(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】インバータ装置および回転機械
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20241203BHJP
H02K 9/02 20060101ALI20241203BHJP
H02K 9/06 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
H02K9/02 B
H02K9/06 C
(21)【出願番号】P 2024168449
(22)【出願日】2024-09-27
【審査請求日】2024-09-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100170818
【氏名又は名称】小松 秀輝
(74)【代理人】
【識別番号】100224546
【氏名又は名称】小松 龍
(72)【発明者】
【氏名】富田 和真
(72)【発明者】
【氏名】山田 達郎
(72)【発明者】
【氏名】村山 隆彦
【審査官】上野 力
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-44953(JP,A)
【文献】特開2000-223876(JP,A)
【文献】特開2001-176739(JP,A)
【文献】国際公開第2024/34549(WO,A1)
【文献】特開2019-24042(JP,A)
【文献】特開2001-342996(JP,A)
【文献】特開2004-274992(JP,A)
【文献】特開2020-162390(JP,A)
【文献】特開2020-68632(JP,A)
【文献】特開2017-189052(JP,A)
【文献】特開2020-102979(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
H02K 9/02
H02K 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却風が流入または流出可能な第一インバータ開口、前記第一インバータ開口とは異なる位置に形成されて前記冷却風が流入または流出可能な第二インバータ開口、および、前記第一インバータ開口に繋がる第一内部空間と前記第二インバータ開口に繋がる第二内部空間とを隔てる隔壁を含むインバータ筐体と、
前記第一内部空間に配置され、機能素子、前記機能素子に接続された基板、および前記基板に接続された電力ケーブルを含む回路モジュールと、
前記第二内部空間に配置され、前記隔壁を介して前記機能素子と熱的に接続され、前記機能素子が有する熱を放出可能な放熱部材と、
を備え、
前記隔壁は、前記第一内部空間と前記第二内部空間とを繋ぐ貫通穴を含み、
前記貫通穴は、前記隔壁に沿った第一方向において、前記機能素子を挟んで、前記第一インバータ開口および前記第二インバータ開口が配置される領域とは反対側の領域に配置され、前記第一内部空間と前記第二内部空間との間で前記冷却風を受け渡し可能であり、
前記電力ケーブルは、前記貫通穴を通って前記第一内部空間から前記第二内部空間に引き出されている、インバータ装置。
【請求項2】
前記電力ケーブルは、
前記基板から前記第一方向に沿って延びる第一延在部と、
前記第一方向に交差する第二方向に沿って延び、前記貫通穴を通過して前記第一内部空間から前記第二内部空間に引き出される第二延在部と、
前記第一延在部と前記第二延在部との間に配置され、前記第一延在部と前記第二延在部とを繋ぐように屈曲する屈曲部と、を含む、
請求項1に記載のインバータ装置。
【請求項3】
前記インバータ筐体は、前記貫通穴から前記第二内部空間に引き出された前記電力ケーブルが通過するケーブル挿入口を含み、
前記ケーブル挿入口は、前記第二インバータ開口とは異なる位置に形成されている、
請求項1または2に記載のインバータ装置。
【請求項4】
前記第二内部空間は、前記隔壁と、前記隔壁に交差する第二方向において前記隔壁に対して隙間を空けて対向する側壁と、に囲まれた空間であり、
前記側壁は、
前記第二インバータ開口が開口する第一側壁部と、
前記ケーブル挿入口が開口する第二側壁部と、を含み、
前記第一側壁部は、前記第二側壁部に対して、前記隔壁から離れる方向に窪む段差を形成している、
請求項3に記載のインバータ装置。
【請求項5】
前記第二インバータ開口の断面積は、前記ケーブル挿入口の断面積よりも大きい、
請求項4に記載のインバータ装置。
【請求項6】
請求項1または2に記載のインバータ装置と、
前記インバータ装置から駆動電力が供給されるモータ装置と、
を備え、
前記モータ装置は、
前記電力ケーブルと電気的に接続され、前記電力ケーブルから供給される前記駆動電力を受けてシャフトを回転可能なモータと、
前記シャフトに取り付けられた冷却ファンと、
前記モータおよび前記冷却ファンを収容するモータ筐体と、を含み、
前記モータ筐体の内部は、前記第二インバータ開口を通じて前記第二内部空間に繋がり、
前記冷却ファンは、前記シャフトとともに回転することによって、前記第一インバータ開口または前記第二インバータ開口に前記冷却風を流入させる、
回転機械。
【請求項7】
前記インバータ筐体は、前記モータ筐体に対して、前記第一方向に交差する第二方向に接続され、前記シャフトは、前記第一方向に沿って延びており、
前記モータ筐体は、
前記冷却風とは異なる別の冷却風が流入または流出可能な第一モータ開口と、
前記別の冷却風が流入または流出可能な第二モータ開口と、を更に含み、
前記第二方向に沿って見た場合に、前記第二インバータ開口は、前記第一モータ開口と前記第二モータ開口との前記第一方向の間に配置され、前記モータの少なくとも一部は、前記第一モータ開口と前記第二インバータ開口との前記第一方向の間に配置されている、
請求項6に記載の回転機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、インバータ装置および回転機械に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大電流の電力を扱う、いわゆるパワー半導体素子に注目が集まっている。パワー半導体素子は、扱う電流の大きさに起因して発熱量が大きい。従って、発生する熱をパワー半導体素子から排出することは、パワー半導体素子を扱う上で重要な課題である。例えば、特許文献1~4は、パワー半導体素子等の発熱源の冷却に関する技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-044953号公報
【文献】特開2000-223876号公報
【文献】特開2004-296748号公報
【文献】特表2012-501045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したようなパワー半導体素子は、例えば、基板および電力ケーブル等の他の部材とともに、インバータ筐体の内部空間に収容される。インバータ筐体の内部空間は、パワー半導体素子、基板および電力ケーブル等が収容されるインバータ空間と、パワー半導体素子の熱を放出するためのヒートシンクが収容される放熱空間とに仕切られる。この構成において、放熱空間に冷却風を送る冷却ファンが設置されることがある。この場合、冷却風がヒートシンクに接触することによって、ヒートシンクを介してパワー半導体素子を冷却できる。
【0005】
しかし、この構成では、大電力が流れて大きな発熱を生じ得る基板および電力ケーブル等の他の部材を十分に冷却することは難しい。これに対し、放熱空間に冷却風を送る冷却ファンに加えて、インバータ空間に冷却風を送る別の冷却ファンが更に設置されることがある。この場合、パワー半導体素子を含めて、基板および電力ケーブル等の他の部材を直接的に冷却できる。しかし、このように複数の冷却ファンを設置すると、装置全体が大型化するおそれがある。
【0006】
本開示は、冷却性能の向上と小型化とを両立できるインバータ装置および回転機械を説明する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一形態に係るインバータ装置は、冷却風が流入または流出可能な第一インバータ開口、第一インバータ開口とは異なる位置に形成されて冷却風が流入または流出可能な第二インバータ開口、および、第一インバータ開口に繋がる第一内部空間と第二インバータ開口に繋がる第二内部空間とを隔てる隔壁を含むインバータ筐体と、第一内部空間に配置され、機能素子、機能素子に接続された基板、および基板に接続された電力ケーブルを含む回路モジュールと、第二内部空間に配置され、隔壁を介して機能素子と熱的に接続され、機能素子が有する熱を放出可能な放熱部材と、を備え、隔壁は、第一内部空間と第二内部空間とを繋ぐ貫通穴を含み、貫通穴は、隔壁に沿った第一方向において、機能素子を挟んで、第一インバータ開口および第二インバータ開口が配置される領域とは反対側の領域に配置され、第一内部空間と第二内部空間との間で冷却風を受け渡し可能であり、電力ケーブルは、貫通穴を通って第一内部空間から第二内部空間に引き出されている。
【0008】
上記のインバータ装置では、第一インバータ開口に繋がる第一内部空間と、第二インバータ開口に繋がる第二内部空間とを隔てる隔壁が、第一内部空間と第二内部空間とを繋ぐ貫通穴を含む。貫通穴は、隔壁に沿う第一方向において、機能素子の位置を挟んで、第一インバータ開口および第二インバータ開口が配置される領域とは反対側の領域に配置されている。そのため、第一インバータ開口から第一内部空間に流入した冷却風は、貫通穴で折り返して第二内部空間に渡され、第二インバータ開口から流出する。あるいは、第二インバータ開口から第二内部空間に流入した冷却風は、貫通穴で折り返して第一内部空間に渡され、第一インバータ開口から流出する。このように、第一内部空間、貫通穴、および第二内部空間は、第一インバータ開口から貫通穴を経由して第二インバータ開口へと折り返す冷却風の流路を形成する。このような折り返し流路が形成される場合、一つの送風源を用いて第一内部空間および第二内部空間の両方に冷却風を送ることができる。従って、上記のインバータ装置では、第一内部空間および第二内部空間の両方に冷却風を送るために複数の送風源を用意しなくても、第一内部空間に配置された回路モジュール、および第二内部空間に配置された放熱部材の両方を十分に冷却できるので、十分な冷却性能を発揮しつつ、装置全体を小型にできる。さらに、上記のインバータ装置では、回路モジュールに含まれる電力ケーブルが、貫通穴を通って第一内部空間から第二内部空間に引き出されている。この場合、インバータ筐体の内部の発熱源の一つである電力ケーブルを冷却風によって効果的に冷却できるので、冷却性能をさらに向上できる。このように、上記のインバータ装置によれば、冷却性能の向上と小型化とを両立できる。
【0009】
いくつかの態様において、電力ケーブルは、基板から第一方向に沿って延びる第一延在部と、第一方向に交差する第二方向に沿って延び、貫通穴を通過して第一内部空間から第二内部空間に引き出される第二延在部と、第一延在部と第二延在部との間に配置され、第一延在部と第二延在部とを繋ぐように屈曲する屈曲部と、を含んでもよい。この場合、冷却風が流れる流路に沿うように電力ケーブルを配置できるので、冷却風によって電力ケーブルをより効果的にこれにより、冷却性能をさらに向上できる。
【0010】
いくつかの態様において、インバータ筐体は、貫通穴から第二内部空間に引き出された電力ケーブルが通過するケーブル挿入口を含み、ケーブル挿入口は、第二インバータ開口とは異なる位置に形成されていてもよい。この場合、電力ケーブルが接続される接続対象物に対して、極力最短経路を辿るように電力ケーブルを這わせることができるので、電力ケーブルが第二インバータ開口から引き出される場合と比べて、電力ケーブルが必要以上に長くなることを回避できる。
【0011】
いくつかの態様において、第二内部空間は、隔壁と、隔壁に交差する第二方向において隔壁に対して隙間を空けて対向する側壁と、に囲まれた空間であり、側壁は、第二インバータ開口が開口する第一側壁部と、ケーブル挿入口が開口する第二側壁部と、を含み、第一側壁部は、第二側壁部に対して、隔壁から離れる方向に窪む段差を形成していてもよい。この場合、隔壁と第一側壁部との間に冷却風の流動スペースを確保して、そのスペースに放熱部材を配置できるので、冷却性能を向上できる。
【0012】
いくつかの態様において、第二インバータ開口の断面積は、ケーブル挿入口の断面積よりも大きくてもよい。この場合、第二インバータ開口を流れる冷却風の流量を十分に確保して、冷却性能の向上を図ることができる。
【0013】
本開示の一形態に係る回転機械は、上述したいずれかのインバータ装置と、インバータ装置から駆動電力が供給されるモータ装置と、を備え、モータ装置は、電力ケーブルと電気的に接続され、電力ケーブルから供給される駆動電力を受けてシャフトを回転可能なモータと、シャフトに取り付けられた冷却ファンと、モータおよび冷却ファンを収容するモータ筐体と、を含み、モータ筐体の内部は、第二インバータ開口を通じて第二内部空間に繋がり、冷却ファンは、シャフトとともに回転することによって、第一インバータ開口または第二インバータ開口に冷却風を流入させる。
【0014】
この回転機械は、上述したいずれかのインバータ装置を備えるので、上述した効果を得ることができる。さらに、この回転機械では、モータ筐体に収容された冷却ファンが、第一インバータ開口または第二インバータ開口に冷却風を流入させる送風源として用いられている。つまり、モータ筐体の内部のモータを冷却するための送風源と、インバータ筐体の内部の回路モジュールを冷却するための送風源と、が共通化されている。この場合、モータを冷却するための送風源と、回路モジュールを冷却するための送風源と、が個別に設けられる場合と比べて、装置全体をより小型にできる。
【0015】
いくつかの態様において、インバータ筐体は、モータ筐体に対して、第一方向に交差する第二方向に接続され、シャフトは、第一方向に沿って延びており、モータ筐体は、冷却風とは異なる別の冷却風が流入または流出可能な第一モータ開口と、別の冷却風が流入または流出可能な第二モータ開口と、を更に含み、第二方向に沿って見た場合に、第二インバータ開口は、第一モータ開口と第二モータ開口との第一方向の間に配置され、モータの少なくとも一部は、第一モータ開口と第二インバータ開口との第一方向の間に配置されていてもよい。この場合、冷却ファンの回転に伴って、第一インバータ開口から流入した冷却風は、回路モジュールおよび放熱部材を通って第二インバータ開口からモータ筐体の内部に流れる。また、冷却ファンの回転に伴って、第一モータ開口から流入した別の冷却風は、モータを通った後に、第二インバータ開口においてインバータ筐体からの冷却風に合流し、その冷却風とともに第二モータ開口からモータ筐体の外部に排出される。あるいは、冷却ファンの回転に伴って、第二モータ開口から流入した冷却風は、第二インバータ開口において、モータ筐体の内部のモータを通る冷却風と、インバータ筐体の内部の回路モジュールおよび放熱部材を通る冷却風とに分岐し、それぞれの冷却風が第一モータ開口および第一インバータ開口から流出する。このように、第二インバータ開口において冷却風が合流または分岐する構成とすれば、回転機械の内部の主な発熱源と熱交換する前の低温の冷却風によって、インバータ筐体の内部の主な発熱源と、モータ筐体の内部の主な発熱源と、を効率良く冷却できる。この場合、例えば、インバータ筐体の内部の発熱源と熱交換した後の冷却風を、そのままモータ筐体の内部の発熱源の冷却に用いる場合と比べて、回転機械の内部の発熱源をより効率的に冷却できる。従って、上記の構成によれば、冷却性能のさらなる向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0016】
本開示のいくつかの態様によれば、冷却性能の向上と小型化とを両立できるインバータ装置および回転機械が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る回転機械を示す断面図である。
【
図2】
図2は、
図1の回転機械が備えるインバータ装置を示す断面図である。
【
図3】
図3は、変形例に係る回転機械を示す断面図である。
【
図4】
図4(a)は、比較例1に係る回転機械を示す断面図である。
図4(b)は、比較例2に係る回転機械を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0019】
本実施形態では、回転機械の一例として、遠心送風機1を説明する。遠心送風機1は、例えば、空気を吸い込み所定の圧力で送り出す空冷式の電動ブロアである。遠心送風機1は、インペラが取り付けられたシャフト2を回転させるモータ装置10と、モータ装置10に駆動電力を供給するインバータ装置30と、を備える。モータ装置10とインバータ装置30とは一体化されており、互いに電気的に接続されている。
【0020】
[モータ装置]
モータ装置10は、モータ11と、冷却ファン13と、モータ11および冷却ファン13を収容するモータ筐体15と、を備える。
【0021】
[モータ]
モータ11は、例えばブラシレスの交流モータである。モータ11は、シャフト2に固定されたロータ11aと、ロータ11aを取り囲むステータ11bと、を含む。ロータ11aは、一または複数のマグネットを含む。ロータ11aは、シャフト2と共に回転軸線Cの周りに回転可能である。回転軸線Cは、シャフト2の回転中心を結ぶ軸線である。ステータ11bは、複数のコイルおよび鉄心を有する。ステータ11bは、ロータ11aに対して隙間を空けて対面している。ステータ11bは、シャフト2の周りに磁場を生じさせることによって、ロータ11aを回転させる。
【0022】
[冷却ファン]
冷却ファン13は、回転軸線Cが延びる軸方向D1(第一方向)におけるシャフト2の第一端部2aに取り付けられており、シャフト2とともに回転軸線Cの周りに回転する。冷却ファン13は、例えば、その中心部から吸入した空気を、回転軸線Cから離れる方向に排気する遠心ファンである。第一端部2aとは反対側に位置するシャフト2の第二端部2bは、軸受14によって回転可能に支持されている。冷却ファン13と軸受14との間のシャフト2の中央部に、モータ11が配置されている。冷却ファン13は、モータ11に対して隙間を空けて軸方向D1に隣り合っている。軸受14は、モータ11を挟んで冷却ファン13とは反対側の位置に配置され、モータ11に対して隙間を空けて軸方向D1に隣り合っている。
【0023】
[モータ筐体]
モータ筐体15は、回転軸線Cを中心として軸方向D1に沿って延びる円筒状の側壁16と、軸方向D1における側壁16の第一端を塞ぐ第一端壁17と、軸方向D1における側壁16の第二端を塞ぐ第二端壁18と、を含む。側壁16、第一端壁17、および第二端壁18は、モータ11および冷却ファン13を収容する内部空間を形成する。モータ筐体15の内部空間は、モータ11が収容されるモータ空間V11と、冷却ファン13が収容されるファン空間V13と、を有する。
【0024】
モータ空間V11とファン空間V13とは、モータ筐体15の内部において軸方向D1に垂直な垂直方向D2(第二方向)に沿って延びる仕切壁19によって仕切られており、仕切壁19を挟んで軸方向D1に隣り合っている。仕切壁19は、モータ空間V11とファン空間V13とを繋ぐ挿入穴19aを含む。挿入穴19aには、シャフト2が挿入されている。挿入穴19aの内径は、シャフト2よりも大きい。挿入穴19aは、シャフト2が挿入された状態において、モータ空間V11とファン空間V13との間で空気を通過させる。挿入穴19aは、冷却ファン13と軸方向D1に対向している。
【0025】
第一端壁17は、冷却ファン13と軸方向D1に対向する位置に配置されている。第一端壁17は、シャフト2の第一端部2aが通過する挿入穴19aを含む。挿入穴19aからモータ筐体15の外部に延び出すシャフト2の第一端の近くには、図示しないインペラが取り付けられている。第二端壁18は、軸受14と軸方向D1に対向する位置に配置されている。第二端壁18は、外部の空気を冷却風として取り込む吸気口A11(第一モータ開口)を含む。吸気口A11は、例えば、第二端壁18の全体にわたって形成されている。吸気口A11には、防塵用のエアフィルタ18aが設けられている。エアフィルタ18aは、例えば、吸気口A11の全体を覆っている。エアフィルタ18aは、塵埃を捕捉しながら外部の空気を吸気口A11に通過させる。第二端壁18には、エアフィルタ18aを保持する保持部が設けられてもよい。
【0026】
側壁16は、側壁部16aと、側壁部16b(第一側壁部)と、側壁部16c(第二側壁部)と、を含む。側壁部16aは、側壁16のうち、軸方向D1における第一端壁17と仕切壁19との間に位置する部分である。側壁部16bは、側壁16のうち、軸方向D1における仕切壁19と軸受14との間に位置する部分である。側壁部16cは、側壁16のうち、軸方向D1における軸受14と第二端壁18との間に位置する部分である。側壁部16b、側壁部16c、第二端壁18、および仕切壁19は、モータ空間V11を形成する。側壁部16a、第一端壁17、および仕切壁19は、ファン空間V13を形成する。
【0027】
側壁部16aは、側壁部16bに対して回転軸線Cから離れる方向に突出しており、側壁部16aに対して段差を形成している。側壁部16bに対する側壁部16aの段差部には、排気口A12(第二モータ開口)が形成されている。排気口A12は、吸気口A11から流入した冷却風を排出する。排気口A12には、上述したエアフィルタ16dと同様の機能を有するエアフィルタ16dが設けられている。側壁部16bは、インバータ装置30の内部に繋がる排気口A22(第二インバータ開口)を含む。側壁部16cは、側壁部16bに対して回転軸線Cから離れる方向に突出する段差を形成している。側壁部16cは、後述する電力ケーブル49が通過可能なケーブル挿入口16eを含む。
【0028】
排気口A22は、吸気口A11と排気口A12との間の冷却風G1の流路の途中に接続されている。垂直方向D2に沿って見たときに、排気口A22は、吸気口A11と排気口A12との軸方向D1の間に配置されている。モータ11および軸受14は、吸気口A11と排気口A12との間の冷却風G1の流路に配置されている。より具体的には、モータ11および軸受14は、排気口A22と排気口A12との間の冷却風G1の流路に配置されている。垂直方向D2に沿って見たときに、モータ11および軸受14は、排気口A22と排気口A12との軸方向D1の間に配置されている。本実施形態では、モータ11の全体が排気口A22と排気口A12との間に配置されているが、モータ11の一部のみが排気口A22と排気口A12との間に配置されていてもよい。
【0029】
[インバータ装置]
インバータ装置30は、モータ装置10と垂直方向D2に並んでいる。インバータ装置30は、回路モジュール31と、回路モジュール31を冷却するための放熱部材33と、回路モジュール31および放熱部材33を収容するインバータ筐体35と、を備える。
【0030】
[回路モジュール]
回路モジュール31は、パワー半導体素子41(機能素子)と、主回路基板43(基板)と、接続基板45と、電力ケーブル47と、電力ケーブル49と、を含む。回路モジュール31は、複数のパワー半導体素子41を含んでもよい。
【0031】
パワー半導体素子41は、外部からの電気信号を受けて所望の電気的な機能を発揮する。パワー半導体素子41は、インバータ筐体35の内部の隔壁51の表面51aに設置され、所望の機能を発揮する電気回路を形成するように主回路基板43の裏面43bに接続されている。パワー半導体素子41は、隔壁51の表面51aに接している。パワー半導体素子41は、例えば、トランジスタまたはダイオードである。
図1に示されるパワー半導体素子41は、電界効果トランジスタに金属酸化膜半導体を組み合わせた、いわゆるMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)である。MOSFETは、ゲートとソースとの間の電圧を制御することによって、ソースとドレインとの間を流れる電流を制御する。つまり、MOSFETは、スイッチング素子である。パワー半導体素子41は、遠心送風機1の運転中において大きな熱を発生する主な発熱源である。
【0032】
主回路基板43は、例えば、大電流が流されるパワー基板である。主回路基板43は、隔壁51の表面に対して垂直方向D2に隙間を空けた状態で、ボルト等によって隔壁51の表面51aに固定されている。主回路基板43の裏面43bは、パワー半導体素子41を挟んで隔壁51の表面51aと垂直方向D2に対面している。従って、パワー半導体素子41は、主回路基板43の裏面43bと隔壁51の表面51aとの間に配置されている。パワー半導体素子41は、例えば、隔壁51の表面51aに接しており、主回路基板43の裏面43bからは離れている。パワー半導体素子41は、放熱シート等の伝熱部材を介して、隔壁51の表面51aに接していてもよい。主回路基板43は、接続線42を介してパワー半導体素子41と電気的に接続されている。接続基板45は、主回路基板43の表面43aに対して垂直方向D2に隙間を空けた状態で、インバータ筐体35に固定されている。接続基板45は、主回路基板43と電気的に接続されている。
【0033】
電力ケーブル47は、接続基板45に接続されている。電力ケーブル47は、接続基板45および主回路基板43を介してパワー半導体素子41に電気的に接続されている。電力ケーブル47は、接続基板45から軸方向D1に延びてインバータ筐体35の外部に引き出され、外部の電源に接続されている。電力ケーブル47は、外部の電源から供給される電力を、接続基板45および主回路基板43を介してパワー半導体素子41に供給する。電力ケーブル49は、主回路基板43の表面43aに接続されている。電力ケーブル49は、主回路基板43を介してパワー半導体素子41に電気的に接続されている。電力ケーブル49は、パワー半導体素子41から供給される電力を伝送する。電力ケーブル49は、主回路基板43から延びてインバータ筐体35の外部に引き出され、モータ装置10に接続されている。電力ケーブル49は、パワー半導体素子41からの電力をモータ装置10に供給する。
【0034】
このように、電力ケーブル47、接続基板45、主回路基板43、および電力ケーブル49は、パワー半導体素子41と直接的または間接的に接続され、大電力を伝送する経路を形成する。そのため、電力ケーブル47、接続基板45、主回路基板43、および電力ケーブル49も、遠心送風機1の運転中において大きな熱を発生する主な発熱源である。
【0035】
[放熱部材]
放熱部材33は、パワー半導体素子41が発生した熱を放出する。放熱部材33は、例えば、複数のフィンを有するヒートシンクである。放熱部材33は、放熱機能を有する他の部材であってもよい。放熱部材33は、インバータ筐体35の内部の隔壁51の裏面51bに設置されている。放熱部材33は、隔壁51の裏面51bに接している。放熱部材33は、放熱シート等の伝熱部材を介して、隔壁51の裏面51bに接していてもよい。放熱部材33は、隔壁51を挟んでパワー半導体素子41と垂直方向D2に対向する位置に配置されている。つまり、放熱部材33は、パワー半導体素子41と垂直方向D2に重なる位置に配置されている。放熱部材33は、隔壁51を介してパワー半導体素子41と熱的に接続されている。
【0036】
[インバータ筐体]
インバータ筐体35は、モータ筐体15と垂直方向D2に隣り合っており、モータ筐体15に対して垂直方向D2に接続されている。インバータ筐体35は、垂直方向D2において側壁16に対してモータ装置10とは反対側に配置される天壁36と、軸方向D1における天壁36の第一端に配置される第一端壁37と、軸方向D1における天壁36の第二端に配置される第二端壁38と、を含む。さらに、インバータ筐体35は、モータ筐体15の側壁16を共有する。側壁16は、インバータ筐体35の底壁として機能する。側壁16は、天壁36、第一端壁37、および第二端壁38とともに、インバータ筐体35を構成する。
【0037】
側壁16、天壁36、第一端壁37、および第二端壁38は、回路モジュール31および放熱部材33を収容する内部空間を形成する。インバータ筐体35の内部空間は、回路モジュール31を収容するインバータ空間V31(第1内部空間)と、放熱部材33を収容する放熱空間V33(第2内部空間)と、を有する。インバータ空間V31と放熱空間V33とは、モータ筐体15の内部において軸方向D1に沿って延びる隔壁51によって隔てられており、隔壁51を挟んで垂直方向D2に隣り合っている。隔壁51は、側壁16と天壁36との間に配置されている。隔壁51は、側壁16と垂直方向D2に対面する裏面51bと、側壁16とは反対側を向く表面51aと、を含む。さらに、隔壁51は、表面51aから裏面51bまで垂直方向D2に貫通する貫通穴A23を含む。貫通穴A23は、インバータ空間V31と放熱空間V33とを繋いでいる。
【0038】
第一端壁37は、第一端壁部37aと、第二端壁部37bと、を含む。第一端壁部37aは、第一端壁37のうち、垂直方向D2における天壁36と隔壁51との間に位置する部分である。第二端壁部37bは、第一端壁37のうち、垂直方向D2における隔壁51と側壁16との間に位置する部分である。第二端壁部37bは、第一端壁部37aに対して軸方向D1の第二端壁38側に窪む段差を形成している。第二端壁部37bは、第一端壁部37aから垂直方向D2に延びて、側壁16の側壁部16bに接続されている。第二端壁部37bは、モータ筐体15の排気口A12に対して隙間を空けて軸方向D1に対向している。第二端壁38は、天壁36から垂直方向D2に延びて側壁16の側壁部16cに接続されている。
【0039】
天壁36、第一端壁部37a、第二端壁38、および隔壁51は、インバータ空間V31を形成する。側壁16、第二端壁部37b、第二端壁38、および隔壁51は、放熱空間V33を形成する。電力ケーブル47は、軸方向D1において第二端壁38よりも第一端壁37に近い位置に配置され、電力ケーブル49は、軸方向D1において第一端壁37よりも第二端壁38に近い位置に配置されている。パワー半導体素子41は、軸方向D1において第一端壁37と第二端壁38との間の中央部に配置されている。
【0040】
第一端壁部37aは、外部の空気を冷却風G2として取り込む吸気口A21(第一インバータ開口)を含む。吸気口A21は、例えば、第一端壁部37aの一部に形成されている。吸気口A21には、防塵用のエアフィルタ37cが設けられている。エアフィルタ37cは、例えば、吸気口A21の少なくとも一部を覆っている。エアフィルタ37cは、上述したエアフィルタ18bと同様の機能を有する。吸気口A21からは、電力ケーブル47が引き出されている。そのため、エアフィルタ37cは、吸気口A21のうち電力ケーブル47が通過する部分を除く他の部分を覆っている。吸気口A21からインバータ筐体35の外側へ引き出された電力ケーブル47は、外部の電源に接続されている。側壁16の側壁部16bは、上述したように、排気口A22を含む。排気口A22は、吸気口A21から吸入された冷却風G2を排出する。排気口A22は、例えば、第二端壁部37bと軸方向D1に隣り合う位置に形成されている。
【0041】
図2に示されるように、インバータ空間V31と放熱空間V33とを繋ぐ貫通穴A23は、軸方向D1におけるパワー半導体素子41の位置Pを基準にして、吸気口A21および排気口A22が位置する領域R1とは反対側の領域R2に位置している。パワー半導体素子41の位置Pとは、例えば、軸方向D1におけるパワー半導体素子41の中心の位置である。領域R1は、インバータ筐体35のうち、軸方向D1における第一端壁37から位置Pまでの領域である。領域R2は、インバータ筐体35のうち、軸方向D1における第二端壁38から位置Pまでのインバータ筐体35の領域である。貫通穴A23は、例えば、領域R2において主回路基板43から軸方向D1に離れた位置に形成されている。一例では、貫通穴A23は、第二端壁38に隣り合う位置に形成されている。貫通穴A23は、垂直方向D2に沿って見た場合に、軸方向D1における主回路基板43と第二端壁38との間に配置されている。
【0042】
貫通穴A23は、例えば、隔壁51を垂直方向D2に貫通する円形の穴である。貫通穴A23には、主回路基板43から延びる電力ケーブル49が挿入されている。貫通穴A23の内径は、電力ケーブル49の外径よりも大きい。つまり、貫通穴A23の断面積は、電力ケーブル49の断面積よりも大きい。貫通穴A23は、電力ケーブル49が挿入された状態において、インバータ空間V31と放熱空間V33との間で空気(冷却風G2)を通過させる。貫通穴A23の断面積は、貫通穴A23が延びる垂直方向D2に直交する平面での貫通穴A23の面積を意味する。電力ケーブル49の断面積は、垂直方向D2に直交する平面での電力ケーブル49の面積を意味する。
【0043】
電力ケーブル49は、主回路基板43に接続された第一延在部49aと、貫通穴A23を通る第二延在部49bと、第一延在部49aと第二延在部49bとの間に配置された屈曲部49cと、を含む。第一延在部49aは、主回路基板43から第二端壁38に向かって軸方向D1に沿って延びている。第二延在部49bは、主回路基板43から第二端壁38側へ軸方向D1に離れた位置において垂直方向D2に沿って延びている。屈曲部49cは、屈曲しながら第一延在部49aと第二延在部49bとを接続している。
【0044】
貫通穴A23から放熱空間V33に引き出された電力ケーブル49は、側壁部16cに形成されたケーブル挿入口16eから、インバータ筐体35の外部に引き出されている。ケーブル挿入口16eは、パワー半導体素子41の位置Pを挟んで、排気口A22が位置する領域R1とは反対側の領域R2に位置している。ケーブル挿入口16eは、例えば、貫通穴A23と垂直方向D2に対向する位置に形成されている。つまり、ケーブル挿入口16eは、貫通穴A23と垂直方向D2に重なるように配置されている。ケーブル挿入口16eが貫通穴A23と垂直方向D2に重なるとは、垂直方向D2に沿って見たときに、ケーブル挿入口16eの少なくとも一部が、貫通穴A23の少なくとも一部と重複していることを意味する。
【0045】
ケーブル挿入口16eは、例えば、電力ケーブル49が通過可能な円形の穴である。ケーブル挿入口16e断面積は、電力ケーブル49の断面積と同一である。ケーブル挿入口16eの断面積は、電力ケーブル49と冷却風G2とが通過する貫通穴A23の断面積よりも小さい。また、ケーブル挿入口16eの断面積は、例えば、排気口A22の断面積よりも小さい。ケーブル挿入口16eが形成される側壁部16cは、上述したように、排気口A22が形成される側壁部16bに対して、隔壁51に近づく方向に突出する段差を形成している。言い換えると、側壁部16bは、側壁部16cに対して、隔壁51から離れる方向に窪む段差を形成している。従って、側壁部16bと隔壁51の裏面51bとの垂直方向D2の幅W1は、側壁部16cと隔壁51の裏面51bとの垂直方向D2の幅W2よりも大きい。
【0046】
貫通穴A23から垂直方向D2に延び出す電力ケーブル49は、そのまま垂直方向D2に延びてケーブル挿入口16eを通過する。ケーブル挿入口16eを通過した電力ケーブル49は、モータ筐体15のモータ空間V11に引き出され、ステータ11bに接続される(
図1参照)。例えば、ケーブル挿入口16eを通過した電力ケーブル49は、モータ空間V11において軸受14と吸気口A21との間に引き出された後、軸受14と側壁部16bの間を通ってステータ11bに接続される。このように、パワー半導体素子41は、主回路基板43および電力ケーブル49を介して、モータ11に電気的に接続されている。モータ11は、電力ケーブル49によって伝送された電力を受けて回転軸線Cの周りにシャフト2を回転させる。
【0047】
[動作]
続いて、
図1を参照して、遠心送風機1の動作を説明する。
【0048】
電力ケーブル49を通じてパワー半導体素子41からステータ11bに電力が供給されると、ステータ11bとロータ11aとの間に回転磁界が生じ、シャフト2が回転する。シャフト2の回転に伴いインペラが回転すると、インペラを収容するインペラ筐体に主流が吸入される。遠心送風機1が吸引のために用いられる場合には、所定の吸引対象物から、空気が吸引される。遠心送風機1が送風のために用いられる場合には、インペラ筐体に吸入された主流は、ディフューザおよびスクロールを経て所定の送風対象物に対して送風される。
【0049】
遠心送風機1の運転中には、シャフト2と一緒に冷却ファン13も回転する。冷却ファン13が回転すると、排気口A12よりモータ筐体15およびインバータ筐体35が吸引される。その結果、モータ筐体15およびインバータ筐体35が負圧となるので、吸気口A11を通じてモータ筐体15に外気が冷却風G1として吸入され、吸気口A21を通じてインバータ筐体35に外気が冷却風G2として吸入される。
【0050】
吸気口A21からインバータ筐体35のインバータ空間V31に吸入された冷却風G2は、電力ケーブル47、主回路基板43、接続基板45、パワー半導体素子41、および電力ケーブル49に接触する。これにより、回路モジュール31が冷却される。その後、冷却風G2は、貫通穴A23を通って放熱空間V33に流れる。これにより、電力ケーブル49は、貫通穴A23においても冷却風G2によって冷却される。放熱空間V33に流れた冷却風G2は、放熱部材33に接触する。これにより、パワー半導体素子41が放熱部材33を介して更に冷却される。放熱部材33を通過した冷却風G2は、排気口A22からモータ筐体15の内部に吸入される。
【0051】
インバータ空間V31は、吸気口A21から貫通穴A23まで軸方向D1に沿って延びる空間である。インバータ空間V31は、吸気口A21から吸入した冷却風G2を貫通穴A23に通過させる第一冷却流路として機能する。貫通穴A23は、インバータ空間V31と放熱空間V33との間を垂直方向D2に沿って延びる空間である。貫通穴A23は、インバータ空間V31を流れる冷却風G2を放熱空間V33に受け渡す第二冷却流路として機能する。放熱空間V33は、貫通穴A23から排気口A22まで軸方向D1に沿って延びる空間である。貫通穴A23は、貫通穴A23を通過した冷却風G2を排気口A22から排出させる第三冷却流路として機能する。インバータ空間V31、貫通穴A23、および放熱空間V33は、吸気口A21から貫通穴A23を経由して排気口A22へと折り返す流路を形成する。
【0052】
吸気口A11からモータ筐体15のモータ空間V11に吸入された冷却風G1は、電力ケーブル49、軸受14、およびモータ11に接触する。これにより、電力ケーブル49、軸受14、およびモータ11が冷却される。軸受14を通過した冷却風G1は、ステータ11bとロータ11aとの間を流れて、インバータ筐体35の内部に繋がる排気口A22に到達する。冷却風G1は、排気口A22において、インバータ筐体35から排出される冷却風G2と合流する。合流した冷却風G3は、冷却ファン13が取り付けられるシャフト2に向かって流れ、仕切壁19に形成された挿入穴19aを通ってファン空間V13に流れる。ファン空間V13に流れた冷却風G3は、冷却ファン13によって回転軸線Cから離れる方向に流され、排気口A12を通じてモータ筐体15の外部に排出される。
【0053】
モータ空間V11は、吸気口A11から仕切壁19まで軸方向D1に沿って延びる空間である。モータ空間V11は、吸気口A11から吸入した冷却風G1を排気口A22に到達させる第四冷却流路として機能する。さらに、モータ空間V11は、吸気口A11から吸入した冷却風G1を、排気口A22においてインバータ筐体35からの冷却風G2と合流させて、冷却ファン13を通過させる第五冷却流路として機能する。ファン空間V13は、冷却ファン13を通過した冷却風G3を排気口A12から排出させる第六冷却流路として機能する。
【0054】
遠心送風機1の運用中には、モータ11および軸受14等も発熱源として発熱するが、モータ11および軸受14は、モータ空間V11を流れる冷却風G1によって冷却される。また、上述したように、インバータ装置30では、パワー半導体素子41、電力ケーブル47、接続基板45、主回路基板43、および電力ケーブル49が発熱源となるが、これらは冷却風G2によって冷却される。また、パワー半導体素子41は、放熱部材33を介して冷却風G2によってさらに冷却される。従って、本実施形態では、上述した発熱源のすべてが、直接または間接的に冷却されている。
【0055】
<効果>
以上に説明したインバータ装置30および遠心送風機1によって得られる効果を、比較例が有する課題と共に説明する。
【0056】
図4(a)に示されるインバータ装置130は、パワー半導体素子141、基板143、電力ケーブル147、および電力ケーブル149を含む回路モジュール131と、パワー半導体素子141と熱的に接続された放熱部材133と、回路モジュール131および放熱部材133を収容するインバータ筐体135と、を備える。インバータ筐体135の内部空間は、回路モジュール131が収容されるインバータ空間V131と、放熱部材133が収容される放熱空間V133とに仕切られている。インバータ筐体135は、放熱空間V133に繋がる吸気口A121と、吸気口A121とは反対側において放熱空間V133に繋がる排気口A122と、を含む。吸気口A121には、放熱空間V133に冷却風G101を送る冷却ファン113が設置されている。この場合、冷却風G101が放熱部材133に接触することによって、放熱部材133を介してパワー半導体素子141を冷却できる。しかし、インバータ装置130では、パワー半導体素子141の発熱に応じて大きな発熱を生じ得る基板143および電力ケーブル147,149等の他の部材を十分に冷却することは難しい。
【0057】
図4(b)に示されるインバータ装置230は、インバータ装置130のインバータ筐体135に代えて、インバータ筐体235を備える。インバータ筐体235は、吸気口A121および排気口A122に加えて、インバータ空間V131に繋がる吸気口A221と、吸気口A221とは反対側においてインバータ空間V131に繋がる排気口S222と、を含む。さらに、吸気口A221には、インバータ空間V131に冷却風G201を送る冷却ファン213が設置されている。つまり、インバータ装置230では、放熱空間V133に冷却風G101を送る冷却ファン113に加えて、インバータ空間V131に冷却風G201を送る別の冷却ファン213が更に設置されている。この場合、パワー半導体素子141を含めて、基板143および電力ケーブル147,149等の他の部材を直接的に冷却できる。しかし、このように複数の冷却ファン113,213を設置すると、装置全体が大型化するおそれがある。
【0058】
これに対し、本実施形態に係るインバータ装置30では、吸気口A21に繋がるインバータ空間V31と、排気口A22に繋がる放熱空間V33とを隔てる隔壁51が、インバータ空間V31と放熱空間V33とを繋ぐ貫通穴A23を含む。貫通穴A23は、軸方向D1におけるパワー半導体素子41を挟んで、吸気口A21および排気口A22が配置される領域R1とは反対側の領域R2に配置されている。そのため、吸気口A21からインバータ空間V31に流入した冷却風G2は、貫通穴A23で折り返して放熱空間V33に渡され、排気口A22から流出する。このように、インバータ空間V31、貫通穴A23、および放熱空間V33は、吸気口A21から貫通穴A23を経由して排気口A22へと折り返す冷却風G2の流路を形成する。このような折り返し流路が形成される場合、一つの送風源を用いて、インバータ空間V31および放熱空間V33の両方に冷却風G2を送ることができる。従って、インバータ装置30では、インバータ空間V31および放熱空間V33の両方に冷却風G2を送るために複数の冷却ファンを用意しなくても、インバータ空間V31に配置された回路モジュール31、および放熱空間V33に配置された放熱部材33の両方を十分に冷却できるので、十分な冷却性能を発揮しつつ、装置全体を小型にできる。さらに、インバータ装置30では、回路モジュール31に含まれる電力ケーブル49が、貫通穴A23を通ってインバータ空間V31から放熱空間V33に引き出されている。この場合、発熱源の一つである電力ケーブル49を効果的に冷却できるので、冷却性能をさらに向上できる。このように、本実施形態に係るインバータ装置30によれば、冷却性能の向上と小型化とを両立できる。
【0059】
本実施形態のように、電力ケーブル49は、主回路基板43から軸方向D1に沿って延びる第一延在部49aと、軸方向D1に交差する垂直方向D2に沿って延び、貫通穴A23を通過してインバータ空間V31から放熱空間V33に引き出される第二延在部49bと、第一延在部49aと第二延在部49bとの間に配置され、第一延在部49aと第二延在部49bとを繋ぐように屈曲する屈曲部49cと、を含んでもよい。この場合、冷却風G2が流れる流路に沿うように電力ケーブル49を配置できるので、冷却風G2によって電力ケーブル49をより効果的に冷却できる。これにより、冷却性能をさらに向上できる。
【0060】
本実施形態のように、インバータ筐体35は、貫通穴A23から放熱空間V33に引き出された電力ケーブル49が通過するケーブル挿入口16eを含み、ケーブル挿入口16eは、排気口A22とは異なる位置に形成されていてもよい。この場合、電力ケーブル49が接続される接続対象物に対して、極力最短経路を辿るように電力ケーブル49を這わせることができるので、電力ケーブル49が排気口A22から引き出される場合と比べて、電力ケーブル49が必要以上に長くなることを回避できる。
【0061】
本実施形態のように、側壁16は、排気口A22が開口する側壁部16bと、ケーブル挿入口16eが開口する側壁部16cと、を含み、側壁部16bは、側壁部16cに対して、隔壁51から離れる方向に窪む段差を形成していてもよい。この場合、隔壁51と側壁部16bとの間に冷却風G2の流動スペースを確保して、そのスペースに放熱部材33を配置できるので、冷却性能を向上できる。
【0062】
本実施形態のように、排気口A22の断面積は、ケーブル挿入口16eの断面積よりも大きくてもよい。この場合、排気口A22を流れる冷却風G2の流量を十分に確保して、冷却性能の向上を図ることができる。
【0063】
本実施形態に係る遠心送風機1は、インバータ装置30と、インバータ装置30から駆動電力が供給されるモータ装置10と、を備え、モータ装置10は、電力ケーブル49と電気的に接続され、電力ケーブル49から供給される駆動電力を受けてシャフト2を回転可能なモータ11と、シャフト2に取り付けられた冷却ファン13と、モータ11および冷却ファン13を収容するモータ筐体15と、を含み、モータ筐体15の内部は、排気口A22を通じて放熱空間V33に繋がり、冷却ファン13は、シャフト2とともに回転することによって、排気口A22を通じて吸気口A21に冷却風G2を流入させる。遠心送風機1では、モータ筐体15に収容された冷却ファン13が、吸気口A21に冷却風G2を流入させる送風源として用いられている。つまり、モータ筐体15の内部のモータ11および軸受14を冷却するための送風源と、インバータ筐体35の内部の回路モジュール31および放熱部材33を冷却するための送風源と、が共通化されている。この場合、モータ11および軸受14を冷却するための送風源と、回路モジュール31および放熱部材33を冷却するための送風源と、が個別に設けられる場合と比べて、装置全体をより小型にできる。
【0064】
本実施形態のように、インバータ筐体35は、モータ筐体15に対して垂直方向D2に接続され、シャフト2は、軸方向D1に沿って延びており、モータ筐体15は、冷却風G2とは異なる別の冷却風G1が流入する吸気口A11と、冷却風G1が流出する排気口A12と、を含み、垂直方向D2に沿って見た場合に、排気口A22は、吸気口A11と排気口A12との軸方向D1の間に配置され、モータ11の少なくとも一部は、吸気口A11と排気口A12との軸方向D1の間に配置されていてもよい。この場合、冷却ファン13の回転に伴って、吸気口A21から流入した冷却風G2は、回路モジュール31および放熱部材33を通って排気口A22からモータ筐体15の内部に流れる。また、冷却ファン13の回転に伴って、吸気口A11から流入した冷却風G1は、モータ11を通った後に、排気口A22においてインバータ筐体35からの冷却風G2に合流し、その冷却風G2とともに排気口A12からモータ筐体15の外部に排出される。このように、排気口A22において冷却風G1,G2が合流する構成とすれば、遠心送風機1の内部の発熱源と熱交換する前の低温の冷却風G1,G2によって、インバータ筐体35の内部の主な発熱源と、モータ筐体15の内部の主な発熱源と、を効率良く冷却できる。この場合、例えば、インバータ筐体の内部の発熱源と熱交換した後の冷却風を、そのままモータ筐体の内部の発熱源の冷却に用いる場合と比べて、遠心送風機1の内部の発熱源をより効率的に冷却できる。従って、上記の構成によれば、冷却性能のさらなる向上を図ることができる。
【0065】
本開示は、上述した実施形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した様々な形態で実施することができる。上述した実施形態に記載されている技術的事項を利用して、実施形態の変形例を構成できる。
【0066】
<変形例>
例えば、
図3に示す遠心送風機1Aの内部を流れる冷却風G1,G2,G3の流れ方向は、上述した実施形態に係る遠心送風機1の内部を流れる冷却風G1,G2,G3の流れ方向とは逆向きであってもよい。遠心送風機1Aでは、モータ装置10Aが備えるモータ筐体15Aは、上述したモータ筐体15の排気口A12に代えて、冷却風G3を吸入する吸気口A32(第二モータ開口)を含む。モータ筐体15Aは、上述したモータ筐体15の吸気口A11に代えて、冷却風G1を排出する排気口A31(第一モータ開口)を含む。インバータ装置30Aが備えるインバータ筐体35Aは、上述したインバータ筐体35の排気口A22に代えて、冷却風G2を吸入する吸気口A42(第二インバータ開口)を含む。インバータ筐体35Aは、上述したインバータ筐体35の吸気口A21に代えて、冷却風G1を排出する排気口A41(第一インバータ開口)を含む。モータ筐体15Aの内部に配置された冷却ファン13Aは、例えば、その外周部から吸入した空気を中心部に排気するように構成されている。
【0067】
遠心送風機1Aでは、冷却ファン13Aの回転に伴って、吸気口A32から流入した冷却風G3は、吸気口A42において、モータ筐体15Aの内部のモータ11および軸受14を通る冷却風G1と、インバータ筐体35の内部の回路モジュール31および放熱部材33を通る冷却風G2とに分岐し、それぞれの冷却風G1,G2が排気口A41および排気口A31から排出される。このように、排気口A22において冷却風G1,G2が分岐する構成であっても、上述した実施形態と同様、遠心送風機1Aの内部の発熱源と熱交換する前の低温の冷却風G1,G2によって、インバータ筐体35の内部の主な発熱源と、モータ筐体15の内部の主な発熱源と、を効率良く冷却できる。これにより、冷却性能のさらなる向上を図ることができる。
【0068】
上述した実施形態では、本開示の「回転機械」の例として遠心送風機を説明したが、本開示の「回転機械」は、遠心圧縮機であってもよいし、軸流タイプの送風機または圧縮機であってもよい。上述した実施形態では、本開示の「冷却ファン」の例として、遠心ファを説明したが、「冷却ファン」は、例えば、軸流ファン等の他の形式のファンであってもよい。上述した実施形態では、本開示の「機能素子」の例としてパワー半導体素子を例示したが、本開示の「機能素子」は、ダイオード、抵抗素子、またはコンデンサ等であってもよい。本開示の「放熱部材」は、「機能素子」の熱を放出可能であれば、ヒートシンク以外の部材であってもよい。本開示の「回路モジュール」は、「機能素子」、「基板」、および「電力ケーブル」以外の要素を更に含んでいてもよい。
【0069】
<付記>
本開示は、[1]「冷却風が流入または流出可能な第一インバータ開口、前記第一インバータ開口とは異なる位置に形成されて前記冷却風が流入または流出可能な第二インバータ開口、および、前記第一インバータ開口に繋がる第一内部空間と前記第二インバータ開口に繋がる第二内部空間とを隔てる隔壁を含むインバータ筐体と、
前記第一内部空間に配置され、機能素子、前記機能素子に接続された基板、および前記基板に接続された電力ケーブルを含む回路モジュールと、
前記第二内部空間に配置され、前記隔壁を介して前記機能素子と熱的に接続され、前記機能素子が有する熱を放出可能な放熱部材と、
を備え、
前記隔壁は、前記第一内部空間と前記第二内部空間とを繋ぐ貫通穴を含み、
前記貫通穴は、前記隔壁に沿った第一方向において、前記機能素子を挟んで、前記第一インバータ開口および前記第二インバータ開口が配置される領域とは反対側の領域に配置され、前記第一内部空間と前記第二内部空間との間で前記冷却風を受け渡し可能であり、
前記電力ケーブルは、前記貫通穴を通って前記第一内部空間から前記第二内部空間に引き出されている、インバータ装置。」である。
【0070】
本開示は、[2]「前記電力ケーブルは、
前記基板から前記第一方向に沿って延びる第一延在部と、
前記第一方向に交差する第二方向に沿って延び、前記貫通穴を通過して前記第一内部空間から前記第二内部空間に引き出される第二延在部と、
前記第一延在部と前記第二延在部との間に配置され、前記第一延在部と前記第二延在部とを繋ぐように屈曲する屈曲部と、を含む、
[1]に記載のインバータ装置。」である。
【0071】
本開示は、[3]「前記インバータ筐体は、前記貫通穴から前記第二内部空間に引き出された前記電力ケーブルが通過するケーブル挿入口を含み、
前記ケーブル挿入口は、前記第二インバータ開口とは異なる位置に形成されている、
[1]または[2]に記載のインバータ装置。」である。
【0072】
本開示は、[4]「前記第二内部空間は、前記隔壁と、前記隔壁に交差する第二方向において前記隔壁に対して隙間を空けて対向する側壁と、に囲まれた空間であり、
前記側壁は、
前記第二インバータ開口が開口する第一側壁部と、
前記ケーブル挿入口が開口する第二側壁部と、を含み、
前記第一側壁部は、前記第二側壁部に対して、前記隔壁から離れる方向に窪む段差を形成している、
[3]に記載のインバータ装置。」である。
【0073】
本開示は、[5]「前記第二インバータ開口の面積は、前記ケーブル挿入口の面積よりも大きい、
[4]に記載のインバータ装置。」である。
【0074】
本開示は、[6]「[1]~[5]のいずれかに記載のインバータ装置と、
前記インバータ装置から駆動電力が供給されるモータ装置と、
を備え、
前記モータ装置は、
前記電力ケーブルと電気的に接続され、前記電力ケーブルから供給される前記駆動電力を受けてシャフトを回転可能なモータと、
前記シャフトに取り付けられた冷却ファンと、
前記モータおよび前記冷却ファンを収容するモータ筐体と、を含み、
前記モータ筐体の内部は、前記第二インバータ開口を通じて前記第二内部空間に繋がり、
前記冷却ファンは、前記シャフトとともに回転することによって、前記第一インバータ開口または前記第二インバータ開口に前記冷却風を流入させる、
回転機械。」である。
【0075】
本開示は、[7]「前記インバータ筐体は、前記モータ筐体に対して、前記第一方向に交差する第二方向に接続され、前記シャフトは、前記第一方向に沿って延びており、
前記モータ筐体は、
前記冷却風とは異なる別の冷却風が流入または流出可能な第一モータ開口と、
前記別の冷却風が流入または流出可能な第二モータ開口と、を更に含み、
前記第二方向に沿って見た場合に、前記第二インバータ開口は、前記第一モータ開口と前記第二モータ開口との前記第一方向の間に配置され、前記モータの少なくとも一部は、前記第一モータ開口と前記第二インバータ開口との前記第一方向の間に配置されている、
[6]に記載の回転機械。」である。
【符号の説明】
【0076】
1 遠心送風機(回転機械)
2 シャフト
10,10A モータ装置
11 モータ
13 冷却ファン(送風源)
13A 冷却ファン
15,15A モータ筐体
16 側壁
16b 側壁部(第一側壁部)
16c 側壁部(第二側壁部)
16e ケーブル挿入口
30 インバータ装置
31 回路モジュール
33 放熱部材
35,35A インバータ筐体
41 パワー半導体素子(機能素子)
43 主回路基板(基板)
47,49 電力ケーブル
49a 第一延在部
49b 第二延在部
49c 屈曲部
51 隔壁
143 基板
A11 吸気口(第一モータ開口)
A12 排気口(第二モータ開口)
A21 吸気口(第一インバータ開口)
A22 排気口(第二インバータ開口)
A23 貫通穴
A31 排気口(第一モータ開口)
A32 吸気口(第二モータ開口)
A41 排気口(第一インバータ開口)
A42 吸気口(第二インバータ開口)
D1 軸方向(第一方向)
D2 垂直方向(第二方向)
G1,G2,G3 冷却風
R1,R2 領域
V31 インバータ空間(第1内部空間)
V33 放熱空間(第2内部空間)
【要約】
【課題】冷却性能の向上と小型化とを両立する。
【解決手段】インバータ装置は、第一インバータ開口、第二インバータ開口、および、第一インバータ開口に繋がる第一内部空間と第二インバータ開口に繋がる第二内部空間とを隔てる隔壁を含むインバータ筐体と、第一内部空間に配置され、機能素子、機能素子に接続された基板、および基板に接続された電力ケーブルを含む回路モジュールと、第二内部空間に配置され、機能素子が有する熱を放出可能な放熱部材と、を備える。隔壁は、第一内部空間と第二内部空間とを繋ぐ貫通穴を含む。貫通穴は、隔壁に沿った第一方向において、機能素子を挟んで、第一インバータ開口および第二インバータ開口が配置される領域とは反対側の領域に配置されている。電力ケーブルは、貫通穴を通って第一内部空間から第二内部空間に引き出されている。
【選択図】
図1