(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】電力変換システム
(51)【国際特許分類】
H02J 3/46 20060101AFI20241203BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20241203BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20241203BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20241203BHJP
H02J 7/35 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
H02J3/46
H02M7/48 R
H02J3/38 180
H02J3/38 130
H02J3/32
H02J7/35 K
H02J7/35 J
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023056822
(22)【出願日】2023-03-31
【審査請求日】2023-05-19
(32)【優先日】2022-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2023-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】500065716
【氏名又は名称】ダーフォン エレクトロニクス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】劉 偉霖
【審査官】木村 励
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/220763(WO,A1)
【文献】米国特許第11031781(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0043160(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0226271(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/46
H02M 7/48
H02J 3/38
H02J 3/32
H02J 7/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力変換システム(Power conversion system;PCS)であって、
交流電源ポートと、
充電式電池にカップリングされた直流電源ポートと、
前記交流電源ポートにカップリングされ、前記電力変換システム(PCS)が前記交流電源ポートから出力する電圧及び電流を検出する電圧電流計と、
前記電力変換システム(PCS)の操作を制御し、かつ、前記充電式電池から充電状態(state of charge;SOC)信号を受信するマイクロコントロールユニット(microcontroller unit;MCU)とを含み、
前記マイクロコントロールユニットは、前記充電状態信号に基づいて、前記充電式電池の現段階の充電率を取得し、かつ、前記電圧電流計が検出した前記電圧及び前記電流に基づいて、前記電力変換システムの対外出力電力を取得し、
前記マイクロコントロールユニットが商用電源のオフグリッド(off-grid)の発生を検出した場合、前記マイクロコントロールユニットは、
前記充電式電池の現段階の充電率が第1予定比率より大きいと判断された時、前記電力変換システムが前記交流電源ポートから出力する交流電の周波数を第1周波数に調整して、前記交流電源ポートにカップリングされた太陽光発電インバーターによる電気エネルギーの出力を停止させるステップと、
前記充電式電池の現段階の充電率が前記第1予定比率より小さ
と判断されるとともに、前記第1予定比率より小さい第2予定比率より大きいと判断され、かつ、前記対外出力電力の負の値が第1予定電力より大きいと判断された時、前記交流電源ポートが出力する前記交流電の周波数を第1予定値上方調整するステップと、
前記充電式電池の現段階の充電率が
前記第2予定比率よりも小さい第3予定比率より小さいと判断された時、前記交流電源ポートが出力する前記交流電の周波数を第2予定値下方調整するステップとを実行する、電力変換システム。
【請求項2】
前記充電式電池の現段階の充電率が前記第1予定比率より小さくかつ前記第2予定比率より大きく、前記対外出力電力の負の値が前記第1予定電力より大きくなく、かつ、前記対外出力電力が第2予定電力より小さいと判断された時、前記交流電源ポートが出力する前記交流電の周波数を第3予定値上方調整する、請求項1に記載の電力変換システム。
【請求項3】
前記第2予定値は前記第3予定値に等しい、請求項2に記載の電力変換システム。
【請求項4】
前記マイクロコントロールユニットが商用電源のオフグリッドの発生を検出した場合、前記対外出力電力の負の値が前記第1予定電力より大きくないと判断されると、前記マイクロコントロールユニットは前記交流電源ポートが出力する前記交流電の周波数を予定範囲内に制限する、請求項1に記載の電力変換システム。
【請求項5】
前記交流電源ポートが出力する前記交流電の周波数が前記予定範囲内にある場合、前記太陽光発電インバーターの出力電力と前記交流電の周波数は逆相関になる、請求項4に記載の電力変換システム。
【請求項6】
前記第1予定比率は前記第2予定比率より大きく、前記第2予定比率は前記第3予定比率より大きい、請求項1に記載の電力変換システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電力変換システム(Power conversion system;PCS)に関し、特に充電式電池の充電率に基づいてその出力する交流電周波数を調整できる電力変換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電力変換システム(Power conversion system;PCS)は二方向の電力変換インバーターであり、オングリッド(on-grid)とオフグリッド(off-grid)の電気エネルギーの貯蔵に応用できる。電力変換システムを如何にして有効に操作するかは、従来から当該技術分野の重要課題とされてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、充電式電池の充電率に基づいてその出力する交流電周波数を調整できる電力変換システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の電力変換システムは交流電源ポート、直流電源ポート、電圧電流計及びマイクロコントロールユニットを含む。直流電源ポートは充電式電池にカップリングされる。電圧電流計は交流電源ポートにカップリングされ、電力変換システムが交流電源ポートから出力する電圧及び電流を検出する。マイクロコントロールユニットは電力変換システムの操作を制御し、かつ、充電式電池から充電状態信号を受信する。また、マイクロコントロールユニットは充電状態信号に基づいて、充電式電池の現段階の充電率を把握し、かつ、電圧電流計が検出した電圧及び電流に基づいて、電力変換システムの対外出力電力を算出する。マイクロコントロールユニットは商用電源のオフグリッドの発生を検出した場合、マイクロコントロールユニットは、充電式電池の現段階の充電率が第1予定比率より大きいと判断された時、電力変換システムが交流電源ポートから出力する交流電の周波数を第1周波数に調整して、交流電源ポートにカップリングされた太陽光発電インバーターの電気エネルギーの出力を停止させるステップ、充電式電池の現段階の充電率が第1予定比率より小さくかつ第2予定比率より大きく、かつ、対外出力電力の負の値が第1予定電力より大きいと判断された時、交流電源ポートが出力する交流電の周波数を第1予定値上げる調整するステップ、及び、充電式電池の現段階の充電率が第3予定比率より小さいと判断された時、交流電源ポートが出力する交流電の周波数を第2予定値下方調整するステップを実行する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本発明の一実施例の電力変換システム及びカップリングされた商用電源、負荷、充電式電池、太陽光発電インバーターと太陽光パネルの機能ブロック図。
【
図2】
図1の太陽光発電インバーターの対外出力電力比率と電力変換システムが出力する交流電の周波数との関係図。
【
図3A】
図1のマイクロコントロールユニットが電力変換システムを制御するフローチャート。
【
図3B】
図1のマイクロコントロールユニットが電力変換システムを制御するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1は本発明の一実施例の電力変換システム(Power conversion system;PCS)100及びカップリングされた商用電源10、負荷60、充電式電池70、太陽光発電インバーター(Photovoltaic inverter;PV inverter)50及び太陽光パネル80の機能ブロック図である。太陽光発電インバーター50は太陽光パネル80で生成された直流電を交流電に変換し、かつ、変換後の交流電を負荷60及び/又は電力変換システム100に提供する。
【0007】
電力変換システム100は商用電源接続ポート12、交流電源ポート14、直流電源ポート16、電圧電流計30及びマイクロコントロールユニット(microcontroller unit;MCU)40を含む。電力変換システム100は商用電源接続ポート12によって商用電源10に接続され、かつ、商用電源10から電力を受けることができる。直流電源ポート16は充電式電池70にカップリングされ、電力変換システム100は直流電源ポート16によって、充電式電池70に対し充電を行い、又は充電式電池70から電力を受けることができる。電圧電流計30は交流電源ポート14にカップリングされて、電力変換システム100が交流電源ポート14から出力する電圧Va及び電流Iaを検出する。ここで、電圧Va及び電流Iaはそれぞれ交流電の電圧及び交流電の電流である。マイクロコントロールユニット40は電力変換システムの操作を制御し、かつ、充電式電池70から充電状態信号SOCを受信する。マイクロコントロールユニット40は充電状態信号SOCに基づいて、充電式電池70の現段階の充電率を取得し、かつ、電圧電流計30が検出した電圧Va及び電流Iaに基づいて、電力変換システム100の対外出力電力P_Invを取得する。対外出力電力P_Invが正であれば、電力変換システム100は交流電源ポート14によって外部へ電気エネルギーを出力することを示し、対外出力電力P_Invが負であれば、電力変換システム100は交流電源ポート14によって外部から電気エネルギーを受けることを示す。
【0008】
電力変換システム100はさらに、直流コンバーター20及び電源インバーター22を含んでもよい。直流コンバーター20は充電式電池70が出力する直流電圧Vbを異なる値の直流電圧Vdに変換し、電源インバーター22は直流電圧Vdを交流電形式の電圧Vaに変換する。
【0009】
マイクロコントロールユニット40は商用電源のオフグリッド(off-grid)を検出した場合(例えば、商用電源接続ポート12と商用電源10との間の接続が切断され、又は商用電源10が停電になった場合)、マイクロコントロールユニット40は電力変換システム100が交流電源ポート14から出力する交流電の周波数Fを調整し、さらに電力変換システム100が出力する対外出力電力P_Invを制御する。
図2を参照すると、
図2は
図1の太陽光発電インバーター50の対外出力電力比率と電力変換システム100が出力する交流電の周波数Fとの間の関係図である。
図2の横軸は電力変換システム100が交流電源ポート14から出力する交流電の周波数Fを示し、
図2の縦軸は太陽光発電インバーター50の対外出力電力比率を示す。
図2の縦軸において100と記されているところは太陽光発電インバーター50が最大値(即ち100%)で出力することを示し、縦軸において0と記されているところは太陽光発電インバーター50の出力停止を示す。また、周波数FがF_StartとF_Stopの間にある時、対外出力電力比率と周波数Fは線形の逆相関であり、即ち、この時対外出力電力比率が大きい程、交流電の周波数Fが低くなる。ここで、F_min<F_normal<F_Start<F_Stopであり、F_minは電力変換システム100が出力する交流電の周波数Fの最小値を示し、F_normalは電力変換システム100の一般的な通常操作の周波数であり、F_Startに対応する対外出力電力比率は100%に相当し、F_Stopに対応する対外出力電力比率は0%に相当する。なお、F_minを「最小周波数」と略し、F_normalを「一般周波数」と略し、F_Startを「始動周波数」と略し、F_Stopを「停止周波数」と略してもよい。始動周波数F_Startは例えば60ヘルツ(Hz)であり、停止周波数F_Stopは例えば60.5ヘルツ(Hz)である。その他に、太陽光発電インバーター50の電気エネルギー出力を強制的に中断させて、電力変換システム100を過周波数保護に移行させる中断周波数F_tripがある(F_Tripは例えば60.6ヘルツ(Hz)である。交流電の周波数Fが一旦F_Trip以上に達すると、太陽光発電インバーター50は電気エネルギーの出力を停止するため、周波数F_tripを「中断周波数」と呼んでもよい)。
【0010】
図3Aと
図3Bは
図1のマイクロコントロールユニット40が電力変換システム100を制御するフローチャートである。マイクロコントロールユニット40により商用電源のオフグリッド(off-grid)の発生が検出された場合(例えば、商用電源接続ポート12と商用電源10との間の接続が切断され、又は商用電源10が停電になった場合)又は再接続してオングリッド給電する場合、マイクロコントロールユニット40は
図3Aと
図3Bが示すプロセスを実行し、当該プロセスは以下のステップを含む。
【0011】
ステップS200:マイクロコントロールユニット40は電力変換システム100がグリッドに再接続されたか否かを判断する。なお、電力変換システム100が商用電源10に再接続され、又は太陽光発電インバーター50が給電を開始した場合、電力変換システム100がグリッドに再接続されたことを意味する。マイクロコントロールユニット40は電力変換システム100がグリッドに再接続されていないと判断した場合、ステップS201を実行し、逆の場合、ステップS210を実行する。
【0012】
ステップS201:マイクロコントロールユニット40は充電状態信号SOCに基づいて、充電式電池70の現段階の充電率が設定比率S2より大きいか否を判断する。なお、設定比率S2は20%ないし90%の間にあり、マイクロコントロールユニット40は充電式電池70の現段階の充電率が設定比率S2より大きいと判断した時、ステップS202を実行し、逆の場合、ステップS203を実行する。
【0013】
ステップS202:マイクロコントロールユニット40は電力変換システム100が交流電源ポート14から出力する交流電の周波数Fを(F_Trip+Max_Step)まで上げて、交流電源ポート14にカップリングされた太陽光発電インバーター50の電気エネルギーの出力を停止させ、過周波数保護に移る。ここで、F_Tripは例えば62ヘルツ(Hz)であり、Max_stepは例えば0.3ヘルツである。さらに言うと、一旦交流電の周波数FがF_Trip以上に達すると、太陽光発電インバーター50は電気エネルギーの出力を停止するもので、周波数F_Tripを「中断周波数」と言ってもよい。従って、交流電の周波数Fが(F_Trip+Max_step)に等しい時、太陽光発電インバーター50の電気エネルギーの出力をより確実に停止させることができる。また、Max_Stepは((F_Stop-F_Start)/2)に等しくてよく、F_TripはF_Stopより大きい。マイクロコントロールユニット40はステップS202を実行した後、ステップS200に戻る。
【0014】
ステップS203:マイクロコントロールユニット40は充電状態信号SOCに基づいて、充電式電池70の現段階の充電率が設定比率S3より大きいか否かを判断する。なお、設定比率S3は設定比率S2より小さく、かつ15%ないし85%の間にあってもよい。マイクロコントロールユニット40は充電式電池70の現段階の充電率が設定比率S3より大きいと判断した場合、ステップS204を実行し、逆の場合、ステップS207を実行する。
【0015】
ステップS204:マイクロコントロールユニット40は、対外出力電力P_Invの負の値(即ち、-P_Inv)が設定電力P2より大きいか否かを判断する。なお、対外出力電力P_Invの負の値が正である場合、電力変換システム100が外部から電力を受けることを示し、設定電力P2は例えば1000ワットであるが、これに限定されない。マイクロコントロールユニット40は対外出力電力P_Invの負の値が設定電力P2より大きいと判断しなかった場合、ステップS205を実施する。マイクロコントロールユニット40は対外出力電力P_Invの負の値が設定電力P2より大きいと判断した場合、ステップS209を実行する。
【0016】
ステップS205:マイクロコントロールユニット40は対外出力電力P_Invが設定電力P1より小さいか否を判断する。なお、設定電力P1は設定電力P2より小さく、設定電力P1は例えば500ワットであるが、これに限定されない。対外出力電力P_Invが設定電力P1より小さいと判断された場合、ステップS206を実行し、逆の場合、ステップS201に戻る。
【0017】
ステップS206:マイクロコントロールユニット40は周波数Fを設定値Min_Step上方調整して(即:F=F+Min_Step)、ステップS201に戻る。なお、設定値Min_Stepは((F_Stop-F_Start)/8)に等しくてもよいが、このステップで周波数Fを最も高くしてF_Stopまで調整することができ、即ち、周このステップにおける周波数Fの最大値F_MaxはF_Stopである。ステップS206の効果は、充電式電池70の現段階の充電率が設定比率S3より大きく、かつ、対外出力電力P_Invが設定電力P1より小さい場合、周波数Fを上方調整することで太陽光発電インバーター50の出力電力を下げることができる。
【0018】
ステップS207:マイクロコントロールユニット40は充電状態信号SOCに基づいて、充電式電池70の現段階の充電率が設定比率S1より小さいか否かを判断する。なお、設定比率S1は設定比率S2及びS3より小さく、かつ10%ないし80%の間にあってもよい。マイクロコントロールユニット40は充電式電池70の現段階の充電率が設定比率S1より小さいと判断した場合、ステップS208を実行し、逆の場合、ステップS201に戻る。
【0019】
ステップS208:マイクロコントロールユニット40は周波数Fを設定値Min_Step下方調整し(即ち、F=F-Min_Step)、かつステップS201に戻る。なお、このステップで周波数Fを最も低くしてF_Startまで調整することができ、即ち、このステップにおける周波数Fの最小値F_MinはF_Startである。ステップS208の効果は、充電式電池70の現段階の充電率が設定比率S1より小さい場合、周波数Fを下方調整することで、太陽光発電インバーター50の出力電力を高める。
【0020】
ステップS209:マイクロコントロールユニット40は周波数Fを設定値Mid_Step上方調整して(即ち、F=F+Mid_Step)、かつステップS201に戻る。なお、設定値Mid_Stepは((F_Stop-F_Start)/4)に等しくてもよいが、このステップで周波数Fを最も高くはF_Stopまで調整することができ、即ち、このステップにおける周波数Fの最大値F_MaxはF_Stopである。ステップS209の効果は、充電式電池70の現段階の充電率が設定比率S3より大きく、かつ電力変換システム100が外部から受ける電力が設定電力P2より大きい場合、周波数Fを上方調整することにより、太陽光発電インバーター50の出力電力を下げる。
【0021】
ステップS210:マイクロコントロールユニット40は充電状態信号SOCに基づいて、充電式電池70の現段階の充電率が設定比率S1より小さいか否かを判断する。マイクロコントロールユニット40は充電式電池70の現段階の充電率が設定比率S1より小さくないと判断した場合、ステップS211を実行し、逆の場合、ステップS212を実行する。
【0022】
ステップS211:マイクロコントロールユニット40は周波数Fを中断周波数F_Tripに設定して、太陽光発電インバーター50による電気エネルギーの出力を停止させ、過周波数保護に移り、かつステップS210に戻る。
【0023】
及び、ステップS212:マイクロコントロールユニット40は周波数Fを(F_Stop-Min_Step)に調整し、かつステップS200に戻る。
【0024】
太陽光発電インバーター50は電圧又は周波数が正常な作業範囲を超えたことを検出すると、保護を起動し(例えば、過電圧、不足電圧、過周波数、不足周波数、単独運転(Islanding)・・・等の状況)、それ以上にグリッドへ電力を出力せず、ここで、マイクロコントロールユニット40は太陽光発電インバーター50が遮断された否かを判断し、その状態によって電力変換システム100の交流出力周波数Fを調整し、太陽光発電インバーター50を再接続させてオングリッド給電できるかを決定する。太陽光発電インバーター50は商用電源端の電圧と周波数が正常な作業範囲を満たすことを検出した場合、グリッドに再接続して給電できる条件が成立したと判断し、太陽光発電インバーター50は所定秒数(例えば、オングリッド法規定に定めた300秒)をカウントした後、グリッドに接続して出力を行う。
【0025】
本発明において、
図2が示す通り、周波数FがF_StartとF_Stopの間にある時、対外出力電力比率と周波数Fは線形の逆相関である。従って、一般的な二段式(即ち、太陽光発電インバーターが全出力(100%)又は無出力(0%)の方式で出力する)の制御方式に比べて、マイクロコントロールユニット40はより多い段階を含む方式で太陽光発電インバーター50の出力電力を調整することが可能で、太陽光発電インバーターの瞬間的全出力(100%)又は無出力(0%)によって発生する給電システムの不安定を回避できる。
【0026】
また、
図2及び前記ステップS203ないしS208から分かるように、マイクロコントロールユニット40が商用電源のオフグリッド(off-grid)の発生を検出した場合、マイクロコントロールユニット40は交流電源ポート14が出力する交流電の周波数FをF_StartとF_Stopの間の予定範囲内に制限し、この予定範囲内において、太陽光発電インバーター50の出力電力と交流電の周波数Fが逆相関である。
【0027】
本発明のマイクロコントロールユニット40は商用電源のオフグリッドの発生を検出した場合、電力変換システム100に交流電周波数Fを出力させ、太陽光発電インバーター50が単独(Islanding)保護にならないよう誘導し、発電してグリッドに提供し、そのエネルギーを負荷60と電力変換システム100に提供し、マイクロコントロールユニット40は充電式電池70の現段階の充電率、及び対外出力電力P_Invの正負と大きさに基づいて、電力変換システム100が出力する交流電の周波数を動的に調整し、これにより、電力変換システム100全体の電力潮流を効率的に制御できる。
【0028】
以上は本発明の好ましい実施例に過ぎず、請求の範囲の記載範囲内において施された等価な変更と修飾も本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0029】
10 商用電源
12 商用電源接続ポート
14 交流電源ポート
16 直流電源ポート
20 直流コンバーター
22 電源インバーター
30 電圧電流計
40 マイクロコントロールユニット
50 太陽光発電インバーター
60 負荷
70 充電式電池
80 太陽光パネル
100 電力変換システム
F 周波数
F_min 最小周波数
F_normal 一般周波数
F_Start 始動周波数
F_Stop 停止周波数
F_Trip 中断周波数
Ia 電流
P_Inv 電力
Va 電圧
Vb、Vd 直流電圧
SOC 充電状態信号
S200ないしS212 ステップ