(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】皮膚外用剤及び内用剤
(51)【国際特許分類】
A61K 36/73 20060101AFI20241203BHJP
A61P 17/18 20060101ALI20241203BHJP
A61P 39/06 20060101ALI20241203BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20241203BHJP
A61K 8/9789 20170101ALI20241203BHJP
A61Q 19/08 20060101ALI20241203BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20241203BHJP
A61Q 1/02 20060101ALI20241203BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20241203BHJP
C12N 15/09 20060101ALN20241203BHJP
C12Q 1/686 20180101ALN20241203BHJP
【FI】
A61K36/73
A61P17/18
A61P39/06
A61P17/00
A61K8/9789
A61Q19/08
A61Q19/00
A61Q1/02
A23L33/105 ZNA
C12N15/09 Z
C12Q1/686 Z
(21)【出願番号】P 2020109853
(22)【出願日】2020-06-25
【審査請求日】2023-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】592262543
【氏名又は名称】日本メナード化粧品株式会社
(72)【発明者】
【氏名】野場 翔太
(72)【発明者】
【氏名】坂井田 勉
(72)【発明者】
【氏名】平川 真志
【審査官】西村 亜希子
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-017847(JP,A)
【文献】特表平07-500836(JP,A)
【文献】Acta Pol. Pharm.- Drug Res.,2019年,76, [3],p.523-533
【文献】ナナカマドエキス, Liruu [オンライン], 2019.12.25 [検索日2024.02.04],インターネット:<URL:https://liruu.jp/ingredients/10566>
【文献】J. Am. Acad. Dermatol.,2016年,74, [5],pAB185(Abstract.3199)
【文献】Nat. Prod. Commun.,2018年,13, [8],p.967-972
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 36/
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セイヨウナナカマドの果実の水による又はエタノール濃度が50重量%以下である含水エタノールによる抽出物を含有することを特徴とするMMP-1阻害剤。
【請求項2】
セイヨウナナカマドの果実の水、含水エタノール又はエタノールによる抽出物を含有することを特徴とするMMP-2阻害剤。
【請求項3】
セイヨウナナカマドの果実の抽出物を含有することを特徴とするコラーゲン産生促進剤(シワ改善用を除く)。
【請求項4】
セイヨウナナカマドの果実の抽出物を含有することを特徴とするヒアルロン酸産生促進剤(シワ改善用を除く)。
【請求項5】
セイヨウナナカマドの果実の95~100℃の水による抽出物を含有することを特徴とする抗酸化剤。
【請求項6】
セイヨウナナカマドの果実の水による又はエタノール濃度が50重量%以下である含水エタノールによる抽出物を含有することを特徴とするMMP-1
の亢進が原因で起こる各種疾患の予防改善用医薬品。
【請求項7】
セイヨウナナカマドの果実
の水、含水エタノール又はエタノールによる抽出物を含有することを特徴とするMMP-2
の亢進が原因で起こる各種疾患の予防改善用医薬品。
【請求項8】
セイヨウナナカマドの果実の抽出物を含有することを特徴とするコラーゲン産生低下による関節疾患及び/又はヒアルロン酸産生低下による生理的飛蚊症の予防改善用医薬品。
【請求項9】
セイヨウナナカマドの果実の95~100℃の水による抽出物を含有することを特徴とする活性酸素消去能の低下が原因で起こる各種疾患の予防改善用医薬品。
【請求項10】
セイヨウナナカマドの果実の水による又はエタノール濃度が50重量%以下である含水エタノールによる抽出物を含有することを特徴とするMMP-1
の亢進が原因で起こる各種疾患の予防改善用食品組成物。
【請求項11】
セイヨウナナカマドの果実
の水、含水エタノール又はエタノールによる抽出物を含有することを特徴とするMMP-2
の亢進が原因で起こる各種疾患の予防改善用食品組成物。
【請求項12】
セイヨウナナカマドの果実の抽出物を含有することを特徴とするコラーゲン産生低下による関節疾患及び/又はヒアルロン酸産生低下による生理的飛蚊症の予防改善用食品組成物。
【請求項13】
セイヨウナナカマドの果実の95~100℃の水による抽出物を含有することを特徴とする活性酸素消去能の低下が原因で起こる各種疾患の予防改善用食品組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MMP阻害剤、コラ-ゲン産生促進剤、シワ改善剤、ヒアルロン酸産生促進剤、抗酸化剤、美白剤、医薬品及び食品組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚は、紫外線、乾燥、寒冷、熱、薬物等の様々な物理的及び化学的ストレスに日々曝されている。その結果、皮膚の機能低下が引き起こされ、様々な皮膚の老化現象が顕在化する。皮膚の老化現象の一つにシワがある。シワには、表皮性のシワと、真皮性のシワの二種類が存在することが知られている。表皮性のシワは小ジワと呼ばれ、皮膚の乾燥により、表皮角質中の水分量が低下することによって一時的に生じるシワである。一方、真皮性のシワは、太陽光線に含まれる紫外線や加齢によって形成されるシワである。その形成メカニズムとしては、紫外線や加齢による真皮線維芽細胞におけるコラ-ゲンの合成能の低下や、マトリックスプロテア-ゼ(MMP)の増加によるコラ-ゲンの分解促進が挙げられる。
【0003】
乾燥に起因する表皮性のシワと真皮性のシワでは、組織学的形態、発症メカニズム、治療方法が異なり、紫外線や加齢により生じる真皮性のシワは、保湿効果を有する化粧品の使用によって改善することは困難である。
【0004】
これまでに、紫外線によって生じる真皮性のシワを改善することを目的として、加水分解ア-モンドを有効成分とする皮膚のシワ形成防止・改善剤(特許文献1)、ジョチョウケイ、テンキシ及びキセンソウの抽出物を有効成分とする紫外線照射に起因するシワの改善剤(特許文献2)が報告されている。
【0005】
また、真皮には線維芽細胞やコラ-ゲンが存在し、I型コラ-ゲンが全体の80%を占める。I型コラ-ゲンの他には、III、V、XII及びXIV型コラ-ゲンの存在が知られている。シワやたるみの原因の一つとして、I型コラ-ゲンの減少が挙げられる。従って、I型コラ-ゲンの産生を促進させることがシワ・たるみの予防・改善に有効であると考えられる。また、I型コラ-ゲンの産生促進は皮膚の創傷治癒の改善にも有効である。
【0006】
また、コラ-ゲンは、哺乳動物組織の約1/3を占める主要な構造タンパク質であり、軟骨、骨、腱、及び皮膚等の、多くのマトリックス組織の必須な成分である。MMPに属するコラゲナ-ゼ(MMP-1)により一箇所を切断されると、通常の組織内では安定なコラ-ゲン分子は変性して一本鎖のゼラチンとなり、他の様々なプロテア-ゼにより分解されるようになる。その結果、マトリックス組織の構造の完全性が失われてしまう。
【0007】
MMPに属するゼラチナ-ゼ(MMP-2)は、線維芽細胞や内皮細胞、癌細胞等が産生する酵素であり、コラ-ゲン、ゼラチン、エラスチン(動脈、健、皮膚等の弾性組織の特殊成分をなす構造タンパク質)等の基質を分解する。従って、ゼラチナ-ゼに対して阻害活性を有する物質は、ガン組織における血管新生やガンの転移を抑制する効果が期待され、ガン疾患の予防、治療に有用であると考えられる。さらにMMPの阻害はガン疾患のみならず、潰瘍形成、慢性関節リウマチ、骨粗鬆症、歯周炎症、MMPの亢進が原因で起こる各種疾患の予防、治療及び改善に有用である。
【0008】
コラゲナ-ゼの阻害活性を有する素材として、例えば、カカオ豆皮であるカカオハスク抽出物(特許文献3)、バラ科オニイチゴ抽出物(特許文献4)、ラクトフェリン(特許文献5)等が提案されている。皮膚老化や口腔衛生にますます関心が高まっている状況下で、副作用がなく、安全性が高い、コラゲナ-ゼ活性阻害作用の優れた素材を見出すことが求められている。
【0009】
また、線維芽細胞はコラ-ゲン等のタンパク質及びヒアルロン酸等のグリコサミノグリカンを産生して真皮結合組織を形成し、皮膚のハリを保っている。この結合組織が収縮力を失い、さらに弾力性を失う結果として皮膚のシワやたるみが発生すると考えられている。
【0010】
特にヒアルロン酸は結合組織に広く分布する高分子多糖体として知られており、真皮中でゲル状の形態を呈し、肌の弾力を維持している。従って、ヒアルロン酸の変質や減少が皮膚老化において重要であると考えられている。また、ヒアルロン酸は高分子であるため、それを含有した化粧料を皮膚に直接塗布しても吸収されにくいという問題があった。そこで、これまで、線維芽細胞を活性化することで、細胞自らのコラ-ゲンやヒアルロン酸の産生を促進させることができる皮膚外用剤が模索されてきた(特許文献6)。また、ヒアルロン酸は、関節にも存在しており、関節の荷重の衝撃を和らげたり、関節の動きを滑らかにしたりする機能を果たしていることが知られている。変形性関節炎、慢性関節リウマチ、化膿性関節炎、痛風性関節炎、外傷性関節炎及び骨関節炎等の関節疾患の場合は、関節液中のヒアルロン酸量が低下したり、加齢によって低下したりすることが知られている。このような関節疾患において、潤滑機能の改善、関節軟骨の被覆や保護、痛みの抑制及び病的関節液の改善もしくは正常化のために、関節液中のヒアルロン酸量を増加させることが有効であると考えられる。例えば、慢性関節リウマチ、外傷性関節炎、骨関節炎及び変形性関節炎の患者にヒアルロン酸ナトリウムの関節注入法を行うと上記症状の改善が認められることが知られている。しかし、これらの治療は長期にわたる。従って、日常生活の中で手軽に予防や治療などができるように、ヒアルロン酸産生促進剤を含有させた食品や医薬品が望まれている。
【0011】
飛蚊症とは、視界内に糸くずや蚊のように見える薄い影が現れる症状で、目の内部を満たす硝子体内の混濁が網膜上に影を落とすことで発生する。飛蚊症は大きく2種類に分けることができ、加齢や紫外線、活性酸素等の影響で発症する生理的飛蚊症と網膜剥離、網膜裂孔、硝子体出血、ぶどう膜炎等の疾患の一症状として現れる病的飛蚊症がある。生理的飛蚊症は、硝子体の主要成分であるヒアルロン酸の減少による液状化と、それに伴うコラ-ゲン線維の崩壊で硝子体内が混濁することで生じる。治療法として、硝子体切除手術やレ-ザ-治療があるが、これらの施術は安全性の観点から日本ではあまり行われていないという実情があり、外国で治療を行うには多額の費用が必要となる。そのため、生理的飛蚊症を予防改善するためには日常的に利用可能なヒアルロン酸産生促進剤を含有させた食品や医薬品が望まれている。
【0012】
一般に、シミ、ソバカス、日焼け等に見られる皮膚の色素沈着は、ホルモンの異常や紫外線の刺激により、皮膚内に存在するメラニン色素生成細胞がメラニン色素を過剰に生成し、これが皮膚内に沈着することが原因と考えられている。このような色素沈着を防ぐ方法の一つに、メラニンの過剰な生成を抑制する方法が知られている。従来、色素沈着の治療には、内用や外用等において、アスコルビン酸(ビタミンC)等が用いられてきた(特許文献7)。
【0013】
また、皮膚は生体の最外層に位置し、紫外線等の影響により活性酸素が発生しやすい臓器であり、絶えずその酸素ストレスに曝されている。一方、皮膚細胞内には活性酸素消去酵素が存在しており、その能力を超える活性酸素が発生しないかぎり活性酸素の傷害から皮膚細胞を防衛している。ところが、皮膚細胞内の活性酸素消去酵素の活性は加齢と共に低下することが知られており、活性酸素による傷害がその防御反応を凌駕したとき、皮膚は酸化され、細胞機能が劣化して老化が進行すると考えられる。また、皮膚以外の臓器においても、その活性酸素消去能を越える活性酸素に曝されたとき、機能低下が起こり老化したり、ガンや心筋梗塞等様々な生活習慣病が発症したりすると考えられる。そこで、活性酸素による傷害からの防御を目的として活性酸素消去剤や抗酸化剤が検討され、SODやカタラ-ゼ等の活性酸素消去酵素、SOD様活性物質等の活性酸素消去剤や抗酸化剤を含有した食品、化粧品、医薬部外品及び医薬品等が開発されている(特許文献8、9)。
【0014】
バラ目バラ科ナナカマド属のセイヨウナナカマド(学名 Sorbus aucuparia)は、その植物油や果実の発酵液が毛髪やネイルのコンディショニング剤に適用されること(特許文献10、11)が知られている。しかしながら、セイヨウナナカマドの果実が、MMP阻害作用、コラ-ゲン産生促進作用、ヒアルロン酸産生促進作用、抗酸化作用及びメラニン生成抑制作用を有することは知られていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【文献】特開2000-119125号公報
【文献】特開2006-199611号公報
【文献】特開平3-44331号公報
【文献】特開2003-137801号公報
【文献】特開平5-186368号公報
【文献】特開2007-1924号公報
【文献】特開平05-229931号公報
【文献】特開平9-118630号公報
【文献】特開平9-208484号公報
【文献】特表2019-510803号公報
【文献】特表2015-503587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
安全で安定性に優れ、MMP阻害作用、コラ-ゲン産生促進作用、ヒアルロン酸産生促進作用、抗酸化作用及びメラニン生成抑制作用に優れた素材が望まれているが、未だ十分満足し得るものが提供されていないのが現状である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明者らは、この課題を解決すべく、鋭意検討した結果、セイヨウナナカマドの果実抽出物が優れたMMP阻害作用、コラ-ゲン産生促進作用、ヒアルロン酸産生促進作用、抗酸化作用及びメラニン生成抑制作用を持ち、安定性においても優れていることを見出した。さらに、その抽出物を含有する外用剤又は内用剤が、安全で安定であり、MMP阻害作用、コラ-ゲン産生促進作用、ヒアルロン酸産生促進作用、抗酸化作用及びメラニン生成抑制作用に優れており、多機能性美容・健康用素材・医薬品と成り得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0018】
すなわち、本発明は、以下の(1)~(8)からなる。
【0019】
(1)セイヨウナナカマドの果実の抽出物を含有することを特徴とするMMP阻害剤。
(2)セイヨウナナカマドの果実の抽出物を含有することを特徴とするコラ-ゲン産生促進剤。
(3)セイヨウナナカマドの果実の抽出物を含有することを特徴とするシワ改善剤。
(4)セイヨウナナカマドの果実の抽出物を含有することを特徴とするヒアルロン酸産生促進剤。
(5)セイヨウナナカマドの果実の抽出物を含有することを特徴とする抗酸化剤。
(6)セイヨウナナカマドの果実の抽出物を含有することを特徴とする美白剤。
(7)セイヨウナナカマドの果実の抽出物を含有することを特徴とする医薬品。
(8)セイヨウナナカマドの果実の抽出物を含有することを特徴とするMMPの亢進が原因で起こる各種疾患、関節疾患及び生理的飛蚊症の予防改善用食品組成物。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明について詳細に述べる。
【0021】
本発明に用いるセイヨウナナカマド(学名 Sorbus aucuparia)は、バラ目バラ科ナナカマド属に属するヨ-ロッパ原産の落葉樹であり、8~10メ-トル程度の中低木である。果実はナシ状果で、夏季になるにつれて成熟すると緑色から鮮やかな赤色となり、主に食用として用いられている。
【0022】
本発明に用いるセイヨウナナカマドの果実は、生育地域から入手することもできるし、市販品を購入することもできる。また、抽出には果実本体をそのまま抽出してもよく、乾燥、粉砕、細切等の処理を行ってもよい。
【0023】
抽出溶媒としては、例えば、水、低級アルコ-ル類(メタノ-ル、エタノ-ル、1-プロパノ-ル、2-プロパノ-ル、1-ブタノ-ル、2-ブタノ-ル等)、液状多価アルコ-ル類(1,3-ブチレングリコ-ル、プロピレングリコ-ル、グリセリン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、アセトニトリル、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、流動パラフィン等)、エ-テル類(エチルエ-テル、テトラヒドロフラン、プロピルエ-テル等)が挙げられる。好ましくは、水、低級アルコ-ル及び液状多価アルコ-ル等の極性溶媒が良く、特に好ましくは、水、エタノ-ル、1,3-ブチレングリコ-ル及びプロピレングリコ-ルがよい。これらの溶媒は一種でも二種以上を混合して用いてもよい。特に好ましい抽出溶媒としては、水、エタノ-ル、1,3-ブチレングリコ-ル、水-エタノ-ル系の混合極性溶媒、または水-1,3-ブチレングリコ-ル系の混合極性溶媒が挙げられる。溶媒の使用量については、特に限定はなく、例えばセイヨウナナカマドの果実(乾燥重量)に対し、10倍以上、好ましくは20倍以上であればよいが、抽出後に濃縮を行ったり、単離したりする場合の操作の便宜上100倍以下であることが好ましい。また、抽出温度や時間は、用いる溶媒の種類や抽出時の圧力等によって適宜選択できる。
【0024】
その抽出方法は特に限定されず、加熱抽出、常温抽出、低温抽出、攪拌抽出またはカラム抽出する方法等により行うことができる。また、その抽出物と果実を併用することもできる。
【0025】
上記抽出物は、抽出した溶液のまま用いてもよいが、必要に応じて、本発明の効果を奏する範囲で、濃縮(減圧濃縮、膜濃縮等による濃縮)、希釈、濾過、活性炭等による脱色、脱臭、エタノ-ル沈殿等の処理を行ってから用いてもよい。さらには、抽出した溶液を濃縮乾固、噴霧乾燥、凍結乾燥等の処理を行い、乾燥物として用いてもよい。
【0026】
本発明は、上記抽出物をそのまま使用しても良く、抽出物の効果を損なわない範囲内で、化粧品、医薬部外品、医薬品又は食品等に用いられる成分である油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコ-ル類、エステル類、界面活性剤、金属石鹸、pH調整剤、防腐剤、香料、保湿剤、粉体、紫外線吸収剤、増粘剤、色素、酸化防止剤、美白剤、キレ-ト剤、賦形剤、皮膜剤、甘味料、酸味料等の成分が含有されていてもよい。
【0027】
本発明は、化粧品、医薬部外品、医薬品、食品のいずれにも用いることができ、その剤形としては、例えば、化粧水、クリ-ム、乳液、ゲル剤、エアゾ-ル剤、エッセンス、パック、洗浄剤、浴用剤、ファンデ-ション、打粉、口紅、軟膏、パップ剤、錠菓、カプセル剤、チョコレ-ト、ガム、飴、飲料、散剤、顆粒剤、錠剤、糖衣錠剤、カプセル剤、シロップ剤、丸剤、懸濁剤、液剤、乳剤、坐剤、注射用溶液等が挙げられる。
【0028】
外用の場合、本発明に用いる上記抽出物の含有量は、固形物に換算して0.0001重量%以上が好ましく、0.001~10重量%がより好ましい。さらに、0.01~5重量%が最も好ましい。0.0001重量%未満では十分な効果は望みにくい。10重量%を越えると、効果の増強は認められにくく不経済である。
【0029】
内用の場合、摂取量は年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なる。通常、成人1人当たりの1日の摂取量としては、5mg以上が好ましく、10mg~5gがより好ましい。さらに、20mg~2gが最も好ましい。
【0030】
次に本発明を詳細に説明するため、実施例として本発明に用いる抽出物の製造例、実験例及び処方例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。製造例に示す%とは重量%を、処方例に示す含有量の部とは重量部を示す。
【実施例1】
【0031】
セイヨウナナカマドの果実抽出物の製造例
セイヨウナナカマドの果実抽出物を以下のとおり製造した。製造例1~4において抽出材料にはセイヨウナナカマドの果実を用いた。
【0032】
(製造例1)セイヨウナナカマド果実の熱水抽出物の調製
セイヨウナナカマドの果実の乾燥物10gに200mLの水を加え、95~100℃で2時間抽出した。得られた抽出液を濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してセイヨウナナカマドの果実の熱水抽出物を3.6g得た。
【0033】
(製造例2)セイヨウナナカマドの果実の50%エタノ-ル抽出物の調製
セイヨウナナカマドの果実の乾燥物10gを200mLの50%エタノ-ル水溶液に室温で7日間浸漬し抽出を行った。得られた抽出液を濾過した後、エバポレ-タ-で濃縮乾固してセイヨウナナカマドの果実の50%エタノ-ル抽出物を3.5g得た。
【0034】
(製造例3)セイヨウナナカマドの果実のエタノ-ル抽出物の調製
セイヨウナナカマドの果実の乾燥物10gを200mLのエタノ-ルに室温で7日間浸漬し抽出を行った。得られた抽出液を濾過した後、エバポレ-タ-で濃縮乾固してセイヨウナナカマドの果実のエタノ-ル抽出物を3.3g得た。
【0035】
(製造例4)セイヨウナナカマドの果実の1,3-ブチレングリコ-ル抽出物の調製
セイヨウナナカマドの果実の乾燥物10gを200mLの1,3-ブチレングリコ-ルに低温で7日間浸漬し抽出を行った。得られた抽出液を濾過してセイヨウナナカマドの果実の1,3-ブチレングリコ-ル抽出物を192g得た。
【0036】
次に、本発明の効果を詳細に説明するため、実験例を挙げる。
【実施例2】
【0037】
実験例1 I型コラ-ゲン(COL1A1)、ヒアルロン酸合成酵素2(HAS2)、MMP-1及びMMP-2 mRNA発現量の測定
ヒト皮膚線維芽細胞(もしくはケラチノサイト)を60mm dishに1×105個播種し、10%FBSを含むDMEM培養液にて、37℃、5%CO2条件下で培養した。コンフルエントな状態になったところで、各試料を最終濃度1、10もしくは100μg/mLとなるように添加したDMEM(-)培養液にて24時間培養した後、総RNAの抽出を行った。細胞からの総RNAの抽出はRNAiso Plus(タカラバイオ)を用いて行い、総RNA量は分光光度計(NanoDrop)を用いて260nmにおける吸光度により求めた。mRNA発現量の測定は、細胞から抽出した総RNAを基にしてリアルタイムRT-PCR法により行った。リアルタイムRT-PCR法には、High Capacity RNA-to-cDNA Kit(Applied Biosystems)及びSYBR Select Master Mix(Applied Biosystems)を用いた。即ち、500ngの総RNAを逆転写反応後、PCR反応(95℃:15秒間、60℃:60秒間、40cycles)を行った。その他の操作は定められた方法に従い、COL1A1、HAS2、MMP-1及びMMP-2 mRNAの発現量を、内部標準であるGAPDH mRNAの発現量に対する割合として求めた。COL1A1発現率は、コントロール(試料未添加)群のCOL1A1 mRNAの発現量に対する試料添加群のCOL1A1 mRNAの発現量の比率として算出した。HAS2、MMP-1及びMMP-2発現率についても、同様に算出した。尚、各遺伝子の発現量の測定に使用したプライマーは次の通りである。
【0038】
COL1A1用のプライマ-セット
AGGACAAGAGGCATGTCTGGTT(配列番号1)
TTGCAGTGGTAGGTGATGTTCTG(配列番号2)
HAS2用のプライマ-セット
TGGATGACCTACGAAGCGATTA(配列番号3)
GCTGGATTACTGTGGCAATGAG(配列番号4)
MMP-1用のプライマ-セット
GGGAGATCATCGGGACAACTC(配列番号5)
TGAGCATCCCCTCCAATACC(配列番号6)
MMP-2用のプライマ-セット
CCGTCGCCCATCATCAA(配列番号7)
CTTCTGCATCTTCTTTAGTGTGTCCTT(配列番号8)
GAPDH用のプライマ-セット
CACTCTTCCAGCCTTCCTTCC(配列番号9)
GTGTTGGCGTACAGGTCTTTG(配列番号10)
【0039】
これらの実験結果を表1~4に示した。その結果、本発明のセイヨウナナカマドの果実抽出物には、優れたCOL1A1発現促進効果(コラ-ゲン産生促進効果)、HAS2発現促進効果(ヒアルロン酸産生促進効果)、MMP-1発現抑制効果(MMP阻害効果)及びMMP-2発現抑制効果(MMP阻害効果)が認められた。特に、セイヨウナナカマドの果実の熱水抽出物(製造例1)のCOL1A1発現促進及びMMP-1発現抑制、50%エタノ-ル抽出物(製造例2)のMMP-2発現抑制、エタノ-ル抽出物(製造例3)のCOL1A1発現促進及びHAS2発現促進において顕著に効果が高かった。
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【実施例3】
【0044】
実験例2 B16マウスメラノ-マを用いたメラニン生成抑制試験
B16マウスメラノ-マを60mm dishに3×104個播種し、各試料を最終濃度10μg/mL)となるように添加した10%FBSを含むMEM培養液にて、37℃、5%CO2条件下にて5日間培養した。培養後、細胞の剥離を行い、遠心分離をして得られたペレットを超音波破砕操作によりPBS(-)に溶解させた。タンパク質定量は、Lowry法(J.Biol.Chem.,193,265-275,1951)を用いて行った。また、メラニン量を測定する場合、タンパク質定量用に取った残りの細胞破砕溶液に4N NaOHを加え、60℃にて2時間加温した後、分光光度計(島津製作所)を用いて475nmの吸光度を測定し、検量線からメラニン量を求め、1mgタンパク質量あたりのメラニン量を算出した。メラニン生成抑制率は、コントロ-ル(試料未添加)群に対する試料添加群のメラニン量の減少量の割合から算出した。
【0045】
これらの試験結果を表5に示した。本発明のセイヨウナナカマドの果実の熱水抽出物(製造例1)は、優れたメラニン生成抑制作用を有していることが認められた。
【0046】
【実施例4】
【0047】
実験例3 活性酸素消去試験(抗酸化試験)
フリ-ラジカル捕捉除去作用の評価を行った。陽性対照としてはアスコルビン酸を用いた。フリ-ラジカルのモデルとしては、安定なフリ-ラジカルであるα,α-ジフェニル-β-ピクリルヒドラジル(以下DPPHとする)を用い、試料と一定の割合で一定時間反応させ、減少するラジカルの量を波長517nmの吸光度の減少量から測定した。
【0048】
フリ-ラジカル捕捉除去作用の測定方法
各試料を、終濃度100μg/mL(アスコルビン酸は20μg/mL)となるように加えた1.0M酢酸緩衝液(pH5.5)2mLに無水エタノ-ル2mL及び0.5mM DPPH無水エタノ-ル溶液1mLを加えて反応液とした。また、油溶性の試料の場合は無水エタノ-ル2mLに試料を加えて反応液とした。その後、37℃で30分間反応させ、水を対照として波長517nmの吸光度(A)を測定した。また、ブランクとして試料の代わりに精製水を用いて吸光度(B)を測定した。フリ-ラジカル捕捉除去率は、以下に示す式より算出した。
フリ-ラジカル捕捉除去率(%)=(1-A/B)×100
【0049】
これらの試験結果を表6に示した。本発明のセイヨウナナカマドの果実の熱水抽出物(製造例1)及び50%エタノ-ル抽出物(製造例2)は、安定で優れたフリ-ラジカル捕捉除去作用を有していることが認められた。
【0050】
【実施例5】
【0051】
(処方例1) 化粧水
処方 含有量(%)
1.セイヨウナナカマドの果実の熱水抽出物(製造例1) 2.0
2.1,3-ブチレングリコ-ル 8.0
3.グリセリン 2.0
4.キサンタンガム 0.02
5.クエン酸 0.01
6.クエン酸ナトリウム 0.1
7.エタノ-ル 5.0
8.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
9.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.) 0.1
10.香料 適量
11.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分1~6及び11と、成分7~10をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合し濾過して製品とする。
【0052】
(比較処方例1) 従来の化粧水
処方例1において、セイヨウナナカマドの果実の熱水抽出物を精製水に置き換えたものを、従来の化粧水とした。
【0053】
(処方例2) クリ-ム
処方 含有量(%)
1.セイヨウナナカマドの果実の50%エタノ-ル抽出物(製造例2)1.0
2.スクワラン 5.5
3.オリ-ブ油 3.0
4.ステアリン酸 2.0
5.ミツロウ 2.0
6.ミリスチン酸オクチルドデシル 3.5
7.ポリオキシエチレンセチルエ-テル(20E.O.) 3.0
8.ベヘニルアルコ-ル 1.5
9.モノステアリン酸グリセリン 2.5
10.香料 0.1
11.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
12.1,3-ブチレングリコ-ル 8.5
13.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2~9を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び11~13を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分10を加え、さらに30℃まで冷却して製品とする。
【0054】
(比較処方例2) 従来のクリ-ム
処方例2において、セイヨウナナカマドの果実の50%エタノ-ル抽出物を精製水に置き換えたものを、従来のクリ-ムとした。
【0055】
(処方例3) 乳液
処方 含有量(%)
1.セイヨウナナカマドの果実のエタノ-ル抽出物(製造例3) 0.01
2.スクワラン 5.0
3.オリ-ブ油 5.0
4.ホホバ油 5.0
5.セタノ-ル 1.5
6.モノステアリン酸グリセリン 2.0
7.ポリオキシエチレンセチルエ-テル(20E.O.) 3.0
8.ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエ-ト(20E.O.) 2.0
9.香料 0.1
10.プロピレングリコ-ル 1.0
11.グリセリン 2.0
12.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
13.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分1~8を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分10~13を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分9を加え、さらに30℃まで冷却して製品とする。
【0056】
(処方例4) ゲル剤
処方 含有量(%)
1.セイヨウナナカマドの果実の
1,3-ブチレングリコ-ル抽出物(製造例4) 1.0
2.エタノ-ル 5.0
3.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
4.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.1
5.香料 適量
6.1,3-ブチレングリコ-ル 5.0
7.グリセリン 5.0
8.キサンタンガム 0.1
9.カルボキシビニルポリマ- 0.2
10.水酸化カリウム 0.2
11.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2~5と、成分1及び6~11をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合して製品とする。
【0057】
(処方例5) パック
処方 含有量(%)
1.セイヨウナナカマドの果実の熱水抽出物(製造例1) 1.0
2.セイヨウナナカマドの果実の
1,3-ブチレングリコ-ル抽出物(製造例4) 5.0
3.ポリビニルアルコ-ル 12.0
4.エタノ-ル 5.0
5.1,3-ブチレングリコ-ル 8.0
6.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
7.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.) 0.5
8.クエン酸 0.1
9.クエン酸ナトリウム 0.3
10.香料 適量
11.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分1~11を均一に溶解し製品とする。
【0058】
(処方例6) ファンデ-ション
処方 含有量(%)
1.セイヨウナナカマドの果実の50%エタノ-ル抽出物(製造例2)1.0
2.ステアリン酸 2.4
3.ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレ-ト(20E.O.)1.0
4.ポリオキシエチレンセチルエ-テル(20E.O.) 2.0
5.セタノ-ル 1.0
6.液状ラノリン 2.0
7.流動パラフィン 3.0
8.ミリスチン酸イソプロピル 6.5
9.カルボキシメチルセルロ-スナトリウム 0.1
10.ベントナイト 0.5
11.プロピレングリコ-ル 4.0
12.トリエタノ-ルアミン 1.1
13.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
14.二酸化チタン 8.0
15.タルク 4.0
16.ベンガラ 1.0
17.黄酸化鉄 2.0
18.香料 適量
19.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2~8を加熱溶解し、80℃に保ち油相とする。成分19に成分9をよく膨潤させ、続いて、成分1及び10~13を加えて均一に混合する。これに粉砕機で粉砕混合した成分14~17を加え、ホモミキサ-で撹拌し75℃に保ち水相とする。油相に水相をかき混ぜながら加え、乳化する。その後、冷却し、45℃で成分18を加え、かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
【0059】
(処方例7) 浴用剤
処方 含有量(%)
1.セイヨウナナカマドの果実のエタノ-ル抽出物(製造例3) 1.0
2.炭酸水素ナトリウム 50.0
3.黄色202号(1) 適量
4.香料 適量
5.硫酸ナトリウムにて全量を100とする
[製造方法]成分1~5を均一に混合し製品とする。
【0060】
(処方例8) 軟膏
処方 含有量(%)
1.セイヨウナナカマドの果実の熱水抽出物(製造例1) 5.0
2.セイヨウナナカマドの果実の
1,3-ブチレングリコ-ル抽出物(製造例4) 1.0
3.ポリオキシエチレンセチルエ-テル(30E.O.) 2.0
4.モノステアリン酸グリセリン 10.0
5.流動パラフィン 5.0
6.セタノ-ル 6.0
7.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
8.プロピレングリコ-ル 10.0
9.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分3~6を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1、2及び7~9を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
【0061】
(処方例9) 散剤
処方 含有量(%)
1.セイヨウナナカマドの果実の熱水抽出物(製造例1) 1.0
2.乾燥コ-ンスタ-チ 39.0
3.微結晶セルロ-ス 60.0
[製造方法]成分1~3を混合し、散剤とする。
【0062】
(処方例10) 錠剤
処方 含有量(%)
1.セイヨウナナカマドの果実のエタノ-ル抽出物(製造例3) 5.0
2.乾燥コ-ンスタ-チ 25.0
3.カルボキシメチルセルロ-スカルシウム 20.0
4.微結晶セルロ-ス 40.0
5.ポリビニルピロリドン 7.0
6.タルク 3.0
[製造方法]成分1~4を混合し、次いで成分5の水溶液を結合剤として加えて顆粒成型する。成型した顆粒に成分6を加えて打錠する。1錠0.52gとする。
【0063】
(処方例11) 錠菓
処方 含有量(%)
1.セイヨウナナカマドの果実のエタノ-ル抽出物(製造例3) 2.0
2.乾燥コ-ンスタ-チ 49.8
3.エリスリト-ル 40.0
4.クエン酸 5.0
5.ショ糖脂肪酸エステル 3.0
6.香料 0.1
7.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分1~4及び7を混合し、顆粒成型する。成型した顆粒に成分5及び6を加えて打錠する。1粒1.0gとする。
【0064】
(処方例12) 飲料
処方 含有量(%)
1.セイヨウナナカマドの果実の熱水抽出物(製造例1) 0.05
2.ステビア 0.05
3.リンゴ酸 5.0
4.香料 0.1
5.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2及び3を少量の水に溶解する。次いで、成分1、4及び5を加えて混合する。
【産業上の利用可能性】
【0065】
以上のことから、本発明のセイヨウナナカマドの果実の抽出物は、優れたコラ-ゲン産生促進作用、ヒアルロン酸産生促進作用、MMP阻害作用、メラニン生成抑制作用及び抗酸化作用を有し、安定性にも優れていた。よって、本発明のセイヨウナナカマドの果実の抽出物は、皮膚の老化といった美容分野だけでなく、老化による機能低下の抑制、ガンの予防、治療等といった医療分野にも利用でき、食品、化粧品、医薬部外品及び医薬品等への応用が期待される。
【配列表】