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特許7597352ケーブル検出装置、方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】ケーブル検出装置、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/50 20170101AFI20241203BHJP
【FI】
G06T7/50
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020121672
(22)【出願日】2020-07-15
(65)【公開番号】P2022018517
(43)【公開日】2022-01-27
【審査請求日】2023-06-02
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000232254
【氏名又は名称】日本電気通信システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】河野 研二
(72)【発明者】
【氏名】青木 教之
(72)【発明者】
【氏名】高岡 真則
(72)【発明者】
【氏名】上野 悟己
【審査官】宮島 潤
(56)【参考文献】
【文献】田島晃太,増田宏,移動計測による点群と画像を用いた線状物体検出(第3報),2020年度精密工学会春季大会,日本,精密工学会,2020年03月01日,p.232-233,https://jstage.jst.go.jp/article/pscjspe/2020S/0/2020S_232/_pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00 - 7/90
G06V 10/00 - 20/90
G06V 30/418
G06V 40/16
G06V 40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルを含む検出対象物を撮影した撮影データにおける前記検出対象物に係る点群における前記ケーブルに係る点群を含む任意の高さの領域にある前記ケーブルに係る点群を水平面に射影して直線を検出する直線検出部と、
前記直線検出部で検出された前記直線に含まれた前記ケーブルに係る点群を復元して前記直線に平行な所定の垂直面に射影して、前記ケーブルに係る懸垂線を検出する懸垂線検出部と、
を備え、
前記直線検出部は、IMUセンサを用いて、又は、前記検出対象物における建物の壁面の角度に基づいて、前記撮影データの重力方向が下向きになるように、前記撮影データにおける前記検出対象物に係る点群を角度変換し、角度変換された前記検出対象物における前記ケーブルに係る点群を用いて前記直線を検出する、
ケーブル検出装置。
【請求項2】
前記ケーブルに係る点群を含む前記任意の高さの領域に係る情報を入力する入力部をさらに備え、
前記直線検出部は、前記入力部で入力された前記情報に基づいて、前記撮影データに係る点群を含む空間において、垂直方向に関し、前記ケーブルに係る点群を含む前記任意の高さの領域を指定する、
請求項1記載のケーブル検出装置。
【請求項3】
前記直線検出部は、指定された前記任意の高さの領域を、前記垂直方向に関し、複数の小領域に分割し、分割された各前記小領域における点群を前記水平面に射影して前記直線を検出する、
請求項2記載のケーブル検出装置。
【請求項4】
前記懸垂線検出部は、前記直線検出部で検出されたいずれかの前記直線が前記所定の垂直面に平行になるように、復元された前記直線に含まれた前記ケーブルに係る点群を角度変換し、角度変換された前記ケーブルに係る点群を用いて前記ケーブルに係る懸垂線を検出する、
請求項1乃至3のいずれか一に記載のケーブル検出装置。
【請求項5】
前記懸垂線検出部は、角度変換された前記ケーブルに係る点群を前記所定の垂直面に射影して前記ケーブルに係る懸垂線を検出する、
請求項4記載のケーブル検出装置。
【請求項6】
前記ケーブル検出装置は、前記検出対象物を撮影して前記撮影データを出力する3次元センサに通信可能に接続される、
請求項1乃至5のいずれか一に記載のケーブル検出装置。
【請求項7】
前記検出対象物を撮影して前記撮影データを出力する3次元センサ部をさらに備える、
請求項1乃至5のいずれか一に記載のケーブル検出装置。
【請求項8】
コンピュータを用いてケーブルを含む検出対象物を撮影した撮影データから懸垂線状の前記ケーブルを検出するケーブル検出方法であって、
前記撮影データにおける前記検出対象物に係る点群における前記ケーブルに係る点群を含む任意の高さの領域にある点群を水平面に射影して直線を検出するステップと、
検出された前記直線に含まれた前記ケーブルに係る点群を復元して前記直線に平行な所定の垂直面に射影して、前記ケーブルに係る懸垂線を検出するステップと、
を含み、
前記直線を検出するステップにおいて、IMUセンサを用いて、又は、前記検出対象物における建物の壁面の角度に基づいて、前記撮影データの重力方向が下向きになるように、前記撮影データにおける前記検出対象物に係る点群を角度変換し、角度変換された前記検出対象物における前記ケーブルに係る点群を用いて前記直線を検出する、
ケーブル検出方法。
【請求項9】
ケーブルを含む検出対象物を撮影した撮影データから懸垂線状の前記ケーブルを検出する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記撮影データにおける前記検出対象物に係る点群における前記ケーブルに係る点群を含む任意の高さの領域にある点群を水平面に射影して直線を検出する処理と、
検出された前記直線に含まれた前記ケーブルに係る点群を復元して前記直線に平行な所定の垂直面に射影して、前記ケーブルに係る懸垂線を検出する処理と、
を前記コンピュータに実行させ
前記直線を検出する処理において、IMUセンサを用いて、又は、前記検出対象物における建物の壁面の角度に基づいて、前記撮影データの重力方向が下向きになるように、前記撮影データにおける前記検出対象物に係る点群を角度変換し、角度変換された前記検出対象物における前記ケーブルに係る点群を用いて前記直線を検出する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル検出装置、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電力会社では、感電災害の防止のため、電線とその周辺構造物との間の離隔距離の規定(有線電気通信設備令)を守る必要がある。離隔距離の測定は、作業員が計測器具を用いて定期的に行われている。電線の数は膨大であるため、離隔距離の計測の容易化が求められている。離隔距離の計測の容易化の1つに、3次元センサを活用した離隔距離の計測が挙げられる。3次元センサを活用した離隔距離の計測では、3次元センサから取得した撮影データの点群の中から電線を選択的に検出する技術が求められる。
【0003】
点群の中から電線を選択的に検出する技術として、例えば、特許文献1には、ケーブル(電線)の規則性(形状など)を学習し、学習したケーブルの規則性に基づいて、ワイヤを構成するワイヤ構成点群を検出する技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、3次元点群情報に含まれる点の周囲の点との位置関係に基づいて、当該点が細線状物体を構成する構成点を検出し、検出した構成点の各点の接線方向の情報に基づいて、構成点から直線要素を検出し、検出した直線要素を初期の細線状物体を示す細線状物体モデルとし、細線状物体モデル同士の近接状態と、予め定められる連結性指標とに基づいて細線状物体モデルを生成し、細線状物体モデルに含まれる点の位置から細線状物体モデルの長さを推定し、推定した長さと、予め定められる閾値とに基づいて細線状物体モデルが適切なモデルであるか否かを判定する技術が開示されている。
【0005】
さらに、非特許文献1には、空中レーザースキャン(airborne laser scanning)された点群から電線を抽出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2019-109839号公報
【文献】特開2015-1901号公報
【非特許文献】
【0007】
【文献】T. Melzer et al., "Extraction and Modeling of Power Lines from ALS Point Clouds", URL=https://publik.tuwien.ac.at/files/PubDat_119606.pdf
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以下の分析は、本願発明者により与えられる。
【0009】
しかしながら、特許文献1、2、及び非特許文献1に記載の技術には、以下のような問題がある。特許文献1では、ケーブルの規則性を学習する必要があり、手間がかかるといった問題がある。また、特許文献2では、3次元点群データである細線状物体モデルを生成して適切なモデルであるかを判定しているため、計算負荷が高いといった問題がある。さらに、非特許文献1では、2点間に吊り下がった電線のモデルとなる懸垂線の検出の前処理としてクラスタリングを行うため、電線に係る点群がスパース(疎)となっている状況では検出精度が低下するといった問題がある。
【0010】
本発明の主な課題は、手間や計算負荷を抑えて精度よくケーブル状のオブジェクトを検出することに貢献することができるケーブル検出装置、方法、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の視点に係るケーブル検出装置は、ケーブルを含む検出対象物を撮影した撮影データにおける前記検出対象物に係る点群における前記ケーブルに係る点群を含む任意の高さの領域にある前記ケーブルに係る点群を水平面に射影して直線を検出する直線検出部と、前記直線検出部で検出された前記直線に含まれた前記ケーブルに係る点群を復元して前記直線に平行な所定の垂直面に射影して、前記ケーブルに係る懸垂線を検出する懸垂線検出部と、を備え、前記直線検出部は、IMUセンサを用いて、又は、前記検出対象物における建物の壁面の角度に基づいて、前記撮影データの重力方向が下向きになるように、前記撮影データにおける前記検出対象物に係る点群を角度変換し、角度変換された前記検出対象物における前記ケーブルに係る点群を用いて前記直線を検出する
【0012】
第2の視点に係るケーブル検出方法は、コンピュータを用いてケーブルを含む検出対象物を撮影した撮影データから懸垂線状の前記ケーブルを検出するケーブル検出方法であって、前記撮影データにおける前記検出対象物に係る点群における前記ケーブルに係る点群を含む任意の高さの領域にある点群を水平面に射影して直線を検出するステップと、検出された前記直線に含まれた前記ケーブルに係る点群を復元して前記直線に平行な所定の垂直面に射影して、前記ケーブルに係る懸垂線を検出するステップと、
を含む。
【0013】
第3の視点に係るプログラムは、ケーブルを含む検出対象物を撮影した撮影データから懸垂線状の前記ケーブルを検出する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記撮影データにおける前記検出対象物に係る点群における前記ケーブルに係る点群を含む任意の高さの領域にある点群を水平面に射影して直線を検出する処理と、検出された前記直線に含まれた前記ケーブルに係る点群を復元して前記直線に平行な所定の垂直面に射影して、前記ケーブルに係る懸垂線を検出する処理と、を前記コンピュータに実行させる。
【0014】
なお、プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transient)なものとすることができる。また、本開示では、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。プログラムは、コンピュータ装置に入力装置又は外部から通信インタフェイスを介して入力され、記憶装置に記憶されて、プロセッサを所定のステップないし処理に従って駆動させ、必要に応じ中間状態を含めその処理結果を段階毎に表示装置を介して表示することができ、あるいは通信インタフェイスを介して、外部と交信することができる。そのためのコンピュータ装置は、一例として、典型的には互いにバスによって接続可能なプロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェイス、及び必要に応じ表示装置を備える。
【発明の効果】
【0015】
前記第1~第3の視点によれば、手間や計算負荷をかけることなく精度よくケーブル状のオブジェクトを検出することに貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態1に係るケーブル検出装置の使用態様の一例を模式的に示したイメージ図である。
図2】実施形態1に係るケーブル検出装置の構成を模式的に示したブロック図である。
図3】実施形態1に係るケーブル検出装置の動作を模式的に示したフローチャートである。
図4】実施形態1に係るケーブル検出装置のケーブル検出部の動作の詳細を模式的に示したフローチャートである。
図5】実施形態1に係るケーブル検出装置におけるケーブル検出部の動作の一例を模式的に示した前半の工程イメージである。
図6】実施形態1に係るケーブル検出装置におけるケーブル検出部の動作の一例を模式的に示した図5に続く後半の工程イメージである。
図7】実施形態2に係るケーブル検出装置の使用態様の一例を模式的に示したイメージ図である。
図8】実施形態3に係るケーブル検出装置の使用態様の一例を模式的に示したイメージ図である。
図9】実施形態4に係るケーブル検出装置の構成を模式的に示したブロック図である。
図10】ハードウェア資源の構成を模式的に示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本出願において図面参照符号を付している場合は、それらは、専ら理解を助けるためのものであり、図示の態様に限定することを意図するものではない。また、下記の実施形態は、あくまで例示であり、本発明を限定するものではない。また、以降の説明で参照する図面等のブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。さらに、本願開示に示す回路図、ブロック図、内部構成図、接続図などにおいて、明示は省略するが、入力ポート及び出力ポートが各接続線の入力端及び出力端のそれぞれに存在する。入出力インタフェイスも同様である。プログラムはコンピュータ装置を介して実行され、コンピュータ装置は、例えば、プロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェイス、及び必要に応じ表示装置を備え、コンピュータ装置は、通信インタフェイスを介して装置内又は外部の機器(コンピュータを含む)と、有線、無線を問わず、交信可能に構成される。
【0018】
[実施形態1]
実施形態1に係るケーブル検出装置について図面を用いて説明する。図1は、実施形態1に係るケーブル検出装置の使用態様の一例を模式的に示したイメージ図である。図2は、実施形態1に係るケーブル検出装置の構成を模式的に示したブロック図である。
【0019】
ケーブル検出装置1は、検出対象物90に係る撮影データ2に基づいて、両端から垂れ下がった懸垂線状のケーブル(例えば、電線、架線、ワイヤ、通信線等)を選択的に検出する装置である(図1図2参照)。ケーブル検出装置1は、例えば、電力会社における離隔距離(例えば、電線と周辺構造物との間の最短距離)の計測作業、建設業界におけるワイヤの検出及び距離計測、鉄道分野における架線の検出及び距離計測、通信業界における通信線の検出及び距離計測等に用いることができる。ケーブル検出装置1は、3次元センサ60と通信可能に接続されている。ケーブル検出装置1は、3次元センサ60から、検出対象物90に係る撮影データ2を取得する。
【0020】
ここで、3次元センサ60は、検出対象物90の表面(撮影可能な表面)を3次元的にセンシングして撮影する装置である(図1図2参照)。3次元センサ60は、ケーブル検出装置1と通信可能に接続されている。3次元センサ60は、検出対象物90を撮影することによって所定のフォーマットの撮影データ2を生成し、生成された撮影データ2をケーブル検出装置1に向けて出力する。3次元センサ60には、例えば、ToF(Time of Flight)カメラ、ステレオカメラ、3D-LIDAR(Laser Imaging Detection And Ranging)、デプスセンサ、測距センサ、距離カメラ等を用いることができる。3次元センサ60は、作業員によって操作される。なお、撮影データ2は、3次元センサ60によって所定のフォーマットで生成されたデータであり、点群(XYZ座標(3次元座標)情報を持った多数の点の集まり)で描画された点群データである(図2参照)。3次元センサ60は、顧客の要望に応じて様々な出力形式のセンサ装置に変更することが可能である。
【0021】
ケーブル検出装置1は、コンピュータを構成する機能部(例えば、プロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェイス、及び表示装置)を有する装置(コンピュータ装置)を用いることができ、例えば、ノート型パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末などを用いることができる。ケーブル検出装置1は、所定のプログラムを実行することによって、前処理部10と、ケーブル検出部20と、ユーザインタフェイス部30と、を実現する。
【0022】
前処理部10は、撮影データ2に対して、ケーブルを検出するための前処理を行う機能部である(図2参照)。前処理部10は、前処理された撮影データ2をケーブル検出部20に向けて出力する。前処理部10は、フォーマット変換部11と、ノイズ除去部12と、を備える。なお、前処理部10は、不足している点群を、他の3次元センサからの撮影データや撮影データ2にある点群に基づいて補間する機能部を備えてもよい。
【0023】
フォーマット変換部11は、前処理として、撮影データ2のフォーマットを、ケーブル検出装置1において共通に使える共通フォーマットに変換する機能部である(図2参照)。フォーマット変換部11は、変換された共通フォーマットの撮影データ2を、ノイズ除去部12に向けて出力する。なお、撮影データ2のフォーマットがもともと共通フォーマットの場合は、フォーマット変換を省略することができる。
【0024】
ノイズ除去部12は、前処理として、フォーマット変換部11からの撮影データ2における点群の中からノイズ(検出に不要な点群)を除去する機能部である(図2参照)。ノイズ除去部12は、ノイズが除去された撮影データ2をケーブル検出部20に向けて出力する。ノイズ除去方法として、例えば、平滑化処理、フィルタリング(例えば、移動平均フィルタ処理、メディアンフィルタ処理など)、外れ値除去処理(例えば、カイの二乗検定による外れ値除去処理)などが挙げられる。なお、ノイズがほとんどない状態であれば、ノイズ除去を省略してもよい。
【0025】
ケーブル検出部20は、前処理部10で前処理された撮影データ2から検出対象物90において両端から垂れ下がった懸垂線状のケーブル(図1では電線92)を選択的に検出する機能部である(図2参照)。ケーブル検出部20は、ケーブルの特徴(例えば、真上から見ると直線であること、真横から見ると当該直線全体を含む垂直面内に懸垂線が存在すること)に基づいて、ケーブルを検出する。ケーブル検出部20は、ケーブルの検出結果をユーザインタフェイス部30に向けて出力する。ケーブル検出部20は、直線検出部21と、懸垂線検出部22と、を備える。
【0026】
直線検出部21は、撮影データ2に係る点群における任意の高さの領域にある点群を水平面に射影して直線を検出する機能部である(図2参照)。直線検出部21は、撮影時の撮影データ2の重力方向が下向きになるように、撮影データ2に係る点群を角度変換(回転)する。なお、撮影時に撮影データ2の重力方向が下向きになるように撮影されている場合は、角度変換を省略してもよい。直線検出部21は、角度変換された撮影データ2に係る点群を含む空間において、垂直方向(Y軸方向)に関し、ケーブル(図1では電線92)に係る点群を含む任意の高さの領域(図1では指定領域96)を指定する。直線検出部21は、指定された領域(図1では指定領域96)を、垂直方向(Y軸方向)に関し、複数の小領域に分割する。直線検出部21は、分割された各小領域における点群(3次元データ)を水平面(XZ平面)に射影(投影)して、2次元データ(点群のXZ座標のみ利用しY座標を利用しないデータ)に圧縮する。直線検出部21は、圧縮された2次元データから直線を検出する。直線検出部21の動作の詳細(図4図6参照)は、後述する。
【0027】
懸垂線検出部22は、直線検出部21で検出された直線に基づいて点群を復元して所定の垂直面に射影して、ケーブルとしての懸垂線を検出する機能部である(図2参照)。懸垂線検出部22は、直線検出部21で検出された直線に係る2次元データ(点群のXZ座標のみ利用しY座標を利用しないデータ)に基づいて、点群を復元(Y座標を復元)して3次元データ(点群のXYZ座標の全てを利用したデータ)に解凍する。懸垂線検出部22は、直線検出部21で検出されたいずれかの直線(例えば、電線92に係る直線)がXY面(YZ面でも可)に平行になるように、解凍された3次元データを所定の水平面上で角度変換(回転)する。懸垂線検出部22は、角度変換された点群をXY面(又はYZ面でも可)に射影して2次元データに圧縮する。懸垂線検出部22は、圧縮された2次元データから、ケーブルとしての懸垂線を検出する。懸垂線検出部22の動作の詳細(図4図6参照)は、後述する。
【0028】
ユーザインタフェイス部30は、ユーザインタフェイスを備えた機能部である(図2参照)。ユーザインタフェイス部30は、表示部31と、入力部32と、を備える。
【0029】
表示部31は、情報を表示する機能部である(図2参照)。表示部31は、ケーブル検出部20で検出されたケーブル(図1では電線92)の検出結果を表示する。
【0030】
入力部32は、ユーザの操作によりケーブル検出装置1に情報を入力する機能部である(図2参照)。入力部32は、ケーブル検出部20でケーブルを検出する際、ケーブル(例えば、図1の電線92)が存在する領域(図1の指定領域96)を指定したり、複数のケーブルの中から検出しようとするケーブルが存在する領域を指定(選択)するときに用いることができる。
【0031】
次に、実施形態1に係るケーブル検出装置の動作について図面を用いて説明する。図3は、実施形態1に係るケーブル検出装置の動作を模式的に示したフローチャートである。なお、ケーブル検出装置の構成、及び、計測対象物のイメージについては図1及び図2を参照されたい。
【0032】
まず、ケーブル検出装置1の前処理部10は、3次元センサ60で撮影された検出対象物90に係る撮影データ2を取得する(ステップA1)。
【0033】
次に、ケーブル検出装置1の前処理部10のフォーマット変換部11は、前処理として、ステップA1で取得した撮影データ2のフォーマットを、ケーブル検出装置1において共通に使える共通フォーマットに変換する(ステップA2)。なお、撮影データ2のフォーマットがもともと共通フォーマットの場合は、フォーマット変換を省略してもよい。
【0034】
次に、ケーブル検出装置1の前処理部10のノイズ除去部12は、前処理として、ステップA2で共通フォーマットに変換された撮影データ2における点群の中からノイズを除去する(ステップA3)。なお、ノイズがほとんどない状態であれば、ノイズ除去を省略してもよい。
【0035】
次に、ケーブル検出装置1のケーブル検出部20の直線検出部21は、ステップA3でノイズ除去された撮影データ2に係る点群における任意の高さの領域にある点群を水平面に射影して直線を検出する(ステップA4)。任意の高さの領域は、ユーザの操作によって入力部32で入力(指定、選択)された高さとすることができ、予め設定された高さとすることができる。直線の検出の詳細(図4図6参照)については、後述する。
【0036】
最後に、ケーブル検出装置1のケーブル検出部20の懸垂線検出部22は、直線検出部21で検出された直線に基づいて点群を復元して所定の垂直面に射影して、ケーブルとしての懸垂線を検出する(ステップA5)。懸垂線の検出の詳細(図4図6参照)については、後述する。
【0037】
次に、実施形態1に係るケーブル検出装置の直線及び懸垂線の検出時の動作について図面を用いて説明する。図4は、実施形態1に係るケーブル検出装置のケーブル検出部の動作の詳細を模式的に示したフローチャートである。図5は、実施形態1に係るケーブル検出装置におけるケーブル検出部の動作の一例を模式的に示した前半の工程イメージである。図6は、実施形態1に係るケーブル検出装置におけるケーブル検出部の動作の一例を模式的に示した図5に続く後半の工程イメージである。
【0038】
まず、ケーブル検出装置1のケーブル検出部20の直線検出部21は、撮影時の撮影データ2の重力方向が下向きになるように、撮影データ2に係る点群を角度変換(回転)する(ステップB1)。
【0039】
ここで、角度変換の方法として、例えば、IMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)センサを用いて、撮影時の撮影データ2の傾きを重力方向に合わせて角度を変換する方法が挙げられる。また、IMUセンサの代わりに建物93の壁面の角度に基づいて壁面が垂直面となるように角度変換を行ってもよい。
【0040】
次に、ケーブル検出装置1のケーブル検出部20の直線検出部21は、ステップB1で角度変換された撮影データ2に係る点群を含む空間において、垂直方向(Y軸方向)に関し、ケーブル(図5(A)では電線92)に係る点群を含む任意の高さの領域(図5(A)の指定領域96)を指定する(ステップB2)。
【0041】
ここで、任意の高さの領域(指定領域96に相当)は、ユーザの操作によって入力部32で入力(指定、選択)された高さとすることができ、予め設定された高さとすることができる。指定領域96は、電線92全体に係る点群を含み、かつ、電線92の検出に障害となる構造物(図5(A)では真上から見て電線92と重なる建物94)に係る点群を含まないように指定する。
【0042】
次に、ケーブル検出装置1のケーブル検出部20の直線検出部21は、ステップB2で指定された任意の高さの領域(図5(A)の指定領域96)を、垂直方向(Y軸方向)に関し、複数の小領域(図5(A)の小領域96a、96b、96c)に分割する(ステップB3)。
【0043】
次に、ケーブル検出装置1のケーブル検出部20の直線検出部21は、ステップB3で分割された各小領域における点群(3次元データ)を水平面(XZ面)に射影(投影)して、2次元データに圧縮する(ステップB4)。
【0044】
ここで、2次元データは、点群のXZ座標のみ利用しY座標を利用しないデータとすることができ、図5(B)のように、電柱91、電線92、及び建物指定領域部93a(建物93における指定領域96にある部分)の点群をXZ面に射影して、XZ面上に線状(直線状、曲線状)に表したものとすることができる。
【0045】
次に、ケーブル検出装置1のケーブル検出部20の直線検出部21は、ステップB4で圧縮された2次元データから直線を検出する(ステップB5)。これにより、図5(C)のように、直線に係る電線92及び建物指定領域部93aのみが検出され、曲線に係る電柱91は除外される。
【0046】
ここで、直線の検出方法として、例えば、HOUGH変換(ハフ変換)された画像から直線を検出する方法等が挙げられる。なお、直線を検出する際、撮影位置から遠く離れた電線92の部分に係る点群がスパースとなってHOUGH変換された画像から直線を十分に検出することができない場合には、HOUGH変換の投票を行う際に、所定の位置(例えば、原点)からの距離に応じて点群に重み付けを行ってもよい。例えば、対象となる点が原点(0,0,0)からどれだけ離れているかを計算し、原点からの距離に応じて投票数に係数を乗じて投票するようにしてよい。係数及び投票について、原点からの距離(m)が同じであれば同じ係数の値であるとすると、原点からの距離が1mであれば係数を1、かつ、投票数を1票とし、5mであれば係数を5、かつ、投票数を5票とすることができる
【0047】
次に、ケーブル検出装置1のケーブル検出部20の懸垂線検出部22は、ステップB5で検出された直線に係る2次元データ(点群のXZ座標のみ利用しY座標を利用しないデータ)に基づいて、点群を復元(Y座標を復元)して3次元データに解凍する(ステップB6)。これにより、3次元データは、図5(D)のように、直線に係る電線92及び建物指定領域部93aのみが表れたものとすることができる。
【0048】
次に、ケーブル検出装置1のケーブル検出部20の懸垂線検出部22は、直線検出部21で検出されたいずれかの直線(例えば、図5(C)の電線92に係る直線)がXY面(所定の垂直面;YZ面でも可)に平行になるように、解凍された3次元データに係る点群を角度変換(回転)する(ステップB7)。これにより、図6(A)のように、電線92に係る点群をXY面と平行にすることができる。
【0049】
次に、ケーブル検出装置1のケーブル検出部20の懸垂線検出部22は、ステップB7で角度変換された点群を垂直面(図6(B)ではXY面;YZ面でも可)に射影(投影)して、2次元データに圧縮する(ステップB8)。
【0050】
ここで、2次元データは、点群のXY座標のみ利用しZ座標を利用しないデータとすることができ、図6(B)のように、電線92及び建物指定領域部93aの点群をXY面に射影して、XY面上に懸垂線及び平面で表したものとすることができる。
【0051】
最後に、ケーブル検出装置1のケーブル検出部20の懸垂線検出部22は、ステップB8で圧縮された2次元データから、ケーブル(電線92)としての懸垂線を選択して検出する(ステップB9)。これにより、図6(C)のように、懸垂線に係る電線92のみが検出され、平面に係る建物指定領域部93aは除外される。
【0052】
ここで、懸垂線の検出方法として、例えば、HOUGH変換された画像から懸垂線を検出する方法等が挙げられる。
【0053】
実施形態1によれば、角度変換、射影、及び点群復元等の手間や計算負荷が小さい手法を組み合わせて、3次元データ(点群)から精度よくケーブル状のオブジェクトを選択的に検出することに貢献することができる。
【0054】
また、実施形態1によれば、3次元データから精度よくケーブル状のオブジェクトを選択的に検出することができるので、電力業界などにおけるケーブルと構造物との間の離隔距離の計測を容易化することができる。
【0055】
また、実施形態1によれば、弛度(2点間に張られている線のたるみの度合)が異なる多様な電線92のような懸垂線の検出においても、機械学習を用いずにケーブルの検出を行うことができる。
【0056】
また、実施形態1によれば、3次元センサ60と、ノート型パーソナルコンピュータ、タブレット端末等のケーブル検出装置1のみで3次元データから精度よくケーブルを検出することができるので、作業員は専用の検出装置などを使用せずに、容易にケーブルの検出を行うことができる。
【0057】
さらに、実施形態1によれば、3次元センサ60で撮影した3次元データを使用することができるので、例えば、高所や暗所などの危険な場所での撮影作業において、検出対象物となるケーブルの元まで行くことなく安全な場所から撮影作業を行うことができる。
【0058】
[実施形態2]
実施形態2に係るケーブル検出装置について図面を用いて説明する。図7は、実施形態2に係るケーブル検出装置の使用態様の一例を模式的に示したイメージ図である。
【0059】
実施形態2は、実施形態1の変形例であり、ケーブル検出装置1に3次元センサ部40を内蔵したものを用いたものである。ケーブル検出装置1として、例えば、もともと3次元センサ部40(例えば、デプスセンサ、ToFカメラ等)を内蔵しているスマートフォン、タブレット端末等の携帯型情報処理装置を用いることができる。実施形態2に係るケーブル検出装置1における3次元センサ部40以外の構成及び動作は、実施形態1に係るケーブル検出装置(図2参照)の構成及び動作と同様である。
【0060】
実施形態2によれば、実施形態1と同様に、角度変換、射影、及び点群復元等の手間や計算負荷が小さい手法を組み合わせて、3次元データ(点群)から精度よくケーブル状のオブジェクトを選択的に検出することに貢献することができるとともに、ケーブル検出装置1の取り扱いを容易にすることができる。
【0061】
[実施形態3]
実施形態3に係るケーブル検出装置について図面を用いて説明する。図8は、実施形態3に係るケーブル検出装置の使用態様の一例を模式的に示したイメージ図である。
【0062】
実施形態3は、実施形態1の変形例であり、ケーブル検出装置1を、ネットワーク80を介して、3次元センサ部71を内蔵する情報通信端末70に通信可能に接続した構成としたものである。
【0063】
ケーブル検出装置1には、実施形態1に係るケーブル検出装置(図2参照)と同様なものを用いることができ、クラウド上の装置、サーバ装置とすることができる。ケーブル検出装置1は、ネットワーク80と有線通信可能に接続しているが、ネットワーク80と無線通信可能に接続していてもよい。ケーブル検出装置1の動作については、実施形態1に係るケーブル検出装置の動作(図3図5参照)と同様である。
【0064】
情報通信端末70は、情報を通信する端末装置である。情報通信端末70には、例えば、もともと3次元センサ部71(例えば、デプスセンサ、ToFカメラ等)を内蔵するスマートフォン、タブレット端末等を用いることができる。情報通信端末70は、ネットワーク80と無線通信可能に接続しているが、ネットワーク80と有線通信可能に接続していてもよい。情報通信端末70は、3次元センサ部71で検出対象物90を撮影した撮影データ(図2の2に相当)をケーブル検出装置1に向けて送信する機能を有する。
【0065】
ネットワーク80は、ケーブル検出装置1及び情報通信端末70の間を通信可能に接続する情報通信網である。ネットワーク80には、例えば、PAN(Personal Area Network)、LAN(Local Area Network)、MAN(Metropolitan Area Network)、WAN(Wide Area Network)、GAN(Global Area Network)等の通信網を用いることができる。ネットワーク80は、無線基地局、通信設備、有線ケーブル等を含む。
【0066】
実施形態3によれば、実施形態1と同様に、角度変換、射影、及び点群復元等の手間や計算負荷が小さい手法を組み合わせて、3次元データ(点群)から精度よくケーブル状のオブジェクトを選択的に検出することに貢献することができるとともに、複数箇所での検出対象物90の撮影を同時に進め、ケーブル検出を一か所で行って、ケーブルと構造物との間の離隔距離を一元管理することに貢献することができる。
【0067】
[実施形態4]
実施形態4に係るケーブル検出装置について図面を用いて説明する。図9は、実施形態4に係るケーブル検出装置の構成を模式的に示したブロック図である。
【0068】
ケーブル検出装置1は、撮影データ2から懸垂線状のケーブルを検出する装置である。ケーブル検出装置1は、直線検出部21と、懸垂線検出部22と、を備える。直線検出部21は、撮影データ2に係る点群における任意の高さの領域にある点群を水平面に射影して直線を検出するように構成されている。懸垂線検出部22は、前記直線検出部で検出された前記直線に基づいて点群を復元して所定の垂直面に射影して、ケーブルとしての懸垂線を検出するように構成されている。
【0069】
実施形態4によれば、射影、及び点群復元等の手間や計算負荷が小さい手法を組み合わせて、撮影データに係る点群から精度よくケーブル状のオブジェクトを選択的に検出することに貢献することができる。
【0070】
なお、実施形態1~4に係るケーブル検出装置は、いわゆるハードウェア資源(情報処理装置、コンピュータ)により構成することができ、図10に例示する構成を備えたものを用いることができる。例えば、ハードウェア資源100は、内部バス104により相互に接続される、プロセッサ101、メモリ102、ネットワークインタフェイス103等を備える。
【0071】
なお、図10に示す構成は、ハードウェア資源100のハードウェア構成を限定する趣旨ではない。ハードウェア資源100は、図示しないハードウェア(例えば、入出力インタフェイス)を含んでもよい。あるいは、装置に含まれるプロセッサ101等のユニットの数も図10の例示に限定する趣旨ではなく、例えば、複数のプロセッサ101がハードウェア資源100に含まれていてもよい。プロセッサ101には、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等を用いることができる。
【0072】
メモリ102には、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等を用いることができる。
【0073】
ネットワークインタフェイス103には、例えば、LAN(Local Area Network)カード、ネットワークアダプタ、ネットワークインタフェイスカード等を用いることができる。
【0074】
ハードウェア資源100の機能は、上述の処理モジュールにより実現される。当該処理モジュールは、例えば、メモリ102に格納されたプログラムをプロセッサ101が実行することで実現される。また、そのプログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。さらに、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。即ち、上記処理モジュールが行う機能は、何らかのハードウェアにおいてソフトウェアが実行されることによって実現できればよい。
【0075】
上記実施形態の一部または全部は以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0076】
[付記1]
撮影データに係る点群における任意の高さの領域にある点群を水平面に射影して直線を検出するように構成された直線検出部と、
前記直線検出部で検出された前記直線に基づいて点群を復元して所定の垂直面に射影して、ケーブルとしての懸垂線を検出するように構成された懸垂線検出部と、
を備える、
ケーブル検出装置。
[付記2]
前記直線検出部は、前記撮影データの重力方向が下向きになるように、前記撮影データに係る点群を角度変換し、角度変換された前記撮影データに係る点群を用いて前記直線を検出するように構成されている、
付記1記載のケーブル検出装置。
[付記3]
情報を入力する入力部をさらに備え、
前記直線検出部は、前記入力部で入力された情報に基づいて、前記撮影データに係る点群を含む空間において、垂直方向に関し、前記ケーブルに係る点群を含む前記任意の高さの領域を指定するように構成されている、
付記1又は2記載のケーブル検出装置。
[付記4]
前記直線検出部は、指定された前記任意の高さの領域を、前記垂直方向に関し、複数の小領域に分割し、分割された各前記小領域における点群を前記水平面に射影して前記直線を検出するように構成されている、
付記3記載のケーブル検出装置。
[付記5]
前記懸垂線検出部は、前記直線検出部で検出されたいずれかの直線が所定の垂直面に平行になるように、復元された前記点群を角度変換し、角度変換された前記点群を用いて前記懸垂線を検出するように構成されている、
付記1乃至4のいずれか一に記載のケーブル検出装置。
[付記6]
前記懸垂線検出部は、角度変換された前記点群を前記所定の垂直面に射影して前記懸垂線を検出するように構成されている、
付記5記載のケーブル検出装置。
[付記7]
前記ケーブル検出装置は、計測対象物を撮影して前記撮影データを出力する3次元センサに通信可能に接続されるように構成されている、
付記1乃至6のいずれか一に記載のケーブル検出装置。
[付記8]
計測対象物を撮影して前記撮影データを出力する3次元センサ部をさらに備える、
付記1乃至6のいずれか一に記載のケーブル検出装置。
[付記9]
前記ケーブル検出装置は、計測対象物を撮影して前記撮影データを出力する3次元センサ部を備える携帯通信端末とネットワークを介して通信可能に接続されるように構成されている、
付記1乃至6のいずれか一に記載のケーブル検出装置。
[付記10]
ハードウェア資源を用いて撮影データから懸垂線状のケーブルを検出するケーブル検出方法であって、
前記撮影データに係る点群における任意の高さの領域にある点群を水平面に射影して直線を検出するステップと、
検出された前記直線に基づいて点群を復元して所定の垂直面に射影して、前記ケーブルとしての懸垂線を検出するステップと、
を含む、
ケーブル検出方法。
[付記11]
撮影データから懸垂線状のケーブルを検出する処理をハードウェア資源に実行させるプログラムであって、
前記撮影データに係る点群における任意の高さの領域にある点群を水平面に射影して直線を検出する処理と、
検出された前記直線に基づいて点群を復元して所定の垂直面に射影して、前記ケーブルとしての懸垂線を検出する処理と、
を前記ハードウェア資源に実行させる、
プログラム。
【0077】
なお、上記の特許文献、非特許文献の各開示は、本書に引用をもって繰り込み記載されているものとし、必要に応じて本発明の基礎ないし一部として用いることが出来るものとする。本発明の全開示(特許請求の範囲及び図面を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせないし選択(必要により不選択)が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲及び図面を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。また、本願に記載の数値及び数値範囲については、明記がなくともその任意の中間値、下位数値、及び、小範囲が記載されているものとみなされる。さらに、上記引用した文献の各開示事項は、必要に応じ、本願発明の趣旨に則り、本願発明の開示の一部として、その一部又は全部を、本書の記載事項と組み合わせて用いることも、本願の開示事項に含まれる(属する)ものと、みなされる。
【符号の説明】
【0078】
1 ケーブル検出装置
2 撮影データ
10 前処理部
11 フォーマット変換部
12 ノイズ除去部
20 ケーブル検出部
21 直線検出部
22 懸垂線検出部
30 ユーザインタフェイス部
31 表示部
32 入力部
40 3次元センサ部
60 3次元センサ
70 情報通信端末
71 3次元センサ部
80 ネットワーク
90 検出対象物
91 電柱
92 電線
93、94 建物
93a 建物指定領域部
95 地面
96 指定領域
96a、96b、96c 小領域
100 ハードウェア資源
101 プロセッサ
102 メモリ
103 ネットワークインタフェイス
104 内部バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10