(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】海底電力ルーティングデバイスおよび海底ケーブル分岐アーキテクチャ
(51)【国際特許分類】
H04B 10/80 20130101AFI20241203BHJP
H04B 10/27 20130101ALI20241203BHJP
H04B 10/03 20130101ALI20241203BHJP
【FI】
H04B10/80 160
H04B10/27
H04B10/03
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021088209
(22)【出願日】2021-05-26
【審査請求日】2023-05-24
(32)【優先日】2020-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502101180
【氏名又は名称】サブコム,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ララ デニス ガレット
(72)【発明者】
【氏名】ハイフェン リー
(72)【発明者】
【氏名】スタンレイ シー.ヴィスニースキー、ザ・セカンド
(72)【発明者】
【氏名】トーマス マリノ、ジュニア.
【審査官】後澤 瑞征
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-529037(JP,A)
【文献】特表2020-515152(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/80
H04B 10/27
H04B 10/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1幹線海底光ファイバケーブルにカップリングされる第1海底切替分岐ユニットおよび第2海底切替分岐ユニットと、
第2幹線海底光ファイバケーブルにカップリングされる第3海底切替分岐ユニットおよび第4海底切替分岐ユニットと、
第1海底分岐ケーブルによって、前記第1海底切替分岐ユニットおよび前記第3海底切替分岐ユニットの間でカップリングされる第1電力端末ユニットと、
第2海底分岐ケーブルによって、前記第2海底切替分岐ユニットおよび前記第4海底切替分岐ユニットの間でカップリングされる第2電力端末ユニットと、
を備え、
前記第1電力端末ユニットおよび前記第2電力端末ユニットのそれぞれが、
電力導体および光ファイバケーブルにカップリングされ
る第1カップリングポートと、
前記第1カップリングポートにカップリングされ、前記第1カップリングポートを介して前記電力導体に接続されるように動作可能であり、前記電力導体から供給された高圧電力を、前記高圧電力より低圧の電力を有する出力電圧に変換するように動作可能である高圧コンバータと、
前記高圧コンバータを相互接続ケーブルにカップリングするように構成される第2カップリングポートと、
を備え、
前記相互接続ケーブルにカップリングされる場合、前記高圧コンバータは、前記より低圧の電力を前記相互接続ケーブルに割り当てるように動作可能である、
海底電力ルーティングデバイス
アセンブリ。
【請求項2】
前記第1電力端末ユニットおよび前記第2電力端末ユニットのそれぞれが、
前記第1カップリングポートおよび前記第2カップリングポートにカップリングされ、かつ、前記第1カップリングポートを介して通信信号を受信し、前記通信信号を処理し、前記第2カップリングポートを介して処理された通信信号を出力するように動作可能であるように構成されるモデム
を
更に備える、
請求項1に記載の海底電力ルーティングデバイス
アセンブリ。
【請求項3】
前記第2カップリングポートは、前記相互接続ケーブルにカップリングされるように動作可能であり
、
前記相互接続ケーブルは、二重導体ケーブルまたは単一導体ケーブルである、
請求項1
または2に記載の海底電力ルーティングデバイス
アセンブリ。
【請求項4】
前記高圧コンバータは、更に、電力を供給して1つまたは複数のペイロードに給電するように動作可能であり、前記1つまたは複数のペイロードは、中継器、増幅器、オフショア施設またはセンサのうちの少なくとも1つを有する
請求項3に記載の海底電力ルーティングデバイスアセンブリ。
【請求項5】
前記高圧コンバータは、更に、
分岐故障を指示する命令信号に応答して前記出力電圧を調節するように動作可能である、
請求項1から4のいずれか一項に記載の海底電力ルーティングデバイス
アセンブリ。
【請求項6】
前記高圧コンバータは、更に、
海底分岐ケーブルを介して遠隔地に位置する給電装置からの制御信号を受信するように動作可能である、
請求項1から5のいずれか一項に記載の海底電力ルーティングデバイス
アセンブリ。
【請求項7】
前記高圧コンバータは、更に、ほぼ一定の値を有する電圧を前記出力電圧として出力す
るように動作可能である、
請求項1から6のいずれか一項に記載の海底電力ルーティングデバイス
アセンブリ。
【請求項8】
前記高圧コンバータは、更に、ほぼ一定の値を有してエンドユーザ仕様に基づいて限られた出力電流を出力するように動作可能である、
請求項1から6のいずれか一項に記載の海底電力ルーティングデバイスアセンブリ。
【請求項9】
第1幹線海底光ファイバケーブルにカップリングされる
第1切替分岐ユニット
および第2切替分岐ユニットと、
第2幹線海底光ファイバケーブルにカップリングされる第3切替分岐ユニットおよび第4切替分岐ユニットと、
前記
第1切替分岐ユニット
および前記第3切替分岐ユニットにカップリングされ、少なくとも2つの光ファイバペアおよび少なくとも1つの電力導体を備える
第1分岐ケーブルと、
前記第2切替分岐ユニットおよび前記第4切替分岐ユニットにカップリングされ、少なくとも2つの光ファイバペアおよび少なくとも1つの電力導体を備える第2分岐ケーブルと、
前記第1切替分岐ユニットおよび前記第3切替分岐ユニットの間で、前記第1分岐ケーブルにカップリングされる第1電力端末ユニットであって、前記
第1分岐ケーブルの少なくとも1つの電力導体にカップリングされる第1ポート、および第2ポートを備える
第1電力端末ユニットと、
前記第2切替分岐ユニットおよび前記第4切替分岐ユニットの間で、前記第2分岐ケーブルにカップリングされる第2電力端末ユニットであって、前記第2分岐ケーブルの少なくとも1つの電力導体にカップリングされる第1ポート、および第2ポートを備える第2電力端末ユニットと、
を備え、
前記
第1切替分岐ユニットは、前記
第1幹線海底光ファイバケーブルから供給された高圧電力
を前記
第1分岐ケーブルに切り替えるように動作可能であり、
前記第2切替分岐ユニットは、前記第2幹線海底光ファイバケーブルから供給された高圧電力を前記第2分岐ケーブルに切り替えるように動作可能であり、
前記
第1電力端末ユニット
および前記第2電力端末ユニットのそれぞれが、
前記
それぞれの分岐ケーブルの
前記少なくとも1つの電力導体から前記高圧電力を取得し、前記
それぞれの切替分岐ユニットからの前記高圧電力を、前記高圧電力より低い電圧を有する電力に変換し、前記より低い電圧を有する電力を前記第2ポートに供給するように動作可能である、
海底ケーブル分岐アーキテクチャ。
【請求項10】
前記
第1切替分岐ユニットは、更に、前記
第1幹線海底光ファイバケーブルの少なくとも2つの光ファイバペアのうちの少なくとも1つの光ファイバペアを、前記
第1分岐ケーブルの少なくとも2つの光ファイバペアのうちの対応する1つの光ファイバペアに接続するように動作可能である、
請求項
9に記載の海底ケーブル分岐アーキテクチャ。
【請求項11】
前記
第1電力端末ユニットは、前記第1切替分岐ユニットからの高圧電力を変換している間に、前記高圧電力の低電流をより高い電流に変換す
るように動作可能である、
請求項
9または
10に記載の海底ケーブル分岐アーキテクチャ。
【請求項12】
前記第1電力端末ユニットは、前記第1幹線海底光ファイバケーブルにおける分岐故障を補償するように電圧出力を調節するように更に動作可能である、
請求項9から11のいずれか一項に記載の海底ケーブル分岐アーキテクチャ。
【請求項13】
前記
第1電力端末ユニットは、更に、
前記
第1分岐ケーブルを介して遠隔地に位置する給電装置からの制御信号を受信するように動作可能である、
請求項
9から
12のいずれか一項に記載の海底ケーブル分岐アーキテクチャ。
【請求項14】
前記第1電力端末ユニットは、更に、
ほぼ一定の値を有する電圧を出力電圧として出力す
るように動作可能である、
請求項
9から
13のいずれか一項に記載の海底ケーブル分岐アーキテクチャ。
【請求項15】
前記第1電力端末ユニットは、更に、
ほぼ一定の値を有してエンドユーザ仕様に基づいて限られた出力電流を出力するように動作可能である、
請求項9から13のいずれか一項に記載の海底ケーブル分岐アーキテクチャ。
【請求項16】
前記
第1電力端末ユニット
および前記第2電力端末ユニットの
前記第2ポートに接続される相互接続ケーブルを更に備える、
請求項
9から
15のいずれか一項に記載の海底ケーブル分岐アーキテクチャ。
【請求項17】
前記相互接続ケーブルにカップリングされる1つまたは複数のペイロードデバイスを更に備え、
前記相互接続ケーブルは、前記第2ポートからの高電流低電圧の電力を割り当て、且つ、
前記1つまたは複数のペイロードデバイスのうちの少なくとも1つのペイロードデバイスは、高電流低電圧の電力を使用するように動作可能である、
請求項
16に記載の海底ケーブル分岐アーキテクチャ。
【請求項18】
前記1つまたは複数のペイロードデバイスが、中継器、増幅器、またはセンサを有する、
請求項17に記載の海底ケーブル分岐アーキテクチャ。
【請求項19】
前記第1切替分岐ユニットは、
光切替機能および電力切替機能を提供し、前記第1幹線海底光ファイバケーブルにおける光ファイバペアと前記第1電力端末ユニットにカップリングされた相互接続ケーブルとの間の接続性を確定するように動作可能である、
請求項9から18のいずれか一項に記載の海底ケーブル分岐アーキテクチャ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の例は、光通信システムの分野に関する。より具体的には、本発明は、光通信システムにおける海底メッシュネットワーク用の改良された光切替および電気供給アーキテクチャに関する。
【背景技術】
【0002】
長距離光通信システム(例えば、水中光通信システム)は、データおよび情報の通信伝送を容易にするように、相互接続された多くの光ケーブルを備えてもよい。光ケーブルは、幹線光ケーブルであってもよく、且つ、双方向通信を可能にする双方向幹線光ファイバペアを含んでもよい。
【0003】
海底光通信システムにおいて、分岐ユニットを介した相互接続ケーブルは、第1幹線光ケーブルを第2幹線光ケーブルに接続するために使用できる。機能させるために、相互接続ケーブルに給電する必要がある。ネットワークは、ステーション内の給電装置(PFE)と海底接地との間のみで給電される場合、いずれかのセグメントに分岐故障が発生すると、ネットワークの全てのセグメントに給電できない可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1カップリングポートと、高圧コンバータと、第2カップリングポートとを備える海底電力ルーティングデバイスを開示する。第1カップリングポートは、海底分岐ケーブルの電力導体および光ファイバケーブルにカップリングされるように構成されてもよい。高圧コンバータは、第1カップリングポートにカップリングされ、第1カップリングポートを介して電力導体に接続されるように動作可能である。高圧コンバータは、更に、電力導体から供給された高圧電力を、高圧電力より低圧の電力を有する出力電圧に変換するように動作可能である。第2カップリングポートは、高圧コンバータを相互接続ケーブルにカップリングするように構成されてもよい。相互接続ケーブルにカップリングされる場合、高圧コンバータは、より低圧の電力を相互接続ケーブルに割り当てるように動作可能である。
【0005】
切替分岐ユニットと、分岐ケーブルと、電力端末ユニットとを備える海底ケーブル分岐アーキテクチャを提供する。切替分岐ユニットは、少なくとも1つの幹線海底光ファイバケーブルにカップリングされてもよい。分岐ケーブルは、切替分岐ユニットにカップリングされてもよい。分岐ケーブルは、少なくとも2つの光ファイバペアおよび少なくとも1つの電力導体を備えてもよい。切替分岐ユニットは、少なくとも1つの幹線海底光ファイバケーブルから供給された高圧電力を少なくとも1つの分岐光ファイバケーブルに切り替えるように動作可能である。電力端末ユニットは、分岐ケーブルの少なくとも1つの電力導体にカップリングされる第1ポートと、第2ポートとを備えてもよい。電力端末ユニットは、分岐ケーブルの少なくとも1つの電力導体から高圧電力を取得するように動作可能である。電力端末ユニットは、切替分岐ユニットからの高圧電力を、高圧電力より低い電圧を有する電力に変換し、より低い電圧を有する電力を第2ポートに供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図6】単一の光ファイバペアに基づく幹線セレクタと2つの光ファイバペアに基づくany-to-anyセレクタとの機能間の例示的な比較を示す。
【
図7】切替分岐ユニットの例および電力端末ユニットの例の詳細を含む相互接続環境の構成例を示す。
【
図8】本明細書で開示される電力端末ユニットの例示的な下流のデバイスまたはシステムに電力を提供するための例示的な構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明で開示された主題は、光通信システムに使用される海底メッシュネットワーク用の少なくとも1つの改良された光切替および電気供給アーキテクチャに関する。例によれば、海底光切替および電力変換(例えば、1つまたは複数のDC/DCコンバータを介して)の技術は、2つの相互接続された海底システムの間で柔軟な光ファイバペアの割り当ておよび電力を提供する。開示された主題は、いかなる幹線光ケーブルの独立停電および相互接続ケーブルの分岐故障保護を実現する。これに加え、開示される切替分岐ユニットは、2つの光ファイバペアにany-to-anyの光切替を提供することにより、追加のペア接続オプションを提供する。
【0008】
例において、幹線ケーブルおよび相互接続ケーブルは、光ファイバと電力導体とを備えてもよい。下記のように、切替分岐ユニット(switching branching Unit、sBU)は、対応する幹線光ケーブルを相互接続ケーブルに接続するように構成され得、且つ、各sBUは、電力を1つの幹線光ケーブルを相互接続ケーブルにルーティングするように構成されてもよい。更に、電力端末ユニット(Power Termination Unit、PTU)は、sBUからの高電圧低電流の電力の供給を、海底中継器および相互接続ケーブルを介して給電された他の装置のための給電に適した電圧がより低く電流がより高い供給に変換するように構成されてもよい。従って、例において、PTUは、DC/DC変換機能を提供することができる。
【0009】
例において、相互接続ケーブルの各端部は、対応するPTUに接続できる。2つのPTUは共に相互接続ケーブルに柔軟な電力の割り当てを提供し、例えば、それらのそれぞれの電圧出力を調節し、幹線光ケーブルに沿う任意の箇所で発生する可能性のある分岐故障を補償する。別の例において、各sBUは、幹線における光ファイバペアと相互接続ケーブルとの間の接続性(例えば、2つの光ファイバペアの「any-to-any」(A2A)または2つの光ファイバペアのany-to-any(2 FP A2A)の接続性と呼ばれてもよい)を確定するために、光切替機能を備えてもよい。
【0010】
例によれば、下記のように、システムアーキテクチャに対し、少なくとも4種の異なる海底メッシュネットワーク構成状態を説明し、ここで、構成状態は、少なくとも4つの2FP A2A sBU機能の状態を変更することにより実施される。本明細書では、より多くの異なる構成の組み合わせまたは変化がサポートされることが理解できる。また、2つの光ファイバペアのみが示されて説明されるが、幹線光ケーブルにおける使用可能な光ファイバペア数は、説明される機能を実現するように、2つのセットに分けることができる。
【0011】
更なる例において、sBUとPTUとの間の海底相互接続ケーブルは、電力を第1分岐ユニット(例えば、sBU)からPTUまで搬送した後、第2分岐ユニットに戻って幹線光ケーブルで継続するために、二重導体ケーブルを含んでもよい。更に、相互接続分岐は、一方の端部のみでPTUに接続し、他方の端部で接地することができる。他の場合、給電装置を備えない相互接続分岐は、PTUを必要としない可能性があるが、依然として柔軟な光切替の恩恵を受けることができる。相互接続ケーブルは、示された例のうちの1つまたは複数に示すように、簡単な「H」アーキテクチャで提供され得る。また、より複雑な「分岐の枝」構成もサポートできる。例において、給電特徴は、中継器のない相互接続ケーブルでオプションである。
【0012】
本発明は、2つ(2)の光ファイバペア選択群の例を示して説明する。更に、切替機能の例を提供して2つの以上の光ファイバペアをリンク接続して構成群とすることを示す。例えば、相互接続ケーブルは、2つの光ファイバペア(2FP)を有する群に組織でき、且つ、2FPの各セットは、2FP A2Aセレクタ機能の実例で相互接続ケーブルの各端部に接続でき、これにより、相互接続光ファイバペアが東幹線もしくは西幹線に接続でき、または幹線が相互接続ケーブルを完全に迂回することができる。更に、本発明および関連例の特徴は、下記のように、単一の光ファイバペアの幹線セレクタによりサポートできることも理解できる。
【0013】
ステーションとsBUとの間に追加の光ファイバペアを提供することができ、これにより、一方の幹線で、他方の幹線における光ファイバペアを中断することなく、中断された「海洋」FPに回復パスを提供することができる。
【0014】
従って、幹線における分岐の故障期間においても、相互接続給電を保持することができ、更に、幹線光ケーブルの分岐故障状態に関わらず、相互接続ケーブルで分岐故障保護を提供することができる。また、システムの設計または他のアーキテクチャに基づく考慮により、分岐故障の発生に応答してこれらに相互接続ケーブルを介して行われる幹線光ファイバペアの再構成可能なルーティングを提供することができる。
【0015】
本明細書に示されて説明される例、特徴、図面等は、通常の技術よりも優れた多くの利点を提供し、例えば、開示される例は、少なくとも、(i)シングルエンド給送動作をサポートするという利点、および/または(ii)海底光切替に基づいて相互接続光ファイバペアを、いずれかの幹線トラフィック方向に自由に接続でき、新たなネットワークアーキテクチャで新規な給電および切替機能を提供するという利点を提供する。更に、多くの相互接続ケーブルは、PTUを用いて任意の幹線光ケーブルから独立して停電することができる。相互接続ケーブルに対する分岐故障保護の設定も有利に提供される。メッシュネットワークアーキテクチャまたは構成で2FP A2A(および単一の光ファイバペアに基づく幹線セレクタ)光切替機能を使用することは、新規(他の解決策よりも多くの潜在的な光ファイバペア接続オプションを提供する)であるだけでなく、更に、本明細書に記載されるようなより堅牢な相互接続ケーブル給電を提供する。また、開示される例は、幹線と相互接続光ファイバペアとの間により柔軟な接続性を提供し、更に、追加のネットワーク構成を提供することでトラフィック容量を割り当て、且つ、故障イベント期間、修理期間等のトラフィック需求を満たすためにネットワークを再構成することができる。
【0016】
以下、図面を参照しながら開示される例をより全面的に説明する。しかし、開示される例は、多くの異なる形式で実施でき、且つ、本明細書に記載の例に限定されるものと解釈されるべきではない。逆に、これらの例を提供して本発明を全面的かつ完備にし、開示された主題の範囲を当業者に十分に伝える。図面において、同じ数字は常に同じ構成要素を表す。
【0017】
図面を参照し、
図1は、多くの高帯域幅光ファイバケーブルを用いて長距離で大量のデータを伝送できる例示的な双方向光通信システム101を示す。光ファイバケーブルは、大量の光ファイバを含んでもよい。双方向データの伝送は、光ファイバケーブル内で光ファイバペアを構築し、且つ、光ファイバペア毎に1つまたは複数のチャネル(例えば、波長分割多重チャネル)を伝送することにより実施できる。
【0018】
図に示すように、光通信システム101は、2つの一方向光路111、121を介して接続された端末103および105を備えてもよく、これらが共に双方向光ファイバペアを形成する。光路111は、端末103における発信機Tx 113から端末305における受信機Rx 115への一方の方向(例えば、右方向)で情報を伝送することができる。光路121は、端末105における発信機Tx 125から端末103における受信機Rx 123への他方の方向(例えば、左方向)で情報を伝送することができる。端末103に関しては、光路111はアウトバウンドパスであり、光路121は、端末103の受信機Rx 123へのインバウンドパスである。光路111は、中継器131-1~131-nにカップリングされた光ファイバ117-1~117-n、および光増幅器119-1~119-nを含んでもよい。光路121は、中継器131-1~131-nにもカップリングされた光ファイバ127-1~127-n、および光増幅器129-1~129-nを含んでもよい。光増幅器119-1~119-nおよび129-1~129-nのうちの1つまたは複数は、エルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA)、他の希土類添加光ファイバ増幅器、ラマン増幅器、半導体光増幅器(SOA)等であってもよい。いくつかの例において、発信機TX 113および受信機RX 123がトランスポンダとして端末103箇所に共に収容されてもよく、同様に、発信機TX 115および受信機RX 125もトランスポンダとして端末105箇所に共に収容されてもよいことが理解できる。
【0019】
光路ペア(例えば、光路111、121)は、中継器131-1~131-n内の増幅器ペア119-1~119-nおよび129-1~129-nのセットに構成でき、これらの中継器は、追加のパスペアをサポートする光ファイバと共に光ファイバケーブルに含まれ得る光ファイバペア117-1~117-nおよび127-1~127-nに接続できる。各中継器131-1~131-nは、各対応するパスペア用の一対の増幅器119-1~119-n、129-1~129-nを含んでもよく、且つ、追加のパスペア用の追加の増幅器を含んでもよい。カップリングパス133-1~133-nは、例えば、対応する中継器131-1~131-n内の1つまたは複数の光路111、121の間にカップリングされてもよい。本明細書に使用される「カップリング(coupleまたはcoupled)」という用語は、あらゆる直接または間接的な接続(connectionまたはconnecting)、カップリング、リンクもしくはリンク接続、または有線もしくは無線の接続を広く意味し、特に断りのない限り、カップリングされたコンポーネントまたは構成要素が互いに直接接続されていることを意味するとは限らないことが理解できる。
【0020】
光通信システム101の例示的な例を示して説明したが、光通信システム101の変形例も本発明の範囲内に含まれる。光通信システム101は、例えば、給電装置により提供された、対応する光路111および121に沿う配線を介して分布された電力を利用するより多くの光路ペア、より多くまたはより少ない中継器を含んでもよい。あるいは、光通信システム101は、いかなる光増幅器を備えなくてもよく、または、光増幅器の代わりに、光ファイバを介して接続された中継器内のラマン増幅により光利得を実施することに適した光ポンプ電源を備えてもよい。
【0021】
更に、発信機、受信機、発信機および受信機を含むトランスポンダ、またはデータを伝送して受信するための任意の他の適当なデバイスは、対応するsBUに含まれてもよく、該対応するsBUは、メモリに記憶された命令を実行するために少なくとも1つのメモリおよび1つまたは複数のプロセッサ(例えば、CPU、ASIC、FGPA、任意の通常プロセッサ等)を有するデバイスにカップリングされてもよいし、該デバイスを含んでもよいことが理解できる。
【0022】
更に、上記光路(即ち、111、121)は、光ケーブルの(複数の)電力導体(例えば、以下の例に示すそれらの電力導体)を介して給電することができることが理解できる。更に、複数の光通信システム(例えば、光通信システム101)は、相互接続ケーブルおよび分岐ユニットを介して相互接続できる。
【0023】
図2は、1つまたは複数の例によるメッシュネットワークの例を示す。示されるように、メッシュネットワーク200は、西側における幹線-北端末220と東側における幹線-北端末225との間に配置された対応する幹線-北光ケーブル210の少なくとも2つの幹線-北双方向光ファイバペア222および223を備えてもよい。更に示されるように、同様に、メッシュネットワーク200は、西側における幹線-南端末230と東側における幹線-南端末235との間に配置された対応する幹線-南光ケーブルの少なくとも2つの幹線-南双方向光ファイバペア232および233を備えてもよい。示された4つの端末のうちのそれぞれは、少なくとも光ファイバペアにおける導体ケーブル(それぞれ275および277として示される)に電力を提供するための給電装置(PFE)を備えてもよい。この例において、給電装置(PFE)は対応する幹線220、225、230および235に幹線電力を提供する。
【0024】
メッシュネットワーク200は、分離した4つの「切替」分岐ユニット(sBU)202(sBU #1.1とも呼ばれる)、204(sBU #1.2とも呼ばれる)、206(sBU #2.1とも呼ばれる)、および208(sBU #2.2とも呼ばれる)を備えてもよく、そのうちの2つは、幹線-北ケーブル210に配置される、または該幹線-北ケーブルにカップリングされ、且つ、他の2つは、幹線-南ケーブル215に配置される、または該幹線-南ケーブルにカップリングされる。図に示すように、sBUs 202および#2.1は、西側viで(または該西側により近い)幹線南北ケーブルを相互接続し、且つ、同様に、sBUs #1.2および208は、相互接続ケーブル243を介して東側で(または該東側により近い)ケーブルを相互接続する。例において、sBUs #1.1、#1.2、#2.1、および208のうちのそれぞれは、光ファイバ切替を実行して電力を対応する電力端末ユニット(PTU)にルーティングするように構成される。例えば、北側で、sBU 202は電力をPTU 212にルーティングし、且つ、sBU #1.2は電力をPTU 214にルーティングする一方、南側で、sBU #2.1は電力をPTU 216にルーティングし、且つ、sBU #2.2は電力をPTU 218にルーティングする。対応するsBUのうちのそれぞれは、幹線光ファイバケーブル210の少なくとも2つの光ファイバペア(例えば、222および223)のうちの少なくとも1つを分岐ケーブル(PTU、例えば、212にカップリングされる)の少なくとも2つの光ファイバペアのうちの対応する1つの光ファイバペアに接続するように動作可能である。
【0025】
例によれば、PTU 212、214、216および218は、それぞれ相互接続ケーブル241または相互接続ケーブル243に電力を提供するように構成され得、且つ、分岐故障の影響を軽減するために、電力の再ルーティング(および光ファイバの再ルーティング)を実現することにより分岐故障保護を更に提供する。例えば、212、214、216および218のPTUは、sBU(例えば、1.1または2.1)から電力を取得するための1つまたは複数のポート、および相互接続ケーブル(例えば、相互接続ケーブル241または243)に電力を提供するためのポートを備えてもよい。また、PTUは、高電圧の直流-直流(DC/DC)コンバータ(後の例に示される)を備えてもよい。例えば、DC/DCコンバータは、定電流または定電圧を提供し、電流および電圧を制御装置によって設定された閾値に制限するように動作可能である。例えば、各幹線220、225、230および235は、命令/応答装置(CRE)を備えてもよく、該命令/応答デバイスは、遠隔測定により動作されて対応するsBUs#1.1、#1.2、#2.1および#2.2のうちのそれぞれの光切替および対応するPTU 212、214、216および218への電力切替を制御することができる。CREは、更に、対応するPTUにカップリングされた光ファイバケーブルを介した制御命令により、または遠隔測定により、各対応するPTU 212、214、216および218の電力変換を制御することができる。
【0026】
図2に示すように、例えば、sBU 202と#2.1との間、およびsBU#1.2と208との間の相互接続電力は、相互接続ケーブル241または相互接続ケーブル243に含まれる(複数の)二重導体相互接続ケーブル(DCCとも呼ばれる)により提供できる。例えば、相互接続ケーブル241は、少なくとも電力導体251および少なくとも2つの光ファイバペア(2FP)261を備えてもよい。同様に、相互接続ケーブル243は、少なくとも電力導体253および少なくとも2つの光ファイバペア(2FP)263を備えてもよい。下記のように、sBU 202におけるそれぞれの二重光ファイバペア、any-to-any(本明細書では「2FP A2A」とも呼ばれる)セレクタ機能は、柔軟な光切替および電気供給のような柔軟なネットワーク構成を提供し、応答(例えば、海底環境の状況(例えば、分岐故障等)に応じて再ルーティングする)を実現する。
【0027】
少なくともこのため、
図2に示されたメッシュネットワーク200は、「全幹線」構成と考えられ、これは、例えば、北幹線と南幹線の両者に対し、全ての幹線光ファイバペアはそれらのそれぞれの幹線の端末の間で接続され、給電されて動作可能であることを意味する。
【0028】
図3は、開示された主題の1つまたは複数の面による分岐故障および切替設定300の例を示す。解釈しやすいために、
図2のメッシュネットワーク200およびその中のコンポーネントは、
図3の分岐故障および切替設定300を説明するために用いられる。構成300は、メッシュネットワークとして実現できる。示されるように、分岐故障306は、幹線-北光ファイバペアの東側付近(即ち、sBU #1.2.1と幹線-北端末225との間)で発生する可能性がある。分岐故障は、ケーブルの絶縁が金属導体コアから直接海水への短絡があるように破壊されたこと等のような、水中通信ケーブルで発生するあらゆるタイプの故障(物理的または他の故障)を広義に指すことができることが理解できる。あるいは、いくつかの例において、ケーブルの破損は、船のアンカー、トロール漁船、バックホウ船、海底に沿ってケーブルを引き摺る水流等によって引き起こされた可能性がある。例えば、分岐故障は、例えば、給電装置等で対応する幹線210または215内で既に電力の損失があるかまたは電圧もしくは電流が所定量だけ低下したことを確定したことにより検出できる。
【0029】
例えば、分岐故障が発生すると、少なくとも南北幹線光ファイバペア間の相互接続部材(例えば、sBU#1.1.1と#2.1.1との間、および/またはsBU#1.2.1と#2.2.1との間の相互接続ケーブル)への電力を遮断することができる。従って、例において、分岐故障の発生が検出された場合(または、分岐故障が発生するという任意の確定に基づく、または任意の他の原因により)、少なくとも電力を再ルーティングするために、分岐故障の位置に基づいてsBU #1.1.1~#2.2.1のうちの1つまたは複数に対して光切替を実行することができる。図に示すように、sBU #1.2.1と#2.2.1のポート接続を再構成することにより、幹線-北光ファイバペア222および223における両者は、それぞれ再ルーティングされる、または幹線-南光ファイバペア233、232に切り替えることができる。有利には、分岐故障が発生しても、依然として幹線-北220と幹線-南235との間の相互接続ケーブル243に電力を提供することができる。
【0030】
図4は、1つまたは複数の例による分岐故障および切替設定400の例を示す。解釈しやすいために、
図2のメッシュネットワーク200およびその中のコンポーネントは、
図4の分岐故障および切替設定400を説明するために用いられる。構成400は、メッシュネットワークとして実現できる。示された例において、分岐故障406は、「洋心」または幹線-北光ファイバペア222および223の中部付近で発生する可能性がある。
【0031】
図3に類似し、分岐故障が発生(例えば、
図4に示すように、sBU #1.1.2とsBU #1.2.2との間で発生)すると、北幹線光ファイバペア222および223と、南幹線光ファイバペア232および233との間の相互接続部材(例えば、sBU #1.1.2と#2.1.2との間の相互接続ケーブル241、および/またはsBU 204と#2.2との間の相互接続ケーブル243)への電力を遮断することができる。対応する幹線210または215内の電力の損失または電圧もしくは電流が所定量だけ低下したことにより分岐故障(または故障が潜在的に発生する可能性があるという任意の確定に基づく)を検出した場合、分岐故障または潜在的な分岐故障の光路における対応する1つまたは複数のsBUは、光切替を実行して電力を少なくとも再ルーティングすることができる。例において、sBU #1.1.2と#2.1.2のポート接続を再構成することにより、幹線-北光ファイバペア(222、223)のうちの2つを再ルーティングする、または幹線-南光ファイバペア232、233に切り替えることができる。同様に、ミラーリングの例において、sBU #1.2.2と#2.2.2のポート接続は、幹線-北ケーブル210と幹線-南ケーブル215との間の相互接続部材243に電力を提供して維持するために、幹線-北光ファイバペア222および223を再ルーティングする、または幹線-南光ファイバペア232および233に切り替えるように再構成されてもよい。
【0032】
図5は、1つまたは複数の例による分岐故障および切替設定500の例を示す。構成500は、メッシュネットワークとして実現できる。解釈しやすいために、
図2のメッシュネットワーク200およびその中のコンポーネントは、更に、
図4の分岐故障および切替設定500を説明するために用いられる。示される例において、
図4に類似または同様に、分岐故障5060は、洋心または幹線-北光ファイバペアの中部付近で発生する可能性がある。
【0033】
図4の代替例において、
図5に示すように、1つの幹線-北光ファイバペア223だけが幹線-南230への分岐故障の検出に応答して再ルーティングまたは切り替えられる一方、東幹線-南235の1つの光ファイバペア232は、sBU#1.1.3および#2.1.3を介して西幹線-北220とサービスを保持する。少なくともこの点で、メッシュネットワーク500の西側において幹線-北と幹線-南との間に1つの新たな光ファイバペアの接続のみがある可能性がある。有利には、分岐故障が発生しても、
図5の代替構成は、依然として少なくとも幹線-北と幹線-南との間の相互接続部材241および243に電力を提供することができる。少なくともこのため、(複数の)sBUの2FP A2A選択機能は、上述した電力切替および電力ルーティングアーキテクチャの柔軟性および構成の利点を提供する。
【0034】
図6は、1つまたは複数の開示例に基づき、対応するsBUにおける単一の光ファイバペアに基づく幹線セレクタ(sBU 610により実施される)と2つの光ファイバペアに基づくany-to-any(A2A)セレクタ(sBU 620により実施される)との例示的な比較600を示す。sBU 610の単一の光ファイバペアに基づく幹線セレクタおよびsBU 620の2つの光ファイバペアに基づくA2Aセレクタの構成に示すように、対応する各sBU 610または620は、幹線ポート、「A1」ポートおよび「A2」ポートという少なくとも3つの異なるポートを有し、対応する入力および出力接続を有し、更に、分岐光ファイバペアの追加およびドロップ接続を有することができる。対応するsBU 610および620のうちのそれぞれは、光スイッチ(sBU 620用のA-LおよびsBU 610用の1-12)を有するように示され、これらの光スイッチは、選択的に幹線ポートにカップリングされた光ファイバペアをA2ポートに切り替える、またはA1ポートからA2ポートに切り替えるように動作可能である。
【0035】
例において、sBU 620の「3A型サブモジュールA2A同等物」構成に対し、対応する模式図に示すように、2つの光ファイバペアを選択して分岐光ファイバペアにドロップする。例えば、FP1およびFP2は、分岐FP1にドロップでき、更に、FP1およびFP2は、分岐FP2にドロップすることができる。このような2つの光ファイバペアに基づくA2A機能は、上述した
図2のメッシュネットワーク200のsBU #1.1.3、#1.2.3、#2.1.3および#2.2.3で実施できる。代替例において、「3A型サブモジュール幹線セレクタ同等物」または単一の光ファイバペアに基づく幹線セレクタ(例えば、620)は、sBU #1.1.3、#1.2.3、#2.1.3および#2.2.3で実施できる。
【0036】
例によれば、単一の光ファイバペアに基づく幹線セレクタは、2つの独立した幹線光ファイバペアセレクタを形成するために、光ファイバパス用の異なるラベルを有することができる。例において、東側または西側における幹線光ファイバペアを選択し、例えば、光スイッチEと光スイッチIとの間で、各光ファイバペアの基に分岐光ファイバペアにドロップすることができる。例えば、1つの光ファイバペアにおける1つの接続は一度に使用できる可能性がある。更に、以上の少なくとも
図2~
図5のいずれかで説明された1つまたは複数の機能または特徴は、単一の光ファイバペアに基づく幹線光ファイバペアセレクタにより実現できることが理解できる。更に、追加のコストなしで少なくとも余分な接続を提供するために、単一の光ファイバペアの幹線セレクタは、全ての2つの光ファイバペアがA2Aスイッチと接続できる接続箇所を提供するように、奇数の光ファイバペアの場合にのみ使用してもよいことが理解できる。
【0037】
図7は、切替分岐ユニットの例および電力端末ユニットの例の詳細を含む相互接続環境の構成例を示す。
【0038】
深い海底環境に存在する物理的条件を耐えるために、sBU 710およびPTU 720を含む海底ケーブル分岐アーキテクチャ700を提供して構成することができる。sBU 710は、給電装置(PFE)を備える位置(図示せず)から光ファイバおよび電力導体(例えば、
図2~
図5の例に示したもの)を備える幹線光ファイバケーブル740にカップリングされてもよい。sBU 710は、更に、別の位置および/または別のsBU(両者はいずれも図示せず)に接続可能な光ファイバケーブルおよび電力導体を備える幹線ケーブル750にカップリングされてもよい。例において、分岐ケーブル730は、sBU 710をPTU 720にカップリングされてもよい。PTU 720は、更に相互接続ケーブル760にカップリングされる。
【0039】
sBU 710は、光切替および電力切替機能を提供する。例えば、sBU 710には、光スイッチおよび制御回路システムが設定されてもよく、該光スイッチおよび制御回路システムにより、sBU 710は、sBU 710の対応するポートにカップリングされた幹線光ファイバケーブル740および幹線ケーブル750における光ファイバペア(この例では、図示せず)と、PTU 720にカップリングされた相互接続ケーブル760との間の接続性を確定するように動作可能である。例えば、sBU 710は、幹線光ファイバケーブル740の少なくとも2つの光ファイバペア(この例では、図示せず)のうちの少なくとも1つを、分岐ケーブル730の少なくとも2つの光ファイバペア(この例では、図示せず)のうちの対応する1つの光ファイバペアに接続するように動作可能である。
【0040】
分岐ケーブル730は、sBU 710とPTU 720との間に電力を提供するように動作可能である二重導体ケーブル(DCC)であってもよい。相互接続ケーブル740は、他の例に示すように、PTU 720を様々なデバイスまたはペイロードに接続することができる。
【0041】
PTU 720は、高電圧(図ではHi-Vと表記された)コンバータ724を備えてもよい。高圧コンバータ724により、PTU 720は幹線PFEから分岐ペイロードに制御可能な電力を提供することができる。高圧コンバータ724は、15kVと高い直流電圧を他の電圧、例えば、12.5kV以下に変換するように動作可能である。PTU 720は、電力変換および制御のための従来技術(しかし、海底環境で)を実施するように構成される回路システムを有することができる。また、高圧コンバータ724は、定電流または定電圧を提供し、電流量を制限し、提供された電圧の大きさを制限するように動作可能である。例えば、高圧コンバータ724は、ほぼ一定の値を有する出力電流を出力し、且つ、エンドユーザ仕様に基づいて限られるように動作可能である。PTU 720は、更に、光ファイバを
図2~
図5における例に示されたそれらのデバイスおよび/または幹線のような他のデバイスおよび/または幹線にカップリングするように、光ファイバを通過させることができる。PTU 720は、命令/応答装置(CRE)を介して幹線位置または別の位置(例えば、遠隔POP(point-of-presence)、オフショア施設等)で遠隔測定により制御され得る。CREは、プロセッサと、プログラミングコードを記憶するメモリと、遠隔測定回路システムとを備えてもよく、該遠隔測定回路システムは、1つまたは複数のPTU(例えば、PTU 720)と通信するように動作可能である。
【0042】
図7に示すように、PTU 720は、第1カップリングポート725と、高圧コンバータ724と、第2カップリングポート726とを備えてもよい。PTU 720は、通信伝送のための好ましいモデムを更に備えてもよい。第1カップリングポート725は、海底分岐ケーブル(例えば、730)の電力導体および光ファイバケーブルにカップリングされるように構成されてもよい。いくつかの例において、海底分岐ケーブル730は、海底の切替分岐ユニット(例えば、
図2の202)に接続された二重導体ケーブルであってもよく、且つ、第1カップリングポート725は、二重導体ケーブルにカップリングされるように動作可能である。高圧コンバータ724は、第1カップリングポート725にカップリングされ、第1カップリングポート725を介して海底分岐ケーブル730の電力導体に接続されるように動作可能である。高圧コンバータ724は、例えば、電力導体から供給された高圧電力を、高圧電力より低圧の電力を有する出力電圧に変換するように動作可能である。高圧コンバータ724は、ほぼ一定の値を有する電圧を出力電圧として出力するように動作可能である。
【0043】
第2カップリングポート726は、高圧コンバータ724を相互接続ケーブル(例えば、760)にカップリングされるように動作可能である。相互接続ケーブル760にカップリングされる場合、高圧コンバータ724は、より低圧の電力を相互接続ケーブル760に割り当てるように動作可能である。
【0044】
図示していないが、PTU 720は、プロセッサと、遠隔測定回路システムと、プログラミングコードを記憶可能なメモリとを備えてもよい。プロセッサは、記憶されたプログラミングコードを実行してPFEまたはCREから受信された通信信号を処理し、高圧コンバータ724の出力を管理するように動作可能である。高圧コンバータ724は、海底分岐ケーブル730、例えば幹線光ファイバケーブル740を介して遠隔地に位置する給電装置からの制御信号を受信するように動作可能である。制御信号は、分岐故障の指示を含んでもよく、且つ、sBU、PTUおよびそれらのそれぞれのコンポーネントを構成するための命令を含む。また、高圧コンバータ724は、更に、例えば、CREから受信された分岐故障を指示する命令信号に応答して出力電圧を調節するように動作可能である。
【0045】
好ましくは、モデム727は、第1カップリングポートおよび第2カップリングポートにカップリングされるように構成されてもよい。モデム727は、第1カップリングポート725を介して通信信号を受信して通信信号を処理するように動作可能である。通信信号の処理は、従来の通信処理技術およびプロトコルに基づいて行うことができる。モデム727は、更に、センサ等のような下流デバイスに出力するように、第2カップリングポート726に処理された通信信号を提供するように動作可能である。モデム727も、下流デバイスから他の通信信号を受信し、それらをCREのような上游デバイスまたは制御デバイスに提供するように動作可能である。
【0046】
DCCは、12.5kV~15kVの電圧伝送を変換または伝達し、PTU 720の下流の他のデバイス(即ち、相互接続部材760に接続された他のデバイス)(中継器、増幅器、ペイロードデバイスおよびシステム等)に電力を提供することができる。例えば、高圧コンバータ724は、更に、電力を供給して1つまたは複数のペイロード(例えば、下流デバイス)に給電するように動作可能であり、該1つまたは複数のペイロードは、中継器、増幅器、オフショア施設またはセンサのうちの少なくとも1つであってもよい。
【0047】
PTU 720にカップリングされる第2ポート726の相互接続ケーブル740は、DDCまたは単一導体ケーブル(SCC)であってもよい。
【0048】
好ましくは、PTU 720はモデム727を備えてもよく、該モデムは、相互接続ケーブル740にカップリングされたペイロードデバイスに用いられるデータ伝送を行うことができ、該ペイロードデバイスは、センサ、オフショアプラットフォーム等を備えてもよい。
【0049】
相互接続環境700は、分岐故障または潜在的な分岐故障のいずれか一方側におけるデバイスに給電することができるために、分岐故障に応答して電力切替を行うことができる。また、相互接続環境700は、
図2~
図5の例に示すように、光ファイバ切替を行うことができる。
【0050】
図8は、本明細書で開示される電力端末ユニットの例示的な下流のデバイスまたはシステムに電力を提供するための例示的な構成を示す。
【0051】
構成800は、sBUs 812、822、832および842からの相互接続環境の複数の例を含む。この例において、sBU 812、822、832および842のうちのそれぞれは、幹線ケーブル810にカップリングされる。幹線ケーブル810は、給電装置(PFE)にカップリングされ得、該給電装置は、幹線ケーブル810内の(複数の)導電体に電力を供給する。また、幹線ケーブル810は、多くの光ファイバペア(FP)を有する光ファイバケーブルを含む。
【0052】
sBU 812、822、832および842におけるそれぞれは、各PTU 814、824、834および844の例示的な実施形態を示す。
【0053】
例示的な実施形態は、ケーブル813を介してPTU 814にカップリングされたsBU 812を含む。この実施形態は、sBU 812およびPTU 814を介して島、高価な海岸線または無人施設に遠隔通信を提供するように動作可能である。ケーブル813はDCCであってもよい。PTU 814(
図7のPTU 720の上記それらの機能に類似する機能を実行するように同様に構成されて動作可能である)も相互接続ケーブル815にカップリングされる。各デバイス817-1、817-2、817-3、……、817-N(例えば、中継器、ペイロードデバイス等)も相互接続ケーブル815にカップリングされ、該各デバイスも電力を必要とする。ケーブル813は、導電体を介して電力を提供することも、光ファイバを介して通信を提供することもできる。PTU 814は、相互接続ケーブル815に電力および通信を提供するように動作可能である。導電体を介した電力および光ファイバを介した通信を含む相互接続ケーブル815は、ビーチランディング816に接続され得る。PTU 814を備える例示的な実施形態は、光ケーブルおよび電力を介して通信サービスを提供することにより、遠隔POP(point-of-presence、POP)818に通信サービスを提供する。
【0054】
別の例示的な実施形態において、sBU 822は、ケーブル823を介してPTU 824にカップリングされる。ケーブル823はDCCであってもよい。このような実施形態は、
図2~
図5の例と同様に、sBU 822およびPTU 824を介して幹線ケーブルへのクロス接続を提供するように動作可能である。PTU 824は、
図7のPTU 720のそれらの機能のような機能を実行するように同様に構成されて動作可能である。PTU 824は、相互接続ケーブル825にカップリングされてもよい。各デバイス827-1、827-2、……、827-N(例えば、中継器、ペイロードデバイス等)も、相互接続ケーブル825にカップリングされ、該各デバイスも電力を必要とする可能性がある。ケーブル823は、導電体を介して電力を提供することも、光ファイバを介して通信を提供することもできる。PTU 824は、相互接続ケーブル825に電力および通信を提供するように動作可能である。導電体を介した電力および光ファイバを介した通信を含む相互接続ケーブル825は、別のPTU 826に接続され得る。PTU 826は、PTU 824と同様に構成され得、電力変換を提供する、または接地する。更なる実施形態において、PTU 826は、sBU 812およびPTU 814を使用したビーチランディングの実施形態と同様に、オプションであってもよく、且つ、存在しなくてもよい。例において、相互接続ケーブル825はPTU 826に接続されてもよい。分岐ケーブル(表記せず)は、PTU 826にカップリングされて幹線ケーブル820と接続された別のsBU 828にカップリングされてもよい。
【0055】
更なる例示的な実施形態において、sBU 832は、ケーブル833を介してPTU 834にカップリングされる。ケーブル833はDCCであってもよい。この実施形態は、sBU 832およびPTU 834を介してオフショア施設(例えば、オフショアプラットフォーム836)に遠隔通信を提供するように動作可能である。PTU 834は、
図7のPTU 720のそれらの機能のような機能を実行するように同様に構成されて動作可能である。PTU 834は、相互接続ケーブル835にカップリングされてもよい。相互接続ケーブル835はオフショアプラットフォーム836に接続できる。PTU 834は、上述した電力およびデータ通信を、例えば、好ましいモデム(例えば、
図7の例示的なPTU 720の727)を介してオフショアプラットフォーム836における装置に提供するように動作可能である。
【0056】
別の例示的な実施形態において、sBU 842は、ケーブル843を介してPTU 844にカップリングされる。ケーブル843はDCCであってもよい。この実施形態は、sBU 842およびPTU 844を介して海底センサアプリケーション(例えば、センサ848)に通信および電力を提供するように動作可能である。PTU 844は、
図7のPTU 720のそれらの機能のような機能および好ましいモデム727を介したデータ通信を実行するように同様に構成されて動作可能である。PTU 844は相互接続ケーブル845にカップリングされ得、相互接続ケーブル845は配備パレット(deployment pallet、DP)847に接続され得る。DP 847は、センサ848のような複数のセンサにカップリングされ得、該複数のセンサは、温度、塩分、地震活動を検出し、音響測定等を取得するように構成されてもよい。
【0057】
上記光通信システムの海底メッシュネットワーク、関連する光切替および給電アーキテクチャは、様々な異なる配置で配置でき、且つ、いかなる特定の配置またはいかなる他の方式に限定されないことが理解できる。
【0058】
本発明において、海底メッシュネットワークにおける改良された光切替および給電アーキテクチャに用いられる新規かつ独特な技術を開示する。本発明は、範囲の面で本明細書に記載された具体的な実施例によって制限されるものではない。実際には、本明細書に記載されたものに加え、本発明の他の様々な実施例および改良は、当業者にとって、上記説明および図面から明らかとなる。
【0059】
従い、このような他の実施例および改良は、本発明の範囲内に含まれるものとする。更に、本明細書は、特定の環境で特定の目的のために特定の実施形態の文脈で本開示を説明したが、当業者は、その有用性がこれらに限定されず、本発明が任意の数の環境で任意の数の目的のために有益に実施され得ることを認識する。従い、以下に記載される特許請求の範囲は、本明細書に記載された本発明の全ての幅および精神に基づいて解釈されるべきである。