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特許7597234見守り装置、見守りシステム、プログラムおよび見守り方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】見守り装置、見守りシステム、プログラムおよび見守り方法
(51)【国際特許分類】
   G08B 13/196 20060101AFI20241203BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
G08B13/196
G08B25/00 510M
【請求項の数】 70
(21)【出願番号】P 2023549219
(86)(22)【出願日】2021-09-22
(86)【国際出願番号】 JP2021034826
(87)【国際公開番号】W WO2023047489
(87)【国際公開日】2023-03-30
【審査請求日】2023-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新川 岳史
(72)【発明者】
【氏名】西山 薫
(72)【発明者】
【氏名】志賀 諭
(72)【発明者】
【氏名】工藤 成華
(72)【発明者】
【氏名】儘田 大地
(72)【発明者】
【氏名】ジャンティ ティボ
【審査官】村山 禎恒
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-212682(JP,A)
【文献】特開2016-173840(JP,A)
【文献】特開2015-89781(JP,A)
【文献】特開2012-34253(JP,A)
【文献】特開2020-154730(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 13/00-15/02
G08B 25/00-31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗に設けられたカメラから前記カメラが撮影した連続する画像である前記店舗の映像を受信し、前記店舗の利用者が所持する個人端末と通信する見守り装置であって、
前記個人端末からの見守りを開始する指令に基づいて、物を監視する見守りモードを設定するモード設定部と、
前記カメラが撮影した画像のうち前記個人端末から指定を受けた見守りの対象物の像または前記カメラが撮影した画像のうち見守りの対象物が映る画像の領域であって前記利用者の個人端末から指定を受けた画像の領域を見守り対象に設定する対象設定部と、
前記モード設定部によって前記見守りモードが設定されているときに、前記カメラが撮影した映像に映る前記対象物が移動したことを検出した場合、異常を検出する移動検出部と、
前記見守りモードが設定されているときに前記店舗に設けられた店舗端末から前記見守り対象を表示させる指令を受信した場合、前記店舗端末に前記見守り対象を撮影する前記カメラの映像を表示させる店舗表示部と、
を備えた見守り装置。
【請求項2】
前記カメラが撮影した映像を利用画面として前記個人端末に表示させる個人表示部、
を更に備え、
前記個人表示部は、前記見守りモードが設定されているときに前記個人端末から前記見守り対象を表示させる指令を受信した場合、前記個人端末に前記見守り対象を撮影する前記カメラの映像を表示させる請求項1に記載の見守り装置。
【請求項3】
前記個人表示部は、前記利用画面において前記見守り対象として前記対象物の指定または前記画像の領域の指定を受け付ける請求項2に記載の見守り装置。
【請求項4】
前記移動検出部は、前記対象物の像または前記画像の領域の像が変化した場合に、前記対象物が移動したことを検出する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の見守り装置。
【請求項5】
前記移動検出部が異常を検出した場合に、前記個人端末と前記店舗に設けられた店舗端末とに警報を発報させる警報部、
を更に有する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の見守り装置。
【請求項6】
前記見守りモードが設定されているときに、前記カメラが撮影した映像に基づいて、規定の時間以上にわたって前記対象物から規定の距離以内に人または物体が存在することを検出した場合に、異常を検出する接近検出部、
を更に備え、
前記警報部は、前記接近検出部が異常を検出した場合に、前記個人端末と前記店舗端末とに警報を発報させる請求項5に記載の見守り装置。
【請求項7】
前記接近検出部は、前記カメラに映る人が前記個人端末を所持する利用者であることを検出し、前記対象物から規定の距離以内に規定の時間以上存在する人が前記利用者である場合には、異常を検出しない請求項6に記載の見守り装置。
【請求項8】
前記カメラが撮影した映像に基づいて人が物を取ろうとする動作を行ったことを検出する動作検出部、
を更に備え、
前記接近検出部は、前記見守りモードが設定されているときに、前記動作検出部が検出した物を取ろうとする動作を行った人が前記対象物から規定の距離以内に存在することを検出した場合に、異常を検出し、
前記警報部は、前記接近検出部が異常を検出した場合に、前記個人端末と前記店舗端末とに警報を発報させる請求項6に記載の見守り装置。
【請求項9】
前記動作検出部は、前記カメラが撮影した映像に映る人の骨格の動きを解析することで、人が物を取ろうとしている動作を検出する請求項8に記載の見守り装置。
【請求項10】
前記接近検出部は、前記カメラに映る人が前記個人端末を所持する利用者であることを検出し、前記動作検出部が検出した物を取ろうとする動作を行った人が前記利用者である場合には、異常を検出しない請求項8または請求項9に記載の見守り装置。
【請求項11】
情報を記憶する記憶部、
を更に備え、
前記警報部は、前記個人端末と前記店舗端末とに警報を発報させるときに前記見守り対象を撮影している前記カメラの映像または画像を前記記憶部に記憶させる請求項5から請求項10のいずれか一項に記載の見守り装置。
【請求項12】
前記警報部は、前記個人端末と前記店舗に設けられた店舗端末とに警報を発報させる場合に、前記店舗に設けられた出入口の施錠および解錠を制御する装置に対して、前記店舗に設けられた出入口を施錠させる指令を送信する請求項5から請求項11のいずれか一項に記載の見守り装置。
【請求項13】
前記移動検出部が異常を検出した場合に、前記個人端末と前記店舗に設けられた店舗端末とに警報を発報させる警報部と、
前記警報部が前記個人端末と前記店舗端末とに警報を発報させる場合に、前記カメラが撮影した映像に映る前記対象物に最も近い人を特定者として特定し、前記カメラが撮影する映像において前記特定者の像を追跡する人追跡部と、
を更に備え、
前記個人表示部は、前記人追跡部が前記特定者を特定した場合に、前記特定者がマーキングされた前記カメラの映像を前記個人端末に表示させ、
前記店舗表示部は、前記人追跡部が前記特定者を特定した場合に、前記特定者がマーキングされた前記カメラの映像を前記店舗端末に表示させる請求項2または請求項3に記載の見守り装置。
【請求項14】
前記移動検出部が異常を検出した場合に、前記個人端末と前記店舗に設けられた店舗端末とに警報を発報させる警報部と、
前記警報部が前記個人端末と前記店舗端末とに警報を発報させる場合に、前記カメラが撮影した映像に映る前記対象物に最も近い人を特定者として特定し、前記カメラが撮影する映像において前記特定者の像を追跡する人追跡部と、
を更に備える請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の見守り装置。
【請求項15】
前記対象設定部は、前記カメラが撮影した映像から登録された被覆体を検出し、前記利用者の個人端末から指定を受けた前記被覆体を見守りの対象物に設定し、前記カメラが撮影した映像における前記被覆体の像または前記被覆体の像を含む画像の領域を前記見守り対象に設定する請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の見守り装置。
【請求項16】
前記対象設定部は、前記個人端末から前記被覆体を識別する被覆体アクセス情報を受信した場合に、前記被覆体アクセス情報に示される前記被覆体を見守りの対象物に設定し、前記カメラが撮影した映像における前記被覆体の像または前記被覆体の像を含む画像の領域を前記見守り対象に設定する請求項15に記載の見守り装置。
【請求項17】
前記個人表示部は、前記店舗に存在する複数の見守り札の一覧を示す情報と前記複数の見守り札のそれぞれが別の利用者に利用されているか否かを示す情報とが対応付けられた情報を前記個人端末に前記利用画面として表示させ、前記利用画面において前記複数の見守り札のうちいずれかの選択を受け付ける請求項2または請求項3に記載の見守り装置。
【請求項18】
前記対象設定部は、前記個人表示部が表示させた前記利用画面において前記複数の見守り札のうち選択された見守り札よりも規定の距離より離れた位置に存在する物の像および当該見守り札よりも規定の距離より離れた位置に存在する物が含まれる画像の領域を前記見守り対象に設定しない請求項17に記載の見守り装置。
【請求項19】
前記対象設定部は、前記個人表示部が表示させた前記利用画面において前記複数の見守り札のうち選択された見守り札を前記対象物に設定し、前記カメラが撮影した映像における前記見守り札の像または前記見守り札の像を含む画像の領域を前記見守り対象に設定する請求項17に記載の見守り装置。
【請求項20】
前記対象設定部は、前記複数の見守り札のうちいずれかの見守り札が前記カメラの映像に映った場合、前記カメラの映像に映る見守り札の形状と模様とに基づいて、前記カメラの映像に映る見守り札が前記複数の見守り札のうちいずれの見守り札であるかを識別する請求項17から請求項19のいずれか一項に記載の見守り装置。
【請求項21】
前記対象設定部は、前記複数の見守り札のうちいずれかの見守り札が前記カメラの映像に映った場合、前記カメラの映像に映る見守り札が有する光源の明滅パターンに基づいて、前記カメラの映像に映る見守り札が前記複数の見守り札のうちいずれの見守り札であるかを識別する請求項17から請求項19のいずれか一項に記載の見守り装置。
【請求項22】
前記個人表示部は、前記個人端末から前記複数の見守り札のうちのいずれかの見守り札を識別する札アクセス情報を受信した場合に、前記札アクセス情報に示された見守り札が映る前記カメラの映像を前記個人端末に利用画面として表示させる請求項20または請求項21に記載の見守り装置。
【請求項23】
前記対象設定部は、前記個人端末から前記複数の見守り札のうちのいずれかの見守り札を識別する札アクセス情報を受信した場合に、前記札アクセス情報に示される見守り札を前記対象物に設定し、前記カメラが撮影した映像における前記見守り札の像または前記見守り札の像を含む画像の領域を前記見守り対象に設定する請求項20または請求項21に記載の見守り装置。
【請求項24】
前記移動検出部が異常を検出した場合に、前記個人端末と前記店舗に設けられた店舗端末とに警報を発報させる警報部、
を更に備え、
前記警報部は、前記移動検出部が前記対象物の異常を検出した場合に、前記複数の見守り札のうち前記利用画面において選択された見守り札または前記対象物に設定された見守り札に設けられたスピーカーに警報を発報させる請求項17から請求項23のいずれか一項に記載の見守り装置。
【請求項25】
前記個人表示部は、前記個人端末から前記店舗に設けられた複数の机のうちいずれかの机を識別する机アクセス情報を受信した場合に、前記机アクセス情報に示された机が映る前記カメラの映像を前記個人端末に前記利用画面として表示させる請求項2または請求項3に記載の見守り装置。
【請求項26】
前記対象設定部は、前記個人端末から前記店舗に設けられた複数の机のうちいずれかの机を識別する机アクセス情報を受信した場合に、前記机アクセス情報に示された机よりも規定の距離より離れた位置に存在する物の像および当該机よりも規定の距離より離れた位置に存在する物が含まれる画像の領域を前記見守り対象に設定しない請求項25に記載の見守り装置。
【請求項27】
前記個人表示部は、前記個人端末に表示された前記利用画面において前記店舗に設けられた複数の机のうちいずれかの机を指定する情報の入力を受け付け、
前記対象設定部は、前記個人表示部が受け付けた情報に対応する指定された机の上の領域のうち規定の領域を検出し、前記カメラの画像における対象物の像を含む前記規定の領域を前記見守り対象に設定する請求項2または請求項3に記載の見守り装置。
【請求項28】
前記個人表示部は、前記個人端末に表示された前記利用画面において前記店舗に設けられた複数の机のうちいずれかの机を指定する情報の入力を受け付け、
前記対象設定部は、前記個人表示部が受け付けた情報に対応する指定された机の上の領域のうち規定の領域の内部に存在する物を対象物に設定し、前記カメラの画像における前記規定の領域の内部に存在する物の像を前記見守り対象に設定する請求項2または請求項3に記載の見守り装置。
【請求項29】
前記対象設定部は、前記個人端末から前記店舗に設けられた複数の机のうちいずれかの机を識別する机アクセス情報を受信した場合に、前記机アクセス情報に示された机の上の領域のうち規定の領域を検出し、前記カメラの画像における対象物の像を含む前記規定の領域を前記見守り対象に設定する請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の見守り装置。
【請求項30】
前記対象設定部は、前記個人端末から前記店舗に設けられた複数の机のうちいずれかの机を識別する机アクセス情報を受信した場合に、前記机アクセス情報に示された机の上の領域のうち規定の領域の内部に存在する物を対象物に設定し、前記カメラの画像における前記規定の領域の内部に存在する物の像を前記見守り対象に設定する請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の見守り装置。
【請求項31】
前記規定の領域は、前記指定された机の上全体の領域である請求項27から請求項30のいずれか一項に記載の見守り装置。
【請求項32】
前記個人表示部は、前記個人端末に表示された前記利用画面において前記店舗に設けられた複数の机のうちいずれかの机を指定する情報の入力を受け付け、
前記対象設定部は、前記個人表示部が受け付けた情報に対応する指定された机の上の領域のうち規定の領域を検出し、前記カメラの画像における対象物を含む前記規定の領域を前記見守り対象に設定し、
前記店舗表示部は、前記対象設定部が前記規定の領域を前記見守り対象に設定した後に、前記モード設定部が前記見守りモードを設定した場合、前記指定された机の識別情報と前記規定の領域に対する前記見守りモードが設定された旨とを前記店舗端末に表示させる請求項2または請求項3に記載の見守り装置。
【請求項33】
前記個人表示部は、前記個人端末に表示された前記利用画面において前記店舗に設けられた複数の机のうちいずれかの机を指定する情報の入力を受け付け、
前記対象設定部は、前記個人表示部が受け付けた情報に対応する指定された机の上の領域のうち規定の領域の内部に存在する物を対象物に設定し、前記カメラの画像における前記規定の領域の内部に存在する物の像を前記見守り対象に設定し、
前記店舗表示部は、前記対象設定部が前記規定の領域の内部に存在する物の像を前記見守り対象に設定した後に、前記モード設定部が前記見守りモードを設定した場合、前記指定された机の識別情報と前記規定の領域の内部に存在する物に対する前記見守りモードが設定された旨とを前記店舗端末に表示させる請求項2または請求項3に記載の見守り装置。
【請求項34】
前記対象設定部は、前記個人端末から前記店舗に設けられた複数の机のうちいずれかの机を識別する机アクセス情報を受信した場合に、前記机アクセス情報に示された机の上の領域のうち規定の領域を検出し、前記カメラの画像における対象物を含む前記規定の領域を前記見守り対象に設定し、
前記店舗表示部は、前記対象設定部が前記規定の領域を前記見守り対象に設定した後に、前記モード設定部が前記見守りモードを設定した場合、前記指定された机の識別情報と前記規定の領域に対する前記見守りモードが設定された旨とを前記店舗端末に表示させる請求項2または請求項3に記載の見守り装置。
【請求項35】
前記対象設定部は、前記個人端末から前記店舗に設けられた複数の机のうちいずれかの机を識別する机アクセス情報を受信した場合に、前記机アクセス情報に示された机の上の領域のうち規定の領域の内部に存在する物を対象物に設定し、前記カメラの画像における前記規定の領域の内部に存在する物の像を前記見守り対象に設定し、
前記店舗表示部は、前記対象設定部が前記規定の領域の内部に存在する物の像を前記見守り対象に設定した後に、前記モード設定部が前記見守りモードを設定した場合、前記机アクセス情報に示された机の識別情報と前記規定の領域の内部に存在する物が前記対象物に設定された旨とを前記店舗端末に表示させる請求項2、請求項3および請求項34のいずれか一項に記載の見守り装置。
【請求項36】
前記モード設定部は、前記見守りモードが設定されているときに前記個人端末から解除の指令を受信した場合、前記見守りモードを解除し、
前記店舗表示部は、前記モード設定部が前記見守りモードを解除した場合に、前記店舗端末に前記見守りモードが解除された旨を表示させる請求項32から請求項35のいずれか一項に記載の見守り装置。
【請求項37】
前記店舗表示部は、前記規定の領域に対応する前記見守り対象に設定された前記見守りモードを中断する指令または中断した前記見守りモードを再開する指令を受け付ける画面を前記店舗端末に表示させ、
前記モード設定部は、前記店舗表示部が前記見守りモードを中断する指令を受け付けた場合、前記見守り対象に対応する前記見守りモードを中断し、前記店舗表示部が前記見守りモードを再開する指令を受け付けた場合、前記見守り対象に対応する前記見守りモードを再開する請求項32から請求項36のいずれか一項に記載の見守り装置。
【請求項38】
前記対象設定部は、前記見守りモードが再開された場合、前記見守りモードが再開された時点における前記規定の領域の状態を前記見守り対象として新たに設定する請求項37に記載の見守り装置。
【請求項39】
前記個人表示部は、前記モード設定部が前記店舗表示部からの指令に基づいて前記見守りモードを解除した場合、前記見守り対象に対応する前記個人端末に前記見守りモードが解除された旨を表示させ、前記モード設定部が前記店舗表示部からの再開の指令に基づいて前記見守りモードを設定した場合、前記見守り対象に対応する前記個人端末に前記見守りモードが再開された旨を表示させる請求項37または請求項38に記載の見守り装置。
【請求項40】
前記対象設定部は、前記店舗の内部における前記個人端末の位置を示す情報を受信した場合、前記個人端末の位置を示す情報と前記カメラが撮影した映像とに基づいて、前記個人端末から規定の第1距離よりも離れた位置に存在する物の像または前記個人端末から規定の第1距離よりも離れた位置に存在する物の像を含む画像の領域を前記見守り対象に設定しない請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の見守り装置。
【請求項41】
前記個人表示部は、前記店舗の内部における前記個人端末の位置を示す情報を受信した場合、前記個人端末の位置を示す情報に基づいて、前記個人端末の位置を撮影する前記カメラの映像を前記個人端末に表示させる請求項2または請求項3に記載の見守り装置。
【請求項42】
前記対象設定部は、前記店舗の内部における前記個人端末の位置を示す情報を受信した場合に、前記個人端末の位置を示す情報と前記カメラが撮影した映像とに基づいて、前記個人端末と前記対象物との距離が規定の第2距離よりも近いか否かを判定し、
前記モード設定部は、前記見守りモードが設定されているときに前記個人端末と前記対象物との距離が前記第2距離よりも近いと前記対象設定部が判定した場合、前記見守りモードを解除する請求項1から請求項41のいずれか一項に記載の見守り装置。
【請求項43】
店舗に設けられたカメラと、
前記店舗の利用者に所持された個人端末と、
前記カメラが撮影した連続する画像である前記店舗の映像を受信し、前記個人端末と通信する見守り装置と、
前記店舗に設けられた店舗端末と、
を備え、
前記見守り装置は、
前記個人端末からの見守りを開始する指令に基づいて、物を監視する見守りモードを設定し、前記カメラが撮影した画像のうち前記個人端末から指定を受けた見守りの対象物の像または前記カメラが撮影した画像のうち見守りの対象物が映る画像の領域であって前記利用者の個人端末から指定を受けた画像の領域を見守り対象に設定し、前記見守りモードが設定されているときに、前記カメラが撮影した映像に映る前記対象物が移動したことを検出した場合、異常を検出し、
前記見守りモードが設定されているときに前記店舗端末から前記対象物を表示させる指令を受信した場合、前記店舗端末に前記対象物を撮影する前記カメラの映像を表示させる見守りシステム。
【請求項44】
前記見守り装置は、前記対象物の像または前記画像の領域の像が変化した場合に前記対象物が移動したことを検出し、異常を検出した場合に前記個人端末と前記店舗端末とに警報を発報させる請求項43に記載の見守りシステム。
【請求項45】
前記見守り装置は、前記カメラが撮影した映像を利用画面として前記個人端末に表示させ、前記利用画面において前記対象物の指定または前記画像の領域の指定を受け付け、前記見守りモードが設定されているときに前記個人端末から前記対象物を表示させる指令を受信した場合、前記個人端末に前記対象物を撮影する前記カメラの映像を表示させる請求項43または請求項44に記載の見守りシステム。
【請求項46】
店舗に設けられたカメラと、
前記店舗の利用者に所持された個人端末と、
前記カメラが撮影した連続する画像である前記店舗の映像を受信し、前記個人端末と通信する見守り装置と、
前記店舗に設けられ、前記見守り装置が前記利用者の所持する物を監視する荷物見守りサービスを行っている旨が示された掲示体と、
を備え、
前記見守り装置は、前記個人端末からの見守りを開始する指令に基づいて、物を監視する見守りモードを設定し、前記カメラが撮影した画像のうち前記個人端末から指定を受けた見守りの対象物の像または前記カメラが撮影した画像のうち見守りの対象物が映る画像の領域であって前記利用者の個人端末から指定を受けた画像の領域を見守り対象に設定し、前記見守りモードが設定されているときに、前記カメラが撮影した映像に映る前記対象物が移動したことを検出した場合、異常を検出する見守りシステム。
【請求項47】
前記掲示体は、前記見守り装置にアクセスするアクセス情報を示す掲示2次元コードを有し、
前記個人端末は、前記掲示2次元コードの像が写る画像を撮影した場合に、画像に写る前記掲示2次元コードの像から前記アクセス情報を読み取り、前記アクセス情報に基づいて前記見守り装置の利用画面にアクセスする請求項46に記載の見守りシステム。
【請求項48】
前記店舗おいて前記利用者が見守りを希望する物の上を覆うように置かれる被覆体、
を更に備え、
前記見守り装置は、前記カメラが撮影した映像から登録された被覆体を検出し、前記利用者の個人端末から指令を受けた場合、前記被覆体を見守りの対象物に設定し、前記カメラが撮影した映像における前記被覆体の像または前記被覆体の像を含む画像の領域を前記見守り対象に設定する請求項43から請求項46のいずれか一項に記載の見守りシステム。
【請求項49】
前記被覆体は、識別可能な固有の模様を有する請求項48に記載の見守りシステム。
【請求項50】
前記被覆体は、前記見守り装置にアクセスする情報と前記被覆体の識別情報とが対応付けられた被覆体アクセス情報を示す被覆体2次元コードを有し、
前記個人端末は、前記被覆体2次元コードの像が写る画像を撮影した場合に、画像に写る前記被覆体2次元コードの像から前記被覆体アクセス情報を読み取り、前記被覆体アクセス情報に基づいて前記見守り装置の利用画面にアクセスするとともに前記見守り装置に前記被覆体アクセス情報を送信し、
前記見守り装置は、前記個人端末から前記被覆体アクセス情報を受信した場合に、前記被覆体アクセス情報に示される前記被覆体を見守りの対象物に設定し、前記カメラが撮影した映像における前記被覆体の像または前記被覆体の像を含む画像の領域を前記見守り対象に設定する請求項48または請求項49に記載の見守りシステム。
【請求項51】
前記店舗に準備された複数の見守り札、
を更に備え、
前記見守り装置は、前記複数の見守り札の一覧と前記複数の見守り札のそれぞれが別の利用者に利用されているか否かとが対応付けられた情報を前記個人端末に利用画面として表示させ、前記利用画面において前記複数の見守り札のうちいずれかの選択を受け付ける請求項43から請求項46のいずれか一項に記載の見守りシステム。
【請求項52】
前記見守り装置は、前記利用画面において前記複数の見守り札のうち選択された見守り札よりも規定の距離より離れた位置に存在する物の像および当該見守り札よりも規定の距離より離れた位置に存在する物が含まれる画像の領域を前記見守り対象に設定しない請求項51に記載の見守りシステム。
【請求項53】
前記見守り装置は、前記個人端末からの指令に基づいて、前記複数の見守り札のうちいずれかを前記対象物に設定し、前記カメラが撮影した映像における前記見守り札の像または前記見守り札の像を含む画像の領域を前記見守り対象に設定する請求項51に記載の見守りシステム。
【請求項54】
前記複数の見守り札の各々は、固有の形状および固有の模様を有し、
前記見守り装置は、前記複数の見守り札のうちいずれかの見守り札が前記カメラの映像に映った場合、前記カメラの映像に映る見守り札の形状と模様とに基づいて、前記カメラの映像に映る見守り札が前記複数の見守り札のうちいずれの見守り札であるかを識別する請求項51から請求項53のいずれか一項に記載の見守りシステム。
【請求項55】
前記複数の見守り札の各々は、1以上の光源を有し、前記1以上の光源を固有の明滅パターンで点灯および消灯させ、
前記見守り装置は、前記複数の見守り札のうちいずれかの見守り札が前記カメラの映像に映った場合、前記カメラの映像に映る見守り札が有する前記1以上の光源の明滅パターンに基づいて、前記カメラの映像に映る見守り札が前記複数の見守り札のうちいずれの見守り札であるかを識別する請求項51から請求項53のいずれか一項に記載の見守りシステム。
【請求項56】
前記複数の見守り札の各々は、前記見守り装置にアクセスする情報と見守り札の識別情報とが対応付けられた札アクセス情報を示す札2次元コードを有し、
前記個人端末は、前記札2次元コードの像が写る画像を撮影した場合に、画像に写る前記札2次元コードの像から前記札アクセス情報を読み取り、前記札アクセス情報に基づいて前記見守り装置の前記利用画面にアクセスするとともに前記見守り装置に前記札アクセス情報を送信し、
前記見守り装置は、前記個人端末から前記札アクセス情報を受信した場合に、前記札アクセス情報に示された見守り札が映る前記カメラの映像を前記個人端末に利用画面として表示させる請求項51から請求項55のいずれか一項に記載の見守りシステム。
【請求項57】
前記複数の見守り札の各々は、前記見守り装置にアクセスする情報と見守り札の識別情報とが対応付けられた札アクセス情報を示す札2次元コードを有し、
前記個人端末は、前記札2次元コードの像が写る画像を撮影した場合に、画像に写る前記札2次元コードの像から前記札アクセス情報を読み取り、前記札アクセス情報に基づいて前記見守り装置の前記利用画面にアクセスするとともに前記見守り装置に前記札アクセス情報を送信し、
前記見守り装置は、前記個人端末から前記札アクセス情報を受信した場合に、前記札アクセス情報に示される見守り札を前記対象物に設定し、前記カメラが撮影した映像における前記見守り札の像または前記見守り札の像を含む画像の領域を前記見守り対象に設定する請求項51から請求項55のいずれか一項に記載の見守りシステム。
【請求項58】
前記複数の見守り札の各々は、音を発するスピーカーを有し、
前記見守り装置は、前記対象物の異常を検出した場合に、前記複数の見守り札のうち前記利用画面において選択された見守り札または前記対象物に設定された見守り札に設けられた前記スピーカーに警報を発報させる請求項51から請求項57のいずれか一項に記載の見守りシステム。
【請求項59】
前記複数の見守り札のいずれかは、前記カメラを備える請求項51から請求項58のいずれか一項に記載の見守りシステム。
【請求項60】
前記店舗に設けられた複数の机、
を更に備え、
前記複数の机は、前記見守り装置にアクセスする情報とそれぞれの識別情報とが対応付けられた机アクセス情報を示す机2次元コードをそれぞれ有し、
前記個人端末は、前記机2次元コードの像が写る画像を撮影した場合に、画像に写る前記机2次元コードの像から前記机アクセス情報を読み取り、前記机アクセス情報に基づいて前記見守り装置の利用画面にアクセスするとともに前記見守り装置に前記机アクセス情報を送信し、
前記見守り装置は、前記個人端末から前記店舗に設けられた複数の机のうちいずれかの机を識別する机アクセス情報を受信した場合に、前記机アクセス情報に示された机が映る前記カメラの映像を前記個人端末に前記利用画面として表示させる請求項43から請求項46のいずれか一項に記載の見守りシステム。
【請求項61】
前記見守り装置は、前記机アクセス情報に示された机よりも規定の距離より離れた位置に存在する物の像および当該机よりも規定の距離より離れた位置に存在する物が含まれる画像の領域を前記見守り対象に設定しない請求項60に記載の見守りシステム。
【請求項62】
前記店舗に設けられた複数の机、
を更に備え、
前記個人端末は、前記複数の机のうちいずれかの机を指定する情報の入力を受け付けた場合、前記指定された机の情報を前記見守り装置に送信し、
前記見守り装置は、前記個人端末から前記指定された机の情報を受信した場合に、前記指定された机の上の領域のうち規定の領域を検出し、前記カメラの画像における対象物の像を含む前記規定の領域を前記見守り対象に設定する請求項43から請求項46のいずれか一項に記載の見守りシステム。
【請求項63】
前記店舗に設けられ、前記見守り装置にアクセスする情報と識別情報とが対応付けられた机アクセス情報を示す机2次元コードをそれぞれ有する複数の机、
を更に備え、
前記個人端末は、前記机2次元コードの像が写る画像を撮影した場合に、画像に写る前記机2次元コードの像から前記机アクセス情報を読み取り、前記机アクセス情報に基づいて前記見守り装置の利用画面にアクセスするとともに前記見守り装置に前記机アクセス情報を送信し、
前記見守り装置は、前記個人端末から前記店舗に設けられた複数の机のうちいずれかの机を識別する机アクセス情報を受信した場合に、前記机アクセス情報に示された机の上の領域のうち規定の領域を検出し、前記カメラの画像における対象物の像を含む前記規定の領域を前記見守り対象に設定する請求項43から請求項46のいずれか一項に記載の見守りシステム。
【請求項64】
前記複数の机は、色および模様が規則的に配列された表面を有する請求項60から請求項63のいずれか一項に記載の見守りシステム。
【請求項65】
電波によって前記個人端末の位置を特定し、前記店舗の内部における前記個人端末の位置を示す情報を作成し、前記見守り装置に送信する位置検出装置、
を更に備え、
前記見守り装置は、前記位置検出装置から前記店舗の内部における前記個人端末の位置を示す情報を受信した場合、前記個人端末の位置を示す情報と前記カメラが撮影した映像とに基づいて、前記個人端末から規定の第1距離よりも離れた位置に存在する物の像または前記個人端末から規定の第1距離よりも離れた位置に存在する物の像を含む画像の領域を前記見守り対象に設定しない請求項43から請求項46のいずれか一項に記載の見守りシステム。
【請求項66】
電波によって前記個人端末の位置を特定し、前記店舗の内部における前記個人端末の位置を示す情報を作成し、前記見守り装置に送信する位置検出装置、
を更に備え、
前記見守り装置は、前記位置検出装置から前記店舗の内部における前記個人端末の位置を示す情報を受信した場合、前記個人端末の位置を示す情報に基づいて、前記個人端末の位置を撮影する前記カメラの映像を前記個人端末に表示させる請求項43から請求項46のいずれか一項に記載の見守りシステム。
【請求項67】
電波によって前記個人端末の位置を特定し、前記店舗の内部における前記個人端末の位置を示す情報を作成し、前記見守り装置に送信する位置検出装置、
を更に備え、
前記見守り装置は、前記位置検出装置から前記店舗の内部における前記個人端末の位置を示す情報を受信した場合に前記個人端末の位置を示す情報と前記カメラが撮影した映像とに基づいて、前記個人端末と前記対象物との距離が規定の距離よりも近いか否かを判定し、前記見守りモードが設定されているときに前記個人端末と前記対象物との距離が規定の第2距離よりも近いと判定した場合、前記見守りモードを解除する請求項43から請求項66のいずれか一項に記載の見守りシステム。
【請求項68】
前記店舗に設けられた出入口の施錠および解錠を制御するアクセスコントロール装置、
を更に備え、
前記見守り装置は、前記個人端末と前記店舗に設けられた店舗端末とに警報を発報させる場合に、前記アクセスコントロール装置に対して、前記店舗に設けられた出入口を施錠させる指令を送信する請求項43から請求項67のいずれか一項に記載の見守りシステム。
【請求項69】
店舗に設けられたカメラから前記カメラが撮影した連続する画像である前記店舗の映像を受信し、前記店舗の利用者が所持する個人端末と通信するコンピュータに
前記個人端末からの見守りを開始する指令に基づいて、物を監視する見守りモードを設定するモード設定ステップと、
前記カメラが撮影した画像のうち前記個人端末から指定を受けた見守りの対象物の像または前記カメラが撮影した画像のうち見守りの対象物が映る画像の領域であって前記利用者の個人端末から指定を受けた画像の領域を見守り対象に設定する物検出ステップと、
前記モード設定ステップによって前記見守りモードが設定されているときに、前記カメラが撮影した映像に映る前記対象物が移動したことを検出した場合、異常を検出する移動検出ステップと、
前記モード設定ステップによって前記見守りモードが設定されているときに前記店舗に設けられた店舗端末から前記見守り対象を表示させる指令を受信した場合、前記店舗端末に前記見守り対象を撮影する前記カメラの映像を表示させる店舗表示ステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項70】
店舗の利用者が所持する個人端末からの見守りを開始する指令に基づいて、物を監視する見守りモードを設定するモード設定工程と、
前記店舗に設けられたカメラが撮影した画像のうち前記個人端末から指定を受けた見守りの対象物の像または前記カメラが撮影した画像のうち見守りの対象物が映る画像の領域であって前記利用者の個人端末から指定を受けた画像の領域を見守り対象に設定する物検出工程と、
前記物検出工程の後に行われ、前記モード設定工程によって前記見守りモードが設定されているときに、前記カメラが撮影した映像に映る前記対象物が移動したことを検出した場合、異常を検出する移動検出工程と、
前記モード設定工程によって前記見守りモードが設定されているときに前記店舗に設けられた店舗端末から前記見守り対象を表示させる指令を受信した場合、前記店舗端末に前記見守り対象を撮影する前記カメラの映像を表示させる店舗表示工程と、
を備えた見守り方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、見守り装置、見守りシステム、プログラムおよび見守り方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、飲食店等の店舗に設けられたセルフオーダー用のオーダー端末を開示する。店舗の利用者は、テーブルまたは座席上の荷物を当該オーダー端末で指定する。当該オーダー端末は、カメラの映像に基づいて指定された荷物が移動されたか否かを監視し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本特開2016-173840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のオーダー端末は、店のテーブルに据え付けられる。利用者は、テーブルから離れた場合、監視を希望する荷物を指定できない。このため、荷物を監視するサービスの利便性が低下する。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされた。本開示の目的は、荷物を監視するサービスの利便性を向上することができる見守り装置、見守りシステム、プログラムおよび見守り方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る見守り装置は、店舗に設けられたカメラから前記カメラが撮影した連続する画像である前記店舗の映像を受信し、前記店舗の利用者が所持する個人端末と通信する見守り装置であって、前記個人端末からの見守りを開始する指令に基づいて、物を監視する見守りモードを設定するモード設定部と、前記カメラが撮影した画像のうち前記個人端末から指定を受けた見守りの対象物の像または前記カメラが撮影した画像のうち見守りの対象物が映る画像の領域であって前記利用者の個人端末から指定を受けた画像の領域を見守り対象に設定する対象設定部と、前記モード設定部によって前記見守りモードが設定されているときに、前記カメラが撮影した映像に映る前記対象物が移動したことを検出した場合、異常を検出する移動検出部と、前記見守りモードが設定されているときに前記店舗に設けられた店舗端末から前記見守り対象を表示させる指令を受信した場合、前記店舗端末に前記見守り対象を撮影する前記カメラの映像を表示させる店舗表示部と、を備えた。
【0007】
本開示に係る見守りシステムは、店舗に設けられたカメラと、前記店舗の利用者に所持された個人端末と、前記カメラが撮影した連続する画像である前記店舗の映像を受信し、前記個人端末と通信する見守り装置と、前記店舗に設けられた店舗端末と、を備え、前記見守り装置は、前記個人端末からの見守りを開始する指令に基づいて、物を監視する見守りモードを設定し、前記カメラが撮影した画像のうち前記個人端末から指定を受けた見守りの対象物の像または前記カメラが撮影した画像のうち見守りの対象物が映る画像の領域であって前記利用者の個人端末から指定を受けた画像の領域を見守り対象に設定し、前記見守りモードが設定されているときに、前記カメラが撮影した映像に映る前記対象物が移動したことを検出した場合、異常を検出し、前記見守りモードが設定されているときに前記店舗端末から前記対象物を表示させる指令を受信した場合、前記店舗端末に前記対象物を撮影する前記カメラの映像を表示させる
また、本開示に係る見守りシステムは、店舗に設けられたカメラと、前記店舗の利用者に所持された個人端末と、前記カメラが撮影した連続する画像である前記店舗の映像を受信し、前記個人端末と通信する見守り装置と、前記店舗に設けられ、前記見守り装置が前記利用者の所持する物を監視する荷物見守りサービスを行っている旨が示された掲示体を備、前記見守り装置は、前記個人端末からの見守りを開始する指令に基づいて、物を監視する見守りモードを設定し、前記カメラが撮影した画像のうち前記個人端末から指定を受けた見守りの対象物の像または前記カメラが撮影した画像のうち見守りの対象物が映る画像の領域であって前記利用者の個人端末から指定を受けた画像の領域を見守り対象に設定し、前記見守りモードが設定されているときに、前記カメラが撮影した映像に映る前記対象物が移動したことを検出した場合、異常を検出する。
【0008】
本開示に係るプログラムは、店舗に設けられたカメラから前記カメラが撮影した連続する画像である前記店舗の映像を受信し、前記店舗の利用者が所持する個人端末と通信するコンピュータに前記個人端末からの見守りを開始する指令に基づいて、物を監視する見守りモードを設定するモード設定ステップと、前記店舗に設けられたカメラが撮影した画像のうち前記個人端末から指定を受けた見守りの対象物の像または前記カメラが撮影した画像のうち見守りの対象物が映る画像の領域であって前記利用者の個人端末から指定を受けた画像の領域を見守り対象に設定する物検出ステップと、前記モード設定ステップによって前記見守りモードが設定されているときに、前記カメラが撮影した映像に映る前記対象物が移動したことを検出した場合、異常を検出する移動検出ステップと、前記モード設定ステップによって前記見守りモードが設定されているときに前記店舗に設けられた店舗端末から前記見守り対象を表示させる指令を受信した場合、前記店舗端末に前記見守り対象を撮影する前記カメラの映像を表示させる店舗表示ステップと、を実行させる。
【0009】
本開示に係る見守り方法は、店舗の利用者が所持する個人端末からの見守りを開始する指令に基づいて、物を監視する見守りモードを設定するモード設定工程と、前記カメラが撮影した画像のうち前記個人端末から指定を受けた見守りの対象物の像または前記カメラが撮影した画像のうち見守りの対象物が映る画像の領域であって前記利用者の個人端末から指定を受けた画像の領域を見守り対象に設定する物検出工程と、前記物検出工程の後に行われ、前記モード設定工程によって前記見守りモードが設定されているときに、前記カメラが撮影した映像に映る前記対象物が移動したことを検出した場合、異常を検出する移動検出工程と、前記モード設定工程によって前記見守りモードが設定されているときに前記店舗に設けられた店舗端末から前記見守り対象を表示させる指令を受信した場合、前記店舗端末に前記見守り対象を撮影する前記カメラの映像を表示させる店舗表示工程と、を備えた。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、利用者の個人端末からの指令によって監視する見守り対象が設定される。このため、荷物を監視するサービスの利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態1における見守りシステムが適用された店舗の概要を示す図である。
図2】実施の形態1における見守りシステムが行う動作の概要を示す図である。
図3】実施の形態1における見守りシステムのブロック図である。
図4】実施の形態1における見守りシステムの動作の概要を説明するためのフローチャートである。
図5】実施の形態1における見守りシステムの見守り装置のハードウェア構成図である。
図6】実施の形態1における見守りシステムの第1変形例のブロック図である。
図7】実施の形態1における見守りシステムの第1変形例の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
図8】実施の形態1における見守りシステムの第2変形例のブロック図である。
図9】実施の形態1における見守りシステムの第2変形例の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
図10】実施の形態1における見守りシステムの第3変形例のブロック図である。
図11】実施の形態1における見守りシステムの第3変形例の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
図12】実施の形態1における見守りシステムの第4変形例のブロック図である。
図13】実施の形態1における見守りシステムの第4変形例の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
図14】実施の形態1における見守りシステムの第5変形例のブロック図である。
図15】実施の形態1における見守りシステムの第5変形例の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
図16】実施の形態2における見守りシステムが適用される前の対象物を示す図である。
図17】実施の形態2における見守りシステムの被覆体を示す図である。
図18】実施の形態2における見守りシステムの被覆体の要部を示す図である。
図19】実施の形態2における見守りシステムのブロック図である。
図20】実施の形態2における見守りシステムの動作の概要を説明するためのフローチャートである。
図21】実施の形態3における見守りシステムの見守り札を示す図である。
図22】実施の形態3における見守りシステムの見守り札を示す図である。
図23】実施の形態3における見守りシステムの見守り札が発する光の明滅パターンを示す図である。
図24】実施の形態3における見守りシステムのブロック図である。
図25】実施の形態3における見守りシステムの動作の概要を説明するためのフローチャートである。
図26】実施の形態3における見守りシステムの第1変形例の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
図27】実施の形態3における見守りシステムの第2変形例の見守り札を示す図である。
図28】実施の形態3における見守りシステムの第2変形例の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
図29】実施の形態3における見守りシステムの第3変形例の見守り札を示す図である。
図30】実施の形態3における見守りシステムの第3変形例のブロック図である。
図31】実施の形態3における見守りシステムの第3変形例の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
図32】実施の形態3における見守りシステムの第4変形例の見守り札を示す図である。
図33】実施の形態3における見守りシステムの第4変形例のブロック図である。
図34】実施の形態3における見守りシステムの第4変形例の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
図35】実施の形態4における見守りシステムの机を示す図である。
図36】実施の形態4における見守りシステムのブロック図である。
図37】実施の形態4における見守りシステムの動作の概要を説明するためのフローチャートである。
図38】実施の形態4における見守りシステムの第1変形例の机を示す図である。
図39】実施の形態4における見守りシステムの第1変形例の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
図40】実施の形態4における見守りシステムの第2変形例の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
図41】実施の形態4における見守りシステムの机の模様の例を示す図である。
図42】実施の形態4における見守りシステムの第3変形例の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
図43】実施の形態4における見守りシステムの第4変形例の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
図44】実施の形態5における見守りシステムのブロック図である。
図45】実施の形態5における見守りシステムの動作の概要を説明するためのフローチャートである。
図46】実施の形態5における見守りシステムの変形例の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
図47】実施の形態6における見守りシステムのブロック図である。
図48】実施の形態6における見守りシステムの動作の概要を説明するためのフローチャートである。
図49】実施の形態7における見守りシステムのブロック図である。
図50】実施の形態7における見守りシステムの動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
【0013】
実施の形態1.
図1は実施の形態1における見守りシステムが適用された店舗の概要を示す図である。
【0014】
図1において、見守りシステム1は、利用者の荷物を監視するサービスである荷物見守りサービスを提供する。見守りシステム1は、店舗2に導入される。例えば、店舗2は、シェアオフィス、カフェ、等の店である。例えば、店舗2において、利用者は、店の机を占有し、仕事、勉強、等の作業を行う。店舗2には、店舗端末3と複数のカメラ4と掲示体6とが設けられる。
【0015】
例えば、店舗端末3は、パーソナルコンピュータである。店舗端末3は、荷物見守りサービスの店舗用アプリケーションを起動し得る。例えば、店舗端末3は、店舗2の従業員カウンターに設けられる。なお、店舗端末3は、タブレットタイプの携帯端末、等の機器でもよい。複数のカメラ4は、店舗2の防犯カメラである。複数のカメラ4の各々は、店舗2の内部の映像を撮影し得る。映像は、連続する画像として扱われる。掲示体6は、店舗2に見守りシステム1が導入され、荷物見守りサービスが行われている旨が印刷されたポスターである。掲示体6は、店舗2に掲示される。掲示体6には、掲示2次元コード6aが表示される。
【0016】
例えば、個人端末5は、スマートフォンタイプの携帯端末である。個人端末5は、店舗2の利用者に所持される。個人端末5は、荷物見守りサービスを利用するための個人用アプリケーションを起動し得る。
【0017】
見守り装置10は、店舗2とは異なる建物に設けられる。見守り装置10は、店舗端末3と複数のカメラ4と個人端末5とネットワークを介して通信し得る。
【0018】
店舗端末3には、見守り装置10から受信した情報に基づいて、荷物見守りサービスの店舗側インターフェース画面である店舗用利用画面が表示される。店舗2の従業員は、店舗用利用画面を監視する。
【0019】
店舗2の利用者は、荷物見守りサービスを利用する場合、個人端末5から見守り装置10にアクセスする。見守り装置10は、個人端末5の画面に荷物見守りサービスの個人インターフェース画面である利用画面を表示させる。利用者は、個人端末5に表示された利用画面を確認する操作、利用画面における指定された欄に情報を入力する操作、等の操作を行うことで、荷物見守りサービスを利用する。
【0020】
次に、図2を用いて、見守りシステム1において行われる動作を説明する。
図2は実施の形態1における見守りシステムが行う動作の概要を示す図である。
【0021】
図2の(a)から(d)は、荷物見守りサービスを利用する際に発生する状況をそれぞれ示す。
【0022】
図2の(a)は、荷物見守りサービスを利用する際の「Step1」を示す。物Aと物Bとは、利用者の所有物である。複数のカメラ4のうちのカメラ4aは、物Aと物Bとを撮影する。利用者は、荷物見守りサービスを利用する場合、個人端末5に表示された利用画面において、店舗2を識別する情報を入力する。利用画面には、店舗2における複数のカメラ4が撮影する複数の映像がそれぞれ表示される。利用者は、カメラ4aの映像を選択する。
【0023】
図2の(b)は、荷物見守りサービスを利用する際の「Step2」として、カメラ4aの映像が表示された個人端末5の利用画面を示す。利用者は、利用画面において、物Aと物Bとをそれぞれ見守りの対象物に指定する。具体的には、例えば、利用者は、画面上におけるスワイプ等の操作によって利用画面内の物Aおよび物Bが表示された領域を指定する。この際、利用者は、対象物である物Aおよび物Bをそれぞれ含む領域を指定する。なお、例えば、利用者は、物Aおよび物Bが表示された画面をタップすることで物Aおよび物Bを見守りの対象物に指定してもよい。その後、利用者は、利用画面において見守りモードの開始を指示する。なお、対象物が指定される際に、利用画面には、対象物の候補となる物のリストが表示されてもよい。この場合、利用者は、当該リストの中から物Aと物Bとを選択することで、物Aと物Bとを見守りの対象物に指定してもよい。
【0024】
図2の(c)は、荷物見守りサービスを利用する際の「Step3」として、店舗2の内部の様子を示す。利用者は、見守りモードの開始を指示した後、物Aおよび物Bから離れる。例えば、利用者は、従業員カウンターにおいて商品を注文する。例えば、利用者は、トイレへ行く。図示されないが、この際、従業員は、店舗端末3に表示された画面を通じて、カメラ4aの映像を確認し得る。利用者は、個人端末5を通じてカメラ4aの映像を確認し得る。
【0025】
図2の(d)は、荷物見守りサービスを利用する際の「Step4」として、店舗2の内部の様子および個人端末5の利用画面を示す。「Step4」において、例えば、利用者とは別の人が、窃盗を目的として利用者の物Bを持ち上げる。この場合、図2には図示されない見守り装置10は、カメラ4aの映像に基づいて、見守りの対象物である物Bの位置が変化したことを検出する。見守り装置10は、店舗端末3と個人端末5とに警報を発報させる。利用者は、個人端末5の利用画面において物Bが移動した警報とカメラ4aの映像とを確認する。店舗2の従業員は、店舗端末3の店舗用利用画面において物Bが移動した警報とカメラ4aの映像とを確認する。例えば、従業員は、当該別の人に話しかける等、当該警報に対応する行動をとる。
【0026】
次に、図3を用いて、見守りシステム1を説明する。
図3は実施の形態1における見守りシステムのブロック図である。
【0027】
図3は、見守りシステム1のうち図1に示された店舗2に関連する装置を示す。見守りシステム1は、店舗端末3と複数のカメラ4とカメラデータベース11と個人端末5と見守り装置10とを備える。なお、図示されないが、店舗2とは別の店舗に見守りシステム1が適用される場合、見守りシステム1には当該別の店舗に設けられた店舗端末3およびカメラ4が含まれる。また、図示されないが、複数の利用者が荷物見守りサービスを利用する場合、見守りシステム1には、複数の利用者が所持する複数の個人端末5が含まれる。
【0028】
例えば、カメラデータベース11を記憶する記憶媒体は、見守り装置10と同じ建物に設けられる。カメラデータベース11は、見守りシステム1に含まれるカメラの識別情報と設置された店舗の情報とが対応付けられた情報を記憶する。
【0029】
店舗端末3は、通信部3aと表示部3bと入力部3cと音出力部3dと操作部3eとを備える。
【0030】
通信部3aは、見守り装置10と通信を行う。表示部3bは、人に対して情報を表示する。例えば、表示部3bは、液晶ディスプレイである。入力部3cは、人から情報の入力を受け付ける。例えば、入力部3cは、パーソナルコンピュータのマウスとキーボードである。音出力部3dは、音を発する。例えば、音出力部3dは、スピーカーである。
【0031】
操作部3eは、店舗用アプリケーションを制御する。操作部3eは、見守り装置10から受信した情報に基づいて店舗用利用画面を表示部3bに表示させる。操作部3eは、入力部3cに入力された情報を受信する。操作部3eは、入力された情報を、通信部3aを介して見守り装置10に送信する。操作部3eは、見守り装置10から受信した情報に基づいて表示部3bおよび音出力部3dに警報を発報させる。具体的には、警報を発する指令を受信した場合、操作部3eは、表示部3bに警報を受信した旨を表示させる。操作部3eは、音出力部3dに警報を示す音を発報させる。
【0032】
複数のカメラ4は、カメラ4aとカメラ4bとを含む。複数のカメラ4の各々は、撮影した映像の情報とカメラ4を識別する情報とが対応付けられた情報を見守り装置10に送信する。
【0033】
個人端末5は、通信部5aと表示部5bと入力部5cと音出力部5dと操作部5eとを備える。
【0034】
通信部5aは、見守り装置10と通信を行う。表示部5bは、人に対して情報を表示する。例えば、表示部5bは、タッチパネル式の液晶ディスプレイである。入力部5cは、人から情報の入力を受け付ける。例えば、入力部5cは、タッチパネルの触感センサである。音出力部5dは、音を発する。例えば、音出力部5dは、スピーカーである。
【0035】
操作部5eは、荷物見守りサービスを利用するための個人用アプリケーションを制御する。操作部5eは、見守り装置10から受信した情報に基づいて利用画面を表示部5bに表示させる。操作部5eは、入力部5cに入力された情報を受信する。操作部5eは、入力された情報を、通信部5aを介して見守り装置10に送信する。操作部5eは、見守り装置10から受信した情報に基づいて表示部5bおよび音出力部5dに警報を発報させる。具体的には、警報を発する指令を受信した場合、操作部5eは、表示部5bに警報を受信した旨を表示させる。操作部5eは、音出力部5dに警報を示す音を発報させる。
【0036】
見守り装置10は、カメラデータベース11に記憶された情報に基づいて、カメラ4が設置された店舗2を特定する。見守り装置10は、記憶部10aと店舗表示部10bと個人表示部10cと対象設定部10dとモード設定部10eと移動検出部10fと警報部10gとを備える。
【0037】
記憶部10aは、見守り対象の情報を記憶する。見守り対象の情報は、当該見守り対象が設定された店舗2の識別情報、当該見守り対象となる画像を撮影するカメラ4の識別情報、見守り対象を指定した個人端末5の識別情報、および見守り対象として設定された画像の領域の情報が対応付けられた情報である。見守り対象が対象物の像である場合、見守り対象情報には、見守り対象として設定された画像の領域の情報でなく対象物の像の情報が対応付けられる。
【0038】
なお、見守り対象の情報には、当該対象物の位置を特定する位置特定情報が対応付けられてもよい。例えば、位置特定情報は、カメラ4の映像における当該対象物の座標情報である。なお、位置特定情報は、カメラ4の映像における当該対象物の像の外見的な特徴を示す情報であってもよい。
【0039】
店舗表示部10bは、店舗端末3に表示される店舗用利用画面の情報を作成する。店舗表示部10bは、店舗端末3から店舗用利用画面を介して情報を受信する。
【0040】
具体的には、例えば、店舗表示部10bは、カメラ4の映像が表示された店舗用利用画面の情報を作成する。当該映像において、見守り対象は、枠線で囲まれるなどのマーキングが施される。なお、店舗表示部10bは、見守りサービスを利用する利用者の情報も含めた店舗用利用画面の情報を作成してもよい。例えば、利用者の情報は、利用者の個人端末5のID情報である。この場合、当該映像において、見守り対象には、対応するID情報も併せて表示されてもよい。
【0041】
個人表示部10cは、個人端末5から利用画面を介して、指定された店舗2の識別情報、指定されたカメラ4の識別情報、対象物を含むカメラ4の画像の領域を見守り対象に指定する情報、設定された対象物の情報、見守りを開始する指令、等の情報を受信する。例えば、個人表示部10cは、利用画面を介して個人端末5に入力された指示を受け付ける。
【0042】
個人表示部10cは、個人端末5からの指示に基づいて、個人端末5に表示される利用画面の情報を作成することで、個人端末5に情報を表示する。具体的には、例えば、個人端末5によって設定された見守り対象を表示する指令を個人端末5から受信した場合、個人表示部10cは、当該見守り対象を写すカメラ4の映像が表示された利用画面の情報を作成する。当該映像において、見守り対象は、枠線で囲まれるなどのマーキングが施される。見守り対象が見守り中である場合、個人表示部10cは、当該見守り対象が見守り中である旨が表示された利用画面の情報を作成する。
【0043】
利用画面を介して、カメラ4が撮影した画像の領域を見守り対象に指定する指令を個人端末5から受信した場合、対象設定部10dは、当該画像の領域を見守り対象に設定する。対象設定部10dは、見守り対象を設定した場合、当該見守り対象の情報を作成し、記憶部10aに記憶させる。
【0044】
なお、対象設定部10dは、カメラ4の画像における物の像を対象物の像として設定してもよい。この場合、対象設定部10dは、カメラ4の映像における物体の像を検出してもよい。例えば、対象設定部10dは、カメラ4の映像において、ノートパソコンの像、カバンの像、机の像、等の像を検出する。物を見守りの対象物に指定する指令を個人端末5から受信した場合、対象設定部10dは、当該物の像を特定し、当該物の像である対象物の像を見守り対象に設定する。対象設定部10dは、見守り対象を設定した場合、当該対象物に対応する見守り対象の情報を作成し、記憶部10aに記憶させる。
【0045】
個人端末5から見守りを開始する指令を受信した場合、モード設定部10eは、個人端末5に対応付けられた見守り対象に関する見守りを開始する。具体的には、モード設定部10eは、見守りモードを設定する。個人端末5から見守りを解除する指令を受信した場合、モード設定部10eは、個人端末5に対応付けられた見守り対象に関する見守りモードを解除する。
【0046】
対象物の位置が移動した場合、移動検出部10fは、カメラ4の映像を解析することで、カメラ4に映る対象物の位置が移動したことを検出する。具体的には、移動検出部10fは、見守り対象である画像の領域内で生じた変化のみを差分解析する。即ち、移動検出部10fは、見守り対象として設定されている画像の領域の像とカメラ4から受信した画像のうち対応する領域の像とを比較して、画像に差分が生じたか否かのみを解析する。移動検出部10fは、画像の領域の像が変化したことを検出した場合、対象物の位置が移動したことを検出する。例えば、人の動作、風等の外乱、等が対象物に作用することで、対象物の位置は、移動する。移動検出部10fは、対象物の位置が移動したことを検出した場合、異常を検出する。
【0047】
なお、見守り対象として対象物の像が設定されている場合、移動検出部10fは、カメラ4の画像のうち対象物の像が変化したことを画像の差分解析によって検出する。この際、移動検出部10fは、見守り対象として画像の領域が設定されている場合と同様の動作を行う。
【0048】
移動検出部10fによって異常が検出された場合、警報部10gは、異常が発生した旨の警報を発する指令を店舗2の店舗端末3と見守り対象に対応付けられた個人端末5とに送信する。
【0049】
次に、図4を用いて、荷物見守りサービスで行われる動作を説明する。
図4は実施の形態1における見守りシステムの動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0050】
図4は、見守りシステム1が行う荷物見守りサービスの動作を示す。
【0051】
ステップS101において、見守り装置10の個人表示部10cは、個人端末5から荷物見守りサービスのアクセスを受けたか否かを判定する。
【0052】
ステップS101で、個人端末5からアクセスを受けていない場合、個人表示部10cは、ステップS101の動作を繰り返す。
【0053】
ステップS101で、アクセスを受けたと判定された場合、ステップS102の動作が行われる。ステップS102において、個人表示部10cは、個人端末5が表示する利用画面の情報を作成する。個人表示部10cは、個人端末5から店舗2の識別情報の入力を受け付ける。個人表示部10cは、個人端末5からカメラ4a、4bのうちいずれかの選択を受け付ける。個人表示部10cは、カメラ4a、4bのうち選択されたカメラ4が撮影する映像を利用画面に表示する。なお、個人表示部10cは、カメラの選択を受け付ける際に、カメラ4a、4bが撮影する映像をそれぞれ利用画面に表示してもよい。
【0054】
その後、ステップS103の動作が行われる。ステップS103において、個人表示部10cは、個人端末5において見守り対象が指定されたか否かを判定する。
【0055】
ステップS103で、見守り対象が指定されていない場合、個人表示部10cは、ステップS103の動作を繰り返す。
【0056】
ステップ103で、見守り対象が指定された場合、ステップS104の動作が行われる。ステップS104において、対象設定部10dは、指定された画像の領域または対象物の像を見守り対象とした見守り対象の情報を作成する。個人表示部10cは、個人端末5において見守りの開始が指示されたか否かを判定する。
【0057】
ステップS104で、見守りの開始が指示されていない場合、ステップS104の動作が繰り返される。
【0058】
ステップS104で、見守りの開始が指示された場合、ステップS105の動作が行われる。ステップS105において、モード設定部10eは、見守りモードを設定する。
【0059】
その後、ステップ106の動作が行われる。ステップS106において、個人表示部10cは、個人端末5から見守り対象の映像を表示する指令を受けたか否かを判定する。
【0060】
ステップS106で、個人端末5から見守り対象の映像を表示する指令を受けていないと判定された場合、ステップS107の動作が行われる。ステップS107において、店舗表示部10b、店舗端末3から見守り対象の映像を表示する指令を受けたか否かを判定する。
【0061】
ステップS107で、店舗端末3から見守り対象の映像を表示する指令を受けていないと判定された場合、ステップS108の動作が行われる。ステップS108において、移動検出部10fは、対象物が移動した否かを判定する。
【0062】
ステップS108で、対象物の移動が検出されない場合、ステップ109の動作が行われる。ステップS109において、モード設定部10eは、個人端末5から見守りの解除の指令を受けたか否かを判定する。
【0063】
ステップS109で、見守りの解除の指令を受けていないと判定された場合、ステップS106以降の動作が行われる。
【0064】
ステップS109で、見守りの解除の指令を受けたと判定された場合、ステップS110の動作が行われる。ステップS110において、モード設定部10eは、見守りモードを解除する。
【0065】
その後、見守りシステム1は、動作を終了する。
【0066】
ステップS106で、個人端末5から見守り対象の映像を表示する指令を受けたと判定された場合、ステップS111の動作が行われる。ステップS111において、個人表示部10cは、見守り対象が映る映像を個人端末5に表示する。その後、ステップS107以降の動作が行われる。
【0067】
ステップS107で、店舗端末3から見守り対象の映像を表示する指令を受けたと判定された場合、ステップS112の動作が行われる。ステップS112において、店舗表示部10bは、見守り対象が映る映像を店舗端末3に表示する。その後、ステップS108以降の動作が行われる。
【0068】
ステップS108で、移動検出部10fが対象物の移動を検出した場合、ステップ113の動作が行われる。ステップS113において、移動検出部10fは、異常を検出する。警報部10gは、対象物に異常が発生した旨の警報を発する指令を店舗端末3と個人端末5とに送信する。
【0069】
その後、ステップS114の動作が行われる。ステップS114において、店舗端末3は、警報を発報する。個人端末5は、警報を発報する。その後、見守りシステム1は、動作を終了する。
【0070】
以上で説明した実施の形態1によれば、見守り装置10は、モード設定部10eと対象設定部10dと移動検出部10fとを備える。見守り装置10は、個人端末5から指定を受けた画像の領域または対象物の像を見守り対象に設定する。見守り装置10は、見守りの対象物に設定された物が移動した場合、異常を検出する。利用者は、荷物および自席から離れた場所にいる場合でも、個人端末5を操作することで荷物を見守りの対象物に設定できる。即ち、利用者は、荷物を見守りの対象物に設定することを忘れて自席を離れた場合でも、荷物を監視の対象物に設定できる。このため、荷物を監視するサービスの利便性を向上することができる。
【0071】
また、見守り装置10は、カメラ4の画像において、見守り対象である対象物の像または画像の領域の像が変化した場合に、対象物が移動したことを検出する。このため、カメラ4の画像の情報に基づいて対象物の移動を検出することができる。また、画像の差分解析によって変化が検出される場合、少ない演算量で対象物の移動を検出することができる。
【0072】
また、見守り装置10は、警報部10gを備える。見守り装置10は、対象物について異常が検出された場合、店舗端末3と個人端末5とに警報を発報させる。例えば、利用者は、個人端末5において警報を受け取ることができる。このため、異常が検出された場合、店舗2の従業員および利用者は、対象物に異常が発生したことを知ることができる。例えば、従業員または利用者は、異常が発生した対象物の場所へ向かう等の行動をとることができる。その結果、防犯性が向上する。ここで、特許文献1に記載のオーダー端末が設置されている場合を考える。当該オーダー端末は、荷物が移動したことを検出した場合、警告の表示および警告の音声の発報を行う。この場合、店舗の利用者は、自席から離れた位置にいる場合、警告を出力された旨を知ることができない。本実施の形態の見守り装置10によれば、利用者の個人端末5に警告を発報させるため、防犯性を向上することができる。その結果、利用者は、荷物を自席に残したまま、置き引き等の心配をすることなく気軽に席を立つことができる。
【0073】
また、見守り装置10は、個人表示部10cを備える。見守り装置10は、カメラ4が撮影した映像が表示された個人端末5の利用画面において、対象物に設定する物の指定または見守り対象となる画像の領域の指定を受け付ける。このため、利用者は、対象物に指定したいものをより正確に指定できる。
【0074】
また、見守り装置10は、個人端末5からの指令に基づいて、個人端末5に見守り対象を撮影するカメラ4の映像を表示させる。このため、利用者は、自席から離れた場所から、見守りの対象物の状態を監視および確認できる。その結果、利用者に安心感を与えることができる。
【0075】
また、見守り装置10は、店舗表示部10bを備える。見守り装置10は、店舗端末3からの指令に基づいて、店舗端末3に見守り対象を撮影するカメラ4の映像を表示させる。このため、店舗の従業員が対象物の状態を確認できる。その結果、防犯性が向上する。
【0076】
また、見守りシステム1は、掲示体6を備える。掲示体6は、店舗2で見守りサービスが行われていることを周知する。このため、置き引き等の犯罪を目論む人に対して、店舗2において犯罪を実行するリスクが高いことを周知できる。その結果、犯罪を抑止することができる。
【0077】
なお、見守りシステム1には、店舗端末3とカメラデータベース11とは含まれていなくてもよい。
【0078】
なお、荷物見守りサービスは、専用のアプリケーションではなく、webブラウザを通じて提供されてもよい。この場合、店舗端末3は、webブラウザを通じて店舗用利用画面を表示してもよい。店舗端末3の操作部3eは、当該webブラウザを制御するソフトウェアを通じて見守り装置10と情報の送受信を行ってもよい。個人端末5は、webブラウザを通じて利用画面を表示してもよい。個人端末5の操作部5eは、webブラウザを制御するソフトウェアを通じて見守り装置10と情報の送受信を行ってもよい。
【0079】
なお、見守り装置10は、店舗2と同じ建物に設けられてもよい。見守り装置10は、店舗端末3に内蔵されてもよい。
【0080】
なお、カメラデータベース11は、クラウドサーバ上に存在するデータベースであってもよい。カメラデータベース11は、見守り装置10とは別の建物に設けられてもよい。また、この場合、カメラデータベース11は、異なる場所に設けられた複数の記憶媒体に分割して記憶されていてもよい。
【0081】
なお、掲示体6は、見守りシステム1に備えられなくてもよく、店舗2に設けられなくてもよい。
【0082】
なお、掲示体6に加えて、店舗2の広報のためのwebサイトに、店舗2に見守りシステム1が導入されている旨が示された掲示画像が表示されてもよい。
【0083】
次に、図5を用いて、見守り装置10を構成するハードウェアの例を説明する。
図5は実施の形態1における見守りシステムの見守り装置のハードウェア構成図である。
【0084】
見守り装置10の各機能は、処理回路により実現し得る。例えば、処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える。例えば、処理回路は、少なくとも1つの専用のハードウェア200を備える。
【0085】
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える場合、見守り装置10の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、少なくとも1つのメモリ100bに格納される。少なくとも1つのプロセッサ100aは、少なくとも1つのメモリ100bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、見守り装置10の各機能を実現する。少なくとも1つのプロセッサ100aは、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。例えば、少なくとも1つのメモリ100bは、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等である。
【0086】
処理回路が少なくとも1つの専用のハードウェア200を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。例えば、見守り装置10の各機能は、それぞれ処理回路で実現される。例えば、見守り装置10の各機能は、まとめて処理回路で実現される。
【0087】
見守り装置10の各機能について、一部を専用のハードウェア200で実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。例えば、画像の差分を解析する機能については専用のハードウェア200としての処理回路で実現し、画像の差分を解析する機能以外の機能については少なくとも1つのプロセッサ100aが少なくとも1つのメモリ100bに格納されたプログラムを読み出して実行することに
より実現してもよい。
【0088】
このように、処理回路は、ハードウェア200、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで見守り装置10の各機能を実現する。
【0089】
図示されないが、店舗端末3の各機能も、見守り装置10の各機能を実現する処理回路と同等の処理回路で実現される。図示されないが、個人端末5の各機能も、見守り装置10の各機能を実現する処理回路と同等の処理回路で実現される。
【0090】
見守りシステム1の備えるプログラムは、見守り装置10の各機能と同等のステップを実行させてもよい。例えば、当該プログラムは、見守り装置10に、モード設定ステップと物検出ステップと移動検出ステップとを実行させてもよい。モード設定ステップにおいて、見守り装置10は、個人端末5からの見守りを開始する指令に基づいて、物を監視する見守りモードを設定する。物検出ステップにおいて、見守り装置10は、利用者の個人端末5から指定を受けた画像の領域または対象物の像を見守り対象に設定する。移動検出ステップにおいて、見守り装置10は、見守りモードが設定されているときに、カメラ4が撮影した映像に映る対象物が移動したことを検出した場合、異常を検出する。
【0091】
また、見守り装置10は、見守り方法を用いて荷物見守りサービスを提供する。見守り方法は、見守り装置10の各機能に対応する工程を備える。例えば、見守り方法は、モード設定工程と物検出工程と移動検出工程とを備える。
【0092】
次に、図6図7とを用いて、実施の形態1における見守りシステム1の第1変形例を説明する。
図6は実施の形態1における見守りシステムの第1変形例のブロック図である。図7は実施の形態1における見守りシステムの第1変形例の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0093】
図6に示されるように、実施の形態1の第1変形例において、見守り装置10は、接近検出部10hを更に備える。
【0094】
接近検出部10hは、カメラ4の映像に映る人および物体の位置を検出する。接近検出部10hは、カメラ4の映像に基づいて、人または物体が対象物から規定の距離以内に存在することを検出する。接近検出部10hは、規定の時間以上にわたって人または物体が対象物から規定の距離以内に存在する場合、異常を検出する。なお、画像の領域が見守り対象に設定されている場合、接近検出部10hは、画像の領域の中心から人または物体との画像上の距離を人または物体と対象物との距離とみなしてもよい。
【0095】
接近検出部10hが異常を検出した場合、警報部10gは、異常が発生した旨の警報を発する指令を店舗2の店舗端末3と見守り対象に対応付けられた個人端末5とに送信する。
【0096】
図7に示されるように、第1変形例において、フローチャートのステップS101からステップS107、ステップS111、およびステップS112は、図4のフローチャートと同じである。即ち、ステップS106で、個人端末5から見守り対象の映像を表示する指令を受けたと判定された場合、ステップS111の動作が行われる。ステップS111の動作が行われた後、ステップS107の動作が行われる。ステップS107で、店舗端末3から見守り対象の映像を表示する指令を受けたと判定された場合、ステップS112の動作が行われる。
【0097】
ステップS107で店舗端末3から見守り対象の映像を表示する指令を受けていないと判定された場合、またはステップS112の動作が行われた場合、ステップS115の動作が行われる。ステップS115において、見守り装置10の接近検出部10hは、規定の時間以上にわたって人または物体が対象物から規定の距離以内に存在するか否かを判定する。
【0098】
ステップS115で、人および物体が対象物から規定の距離以内に存在する時間が規定の時間を超えないと判定された場合、ステップS109の動作が行われる。ステップS109からステップS110は、図4のフローチャートと同じである。
【0099】
ステップS115で、規定の時間以上にわたって人または物体が対象物から規定の距離以内に存在すると判定された場合、ステップS113以降の動作が行われる。ステップS113からステップS114は、図4のフローチャートと同じである。
【0100】
以上で説明した実施の形態1の第1変形例によれば、見守り装置10は、接近検出部10hを備える。このため、見守り装置10は、見守りの対象物が移動する前に異常を検出し、警報を発報させることができる。その結果、置き引き等の犯罪を未然に抑制できる。
【0101】
なお、第1変形例において、見守り装置10は、対象物の位置が移動したことを検出した場合、異常を検出してもよい。この場合、例えば、図7のステップS115で異常が検出されなかった場合にステップS108の動作が行われてもよい。
【0102】
次に、図8図9とを用いて、実施の形態1における見守りシステム1の第2変形例を説明する。
図8は実施の形態1における見守りシステムの第2変形例のブロック図である。図9は実施の形態1における見守りシステムの第2変形例の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0103】
図8に示されるように、実施の形態1の第2変形例において、見守り装置10は、動作検出部10iを更に備える。
【0104】
動作検出部10iは、カメラ4の映像に映る人の動きを検出することで、人が物を取ろうとする動作を検出する。具体的には、動作検出部10iは、カメラ4の映像に基づいて、人の骨格の動きを解析する。例えば、動作検出部10iは、人の骨格の動きを解析することで、人の手の先、腕および肩の関節、等の人間の部位をそれぞれ特定する。この際、動作検出部10iは、「骨紋」、等の骨格解析プログラムを利用してもよい。動作検出部10iは、特定した人の手および腕の動きに基づいて、当該人が物を取ろうとする動作を行っていることを検出する。なお、例えば、人が物を取ろうとする動作は、人が物に手を伸ばす動作、人が物に手を伸ばそうとする動作、等の動作である。
【0105】
人が対象物から規定の距離以内に存在する状態で、動作検出部10iが物を取ろうとする当該人の動作を検出した場合、接近検出部10hは、異常を検出する。
【0106】
図9に示されるように、第2変形例において、フローチャートのステップS101からステップS107、ステップS111、およびステップS112は、図4のフローチャートと同じである。
【0107】
ステップS107で、店舗端末3から見守り対象の映像を表示する指令を受けていないと判定された場合、またはステップS112の動作が行われた場合、ステップS116の動作が行われる。ステップS116において、見守り装置10の接近検出部10hは、人が対象物から規定の距離以内に存在する状態で、動作検出部10iが物を取ろうとする当該人の動作を検出したか否かを判定する。
【0108】
ステップS116で、人が対象物から規定の距離以内に存在しない場合、または人が対象物から規定の距離以内に存在する状態で物を取ろうとする当該人の動作が検出されない場合、ステップS109の動作が行われる。ステップS109からステップS110は、図4のフローチャートと同じである。
【0109】
ステップS116で、人が対象物から規定の距離以内に存在する状態で物を取ろうとする当該人の動作が検出された場合、ステップS113の動作が行われる。ステップS113からステップS114は、図4のフローチャートと同じである。
【0110】
以上で説明した実施の形態1の第2変形例によれば、見守り装置10は、接近検出部10hと動作検出部10iとを備える。見守り装置10は、対象物から規定の距離以内に存在する人が物を取ろうとする動作を検出した場合、異常を検出する。このため、物を取ろうとする意思を持って対象物に接近した人のみを検出することができる。その結果、窃盗等の意思を持たない人の動きに対して警報を発報する誤発報を抑制できる。
【0111】
また、見守り装置10は、カメラ4の映像に映る人の骨格の動きを解析することで、人が対象物を取ろうとしている動作を検出する。このため、人の動きをより正確に検出することができる。
【0112】
なお、見守り装置10は、実施の形態1の動作および実施の形態1の第1変形例の動作を併せて行ってもよい。具体的には、見守り装置10は、図9のフローチャートにおけるS116で異常を検出しない場合、図4のフローチャートにおけるステップS108の動作、および図7のフローチャートにおけるステップS115の動作を行ってもよい。
【0113】
次に、図10図11とを用いて、実施の形態1における見守りシステム1の第3変形例を説明する。
図10は実施の形態1における見守りシステムの第3変形例のブロック図である。図11は実施の形態1における見守りシステムの第3変形例の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0114】
図10に示されるように、記憶部10aは、利用者の特徴情報を記憶する。特徴情報は、利用者の身長、服装、顔、等の外見的な特徴を示す情報である。特徴情報は、予め記憶部10aに記憶される。なお、特徴情報は、利用画面に利用者が入力した内容に基づいて個人表示部10cが作成してもよい。特徴情報は、登録された利用者が映る画像に基づいて個人表示部10cが作成してもよい。
【0115】
接近検出部10hは、記憶部10aに記憶された特徴情報に基づいてカメラ4の映像を解析することで、対象物から規定の距離以内にいる人が見守り対象を指定した利用者であるか否かを判定する。接近検出部10hは、当該人が利用者であると判定した場合、人が対象物から規定の距離以内に存在することを検出したとしても、異常を検出しない。
【0116】
図11に示されるように、第3変形例において、フローチャートのステップS101からステップS107およびS115は、図7のフローチャートと同じである。
【0117】
ステップS115で、規定の時間以上にわたって人または物体が対象物から規定の距離以内に存在すると判定された場合、ステップS117の動作が行われる。ステップS117において、見守り装置10の接近検出部10hは、対象物から規定の距離以内に存在するのが人であって、当該人が対象物を指定した利用者であるか否かを判定する。
【0118】
ステップS117で、対象物から規定の距離以内に存在する人が対象物を指定した利用者であると判定された場合、ステップS109の動作が行われる。ステップS109からステップS110は、図7のフローチャートと同じである。
【0119】
ステップS117で、対象物から規定の距離以内に存在するのが物体である場合、または対象物から規定の距離以内に存在する人が対象物を指定した利用者でないと判定された場合、ステップS113の動作が行われる。ステップS113からステップS114は、図7のフローチャートと同じである。
【0120】
以上で説明した実施の形態1の第3変形例によれば、見守り装置10は、対象物から規定の距離以内に存在する人が対象物に対応する利用者である場合、規定の時間が経過したとしても異常を検出しない。このため、例えば、自分の物を見守り対象として指定した人が自席に戻った場合に異常が検出されることを抑制できる。
【0121】
なお、第3変形例は、第2変形例に適用されてもよい。具体的には、第2変形例において、接近検出部10hは、物を取ろうとする動作を行った人を検出した場合でも、当該人が利用者であると判定した場合、接近検出部10hは、異常の発生を検出しなくてもよい。このため、例えば、見守りの対象物を指定した人が対象物を手に取る動作を行った場合に異常が検出されることを抑制できる。また、第3変形例において、第2変形例と同様に、移動検出部10fは、対象物が移動したことを検出してもよい。
【0122】
次に、図12図13とを用いて、実施の形態1における見守りシステム1の第4変形例を説明する。
図12は実施の形態1における見守りシステムの第4変形例のブロック図である。図13は実施の形態1における見守りシステムの第4変形例の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0123】
図12に示されるように、第4変形例において、記憶部10aは、警告時の映像の情報を記憶する。
【0124】
警報部10gは、店舗端末3および個人端末5に異常が発生した旨の警報を発する指令を送信する際に、異常が検出された見守り対象が映るカメラ4の映像の情報を記憶部10aに記憶させる。なお、警報部10gは、異常が検出された見守り対象が映るカメラ4の画像の情報を記憶部10aに記憶させてもよい。
【0125】
図13に示されるように、第4変形例において、フローチャートのステップS101からステップS114は、図4のフローチャートと同じである。
【0126】
ステップS114の後、ステップS118の動作が行われる。ステップS118において、見守り装置10の警報部10gは、異常が検出された見守り対象が映るカメラ4の映像の情報を記憶部10aに記憶させる。その後、見守りシステム1は、動作を終了する。
【0127】
以上で説明した実施の形態1の第4変形例によれば、見守り装置10は、警報を発報させた際に、見守り対象が写るカメラ4の映像または画像の情報を記憶する。このため、対象物が人に盗まれている記録を残すことができる。その結果、窃盗等の犯罪の立証に貢献できる。
【0128】
なお、見守り装置10は、実施の形態1の第1変形例、第2変形例、および第3変形例の動作を併せて行ってもよい。具体的には、見守り装置10は、図13のフローチャートにおけるS108で異常を検出しない場合、図7のフローチャートにおけるステップS115の動作、図9のフローチャートにおけるステップS116の動作、および図9のフローチャートにおけるステップS115からステップS117の動作をそれぞれ行ってもよい。
【0129】
次に、図14図15とを用いて、実施の形態1における見守りシステム1の第5変形例を説明する。
図14は実施の形態1における見守りシステムの第5変形例のブロック図である。図15は実施の形態1における見守りシステムの第5変形例の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0130】
図14には示されないが、掲示体6には、掲示2次元コード6aが表示される。例えば、掲示2次元コード6aは、QRコード(登録商標)である。掲示2次元コード6aは、個人端末5から見守り装置10にアクセスするためのアクセス情報を示す。具体的には、例えば、アクセス情報は、利用画面のURLである。例えば、アクセス情報は、荷物見守りサービスを利用するための個人用アプリケーションを自動的に立ち上げるためのURLである。
【0131】
なお、店舗2の広報のためのwebサイトに掲示された掲示画像の一部に掲示2次元コード6aと同様の2次元コードが示されてもよい。当該掲示画像に、アクセス情報としてURL等が示されてもよい。
【0132】
図14に示されるように、第5変形例において、個人端末5は、読取部5fを備える。
【0133】
例えば、読取部5fは、カメラを有する。読取部5fは、QRコード(登録商標)等の2次元コードが映る画像を撮影し得る。読取部5fは、掲示2次元コード6aを撮影した場合、撮影した画像の掲示2次元コード6aからアクセス情報を抽出する。
【0134】
読取部5fがアクセス情報を抽出した場合、個人端末5は、利用画面にアクセスする。
【0135】
図15のフローチャートに示されるように、ステップS119において、個人端末5の読取部5fは、掲示2次元コード6aを読み取ったか否かを判定する。
【0136】
ステップS119で、読取部5fが掲示2次元コード6aを読み取っていない場合、個人端末5は、ステップS119の動作を繰り返す。
【0137】
ステップS119で、読取部5fが掲示2次元コード6aを読み取った場合、ステップS102以降の動作が行われる。フローチャートのステップS102以降は、図4のフローチャートのステップS102以降と同じである。
【0138】
以上で説明した実施の形態1の第5変形例によれば、見守りシステム1の掲示体6は、掲示2次元コード6aを有する。このため、利用者は、掲示2次元コード6aを個人端末5で読み取ることで、荷物見守りサービスにアクセスできる。その結果、利用者の利便性を向上できる。荷物見守りサービスのユーザーエクスペリエンス(UX)をより良くすることができる。
【0139】
実施の形態2.
図16は実施の形態2における見守りシステムが適用される前の対象物を示す図である。図17は実施の形態2における見守りシステムの被覆体を示す図である。図18は実施の形態2における見守りシステムの被覆体の要部を示す図である。なお、実施の形態1の部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0140】
図16において、複数の物C、D、E、Fは、机の上に置かれている。実施の形態1の見守りシステム1であれば、図16には示されない見守り装置10は、複数の物C、D、E、Fを検出し、それぞれを見守りの対象物として監視する。
【0141】
図17は、実施の形態2における被覆体20を示す。例えば、被覆体20は、特定の模様を有する布である。なお、被覆体20の形態は、物を覆う性質を備えていれば布の形態に限定されない。例えば、複数の被覆体20が店舗2に準備される。図17において、荷物見守りサービスの利用者は、図16で示された複数の物C、D、E、Fを被覆体20で覆う。利用者は、個人端末5を利用して、被覆体20を対象物に設定する。
【0142】
図17には示されない見守り装置10は、被覆体20を対象物に設定し、被覆体20を監視する。具体的には、見守り装置10は、被覆体20の像を見守り対象に設定する。なお、見守り装置10は、被覆体20の像を含む画像の領域を見守り対象に設定してもよい。
【0143】
図18は、被覆体20の一部分を示す。被覆体20は、識別可能な固有の模様であって特定の特徴的な模様を有する。例えば、特定の特徴的な模様は、規則的な模様、不規則な模様、および色彩のうち少なくとも1つの組み合わせからなる模様である。被覆体20は、被覆体2次元コード20aを有する。被覆体2次元コード20aは、被覆体20の一部に設けられる。例えば、被覆体2次元コード20aは、QRコード(登録商標)である。被覆体2次元コード20aは、被覆体アクセス情報を示す。例えば、被覆体アクセス情報は、見守り装置10にアクセスするURLと被覆体20の識別情報とが対応付けられた情報である。
【0144】
例えば、利用者は、被覆体2次元コード20aを図18には図示されない個人端末5で撮影する。個人端末5は、被覆体アクセス情報を抽出し、図18には図示されない見守り装置10にアクセスする。この場合、図示されないが、見守り装置10は、被覆体アクセス情報に対応する被覆体20を撮影するカメラ4を特定する。個人端末5には、対応する被覆体20を撮影するカメラ4の映像が表示される。
【0145】
次に、図19図20とを用いて、見守りシステム1を説明する。
図19は実施の形態2における見守りシステムのブロック図である。図20は実施の形態2における見守りシステムの動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0146】
図19に示されるように、見守りシステム1は、被覆体データベース21を更に備える。なお、図19には、被覆体20が示されない。
【0147】
例えば、被覆体データベース21を記憶する記憶媒体は、見守り装置10と同じ建物に設けられる。被覆体データベース21は、見守りシステム1に登録された被覆体20の識別情報と被覆体20が準備された店舗2の識別情報と被覆体20の模様の情報とが対応付けられた被覆体情報を記憶する。
【0148】
個人端末5において、読取部5fは、被覆体2次元コード20aが撮影された画像から被覆体アクセス情報を抽出する。個人端末5の操作部5eは、被覆体アクセス情報を見守り装置10に送信する。操作部5eは、見守り装置10が作成する利用画面にアクセスする。
【0149】
見守り装置10が被覆体アクセス情報を受信した場合、個人表示部10cは、被覆体アクセス情報に基づいて、個人端末5に対応する利用画面に被覆体20が映るカメラ4の映像を表示する。
【0150】
見守り装置10が被覆体アクセス情報を受信した場合、対象設定部10dは、被覆体データベース21の被覆体情報に基づいて、カメラ4に映る被覆体20の像を解析することで、被覆体20の識別情報を特定する。その後、対象設定部10dは、被覆体20を見守りの対象物に設定する。この場合、対象設定部10dは、被覆体20の像を見守り対象に設定する。なお、対象設定部10dは、被覆体20を見守りの対象物に設定した後、被覆体20の像を含むカメラ4の画像の領域を見守り対象に設定してもよい。
【0151】
図20に示されるように、ステップS201において、個人端末5は、読取部5fが被覆体2次元コード20aを読み取ったか否かを判定する。
【0152】
ステップS201で、読取部5fが被覆体2次元コード20aを読み取っていない場合、個人端末5は、ステップS201の動作を繰り返す。
【0153】
ステップS201で、読取部5fが被覆体2次元コード20aを読み取った場合、ステップS202の動作が行われる。ステップS202において、見守り装置10は、利用画面に被覆体20が映る映像を表示する。見守り装置10は、被覆体20の像を見守り対象に設定する。
【0154】
その後、ステップS203の動作が行われる。ステップS203からS204で行われる動作は、図4のフローチャートのステップS104からS105で行われる動作と同じである。
【0155】
ステップS204の後、ステップS205の動作が行われる。ステップS205からステップS209で行われる動作は、図4のフローチャートのステップS108からステップS110で行われる動作およびステップS113からS114で行われる動作と同じである。ステップS207またはステップS209の後、見守りシステム1は、動作を終了する。
【0156】
なお、ステップS204とS205との間において、図4のフローチャートのステップS106からステップS107で行われる動作およびステップS111からステップS112で行われる動作が行われてもよい。
【0157】
以上で説明した実施の形態2によれば、見守りシステム1は、被覆体20を備える。見守り装置10は、カメラ4の映像から登録された被覆体20を検出する。見守り装置10は、被覆体20の像または被覆体20の像を含む画像の領域を見守り対象に設定する。このため、見守り装置10がカメラ4の映像から対象物となる物を検出するために行う演算処理の量が少なくなる。その結果、対象物を見守る精度が向上する。また、被覆体20は、見守りを希望する物の上に置かれる。このため、例えば、財布、スマートフォン等の比較的小さな物の監視を、被覆体20を介して行うことができる。また、複数の物の監視を、1つの被覆体20を介して行うことができる。その結果、見守り装置10の演算処理の量が少なくなる。
【0158】
なお、見守りシステム1は、見守りの対象物として設定可能な物を被覆体20のみとしてもよい。この場合、見守り装置10がカメラ4の映像から物を検出するために行う演算処理の量を軽減できる。また、見守りの精度を向上できる。また、利用者が他人の物を勝手に見守りの対象物として設定することを抑制できる。
【0159】
また、被覆体20は、固有の模様を有する。このため、見守り装置10は、カメラ4の映像から被覆体20を容易に検出できる。
【0160】
また、被覆体20は、被覆体アクセス情報を示す被覆体2次元コード20aを有する。見守り装置10は、個人端末5から被覆体アクセス情報を受信した場合、対応する被覆体20の像または被覆体20の像が含まれる画像の領域を見守り対象に設定する。このため、利用者は、個人端末5で被覆体2次元コード20aを読み取るだけで、対象物を設定できる。即ち、利用者は、利用画面へのアクセスおよび利用画面における対象物の指定または対象物が映る画像の領域の指定を行う必要がない。その結果、利用者は、簡単なユーザーインターフェース(UI)を介して荷物見守りサービスを利用することができる。利用者の荷物見守りサービスにおけるUXの快適性を向上できる。
【0161】
実施の形態3.
図21は実施の形態3における見守りシステムの見守り札を示す図である。なお、実施の形態1または実施の形態2の部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0162】
図21に示されるように、見守りシステム1は、複数の見守り札30を更に備える。ただし、図21には、複数の見守り札30のうちの1つが示される。
【0163】
例えば、複数の見守り札30は、それぞれが特定の模様を有する板である。例えば、複数の見守り札30のそれぞれには、「荷物見守り中」の文字が記載される。複数の見守り札30は、店舗2に準備される。複数の見守り札30の各々は、札2次元コード31を有する。例えば、札2次元コード31は、QRコード(登録商標)である。札2次元コード31は、札アクセス情報を示す。例えば、札アクセス情報は、見守り装置10にアクセスするURLと見守り札30の識別情報とが対応付けられた情報である。
【0164】
図21には図示されないが、見守り装置10は、カメラ4の映像に映る見守り札30の模様を解析することで、見守り札30を検出する。見守り装置10は、店舗2に準備された複数の見守り札30の一覧を利用画面に表示する。複数の見守り札30の一覧には、複数の見守り札30の各々が他の利用者に利用されているか否かを示す情報が併せて表示される。利用者は、個人端末5に表示された利用画面において、自身の置いた見守り札30を選択する。見守り装置10は、選択された見守り札30が映るカメラ4の映像を利用画面に表示する。利用者は、利用画面に映る物のうち、見守り札30から規定の距離以内に存在する物を見守りの対象物に指定し得る。
【0165】
次に、図22を用いて、見守り札30の例を説明する。
図22は実施の形態3における見守りシステムの見守り札を示す図である。
【0166】
図22は、見守り札30の例として、見守り札30a、30b、30c、30d、30eをそれぞれ示す。
【0167】
図22の(a)に示されるように、見守り札30aは、固有の模様によって識別される見守り札である。複数の見守り札30aが存在する場合、複数の見守り札30aは、それぞれ固有の模様を有する。
【0168】
図22の(b)および(c)に示されるように、見守り札30bおよび見守り札30cは、固有の色および固有の形状によって識別される見守り札である。具体的には、例えば、見守り札30bは、1枚の板を2つに折って形成される。見守り札30cは、カラーコーン(登録商標)の形状を有する。
【0169】
図22の(d)に示されるように、見守り札30dは、光源32dを有する。例えば、光源32dは、LEDである。見守り札30dは、光源32dの明滅のパターンによって識別される見守り札である。なお、光源32dは、複数の色の光を発する光源であってもよい。
【0170】
図22の(e)に示されるように、見守り札30eは、第1光源33eと第2光源34eと第3光源35eとを有する。例えば、第1光源33eと第2光源34eと第3光源35eとは、LEDである。第1光源33e、第2光源34e、および第3光源35eは、いずれも黄色、赤色、緑色の光を発する。見守り札30eは、第1光源33eと第2光源34eと第3光源35eとの明滅のパターンによって識別される見守り札である。
【0171】
次に、図23を用いて、見守り札30d、30eの明滅パターンの例を説明する。
図23は実施の形態3における見守りシステムの見守り札が発する光の明滅パターンを示す図である。
【0172】
図23は、明滅パターンの例として3つの明滅パターン(a)、(b)、(c)を示す。図23の(a)、(b)、(c)は、明滅パターン(a)、(b)、(c)の1周期のパターンをそれぞれ示す。例えば、明滅パターン(a)、(b)、(c)は、規定の回数繰り返される。
【0173】
図23の(a)は、見守り札30dの光源32dの明滅パターン(a)を示す。明滅パターン(a)は、一色の光が点灯するまたは消灯するパターンである。光源32dは、矢印Xで示される順番に、固有の時間だけ点灯または消灯する。例えば、「点灯:1.0秒」の行は、光源32dが1.0秒間継続して点灯することを示す。
【0174】
図23の(b)は、複数の色の光を発する光源32dの明滅パターン(b)を示す。明滅パターン(b)は、黄色、赤色、および緑色のうちいずれかの色の光が点灯するまたは消灯するパターンである。光源32dは、矢印Yで示される順番に、固有の色および固有の時間だけ点灯するまたは消灯する。例えば、「黄点灯:0.5秒」の行は、光源32dが黄色で0.5秒間継続して点灯することを示す。
【0175】
図23の(c)は、見守り札30eの第1光源33eと第2光源34eと第3光源35eとの明滅パターン(c)を示す。明滅パターン(c)は、複数の光源が固有の色の順番で点灯するまたは消灯するパターンである。第1光源33eと第2光源34eと第3光源35eとは、(第1光源33e,第2光源34e,第3光源35e)で示される組み合わせのように、矢印Zで示される順番で、固有の色および固有の時間だけ点灯するまたは消灯する。例えば、「(黄,赤,緑):1.0秒」の行は、第1光源33eが黄色で点灯し、第2光源34eが赤色で点灯し、第3光源が緑色で点灯している状態が1.0秒間継続することを示す。例えば、「(全照灯):1.0秒」の行は、第1光源33eが消灯し、第2光源34eが消灯し、第3光源が消灯している状態が1.0秒間継続することを示す。
【0176】
次に、図24を用いて、見守りシステム1を説明する。
図24は実施の形態3における見守りシステムのブロック図である。
【0177】
図24に示されるように、見守りシステム1は、見守り札データベース36を更に備える。なお、図24には、見守り札30が示されない。
【0178】
例えば、見守り札データベース36を記憶する記憶媒体は、見守り装置10と同じ建物に設けられる。見守り札データベース36は、見守りシステム1に登録された見守り札30の識別情報と見守り札30が準備された店舗2の識別情報と見守り札30を識別する情報とが対応付けられた見守り札情報を記憶する。見守り札30を識別する情報は、見守り札30aの模様を示す情報、見守り札30b、30cの形状と模様との組み合わせを示す情報、見守り札30d、30eの明滅パターンを示す情報、等である。
【0179】
対象設定部10dは、見守り札データベース36の見守り札情報に基づいて、カメラ4に映る見守り札30の像を解析することで、見守り札30の識別情報を特定する。対象設定部10dは、見守り札30から規定の距離以内の位置に存在する物のみを当該見守り札30に対応する対象物に設定し得る。即ち、対象設定部10dは、見守り札30よりも規定の距離より離れた位置に存在する物について、当該見守り札30に対応する対象物には設定しない。具体的には、対象設定部10dは、見守り札30から規定の距離よりも離れた物の像を見守り対象に設定しない。または、対象設定部10dは、見守り札30から規定の距離よりも離れた物の像を含む画像の領域を見守り対象に設定しない。この際、例えば、対象設定部10dは、見守り札30の像から規定の画像上の距離よりも遠い領域を見守り対象に設定しないことで、見守り札30から規定の距離よりも離れた物の像を含む画像の領域を見守り対象に設定しない。
【0180】
見守り装置10が個人端末5からアクセスを受けた場合、個人表示部10cは、個人端末5が存在する店舗2を特定する。個人表示部10cは、特定した店舗2に準備された見守り札30の一覧を利用画面に表示する。この際、個人表示部10cは、見守り札30が他の利用者に利用されているか否かを見守り札30と対応付けて表示する。利用画面において見守り札30が選択された場合、個人表示部10cは、選択された見守り札30が映るカメラ4の映像を利用画面に表示する。
【0181】
次に、図25を用いて、実施の形態3における荷物見守りサービスで行われる動作を説明する。
図25は実施の形態3における見守りシステムの動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0182】
図25に示されるように、ステップS301において、見守り装置10の個人表示部10cは、個人端末5から荷物見守りサービスのアクセスを受けたか否かを判定する。
【0183】
ステップS301で、個人端末5からアクセスを受けていない場合、個人表示部10cは、ステップS301の動作を繰り返す。
【0184】
ステップS301で、アクセスを受けたと判定された場合、ステップS302の動作が行われる。ステップS302において、個人表示部10cは、店舗2に準備された複数の見守り札30の一覧を個人端末5の利用画面に表示する。
【0185】
その後、ステップS303の動作が行われる。ステップS303において、個人表示部10cは、一覧の中からいずれかの見守り札30が選択されたか否かを判定する。
【0186】
ステップS303で、見守り札30が選択されていないと判定された場合、ステップS303の動作が繰り返される。
【0187】
ステップS303で、見守り札30が選択された場合、ステップS304の動作が行われる。ステップS304において、個人表示部10cは、選択された見守り札30が映る映像を個人端末5の利用画面に表示する。その後、個人表示部10cは、見守り対象が選択されたか否かを判定する。この際、対象設定部10dは、選択された見守り札30から規定の距離よりも離れた位置に存在する物の像または当該物の像を含む画像の領域を見守り対象に指定する指示を受け付けない。
【0188】
ステップS304で、見守り対象が指定されない場合、ステップ304の動作が継続される。
【0189】
ステップS304で、見守り対象が指定された場合、ステップS305以降の動作が行われる。ステップS305からS311において行われる動作は、実施の形態2における図20のフローチャートのステップS203からS209で行われる動作と同じである。
【0190】
以上で説明した実施の形態3によれば、見守りシステム1は、複数の見守り札30を備える。見守り装置10は、個人端末5に複数の見守り札30のうちいずれかの選択を受け付ける利用画面を表示させる。このため、利用者は、容易に見守り札30を選択できる。
【0191】
また、見守り装置10は、見守り札30から規定の距離より離れた位置に存在する物の像または当該物の像を含む画像の領域を見守り対象に設定しない。このため、利用者が誤って他人の物を対象物に設定することを抑制できる。
【0192】
また、見守り札30は、固有の形状および固有の模様を備える。見守り装置10は、カメラ4の映像に映る見守り札30の形状と模様とに基づいて、見守り札30を識別する。このため、見守り装置10は、利用者にカメラ4を選択されることなく、使用される見守り札30を撮影するカメラ4を特定できる。その結果、荷物見守りサービスの利便性が向上する。
【0193】
また、見守り札30は、固有の明滅パターンで点灯する1以上の光源を備える。見守り装置10は、カメラ4の映像に映る見守り札30の明滅パターンに基づいて、見守り札30を識別する。このため、見守り装置10は利用者にカメラ4を選択されることなく、使用される見守り札30を撮影するカメラ4を特定できる。その結果、荷物見守りサービスの利便性が向上する。
【0194】
次に、図26を用いて実施の形態3の第1変形例を説明する。
図26は実施の形態3における見守りシステムの第1変形例の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0195】
実施の形態3の第1変形例において、利用者は、見守り札30の札2次元コード31を個人端末5で読み取る。個人端末5の読取部5fは、札2次元コード31の画像から札アクセス情報を取得する。個人端末5は、札アクセス情報に基づいて見守り装置10にアクセスする。この際、個人端末5は、札アクセス情報を見守り装置10に送信する。
【0196】
見守り装置10が札アクセス情報を受信した場合、見守り装置10の対象設定部10dは、見守り札情報に基づいて、札アクセス情報に対応する見守り札30が映るカメラ4を特定する。個人表示部10cは、札アクセス情報に基づいて、当該見守り札30が映るカメラ4の映像を個人端末5がアクセスした利用画面に表示する。
【0197】
図26に示されるように、フローチャートのステップS312において、個人端末5は、札2次元コード31を読み取ったか否かを判定する。
【0198】
ステップS312で、札2次元コード31を読み取っていない場合、個人端末5は、ステップS312の動作を繰り返す。
【0199】
ステップS312で、札2次元コード31を読み取ったと判定された場合、ステップS313の動作が行われる。ステップS313において、個人端末5は、札アクセス情報を見守り装置10に送信する。見守り装置10の対象設定部10dは、見守り札30が映るカメラ4の映像を特定する。個人表示部10cは、見守り札30が映るカメラ4の映像を個人端末5の利用画面に表示する。
【0200】
その後、ステップS304以降の動作が行われる。ステップS304からステップS311は、図25のフローチャートにおけるステップS304からステップS311と同じである。
【0201】
以上で説明した実施の形態3の第1変形例によれば、見守り札30は、札2次元コード31を有する。個人端末5は、札2次元コード31を読み取った場合、見守り装置10にアクセスする。この際、個人端末5は、札2次元コード31が示す札アクセス情報を見守り装置10に送信する。見守り装置10は、札アクセス情報を示す見守り札30が映るカメラ4の映像を利用画面に表示する。即ち、見守り装置10は、利用画面において複数の見守り札30の中から選択を受け付けることなく、利用者が使用する見守り札30を特定する。このため、利用者の利便性が向上する。
【0202】
次に、図27図28とを用いて実施の形態3の見守りシステム1の第2変形例を説明する。
図27は実施の形態3における見守りシステムの第2変形例の見守り札を示す図である。図28は実施の形態3における見守りシステムの第2変形例の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0203】
図27に示されるように、実施の形態3の第2変形例において、利用者は、見守りを希望する物の上に見守り札30を置く。利用者は、個人端末5を操作することで、見守り札30を見守りの対象物に指定する。図示されないが、この際、利用画面における見守り札30の一覧において、ある見守り札30が選択された場合、見守り装置10は、当該見守り札30を対象物に設定する。この場合、見守り装置10は、カメラ4の画像における当該見守り札30の像を見守り対象に設定する。なお、見守り装置10は、カメラ4の画像における当該見守り札30の像を含む画像の領域を見守り対象に設定してもよい。
【0204】
例えば、対象物に設定された見守り札30の下に存在する物が移動した場合、当該見守り札30は、当該物と共に移動する。この場合、見守り装置10は、異常を検出する。
【0205】
図28において、ステップS301からS303は、図25のフローチャートのステップS301からS303と同じである。
【0206】
ステップS303で、見守り札30の一覧から見守り札30が選択された場合、ステップS314の動作が行われる。ステップS314において、見守り装置10の対象設定部10dは、選択された見守り札30の像または見守り札30の像を含む画像の領域を見守り対象に設定する。個人表示部10cは、選択された見守り札30が映るカメラ4の映像を利用画面に表示する。
【0207】
その後、ステップS305以降の動作が行われる。ステップS305からS311は、図25のフローチャートのステップS305からS311と同じである。
【0208】
以上で説明した実施の形態3の第2変形例によれば、見守り装置10は、個人端末5の利用画面において選択された見守り札30を対象物に設定し、当該見守り札30の像または見守り札30の像を含む画像の領域を見守り対象に設定する。このため、利用者は、見守りを希望する物を具体的に選択することなく、対象物を設定できる。例えば、見守りを希望する物の上に置いた見守り札30が対象物に設定された場合、見守りを希望する物が監視されている状態と同じ見守りの効果が発生する。その結果、利用者の利便性を向上できる。
【0209】
なお、見守り装置10は、札アクセス情報を受信した場合、札アクセス情報に対応する見守り札30を対象物に設定し、当該見守り札30の像または当該見守り札30の像を含む画像の領域を見守り対象に設定してもよい。このため、利用者は、見守りを希望する物を選択することなく対象物を設定できる。
【0210】
次に、図29から図31を用いて実施の形態3の見守りシステム1の第3変形例を説明する。
図29は実施の形態3における見守りシステムの第3変形例の見守り札を示す図である。図30は実施の形態3における見守りシステムの第3変形例のブロック図である。図31は実施の形態3における見守りシステムの第3変形例の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0211】
図29は、見守り札30の例として、見守り札30c、30dを示す。
【0212】
図29の(a)に示されるように、見守り札30cは、通信器37cとスピーカー38cとを更に備える。通信器37cは、ネットワークを介して図29には図示されない見守り装置10と通信する。スピーカー38cは、音を発する。
【0213】
図29の(b)に示されるように、見守り札30dは、通信器37dとスピーカー38dとを更に備える。通信器37dは、ネットワークを介して見守り装置10と通信する。スピーカー38dは、音を発する。
【0214】
図30に示されるように、第3変形例において、見守り札30は、図29に示された形状に限らず、通信器37とスピーカー38とを更に備える。
【0215】
警報部10gは、異常を検出した際に、即ち、店舗端末3と個人端末5とに警報を発する指令を送信する際に、見守り札30の通信器37に対して警報を発する指令を送信する。なお、警報部10gが指令を送信する見守り札30は、利用画面において選択された見守り札30または対象物に設定された見守り札30である。
【0216】
通信器37は、当該指令を受信した場合、スピーカー38に警報を発報させる。
【0217】
図31には、利用者が札2次元コード31を介して見守りシステム1にアクセスする場合のフローチャートが示される。ステップS312からS309は、図26のフローチャートのステップS312からS309と同じである。また、ステップS310は、図26のフローチャートのステップS310と同じである。
【0218】
ステップS310の動作が行われた後、ステップS315の動作が行われる。ステップS315において、見守り装置10の警報部10gは、対象物に異常が発生した旨の警報を発する指令をさらに見守り札30に送信する。店舗端末3と個人端末5と見守り札30のスピーカー38とは、警報を発報する。その後、見守りシステム1は、動作を終了する。
【0219】
以上で説明した実施の形態3の第3変形例によれば、見守り札30は、スピーカー38を有する。見守り装置10は、対象物の異常を検出した場合に、スピーカー38に警報を発報させる。この際、当該スピーカー38は、利用画面において選択された見守り札30のスピーカー38または対象物に設定された見守り札30のスピーカー38である。このため、見守り札30の周囲の人に異常が発生していることを知らせることができる。その結果、利用者および店舗2の従業員が見守り札30の近くにいない場合でも、防犯効果を発揮することができる。
【0220】
次に、図32から図34を用いて実施の形態3の見守りシステム1の第4変形例を説明する。
図32は実施の形態3における見守りシステムの第4変形例の見守り札を示す図である。図33は実施の形態3における見守りシステムの第4変形例のブロック図である。図34は実施の形態3における見守りシステムの第4変形例の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0221】
図32に示されるように、実施の形態3の第4変形例において、見守りシステム1は、移動カメラ39を更に備える。
【0222】
移動カメラ39は、見守り札30に設けられる。図32の(a)と(b)とは、移動カメラ39が設けられた見守り札30c、30dをそれぞれ示す。移動カメラ39は、広範囲を撮影可能なカメラである。具体的には、例えば、移動カメラ39は、360度カメラ、広角カメラである。移動カメラ39は、撮影した映像の情報を、通信器37を介して見守り装置10に送信する。
【0223】
利用者は、移動カメラ39が見守りたい物を撮影し得るように、見守り札30を設置する。
【0224】
見守り装置10は、移動カメラ39からの映像を、カメラ4の映像と同様に利用する。即ち、利用者は、移動カメラ39が撮影する映像に基づいて利用画面を操作し得る。
【0225】
なお、図示されないが、店舗2には、カメラ4が設置されずに、移動カメラ39のみが準備されていてもよい。
【0226】
図33において、カメラデータベース11は、移動カメラ39の情報を含む情報を記憶する。具体的には、カメラデータベース11は、移動カメラ39の識別情報と移動カメラ39が設けられた見守り札30の識別情報と設置された店舗の情報とが対応付けられた情報を記憶する。
【0227】
店舗表示部10bは、カメラ4の映像または移動カメラ39の映像を店舗端末3の店舗用利用画面に表示し得る。
【0228】
図34には、利用者が札2次元コード31を介して見守りシステム1にアクセスする場合のフローチャートが示される。
【0229】
ステップS312は、図31のフローチャートのステップS312と同じである。
【0230】
ステップS312で、札2次元コード31を読み取ったと判定された場合、ステップS316の動作が行われる。ステップS316において、個人表示部10cは、カメラデータベース11が記憶する情報に基づいて、札2次元コード31に対応する移動カメラ39を特定する。個人表示部10cは、札2次元コード31に対応する移動カメラ39が撮影する映像を個人端末5の利用画面に表示する。
【0231】
その後、ステップS304からS315までの動作が行われる。ステップS304からS315は、図31のステップS304からS315と同じである。
【0232】
以上で説明した実施の形態3の第4変形例によれば、見守り札30は、移動カメラ39を備える。移動カメラ39の映像は、カメラ4の映像と同じように扱われる。即ち、見守りシステム1は、移動カメラ39の映像を用いて荷物見守りサービスを実行する。このため、見守りシステム1は、予めカメラ4が設置されていない店舗において、荷物見守りサービスを提供できる。即ち、荷物見守りサービスを導入する際に、新たなカメラの設置工事を行う必要が無くなる。店舗の経営者は、簡単に荷物見守りサービスを店舗に導入できる。また、予め設置されたカメラ4の位置から遠い席において、移動カメラ39は、対象物を近い距離から撮影できる。このため、カメラ4の解像度が低い場合、カメラ4から遠い場所に対象物が存在する場合、またはカメラ4が撮影できない場所に対象物が存在する場合、等の様々な場合において、見守り装置10は、対象物が鮮明に映る映像を使用することができる。その結果、対象物を監視する精度を向上できる。
【0233】
実施の形態4.
図35は実施の形態4における見守りシステムの机を示す図である。なお、実施の形態1から3のいずれかの部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0234】
図35に示されるように、実施の形態4において、見守りシステム1は、複数の机40を備える。図35には、複数の机40のうちの1つが示される。複数の机40は、店舗2に設置される。複数の机40は、机2次元コード40aをそれぞれ有する。例えば、机2次元コード40aは、QRコード(登録商標)である。机2次元コード40aは、机アクセス情報を示す。例えば、机アクセス情報は、見守り装置10にアクセスするURLと机40の識別情報とが対応付けられた情報である。
【0235】
利用者は、ある机40を利用中に荷物見守りサービスを利用する場合、個人端末5で当該机40の机2次元コード40aを読み取る。図35には示されない見守り装置10は、当該机40が映るカメラ4の映像を利用画面に表示する。見守り装置10は、当該机40から規定の距離以内に存在する物のみを見守りの対象物として設定し得る。
【0236】
次に、図36図37とを用いて、実施の形態4の見守りシステム1を説明する。
図36は実施の形態4における見守りシステムのブロック図である。図37は実施の形態4における見守りシステムの動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0237】
図36に示されるように、見守りシステム1は、机データベース41を更に備える。なお、図36には、机40は示されない。
【0238】
例えば、机データベース41を記憶する記憶媒体は、見守り装置10と同じ建物に設けられる。机データベース41は、見守りシステム1に登録された机40の識別情報と机40が設置された店舗2の識別情報と机40を識別する情報とが対応付けられた机情報を記憶する。例えば、机40を識別する情報は、机40の座席番号の情報、店舗2の内部における机40の位置の情報、机40の模様の情報、等である。
【0239】
見守り装置10が机アクセス情報を受信した場合、対象設定部10dは、机データベース41の机情報に基づいて、対応する机40を撮影するカメラ4を特定する。対象設定部10dは、机40から規定の距離以内の位置に存在する物のみを当該机40に対応する対象物に設定し得る。即ち、対象設定部10dは、机40よりも規定の距離より離れた位置に存在する物の像を当該机40に対応する見守り対象には設定しない。また、対象設定部10dは、机40よりも規定の距離より離れた位置に存在する物の像を含む画像の領域を見守り対象には設定しない。この際、例えば、対象設定部10dは、机40の像から規定の画像上の距離よりも遠い領域を見守り対象に設定しないことで、机40から規定の距離よりも離れた物の像を含む画像の領域を見守り対象に設定しない。
【0240】
図37のフローチャートに示されるように、ステップS401において、個人端末5は、机2次元コード40aを読み取ったか否かを判定する。
【0241】
ステップS401で、机2次元コード40aを読み取っていない場合、個人端末5は、ステップS401の動作を繰り返す。
【0242】
ステップS401で、机2次元コード40aを読み取ったと判定された場合、ステップS402の動作が行われる。ステップS402において、個人端末5は、机アクセス情報を見守り装置10に送信する。見守り装置10の対象設定部10dは、机アクセス情報に対応する机40を撮影するカメラ4を特定する。個人表示部10cは、特定したカメラ4の映像を個人端末5の利用画面に表示する。
【0243】
その後、ステップS403の動作が行われる。ステップS403において、対象設定部10dは、見守り対象が指定されたか否かを判定する。この際、対象設定部10dは、机40から規定の距離以内に存在する物のみ見守り対象の指定を受け付ける。
【0244】
ステップS403で、見守り対象が指定されない場合、ステップS403の動作が繰り返される。
【0245】
ステップS403で、見守り対象が指定された場合、ステップS404以降の動作が行われる。ここで、ステップS404からS410で行われる動作は、実施の形態3の図25のフローチャートにおけるステップS305からS311で行われる動作と同じである。
【0246】
以上で説明した実施の形態4によれば、見守りシステム1は、複数の机40を備える。複数の机40は、机2次元コード40aをそれぞれ有する。見守り装置10は、個人端末5から机アクセス情報を受信した場合、対応する机40を撮影するカメラ4の映像を個人端末5の利用画面に表示させる。このため、利用者は利用画面に容易にアクセスできる。その結果、利用者の利便性が向上する。
【0247】
また、見守り装置10は、机アクセス情報に対応する机40から規定の距離より離れた位置に存在する物の像または当該物の像を含む画像の領域を見守り対象に設定しない。このため、利用者が誤って他人の物を対象物に設定することを抑制できる。
【0248】
次に、図38図39とを用いて実施の形態4の見守りシステム1の第1変形例を説明する。
図38は実施の形態4における見守りシステムの第1変形例の机を示す図である。図39は実施の形態4における見守りシステムの第1変形例の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0249】
図38に示されるように、複数の机40の各々には、机40を識別する情報が設けられる。例えば、複数の机40の各々には、机40の識別番号が記される。
【0250】
図示されないが、利用者は、個人端末5の利用画面に占有する机40の識別番号を入力する。見守り装置10の個人表示部10cは、個人端末5の利用画面から机40の識別番号の入力を受け付ける。
【0251】
図示されないが、見守り装置10の対象設定部10dは、机データベース41の記憶する机情報に基づいて、入力された識別番号に対応する机40を撮影するカメラ4を特定する。対象設定部10dは、当該机40の上に設定された規定の領域を検出する。例えば、規定の領域は、机の上全体の領域である。この場合、対象設定部10dは、カメラ4の画像における当該規定の領域を見守り対象に設定する。この際、当該規定の領域には、対象物となる物が存在する。
【0252】
なお、対象設定部10dは、当該机40の上に設定された規定の領域の内部に存在する物の像を見守り対象に設定してもよい。この場合、対象設定部10dは、規定の領域の内部に存在する複数の物C、D、E、Fを検出する。対象設定部10dは、複数の物C、D、E、Fの像をそれぞれ見守り対象に設定する。
【0253】
図39のフローチャートのステップS411において、見守り装置10の個人表示部10cは、個人端末5から荷物見守りサービスのアクセスを受けたか否かを判定する。
【0254】
ステップS411で、個人端末5からアクセスを受けていない場合、個人表示部10cは、ステップS411の動作を繰り返す。
【0255】
ステップS411で、アクセスを受けたと判定された場合、ステップS412の動作が行われる。ステップS412において、個人表示部10cは、個人端末5の利用画面に机40の識別番号が入力されたか否かを判定する。
【0256】
ステップS412で、識別番号が入力されていない場合、ステップS412の動作が繰り返される。
【0257】
ステップS412で、識別番号が入力されたと判定された場合、ステップS413の動作が行われる。ステップS413において、対象設定部10dは、カメラ4の撮影する映像において机40の上の規定の領域を検出し、カメラ4の画像における当該領域を見守り対象に設定する。
【0258】
その後、ステップS414の動作が行われる。ステップS414において、個人表示部10cは、アクセス情報に対応する机40が映るカメラ4の映像を個人端末5の利用画面に表示させる。
【0259】
その後、ステップS404以降の動作が行われる。ステップS404からS410は、図37のフローチャートにおけるステップS404からS410と同じである。
【0260】
以上で説明した実施の形態4の第1変形例によれば、個人端末5は、いずれかの机40を指定する情報の入力を受け付けた場合、当該情報を見守り装置10に送信する。見守り装置10は、指定された机40の上の領域のうち規定の領域を検出し、カメラ4の画像における当該規定の領域を見守り対象に設定する。または、見守り装置10は、指定された机40の上の規定の領域に存在する物の像を見守り対象に設定する。このため、見守りシステム1は、利用者からの簡単な操作で対象物を設定することができる。また、利用者が誤って他の利用者の物を見守りの対象物に設定することを抑制できる。
【0261】
また、規定の領域が机40の上全体の領域である場合、見守り装置10は、机40の上全体の領域または机40の上の全ての物の像を見守り対象に設定する。このため、利用者の利便性を向上できる。
【0262】
なお、机40の上に設定される規定の領域は、任意の領域でよい。例えば、規定の領域は、机40の上の領域のうち半分の領域であってもよい。
【0263】
なお、机40の表面には、規定の領域を示す模様が設けられてもよい。このため、利用者および店舗2の従業員は、見守り対象に設定される領域を知ることができる。利用者が誤って規定の領域に物を置くことで、意図されない物が対象物に設定されることを避けることができる。
【0264】
次に、図40を用いて、実施の形態4の第2変形例を説明する。
図40は実施の形態4における見守りシステムの第2変形例の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0265】
図示されないが、実施の形態4の第2変形例において、机40には、識別番号でなく机2次元コード40aが設けられる。
【0266】
利用者は、個人端末5で机40の机2次元コード40aを読み取る。個人端末5は、机アクセス情報を見守り装置10に送信する。
【0267】
見守り装置10の対象設定部10dは、机アクセス情報と机データベース41が記憶する机情報とに基づいて、机アクセス情報に対応する机40を撮影するカメラ4を特定する。対象設定部10dは、当該机40の上に設定された規定の領域を検出し、見守り対象に設定する。この際、当該机40の上には、対象物が存在する。
【0268】
なお、対象設定部10dは、机アクセス情報に対応する机40の上に設定された規定の領域の内部に存在する物の像を見守り対象に設定してもよい。
【0269】
図40に示されるように、ステップS401は、図37のフローチャートのステップS401と同じである。
【0270】
ステップS401で、机2次元コード40aを読み取ったと判定された場合、ステップS415の動作が行われる。ステップS415において、個人端末5は、机アクセス情報を見守り装置10に送信する。見守り装置10の対象設定部10dは、机アクセス情報に対応する机40を撮影するカメラ4を特定する。対象設定部10dは、当該机40の上の規定の領域を見守り対象に設定する。
【0271】
その後、ステップS414以降の動作が行われる。ステップS414からS410は、図39のフローチャートにおけるステップS414からS410と同じである。
【0272】
以上で説明した実施の形態4の第2変形例によれば、見守り装置10は、机アクセス情報を受信した場合、当該机アクセス情報に対応する机40の上の領域のうち規定の領域を検出し、カメラ4の画像における当該規定の領域を見守り対象に設定する。または、見守り装置10は、指定された机40の上の規定の領域に存在する物の像を見守り対象に設定する。このため、利用者は容易に対象物を設定できる。その結果、利用者の利便性が向上する。
【0273】
なお、実施の形態4の第1変形例および第2変形例において、机40の表面の模様は、特徴的な模様であってもよい。特徴的な模様とは、色および模様が規則的配列された模様である。
図41は実施の形態4における見守りシステムの机の模様の例を示す図である。
【0274】
図41の(a)は、正方形の形をした2色以上の色が交互に並ぶ格子模様である。図41の(b)は、長方形の形をした2色以上の色が並ぶストライプ模様である。
【0275】
以上で説明したように、机40の表面は、色および模様が規則的配列された模様を有してもよい。机40の表面が図41に示される模様を有することで、見守り装置10の対象設定部10dおよび移動検出部10fは、机40の上の物の像を映像から容易に検出することができる。例えば、机の上の物が机の表面と同系色または類似の模様を有することに起因して、当該物が対象物の設定から漏れることを抑制できる。例えば、机の上の物が机の表面と同系色または類似の模様を有することに起因して、当該物の像が変化したことが検出されないことを抑制できる。
【0276】
次に、図42を用いて実施の形態4の見守りシステム1の第3変形例を説明する。
図42は実施の形態4における見守りシステムの第3変形例の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0277】
実施の形態4の第3変形例は、実施の形態4の第2変形例と比べて、見守り装置10が見守りモードの設定または解除を店舗端末3に通知する点で異なる。
【0278】
図42に示されるように、ステップS401からS405は、第2変形例の図40のフローチャートにおけるステップS401からS405と同じである。
【0279】
ステップS405の後、ステップS416の動作が行われる。ステップS416において、見守り装置10の店舗表示部10bは、指定された机40の情報を店舗端末3に通知する。具体的には、店舗表示部10bは、机アクセス情報に対応する机40の識別情報と当該机40の上の領域に見守りモードが設定された旨とを店舗端末3の店舗用利用画面に表示させる。
【0280】
ステップS416の後、ステップS406以降の動作が行われる。ステップS406からS410は、図40のフローチャートにおけるステップS406からS410と同じである。
【0281】
ステップS408の後、ステップS417の動作が行われる。ステップS417において、店舗表示部10bは、見守りモードが解除された机40の情報を店舗端末3に通知する。具体的には、店舗表示部10bは、見守りモードが解除された見守り対象に対応する机40の識別情報と見守りモードが解除された旨とを店舗端末3の店舗用利用画面に表示させる。その後、見守りシステム1は、動作を終了する。
【0282】
なお、実施の形態4の第3変形例は、実施の形態4の第2変形例と比べてではなく、第1変形例と比べて、見守り装置10が見守りモードの設定または解除を店舗端末3に通知する点で異なってもよい。
【0283】
以上で説明した実施の形態4の第3変形例によれば、見守り装置10は、机40の上の規定の領域を見守り対象に設定した場合に、机40の上の領域を対象物に設定した旨の情報を店舗端末3に表示させる。このため、店舗2の従業員は、机40の上の物が対象物に設定されたことを知ることができる。例えば、机40の上の食器が対象物に設定されることがある。この際、従業員が当該食器を片付ける行為、従業員が他の食器を机40に置くために当該食器を移動させる行為、等の従業員のサービス行為によって警告が発報されることを未然に抑制できる。なお、見守り装置10は、机40の上の規定の領域の内部に存在する物の像を見守り対象に設定した場合に、当該机40の上の物の像を見守り対象に設定した旨の情報を店舗端末3に表示させてもよい。
【0284】
また、見守り装置10は、見守りモードが解除された旨を店舗端末3に表示させる。このため、従業員は、対応する机の見守りモードが解除されたことを知ることができる。
【0285】
次に、図43を用いて実施の形態4の見守りシステム1の第4変形例を説明する。
図43は実施の形態4における見守りシステムの第4変形例の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0286】
実施の形態4の第4変形例は、実施の形態4の第3変形例と比べて、見守りモードを店舗端末3から中断および再開することが可能な点で異なる。図示されないが、見守り装置10の店舗表示部10bは、ある机40の上の領域に設定されている見守りモードの中断の指令を店舗端末3から受け付ける。店舗表示部10bは、店舗端末3からの指令で中断された見守りモードの再開の指令を店舗端末3から受け付ける。見守り装置10の個人表示部10cは、店舗端末3からの指令で見守りモードが中断または再開された場合、当該見守りモードに対応する個人端末5にその旨を通知する。
【0287】
見守り装置10の対象設定部10dは、見守りモードが再開された場合、見守りモードが再開された時点における机40の状態を、見守り対象に新たに設定する。具体的には、対象設定部10dは、見守りモードが再開された時点における机40を写すカメラ4の画像を取得する。対象設定部10dは、当該画像における机40の上の規定の領域を新たに見守り対象に設定する。
【0288】
なお、対象設定部10dは、同様にして、見守りモードが再開された時点における机40の上の規定の領域の内部に存在する物の像を見守り対象に設定してもよい。
【0289】
図43に示されるように、フローチャートのステップS401からS416は、図42のフローチャートのステップ401からS416と同じである。
【0290】
ステップS416の後、ステップS418の動作が行われる。ステップS418において、店舗表示部10bは、店舗端末3の店舗用利用画面において見守りモードの中断の指令を受け付けたか否かを判定する。
【0291】
ステップS418で、見守りモードの中断の指令を受け付けたと判定された場合、ステップS419の動作が行われる。ステップS418において、モード設定部10eは、対応する机40の上の見守り対象の見守りモードを中断する。個人表示部10cは、店舗端末3によって見守りモードが中断された旨の情報を個人端末5に通知する。具体的には、個人表示部10cは、個人端末5の利用画面に当該情報を表示させる。
【0292】
その後、ステップS420の動作が行われる。ステップS420において、店舗表示部10bは、店舗端末3の店舗用利用画面において見守りモードの再開を受け付けたか否かを判定する。
【0293】
ステップS420で、見守りモードの再開を受け付けたと判定されない場合、ステップS420の動作が繰り返される。
【0294】
ステップS420で、見守りモードの再開を受け付けたと判定された場合、ステップS421の動作が行われる。ステップS421において、モード設定部10eは、中断していた見守りモードを再開する。対象設定部10dは、見守りモードが再開された時点における机40の状態を見守り対象に設定する。
【0295】
その後、ステップS422の動作が行われる。ステップS422において、個人表示部10cは、見守りモードが再開された旨の情報を個人端末5に通知する。
【0296】
ステップS422の後、またはステップS418で見守りモードの中断の指令を受け付けたと判定されない場合、ステップS406の動作が行われる。ステップS406は、図42のフローチャートのステップS406と同じである。
【0297】
ステップS406で、対象物の位置が移動していないと判定された場合、ステップS407の動作が行われる。ステップS407は、図42のフローチャートのステップS407と同じである。
【0298】
ステップS407で、個人端末5から見守りモードの解除を受け付けていないと判定された場合、ステップS418以降の動作が行われる。
【0299】
ステップS407で、個人端末5から見守りモードの解除を受け付けたと判定された場合、ステップS408以降の動作が行われる。ステップS408からS417は、図42のフローチャートのステップS408からS417と同じである。
【0300】
ステップS406で、対象物の位置が移動したと判定された場合、ステップS409以降の動作が行われる。ステップS409からS410は、図42のフローチャートのステップS409からS410と同じである。
【0301】
以上で説明した実施の形態4の第4変形例によれば、見守り装置10は、店舗端末3から机40の上の見守り対象に設定された見守りモードを中断する指令または再開する指令を受け付ける。見守り装置10は、見守りモードを中断する指令または再開する指令に基づいて、当該対象物に対応する見守りモードを中断または再開する。このため、店舗の従業員は、ある机40へのサービス行為を行う場合に、机40の上の物に対応する見守りモードを中断することができる。このため、従業員のサービス行為に起因する警報の発報を未然に抑制できる。
【0302】
また、見守り装置10は、見守りモードが再開された場合、その時点における机40の上の状態を見守り対象として新たに設定する。見守りモードの中断中に机40の上の対象物が移動した場合、カメラ4が映す机40の画像が見守りモードの再開の前と後とで異なる。この場合、見守り装置10は、異常を検出し得る。見守り対象を新たに設定することで、中断中の変化に起因して見守り装置10が異常を検出することを抑制することができる。
【0303】
また、見守り装置10は、見守りモードを中断する指令または再開する指令を受け付けた場合、当該見守り対象に対応する個人端末5にその旨を通知する。このため、利用者は、見守りモードの中断および再開を知ることができる。
【0304】
実施の形態5.
図44は実施の形態5における見守りシステムのブロック図である。図45は実施の形態5における見守りシステムの動作の概要を説明するためのフローチャートである。なお、実施の形態1から4のいずれかの部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0305】
図44に示されるように、見守りシステム1は、位置検出装置50を更に備える。
【0306】
位置検出装置50は、店舗2の内部に設けられる。位置検出装置50は、個人端末5から発信される電波を利用して店舗2の内部に存在する個人端末5の位置を検出する。例えば、位置検出装置50は、BLE[Bluetooth Low Energy(登録商標)]を利用したビーコン装置である。この場合、位置検出装置50は、BLEを利用することで個人端末5の位置を高精度に検出できる。
【0307】
位置検出装置50は、個人端末5の位置を検出した場合、店舗2における個人端末5の位置情報を作成する。位置検出装置50は、ネットワークを介して、個人端末5の位置情報を見守り装置10に送信する。
【0308】
個人端末5の通信部5aは、位置検出装置50が個人端末5の位置の検出に用いる電波に対応する電波を発信する。
【0309】
見守り装置10において、位置検出装置50から個人端末5の位置情報を受信した場合、個人表示部10cは、カメラデータベース11が記憶する情報に基づいて、個人端末5が存在する位置を撮影するカメラ4を特定する。個人表示部10cは、特定したカメラ4の映像を個人端末5の利用画面に表示させる。
【0310】
位置検出装置50から個人端末5の位置情報を受信した場合、対象設定部10dは、カメラ4が撮影した映像に基づいて、個人端末5の周辺に存在する物の位置を推定する。見守り装置10は、個人端末5の位置情報と推定した物の位置の情報とに基づいて、個人端末5と当該物との距離を演算する。対象設定部10dは、個人端末5から規定の第1距離以内に存在する物のみを当該個人端末5に対応する対象物に設定し得る。即ち、対象設定部10dは、個人端末5よりも規定の第1距離より離れた位置に存在する物の像または当該物の像を含む画像の領域を当該個人端末5に対応する見守り対象には設定しない。
【0311】
図45のフローチャートにおいて、ステップS501で行われる動作は、実施の形態3の図25のフローチャートにおけるステップS301で行われる動作と同じである。
【0312】
ステップS501において、個人端末5からアクセスを受けたと判定された場合、ステップS502の動作が行われる。ステップS502において、見守り装置10の個人表示部10cは、個人端末5が存在する位置を撮影するカメラ4を特定する。個人表示部10cは、特定したカメラ4の映像を個人端末5の利用画面に表示させる。
【0313】
その後、ステップS503の動作が行われる。ステップS503において、対象設定部10dは、個人端末5において、個人端末5から規定の第1距離以内に存在する物の像または当該物の像を含む画像の領域が見守り対象に設定されたか否かを判定する。
【0314】
ステップS503で、見守り対象が設定されない場合、ステップS503の動作が繰り返される。
【0315】
ステップS503で、見守り対象が設定された場合、ステップS504以降の動作が行われる。ステップS504からS510で行われる動作は、図25のフローチャートにおけるステップS305からS311で行われる動作と同じである。
【0316】
以上で説明した実施の形態5によれば、見守りシステム1は、位置検出装置50を備える。位置検出装置50は、個人端末5の位置を検出する。位置検出装置50は、個人端末5の位置情報を見守り装置10に送信する。見守り装置10は、個人端末5の位置情報に基づいて、個人端末5から規定の第1距離よりも離れた位置に存在する物の像を見守り対象に設定しない。または、見守り装置10は、個人端末5の位置情報に基づいて、個人端末5から規定の第1距離よりも離れた位置に存在する物の像を含む画像の領域を見守り対象に設定しない。このため、利用者が誤って他人の物を対象物に設定することを抑制できる。
【0317】
また、見守り装置10は、個人端末5の位置情報に基づいて、個人端末5が映るカメラ4の映像を個人端末5に表示させる。このため、利用者は、自身を撮影するカメラ4の映像に容易にアクセスすることができる。その結果、利用画面におけるユーザーインターフェースの快適性を向上することができる。
【0318】
次に、図46を用いて実施の形態5の見守りシステム1の変形例を説明する。
図46は実施の形態5における見守りシステムの変形例の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0319】
実施の形態5の変形例の見守り装置10において、見守りモードが設定されているときに位置検出装置50から個人端末5の位置情報を受信した場合、対象設定部10dは、個人端末5と対象物との距離を演算する。見守りモードが設定されているときに、対象設定部10dは、個人端末5と対象物との距離が規定の第2距離以内である否かを判定する。
【0320】
見守りモードが設定されているときに個人端末5と対象物との距離が規定の第2距離以内であると対象設定部10dによって判定された場合、モード設定部10eは、当該対象物に設定された見守りモードを解除する。モード設定部10eは、見守りモードを解除した旨を個人端末5に通知する。なお、モード設定部10eではなく個人表示部10cが見守りモードを解除した旨を個人端末5に通知してもよい。
【0321】
図46のフローチャートにおけるステップS501からS506は、実施の形態5の図45におけるステップS501からステップ506と同じである。
【0322】
ステップS506で、対象物が移動したと判定された場合、ステップS509以降の動作が行われる。ステップS509からS510は、図45におけるステップS509からS510と同じである。
【0323】
ステップS506で、対象物が移動したと判定されない場合、ステップS511の動作が行われる。ステップS511において、対象設定部10dは、利用者が対象物に接近したか否かを判定する。具体的には、対象設定部10dは、個人端末5と対象物との距離が規定の第2距離以内であるか否かを判定する。
【0324】
ステップS511で、個人端末5と対象物との距離が第2距離より離れていると判定された場合、ステップS507の動作が行われる。ステップS507は、図45のフローチャートのステップS507と同じである。
【0325】
ステップS511で、個人端末5と対象物との距離が第2距離以内であると判定された場合、ステップS508の動作が行われる。ステップS508において、モード設定部10eは、対象物に設定された見守りモードを解除する。
【0326】
ステップS508の後、ステップS512の動作が行われる。ステップS512において、モード設定部10eは、個人端末5に見守りモードを解除した旨を通知する。その後、見守りシステム1は、動作を終了する。
【0327】
以上で説明した実施の形態5の変形例によれば、見守り装置10は、個人端末5の位置情報に基づいて、個人端末5と対象物との距離が規定の第2距離よりも近いと判定した場合、当該対象物の見守りモードを解除する。即ち、利用者が対象物に近づくと、見守りモードが自動的に解除される。このため、利用者の利便性が向上する。また、利用者が見守りモードを解除することを忘れることで警報が発報することを回避できる。
【0328】
実施の形態6.
図47は実施の形態6における見守りシステムのブロック図である。図48は実施の形態6における見守りシステムの動作の概要を説明するためのフローチャートである。なお、実施の形態1から5のいずれかの部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0329】
図47に示されるように、実施の形態6において、見守りシステム1は、アクセスコントロール装置60を更に備える。
【0330】
アクセスコントロール装置60は、店舗2に設けられる。アクセスコントロール装置60は、ネットワークを介して見守り装置10と通信し得る。アクセスコントロール装置60は、店舗2の出入口の施錠および解錠を制御する。具体的には、店舗2の出入口は、店舗2の入退室ドア、店舗2の自動ドア、等である。
【0331】
見守り装置10の警報部10gは、店舗端末3と個人端末5とに警報を発報させる際に、アクセスコントロール装置60に対して、店舗2の出入口を施錠させる指令を送信する。
【0332】
図48のフローチャートのステップS601からS605において行われる動作は、実施の形態1の図4のステップS101からS105で行われる動作と同じである。ステップS606からS610で行われる動作は、実施の形態3の図25のステップS306からS311と同じ動作である。
【0333】
ステップS610の動作が行われた後、ステップS611の動作が行われる。ステップS611において、警報部10gは、アクセスコントロール装置60に対して、出入口を施錠させる指令を送信する。アクセスコントロール装置60は、見守り装置10からの指令に基づいて、店舗2の出入口を施錠する。その後、見守りシステム1は、動作を終了する。
【0334】
以上で説明した実施の形態6によれば、見守りシステム1は、アクセスコントロール装置60を備える。見守り装置10は、警報を発報させる際に、アクセスコントロール装置60に店舗の出入口を施錠させる。このため、対象物が盗まれた際に、その犯人が逃走することを抑制できる。その結果、置き引き等の犯罪の犯人検挙率を向上できる。
【0335】
実施の形態7.
図49は実施の形態7における見守りシステムのブロック図である。図50は実施の形態7における見守りシステムの動作の概要を説明するためのフローチャートである。なお、実施の形態1から6のいずれかの部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0336】
図49に示されるように、実施の形態7において、見守り装置10は、人追跡部10jを備える。
【0337】
警報部10gが店舗端末3と個人端末5とに警報を発報させるときに、人追跡部10jは、対象物を撮影するカメラ4の映像において対象物に最も近い人を特定者として特定する。または、画像の領域が見守り対象として設定されている場合、人追跡部10jは、当該画像の領域の中心から画像上で最も距離が近い人を特定者として特定する。人追跡部10jは、特定者の特徴情報を記憶部10aに記憶させる。例えば、特定者の特徴情報は、特定者の身長、服装、等の外見の特徴である。人追跡部10jは、カメラ4の映像において特定者の像を追跡する。具体的には、人追跡部10jは、カメラ4の映像において特定者の像をマーキングする。この際、人追跡部10jは、複数のカメラ4の映像において特定者の像をマーキングしてもよい。
【0338】
人追跡部10jが特定者を特定した場合、店舗表示部10bは、特定者がマーキングされたカメラ4の映像を店舗端末3の店舗用利用画面に表示させる。店舗表示部10bは、店舗用利用画面において、店舗端末3から特定者のマーキングを解除する指令を受け付ける。
【0339】
人追跡部10jが特定者を特定した場合、個人表示部10cは、特定者がマーキングされたカメラ4の映像を個人端末5の利用画面に表示させる。個人表示部10cは、利用画面において、個人端末5から特定者のマーキングを解除する指令を受け付ける。
【0340】
図50のフローチャートのステップS701からS710において行われる動作は、実施の形態6の図48のステップS601からS610で行われる動作と同じである。
【0341】
ステップS710の動作が行われた後、ステップS711の動作が行われる。ステップS711において、見守り装置10の人追跡部10jは、特定者を特定する。人追跡部10jは、特定者の特徴情報を記憶部10aに記憶させる。
【0342】
その後、ステップS712の動作が行われる。ステップS712において、人追跡部10jは、カメラ4の映像において特定者の像を追跡する。
【0343】
その後、ステップS713の動作が行われる。ステップS713において、店舗表示部10bは、特定者がマーキングされたカメラ4の映像を店舗端末3の店舗用利用画面に表示させる。個人表示部10cは、特定者がマーキングされたカメラ4の映像を個人端末5の利用画面に表示させる。
【0344】
その後、ステップS714の動作が行われる。ステップS714において、人追跡部10jは、店舗端末3または個人端末5からマーキングを解除する指令を受けたか否かを判定する。
【0345】
ステップS714で、マーキングを解除する指令を受けていないと判定された場合、ステップS712以降の動作が繰り返される。
【0346】
ステップS417で、マーキングを解除する指令を受けた場合、人追跡部10jは、特定者のマーキングを解除しする。その後、見守りシステム1は、動作を終了する。
【0347】
以上で説明した実施の形態7によれば、見守り装置10は、人追跡部10jを備える。見守り装置10は、異常を検出した場合、対象物に最も近い人を特定者として特定する。見守り装置10は、特定者を示す映像を店舗端末3と個人端末5とに表示させる。このため、店舗2の従業員および利用者は、警報が発報された場合に、その原因となった特定者を知ることができる。例えば、対象物が盗まれた際に、その犯人を容易に発見できる。その結果、置き引き等の犯罪の犯人検挙率を向上できる。
【産業上の利用可能性】
【0348】
以上のように、本開示に係る見守り装置、見守りシステム、プログラムおよび見守り方法は、店舗のセキュリティシステムに利用できる。
【符号の説明】
【0349】
1 システム、 2 店舗、 3 店舗端末、 3a 通信部、 3b 表示部、 3c 入力部、 3d 音出力部、 3e 操作部、 4,4a,4b カメラ、 5 個人端末、 5a 通信部、 5b 表示部、 5c 入力部、 5d 音出力部、 5e 操作部、 5f 読取部、 5g 無線通信部、 6 掲示体、 6a 掲示2次元コード、 10 見守り装置、 10a 記憶部、 10b 店舗表示部、 10c 個人表示部、 10d 対象設定部、 10e モード設定部、 10f 移動検出部、 10g 警報部、 10h 接近検出部、 10i 動作検出部、 10j 人追跡部、 11 カメラデータベース、 20 被覆体、 20a 被覆体2次元コード、 21 被覆体データベース、 30,30a,30b,30c,30d,30e 見守り札、 31 札2次元コード、 32d 光源、 33e 第1光源、 34e 第2光源、35e 第3光源、 36 見守り札データベース、 37,37c,37d 通信器、 38,38c,38d スピーカー、 39 移動カメラ、 40 机、 40a 机2次元コード、 41 机データベース、 50 位置検出装置、 60 アクセスコントロール装置、 100a プロセッサ、 100b メモリ、 200 ハードウェア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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