(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】通信システム、制御装置、及び、通信システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
H04W 24/02 20090101AFI20241203BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20241203BHJP
H04W 76/19 20180101ALI20241203BHJP
H04W 84/18 20090101ALI20241203BHJP
H04W 88/18 20090101ALI20241203BHJP
【FI】
H04W24/02
H04W16/28
H04W76/19
H04W84/18
H04W88/18
(21)【出願番号】P 2023510864
(86)(22)【出願日】2022-03-14
(86)【国際出願番号】 JP2022011193
(87)【国際公開番号】W WO2022209809
(87)【国際公開日】2022-10-06
【審査請求日】2023-08-04
(31)【優先権主張番号】P 2021061076
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】高田 紘也
(72)【発明者】
【氏名】水本 尚志
(72)【発明者】
【氏名】鴨居 敦
【審査官】吉倉 大智
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/199524(WO,A1)
【文献】特開2004-128709(JP,A)
【文献】特開2019-169781(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッシュ型ネットワークを構成可能な複数の通信装置と、当該複数の通信装置に関する制御を行う制御装置とを含み、
前記複数の通信装置各々は、
有指向性の通信媒体を送受信可能に構成されている1又は複数の通信手段と、
前記1又は複数の通信手段を用いたスキャンを実行することにより、1又は複数の接続相手候補を特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した1又は複数の接続相手候補との間で接続を確立する接続確立手段と
を含み、
前記制御装置は、
前記複数の通信装置に関する制御を行う制御手段
を備え、
前記制御手段は、
前記メッシュ型ネットワークに含まれる1又は複数の通信装置の各々について、
確立済の接続の数
を管理する管理手段と、
前記確立済の接続に含まれる1又は複数の接続が切断された場合に、当該切断された接続に関与する1又は複数の通信装置に対して、当該接続の再確立を指示する指示手段と
を備え
、
前記管理手段は、管理している確立済の接続の数の変動に基づいて、確立済の接続に含まれる1又は複数の接続が切断されたか否かを管理する、通信システム。
【請求項2】
前記確立済の接続に含まれる複数の接続が切断された場合に、
前記指示手段は、
前記メッシュ型ネットワークに含まれる複数の通信装置の各々についての関連情報を参照して、接続可能経路を算出し、切断された複数の接続に関与する1又は複数の通信装置に対して接続を指示する
請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記指示手段は、前記切断された接続に関与する1又は複数の通信装置の各々に対して、
当該通信装置が関与する接続の数が複数となるように指示する
請求項1又は2に記載の通信システム。
【請求項4】
メッシュ型ネットワークを構成可能な複数の通信装置に関する制御を行う制御手段を備え、
前記複数の通信装置各々は、
有指向性の通信媒体を送受信可能に構成されている1又は複数の通信手段と、
前記1又は複数の通信手段を用いたスキャンを実行することにより、1又は複数の接続相手候補を特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した1又は複数の接続相手候補との間で接続を確立する接続確立手段と
を含み、
前記制御手段は、
前記メッシュ型ネットワークに含まれる1又は複数の通信装置の各々について、
確立済の接続の数
を管理する管理手段と、
前記確立済の接続に含まれる1又は複数の接続が切断された場合に、当該切断された接続に関与する1又は複数の通信装置に対して、当該接続の再確立を指示する指示手段と
を備え
、
前記管理手段は、管理している確立済の接続の数の変動に基づいて、確立済の接続に含まれる1又は複数の接続が切断されたか否かを管理する、制御装置。
【請求項5】
メッシュ型ネットワークを構成可能な複数の通信装置と、当該複数の通信装置に関する制御を行う制御装置とを含む通信システムの制御方法であって、
前記複数の通信装置各々が、有指向性の通信媒体を送受信可能に構成されている1又は複数の通信手段を用いたスキャンを実行することにより、1又は複数の接続相手候補を特定すること、および、特定した1又は複数の接続相手候補との間で接続を確立すること、ならびに
前記制御装置が、前記複数の通信装置に関する制御を行うこと
を含み、
前記制御装置が、前記複数の通信装置に関する制御を行うことは、
前記制御装置が、前記メッシュ型ネットワークに含まれる1又は複数の通信装置の各々について、確立済の接続の数を管理すること、および、前記確立済の接続に含まれる1又は複数の接続が切断された場合に、当該切断された接続に関与する1又は複数の通信装置に対して、当該接続の再確立を指示すること
を含
み、
前記確立済の接続の数を管理することは、管理している確立済の接続の数の変動に基づいて、確立済の接続に含まれる1又は複数の接続が切断されたか否かを管理することを含む、通信システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有指向性の通信媒体にて通信を行うメッシュ型ネットワークのための通信システム、制御装置、及び、通信システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信ネットワークの分野では、大容量かつ低遅延を実現可能な通信技術が求められている。このような通信技術の一つとして、ミリ波や可視光帯域の光などのような、指向性を有する通信媒体を用いた通信技術の開発が行われている。また、通信ネットワークを形成する複数の通信端末を制御装置によって制御するシステムの開発も行われている。例えば、特許文献1には、複数の収容局が光路で接続されてネットワークを、制御装置によって制御している光アクセスシステムが開示されている。また、特許文献2には、ミリ波無線通信を行う通信装置であるホッピングノードが、当該ホッピングノードを管理する通信管理装置から通知される接続先の情報に基づいて、当該接続先に接続する無線通信システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本国特開2012-134641号公報
【文献】日本国特開2019-161372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
有指向性の通信媒体は、周波数が大きいため大容量かつ低遅延な通信の実現が期待できる一方、指向性を有するがゆえに、遮蔽物や外乱などの影響を受けやすいという側面がある。
【0005】
有指向性の通信媒体を用いつつ、通信の頑強姓を担保するためには、ネットワークへのノード加入やノード位置変更等を含む適応的な変更を行うことのできる構成とすることが好ましい。しかし、特許文献1および2に記載の技術を用いたとしても、そのような構成を実現することはできない。
【0006】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的の一例は、有指向性の通信媒体を用いた頑強な通信ネットワークを実現する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る通信システムは、メッシュ型ネットワークを構成可能な複数の通信装置と、当該複数の通信装置に関する制御を行う制御装置とを含み、前記複数の通信装置各々は、有指向性の通信媒体を送受信可能に構成されている1又は複数の通信手段と、前記1又は複数の通信手段を用いたスキャンを実行することにより、1又は複数の接続相手候補を特定する特定手段と、前記特定手段が特定した1又は複数の接続相手候補との間で接続を確立する接続確立手段とを含み、前記制御装置は、前記複数の通信装置に関する制御を行う制御手段を備え、前記制御手段は、前記メッシュ型ネットワークに含まれる1又は複数の通信装置の各々について、確立済の接続の数を管理する管理手段と、前記確立済の接続に含まれる1又は複数の接続が切断された場合に、当該切断された接続に関与する1又は複数の通信装置に対して、当該接続の再確立を指示する指示手段とを備える。
【0008】
本発明の一態様に係る制御装置は、メッシュ型ネットワークを構成可能な複数の通信装置に関する制御を行う制御手段を備え、前記複数の通信装置各々は、有指向性の通信媒体を送受信可能に構成されている1又は複数の通信手段と、前記1又は複数の通信手段を用いたスキャンを実行することにより、1又は複数の接続相手候補を特定する特定手段と、前記特定手段が特定した1又は複数の接続相手候補との間で接続を確立する接続確立手段とを含み、前記制御手段は、前記メッシュ型ネットワークに含まれる1又は複数の通信装置の各々について、確立済の接続の数を管理する管理手段と、前記確立済の接続に含まれる1又は複数の接続が切断された場合に、当該切断された接続に関与する1又は複数の通信装置に対して、当該接続の再確立を指示する指示手段とを備える。
【0009】
本発明の一態様に係る通信システムの制御方法は、メッシュ型ネットワークを構成可能な複数の通信装置と、当該複数の通信装置に関する制御を行う制御装置とを含む通信システムの制御方法であって、前記複数の通信装置各々が、有指向性の通信媒体を送受信可能に構成されている1又は複数の通信手段を用いたスキャンを実行することにより、1又は複数の接続相手候補を特定すること、および、特定した1又は複数の接続相手候補との間で接続を確立すること、ならびに前記制御装置が、前記複数の通信装置に関する制御を行うことを含み、前記制御装置が、前記複数の通信装置に関する制御を行うことは、前記制御装置が、前記メッシュ型ネットワークに含まれる1又は複数の通信装置の各々について、確立済の接続の数を管理すること、および、前記確立済の接続に含まれる1又は複数の接続が切断された場合に、当該切断された接続に関与する1又は複数の通信装置に対して、当該接続の再確立を指示することを含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、有指向性の通信媒体を用いた頑強な通信ネットワークを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の例示的実施形態1に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の例示的実施形態1に係る通信方法の流れを示すフロー図である。
【
図3】本発明の例示的実施形態2に係る通信システムの構成例を示す図である。
【
図4】本発明の例示的実施形態2に係る通信装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明の例示的実施形態3に係る通信システムの構成例を示す図である。
【
図6】本発明の例示的実施形態3に係る通信装置の構成を示すブロック図である。
【
図7】本発明の例示的実施形態3に係る通信システムにおけるスキャンから接続確立までの処理の流れの第1の例を示すシーケンス図である。
【
図8】本発明の例示的実施形態3に係る通信システムにおけるスキャンから接続確立までの処理の流れの第2の例を示すシーケンス図である。
【
図9】本発明の例示的実施形態3に係る通信システムにおけるスキャンから接続確立までの処理の流れの第3の例を示すシーケンス図である。
【
図10】本発明の例示的実施形態3に係る通信システムにおけるスキャンから接続確立までの処理の流れの第4の例を示すシーケンス図である。
【
図11】本発明の例示的実施形態3に係る制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図12】本発明の例示的実施形態3におけるメッシュ型ネットワークに対して新規端末が接続しようとしている状態の一例を説明するための図である。
【
図13】本発明の例示的実施形態3におけるメッシュ型ネットワークに対して新規端末が接続しようとしている状態の一例を説明するための図である。
【
図14】本発明の例示的実施形態3におけるメッシュ型ネットワークに対して新規端末が接続しようとしている状態の一例を説明するための図である。
【
図15】本発明の例示的実施形態3におけるメッシュ型ネットワークに対して新規端末が接続しようとしている状態の一例を説明するための図である。
【
図16】本発明の例示的実施形態3におけるメッシュ型ネットワークに対して新規端末が接続しようとしている状態の一例を説明するための図である。
【
図17】本発明の例示的実施形態3におけるメッシュ型ネットワークに対して回線の切断が生じた状態の一例を説明するための図である。
【
図18】本発明の例示的実施形態3におけるメッシュ型ネットワークに対して回線の切断が生じた状態の一例を説明するための図である。
【
図19】本発明の各例示的実施形態に係る通信装置の一実現例であるコンピュータのハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔例示的実施形態1〕
本発明の第1の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本例示的実施形態は、後述する例示的実施形態の基本となる形態である。
【0013】
(通信システム1の構成)
本例示的実施形態に係る通信システム1の構成について、
図1を参照して説明する。
図1は、通信システム1の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本例示的実施形態に係る通信システム1は、複数の通信装置10と、制御装置20とを含む。
【0014】
複数の通信装置10は、メッシュ型ネットワークを構成可能である。一例として、メッシュ型ネットワークは、
図1に示すように、第1の通信装置10-1、第2の通信装置10-2、第3の通信装置10-3、及び第4の通信装置10-4を含み、これら通信装置が互いに接続することにより構成される。なお、
図1に示す構成例は一例に過ぎない。5つ以上の通信装置を備える構成としてもよいし、3つ以下の通信装置を備える構成としてもよい。
図1に示す第1の通信装置10-1、第2の通信装置10-2、第3の通信装置10-3、及び第4の通信装置10-4は、同様の構成を有している。そのため、以下では、1つの通信装置を取りあげて、通信装置10として説明する。
【0015】
(通信装置10)
通信装置10は、
図1に示すように、通信部11、特定部12、及び接続確立部13を備えている。通信部11、特定部12、接続確立部13は、特許請求の範囲における通信手段、特定手段、接続確立手段の一実現例である。
【0016】
通信部11は、有指向性の通信媒体を送受信可能に構成されている。通信装置10が備える通信部11の数は本例示的実施形態を限定するものではなく、通信装置10は、1又は複数の通信部11を備える構成とすることができる。
【0017】
個々の通信部11は、上述のように有指向性の通信媒体を送受信可能に構成されている。ここで、通信部11の具体的な構成は本例示的実施形態を限定するものではないが、一例として、有指向性の通信媒体を送信する送信部と、有指向性の通信媒体を受信する受信部とを備えている。通信部11は、有指向性の通信媒体を送信及び受信する一体型の送受信部を備える構成としてもよい。
【0018】
また、通信部11が通信のために用いる有指向性の通信媒体の具体例は、例示的実施形態を限定するものではないが、一例として、概ね10GHz以上の周波数を有する高周波数領域の電磁波を例に挙げることができる。当該周波数領域の電磁波には、ミリ波、サブミリ波、赤外光、可視光、紫外光等が含まれ得る。
【0019】
通信部11は、一例として、上記周波数領域の電磁波を所定の角度範囲内に向き付けて送出することによって、上述した有指向性の通信媒体として通信に用いる。ここで、通信部11が上記周波数領域の電磁波を向き付けるための具体的構成は本例示的実施形態を限定するものではないが、一例として、通信部11は、
・ミリ波やサブミリ波を所定の角度範囲内に向き付けて送出するビームフォーミングアンテナ
・赤外光、可視光、又は紫外光をコリメートするコリメータ
・赤外光、可視光、又は紫外光のレーザを生成するレーザ発振器
などを備える構成とすることができる。
【0020】
通信部11が通信媒体である上記周波数領域の電磁波を向き付けて送出することによって、当該通信媒体のエネルギー密度が上昇するので、当該通信媒体を用いてより遠方の通信相手と通信することができる。
【0021】
(特定部12)
特定部12は、通信部11を用いたスキャンにより、1又は複数の接続相手候補を特定する。換言すれば、特定部12は、通信部11を用いたスキャンビームの発信又は受信により、1又は複数の接続相手候補を特定する。
【0022】
ここで、通信部11を用いたスキャンでは、上述した有指向性の通信媒体を用いたスキャンが実行される。また、本例示的実施形態におけるスキャンとは、一例として、1又は複数の接続相手候補を特定するために実行される探索のことを指している。スキャンとの文言により、特定のスキャン順序等を規定しようとするものではない。
【0023】
また、特定部12による通信部11を用いたスキャンには、
・通信部11からスキャン範囲にスキャンビームを発信すること
・通信部11からスキャン範囲にスキャンビームを発信し、当該スキャンビームへの応答である応答ビームを受信すること、及び
・他の装置から発信されたスキャンビームを通信部11が受信すること
・他の装置から発信されたスキャンビームを通信部11が受信し、当該スキャンビームへの応答である応答ビームを発信すること
の少なくとも何れかが含まれる。
【0024】
特定部12によるスキャンには、一例として、予め位置が判明していない接続相手候補の探索が含まれる。より具体的に言えば、一例として、特定部12によるスキャンには、通信装置10を起点とした方向が予め判明していない接続相手候補の探索が含まれる。換言すれば、通信装置10を起点とした方位角、仰角及び俯角の少なくとも何れかが予め判明していない接続相手候補の探索が含まれる。
【0025】
上述のように予め位置が判明していない1又は複数の接続相手候補の探索を行う場合、特定部12は、通信部11を用いたスキャンによって、当該1又は複数の接続相手候補の位置を特定する。より具体的に言えば、一例として、特定部12は、通信部11を用いたスキャンによって、当該1又は複数の接続相手候補について、通信装置10を起点とした方向を特定する。換言すれば、特定部12は、通信部11を用いたスキャンによって、当該1又は複数の接続相手候補について、通信装置10を起点とした方位角、仰角及び俯角の少なくとも何れかを特定する。
【0026】
また、特定部12が特定する1又は複数の接続相手候補は、通信部11を用いたスキャンのスキャン範囲に含まれていた通信装置には限られない。特定部12は、通信部11を用いたスキャンのスキャン範囲に含まれていた通信装置からの応答信号を参照し、当該応答信号によって特定される通信装置であって、スキャン範囲外の通信装置を、接続相手候補として特定することもできる。
【0027】
一例として、通信部11を用いたスキャンのスキャン範囲に含まれていた通信装置Aからの応答信号を参照し、当該応答信号によって位置が特定される通信装置Bであって、スキャン範囲外の通信装置Bを、接続相手候補として特定することもできる。
【0028】
(接続確立部13)
接続確立部13は、特定部12が特定した1又は複数の接続相手候補との間で接続を確立する。ここで、接続確立部13による接続の確立は、通信装置10が備える1又は複数の通信部11のうち、特定部12がスキャンに用いた1又は複数の通信部11と同じ通信部を用いてもよいし、特定部12がスキャンに用いた1又は複数の通信部11と一部又は全部が異なる通信部を用いてもよい。
【0029】
何れの場合であっても、接続確立部13は、特定部12が特定した1又は複数の接続相手候補との間で、通信装置10が備える1又は複数の通信部11により、有指向性の通信媒体を用いて接続を確立する。
【0030】
接続確立部13による具体的な接続の確立処理は本例示的実施形態を限定するものではないが、一例として、以下の処理Aが含まれる。
【0031】
(処理A):特定部12が特定した接続相手候補に対して、通信装置10の通信部11が有指向性の通信媒体を送信すること
【0032】
また、上記接続の確立処理には、上記処理Aに加えて、以下の処理Bが含まれる構成としてもよい。
【0033】
(処理B):処理Aにおける送信への応答として、接続相手候補が有指向性の通信媒体を通信装置10に対して送信し、通信装置10の通信部11が当該有指向性の通信媒体を受信すること
【0034】
また、処理Aにおいて、通信装置10の通信部11は、有指向性の通信媒体によって、特定のプロトコルに従った接続開始のための接続開始情報を接続相手候補に対して送信する構成としてもよいし、処理Bにおいて、通信装置10の通信部11は、有指向性の通信媒体によって、接続相手候補から特定のプロトコルに従った接続了承情報を受信する構成としてもよい。
【0035】
また、上記接続開始情報には、通信装置10を他の装置から識別するための識別情報を含める構成としてもよいし、上記接続了承情報には、接続相手候補を他の装置から識別するための識別情報を含める構成としてもよい。
【0036】
更に、上記接続の確立処理には、上記処理A及び上記処理Bに加えて、以下の処理C及び処理Dが含まれる構成としてもよい。
【0037】
(処理C):処理Aにおいて通信装置10の通信部11が有指向性の通信媒体によって送信した接続開始情報を、接続相手候補が参照し、接続相手候補が通信装置10の識別情報を当該接続相手候補が備える記憶部に登録すること
【0038】
(処理D):処理Bにおいて通信装置10の通信部11が有指向性の通信媒体によって受信した接続了承情報を、通信装置10が参照し、通信装置10が自身の備える記憶部に接続相手候補の識別情報を登録すること
【0039】
更に、上記接続の確立処理には、上記処理A、上記処理B、上記処理C及び上記処理Dに加えて、以下の処理E及び処理Fの少なくとも一方が含まれる構成としてもよい。
【0040】
(処理E):接続相手候補が処理Cにおいて登録した通信装置10の識別情報を制御装置20に送信すること
【0041】
(処理F):通信装置10が処理Dにおいて登録した接続相手候補の識別情報を制御装置20に送信すること
【0042】
(制御装置20)
制御装置20は、複数の通信装置10に関する制御を行う。
【0043】
制御装置20による複数の通信装置10に関する制御は、一例として、有線又は無線のローカルエリアネットワーク又はグローバルネットワーク、あるいはこれらの組み合わせを介して制御装置20と通信装置10との間で信号、情報、指示等をやり取りすることにより行われる。これらのネットワークには、通信システム1のメッシュ型ネットワークが含まれていてもよい。
【0044】
本例示的実施形態を限定するものではないが、
図1に示す例では、制御装置20は、第2の通信装置10-2を介して、メッシュ型ネットワークに接続し、当該メッシュ型ネットワークを介して複数の通信装置10に関する制御を行う。また、制御装置20は、メッシュ型ネットワークを介した複数の通信装置10に関する制御に加えて、別の通信経路を介した複数の通信装置10に関する制御を併せて行ってもよい。
【0045】
また、制御装置20は、
図1に示すように、制御部21を備えている。制御部21は、特許請求の範囲における制御手段の一実現例である。
【0046】
(制御部21)
制御部21は、複数の通信装置10に関する制御を行う。
【0047】
一例として、制御部21は上述した制御部21が管理する情報を参照して、
・各通信装置10(特に境界端末)の監視
・通信装置10間の回線接続の制御
・通信経路の更新(通信経路の優先度の更新を含む)
などを実行する。
【0048】
本例示的実施形態を限定するものではないが、一例として、複数の通信装置10に関する制御の目的としては、
・新規な通信装置10のメッシュ型ネットワークへの接続の支援
・切断した回線の再接続
・回線の通信品質悪化または切断を防ぐための通信経路の更新
などが挙げられる。
【0049】
本例示的実施形態を限定するものではないが、一例として、制御部21は、以下の情報に基づいて複数の通信装置10に関する制御を行う。
・バックボーンリンクおよびアクセスリンクに関するネットワークの状況
・各通信装置10に関する関連情報(位置情報、負荷状況、確立済の接続数、特定済の接続相手候補数、関与する接続の接続状況など)
・参照情報(気象情報、センサ情報など)
【0050】
制御部21は、これらの情報を、例えば、各通信装置10または図示しない外部装置から取得してもよい。
【0051】
ここで、アクセスリンクとは、主として、通信システム1に含まれるエッジ端末同士のデータのやり取りに用いられる接続経路のことを指す。また、バックボーンリンクとは、主として、通信システム1に含まれるエッジ端末以外の通信装置間のデータのやり取りに用いられる接続経路のことを指す。バックボーンリンクであっても状況に応じてアクセスリンクとして機能する場合もある。
【0052】
本例示的実施形態を限定するものではないが、一例として、制御部21は、以下のタイミングで複数の通信装置10に関する制御を行う。
・新規な通信装置10がメッシュ型ネットワークへの接続のためのスキャンを行うタイミング
・メッシュ型ネットワーク内の通信装置10間の接続状況が変化したタイミング
・メッシュ型ネットワーク内の通信装置10間の回線品質悪化または回線切断を予測したタイミング
【0053】
制御部21は、これらのタイミングを、例えば、各通信装置10を監視することにより検知してもよい。また、制御部21は、特定のタイミングではなく、適時、各通信装置10の監視結果に基づいて、複数の通信装置10に関する制御を行ってもよい。
【0054】
(通信システム1による効果)
上述のように、通信システム1は、複数の通信装置(一例として、第1の通信装置10-1、第2の通信装置10-2、第3の通信装置10-3、及び第4の通信装置)と、制御装置20とを含む。通信装置10は、
・有指向性の通信媒体を送受信可能に構成されている1又は複数の通信部11と、
・1又は複数の通信部11を用いたスキャンを実行することにより、1又は複数の接続相手候補を特定する特定部12と、
・特定部12が特定した1又は複数の接続相手候補との間で接続を確立する接続確立部13と
を備え、制御装置20は、
・複数の通信装置10が互いに接続することにより構成されるメッシュ型ネットワークを制御する制御部21
を備える構成を採用している。
【0055】
上記のように構成された通信システム1によれば、各通信装置10は、予め位置が判明していない接続相手候補であっても、通信部11を用いたスキャンを実行することにより特定することができる。そして、特定した接続相手候補との間で通信を確立することができる。
【0056】
一般に、有指向性の通信媒体は、大容量かつ低遅延な通信の実現できる一方、指向性を有するがゆえに、遮蔽物や外乱などの影響を受けやすいという側面がある。本例示的実施形態に係る通信装置10によれば、有指向性の通信媒体を用いたネットワークにおいて、通信装置の追加や位置の変更等を含む適応的な変更を行うことが可能となるので、遮蔽物や外乱などの影響を受けづらいネットワークを構成することが可能となる。
【0057】
また、制御装置20は、複数の通信装置10に関する制御を行うことにより、ネットワークの安定性を向上させることができる。
【0058】
すなわち、本例示的実施形態に係る通信システム1によれば、有指向性の通信媒体を用いた頑強な通信ネットワークを実現することができる。
【0059】
(制御装置20による効果)
また、本例示的実施形態に係る制御装置20は、メッシュ型ネットワークを構成可能な複数の通信装置10に関する制御を行う制御装置20であって、前記複数の通信装置各々は、有指向性の通信媒体を送受信可能に構成されている1又は複数の通信手段と、前記1又は複数の通信手段を用いたスキャンを実行することにより、1又は複数の接続相手候補を特定する特定手段と、前記特定手段が特定した1又は複数の接続相手候補との間で接続を確立する接続確立手段とを含み、前記制御装置は、前記複数の通信装置に関する制御を行う制御手段を備える構成を採用している。
【0060】
上記のように構成された制御装置20によれば、メッシュ型ネットワークを構成可能な複数の通信装置10に関する制御を行う。複数の通信装置10各々は、予め位置が判明していない接続相手候補であっても、通信部11を用いたスキャンを実行することにより特定することができる。そして、複数の通信装置10各々は、特定した接続相手候補との間で通信を確立することができる。制御装置20は、そのような複数の通信装置10に関する制御を行うことにより、メッシュ型ネットワークの安定性を向上することができる。
【0061】
したがって、本例示的実施形態に係る制御装置20によれば、本例示的実施形態に係る通信システム1と同様に、有指向性の通信媒体を用いた頑強な通信ネットワークを実現することができる。
【0062】
(通信システム1の制御方法)
本例示的実施形態に係る通信システム1の制御方法について、
図2を参照して説明する。
図2は、本例示的実施形態に係る通信システム1の制御方法を示すフロー図である。
図2に示すように、通信システム1の制御方法は、通信装置10が実行するステップS12及びS13、並びに、制御装置20が実行するステップS21を含んでいる。なお、通信システム1は、上述したように、メッシュ型ネットワークを構成可能な複数の通信装置10と、複数の通信装置10に関する制御を行う制御装置20とを含んでいる。
【0063】
(ステップS12)
まず、ステップS12において、特定部12は、通信部11を用いたスキャンを実行することにより、1又は複数の接続相手候補を特定する。ここで、通信部11を用いたスキャンでは、上述した有指向性の通信媒体を用いたスキャンが実行される。特定部12による具体的な処理内容については上述したためここでは説明を省略する。
【0064】
(ステップS13)
続いて、ステップS13において、接続確立部13は、特定部12が特定した1又は複数の接続相手候補との間で接続を確立する。ここで、接続確立部13による接続の確立は、通信装置10が備える1又は複数の通信部11のうち、特定部12がスキャンに用いた1又は複数の通信部11と同じ通信部を用いてもよいし、特定部12がスキャンに用いた1又は複数の通信部11と一部又は全部が異なる通信部を用いてもよい。接続確立部13による具体的な処理内容については上述したためここでは説明を省略する。
【0065】
(ステップS21)
ステップS21は、ステップS12およびS13の前、後、または、ステップS12およびS13と並行して行われる。ステップS21において、制御部21は、複数の通信装置10に関する制御を行う。制御部21による具体的な処理内容については上述したためここでは説明を省略する。
【0066】
(通信システム1の制御方法による効果)
上述のように、本例示的実施形態に係る通信システム1の制御方法は、複数の通信装置10各々が、有指向性の通信媒体を用いたスキャンを実行することにより、1又は複数の接続相手候補を特定すること(S12)、および、特定した1又は複数の接続相手候補との間で接続を確立すること(S13)、ならびに制御装置20が、複数の通信装置10に関する制御を行うこと(S21)を含んでいる。
【0067】
上記のように構成された通信システム1の制御方法によれば、複数の通信装置10各々によって、予め位置が判明していない接続相手候補であっても、通信部11を用いたスキャンを実行することにより特定することができる。そして、複数の通信装置10各々によって、特定した接続相手候補との間で通信を確立することができる。そして、制御装置20によって、複数の通信装置10に関する制御を行うことによってメッシュ型ネットワークの安定性を向上させることができる。
【0068】
したがって、本例示的実施形態に係る通信システム1の制御方法によれば、本例示的実施形態に係る通信システム1と同様に、有指向性の通信媒体を用いた頑強な通信ネットワークを実現することができる。
【0069】
〔例示的実施形態2〕
本発明の第2の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、例示的実施形態1にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0070】
(通信システム1の構成)
本例示的実施形態に係る通信システム1の構成について、
図3を参照して説明する。
図3は、通信システム1の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、本例示的実施形態に係る通信システム1は、複数の通信装置10と、制御装置20とを含む。
【0071】
(通信装置10)
図3に示す第1の通信装置10-1、第2の通信装置10-2、第3の通信装置10-3、及び第4の通信装置10-4は、
図1に示す第1の通信装置10-1、第2の通信装置10-2、第3の通信装置10-3、及び第4の通信装置10-4と、同様である。
【0072】
(制御装置20)
制御装置20は、複数の通信装置10に関する制御を行う。
【0073】
また、制御装置20は、
図3に示すように、制御部21を備えている。制御部21は、特許請求の範囲における制御手段の一実現例である。
【0074】
(制御部21)
制御部21は、複数の通信装置10に関する制御を行う。
【0075】
一例として、制御部21は上述した制御部21が管理する情報を参照して、
・各通信装置10(特に境界端末)の監視
・通信装置10間の回線接続の制御
・通信経路の更新(通信経路の優先度の更新を含む)
などを実行する。
【0076】
本例示的実施形態を限定するものではないが、一例として、複数の通信装置10に関する制御の目的としては、
・新規な通信装置10のメッシュ型ネットワークへの接続の支援
・切断した回線の再接続
・回線の通信品質悪化または切断を防ぐための通信経路の更新
などが挙げられる。
【0077】
制御部21は、管理部22と、指示部23とを備えている。管理部22及び指示部23は、特許請求の範囲における管理手段および指示手段の一実現例である。
【0078】
(管理部22)
管理部22は、メッシュ型ネットワークに含まれる1又は複数の通信装置の各々について、
・確立済の接続の数
を管理する。
【0079】
確立済の接続の数とは、通信が確立している回線の数である。
【0080】
管理部22は、管理している確立済の接続の数の変動に基づいて、確立済の接続に含まれる1又は複数の接続が切断されたか否かを管理することができる。また、本例示的実施形態においては、管理部22は、接続を再確立させたい通信回路を構成する通信装置の端末座標、および当該通信装置までの確立済の接続回路を特定する。
【0081】
(指示部23)
指示部23は、確立済の接続に含まれる1又は複数の接続が切断された場合に、当該切断された接続に関与する1又は複数の通信装置に対して、当該接続の再確立を指示する。一例として、指示部23は、管理部22から、接続を再確立させたい通信回路を構成する通信装置の端末座標、および当該通信装置までの確立済の接続回路の情報を取得した場合には、その通信装置に対して、確立済の接続回路を用いて、切断した接続回路の再確立の指示を出す。具体的には、指示部23は、その通信装置に対して、切断した通信回線の先に位置する通信装置に向かって接続を要求するビームを発信するよう指示する。
【0082】
切断していた通信回路の接続が再確立すると、管理部22は、再確立した接続を、確立済の接続の数に加えて管理する。
【0083】
(通信システム1による効果)
上述のように、通信システム1は、複数の通信装置(一例として、第1の通信装置10-1、第2の通信装置10-2、第3の通信装置10-3、及び第4の通信装置)と、制御装置20とを含む。通信装置10は、
・有指向性の通信媒体を送受信可能に構成されている1又は複数の通信部11と、
・1又は複数の通信部11を用いたスキャンを実行することにより、1又は複数の接続相手候補を特定する特定部12と、
・特定部12が特定した1又は複数の接続相手候補との間で接続を確立する接続確立部13と
を備え、制御装置20は、
・複数の通信装置10が互いに接続することにより構成されるメッシュ型ネットワークを制御する制御部21
を備え、制御部21は、
メッシュ型ネットワークに含まれる1又は複数の通信装置の各々について、
・確立済の接続の数
を管理する管理部22と、
確立済の接続に含まれる1又は複数の接続が切断された場合に、当該切断された接続に関与する1又は複数の通信装置に対して、当該接続の再確立を指示する指示部23と
を備える構成を採用している。
【0084】
上記のように構成された通信システム1によれば、各通信装置10は、予め位置が判明していない接続相手候補であっても、通信部11を用いたスキャンを実行することにより特定することができる。そして、特定した接続相手候補との間で通信を確立することができる。
【0085】
一般に、有指向性の通信媒体は、大容量かつ低遅延な通信の実現できる一方、指向性を有するがゆえに、遮蔽物や外乱などの影響を受けやすいという側面がある。本例示的実施形態に係る通信装置10によれば、有指向性の通信媒体を用いたネットワークにおいて、通信装置の追加や位置の変更等を含む適応的な変更を行うことが可能となるので、遮蔽物や外乱などの影響を受けづらいネットワークを構成することが可能となる。
【0086】
また、制御装置20は、複数の通信装置10に関する制御を行うことにより、ネットワークの安定性を向上させることができる。本例示的実施形態に係る制御装置20によれば、メッシュ型ネットワーク内の通信回路に切断が生じた場合に再接続するよう制御する。これにより、ネットワークの安定性をより一層向上させることができる。
【0087】
すなわち、本例示的実施形態に係る通信システム1によれば、有指向性の通信媒体を用いた頑強な通信ネットワークを実現することができる。
【0088】
(制御装置20による効果)
また、本例示的実施形態に係る制御装置20は、メッシュ型ネットワークを構成可能な複数の通信装置に関する制御を行う制御手段を備え、前記複数の通信装置各々は、有指向性の通信媒体を送受信可能に構成されている1又は複数の通信手段と、前記1又は複数の通信手段を用いたスキャンを実行することにより、1又は複数の接続相手候補を特定する特定手段と、前記特定手段が特定した1又は複数の接続相手候補との間で接続を確立する接続確立手段とを含み、前記制御手段は、前記メッシュ型ネットワークに含まれる1又は複数の通信装置の各々について、確立済の接続の数を管理する管理手段と、前記確立済の接続に含まれる1又は複数の接続が切断された場合に、当該切断された接続に関与する1又は複数の通信装置に対して、当該接続の再確立を指示する指示手段とを備える構成を採用している。
【0089】
上記のように構成された制御装置20によれば、メッシュ型ネットワークを構成可能な複数の通信装置10に関する制御を行う。複数の通信装置10各々は、予め位置が判明していない接続相手候補であっても、通信部11を用いたスキャンを実行することにより特定することができる。そして、複数の通信装置10各々は、特定した接続相手候補との間で通信を確立することができる。制御装置20は、そのような複数の通信装置10に関する制御を行うことにより、メッシュ型ネットワークの安定性を向上することができる。
【0090】
また、本例示的実施形態に係る制御装置20によれば、メッシュ型ネットワーク内に通信の切断が生じた場合でも、再接続することによって、接続の安定性を担保することができる。
【0091】
したがって、本例示的実施形態に係る制御装置20によれば、本例示的実施形態に係る通信システム1と同様に、有指向性の通信媒体を用いた頑強な通信ネットワークを実現することができる。
【0092】
(通信システム1の制御方法)
本例示的実施形態に係る通信システム1の制御方法について、
図4を参照して説明する。
図4は、本例示的実施形態に係る通信システム1の制御方法を示すフロー図である。
図4に示すように、通信システム1の制御方法は、通信装置10が実行するステップS12及びS13、並びに、制御装置20が実行するステップS21を含む。
【0093】
(ステップS12及びS13)
通信装置10が実行するステップS12及びS13については、上述の例示的実施形態1において説明した通りである。
【0094】
(ステップS21)
ステップS21は、ステップS12およびS13の前、後、または、ステップS12およびS13と並行して行われる。ステップS21において、制御部21は、複数の通信装置10に関する制御を行う。ステップS21は、ステップS21-1と、ステップS21-2とを含む。
【0095】
(ステップS21-1)
ステップS21-1において、管理部22が、メッシュ型ネットワークに含まれる1又は複数の通信装置10の各々について、確立済の接続の数を管理する。また、ステップS21-1において、管理部22は、管理している確立済の接続の数の変動に基づいて、確立済の接続に含まれる1又は複数の接続が切断されたか否かを管理する。また、ステップS21-1において、管理部22は、接続を再確立させたい通信回路を構成する通信装置の端末座標、および当該通信装置までの確立済の接続回路を特定する。
【0096】
(ステップS21-2)
ステップS21-2において、指示部23が、確立済の接続に含まれる1又は複数の接続が切断された場合に、当該切断された接続に関与する1又は複数の通信装置に対して、当該接続の再確立を指示する。一例として、指示部23は、管理部22から、接続を再確立させたい通信回路を構成する通信装置の端末座標、および当該通信装置までの確立済の接続回路の情報を取得する。取得すると、指示部23が、その通信装置に対して、確立済の接続回路を用いて、切断した接続回路の再確立の指示を出す。具体的には、指示部23が、その通信装置に対して、切断した通信回線の先に位置する通信装置に向かって接続を要求するビームを発信するよう指示する。
【0097】
(通信システム1の制御方法による効果)
上述のように、本例示的実施形態に係る通信システム1の制御方法は、複数の通信装置10各々が、有指向性の通信媒体を用いたスキャンを実行することにより、1又は複数の接続相手候補を特定すること(S12)、および、特定した1又は複数の接続相手候補との間で接続を確立すること(S13)、ならびに制御装置20が、複数の通信装置10に関する制御を行うこと(S21)を含んでいる。また、制御装置20が、複数の通信装置10に関する制御を行うこと(S21)は、制御装置20が、メッシュ型ネットワークに含まれる1又は複数の通信装置10の各々について、確立済の接続の数を管理すること(S21-1)と、確立済の接続に含まれる1又は複数の接続が切断された場合に、当該切断された接続に関与する1又は複数の通信装置に対して、当該接続の再確立を指示すること(S21-2)とを含んでいる。
【0098】
上記のように構成された通信システム1の制御方法によれば、複数の通信装置10各々によって、予め位置が判明していない接続相手候補であっても、通信部11を用いたスキャンを実行することにより特定することができる。そして、複数の通信装置10各々によって、特定した接続相手候補との間で通信を確立することができる。そして、制御装置20によって、複数の通信装置10に関する制御を行うことによってメッシュ型ネットワークの安定性を向上させることができる。また、制御装置20によって、メッシュ型ネットワークに含まれる1又は複数の通信装置の各々について、確立済の接続の数を管理し、接続が切断した通信回路について、接続の再確立をおこなってネットワークの安定性を向上させる。
【0099】
したがって、本例示的実施形態に係る通信システム1の制御方法によれば、本例示的実施形態に係る通信システム1と同様に、有指向性の通信媒体を用いた頑強な通信ネットワークを実現することができる。
【0100】
〔例示的実施形態3〕
本発明の第3の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、例示的実施形態1にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0101】
(通信システムの構成例)
図5は、本例示的実施形態に係る通信システム1の構成例を示す図である。
図5に示す例では、通信システム1は、制御装置200と、複数の通信装置(
図5では、通信装置100-0~100-8)を備えている。これらの通信装置100-0~通信装置100-8の構成は、同様の構成を有している。そのため、以下では、1つの通信装置を取りあげて、通信装置100として説明する。
【0102】
図5において、点線は、確立済の接続を指す。また
図5において、「Cxy」(x、yは数字)との符号は、通信装置100-xと通信装置100-yとの間に確立された接続のことを指す。例えば、C12は、通信装置100-1と通信装置100-2との間に確立された接続のことを指す。
【0103】
図5に示すように、通信システム1が備える各通信装置は、網の目状に張り巡らされた通信経路を有するメッシュネットワークを構成している。
【0104】
なお、
図5において、通信装置100-0~100-8の何れかが、エッジ端末として機能する構成としてもよいし、通信システム1は、
図6に示す通信装置以外に、当該通信装置の何れかに接続された1又は複数のエッジ端末を備える構成としてもよい。
【0105】
本明細書において、エッジ端末とは、通信システム1のメッシュ型ネットワークにおけるアクセスリンクの末端となる端末を指し、一例として、エッジ端末としては、通信システム1とは異なる他のネットワークに接続する通信端末や、ユーザが使用するユーザ端末等が挙げられる。
【0106】
(通信装置100の構成)
通信装置100の構成について、
図6を参照して説明する。
図6は、通信装置100の構成を示すブロック図である。
【0107】
図6に示すように、通信装置100は、第1の通信部110、第2の通信部120、制御部130、メモリ140、及び記憶部150を備えている。ここで、第1の通信部110は特許請求の範囲における通信手段の一実現例である。
【0108】
(第1の通信部110)
第1の通信部110は、有指向性の通信媒体を送受信可能に構成されている。第1の通信部110は、一例として、
図6に示すように、通信部110-1、通信部110-2、・・・のように複数の通信部によって構成されている。
【0109】
個々の通信部110-1、110-2、・・・は、上述のように有指向性の通信媒体を送受信可能に構成されている。ここで、個々の通信部110-1、110-2、・・・の具体的な構成は本例示的実施形態を限定するものではないが、一例として、有指向性の通信媒体を送信する送信部と、有指向性の通信媒体を受信する受信部とを備えている。個々の通信部110-1、110-2、・・・は、有指向性の通信媒体を送信及び受信する一体型の送受信部を備える構成としてもよい。
【0110】
また、第1の通信部110が通信のために用いる有指向性の通信媒体の具体例は、例示的実施形態を限定するものではないが、一例として、例示的実施形態1と同様に、概ね10GHz以上の周波数を有する高周波数領域の電磁波を例に挙げることができる。当該周波数領域の電磁波には、ミリ波、サブミリ波、赤外光、可視光、紫外光等が含まれ得る。
【0111】
第1の通信部110は、一例として、上記周波数領域の電磁波を所定の角度範囲内に向き付けて送出することによって、上述した有指向性の通信媒体として通信に用いる。ここで、第1の通信部110が上記周波数領域の電磁波を向き付けるための具体的構成は本例示的実施形態を限定するものではないが、一例として、第1の通信部110を構成する個々の通信部110-1、110-2、・・・は、例示的実施形態1と同様に、
・ミリ波やサブミリ波を所定の角度範囲内に向き付けて送出するビームフォーミングアンテナ
・赤外光、可視光、又は紫外光をコリメートするコリメータ
・赤外光、可視光、又は紫外光のレーザを生成するレーザ発振器
などを備える構成とすることができる。
【0112】
また、第1の通信部110を構成する個々の通信部110-1、110-2、・・・は、互いに異なる範囲を対象とするように向き付けられていてもよい。例えば、通信部110-1が、方位角0°~90°の範囲を送受信の対象とし、通信部110-2が、方位角90°~180°の範囲を送受信の対象とし、通信部110-3が、方位角180°~270°の範囲を送受信の対象とし、通信部110-4が、方位角270°~360°の範囲を送受信の対象とするように向き付けられていてもよい。
【0113】
(第2の通信部120)
第2の通信部120は、第1の通信部110が通信に用いる有指向性の通信媒体以外の通信媒体を用いて通信を行う構成である。一例として、第2の通信部120は、有線又は無線のローカルエリアネットワーク又はグローバルネットワーク等を介して、他の装置との通信を行う。一例として、第2の通信部120は、制御装置200との通信を行ってもよい。
【0114】
(制御部130)
制御部130は、
図6に示すように、取得部131、通信管理部132、及び、記憶管理部133を備えている。通信管理部132は、特許請求の範囲における特定手段、接続確立手段の一実現例である。
【0115】
(取得部131)
取得部131は、第1の通信部110による通信相手に関連する関連情報を取得する。ここで、第1の通信部110による通信相手には、
・後述する通信管理部132により、第1の通信部110を用いたスキャンによって特定された1又は複数の接続相手候補
・特定された1又は複数の接続相手候補のうち、通信管理部132によって接続が確立された接続相手
の少なくとも何れかが含まれる。
【0116】
取得部131が取得する関連情報については後述する。
【0117】
(通信管理部132)
通信管理部132は、第1の通信部110を用いた通信処理を管理する。一例として、通信管理部132は、
・第1の通信部110を用いたスキャン
・第1の通信部110を用いた接続の確立
・第1の通信部110を用いた接続の切断
・第1の通信部110を用いた接続の切り替え
等の処理を行う。通信管理部132による具体的な処理例については後述する。
【0118】
(記憶管理部133)
記憶管理部133は、記憶部150への記憶処理を管理する。一例として、記憶管理部133は、取得部131によって取得された関連情報を記憶部150に格納する。また、記憶管理部133は、記憶部150に格納された各種の情報を読み出し、制御部130の各部に提供する。
【0119】
(スキャンから接続確立までの流れ)
続いて、
図7~
図10を参照して、通信管理部132による第1の通信部110を用いたスキャンの実施から接続確立までの処理の流れについて説明する。
【0120】
(スキャンから接続確立までの流れの例1)
図7は、通信管理部132による第1の通信部110を用いたスキャンから接続確立までの処理の流れの第1の例を示すシーケンス図である。本例は、最初に通信装置100がスキャンビームを発信し、スキャン対象範囲内に存在する接続相手候補との間で接続を確立する場合の例である。
【0121】
(ステップS101-1)
ステップS101-1において、通信管理部132は、第1の通信部110を用いて、所定のスキャン範囲を対象としてスキャンビームを発信する。発信したスキャンビームは、当該スキャン範囲に存在する接続相手候補に到達する。
【0122】
(ステップS101-2)
ステップS101-2において、上記スキャン範囲に存在する接続相手候補が、スキャンビームへの応答として応答ビームを通信装置100に向けて返信する。返信された応答ビームは、通信装置100に到達する。
【0123】
なお、接続相手候補が応答ビームを返信するための具体的な構成は本例示的実施形態を限定するものではない。一例として、接続相手候補は、コーナーキューブ反射器を備え、スキャンビームを当該コーナーキューブ反射器によって反射し、反射されたスキャンビームを応答ビームとして通信装置100に向けて返信する構成としてもよい。他の例として、接続相手候補は、スキャンビームを受信する受信装置と、受信した方向に向けて応答ビームを送信する送信装置とを備える構成としてもよい。
【0124】
(ステップS102-1)
ステップS102-1において、通信管理部132は、接続相手候補から受信した応答ビームを参照して、通信相手候補を特定する。
【0125】
一例として、通信管理部132は、受信した応答ビームの方向に基づき、接続相手候補の位置を特定する。より具体的に言えば、通信管理部132は、受信した応答ビームの方向に基づき、通信装置100から見た当該接続相手候補の方向を特定する。換言すれば、通信管理部132は、受信した応答ビームの方向に基づき、通信装置100から見た当該接続相手候補の方位角、仰角及び俯角の少なくとも何れかを特定する。
【0126】
(ステップS103-1)
ステップS103-1において、通信管理部132は、ステップS102-1において特定した接続相手候補に接続要求用ビームを送信する。当該接続要求用ビームには、一例として、接続を要求する旨の情報と共に、通信装置100を他の装置から識別するための識別情報を含める構成としてもよい。また、当該接続要求用ビームには、記憶管理部133が管理する関連情報であって、当該通信装置100及び他の通信装置に関する関連情報を含める構成としてもよい。
【0127】
(ステップS102-2)
ステップS102-2において、接続相手候補は、ステップS103-1において送信された接続要求用ビームを受信する。また、接続相手候補は、ステップS103-1において送信された接続要求用ビームを参照して、通信装置100を特定する。一例として、接続相手候補は、受信した接続要求用ビームの方向に基づき、通信装置100の位置を特定する。より具体的に言えば、接続相手候補は、受信した接続要求用ビームの方向に基づき、接続相手候補から見た通信装置100の方向を特定する。換言すれば、接続相手候補は、受信した接続要求用ビームの方向に基づき、接続相手候補から見た通信装置100の方位角、仰角及び俯角の少なくとも何れかを特定する。
【0128】
(ステップS103-2)
ステップS103-2において、接続相手候補は、通信装置100に対して接続了承用ビームを送信する。当該接続了承用ビームには、接続を了承する旨の情報と共に、接続相手候補を他の装置から識別するための識別情報を含める構成としてもよい。また、当該接続了承用ビームには、当該接続相手候補及び他の通信装置に関する関連情報を含める構成としてもよい。
【0129】
(ステップS104-1)
ステップS104-1において、通信管理部132は、ステップS103-2において送信された接続了承用ビームを受信する。
【0130】
(ステップS105-1)
ステップS105-1において、記憶管理部133は、ステップS104-1において受信した接続了承用ビームを参照し、上記接続相手候補を接続相手として登録する。一例として、記憶管理部133は、接続了承用ビームに含まれる上記接続相手候補の識別情報を記憶部に格納する。一例として本ステップにより、通信装置100から接続相手候補への接続が確立する。
【0131】
(ステップS104-2)
ステップS104-2において、接続相手候補は、ステップS102-2において受信した接続要求用ビームを参照し、通信装置100を接続相手として登録する。一例として、接続相手候補は、接続要求用ビームに含まれる通信装置100の識別情報を当該接続相手候補が備える記憶部に格納する。一例として本ステップにより、接続相手候補から通信装置100への接続が確立する。
【0132】
(スキャンから接続確立までの流れの例2)
図8は、通信管理部132による第1の通信部110を用いたスキャンから接続確立までの処理の流れの第2の例を示すシーケンス図である。本例は、最初に接続相手候補がスキャンビームを発信し、スキャン対象範囲内に存在する通信装置100との間で接続を確立する場合の例である。
【0133】
図8に示すように、本例に係るスキャンから接続確立までの流れの処理は、
図7を用いて説明した通信装置100と接続相手候補との接続処理において、通信装置100と接続相手候補とを入れ替えたものとなる。
図8に示した各ステップにおける処理は
図7を参照すれば明らかであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0134】
(スキャンから接続確立までの流れの例3)
図9は、通信管理部132による第1の通信部110を用いたスキャンから接続確立までの処理の流れの第3の例を示すシーケンス図である。本例は、最初に通信装置100がスキャンビームを発信し、スキャン対象範囲内に存在する接続相手候補との間で接続を確立する場合の例である。
【0135】
(ステップS121-1)
ステップS121-1において、通信管理部132は、第1の通信部110を用いて、所定のスキャン範囲を対象としてスキャンビームを発信する。発信したスキャンビームは、当該スキャン範囲に存在する接続相手候補に到達する。
【0136】
本ステップにおいて発信されたスキャンビームには、一例として、接続を要求する旨の情報と共に、通信装置100を他の装置から識別するための識別情報を含める構成としてもよい。また、当該スキャンビームには、記憶管理部133が管理する関連情報であって、当該通信装置100及び他の通信装置に関する関連情報を含める構成としてもよい。
【0137】
(ステップS121-2)
ステップS121-2において、接続相手候補は、ステップS121-1において発信されたスキャンビームを参照し、通信装置100を特定する。一例として、接続相手候補は、ステップS121-1において発信されたスキャンビームの方向に基づき、通信装置100の位置を特定する。より具体的に言えば、接続相手候補は、受信したスキャンビームの方向に基づき、接続相手候補から見た通信装置100の方向を特定する。換言すれば、接続相手候補は、受信したスキャンビームの方向に基づき、接続相手候補から見た通信装置100の方位角、仰角及び俯角の少なくとも何れかを特定する。
【0138】
また、本ステップでは、接続相手候補は、当該スキャンビームに含まれる通信装置100の識別情報を更に参照して、通信装置100を特定する構成としてもよい。
【0139】
(ステップS122-2)
ステップS122-2において、接続相手候補は、S121-2において発信されたスキャンビームへの応答として応答ビームを通信装置100に対して送信する。送信された応答ビームは、通信装置100に到達する。
【0140】
本ステップにおいて発信された応答ビームには、一例として、接続を了承する旨の情報と共に、当該接続相手候補を他の装置から識別するための識別情報を含める構成としてもよい。また、当該応答ビームには、当該接続相手候補が管理する関連情報であって、当該接続相手候補及び他の通信装置に関する関連情報を含める構成としてもよい。
【0141】
(ステップS122-1)
ステップS122-1において、通信管理部132は、ステップS122-2において送信された応答ビームを参照して、接続相手候補を特定する。
【0142】
一例として、通信管理部132は、受信した応答ビームの方向に基づき、接続相手候補の位置を特定する。より具体的に言えば、通信管理部132は、受信した応答ビームの方向に基づき、通信装置100から見た当該接続相手候補の方向を特定する。換言すれば、通信管理部132は、受信した応答ビームの方向に基づき、通信装置100から見た当該接続相手候補の方位角、仰角及び俯角の少なくとも何れかを特定する。
【0143】
また、本ステップでは、通信管理部132は、当該応答ビームに含まれる接続相手候補の識別情報を更に参照して、当該接続相手候補を特定する構成としてもよい。
【0144】
(ステップS123-1)
ステップS123-1において、記憶管理部133は、接続相手候補から受信した上記応答ビームを参照し、上記接続相手候補を接続相手として登録する。一例として、記憶管理部133は、上記応答ビームに含まれる上記接続相手候補の識別情報を記憶部に格納する。一例として本ステップにより、通信装置100から接続相手候補への接続が確立する。
【0145】
(ステップS123-2)
ステップS123-2において、接続相手候補は、通信装置100から受信したスキャンビームを参照し、通信装置100を接続相手として登録する。一例として、接続相手候補は、上記スキャンビームに含まれる通信装置100の識別情報を当該接続相手候補が備える記憶部に格納する。一例として本ステップにより、接続相手候補から通信装置100への接続が確立する。
【0146】
(スキャンから接続確立までの流れの例4)
図10は、通信管理部132による第1の通信部110を用いたスキャンから接続確立までの処理の流れの第4の例を示すシーケンス図である。本例は、最初に接続相手候補がスキャンビームを発信し、スキャン対象範囲内に存在する通信装置100との間で接続を確立する場合の例である。
【0147】
図10に示すように、本例に係るスキャンから接続確立までの流れの処理は、
図9を用いて説明した通信装置100と接続相手候補との接続処理において、通信装置100と接続相手候補とを入れ替えたものとなる。
図10に示した各ステップにおける処理は
図9を参照すれば明らかであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0148】
以上、スキャンから接続確立までの処理の流れの例について説明したが、上述した例は本実施形態を限定するものではない。
【0149】
例えば、上述した第2の例において、通信装置100は、スキャンビームを発信した通信相手候補(便宜的に通信相手候補Aと呼ぶ)とは異なる通信相手候補(便宜的に通信相手候補Bと呼ぶ)と接続を確立する場合もある。このような場合、一例として、通信装置100は、ステップS113-2において送信された接続要求用ビームに含まれる関連情報を参照して、通信相手候補Bを特定し、特定した通信相手候補Bとの間で接続を確立する構成としてもよい。
【0150】
同様に、上述した第4の例において、通信装置100は、スキャンビームを発信した通信相手候補(便宜的に通信相手候補Aと呼ぶ)とは異なる通信相手候補(便宜的に通信相手候補Bと呼ぶ)と接続を確立する場合もある。このような場合、一例として、通信装置100は、ステップS131-2において送信されたスキャンビームに含まれる関連情報を参照して、通信相手候補Bを特定し、特定した通信相手候補Bとの間で接続を確立する構成としてもよい。
【0151】
(関連情報)
通信装置100が備える取得部131は、一例として、通信装置100の通信相手の装置に関する関連情報を取得し、通信装置100が備える記憶管理部133は、取得部131が取得した関連情報を記憶部150に格納し、管理している。ここで、通信装置100の通信相手には、少なくとも、通信管理部132によって特定した1又は複数の接続相手候補、及び、通信管理部132によって接続確立済の1又は複数の接続相手の少なくとも何れかが含まれる。
【0152】
また、記憶管理部133は、当該通信装置100に関連する関連情報も記憶部150に格納し、管理する構成とすることができる。
【0153】
以下、複数の通信装置のうちの1つを通信装置Aと表記し、当該通信装置Aの通信相手として通信装置B、C、及びDが存在している場合における、通信装置Aの関連情報の内容について説明する。通信装置A、B、C、Dは、それぞれ、一例として、
図5に示す通信装置100-0~100-8の何れかである。
【0154】
まず、通信装置Aの関連情報には、
・通信装置Aの位置情報、及び、
・通信装置Aの負荷状況
・通信装置Aが関与する確立済の接続数、
・通信装置Aが関与する特定済の接続相手候補数、
・通信装置Aか関与する接続の接続状況
・通信装置Aから接続基準点までのホップ数
の少なくとも何れかが含まれる。
【0155】
ここで、通信装置Aの位置情報の具体例は、本例示的実施形態を限定するものではないが、一例として、GPS等の所定の位置特定システムによって付与された座標情報であってもよいし、対象の通信領域内に予め付与された番地のような位置識別情報であってもよいし、通信装置Aの周囲の通信装置から見た、通信装置Aの方向を示す情報であってもよい。
【0156】
また、通信装置Aの負荷状況の具体的指標は、本例示的実施形態を限定するものではないが、一例として、通信装置Aが備える制御部等のプロセッサの稼働率を示す情報であってもよいし、通信装置Aが備える制御部等のプロセッサによる特定のタスクの稼働率を示す情報であってもよい。
【0157】
また、通信装置Aが関与する接続には、通信装置Aを起点又は終点とする接続、及び、通信装置Aを経由する接続の少なくとも何れかが含まれる。したがって、上述した例の場合、通信装置Aが関与する接続には、通信装置Aと通信装置Bとの間の接続、通信装置Aと通信装置Cとの間の接続、及び通信装置Aと通信装置Dとの間の接続の少なくとも何れかが含まれる。
【0158】
また、上述した通信相手Aが関与する接続の接続状況には、
・通信装置Aが関与する接続の回線品質、及び
・通信装置Aが関与する接続の断続回数
の少なくとも何れかが含まれる。
【0159】
ここで、通信装置Aが関与する接続の回線品質に関する具体的な指標は、本例示的実施形態を限定するものではないが、一例として、当該接続による通信の遅延、及び、当該接続による通信における情報の損失率等の何れかの指標を含んでいる。
【0160】
また、通信装置Aが関与する接続の断続回数に関する具体的な指標は、本例示的実施形態を限定するものではないが、一例として、当該接続による通信の、単位時間あたりの切断回数に関する指標を含んでいる。
【0161】
また、通信装置Aの関連情報には、
・通信装置Aが関与する接続に対する環境からの影響に関する情報
が含まれる構成としてもよい。
【0162】
ここで、通信装置Aが関与する接続に対する環境からの影響に関する情報には、一例として、
・通信装置Aと通信装置Bとの間の接続に対する太陽光の影響度
・通信装置Aと通信装置Cとの間の接続に対する太陽光の影響度
・通信装置Aと通信装置Dとの間の接続に対する太陽光の影響度
の少なくとも何れかが含まれる。
【0163】
また、ある接続に対する太陽光の影響度は、一例として、当該ある接続に沿った方向を基準とした太陽方向の角度によって表現することができる。例えば、当該ある接続に沿った方向と太陽方向との角度が90°に近い場合、上記影響に関する情報は、当該接続に対する太陽光の影響が相対的に小さいことを示す。また例えば、当該ある接続に沿った方向と太陽方向との角度が0°に近い場合、上記影響に関する情報は、当該接続に対する太陽光の影響が相対的に大きいことを示す。
【0164】
また、通信装置Aが関与する接続に対する環境からの影響に関する情報には、他の例として、通信装置Aの通信部が用いる有指向性の通信媒体に対する反射や吸収の影響を示す情報を含める構成としてもよい。例えば、通信装置Aの通信部が用いる有指向性の通信媒体が空気中を伝搬する場合、当該空気の透明度等の情報や、伝搬経路付近の建物等の情報を含まれる構成としてもよい。
【0165】
(制御装置の構成)
本例示的実施形態に係る制御装置200の構成について、
図11を参照して説明する。
図11は、制御装置200の構成を示すブロック図である。
図11に示すように、本例示的実施形態に係る制御装置200は、制御部210、メモリ220、記憶部230、および通信部240を備えている。
【0166】
(制御部210)
制御部210は、
図11に示すように、取得部211、通信管理部212、記憶管理部213、及び指示部214を備えている。取得部211は特許請求の範囲における取得手段の一実現例である。記憶管理部133は、特許請求の範囲における記憶手段の一実現例である。
【0167】
(取得部211)
取得部211は、各通信装置100から各通信装置100に関連する関連情報を取得する。本例示的実施形態としては、取得部211は、各通信装置100が具備する制御部130の取得部131が取得した関連情報を取得する。
【0168】
各通信装置100に関連する関連情報は、先に例示した通り、以下の関連情報の少なくとも何れかを含んでよい。
・通信装置100の位置情報
・通信装置100の負荷状況
・通信装置100が関与する確立済の接続数
・通信装置100が関与する接続の接続状況
・通信装置100が関与する接続の回線品質
・通信装置100が関与する接続の断続回数
・通信装置100が関与する接続に対する環境からの影響に関する情報
・通信装置100に対する他の通信装置100からのスキャン。
【0169】
ここで、通信装置100が関与する接続の接続状況には、
・通信装置100が関与するアクセスリンクの接続状況
・通信装置100が関与するバックボーンリンクの接続状況
が含まれる。
【0170】
また、通信装置100が関与する接続に対する環境からの影響に関する情報には、
・太陽光による、通信装置100が関与する接続への影響
・反射光による、通信装置100が関与する接続への影響
に関する情報が含まれる。
【0171】
また、取得部211は、以下のような参照情報を更に取得してもよい。
・気象情報
・センサ情報。
【0172】
一例として、取得部211は、外部の気象情報を提供するサーバ装置から気象情報を取得してもよい。また、取得部211は、外部のフィールドセンサからセンサ情報を取得してもよい。フィールドセンサとしては、環境をセンシングするフィールドセンサ一般を用いることができるが、例えば、日照量、気圧、温度等をセンシングするものであってもよい。
【0173】
(通信管理部212)
通信管理部212は、通信部240を用いた通信処理を管理し、通信装置100-0~100-8との間の送受信の管理を行う。
【0174】
一例として、通信管理部212は、通信経路の設定を行ってもよい。通信管理部212は、第1の通信装置100から第2の通信装置100までの通信が行われる場合、取得部211が取得した関連情報を参照して、第1の通信装置100から第2の通信装置100までの通信経路を設定し、各通信装置100に指示する。
【0175】
また、通信管理部212は、メッシュ型ネットワークに含まれる1又は複数の通信経路に対して、当該通信経路に関与する通信装置100に関連する関連情報を参照して優先度を付与し、第1の通信装置100から第2の通信装置100までの通信経路を、優先度の高い通信経路に再設定するなど、当該優先度に応じて当該優先度が付与された通信経路に関する制御を行ってもよい。
【0176】
また一例として、通信管理部212は、取得部211が取得した関連情報を参照して、複数の通信装置100のうちの少なくとも1の通信装置100の監視を行ってもよい。すなわち、通信管理部212は、取得部211が取得した関連情報を参照して、複数の通信装置100のうちの少なくとも1の通信装置100、または、当該通信装置100が関与する接続に生じた事象を検出する。
【0177】
通信管理部212が検出する事象としては、
・回線品質の劣化
・回線の切断
・新規な通信装置100によるスキャンの検知
・新規な接続の確立
などが挙げられる。
【0178】
そして、通信管理部212は、監視結果に応じて、
・通信装置100を用いたスキャン
・通信装置100を用いた接続の確立
・通信装置100を用いた接続の切断
・通信装置100を用いた接続の切り替え
・通信経路の更新
等の処理を各通信装置100に指示する。
【0179】
一例として、通信管理部212は、回線品質の劣化を検出した場合には、劣化した回線を迂回するように通信経路を更新してもよいし、回線の切断を検出した場合には、再接続のためのスキャンおよび接続の確立を通信装置100に指示してもよい。
【0180】
また他の例として、新規な通信装置100によるスキャンの検知や、新規な接続の確立を検出した場合には、新規な通信装置100を含めたメッシュ型ネットワークを最適化するように、通信経路の更新や、接続の切断、切り替え等を通信装置100に指示してもよい。
【0181】
(記憶管理部213)
記憶管理部213は、記憶部230への記憶処理を管理する。記憶管理部213は、取得部211が取得した関連情報を、記憶部230に記憶させる。また、記憶管理部213は、記憶部230に格納された各種の情報を読み出し、制御部210の各部に提供する。
【0182】
記憶管理部213は、取得した関連情報を蓄積するのに加えて、後述する参照情報および相関情報を、記憶部230に記憶させる。
【0183】
(指示部214)
指示部214は、通信管理部212の処理結果に基づいて、通信装置100-0~100-8を制御するための指示情報を生成する。
【0184】
(記憶部230)
記憶部230は、取得部211が取得した関連情報を記憶する。
【0185】
また、記憶部230は、参照情報を更に記憶する。
【0186】
また、記憶部230は、相関情報を更に記憶する。相関情報は、上述した参照情報と、各通信装置100の関連情報、特に、各通信装置100の回線品質、規定時間内における断絶回数等との相関を示す情報である。
【0187】
(通信部240)
通信部240は、個々の通信装置の第1の通信部110(
図6)が互いの通信に用いる有指向性の通信媒体以外の通信媒体を用いて通信を行う構成であり、個々の通信装置の第2の通信部120(
図6)との通信を行う。通信部240の通信形態としては、有線又は無線のローカルエリアネットワーク又はグローバルネットワーク等を介した通信を採用することができる。
【0188】
(制御装置の処理例)
以下では、通信システム1に関連する制御装置200による具体的な処理例(制御方法の流れ)について説明する。
【0189】
(制御装置の処理例1)
一例として、制御部210は、取得部211が取得した関連情報を参照して、複数の通信装置100のうちの少なくとも1の通信装置100の監視を行い、監視結果に応じて、回線接続の制御を行ってもよい。
【0190】
図12は、制御装置200が制御するメッシュ型ネットワークに対して新規端末が接続しようとしている状態の一例を説明するための図である。
【0191】
図12に示す例では、通信装置100-0~100-8によって構成されるメッシュ型ネットワークに対して、通信装置100-Aが接続しようとしている。
【0192】
このとき、通信管理部212は、新規端末(通信装置100-A)の通信管理部132が特定した接続相手候補について、各接続相手候補に関連する関連情報を参照して優先度を付与し、通信装置100-Aの通信管理部132による接続を制御してもよい。
【0193】
一例において、通信管理部212は、新規端末(通信装置100-A)のメッシュ型ネットワークへの追加に当たって、接続のシミュレーションを行う。通信管理部212は、シミュレーションの一例として、関連情報のうち、接続の回線品質を参照して、回線品質の悪いルートの優先度を落としてもよい。そして、通信装置100-Aには、優先度の高い接続(例えば、通信装置100-0との接続)を行うように指示する。当該指示は、通信装置100-0から通信装置100-Aに送信されるスキャン情報に含まれていてもよい。これにより、新規端末と接続を確立させるにあたって、回線品質の良いルートで接続を確立させることができ、円滑な接続を実現することができる。
【0194】
また、通信管理部212は、シミュレーションの他の例として、時間により太陽光の影響を受けやすい接続について、時刻に応じた優先度設定を設定してもよい。これにより、新規端末(通信装置)と接続を確立させるにあたって、接続に適した回線を選択し、円滑な接続を実現することができる。
【0195】
図13は、制御装置200が制御するメッシュ型ネットワークに対して新規端末が接続しようとしている状態の一例を説明するための図である。
【0196】
図13に示す例では、通信装置100-0~100-8によって構成されるメッシュ型ネットワークに、制御装置200Aが制御する他のネットワークが接続されている。また、通信装置100-0~100-8によって構成されるメッシュ型ネットワークに対して、通信装置100-Aが接続しようとしている。なお、他のネットワークは特に限定されず、既存の光ファイバ網等であってもよい。
【0197】
図13に示す例では、通信装置100-3、100-6、100-7は、他のネットワーク(B網)との境界に存在する境界端末となる。通信管理部212は、このような境界端末を重点的に監視してもよい。境界接続を行う通信装置は、トラフィック負荷が高まる可能性が高いためである。
【0198】
一例として、通信管理部212は、新規端末(通信装置100-A)のメッシュ型ネットワークへの追加に当たって、境界端末の負荷上昇のシミュレーションを行う。例えば、通信管理部212は、通信装置100-Aが追加されることによる他のネットワークとの通信量の増大量を推定し、当該通信量の増大による境界端末への負荷の増大量を推定する。通信管理部212は、境界端末への負荷の増大量に基づいて、他のネットワークに接続する境界端末の追加の要否や、接続経路の変更を判断し、各通信装置100に指示してもよい。
【0199】
(制御装置の処理例2)
一例として、制御部210は、メッシュ型ネットワークに対して新たに接続しようとする新規端末から接続要求を取得し、当該新規端末の接続の制御を行ってもよい。
【0200】
図14は、制御装置200が制御するメッシュ型ネットワークに対して新規端末が接続しようとしている状態の一例を説明するための図である。
【0201】
メッシュ型ネットワークに対して新たに接続しようとする新規端末100-Aは、メッシュ型ネットワークとは異なる既存の回線CAを用いて、新規端末100-Aの端末座標を含む接続要求を、制御装置200に通知する。これにより、制御装置200の取得部211が、端末座標を含む接続要求を取得する。
【0202】
続いて、通信管理部212が、記憶部230に記憶している関連情報等に基づいて、新規端末と接続すべきメッシュ型ネットワーク内の少なくとも1の通信装置100(例えば、通信装置100-0)を特定する。一例として、通信管理部212は、関連情報等に基づいて、新規端末100-Aの近隣に位置する通信装置100-0を特定する。
【0203】
続いて、特定した通信装置100(例えば、通信装置100-0)に、指示部214が、接続を指示する。一例として、指示部214は、新規端末100-Aの端末座標を含めて、特定した通信装置100に指示する。
【0204】
続いて、接続要求の指示を受けた通信装置100は、新規端末100-Aの端末座標を参照して、新規端末の方向にスキャンビームS0Aを発信する。
【0205】
続いて、新規端末100-Aは、スキャンビームS0Aを受信し、応答ビームを返信し、通信装置100との接続を確立する。
【0206】
(本処理例による効果)
本例示的実施形態の通信システムによれば、メッシュ型ネットワークに新規端末を追加するにあたって、制御装置200に新規端末の端末座標を通知し、新規端末の方向にスキャンビームを発信することができる。これにより、スキャンの探索範囲を絞ることができ、短時間で探索を完了することができる。
【0207】
(制御装置の処理例3)
一例として、制御部210は、メッシュ型ネットワークに対して新たに接続しようとする新規端末からのスキャン信号を受信した通信装置100からのリクエストを取得し、通信経路の更新を行う。
【0208】
図15は、制御装置200が制御するメッシュ型ネットワークに対して新規端末が接続しようとしている状態の一例を説明するための図である。
【0209】
メッシュ型ネットワークに対して新たに接続しようとする新規端末(通信装置100-A)は、所定の範囲内にスキャンビームS0Aを発信する。
【0210】
スキャンビームS0Aを受信した通信装置100(通信装置100-0および100-8)は、通信装置リクエスト情報を制御装置200に発信する。これにより、取得部211がリクエスト情報を取得する。
【0211】
続いて、通信管理部212が、リクエスト情報に応じて、メッシュ型ネットワークに含まれる1又は複数の通信経路の更新を行う。一例として、通信管理部212は、新規端末100-Aから新規端末100-Aに関する関連情報を取得し、記憶部230に記憶している関連情報と合わせて参照することで、新規端末である通信装置100-Aのデータ伝送に使用される通信装置群で形成されたメッシュ型ネットワークに含まれる1又は複数の通信経路を最適化するように更新する。通信経路を最適化するとは、メッシュ型ネットワークにおいて、複数の通信経路の選択を各々の通信装置が保有している場合に、全ての通信装置が接続可能かつ障害等による切断が発生しても、ロバストな管理および切り替えにより、アクセスネットワークに接続する利用者のデータ伝送を可能とするように通信経路を形成することを意味する。
【0212】
(本処理例による効果)
本例示的実施形態の通信システムによれば、メッシュ型ネットワークに新規端末を追加するにあたって、制御装置200に新規端末の端末座標を通知し、最適なルーティング形成を実現することができる。
【0213】
(制御装置の処理例4)
一例として、制御部210は、メッシュ型ネットワークに含まれる1又は複数の通信装置100の各々について、確立可能な接続の数、及び確立済の接続の数を管理してもよい。
【0214】
図16は、制御装置200が制御するメッシュ型ネットワークに対して新規端末が接続しようとしている状態の一例を説明するための図である。
【0215】
通信管理部212は、メッシュ型ネットワークに含まれる1又は複数の通信装置の各々について、
・確立可能な接続の数、及び
・確立済の接続の数
を管理する。
【0216】
確立可能な接続の数とは、通信が確立していないが確立させることができる回線の数と、通信が確立している回線の数とを合計した数(最大数)である。確立可能な接続の数とは、通信装置100の通信管理部132が特定した接続相手候補の数でもある。確立済の接続の数とは、通信が確立している回線の数である。
【0217】
本例示的実施形態では、通信管理部212が、メッシュ型ネットワークに含まれる1又は複数の通信装置の各々について、確立済の接続の数が、確立可能な接続の最大数から1を減算した数以下となるよう、メッシュ型ネットワークに含まれる1又は複数の通信経路の更新を行う。例えば、通信管理部212は、各通信装置100において、確立可能な接続の全てが確立され、通信経路として使用されている場合に、1又は複数の通信経路が当該通信装置100を経由しないように更新することで、確立済の接続の数が、確立可能な接続の最大数から1を減算した数以下となるように制御する。
【0218】
一例において、通信管理部212は、メッシュ型ネットワークに含まれる1又は複数の通信経路に対して、当該通信経路に関与する通信装置に関連する関連情報を参照して優先度を付与する。優先度は、接続の強さ、代替の通信経路の有無およびその経路数等から相対的に付与される。各通信経路に対応付けられた優先度の情報は、参照情報として、記憶部230に格納される。
【0219】
一例において、通信経路の更新にあたって、通信管理部212は、確立済の接続の数が、確立可能な接続の最大数から1を減算した数以下となるよう、優先度が高い通信経路を使用したルーティングを行ってもよい。
【0220】
これにより、メッシュ型ネットワークを維持した状態で、
図16に示すように、メッシュ型ネットワークに対して新たに接続しようとする新規端末100-Aに対するスキャンビームの発信を、その空きの回線を使用して行うことができる。
【0221】
また、一例において、メッシュ型ネットワークに対して新規端末100-Aが接続しようとしており、新規端末100-Aが接続しようとする通信装置100の確立済の接続の数が、確立可能な接続の最大数である場合、通信管理部212が、メッシュ型ネットワークに含まれる1又は複数の通信経路のうち、優先度が相対的に低い通信経路の接続を切断する処理を行ってもよい。これにより、確立済の接続の数が、確立可能な接続の最大数から1を減算した数以下となるようにすることができる。優先度が相対的に低い通信経路の接続の切断は、通信管理部212が、指示部214を介して、切断する通信経路を構成する通信装置に指示する。
【0222】
図16を参照して説明すれば、通信管理部212は、例えば通信装置100について
・確立可能な接続の数(最大数)を「4」
・確立済の接続が「4」(通信装置100-7、100-5、100-6、100-8との間で確立済の接続の回路C07,C05,C06,C08)
であると特定する。このように特定すると、通信管理部212は、記憶部230の参照情報を参照して、各回線C07,C05,C06,C08の優先度を比較し、相対的に低い通信経路である回線を特定する。
図16では、回線C07が、優先度が相対的に低い通信経路であると特定される。
【0223】
続いて、通信管理部212は、指示部214を介して、回線C07を構成する通信装置100-0に、回線C07の接続を切断するよう指示する。
【0224】
この切断により、通信装置100-0は、
・確立可能な接続の数(最大数)を「4」
・確立済の接続の数が「3」
となり、確立可能であるものの確立していない接続が「1」発生する。この接続回線は、いわゆる空き回線を意味する。
【0225】
このように空き回線を発生させることで、
図16に示すように、メッシュ型ネットワークに対して新たに接続しようとする新規端末100-Aに対するスキャンビームの発信を、その空きの回線を使用して行う。
【0226】
これにより、各通信装置の確立済の接続回線に1以上の空きを設けるため、接続が途絶えた場合でも、空きの回線を新たに使用して接続を確保することができる。そのため、頑強なメッシュ型ネットワークを実現することができる。
【0227】
また、一例において、メッシュ型ネットワークに対して新規端末100-Aが接続しようとしており、新規端末100-Aが接続しようとする通信装置100の確立済の接続の数が、確立可能な接続の最大数である場合、通信管理部212が、メッシュ型ネットワークに含まれる1又は複数の通信装置100の確立可能な接続の最大数を増大させるように、さらなる新規端末(中継端末)を増設すべきであることをメッシュ型ネットワークの管理者等に通知してもよい。一例として、通信管理部212は、どの位置に中継端末を追加配置すればよいかをシミュレーションし、その結果を通知してもよい。
【0228】
これにより、各通信装置100がスキャンを実行し、確立可能な接続の最大数を増大させることができる。これにより、確立済の接続の数が、確立可能な接続の最大数から1を減算した数以下となるようにすることができる。
【0229】
通信管理部212が、例えば通信装置100-0について、
・確立可能な接続の数(最大数)を「3」
・確立済の接続の数が「3」
と管理している場合、通信装置100-0に再スキャンを指示し、その結果、通信装置100-0における確立可能であるものの確立していない接続回線が「1」となる。通信管理部212は、その「1」の接続を用いて、新たな通信装置100-Aとの接続を確立するよう、通信装置100-0に指示を行う。
【0230】
これにより、確立済の接続が、障害等により途絶えた場合でも再接続が可能となり、頑強なメッシュ型ネットワークを形成することができる。
【0231】
(制御装置の処理例5)
一例として、制御部210は、確立済の接続に含まれる1又は複数の接続が切断された場合に、当該切断された接続に関与する1又は複数の通信装置100に対して、当該接続の再確立を指示してもよい。
【0232】
図17は、制御装置200が制御するメッシュ型ネットワークに対して回線の切断が生じた状態の一例を説明するための図である。
【0233】
一例において、通信管理部212は、メッシュ型ネットワークを形成している各通信装置の、
・確立済の接続の数
を管理している。
【0234】
通信管理部212が、確立済の接続の数を管理していることにより、確立済の接続に含まれる1又は複数の接続が切断されたか否かも管理することができる。そこで、通信管理部212は、確立済の接続に含まれる1又は複数の接続が切断された場合には、切断された接続に関与する1又は複数の通信装置に対して、当該接続の再確立を指示する。通信装置への指示自体は、指示部214が行う。
【0235】
このように、通信管理部212は、切断された接続に関与する1又は複数の通信装置に対して、当該接続の再確立を指示する。そのため、通信管理部212は、各通信装置が必ず2つ以上の通信経路で接続可能なように、通信経路の管理を行う。
【0236】
一例として、通信管理部212は、通信装置100-6が、回路C13、C36の第1系統と、回路C12、C25、C05、C06の第2系統で接続しているように管理する。
【0237】
この状態において、通信管理部212が、回路C36が途切れたことを特定すると、第2系統を使用して、通信装置100-6に、スキャンビームS63の発信を指示し、回路C36の再接続を図る。通信装置100-6にスキャンビームS63の発信を指示する際、通信管理部212は、通信装置100-6に対して、通信装置100-3の端末座標情報を送出する。このように、通信装置の端末座標情報を指定することにより、接続が途絶えた場合であっても、再接続を可能とする。
【0238】
また、1つの接続のみが途切れた場合だけでなく、或る範囲にある複数の接続が途切れる場合もあり、その場合にも通信管理部212が、再接続の指示を行うことができる。
【0239】
図17では、回路C09,C89,C910,C011,C1011が切断したことを、通信管理部212が特定すると、通信管理部212は、関連情報を参照して、接続可能な通信経路を演算する。
【0240】
通信管理部212は、演算結果に基づいて、通信経路が確保されている通信装置(例えば通信装置100-0)に、指示部214を介して接続指示を送出する。
【0241】
接続指示を受けた通信装置100-0は、通信装置100-9にスキャンビームS09を発信し、接続を図る。通信管理部212は、各通信装置の端末座標を管理している。これにより、切断が生じた場合であっても、再接続を行う対象の通信装置に向けてスキャンビームを発信することができる。
【0242】
また、通信装置100-0から通信装置100-9にスキャンビームS09を発信している間に、通信装置100-0から通信装置100-11にもスキャンビームを発信してもよい。このように、一つの通信装置100から、同時に異なる方向にスキャンビームを発信して、再接続を行うことも可能である。
【0243】
通信装置100-9との再接続が可能となると、通信装置100-9から通信装置100-10に向けてスキャンビームを発信し、回路C910の再接続を行う。
【0244】
このように、本例示的実施形態の制御装置によれば、切断された接続に関与する1又は複数の通信装置に対して再接続を行うことができるため、頑強なメッシュ型ネットワークを実現することができる。
【0245】
(制御装置の処理例6)
一例として、制御部210は、メッシュ型ネットワークに含まれる1又は複数の通信装置から、当該通信装置に関連する関連情報を取得すると共に、当該関連情報とは異なる参照情報を取得し、関連情報と参照情報との相関を算出し、算出した相関を示す相関情報を蓄積してもよい。
【0246】
一例として、制御部210の取得部211が、関連情報を取得する。
【0247】
取得部211が取得する関連情報は、
・前記通信装置が関与する接続の回線品質、及び
・前記通信装置が関与する接続の断続回数
の少なくとも何れかを含んでよい。
【0248】
また、制御部210の取得部211が、関連情報とは異なる参照情報を取得する。
【0249】
取得部211が取得する参照情報は、
・気象情報
・外部の1又は複数のセンサ300が取得したセンサ情報
の少なくとも何れかを含んでよい。気象情報は、メッシュ型ネットワークとは異なる通信手段を介して、取得部211が取得する。センサ300は、一例として、環境をセンシングするフィールドセンサ一般を用いることができるが、例えば、日照量、気圧、温度等をセンシングするものであってもよい。センサ300は、メッシュ型ネットワークを介してセンサ情報を制御装置200に送出する。
【0250】
また、一例として、記憶管理部213が、関連情報と参照情報との相関を算出する。相関情報は、記憶管理部213が記憶部230に記憶させる。
【0251】
記憶管理部213が、関連情報と参照情報との相関を算出する方法は特に限定されない。例えば、記憶管理部213は、回帰分析、サポートベクターマシン、及び主成分分析等のアルゴリズムを用いて、関連情報と参照情報との相関を算出する構成とすることができる。
【0252】
通信管理部212は、取得部211が取得した参照情報と、記憶管理部213が蓄積した相関情報とを参照することにより、種々の関連情報を予測することができ、予測結果に基づいて、通信経路の更新(変更)を行うことができる。通信管理部212は、関連情報の時間的な定期性等を予測してもよい。
【0253】
例えば、通信管理部212は、
・各通信装置100が関与する接続の回線品質、及び
・各通信装置100が関与する接続の断続回数
の少なくとも何れかである関連情報と、参照情報との相関情報を参照して、当該関連情報を予測し、回線品質の悪化または断続回数の増大が予測される通信装置100または接続を含まないように、通信経路の更新(変更)を行ってもよい。その他、通信管理部212は、各通信装置10の負荷状況等の関連情報の予測結果に基づいて、通信経路の更新(変更)を行ってもよい。すなわち、通信管理部212は、特許請求の範囲における更新手段の一実現例である。
【0254】
一例として、通信管理部212が、相関情報を参照して、回線品質の低下又は回線の切断を予測する。
【0255】
一例として、通信管理部212は、例えば通信装置100-0について、相関情報を参照して、回線品質の低下又は回線の切断を予測する。一例として、予測した結果に基づいてリスク度(リスク度が高ければ、切断されるリスクが高いことを示す)を付与する。一例として、
図18では、通信装置100-0との間で確立している複数の回線C05,C06,C08に関し、例えば、太陽光の照射方向と通信媒体の方向とが平行であると通信が切断するリスクが高い。これに基づいてリスク度を構成した場合、通信装置100-0と通信装置100-6との間の回線C06が、リスク度が最も高いと予測される。次いで、通信装置100-0と通信装置100-8との間の回線C08が、リスク度が高く、通信装置100-0と通信装置100-5との間の回線C05が、リスク度が最も低いと予測される。通信管理部212は、この予測結果に基づいて、回路C05を使用する通信経路を優先させるよう、通信経路の更新(変更)を行う。
【0256】
また、本例示的実施形態は、一例として、通信管理部212が、予測結果を参照して、メッシュ型ネットワークに含まれる1又は複数の通信経路の更新を行い、メッシュ型ネットワークに含まれる1又は複数の通信装置の各々について、
・確立済の接続の数
を管理する。
【0257】
一例として、指示部214は、切断された接続に関与する1又は複数の通信装置に対して、当該接続の再確立を指示する。このとき、指示部214は、
・参照情報
・相関情報
・予測結果
の少なくとも何れかを参照して、当該接続の再確立を指示する。
【0258】
また、一例として、通信管理部212が、相関情報を参照して、切断した通信経路の再接続のタイミングを図る。タイミングは、スキャンビームを発信するタイミングである。
【0259】
(本処理例による効果)
本例示的実施形態の通信システムによれば、優先的に接続する通信経路を設定することから、通信の持続性を向上させることができ、頑強なメッシュ型ネットワークを実現することができる。
【0260】
〔ソフトウェアによる実現例〕
通信装置10、10-1~10-4、100、100-0~100-11、100-Aの一部又は全部の機能は、集積回路(ICチップ)等のハードウェアによって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0261】
後者の場合、通信装置10、10-1~10-4、100、100-0~100-8、100-Aは、例えば、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータによって実現される。このようなコンピュータの一例(以下、コンピュータCと記載する)を
図19に示す。コンピュータCは、少なくとも1つのプロセッサC1と、少なくとも1つのメモリC2と、を備えている。メモリC2には、コンピュータCを通信装置10、10-1~10-4、100、100-0~100-8、100-Aとして動作させるためのプログラムPが記録されている。コンピュータCにおいて、プロセッサC1は、プログラムPをメモリC2から読み取って実行することにより、通信装置10、10-1~10-4、100、100-0~100-8、100-Aの各機能が実現される。
【0262】
プロセッサC1としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit)、FPU(Floating point number Processing Unit)、PPU(Physics Processing Unit)、マイクロコントローラ、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。メモリC2としては、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。
【0263】
なお、コンピュータCは、プログラムPを実行時に展開したり、各種データを一時的に記憶したりするためのRAM(Random Access Memory)を更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、他の装置との間でデータを送受信するための通信インタフェースを更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、キーボードやマウス、ディスプレイやプリンタなどの入出力機器を接続するための入出力インタフェースを更に備えていてもよい。
【0264】
また、プログラムPは、コンピュータCが読み取り可能な、一時的でない有形の記録媒体Mに記録することができる。このような記録媒体Mとしては、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、又はプログラマブルな論理回路などを用いることができる。コンピュータCは、このような記録媒体Mを介してプログラムPを取得することができる。また、プログラムPは、伝送媒体を介して伝送することができる。このような伝送媒体としては、例えば、通信ネットワーク、又は放送波などを用いることができる。コンピュータCは、このような伝送媒体を介してプログラムPを取得することもできる。
【0265】
〔付記事項1〕
本発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述した実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0266】
〔付記事項2〕
上述した実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載され得る。ただし、本発明は、以下の記載する態様に限定されるものではない。
【0267】
(付記1)
メッシュ型ネットワークを構成可能な複数の通信装置と、当該複数の通信装置に関する制御を行う制御装置とを含み、
前記複数の通信装置各々は、
有指向性の通信媒体を送受信可能に構成されている1又は複数の通信手段と、
前記1又は複数の通信手段を用いたスキャンを実行することにより、1又は複数の接続相手候補を特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した1又は複数の接続相手候補との間で接続を確立する接続確立手段と
を含み、
前記制御装置は、
前記複数の通信装置に関する制御を行う制御手段
を備え、
前記制御手段は、
前記メッシュ型ネットワークに含まれる1又は複数の通信装置の各々について、
確立済の接続の数
を管理する管理手段と、
前記確立済の接続に含まれる1又は複数の接続が切断された場合に、当該切断された接続に関与する1又は複数の通信装置に対して、当該接続の再確立を指示する指示手段と
を備える、通信システム。
【0268】
前記の構成によれば、有指向性の通信媒体を用いた頑強な通信ネットワークを実現することができる。
【0269】
(付記2)
前記確立済の接続に含まれる複数の接続が切断された場合に、
前記指示手段は、
前記メッシュ型ネットワークに含まれる複数の通信装置の各々についての関連情報を参照して、接続可能経路を算出し、切断された複数の接続に関与する1又は複数の通信装置に対して接続を指示する、付記1に記載の通信システム。
【0270】
前記の構成によれば、通信装置に関連する関連情報を参照して、制御手段が通信ネットワークを制御することができる。
【0271】
(付記3)
前記指示手段は、前記切断された接続に関与する1又は複数の通信装置の各々に対して、
当該通信装置が関与する接続の数が複数となるように指示する、付記1又は2に記載の通信システム。
【0272】
前記の構成によれば、切断や通信不良が生じる通信回線を用いることなく、良好な接続を実現できる通信回線を使用して通信装置間の接続を実現することができ、ネットワークの安定性を向上させることができる。
【0273】
(付記4)
メッシュ型ネットワークを構成可能な複数の通信装置に関する制御を行う制御手段を備え、
前記複数の通信装置各々は、
有指向性の通信媒体を送受信可能に構成されている1又は複数の通信手段と、
前記1又は複数の通信手段を用いたスキャンを実行することにより、1又は複数の接続相手候補を特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した1又は複数の接続相手候補との間で接続を確立する接続確立手段と
を含み、
前記制御手段は、
前記メッシュ型ネットワークに含まれる1又は複数の通信装置の各々について、
確立済の接続の数
を管理する管理手段と、
前記確立済の接続に含まれる1又は複数の接続が切断された場合に、当該切断された接続に関与する1又は複数の通信装置に対して、当該接続の再確立を指示する指示手段と
を備える、制御装置。
【0274】
前記の構成によれば、有指向性の通信媒体を用いた頑強な通信ネットワークを実現することができる。
【0275】
(付記5)
メッシュ型ネットワークを構成可能な複数の通信装置と、当該複数の通信装置に関する制御を行う制御装置とを含む通信システムの制御方法であって、
前記複数の通信装置各々が、有指向性の通信媒体を送受信可能に構成されている1又は複数の通信手段を用いたスキャンを実行することにより、1又は複数の接続相手候補を特定すること、および、特定した1又は複数の接続相手候補との間で接続を確立すること、ならびに
前記制御装置が、前記複数の通信装置に関する制御を行うこと
を含み、
前記制御装置が、前記複数の通信装置に関する制御を行うことは、
前記制御装置が、前記メッシュ型ネットワークに含まれる1又は複数の通信装置の各々について、確立済の接続の数を管理すること、および、前記確立済の接続に含まれる1又は複数の接続が切断された場合に、当該切断された接続に関与する1又は複数の通信装置に対して、当該接続の再確立を指示すること
を含む、通信システムの制御方法。
【0276】
前記の構成によれば、有指向性の通信媒体を用いた頑強な通信ネットワークを実現することができる。
【0277】
〔付記事項3〕
この出願は、2021年3月31日に出願された日本出願特許2021-061076を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに盛り込む。
【符号の説明】
【0278】
1 通信システム
10、10-1~10-4 通信装置
11 通信部(通信手段)
12 特定部(特定手段)
13 接続確立部(接続確立手段)
20 制御装置
21 制御部(制御手段)
22 管理部(管理手段)
23 指示部(指示手段)
100-0~100-11、100-A 通信装置
131 取得部
132 通信管理部(特定手段、接続確立手段)
133 記憶管理部
150 記憶部
110-1、110-2 第1の通信部(通信手段)
120 第2の通信部
200 制御装置
210 制御部(制御手段)
211 取得部(取得手段、関連情報取得手段、接続要求取得手段、リクエスト取得手段)
212 通信管理部(管理手段)
213 記憶管理部(記憶手段)
214 指示部(指示手段)
230 記憶部