線変更制御部79は、追従対象となる前方車両の巡航速度が自律走行制御の目標速度よりも所定速度以上低い場合、前方車両の追い越しのため、隣接レーンに移動する自動車線変更を計画する。さらに、前方車両に加えて、隣接レーンを走行する前側方車両の巡航速度が目標速度よりも所定速度以上低い場合、車線変更制御部79は、前方車両及び前側方車両の追い越しのため、離間レーンに移動する2回の自動車線変更を計画する。車線変更制御部79は、自車両Amが前方車両又は前側方車両を追い越した後、当初走行していたレーンに戻るための自動車線変更をさらに計画する。
【0063】
車線変更制御部79は、車線変更計画処理にて設定されたLC開始点(
図7 第1開始点P1s参照)への接近、又は追い越しのための車線変更計画の生成に基づき、制御実行部64と連携して車線変更実行処理(
図6参照)を開始する。車線変更実行処理にて、車線変更制御部79は、自車レーンから隣接レーンへの自動車線変更が開始可能か否かを判定する(S131)。移動先となる隣接レーンに側方車両が存在しており、自動車線変更を開始できない場合(S131:NO)、車線変更制御部79は、自動車線変更を待機状態にする(S132)。所定時間の経過により自動車線変更がタイムアウトとなった場合(S133:YES)、車線変更制御部79は、自動車線変更の実施をキャンセルする(S134)。
【0064】
一方、移動先となる隣接レーンに側方車両が存在しておらず、自動車線変更を開始できる場合(S131:YES)、制御実行部64は、ステアリング制御により、隣接レーンへ向けた自車両Amの移動を開始する(S135)。制御実行部64による横移動の開始後、車線変更制御部79は、車線変更の中断条件が成立したか否かを判定する(S136)。車線変更制御部79は、例えば隣接レーンを走行する他車両が自車両Amの後方に急速に接近している場合、中断条件を成立させる(S136:YES)。この場合、制御実行部64は、実施中の横移動を中断し、当初の自車レーンの中央に戻るステアリング制御(以下、戻り制御)を実施する(S137)。車線変更制御部79は、自車レーン及び隣接レーン間の区画線を自車両Amが超えるまで(S138:YES)、中断条件の成立判定を継続する。例えば、自車両Amの中心又は重心が区画線上を通過したタイミング(
図7 通過時刻t1m参照)、或いは自車両Amの全体が隣接レーンに移動したタイミングにて、車線変更制御部79は、自車両Amが区画線を越えたと判定する。
【0065】
車線変更制御部79は、隣接レーンの概ね中央に自車両Amが到達すると、隣接レーンへの移動が完了したと判定する(S139:YES,
図7 第1完了点P1f参照)。車線変更制御部79は、未実施の自動車線変更が残っているか否かを判定する(S140)。未実施(2回目以降)の自動車線変更がある場合(S140:YES)、車線変更制御部79は、次のLC開始点(
図7 第2開始点P2s参照)に自車両Amが接近したか否かを判定し(S142)、連続する自動車線変更の開始を待機する。自車両Amが次のLC開始点に接近すると(S142:YES)、車線変更制御部79及び制御実行部64は、S131~S139を再び実施し、次の隣接レーン(当初の離間レーン)に自車両Amを移動させる。未実施の自動車線変更がなくなると場合(S140:NO)、車線変更制御部79は、今回の一連の自動車線変更を完了させる(S141)。
【0066】
HCU100は、自車ステータスStA(
図8~
図15参照)を用いて、自動車線変更に関連する情報をドライバに提示する。自車ステータスStAは、メータディスプレイ21に表示され、自車両Am及び自車周囲の状況をドライバに報知する。自車ステータスStAは、鳥瞰コンテンツであり、自車両Am及びその周囲の様子を自車両Amの後ろ上方から見下ろした様子を再現する。
【0067】
自車ステータスStAを用いた報知の内容は、車線変更を行う理由に応じて変更される。具体的に、LC必要地点P3(例えば、分岐地点)への接近に伴う自動車線変更が実施される場合と、追い越しのための自動車線変更が実施される場合とで、互いに異なる態様の自車ステータスStAが表示される。以下、LC必要地点P3への接近に伴って連続LCが実施される場合の自車ステータスStAの表示遷移と、追い越しのための連続LCが実施される場合の自車ステータスStAの表示遷移とを、
図8~
図15に基づき、
図3及び
図7を参照しつつ、順に説明する。
【0068】
<LC必要地点P3への接近に伴う連続LC表示>
LC必要地点P3への接近に伴って連続LCが実施される場合、車線変更計画処理にて設定された第1開始点P1sまで所定距離(例えば、1km)手前となる予告地点P0(
図7参照)への到達により、提示制御部88が、自動車線変更の実施を予告する。自動車線変更の実施予告(以下、LC予告)は、自動車線変更の実施予定を通知するアイコン等の表示、或いは音声又は通知音の再生等により実施される。提示制御部88は、第1開始点P1sへの到達の所定時間前の時刻(以下、予告時刻t0参照,
図7参照)にて、LC予告を開始してもよい。
【0069】
提示制御部88は、自車両Amが第1開始点P1sに到達する時刻(以下、第1開始時刻t1s,
図7参照)、又は第1開始時刻t1sの直前にて、連続LCの実施予定を報知する表示(以下、連続LC表示)に自車ステータスStAを変更する(
図8参照)。自車ステータスStAによる連続LC表示には、自車アイコンIcS、移動元レーンアイコンLpS、隣接レーンアイコンLpM、移動先レーンアイコンLpG、予定軌跡IPP、及び案内標識アイコンIcG等の画像部が含まれている。
【0070】
自車アイコンIcSは、自車両Amの外観を模った画像部である。自車アイコンIcSは、自車ステータスStAの概ね中央に表示される。移動元レーンアイコンLpSは、自車アイコンIcSの左右両側に表示される線状の画像部である。移動元レーンアイコンLpSは、自車アイコンIcSを挟んだ表示によって、自動車線変更の起点となる当初レーンLn1を自車ステータスStAにて再現する。
【0071】
隣接レーンアイコンLpM及び移動先レーンアイコンLpGは、移動元レーンアイコンLpSに沿って延伸する線状の画像部である。隣接レーンアイコンLpM及び移動先レーンアイコンLpGの表示位置は、自動車線変更における自車両Amの移動方向と一致している。即ち、自車両Amが右方向に車線変更する場合、隣接レーンアイコンLpMは、移動元レーンアイコンLpSの右側に表示され、移動先レーンアイコンLpGは、隣接レーンアイコンLpMの右側に表示される。隣接レーンアイコンLpMは、移動元レーンアイコンLpSと並ぶ配置により、最初の自動車線変更にて移動する隣接レーン(中間レーンLn2)を自車ステータスStAにて再現する。移動先レーンアイコンLpGは、予定された自動車線変更が複数回である場合に表示される。移動先レーンアイコンLpGは、隣接レーンアイコンLpMと並ぶ配置により、2回目の自動車線変更にて移動する離間レーンであって、自動車線変更の繰り返しによって到達する到達レーンLn3を、自車ステータスStAにて再現する。
【0072】
予定軌跡IPPは、自車アイコンIcSの上方に表示され、自車アイコンIcSから帯状に延伸する形状により、自動車線変更における自車両Amの予定走行ラインを自車ステータスStAにて再現する。予定軌跡IPPは、自車ステータスStAに再現された当初レーンLn1から到達レーンLn3まで延伸している。予定軌跡IPPは、1回目の自動車線変更の開始に合わせて移動先レーンアイコンLpGと共に自車ステータスStAに表示される。自車ステータスStAに再現された到達レーンLn3まで予定軌跡IPPが延伸した表示により、複数回(2回)の自動車線変更の実施予定がドライバに報知される。
【0073】
案内標識アイコンIcGは、高速道路に設けられる案内標識を模した画像部である。案内標識は、ジャンクション付近での経路案内、及び出口付近での出口案内等を実施する標識である。案内標識アイコンIcGは、複数回の自動車線変更を行う理由をドライバに示すコンテンツであり、案内標識に対応した表示態様により、LC必要地点P3に接近しているために自動車線変更が行われることをドライバに報知する。
【0074】
提示制御部88は、第1開始点P1sの通過後、自車両Amの横移動の開始(
図6 S135参照)に基づき、自車ステータスStAの態様を変化させる(
図9参照)。提示制御部88は、自車ステータスStAにおいて、各レーンアイコンLpS,LpM,LpGを横移動させる。各レーンアイコンLpS,LpM,LpGは、表示位置を固定された自車アイコンIcSに対し、自車両Amの移動方向とは逆側に移動する。例えば、自車両Amが右方向に車線変更する場合、各レーンアイコンLpS,LpM,LpGは、自車アイコンIcSに対し左方向に移動する。
【0075】
加えて提示制御部88は、自車両Amの横移動の開始に基づき、自車ステータスStAに移動中アイコンIcRを追加する。移動中アイコンIcRは、自車アイコンIcSの左右いずれか一方の側に表示され、自車アイコンIcSと並ぶ配置によって自車両Amの移動方向を指し示す。例えば、自動車線変更にて自車両Amが右方向に移動する場合、移動中アイコンIcRは、自車アイコンIcSの右側に表示され、右方向への横移動を通知する。移動中アイコンIcRは、自車ステータスStAに再現された中間レーンLn2に貼り付くような態様で表示される。
【0076】
提示制御部88は、自車両Amが区画線を超え、実施中の自動車線変更の中断可能性がなくなる通過時刻t1m(
図7参照)にて、一方(左側)の移動元レーンアイコンLpSを非表示にする(
図9 破線参照)。言い替えれば、提示制御部88は、中断可能性がなくなるまで、左右両方の移動元レーンアイコンLpSの表示を継続し、自車ステータスStAに当初レーンLn1を再現し続ける。そして、中断可能性がなくなると、提示制御部88は、自車ステータスStAから当初レーンLn1を消失させる。
【0077】
提示制御部88は、自車両Amの中間レーンLn2への移動により1回目の車線変更が完了する第1完了点P1f(第1完了時刻t1f)にて、連続LC表示から、2回目の自動車線変更を案内する表示に、自車ステータスStAを変更する(
図10参照)。この表示にて、提示制御部88は、移動中アイコンIcRを非表示にすると共に、予定軌跡IPPを、中間レーンLn2から到達レーンLn3まで延伸する形状に変更する。
【0078】
さらに、自車両Amが第2開始点P2sに到達する時刻(以下、第2開始時刻t2s,
図7参照)の後、自車両Amの横移動が再開されると、提示制御部88は、自車ステータスStAの態様をさらに変化させる(
図11参照)。提示制御部88は、自車ステータスStAにおいて、各レーンアイコンLpM,LpGを横移動させると共に、到達レーンLn3に貼り付くような態様で移動中アイコンIcRを再表示させる。そして、2回目の自動車線変更の中断可能性がなくなる通過時刻t2m(
図7参照)にて、提示制御部88は、一方(左側)の隣接レーンアイコンLpMの表示を終了し(
図11 破線参照)、自車ステータスStAから中間レーンLn2を消失させる。提示制御部88は、自車両Amの到達レーンLn3への移動によって連続LCが完了する第2完了点P2f(第2完了時刻t2f)にて、自車ステータスStAを通常の表示態様に変更し、自動車線変更の案内を終了する。
【0079】
ここで、1回目の自動車線変更の完了後に、2回目の自動車線変更が待機状態(
図6 S132参照)となる場合、提示制御部88は、予定軌跡IPPの誘目性を下げる表示変化により、自動車線変更が待機状態にあることをドライバに通知する(
図12参照)。さらに、提示制御部88は、自車ステータスStAへの他車両アイコンIcB及び監視推奨アイコンIcMの追加により、周辺監視の実施をドライバに促す監視推奨報知を行う。
【0080】
他車両アイコンIcBは、他車両把握部72による自車周囲の他車両の認識結果に基づき、自車アイコンIcSの周囲に表示される。自車周囲に他車両が存在しない場合、他車両アイコンIcBは表示されない。自車アイコンIcSに対する他車両アイコンIcBの表示位置は、自車両Amに対する他車両の相対位置を示している。他車両アイコンIcBは、到達レーンLn3に配置されることで、待機状態の要因となっている他車両が到達レーンLn3に存在していることを示す。
【0081】
監視推奨アイコンIcMは、実際にはドライバに周辺監視義務のない状況下で、予備的に周辺監視の実施をドライバに推奨する。2回目の自動車線変更が一旦待機状態になった場合、提示制御部88は、到達レーンLn3への移動が開始された後も、監視推奨アイコンIcMの表示を継続する。その結果、監視推奨報知は、到達レーンLn3への移動が完了する第2完了時刻t2fまで継続される。監視推奨報知は、予定された自動車線変更が複数回である場合にのみ実施され、自動車線変更が1回のみである場合には実施されない。
【0082】
<追い越しに伴う連続LC表示>
前方車両及び前側方車両の追い越しに伴って連続LCが実施される場合、LC予告(
図7参照)は実施されない。提示制御部88は、最初の自動車線変更が可能になる地点及び時刻をそれぞれ第1開始点P1s及び第1開始時刻t1sとし、自車ステータスStAによる連続LC表示(
図13参照)を開始する。この場合の連続LC表示には、自車アイコンIcS及び各レーンアイコンLpS,LpM,LpGに加えて、他車両アイコンIcB及び追越通知アイコンIcP等の画像部が含まれている。さらに、追い越しに伴う連続LCが実施される場合、予定軌跡IPPは、複数に分割された態様で表示される。
【0083】
他車両アイコンIcBは、追い越しの対象となる前方車両及び前側方車両の存在を示す画像部である。他車両アイコンIcBは、当初レーンLn1及び中間レーンLn2にそれぞれ表示される。前方車両及び前側方車両以外の他車両が自車周囲に存在する場合、こうした他車両の存在を示す他車両アイコンIcBがさらに表示されてよい。
【0084】
追越通知アイコンIcPは、案内標識アイコンIcG(
図8参照)と同様に、複数回の自動車線変更を行う理由をドライバに示すコンテンツである。具体的に、追越通知アイコンIcPには、車線変更の実施をイメージさせる矢印と文字によるメッセージとが含まれている。追越通知アイコンIcPは、追い越しを行うために自動車線変更が行われることをドライバに報知する。
【0085】
予定軌跡IPPは、自車ステータスStAに再現された当初レーンLn1から中間レーンLn2に延伸する矢印形状の第1軌跡IP1と、到達レーンLn3に重ねて表示される第2予告アイコンIP2とを含んでなる。追い越しに伴う連続LCでは、2回目の自動車線変更を開始する第2開始点P2s(第2開始時刻t2s)が流動的に変化するため、予定軌跡IPPは、第1軌跡IP1と第2予告アイコンIP2とに分割されている。1回目の自動車線変更の開始に合わせて第2予告アイコンIP2が自車ステータスStAに表示されることで、2回目の自動車線変更の実施予定がドライバに報知される。第2予告アイコンIP2は、第1軌跡IP1と同様に、中間レーンLn2から到達レーンLn3に延伸する矢印形状であってもよい(
図21も参照)。
【0086】
提示制御部88は、自車両Amの横移動の開始に基づき、各レーンアイコンLpS,LpM,LpGの横移動を開始させると共に、移動中アイコンIcRを追加表示する(
図14参照)。そして、自車両Amが区画線を超え、自動車線変更の中断可能性がなくなる通過時刻t1m(
図7参照)にて、提示制御部88は、一方(左側)の移動元レーンアイコンLpSと、前方車両を示していた他車両アイコンIcBとを非表示にする。以上により、当初レーンLn1が自車ステータスStAから消失する。
【0087】
提示制御部88は、1回目の車線変更が完了する第1完了点P1f(第1完了時刻t1f)にて、自車ステータスStAを2回目の自動車線変更を案内する表示に変更する(
図15参照)。提示制御部88は、移動中アイコンIcRを非表示にすると共に、中間レーンLn2から到達レーンLn3に延伸する矢印形状の第1軌跡IP1を表示する。提示制御部88は、第2予告アイコンIP2と重ねて第1軌跡IP1を表示してもよく、第2予告アイコンIP2を非表示に遷移させてもよい。
【0088】
提示制御部88は、2回目の自動車線変更が開始される第2開始時刻t2s(
図7参照)にて、各レーンアイコンLpM,LpGの横移動と移動中アイコンIcR(
図11参照)の再表示とを開始する。そして、2回目の自動車線変更の中断可能性がなくなる通過時刻t2m(
図7参照)にて、提示制御部88は、一方(左側)の隣接レーンアイコンLpMの表示を終了し、自車ステータスStAから中間レーンLn2を消失させる。さらに、到達レーンLn3への移動により連続LCが完了する第2完了時刻t2f(
図7参照)にて、提示制御部88は、自車ステータスStAを通常の表示態様に変更し、自動車線変更の案内を終了する。
【0089】
尚、追い越しに伴う連続LCにおいても、2回目の自動車線変更が待機状態となった場合に、提示制御部88は、周辺監視の実施をドライバに促す監視推奨報知を行う。この場合、提示制御部88は、第1軌跡IP1及び第2予告アイコンIP2の誘目性を下げると共に、監視推奨アイコンIcMと、車線変更の妨げとなっている他車両を示した他車両アイコンIcBとを、自車ステータスStAに追加する。
【0090】
次に、ここまで説明した自車ステータスStAの表示遷移を実現する表示制御処理の詳細を、
図16に基づき、
図3及び
図7~
図15を参照しつつ、以下説明する。表示制御処理は、例えば第1開始点P1sへの接近に基づき、第1開始時刻t1s以前に情報連携部82及び提示制御部88等によって開始される。
【0091】
情報連携部82は、車線変更制御部79によって生成された自動車線変更の計画を参照し、自律走行制御によって実施される自動車線変更の内容を把握する(S11)。情報連携部82は、把握した自動車線変更の内容に基づき、連続LCが予定されているか否かを判定する(S12)。予定された自動車線変更が1回のみである場合(S12:NO)、提示制御部88は、通常(1回のみ)の自動車線変更を案内する自車ステータスStAの表示設定を行う(S13)。
【0092】
一方、連続LCが予定されている場合(S12:YES)、情報連携部82は、連続LCの種別を示した種別情報を取得する(S14)。種別情報は、LC必要地点P3の接近に伴う連続LCか、追い越しに伴う連続LCかを示す情報である。情報連携部82は、種別情報に基づき、複数回の自動車線変更が行われる理由を把握する。提示制御部88は、連続LCが予定されている場合、連続LCの種別に対応した連続LC表示が行われるように、自車ステータスStAの表示設定を行う。
【0093】
提示制御部88は、自動車線変更の報知の開始条件が成立したか否かを判定する(S16)。提示制御部88は、例えば自車両Amが第1開始点P1sに到達したタイミングで、開始条件が成立したと判定する(S16:YES)。この場合、要求処理部84が、ボディECU43へ向けた要求の出力により、自動車線変更での自車両Amの移動方向に対応した方向指示器44の点滅を開始させる(S17)。さらに、提示制御部88が、S13又はS15での表示設定に基づき、自動車線変更を報知する態様に自車ステータスStAの表示を変更する(S18)。連続LCが報知される場合、提示制御部88は、把握した連続LCの実施理由に応じた自車ステータスStAの表示を開始する。これにより、適切な経路選択を目的とした連続LCが行われる場合、提示制御部88は、案内標識アイコンIcGを含む自車ステータスStA(
図8参照)に切り替える。一方、追い越しを目的とした連続LCが行われる場合、提示制御部88は、追越通知アイコンIcPを含む自車ステータスStA(
図13参照)に切り替える。
【0094】
情報連携部82は、自動運転ECU50bにて自動車線変更がキャンセル(
図6 S134参照)されたか否かを判定する(S19)。自動車線変更がキャンセルとなった場合(S19:YES)、要求処理部84は、ボディECU43へ向けた要求の出力により、方向指示器44の点滅を終了させる(S27)。さらに、提示制御部88は、自車ステータスStAを通常の態様に変更し、自動車線変更の報知を終了する(S28)。
【0095】
一方、自動車線変更が継続されている場合(S19:NO)、情報連携部82は、自動車線変更の中断可能性の有無をさらに把握し、自動車線変更の中断可能性が消失したか否かを判定する(S20)。情報連携部82は、中断可能性が消失するまで、自動車線変更がキャンセルされたか否かの判定を継続する。そして、中断可能性が消失すると(S20:YES)、提示制御部88は、自車ステータスStAの当初レーンLn1を非表示にする(S21,
図9及び
図14参照)。
【0096】
情報連携部82は、実施中の車線移動が終了したか否かを判定する(S22)。情報連携部82は、車線移動が終了したと判定した場合(S22:YES)、未実施の自動車線変更の有無をさらに把握する。1回のみの自動車線変更が完了した場合、又は連続LCにおける2回目の自動車線変更が完了した場合、情報連携部82は、未実施の自動車線変更が無いと判定する(S23:NO)。この場合、方向指示器44の点滅が終了されると共に(S27)、自動車線変更の報知も終了される(S28)。
【0097】
一方、未実施の自動車線変更がある場合(S23:YES)、提示制御部88は、次の自動車線変更を報知するように自車ステータスStAを変更する(S24,
図10及び
図15参照)。さらに、情報連携部82は、次の自動車線変更が待機状態か否かを判定する(S25)。待機状態となっていない場合(S25:NO)、S19~S23の処理が再び実施される。一方、自動車線変更が待機状態となった場合(S25:YES)、提示制御部88は、監視推奨アイコンIcMの追加表示により、監視推奨報知を開始する(S26,
図12参照)。そして、S19~S23の処理が再び実施される。さらに、最後(2回目)の自動車線変更の終了後、方向指示器44の点滅が終了されると共に(S27)、自動車線変更の報知も終了される(S28)。以上のように、連続LCが予定される場合、予定された複数回の自動車線変更が完了するまで、方向指示器44の動作は継続される。
【0098】
ここまで説明した第一実施形態では、所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の自動車線変更が連続する連続LCの場合、ドライバ等の乗員は、1回目の自動車線変更に合わせて実施される報知により、複数回の自動車線変更の実施予定を把握し得る。故に、乗員は、複数回の自動車線変更が正常な制御に基づく行動であると判断できる。その結果、複数回の自動車線変更が行われる場合でも、乗員の不安は抑制可能となる。
【0099】
加えて第一実施形態では、1回目の自動車線変更の開始と実質同時、又は1回目の自動車線変更の開始よりも僅かに早く、複数回の自動車線変更の実施予定を示す連続LC表示(
図8及び
図13参照)が提示される。故に、乗員は、自動車線変更が複数回行われることを、時間的な余裕を持って把握し得る。したがって、乗員の不安抑制の効果は、いっそう発揮され易くなる。
【0100】
また第一実施形態では、予定された自動車線変更が複数回である場合、周辺監視の実施をドライバに促す監視推奨報知が行われる。こうした監視推奨報知により、周辺監視義務のない状況でも周辺監視の実施を促すことで、乗員は、自車周囲の状況を把握するようになるため、自動車線変更が繰り返されても、不安を感じ難くなる。一方、監視推奨報知の実施は、予定される自動車線変更が1回のみである場合には、制限される。故に、自動運転の利便性も、確保され得る。
【0101】
さらに第一実施形態では、1回目の自動車線変更の完了後に、2回目の自動車線変更が待機状態となった場合、周辺監視の実施をドライバに促す監視推奨報知が行われる。対して、1回目の自動車線変更の完了後に、2回目の自動車線変更が待機状態とならなかった場合、監視推奨報知の実施は、制限される。以上のように、2回目の自動車線変更の難易度が高いシーンに限って監視推奨報知が実施されれば、自動運転の利便性の確保と、乗員の不安抑制とが両立され得る。
【0102】
加えて第一実施形態では、自車両Amの周囲の状況を示す自車ステータスStAがメータディスプレイ21によって表示される。そして、予定された自動車線変更が複数回である場合、自動車線変更の繰り返しによって到達する到達レーンLn3を再現する移動先レーンアイコンLpGが、1回目の自動車線変更に合わせて自車ステータスStAに表示される。こうした表示によれば、乗員は、複数回の自動車線変更が正常な制御に基づく行動であると判断し易くなる。その結果、複数回の自動車線変更が行われる場合でも、乗員の不安は抑制可能となる。
【0103】
また第一実施形態では、連続LCの起点となる当初レーンLn1を自車ステータスStAにて再現する移動元レーンアイコンLpSの表示は、1回目の自動車線変更に中断可能性がある場合には継続される。そして、1回目の自動車線変更に中断可能性がなくなった場合に、移動元レーンアイコンLpSが非表示になる。こうした自車ステータスStAの表示変化によれば、自動運転システム50による連続LCの正常な作動が乗員に示され得る。その結果、乗員の不安は、いっそう抑制可能となる。
【0104】
さらに第一実施形態では、複数回の自動車線変更が予定される場合、複数回の自動車線変更が行われる理由に応じて報知の内容が変更される。その結果、乗員は、実施される連続LCの実施理由を把握し得るため、自動車線変更が繰り返されるシーンにおいても不安を感じ難くなる。
【0105】
加えて第一実施形態では、所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の自動車線変更が予定される場合、予定された複数回の自動車線変更が完了するまで、自車両Amの移動方向を示す方向指示器44の動作が継続される。こうした方向指示器44の動作の継続によっても、乗員は、複数回の自動車線変更が予定された正常な制御に基づく行動であると判断できる。その結果、複数回の自動車線変更が行われる場合でも、乗員の不安は抑制可能となる。
【0106】
尚、上記第一実施形態において、メータディスプレイ21が「表示デバイス」に相当し、情報連携部82が「制御把握部」に相当し、要求処理部84が「指示器制御部」に相当し、提示制御部88が「報知実施部」に相当する。また、移動先レーンアイコンLpGが「移動先レーン画像部」に相当し、移動元レーンアイコンLpSが「移動元レーン画像部」に相当し、自車ステータスStAが「鳥瞰コンテンツ」に相当し、HCU100が「提示制御装置」に相当する。
【0107】
(第二実施形態)
本開示の第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。第二実施形態では、1回目の自動車線変更の開始後であって、1回目の自動車線変更の終了以前に、自車ステータスStAによる連続LC表示が開始され、連続LCの実施予定を報知する。以下、第二実施形態の自車ステータスStAの表示遷移の各詳細を、
図18~
図21に基づき、
図3及び
図17を参照しつつ説明する。
【0108】
<LC必要地点P3への接近に伴う連続LC表示>
LC必要地点P3への接近に伴って連続LCが実施される場合、提示制御部88は、第1開始時刻t1s又はその直前にて、1回目の自動車線変更を報知する表示に自車ステータスStAを変更する(
図18参照)。このとき、自車ステータスStAには、自車アイコンIcS、移動元レーンアイコンLpS、隣接レーンアイコンLpM、案内標識アイコンIcG等が表示される。
【0109】
加えて、提示制御部88は、監視推奨アイコンIcMの追加表示により、周辺監視の実施をドライバに促す監視推奨報知を第1開始時刻t1sから開始する。さらに、提示制御部88は、第1開始時刻t1sにおいて、移動先レーンアイコンLpGの表示を開始しない。その結果、自車ステータスStAに再現された当初レーンLn1から中間レーンLn2に延伸する形状で予定軌跡IPPが表示される。
【0110】
提示制御部88は、自車両Amが区画線を跨ぎ、1回目の中断可能性がなくなる通過時刻t1mにて、自車ステータスStAによる連続LC表示を開始する(
図19参照)。このとき、提示制御部88は、移動先レーンアイコンLpGの表示を開始し、自車ステータスStAに到達レーンLn3を再現する。さらに、提示制御部88は、予定軌跡IPPを到達レーンLn3まで延伸させる。
【0111】
提示制御部88は、1回目の車線変更が完了する第1完了時刻t1fにて、連続LC表示から、2回目の自動車線変更を案内する表示に、自車ステータスStAを変更する。この表示にて、提示制御部88は、移動中アイコンIcR及び移動元レーンアイコンLpSを非表示とし、自車ステータスStAから当初レーンLn1を消失させる。加えて、提示制御部88は、中間レーンLn2から到達レーンLn3まで延伸する形状の予定軌跡IPPを表示させる。
【0112】
提示制御部88は、2回目の自動車線変更が開始される第2開始時刻t2sにて、各レーンアイコンLpM,LpGの横移動と移動中アイコンIcRの再表示とを開始する。そして、到達レーンLn3への移動により連続LCが完了する第2完了時刻t2fにて、提示制御部88は、移動中アイコンIcR及び隣接レーンアイコンLpMを非表示とし、自車ステータスStAから中間レーンLn2を消失させる。以上により、自車ステータスStAは、通常の表示態様となり、一連の自動車線変更の案内を終了する。
【0113】
<追い越しに伴う連続LC表示>
追い越しに伴って連続LCが実施される場合でも、提示制御部88は、第1開始点P1s又はその直前にて、自車ステータスStAの表示を変更する(
図20参照)。提示制御部88は、自車アイコンIcS、他車両アイコンIcB、各レーンアイコンLpS,LpM等に加えて、追越通知アイコンIcP及び監視推奨アイコンIcMをメータディスプレイ21に表示させる。加えて提示制御部88は、自車ステータスStAに再現された当初レーンLn1から中間レーンLn2に延伸する矢印形状の第1軌跡IP1を、予定軌跡IPPとして表示させる。
【0114】
提示制御部88は、通過時刻t1mにて、自車ステータスStAによる連続LCの実施予定の報知を開始する(
図21参照)。このとき、提示制御部88は、移動先レーンアイコンLpGの表示を開始することで、自車ステータスStAに到達レーンLn3を再現する。さらに、提示制御部88は、中間レーンLn2から到達レーンLn3に延伸する矢印形状の第2軌跡IP2Aを、予定軌跡IPPとしてさらに表示する。
【0115】
提示制御部88は、第1完了時刻t1fにて、自車ステータスStAから当初レーンLn1を消失させ、2回目の自動車線変更を案内する表示に自車ステータスStAを変更する。この表示にて、第2軌跡IP2Aは、中間レーンLn2から到達レーンLn3まで延伸する形状を維持する。そして、提示制御部88は、第2完了時刻t2fにて自車両Amの横移動の開始を案内した後、第2完了時刻t2fにて自車ステータスStAを通常の表示態様に変更し、一連の自動車線変更の案内を終了させる。
【0116】
ここまで説明した第二実施形態でも、第一実施形態と同様の効果を奏し、1回目の自動車線変更に合わせて実施される報知により、乗員は、複数回の自動車線変更が正常な制御に基づく行動であると判断できる。その結果、複数回の自動車線変更が行われる場合でも、乗員の不安は抑制可能となる。
【0117】
加えて第二実施形態では、1回目の自動車線変更の開始後であって、この自動車線変更の実施途中に、複数回の自動車線変更の実施予定を示す連続LC表示(
図19及び
図21参照)が提示される。故に、乗員は、繰り返し実施される自動車線変更の予定を、順を追って把握し得る。その結果、情報把握が容易となるため、乗員の不安抑制の効果は、いっそう発揮され易くなる。
【0118】
また第二実施形態では、予定された自動車線変更が複数回である場合、周辺監視の実施をドライバに促す監視推奨報知が、最初の自動車線変更の開始に合わせて表示される。故に、連続LCが実施予定である場合、乗員は、自車周囲の状況の把握を早期に開始し得る。その結果、自動車線変更が連続的に実施されても、乗員は、不安を感じ難くなる。
【0119】
さらに第二実施形態では、複数回の自動車線変更の起点となる当初レーンLn1を自車ステータスStAにて再現する移動元レーンアイコンLpSは、1回目の自動車線変更の完了後である第1完了時刻t1fにて非表示となる。以上のように、自動車線変更の進捗に合わせて自車ステータスStAの内容が変化すれば、乗員は、自動車線変更に関連する制御が正常に作動し続けていることを自車ステータスStAによって確認できる。故に、連続LCに対する乗員の不安は、いっそう抑制可能となる。
【0120】
(第三実施形態)
本開示の第三実施形態は、第一実施形態の別の変形例である。
図2及び
図7に示す自動運転ECU50bは、自動車線変更を繰り返す必要がある場合、実施間隔DLCを十分に確保することで、所定の区間内又は所定の時間内にて自動車線変更が複数回実施されないように自動車線変更を計画する。
【0121】
具体的に、車線変更制御部79は、複数回の自動車線変更を計画する場合に、第1区間LCS1から第2区間LCS2までの実施間隔DLCを、運転支援制御による自動車線変更が複数回計画される場合の実施間隔DLCよりも広く設定する。一例として、運転支援ECU50aは、実施間隔DLCを数分以内又は1キロメートル以内に設定する。一方で、車線変更制御部79は、実施間隔DLCを5分以上又は1キロメートルを越えるように設定する。
【0122】
一方、車線変更制御部79は、所謂あおり運転を行う後方車両が他車両把握部72によって把握された場合、所定の区間内又は所定の時間内にて自動車線変更を複数回実施する自動車線変更を計画する。他車両把握部72は、一例として、自車両Am及び後方車両の間の車間距離が所定値よりも狭い場合、後方車両があおり運転を行っていると判定する。あおり運転を判定するための所定値は、一定の値であってもよく、又はTTC(Time-To-Collision)を基準として、走行速度が高くなるほど大きな値とされてもよい。他車両把握部72は、後方車両が蛇行運転を行っている場合、後方車両があおり運転車両であると判定してもよい。
【0123】
車線変更制御部79は、他車両把握部72にて後方のあおり運転車両が把握された場合、このあおり運転車両を先行させるための自動車線変更を計画する。具体的に、車線変更制御部79は、当初レーンLn1(
図8参照)から隣接レーンに一時的に退避し、あおり運転車両が自車両Amを追い抜いた後に、隣接レーンから当初レーンLn1に戻る2回の自動車線変更を計画する。以上により、例えば自車両Amが走行レーンを走行中にあおり運転車両が把握された場合、追越レーンに一時的に退避した後、走行レーンに復帰する連続LCが実施される。
【0124】
車線変更制御部79は、あおり運転車両回避のための車線変更計画の生成に基づき、制御実行部64と連携して車線変更実行処理(
図22参照)を開始する。車線変更実行処理にて、車線変更制御部79は、当初レーンLn1から隣接レーンへの自動車線変更が開始可能か否かを判定する(S301)。移動先となる隣接レーンに側方車両が存在しており、自動車線変更を開始できない場合(S301:NO)、車線変更制御部79は、自動車線変更を待機状態にする(S302)。所定時間の経過により自動車線変更がタイムアウトとなった場合(S303:YES)、車線変更制御部79は、自動車線変更の実施をキャンセルする(S304)。
【0125】
一方、移動先となる隣接レーンに側方車両が存在しておらず、自動車線変更を開始できる場合(S301:YES)、制御実行部64は、ステアリング制御により、隣接レーン(例えば、右側の追越レーン)へ向けた自車両Amの移動を開始する(S305)。制御実行部64による横移動の開始後、車線変更制御部79は、車線変更の中断条件が成立したか否かを判定する(S306)。中断条件が成立した場合(S306:YES)、制御実行部64は、実施中の横移動を中断し、戻り制御を実施する(S307)。車線変更制御部79は、当初レーン及び隣接レーン間の区画線を自車両Amが超えるまで(S308:YES)、中断条件の成立判定を継続する。車線変更制御部79は、移動先となるレーンの概ね中央に自車両Amが到達すると、移動が完了したと判定する(S309:YES)。
【0126】
車線変更制御部79は、当初レーンLn1に復帰したか否か、言い替えれば、2回目の車線変更が完了したか否かを判定する(S310)。隣接レーンへの移動のみが完了している場合(S310:NO)、車線変更制御部79は、他車両把握部72と連携し、自車両Amに対するあおり運転車両(後方車両)の追い抜きが完了したか否かを判定する(S312)。一例として、他車両把握部72は、あおり運転車両から自車両Amまでの距離が所定値以上となったことに基づき、あおり運転車両の追い抜きが完了したと判定する。
【0127】
あおり運転車両の追い抜き完了が他車両把握部72によって把握されると(S312:YES)、車線変更制御部79及び制御実行部64は、S301~S309を再び実施し、当初レーンLn1(例えば、左側の走行レーン)に自車両Amを移動させる。そして、当初レーンLn1への復帰が完了すると(S310:YES)、車線変更制御部79は、あおり運転車両を回避する一連の自動車線変更を完了させる(S311)。
【0128】
ここまで説明したように、ドライバに周辺監視義務のない場合、周辺監視義務のある場合よりも、1回目の自動車線変更が実施される第1開始点P1sから、2回目の自動車線変更が実施される第2開始点P2sまでの実施間隔DLCが、広く確保される。このように、計画された複数回の自動車線変更が間をあけて実施されれば、ドライバ等の乗員は、自動車線変更が連続的に繰り返されたと認識し難くなるため、正常な制御に基づき自動車線変更が行われたと判断できる。以上により、複数回の自動車線変更が行われる場合でも、乗員の不安は抑制可能となる。
【0129】
加えて第三実施形態では、第一実施形態と同様に、自車両Amの走行する道路の状況が道路情報把握部73によって把握される。そして、車線変更制御部79は、道路の状況に応じて第1開始点P1s及び第2開始点P2sの少なくとも一方を決定する。以上によれば、車線変更制御部79は、自動車線変更の実施難易度の低い道路区間に自動車線変更の実施区間を設定し得る。その結果、円滑な自動車線変更が実施され易くなるため、自動車線変更の実施に伴う乗員の不安が抑制可能となる。
【0130】
また第三実施形態では、第一実施形態と同様に、車線変更計画処理(
図5参照)にて、自車両Amの進行方向に存在する合流区間、渋滞区間及び規制区間等が回避区間として把握される(S122参照)。そして、車線変更制御部79は、これらの回避区間を避けるように、第1開始点P1s及び第2開始点P2sを設定する(S123参照)。以上により、アイズオフ状態での自動車線変更は、他車両によって妨げられ難い環境下で実施される。故に、自動車線変更の待機又はキャンセルによって乗員の不安が惹起される事態は、高い確実性をもって回避可能となる。
【0131】
さらに第三実施形態では、自車両Amの後方を走行する後方車両が他車両把握部72によって少なくとも把握される。そして、自車両Am及び後方車両の間の車間距離が所定値よりも狭い場合、車線変更制御部79は、走行中の当初レーンLn1から隣接レーンへの自動車線変更の実施を計画する。以上によれば、車線変更制御部79は、あおり運転の可能性が高い後方車両の前方から自車両Amを自動的に退避させることができる。その結果、あおり運転車両のリスクから自車両Amを守ることが可能になる。
【0132】
加えて第三実施形態では、隣接レーンへの退避後、後方車両による自車両Amの追い抜きが他車両把握部72によって把握された場合、車線変更制御部79は、当初レーンLn1に戻る自動車線変更の実施を計画する。以上により、あおり運転車両のリスクが解消された場合、自車両Amは、あおり運転車両の発生前の走行状態に自動的に復帰する。以上によれば、自動運転の利便性がいっそう向上し得る。
【0133】
尚、上記第三実施形態において、第1開始点P1sが「第1地点」に相当し、第2開始点P2sが「第2地点」に相当し、実施間隔DLCが「間隔」に相当する。また、道路情報把握部73が「道路状況把握部」に相当し、自動運転ECU50bが「自動運転制御装置」に相当する。
【0134】
(第四実施形態)
本開示の第四実施形態は、第一実施形態のさらに別の変形例である。
図2及び
図7に示す自動運転ECU50bでは、環境認識部62によって自車両Amの周囲の渋滞が把握されている場合、車線変更制御部79は、連続LCの実施を即時あきらめる。即ち、車線変更制御部79は、複数回の連続した自動車線変更を計画した場合でも、自車周囲が渋滞している場合には、自動車線変更を待機状態(
図6 S132参照)にはせずに、自動車線変更をキャンセルし、車線変更実行処理を終了させる。
【0135】
加えて、自動運転ECU50bは、所定の区間内又は所定の時間内にて車線変更が複数回予定され、かつ、自車周囲が渋滞状態にない場合、HCU100と連携し、ドライバへの運転操作依頼を実施する。第四実施形態では、自車両Amが高速道路を走行している場合、自動車線変更の開始を指示するトリガ操作の入力がドライバに依頼される。トリガ操作は、例えば方向指示スイッチ又はステアスイッチ等へ入力される操作とされる。一方、自車両Amが一般道を走行している場合、自動車線変更は実施されない。この場合、車線変更に関連する運転操作は、全てドライバに依頼される。即ち、自動運転システム50からドライバへの運転交代が実施される。
【0136】
HCU100は、自動運転ECU50bにて車線変更が予定された場合、報知制御処理(
図23参照)の実行により、ドライバに運転行動の実施を依頼する。運転行動には、加減速操作及び操舵操作等の運転操作に加えて、周辺監視等の行動も含まれる。報知制御処理は、第一実施形態の表示制御処理(
図16参照)と同様に、第1開始点P1sへの接近に基づき、第1開始時刻t1s以前に情報連携部82及び提示制御部88等によって開始される(
図3及び
図7参照)。
【0137】
情報連携部82は、自動運転ECU50bの行動判断部63にて生成される走行計画(予定走行ライン)を把握する(S411)。情報連携部82は、把握した走行計画を参照し、連続LCが予定されているか否かを判定する(S412)。走行計画にて予定された車線変更が1回のみである場合(S412:NO)、提示制御部88は、通常(1回のみ)の自動車線変更を案内する表示処理(以下、通常LC用表示処理)を実施する(S413)。通常LC用表示処理では、第一実施形態のS13,S16~S22,S27,S28(
図16参照)と実質同一の処理が実施される。
【0138】
一方、連続LCが予定されている場合(S412:YES)、情報連携部82は、自車両Amが走行している道路の種別を示す道路種別情報を取得する(S414)。道路種別情報は、例えば道路情報把握部73によって生成され、情報連携部82に提供される。情報連携部82は、道路種別情報に基づき、自車両Amの走行する道路が一般道であるか高速道路であるかを判定する(S415)。一例として、歩行者及びサイクリスト等の進入が禁止された高速自動車国道及び自動車専用道路等が、高速道路とされる。
【0139】
提示制御部88は、自車両Amの走行する道路が一般道である場合(S415:YES)、運転行動の実施をドライバに依頼する運転依頼報知を行う(S416)。この場合の運転依頼報知では、手動運転での車線変更の実施がドライバに依頼される。即ち、運転依頼報知は、ドライバに対するテイクオーバーリクエスト(Take-over Request)に相当し、周辺監視、加減速操作及び操舵操作等の全ての運転行動の実施をドライバに依頼する。提示制御部88は、メータディスプレイ21及びHUD23による表示に加えて、オーディオ装置24による音声メッセージの再生により、運転交代依頼となる運転依頼報知を実施する。運転依頼報知の実施後、報知制御処理は終了される。ドライバは、自動運転システム50から運転操作を引き継ぎ、CID22の案内に従って複数回の車線変更を手動運転によって実施する。
【0140】
対して、自車両Amの走行する道路が高速道路である場合(S415:NO)、提示制御部88は、報知制御処理のサブ処理である連続LC用報知処理を実施する(S417)。連続LC用報知処理(
図24参照)では、初回の自動車線変更の開始タイミングの決定がドライバに依頼される(S431)。具体的に、提示制御部88は、メータディスプレイ21又はHUD23の表示を用いた運転依頼報知により、周辺監視を再開と、トリガ操作の入力とをドライバに依頼する。提示制御部88は、オーディオ装置24による音声メッセージの再生により、周辺監視の再開及びトリガ操作の入力をドライバに依頼してもよい。
【0141】
提示制御部88は、情報取得部81又は要求処理部84と連携し、トリガ操作が入力されたか否かを判定する(S432)。提示制御部88は、トリガ操作の入力を待機し(S432:NO)、トリガ操作の入力が無いままタイムアウトとなった場合、連続LCのキャンセル通知を実施する。この場合、サブ処理である連続LC用報知処理、及びメイン処理である報知制御処理は、終了となる。
【0142】
一方、運転依頼報知に基づくトリガ操作の入力が把握された場合(S432:YES)、要求処理部84は、ボディECU43へ向けた要求の出力により、自動車線変更での自車両Amの移動方向に対応した方向指示器44の点滅を開始させる(S433)。さらに、提示制御部88は、1回目(初回)の自動車線変更を報知する態様に自車ステータスStA(
図18参照)の表示を変更する(S434)。この場合の自動車線変更には、ドライバによる周辺監視が必要とされる。故に、自車ステータスStAには、監視推奨アイコンIcM(
図18参照)に替えて、周辺監視の継続を依頼する監視要請アイコンが表示される。
【0143】
情報連携部82は、1回目の車線移動が終了したか否かを判定する(S435)。車線移動の終了前に自動運転ECU50bにて自動車線変更がキャンセルされた場合、連続LC用報知処理及び報知制御処理は終了となる。一方、情報連携部82にて車線移動の終了が把握された場合(S435:YES)、提示制御部88は、再度の運転依頼報知の実施により、次の自動車線変更の開始タイミングの決定をドライバに依頼する(S436)。
【0144】
提示制御部88は、トリガ操作が入力されたか否かを再び判定する(S437)。運転依頼報知に基づくトリガ操作の入力が把握された場合(S437:YES)、提示制御部88は、次の(2回目以降の)自動車線変更を報知する態様に自車ステータスStA(
図10参照)の表示を変更する(S438)。
【0145】
情報連携部82は、2回目以降の車線移動が終了したか否かを判定する(S439)。情報連携部82は、車線移動の終了を把握した場合(S439:YES)、未実施の自動車線変更の有無をさらに把握する(S440)。3回目以降の連続車線変更が予定されている場合、情報連携部82は、未実施の自動車線変更があると判定し(S440:YES)、自動車線変更の開始タイミングの決定をドライバに再度依頼する(S436)。一方、3回目以降の連続車線変更が予定されていない場合、情報連携部82は、未実施の自動車線変更が無いと判定する(S440:NO)。この場合、方向指示器44の点滅が終了されると共に(S441)、自動車線変更の報知も終了される(S442)。
【0146】
ここまで説明した第四実施形態では、所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の車線変更を実施する走行計画が把握された場合、運転依頼報知により、運転行動の実施がドライバに依頼される。故に、ドライバは、運転依頼報知の認識により、正常な制御に基づく処理が自車両Amの自動運転ECU50bにおいて実行されている判断できる。その結果、第四実施形態でも、第一実施形態と同様の効果を奏し、複数回の自動車線変更が行われる場合でも、ドライバ等の乗員の不安は抑制可能となる。
【0147】
加えて第四実施形態では、手動運転での車線変更の実施をドライバに依頼する運転依頼報知と、自律走行制御の実施する自動車線変更の開始タイミングの決定をドライバに依頼する運転依頼報知とが、切り替えて実施される。故に、自車周囲の走行環境、並びに自車両Amの自動運転ECU50b及び周辺監視センサ30の能力等に応じて、システム側が担うことのできない運転操作が、運転者に適切に引き継がれる。その結果、必要とされる複数回の車線変更は、ドライバ及び自動運転システム50の連携によって安定的に実施可能となる。
【0148】
また第四実施形態では、自車両Amが一般道を走行中に複数回の車線変更の実施が計画された場合、手動運転での車線変更の実施をドライバに依頼する運転依頼報知が行われる。一方、自車両Amが高速道路を走行中に複数回の車線変更が計画された場合、開始タイミングの決定をドライバに依頼する運転依頼報知が行われる。以上によれば、自動車線変更のリスクが一般道よりも低くなる高速道路においては、全ての運転操作をドライバに引き継ぐことが回避され得る。故に、ドライバ等の乗員の不安を抑制しつつ、高速道路における自動運転機能の利便性が向上可能になる。
【0149】
さらに第四実施形態では、自車両Amの周囲が渋滞している場合、自律走行制御による連続LCは、待機状態とされず、即時キャンセルされる。故に、自車両Amの周囲の渋滞が把握されている場合、複数回の車線変更に関連する上記の運転依頼報知は、実施されない。以上によれば、運転負荷の高い走行状態でドライバに運転行動が依頼されてしまう事態は、回避され得る。
【0150】
(第五実施形態)
本開示の第五実施形態は、第四実施形態の変形例である。第五実施形態の自動運転ECU50b(
図2及び
図3参照)は、連続LCを含む走行計画を生成した場合、1回目の車線移動を自動車線変更によって実施する。自動運転ECU50bは、2回目以降の自動車線変更を試みたものの、この自動車線変更が待機状態となった場合、HCU100と連携して車線変更の継続をドライバに依頼する。
【0151】
こうした第五実施形態の報知制御処理(
図23参照)では、連続LCが予定された場合(S412:YES)、S414~S417の処理に替えて、
図25に示す連続LC用報知処理がサブ処理として実施される。連続LC用報知処理にて、提示制御部88は、自動車線変更の報知の開始条件が成立したか否かを判定する(S531)。提示制御部88は、第一実施形態(
図16 S16参照)と同様に、自車両Amが第1開始点P1sに到達したタイミングで、開始条件が成立したと判定する(S531:YES)。この場合、要求処理部84は、ボディECU43へ向けた要求の出力により、自動車線変更での自車両Amの移動方向に対応した方向指示器44の点滅を開始させる(S532)。さらに、提示制御部88は、1回目(初回)の自動車線変更を報知する態様に自車ステータスStA(
図8参照)の表示を変更する(S533)。
【0152】
情報連携部82は、自動車線変更による1回目の車線移動が終了したか否かを判定する(S534)。情報連携部82は、1回目の車線移動の終了を把握した場合(S534:YES)、2回目の自動車線変更が待機状態になっているか否かを判定する(S535)。自動車線変更が待機状態となっている場合(S535:YES)、提示制御部88は、手動運転での車線変更の実施をドライバに依頼する運転依頼報知を行う(S536)。この場合の運転依頼報知は、運転交代をドライバに依頼する報知とされる。
【0153】
一方、自動車線変更が待機状態とならず、直ちに開始された場合(S535:NO)、提示制御部88は、次の(2回目以降の)自動車線変更を報知する態様に自車ステータスStA(
図10参照)の表示を変更する(S537)。
【0154】
情報連携部82は、2回目以降の車線移動が終了したか否かを判定する(S538)。情報連携部82は、車線移動の終了を把握した場合(S538:YES)、未実施の自動車線変更の有無をさらに把握する(S539)。3回目以降の連続車線変更が予定されている場合、情報連携部82は、未実施の自動車線変更があると判定し(S539:YES)、次の自動車線変更が待機状態になっているか否かを判定する(S535)。次の自動車線変更が待機状態となっている場合(S535:YES)、運転依頼報知により、手動運転での車線変更の実施がドライバに依頼される(S536)。
【0155】
一方、3回目以降の連続車線変更が予定されていない場合、情報連携部82は、未実施の自動車線変更が無いと判定する(S539:NO)。この場合、方向指示器44の点滅が終了されると共に(S540)、自動車線変更の報知が終了される(S541)。
【0156】
ここまで説明した第五実施形態でも、第四実施形態と同様の効果を奏し、複数回の自動車線変更が行われる場合でも、ドライバ等の乗員の不安は抑制可能となる。加えて第五実施形態では、自律走行制御によって開始された2回目以降の車線変更が待機状態となった場合、手動運転による車線変更の実施が運転依頼報知によってドライバに依頼される。故に、ドライバが運転依頼報知に適切に対応すれば、難易度の高い連続LCであっても、システムとドライバとの連携によって完遂可能になる。
【0157】
(第六実施形態)
本開示の第六実施形態は、第五実施形態の変形例である。第五実施形態の自動運転ECU50b(
図2及び
図3参照)は、連続LCを含む走行計画を生成した場合、1回目の車線移動のみを自動車線変更によって実施する。一方で、2回目以降の車線変更は、ドライバに依頼される。こうした変形例での連続LC用報知処理(
図25参照)では、2回目の自動車線変更が待機状態になっているか否かの判定等、S535,S537~S541が省略される。提示制御部88は、初回の自動車線変更の報知(S533 参照)にて、2回目の自動車線変が依頼予定であることを示す予告通知を実施する。そして、提示制御部88は、1回目の車線移動の終了を把握すると(S534:YES)、2回目の車線変更の手動運転による実施を、運転依頼報知によってドライバに依頼する(S536)。以上により、ドライバは、運転依頼報知に従い、手動運転による2回目以降の車線変更を実施する。
【0158】
ここまで説明した第六実施形態では、初回の車線変更が自律走行制御によって行われ、2回目以降の車線変更の手動運転での実施が運転依頼報知によってドライバに依頼される。以上によれば、第五実施形態と同様の効果を奏し、難易度の高い連続LCであっても、システムとドライバとの連携によって完遂可能になる。
【0159】
(第七実施形態)
本開示の第七実施形態は、第一実施形態のさらに別の変形例である。第七実施形態の自動運転ECU50b(
図2及び
図3参照)は、複数回の自動車線変更を所定の区間内又は所定の時間内で実施する場合と、複数回の自動車線変更を連続で実施する場合とで、ドライバへの運転行動依頼の有無を変更する。尚、以下の説明では、所定の区間内又は所定の時間内で行われる複数回の自動車線変更を「通常連続LC」と記載し、連続で実施される複数回の自動車線変更を「特別連続LC」と記載する。
【0160】
車線変更制御部79では、第一実施形態の所定の区間(数キロメートル程度)が第1所定区間とされ、この第1所定区間よりも短い第2所定区間がさらに規定される。同様に、車線変更制御部79では、第一実施形態の所定の時間(数分程度)が第1所定時間とされ、この第1所定時間よりも短い第2所定時間がさらに規定される。そして、第1所定区間よりも短くかつ第2所定区間よりも長い区間内、又は第1所定時間よりも短くかつ第2所定時間よりも長い時間内にて、複数回の自動車線変更を実施する場合が、上記の通常連続LCとなる。
【0161】
一方、第2所定区間内又は第2所定時間内にて複数回の自動車線変更を実施する場合が、上記の特別連続LCとなる。特別連続LCでは、第1区間LCS1の終了点から第2区間LCS2の開始点までの距離又は時間は、ごく僅かとなる(
図7参照)。例えば、第1区間LCS1の終了点から第2区間LCS2の開始点までの距離は、100メートル程度とされ、第1区間LCS1の終了点から第2区間LCS2の開始点までの距離は、数秒程度とされる。第1区間LCS1の終了点から第2区間LCS2の開始点までの距離又は時間がゼロである場合も、特別連続LCに含まれてよい。
【0162】
HCU100は、自動運転ECU50bにて車線変更が予定された場合、報知制御処理(
図26参照)を実施する。報知制御処理は、第四実施形態(
図23参照)と同様に、第1開始点P1sへの接近に基づき、第1開始時刻t1s以前に情報連携部82及び提示制御部88等によって開始される(
図3及び
図7参照)。
【0163】
情報連携部82は、自動運転ECU50bの行動判断部63にて生成される走行計画を把握する(S611)。情報連携部82は、把握した走行計画を参照し、連続LCが予定されているか否かを判定する(S612)。走行計画にて予定された車線変更が1回のみである場合(S612:NO)、提示制御部88は、通常(1回のみ)の自動車線変更を案内する通常LC用表示処理を実施する(S613)。この通常LC用表示処理は、第四実施形態(
図23 S413参照)と実質同一の内容である。
【0164】
一方、連続LCが予定されている場合(S612:YES)、情報連携部82は、予定された連続LCの実施区間長さ又は実施時間を把握する(S614)。情報連携部82は、把握した実施区間長さ又は実施時間に基づき、自動運転ECU50bにて予定された連続LCが特別連続LCか否かを判定する(S615)。
【0165】
提示制御部88は、予定された連続LCが特別連続LCである場合(S615:YES)、運転行動の実施をドライバに依頼する運転依頼報知を行う(S616)。この場合の運転依頼報知では、周辺監視だけでなく、加減速操作及び操舵操作等の全ての運転操作がドライバに依頼される。即ち、運転依頼報知は、手動運転での車線変更の実施をドライバに依頼する運転交代依頼とされる。
【0166】
対して、予定された連続LCが通常連続LCである場合(S615:NO)、提示制御部88は、連続LC用報知処理を実施する(S617)。連続LC用報知処理では、第一実施形態のS16~S28(
図16参照)と実質同一の処理が実施される。この連続LC用報知処理では、加減速操作及び操舵操作に関する運転依頼報知の実施が制限される。即ち、運転交代依頼となる運転依頼報知は、実施されない。
【0167】
ここまで説明した第七実施形態でも、第一実施形態と同様の効果を奏し、複数回の自動車線変更が行われる場合でも、ドライバ等の乗員の不安は抑制可能となる。加えて第七実施形態では、第1所定区間よりも短い第2所定区間内、又は第1所定時間よりも短い第2所定時間内にて複数回の自動車線変更が予定される特別連続LCの場合、提示制御部88は、運転行動の実施をドライバに依頼する運転依頼報知を行う。故に、自動運転ECU50bにとって難易度の高い連続LCであっても、ドライバへの運転交代によって円滑な実施が可能になる。
【0168】
また第七実施形態では、第2所定区間内又は第2時間内にて複数回の自動車線変更が予定される特別連続LCの場合、提示制御部88は、運転行動としての加減速操作及び操舵操作の実施をドライバに依頼する運転依頼報知を行う。一方、第1所定区間よりも短く第2所定区間よりも長い区間内、又は第1所定時間よりも短く第2所定時間よりも長い時間内にて複数回の自動車線変更が予定される通常連続LCの場合、加減速操作及び操舵操作に関する運転依頼報知の実施は、制限される。故に、自動運転ECU50bによって実施可能な連続LCは、ドライバに加減速操作及び操舵操作を引き継がれることなく、自動運転ECU50bによって完遂され得る。以上によれば、自動運転ECU50bの性能に制限があったとしても、自動運転機能の利便性の低下が抑制可能になる。
【0169】
(第八実施形態)
本開示の第八実施形態は、第七実施形態の変形例である。第八実施形態の報知制御処理(
図26参照)にて、提示制御部88は、特別連続LCが予定される場合(S615:YES)、運転行動としての周辺監視の実施をドライバに依頼する運転依頼報知を行う(S616)。一方、通常連続LCが予定される場合(S615:NO)、提示制御部88は、サブ処理である連続LC用報知処理(S617)にて、周辺監視に関する運転依頼報知の実施を制限する。即ち、周辺監視の実施をドライバに依頼する運転依頼報知は、連続LC用報知処理では実施されない。
【0170】
ここまで説明した第八実施形態では、第2所定区間内又は第2所定時間内にて複数回の自動車線変更が予定される特別連続LCの場合、提示制御部88は、運転行動としての周辺監視の実施をドライバに依頼する運転依頼報知を行う。故に、自動運転ECU50bが運転操作を継続できなくなった場合に、システムからドライバへの運転交代が円滑に実施され得る。
【0171】
加えて第八実施形態では、第1所定区間よりも短く第2所定区間よりも長い区間内、又は第1所定時間よりも短く第2所定時間よりも長い時間内にて複数回の自動車線変更が予定される通常連続LCの場合、周辺監視に関する運転依頼報知の実施が制限される。故に、通常連続LCの場合、自動運転ECU50bは、ドライバのセカンドタスクを妨げることなく、複数回の自動車線変更を完遂し得る。したがって、自動運転ECU50bの性能に制限があったとしても、自動運転機能の利便性の低下が抑制可能になる。
【0172】
(第九実施形態)
本開示の第九実施形態は、第一実施形態のさらに別の変形例である。第九実施形態の自動運転ECU50b(
図2及び
図3参照)は、1車線ずつの車線変更を繰り返す制御(通常連続LC制御)と、複数車線分まとめて車線変更を行う制御(一体連続LC制御)とを、走行環境に応じて切り替える。通常連続LC制御では、第1区間LCS1の終了点と第2区間LCS2の開始点との間(
図7参照)に、レーンに沿った走行を行う区間(時間)が確保される。一方、一体連続LC制御では、第1区間LCS1と第2区間LCS2とが連続しており、レーンに沿った走行を行う区間(時間)は確保されない。
【0173】
車線変更制御部79(
図2参照)は、他車両把握部72にて把握される自車周囲の他車両の存在状況、及び道路情報把握部73にて把握される走行中の道路環境等に応じて、一体連続LC制御を許可するか否かを決定する。具体的に、車線変更制御部79は、他車両把握部72にて自車両Amの周囲の所定範囲内に他車両が認識されている場合、通常連続LC制御の実施を決定する。一方、自車周囲の所定範囲内に他車両が認識されていない場合、車線変更制御部79は、一体連続LCの実施を決定する。
【0174】
さらに、自車両Amの走行する道路が一般道である場合、車線変更制御部79は、通常連続LC制御の実施を決定する。一方、自車両Amの走行する道路が高速道路である場合、車線変更制御部79は、一体連続LC制御の実施を決定する。また、自車両Amがカーブ区間又は交差点の周囲等を走行中である場合、車線変更制御部79は、通常連続LC制御の実施を決定する。一方、カーブ区間及び交差点等の周囲等を走行中でない場合、車線変更制御部79は、一体連続LCの実施を決定する。
【0175】
ここで、車線変更制御部79は、一体連続LC制御を許可するか否かを、上記の複数の条件を組み合わせて判断してもよい。例えば、自車両Amが一般道又はカーブ区間を走行する場合、或いは自車周囲に他車両が存在する場合、車線変更制御部79は、一体連続LCの実施を許可せず、通常連続LC制御の実施を決定する。一方、自車両Amが高速道路の直線区間を走行中であり、かつ、自車周囲に他車両が存在しない場合、車線変更制御部79は、一体連続LCの実施を決定する。
【0176】
HCU100は、自動運転ECU50bにて複数回の自動車線変更が予定される場合、連続LCでの移動制御の態様を報知する。即ち、通常連続LC制御及び一体連続LC制御のうちで実施予定となっている一方が、ドライバに報知される。連続LCでの移動制御の態様は、最初の自動車線変更が可能になる地点又は時刻にて開始される。
【0177】
具体的に、提示制御部88は、自車両Amが一般道、カーブ区間、又は交差点の周囲等を走行しており、車線変更制御部79が通常連続LC制御を実施する場合、通常連続LC制御の実施を報知する。また、自車周囲に他車両が存在しており、車線変更制御部79が通常連続LC制御を実施する場合、提示制御部88は、通常連続LC制御の実施を報知する。
【0178】
提示制御部88は、当初レーンLn1から中間レーンLn2に延伸する第1軌跡IP1と、中間レーンLn2から到達レーンLn3に延伸する第2軌跡IP2Aとを含む自車ステータスStAの表示により、通常連続LC制御の実施を報知する(
図21参照)。この場合、提示制御部88は、周辺監視の実施をドライバに依頼する運転依頼報知、又は周辺監視の実施をドライバに促す監視推奨報知(監視推奨アイコンIcMの表示)を、移動制御の態様報知と共に実施する。
【0179】
一方、提示制御部88は、自車両Amが高速道路又は直線区間を走行しており、車線変更制御部79が一体連続LC制御を実施する場合、一体連続LCの実施を報知する。同様に、自車周囲に他車両が存在せず、車線変更制御部79が一体連続LC制御を実施する場合、提示制御部88は、一体連続LCの実施を報知する。提示制御部88は、中間レーンLn2を横断しつつ当初レーンLn1から到達レーンLn3に延伸する矢印形状の予定軌跡IPPを含む自車ステータスStAの表示により、一体連続LC制御の実施を報知する(
図27参照)。この場合、提示制御部88は、周辺監視の実施依頼又は周辺監視の実施推奨等の報知を実施しなくてもよい。
【0180】
ここまで説明した第九実施形態でも、第一実施形態と同様の効果を奏し、複数回の自動車線変更が行われる場合でも、ドライバ等の乗員の不安は抑制可能となる。加えて第九実施形態では、所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の自動車線変更が予定された場合、通常連続LC制御を実施するか、一体連続LC制御を実施するかが、自車両Amの走行する走行環境に応じて決定される。故に、連続LCの難易度の低い走行環境であれば、自動運転ECU50bは、一体連続LC制御によって、複数回の車線変更を短時間で完遂できる。以上によれば、自動運転機能の利便性がいっそう向上し得る。
【0181】
また第九実施形態では、複数回の自動車線変更が予定される場合、提示制御部88は、移動制御の態様を、連続LCでの横移動の開始前にドライバに報知する。故に、ドライバは、連続LCにおける自車両Amの挙動、具体的には、中間レーンLn2にて自車両Amの横移動が一旦中断されるか否かを、予め把握できる。その結果、複数回の自動車線変更が行われる場合でも、ドライバ等の乗員の不安はいっそう抑制可能となる。
【0182】
さらに第九実施形態では、自車両Amが一般道を走行している場合、提示制御部88は、通常連続LC制御の実施を報知する。また、自車両Amが高速道路を走行している場合、提示制御部88は、一体連続LC制御の実施を報知する。以上のように、道路の種別によって連続LCにおける移動制御の態様が切り替えられ、かつ、その態様が報知されれば、ドライバ等の乗員は、複数回の自動車線変更が実施される場合でも、不安を感じ難くなる。
【0183】
加えて第九実施形態では、自車両Amの周囲に他車両が認識されている場合、提示制御部88は、通常連続LC制御の実施を報知する。また、他車両が認識されていない場合、提示制御部88は、一体連続LC制御の実施を報知する。このように、自車周囲の他車両の有無によって連続LCにおける移動制御の態様が切り替えられ、かつ、その態様が報知されれば、ドライバ等の乗員は、複数回の自動車線変更が実施される場合でも、不安を感じ難くなる。
【0184】
尚、上記第九実施形態において、通常連続LC制御が「第1態様の移動制御」に相当し、一体連続LC制御が「第2態様の移動制御」に相当する。
【0185】
(他の実施形態)
以上、本開示の複数の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
【0186】
上記第一実施形態にて、複数回の自動車線変更の実施予定を報知する連続LC表示は、第1開始時刻t1sよりも僅かに早く又は第1開始時刻t1sと実質同時に開始されていた。また、上記第二実施形態の連続LC表示は、通過時刻t1mにて開始されていた。しかし、第1開始時刻t1sから第1完了時刻t1fまでの間に、2回目以降の自動車線変更の実施予定を報知できれば、連続LC表示の開始タイミングは、適宜変更されてよい。即ち、1回目の自動車線変更に合わせて、複数回の自動車線変更の実施予定を報知するとは、第1完了時刻t1fよりも前に、2回目以降の自動車線変更の実施予定が報知されることを意味する。例えば変形例1の連続LC表示は、第1開始時刻t1sの後、通過時刻t1mよも前に開始される。また、変形例2の連続LC表示は、通過時刻t1mの後、第1完了時刻t1fよりも前に開始される。
【0187】
上記実施形態の変形例3では、LC必要地点P3に接近に伴って連続LCを行う場合と、追い越しに伴って連続LCを行う場合とで、実質同じ連続LC表示が行われる。即ち、自車ステータスStAを連続LCの種別に応じた内容への変更する処理は、変形例3において省略される。
【0188】
上記実施形態の変形例4の連続LC表示は、CID22によっても表示される。こうした変形例4では、複数回の自動車線変更の実施予定が、ドライバだけでなく、同乗者にも報知可能となる。また、上記実施形態の変形例5では、連続LC表示は、HUD23によって虚像表示される。即ち、連続LC表示は、前景に重畳される重畳コンテンツであってもよい。以上の変形例4,5では、CID22及びHUD23がそれぞれ「表示デバイス」に相当する。
【0189】
さらに、複数回の自動車線変更の実施予定は、オーディオ装置24によって再生される音声メッセージにより報知されてもよい。同様に、監視推奨報知も、オーディオ装置24にて再生される音声メッセージによって実施されてもよい。
【0190】
上記実施形態の変形例6では、自動車線変更の実施予定が1回である場合でも、監視推奨報知が実施される。変形例6では、自動車線変更の実施予定が1回である場合、自動車線変更の実施予定が複数回である場合よりも、弱い態様で実施される。一例として、自動車線変更の実施予定が1回である場合、自動車線変更の実施予定が複数回である場合よりも、監視推奨アイコンIcMが小さく表示される。又は、自動車線変更の実施予定が複数回である場合、監視推奨アイコンIcMの表示開始と共に報知音が再生される一方で、自動車線変更の実施予定が1回である場合、報知音の再生が省略され、監視推奨アイコンIcMのみ表示される。以上のように、不実施とは異なる態様で、監視推奨報知の実施の制限が行われてもよい。
【0191】
上記実施形態にて、HCU100の要求処理部84によって実施されていた方向指示器44のオン及びオフの制御は、自動運転ECU50bによって実施されてもよい。さらに、複数回の自動車線変更が予定される場合でも、1回目の自動車線変更の終了後に、方向指示器44の点滅が一旦終了されてもよい。
【0192】
上記第三実施形態にて、合流区間及び渋滞区間とは異なる区間が、回避区間に設定されてもよい。また、上記第三実施形態の変形例7では、回避区間を避けて第1区間LCS1及び第2区間LCS2を設定する調整は、省略される。さらに、自動運転ECU50bにて、レベル4以上の自動運転制御が実施される場合、実施間隔DLCは、運転支援制御における実施間隔DLCよりも広く設定される。また、レベル4以上の自動運転制御における実施間隔DLCは、レベル3の自律走行制御の実施間隔DLCと同程度であってもよく、又はレベル3の自律走行制御の実施間隔DLCよりも狭く設定されてもよい。
【0193】
上記第三実施形態の変形例8では、あおり運転車両を回避する自動車線変更は、1回のみ実施される。即ち、車線変更制御部79は、あおり運転車両が走行する当初レーンLn1から隣接レーンに退避する自動車線変更のみを実施し、隣接レーンから当初レーンLn1に復帰するための自動車線変更を実施しない。こうした変形例8でも、あおり運転車両のリスクから自車両Amを守ることが可能になる。
【0194】
上記第七実施形態の変形例9では、通常連続LCが実施予定であっても(
図26 S615:NO)、自車周囲の所定範囲内に他車両が存在する場合、ドライバに運転操作を依頼する運転依頼報知が実施される。また、上記第八実施形態の変形例10では、通常連続LCが実施予定であっても、自車周囲の所定範囲内に他車両が存在する場合、ドライバに周辺監視を依頼する運転依頼報知が実施される。以上の変形例9,10のような態様により、通常連続LCが行われるシーンでの運転依頼報知の実施が制限されてもよい。
【0195】
上記実施形態の変形例11では、運転支援ECU50a及び自動運転ECU50bの各機能は、一つの自動運転ECUによって提供されている。即ち、変形例11の自動運転ECU50bには、運転支援ECU50aの機能が実装されている。
【0196】
また、上記実施形態の変形例12では、運転支援ECU50a、自動運転ECU50b及びHCU100の各機能が、一つの統合ECUによって提供されている。こうした変形例12では、統合ECUが「提示制御装置」及び「自動運転制御装置」に相当する。さらに、自動運転ECU50b及びHCU100の連携により、本開示による提示制御装置及び自動運転制御装置の各機能が実現されてもよい。こうした形態では、自動運転ECU50b及びHCU100を含むシステムが「提示制御装置」及び「自動運転制御装置」に相当する。
【0197】
上記実施形態にて、自動運転ECU及びHCUによって提供されていた各機能は、ソフトウェア及びそれを実行するハードウェア、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの複合的な組合せによっても提供可能である。さらに、こうした機能がハードウェアとしての電子回路によって提供される場合、各機能は、多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路によっても提供可能である。
【0198】
上記実施形態の各処理部は、RAMと結合された演算処理のためのハードウェアである。処理部は、CPU(Central Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)等の演算コアを少なくとも一つ含む構成である。処理部は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、NPU(Neural network Processing Unit)及び他の専用機能を備えたIPコア等をさらに含む構成であってよい。こうした処理部は、プリント基板に個別に実装された構成であってもよく、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)及びFPGA等に実装された構成であってもよい。
【0199】
上記実施形態にて各種プログラム等を記憶する記憶媒体(持続的有形コンピュータ読み取り媒体,non-transitory tangible storage medium)の形態は、適宜変更されてよい。さらに、記憶媒体は、回路基板上に設けられた構成に限定されず、メモリカード等の形態で提供され、スロット部に挿入されて、自動運転ECU又はHCU等の制御回路に電気的に接続される構成であってよい。また、記憶媒体は、自動運転ECU又はHCUへのプログラムのコピー元又は配信元となる光学ディスク及びのハードディスクドライブ等であってもよい。
【0200】
上記の自動運転システム及びHMIシステムを搭載する車両は、一般的な自家用の乗用車に限定されず、レンタカー用の車両、有人タクシー用の車両、ライドシェア用の車両、貨物車両及びバス等であってもよい。また、自動運転システム及びHMIシステムを搭載する車両は、右ハンドル車両であってもよく、又は左ハンドル車両であってもよい。さらに、車両が走行する交通環境は、左側通行を前提とした交通環境であってもよく、右側通行を前提とした交通環境であってもよい。本開示による自動運転制御及び情報提示制御は、それぞれの国及び地域の道路交通法、さらに車両のハンドル位置等に応じて適宜最適化されてよい。
【0201】
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路により、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0202】
(技術的思想の開示)
この明細書は、以下に列挙する複数の項に記載された複数の技術的思想を開示している。いくつかの項は、後続の項において先行する項を択一的に引用する多項従属形式(a multiple dependent form)により記載されている場合がある。さらに、いくつかの項は、他の多項従属形式の項を引用する多項従属形式(a multiple dependent form referring to another multiple dependent form)により記載されている場合がある。これらの多項従属形式で記載された項は、複数の技術的思想を定義している。
(技術的思想1-16)
ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、前記自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御装置であって、
前記自律走行制御を行う自動運転制御装置(50b)にて生成される走行計画を把握する制御把握部(82)と、
所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の車線変更を実施する前記走行計画が把握された場合、運転行動の実施を前記ドライバに依頼する運転依頼報知を行う報知実施部(88)と、
を備える提示制御装置。
(技術的思想1-22)
ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、前記自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御プログラムであって、
前記自律走行制御を行う自動運転制御装置(50b)にて生成される走行計画を把握し(S411)、
所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の車線変更を実施する前記走行計画が把握された場合、運転行動の実施を前記ドライバに依頼する運転依頼報知を行う(S416,S431,S436)、
ことを含む処理を、少なくとも一つの処理部(11)に実行させる提示制御プログラム。
【0203】
(技術的思想1)
ドライバに周辺監視義務のない自律走行制御によって走行可能な自車両(Am)において用いられ、前記自律走行制御に関連する情報の提示を制御する提示制御装置であって、
前記自律走行制御によって実施される自動車線変更の予定を把握する制御把握部(82)と、
所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の前記自動車線変更が予定される場合、1回目の前記自動車線変更に合わせて、複数回の前記自動車線変更の実施予定を報知する報知実施部(88)と、
を備える提示制御装置。
(技術的思想2)
前記報知実施部は、
予定された前記自動車線変更が複数回である場合、周辺監視の実施を前記ドライバに促す監視推奨報知を行い、
予定される前記自動車線変更が1回のみである場合、前記監視推奨報知の実施を制限する技術的思想1に記載の提示制御装置。
(技術的思想3)
前記制御把握部は、2回目以降の前記自動車線変更の待機状態をさらに把握し、
前記報知実施部は、
1回目の前記自動車線変更の完了後に、2回目の前記自動車線変更が前記待機状態となった場合、周辺監視の実施を前記ドライバに促す監視推奨報知を行い、
1回目の前記自動車線変更の完了後に、2回目の前記自動車線変更が前記待機状態とならなかった場合、前記監視推奨報知の実施を制限する技術的思想1に記載の提示制御装置。
(技術的思想4)
前記報知実施部は、
前記自車両の周囲の状況を示す鳥瞰コンテンツ(StA)を表示デバイス(21)によって表示させ、
予定された前記自動車線変更が複数回である場合、前記自動車線変更の繰り返しによって到達する到達レーン(Ln3)を再現する移動先レーン画像部(LpG)を、1回目の前記自動車線変更に合わせて前記鳥瞰コンテンツに表示させる技術的思想1~3のいずれか一項に記載の提示制御装置。
(技術的思想5)
前記報知実施部は、複数回の前記自動車線変更の起点となる当初レーン(Ln1)を前記鳥瞰コンテンツにて再現する移動元レーン画像部(LpS)を、1回目の前記自動車線変更の完了後に非表示にする技術的思想4に記載の提示制御装置。
(技術的思想6)
前記制御把握部は、前記自動車線変更の中断可能性の有無をさらに把握し、
前記報知実施部は、
1回目の前記自動車線変更に前記中断可能性がある場合、複数回の前記自動車線変更の起点となる当初レーン(Ln1)を前記鳥瞰コンテンツにて再現する移動元レーン画像部(LpS)の表示を継続し、
1回目の前記自動車線変更に前記中断可能性がなくなった場合、前記移動元レーン画像部を非表示にする技術的思想4に記載の提示制御装置。
(技術的思想7)
前記制御把握部は、複数回の前記自動車線変更が行われる理由を把握し、
前記報知実施部は、複数回の前記自動車線変更が予定される場合、前記理由に応じて報知の内容を変更する技術的思想1~6のいずれか一項に記載の提示制御装置。
(技術的思想8)
所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の前記自動車線変更が予定される場合、予定された複数回の前記自動車線変更が完了するまで、前記自車両の移動方向を示す方向指示器(44)の動作を継続させる指示器制御部(84)、をさらに備える技術的思想1~7のいずれか一項に記載の提示制御装置。
(技術的思想9)
前記報知実施部は、所定の区間である第1所定区間よりも短い第2所定区間内、又は所定の時間である第1所定時間よりも短い第2所定時間内にて複数回の前記自動車線変更が予定される場合、運転行動の実施を前記ドライバに依頼する運転依頼報知を行う技術的思想1~7のいずれか一項に記載の提示制御装置。
(技術的思想10)
前記報知実施部は、
前記第2所定区間内又は前記第2所定時間内にて複数回の前記自動車線変更が予定される場合、前記運転行動としての加減速操作及び操舵操作の少なくとも一方の実施を前記ドライバに依頼する前記運転依頼報知を行い、
前記第1所定区間よりも短く前記第2所定区間よりも長い区間内、又は前記第1所定時間よりも短く前記第2所定時間よりも長い時間内にて複数回の前記自動車線変更が予定される場合、前記加減速操作及び前記操舵操作に関する前記運転依頼報知の実施を制限する技術的思想9に記載の提示制御装置。
(技術的思想11)
前記報知実施部は、
前記第2所定区間内又は前記第2所定時間内にて複数回の前記自動車線変更が予定される場合、前記運転行動としての周辺監視の実施を前記ドライバに依頼する前記運転依頼報知を行い、
前記第1所定区間よりも短く前記第2所定区間よりも長い区間内、又は前記第1所定時間よりも短く前記第2所定時間よりも長い時間内にて複数回の前記自動車線変更が予定される場合、前記周辺監視に関する前記運転依頼報知の実施を制限する技術的思想9に記載の提示制御装置。
(技術的思想12)
所定の区間内又は所定の時間内にて複数回の前記自動車線変更が予定された場合、1車線ずつの移動を繰り返す第1態様の移動制御を実施するか、複数車線を纏めて移動する第2態様の前記移動制御を実施するかが、前記自車両の走行する走行環境に応じて決定され、
前記報知実施部は、複数回の前記自動車線変更が予定される場合、前記移動制御の態様をさらに報知する技術的思想1~11のいずれか一項に記載の提示制御装置。
(技術的思想13)
前記報知実施部は、前記自車両が一般道を走行している場合、前記第1態様での前記移動制御の実施を報知し、前記自車両が高速道路を走行している場合、前記第2態様での前記移動制御の実施を報知する技術的思想12に記載の提示制御装置。
(技術的思想14)
前記報知実施部は、前記自車両の周囲に他車両が認識されている場合、前記第1態様での前記移動制御の実施を報知し、前記他車両が認識されていない場合、前記第2態様での前記移動制御の実施を報知する技術的思想12に記載の提示制御装置。
【符号の説明】
【0204】
Am 自車両、DLC 実施間隔(間隔)、Ln1 当初レーン、Ln3 到達レーン、LpG 移動先レーンアイコン(移動先レーン画像部)、LpS 移動元レーンアイコン(移動元レーン画像部)、P1s 第1開始点(第1地点)、P2s 第2開始点(第2地点)、StA 自車ステータス(鳥瞰コンテンツ)、11,51 処理部、21 メータディスプレイ(表示デバイス)、44 方向指示器、50b 自動運転ECU(自動運転制御装置)、72 他車両把握部、73 道路情報把握部(道路状況把握部)、78 制御切替部、79 車線変更制御部、82 情報連携部(制御把握部)、84 要求処理部(指示器制御部)、88 提示制御部(報知実施部)、100 HCU(提示制御装置)