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特許7597142洗浄剤組成物用原液、及び該洗浄剤組成物用原液を含む洗浄剤組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】洗浄剤組成物用原液、及び該洗浄剤組成物用原液を含む洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 7/26 20060101AFI20241203BHJP
   C11D 7/32 20060101ALI20241203BHJP
   C11D 17/08 20060101ALI20241203BHJP
   C23G 5/06 20060101ALI20241203BHJP
   C23G 5/032 20060101ALI20241203BHJP
   B08B 3/08 20060101ALN20241203BHJP
【FI】
C11D7/26
C11D7/32
C11D17/08
C23G5/06
C23G5/032
B08B3/08 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023067001
(22)【出願日】2023-04-17
(65)【公開番号】P2023166980
(43)【公開日】2023-11-22
【審査請求日】2023-04-17
(31)【優先権主張番号】P 2022077325
(32)【優先日】2022-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000168414
【氏名又は名称】荒川化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】大西 裕一
【審査官】柴田 啓二
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-218295(JP,A)
【文献】特開2013-181060(JP,A)
【文献】特表2014-500356(JP,A)
【文献】特開2020-059853(JP,A)
【文献】特開2007-224165(JP,A)
【文献】特開2009-190089(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D
C23G
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
20℃における水への溶解度が10質量%以下のグリコールエーテル(A1)及び/又はベンジルアルコール(A2)である非ハロゲン系有機溶剤(A)、3-アミノ-4-オクタノール(B)、及び必要に応じて水(C)を含み、各成分の含有比率は、(A)成分が50~99.9質量%、(B)成分が0.1~45質量%、(C)成分が0~20質量%である、洗浄剤組成物用原液であり、前記グリコールエーテル(A1)が、ジプロピレングリコールモノn-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノn-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノn-ブチルエーテル、エチレングルコールモノn-ヘキシルエーテル、ジエチレングルコールモノn-ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル及びジエチレングリコールジn-ブチルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種であり、該洗浄剤組成物用原液100質量部に対して100~1500質量部の水を混合させた洗浄剤組成物が、1~90℃において白濁状態となることを特徴とする、洗浄剤組成物用原液。
【請求項2】
請求項1に記載の洗浄剤組成物用原液と、水とを含み、請求項1に記載の洗浄剤組成物用原液100質量部に対して、100~1500質量部の水を含む洗浄剤組成物。
【請求項3】
フラックス残渣除去用である、請求項に記載の洗浄剤組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄剤組成物用原液、及び該洗浄剤組成物用原液を含む洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の電子部品や合金製部品単体を洗浄する際は、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、塩化メチレン、フロン等のハロゲン化炭化水素系溶剤が用いられてきた。しかしながら、これらの溶剤は、人体に対する毒性、大気汚染や土壌汚染等の環境問題の理由から、現在ではその使用が制限されているため、それに代わる非ハロゲン系洗浄剤として炭化水素系洗浄剤、グリコール系洗浄剤及びベンジルアルコール系洗浄剤等が提案されている(特許文献1、2を参照)。
【0003】
近年、さらなる環境負荷の低減のため、グリコールエーテル系化合物等の有機成分を水で希釈した水希釈型洗浄剤が提案されている(特許文献1~2参照)。水希釈型洗浄剤は水の質量比率が大きいので、低コスト化、有機成分の使用量の削減、VOC(volatile organic compounds)排出の抑制が可能であり、環境負荷の軽減が期待できる。また、汚れの種類に応じて、有機成分の比率を変化させて、洗浄力を調整できる点が優れている。
【0004】
水希釈型洗浄剤は、水希釈する時機の観点より、希釈品(特許文献3を参照)と原液品(特許文献4を参照)に分類できる。希釈品は水希釈後の洗浄剤組成物を輸送及び保管して使用するが、他方、原液品は洗浄剤組成物用原液を輸送及び保管して、使用直前に水で希釈して使用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平10-046198号公報
【文献】特開2009-190089号公報
【文献】特開2013-181060号公報
【文献】特開2015-218295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、本発明者らが検討したところ、上記のようなグリコールエーテル系化合物を含む水希釈型洗浄剤を用いて洗浄すると、洗浄性が十分ではない場合があった。
【0007】
また、上記原液品に分類される水希釈型洗浄剤は、希釈品と比較して上記有機成分を効率的に輸送及び保管できる点で優れているが、当該原液品が不均一なものである場合は、それから得られる水希釈型洗浄剤においては有機成分の濃度が一定にならず、洗浄剤の品質が安定しないため、洗浄剤の製造の面において取り扱い性に課題があった。
【0008】
また、回路基板の銅電極面に電子部品をはんだ付けする際、熱によって銅表面に酸化膜(銅酸化膜)が形成されると、はんだ付け及び洗浄の後工程において、ワイヤボンディング接合不良、封止樹脂の密着不良の原因となるため、銅酸化膜を除去する必要があるが、公知の洗浄剤では、この銅酸化膜を十分に除去することが困難であった。また、銅酸化膜を一旦除去できたとしても、銅表面が再酸化されると、新たな酸化膜が形成されるため、銅酸化膜を除去する洗浄剤としては、銅の再酸化を抑制することも求められていた。
【0009】
本発明は、洗浄性に優れ、銅酸化膜を除去でき、かつ銅表面の再酸化を抑制し得る水希釈型洗浄剤が得られる、取り扱いが容易な洗浄剤組成物用原液を提供することを課題とする。
【0010】
また、本発明は、洗浄性に優れ、銅酸化膜を除去でき、かつ銅表面の再酸化を抑制し得る洗浄剤組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、所定の非ハロゲン系有機溶剤、3-アミノ-4-オクタノール、及び必要に応じて水を特定の質量比で含む洗浄剤組成物用原液によって、上記課題を解決できることを見出した。即ち本発明は、以下の洗浄剤組成物用原液、及びこれを含む洗浄剤組成物に関する。
【0012】
1.20℃における水への溶解度が10質量%以下のグリコールエーテル(A1)及び/又はベンジルアルコール(A2)である非ハロゲン系有機溶剤(A)、
3-アミノ-4-オクタノール(B)、及び
必要に応じて水(C)を含み、
各成分の含有比率は、(A)成分が50~99.9質量%、(B)成分が0.1~45質量%、(C)成分が0~20質量%である、洗浄剤組成物用原液であり、
該洗浄剤組成物用原液100質量部に対して100~1500質量部の水を混合させた洗浄剤組成物が、1~90℃において白濁状態となることを特徴とする、
洗浄剤組成物用原液。
【0013】
2.(A1)成分が、ジプロピレングリコールモノn-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノn-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノn-ブチルエーテル、エチレングルコールモノn-ヘキシルエーテル、ジエチレングルコールモノn-ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル及びジエチレングリコールジn-ブチルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種である、上記項1に記載の洗浄剤組成物用原液。
【0014】
3.上記項1又は2に記載の洗浄剤組成物用原液と、水とを含み、
上記項1又は2に記載の洗浄剤組成物用原液100質量部に対して、水が100~1500質量部である、洗浄剤組成物。
【0015】
4.フラックス残渣除去用である、上記項3に記載の洗浄剤組成物。
【発明の効果】
【0016】
本発明の洗浄剤組成物用原液は、上記有機成分が濃縮されて均一な溶液であるため、効率良く輸送及び保管ができ、また品質の安定した水希釈型洗浄剤が得られるため、取り扱いが容易である。
【0017】
本発明の洗浄剤組成物用原液を水で希釈した洗浄剤組成物は、主成分が水であるため、コスト及び環境負荷が低減されたものであり、さらに水の希釈比率を高くしても優れた洗浄性を維持できる。また、上記洗浄剤組成物は、回路基板の銅電極面等に形成された銅酸化膜を十分に除去することができ、かつ銅表面の再酸化を抑制し得る。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[洗浄剤組成物用原液]
本発明の洗浄剤組成物用原液(以下、原液ともいう)は、所定の非ハロゲン系有機溶剤(A)(以下、(A)成分とする)及び3-アミノ-4-オクタノール(B)(以下、(B)成分とする)を、特定の質量比で含む組成物である。
【0019】
<非ハロゲン系有機溶剤(A)>
(A)成分は、20℃における水への溶解度が10質量%以下のグリコールエーテル(A1)(以下、(A1)成分とする)及び/又はベンジルアルコール(A2)(以下、(A2)成分とする)であれば、特に限定されず、各種公知のものを使用することができる。(A)成分は、1種を単独で、又は2種以上を併用しても良い。
【0020】
(グリコールエーテル(A1))
(A1)成分は、20℃における水への溶解度が10質量%以下のグリコールエーテルであれば、特に限定されない。(A1)成分は、1種を単独で、又は2種以上を併用しても良い。
【0021】
(A1)成分の20℃における水への溶解度(以下、単に水溶解度ともいう)が10質量%を超える場合、洗浄剤組成物の親水性が高くなって、十分な洗浄性が得られない。20℃における水への溶解度は、洗浄剤組成物に適度な疎水性を付与して優れた洗浄性を発揮する点で、好ましくは5質量%以下である。また、20℃における水への溶解度は、上記と同様の点で、好ましくは0.1~10質量%の範囲であり、より好ましくは0.1~5質量%の範囲である。
【0022】
(A1)成分は、例えば、上記水溶解度が10質量%以下の脂肪族グリコールエーテル、上記水溶解度が10質量%以下の芳香族グリコールエーテル等が挙げられる。
【0023】
上記脂肪族グリコールエーテルは、例えば、エチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、トリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル、トリプロピレングリコールジアルキルエーテル等が挙げられる。
【0024】
上記エチレングリコールモノアルキルエーテルは、例えば、エチレングリコールモノn-ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノn-ヘプチルエーテル、エチレングリコールモノn-オクチルエーテル、エチレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル等が挙げられる。
【0025】
上記ジエチレングリコールモノアルキルエーテルは、例えば、ジエチレングリコールモノn-ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノn-ヘプチルエーテル、ジエチレングリコールモノn-オクチルエーテル、ジエチレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル等が挙げられる。
【0026】
上記トリエチレングリコールモノアルキルエーテルは、例えば、トリエチレングリコールモノn-ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノn-ヘプチルエーテル、トリエチレングリコールモノn-オクチルエーテル、トリエチレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル等が挙げられる。
【0027】
上記プロピレングリコールモノアルキルエーテルは、例えば、プロピレングリコールモノn-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノn-ペンチルエーテル、プロピレングリコールモノn-ヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノn-ヘプチルエーテル、プロピレングリコールモノn-オクチルエーテル、プロピレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル等が挙げられる。
【0028】
上記ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルは、例えば、ジプロピレングリコールモノn-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノn-ペンチルエーテル、ジプロピレングリコールモノn-ヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノn-ヘプチルエーテル、ジプロピレングリコールモノn-オクチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル等が挙げられる。
【0029】
上記トリプロピレングリコールモノアルキルエーテルは、例えば、トリプロピレングリコールモノn-プロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノn-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノイソブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノn-ペンチルエーテル、トリプロピレングリコールモノn-ヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールモノn-ヘプチルエーテル、トリプロピレングリコールモノn-オクチルエーテル、トリプロピレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル等が挙げられる。
【0030】
上記エチレングリコールジアルキルエーテルは、例えば、エチレングリコールジn-ブチルエーテル、エチレングリコールジイソブチルエーテル、エチレングリコールジt-ブチルエーテル、エチレングリコールブチルメチルエーテル、エチレングリコールイソブチルメチルエーテル、エチレングリコールメチルt-ブチルエーテル、エチレングリコールメチルn-ペンチルエーテル、エチレングリコールメチルn-ヘキシルエーテル等が挙げられる。
【0031】
上記ジエチレングリコールジアルキルエーテルは、例えば、ジエチレングリコールジn-ブチルエーテル、ジエチレングリコールジイソブチルエーテル、ジエチレングリコールジt-ブチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルt-ブチルエーテル等が挙げられる。
【0032】
上記トリエチレングリコールジアルキルエーテルは、例えば、トリエチレングリコールジn-ブチルエーテル、トリエチレングリコールジイソブチルエーテル、トリエチレングリコールジt-ブチルエーテル等が挙げられる。
【0033】
上記プロピレングリコールジアルキルエーテルは、例えば、プロピレングリコールジn-プロピルエーテル、プロピレングリコールジイソプロピルエーテル、プロピレングリコールジn-ブチルエーテル、プロピレングリコールジイソブチルエーテル、プロピレングリコールジt-ブチルエーテル、プロピレングリコールブチルメチルエーテル、プロピレングリコールイソブチルメチルエーテル、プロピレングリコールメチルt-ブチルエーテル、プロピレングリコールエチルブチルエーテル、プロピレングリコールエチルイソブチルエーテル、プロピレングリコールエチルt-ブチルエーテル等が挙げられる。
【0034】
上記ジプロピレングリコールジアルキルエーテルは、例えば、ジプロピレングリコールジn-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールジイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールジt-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールイソブチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルt-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルn-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールエチルイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールエチルブチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルt-ブチルエーテル等が挙げられる。
【0035】
上記トリプロピレングリコールジアルキルエーテルは、例えば、トリプロピレングリコールジn-プロピルエーテル、トリプロピレングリコールジイソプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジn-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールジイソブチルエーテル、トリプロピレングリコールジt-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールブチルメチルエーテル、トリプロピレングリコールイソブチルメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルt-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールエチルブチルエーテル、トリプロピレングリコールエチルイソブチルエーテル、トリプロピレングリコールエチルt-ブチルエーテル等が挙げられる。
【0036】
上記芳香族グリコールエーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールジフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールジベンジルエーテル等が挙げられる。
【0037】
(A1)成分は、洗浄剤組成物における洗浄性が特に良好であるという点から、ジプロピレングリコールモノn-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノn-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノn-ブチルエーテル、エチレングルコールモノn-ヘキシルエーテル、ジエチレングルコールモノn-ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル及びジエチレングリコールジn-ブチルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、同様の点から、ジプロピレングリコールモノn-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノn-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノn-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル及びジエチレングリコールジn-ブチルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種がより好ましい。
【0038】
(ベンジルアルコール(A2))
(A2)成分は、ベンジルアルコールであれば、特に限定されず、各種公知のものを使用できる。
【0039】
(A)成分の含有量は、原液100質量%に対して50~99.9質量%である。(A)成分の含有量が50~99.9質量%である場合、洗浄剤組成物は優れた洗浄性を発揮する。
【0040】
(A)成分の含有量が、原液100質量%に対して50質量%未満では、洗浄剤組成物において十分な洗浄性を発揮できない傾向にある。(A)成分の含有量は、洗浄剤組成物における洗浄性に優れる点から、原液100質量%に対して、60~99質量%程度であるのが好ましく、70~99質量%程度であるのがより好ましく、80~99質量%程度であるのが特に好ましい。
【0041】
<3-アミノ-4-オクタノール(B)>
(B)成分は、3-アミノ-4-オクタノールであれば、各種公知のものを特に制限なく使用できる。従来公知の洗浄剤では、回路基板の銅電極面等に形成された銅酸化膜を十分に除去することが困難であったが、本発明者らが鋭意検討した結果、水希釈型洗浄剤において3-アミノ-4-オクタノールを用いることにより、優れた洗浄性を示しつつ、銅酸化膜を十分に除去することができ、さらに銅表面の再酸化を抑制し得ることを見出した。
【0042】
(B)成分の含有量は、原液100質量%に対して0.1~45質量%である。(B)成分の含有量が0.1~45質量%である場合、洗浄剤組成物は優れた洗浄性を発揮し、銅酸化膜を除去でき、銅表面の再酸化を抑制する。
【0043】
(B)成分の含有量が、原液100質量%に対して0.1質量%未満では、洗浄剤組成物において十分な洗浄性を発揮できず、銅酸化膜を十分に除去できず、銅表面の再酸化も抑制されない傾向にある。また、(B)成分の含有量が、原液100質量%に対して45質量%を超えると、洗浄剤組成物において十分な洗浄性を発揮できない傾向にある。(B)成分の含有量は、洗浄剤組成物における洗浄性及び銅酸化膜の除去性に優れ、銅表面の再酸化を抑制する点から、原液100質量%に対して、1~15質量%程度であるのが好ましく、1~10質量%程度であるのがより好ましい。
【0044】
(水(C))
上記洗浄剤組成物用原液は、任意成分として水(C)(以下、(C)成分とする)を含めてもよい。上記洗浄剤組成物用原液は、(C)成分を含むことにより、引火点を有さず消防法の非危険物に分類されるため、取り扱いがより容易となる。
【0045】
(C)成分は、水であれば特に限定されず、例えば、超純水、純水、イオン交換水、精製水等が挙げられる。
【0046】
(C)成分の含有量は、特に限定されないが、原液における輸送効率、保管性及び取り扱い性に優れる点から、原液100質量%に対して、0~20質量%であるのが好ましく、1~10質量%程度であるのがより好ましい。(C)成分の含有量が、原液100質量%に対して20質量%を超えると、原液が不均一になり取り扱い性に劣る傾向にあり、また洗浄剤組成物において十分な洗浄性を発揮できない傾向にある。
【0047】
(グリコールエーテル(D))
上記洗浄剤組成物用原液は、本発明の効果が得られる限りにおいて、更に、20℃における水への溶解度が10質量%超のグリコールエーテル(D)(以下、(D)成分とする)を含めてもよい。(D)成分は、20℃における水への溶解度が10質量%超のグリコールエーテルであれば、特に限定されない。(D)成分は、1種を単独で、又は2種以上を併用しても良い。
【0048】
(D)成分は、例えば、上記水溶解度が10質量%超の脂肪族グリコールエーテル等が挙げられる。当該脂肪族グリコールエーテルは、例えば、エチレングリコールモノn-ブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノn-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
【0049】
(D)成分の含有量は、特に限定されないが、洗浄剤組成物における洗浄性に優れる点から、原液100質量%に対して0~30質量%であるのが好ましく、同様の点から、原液100質量%に対して0~10質量%程度であるのがより好ましい。
【0050】
(各成分の比率)
上記洗浄剤組成物用原液において、(A)成分と(B)成分との質量比は、特に限定されないが、洗浄剤組成物における洗浄性及び銅酸化膜の除去性に優れ、銅表面の再酸化を抑制する点から、85~99:1~15程度が好ましい。
【0051】
上記洗浄剤組成物用原液において、(A)成分及び(B)成分の合計と、(C)成分との質量比は、特に限定されないが、原液が引火点を有さず消防法の非危険物に分類され、洗浄剤組成物が優れた洗浄性を発揮し、銅酸化膜を除去でき、銅表面の再酸化を抑制できる点から、90~99:1~10程度が好ましい。
【0052】
上記洗浄剤組成物用原液において、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の質量比は、特に限定されないが、原液が引火点を有さず消防法の非危険物に分類され、洗浄剤組成物が優れた洗浄性を発揮し、銅酸化膜を除去でき、銅表面の再酸化を抑制できる点から、75~98:1~15:1~10程度が好ましい。
【0053】
(その他成分)
上記洗浄剤組成物用原液は、本発明の効果が得られる限りにおいて、(A)~(D)成分以外の成分(以下、その他成分という)を含み得る。その他成分は、例えば、(A)成分、(B)成分及び(D)成分以外の有機溶剤、添加剤等が挙げられる。
【0054】
上記有機溶剤の具体例としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、プロパノール、3-メトキシジメチル-3-メチル-1-ブタノール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル系溶剤、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、1,3-ジエチル-2-イミダゾリジノン、1,3-ジプロピル-2-イミダゾリジノン、N-メチル-2-ピロリドン等の含窒素化合物系溶剤等が挙げられる。上記有機溶剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせても良い。
【0055】
上記添加剤の具体例としては、防錆剤、界面活性剤、消泡剤、酸化防止剤、キレート剤、有機酸、アミン系化合物、有機リン系化合物等が挙げられる。上記添加剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせても良い。
【0056】
上記界面活性剤は、特に限定されず、各種公知のものを使用することができる。上記界面活性剤としては、例えば、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。上記界面活性剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせても良い。
【0057】
上記ノニオン性界面活性剤は、例えば、一般式(3):R4-O-(CH2-CH2-O)e-H(式中、R4は炭素数8~20のアルキル基を、eは0~20の整数を表す。)で表される化合物や、脂肪酸アミドのエチレンオキサイド付加物、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、これらの対応するポリオキシプロピレン系界面活性剤、ポリオキシアルキレンアミン系界面活性剤等が挙げられる。
【0058】
上記アニオン性界面活性剤は、例えば、硫酸エステル系アニオン性界面活性剤(高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等)、スルホン酸塩系アニオン性界面活性剤(アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等)、ポリオキシアルキレンリン酸エステル系界面活性剤等が挙げられる。
【0059】
上記カチオン性界面活性剤は、例えば、アルキル化アンモニウム塩、4級アンモニウム塩等が挙げられる。
【0060】
上記両性界面活性剤は、例えば、アミノ酸型、ベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。
【0061】
上記界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、洗浄剤組成物が優れた洗浄性を発揮し、銅酸化膜を除去でき、銅表面の再酸化を抑制する点から、原液100質量%に対して0~15質量%であるのが好ましい。
【0062】
上記キレート剤としては、金属イオンに配位する能力を有する金属キレート剤であれば特に限定されず、各種公知のものを使用することができる。上記キレート剤は、例えば、カルボン酸系キレート剤、アミノ酸系キレート剤、ホスホン酸系キレート剤、リン酸系キレート剤、アミノカルボン酸系キレート剤、ヒドロキシカルボン酸系キレート剤などが挙げられる。これらキレート剤は、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等の塩であってもよく、加水分解可能なエステル誘導体であってもよい。上記キレート剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせても良い。
【0063】
上記カルボン酸系キレート剤は、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、イタコン酸、アセチルサリチル酸、フタル酸、トリメリット酸、シクロペンタンテトラカルボン酸等が挙げられる。
【0064】
上記アミノ酸系キレート剤は、例えば、グリシン、アラニン、リジン、アルギニン、アスパラギン、チロシン等が挙げられる。
【0065】
上記ホスホン酸系キレート剤は、例えば、ヒドロキシエタンジホスホン酸、ニトリロトリスメチレンホスホン酸、N,N,N’,N’-テトラキス(ホスホノメチル)エチレンジアミン等が挙げられる。
【0066】
上記リン酸系キレート剤は、例えば、オルトリン酸、ピロリン酸、トリリン酸、ポリリン酸等が挙げられる。
【0067】
上記アミノカルボン酸系キレート剤は、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸(CDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、イミノジ酢酸(IDA)、N-(2-ヒドロキシエチル)イミノニ酢酸(HIMDA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)等が挙げられる。
【0068】
上記ヒドロキシカルボン酸系キレート剤は、例えば、りんご酸、クエン酸、イソクエン酸、グリコール酸、グルコン酸、サリチル酸、酒石酸、乳酸等が挙げられる。
【0069】
上記アミン系化合物としては、特に限定されず、各種公知のものを使用することができる。上記アミン系化合物は、例えば、脂肪族アミン、アルカノールアミン等が挙げられる。これらアミン系化合物は、塩であってもよい。上記アミン系化合物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせても良い。なお、上記アミン系化合物には、(B)成分は含まれない。
【0070】
上記脂肪族アミンは、例えば、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、2-エチルヘキシルアミン等の第1級脂肪族アミン、N,N,N’,N’-テトラメチルペンタメチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラエチルペンタメチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトライソプロピルペンタメチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラ-n-プロピルペンタメチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラエチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトライソプロピルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラ-n-プロピルヘキサメチレンジアミン等の第3級ジアミン;ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2-ジエチルアミノエチル)エーテル、ビス(2-ジイソプロピルアミノエチル)エーテル、ビス(2-ジ-n-プロピルアミノエチル)エーテル等のジアミノアルキルエーテル;1,1,7,7-テトラメチルジエチレントリアミン、1,1,7,7-テトラエチルジエチレントリアミン、1,1,7,7-テトライソプロピルジエチレントリアミン、1,1,7,7-テトラ-n-プロピルジエチレントリアミン、N,N,N’,N’’,N’’-ペンタメチルジエチレントリアミン、4-メチル-1,1,7,7-テトラエチルジエチレントリアミン、4-メチル-1,1,7,7-テトライソプロピルジエチレントリアミン、4-メチル-1,1,7,7-テトラ-n-プロピルジエチレントリアミン等のトリアミン等が挙げられる。
【0071】
上記アルカノールアミンは、例えば、N-メチルメタノールアミン、N-エチルメタノールアミン、N-n-プロピルメタノールアミン、N-n-ブチルメタノールアミン、N-メチルエタノールアミン、N-エチルエタノールアミン、N-n-プロピルエタノールアミン、N-イソプロピルエタノールアミン、N-n-ブチルエタノールアミン、N-メチルプロパノールアミン、N-エチルプロパノールアミン、N-n-プロピルプロパノールアミン、N-イソプロピルプロパノールアミン、N-n-ブチルプロパノールアミン、N-メチルブタノールアミン、N-エチルブタノールアミン、N-n-プロピルブタノールアミン、N-イソプロピルブタノールアミン、N-n-ブチルブタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、N,N-ジn-プロピルエタノールアミン、N,N-ジn-ブチルエタノールアミン、N,N-ジメチルプロパノールアミン、N,N-ジメチルイソプロパノールアミン、N,N-ジメチルブタノールアミン、ジエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、N-n-ブチルジエタノールアミン、N-t-ブチルジエタノールアミン、N-シクロヘキシルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N-(β-アミノエチル)エタノールアミン、N-(β-アミノエチル)イソプロパノールアミン、N,N-ジブチルプロパノールアミン等が挙げられる。
【0072】
上記有機リン系化合物としては、特に限定されず、各種公知のものを使用することができる。上記有機リン系化合物は、例えば、リン酸エステル、亜リン酸エステル、ホスホン酸等が挙げられる。これら有機リン系化合物は、塩であってもよい。上記有機リン系化合物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせても良い。
【0073】
上記リン酸エステルは、例えば、リン酸モノメチル、リン酸ジメチル、リン酸トリメチル、リン酸モノエチル、リン酸ジエチル、リン酸トリエチル、リン酸モノプロピル、リン酸ジプロピル、リン酸トリプロピル、リン酸モノブチル、リン酸ジブチル、リン酸トリブチル、リン酸モノヘキシル、リン酸ジヘキシル、リン酸トリヘキシル、リン酸モノオクチル、リン酸ジオクチル、リン酸トリオクチル、リン酸モノデシル、リン酸ジデシル、リン酸トリデシル、リン酸モノウンデシル、リン酸ジウンデシル、リン酸トリウンデシル、リン酸モノドデシル、リン酸ジドデシル、リン酸トリドデシル、リン酸モノトリデシル、リン酸ジトリデシル、リン酸トリトリデシル、リン酸モノステアリル、リン酸ジステアリル、リン酸トリステアリル、リン酸モノオレイル、リン酸ジオレイル、リン酸トリオレイル、リン酸モノフェニル、リン酸ジフェニル、リン酸トリフェニル等が挙げられる。
【0074】
上記亜リン酸エステルは、例えば、亜リン酸モノメチル、亜リン酸ジメチル、亜リン酸トリメチル、亜リン酸モノエチル、亜リン酸ジエチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸モノプロピル、亜リン酸ジプロピル、亜リン酸トリプロピル、亜リン酸モノブチル、亜リン酸ジブチル、亜リン酸トリブチル、亜リン酸モノヘキシル、亜リン酸ジヘキシル、亜リン酸トリヘキシル、亜リン酸モノオクチル、亜リン酸ジオクチル、亜リン酸トリオクチル、亜リン酸モノデシル、亜リン酸ジデシル、亜リン酸トリデシル、亜リン酸モノウンデシル、亜リン酸ジウンデシル、亜リン酸トリウンデシル、亜リン酸モノドデシル、亜リン酸ジドデシル、亜リン酸トリドデシル、亜リン酸モノトリデシル、亜リン酸ジトリデシル、亜リン酸トリトリデシル、亜リン酸モノステアリル、亜リン酸ジステアリル、亜リン酸トリステアリル、亜リン酸モノオレイル、亜リン酸ジオレイル、亜リン酸トリオレイル、亜リン酸モノフェニル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸トリフェニル等が挙げられる。
【0075】
上記ホスホン酸は、例えば、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、オクチルホスホン酸、デシルホスホン酸、ウンデシルホスホン酸、ドデシルホスホン酸、トリデシルホスホン酸、ステアリルホスホン酸、オレイルホスホン酸、フェニルホスホン酸等が挙げられる。
【0076】
上記洗浄剤組成物用原液において、(A)~(D)成分、及びその他成分の配合方法は、特に限定されず、一般的な液体の混合方法が用いられる。具体的な配合方法としては、攪拌法が挙げられる。
【0077】
[洗浄剤組成物]
本発明の洗浄剤組成物は、(A)~(B)成分、及び必要に応じて(C)成分を含む洗浄剤組成物用原液100質量部に対して、100~1500質量部程度の水を混合させることで得られる。水の配合量が100質量部未満では、洗浄剤組成物のコスト及び環境負荷が高くなって、水希釈型洗浄剤の特長を活かすことができない点で好ましくない。水の配合量が1500質量部を超えると、十分な洗浄性が得られないので、洗浄不良を引き起こす場合がある。
【0078】
上記洗浄剤組成物における水の配合量は、洗浄剤組成物のコスト及び環境負荷が低減できて、十分な洗浄性が得られる点から、洗浄剤組成物用原液100質量部に対して、200~1200質量部程度が好ましく、400~900質量部程度がより好ましい。
【0079】
上記洗浄剤組成物は、洗浄剤組成物用原液と水とを上記質量比で混合させることにより、その外観は1~90℃において油滴が水中に分散した白濁状態となる(以下、完全白濁系ともいう)。
【0080】
水希釈型洗浄剤は、水希釈後の洗浄剤組成物の懸濁状態の観点から、均一系、加温白濁系、及び本発明の完全白濁系の3つに分類される。均一系は、1~90℃において外観が透明な洗浄剤であり、加温白濁系は、曇点よりも低い温度においては外観が透明で、曇点以上の温度においては白濁状態となる洗浄剤である。そして、水希釈型洗浄剤において、完全白濁系の水希釈型洗浄剤は、均一系及び加温白濁系のものに比べて、一般的に油溶性及び水溶性の汚れを除去する能力が高く十分な洗浄性を有している。すなわち、本発明の洗浄剤組成物は、完全白濁系であることから、上記均一系及び加温白濁系の水希釈型洗浄剤に比べて、優れた洗浄性を発揮するものである。
【0081】
上記洗浄剤組成物において、上記洗浄剤組成物用原液及び水の混合方法は特に限定されず、一般的な液体の混合方法が用いられる。具体的な混合方法としては、攪拌法が挙げられる。
【0082】
上記洗浄剤組成物は、洗浄対象別に分類すると、例えば、フラックス残渣用洗浄剤、はんだ付け用フラックス用洗浄剤、ソルダペースト用洗浄剤、工業油用洗浄剤等が挙げられる。また、被洗浄物別に分類すると、例えば、電子材料用洗浄剤等が挙げられる。
【0083】
上記電子材料は、フォトマスク、光学レンズ、真空放電管、タッチパネル、表示デバイス用ガラス等のガラス加工品、メタルマスク、パレット、プリント回路基板、フレキシブル配線基板、セラミック配線基板、半導体素子、半導体パッケージ、磁気メディア、パワーモジュール、カメラモジュール、リードフレーム、磁気ディスク、ヒートシンク等の金属加工品、ガラスエポキシ基板、ポリイミド基板、紙フェノール基板、プラスチックモールド部品等の樹脂加工品、シリコン(Si)、サファイア(Al)、炭化ケイ素(SiC)、ダイヤモンド(C)、窒化ガリウム(GaN)、燐化ガリウム(GaP)、砒化ガリウム(GaAs)、燐化インジウム(InP)等のウエハ及びそれらの、切断(スライシング、ダイシング等)、研削(バックグラインド、ブラスト等)、面取り(ベベリング、バレル等)、研磨(ラッピング、ポリシング、バフ等)加工品、更には、それらの物品を加工、実装、溶接、洗浄、搬送する際に使用する治具、キャリア、マガジン等が例示される。
【0084】
[洗浄対象]
本発明の洗浄剤組成物における洗浄対象は、特に限定されないが、例えば、はんだ付け用フラックス、ソルダペースト、フラックス残渣、工業油、及び切り粉等が挙げられる。これらの中でも、はんだ付け用フラックス、ソルダペースト及びフラックス残渣からなる群より選ばれる一種は、上記洗浄剤組成物における洗浄対象として好適である。
【0085】
本明細書において、「はんだ付け用フラックス」は、はんだ及び母材(金属電極等)表面の酸化皮膜を除去し、両者の接合を容易にするために用いられる組成物である。一般的には、ベース樹脂、活性剤及び有機溶剤を含み、必要に応じてチキソトロピック剤、酸化防止剤、その他の添加剤が含まれていてもよい。また、はんだ付け用フラックスは、その組成により、ソルダペースト用フラックス、並びに糸はんだ用フラックス、ポストフラックス及びプレフラックス等の非ソルダペースト用フラックスに分類される。
【0086】
上記ベース樹脂は、例えば、ロジン系ベース樹脂及び非ロジン系ベース樹脂等が挙げられる。該ロジン系ベース樹脂は、例えば、天然ロジン、ロジン誘導体、及びこれらの精製物等が挙げられる。天然ロジンは、例えば、ガムロジン、トール油ロジン及びウッドロジン等が挙げられる。ロジン誘導体は、例えば、天然ロジンの水素化物及び不均化物;
重合ロジン、不飽和酸変性ロジン、ロジンエステル、水素化不飽和酸変性ロジン等が挙げられる。上記重合ロジン、上記不飽和酸変性ロジン、及び上記ロジンエステルは、上記天然ロジン、又は上記天然ロジンの水素化物若しくは不均化物等を用いて製造され得る。上記ロジンエステルを構成する多価アルコールは、グリセリン、ペンタエリスリトール等が例示される。上記不飽和酸変性ロジンを構成する不飽和酸は、アクリル酸、フマル酸、マレイン酸等が例示される。非ロジン系ベース樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ナイロン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリオレフイン樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム、ナイロンゴム、ナイロン系エラストマ、ポリエステル系エラストマ等が挙げられる。
【0087】
上記活性剤は、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、グルタル酸、セバシン酸、ドデカン2酸、ダイマー酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、trans-2,3-ジブロモ-1,4-ブテンジオール、cis-2,3-ジブロモ-1,4-ブテンジオール、3-ブロモプロピオン酸、2-ブロモ吉草酸、5-ブロモ-n-吉草酸、2-ブロモイソ吉草酸、エチルアミン臭素酸塩、ジエチルアミン臭素酸塩、ジエチルアミン塩化水素酸塩、メチルアミン臭素酸等が挙げられる。
【0088】
上記有機溶剤は、例えば、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、ブチルカルビトール、ヘキシルジグリコール、ヘキシルカルビトール、酢酸イソプロピル、プロピオン酸エチル、安息香酸ブチル、アジピン酸ジエチル、n-ヘキサン、ドデカン、テトラデセン等が挙げられる。
【0089】
上記チキソトロピック剤は、例えば、ひまし油、硬化ひまし油、蜜ロウ、カルナバワックス、ステアリン酸アミド、12-ヒドロキシステアリン酸エチレンビスアミド等が挙げられる。
【0090】
上記酸化防止剤は、例えば、ペンタエリスリチル-テトラキス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナムアミド)、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール、トリフェニルフォスファイト、トリエチルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、トリス(トリデシル)フォスファイト等が挙げられる。
【0091】
上記その他の添加剤は、例えば、防黴剤、艶消し剤、増粘防止剤、界面活性剤等が挙げられる。
【0092】
本明細書において「ソルダペースト」は、はんだ付け用フラックス及びはんだ粉末の混合物である。はんだ粉末は、例えば、Sn-Ag系、Sn-Cu系、Sn-Sb系、Sn-Zn系の鉛フリーはんだ粉末、更に鉛を構成成分とする鉛含有はんだ粉末が挙げられる。また、これらはんだ金属は、Ag、Al、Au、Bi、Co、Cu、Fe、Ga、Ge、In、Ni、P、Pt、Sb、Znの1種又は2種以上の元素がドープされたものであってよい。ソルダペーストは、スクリーン印刷によりメタルマスクを介して電極上に供給され、その上に電子部品が載置された後に、加熱下ではんだ付けが行われる。
【0093】
上記はんだ付け用フラックス又はソルダペーストが付着した物品は、スクリーン印刷用のメタルマスク、スキージ、ディスペンス方式用のノズル、シリンジ、及び基板固定用の治具等が例示される。
【0094】
上記フラックス残渣は、ソルダペースト、糸はんだ、はんだ付け用フラックス、プレフラックス、ポストフラックス等を用い、電子部品等を電極に接合した後に生ずる残渣である。フラックス残渣は、はんだ金属及び母材を腐食したり、基板の絶縁抵抗を低下させたりするため、洗浄により除去する必要がある。
【0095】
上記フラックス残渣が付着した物品は、例えば、プリント回路基板、セラミック配線基板、半導体素子搭載基板、ウエハ、TABテープ、リードフレーム、パワーモジュール、及びカメラモジュール等が挙げられる。また、対応するものについては、IC、コンデンサ、抵抗器、ダイオード、トランジスタ、コイル、及びCSP等の電子部品がはんだ付けされていたり、BGA、PGA、及びLGA等が形成されていたり、はんだレベリング等の前処理が施されていてもよい。
【0096】
上記工業油は、例えば、加工油、切削油、鉱物油、機械油グリース、潤滑油、防錆油、ワックス、ピッチ、パラフィン、油脂、グリース等が挙げられる。これらは機械加工、金属加工等の分野において、材料と工具間の摩擦を低減して焼き付きを防止したり、加工に要する力を低減して形成し易くしたり、製品の錆や腐食を防止したりするために使用される。
【0097】
上記工業油が付着した物品は、例えば、ボルト、ナット、フェルール、及びワッシャー等の成型部品をはじめ、エンジンピストン等の自動車部品、ギア、シャフト、スプロケット、及びチェーン等の産業機械部品、HDD用パーツ、及びリードフレーム等の電子部品等が挙げられる。
【0098】
その他の洗浄対象は、例えば、プリント回路基板、セラミック配線基板、半導体素子搭載基板、カバーガラス、及びウエハ等をダイシング加工した際に生じる切り粉等が挙げられる。
【0099】
[洗浄方法]
上記洗浄剤組成物を用いて、上記洗浄対象が付着した被洗浄物を洗浄する方法は、特に限定されず、各種公知の方法が適用できる。具体的には、例えば、洗浄工程と水濯ぎ工程と乾燥工程とを含む洗浄方法が挙げられる。
【0100】
上記洗浄工程とは、上記洗浄剤組成物に被洗浄物を接触させて洗浄対象を除去する工程である。上記水濯ぎ工程とは、被洗浄物を濯ぎ水に接触させて、被洗浄物に付着した洗浄剤組成物を除去する工程である。上記乾燥工程とは、被洗浄物に付着した濯ぎ水を除去する工程である。
【0101】
被洗浄物に、上記洗浄剤組成物及びすすぎ水を接触させる手段は特に限定されず、例えば、浸漬撹拌法、液中シャワー法、気中シャワー法、超音波洗浄法等が挙げられる。
【0102】
上記洗浄剤組成物は、混合して白濁状態にすることで、優れた洗浄性を発揮するので、洗浄方法としては、洗浄剤組成物を混合する力が強く、洗浄性・生産性が優れている点から、気中シャワー法が好ましい。
【実施例
【0103】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。また実施例中、「%」及び「部」は特に断りのない限り「質量%」、「質量部」を意味する。
【0104】
[洗浄剤組成物用原液及び洗浄剤組成物の調製]
実施例1
ジプロピレングリコールモノn-プロピルエーテル90部((A)成分)、3-アミノ-4-オクタノール5部((B)成分)、及び水5部((C)成分)を混合して洗浄剤組成物用原液を調製した。そして、前記洗浄剤組成物用原液100部に対して、水を400部添加し、洗浄剤組成物X(洗浄剤組成物用原液の濃度20質量%)を調製した。また、前記洗浄剤組成物用原液100部に対して、水を900部添加し、洗浄剤組成物Y(洗浄剤組成物用原液の濃度10質量%)を調製した。
【0105】
実施例2~26及び比較例1~18
実施例1において、洗浄剤組成物用原液の各成分を表1、2で示されるものに変更した他は、実施例1と同様に調製した。なお、表1、2中の値の単位は、質量部である。また、実施例1~26の洗浄剤組成物X、Yにおいて、それら洗浄剤組成物を1~90℃に加温すると、いずれの温度においてもその外観は白濁状態となった。
【0106】
【表1】
【0107】
【表2】
【0108】
表1、2の各成分の略称、(A)成分、(D)成分における水への溶解度は、表3に示すとおりである。
【0109】
【表3】
【0110】
実施例1~26及び比較例1~18で得られた洗浄剤組成物用原液を用いて、外観を評価した。また、実施例1~26及び比較例1~18で得られた洗浄剤組成物X、Yを用いて、洗浄性、銅酸化膜除去性及び銅再酸化防止性の評価を行った。結果を、表4、5に示す。
【0111】
【表4】
【0112】
【表5】
表5中の注釈は、以下の通りである。
(1)洗浄剤組成物用原液が不均一であったため、洗浄剤組成物X、Yの評価はしなかった。
(2)銅酸化膜除去性の評価で銅酸化膜が残存したため、銅再酸化防止性は評価しなかった。
【0113】
<外観の評価>
表1、2の洗浄剤組成物用原液を50mLのガラス容器に入れ、25℃における均一性を目視で確認した。表4、5中、均一とは、外観が透明であり、洗浄剤組成物用原液が完全相溶状態であることを意味し、不均一とは、外観が白濁、もしくは水層と油層の二層に分離しており、洗浄剤組成物用原液が相分離していることを意味する。
【0114】
<洗浄性の評価>
(洗浄性試験のテストピースの作製)
ガラスエポキシ銅張積層板(50×50×厚さ1.0mm)の銅パターン上に、メタルマスクを用いて市販の鉛フリーハロゲンフリーソルダーペースト(商品名「エコソルダーペーストM705-S70G-HF Type4」、千住金属工業(株)製)を印刷し、以下のプロファイルでリフローすることで、フラックスが付着した試験基板を作製した。
【0115】
(試験基板のリフロープロファイル)
雰囲気:空気
昇温速度:1℃/秒
ピーク温度:240℃、10秒
【0116】
(洗浄性試験)
上記の試験基板を用いて、以下の洗浄及び水すすぎの条件で、気中シャワー法による洗浄性試験を行った。液温が60℃の実施例1~26及び比較例1~18で得られた洗浄剤組成物X、Yに、試験基板を接触させて30秒、あるいは1分間洗浄を行った。次いで、液温が25℃のすすぎ水に、試験基板を接触させて1分間前すすぎを行った。更に、イオン交換水の流水で1分間仕上げすすぎを行った。その後、試験基板を1分間エアーブローし、水分を除去して乾燥を行った。乾燥した後の試験基板表面を、以下の判定基準に基づき目視判定して、洗浄性を評価した。
◎:洗浄時間が30秒の場合と、1分間の場合の両方において、フラックスを良好に除
去できた(フラックス残渣の表面積は0%)。
○:洗浄時間が30秒の場合に、フラックスが残存したが、洗浄時間が1分間の場合に、フラックスを良好に除去できた(フラックス残渣の表面積は0%)。
△:洗浄時間が1分間の場合に、若干フラックスが残存した(フラックス残渣の表面積は0%を超えて10%以下)。
×:洗浄時間が1分間の場合に、かなりフラックスが残存した(フラックス残渣の表面積は10%を超える)。
【0117】
(気中シャワー法による洗浄及び水すすぎの条件)
流量:2.3L/分
圧力:0.1MPa
噴射ノズルと試験基板の距離:50mm
【0118】
<銅酸化膜除去性の評価>
(銅酸化膜除去性評価用の試験基板の作製)
リン脱酸銅板(C1220P、50mm×50mm×厚さ0.3mm)を170℃の循風乾燥機内で10分間加熱することで、銅酸化膜が形成された試験基板を作製した。
【0119】
(銅酸化膜除去性試験)
上記の試験基板を用いて、浸漬撹拌による銅酸化膜除去試験を行った。液温が60℃の実施例1~26及び比較例1~18で得られた洗浄剤組成物X、Yに、銅酸化膜除去性評価用の試験基板を10分間接触させて洗浄を行った。次いで、液温が25℃のイオン交換水に、試験基板を10分間接触させて前すすぎを行った。更に、イオン交換水の流水で1分間仕上げすすぎを行った。その後、試験基板を1分間エアーブローし、水分を除去して乾燥を行った。乾燥した後の試験基板表面を、以下の判定基準に基づき目視判定して、銅酸化膜除去性を評価した。
○:銅酸化膜が除去できた。
×:銅酸化膜が残存した。
【0120】
<銅再酸化防止性の評価>
銅酸化膜除去性試験後の銅酸化膜が除去された試験基板を、23℃の恒温室で14日間保管した。保管した後の試験基板表面上を、以下の判定基準に基づき目視判定して、銅再酸化防止性を評価した。
○:銅酸化膜除去後、23℃の恒温室で14日間保管した時に、銅酸化膜が発生しなかった。
×:銅酸化膜除去後、23℃の恒温室で14日間保管した時に、銅酸化膜が発生した。