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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】ゲームシステムおよび通信端末
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/00 20060101AFI20241203BHJP
   A63F 9/30 20060101ALI20241203BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20241203BHJP
【FI】
A63F9/00 513
A63F9/30 502C
G06Q50/10
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023172199
(22)【出願日】2023-10-03
【審査請求日】2024-04-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】110002273
【氏名又は名称】弁理士法人インターブレイン
(72)【発明者】
【氏名】田向 太郎
(72)【発明者】
【氏名】杉山 隼人
(72)【発明者】
【氏名】郡司 沙織
(72)【発明者】
【氏名】山内 明
(72)【発明者】
【氏名】永島 健児
(72)【発明者】
【氏名】中山 周平
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-164662(JP,A)
【文献】特開2017-038744(JP,A)
【文献】特開2023-062778(JP,A)
【文献】特許第5036616(JP,B2)
【文献】特開2004-222996(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/00-11/00
A63F 13/00-13/98
A63F 5/04
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のゲーム装置それぞれから、ゲーム装置の複数種類の状態情報を受信する受信部と、
前記複数のゲーム装置の店内における配置を示すマップ画像に対して、前記複数のゲーム装置それぞれの状態情報を付加することにより管理画像を生成する管理画像生成部と、を備え、
前記管理画像生成部は、オペレータにより表示変更が指示されたときには、前記複数種類の状態情報から前記管理画像に表示すべき状態情報を変更し、
一つのゲーム筐体に複数のゲーム装置が含まれる場合においては、前記ゲーム筐体に含まれる複数のゲーム装置それぞれの状態情報として、ゲーム装置ごとに指定期間における売上高の目標値に対する達成率を示すゲージを表示させるゲームシステム。
【請求項2】
複数のゲーム装置それぞれから、ゲーム装置の複数種類の状態情報を受信する受信部と、
前記複数のゲーム装置の店内における配置を示すマップ画像に対して、前記複数のゲーム装置それぞれの状態情報を付加することにより管理画像を生成する管理画像生成部と、を備え、
前記管理画像生成部は、オペレータにより表示変更が指示されたときには、前記複数種類の状態情報から前記管理画像に表示すべき状態情報を変更し、
ゲーム装置において所定の終了条件の成立から現時点までの経過時間を前記管理画像に付加し、前記ゲーム装置において新たなプレイが開始されるまで経過時間の表示をリアルタイムで更新するゲームシステム。
【請求項3】
前記管理画像生成部は、前記複数種類の状態情報のうち、ゲーム装置の通信失敗率およびゲーム装置の位置における電波強度の双方または一方を示す通信状態値に応じて、前記管理画像において前記ゲーム装置に対応するオブジェクトの一部または全部の色彩を変化させる、請求項1または2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記ゲーム装置は、クレーンゲーム装置であって、
複数のクレーンゲーム装置から収集される複数種類の状態情報を蓄積するデータ格納部、を更に備え、
前記管理画像生成部は、前記複数のクレーンゲーム装置それぞれの指定期間における総プレイ回数および景品の総排出数を状態情報の一種として前記管理画像に付加する、請求項1または2に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記受信部は、ゲーム装置の状態情報の一種として、ゲーム装置におけるリアルタイムのプレイ状態を示すプレイ情報を受信し、
前記管理画像生成部は、前記複数のゲーム装置それぞれのプレイ情報を前記管理画像に付加する、請求項1または2に記載のゲームシステム。
【請求項6】
ゲーム管理装置から、複数のゲーム装置の店内における配置と、前記複数のゲーム装置それぞれの第1の状態情報を示す管理画像を受信する受信部と、
前記受信された第1の状態情報を示す管理画像を画面表示させる表示部と、
オペレータからの表示変更の指示を受け付ける入力部と、
前記表示変更の指示を示す変更要求を前記ゲーム管理装置に通知する送信部と、を備え、
前記受信部は、変更要求の送信後において前記ゲーム装置から前記複数のゲーム装置それぞれの第1の状態情報を示す管理画像を受信し、
前記表示部は、第2の状態情報を示す管理画像が受信されたとき、管理画像に表示される第1の状態情報を前記第2の状態情報に変更し、
一つのゲーム筐体に複数のゲーム装置が含まれる場合においては、前記ゲーム筐体に含まれる複数のゲーム装置それぞれの状態情報として、ゲーム装置ごとに指定期間における売上高の目標値に対する達成率を示すゲージが付加された管理画像を表示させる、通信端末。
【請求項7】
ゲーム管理装置から、複数のゲーム装置の店内における配置と、前記複数のゲーム装置それぞれの第1の状態情報を示す管理画像を受信する受信部と、
前記受信された第1の状態情報を示す管理画像を画面表示させる表示部と、
オペレータからの表示変更の指示を受け付ける入力部と、
前記表示変更の指示を示す変更要求を前記ゲーム管理装置に通知する送信部と、を備え、
前記受信部は、変更要求の送信後において前記ゲーム装置から前記複数のゲーム装置それぞれの第1の状態情報を示す管理画像を受信し、
前記表示部は、第2の状態情報を示す管理画像が受信されたとき、管理画像に表示される第1の状態情報を前記第2の状態情報に変更し、
新たなプレイが開始されるまでリアルタイムで更新される、ゲーム装置における所定の終了条件の成立から現時点までの経過時間が付加された管理画像を表示させる、通信端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームセンター等に設置されるゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームセンターには多様なゲーム装置が設置されている。ゲーム装置の台数が増加するほど、ゲームセンターの従業員(オペレータ)のゲーム装置の管理負担も増大する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5036616号
【文献】特許第5159414号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
オペレータには、ゲーム装置の状況の把握に関するさまざまなニーズがある。たとえばクレーンゲーム装置の場合に把握したい状況としては、プレイ中にクレーンが動作しなくなった、あるいは景品在庫がなくなったなどのトラブルが該当する。こうしたトラブルを解消するため、オペレータは状況の把握が迅速に行えることが望ましい。
【0005】
本発明は、上記課題認識に基づいて完成された発明であり、その主たる目的は、ゲーム装置の管理の効率を向上させるための技術、を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様におけるゲームシステムは、複数のゲーム装置それぞれから、ゲーム装置の複数種類の状態情報を受信する受信部と、複数のゲーム装置の店内における配置を示すマップ画像に対して、複数のゲーム装置それぞれの状態情報を付加することにより管理画像を生成する管理画像生成部と、を備える。管理画像生成部は、オペレータにより表示変更が指示されたときには、複数種類の状態情報から管理画像に表示すべき状態情報を変更する。
【0007】
本発明のある態様における通信端末は、ゲーム管理装置から、複数のゲーム装置の店内における配置と、複数のゲーム装置それぞれの第1の状態情報を示す管理画像を受信する受信部と、受信された第1の状態情報を示す管理画像を画面表示させる表示部と、オペレータからの表示変更の指示を受け付ける入力部と、表示変更の指示を示す変更要求をゲーム管理装置に通知する送信部と、を備える。受信部は、変更要求の送信後においてゲーム装置から複数のゲーム装置それぞれの第1の状態情報を示す管理画像を受信し、表示部は、第2の状態情報を示す管理画像が受信されたとき、管理画像に表示される第1の状態情報を第2の状態情報に変更する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ゲーム装置における管理の効率を向上させやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】ゲームシステムのハードウェア構成図である。
図2】サーバの機能ブロック図である。
図3】管理端末の機能ブロック図である。
図4】クレーンゲーム装置のレイアウトを模式的に示す店内図である。
図5】ゲーム装置管理情報のデータ構造図である。
図6】第1表示モードにおける管理端末の表示画面である。
図7】第1表示モードにおける各第1アイコンを示す模式図である。
図8】各クレーンゲーム装置の電波強度を示した表示画面である。
図9】第2表示モードにおける管理端末の表示画面である。
図10】第2表示モードにおける第2アイコンの模式図である。
図11】第2表示モードにおける各第2アイコンを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
まず、ゲームシステムの構成を説明する。つぎに、本実施形態における管理端末の画面表示モードである「第1表示モード」と「第2表示モード」の詳細について説明する。なお、以下の説明においては、ゲーム装置の一種として、クレーンゲーム装置を想定して説明する。
【0011】
図1は、ゲームシステム100のハードウェア構成図である。
以下においては、あるゲームセンターの店内に設置されるゲームシステム100を想定して説明する。また、より具体的に説明するため、本実施形態においては、このゲームセンターは秋葉原の店舗であると仮定して説明する(以下、「秋葉原店」という)。ゲームシステム100においては、1台のサーバ200(ゲーム管理装置)に対して、複数のクレーンゲーム装置101a、101b・・・101n(以下、まとめて言うときや特に区別しないときには「クレーンゲーム装置101」と総称する)と、管理端末300a・・・300m(以下、まとめて言うときや特に区別しないときには「管理端末300」と総称する)が通信ネットワーク102を介して接続される。なお、通信ネットワーク102は、インターネットのように全世界的に開かれた通信網ではなく、一店舗内に閉じた通信網(イントラネット)を想定する。また、秋葉原店の通信ネットワーク102は、無線ネットワークであって、有線ネットワークではない。
【0012】
秋葉原店内に設置された多数のクレーンゲーム装置101は、1以上のグループを形成する。秋葉原店内には15台のクレーンゲーム装置101が設置されている。15台のクレーンゲーム装置101は、5台ずつに分けて3つのグループを形成してもよいし、3台のグループが3つと2台のグループが3つという形に分けたグループを形成してもよい。各グループでは、1台のクレーンゲーム装置101が中継機(不図示)として設定される。
【0013】
クレーンゲーム装置101とサーバ200は、通信ネットワーク102を介して互いに無線接続される。クレーンゲーム装置101は通信ネットワーク102を介して、サーバ200に対し状態情報(後述)を送信する。また、クレーンゲーム装置101とサーバ200は、通信ネットワーク102を介して互いに信号(後述)の送受信も行う。
【0014】
中継機となるクレーンゲーム装置101は、サーバ200に近く、比較的電波環境の良い場所に設置される。何らかの要因でクレーンゲーム装置101とサーバ200の無線通信が行えない場合、クレーンゲーム装置101は中継機にゲーム機ID(後述)および状態情報を送信し、中継機はこれらの情報をサーバ200に送信する。「状態情報」とは、クレーンゲーム装置101の売上、電波強度など各種状態を示す情報であるが、詳細は後述する。中継機となるクレーンゲーム装置101は、中継機以外のクレーンゲーム装置101とサーバ200の通信を中継する機能をもつ。なお、中継機の機能は別筐体に分散させ、中継専用の装置を用意してもよい。
【0015】
本実施形態において、各オペレータは管理端末300を所有している。管理端末300はタブレット端末を想定するが、スマートフォンやラップトップPCであってもよい。管理端末300もまた、通信ネットワーク102を介してサーバ200と互いに無線接続される。サーバ200は、クレーンゲーム装置101から受信した状態情報をもとに、クレーンゲーム装置101の稼動状況等を示す画像(管理画像)を生成し、管理端末300に送信する。各オペレータは管理端末300上で管理画像を確認することで、各クレーンゲーム装置101の稼動状況等を逐一把握できる。
【0016】
図2は、サーバ200の機能ブロック図である。
サーバ200の各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)および各種コプロセッサ(co-processor)などの演算器、メモリやストレージといった記憶装置、それらを連結する有線または無線の通信線を含むハードウェアと、記憶装置に格納され、演算器に処理命令を供給するソフトウェアによって実現される。コンピュータプログラムは、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、それらの上位層に位置する各種アプリケーションプログラム、また、これらのプログラムに共通機能を提供するライブラリによって構成されてもよい。以下に説明する各ブロックは、ハードウェア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。
図3に関連して説明する管理端末300の各構成要素についても同様である。
【0017】
サーバ200は、通信部210、データ処理部220およびデータ格納部230を含む。
通信部210は、クレーンゲーム装置101および管理端末300との通信処理を担当する。データ格納部230は、クレーンゲーム装置101から受信する状態情報および管理端末300の画面上に表示する各種画像を格納する。データ処理部220は、データ格納部230に格納されたデータに基づいて各種処理を実行する。
【0018】
通信部210は、サーバ200や管理端末300に対し、信号や管理画像を送信する送信部211と、クレーンゲーム装置101や管理端末300から状態情報や信号を受信する受信部212を含む。
【0019】
データ処理部220は、データ登録部221、状態評価部222、管理情報生成部223、および信号生成部224を含む。データ登録部221は、クレーンゲーム装置101から受信した状態情報をデータ格納部230に登録する。状態評価部222は、クレーンゲーム装置101から受信した目標売上や売上などの状態情報をもとに、クレーンゲーム装置101の売上状況の評価を行う。また状態評価部222は、クレーンゲーム装置101から受信した電波強度やロスト率(後述)といった状態情報をもとに、通信状態の評価を行う。状態情報のうち、特に、電波強度やロスト率のように通信状態に関わる指標値のことを「通信状態値」とよぶ。管理情報生成部223は、データ格納部230に格納された状態情報等に基づいて後述の管理画像を生成する。このように管理情報生成部223は「管理画像生成部」として機能する。信号生成部224は、クレーンゲーム装置101に対して送信する信号を生成する。
【0020】
図3は、管理端末300の機能ブロック図である。
管理端末300は、ユーザインタフェース処理部310、データ処理部320、通信部330およびデータ格納部340を含む。
【0021】
ユーザインタフェース処理部310は、オペレータからの入力を受け付ける入力部311と、オペレータに対して画像および音声を出力する出力部312を含む。なお、出力部312は表示部として機能する。入力部311は、指、スタイラスペン、キーボードおよびマウス(不図示)による操作入力を検出する。また出力部312は、ディスプレイ上での画像出力およびスピーカーからの音声出力を実行する。
【0022】
データ処理部320は、入力部311にて受け付けたオペレータの入力内容を示す指示信号を生成し、指示信号の送信を通信部330に指令する。またデータ処理部320は、通信部330がサーバ200から受信した管理画像の出力を出力部312に指令する。
【0023】
通信部330は、サーバ200に指示信号を送信する送信部331と、サーバ200から管理画像を受信する受信部332を含む。
【0024】
図4は、秋葉原店におけるクレーンゲーム装置101のレイアウトを模式的に示す店内図400である。
秋葉原店においては、合計15台のクレーンゲーム装置101およびサーバ200が1つのフロアに設置されている。店内図400によれば、秋葉原店には、プレイ可能なブースを1つ設けた1人用のクレーンゲーム装置101Sが5台と、プレイ可能なブースを2つ設けた2人用のクレーンゲーム装置101Dが10台設置されている。なお、ブースとは、たとえば、複数のゲーム機で構成される1台のゲーム筐体の各ゲーム機のことをいう。たとえば、2人用のクレーンゲーム装置101Dはプレイヤ1とプレイヤ2とがそれぞれプレイできるように2つのクレーンゲーム機で構成されており、これらをブース「1P」、ブース「2P」と呼ぶ。
【0025】
クレーンゲーム装置101には、各クレーンゲーム装置101を識別するためのID(ゲーム機ID)が割り当てられている。図4においては、1人用のクレーンゲーム装置101SについてMCRG-1~MCRG-5、2人用のクレーンゲーム装置101DについてCRG-1~CRG-10というゲーム機IDが割り当てられている。フロアの片隅にはサーバ200が設置されている。サーバ200のデータ格納部230には、店内図400のデジタル画像であるマップ画像(後述)が格納される。なお、以降の説明において、店内図400の左上の点線で囲んだ部分を「エリアA」とよぶ。エリアとは、管理画像上のマップ領域(後述)における表示範囲である。オペレータはマップ領域において、任意にエリア(表示範囲)を設定可能である。図4において表示範囲として指定されているエリアAには、1人用のクレーンゲーム装置101Sが2台、2人用のクレーンゲーム装置101Dが2台含まれている。
【0026】
図5は、ゲーム装置管理情報500のデータ構造図である。
秋葉原店に設置された各クレーンゲーム装置101は、自身が保有する状態情報を定期的にサーバ200に送信する。状態情報には、売上、総プレイ回数、総プレイ人数、総排出数、景品名、電波強度などが含まれる。状態情報はサーバ200の受信部212によって受信され、データ登録部221によってゲーム装置管理情報500に登録される。
【0027】
ゲーム装置管理情報500は、秋葉原店の営業日ごとにデータ格納部230に保存される。秋葉原店の営業時間中は、クレーンゲーム装置101から状態情報が送信される都度、ゲーム装置管理情報500が更新される。
【0028】
ゲーム装置管理情報500にはロスト率も登録される。ロスト率とは、クレーンゲーム装置101とサーバ200との通信が失敗した割合(通信失敗率)のことである。
【0029】
具体的には、サーバ200は定期的に、いわゆるpingのようなクエリ信号を各クレーンゲーム装置101に向けて送信する。より具体的には、信号生成部224がクエリ信号を生成し、送信部211がクレーンゲーム装置101に向けてクエリ信号を定期的に送信する。各クレーンゲーム装置101はサーバ200からクエリ信号を受信すると、これに応答する信号(応答信号)をサーバ200に対して送信する。サーバ200が応答信号を受信すると、状態評価部222は、応答信号を送信してきたクレーンゲーム装置101は通信可能であると判定する。サーバ200はこのようにして、クレーンゲーム装置101との通信可否の監視、いわゆる死活監視を行う。
【0030】
死活監視の際に、状態評価部222はロスト率を算出する。たとえば、サーバ200がクレーンゲーム装置101に対してクエリ信号を10回送信したとき、応答信号を9回受信したとする。このとき状態評価部222は、ロスト率が10%であると算出する。こうして算出されたロスト率もまた、ゲーム装置管理情報500に登録される。
【0031】
ここで、ゲーム装置管理情報500に登録される状態情報の詳細について説明する。
ゲーム機ID欄には、各クレーンゲーム装置101のゲーム機IDが登録される。ゲーム装置管理情報500においてゲーム機IDに対応する行は、1人用のクレーンゲーム装置101Sの場合は1行、2人用のクレーンゲーム装置101Dの場合は2行設けられる。また、2人用のクレーンゲーム装置101Dの場合、1行目のブース欄には、1人目のプレイヤがプレイするブースの名称として「1P」、2行目のブース欄には、2人目のプレイヤがプレイするブースの名称として「2P」がそれぞれ登録される。
【0032】
目標売上欄には、クレーンゲーム装置101の各ブースにおける一日ごとの目標売上金額が登録される。なお、目標売上金額はオペレータが任意に設定し、ゲーム装置管理情報500に登録される。たとえばオペレータは、目標売上金額の集計期間を、一日ごと、一週間ごと、一か月ごとのように、変更して設定してもよい。売上欄には、各ブースにおけるその営業日の現時点までの売上金額が登録される。
【0033】
総プレイ回数欄、総プレイ人数欄および総排出数欄にはそれぞれ、各ブースにおけるその営業日における現時点までの総プレイ回数、総プレイ人数および景品獲得回数が登録される。景品名欄には、そのブースに格納された景品の名前が登録される。
【0034】
ロスト率欄には、上述のとおり各クレーンゲーム装置101のロスト率が登録される。ロスト率欄においては、2人用のクレーンゲーム装置101Dの場合には、ブース欄が「1P」と登録されている行にのみ、ロスト率が登録される。なお、クレーンゲーム装置101から受信する状態情報(通信状態値)のうち、電波強度については、現在の情報のみを管理画像上に表示することから、ゲーム装置管理情報500には登録されない(詳細は後述)。
【0035】
グループ欄には、クレーンゲーム装置101が所属するグループ名が記録される。図5によれば、ゲーム機ID=CRG-1およびCRG-2のクレーンゲーム装置101DはAグループ、ゲーム機ID=MCRG-1のクレーンゲーム装置101SはBグループに所属している。ゲーム機ID欄と同様、2人用のクレーンゲーム装置101Dの場合は、1行目のグループ欄にグループ名が記録される。
【0036】
中継機欄では、各グループにおいて中継機として設定されているクレーンゲーム装置101にチェック(丸印)が記録される。図5においては、ゲーム機ID=CRG-2のクレーンゲーム装置101Dが、Aグループにおける中継機として設定されている。中継機欄もまた、ゲーム機ID欄と同様、2人用のクレーンゲーム装置101Dの場合は1行目にチェックが記録される。
【0037】
つぎに、本実施形態における2種類の画面表示モードである「第1表示モード」と「第2表示モード」の詳細について説明する。「第1表示モード」とは、クレーンゲーム装置101における状態情報を、期間を指定して表示するモードである。第1表示モードは、過去の所定期間における売上等のデータ分析をするためのモードである。「第2表示モード」とは、各クレーンゲーム装置101におけるプレイ状況等をリアルタイムで表示するモードである。第2表示モードは、ゲームセンターの運営中に各クレーンゲーム装置の状態を把握するためのモードである。なお、オペレータは、管理端末300へのログインの際に、第1表示モードと第2表示モードのどちらで管理画像を表示するか選択可能である。またオペレータは、どちらかの画面表示モードで管理画像を表示しているとき、管理画像上の切り替えボタン(不図示)を押下することで、もう一方の画面表示モードへの切り替えが可能である。管理画像生成部223は、指定されたモードに応じた管理画面を生成する。
【0038】
[第1表示モード]
図6は、第1表示モードにおける管理端末300の表示画面である。
オペレータは、エリアA(図4参照)を表示範囲として指定する。このとき、管理端末300のディスプレイには、エリアAに含まれるクレーンゲーム装置101の各ブースにおける売上等が反映された管理画像600が表示される。また、管理画像600は選択領域610とマップ領域620を含む。マップ領域620は、データ格納部230に格納されたマップ画像に、サーバ200がクレーンゲーム装置101から受信した状態情報が反映されることにより生成される。管理情報生成部223は、このように生成されたマップ領域620と選択領域610を結合させ、管理画像600を生成する。
【0039】
図6のマップ領域620には、図4のエリアAに設置されたゲーム機ID=CRG-1~CRG-2のクレーンゲーム装置101Dと、ゲーム機ID=MCRG-1~MCRG-2のクレーンゲーム装置101Sをそれぞれ模した第1アイコン621が表示されている。第1アイコン621は、1台のクレーンゲーム装置101の所在と状態を示すオブジェクトである。第1アイコン621の上部にはクレーンゲーム装置101のゲーム機IDが表示され、下部には情報表示領域622が表示されている。2人用のクレーンゲーム装置101Dの場合、情報表示領域622は「1P」と「2P」のブースに分割される。情報表示領域622には、サーバ200のゲーム装置管理情報500に格納された状態情報が表示される。
【0040】
選択領域610は、プレイデータ欄611と対象期間欄612を含む。プレイデータ欄611は、マップ領域620に表示可能なクレーンゲーム装置101の状態情報(プレイデータ)を選択するための領域である。対象期間欄612は、状態情報を表示する対象期間(以下、「表示期間)とよぶ)を選択するための領域である。プレイデータ欄611には、売上、総プレイ回数、総プレイ人数、総排出数、景品名、電波強度、ロスト率、電波強度・ロスト率といった状態情報に対応する選択ボタン613が配置される。また、対象期間欄612には、今日、今週、今月、期間集計といった表示期間に対応する選択ボタン613が配置される。オペレータは、マップ領域620に表示させたい状態情報および表示期間を、各種の選択ボタン613により選択する。
【0041】
上述のとおり、オペレータはプレイデータ欄611において、どの状態情報を表示させたいかを指定する。また、オペレータは表示期間を対象期間欄612の選択ボタン613により指定する。たとえば、オペレータが「今週」の選択ボタン613jを押下したときには、今週における状態情報が表示対象となる。オペレータが「期間集計」の選択ボタン613lを押下すると、管理画像600上には、状態情報を集計する始期と終期を年月日単位で指定する時期指定画面(不図示)が別途表示される。
【0042】
「売上」の選択ボタン613a、「総プレイ回数」の選択ボタン613b、「総プレイ人数」の選択ボタン613c、「総排出数」の選択ボタン613d、「景品名」の選択ボタン613eまたは「ロスト率」の選択ボタン613gを押下するときには、オペレータは表示期間を指定する。この場合、対象期間欄612の中から、すべての選択ボタン613を押下できる。一方「電波強度」の選択ボタン613fおよび「電波強度・ロスト率」の選択ボタン613hを押下したときは、オペレータは表示期間を指定できない。この場合、対象期間欄612の各選択ボタン613は押下不可となり、グレーアウト表示される。このように「電波強度」の選択ボタン613fおよび「電波強度・ロスト率」の選択ボタン613hを押下したときのいずれの場合においても、表示期間は設定されることなく、常に現在の電波強度が管理画像600上に表示される。なお、「電波強度」の選択ボタン613fおよび「電波強度・ロスト率」の選択ボタン613hの詳細については後述する。
【0043】
オペレータがプレイデータ欄611にて「景品名」の選択ボタン613eを押下し、対象期間欄の選択ボタン613を押下する。このときマップ領域620上の情報表示領域622には、その表示期間内で最新の景品名が表示される。たとえば、プレイデータ欄にて2023年8月11日にオペレータにより「景品名」が選択された状態で、オペレータが「期間集計」の選択ボタン613lを押下したとする。管理画像600上には時期指定画面(不図示)が表示され、オペレータは始期を「2023年4月1日」、終期を「2023年7月20日」と指定したとする。このときマップ領域620には、2023年7月20日の営業終了時点、すなわち、表示期間の最終日の段階でクレーンゲーム装置101の各ブースに格納されていた景品の名前が表示される。
【0044】
図6は、オペレータが選択領域610にて「売上」の選択ボタン613aおよび「今週」の選択ボタン613jを押下したときの管理画像600を示す。このときマップ領域620には、各クレーンゲーム装置101における、今週の第1営業日から現時点までの売上がブースごとに表示される。
【0045】
たとえば、エリアAを映したマップ領域620の左上には、ゲーム機ID=CRG-1の2人用のクレーンゲーム装置101D(以下、「クレーンゲーム装置101D(CRG-1)」とよぶ)における今週の売上等が表示されている。クレーンゲーム装置101D(CRG-1)の各ブースにおいて、今週の目標売上金額は21万円として設定されていたとする。また、現時点でブース「1P」の売上は16万8千円、ブース「2P」の売上は14万7千円に到達している。このとき情報表示領域622には、現時点での売上金額と売上達成率(目標売上金額に対する現時点での売上の割合)が表示される。具体的には、ブース「1P」では売上が16万8千円で売上達成率が80%、ブース「2P」では売上が14万7千円で売上達成率が70%である旨が表示されている。
【0046】
さらに情報表示領域622において、各ブースは売上達成率に応じてゲージの態様で着色される。すなわち、各ブースの情報表示領域622は、売上達成率が0%の段階では着色されない。情報表示領域622は売上達成率の上昇に連動して下部から徐々に着色され、売上達成率が100%に達すると完全に色が塗り替えられる。ゲージ表示により、オペレータは、多数のクレーンゲーム装置101それぞれの売上達成率を直感的に把握できる。
【0047】
オペレータは、マップ領域620におけるクレーンゲーム装置101の表示範囲を自由に変更できる。図6では店内図400の一区画(エリアA)を拡大表示しているが、オペレータは、管理画像600のスクロールバーのスライダー(不図示)を動かしたり、マップ領域620をピンチインおよびピンチアウト(画面上で2本の指をつまんだり開いたりして拡大や縮小)するなどして、店内図400内の任意の範囲を表示できる。
【0048】
管理画像600はサーバ200の管理情報生成部223によって生成される。具体的には、オペレータがプレイデータ欄611および対象期間欄612にて、管理画像600上に表示させたい状態情報および表示期間に対応する選択ボタン613を押下する。このとき管理端末300のデータ処理部320は、押下された選択ボタン613を指定する指示信号を生成する。生成された指示信号は、送信部331によって送信される。
【0049】
サーバ200が管理端末300からの指示信号を受信すると、管理情報生成部223は、指示信号の内容に対応した状態情報をゲーム装置管理情報500から取得する。管理情報生成部223は、取得した状態情報をデータ格納部230に格納されたマップ画像上に反映し、マップ領域620を生成する。また管理情報生成部223は、マップ領域620と、同じくデータ格納部230に格納された選択領域610の画像とを結合させ、管理画像600を生成する。
【0050】
たとえばオペレータが、秋葉原店内のクレーンゲーム装置101の各ブースにおける今月の総プレイ回数を確認したくなったとする。このときオペレータは選択領域610上にて、プレイデータ欄にある「総プレイ回数」の選択ボタン613bと対象期間欄にある「今月」の選択ボタン613kを押下する。
【0051】
管理端末300の入力部311は、「総プレイ回数」の選択ボタン613bと「今月」の選択ボタン613kの入力を受け付ける。このときデータ処理部220は、秋葉原店内のクレーンゲーム装置101の各ブースにおける今月の総プレイ回数を表示する管理画像600の生成を指示する指示信号を生成する。送信部331は、指示信号をサーバ200に送信する。
【0052】
サーバ200の受信部212は、管理端末300からの指示信号を受信する。このとき管理情報生成部223は、データ格納部230に格納されたゲーム装置管理情報500の中から、今月の第1営業日以降の秋葉原店内の各クレーンゲーム装置101の「総プレイ回数」を取得する。管理情報生成部223は、取得した「総プレイ回数」の情報をマップ画像に当てはめ、マップ領域620を生成する。また管理情報生成部223は、データ格納部230から選択領域610の画像を取得する。管理情報生成部223は、選択領域610とマップ領域620を結合させ、「今月」の「総プレイ回数」を表示対象とする管理画像600(以下、「更新画像」とよぶ)を生成する。生成された更新画像は、送信部211によって管理端末300に送信される。
【0053】
管理端末300の受信部332が更新画像を受信すると、データ処理部320は出力部312に更新画像の出力を指示する。出力部312は更新画像を表示し、オペレータは秋葉原店内の各クレーンゲーム装置101の「今月」の「総プレイ回数」を確認できる。
【0054】
このようにオペレータは、各クレーンゲーム装置101に関して確認したい状態情報がある場合は、選択領域610上において、確認したい状態情報と表示期間に対応する選択ボタン613を押下すればよい。管理画像600は、オペレータが押下した選択ボタン613の状態情報および表示期間に基づく更新画像を表示する。このとき更新画像には、すべてのクレーンゲーム装置101の情報表示領域622において、更新後の状態情報が反映されている。すなわち、確認したい状態情報に対応する選択ボタン613をオペレータが押せば、管理端末300は、すべてのクレーンゲーム装置101に関して更新後の状態情報が反映された管理画像600を切り替えて表示する。
【0055】
図7は、第1表示モードにおける各第1アイコン621を示す模式図である。
ここでは、クレーンゲーム装置101D(CRG-1)を例として説明する。また、対象期間欄612では、すでに「今週」の選択ボタン613jが押下されているものとする。
「売上」の選択ボタン613aが押下されると、マップ領域620上には第1アイコン621aが表示される。上述のとおり、第1アイコン621aには今週の売上と売上達成率がブースごとに表示される。また情報表示領域622において、各ブースは、売上達成率に応じてゲージの態様で着色される。なお、売上達成率は、ゲーム装置管理情報500の「目標売上」と「売上」の情報をもとに、状態評価部222にて計算される。「売上」の選択ボタン613aが押下されたとき、管理情報生成部223は売上とともに、算出された売上達成率も管理画像600に反映する。なお、第1アイコン621aの表示は、図6におけるクレーンゲーム装置101D(CRG-1)の第1アイコン621の表示と同一である。
【0056】
「総プレイ回数」の選択ボタン613bが押下されると、第1アイコン621aから第1アイコン621bに表示変更される。情報表示領域622には、各ブースにおけるプレイ回数の累積値が表示される。図7の第1アイコン621bは、今週クレーンゲーム装置101D(CRG-1)において、ブース「1P」では210プレイ、ブース「2P」では180プレイ実施された旨を示す。
【0057】
「総プレイ人数」の選択ボタン613cが押下されると、第1アイコン621cが表示される。情報表示領域622には、各ブースでプレイした人数の累積値が表示される。図7の第1アイコン621cにより、今週クレーンゲーム装置101D(CRG-1)において、ブース「1P」では100人、ブース「2P」では150人がプレイしたことがわかる。
【0058】
「総排出数」の選択ボタン613dが押下されると、第1アイコン621dが表示される。情報表示領域622には、各ブースにて景品が排出された回数、すなわち景品獲得回数の累積値が表示される。図7の第1アイコン621dには、今週クレーンゲーム装置101D(CRG-1)において、ブース「1P」からは50回、ブース「2P」からは100回景品が排出された旨が示されている。
【0059】
「景品名」の選択ボタン613eが押下されると、第1アイコン621eが表示される。情報表示領域622には、各ブースに格納された、表示期間中における最新の景品名が表示される。第1アイコン621eによれば、クレーンゲーム装置101D(CRG-1)において、今週格納された景品の中で最も新しい景品、すなわち現在格納されている景品は、ブース「1P」が夏季限定フィギュア、ブース「2P」がぬいぐるみである。
【0060】
オペレータがプレイデータ欄611にて選択ボタン613a~613eを押下し、第1アイコン621a~621eの表示を確認したとする。第1アイコン621aおよび621eによれば、夏季限定フィギュアが格納されたブース「1P」は、ぬいぐるみが格納されたブース「2P」と比べて今週の売上および売上達成率はやや高い。また、第1アイコン621b~621dによれば、総プレイ回数はブース「1P」の方が高いが、総プレイ人数と総排出数はブース「2P」の方が高い。すなわち、ブース「2P」と比べてブース「1P」の方が、同一人物がプレイする頻度が高く、景品の排出回数が低いことがわかる。
【0061】
以上の情報より、たとえばオペレータは、ブース「1P」の回転率を上げ、また景品の排出回数も上がるようになれば、ブース「1P」の売上もさらに上がると判断できる。この判断に基づき、オペレータはブース「1P」に格納する夏季限定フィギュアの数を増やす、あるいは、クレーンで掴みやすい位置に夏季限定フィギュアを配置するなどの措置を施す。これにより、プレイヤの景品取得率を上げることができ、ブース「1P」の回転率も向上することが見込まれる。
【0062】
「電波強度」の選択ボタン613fが押下されると、第1アイコン621fが表示される。このとき情報表示領域622には、クレーンゲーム装置101D(CRG-1)における現在の電波強度が表示される。
【0063】
電波強度はクレーンゲーム装置101の筐体としての情報となるため、情報表示領域622はブースごとに分割されない。また、「電波強度」の選択ボタン613fが押下されたとき、情報表示領域622はヒートマップの態様で着色される。すなわち、電波強度の強弱に応じて、情報表示領域622に付けられる色が変化する。たとえば、電波強度が強い場合には着色されないが、電波強度が弱くなるにつれて黄色、オレンジ、赤のように色が変化する。
【0064】
なお、情報表示領域622の着色は管理情報生成部223が実行する。選択領域610にて「電波強度」の選択ボタン613fが押下されたとき、サーバ200の状態評価部222は、クレーンゲーム装置101から受信した状態情報の中から電波強度を取得する。状態評価部222は取得した電波強度をもとに、予め定められた判定基準にのっとり、通信状態を評価する。たとえば、-60dbm~-79dbmは良、-80dbm~-89dbmは不良、-90dbm以下は通信不可などの形で判定基準が定められる。管理情報生成部223はマップ領域620を生成する際に、状態評価部222による評価に基づいて情報表示領域622を着色する。たとえば管理情報生成部223は、情報表示領域622を、通信状態の評価が良であれば黄色に着色し、不良であればオレンジに着色し、使用不可であれば赤に着色する。
【0065】
「ロスト率」の選択ボタン613gが押下されると、第1アイコン621gが表示される。情報表示領域622には、クレーンゲーム装置101におけるロスト率が表示される。上述のとおり、ロスト率は状態評価部222によって算出される。対象期間欄612において「今日」の選択ボタン613iが押下されると、状態評価部222は現在のロスト率をゲーム装置管理情報500から取得する。対象期間欄612において「今週」の選択ボタン613j、「今月」の選択ボタン613kおよび「期間集計」の選択ボタン613lのいずれかが押下されたとする。このときには、状態評価部222は、ゲーム装置管理情報500の中から該当する表示期間のロスト率をすべて取得し、その平均値を算出する。管理情報生成部223は、このようにして取得および算出されたロスト率をマップ領域620に当てはめる。
【0066】
「電波強度」の選択ボタン613fが押下されたときと同様、ロスト率もクレーンゲーム装置101の筐体としての情報となる。そのため、情報表示領域622はブースごとに分割されず、情報表示領域622はヒートマップの態様で着色される。たとえば、ロスト率が低い場合は着色されないが、ロスト率が高くなるにつれて黄色、オレンジ、赤のように色が変化する。
【0067】
なお、この場合においても、情報表示領域622の着色は管理情報生成部223が実行する。選択領域610にて「ロスト率」の選択ボタン613gが押下されたとき、サーバ200の状態評価部222は、ゲーム装置管理情報500からロスト率を取得する。状態評価部222は取得したロスト率をもとに、予め定められた判定基準にのっとり、通信状態を評価する。たとえば、10~20%は注意、21~40%は警戒、41%以上は要点検などの形で判定基準が定められる。管理情報生成部223はマップ領域620を生成する際に、状態評価部222による評価に基づいて情報表示領域622を着色する。たとえば管理情報生成部223は、情報表示領域622を、通信状態の評価が注意であれば黄色に着色し、警戒であればオレンジに着色し、要点検であれば赤に着色する。
【0068】
「電波強度・ロスト率」の選択ボタン613hが押下されると、第1アイコン621hが表示される。情報表示領域622には、クレーンゲーム装置101における現在の電波強度と、表示期間に対応するロスト率が表示される。このとき、電波強度は数値として出力されるが、ロスト率はヒートマップの態様で情報表示領域622が着色される形で表示される。そのため、たとえば電波強度が-60dbmであっても、「今週」の選択ボタン613jが押下されており、今週のロスト率が9%であれば、情報表示領域622は着色されない場合もある。
【0069】
図8は、各クレーンゲーム装置101の電波強度を示した管理画像600である。ここでは、オペレータが選択領域610にてプレイデータ欄611の「電波強度」の選択ボタン613fを押下し、店内図400に示すフロア全体をマップ領域620に表示した場面を想定する。
【0070】
図8に示すとおり、基本的にはサーバ200に近いクレーンゲーム装置101は電波強度が強く、サーバ200から離れたクレーンゲーム装置101は電波強度が弱い。また、クレーンゲーム装置101の電波強度に応じて、第1アイコン621の情報表示領域622に付けられた色も変化している。すなわち図8の場合は、サーバ200に近い(電波強度が強い)クレーンゲーム装置101は、情報表示領域622に同一の色が付けられる。また、サーバ200から遠い(電波強度が弱い)クレーンゲーム装置101は、サーバ200に近いクレーンゲーム装置101とは別の色で情報表示領域622に同一の色が付けられる。
【0071】
しかし、ゲーム機ID=MCRG-1の1人用のクレーンゲーム装置101Sは、サーバ200に近いにもかかわらず、電波強度が弱い。電波強度が弱い理由としては、ゲーム機ID=CRG-6のクレーンゲーム装置101Dによる電波の遮断、あるいは、他のクレーンゲーム装置101との電波の干渉などが考えられる。このように管理画像600上にて各クレーンゲーム装置101の電波強度を確認することで、オペレータは、想定し得なかった場所で電波強度の低下が発生していることを認識できる。オペレータはこの情報を、すべてのクレーンゲーム装置101の電波強度が良くなるようなレイアウト作りの参考とすることができる。
【0072】
[第2表示モード]
図9は、第2表示モードにおける管理端末300の管理画像600である。上述のとおり、第2表示モードにおいて、管理画像600はプレイ状況等をリアルタイムで表示する。
管理端末300のディスプレイには、エリアAのクレーンゲーム装置101の各ブースにおける売上等がリアルタイムで反映された管理画像600が表示されている。また、管理画像600はメニュー領域630とマップ領域620を含む。第1表示モードと同様に、管理情報生成部223はマップ領域620とメニュー領域630を結合させ、管理画像600を生成する。
【0073】
メニュー領域630には、管理端末300を使用中のオペレータを模したアイコン、名前および所属店舗が表示される。図9においては、秋葉原店に勤務する「山田太郎」というオペレータについて、名前、所属店舗およびアイコンとして「山田太郎」氏の顔写真がメニュー領域630に表示されている。また、メニュー領域630には、「景品情報」、「スタッフ情報」および「サポート」を表示させるための選択肢631が表示される。オペレータは「景品情報」の選択肢631bを選択すると、秋葉原店に今後入荷予定の景品一覧などを確認できる。同様に、「スタッフ情報」の選択肢631cを選択すると、秋葉原店に今日出勤しているオペレータの一覧などを確認できる。「サポート」の選択肢631dを選択すると、秋葉原店に設置されているゲーム装置のオペレーションマニュアルなどを確認できる。管理画像600の表示を終了するためには、オペレータは「ログアウト」の選択肢631eを選択すればよい。なお、マップ領域620上に、クレーンゲーム装置101の各ブースにおけるプレイ状況等をリアルタイムに映すためには、オペレータは「店舗マップ」の選択肢631aを選択すればよい。
【0074】
図10は、第2表示モードにおける第2アイコン623の模式図である。
ここでは、クレーンゲーム装置101D(CRG-1)を模した第2アイコン623を例として説明する。第2アイコン623は、第1情報表示領域624と第2情報表示領域625に分けられる。第1情報表示領域624は、プレイ情報を、ブース名称を着色する態様で表示する。「プレイ情報」とは、クレーンゲーム装置101のブースにおけるリアルタイムのプレイ状況等を示す情報のことをいう。第2情報表示領域625は、売上達成率や総プレイ回数等の状態情報を表示する。
【0075】
なお、第1情報表示領域624の着色は管理情報生成部223が実行する。具体的には、各クレーンゲーム装置101は、一定の時間間隔でサーバ200にプレイ情報を送信する。プレイ情報には、未プレイ、プレイ中、プレイ終了、複数コイン、キープ、景品排出、エラーなどの種類がある。サーバ200の管理情報生成部223は、受信したプレイ情報と対応付いた特定の色を第1情報表示領域624に着色し、マップ領域620を生成する。
【0076】
図11は、第2表示モードにおける各第2アイコン623を示す模式図である。ここでは、クレーンゲーム装置101D(CRG-1)を例として説明する。
第2アイコン623aでは、第1情報表示領域624が各ブースのプレイ情報に対応した色で着色され、第2情報表示領域625には各ブースの売上と売上達成率が示されている。
【0077】
クレーンゲーム装置101D(CRG-1)は、ブース「1P」のプレイ情報が「未プレイ」であり、ブース「2P」のプレイ情報が「プレイ中」である旨をサーバ200に送信する。すなわち現在、ブース「1P」では誰もプレイしておらず、ブース「2P」ではプレイが実行されている。そのため第2アイコン623aのように、管理情報生成部223は第1情報表示領域624において、ブース「1P」を着色せず、ブース「2P」を着色する。ブース「2P」でのプレイが完了すると、クレーンゲーム装置101D(CRG-1)は「プレイ終了」というプレイ情報をサーバ200に送信する。そのため管理情報生成部223は、プレイ情報が「プレイ中」のときとは別の色を第1情報表示領域624に着色する。なお、実際に第1情報表示領域624は、プレイ情報が「プレイ中」の場合は水色、「プレイ終了」の場合はオレンジで着色される。
【0078】
本実施形態において、プレイヤがプレイ中に両替等の理由で一時的にクレーンゲーム装置101から離れざるを得なくなった場面を想定する。このときプレイヤは、クレーンゲーム装置101の筐体に付属するキープボタン(不図示)を押下するなどして、クレーンゲーム装置101を一定時間中占有状態にすることができる。
【0079】
たとえば、ブース「2P」でプレイ中のプレイヤがクレーンゲーム装置101のキープボタンを押下したとする。このとき、クレーンゲーム装置101D(CRG-1)はプレイ情報「キープ」をサーバ200に送信する。管理情報生成部223は、プレイ情報「キープ」に対応する色を第1情報表示領域624に着色する。なお、実際に第1情報表示領域624は、プレイ情報が「キープ」の場合は黄色で着色される。
【0080】
プレイ中においてクレーンが動作しなくなった、あるいは景品在庫がなくなった等のトラブルが発生した場合、クレーンゲーム装置101D(CRG-1)はプレイ情報「エラー」をサーバ200に送信する。管理情報生成部223は、プレイ情報「エラー」に対応する色を第1情報表示領域624に着色する。なお、実際に第1情報表示領域624は、プレイ情報が「エラー」の場合は赤で着色される。クレーンゲーム装置101からサーバ200にプレイ情報「エラー」が送信された、いいかえれば、第1情報表示領域624がプレイ情報「エラー」に対応する色で着色されたとする。このときオペレータは、クレーンゲーム装置101に何らかの異常が発生したと認識し、そのブースへすぐに駆け付けることができる。なお、プレイ情報に関する着色として、アイコンやブースなどのオブジェクトの一部または全部を着色するが、これにはアイコンやブースの近傍を着色したり、プレイ情報の内容を示すアイコンを付加することも含まれる。
【0081】
第2アイコン623aにおいて、第2情報表示領域625では売上達成率のほか、売上が目標売上金額とともに表示される。たとえばブース「2P」の本日の目標金額は3万円に設定されており、現時点で2万1千円を売り上げているとする。このとき第2情報表示領域625には、「21,000/30,000」という態様で目標売上金額と売上が表示される。また、第1表示モードと同様に、第2情報表示領域625は売上達成率に応じてゲージの態様で着色される。
【0082】
第1表示モードと同様、第2表示モードにおいても、オペレータはマップ領域620上のクレーンゲーム装置101の表示範囲を自由に変更することができる。なお、第2表示モードでは、マップ領域620においてクレーンゲーム装置101の表示範囲がある一定の基準まで拡張されたとき、第2アイコン623は縮小表示される。これに伴い、第2情報表示領域625も縮小表示される。このとき第2情報表示領域625には売上および売上達成率は表示されず、ゲージの態様による売上達成率に応じた着色のみが施される。
【0083】
第2アイコン623bには、ブース「1P」でプレイするプレイヤが、10コインを投入した旨が示されている。クレーンゲーム装置101には、1枚だけコインを投入してプレイするシングルモードと、複数枚のコインを一度に投入して1人のプレイヤが連続してプレイを行うマルチモードが存在するものとする。マルチモードでプレイをするため、プレイヤが複数枚のコインを一度にクレーンゲーム装置101に投入した場合、クレーンゲーム装置101D(CRG-1)はプレイ情報「複数コイン」をサーバ200に送信する。管理情報生成部223は、プレイ情報「複数コイン」に対応する色を第1情報表示領域624に着色する。この場合において管理情報生成部223は、第1情報表示領域624がブース名称と残りのコイン枚数(未プレイ回数)を一定の時間間隔で交互に切り替えて表示するように管理画像600を生成する。すなわち第2アイコン623bは、「1P」と「10コイン」を一定の時間間隔で交互に切り替えて表示する。なお、実際に第1情報表示領域624は、プレイ情報が「複数コイン」の場合は紫で着色される。
【0084】
たとえば、同じブースにおいてプレイ情報が「複数コイン」となる状態が頻繁に発生したとする。すなわち、第1情報表示領域624が「複数コイン」に対応する色で頻繁に着色されたとする。このときオペレータは、その景品を絶対に取得したいプレイヤが存在することを認識できる。また同時にオペレータは、同じユーザが同じブースを長時間占領する事象が頻繁に発生していることも認識できる。したがってオペレータはこの情報をもとに、プレイヤが取得しやすい位置に景品を移動させる、あるいはこの景品を格納するブースを増設してプレイヤを分散させるなどの対応をとることができる。
【0085】
第2アイコン623cには、ブース「2P」にて景品が排出されてから100秒が経過した旨が示されている。プレイヤが景品を獲得したとき、すなわちブースから景品が排出されたとき、クレーンゲーム装置101D(CRG-1)はプレイ情報「景品排出」をサーバ200に送信する。管理情報生成部223は、プレイ情報「景品排出」に対応する色を第1情報表示領域624に着色する。なお、実際に第1情報表示領域624は、プレイ情報が「景品排出」の場合は緑で着色される。
【0086】
なお、クレーンゲーム装置101からプレイ情報「景品排出」がサーバ200に送信されたとき、管理情報生成部223はプレイ情報「景品排出」に対応する色で着色した第1情報表示領域624の上部にカウンタ626を付加する。カウンタ626は、景品が排出されてからの経過時間をリアルタイムで表示する。
【0087】
たとえばマップ領域620において、クレーンゲーム装置101D(CRG-1)のブース「2P」の第1情報表示領域624がプレイ情報「景品排出」に対応する色(緑)で着色され、カウンタが600秒を示していたとする。また、クレーンゲーム装置101D(CRG-1)のブース「2P」の周辺のクレーンゲーム装置101は、いずれも「プレイ中」であったとする。すなわち、周りのクレーンゲーム装置101がすべてプレイ中にもかかわらず、クレーンゲーム装置101D(CRG-1)のブース「2P」だけが10分間もプレイされていなかったとする。この状況からオペレータは、クレーンゲーム装置101D(CRG-1)のブース「2P」にて、致命的ではないものの何らかのトラブルが起きていると推測できる。たとえば、プレイが複数回行われているうちに、クレーンで掴めない場所に景品が入り込んでしまい、誰もプレイできない状況などが推測される。こうした推測をもとに、オペレータはクレーンゲーム装置101D(CRG-1)に駆け付け、機器の状態を確認する。
【0088】
このようにカウンタ626は、オペレータがクレーンゲーム装置101に駆け付けて対応を行う基準の一つとして利用できる。こうした特徴から、管理情報生成部223はクレーンゲーム装置101からプレイ情報「エラー」が送信された場合にも、第1情報表示領域624の上にカウンタ626を付加してもよい。
【0089】
第2アイコン623dにおいて、ブース「1P」の第1情報表示領域624にはマーカー627が付けられている。オペレータは、たとえば故障頻度が高い、景品の獲得ペースが速い、または店を挙げて売り出し中の景品が格納されているなど、特に注目しておくべきクレーンゲーム装置101あるいはブース(指定機種)に対してマーカー627を設定できる。また、マーカー627はゴールド、シルバー、ブロンズのように段階別で色が付けられている。オペレータは注目の優先度などに応じて、色違いのマーカー627を第1情報表示領域624に設定してもよい。
【0090】
第2アイコン623e~623hの第2情報表示領域625には、第1表示モードと同様、それぞれ総プレイ回数、総プレイ人数、総排出数および景品名といった状態情報が表示されている。これらの情報は、オペレータが管理画像600上のプルダウンメニュー(不図示)で選択することにより、切り替えて表示できる。
【0091】
[総括]
以上、本実施形態におけるゲームシステム100について説明した。
本実施形態は、多数のクレーンゲーム装置101が設置されたゲームセンターにおける、クレーンゲーム装置101の管理を想定する。多数のクレーンゲーム装置101が配置されたゲームセンターのオペレータは、個々のクレーンゲーム装置101の状況の把握に苦労を強いられやすい。たとえばクレーンゲーム装置101においては、クレーンが突然動かなくなった、あるいはクレーンゲーム装置101の景品在庫がなくなったといった状況が想定される。こうした状況について、保有するクレーンゲーム装置101の台数が多くなるほど、オペレータは情報の把握に手間取りやすくなる。
【0092】
そのため本実施形態では、各クレーンゲーム装置101が一定の時間間隔で、売上、総プレイ回数、総プレイ人数、総排出数、電波強度などの状態情報をサーバ200(ゲーム管理装置)に送信する。また各クレーンゲーム装置101は、リアルタイムのプレイ状況等を示すプレイ情報もサーバ200に送信する。サーバ200は、これらの情報を反映した管理画像600を、オペレータの保有する管理端末300に送信する。これによりオペレータは、管理端末300上から各クレーンゲーム装置101における状態情報やプレイ情報を、一目で確認できる態様で逐一把握できる。さらにオペレータは、管理画像300上にて、自身が確認したい状態情報に対応する選択ボタン613を押下することで、管理画像600を切り替えながら状態情報を確認できる。このような手法により、クレーンゲーム装置101の管理の効率を向上させることができる。
【0093】
本実施形態において、オペレータは管理端末300上から、各クレーンゲーム装置101の売上および売上達成率を確認できる。オペレータは売上および売上達成率をもとに、クレーンゲーム装置101ごとに設定およびサービスの変更、ならびにレイアウトの変更を行うことで、クレーンゲーム装置101ごとの売上を調整できる。
【0094】
本実施形態において、オペレータは管理端末300上から、表示期間内における各クレーンゲーム装置101の総プレイ回数および景品の総排出数を確認できる。すなわちオペレータは、指定期間内における、プレイによる収入と景品の払い出しによる支出の割合(営業効率)を把握できる。これをもとにして、オペレータはクレーンゲーム装置101に格納する景品の種類および量を決定できる。
【0095】
本実施形態において、オペレータは管理端末300上に表示されるカウンタ626によって、各クレーンゲーム装置101における景品獲得後の経過時間、すなわち非稼働時間(稼いでいない時間)を確認できる。非稼働時間が長い場合、オペレータはクレーンゲーム装置101に何らかのトラブルが起きていると推測できる。たとえば、景品排出口に景品が詰まっている、クレーンゲーム装置101の前に人が群がっている、あるいはクレーンゲーム装置101が汚れておりプレイできないといったトラブルが考えられる。オペレータは非稼働時間を確認することにより、クレーンゲーム装置101の目視確認の判断基準を定めやすくなり、トラブルに迅速に対応できる。
【0096】
本実施形態において、オペレータは管理端末300上にて、優先的に状態情報やプレイ情報を確認したいクレーンゲーム装置101に対し、マーカー627を付けることができる。たとえばオペレータは、導入から長期間経過している、または頻繁に故障するクレーンゲーム装置101にマーカー627を付ける。これによりオペレータは、マーカー627を付けたクレーンゲーム装置101を優先的に巡回確認する必要があると意識できる。あるいは新規に景品が導入されたクレーンゲーム装置101にマーカー627を付けることで、オペレータは優先的に売上や稼働率を確認し、景品の人気の有無を把握できる。
【0097】
本実施形態において、オペレータは管理端末300上にて、各クレーンゲーム装置101の電波強度やロスト率といった通信状態値を、ヒートマップの態様で一元的に確認できる。クレーンゲーム装置101は、状態情報やプレイ情報を統括するサーバ200と十分に無線通信が行える位置に設置する必要がある。たとえば一般的には、サーバ200から近い位置では電波強度が強く、遠い位置では電波強度が弱くなる。しかし、サーバ200との間に別のクレーンゲーム装置101が存在する、あるいは他のクレーンゲーム装置101が発する電波との干渉が発生するなどの理由から、サーバ200に近い場所でも電波強度が弱くなる場合がある。オペレータは、管理端末300上にて各クレーンゲーム装置101の通信状態値を確認することで、電波強度が弱くならないような、最適なクレーンゲーム装置101およびサーバ200のレイアウトを検討できる。
【0098】
本発明は上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。上記実施形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成してもよい。また、上記実施形態や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。
【0099】
[変形例]
本実施形態においてオペレータは、クレーンゲーム装置101からサーバ200に送信される状態情報やプレイ情報については、管理情報生成部223が生成する管理画像600によって確認できるとして説明した。変形例として管理情報生成部223は、クレーンゲーム装置101からサーバ200に送信される状態情報やプレイ情報を音声として生成してもよい。この音声は、管理端末300のスピーカーから出力されてもよい。
【0100】
本実施形態において、ロスト率はサーバ200の状態評価部222が算出するとして説明した。変形例として、ロスト率はクレーンゲーム装置101が算出し、サーバ200に送信してもよい。たとえばクレーンゲーム装置101は、応答信号をサーバ200に10回送信したとする。クレーンゲーム装置101は応答信号を10回送信する間に、サーバ200からクエリ信号を9回受信したとする。このときクレーンゲーム装置101は、ロスト率が90%であると算出してもよい。
【0101】
本実施形態においては、サーバ200がクレーンゲーム装置101から状態情報およびプレイ情報を受信し、管理情報生成部223が管理画像600を作成して管理端末300に送信するとして説明した。変形例として、管理端末300はサーバ200から状態情報およびプレイ情報を受信し、管理端末300のデータ処理部320が管理画像600を生成してもよい。たとえば、マップ画像は管理端末300のデータ格納部340が保管する。管理端末300は、サーバ200から状態情報もしくはプレイ情報および選択領域610もしくはメニュー領域630の画像を受信する。データ処理部320は、データ格納部340にあるマップ画像に状態情報またはプレイ情報を反映してマップ領域620を生成する。またデータ処理部320は、このマップ領域620と選択領域610もしくはメニュー領域630を結合させ、管理画像600を生成してもよい。
【0102】
あるいは、管理端末300がマップ画像および選択領域610もしくはメニュー領域630の画像を保有する。サーバ200は、状態情報またはプレイ情報のみを送信する。管理端末300のデータ処理部320は、マップ画像に状態情報またはプレイ情報を反映する。データ処理部320は、選択領域610またはメニュー領域630の画像と結合させ、管理画像600を生成してもよい。すなわちサーバ200は、状態情報およびプレイ情報を格納するデータベースとして機能してもよい。
【0103】
本実施形態においては、ゲーム装置はクレーンゲーム装置であるものとして説明したが、変形例として、業務用ゲーム装置、パチンコ、スロットマシーンおよびメダルゲームなどであってもよい。たとえば、業務用ゲーム装置においては、管理画像600にて、ゲームプレイ時間、コンティニュー回数、トレーディングカードの印刷枚数、対戦プレイの勝敗などを確認できるようにしてもよい。
【0104】
本実施形態による管理手法は、ゲーム装置以外に応用されてもよい。たとえばレストランにおいて、各テーブル席における注文品や待機時間などを反映した管理画像600を生成し、店員が管理端末300上で管理画像600を確認できるようにしてもよい。また、駐車場や駐輪場において、各駐車スペースにおける駐車時間などを反映した管理画像600を生成し、駐車場や駐輪場の管理員が管理端末300上で管理画像600を確認できるようにしてもよい。この方法によれば、たとえば管理員は、不当に長時間駐車している車両を管理画像600によって認識できる。
【0105】
本実施形態においては、秋葉原店に設置された1台のサーバ200に対し、複数のクレーンゲーム装置101および管理端末300が、通信ネットワーク102を介して互いに無線接続される。通信ネットワーク102は、上記の実施例では一店舗内に閉じた通信網(イントラネット)を想定し、また、サーバ200は通信部210、データ処理部220およびデータ格納部230を備えるとして説明したが、変形例として、サーバ200はインターネットに接続されてもよく、クレーンゲーム装置101同士はイントラネットで接続されていてもよい。
【0106】
より具体的には、サーバ200は、店舗内サーバとアプリケーションサーバやデータベース(データ格納部230)とで構成される。また、管理端末300は、イントラネットを介して店舗内サーバと接続され、更にはインターネットを介してアプリケーションサーバとも接続される。
【0107】
アプリケーションサーバに対し、店舗内サーバおよび管理端末300、図示しないプレイヤの個人端末等は、インターネットを介して接続される。店舗内サーバは、店舗内に設置される複数のクレーンゲーム装置101の筐体間の通信等を管理する店舗管理用のサーバとして機能する。店舗内サーバに対し、複数のクレーンゲーム装置101が、通信ネットワーク102(イントラネット)を介して無線接続される。このため、管理端末300や店舗内サーバは、イントラネット用とインターネット用の通信部をそれぞれ備えている。
【0108】
各クレーンゲーム装置101は、状態情報を店舗内サーバに送信する。店舗内サーバは、各クレーンゲーム装置101の状態情報を、インターネットを介してアプリケーションサーバに送信する。アプリケーションサーバは、受信した状態情報をデータベースに格納する。また、アプリケーションサーバは、データベースに格納された状態情報を用いて各種処理を実行する。
【0109】
秋葉原店内のオペレータは、自身が保有する管理端末300に映された管理画像600にて、状態情報の名称が記載された選択ボタン613を押下する。このとき管理端末300は、指示信号をアプリケーションサーバに送信する。アプリケーションサーバは、受信した指示信号に対応する状態情報をデータベースから取得し、管理画像600を生成する。生成された管理画像600は、管理端末300に送信される。これによって、オペレータは、アプリケーションサーバから送信された管理画像600により、状態情報を確認できる。
【0110】
また、店舗内サーバはデータ格納部230を備えてもよい。さらに、店舗内サーバのデータ格納部230は、各クレーンゲーム装置101における無線接続時の電波強度を登録してもよい。オペレータが管理画像600上の「電波強度」の選択ボタン613fを押下したとき、店舗内サーバから受信した電波強度をマップ領域620に表示してもよい。なお、店舗内サーバのデータ格納部230に登録される電波強度は、ゲーム装置管理情報500とは異なり、営業日ごとに保存されなくてもよい。また、データ格納部230の電波強度は一定の時間間隔で更新され、常に最新の情報が保存されるよう、上書き登録され続けるようにしてもよい。
【0111】
本実施形態では、第2表示モードにおいて、第2アイコン623の第2情報表示領域625には各ブースの売上および売上達成率が示されているとして説明した。変形例として、第2情報表示領域625には残りのコイン枚数(未プレイ回数)を表示してもよい。また、オペレータが管理画像600上の情報切り替えボタン(不図示)を押下することで、第2情報表示領域625は、各ブースの売上および売上達成率または残りのコイン枚数を切り替えて表示してもよい。なお、この場合においても、第2情報表示領域625には、ゲージの態様により売上達成率に応じた着色が施されるものとする。
【符号の説明】
【0112】
100 ゲームシステム、101 クレーンゲーム装置、102 通信ネットワーク、200 サーバ、210 通信部、211 送信部、212 受信部、220 データ処理部、221 データ登録部、222 状態評価部、223 管理情報生成部、224 信号生成部、230 データ格納部、300 管理端末、310 ユーザインタフェース処理部、311 入力部、312 出力部、320 データ処理部、330 通信部、331 送信部、332 受信部、340 データ格納部、400 店内図、500 ゲーム装置管理情報、600 管理画像、610 選択領域、611 プレイデータ欄、612 対象期間欄、613 選択ボタン、620 マップ領域、621 第1アイコン、622 情報表示領域、623 第2アイコン、624 第1情報表示領域、625 第2情報表示領域、626 カウンタ、627 マーカー、630 メニュー領域、631 選択肢
【要約】
【課題】ゲーム装置における管理の効率を向上させる。
【解決手段】ゲームシステムは、複数のゲーム装置それぞれから、ゲーム装置の複数種類の状態情報を受信する受信部と、複数のゲーム装置の店内における配置を示すマップ画像に対して、複数のゲーム装置それぞれの状態情報を付加することにより管理画像を生成する管理画像生成部を備える。管理画像生成部は、オペレータにより表示変更が指示されたときには、複数種類の状態情報から管理画像に表示すべき状態情報を変更する。
【選択図】図6
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