(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】分離膜の折れを防止するための電極組立体製造装置及びこれによって製造された電極組立体
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20241203BHJP
H01M 10/0585 20100101ALI20241203BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M10/0585
(21)【出願番号】P 2023555488
(86)(22)【出願日】2023-04-28
(86)【国際出願番号】 KR2023005893
(87)【国際公開番号】W WO2023224287
(87)【国際公開日】2023-11-23
【審査請求日】2023-09-11
(31)【優先権主張番号】10-2022-0061860
(32)【優先日】2022-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ド ヒョウン
(72)【発明者】
【氏名】グ、ダエ ゲウン
(72)【発明者】
【氏名】キム、キ ウーン
【審査官】冨士 美香
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-221706(JP,A)
【文献】特開2019-121419(JP,A)
【文献】国際公開第2012/137922(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04
H01M 10/0585
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1分離膜ロールから第1分離膜シートを供給する第1分離膜供給部と、
第1電極ロールから出てくる第1電極をカットして第1単位電極を供給する第1電極供給部と、
第2分離膜ロールから第2分離膜シートを供給する第2分離膜供給部と、
前記第1分離膜シート及び前記第2分離膜シートを把持して張力を印加するしわ防止部と、
前記第1分離膜シート及び前記第2分離膜シートに微細浮彫模様を形成する表面処理部と、
前記第1分離膜シート、前記第1単位電極、及び前記第2分離膜シートを加熱及び押圧して付着するラミネーション部と、
前記第1分離膜シート及び前記第2分離膜シートをカットするカッティング部と、
を含む、電極組立体製造装置。
【請求項2】
第2電極ロールから出てくる第2電極をカットして第2単位電極を供給する第2電極供給部をさらに含み、
前記ラミネーション部は、前記第1分離膜シート、前記第1単位電極、前記第2分離膜シート及び前記第2単位電極を押圧して付着する、請求項1に記載の電極組立体製造装置。
【請求項3】
前記表面処理部は、前記しわ防止部内に位置する、請求項1に記載の電極組立体製造装置。
【請求項4】
前記表面処理部は、前記しわ防止部の後段に配置される、請求項1に記載の電極組立体製造装置。
【請求項5】
前記しわ防止部は、前記第1分離膜シートの走行方向に平行な両端を把持する一対の第1グリッパー、及び前記第2分離膜シートの走行方向に平行な両端を把持する一対の第2グリッパーを含む、請求項1に記載の電極組立体製造装置。
【請求項6】
前記一対の第1グリッパー及び前記一対の第2グリッパーは、前記第1分離膜シート及び前記第2分離膜シートがピンと張っている状態になるように、前記第1分離膜シート及び前記第2分離膜シートのそれぞれの両端を引っぱる、請求項5に記載の電極組立体製造装置。
【請求項7】
前記第1グリッパー及び第2グリッパーは、循環式移送ラインに複数の単位グリッパーが配置されるように構成され、
前記循環式移送ラインは、前記第1分離膜シート及び前記第2分離膜シートの移送速度と同じ速度で前記複数の単位グリッパーを移送する、請求項5に記載の電極組立体製造装置。
【請求項8】
前記複数の単位グリッパーは、個別的に前記第1分離膜シート及び前記第2分離膜シートに近づくかまたは遠ざかるように移動可能な形態を有する、請求項7に記載の電極組立体製造装置。
【請求項9】
前記表面処理部は、前記第1分離膜シートの表面処理のための第1表面処理部、及び前記第2分離膜シートの表面処理のための第2表面処理部を含み、
前記第1表面処理部及び前記第2表面処理部は、下部ダイ、及び上部パンチから構成され、
前記上部パンチには微細突起が形成されている、請求項1に記載の電極組立体製造装置。
【請求項10】
前記表面処理部は、前記第1分離膜シート及び前記第2分離膜シートがカットされる部分に前記微細浮彫模様を形成する、請求項1に記載の電極組立体製造装置。
【請求項11】
前記第1分離膜シートと前記第2分離膜シートとが重なるように配置された状態で、前記第1分離膜シートに形成される微細浮彫模様と前記第2分離膜シートに形成される微細浮彫模様とが互いに重畳して配置される、請求項10に記載の電極組立体製造装置。
【請求項12】
第1分離膜、第1単位電極及び第2分離膜が順次積層されたハーフセル、または第1分離膜、第1単位電極、第2分離膜及び第2単位電極が順次積層されたモノセルである電極組立体であって、
前記第1分離膜及び
前記第2分離膜の外周辺は、
前記第1単位電極の外周辺よりも延びた余剰部を含み、
前記第1分離膜及び前記第2分離膜の余剰部には微細浮彫模様が形成されている、電極組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2022年5月20日付韓国特許出願第2022-0061860号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は分離膜の折れを防止するための電極組立体製造装置及びこれによって製造された電極組立体に関するものである。具体的には、分離膜シートをぴんと広げた状態で分離膜シートのカッティング予定部に微細浮彫模様を形成することで、分離膜の折れを防止することができる電極組立体製造装置及びこれによって製造された電極組立体に関するものである。
【背景技術】
【0003】
再充電が可能であり、高いエネルギー密度を有するリチウム二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減らすことができるだけでなく、エネルギー使用による副産物が発生しないので、環境に優しい特性を有する新エネルギー源として注目されている。
【0004】
リチウム二次電池は、ウェアラブル(wearable)デバイスまたはポータブル(portable)デバイスだけでなく、電気自動車のような高出力及び高エネルギー密度を有するデバイスのエネルギー源としても脚光を浴びている。
【0005】
リチウム二次電池は、正極と負極とが分離膜を間に挟んで積層される電極組立体が電解液とともに電池ケースに内蔵された一つの単位構造である電池セルを形成することができる。
【0006】
電極組立体は、2個の分離膜の間に一つの電極が配置されて積層される形態のハーフセル(half-cell)、及び互いに異なる極性である2個の電極が一側に分離膜が配置されて積層されるモノセル(mono-cell)を含む。
【0007】
前記ハーフセル及びモノセルを製造するために、2個の分離膜と電極を積層方向に完全に重畳するように配置した後、互いに接着されるように加熱及び加圧するラミネーション工程を実施する。
【0008】
一般的に、分離膜は、互いに異なる極性の間の絶縁性を確保するために、電極よりも広い面積を有するように設計されるが、電極組立体の製造のための移送過程で分離膜が折れるかまたは分離膜にしわが発生する不良電極組立体が発生することがある。前記不良電極組立体が電池セルに製造されると、互いに異なる極性の電極の間の短絡が発生することができる。
【0009】
よって、分離膜の折れを防止し、不良電極組立体の発生を最小化するための多様な試みがなされている。
【0010】
特許文献1は、電極を所望の位置に整列した状態で接合工程を実行する電極組立体製造装置に関するものであり、接合部に電極が投入される前段階で、グリッパーによって電極を定位置に固定し、定位置に整列された電極をガイドローラーが接合部に移送させることができるので、電極のずれや段差発生などを防止することができる。
【0011】
しかし、特許文献1は、分離膜の折れを防止するための技術を提示してはいない。
【0012】
特許文献2は、電極の蛇行を補正する電極組立体製造方法及び電極組立体製造装置に関するものであり、ビジョンセンサーを介して電極のセンター位置を測定し、電極組立体製造の際、電極及び分離膜の位置を移動させて位置偏差を補正するために、電極の進行方向であるX軸方向及び電極の幅方向であるY軸方向に電極及び分離膜を移送する蛇行補正工程を含む。
【0013】
特許文献2は、電極と分離膜とを接合させる接合工程に先立ち、電極及び分離膜の位置を整列する方法及び装置を開示しているが、電極組立体の移送過程で分離膜が折れるなどの問題を解決することができる技術を提示してはいない。
【0014】
したがって、電極組立体製造の際、電極と積層された分離膜の折れを防止することで、ラミネーション過程で不良電極組立体が製造されることを防止することができる技術が必要な実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【文献】韓国公開特許第2017-0114351号公報
【文献】韓国公開特許第2021-0058170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は前記のような問題を解決するためのものであり、電極組立体の分離膜にしわや折れた部分がない状態でラミネーションを実行して電極組立体の不良を防止することができる電極組立体製造装置及びこれによって製造された電極組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
このような目的を達成するための本発明による電極組立体製造装置は、第1分離膜ロールから第1分離膜シートを供給する第1分離膜供給部と、第1電極ロールから出てくる第1電極をカットして第1単位電極を供給する第1電極供給部と、第2分離膜ロールから第2分離膜シートを供給する第2分離膜供給部と、前記第1分離膜シート及び前記第2分離膜シートを把持して張力を印加するしわ防止部と、前記第1分離膜シート及び前記第2分離膜シートに微細浮彫模様を形成する表面処理部と、前記第1分離膜シート、第1単位電極、及び第2分離膜シートを加熱及び押圧して付着するラミネーション部と、前記第1分離膜シート及び前記第2分離膜シートをカットするカッティング部とを含むことができる。
【0018】
また、第2電極ロールから出てくる第2電極をカットして第2単位電極を供給する第2電極供給部をさらに含み、前記ラミネーション部は、前記第1分離膜シート、第1単位電極、第2分離膜シート及び第2単位電極を押圧して付着することができる。
【0019】
前記表面処理部は、前記しわ防止部内に位置することができる。
【0020】
前記表面処理部は、前記しわ防止部の後段に配置されることができる。
【0021】
前記しわ防止部は、前記第1分離膜シートの走行方向に平行な両端を把持する一対の第1グリッパー、及び前記第2分離膜シートの走行方向に平行な両端を把持する一対の第2グリッパーを含むことができる。
【0022】
前記一対の第1グリッパー及び一対の第2グリッパーは、前記第1分離膜シート及び第2分離膜シートがピンと張っている状態になるように、前記第1分離膜シート及び前記第2分離膜シートのそれぞれの両端を引っぱることができる。
【0023】
前記第1グリッパー及び第2グリッパーは、循環式移送ラインに複数の単位グリッパーが配置されるように構成され、前記循環式移送ラインは、前記第1分離膜シート及び第2分離膜シートの移送速度と同じ速度で前記複数の単位グリッパーを移送することができる。
【0024】
前記複数の単位グリッパーは、個別的に前記第1分離膜シート及び第2分離膜シートに近づくかまたは遠ざかるように移動可能な形態を有することができる。
【0025】
前記表面処理部は、前記第1分離膜シートの表面処理のための第1表面処理部、及び前記第2分離膜シートの表面処理のための第2表面処理部を含み、前記第1表面処理部及び前記第2表面処理部は、下部ダイ、及び上部パンチから構成され、前記上部パンチには微細突起が形成されることができる。
【0026】
前記表面処理部は、前記第1分離膜シート及び第2分離膜シートがカットされる部分に微細浮彫模様を形成することができる。
【0027】
前記第1分離膜シートと前記第2分離膜シートとが重なるように配置された状態で、前記第1分離膜シートに形成される微細浮彫模様と前記第2分離膜シートに形成される微細浮彫模様とが互いに重畳して配置されることができる。
【0028】
本発明は、前記電極組立体製造装置によって製造された電極組立体を提供する。前記電極組立体は、第1分離膜及び第2分離膜の外周辺は、第1単位電極の外周辺よりも延びた余剰部を含み、前記第1分離膜及び前記第2分離膜の余剰部には微細浮彫模様が形成されることができる。
【0029】
前記電極組立体は、第1分離膜、第1単位電極及び第2分離膜が順次積層されたハーフセル、または第1分離膜、第1単位電極、第2分離膜及び第2単位電極が順次積層されたモノセルであり得る。
【0030】
また、本発明は前記課題解決手段を多様に組合せの形態としても提供することができる。
【発明の効果】
【0031】
以上で説明したように、本発明は、分離膜シートをピンと張っている状態に維持した状態でラミネーションを実行することができる。
【0032】
また、微細浮彫模様が分離膜シートに形成されるので、重畳して配置された2枚の分離膜シートの滑りを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明による電極組立体製造装置の概略図である。
【
図2】本発明によるしわ防止部が分離膜シートを把持した状態の平面図である。
【
図6】微細浮彫模様が形成された分離膜シートの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付図面を参照して本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施することができる実施例を詳細に説明する。ただし、本発明の好適な実施例に対する動作原理を詳細に説明するにあたり、関連した公知の機能または構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにする可能性があると判断される場合はその詳細な説明を省略する。
【0035】
また、図面全般にわたって類似の機能及び作用をする部分に対しては同じ図面符号を使用する。明細書全般で、ある部分が他の部分と連結されていると言うとき、これは直接的に連結されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで間接的に連結されている場合も含む。また、ある構成要素を含むというのは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0036】
また、構成要素を限定するか付け加えて具体化する説明は、特別な制限がない限り、すべての発明に適用可能であり、特定の発明に限定されない。
【0037】
また、本発明の説明及び特許請求の範囲全般にわたって単数で表示したものは、別に言及しない限り、複数の場合も含む。
【0038】
また、本発明の説明及び特許請求の範囲全般にわたって「または」は、別に言及しない限り、「及び」を含むものである。したがって、「AまたはBを含む」はAを含むか、Bを含むか、またはA及びBの両者を含む3種の場合を意味する。
【0039】
本発明を図面に基づいて詳細な実施例と一緒に説明する。
【0040】
図1は本発明による電極組立体製造装置の概略図である。
【0041】
図1を参照すると、本発明による電極組立体製造装置は、第1分離膜ロールから第1分離膜シート110を供給する第1分離膜供給部100、第1電極ロールから出てくる第1電極210をカットして第1単位電極211を供給する第1電極供給部200、第2分離膜ロールから第2分離膜シート310を供給する第2分離膜供給部300、第1分離膜シート110及び第2分離膜シート310を把持して張力を印加するしわ防止部500、第1分離膜シート110及び第2分離膜シート310に微細浮彫模様を形成する表面処理部600、第1分離膜シート110、第1単位電極211、及び第2分離膜シート310を加熱及び押圧して付着するラミネーション部700、及び第1分離膜シート110及び第2分離膜シート310をカットするカッティング部800を含む。
【0042】
このように、第1分離膜供給部100、第1電極供給部200、第2分離膜供給部300のそれぞれから供給される第1分離膜シート110、第1単位電極211及び第2分離膜シート310が熱融着され、カッティング部800で第1分離膜シート110及び第2分離膜シート310をカットすると、ハーフセル形態の電極組立体を製造することができる。
【0043】
また、追加的に、第2電極ロールから出てくる第2電極410をカットして第2単位電極411を供給する第2電極供給部400をさらに含むことができるので、ラミネーション部700は、第1分離膜シート110、第1単位電極211、第2分離膜シート310及び第2単位電極411を押圧して付着することで、モノセル形態の電極組立体を製造することができる。
【0044】
すなわち、本発明は、少なくとも2個以上の分離膜シートを含む電極組立体を製造するとき、分離膜シートが折れるかまたは分離膜シートにしわが生じることを防止するために、しわ防止部500を備える。
【0045】
また、互いに対面する2個以上の分離膜シートの間の摩擦力を高めることによって移送過程で滑りを防止するために、分離膜シートが互いに対面する面に微細浮彫模様を形成する表面処理部600を含む。
【0046】
しわ防止部500は、第1分離膜シート110及び第2分離膜シート310にしわが生じることを防止するために、第1分離膜シート110及び第2分離膜シート310の外周辺を把持して引っぱることで、これらがピンと張っている状態になるようにする。
【0047】
しわ防止部500はラミネーション部700の前段に配置されるので、分離膜シート及び電極から構成される積層体がラミネーション部700に進入する前段階で分離膜シートにしわが生じることを防止することができる。よって、ラミネーション部700で分離膜シート及び電極から構成される積層体を加熱及び押圧して付着するとき、電極と分離膜シートは平たい状態で付着されることができる。
【0048】
このように、本発明の電極組立体製造装置を使用する場合は、分離膜の折れやしわの発生を防止することができるので、分離膜付着不良によって相異なる極性の電極の間に接触が発生する問題を解決することができる。
【0049】
一具体例で、表面処理部600がしわ防止部500内に位置する場合、第1分離膜シート110及び第2分離膜シート310をピンと張っている状態で第1分離膜シート110及び第2分離膜シート310の外面に微細浮彫模様を形成する過程を実施することができる。
【0050】
もしくは、表面処理部600がしわ防止部500の後段に配置されることができるので、しわ防止部500でピンと張っている状態になった第1分離膜シート110及び第2分離膜シート310が表面処理部600に移動すると、表面処理部600は第1分離膜シート110及び第2分離膜シート310に微細浮彫模様を形成することができる。
【0051】
図2は本発明によるしわ防止部が分離膜シートを把持した状態の平面図であり、
図3は
図2の斜視図であり、
図4は本発明によるしわ防止部の側面図である。
図2及び
図3は一つの分離膜シート及びこれを把持するしわ防止部を示しているが、前記一つの分離膜シートは第1分離膜シート110及び第2分離膜シート310を含む。よって、
図2及び
図3の説明で、第1分離膜シート110についての説明は第2分離膜シートにも同様に適用可能である。
【0052】
また、
図2~
図4は第1分離膜シートを把持する第1グリッパー510のみを示しているが、以下で説明する第1分離膜シート110を把持する第1グリッパー510についての説明は第2分離膜シート310を把持する第2グリッパーにも同様に適用可能である。
【0053】
図2~
図4を参照すると、本発明によるしわ防止部500は、第1分離膜シート110の走行方向Aに平行な両端を把持する一対の第1グリッパー510、及び第2分離膜シートの走行方向に平行な両端を把持する一対の第2グリッパーを含む。
【0054】
第2グリッパーは、図面に示されていないが、第1分離膜シート110及びこれを把持する第1グリッパー510の上部に第2分離膜シート及びこれを把持する第2グリッパーが配置されることができる。
【0055】
第1分離膜シート110の上面には、第1単位電極211が所定の間隔で離隔して形成されるように走行方向Aに沿って配置される。第1分離膜シート110の走行方向Aに平行な両端には第1単位電極211の端部より延びた余剰部が位置するので、第1グリッパー510は前記余剰部を把持するようになる。
【0056】
したがって、第1分離膜シート110を把持する第1グリッパー510によって第1単位電極211が損傷することを防止することができる。
【0057】
第1グリッパー510及び第2グリッパーは、第1分離膜シート110及び第2分離膜シート310がピンと張っている状態になるように、第1分離膜シート110及び第2分離膜シート310のそれぞれの両端を引っぱるようになる。すなわち、一対からなる第1グリッパー510は相互間の距離が遠ざかる方向に第1分離膜シート110を引っ張ることで、第1分離膜シート110がピンと張っている状態になるようにする。
【0058】
図2~
図4は第1分離膜シート110の走行方向Aに沿ってそれぞれ一対から構成される16対の第1グリッパー510が循環式移送ライン520上に配置される形態を示しているが、循環式移送ライン520上に配置される第1グリッパーの対の数はこれに限定されない。
【0059】
循環式移送ライン520は第1分離膜シート110の走行方向Aに平行な両端のそれぞれに位置し、それぞれの循環式移送ライン520には複数の単位グリッパー511が所定の間隔で配置される。
【0060】
循環式移送ライン520は第1分離膜シート110及び第2分離膜シート310の移送速度と同じ速度で運行しながら複数の単位グリッパー511を移送する。
【0061】
【0062】
図5を参照すると、複数の単位グリッパー511は、上部ユニット及び下部ユニットを含むことができ、前記上部ユニット及び下部ユニットの一側端部は結合した状態で一種の回転軸として機能し、前記回転軸を基準に、他側端部は広がった状態と閉まった状態とが繰り返されるように変形可能な形態を有することができる。
【0063】
具体的には、複数の単位グリッパー511は、
図5の上部に示す形態のように、上部ユニット及び下部ユニットが広がった状態で循環式移送ライン520に沿って移動して第1分離膜シート110に近づけば、第1分離膜シート110の走行方向Aに平行な両端を把持するために、
図5の下側に示す形態のように閉まった状態に変形され、第1分離膜シート110を引っぱる力である張力が印加されることができる。
【0064】
複数の単位グリッパー511は、循環式移送ライン520に沿って移動しながら分離膜シートを引っぱる過程が終了すると、把持していた第1分離膜シート110を放して
図5の上側に示す形態に変形される。
【0065】
また、複数の単位グリッパー511は、循環式移送ライン520に沿って移動しながら分離膜シートに近づけば、分離膜シートに近づくように移動し、広がった状態が閉まった状態に変形されながら分離膜シートの外周辺の余剰部を把持する。その後、分離膜シートをピンと張るために、両端を互いに遠ざかるように引っぱる。このように、分離膜シートを引っぱる過程が終了すると、単位グリッパーの閉まった状態は広がった状態に変形されながら分離膜シートから遠ざかるように移動することができる。
【0066】
すなわち、複数の単位グリッパーを用いて、連続的に移動する分離膜シート全体がピンと張っている状態になるように管理するために、複数の単位グリッパー511は個別的に分離膜シートに近づくかまたは遠ざかるように移動可能な形態を有することができる。
【0067】
図6は微細浮彫模様が形成された分離膜シートの平面図であり、
図7は表面処理部の斜視図である。
【0068】
図6は1個の分離膜シート及びその上に所定の間隔で離隔するように配置された電極を示しているが、
図6に示す分離膜シートは第1分離膜シート及び第2分離膜シートを含む。
【0069】
図7は2種の表面処理部を示しているが、表面処理部は、第1分離膜シートの表面処理のための第1表面処理部、及び第2分離膜シートの表面処理のための第2表面処理部を含み、
図7に示すそれぞれの表面処理部は第1表面処理部及び第2表面処理部として適用可能である。
【0070】
図6及び
図7を参照すると、第1表面処理部及び第2表面処理部は下部ダイ620及び上部パンチ610から構成され、上部パンチ610の下面には微細突起611が形成されている。
【0071】
微細突起611の形態は、分離膜シートを加圧したとき、表面に微細浮彫模様を形成することができれば特に制限されず、例えば、直線形、曲線形、半球形、円筒形、角柱形などのように多様に形成されることができ、上部パンチの下面の全部または一部に形成されることができる。
【0072】
一方、下部ダイ620の上面621は平面形態を有するので、微細突起611が形成された上部パンチで押圧された第1分離膜シート110の上面には微細浮彫模様601が形成され、下部ダイと対面する下面は微細浮彫模様がない平面形態になることができる。
【0073】
第1分離膜シート110と第2分離膜シートとが重なって配置された状態で、第1分離膜シート110に形成される微細浮彫模様601と第2分離膜シートに形成される微細浮彫模様601とが互いに重畳して配置されることができる。
【0074】
また、表面処理部によって微細浮彫模様601が形成される部分は第1分離膜シート110及び第2分離膜シート310がカットされる部分であり得る。微細浮彫模様601の中心がカッティングライン630上に配置されるように微細浮彫模様601が形成されると、第1分離膜シート110及び第2分離膜シート310がカットされるとき、微細浮彫模様601によって発生する摩擦力によって、カットされた第1分離膜(
図1の第1分離膜111)と第2分離膜(
図1の第2分離膜311)とが互いに付いている状態を維持することができる。
【0075】
このような電極組立体製造装置によって製造された電極組立体は、第1分離膜、第1単位電極及び第2分離膜が順次積層されたハーフセルであり得るか、または第1分離膜、第1単位電極、第2分離膜及び第2単位電極が順次積層されたモノセルであり得る。前記第1単位電極及び前記第2単位電極のそれぞれは正極及び負極であり得るか、または負極及び正極であり得る。
【0076】
前記電極組立体において、第1分離膜及び第2分離膜の外周辺は第1単位電極の外周辺よりも延びた余剰部を含み、第1分離膜及び第2分離膜の余剰部には微細浮彫模様が形成されることができる。すなわち、前記微細浮彫模様は第1分離膜及び第2分離膜の外周辺のうち互いに平行な両側外周辺に形成され、前記余剰部は、前記微細浮彫模様によって分離膜間の摩擦が増加することができる。
【0077】
したがって、電極組立体を電池ケースに収納して電池セルに製造するために、電極組立体を移送する過程、電極組立体を積層する過程、及び電解液注液過程などで分離膜の余剰部が折れることを防止することができる。
【0078】
本発明が属する分野で通常の知識を有する者であれば前記内容に基づいて本発明の範疇内で多様な応用及び変形をなすことが可能であろう。
【符号の説明】
【0079】
100 第1分離膜供給部
110 第1分離膜シート
111 第1分離膜
200 第1電極供給部
210 第1電極
211 第1単位電極
300 第2分離膜供給部
310 第2分離膜シート
311 第2分離膜
400 第2電極供給部
410 第2電極
411 第2単位電極
500 しわ防止部
510 第1グリッパー
511 単位グリッパー
520 移送ライン
600 表面処理部
601 微細浮彫模様
610 上部パンチ
611 微細突起
620 下部ダイ
621 上面
630 カッティングライン
700 ラミネーション部
800 カッティング部