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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】サーバ装置
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/04 20060101AFI20241203BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20241203BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
H04M11/04
G08B25/00 510M
G08B25/10 B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023523960
(86)(22)【出願日】2022-01-12
(86)【国際出願番号】 JP2022000733
(87)【国際公開番号】W WO2022249530
(87)【国際公開日】2022-12-01
【審査請求日】2023-11-02
(31)【優先権主張番号】P 2021089353
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100088959
【弁理士】
【氏名又は名称】境 廣巳
(74)【代理人】
【識別番号】100097157
【弁理士】
【氏名又は名称】桂木 雄二
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】田中 雅弥
【審査官】永田 義仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-037813(JP,A)
【文献】特開2005-057343(JP,A)
【文献】特開2020-202000(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B23/00-31/00
H04M3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通報装置からの通報の受理に応じて、通報対象となる事象が生じた現場の状況を示す情報を送信するよう前記通報装置に対して促す指示部と、
前記通報装置を操作する通報者の補助を行うための補助情報を前記通報装置に対して送信する補助情報送信部と、
前記通報装置から現場の状況を示す情報を取得する取得部と、
を有し、
前記取得部は、現場の状況を示す情報として画像データを取得し、
前記補助情報送信部は、画像データを取得する際の補助を行うための補助情報を前記通報装置に対して送信し、
さらに、前記補助情報送信部は、前記通報装置が画像データを要請に応じて取得中である旨を出力するよう指示する撮影状況説明情報を前記通報装置に対して送信する、
サーバ装置。
【請求項2】
請求項に記載のサーバ装置であって、
前記補助情報送信部は、撮影して欲しい方向を示す情報を出力するよう指示する撮影方向指示情報を前記通報装置に対して送信する
サーバ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のサーバ装置であって、
前記取得部は、現場の状況を示す情報として、現場の気象を示す現場気象情報と、現場に生じた事象の状況を示す事象状況情報と、のうちの少なくとも1つを取得する
サーバ装置。
【請求項4】
請求項1に記載のサーバ装置であって、
前記取得部は、現場の状況を示す情報として通報者の主観に応じた定性的な情報を取得する
サーバ装置。
【請求項5】
請求項1に記載のサーバ装置であって、
前記取得部は、現場の状況を示す情報として画像データを取得するとともに、取得した画像データに基づいて、現場の気象を示す現場気象情報と、現場に生じた事象の状況を示す事象状況情報と、のうちの少なくとも1つを取得する
サーバ装置。
【請求項6】
請求項1に記載のサーバ装置であって、
現場の状況を示す情報に基づく所定の判断を行って、判断の結果を出力する出力部を有する
サーバ装置。
【請求項7】
情報処理装置が、
通報装置からの通報の受理に応じて、通報対象となる事象が生じた現場の状況を示す情報を送信するよう前記通報装置に対して促し、
前記通報装置を操作する通報者の補助を行うための補助情報として、画像データを取得する際の補助を行うための補助情報を前記通報装置に対して送信する際に、前記通報装置が画像データを要請に応じて取得中である旨を出力するよう指示する撮影状況説明情報を前記通報装置に対して送信し、
前記通報装置から現場の状況を示す情報として画像データを取得する、
支援方法。
【請求項8】
情報処理装置に、
通報装置からの通報の受理に応じて、通報対象となる事象が生じた現場の状況を示す情報を送信するよう前記通報装置に対して促し、
前記通報装置を操作する通報者の補助を行うための補助情報として、画像データを取得する際の補助を行うための補助情報を前記通報装置に対して送信する際に、前記通報装置が画像データを要請に応じて取得中である旨を出力するよう指示する撮影状況説明情報を前記通報装置に対して送信し、
前記通報装置から現場の状況を示す情報として画像データを取得する、
処理を実現するためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置、支援方法、記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
警察や消防などにおいて緊急通報を受ける際に用いられる技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、電話端末から緊急通報を受信する緊急通報発生場所映像取得システムが記載されている。特許文献1によると、システムは、電話端末からの緊急通報の受理に応じて、電話端末の位置情報を取得する。また、システムは、取得した位置情報に基づいて、発信位置を撮影可能な監視カメラを特定する。そして、システムは、特定した監視カメラが撮影した画像データを取得する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-64784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されているような技術の場合、発信位置を撮影可能な監視カメラが存在しない場合などにおいて画像データを取得できないことになる。また、監視カメラの位置が遠いことなどにより必ずしも適切な画像データを取得できないおそれもある。
【0006】
このような問題に対しては、緊急通報を行った電話端末から画像データを取得することで解決することが出来る。しかしながら、電話端末の所持者が不慣れであるなどの理由により、必ずしも適切な画像データを取得できないおそれがあった。このように、緊急通報を行う際などにおいて通報者から何らかの情報を取得しようとする場合に、適切に画像データなどの情報を取得することが難しいおそれがある、という課題が生じていた。
【0007】
そこで、本発明の目的は、緊急通報を行う際などにおいて適切に情報を取得することが難しいおそれがある、という課題を解決するサーバ装置、支援方法、記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するため本開示の一形態であるサーバ装置は、
通報装置からの通報の受理に応じて、通報対象となる事象が生じた現場の状況を示す情報を送信するよう前記通報装置に対して促す指示部と、
前記通報装置を操作する通報者の補助を行うための補助情報を前記通報装置に対して送信する補助情報送信部と、
前記通報装置から現場の状況を示す情報を取得する取得部と、
を有する
という構成をとる。
【0009】
また、本開示の他の形態である支援方法は、
情報処理装置が、
通報装置からの通報の受理に応じて、通報対象となる事象が生じた現場の状況を示す情報を送信するよう前記通報装置に対して促し、
前記通報装置を操作する通報者の補助を行うための補助情報を前記通報装置に対して送信し、
前記通報装置から現場の状況を示す情報を取得する
という構成をとる。
【0010】
また、本開示の他の形態である記録媒体は、
情報処理装置に、
通報装置からの通報の受理に応じて、通報対象となる事象が生じた現場の状況を示す情報を送信するよう前記通報装置に対して促し、
前記通報装置を操作する通報者の補助を行うための補助情報を前記通報装置に対して送信し、
前記通報装置から現場の状況を示す情報を取得する
処理を実現するためのプログラムを記録した、コンピュータが読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0011】
上述したような各構成によると、緊急通報を行う際などにおいて適切に情報を取得することを可能とするサーバ装置、支援方法、記録媒体を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の第1の実施形態における通報システムの構成例を示す図である。
図2】サーバ装置の構成例を示すブロック図である。
図3】現場状況情報の一例を示す図である。
図4】現場状況情報として取得する情報の一例を示す図である。
図5】サーバ装置の動作例を示すフローチャートである。
図6】サーバ装置の他の構成例を示す図である。
図7】サーバ装置の他の構成例を示す図である。
図8】サーバ装置からの指示に応じた出力例を示す図である。
図9】本開示の第2の実施形態におけるサーバ装置のハードウェア構成例を示す図である。
図10】サーバ装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1の実施形態]
本開示の第1の実施形態について、図1から図8までを参照して説明する。図1は、通報システム100の構成例を示す図である。図2は、サーバ装置200の構成例を示すブロック図である。図3は、現場状況情報223の一例を示す図である。図4は、現場状況情報223として取得する情報の一例を示す図である。図5は、サーバ装置200の動作例を示すフローチャートである。図6図7は、サーバ装置200の他の構成例を示す図である。図8は、サーバ装置200からの指示に応じた出力例を示す図である。
【0014】
本開示の第1の実施形態においては、端末装置300から緊急通報などの通報を受理する通報システム100について説明する。後述するように、サーバ装置200は、通報を受理すると、通報した端末装置300の電話番号や位置情報などを取得する。そして、サーバ装置200は、取得した電話番号や位置情報などを利用して、通報を行った現場周辺の状況を示す情報を端末装置300などから取得する。また、サーバ装置200は、端末装置300に対して、現場の状況を示す情報を取得する際の補助を行うための補助情報を送信することが出来る。
【0015】
図1は、通報システム100の構成例を示している。図1を参照すると、通報システム100は、例えば、サーバ装置200と、通報装置である端末装置300と、を有している。図1で示すように、サーバ装置200と端末装置300とは、有線や無線通信などを介して、互いに通信可能なよう接続することが出来る。
【0016】
サーバ装置200は、通報を受理するとともに、端末装置300から現場の状況を示す情報を取得する情報処理装置である。例えば、サーバ装置200は、消防署の指令センタなど所定箇所に設置されている。サーバ装置200は、クラウド上などに実現されてもよい。
【0017】
図2は、サーバ装置200の構成例を示している。図2を参照すると、サーバ装置200は、主な構成要素として、例えば、通信I/F部210と、記憶部220と、演算処理部230と、を有している。
【0018】
通信I/F部210は、データ通信回路からなる。通信I/F部210は、ネットワークおよび通信回線を介して接続された端末装置300などとの間でデータ通信を行う。通信I/F部210は、気象情報を有する装置や地図情報を格納した装置などの外部装置との間でデータ通信を行ってもよい。なお、地図情報には、建物の種類、玄関や窓の位置などの建物形状情報などが含まれてもよい。
【0019】
記憶部220は、ハードディスクやメモリなどの記憶装置である。記憶部220は、演算処理部230における各種処理に必要な処理情報やプログラム224を記憶する。プログラム224は、演算処理部230に読み込まれて実行されることにより各種処理部を実現する。プログラム224は、通信I/F部210などのデータ入出力機能を介して外部装置や記録媒体から予め読み込まれ、記憶部220に保存されている。記憶部220で記憶される主な情報としては、例えば、番号情報221、位置情報222、現場状況情報223などがある。なお、番号情報221、位置情報222、現場状況情報223のうちの少なくとも一部は、通報があった旨を示す情報や、通報に応じた手配結果を示す情報などと対応付けられていてもよい。
【0020】
番号情報221は、通報を行った端末装置300の電話番号を示す情報である。例えば、番号情報221は、通報ごとに、通報を行った端末装置300の電話番号を示す情報を示している。番号情報221は、通報受理部231による通報の受理に応じて番号取得部232が電話番号を示す情報を取得した際などに更新される。
【0021】
位置情報222は、火災や事件など事象が生じた現場の位置を示す情報である。例えば、位置情報222は、通報ごとに、通報を行った端末装置300の位置を示す情報を示している。ここで、位置を示す情報は、例えば、GPS測位情報や基地局情報などである。位置を示す情報は、通報者から聞き取った住所などを示す情報を含んでもよい。位置情報222は、通報受理部231による通報の受理に応じて位置情報取得部233が位置を示す情報を取得した際などに更新される。
【0022】
現場状況情報223は、通報の原因となった火災や事件などの事象が生じた現場の状況を示す情報である。後述するように、現場状況情報223は、現場状況情報取得部235が通報を行った端末装置300などから現場の状況を示す情報を取得した際などに更新される。
【0023】
図3は、現場状況情報223の一例を示している。図3で示すように、現場状況情報223には、現場の気象を示す情報である現場気象情報や現場に生じた事象の状況を示す事象状況情報などのうちの少なくとも1つが含まれている。ここで、現場気象情報には、気温を示す気温情報、湿度を示す湿度情報、風向きを示す風向情報、風速を示す風速情報などが含まれうる。また、事象状況情報には、現場で生じている音の有無や大きさ・種類などを示す音情報、煙の有無や色などを示す煙情報、火事の勢いなど事象の勢いを示す勢い情報、負傷者の有無や人数などを示す負傷者情報、一般住宅、商用ビル、車、分からないなど事象が生じた対象を示す対象情報などが含まれうる。現場状況情報223には、上記例示した以外の現場の状況を示す情報が含まれてもよい。
【0024】
なお、後述するように、現場状況情報223には、定量的な情報の他に、または、代わりに、定性的な情報が含まれてもよい。換言すると、現場状況情報223には、端末装置300が有するセンサなどを利用して取得した数値の情報が含まれてもよいし、端末装置300を有する通報者などが入力した通報者の主観や感覚に応じた情報が含まれてもよい。
【0025】
演算処理部230は、CPUなどの演算装置とその周辺回路を有する。演算処理部230は、記憶部220からプログラム224を読み込んで実行することにより、上記ハードウェアとプログラム224とを協働させて各種処理部を実現する。演算処理部230で実現される主な処理部としては、例えば、通報受理部231、番号取得部232、位置情報取得部233、現場状況情報取得指示部234、現場状況情報取得部235、出力部236などがある。
【0026】
通報受理部231は、端末装置300から通報を受理する。通報受理部231の構成は、既知のものであってよい。
【0027】
番号取得部232は、通報を行った端末装置300の電話番号を示す情報を取得する。例えば、番号取得部232は、通報受理部231が通報を受理した際に、既知の方法を利用して電話番号を示す情報を取得する。また、番号取得部232は、取得した電話番号を示す情報を番号情報221として記憶部220に格納する。
【0028】
位置情報取得部233は、火災や事件などの事象が生じた現場の位置を示す情報を取得する。例えば、位置情報取得部233は、火災や事件などの事象が生じた現場の位置を示す情報として、端末装置300の位置を示す情報を取得する。ここで、位置情報取得部233は、通報とともにGPS測位情報の通知を受ける、通報時の基地局住所を示す情報を取得するなど、既知の仕組みを利用して端末装置300の位置を示す情報を取得してよい。なお、位置情報取得部233は、例えば、通報者から聞き取った住所などを消防職員が入力するなど、上記例示した以外の方法により位置を示す情報を取得してもよい。また、位置情報取得部233は、取得した位置を示す情報を位置情報222として記憶部220に格納する。
【0029】
現場状況情報取得指示部234は、現場の状況を示す情報を送信するよう、通報者が有する端末装置300に対して促す。例えば、現場状況情報取得指示部234は、通報受理部231が通報を受理すると、番号取得部232が取得した電話番号を利用して、SMS(Short Message Service)などを用いて現場の状況を示す情報を送信するよう端末装置300に促す。具体的には、例えば、現場状況情報取得指示部234は、SMSなどを用いて、情報入力用のURL(Uniform Resource Locator)などを端末装置300に対して送信することで、情報の入力を促す。一例として、現場状況情報取得指示部234は、図4で例示するような選択肢を端末装置300に表示させることで、情報の入力を促すことが出来る。例えば、現場状況情報取得指示部234は、気温や湿度などの所定の項目ごとに、「とても低い」「低い」「ちょうどよい」「高い」「とても高い」などの対応する選択肢を端末装置300に表示させることで、情報の入力を促すことが出来る。現場状況情報取得指示部234は、通報者からの許可を取ったうえで、消防職員などからの入力に応じて、上記処理を行うよう構成してもよい。
【0030】
なお、現場状況情報取得指示部234は、上述した処理とともに、または、代わりに、現場の状況を示す情報を取得するための所定の動作を行う旨の指示を端末装置300に対して送信してもよい。例えば、風が吹いている方向に端末装置300を向けて確定ボタンを押すことなどにより風向を示す情報を取得することが出来る。そこで、現場状況情報取得指示部234は、「風が吹いている方向にスマートフォンを向けて確定ボタンを押してください」などの動作指示を端末装置300に対して送信することで、情報の入力を促してもよい。また、現場状況情報取得指示部234は、SMSなどを利用する代わりに、または、SMSなどとともに、位置情報取得部233が取得した位置を示す情報に基づいて特定される端末装置300に対して、情報の入力を促すよう構成してもよい。例えば、現場状況情報取得指示部234は、現場の位置から所定範囲内に存在する端末装置300に対して、情報の入力を促すよう構成してもよい。
【0031】
また、現場状況情報取得指示部234は、位置情報取得部233が取得した位置を示す情報に基づいて現場付近に存在する監視カメラや各種センサなどを特定して、特定した監視カメラや各種センサに対して現場の状況を示す情報を送信するよう指示してもよい。このように、現場状況情報取得指示部234は、端末装置300の代わりに、または、端末装置300とともに、現場付近に存在するセンサなどに対して情報の送信を行うよう構成してもよい。
【0032】
現場状況情報取得部235は、端末装置300などから現場の状況を示す情報を取得する。例えば、現場状況情報取得部235は、端末装置300に対して現場状況情報取得指示部234による誘導に応じた入力を行うことなどに応じて、端末装置300から情報を取得する。また、現場状況情報取得部235は、現場付近に存在するセンサなどから情報を取得してもよい。また、現場状況情報取得部235は、確定ボタンの押下など所定の操作に応じて、風向などの対応する情報を取得してもよい。そして、現場状況情報取得部235は、取得した情報を現場状況情報223として記憶部220に格納する。
【0033】
例えば、現場状況情報取得部235は、端末装置300などが有するセンサや観測用アプリなどが取得した定量的な情報を現場の状況を示す情報として取得する。上述したように、現場状況情報取得部235が取得する情報には、現場気象情報や事象状況情報などが含まれうる。
【0034】
また、図4で示すように、現場状況情報取得部235は、端末装置300を有する通報者などの主観や感覚に応じた定性的な情報を、定量的な情報の代わりに、または、定量的な情報とともに、取得してもよい。例えば、図4を参照すると、現場状況情報取得部235は、気温、湿度、風向、風速についての定性的な情報を取得することが出来る。また、現場状況情報取得部235は、音の有無や音量、煙の有無や煙の色、火災などの勢いについての情報、負傷者の有無、事象が生じている対象についての情報などを取得することが出来る。
【0035】
出力部236は、サーバ装置200と接続された画面表示装置や指令センタ内に設置された指示端末などの外部装置に対して、現場状況情報取得部235が取得した情報や現場状況情報取得部235による取得結果に応じた情報などを出力する。
【0036】
例えば、出力部236は、記憶部220に格納された現場状況情報223などを出力する。また、出力部236は、現場状況情報223などに基づく所定の判断を行って、判断の結果を出力してもよい。例えば、出力部236は、現場状況情報223に基づいて、出動する車両の量や種類など通報に対応する際に活用可能な情報を判断して出力してもよい。例えば、出力部236は、風の強さ、煙の色や量などに基づいて化学車や照明車の有無(必要になる可能性など)を判断したり、救急車両の台数などを判断したりしてもよい。また、出力部236は、現場状況情報223と、外部から取得した気象情報や地図情報などを組み合わせて出力してもよい。例えば、出力部236は、外部から取得した気象情報や現場気象情報に含まれる風の強さなどから延焼可能性のある範囲を判断してもよい。また、出力部236は、現場状況情報223と、建物形状情報などとを組み合わせて、出力してもよい。出力部236は、現場状況情報223と建物形状情報とに基づいて、侵入経路などを判断して判断した結果を出力してもよい。
【0037】
以上が、サーバ装置200の構成例である。
【0038】
端末装置300は、通報を行う情報処理装置である。例えば、端末装置300は、スマートフォンなどの一般的な携帯型端末であってよい。端末装置300は、通報を行う通報者が有しており、通報者により操作される。
【0039】
例えば、端末装置300は、通報者の操作に応じて通報を行う。端末装置300は、通報を行う際、GPS機能などにより取得したGPS測位情報をサーバ装置200に対して送信することが出来る。また、端末装置300は、現場状況情報取得指示部234からの情報に応じて通報者が現場の状況を示す情報を入力すると、入力された情報をサーバ装置200に対して送信する。端末装置300は、自装置が有するセンサや自装置が有する観測用アプリなどを利用して気温や湿度などの現場の状況を示す情報を取得して、取得した情報をサーバ装置200に対して送信してもよい。
【0040】
以上が、端末装置300の構成例である。続いて、図5を参照して端末装置300の動作例について説明する。
【0041】
図5を参照すると、端末装置300の通報受理部231は、通報を受理する(ステップS101)。
【0042】
現場状況情報取得指示部234は、現場の状況を示す情報を送信するよう、通報者が有する端末装置300に対して促す。また、現場状況情報取得部235は、端末装置300などから現場の状況を示す情報を取得する(ステップS102)。例えば、現場状況情報取得部235は、端末装置300が現場状況情報取得指示部234による誘導に応じた入力を行うことなどに応じて、端末装置300から情報を取得する。
【0043】
出力部236は、サーバ装置200と接続された画面表示装置や指令センタ内に設置された指示端末などの外部装置に対して、現場状況情報取得部235が取得した情報や現場状況情報取得部235による取得結果に応じた情報などを出力する(ステップS103)。出力部236は、現場状況情報223などに基づいて所定の判断を行って、判断の結果を出力してもよい。
【0044】
以上が、サーバ装置200の動作例である。
【0045】
このように、サーバ装置200は、現場状況情報取得部235を有している。このような構成によると、サーバ装置200は、通報の受理に応じて、現場の状況を示す情報を取得することが出来る。その結果、より現場の状況に応じた判断を行うことが出来る。
【0046】
例えば、気象観測装置や高所カメラなどは消防署や市役所などの建物ごとに設置されており、火災などの事象が生じた現場周辺の環境とは異なることがある。本発明を用いると、事象が生じた現場周辺のより正確な情報を取得することが期待できる。その結果、効率的な救助活動などを行うためのより的確な判断などを行うことが出来る。
【0047】
一例として、本発明により取得した現場の状況を示す情報は、例えば緊急車両を選別する際や台数などを選択する際の参考にすることが出来る。例えば、本発明により取得した現場の状況を示す情報のうち、風の強さ、煙の色や量などは、化学車や照明車の有無(必要になる可能性など)を判断したり、救急車両の台数などを判断したりする際の参考にすることが出来る。また、サーバ装置200と接続されたVRゴーグルや指令センタが有する大型ディスプレイなどの画面表示装置に現場の状況を示す情報や気象情報、地図情報などの組み合わせを表示することで、指令員もしくは現場の隊員が、延焼中の建物と延焼前の建物とを容易に照らし合わせることを可能とするなど、現場における作業などを的確に補助することが出来る。
【0048】
なお、上述したように、現場状況情報取得指示部234は、現場の位置から所定範囲内に存在する端末装置300に対して、情報の入力を促すよう構成してもよい。このように構成する場合、現場状況情報取得部235は、複数の端末装置300から現場の状況を示す情報を取得することが想定される。上記想定に対応するため、サーバ装置200の演算処理部230は、図6で示すように、図2で例示した構成に加えて集約部237を有してもよい。
【0049】
集約部237は、複数の端末装置300から取得した現場の状況を示す情報を集約する。例えば、集約部237は、複数の端末装置300から取得した現場の状況を示す情報を平均する。そして、平均した結果を現場状況情報223として記憶部220に格納する。なお、集約部237は、最も多数の情報を採用するなど、上記例示した以外の方法で情報の集約を行ってもよい。このように集約部237が情報の集約を行うことで、定性的な情報であっても精度を向上させることが出来る。
【0050】
また、サーバ装置200の現場状況情報取得部235は、定量的または定性的な情報に加えて、または、その代わりに、現場の状況を示す画像データを取得するよう構成してもよい。例えば、図7を参照すると、サーバ装置200の記憶部220は、現場の状況を示す画像データを格納する現場画像情報225を有してもよい。
【0051】
また、図7で示すように、サーバ装置200の演算処理部230は、図2または図6で例示した構成に加えて、補助情報送信部238を有してもよい。
【0052】
補助情報送信部238は、通報受理部231による通報の受理に応じて、現場の状況を示す情報を取得する際に通報者の補助を行うための補助情報を端末装置300に対して指示する。例えば、補助情報送信部238は、現場の状況を示す情報として画像データを取得する際に通報者の補助を行うための補助情報を端末装置300に対して指示することが出来る。
【0053】
例えば、補助情報送信部238は、消防職員からの指示などに応じて、撮影して欲しい方向を示す矢印などのマークを画面表示部上に表示する旨を指示する撮影方向指示情報を端末装置300に対して送信する。この指示に応じて、端末装置300は、図8で示すように、矢印などの撮影方向を画面表示することが出来る。なお、撮影方向指示情報は、音声による方向指示を行う情報であってもよい。また、補助情報送信部238は、要請に応じて画像データを取得中である旨を音声または表示により出力するよう指示する撮影状況説明情報を端末装置300に対して送信してもよい。この指示に応じて、端末装置300は、図8で示すように、要請に応じて撮影中である旨を出力することが出来る。例えば、端末装置300の所持者に画像データの取得をさせると、興味本位などで画像データを取得していると周囲に誤解させるおそれがある。上記のような撮影状況説明情報を補助情報として送信することで、周囲を誤解させることなくより適切な状況下で画像データなどの現場の状況を示す情報を取得することが出来る。なお、補助情報送信部238は、上記例示した以外の補助情報を端末装置300に対して送信してもよい。例えば、補助情報送信部238は、端末装置300において火災発生中の建物など撮影目的箇所が画面表示された場合にOKマークなど適切である旨を示す表示を行うための補助情報を端末装置300に対して送信してもよい。
【0054】
このように、補助情報送信部238を有することで、撮影方向指示情報や撮影状況説明情報などの補助情報を端末装置300に対して送信することが出来る。その結果、端末装置300において、補助情報を出力することが出来る。これにより、緊急通報を行う際などにおいて適切に画像データを取得することが出来る。なお、補助情報送信部238は、要請により定性的なデータを入力中である旨を出力するよう指示する補助情報を送信するなど、画像データ以外の現場の状況を示す情報を取得する際に通報者の補助を行うための補助情報を端末装置300に対して指示してもよい。
【0055】
また、サーバ装置200が画像データを取得する場合、サーバ装置200の現場状況情報取得部235は、取得した画像データに対して所定の画像処理を行うことで、風向や風速などの現場気象情報や、煙情報、勢い情報、負傷者情報、対象情報などの事象状況情報などを画像データから取得するよう構成してもよい。サーバ装置200は、テンプレートマッチングや事前に学習したモデルを用いるなど、既知の画像処理手段を用いて、上記処理を実現してよい。このように、現場状況情報取得部235は、画像データに基づいて現場状況情報を取得するよう構成してもよい。
【0056】
[第2の実施形態]
次に、図9図10を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。本発明の第2の実施形態では、情報処理装置であるサーバ装置400の構成の概要について説明する。
【0057】
図9は、サーバ装置400のハードウェア構成例を示している。図9を参照すると、サーバ装置400は、一例として、以下のようなハードウェア構成を有している。
・CPU(Central Processing Unit)401(演算装置)
・ROM(Read Only Memory)402(記憶装置)
・RAM(Random Access Memory)403(記憶装置)
・RAM403にロードされるプログラム群404
・プログラム群404を格納する記憶装置405
・情報処理装置外部の記録媒体410の読み書きを行うドライブ装置406
・情報処理装置外部の通信ネットワーク411と接続する通信インタフェース407
・データの入出力を行う入出力インタフェース408
・各構成要素を接続するバス409
【0058】
また、サーバ装置400は、プログラム群404をCPU401が取得して当該CPU401が実行することで、図10に示す指示部421、補助情報送信部422、取得部423としての機能を実現することが出来る。なお、プログラム群404は、例えば、予め記憶装置405やROM402に格納されており、必要に応じてCPU401がRAM403などにロードして実行する。また、プログラム群404は、通信ネットワーク411を介してCPU401に供給されてもよいし、予め記録媒体410に格納されており、ドライブ装置406が該プログラムを読み出してCPU401に供給してもよい。
【0059】
なお、図9は、サーバ装置400のハードウェア構成例を示している。サーバ装置400のハードウェア構成は上述した場合に限定されない。例えば、サーバ装置400は、ドライブ装置406を有さないなど、上述した構成の一部から構成されてもよい。
【0060】
指示部421は、通報装置からの通報の受理に応じて、通報対象となる事象が生じた現場の状況を示す情報を送信するよう通報装置に対して促す。
【0061】
補助情報送信部422は、通報装置を操作する通報者の補助を行うための補助情報を通報装置に対して送信する。例えば、補助情報送信部422は、補助者が現場の状況を示す情報を取得・入力する際や送信する際の補助を行うための補助情報を通報装置に対して送信する。
【0062】
取得部423は、通報装置から現場の状況を示す情報を取得する。
【0063】
このように、サーバ装置400は、補助情報送信部422を有している。このような構成によると、補助情報送信部422は、通報装置を操作する通報者の補助を行うための補助情報を通報装置に対して送信することが出来る。その結果、通報装置を有する通報者は、補助情報による補助を受けながら、現場の状況を示す情報を取得・入力したり送信したりすることが出来る。これにより、緊急通報を行う際などにおいて適切に情報を取得することが出来る。
【0064】
なお、上述したサーバ装置400などの情報処理装置は、当該情報処理装置に所定のプログラムが組み込まれることで実現できる。具体的に、本発明の他の形態であるプログラムは、サーバ装置400などの情報処理装置に、通報装置からの通報の受理に応じて、通報対象となる事象が生じた現場の状況を示す情報を送信するよう通報装置に対して促し、通報装置を操作する通報者の補助を行うための補助情報を通報装置に対して送信し、通報装置から現場の状況を示す情報を取得する処理を実現するためのプログラムである。
【0065】
また、上述した情報処理装置により実行される点検方法は、情報処理装置に、通報装置からの通報の受理に応じて、通報対象となる事象が生じた現場の状況を示す情報を送信するよう通報装置に対して促し、通報装置を操作する通報者の補助を行うための補助情報を通報装置に対して送信し、通報装置から現場の状況を示す情報を取得する、というものである。
【0066】
上述した構成を有する、プログラム(又は記録媒体)、又は、支援方法、の発明であっても、上記場合と同様の作用・効果を有するために、上述した本発明の目的を達成することが出来る。
【0067】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本発明におけるサーバ装置などの概略を説明する。但し、本発明は、以下の構成に限定されない。
【0068】
(付記1)
通報装置からの通報の受理に応じて、通報対象となる事象が生じた現場の状況を示す情報を送信するよう前記通報装置に対して促す指示部と、
前記通報装置を操作する通報者の補助を行うための補助情報を前記通報装置に対して送信する補助情報送信部と、
前記通報装置から現場の状況を示す情報を取得する取得部と、
を有する
サーバ装置。
(付記2)
付記1に記載のサーバ装置であって、
前記取得部は、現場の状況を示す情報として画像データを取得し、
前記補助情報送信部は、画像データを取得する際の補助を行うための補助情報を前記通報装置に対して送信する
サーバ装置。
(付記3)
付記2に記載のサーバ装置であって、
前記補助情報送信部は、撮影して欲しい方向を示す情報を出力するよう指示する撮影方向指示情報を前記通報装置に対して送信する
サーバ装置。
(付記4)
付記2または付記3に記載のサーバ装置であって、
前記補助情報送信部は、要請に応じて画像データを取得中である旨を出力するよう指示する撮影状況説明情報を前記通報装置に対して送信する
サーバ装置。
(付記5)
付記1から付記4までのうちのいずれか1項に記載のサーバ装置であって、
前記取得部は、現場の状況を示す情報として、現場の気象を示す現場気象情報と、現場に生じた事象の状況を示す事象状況情報と、のうちの少なくとも1つを取得する
サーバ装置。
(付記6)
付記1から付記5までのうちのいずれか1項に記載のサーバ装置であって、
前記取得部は、現場の状況を示す情報として通報者の主観に応じた定性的な情報を取得する
サーバ装置。
(付記7)
付記1から付記までのうちのいずれか1項に記載のサーバ装置であって、
前記取得部は、現場の状況を示す情報として画像データを取得するとともに、取得した画像データに基づいて、現場の気象を示す現場気象情報と、現場に生じた事象の状況を示す事象状況情報と、のうちの少なくとも1つを取得する
サーバ装置。
(付記8)
付記1から付記7までのうちのいずれか1項に記載のサーバ装置であって、
現場の状況を示す情報に基づく所定の判断を行って、判断の結果を出力する出力部を有する
サーバ装置。
(付記9)
情報処理装置が、
通報装置からの通報の受理に応じて、通報対象となる事象が生じた現場の状況を示す情報を送信するよう前記通報装置に対して促し、
前記通報装置を操作する通報者の補助を行うための補助情報を前記通報装置に対して送信し、
前記通報装置から現場の状況を示す情報を取得する
支援方法。
(付記10)
情報処理装置に、
通報装置からの通報の受理に応じて、通報対象となる事象が生じた現場の状況を示す情報を送信するよう前記通報装置に対して促し、
前記通報装置を操作する通報者の補助を行うための補助情報を前記通報装置に対して送信し、
前記通報装置から現場の状況を示す情報を取得する
処理を実現するためのプログラム。
【0069】
なお、上記各実施形態及び付記において記載したプログラムは、記憶装置に記憶されていたり、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されていたりする。例えば、記録媒体は、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、及び、半導体メモリ等の可搬性を有する媒体である。
【0070】
以上、上記各実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることが出来る。
【0071】
なお、本発明は、日本国にて2021年5月27日に特許出願された特願2021-089353の特許出願に基づく優先権主張の利益を享受するものであり、当該特許出願に記載された内容は、全て本明細書に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0072】
100 通報システム
200 サーバ装置
210 通信I/F部
220 記憶部
221 番号情報
222 位置情報
223 現場状況情報
224 プログラム
225 現場画像情報
230 演算処理部
231 通報受理部
232 番号取得部
233 位置情報取得部
234 現場状況情報取得指示部
235 現場状況情報取得部
236 出力部
237 集約部
238 補助情報送信部
300 端末装置
400 サーバ装置
401 CPU
402 ROM
403 RAM
404 プログラム群
405 記憶装置
406 ドライブ装置
407 通信インタフェース
408 入出力インタフェース
409 バス
410 記録媒体
411 通信ネットワーク
421 指示部
422 補助情報送信部
423 取得部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10