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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】エレベータシステム
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/18 20060101AFI20241203BHJP
   B66B 3/00 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
B66B1/18 N
B66B1/18 L
B66B3/00 L
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024038558
(22)【出願日】2024-03-13
【審査請求日】2024-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100183276
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 裕三
(74)【代理人】
【識別番号】100221556
【弁理士】
【氏名又は名称】金田 隆章
(72)【発明者】
【氏名】須藤 豪
(72)【発明者】
【氏名】小村 章
【審査官】今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-144481(JP,A)
【文献】特開2022-013361(JP,A)
【文献】特開2021-104903(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00 - 1/52
B66B 3/00 - 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
かごをそれぞれ備える複数のエレベータと、
前記かごの中の画像を撮像可能なかご内撮像装置と、
特定階に設置され、利用者の個人認証を行うセキュリティゲートと、
前記セキュリティゲートを通過する前記利用者の画像を撮像可能なゲート撮像装置と、
前記個人認証が成功し、かつ前記ゲート撮像装置によって前記利用者の顔画像が取得された場合に、前記顔画像が示す前記利用者の顔データに紐付けられた第1の行先階及び第2の行先階を、前記複数のエレベータのうちの第1のエレベータ及び第2のエレベータにそれぞれ仮に割り当てると共に、前記第1のエレベータの第1のかごと前記第2のエレベータの第2のかごとを前記特定階に呼ぶ制御装置と、
を備えるエレベータシステムであって、
前記制御装置は、
前記特定階に呼ばれた前記第1のかご又は前記第2のかごの中の画像に含まれる顔を示す情報を、前記個人認証が成功した利用者の前記顔データと照合する顔認証を行い、
前記第1のかごの中の画像について前記顔認証が成功した場合、前記第1の行先階を前記第1のエレベータに本割り当てし、
前記第2のかごの中の画像について前記顔認証が成功した場合、前記第2の行先階を前記第2のエレベータに本割り当てする、
エレベータシステム。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記第1のかごの中の画像について前記顔認証が成功した場合、前記第2のエレベータへの前記第2の行先階の仮の割り当てを取り消し、
前記第2のかごの中の画像について前記顔認証が成功した場合、前記第1のエレベータへの前記第1の行先階の仮の割り当てを取り消す、
請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項3】
前記第1の行先階と前記第1のエレベータとを紐付けて表示し、前記第2の行先階と前記第2のエレベータとを紐付けて表示する表示装置を更に備える、請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項4】
前記表示装置は、前記かご内撮像装置に顔を向けることを促す表示を行う、請求項3に記載のエレベータシステム。
【請求項5】
前記複数のエレベータの各かごは、前記かご内撮像装置に顔を向けることを促す情報を前記利用者に報知する報知装置を更に備える、請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項6】
前記制御装置は、前記個人認証が成功したが前記利用者の顔画像が取得されなかった場合、前記第1の行先階及び前記第2の行先階の仮割り当てを行わず、前記第1の行先階を前記第1のエレベータに割り当て、前記第1のかごを前記特定階に呼ぶ、請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項7】
第3の行先階が紐付けられた利用者について、前記セキュリティゲートによる個人認証が成功した場合、前記第3の行先階を前記複数のエレベータのいずれかに割り当てる、請求項1に記載のエレベータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、セキュリティゲートのカードリーダにより、利用者のセキュリティカードからID番号などの利用者情報を取得し、取得した利用者情報と記憶部などに記憶されている利用者情報とを比較することにより利用者の認証を行うエレベータシステムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第7379592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、利用者が、セキュリティゲートを通過した後に利用者による登録操作を行わなくても、複数の候補の中から行先階を選択することを可能にするエレベータシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係るエレベータシステムは、
かごをそれぞれ備える複数のエレベータと、
前記かごの中の画像を撮像可能なかご内撮像装置と、
特定階に設置され、利用者の個人認証を行うセキュリティゲートと、
前記セキュリティゲートを通過する前記利用者の画像を撮像可能なゲート撮像装置と、
前記個人認証が成功し、かつ前記ゲート撮像装置によって前記利用者の顔画像が取得された場合に、前記顔画像が示す前記利用者の顔データに紐付けられた第1の行先階及び第2の行先階を、前記複数のエレベータのうちの第1のエレベータ及び第2のエレベータにそれぞれ仮に割り当てると共に、前記第1のエレベータの第1のかごと前記第2のエレベータの第2のかごとを前記特定階に呼ぶ制御装置と、
を備えるエレベータシステムであって、
前記制御装置は、
前記特定階に呼ばれた前記第1のかご又は前記第2のかごの中の画像に含まれる顔を示す情報を、前記個人認証が成功した利用者の前記顔データと照合する顔認証を行い、
前記第1のかごの中の画像について前記顔認証が成功した場合、前記第1の行先階を前記第1のエレベータに本割り当てし、
前記第2のかごの中の画像について前記顔認証が成功した場合、前記第2の行先階を前記第2のエレベータに本割り当てする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によると、利用者は、セキュリティゲートを通過した後に利用者による登録操作を行わなくても、複数の候補の中から行先階を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施の形態1に係るエレベータシステムが適用されるビルの特定階における機器配置を示した概略平面図
図2】エレベータシステムの構成を例示したブロック図
図3】エレベータ制御装置の構成を例示したブロック図
図4】セキュリティゲートの電気的構成を例示したブロック図
図5】セキュリティゲートの外観を例示した斜視図
図6】セキュリティサーバの電気的構成を例示したブロック図
図7】利用者DBの構成例を示す図
図8】機器DBの構成例を示す図
図9】号機DBの構成例を示す図
図10】仮割当リストの構成例を示す図
図11】セキュリティゲートの動作を説明するフローチャート
図12】セキュリティサーバの動作を説明するフローチャート
図13】群管理制御装置によって実行される割当動作及び仮割当動作を説明するフローチャート
図14】割当処理を説明するフローチャート
図15】仮割当処理を説明するフローチャート
図16】ゲート表示器の動作を説明するフローチャート
図17】第1デフォルト行先階及び割当号機を1件表示形式で表示するゲート表示器の画面を例示する図
図18A】複数件表示形式によるゲート表示器の表示画面を例示する図
図18B】複数件表示形式によるゲート表示器の表示画面を例示する図
図18C】複数件表示形式によるゲート表示器の表示画面を例示する図
図19】エレベータ制御装置の動作を説明するフローチャート
図20】かごカメラの動作を説明するフローチャート
図21】群管理制御装置10によって実行される本割当動作を説明するフローチャート
図22】第1変形例におけるゲート表示器の表示画面を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
(発明の背景)
セキュリティゲート連動式の行先階登録システムは、何らかの個人認証を行うことで、デフォルト行先階が割り当てられた号機を利用者に案内する。しかし、利用者は、デフォルト行先階とは異なる階に行くことを希望する場合がある。このような場合、利用者は、毎回、エレベータ乗場に設置される行先階登録装置で行先階を登録する必要があった。
【0009】
例えば、オフィスビルの行先階登録システムにおいて、利用者Aのデフォルト行先階として、利用者Aの執務室のある10階が登録されているとする。利用者Aは、出勤時に執務室ではなく喫煙室のある9階に行くことが度々あるが、毎日というわけではない。すなわち、利用者Aが10階に行くか9階に行くかは、利用者Aのその日の気分や体調、始業時刻までの時間に余裕があるかなどの事情によって変わり得る。行先階登録システムが利用者のその日の気分や体調などを判断することは難しく、行先階を自動で判断するのは困難である。
【0010】
そこで、本発明は、上記のような課題に鑑み、利用者が、セキュリティゲートを通過した後に利用者による登録操作を行わなくても、複数の候補の中から行先階を選択することを可能にするエレベータシステムを提供する。これにより、利用者は、セキュリティゲートを通過した後、エレベータのかごに乗車する直前まで行先を選択することが可能となる。
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0012】
(実施の形態1)
1.構成
1-1.エレベータシステムの概要
図1は、実施の形態1に係るエレベータシステムが適用されるビル(建物)の特定階における機器配置を示した概略平面図である。特定階とは、例えば当該ビルの外部につながるロビー階であり、ビルの利用者は特定階を経由して他の階に移動することとなる。
【0013】
本実施の形態に係るエレベータシステムは、複数台のエレベータ50と、複数台のエレベータ50の運行を統合的に制御する群管理システムとを含む。本実施の形態では、エレベータシステムが6台のエレベータ50(1号機~6号機)を有する例を示している。
【0014】
特定階において、エントランスからエレベータ乗場への利用者の移動経路上には、複数台のセキュリティゲート20が配置されている。セキュリティゲート20は、利用者によりかざされたカードに含まれる情報を読み取るリーダ29を含む。セキュリティゲート20では、リーダ29により得られた情報と、予め登録された情報とを照合する個人認証が実行される。
【0015】
個人認証が成功すると、利用者は、エントランス側からいずれかのセキュリティゲート20を通過してエレベータ乗場に進入することができる。エレベータ乗場は、特定領域に設けられている。特定領域とは、エントランス側からセキュリティゲート20を通過しないと入れないビル内の領域である。特定領域は、エレベータ乗場、各エレベータ50のかご内のスペース、エレベータ50を利用して移動可能な各階床のスペース等を含む。
【0016】
セキュリティゲート20には、セキュリティゲート20を通過する利用者の画像を撮像可能なゲートカメラ25が配置されている。利用者の個人認証が成功し、かつゲートカメラ25によって当該利用者の顔画像が取得された場合、エレベータシステムは、当該利用者に予め紐付けられた第1の行先階及び第2の行先階を、6台のエレベータ50のうちの2台にそれぞれ仮に割り当てる。また、エレベータシステムは、第1の行先階及び第2の行先階が仮に割り当てられた2台のエレベータ50を特定階に呼ぶ処理(後述の疑似呼び)を行う。エレベータシステムは、仮に割り当てた号機(仮割当号機)を示す情報を利用者に報知し、仮割当号機のいずれかに利用者を乗車させるように構成されている。
【0017】
各エレベータ50は、かご、巻上機(モータ)、釣合おもり等を有する。エレベータシステムは、各エレベータ50のかごの中の画像を撮像可能なかごカメラ51を含む。図1は、かごカメラ51が各エレベータ50のかごの中に設置された例を示しているが、かごカメラの設置場所はかごの中に限定されない。かごカメラは、特定階に停車したかごの画像を撮像可能であればよく、例えば、各階のエレベータ乗場に設置されてもよい。
【0018】
各エレベータ50のかごカメラ51は、カメラ前方の所定画角領域の被写体を所定フレームレート、所定解像度で撮像して撮像された画像(撮像画像)の画像データを生成し、生成した画像データをエレベータ制御装置40に出力する。かごカメラ51は、演算回路を含むCPU、MPU等の処理部を含んでもよい。
【0019】
かごカメラ51の所定画角領域は、かご内の利用者全員の顔を撮像可能な画角に設定される。所定解像度は、顔検出及び顔照合を適切に行うことができる解像度であればどのような解像度でもよいが、例えばHD、FHD、4Kなどの解像度である。フレームレートは、どのようなレートでもよいが、例えば15fpsや30fpsである。
【0020】
図2は、エレベータシステム100の構成を例示したブロック図である。エレベータシステム100は、群管理制御装置10と、セキュリティゲート20と、複数台のエレベータ制御装置40と、セキュリティサーバ60とを含む。
【0021】
エレベータ制御装置40は、エレベータ50を制御する。本実施の形態では、エレベータシステム100は、1号機~6号機のエレベータ50にそれぞれ対応する6個のエレベータ制御装置40を備える。
【0022】
群管理制御装置10は、セキュリティゲート20及びエレベータ制御装置40と通信を行いながら、各号機に対する新規の呼びの割当制御を行う。各装置間は、情報伝送可能なネットワークを介して接続されている。ネットワークは、例えばLAN(Local Area Network)により構成され、各装置間での各種の情報の送受信は、TCP/IP等の各種のプロトコルにしたがって行われる。
【0023】
なお、エレベータシステム100を構成する各装置は、他の信号形式のネットワークや、専用の信号網を介して互いに接続されてもよい。例えば、群管理制御装置10は、各エレベータ制御装置40とシリアル通信を行ってもよい。
【0024】
以下、エレベータシステム100の各構成要素について説明する。
【0025】
1-2.群管理制御装置
図2に示すように、群管理制御装置10は、制御部11と、記憶部12と、入出力インタフェース13と、を備える。
【0026】
記憶部12は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納する。プログラムは、本実施の形態の群管理制御装置10の各種機能を実現するためのプログラムを含む。記憶部12に格納されるデータの一例は、号機データベース(以下「号機DB」という。)及び仮割当リストである。号機DB及び仮割当リストの構成については後述する。
【0027】
制御部11は、例えば演算回路を含むCPU、MPU等を利用して構成される。制御部11は、記憶部12から読み出した上記プログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、群管理制御装置10の各種の機能を実現する。
【0028】
入出力インタフェース13は、群管理制御装置10が、セキュリティゲート20、セキュリティサーバ60、エレベータ制御装置40等の外部装置との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。
【0029】
入出力インタフェース13は、制御部11から出力される信号を所定の形式の信号に変換して外部装置に出力する出力部の一例である。また、入出力インタフェース13は、外部装置から受信した信号を所定の形式の信号に変換して制御部11に入力する入力部の一例である。入出力インタフェース13は、例えばLANアダプタ、シリアルポート等を利用して構成される。
【0030】
1-3.エレベータ制御装置
エレベータ制御装置40は、群管理制御装置10からの制御信号にしたがって、対応するエレベータ50の巻上機(モータ)等の動作を制御することにより、エレベータ50のかごの上昇、下降、停止等を制御する。また、エレベータ制御装置40は、対応するエレベータ50のかごの位置、走行方向、ドアの開閉、荷重等のかご状態を検知して、検知したかご状態を示す情報等を群管理制御装置10に出力する。
【0031】
図3は、エレベータ制御装置40の構成を例示したブロック図である。エレベータ制御装置40は、制御部41と、記憶部42と、入出力インタフェース43とを備える。制御部41、記憶部42、及び入出力インタフェース43は、それぞれ、群管理制御装置10の制御部11、記憶部12、及び入出力インタフェース13と同様の構成を有してもよい。
【0032】
制御部41は、記憶部42から読み出したプログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、エレベータ制御装置40における各種の機能を実現する。
【0033】
1-4.セキュリティゲート
セキュリティゲート20は、ビル内部の特定領域への利用者の進入を制御する装置である。具体的に、セキュリティゲート20は、ビル内部の特定領域への正規の利用者の進入を許可する一方、非正規の利用者の進入については規制する装置である。正規の利用者とは、利用者データベース(以下「利用者DB」という。)に登録されている利用者であり、非正規の利用者とは、利用者DBに登録されていない利用者である。セキュリティゲート20では、リーダ29により得られた情報と、利用者DBに予め登録された情報とを照合する個人認証が実行される。個人認証が成功した正規の利用者は、セキュリティゲート20を通過して特定領域に進入することができる。
【0034】
図4は、実施形態1におけるセキュリティゲート20の電気的構成を例示したブロック図である。図5は、セキュリティゲート20の外観を示した斜視図である。なお、図5は、図1の3台のセキュリティゲート20のうち最も左のセキュリティゲート20の斜視図である。
【0035】
図4に示すように、セキュリティゲート20は、制御部21と、記憶部22と、入出力インタフェース23と、を備える。制御部21、記憶部22、及び入出力インタフェース23は、それぞれ、群管理制御装置10の制御部11、記憶部12、及び入出力インタフェース13と同様の構成を有してもよい。
【0036】
制御部21、記憶部22、及び入出力インタフェース23は、図5に示すように、セキュリティゲート20の筐体であるゲート本体20aの中に配置される。さらに、ゲート本体20aには、リーダ29と、ゲートフラッパ28と、ゲート表示器70とが備えられている。ゲートカメラ25は、ゲート本体20aの出口側に設けられている。ゲートカメラ25は、ゲート本体20aに取り付けられてもよいし、独立して設けられてもよい。ゲートカメラ25は、ゲート撮像装置の一例である。
【0037】
ゲートカメラ25は、その前方の所定画角領域の被写体を所定フレームレート、所定解像度で撮像するとともに、撮像された画像(撮像画像)の画像データを生成し、セキュリティサーバ60に出力する。所定画角領域は、利用者がセキュリティゲート20を通過する際に、利用者の顔を撮像可能な画角に設定されている。所定解像度は、利用者の顔の検出及び識別を適切に行うことができる解像度であればどのような解像度でもよいが、例えばHD、FHD、4Kなどの解像度とすることができる。フレームレートは、どのようなレートでもよいが、例えば15fpsや30fpsとすることができる。
【0038】
リーダ29は、ゲート本体20aの上面の入口側に配置されている。リーダ29は、リーダ29から所定の範囲内の位置に利用者によってかざされた情報源から情報を読み取る。このような情報源の一例は、QRコード(登録商標)である。この場合、リーダ29は光学式リーダであり、QRコードを光学的に読み取り、QRコードの画像データと、リーダ29の登録装置ID(登録装置識別情報)とを含む信号をセキュリティサーバ60に送信する。情報源の他の例は、ICカード内のICチップである。この場合、リーダ29は、電磁誘導方式の非接触型カードリーダであってもよい。あるいは、情報源は、利用者の指紋であってもよい。この場合、リーダ29は、指紋センサにより指紋を読み取る。
【0039】
ゲートフラッパ28は、制御部21からの制御信号に応じて利用者の経路を開閉可能な扉である。例えば、ゲートフラッパ28は、通常状態では閉じており、個人認証が成功すると開くように構成される。あるいは、ゲートフラッパ28は、通常状態では開いており、個人認証が成功しない場合には閉じるように構成されてもよい。
【0040】
ゲート表示器70は、群管理制御装置10から出力される種々の表示信号に応じた画面を表示する。例えば、ゲート表示器70は、群管理制御装置10から出力される割当結果信号、仮割当結果信号等を受信したときに、割り当てたエレベータ(割当号機)の名称などを報知するための割当号機報知画面を表示する。ゲート表示器70は、演算回路を含むCPU、MPU等の処理部を含んでもよい。
【0041】
1-5.セキュリティサーバ
セキュリティサーバ60は、セキュリティゲート20のリーダ29によって読み取られた情報を受信し、当該情報に基づいて、ビル内のセキュリティ確保のために、利用者の個人認証処理を行う。例えば、セキュリティサーバ60は、受信した情報と、利用者DBに登録されている各利用者のデータとを順次比較(照合)することで個人認証を行う。
【0042】
また、セキュリティサーバ60は、個人認証の結果に応じて、セキュリティゲート20の開閉を制御する。さらに、セキュリティサーバ60は、利用者の行先階などの情報を含む呼び情報信号を生成して群管理制御装置10に出力する。
【0043】
図6は、セキュリティサーバ60の電気的構成を示すブロック図である。セキュリティサーバ60は、制御部61と、記憶部62と、入出力インタフェース63と、を備える。制御部61、記憶部62、及び入出力インタフェース63は、それぞれ、群管理制御装置10の制御部11、記憶部12、及び入出力インタフェース13と同様の構成を有してもよい。
【0044】
記憶部62は、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施の形態のセキュリティサーバ60の各種機能を実現するためのプログラムを含む。記憶部62は、データとして、利用者DB及び機器データベース(以下「機器DB」という)を格納している。利用者DB及び機器DBの構成については後述する。
【0045】
1-6.データ構成
図7は、セキュリティサーバ60の記憶部62に格納されている利用者DBの構成例を示す図である。利用者DBは、利用者IDと、利用者IDに紐付けられた第1デフォルト行先階及び第2デフォルト行先階の情報を含む。利用者DBの各データは、例えば、ビルの管理者によって登録される。
【0046】
利用者DBの「利用者ID」は、ビルの利用者を一意に識別するために設定された識別情報である。
【0047】
利用者DBの「第1デフォルト行先階」及び「第2デフォルト行先階」は、利用者IDで特定される利用者のデフォルト行先階を示す情報である。第1デフォルト行先階としては、例えば、当該利用者の職場がある階床の数値が設定される。第2デフォルト行先階としては、例えば、当該利用者が利用し得る、第1デフォルト行先階以外の階床の数値が設定される。なお、利用者の希望等に応じて、第2デフォルト行先階を設定しないこともできる。図7の利用者DBには、第2デフォルト行先階が設定されていないことを表す記号「-」を例示している。
【0048】
図8は、セキュリティサーバ60の記憶部62に格納されている機器DBの構成例を示す図である。機器DBには、ゲートIDと、リーダIDと、ゲートカメラIDと、ゲート表示器IDと、設置階とが紐付けられて格納されている。
【0049】
「ゲートID」、「リーダID」、「ゲートカメラID」、及び「ゲート表示器ID」は、それぞれ、セキュリティゲート20、リーダ29、ゲートカメラ25、及びゲート表示器70を識別するための識別情報である。
【0050】
「設置階」は、これに紐づけられたセキュリティゲート20、リーダ29、ゲートカメラ25、及びゲート表示器70が設置されている階を示す情報である。「設置階」に登録された情報は、利用者の出発階を示す情報として利用される。
【0051】
図9は、群管理制御装置10の記憶部12に格納されている号機DBの構成例を示す図である。号機DBには、かごカメラIDと号機IDとが紐付けられて格納されている。「かごカメラID」及び「号機ID」は、それぞれ、かごカメラ51及びエレベータ50の号機(かご)を識別するための識別情報である。
【0052】
図10は、記憶部12に格納されている仮割当リストの構成例を示す図である。仮割当リストには、かごカメラ51によって取得された顔画像と、第1行先階と、第1行先階に対応する第1仮割当号機と、第2行先階と、第2行先階に対応する第2仮割当号機とが紐付けられて格納されている。
【0053】
2.動作
2-1.概要
以上のように、エレベータシステム100は複数のエレベータ50と、各エレベータ50のかごの中の画像を撮像可能なかごカメラ51と、セキュリティゲート20とを備える。
【0054】
利用者の個人認証が成功し、かつゲートカメラ25によって当該利用者の顔画像が取得された場合、エレベータシステム100は、当該利用者に予め紐付けられた第1の行先階及び第2の行先階を、6台のエレベータ50のうちの2台にそれぞれ仮に割り当てる。また、エレベータシステム100は、第1の行先階及び第2の行先階が仮に割り当てられた2台のエレベータ50を特定階に呼ぶ処理(後述の疑似呼び)を行う。エレベータシステム100は、仮割当号機を示す情報を利用者に報知し、仮割当号機のいずれかに利用者を乗車させるように構成されている。例えば、利用者は、執務室がある10階に行きたければ1号機に乗車し、喫煙室がある9階に行きたければ3号機に乗車する。
【0055】
利用者がいずれかの号機に乗車すると、かごカメラ51によって利用者の顔情報が取得される。エレベータシステム100は、セキュリティゲート通過時に取得された顔情報とかご内で取得された顔情報とを照合することで、利用者がどちらの号機に乗車したかを判断することが可能である。一方、乗車した号機が分かれば乗車しなかった号機も分かることになる。よって、エレベータシステム100は、利用者が乗車した号機に対応する行先階(仮に割り当てられた行先階)を当該号機に本割り当てし、乗車しなかった号機への仮の割り当てを取り消す。
【0056】
以上のように、「仮割り当て」の対象は複数の号機(エレベータ)であり、エレベータシステム100は、仮割当ての対象となった複数の号機(仮割当号機)の全てを特定階に呼ぶ(疑似呼び)。疑似呼びによって特定階に呼ばれた号機は、ドアを開放して特定階に留まり、行先階に向けて出発しない。これに対して、「本割り当て」は、複数の仮割当号機のうちの1つに対して行われる処理であり、行先階(第1の行先階又は第2の行先階)に向けて出発する号機を1つに絞る処理といえる。
【0057】
以下、このような動作を実現するためにエレベータシステム100の各構成要素が行う動作の一例について説明する。
【0058】
2-2.セキュリティゲートの動作
図11は、セキュリティゲート20の動作を説明するフローチャートである。本フローチャートの処理は、例えばセキュリティゲート20の制御部21によって実行される。
【0059】
制御部21は、リーダ29が利用者IDを取得したか否かを判断する(S1)。制御部21は、利用者IDを取得したと判断しない限り(S1でNo)、ステップS1の判断処理を繰り返し実行する。
【0060】
制御部21は、リーダ29が利用者IDを取得したと判断すると(S1でYes)、ゲートカメラ25が所定条件下で第1顔画像を取得したか否かを判断する(S2)。ステップS2では、例えば、制御部21は、リーダ29が利用者IDを取得したと判断してから所定の時間(例えば数秒)以内にゲートカメラ25が第1顔画像を取得したか否かを判断する。あるいは、又はこれに加えて、制御部21は、次の利用者IDを取得するまでにゲートカメラ25が第1顔画像を取得したか否かを判断する。
【0061】
制御部21は、ゲートカメラ25が第1顔画像を取得したと判断すると(S2でYes)、利用者IDを取得したリーダ29を特定するリーダIDと、ステップS1で取得された利用者IDと、ステップS2で取得された第1顔画像とをセキュリティサーバ60に送信する(S3)。
【0062】
一方、ステップS2において、ゲートカメラ25が第1顔画像を取得していないと判断すると(S2でNo)、制御部21は、リーダID及び利用者IDのみをセキュリティサーバ60に送信する(S4)。
【0063】
2-3.セキュリティサーバの動作
図12は、セキュリティサーバ60の動作を説明するフローチャートである。本フローチャートの処理は、例えばセキュリティサーバ60の制御部61によって実行される。
【0064】
制御部61は、セキュリティゲート20からデータを受信したか否かを判断する(S11)。制御部61は、セキュリティゲート20からデータを受信したと判断しない限り(S11でNo)、ステップS11の判断処理を繰り返し実行する。
【0065】
制御部61は、セキュリティゲート20からデータを受信したと判断すると(S11でYes)、受信したデータに含まれるリーダIDに紐付けられたゲートIDと、ゲート表示器IDと、出発階とを、記憶部62に格納された機器DBから抽出する(S12)。
【0066】
制御部61は、記憶部62に格納された利用者DBに、受信したデータに含まれる利用者IDが登録されているか否かを判断する(S13)。
【0067】
利用者DBに利用者IDが登録されていないと判断した場合(S13でNo)、制御部61は、ステップS12で抽出されたデータのうち、ゲート表示器IDのみを群管理制御装置10に送信する(S14)。このような場合は、個人認証が成功しない場合の一例である。ステップS14の次に、制御部61は、ステップS12で抽出されたゲートIDに対応するセキュリティゲート20に対して、ゲート閉鎖信号を送信する(S15)。ゲート閉鎖信号を受信したセキュリティゲート20の制御部21は、開いた状態であるゲートフラッパ28を閉じ、あるいは、閉じた状態であるゲートフラッパ28を閉じたままにする。
【0068】
ステップS13において、利用者DBに利用者IDが登録されていると判断した場合(S13でYes)、制御部61は、利用者IDに紐付けられた第1デフォルト行先階と第2デフォルト行先階とを利用者DBから抽出する(S16)。
【0069】
図7の利用者DBに例示したように、利用者によって、第2デフォルト行先階が設定される場合と、設定されない場合とがある。利用者DBにおいて、ステップS11で受信したデータに含まれる利用者IDに紐付けられた第2デフォルト行先階が設定されている場合(S17でYes)、制御部61は、第1顔画像を取得しているか否かを判断する(S18)。すなわち、ステップS18では、制御部61は、ステップS11で受信したデータの中に第1顔画像が含まれるか否かを判断する。
【0070】
第1顔画像を取得していると判断した場合(S18でYes)、制御部61は、ゲート表示器IDと、出発階と、第1デフォルト行先階と、第2デフォルト行先階と、第1顔画像とを群管理制御装置10に送信する(S19)。ステップS19で送信されるゲート表示器ID及び出発階は、ステップS12で抽出されたデータである。ステップS19で送信される第1デフォルト行先階及び第2デフォルト行先階は、ステップS16で抽出されたデータである。ステップS19で送信される第1顔画像は、ステップS11で受信したデータの中に含まれる。
【0071】
ステップS17において、利用者IDに紐付けられた第2デフォルト行先階が設定されていない場合(S17でNo)、及び、ステップS18において、第1顔画像を取得していないと判断した場合(S18でNo)には、制御部61は、ゲート表示器IDと、出発階と、第1デフォルト行先階とを群管理制御装置10に送信する(S20)。
【0072】
ステップS19の後、及びステップS20の後に、制御部61は、ステップS12で抽出されたゲートIDに対応するセキュリティゲート20に対して、ゲート開放信号を送信する(S21)。ゲート開放信号を受信したセキュリティゲート20の制御部21は、閉じた状態であるゲートフラッパ28を開き、あるいは、開いた状態であるゲートフラッパ28を開いたままにする。制御部61は、ステップS21の処理を実行した後、ステップS11に戻る。このようにして、図12の処理は繰り返し実行される。
【0073】
2-4.群管理制御装置による割当動作及び仮割当動作
2-4-1.全体動作
図13は、群管理制御装置10によって実行される割当動作及び仮割当動作を説明するフローチャートである。本フローチャートの処理は、例えば群管理制御装置10の制御部11によって実行される。
【0074】
制御部11は、セキュリティサーバ60からデータを受信したか否かを判断する(S31)。制御部11はセキュリティサーバ60からデータを受信したと判断しない限り(S31でNo)、ステップS31の判断処理を繰り返し実行する。
【0075】
セキュリティサーバ60からデータを受信したと判断すると(S31でYes)、制御部11は、ゲート表示器IDのみを受信したか否かを判断する(S32)。群管理制御装置10の制御部11がゲート表示器IDのみを受信する場合(S32でYes)は、前述のように、個人認証が成功しない場合の一例である。この場合、制御部11は、例えば、受信したゲート表示器IDに対応するゲート表示器70に対して、「利用者IDが不正です」などのエラーメッセージを含む情報を送信する(S33)。これにより、情報を受信したゲート表示器70は、エラーメッセージを示す画面を表示することができる。
【0076】
ステップS32において、ゲート表示器IDのみを受信したと判断しない場合(S32でNo)、例えば、ゲート表示器IDと、ゲート表示器ID以外のデータとを受信したと判断した場合、制御部11は、ステップS11で受信したデータに第2デフォルト行先階が含まれているか否かを判断する(S34)。制御部11は、受信したデータに第2デフォルト行先階が含まれていないと判断した場合(S34でNo)、割当処理S35を実行する。制御部11は、受信したデータに第2デフォルト行先階が含まれていると判断した場合(S34でYes)、仮割当処理S36を実行する。割当処理S35及び仮割当処理S36の詳細については後述する。
【0077】
2-4-2.割当処理
図14は、図13の割当処理S35を説明するフローチャートである。
【0078】
制御部11は、図13のステップS31でセキュリティサーバ60から受信した出発階と第1デフォルト行先階とに基づいて、割当号機を決定する(S351)。例えば、制御部11は、6台のエレベータ50(1号機~6号機)の中から、出発階から出発して第1デフォルト行先階に向かうのに最適な号機を、割当号機として選択する。
【0079】
次に、制御部11は、ステップS351で決定された割当号機に割り当てられた利用者の数(割当人数)を1人加算する(S352)。例えば記憶部12が各号機の割当人数を記録する割当人数リストを格納しており、制御部11は、ステップS352において、割当人数を加算するように割当人数リストを書き換える。
【0080】
制御部11は、割当号機を制御するエレベータ制御装置40に対して、出発階と第1デフォルト行先階とを送信する(S353)。これにより、エレベータ制御装置40は、受信した出発階と第1デフォルト行先階とに基づいて、割当号機を制御することができる。
【0081】
制御部11は、ステップS31でセキュリティサーバ60から受信したゲート表示器IDに対応するゲート表示器70に対して、第1デフォルト行先階と割当号機とを送信する(S354)。第1デフォルト行先階と割当号機とを受信したゲート表示器70の動作については後述する。
【0082】
2-4-3.仮割当処理
図15は、図13の仮割当処理S36を説明するフローチャートである。
【0083】
制御部11は、図13のステップS31でセキュリティサーバ60から受信した出発階と第1デフォルト行先階とに基づいて、第1仮割当号機を決定し(S361)、第1仮割当号機の割当人数を1人加算する(S362)。
【0084】
制御部11は、出発階と第2デフォルト行先階とに基づいて、第2仮割当号機を決定し(S363)、第2仮割当号機の割当人数を1人加算する(S364)。
【0085】
次に、制御部11は、第1デフォルト行先階及び第1仮割当号機のセットと、第2デフォルト行先階及び第2仮割当号機のセットとをゲート表示器70に送信する(S365)。
【0086】
制御部11は、図13のステップS31でセキュリティサーバ60から受信した第1顔画像と、第1デフォルト行先階及び第1仮割当号機のセットと、第2デフォルト行先階及び第2仮割当号機のセットとを紐付けて仮割当リストに登録する(S366)。
【0087】
制御部11は、第1仮割当号機を制御するエレベータ制御装置40に対して、出発階と第1デフォルト行先階とを仮割当信号として送信する(S367)。また、制御部11は、第2仮割当号機を制御するエレベータ制御装置40に対して、出発階と第2デフォルト行先階とを仮割当信号として送信する(S368)。
【0088】
2-5.ゲート表示器の動作
図16は、ゲート表示器70の動作を説明するフローチャートである。ゲート表示器70は、群管理制御装置10からデータを受信したか否かを判断する(S41)。ゲート表示器70は、群管理制御装置10からデータを受信したと判断しない限り(S41でNo)、ステップS41の判断処理を繰り返し実行する。
【0089】
ゲート表示器70は、群管理制御装置10からデータを受信したと判断すると(S41でYes)、群管理制御装置10からエラーメッセージを受信したか否かを判断する(S42)。エラーメッセージは、図13のステップS33で群管理制御装置10によって送信される。ゲート表示器70は、エラーメッセージを受信したと判断すると(S42でYes)、エラーメッセージ示す画面を所定時間表示する(S43)。これにより、利用者IDが不正であることなどのエラーの原因を利用者に知らせることができる。
【0090】
エラーメッセージを受信していないと判断すると(S42でNo)、ゲート表示器70は、複数の仮割当信号を受信したか否かを判断する(S44)。
【0091】
ゲート表示器70は、複数の仮割当信号を受信していないと判断すると(S44でNo)、1件表示形式で、第1デフォルト行先階及び割当号機を所定時間表示する(S45)。一方、ゲート表示器70は、複数の仮割当信号を受信したと判断すると(S44でYes)、複数件表示形式で、第1デフォルト行先階及び第1仮割当号機と、第2デフォルト行先階及び第2仮割当号機とを所定時間表示する(S46)。
【0092】
図17は、第1デフォルト行先階及び割当号機を1件表示形式で表示するゲート表示器70の画面を例示する図である。図17の1件表示形式の画面では、ゲート表示器70の画面に、「10階 1号機」というテキストが表示されている。図17の画面において、「10階」が第1デフォルト行先階に対応し、「1号機」が割当号機に対応する。
【0093】
図18A図18B、及び図18Cは、それぞれ、複数件表示形式によるゲート表示器70の表示画面を例示する図である。図18A図18B、及び図18Cは、いずれも、第1デフォルト行先階が9階、第1仮割当号機が6号機、第2デフォルト行先階が10階、第2仮割当号機が1号機である例を示している。図18Aの表示画面例はこれらの情報を表形式で示し、図18Bの表示画面例はテキストを主体として示している。
【0094】
図18Cの表示画面例は、本実施の形態のエレベータシステム100が導入された実際のビルにおけるエレベータ乗場のレイアウト(図1参照)を反映したレイアウト図と、第1デフォルト行先階及び第2デフォルト行先階を示すテキスト表示とを含む。これにより、ゲート表示器70の表示画面を見た利用者は、第1仮割当号機及び第2仮割当号機の位置を、エレベータ乗場の実際のレイアウトに沿った形で視覚的に把握することができる。
【0095】
図18A図18B、及び図18Cに例示したような複数件表示形式による表示画面を確認することで、利用者は、9階に行きたければ6号機に乗車し、10階に行きたければ1号機に乗車するという選択を行うことができる。したがって、利用者は、セキュリティゲート20を通過した後、エレベータに乗車する直前まで行先を選択することが可能となる。
【0096】
図18A図18B、及び図18Cの表示画面は一例に過ぎず、セキュリティゲート20は、第1デフォルト行先階とこれに対応する第1仮割当号機と、第2デフォルト行先階とこれに対応する第2仮割当号機とをユーザに報知できればよい。例えば、セキュリティゲート20はスピーカを備え、第1デフォルト行先階とこれに対応する第1仮割当号機と、第2デフォルト行先階とこれに対応する第2仮割当号機とを示す情報を音声により出力してもよい。
【0097】
2-6.エレベータ制御装置の動作
図19は、エレベータ制御装置40の動作を説明するフローチャートである。本フローチャートの処理は、例えばエレベータ制御装置40の制御部41によって実行される。
【0098】
制御部41は、群管理制御装置10からデータを受信したか否かを判断する(S51)。ゲート表示器70は、群管理制御装置10からデータを受信したと判断しない限り(S51でNo)、ステップS51の判断処理を繰り返し実行する。
【0099】
制御部41は、群管理制御装置10からデータを受信したと判断すると(S51でYes)、群管理制御装置10から仮割当信号を受信したか否かを判断する(S52)。仮割当信号は、図15のステップS367及びS368で群管理制御装置10によって送信される。
【0100】
制御部41は、群管理制御装置10から仮割当信号を受信していないと判断すると(S52でNo)、ステップS51で受信したデータに含まれる出発階と、第1デフォルト行先階とを登録する(S53)。すなわち、制御部41は、群管理制御装置10からの呼びを登録する。これにより、制御部41は、呼びに応じていずれかの号機を出発階に向かわせ、その後に当該号機を第1デフォルト行先階に移動させることができる。
【0101】
ステップS52において、群管理制御装置10から仮割当信号を受信したと判断すると(S52でYes)、制御部41は、出発階への疑似呼びを登録する(S54)。疑似呼びは、仮割当信号が仮であることに対応する疑似的な呼びであり、仮割当信号を受信したことに応じて、号機を出発階まで移動させてドアを開放させる機能を有する。例えば、制御部41は、図15のステップS367又はS368で群管理制御装置10によって送信された仮割当信号を受信した場合、出発階への疑似呼びを登録し、第1仮割当号機及び第2仮割当号機を出発階まで移動させて当該号機のドアを開放させる。
【0102】
2-7.かごカメラの動作
図20は、かごカメラ51の動作を説明するフローチャートである。本フローチャートの処理は、例えばかごカメラ51の処理部によって実行される。
【0103】
かごカメラ51は、かご内の利用者の顔を撮像可能に配置されている。かごカメラ51は、利用者の顔を検出したか否かを判断する(S61)。かごカメラ51は、顔を検出したと判断しない限り(S61でNo)、ステップS61の判断処理を繰り返し実行する。
【0104】
かごカメラ51は、顔を検出したと判断すると(S61でYes)、自己のかごカメラIDと、ステップS61で検出された顔を示す第2顔画像とを、群管理制御装置10に送信する(S62)。
【0105】
2-8.群管理制御装置による本割当動作
図21は、群管理制御装置10によって実行される本割当動作を説明するフローチャートである。本フローチャートの処理は、例えば群管理制御装置10の制御部11によって実行される。
【0106】
制御部11は、かごカメラ51からデータを受信したか否かを判断する(S71)。制御部11は、かごカメラ51からデータを受信したと判断しない限り(S71でNo)、ステップS71の判断処理を繰り返し実行する。
【0107】
制御部11は、かごカメラ51からデータを受信したと判断すると(S71でYes)、当該かごカメラ51のかごカメラIDに紐付けられた号機IDを号機DBから取得し、号機IDを変数Xに代入する(S72)。変数Xは、例えば記憶部12に格納される。
【0108】
次に、制御部11は、第1仮割当号機又は第2仮割当号機にX号機が含まれるデータを仮割当リストから抽出する(S73)。このようなデータを抽出でき、データ件数>0である場合(S74でYes)、制御部11は、抽出した全データの各顔画像を、かごカメラ51から受信した第2顔画像と照合する(S75)。
【0109】
制御部11は、ステップS73において仮割当リストから抽出された顔画像の中で、第2顔画像に一致する顔画像があったか否かを判断する(S76)。例えば、ステップS76では、制御部11は、第2顔画像に対して顔特徴点検出処理を行う。制御部11は、第2顔画像から顔特徴点を検出すると、検出した顔特徴点のデータと、仮割当リストから抽出された各顔画像の顔特徴点のデータとを順次比較(照合)して一致率を求める。そして、制御部11は、仮割当リストから抽出されたある顔画像について求めた一致率が所定の閾値以上である場合、当該顔画像が第2顔画像に一致すると判断する。なお、顔検出処理、顔特徴点検出処理、照合処理(認証処理)は各種の公知の方法を用いて行うことができる。
【0110】
制御部11は、第2顔画像に一致する顔画像がないと判断すると(S76でNo)、後述するステップS83を実行する。図15のステップS362及びS364において加算された第1仮割当号機及び第2仮割当号機の割当人数は、ステップS79及びS82により相殺されることになる。
【0111】
ステップS76において第2顔画像に一致する顔画像があると判断すると(S76でYes)、制御部11は、第1仮割当号機がX号機であるか否かを判断する(S77)。第1仮割当号機がX号機であると判断すると(S77でYes)、制御部11は、X号機を制御するエレベータ制御装置40に対して、出発階と第1デフォルト行先階とを送信し(S78)、第2仮割当号機の割当人数を1人減らす(S79)。次に、制御部11は、第2顔画像に一致した顔画像に対応するデータ(認証済みデータ)を、仮割当リストから削除し(S80)、ステップS71に戻る。これにより、利用者が乗車しなかった号機への仮の割り当ては取り消されたことになり、各号機の割当人数を正確に管理できる。
【0112】
第1仮割当号機がX号機でないと判断すると(S77でNo)、すなわち、第2仮割当号機がX号機であると判断すると、制御部11は、X号機を制御するエレベータ制御装置40に対して、出発階と第2デフォルト行先階とを送信し(S81)、第1仮割当号機の割当人数を1人減らす(S82)。制御部11は、ステップS82を実行した後、ステップS80に進む。
【0113】
ステップS74において、第1仮割当号機又は第2仮割当号機にX号機が含まれるデータを仮割当リストから抽出できず、データ件数が0である場合(S74でNo)、制御部11は、第2顔画像に一致する顔画像が仮割当リスト内にあるか否かを判断する(S83)。第2顔画像に一致する顔画像が仮割当リスト内にある場合(S83でYes)、利用者は、第1仮割当号機でも第2仮割当号機でもない号機に乗車したことになる。そこで、制御部11は、第1仮割当号機及び第2仮割当号機の割当人数をそれぞれ1人減らし、X号機の割当人数を1人増やす(S84)。ステップS84の実行後は、ステップS71に戻る。図15のステップS362及びS364において加算された第1仮割当号機及び第2仮割当号機の割当人数は、ステップS84により相殺されることになる。
【0114】
以上のような処理を行うことにより、エレベータシステム100は、第1デフォルト行先階及び第2デフォルト行先階を異なる号機に仮に割り当てる。エレベータシステム100は、かご内の利用者の顔情報をかごカメラ51によって取得し、利用者がどの号機に乗車したかを判断することが可能である。仮割り当てが行われた状況において、かご内の利用者の顔情報をかごカメラ51によって取得できると、エレベータシステム100は、利用者が乗車した号機に対応する行先階を当該号機に本割り当てし、乗車しなかった号機への仮の割り当てを取り消すことができる。
【0115】
3.効果等
以上のように、本実施の形態に係るエレベータシステム100は、かごをそれぞれ備える複数のエレベータ50と、かごの中の画像を撮像可能なかごカメラ51と、特定階に設置され、利用者の個人認証を行うセキュリティゲート20と、セキュリティゲートを通過する利用者の画像を撮像可能なゲートカメラ25と、群管理制御装置10(制御装置の一例)とを備える。群管理制御装置10は、個人認証が成功し、かつゲート撮像装置によって利用者の第1顔画像が取得された場合に、第1顔画像が示す利用者の顔データに紐付けられた第1の行先階及び第2の行先階を、複数のエレベータのうちの第1のエレベータ及び第2のエレベータにそれぞれ仮に割り当てると共に、第1のエレベータの第1のかごと第2のエレベータの第2のかごとを特定階に呼ぶ(S367、S368)。群管理制御装置10は、特定階に呼ばれた第1のかご又は第2のかごの中の画像に含まれる顔を示す情報を、個人認証が成功した利用者の顔データと照合する顔認証を行う(S75)。群管理制御装置10は、第1のかごの中の画像について顔認証が成功した場合(S77でYes)、第1の行先階を第1のエレベータに本割り当てする(S78)。群管理制御装置10は、第2のかごの中の画像について顔認証が成功した場合(S77でNo)、第2の行先階を第2のエレベータに本割り当てする(S81)。
【0116】
この構成により、利用者は、セキュリティゲート20を通過した後に登録操作を行わなくても、複数の候補の中から行先階を選択することができる。
【0117】
実施の形態1のエレベータシステム100において、群管理制御装置10は、前記第1のかごの中の画像について前記顔認証が成功した場合、前記第2のエレベータへの前記第2の行先階の仮の割り当てを取り消してもよい(S79)。群管理制御装置10は、前記第2のかごの中の画像について前記顔認証が成功した場合、前記第1のエレベータへの前記第1の行先階の仮の割り当てを取り消してもよい(S82)。
【0118】
この構成により、第1のエレベータ及び第2のエレベータへ割り当てられる利用者の数を正確に管理することができる。
【0119】
実施の形態1のエレベータシステム100は、ゲート表示器70(表示装置の一例)を更に備えてもよい。ゲート表示器70は、第1の行先階と第1のエレベータとを紐付けて表示し、第2の行先階と第2のエレベータとを紐付けて表示する。
【0120】
この構成により、利用者は、ゲート表示器70を見ることで、自分が乗車するエレベータの候補と、それぞれのエレベータの行先階とを知ることができる。
【0121】
実施の形態1のエレベータシステム100において、個人認証が成功したが利用者の第1顔画像が取得されなかった場合(図12のS18でNo)、群管理制御装置10は、第1の行先階及び第2の行先階の仮割り当てを行わず、第1の行先階を第1のエレベータに割り当て、第1のかごを特定階に呼んでもよい。
【0122】
この構成により、第1顔画像が取得されなかった場合であっても、利用者は、第1のエレベータにより第1の行先階へ向かうことができる。また、この場合には、仮割当処理を省略することができる。
【0123】
実施の形態1のエレベータシステム100は、1つのデフォルト行先階(第3の行先階)が紐付けられた利用者について、セキュリティゲート20による個人認証が成功した場合、第3の行先階を複数のエレベータのいずれかに割り当ててもよい。
【0124】
この構成により、1つのデフォルト行先階が紐付けられた利用者については、仮割当処理を行わず、当該利用者は速やかに第3の行先階へ向かうことができる。
【0125】
(他の実施の形態)
以上のように、本発明における技術の例示として、実施の形態を説明した。しかしながら、本発明における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置換、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。そこで、以下、他の実施の形態としての変形例を説明する。
【0126】
(第1変形例)
上記の実施の形態で説明したように、エレベータシステム100は、かご内の利用者の顔情報をかごカメラ51によって取得し、利用者がどの号機に乗車したかを判断することが可能である。仮割り当てが行われた状況において、かご内の利用者の顔情報をかごカメラ51によって取得できると、エレベータシステム100は、利用者が乗車した号機に対応する行先階(仮に割り当てられた行先階)を当該号機に本割り当てし、乗車しなかった号機への仮の割り当てを取り消すことができる。
【0127】
このような本割り当て処理、及び仮割り当ての取消処理を行うためには、かごカメラ51がかご内の利用者の顔情報を取得する必要がある。そこで、ゲート表示器70は、複数件表示形式(図16のS46参照)による表示画面に、かごカメラ51に顔を向けることを促すテキスト等の情報を表示させてもよい。図22は、このような表示画面の一例を示す図である。図22の表示画面には、「乗車したエレベータ内ではカメラに顔を向けてください」というメッセージが表示されている。
【0128】
このようなかごカメラ51に顔を向けることを促す情報は、かご内に設置されたディスプレイに表示されてもよいし、かご内に設置されたスピーカから音声により出力されてもよい。かご内に設置されたディスプレイ及びスピーカは、報知装置の一例である。
【0129】
これにより、エレベータシステム100は、かごカメラ51に顔を向けるように利用者を促し、本割り当て処理、及び仮割り当ての取消処理をより確実に行うことができる。
【0130】
(第2変形例)
上記の実施の形態では、全てのセキュリティゲート20にゲートカメラ25が配置されている例を説明した。しかしながら、エレベータシステム100には、少なくとも1つのセキュリティゲート20にゲートカメラ25が配置されていればよく、ゲートカメラ25が設置されていないセキュリティゲート20が設けられてもよい。第1デフォルト行先階のみを有し、第2デフォルト行先階を有しない利用者は、ゲートカメラ25が設置されていないセキュリティゲート20を通過してもよい。これにより、ゲートカメラ25が設置されたセキュリティゲート20の渋滞を緩和でき、エレベータシステム100の輸送効率を向上させることができる。
【0131】
(第3変形例)
上記の実施の形態では、第1デフォルト行先階及び第2デフォルト行先階の両方を有する利用者について仮割当処理S36を行う例を説明したが、本発明はこれに限定されない。仮割当処理S36を実行するには、利用者が予め登録された第1の行先階及び第2の行先階を有すればよい。
【0132】
例えば、利用者DBには、図7のように第1デフォルト行先階及び第2デフォルト行先階が登録されるのではなく、デフォルト行先階と許可階が登録されてもよい。「許可階」は、「利用者ID」で特定される利用者の利用の進入が許可されている階床を示す情報である。許可階としては、例えば、ビル内の共用階などが設定される。この場合、上記の実施の形態は、「第2デフォルト行先階」を「許可階」に置き換えた態様においても成立する。
【0133】
(第4変形例)
上記の実施の形態における群管理制御装置10、エレベータ制御装置40、及びセキュリティサーバ60のうちの少なくとも1つは、エレベータ50が配置されるビル内に設置されなくてもよい。また、セキュリティゲート20の制御部21も、エレベータ50が配置されるビル内に設置される必要はない。例えば、これらの装置の機能は、クラウドサーバにより実行されてもよい。この場合、エレベータ50が配置されるビルに設置されるセキュリティゲート20、ゲート表示器70などの装置と、クラウドサーバとの間の各種信号や情報の授受は、適宜な通信方式を用いた通信により行えばよい。
【0134】
また、群管理制御装置10、エレベータ制御装置40、セキュリティサーバ60、及びセキュリティゲート20の制御部21は、別個の装置である必要はなく、これらの装置の機能は、1以上の情報処理装置によって実行されてもよい。このような情報処理装置は、本開示の「制御装置」の一例である。
【0135】
各実施の形態において、本発明の複数の態様を説明した。しかし、本発明の具体的態様は、上述した実施の形態に限られず、これらを組み合わせたものとすることもできる。
【0136】
(態様例)
以下、本発明の態様を例示する。
【0137】
<態様1>
かごをそれぞれ備える複数のエレベータと、
前記かごの中の画像を撮像可能なかご内撮像装置と、
特定階に設置され、利用者の個人認証を行うセキュリティゲートと、
前記セキュリティゲートを通過する前記利用者の画像を撮像可能なゲート撮像装置と、
前記個人認証が成功し、かつ前記ゲート撮像装置によって前記利用者の顔画像が取得された場合に、前記顔画像が示す前記利用者の顔データに紐付けられた第1の行先階及び第2の行先階を、前記複数のエレベータのうちの第1のエレベータ及び第2のエレベータにそれぞれ仮に割り当てると共に、前記第1のエレベータの第1のかごと前記第2のエレベータの第2のかごとを前記特定階に呼ぶ制御装置と、
を備えるエレベータシステムであって、
前記制御装置は、
前記特定階に呼ばれた前記第1のかご又は前記第2のかごの中の画像に含まれる顔を示す情報を、前記個人認証が成功した利用者の前記顔データと照合する顔認証を行い、
前記第1のかごの中の画像について前記顔認証が成功した場合、前記第1の行先階を前記第1のエレベータに本割り当てし、
前記第2のかごの中の画像について前記顔認証が成功した場合、前記第2の行先階を前記第2のエレベータに本割り当てする、
エレベータシステム。
【0138】
<態様2>
前記制御装置は、
前記第1のかごの中の画像について前記顔認証が成功した場合、前記第2のエレベータへの前記第2の行先階の仮の割り当てを取り消し、
前記第2のかごの中の画像について前記顔認証が成功した場合、前記第1のエレベータへの前記第1の行先階の仮の割り当てを取り消す、
態様1に記載のエレベータシステム。
【0139】
<態様3>
前記第1の行先階と前記第1のエレベータとを紐付けて表示し、前記第2の行先階と前記第2のエレベータとを紐付けて表示する表示装置を更に備える、態様1又は2に記載のエレベータシステム。
【0140】
<態様4>
前記表示装置は、前記かご内撮像装置に顔を向けることを促す表示を行う、態様3に記載のエレベータシステム。
【0141】
<態様5>
前記複数のエレベータの各かごは、前記かご内撮像装置に顔を向けることを促す情報を前記利用者に報知する報知装置を更に備える、態様1~4のいずれかに記載のエレベータシステム。
【0142】
<態様6>
前記制御装置は、前記個人認証が成功したが前記利用者の顔画像が取得されなかった場合、前記第1の行先階及び前記第2の行先階の仮割り当てを行わず、前記第1の行先階を前記第1のエレベータに割り当て、前記第1のかごを前記特定階に呼ぶ、態様1~5のいずれかに記載のエレベータシステム。
【0143】
<態様7>
第3の行先階が紐付けられた利用者について、前記セキュリティゲートによる個人認証が成功した場合、前記第3の行先階を前記複数のエレベータのいずれかに割り当てる、態様1~6のいずれかに記載のエレベータシステム。
【符号の説明】
【0144】
10 群管理制御装置
11 制御部
12 記憶部
13 入出力インタフェース
20 セキュリティゲート
20a ゲート本体
21 制御部
22 記憶部
23 入出力インタフェース
25 ゲートカメラ
28 ゲートフラッパ
29 リーダ
40 エレベータ制御装置
41 制御部
42 記憶部
43 入出力インタフェース
50 エレベータ
51 かごカメラ
60 セキュリティサーバ
61 制御部
62 記憶部
63 入出力インタフェース
70 ゲート表示器
100 エレベータシステム
【要約】      (修正有)
【課題】利用者が、セキュリティゲートを通過した後に利用者による登録操作を行わなくても、複数の候補の中から行先階を選択することを可能にするエレベータシステムを提供する。
【解決手段】エレベータシステムは、複数のエレベータ50と、かごの中の画像を撮像可能なかご内撮像装置51と、利用者の個人認証を行うセキュリティゲート20と、セキュリティゲート20を通過する利用者の画像を撮像可能なゲート撮像装置25と、制御装置とを備え、制御装置は、特定階に呼ばれた第1又は第2のかごの中の画像に含まれる顔情報を、利用者の顔データと照合する顔認証を行い、第1のかごの中の画像について顔認証が成功した場合、第1の行先階を第1のエレベータに本割り当てし、第2のかごの中の画像について顔認証が成功した場合、第2の行先階を第2のエレベータに本割り当てする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図18C
図19
図20
図21
図22