IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ケーティー・アンド・ジー・コーポレーションの特許一覧

<>
  • 特許-喫煙物品用シートの製造方法 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】喫煙物品用シートの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A24B 3/14 20060101AFI20241203BHJP
【FI】
A24B3/14
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023529933
(86)(22)【出願日】2022-11-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(86)【国際出願番号】 KR2022019006
(87)【国際公開番号】W WO2023128318
(87)【国際公開日】2023-07-06
【審査請求日】2023-06-19
(31)【優先権主張番号】10-2021-0192029
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キ、スン ジョン
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-529383(JP,A)
【文献】国際公開第2012/132007(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/239621(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0115609(KR,A)
【文献】特開平05-292935(JP,A)
【文献】特表平08-504598(JP,A)
【文献】特表2008-507975(JP,A)
【文献】特開平11-113552(JP,A)
【文献】特開昭56-148275(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 1/00-15/42
D21H 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙物品用シートの製造方法であって、
タバコ材料を水性溶媒に入れ、ふやかして加圧し、固体部及び液体部に分離するステップS1と、
前記液体部を除去し、前記固体部でシートを形成してから前記シートを乾燥して粉砕するステップS2と、
前記粉砕されたタバコ材料にパルプを混合してスラリーに製造するステップS3と、
前記スラリーを査出して前記シートを形成するステップS4と、
を含み、
前記シートは特定の成分が低減されたもので、前記特定の成分は、ニコチン及び硝酸塩からなる群より選択される1種以上を含む、喫煙物品用シートの製造方法。
【請求項2】
前記ステップS1は、前記タバコ材料を水性溶媒に入れ、20分から40分間50℃から90℃で加熱するステップS1-1と、
前記ステップS1-1の後に加圧して前記固体部及び前記液体部に分離するステップS1-2を含む方法で実行される、請求項1に記載の喫煙物品用シートの製造方法。
【請求項3】
前記タバコ材料は、タバコの葉、タバコの葉のピース、タバコの茎、及びタバコ粉塵からなる群より選択される1種以上を含む、請求項1に記載の喫煙物品用シートの製造方法。
【請求項4】
前記ステップS4の後に前記シートを乾燥するステップをさらに含む、請求項1に記載の喫煙物品用シートの製造方法。
【請求項5】
前記タバコ材料の粉砕は、0.03mmから0.30mmの平均粉末の大きさで粉砕する、請求項1に記載の喫煙物品用シートの製造方法。
【請求項6】
前記シートにエアロゾル生成物質を追加するステップをさらに含む、請求項1に記載の喫煙物品用シートの製造方法。
【請求項7】
前記喫煙物品用シートのニコチン含量は1.0%以下である、請求項1に記載の喫煙物品用シートの製造方法。
【請求項8】
前記喫煙物品用シートの硝酸塩含量は0.1%以下である、請求項1に記載の喫煙物品用シートの製造方法。
【請求項9】
粉砕されたタバコ材料及びパルプを備えた喫煙物品用シートであって、
前記喫煙物品用シートは特定の成分が低減されたもので、前記特定の成分は、ニコチン及び硝酸塩からなる群より選択される1種以上を含む、喫煙物品用シート。
【請求項10】
請求項9に記載の喫煙物品用シートを含む喫煙物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙物品用シートの製造方法、これによる喫煙物品用シート、及びそれを含む喫煙物品に関する。
【背景技術】
【0002】
タバコ製品の生産及び処理中に、タバコの茎、葉片、及び製造工程(すなわち、ステミング、熟成、ブレンディング、切断、乾燥、冷却、スクリーニング、成形及び包装)中に生産されるタバコ粉塵のようなタバコ副産物の茎は、その有用なタバコの内容物を再構成するためにリサイクルされることができる。このようなタバコ副産物は再構成タバコシートに製造されることができる。
【0003】
前記再構成タバコシートは、全体の葉タバコに類似な方式で切断され、巻タバコ及びその他の喫煙物品に適切なタバコ充填材として利用されたり、タバコシートそのものが使用されたりもした。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】韓国公開特許第2020-0032505号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、特定の成分が含まれていないながら、風味に優れた喫煙物品用シートの製造方法を提供することで、製紙式工程の一部を活用してタバコ材料から固体部及び液体部を分離し、前記液体部を除去してから固体部(繊維素)を用いてシートを製造することにある。
【0006】
また、本発明は、本発明に係る製造方法で製造された喫煙物品用シートを提供することにある。
【0007】
それと共に、本発明は、本発明に係る喫煙物品用シートを含む喫煙物品を提供することにある。
【0008】
しかし、本発明が解決しようとする課題は、以上で言及したものなどに制限されず、言及されない他の課題は下記の記載によって当該の分野当業者に明確に理解できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態により、喫煙物品用シートの製造方法であって、タバコ材料を水性溶媒に入れ、ふやかして加圧し、固体部及び液体部に分離するステップS1と、前記前記液体部を除去し、固体部でシートを形成してから前記シートを乾燥して粉砕するステップS2と、前記粉砕されたタバコ材料にパルプを混合してスラリーに製造するステップS3と、前記スラリーを査出してシートを形成するステップS4とを含み、
【0010】
前記特定の成分は、ニコチン及び硝酸塩からなる群より選択される1種以上を含む喫煙物品用シートの製造方法に関する。
【0011】
本発明の一実施形態により、前記ステップS1は、タバコ材料を水性溶媒に入れ、20~40分間50℃~90℃で加熱するステップS1-1と、前記加熱後に加圧して固体部及び液体部に分離するステップS1-2を含む方法で実行されることができる。
【0012】
本発明の一実施形態により、前記タバコ材料は、タバコの葉、タバコの葉のピース、タバコの茎、及びタバコ粉塵からなる群より選択される1種以上を含むことができる。
【0013】
本発明の一実施形態により、前記ステップS4の後にシートを乾燥するステップをさらに含むことができる。
【0014】
本発明の一実施形態により、前記タバコ材料の粉砕は、0.03mm~0.30mmの平均粉末の大きさで粉砕することができる。
【0015】
本発明の一実施形態により、前記シートにエアロゾル生成物質を追加するステップをさらに含むことができる。
【0016】
本発明の一実施形態により、前記喫煙物品用シートのニコチン含量は1.0%以下であってもよい。
【0017】
本発明の一実施形態により、前記喫煙物品用シートの硝酸塩含量は0.1%以下であってもよい。
【0018】
本発明の一実施形態により、本発明による製造方法で製造された喫煙物品用シートに関する。
【0019】
本発明の一実施形態により、本発明によるシートを含む喫煙物品関する。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、タバコ材料を利用した喫煙物品用シートの製造において、製紙式のタバコ葉シート工程のようにタバコ材料を固体と液体に分離した後、分離された固体にシートを製造するステップを経て、これを乾燥した後粉砕してパルプを混合したスラリーでタバコ葉シートを製造したものであって、前記シートは、特定の成分が除去されたにも関わらず風味が優秀に保持されることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る製造方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付する図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明の説明において、関連する公知機能又は構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にすると判断される場合、その詳細な説明は省略する。また、本明細書で使用される用語は、本発明の好適な実施形態を適切に表現するために使用された用語として、これはユーザ、運用者の意図、又は本発明が属する分野の慣例などによって変わり得る。従って、本用語に対する定義は、本明細書の全般にわたった内容に基づいて下されなければならないのであろう。各図面に提示されている同じ参照符号は同じ部材を示す。
【0023】
明細書の全体において、いずれかの部材が他の部材「上に」位置しているとするとき、これはいずれかの部材が他の部材に接している場合だけでなく、2つの部材間に更なる部材が存在する場合も含む。
【0024】
明細書の全体において、いずれかの部分がいずれかの構成要素を「含む」とするとき、これは他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含むことを意味する。
【0025】
以下、本発明の喫煙物品用シートの製造方法に対して実施形態及び図面を参照して具体的に説明する。しかし、本発明がこのような実施形態及び図面に制限されることはない。
【0026】
本発明は、喫煙物品用シートの製造方法であって、タバコ材料を水性溶媒に入れ、ふやかして加圧し、固体部及び液体部に分離するステップS1と、前記液体部を除去し、固体部でシートを形成してから前記シートを乾燥して粉砕するステップS2と、前記粉砕されたシートにパルプを混合してスラリーに製造するステップS3と、前記スラリーを査出してシートを形成するステップS4とを含み、前記シートは、特定の成分が低減されたことを特徴とし、前記特定の成分は、ニコチン及び硝酸塩からなる群より選択される1種以上を含む喫煙物品用シートの製造方法に関する。
【0027】
本発明において、「喫煙物品」(smoking article)とは、タバコ、タバコ派生物、膨化処理タバコ(expanded tobacco)、再生タバコ(reconstituted tobacco)、又は、タバコの代用物に基づくかに関係なく、喫煙可能な任意の製品又は喫煙体験を提供できる任意の製品を意味する。例えば、前記喫煙物品は、巻タバコ、葉巻タバコ(cigar)、小さい葉巻タバコ(cigarillo)、電子タバコ(例えば、加熱型)などのようなエアロゾルを発生させ得る喫煙可能物品を意味し、特に、非燃焼式加熱型喫煙物品に用いることができる。
【0028】
本発明の一実施形態により、前記ステップS1は、製紙式タバコ葉シートの製造方式の一部を採用したもので、前記ステップS1は、タバコ材料を水性溶媒に入れ、20~40分間50℃~90℃で加熱するステップS1-1と、前記加熱後に加圧して固体部及び液体部に分離するステップS1-2を含む方法に基づいて行われる。本発明は、上記のように固体部及び液体部に分離し、固体部だけに製造されたシートを粉砕した後、スラリー式の工程を介して喫煙物品用シートで製造したものである。
【0029】
従来における喫煙物品用タバコ葉シートは、製紙式又はスラリー式の製造工程によって製造された。製紙式製造工程は、タバコ材料を粉砕してこれを水性溶媒と混合して繊維素を含む固体部と特定成分を多量含む液体(抽出液)を分離して前記繊維を製紙式でシート形態に製造し、前記分離された抽出液を濃縮し、前記シートに濃縮された抽出液を添加して行われる。
【0030】
しかし、これとは相違に、本発明では前記濃縮された抽出液を添加するステップなしに、分離された固体部のみを用いてシートで製造してからこれを用いて喫煙物品用シートを製造した。
【0031】
すなわち、前記製造方法によって前記喫煙物品用シートは特定の成分が低減されたにもかかわらず、優れた風味を保持することができる。
【0032】
本発明の一実施形態により、前記タバコ材料は、タバコの葉、タバコの葉のピース、タバコの茎、及びタバコ粉塵からなる群より選択される1種以上であってもよい。好ましくは、タバコの葉であってもよい。
【0033】
本発明の一実施形態により、前記ステップS2の粉砕は、0.03mm~0.30mmの平均粉末の大きさで粉砕することができる。前記粉砕は、ハンマーミル(hammer mill)、カッターヘッド(cutter head)、エアーコントロールミル(air control mill)などのような装備を用いて実行されてもよい。前記粉砕されるタバコ材料は、水分含量が約15重量%未満から約5重量%未満であるとき粉砕されてもよい。
【0034】
本発明の一実施形態により、前記ステップS3において、前記粉砕されたシートに水を添加して叩解及び解離し、パルプを混合してスラリーを製造する。
【0035】
本発明の一実施形態により、前記ステップS4では、前記ステップS1で分離された液体部を濃縮した濃縮溶液の添加などの過程を除外し、スラリーをそのままシートに製造する。
【0036】
前記シートは、スラリーを査出して製造するが、シートの形態に製造できる方式であれば、前記査出方式に制限されずに行われることができる。
【0037】
本発明の一実施形態により、前記ステップS4の後にシートを乾燥するステップをさらに含んでもよい。前記スラリーから製造されたシートの水分含量を50重量%未満に減少させる。乾燥の後に保湿剤を添加してもよく、このとき保湿剤の含量は5重量%超過40重量%未満であってもよい。
【0038】
本発明の一実施形態により、前記シートにエアロゾル生成物質を追加するステップをさらに含んでもよい。例えば、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、及びオレイルアルコールのうち少なくとも1つを含んでもよい。エアロゾル生成物質は、燃焼方式又は加熱方式によって加熱されてエアロゾルを発生させることができる。
【0039】
本発明の一実施形態により、前記製造方法によって製造されたシートは、ニコチン含量は1.0%以下であり、硝酸塩の含量は0.1%以下であってもよい。
【0040】
また、本発明は前記製造方法により製造された喫煙物品用シートを提供し、前記シートを含む喫煙物品を提供することができる。
【0041】
本発明の一実施形態により、前記喫煙物品は冷却部及びフィルタ部を含み、本発明に係る喫煙物品用シートを適用した喫煙物質部から構成されることができる。前記喫煙物品は、長手方向に喫煙物質部、冷却部、及びフィルタ部が長手方向に整列されるが、前記順序は自由に変更できる。
【0042】
例えば、前記喫煙物質部の長さは概略15mm~35mmであってもよい。前記喫煙物質部は前記喫煙物品用シートの他に、他のタバコ物質を含んでもよい。前記他のタバコ物質は、タバコの葉、タバコの側脈、膨化タバコ、切断された刻草などであってもよく、前記喫煙物質部は、熱伝導性ラッパー及び巻紙などによって包まれて配置されてもよい。熱伝導性ラッパーは、アルミニウム(Al)、金(Au)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、伝導性炭素(C)、黒鉛(graphite)、軟鋼(mild steel)、ステンレス鋼(stainless steel)、銅(Cu)、又は、青銅(bronze)で形成することができる。熱伝導性ラッパーは、数μmから数百μmの厚さを有してもよいが、必ずこれに制限されることはない。熱伝導性ラッパーは、加熱手段によって発生する熱を前記喫煙物質部に均一に伝達することができる。
【0043】
例えば、前記冷却部は、喫煙物質部で発生したエアロゾルにより形成された気流を冷却させ、高分子物質又は生分解性高分子物質に製造され、冷却機能を有することができる。例えば、ポリ乳酸(PLA)繊維で製作されてもよいが、これに限定されない。又は、複数の穴が開いているセルロースアセテートフィルタで製作されてもよい。しかし、前記冷却部は上述の例に限らず、エアロゾルが冷却される機能を行う物質であれば制限されない。例えば、前記冷却部は、中空を含んでいるチューブフィルタ又は紙管フィルタであってもよい。
【0044】
例えば、前記フィルタ部はモノフィルタ、二重フィルタ、又は三重フィルタであってもよい。また、前記フィルタ部は、多孔性マトリックス構造、チューブ構造及び紙管構造(paper tube)のうち少なくとも1つ以上のフィルタを含んでもよい。前記フィルタ部は、5mm~20mm又は10mm~15mmの長さの範囲内に選択される。
【0045】
前記フィルタは、本発明の技術分野で知られたフィルタートウから構成され、例えば、高分子、紙、アセチルセルロース、活性炭及び炭素のうち少なくとも1つを含む繊維上、フィラメント上又はこの2つを含むフィルタートウを含むことができるが、これに制限されることはない。
【0046】
これに加えて、フィルタ物質を包む、口に接触するティッピングペーパーなどがさらに含まれてもよい。前記ティッピングペーパーは1つ以上の穿孔が形成されていてもよい。
【0047】
前記フィルタ部は香味が発生するように製造されてもよい。一例として、フィルタ物質に芳香液が噴射されてもよく、芳香液の塗布された別途の繊維がフィルタ部の内部に挿入されてもよい。
【0048】
前記冷却部及びフィルタ部ではエアロゾル改質剤を含んでもよい。例えば、本発明に係る喫煙物品の冷却部、フィルタ部、及びティッピングペーパーのうちの1つ以上は1つ以上のエアロゾル改質剤を含んでもよい。適切なエアロゾル改質剤はこれに限定されないが、香味剤、物体感覚剤(chemesthetic agent)を含むことができる。前記香味剤は、使用の際に喫煙物品のタバコ物質及びエアロゾル発生物質によって発生したエアロゾルに味(taste)又は香り(aroma)のうちの1つ又は全てを付与する任意の物質を説明するために使用される。
【0049】
また、前記巻タバコ紙は、木、亜麻、又はその他の物質から得られるセルロース繊維から構成され、媒質部を包んだり、媒質部を含んで喫煙物品を全体的に包んだり、フィルタ部を除いた部分を包んでもよい。前記巻タバコ紙の基材紙(base paper)の厚さは、約30μm~約100μmであってもよく、基材紙の秤量は約15g/m~約80g/mであってもよい。
【0050】
本発明に係る喫煙物品は、下流に香味剤でありながら物体感覚剤である1つ以上のエアロゾル改質剤を含んでもよい。例えば、本発明に係る喫煙物品の冷却部及びフィルタ部のうちの1つ以上は、冷却物体感覚の効果を提供するメントール又は他の香味剤を含んでもよい。
【0051】
前記喫煙物品の直径は4mm~10mmであり、周縁は14mm~29mmであってもよい。また、長さは45mm~100mmであってもよい。
【0052】
以下、添付の図面を参照して実施形態について詳細に説明する。しかし、実施例には様々な変更が加えられ、特許出願の権利範囲がこれらの実施形態によって制限されたり限定されたりすることはない。実施形態に対する全ての変更、均等物又は代替物が権利範囲に含まれているものと理解されなければならない。
【0053】
実施形態で使用した用語は、単に説明の目的に使用されたもので、限定しようとする意図として解釈されることはない。単数の表現は文脈上に明白に異なるように意味しない限り複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はその組み合わせが存在することを示し、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はその組み合わせなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。
【0054】
異なるように定義さがれない限り技術的又は科学的な用語を含み、ここで用いる全ての用語は、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる予め定義された用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈されなければならず、本明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されることはない。
【0055】
また、図面を参照して説明する際に、図面符号に関係なく同じ構成要素には同じ参照符号を付与し、これに対する重複説明は省略する。本実施形態の説明において、関連する公知技術に対する具体的な説明が実施形態の要旨を不要に曖昧にすると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【実施例
【0056】
<実施形態1>
タバコ材料を約70℃の温度を有する水性溶媒に入れ、約30分間ふやかして圧搾させ、固体(繊維素)と液体(抽出液)に分離した。分離された固体をシートで形成して乾燥した後、細かく切った。前記切られた原料を粉砕し、粉砕された原料を水に入れてパルプ化しスラリーを製造した。前記スラリーを査出してシートの形態に製造した後乾燥して喫煙物品用シートを完成した。
【0057】
<比較例1>
黄色種タバコ
<比較例2>
スラリー式で製造されたタバコ葉シート
<比較例3>
製紙式で製造されたタバコ葉シート
<成分確認>
【0058】
製造されたシートを対象に、クロマトグラフィーを用いて含量を分析した。分析した結果を下記の表1に示した。また、比較例1、2、3、実施形態1は同じ刻草を用いて製造した。
【表1】
【0059】
表1の結果から、本発明の方法で製造されたタバコ葉シートは、比較例に比べてニコチン、硝酸塩の含量が極めて減少したことが確認される。
<風味の確認>
【0060】
製造されたシートとして、冷却要素及びフィルタ部を含む非燃焼式喫煙物品を製造した。
【0061】
20人のパネルを介して、前記の実施形態1及び比較例1~3で製造されたタバコの味を評価し下記の表2に示した。
【表2】
【0062】
表2の結果から、特定の成分が低減された実施形態1の喫煙物品と刻草を含む比較例1の喫煙物品の豊富な煙量(abundant smoking amount)においてほとんど差がないと示された。また、比較例2、3ともタバコ味において類似の結果を見せた。
【0063】
比較例1に比べてタバコ味強度は足りないが、異臭味及び刺激性の面では著しく優れた結果が確認された。
【0064】
従って、実施形態1の喫煙物品は、特定の成分が低減されたとしても全般的なタバコの味において既存の喫煙物品に類似かつ優れた結果を示すことが確認された。
【0065】
上述したように実施形態がたとえ限定された実施形態と図面に基づいて説明されたが、当技術分野で通常の知識を有する者であれば前記の記載から様々な修正及び変形が可能である。例えば、説明された技術が説明された方法とは異なる順に実行されたり、及び/又は説明された構成要素が説明された方法とは異なる形態に結合又は組み合わせられたり、他の構成要素又は均等物によって代替、置換されても適切な結果を達成することができる。従って、本発明の範囲は、開示された実施形態に限定されて定められるものではなく、特許請求の範囲及び特許請求の範囲と均等なものなどによって定められるものである。
図1