(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】コンテンツ分析を介してコンテンツに対応する香りを発香する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/60 20200101AFI20241203BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20241203BHJP
A24F 40/50 20200101ALI20241203BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20241203BHJP
A24F 40/65 20200101ALI20241203BHJP
A24F 40/10 20200101ALI20241203BHJP
G06N 3/08 20230101ALI20241203BHJP
【FI】
A24F40/60
G06F3/01 560
G06F3/01 510
A24F40/50
A24F40/42
A24F40/65
A24F40/10
G06N3/08
(21)【出願番号】P 2023566933
(86)(22)【出願日】2023-06-01
(86)【国際出願番号】 KR2023007555
(87)【国際公開番号】W WO2024034800
(87)【国際公開日】2024-02-15
【審査請求日】2023-11-08
(31)【優先権主張番号】10-2022-0100762
(32)【優先日】2022-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジャエ ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】ジェオン、ミンセオク
(72)【発明者】
【氏名】チュン、タエ ヨウン
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2016-0092299(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/60
G06F 3/01
A24F 40/50
A24F 40/42
A24F 40/65
A24F 40/10
G06N 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ装置の動作方法であって、
コンテンツの分析を介して香り分析対象を認識するステップと、
前記香り分析対象に対応する香りデータを抽出するステップと、
前記ディスプレイ装置に連結された発香装置のカートリッジ情報に基づいて、前記香りデータを香りのレシピに変換するステップと、
前記香りのレシピを含む制御信号を前記発香装置に伝達するステップと、
を含む、ディスプレイ装置の動作方法。
【請求項2】
前記香り分析対象を認識するステップは、
前記コンテンツを予め学習された人工神経網に入力して場面を分析するステップと、
電場面分析結果に基づいて前記香り分析対象を認識するステップと、
を含む、請求項1に記載のディスプレイ装置の動作方法。
【請求項3】
前記香り分析対象を認識するステップは、
前記コンテンツに対応するメタデータを受信するステップと、
前記メタデータに基づいて前記香り分析対象を認識するステップと、
を含む、請求項1に記載のディスプレイ装置の動作方法。
【請求項4】
前記発香装置は、複数の香りカートリッジを含み、
前記カートリッジ情報は、前記複数の香りカートリッジの数及び種類のうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載のディスプレイ装置の動作方法。
【請求項5】
前記変換するステップは、
前記カートリッジ情報に基づいて、予め決定された複数の成分を前記複数の香りカートリッジそれぞれにマッピングするステップと、
前記複数の成分それぞれの濃度に基づいて、前記複数の香りカートリッジそれぞれの香り物質の噴出量を決定するステップと、
を含む、請求項4に記載のディスプレイ装置の動作方法。
【請求項6】
前記制御信号は、前記香りのレシピに基づいて生成される香り物質の発香時点に関する情報をさらに含み、
前記発香時点に関する情報は、前記香り分析対象が前記コンテンツで提供される時点に基づいて決定される、請求項1に記載のディスプレイ装置の動作方法。
【請求項7】
ディスプレイ装置から香りのレシピを含む制御信号を受信するステップと、
前記香りのレシピにより複数の香り物質を混合するステップと、
エアロゾル化された香り物質を提供するステップと、
を含み、
前記香りのレシピは、前記ディスプレイ装置のコンテンツ分析を介して取得される、電子装置の動作方法。
【請求項8】
前記電子装置は、複数の香りカートリッジを含む発香装置を含み、
前記香りのレシピは、前記複数の香りカートリッジの数及び種類に基づいて決定される、請求項7に記載の電子装置の動作方法。
【請求項9】
前記制御信号を受信するステップは、前記香りのレシピに基づいて生成される香り物質の発香時点に関する情報を含む前記制御信号を受信するステップを含む、請求項7または8に記載の電子装置の動作方法。
【請求項10】
ハードウェアと結合して請求項1から6のいずれか一項に記載の動作方法を前記ハードウェアに実行させるためにコンピュータで読み出し可能な記録媒体に格納されたコンピュータプログラム。
【請求項11】
ディスプレイ装置から香りのレシピを含む制御信号を受信する通信部と、
前記香りのレシピにより複数の香り物質を混合し、エアロゾル化された香り物質を提供する複数の香りカートリッジを含む発香装置と、
を含み、
前記香りのレシピは、前記ディスプレイ装置のコンテンツ分析を介して取得される、電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の実施形態は、コンテンツ分析を介してコンテンツに対応する香りを発香する方法に関し、具体的に、仮想ディスプレイ機器を介して提供されるコンテンツを分析し、コンテンツに対応する香りを電子装置を介して発香する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータグラフィック技術を応用したバーチャルリアリティ(Virtual Reality)、拡張現実(Augmented Reality)及び混合現実(Mixed Reality)の技術が発達している。ここで、バーチャルリアリティ技術は、コンピュータを用いて現実世界に存在しない仮想空間を構築した後、その仮想空間を現実のように感じさせる技術をいい、拡張現実又は混合現実技術は、現実世界上にコンピュータにより生成された情報を加えて表現する技術、即ち、現実世界と仮想世界とを結合することでリアルタイムにユーザと相互作用する技術をいう。
【0003】
そのうち、拡張現実と混合現実の技術は、様々な分野の技術と結ばれて活用されている。電子タバコの分野にも仮想現実又は拡張現実サービスを実現するデバイスに対する要求が増えており、それに伴う様々な研究が行われている実状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態は、仮想ディスプレイ機器を介して提供されるコンテンツを分析し、コンテンツに対応する香りデータを抽出することにある。
【0005】
実施形態は、香りデータを香りのレシピに変換し、電子装置を介して香りのレシピに対応する香り物質を発香することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係るディスプレイ装置の動作方法は、コンテンツ分析を介して香り分析対象を認識するステップと、前記香り分析対象に対応する香りデータを抽出するステップと、前記ディスプレイ装置に連結された発香装置のカートリッジ情報に基づいて、前記香りデータを香りのレシピに変換するステップと、前記香りのレシピを含む制御信号を前記発香装置に伝達するステップとを含む。
【0007】
前記香り分析対象を認識するステップは、前記コンテンツを予め学習された人工神経網に入力して場面を分析するステップと、電場面分析結果に基づいて前記香り分析対象を認識するステップとを含むことができる。
【0008】
前記香り分析対象を認識するステップは、前記コンテンツに対応するメタデータを受信するステップと、前記メタデータに基づいて前記香り分析対象を認識するステップとを含むことができる。
【0009】
前記発香装置は、複数の香りカートリッジを含み、前記カートリッジ情報は、前記複数の香りカートリッジの数及び種類のうち少なくとも1つを含むことができる。
【0010】
前記変換するステップは、前記カートリッジ情報に基づいて、前記予め決定された複数の成分を前記複数の香りカートリッジそれぞれにマッピングするステップと、前記成分それぞれの濃度に基づいて、前記複数の香りカートリッジそれぞれの香り物質の噴出量を決定するステップとを含むことができる。
【0011】
前記制御信号は、前記香りのレシピに基づいて生成される香り物質の発香時点に関する情報をさらに含み、前記発香時点に関する情報は、前記香り分析対象が前記コンテンツで提供される時点に基づいて決定されることができる。
【0012】
一実施形態に係る電子装置の動作方法は、ディスプレイ装置から香りのレシピを含む制御信号を受信するステップと、前記香りのレシピにより複数の香り物質を混合するステップと、エアロゾル化された香り物質を提供するステップとを含み、前記香りのレシピは、前記ディスプレイ装置のコンテンツ分析を介して取得されることができる。
【0013】
前記電子装置は、複数の香りカートリッジを含む発香装置を含み、前記香りのレシピは、前記複数の香りカートリッジの数及び種類に基づいて決定されることができる。
【0014】
前記制御信号を受信するステップは、前記香りのレシピに基づいて生成される香り物質の発香時点に関する情報を含む前記制御信号を受信するステップを含むことができる。
【0015】
一実施形態に係る電子装置は、ディスプレイ装置から香りのレシピを含む制御信号を受信する通信部と、前記香りのレシピにより複数の香り物質を混合し、エアロゾル化された香り物質を提供する複数の香りカートリッジを含む発香装置とを含み、前記香りのレシピは、前記ディスプレイ装置のコンテンツ分析を介して取得されることができる。
【発明の効果】
【0016】
実施形態は、仮想ディスプレイ機器を介して提供されるコンテンツを分析し、コンテンツに対応する香りデータを抽出することができる。
【0017】
実施形態は、香りデータを香りのレシピに変換し、電子装置を介して香りのレシピに対応する香り物質を発香することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】一実施形態に係るユーザが仮想現実で喫煙する姿勢を概略的に示す。
【
図2】仮想のイメージを表示するための装置を概略的に示す。
【
図3】一実施形態に係るディスプレイ装置の動作方法を説明するためのフローチャートである。
【
図4】一実施形態に係る電子装置の構成を概略的に示す。
【
図5】一実施形態に係る電子タバコ装置の発香カートリッジ及びエアロゾル生成装置を概略的に示す。
【
図6】一実施形態に係る電子装置の動作方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施形態に対する特定な構造的又は機能的な説明は単なる例示のための目的として開示されたものであって、様々な形態に変更されることができる。したがって、実施形態は特定な開示形態に限定されるものではなく、本明細書の範囲は技術的な思想に含まれる変更、均等物又は代替物を含む。
【0020】
第1又は第2などの用語を複数の構成要素を説明するために用いることがあるが、このような用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的としてのみ解釈されなければならない。例えば、第1構成要素は第2構成要素と命名することができ、同様に、第2構成要素は第1構成要素にも命名することができる。
【0021】
いずれかの構成要素が他の構成要素に「連結」されているか「接続」されていると言及されたときには、その他の構成要素に直接的に連結されているか又は接続されているが、中間に他の構成要素が存在し得るものと理解されなければならない。
【0022】
単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味をもたない限り複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」等の用語は、明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを示すものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。
【0023】
異なるように定義がされない限り、技術的又は科学的な用語を含んで、ここで用いる全ての用語は、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる予め定義された用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈されなければならず、本明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されることはない。
【0024】
以下、添付する図面を参照しながら実施形態を詳細に説明する。図面を参照して説明する際に、図面符号に拘わらず同じ構成要素は同じ参照符号を付与し、これに対する重複する説明は省略する。
【0025】
図1は、一実施形態に係るユーザが仮想現実で喫煙する姿勢を概略的に示す。
【0026】
図1を参照すると、仮想喫煙システム100は、仮想のイメージを表示する装置110(以下、ディスプレイ装置と名称)、電子装置120及び再生装置130を含む。仮想喫煙システム100を使用するユーザ10は、ディスプレイ装置110を着用して電子装置120を介して香り物質を含むエアロゾルを吸入又は摂取してもよい。
【0027】
一実施形態において、電子装置120は、一般的なタバコの形状を有してもよい。この場合、電子装置120の一側端部の表面にニコチンがコーティングされたり、一側端部の内部にニコチンが含まれたりしてもよい。ユーザ10が電子装置120の一側端部を噛んで吸入するとき、電子装置120は、ユーザ10にニコチンを提供する。しかし、電子装置120の形状がこれに制限されることはない。
【0028】
本開示では、仮想喫煙システム100に含まれているディスプレイ装置110、電子装置120、及び再生装置130が連動することで、仮想喫煙システム100を使用するユーザ10により向上した喫煙経験を提供することができる。ディスプレイ装置110、電子装置120、及び再生装置130の間の通信方式は、無線LAN(Wi-Fi(登録商標))、ブルートゥース(登録商標)、ジグビー(登録商標)、WFD((Wi-Fi Direct(登録商標))、UWB(ultra-wideband)、赤外線通信(IrDA、infrared Data Association)、BLE(Bluetooth Low Energy)、NFC(Near Field Communication)及びAnt+のうち少なくとも1つを含むが、これに限定されることはない。
【0029】
一実施形態に係る仮想喫煙システム100は、ユーザ10に視聴覚的な効果だけでなく、嗅覚的な効果も提供できる。より具体的に、ユーザ10は、ディスプレイ装置110を介してコンテンツを提供されることができ、同時に香り物質を電子装置120を介して提供されることができる。電子装置120を介して提供される香り物質は、ディスプレイ装置110を介して提供されるコンテンツ内に存在する香り分析対象に対応する。一実施形態に係るコンテンツは、符号、文字、図形、色彩、音声、音響、イメージ及び映像(その複合体を含む)の資料又は情報を意味する。
【0030】
以下で詳細に説明するが、一実施形態に係るディスプレイ装置110は、コンテンツ内容のうち香りと関連のある媒介体に対する分析を介して香り情報をデータ化させ、データ化された香り情報を電子装置120に伝達し、ディスプレイ装置110を介してユーザ10にコンテンツを提供するとき、同時にコンテンツに関する香り物質を電子装置120を介して提供することができる。
【0031】
図2は、仮想のイメージを表示するための装置を概略的に示す。
【0032】
図2を参照すると、一実施形態に係るディスプレイ装置110の例示として、XR機器210が示されている。一実施形態に係るXR機器210は、スクリーン220、カメラ230及び脚の部分240を含んでもよい。XR機器210は、バーチャルリアリティ(VR)、拡張現実(AR)、メタバス(Metaverse)用の機器であってもよいが、本実施形態がこれに限定されない。
【0033】
より具体的に、ユーザがXR機器210の装着時に、XR機器210の脚の部分240がユーザの耳に載置されてもよい。しかし、XR機器210は脚の部分240の代わりにバンドを含んでもよく、この場合にバンドがユーザの頭部分に着用されてもよい。
【0034】
一実施形態に係るXR機器210は、スクリーン220を介してユーザにタバコの煙が発生するが、チャルリアリティ、拡張現実、又はメタバスイメージを提供してもよい。一実施形態において、スクリーン220は、使用目的に応じて、透明又は不透明に制御されてもよい。XR機器210がバーチャルリアリティ又はメタバスイメージを提供する場合、スクリーン220は不透明になるよう制御されてもよく、XR機器210が拡張現実イメージを提供する場合、スクリーン220は透明になるように制御されてもよい。
【0035】
例えば、スクリーン220は、ポリカーボネートのようなプラスチック、又は、ガラス物質に構成されてもよいが、これに限定されない。また、スクリーン220には光反射及び眩しさ防止コーティング、くもり防止コーティング、及び紫外線遮断コーティングのうち少なくとも1つのコーティング方式が適用されてもよい。
【0036】
一実施形態に係るカメラ230は、ユーザがXR機器210を使用するとき現実の周辺状況をスキャンしてユーザのXR機器210の利用を補助することができる。また、カメラ230は、ユーザの動作をモニタリングしてXR機器210に制御信号を送信してもよい。
【0037】
一実施形態に係るXR機器210は、ユーザに多様な経験を提供するためにアプリケーションをインストールすることができる。例えば、ユーザに現実に近い喫煙経験を提供するために喫煙用アプリケーションをインストールして仮想現実喫煙システムを提供してもよい。
【0038】
実施形態により、XR機器210は、ユーザ端末(例えば、スマートフォン)にインストールされたアプリケーションと連動して、ユーザに該当アプリケーションサービスを提供してもよい。但し、本開示がこれに限定されることはない。
【0039】
図3は、一実施形態に係るディスプレイ装置の動作方法を説明するためのフローチャートである。
【0040】
図3を参照すると、ステップ310~340は、
図1~
図2を参照して前述したディスプレイ装置110によって実行されてもよい。
図3の動作は、示された順序及び方式で実行されてもよいが、図示された実施形態の思想及び範囲を超えないながら一部動作の順序が変更されたり一部動作が省略されたりしてもよい。
図3に示された複数の動作は、並列又は同時に実行されてもよい。
【0041】
ステップ310において、一実施形態に係るディスプレイ装置110は、コンテンツ分析を介して香り分析対象を認識する。一実施形態に係る香り分析対象は、コンテンツ内容のうち香りと関連性のある媒介体を意味する。一実施形態に係る香り分析対象は、特定のオブジェクトであってもよく、場面(scene)であってもよい。例えば、コンテンツに「バラ」が登場する場合、「バラ」が香り分析対象になってもよい。又は、コンテンツに「キューバビーチ」の場面が登場する場合、「キューバビーチ」場面そのものが香り分析対象になってもよい。一実施形態に係る香り分析対象は予め定義されてもよく、予め定義されずにコンテンツ内容のうち香りと関連性のある媒介体を自動認識してもよい。
【0042】
一実施形態に係るディスプレイ装置110には、予め学習された人工神経網が搭載されてもよい。一実施形態に係る人工神経網は、コンテンツを受信して場面分析を介して香りと関連性のある香り分析対象を出力するように学習されてもよい。より具体的に、人工神経網は、推定された香り分析データとコンテンツに対応するラベルリンドェン香り分析データとの間の差を最小化する方向に学習されることができる。
【0043】
一実施形態に係るディスプレイ装置110は、コンテンツに対応するメタデータを受信し、メタデータに基づいて香り分析対象を認識することができる。例えば、一実施形態に係るメタデータは、該当コンテンツに含まれた香り分析対象情報を含んでもよい。一実施形態に係る香り分析対象情報は、コンテンツに含まれた香り分析対象のリスト及びコンテンツ内で該当の香り分析対象が登場する時間情報のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0044】
ステップ320において、一実施形態に係るディスプレイ装置110は、香り分析対象に対応する香りデータを抽出する。一実施形態に係る香りデータは、香り分析対象に対応する香り構成要素と成分それぞれの濃度情報を含んでもよい。一実施形態に係る香り構成要素は、予め決定されてもよい。例えば、一実施形態に係る香りデータは、予め正解陣の香り構成要素(例えば、100個)に表現されてもよい。
【0045】
ステップ330において、一実施形態に係るディスプレイ装置110は、ディスプレイ装置に連結された発香装置のカートリッジ情報に基づいて、香りデータを香りのレシピに変換する。以下で詳細に説明するが、
図1を参照して説明した電子装置120は、発香装置を含んでもよい。一実施形態に係る発香装置は、香り物質を生成及び提供する装置として、複数の香りカートリッジを含んでもよい。一実施形態に係るカートリッジ情報は、複数の香りカートリッジの数及び種類に関する情報のうち少なくとも1つを含んでもよい。一実施形態に係る香りデータを香りのレシピに変換する方法については、以下で
図4~
図5を参照して詳細に説明される。
【0046】
ステップ340において、一実施形態に係るディスプレイ装置110は、香りのレシピを含む制御信号を電子装置120に伝達する。一実施形態に係る制御信号は、ディスプレイ装置110に連結された電子装置120の動作を制御するための信号であってもよい。
【0047】
一実施形態に係る制御信号は、香りのレシピに基づいて生成される香り物質の発香時点に関する情報をさらに含んでもよく、一実施形態に係る発香時点に関する情報は、香り分析対象がコンテンツで提供される時点に基づいて決定されてもよい。より具体的に、ユーザがディスプレイ装置110を介してコンテンツを提供されるとき、同時に電子装置120の発香装置を介して香り物質を提供されるよう、発香時点がコンテンツで提供される時点と同一に決定されてもよい。
【0048】
実施形態により、仮想喫煙システム100を提供する主体はディスプレイ装置110であってもよく、ディスプレイ装置110に連結されたサーバであってもよい。一実施形態に係るサーバは、ユーザ10を対象に仮想喫煙システム100を提供するサービスプラットフォームの役割を果たす。一実施形態に係るサーバは、ディスプレイ装置110にインストールされた専用アプリケーションを介してサービスを提供してもよい。この場合、ディスプレイ装置110は、サーバから制御信号を受信し、サーバの制御下で動作することができる。言い換えれば、サーバでステップ310~ステップ340のうち少なくとも1つが実行され、ディスプレイ装置110は、サーバの制御下で動作され得る。例えば、サーバで香り分析対象を認識、香り分析対象に対応する香りデータを抽出及び香りのレシピ変換を行ってもよい。
【0049】
図4は、一実施形態に係る電子装置の構成を概略的に示す。
【0050】
図1~
図3を参照した説明は
図4にも適用され、その重複説明は省略することができる。
【0051】
一実施形態に係る電子装置400は、マウスピース部410、検出部421、バッテリ422、プロセッサ423、通信部424、香りセンサ部431、香りカートリッジ部432、及び液相カートリッジ部433を含む。
【0052】
一実施形態に係る検出部421は、電子装置400の状態又は電子装置400の周辺の状態を検出し、検出された情報をプロセッサ423に伝達する。
【0053】
一実施形態に係る検出部421は、温度センサ、挿入検出センサ、及びパフセンサのうち少なくとも1つを含むが、これに限定されない。例えば、検出部421は、上述した図面を参照して説明されたセンサを含んでもよい。温度センサは、マウスピース部410の熱線部が過熱されないように温度を検出してプロセッサ423に伝達することができる。
【0054】
一実施形態に係る挿入検出センサは、電子装置400でマウスピース部410の挿入及び/又は除去を検出することができる。例えば、挿入検出センサは、フィルムセンサ、圧力センサ、光センサ、抵抗性センサ、容量性センサ、誘導性センサ、及び赤外線センサのうち少なくとも1つを含んでもよく、マウスピース部410が挿入及び/又は除去されることによる信号変化を検出することができる。
【0055】
一実施形態に係る検出部421は、前述のセンサの他に、温度/湿度センサ、気圧センサ、地磁気センサ(magnetic sensor)、加速度センサ(acceleration sensor)、ジャイロスコープセンサ、位置センサ(例えば、GPS)、近接センサ及びRGBセンサ(illuminance sensor)のうち少なくとも1つを含んでもよい。各センサの機能は、その名称から通常の技術者が直感的に推論できるため、具体的な説明は省略する。
【0056】
一実施形態に係るバッテリ422は、電子装置400が動作するために使用される電力を供給する。バッテリ422は、液相カートリッジ部433又は香りカートリッジ部432が加熱されるように電力を供給してもよい。また、バッテリ422は、電子装置内に備えられた前述した他の構成の動作に必要な電力を供給してもよい。バッテリ422は、充電可能なバッテリや使い捨てバッテリであってもよい。例えば、バッテリ422は、リチウムポリマー(Lipoly)バッテリであってもよい。
【0057】
一実施形態に係るプロセッサ423は、電子装置400の全般的な動作を制御する。一実施形態において、プロセッサ423は、複数の論理ゲートのアレイで実現されてもよく、汎用的なマイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサで実行されるプログラムが格納されたメモリの組み合せで実現されてもよい。また、他の形態のハードウェアで実現され得ることを本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば理解することができる。
【0058】
一実施形態に係る通信部424は、他の電子装置との通信のための少なくとも1つの構成要素を含んでもよい。例えば、通信部424は、近距離通信部及び無線通信部を含んでもよい。
【0059】
一実施形態に係る近距離通信部(short-range wireless communication unit)は、ブルートゥース通信部、BLE(Bluetooth Low Energy)通信部、近距離無線通信部(Near Field Communication unit)、WLAN(ワイファイ)通信部、ジグビー(Zigbee(登録商標))通信部、赤外線(IrDA、infrared Data Association)通信部、WFD(Wi-Fi Direct)通信部、UWB(ultra wideband)通信部、Ant+通信部などを含むが、これに制限されることはない。
【0060】
一実施形態に係る無線通信部は、セルラーネットワーク通信部、インターネット通信部、コンピュータネットワーク(例えば、LAN又はWAN)通信部などを含むが、これに制限されることはない。無線通信部は、加入者情報(例えば、国際モバイル加入者識別子(IMSI))を用いて通信ネットワーク内で電子装置400を確認及び認証できる。
【0061】
一実施形態に係る香りカートリッジ部432は、以下で
図5を参照して説明する。
【0062】
一実施形態に係る液相カートリッジ部433は、ニコチン媒質又は非ニコチン媒質を含んでもよい。液相カートリッジ部433は、実際の液相を気化させてユーザに提供してもよい。一実施形態に係る電子装置は、液相カートリッジ部433内の媒質を気化させてユーザに提供してもよい。ニコチン媒質は、ニコチンを提供できる物質(葉タバコ、ニコチンゲル、ニコチン活性炭、ニコチン含有パラフィンワックス、タバコ媒質圧縮棒など)で構成されてもよい。非ニコチン物質は、健康食として、紅参、カフェイン、タウリン、ビタミンなどで構成されてもよい。電子装置が液相カートリッジ部433内の物質を加熱させてエアロゾル化し、ユーザが吸入できるようにしてもよい。加熱方式は、誘導加熱、外部加熱、内部加熱、超音波加熱などの様々な方式が可能である。
【0063】
図5は、一実施形態に係る電子タバコ装置の発香カートリッジ及びエアロゾル生成装置を概略的に示す。
【0064】
図1~
図4を参照した説明は、
図5を参照した説明にも同一に適用され、その重複する内容は省略する。
【0065】
一実施形態に係る香りカートリッジ部500は、少なくとも1つ以上の香りカートリッジ511~513、それぞれのカートリッジに取り付けられた香り物質移動バルブ521~523、混合溶液をエアロゾル化する香りエアロゾル生成部530及び香りエアロゾル移動部540を含む。本開示において、香りカートリッジ部500は、3つの香りカートリッジ511~513で構成されたものと表現したが、香りカートリッジ数が3つに限定されるものではなく、香りカートリッジ部500は、様々な数の香りカートリッジを含んでもよい。同様に、本開示の溶液移動バルブ521~523も3つに限定されない。
【0066】
一実施形態に係る電子装置のプロセッサは、ディスプレイ装置から受信した制御信号に基づいて香りカートリッジ部を制御することができる。プロセッサは、制御信号に含まれた香りのレシピに基づいて、香りカートリッジ511~513、香り物質移動バルブ521~523、香りエアロゾル生成部530、及び香りエアロゾル移動部540の動作を制御する。香りのレシピは、香りカートリッジ511~513に含まれた香り物質の混合比率データを含む。
【0067】
一実施形態に係る香りカートリッジ511~513は、それぞれ互いに異なる香り物質を含んでもよい。例えば、第1香りカートリッジ511は、ライト(Light)系のシトラス(Citrus)香り物質を含んでもよい。第2香りカートリッジ512は、グリーン(Green)系のハーバルスパイシー(Herbal-spicy)香り物質を含んでもよい。第3香りカートリッジ513は、ヘビー(Heavy)系のトバコ(Tobacco)香り物質を含んでもよい。
【0068】
一実施形態に係る香り物質移動バルブ521~523は、プロセッサの制御に基づいて香りのレシピに対応して香りカートリッジ511~513に含まれている香り物質の移動量を調節し得る。
【0069】
一実施形態に係る香りエアロゾル生成部530は、移動した複数の香り物質をエアロゾル化してもよい。プロセッサは、ユーザが喫煙のためのパフ(puff)をすれば、香りエアロゾル生成部530に含まれた混合溶液をエアロゾル化して噴霧できるように、香りエアロゾル生成部530を制御することができる。
【0070】
一実施形態に係る香りエアロゾル移動部540は、エアロゾル化された混合香り物質を噴霧するために移動する管である。エアロゾル化された香りは、ユーザのパフに合わせて噴霧されなければならないため、プロセッサは、ユーザのパフに合わせてエアロゾル化された香りが噴霧されるように、香りエアロゾル移動部540を制御することができる。
【0071】
図6は、一実施形態に係る電子装置の動作方法を説明するためのフローチャートである。
【0072】
図6を参照すると、ステップ610~630は、
図1~
図5を参照して説明した電子装置120によって行われる。
図6に示す動作は図示された順序及び方式により行うことができるが、図示する実施形態の思想及び範囲を離脱しないながら一部の動作の順序が変更されたり、一部の動作が省略されたりしてもよい。
図6に示す多数の動作は、並列又は同時に行われてもよい。
【0073】
ステップ610において、一実施形態に係る電子装置120は、ディスプレイ装置から香りのレシピを含む制御信号を受信する。
【0074】
ステップ620において、一実施形態に係る電子装置120は、香りのレシピにより複数の香り物質を混合する。一実施形態に係る電子装置120は、ディスプレイ装置110から受信した香りカートリッジ部500に香りのレシピを含む制御信号を伝達する。香りカートリッジ511~513及び香り物質移動バルブ521~523は、制御信号により香りエアロゾル生成部530に香り物質を移動させて複数の香り物質を混合してもよい。ここで、電子装置120は、香りのレシピにより複数の香り物質の噴出量(例えば、それぞれの香りカートリッジ511~513から移動する香り物質の量)を決定してもよい。
【0075】
ステップ630において、一実施形態に係る電子装置120は、エアロゾル化された香り物質を提供する。一実施形態に係る香りエアロゾル生成部530で複数の香り物質が混合してエアロゾル化されれば、香りエアロゾルは、香りエアロゾル移動部540を介して移動して電子装置120外部に噴霧される。ここで、電子装置120は、ユーザのパフ動作に合わせて香りエアロゾルが噴霧されるように香りカートリッジ部500を制御し得る。
【0076】
実施形態に係る方法は、様々なコンピュータ手段を介して実施されるプログラム命令の形態で具現され、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録される。記録媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独又は組み合せて含む。記録媒体及びプログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計して構成されたものでもよく、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知のものであり使用可能なものであってもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例として、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD-ROM、DVDのような光記録媒体、フロプティカルディスクのような磁気-光媒体、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を保存して実行するように特別に構成されたハードウェア装置を含む。プログラム命令の例としては、コンパイラによって生成されるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを用いてコンピュータによって実行される高級言語コードを含む。
【0077】
ソフトウェアは、コンピュータプログラム(computer program)、コード(code)、命令(instruction)、又はそのいずれかの組み合わせを含んでもよく、希望のように処理適応的スーパーサンプリング装置を構成したり独立的又は結合的に(collectively)処理適応的スーパーサンプリング装置を命令したりすることができる。ソフトウェア及び/又はデータは、処理適応スーパーサンプリング装置によって解釈されるか、処理適応スーパーサンプリング装置に命令又はデータを提供するために、いずれかのタイプの機械、コンポーネント、物理適応スーパーサンプリング装置、仮想適応スーパーサンプリング装置、コンピュータ記憶媒体、又は適応スーパーサンプリング装置、又は送信される信号波に永久的に具体化することができる。ソフトウェアは、ネットワーク接続されたコンピュータシステム上に分散され、分散された方法で格納又は実行されてもよい。ソフトウェア及びデータは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納することができる。
【0078】
上述したように実施形態をたとえ限定された図面によって説明したが、当技術分野で通常の知識を有する者であれば、上記の説明に基づいて様々な技術的な修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法と異なる順に実行され、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法とは異なる形態に結合又は組み合わせられてもよく、他の構成要素又は均等物によって置き換え又は置換されたとしても適切な結果を達成することができる。
【0079】
したがって、他の具現、他の実施形態および特許請求の範囲と均等なものも後述する特許請求範囲の範囲に属する。