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▶ シヤチハタ株式会社の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】画像検査方法および画像検査装置
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20241203BHJP
   G01N 21/88 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
G06T7/00 610C
G01N21/88 J
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020068346
(22)【出願日】2020-04-06
(65)【公開番号】P2021165890
(43)【公開日】2021-10-14
【審査請求日】2023-04-04
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390017891
【氏名又は名称】シヤチハタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】登 真良
(72)【発明者】
【氏名】松岡 正弘
(72)【発明者】
【氏名】牧野 智成
【審査官】▲広▼島 明芳
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-088247(JP,A)
【文献】特開2003-044791(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00 - 7/90
G01N 21/88
G06V 10/00 - 20/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一のカメラを備えた撮像装置と接続されたコンピュータデバイスであって、
前記撮像装置から、少なくともパターン配列を含む第1の画像を受信し、前記第1の画像は、撮影対象を前記単一のカメラによって撮影することに基づいて生成され、
前記第1の画像から、前記パターン配列についての第1の輝度値の集合を算出し、
前記第1の画像を生成した前記撮像装置から、少なくともパターン配列を含む第2の画像を受信し、前記第2の画像は、前記撮影対象と同一の撮影対象を前記単一のカメラによって撮影することに基づいて生成され、
前記第2の画像から、前記パターン配列についての第2の輝度値の集合を算出し、
前記第1の輝度値の集合と前記第2の輝度値の集合と間の差分値の集合を算出し、
前記差分値の集合と予め定められた閾値とを比較することによって、前記第1の画像と前記第2の画像との間の不一致を検出する、
ことを特徴とするコンピュータデバイス。
【請求項2】
前記第1の画像から、前記パターン配列内のそれぞれのパターン内の予め定められた第1のパターン内領域についての輝度値を算出することによって、前記第1の輝度値の集合を算出し、
前記第2の画像から、前記パターン配列内のそれぞれのパターン内の予め定められた第2のパターン内領域についての輝度値を算出することによって、前記第2の輝度値の集合を算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータデバイス。
【請求項3】
前記第1のパターン内領域は、複数の画素を含み、前記第1のパターン内領域内の前記画素ごとの輝度値を算出し、前記算出した輝度値の平均を算出することによって、前記第1の輝度値の集合を算出し、
前記第2のパターン内領域は、複数の画素を含み、前記第2のパターン内領域内の前記画素ごとの輝度値を算出し、前記算出した輝度値の平均を算出することによって、前記第2の輝度値の集合を算出する、
ことを特徴とする請求項2に記載のコンピュータデバイス。
【請求項4】
前記第1の画像から、前記パターン配列内の隣接するパターン間の予め定められた第1のパターン間領域についての輝度値を算出することによって、前記第1の輝度値の集合を算出し、
前記第2の画像から、前記パターン配列内の隣接するパターン間の予め定められた第2のパターン間領域についての輝度値を算出することによって、前記第2の輝度値の集合を算出する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコンピュータデバイス。
【請求項5】
前記第1のパターン間領域は、複数の画素を含み、前記第1のパターン間領域内の前記画素ごとの輝度値を算出し、前記算出した輝度値の平均を算出することによって、前記第1の輝度値の集合を算出し、
前記第2のパターン間領域は、複数の画素を含み、前記第2のパターン間領域内の前記画素ごとの輝度値を算出し、前記算出した輝度値の平均を算出することによって、前記第2の輝度値の集合を算出する、
ことを特徴とする請求項4に記載のコンピュータデバイス。
【請求項6】
単一のカメラを備えた撮像装置と接続されたコンピュータデバイスによって実行される方法であって、
前記撮像装置から、少なくともパターン配列を含む第1の画像を受信するステップであって、前記第1の画像は、撮影対象を前記単一のカメラによって撮影することに基づいて生成される、ステップと、
前記第1の画像から、前記パターン配列についての第1の輝度値の集合を算出するステップと、
前記第1の画像を生成した前記撮像装置から、少なくともパターン配列を含む第2の画像を受信するステップであって、前記第2の画像は、前記撮影対象と同一の撮影対象を前記単一のカメラによって撮影することに基づいて生成される、ステップと、
前記第2の画像から、前記パターン配列についての第2の輝度値の集合を算出するステップと、
前記第1の輝度値の集合と前記第2の輝度値の集合と間の差分値の集合を算出するステップと、
前記差分値の集合と予め定められた閾値とを比較することによって、前記第1の画像と前記第2の画像との間の不一致を検出するステップと、
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項7】
コンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラムであって、前記コンピュータ実行可能命令は、コンピュータデバイスによって実行されるとき、前記コンピュータデバイスに、請求項6に記載の方法を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像検査方法および画像検査装置に関する。特に、本開示は、2つの画像を比較する際に撮影条件における差異から生じる不一致を検出する画像検査方法および画像検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、食品や薬品などの物品を消費者に安全に提供するために、それらの製造工程で個々の物品を管理する必要がある。個々の物品を管理するために、製造工程において物品を個々に識別する必要がある。通常、物品を識別するために、識別番号が物品またはその包装容器に付される。しかしながら、物品を一定の数量の単位で包装した容器に識別番号が付されても、その個々の物品に識別番号が付されないこともある。
【0003】
例えば、使用方法によっては人間に有害となり得る薬品は、外部に持ち出されないよう個々の錠剤の単位で厳格に管理される必要があることもある。市販されている薬品は、複数の錠剤を包装容器に格納した形式で販売されることが多い。包装容器に格納された複数の錠剤はそれぞれ、同一のデザインのラベルが付されたPTP(press through pack)を使用して包装され、それぞれの包装ラベルに識別番号が付されるわけではない。
【0004】
近年、個々の物品を識別するために、物品の表面および/または包装ラベルの微細な色の濃淡(例えば、包装ラベルの印刷ムラやかすれなど)などを高精度に見分けることによって物品を識別する技術が開発されている。上述した識別技術は、同一のデザインの包装ラベルであっても人間の目では区別することができない特定の領域における差異を把握し、個々の物品を識別することができる。
【0005】
実際の製造工程において物品(上記薬品の錠剤)を個々に識別するために、カメラなどの撮像装置を使用して錠剤を個々に撮影することによって得られる基準画像を予め生成する必要がある。個々の錠剤を識別する際には、錠剤を個々に撮影することによって得られる比較画像を生成し、比較画像と基準画像とを比較し、両者が一致するかを判定することによって個々の錠剤を識別する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2016-018340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した識別技術では、基準画像および比較画像の両者の画素単位で輝度値を算出し、算出した輝度値が一定の範囲内にあるか否かを判定することによって、両者が一致すると判断する。複数の錠剤のそれぞれが同一のデザインの包装ラベルによって包装されるケースでは、包装ラベルの色の濃淡など(人間の目では区別することができない)から輝度値が算出される。よって、比較画像を生成するために錠剤を撮影するとき、および基準画像を生成するために錠剤を撮影するときの双方において、撮像装置の位置および/または傾きなどが一致していないと、算出する輝度値も異なり、結果として、同一の錠剤でも一致しないと判断されることがある。
【0008】
特許文献1は、物体を撮像した画像を取得し、画像のエッジを抽出し、抽出したエッジを含む所定領域内における画素の輝度差に基づいて、エッジのボケ量を算出する技術を開示している。特許文献1に開示された技術によれば、基準画像を生成するために錠剤を撮影するときと比較して、比較画像を生成するために錠剤を撮影するときにおいて、撮像装置の傾きなどが発生していることを検出することができる。
【0009】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、生成された画像にエッジ部分のボケを検出することができるが、それ以外の部分のボケを検出するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施形態に係るコンピュータデバイスは、撮像装置と接続されたコンピュータデバイスであって、撮像装置から、少なくともパターン配列を含む第1の画像を受信し、第1の画像は、撮影対象を撮影することによって生成され、第1の画像から、パターン配列についての第1の輝度値の集合を算出し、撮像装置から、少なくともパターン配列を含む第2の画像を受信し、第2の画像は、撮影対象と同一の撮影対象を撮影することによって生成され、第2の画像から、パターン配列についての第2の輝度値の集合を算出し、第1の輝度値の集合と第2の輝度値の集合と間の差分値の集合を算出し、差分値の集合と予め定められた閾値とを比較することによって、第1の画像と第2の画像との間の不一致を検出する。
【0011】
また、別の実施形態に係るコンピュータデバイスによって実行される方法は、撮像装置と接続されたコンピュータデバイスであって、撮像装置から、少なくともパターン配列を含む第1の画像を受信し、第1の画像は、撮影対象を撮影することによって生成され、第1の画像から、パターン配列についての第1の座標位置を算出し、撮像装置から、少なくともパターン配列を含む第2の画像を受信し、第2の画像は、撮影対象と同一の撮影対象を撮影することによって生成され、第1の画像から、パターン配列についての第2の座標位置を算出し、第1の座標位置と第2の座標位置と間の差分値を算出し、差分値と予め定められた閾値とを比較することによって、第1の画像と第2の画像との間の不一致を検出する。
【発明の効果】
【0012】
実施形態に係る画像検査システムによれば、2つの画像の不一致を検出することができ、ひいては、撮影条件における差異から生じる不一致を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】画像検査システムの構成の例を示すブロック図である。
図2】パターンシートの例を示すブロック図である。
図3】基準画像分析処理の例を示すフローチャートである。
図4】ドット内領域の例を示す図である。
図5】ドット間領域の例を示す図である。
図6】ドット行およびドット列の近似直線の例を示す図である。
図7】パターンシートを使用して撮影対象を撮影する状態の例を示す図である。
図8】比較画像分析処理の例を示すフローチャートである。
図9】(a)は、基準画像におけるパターン配列の例を示す図であり、(b)は、比較画像におけるパターン配列の例を示す図である。
図10】ドット列を比較した状態の例を示す図である。
図11】(a)は、基準画像におけるパターン配列の例を示す図であり、(b)は、比較画像におけるパターン配列の例を示す図である。
図12】(a)は、基準画像における隣接するドット間のドット間領域の例を示す図であり、(b)は、比較画像における隣接するドット間のドット間領域の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付した図面を参照して、一実施形態に係る画像検査システムを詳細に説明する。画像検査システムは、例えば、物体を撮影することによって生成される2つの画像に基づいて物体を識別する工程において、撮影条件における差異から生じる2つの画像の不一致を検出する。以下、本実施形態では、撮影されることになる任意の物体を「撮影対象」と称する。
【0015】
例えば、薬品の錠剤の製造工程において、錠剤を個々に識別するために、各々の錠剤の事前に生成した画像(基準画像(第1の画像))と実際の製造工程において生成した画像(比較画像(第2の画像))とが比較される。同一の撮影対象(錠剤)を撮影することによって生成された2つの画像が一致するために、撮像装置は、2つの画像を生成する際に撮影対象内で同一の相対位置にある領域を撮影する必要がある。
【0016】
また、撮像装置は、2つの画像を生成する際に撮影対象に対して同一の位置および傾きで撮影する必要がある。上述した条件を満たさないと、同一の撮影対象を撮影することによって生成された2つの画像が一致しない場合がある。さらに、上述した条件を満たして撮影しても、2つの画像を生成する際に撮影する場所の明度が異なることなどに起因して、やはり同一の撮影対象を撮影することによって生成された2つの画像が一致しない場合がある。
【0017】
画像検査システムは、例えば、薬品の製造工程の前段階で上述した不一致を検出し、そのことから撮影条件における差異を検出する。2つの画像内の不一致は、画像内のパターン配列における輝度値などに基づいて検出される。
【0018】
撮影条件における差異は、同一の撮影対象を撮影することによって生成された2つの画像が異なる要因となる。撮影条件における差異は、上述したように、2つの画像(基準画像および比較画像)を生成する際の撮影対象を撮影するときにおける、撮影領域の位置における差異、撮像装置の位置および/または傾きなどにおける差異、ならびに撮影する場所の明度における差異などを含む。
【0019】
まず、図1を参照して、画像検査システム100の構成を説明する。図1に示される画像検査システム100は、コンピュータデバイス1、撮像装置2、入力装置3、および出力装置4を含む。コンピュータデバイス1は、撮像装置2、入力装置3、および出力装置4にそれぞれ接続される。
【0020】
コンピュータデバイス1は、プロセッサ、メモリ、記憶装置、および入出力装置を少なくとも含む情報処理装置である。コンピュータデバイス1は、パーソナルコンピュータなどの汎用コンピュータであってもよい。プロセッサは、記憶装置に記憶されたプログラムをメモリに読み出し、当該プログラムを実行する。プログラムは、本実施形態に係る画像検査方法を実装したコンピュータ可読命令を含むコンピュータプログラムである。入出力装置は、後述する撮像装置2、入力装置3、および出力装置4との間でデータを入出力する。
【0021】
撮像装置2は、1つまたは複数のCCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサなどを含む、撮影対象を撮影するためのカメラである。撮像装置2は、コンピュータデバイス1と結合され、撮影対象を撮影することによって生成された画像をコンピュータデバイス1に送信する。撮像装置2は、高画素の画像を生成するために、より多くのイメージセンサが配列されることが望ましい。また、撮像装置2は、図示しないLEDのアレイを含む。LEDのアレイは、物体に光を照射する。より多くのLEDが均等に配列されたアレイを撮像装置2に設けることによって、物体の全体に光が照射され、より鮮明な画像を生成することができる。
【0022】
入力装置3は、ユーザがコンピュータデバイス1と対話する際にユーザが情報を入力することを支援する。入力装置3は、マウスおよびキーボードなどによって実装される。出力装置4も同様に、ユーザがコンピュータデバイス1と対話する際にユーザに情報を出力することを支援する。出力装置4は、ディスプレイスクリーンなどによって実装される。
【0023】
本実施形態では、コンピュータデバイス1と撮像装置2とは、直接結合される例を示すが、そのような例に限定されない。コンピュータデバイス1と撮像装置2とは、ネットワークを通じて接続されてもよい。
【0024】
なお、図示しないが、画像検査システム100は、撮像装置2を支持するための支持部材(ホルダ)を含んでもよい。支持部材は、撮像装置2の焦点が撮影対象に合うように撮像装置2を支持する。また、画像検査システム100は、撮影対象を固定するための治具を含んでもよい。治具は、撮像装置2の焦点が撮影対象内の特定の領域に合うように撮影対象を固定する。
【0025】
また、撮像装置2は、加速度センサおよびジャイロセンサを含んでもよい。加速度センサおよびジャイロセンサは、撮像装置2が傾いたときの角速度を検出し、角速度信号としてコンピュータデバイス1に送信する。
【0026】
さらに、画像検査システム100は、明度センサを含んでもよい。明度センサは、撮像装置2が撮影対象を撮影する環境内の任意の位置に設置される。明度センサは、環境における明度を検出し、明度信号としてコンピュータデバイス1に送信する。
【0027】
次に、図2を参照して、パターンシートPSの例を説明する。パターンシートPSは、2つの画像間の不一致を検出するために、撮像装置2によって撮影される。パターンシートPSは、パターン配列PAを含む。パターン配列PAは、等間隔に形成されたドットの集合を含む。パターン配列PA内のドットは、撮影条件における差異を検出する精度を高めるために、密に配列されることが望ましい。本実施形態では、ドットは、1mmの単位で等間隔に配列されるものとする。
【0028】
なお、本実施形態では、パターン配列PAはドットの集合に相当するが、ドット以外の任意の形状のパターンの集合であってもよい。例えば、パターン配列PAは、四角形、三角形、またはひし形など、任意の形状を有するパターンの集合であってもよい。
【0029】
撮像装置2は、パターンシートPSを撮影することによって基準画像および比較画像を生成する。例えば、画像検査システム100が物品の製造工程に適用される場合(個々の物品を識別する)、画像検査システム100は、パターンシートPSを撮影することによって事前に基準画像を生成する。そして、画像検査システム100は、実際の製造工程の前段階で、基準画像を生成したときと同一のパターンシートPSを撮影することによって比較画像を生成する。同一のパターンシートPSを撮影することによって生成された2つの画像についての輝度値などを比較することによって、2つの画像間の不一致を検出する。詳細については後述する。
【0030】
次に、図3に示すフローチャートを参照して、画像検査システム100が実行する基準画像分析処理の例を説明する。基準画像分析処理では、撮像装置2がパターンシートPSの特定の領域を撮影することによって基準画像が生成される。パターンシートPSの特定の領域は、少なくともパターン配列PAを含む領域に相当する。以下、この特定の領域を撮影領域IAと称する。また、パターンシートPSは、撮影対象Oに相当する。
【0031】
まず、撮像装置2は、撮影対象O(パターンシートPS)の撮影領域IAを撮影する(ステップ301)。本実施形態では、図2に示したパターン配列PAの全領域が撮影領域IAに相当する。
【0032】
次に、撮像装置2は、撮影領域IAに対応する画像を生成する(ステップ302)。この画像は、後述する比較画像と比較される基準画像RIとしての役割を果たす。基準画像RIが生成されると、撮像装置2はコンピュータデバイス1に基準画像RIを送信し、コンピュータデバイス1の制御装置が入出力装置を介して基準画像RIを受信する。
【0033】
次に、コンピュータデバイス1の制御装置は、基準画像RIを記憶装置に記憶する(ステップ303)。次に、制御装置は、基準画像RIを読み出し、パターン配列PA内の個々のドットを識別する(ステップ304)。ドットは、例えば、基準画像RIを二値化処理し、二値化された画像をラベリングすることによって識別されてもよい。この処理によって、パターン配列PA内の全てのドットの円形部分が認識される。つまり、ドットの外枠部分に対応する画素の座標位置の集合が算出される。
【0034】
次に、制御装置は、識別したそれぞれのドットの中心座標を算出する(ステップS75)。中心座標は、例えば、ステップ304において識別したドットの外枠部分の座標位置からドットの直径を算出し、その直径の中心座標を算出することによって導出される。
【0035】
次に、制御装置は、ステップ305において算出した中心座標から、ドット内で予め定められた範囲内の領域を算出する(ステップ306)。本実施形態では、この領域は、中心座標を中心とした予め定められた大きさを有する正方形の領域に相当する。この領域を、「ドット内領域(パターン内領域)DAintra」と称する。この処理によって、ドット内領域DAintraに対応する画素の座標位置の集合が算出される。
【0036】
図4は、ドット内領域DAintraの例を示す。図4に示すように、ドット内領域DAintraは、ドットDにおいて中心座標(ドット内中心座標(パターン内中心座標)CCintra)を中心とした予め定められた大きさを有する正方形の領域に相当する。本実施形態では、ドット内領域DAintraは、正方形に相当するが、正方形以外の任意の形状であってもよい。
【0037】
次に、制御装置は、ドット内領域DAintra内の全ての画素についての輝度値を算出し、その平均(ドット内平均輝度値(パターン内平均輝度値))を算出する(ステップ307)。輝度値は、式(1)に従って、各々の画素RGB値を加重平均することによって算出される。式(1)において使用される係数(Rに対する0.298912、Gに対する0.586611、およびBに対する0.114478)は、人間の眼がそのように見えるという経験則から導出されている。
輝度値=0.298912×R+0.586611×G+0.114478×B (1)
【0038】
次に、制御装置は、ステップ304において識別した座標およびステップ305において算出した中心座標から、隣接するドット間の予め定められた範囲内の領域を算出する(ステップ308)。本実施形態では、この領域は、隣接する2つのドットのそれぞれの中心座標間のドット間中心座標(パターン間中心座標)を算出し、ドット間中心座標を中心とした予め定められた大きさを有する正方形の領域に相当する。この領域を、「ドット間領域(パターン間領域)DAinter」と称する。この処理によって、ドット間領域DAinterに対応する画素の座標位置の集合が算出される。
【0039】
図5は、ドット間領域DAinterの例を示す。図5に示すように、ドット間領域DAinterは、隣接するドット(ドットD1およびドットD2)のドット内中心座標(ドット内中心座標CCintra1およびドット内中心座標CCintra2)の間の中心座標(ドット間中心座標CCinter)を中心とした予め定められた大きさを有する正方形の領域に相当する。本実施形態では、ドット間領域DAinterは、正方形に相当するが、正方形以外の任意の形状であってもよい。
【0040】
次に、制御装置は、ドット間領域DAinter内の全ての画素についての輝度値を算出し、その平均(ドット間平均輝度値(パターン間平均輝度値))を算出する(ステップ309)。輝度値は、上述した式(1)に従って算出される。
【0041】
次に、制御装置は、ステップ304において認識した、基準画像RIにおけるパターン配列PA内の全てのドットに対し、ステップ305乃至ステップ307の処理を繰り返す(ステップ310)。この処理によって、パターン配列PA内の全てのドットについてのドット内平均輝度値の集合が算出される。算出したドット内平均輝度値はそれぞれ、パターン配列PA内の各々のドットを示す値(例えば、ドット識別番号(パターン識別番号))と関連付けて記憶装置に記憶される。
【0042】
また、制御装置は、ステップ304において認識した、基準画像RIにおけるパターン配列PA内の全ての隣接するドットに対し、ステップ308およびステップ309の処理を繰り返す(ステップ311)。この処理によって、パターン配列PA内の全ての隣接するドットについてのドット間平均輝度値の集合が算出される。算出したドット間平均輝度値はそれぞれ、パターン配列PA内の各々のドット間の集合を示す値(例えば、ドット間集合識別番号(パターン間集合識別番号))と関連付けて記憶装置に記憶される。
【0043】
さらに、制御装置は、パターン配列PA内のX座標におけるドットの集合(ドット行(パターン行))を識別し、ドット行内の各々のドットの中心座標を結んだ近似直線を算出する(ステップ312)。図6は、特定のドット行についての近似直線の例を示す。
【0044】
上述したように、パターン配列PAでは、ドットが均等に配置されている。よって、図6に示すように、パターン配列PA内のドット行では、ドットが矢印Xの方向に直線を描くように配列されることになる。この直線が近似直線に相当する。
【0045】
この処理を、パターン配列PA内の全ての行に対して繰り返す。この処理によって、パターン配列PA内の全てのドット行についての近似直線の集合が算出される。算出した近似直線は、パターン配列PA内の各々のドット行を示す値(例えば、ドット行識別番号(パターン行識別番号))と関連付けて記憶装置に記憶される。
【0046】
同様に、制御装置は、パターン配列PA内のY座標におけるドットの集合(ドット列(パターン列))を識別し、ドット行内の各々のドットの中心座標を結んだ近似直線を算出する(ステップ313)。図6は、特定のドット列についての近似直線の例を示す。
【0047】
上述したように、パターン配列PAでは、ドットが均等に配置されている。よって、図6に示すように、パターン配列PA内のドット列では、ドットが矢印Yの方向に直線を描くように配列されることになる。この直線が近似直線に相当する。
【0048】
この処理を、パターン配列PA内の全ての列に対して繰り返す。この処理によって、パターン配列PA内の全てのドット列についての近似直線の集合が算出される。算出した近似直線は、パターン配列PA内の各々のドット列を示す値(例えば、ドット列識別番号(パターン列識別番号))と関連付けて記憶装置に記憶される。
【0049】
上記説明した基準画像分析処理によって、基準画像RIにおけるパターン配列PAの全てのドットについてのドット内平均輝度値、ドット間平均輝度値、および近似直線がコンピュータデバイス1の記憶装置に記憶される。後述する比較画像分析処理では、比較画像に対しても同様に、配列PA内の全てドットについてのドット内平均輝度値、ドット間平均輝度値、および近似直線が算出される。そして、比較画像についてのドット内平均輝度値、ドット間平均輝度値、および近似直線が、基準画像についてのドット内平均輝度値、ドット間平均輝度値、および近似直線と比較される。
【0050】
なお、基準画像分析処理では、撮像装置2がパターンシートPSを撮影対象Oとして撮影する例を示したが、そのような例に限定されない。例えば、パターンシートPSは、撮影対象O(薬品の錠剤など)とは別個に存在し、撮影対象Oと重なって撮影されてもよい。後述する比較画像分析処理においても同様である。この場合、パターンシートPSは、透明上のシートによって構成される。
【0051】
図7は、パターンシートPSを使用して撮影対象Oを撮影する状態の例を示す。図7に示すように、パターンシートPSは、撮像装置2と撮影対象Oとの間に配置される。撮像装置2から照射される光Lは、パターンシートPSを通過して撮影対象Oに到達する。このようにして撮影対象Oを撮影することによって生成される画像(基準画像および比較画像)は、例えば、撮影対象Oが薬品の錠剤(包装ラベル)である場合、パターン配列PAおよび包装ラベルを含むことになる。
【0052】
また、パターンシートPSを使用する代わりに、撮影対象Oに予めパターン配列が形成されてもよい。この場合、撮影対象Oが薬品の錠剤(包装ラベル)である場合、包装シートにパターン配列が形成されることになる。
【0053】
次に、図8に示すフローチャートを参照して、画像検査システム100が実行する比較画像分析処理を説明する。比較画像分析処理は、例えば、薬品の製造工程の前段階で実行される。比較画像分析処理では、撮像装置2が、基準画像RIと同一のパターンシートPSの撮影領域IAを撮影することによって比較画像が生成される。
【0054】
原則として、基準画像RIの元となるパターンシートPSと同一のパターンシートPSを撮影することによって生成される比較画像は、基準画像RIと一致する。しかしながら、基準画像RIを生成するためにパターンシートPSを撮影(以下、第1の撮影)するときと、比較画像を生成するためにパターンシートPSを撮影(以下、第2の撮影)するときとの間の撮影条件における差異に起因して、両者の画像が一致しないことがある。
【0055】
図8に示す処理では、比較画像および基準画像についての輝度値などを比較することによって、両者の不一致を検出する。薬品の製造工程の前段階でこの処理を実行することによって、撮影条件における差異を検出することができる。製造工程の前段階で撮影条件における差異を検出することによって、撮像装置2を適切な位置に補正するなどの処置を行うことができる。
【0056】
まず、撮像装置2は、撮影対象O(パターンシートPS)の撮影領域IAを撮影する(ステップ801)。撮影領域IAは、図3において説明した基準画像RIにおける撮影領域IAと同一の領域に相当する。
【0057】
次に、撮像装置2は、撮影領域IAに対応する画像を生成する(ステップ802)。この画像は、基準画像RIと比較することになる比較画像CIに相当する。比較画像CIが生成されると、撮像装置2はコンピュータデバイス1に比較画像CIを送信し、コンピュータデバイス1の制御装置が入出力装置を介して基準画像RIを受信する。
【0058】
次に、コンピュータデバイス1において、比較画像CIに対してステップ803乃至ステップ813の処理が実行されるが、これらの処理は、図3において説明したステップ303乃至ステップ313の処理と同様であるので説明を省略する。つまり、コンピュータデバイス1の制御装置は、比較画像CI内のパターン配列PAの全てのドットについてのドット内平均輝度値、ドット間平均輝度値、および近似直線を算出する。
【0059】
次に、制御装置は、ステップ812において算出した特定のドット行についての近似直線を、基準画像に対して算出された、対応するドット行についての近似直線と比較し、両者の差分値を算出する。また、この差分値が予め定められた閾値内にあるかどうかを判定する(ステップ814)。2つの画像(基準画像RIおよび比較画像CI)についての近似直線の差分値は、全てのドット行に対して算出され、閾値内にあるかどうかが判定される。
【0060】
同様に、制御装置は、ステップ810において算出した特定のドット列についての近似直線を、基準画像に対して算出された、対応するドット列についての近似直線と比較し、両者の差分値を算出する。また、この差分値が予め定められた閾値内にあるかどうかを判定する(ステップ815)。2つの画像についての近似直線の差分値は、全てのドット列に対して算出され、閾値内にあるかどうかが判定される。
【0061】
図9および図10を参照して、基準画像RIにおけるドット行と比較画像CIにおけるドット行との間の近似直線における差分の例を説明する。
【0062】
図9(a)は、第1の撮影における状態、およびその結果生成された基準画像RIにおけるパターン配列PAの例を示す。パターン配列PAの矢印は、特定のドット列についての近似直線を示す。図9(a)に示すように、撮像装置2は、第1の撮影のとき、撮影対象であるパターンシートPSに対して正対して撮影している。その結果、生成された基準画像RIでは、パターン配列PAが基準画像RI内でほぼ真ん中に位置している。
【0063】
図9(b)は、第1の撮影における状態、およびその結果生成された比較画像CIにおけるパターン配列PAの例を示す。パターン配列PAの矢印は、特定のドット列についての近似直線を示す。この近似直線は、図9(a)に示した近似直線に対応する。図9(b)に示すように、撮像装置2は、第1の撮影のとき、撮影対象であるパターンシートPSに対して傾いて撮影している。その結果、生成された比較画像CIでは、比較画像RI内のパターン配列と比較して、パターン配列PAが比較画像CI内で横にずれて位置している。
【0064】
図10は、基準画像RIに対して算出された特定のドット列についての近似直線(基準画像近似直線RA)と、比較画像CIに対して算出された、対応するドット列についての近似直線(比較画像近似直線CA)とを比較した状態の例を示す。図10では、比較画像近似直線CAが横にずれて位置していることを明確に示すために、基準画像近似直線RAおよび比較画像近似直線CAを同一平面にある状態で表している。なお、両者を区別するために、基準画像RI内のドット列は黒塗りで、比較画像CI内のドット列は網掛けで表している。
【0065】
図10に示すように、基準画像近似直線RAと比較画像近似直線CAとを比較すると、両者は差分Diだけ離れている。基準画像近似直線RAが基準となるので、差分Diは、比較画像近似直線CAがDiだけ横にずれていることを意味する。この差分を示す差分値が、ステップ814およびステップ815において、全てのドット行およびドット列に対して算出される。
【0066】
なお、本実施形態では、パターン配列内のドット行およびドット列についての近似直線を比較しているが、そのような例に限定されない。例えば、基準画像RIおよび比較画像CIの双方に対し、パターン配列PA内の任意の2点を結んだ近似直線(例えば、略45度に傾いた直線)を算出し、両者を比較してもよい。
【0067】
また、例えば、基準画像RIにおけるそれぞれのドットの中心座標と比較画像CIにおけるそれぞれのドットの中心座標とを比較してもよい。この場合、計算負荷は高まるが、画像内の特定の領域のみに不一致が発生していることなどを検出することができる。つまり、ステップ814およびステップ815の処理では、基準画像RIにおけるドットと比較画像CIにおけるドットとの間の座標位置を比較する。
【0068】
ステップ814およびステップ815の処理によって、基準画像RIと比較画像CIとの間の画像の不一致を検出することができる。上述したように、この不一致は、第1の撮影のときと比較して、第2の撮影において、撮像装置2がパターンシートPSに対して傾いていることに起因している。よって、画像間の不一致を検出することによって、撮影条件における差異を判定することができる。
【0069】
図8の説明に戻ると、制御装置は、ステップ808において算出した特定のドットについてのドット間平均輝度値およびドット間平均輝度値を、基準画像に対して算出された、対応するドットについてのドット間平均輝度値およびドット間平均輝度値と比較し、両者の差分値を算出する。また、この差分値が予め定められた閾値内にあるかどうかを判定する(ステップ816)。2つの画像(基準画像RIおよび比較画像CI)についてのドット間平均輝度値およびドット間平均輝度値の差分値は、全てのドットに対して算出され、閾値内にあるかどうかが判定される。
【0070】
図11および図12を参照して、基準画像RIにおけるパターン配列PA内のドットと比較画像CIにおけるパターン配列PA内のドットとの間のドット内平均輝度値およびドット間平均輝度値における差分の例を説明する。なお、図11および図12に示す例は、図9および図10に示した例とは別の例である。
【0071】
図11(a)は、基準画像RIにおけるパターン配列PAの例を示す。図11(a)に示すように、パターン配列PA内のそれぞれのドットは、略同一のサイズを有している。
【0072】
図11(b)は、比較画像CIにおけるパターン配列PAの例を示す。図11(b)に示すように、パターン配列PA内のそれぞれのドットは、基準画像RIにおけるドットと比較して、破線で囲んだ部分におけるドットのサイズが大きい。これは、例えば、第1の撮影のときの撮像装置2とパターンシートPSとの間の距離が、第2の撮影のときの場所のその距離と異なることに起因している。
【0073】
図12(a)は、基準画像RIにおける隣接するドット間の基準画像ドット間領域DARDinterの例を示す。図12(b)は、比較画像CIにおける隣接するドット間の比較画像ドット間領域DACDinterの例を示す。
【0074】
図12に示すように、基準画像ドット間領域DARDinterは、基準画像RIにおける2つのドット(基準画像ドットRD1およびRD2)のいずれとも重なっていない。つまり、基準画像ドット間領域DARDinterでは、黒い部分が存在しない。
【0075】
一方で、比較画像ドット間領域DACDinterは、比較画像CIにおける2つのドット(比較画像ドットCD1およびCD2)のいずれとも一部で重なっている。つまり、比較画像ドット間領域DACDinterでは、黒い部分が存在する。
【0076】
よって、基準画像ドット間領域DARDinterについてのドット間平均輝度値は、比較画像ドット間領域DACDinterについてのドット間平均輝度値と一定の差分値だけ異なる。この差分値の範囲で閾値を設定することによって、両者の差分は閾値を超えることになる。
【0077】
上述したように閾値を設定することによって、基準画像ドットRD1および比較画像ドットCD1は共に中心座標が略同一であるので、両者のドット内領域DAintraについてのドット内平均輝度値の差分値は、閾値を超えない。基準画像ドットRD2および比較画像ドットCD2についても同様である。
【0078】
一方で、比較画像ドット間領域DACDinterと基準画像ドット間領域DARDinterとを比較すると、両者の平均輝度値は、差分値は閾値を超えることになる。その結果、基準画像と比較画像との間の不一致が検出されることになる。
【0079】
ステップ816の処理によって、上述したように、2つの画像のドットの中心座標が略同一であり、双方のドットのサイズが異なる場合でも、基準画像RIと比較画像CIとの間の画像の不一致を検出することができる。上述したように、この不一致は、第1の撮影のときと、第2の撮影のときとの撮像装置2とパターンシートPSとの間の距離における差異に起因している。よって、画像間の不一致を検出することによって、撮影条件における差異を判定することができる。
【0080】
なお、本実施形態では、基準画像RIおよび比較画像CIについてのパターン配列PA内の全てのドットに対し、ドット内平均輝度値およびドット間平均輝度値を比較しているが、必ずしも全てのドットに対して比較を行う必要はない。例えば、基準画像RIおよび比較画像CIの双方において所定の領域内のドットに対してのみ比較が行われてもよい。
【0081】
また、本実施形態では、基準画像RIおよび比較画像CIについてのドット行およびドット列についての近似直線、ドット内平均輝度値、ならびにドット間平均輝度値を比較しているが、それらの全てを比較する必要はない。ドット行およびドット列についての近似直線、ドット内平均輝度値、ならびにドット間平均輝度値のうちにいずれか1つまたは複数を比較してもよい。
【0082】
以上のように、実施形態に係る画像検査システムを説明した、本実施形態によれば、2つの画像内のあらゆる領域において発生している不一致を検出することができる。
【0083】
なお、上述した近似直線、ドット内平均輝度値、およびドット間平均輝度値についての差分値は、コンピュータデバイス1と結合された出力装置4に出力されてもよい。差分地を出力することによって、ユーザは、例えば、撮像装置2がどの程度傾いているかを把握することができ、そのことを考慮して、第2の撮影を再度行うことができる。
【0084】
また、第1の撮影または第2の撮影のときに、撮像装置2の傾きおよび/または撮影する場所の明度を検出し、近似直線、ドット内平均輝度値、およびドット間平均輝度値についての差分値と関連付けて、コンピュータデバイス1の記憶装置に記憶されてもよい。このようにすることによって、差分値に対応する撮像装置2の傾きを出力装置4に出力して、ユーザにフィードバックすることができる。
【0085】
上記実施形態で説明したハードウェアの構成要素は例示的なものにすぎず、その他の構成も可能であることに留意されたい。また、上記実施形態で説明した処理の順序は、必ずしも説明した順序で実行される必要がなく、任意の順序で実行されてもよい。さらに、本発明の基本的な概念から逸脱することなく、追加のステップが新たに加えられてもよい。
【0086】
また、本発明の一実施形態に係る画像検査システム100は、コンピュータデバイス1によって実行されるコンピュータプログラムによって実装されるが、当該コンピュータプログラムは、非一時的記憶媒体に記憶されてもよい。非一時的記憶媒体の例は、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリ装置、内蔵ハードディスクおよび取外可能ディスク装置などの磁気媒体、光磁気媒体、ならびにCD-ROMディスクおよびデジタル多用途ディスク(DVD)などの光学媒体などを含む。
図1
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