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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/4401 20180101AFI20241203BHJP
【FI】
G06F9/4401
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020184870
(22)【出願日】2020-11-05
(65)【公開番号】P2022074649
(43)【公開日】2022-05-18
【審査請求日】2023-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100088959
【弁理士】
【氏名又は名称】境 廣巳
(74)【代理人】
【識別番号】100097157
【弁理士】
【氏名又は名称】桂木 雄二
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】末政 貴弘
【審査官】松平 英
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-149598(JP,A)
【文献】特開2017-021669(JP,A)
【文献】特開2005-165440(JP,A)
【文献】特表2001-512297(JP,A)
【文献】特表2009-512020(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/22-1/24
3/06-3/08
8/00-8/38
8/60-8/77
9/44-9/445
9/451
13/10-13/14
13/20-15/00
15/16-15/177
H04B 7/24-7/26
H04L12/00-12/28
12/44-12/66
45/00-51/58
67/00-67/75
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の装置それぞれと複数のパスを介して接続された情報処理装置であって、
初期化対象の装置と接続する複数のパスのうち、一部のパスのみを初期化する初期化部を有し、
前記初期化部は、装置と接続する複数のパスのうち一つのパスについて初期化が成功すると、当該装置と接続する他のパスについて初期化を行わずに、他の装置と接続するパスについて初期化を行う
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記初期化部は、予め取得された優先度に応じて、初期化対象の装置を選択する
情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記優先度は、装置にアクセスした時刻と、装置アクセス時の利用者と、のうちの少なくとも一方に基づいて取得されている
情報処理装置。
【請求項4】
請求項に記載の情報処理装置であって、
前記初期化部は、前記優先度が取得されているか否かに応じて、異なる基準で初期化を行う装置を選択する
情報処理装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記初期化部は、装置を管理するための装置管理テーブルに基づいて生成したパス管理テーブルをもちいて初期化を管理する
情報処理装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記初期化部が初期化を行わなかったパスについて初期化を行うOSを有する
情報処理装置。
【請求項7】
複数の装置それぞれと複数のパスを介して接続された情報処理装置が、
初期化対象の装置と接続する複数のパスのうち、一部のパスのみを初期化し、
前記初期を行う際、装置と接続する複数のパスのうち一つのパスについて初期化が成功すると、当該装置と接続する他のパスについて初期化を行わずに、他の装置と接続するパスについて初期化を行う
初期化方法。
【請求項8】
複数の装置それぞれと複数のパスを介して接続された情報処理装置に、
初期化対象の装置と接続する複数のパスのうち、一部のパスのみを初期化する初期化部を実現させ、
前記初期化部は、装置と接続する複数のパスのうち一つのパスについて初期化が成功すると、当該装置と接続する他のパスについて初期化を行わずに、他の装置と接続するパスについて初期化を行う
プログラム。
【請求項9】
複数の装置それぞれと複数のパスを介して接続された情報処理装置であって、
初期化対象の装置と接続する複数のパスのうち、一部のパスのみを初期化する初期化部を有し、
前記初期化部が初期化を行わなかったパスについて初期化を行うOSを有する
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、初期化方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
OS(Operating System)起動後のI/O(Input/Output)性能や信頼性を担保することなどを目的として、周辺装置が接続されたシステムにおいて、OS起動前に周辺装置との全パス初期化を行うことがある。
【0003】
このような周辺装置の初期化について記載された文献の一例としては、例えば、特許文献1がある。特許文献1には、システムの内部状態を示すデータを記憶する主記憶手段と、少なくとも1つ以上の、通信装置を含む周辺装置とのインタフェースを司るインタフェース手段とを有するコンピュータシステムが記載されている。特許文献1によると、システムは、主記憶手段の記憶内容を格納する格納手段と、電源切断直前の主記憶手段の記憶内容を格納手段に格納させるための状態格納処理手段と、電源再投入時に、格納手段に格納されている記憶内容を回復する状態回復手段と、状態回復手段により回復された記憶内容の一部を、インタフェース手段を介して得られる現在の周辺装置の状態に基づいて初期化する初期化手段とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平05-333962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術の場合、例えば、電源切断中に装置の構成が変わった場合などに対応できない場合があり、信頼性の担保に課題があった。また、信頼性を確保するためには、OS起動前に全パスに対してI/Oを発効してその結果によってパスが有効か否か判断する方法もある。しかしながら、全パスについて有効か否か確認する場合、全パスに対してI/Oを発効するため非常に時間がかかってしまっていた。
【0006】
このように、信頼性を担保しつつ迅速にOS起動を行うことが難しいことがある、という課題が生じていた。そこで、本開示の目的は、信頼性を担保しつつ迅速にOS起動を行うことが難しいことがある、という課題を解決する情報処理装置、初期化方法、プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するため本開示の一形態である情報処理装置は、
複数の装置それぞれと複数のパスを介して接続された情報処理装置であって、
初期化対象の装置と接続する複数のパスのうち、一部のパスのみを初期化する初期化部を有する
という構成をとる。
【0008】
また、本開示の他の形態である初期化方法は、
複数の装置それぞれと複数のパスを介して接続された情報処理装置が、
装置と接続する複数のパスのうち一つのパスについて初期化が成功すると、当該装置と接続する他のパスについて初期化を行わずに、他の装置と接続するパスについて初期化を行う
という構成をとる。
【0009】
また、本開示の他の形態であるプログラムは、
複数の装置それぞれと複数のパスを介して接続された情報処理装置に、
初期化対象の装置と接続する複数のパスのうち、一部のパスのみを初期化する初期化部を実現するためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
上述したような各構成によると、信頼性を担保しつつ迅速にOS起動を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の第1の実施形態におけるホスト装置と装置群の構成例を示す図である。
図2図1で示すシステムイニシャライザの構成例を示すブロック図である。
図3図2で示す装置管理テーブルの一例を示す図である。
図4図2で示すパス管理テーブルの一例を示す図である。
図5図1で示すOSの構成例を示すブロック図である。
図6】初回起動時のシステムイニシャライザの動作例を示すフローチャートである。
図7】2回目以降のシステムイニシャライザの動作例を示すフローチャートである。
図8】初回起動時のOSの動作例を示すフローチャートである。
図9】2回目以降のOSの動作例を示すフローチャートである。
図10】本開示の第2の実施形態における情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
図11】情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1の実施形態]
本開示の第1の実施形態について、図1から図9までを参照して説明する。図1は、
ホスト装置100と装置200の構成例を示す図である。図2は、システムイニシャライザ110の構成例を示すブロック図である。図3は、装置管理テーブル111の一例を示す図である。図4は、パス管理テーブル112の一例を示す図である。図5は、OS130の構成例を示すブロック図である。図6図7は、システムイニシャライザ110の動作例を示すフローチャートである。図8図9は、OSの動作例を示すフローチャートである。
【0013】
本開示の第1の実施形態においては、複数の装置200とパスを介して接続されたホスト装置100について説明する。本実施形態におけるホスト装置100は、起動時に装置200と接続するパスの初期化を行う。後述するように、本実施形態の場合、ホスト装置100は、初期化対象となる装置200と接続する複数のパスのうち一部のパスのみを初期化してOS130を起動する。そして、ホスト装置100は、OS130の起動後、残りのパスについて初期化する。
【0014】
なお、後述するように、初期化対象になる装置200は、例えば、後述する優先度が取得されているか否かに応じて異なる。例えば、優先度が取得されている場合、初期化対象になる装置200は、ホスト装置100と接続された装置200のうち、優先度が優先度閾値以上となる装置200である。換言すると、後述するシステムイニシャライザ110は、優先度が取得されている場合、ホスト装置100と接続された装置200のうち、優先度が優先度閾値以上となる装置200を初期化対象の装置200として選択する。一方、優先度が取得されていない場合、初期化対象になる装置200は、ホスト装置100と接続されている全ての装置200である。つまり、システムイニシャライザ110は、優先度が取得されていない場合、ホスト装置100と接続された全ての装置200を初期化対象の装置200として選択する。なお、初期化対象になる装置200は、上記例示した以外であってもよい。
【0015】
図1は、ホスト装置100の構成例を示している。図1を参照すると、ホスト装置100は、周辺装置群を構成する各装置200と複数のパスを用いて接続されている。例えば、図1で示す場合、ホスト装置100は、各装置200とそれぞれ4本のパスを用いて接続されている。なお、ホスト装置100は、3本など上記例示した以外の数のパスを用いて装置200と接続されていてもよい。また、装置200ごとにパスの数が異なっていてもよい。
【0016】
また、図1を参照すると、ホスト装置100は、例えば、システムイニシャライザ110とOSスタートプロセス120とOS130とを有している。例えば、ホスト装置100は、CPUなどの演算装置と、記憶装置と、を有している。例えば、ホスト装置100は、記憶装置に格納されたプログラムを演算装置が実行することで、上述した各処理部を実現することが出来る。ホスト装置100は、ハードウェア、または、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせなどにより上記各処理部を実現してもよい。
【0017】
システムイニシャライザ110は、OS130を起動する前に、パスの初期化処理を行う。図2は、システムイニシャライザ110の構成例を示している。図2を参照すると、例えば、システムイニシャライザ110は、装置管理テーブル111とパス管理テーブル112とを有することが出来る。また、システムイニシャライザ110は、主な処理部として、装置管理テーブルコピー部113、パス情報取得部114、パス選択部115、初期化I/O発行部116、I/O結果チェック部117、テーブル更新部118を有している。
【0018】
装置管理テーブル111は、ホスト装置100と接続された周辺装置群である各装置200を管理するためのテーブルである。図3は、装置管理テーブル111の構成例を示している。図3を参照すると、装置管理テーブル111には、例えば、装置識別名と、パスIDと、有効フラグと、が含まれている。
【0019】
ここで、装置識別名は、装置200を一意に示す識別情報である。装置識別名は、装置200ごとに予め与えられている。また、接続パス名は、装置識別名が示す装置200に接続されているパスを識別するための識別情報である。接続パス名は、パスごとに予め与えられている。また、有効フラグは、接続パス名で示すパスが有効であるか無効であるかを示すフラグである。
【0020】
パス管理テーブル112は、パスの初期化処理を管理するためのテーブルである。例えば、パス管理テーブル112は、後述する装置管理テーブルコピー部113が装置管理テーブル111をコピーすることで生成される。装置管理テーブル111をコピーすることで生成したパス管理テーブル112を用いてパスの初期化処理を管理することで、装置管理テーブル111を参照する他の処理部と干渉することなくパスの初期化処理を管理することが出来る。
【0021】
図4は、パス管理テーブル112の構成例を示している。図4を参照すると、パス管理テーブル112には、例えば、装置識別名と、パスIDと、有効フラグと、初期化フラグと、優先度と、アクセス時刻と、が含まれている。
【0022】
ここで、装置識別名とパスIDと有効フラグとは、装置管理テーブル111と同一である。そのため、説明を省略する。また、初期化フラグは、接続パス名で示すパスに対して初期化処理が行われているか否かを示すフラグである。初期化フラグは、初期化処理を行うことで更新される。優先度は、2回目以降に初期化処理を実行する際の優先度を示している。優先度の詳細については、後述する。また、アクセス時刻は、装置識別名が示す装置200への初回アクセス時の時刻を示している。例えば、アクセス時刻は、イニシャライザ110動作開始を0秒とした相対的な時刻(例えばμs)を示している。
【0023】
装置管理テーブルコピー部113は、装置管理テーブル111をコピーすることなどによりパス管理テーブル112を生成する。また、装置管理テーブルコピー部113は、装置管理テーブル111が更新されている場合に、更新された情報のパス管理テーブル112への反映を行う。
【0024】
例えば、装置管理テーブルコピー部113は、システムイニシャライザ110の初回起動時などパス管理テーブル112が生成されていない場合、装置管理テーブル111をコピーすることなどによりパス管理テーブル112を生成する。
【0025】
また、装置管理テーブルコピー部113は、システムイニシャライザ110の2回目以降の起動時などパス管理テーブル112が既に生成されている場合、パス管理テーブル112と装置管理テーブル111とを比較することで、装置管理テーブル111が更新されているか否か確認する。そして、装置管理テーブル111が更新されている場合、装置管理テーブルコピー部113は、更新された情報のパス管理テーブル112への反映を行う。
【0026】
例えば、以上のように、装置管理テーブルコピー部113は、システムイニシャライザ110の起動時にパス管理テーブル112を生成したり更新したりする。
【0027】
パス情報取得部114は、パス管理テーブル112を参照することによりパスIDなどを含むパス情報を取得する。
【0028】
ここで、パス情報取得部114は、例えば、優先度が設定されているか否かに応じて、異なる基準でパス情報を取得する。換言すると、パス情報取得部114は、システムイニシャライザ110の初回起動時など優先度がいまだ取得されていない場合と、システムイニシャライザ110の2回目以降の起動時など優先度が取得されている場合とで、異なる基準を用いて選択したパス情報を取得する。
【0029】
例えば、優先度が取得されていない場合、パス情報取得部114は、テーブルの先頭など任意の装置200に対応する任意のパス情報を取得する。その後、パス情報取得部114が取得したパス情報が示すパスに対して、初期化I/O発行などの初期化処理が行われる。
【0030】
また、パス情報取得部114は、初期化処理の結果に応じたパス情報の取得を行う。例えば、上記初期化処理の結果、初期化が失敗した場合、パス情報取得部114は、初期化処理を行ったパスと同一の装置200に対応する他の任意のパス情報を取得する。一方、初期化が成功した場合、パス情報取得部114は、次の装置200に対応する任意のパス情報を取得する。なお、次の装置200は、テーブルの並び順に応じて決定するなど任意の方法で決定してよい。
【0031】
例えば、以上のように、パス情報取得部114は、優先度が取得されていない場合、任意の装置200に対応する任意のパス情報を取得する。また、パス情報取得部114は、装置200と接続する複数のパスのうち1つのパスについて初期化が成功するように、パス情報の取得を行う。換言すると、パス情報取得部114は、装置200と接続する複数のパスのうち1つのパスについて初期化が成功した段階で、当該初期化が成功した装置200に対応する他のパス情報を取得せずに他の装置200に対応するパス情報を取得する。
【0032】
また、例えば、優先度が取得されている場合、パス情報取得部114は、優先度が優先度閾値以上となる装置200のうち最も優先度が高い装置200に対応する任意のパス情報を取得する。その後、パス情報取得部114が取得したパス情報が示すパスに対して、初期化I/O発行などの初期化処理が行われる。なお、優先度閾値は、任意の値であってよい。
【0033】
また、パス情報取得部114は、初期化処理の結果に応じたパス情報の取得を行う。例えば、上記初期化処理の結果、初期化が失敗した場合、パス情報取得部114は、初期化処理を行ったパスと同一の装置200に対応する他の任意のパス情報を取得する。一方、初期化が成功した場合、パス情報取得部114は、優先度が次に高い装置200に対応する任意のパス情報を取得する。
【0034】
例えば、以上のように、パス情報取得部114は、優先度が取得されている場合、優先度が優先度閾値以上となる装置200を対象に、優先度が高い順番で初期化処理を行う。換言すると、パス情報取得部114は、優先度が優先度閾値未満となる装置200に対応するパス情報を取得しない。また、パス情報取得部114は、初期化対象となる装置200と接続する複数のパスのうち1つのパスについて初期化が成功するように、パス情報の取得を行う。換言すると、パス情報取得部114は、装置200と接続する複数のパスのうち1つのパスについて初期化が成功した段階で、当該初期化が成功した装置200に対応する他のパス情報を取得せずに他の装置200に対応するパス情報を取得する。
【0035】
なお、優先度が同じ装置200が複数ある場合、パス情報取得部114は、優先度が同じ装置200のうちの任意の方法で選択した装置200に対応するパス情報を取得してよい。
【0036】
パス選択部115は、パス情報取得部114が取得したパス情報に基づいて、初期化I/Oを発行するパスを選択する。例えば、パス選択部115は、パス情報に含まれるパスIDが示すパスを選択する。
【0037】
初期化I/O発行部116は、パス情報取得部114がパス情報を取得してパス選択部115が選択したパスに対して、初期化I/Oを発行する。初期化I/O発行部116の構成は、既知のものであってよい。
【0038】
I/O結果チェック部117は、初期化I/O発行部116が初期化I/Oを発行した結果に応じて、初期化が成功したか否か確認する。I/O結果チェック部117の構成も既知のものであってよい。
【0039】
テーブル更新部118は、I/O結果チェック部117による確認の結果に応じて、パス管理テーブル112を更新する。例えば、I/O結果チェック部117により初期化が成功したと判断された場合、テーブル更新部118は、パス管理テーブル112のうち初期化処理を行ったパスに対応する有効フラグと初期化フラグをオンに変更する。一方、I/O結果チェック部117により初期化が失敗したと判断された場合、テーブル更新部118は、パス管理テーブル112のうち初期化処理を行ったパスに対応する有効フラグをオフに変更するとともに、初期化フラグをオンに変更する。
【0040】
また、テーブル更新部118は、システムイニシャライザ110の2回目以降起動時に、パス管理テーブル112の有効フラグと初期化フラグをオフに変更することが出来る。
【0041】
OSスタートプロセス120は、システムイニシャライザ110により初期化対象となる装置200に対する初期化処理の後、OS130を起動させる。上述したように、システムイニシャライザ110は、装置200と接続する複数のパスのうち1つのパスについて初期化が成功するように、初期化対象となる装置200に対する初期化処理を行う。そのため、OSスタートプロセス120は、初期化対象となる各装置200と接続する複数のパスのうち1つのパスについて初期化が成功した段階で、OS130を起動させることになる。つまり、OSスタートプロセス120は、予め定められた条件を満たす一部のパスについて初期化が成功した段階でOS130を起動させる。なお、OSスタートプロセス120は、既知のものであってよい。
【0042】
OS130は、システムイニシャライザ110が初期化しなかったパスについて初期化処理を行う。また、OS130は、パスが一本も初期化されていない装置200に対してI/Oが発行される場合、当該I/Oの発行前にパスの初期化を行う。また、OS130は、I/O発行時のアクセス時刻や利用者に応じて優先度の測定を行う。
【0043】
図5は、OS130の構成例を示している。図5を参照すると、例えば、OS130は、パス管理テーブル131を有することが出来る。また、OS130は、主な処理部として、ユーザジョブやI/O機能などの一般的な機能の他に、パス情報取得部132とパス選択部133と初期化I/O発行部134とI/O結果チェック部135とを含む周辺装置初期化部と、有効フラグ変更部136と初期化フラグ変更部137と優先度変更部138とアクセス時刻変更部139と通知部140とを含むパス管理テーブル更新部と、を有している。なお、本実施形態の場合、OS130が有するI/O機能は、I/O発行時などに優先度変更部138やアクセス時刻変更部139を呼び出す機能を有することが出来る。
【0044】
パス管理テーブル131は、パスの初期化処理を管理するためのテーブルである。パス管理テーブル131の更新は、パス管理テーブル112に反映される。また、パス管理テーブル112の構成は、パス管理テーブル131に反映される。パス管理テーブル131は、パス管理テーブル112と同じものであってよい。
【0045】
パス情報取得部132は、パス管理テーブル131を参照することによりパスIDなどを含むパス情報を取得する。
【0046】
ここで、パス情報取得部132は、システムイニシャライザ110が初期化処理を行わなかったパスについてのパス情報を取得する。また、パス情報取得部132は、パス情報取得部114と同様に、優先度が設定されているか否かに応じて、システムイニシャライザ110が初期化処理を行わなかったパスについて異なる基準でパス情報を取得する。換言すると、パス情報取得部114は、システムイニシャライザ110の初回起動時など優先度がいまだ取得されていない場合と、システムイニシャライザ110の2回目以降の起動時など優先度が取得されている場合とで、異なる基準を用いて選択したパス情報を取得する。
【0047】
例えば、優先度が取得されていない場合、パス情報取得部132は、システムイニシャライザ110が初期化処理を行わなかったパスについて、テーブルの先頭などから順番に順次パス情報を取得する。これにより、OS130は、システムイニシャライザ110が初期化処理を行わなかったパスについて順次初期化を行う。
【0048】
また、例えば、優先度が取得されている場合、パス情報取得部132は、システムイニシャライザ110が初期化処理を行わなかったパスについて、優先度が高い順に順次パス情報を取得する。これにより、OS130は、システムイニシャライザ110が初期化処理を行わなかったパスについて、優先度が高い順に順次初期化を行う。
【0049】
例えば、以上のように、パス情報取得部132は、システムイニシャライザ110が初期化処理を行わなかったパスについて順次パス情報を取得する。
【0050】
なお、優先度が取得されている場合、優先度が優先度閾値以上になる装置200がシステムイニシャライザ110による初期化対象の装置200となる。そのため、優先度が優先度閾値未満の装置200は、システムイニシャライザ110により初期化処理が行われない。その結果、OS130が有するI/O機能などによりI/Oが発行された際に、発行先の装置200に対応する全てのパスについて初期化が行われていない可能性がある。このように、対応する全てのパスについて初期化が行われていない装置200に対してI/Oが発行された場合、パス情報取得部132は、当該装置200に対応する任意のパス情報を取得することが出来る。これにより、OS130は、パス情報取得部132が取得したパス情報が示すパスに対する初期化処理を行うことが出来る。また、OS130による初期化処理の後、I/O機能などによりI/Oを発行することが出来る。
【0051】
パス選択部133、初期化I/O発行部134、I/O結果チェック部135は、パス選択部115、初期化I/O発行部116、I/O結果チェック部117と同様の処理を行う。例えば、パス選択部133は、パス情報取得部132が取得したパス情報に基づいて、初期化I/Oを発行するパスを選択する。また、初期化I/O発行部134は、パス情報取得部132がパス情報を取得してパス選択部133が選択したパスに対して、初期化I/Oを発行する。そして、I/O結果チェック部135は、初期化I/O発行部134が初期化I/Oを発行した結果に応じて、初期化が成功したか否か確認する。
【0052】
有効フラグ変更部136と初期化フラグ変更部137は、テーブル更新部118と同様の処理を行う。例えば、I/O結果チェック部135により初期化が成功したと判断された場合、パス管理テーブル131のうち初期化処理を行ったパスに対応する有効フラグを有効フラグ変更部136がオンに変更する。また、初期化処理を行ったパスに対応する初期化フラグを初期化フラグ変更部137がオンに変更する。一方、I/O結果チェック部135により初期化が失敗したと判断された場合、パス管理テーブル131のうち初期化処理を行ったパスに対応する有効フラグを有効フラグ変更部136がオフに変更する。また、初期化処理を行ったパスに対応する初期化フラグを初期化フラグ変更部137がオンに変更する。
【0053】
優先度変更部138は、パス管理テーブル131に含まれる優先度の項目を変更する。例えば、優先度変更部138は、I/O発行時のアクセス時刻や利用者のうちの少なくとも1つに応じて優先度の値を加算する。なお、時刻および利用者の設定や加算する値は任意に設定してよい。
【0054】
一例として、優先度変更部138は、OS130の起動前にI/Oが発行された場合、優先度の値を1加算する。また、優先度変更部138は、OS130の起動後にI/Oが発行された場合、優先度の値を0加算する。このように、優先度変更部138は、I/Oの発光体民具がOS130の起動前であるか起動後であるかに応じて、異なる値を加算することが出来る。なお、優先度変更部138は、I/O発行時のシステムイニシャライザ110起動からの経過時間に応じて、段階的に優先度の値を加算するよう構成してもよい。
【0055】
また、一例として、優先度変更部138は、I/Oの利用者に応じた値を加算する。例えば、優先度変更部138は、I/Oの利用者がサブシステムである場合優先度の値を2加算する、ユーザである場合優先度の値を1加算する、利用者なしの場合優先度の値を0加算する、など、利用者に応じて優先度の値を変更する。
【0056】
例えば、以上のように、優先度変更部138は、I/O発行時のアクセス時刻や利用者に応じて優先度の値を加算する。
【0057】
アクセス時刻変更部139は、パス管理テーブル131に含まれるアクセス時刻の項目を変更する。例えば、アクセス時刻変更部139は、OS130が有するI/O機能などによりI/Oが発行されると、I/O発行時の時刻(例えば、システムイニシャライザ110動作開始から経過した時間)をアクセス時刻の項目に書き込む。
【0058】
通知部140は、OS130が有する他の機能部などに対して、有効フラグ変更部136、初期化フラグ変更部137、優先度変更部138、アクセス時刻変更部139などによりパス管理テーブル131に変更があった旨を通知することが出来る。つまり、通知部140は、パス管理テーブル131に変更があった場合、パス管理テーブル131に変更があった旨を他の処理部や外部装置などに対して通知する。
【0059】
以上が、ホスト装置100の構成例である。続いて、図6から図9までを参照して、パスの初期化処理を行う際の動作例について説明する。まず、図6図7を参照して、システムイニシャライザ110が初期化処理を行う際の動作例について説明する。
【0060】
図6は、優先度が取得されていない場合のシステムイニシャライザ110の動作例を示している。図6を参照すると、システムイニシャライザ110が起動する(ステップS110)。
【0061】
装置管理テーブルコピー部113は、装置管理テーブル111をコピーすることなどによりパス管理テーブル112を生成する(ステップS102)。
【0062】
パス情報取得部114は、パス管理テーブル112を参照することによりパスIDなどを含むパス情報を取得する。例えば、パス情報取得部114は、テーブルの先頭など任意の装置200に対応する任意のパス情報を取得する。また、パス選択部115は、パス情報取得部114が取得したパス情報に基づいて、初期化I/Oを発行するパスを選択する。そして、初期化I/O発行部116は、パス情報取得部114がパス情報を取得してパス選択部115が選択したパスに対して、初期化I/Oを発行する。このように、パスの初期化処理を行う(ステップS103)。
【0063】
I/O結果チェック部117は、初期化I/O発行部116が初期化I/Oを発行した結果に応じて、初期化が成功したか否か確認する(ステップS104)。初期化が失敗した場合(ステップS104、No)、テーブル更新部118は、パス管理テーブル112のうち初期化処理を行ったパスに対応する有効フラグをオフに変更するとともに、初期化フラグをオンに変更する。また、パス情報取得部114は、初期化処理を行ったパスと同一の装置200に対応する他の任意のパス情報を取得して(ステップS105)、ステップS103の処理に戻る。
【0064】
一方、初期化が成功した場合(ステップS104、Yes)、テーブル更新部118は、パス管理テーブル112のうち初期化処理を行ったパスに対応する有効フラグと初期化フラグをオンに変更する(ステップS106)。
【0065】
初期化対象となる全ての装置200に対して、接続された複数のパスのうち1つのパスを初期化する初期化処理が終了した場合(ステップS107、Yes)、システムイニシャライザ110は処理を終了する。その後、OSスタートプロセス120がOS130を起動する。一方、初期化対象となる装置200が残っている場合(ステップS107、No)、パス情報取得部114は、次の装置200に対応する任意のパス情報を取得して(ステップS108)、ステップS103の処理に戻る。
【0066】
以上が、優先度が取得されていない場合のシステムイニシャライザ110の動作例である。続いて、優先度が取得されている場合のシステムイニシャライザ110の動作例について図7を参照して説明する。
【0067】
図7を参照すると、システムイニシャライザ110が起動する(ステップS210)。
【0068】
装置管理テーブルコピー部113は、装置管理テーブル111が更新されているか否か確認する(ステップS202)。装置管理テーブル111が更新されている場合(ステップS202、Yes)、装置管理テーブルコピー部113は、更新された情報をパス管理テーブル112へ反映する(ステップS203)。
【0069】
テーブル更新部118は、パス管理テーブル112のうち有効フラグと初期化フラグをオフにする(ステップS204)。
【0070】
パス情報取得部114は、パス管理テーブル112を参照することにより、優先度にもとづいて、パスIDなどを含むパス情報を取得する。例えば、パス情報取得部114は、優先度が優先度閾値以上の装置200のうち最も優先度が高い装置200に対応する任意のパス情報を取得する(ステップS205)。また、パス選択部115は、パス情報取得部114が取得したパス情報に基づいて、初期化I/Oを発行するパスを選択する。そして、初期化I/O発行部116は、パス情報取得部114がパス情報を取得してパス選択部115が選択したパスに対して、初期化I/Oを発行する。このように、パスの初期化処理を行う(ステップS206)。
【0071】
I/O結果チェック部117は、初期化I/O発行部116が初期化I/Oを発行した結果に応じて、初期化が成功したか否か確認する(ステップS207)。初期化が失敗した場合(ステップS207、No)、テーブル更新部118は、パス管理テーブル112のうち初期化処理を行ったパスに対応する有効フラグをオフに変更するとともに、初期化フラグをオンに変更する。また、パス情報取得部114は、初期化処理を行ったパスと同一の装置200に対応する他の任意のパス情報を取得して(ステップS208)、ステップS206の処理に戻る。
【0072】
一方、初期化が成功した場合(ステップS207、Yes)、テーブル更新部118は、パス管理テーブル112のうち初期化処理を行ったパスに対応する有効フラグと初期化フラグをオンに変更する(ステップS209)。
【0073】
初期化対象となる全ての装置200に対して、接続された複数のパスのうち1つのパスを初期化する初期化処理が終了した場合(ステップS210、Yes)、システムイニシャライザ110は処理を終了する。その後、OSスタートプロセス120がOS130を起動する。一方、初期化対象となる装置200が残っている場合(ステップS210、No)、パス情報取得部114は、優先度が次に高い装置200に対応する任意のパス情報を取得して(ステップS211)、ステップS205の処理に戻る。
【0074】
以上が、優先度が取得されている場合のシステムイニシャライザ110の動作例である。続いて、優先度が取得されていない場合のOS130の動作例について図8を参照して説明する。
【0075】
パス情報取得部132は、パス管理テーブル131を参照することによりパスIDなどを含むパス情報を取得する。例えば、パス情報取得部132は、システムイニシャライザ110が初期化処理を行わなかったパスについて、テーブルの先頭などからパス情報を取得する(ステップS301)。
【0076】
パス選択部133は、パス情報取得部132が取得したパス情報に基づいて、初期化I/Oを発行するパスを選択する。そして、初期化I/O発行部134は、パス情報取得部132がパス情報を取得してパス選択部133が選択したパスに対して、初期化I/Oを発行する。このように、パスの初期化処理を行う(ステップS302)。
【0077】
I/O結果チェック部135は、初期化I/O発行部134が初期化I/Oを発行した結果に応じて、初期化が成功したか否か確認する(ステップS303)。初期化が失敗した場合(ステップS303、No)、有効フラグ変更部136が有効フラグをオフに変更するとともに、初期化フラグ変更部137が初期化フラグをオンに変更する(ステップS304)。一方、初期化が成功した場合(ステップS303、Yes)、有効フラグ変更部136が有効フラグをオンに変更するとともに、初期化フラグ変更部137が初期化フラグをオンに変更する(ステップS305)。
【0078】
全てのパスに対して初期化処理が行われた場合(ステップS306、Yes)、OS130は、パスの初期化処理を終了する。一方、初期化処理を行っていないパスが残っている場合(ステップS306、No)、パス情報取得部132は、次のパス情報を取得して(ステップS307)、ステップS302の処理へ戻る。
【0079】
以上が、優先度が取得されていない場合のOS130の動作例である。続いて、優先度が取得されている場合のOS130の動作例について図9を参照して説明する。
【0080】
パス情報取得部132は、パス管理テーブル131を参照することによりパスIDなどを含むパス情報を取得する。例えば、パス情報取得部132は、システムイニシャライザ110が初期化処理を行わなかったパスについて、優先度が高い順にパス情報を取得する(ステップS401)。
【0081】
パス選択部133は、パス情報取得部132が取得したパス情報に基づいて、初期化I/Oを発行するパスを選択する。そして、初期化I/O発行部134は、パス情報取得部132がパス情報を取得してパス選択部133が選択したパスに対して、初期化I/Oを発行する。このように、優先度順にパスの初期化処理を行う(ステップS402)。
【0082】
I/O結果チェック部135は、初期化I/O発行部134が初期化I/Oを発行した結果に応じて、初期化が成功したか否か確認する(ステップS403)。初期化が失敗した場合(ステップS403、No)、有効フラグ変更部136が有効フラグをオフに変更するとともに、初期化フラグ変更部137が初期化フラグをオンに変更する(ステップS404)。一方、初期化が成功した場合(ステップS403、Yes)、有効フラグ変更部136が有効フラグをオンに変更するとともに、初期化フラグ変更部137が初期化フラグをオンに変更する(ステップS405)。
【0083】
全てのパスに対して初期化処理が行われた場合(ステップS406、Yes)、OS130は、パスの初期化処理を終了する。一方、初期化処理を行っていないパスが残っている場合(ステップS406、No)、パス情報取得部132は、次のパス情報を取得して(ステップS407)、ステップS402の処理へ戻る。
【0084】
以上が、優先度が取得されている場合のOS130の動作例である。
【0085】
このように、ホスト装置100は、パス情報取得部114とパス選択部115と初期化I/O発行部116とを有するシステムイニシャライザ110を有している。このような構成によると、システムイニシャライザ110は、初期化対象となる装置200と接続する複数のパスのうち一部のパスのみを初期化するよう動作することが出来る。その結果、初期化対象となる装置200と接続する複数のパスのうち一部のパスのみを初期化した状態で、OS130を起動することが可能となる。これにより、信頼性を担保しつつ迅速にOS130を起動することが可能となる。
【0086】
また、OS130は、システムイニシャライザ110が初期化しなかったパスについて初期化するための構成を有している。このような構成により、OS130の起動後に残りのパスについて初期化することが可能となる。
【0087】
なお、本実施形態においては、装置管理テーブル111に更新があった場合でも優先度に基づく処理を行う場合について説明した。しかしながら、例えば、装置管理テーブルコピー部113が装置管理テーブル111に更新があると判断した場合、優先度を用いた処理を行わないように構成してもよい。つまり、装置管理テーブル111に更新がある場合、システムイニシャライザ110は、ホスト装置100と接続されたすべての装置200を初期化対象としてもよい。システムイニシャライザ110は、優先度が優先度閾値以上の装置200と、新たに追加された装置200を初期化対象とするなど、上記例示した以外の基準で初期化対象の装置200を決めてもよい。
【0088】
[第2の実施形態]
次に、図10図11を参照して、本開示の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、複数の装置それぞれと複数のパスを介して接続された情報処理装置300について説明する。
【0089】
図10は、情報処理装置300のハードウェア構成例を示している。図10を参照すると、情報処理装置300は、一例として、以下のようなハードウェア構成を有している。
・CPU(Central Processing Unit)301(演算装置)
・ROM(Read Only Memory)302(記憶装置)
・RAM(Random Access Memory)303(記憶装置)
・RAM303にロードされるプログラム群304
・プログラム群304を格納する記憶装置305
・情報処理装置外部の記録媒体310の読み書きを行うドライブ装置306
・情報処理装置外部の通信ネットワーク311と接続する通信インタフェース307
・データの入出力を行う入出力インタフェース308
・各構成要素を接続するバス309
【0090】
また、情報処理装置300は、プログラム群304をCPU301が取得して当該CPU301が実行することで、図11に示す初期化部321としての機能を実現することが出来る。なお、プログラム群304は、例えば、予め記憶装置305やROM302に格納されており、必要に応じてCPU301がRAM303などにロードして実行する。また、プログラム群304は、通信ネットワーク311を介してCPU301に供給されてもよいし、予め記録媒体310に格納されており、ドライブ装置306が該プログラムを読み出してCPU301に供給してもよい。
【0091】
なお、図10は、情報処理装置300のハードウェア構成例を示している。情報処理装置300のハードウェア構成は上述した場合に限定されない。例えば、情報処理装置300は、ドライブ装置306を有さないなど、上述した構成の一部から構成されてもよい。
【0092】
初期化部321は、初期化対象の装置と接続する複数のパスのうち、一部のパスのみを初期化する。
【0093】
このように、情報処理装置300は、初期化部321を有している。このような構成によると、初期化部321は、初期化対象の装置と接続する複数のパスのうち、一部のパスのみを初期化することが出来る。その結果、信頼性を担保しつつ迅速にOSを起動することが可能となる。
【0094】
なお、上述した情報処理装置300は、当該情報処理装置300に所定のプログラムが組み込まれることで実現できる。具体的に、本発明の他の形態であるプログラムは、複数の装置それぞれと複数のパスを介して接続された情報処理装置300に、初期化対象の装置と接続する複数のパスのうち、一部のパスのみを初期化する初期化部を実現するためのプログラムである。
【0095】
また、上述した情報処理装置300により実現される初期化方法は、複数の装置それぞれと複数のパスを介して接続された情報処理装置300が、装置と接続する複数のパスのうち一つのパスについて初期化が成功すると、当該装置と接続する他のパスについて初期化を行わずに、他の装置と接続するパスについて初期化を行う、という方法である。
【0096】
上述した構成を有する、プログラム(または記録媒体)、または、初期化方法、の発明であっても、上述した情報処理装置300と同様の作用・効果を有するために、上述した本発明の目的を達成することが出来る。
【0097】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本発明における情報処理装置などの概略を説明する。但し、本発明は、以下の構成に限定されない。
【0098】
(付記1)
複数の装置それぞれと複数のパスを介して接続された情報処理装置であって、
初期化対象の装置と接続する複数のパスのうち、一部のパスのみを初期化する初期化部を有する
情報処理装置。
(付記2)
付記1に記載の情報処理装置であって、
前記初期化部は、装置と接続する複数のパスのうち一つのパスについて初期化が成功すると、当該装置と接続する他のパスについて初期化を行わない
情報処理装置。
(付記3)
付記1または付記2に記載の情報処理装置であって、
前記初期化部は、装置と接続する複数のパスのうち一つのパスについて初期化が成功すると、当該装置と接続する他のパスについて初期化を行わずに、他の装置と接続するパスについて初期化を行う
情報処理装置。
(付記4)
付記1から付記3までのいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記初期化部は、予め取得された優先度に応じて、初期化対象の装置を選択する
情報処理装置。
(付記5)
付記4に記載の情報処理装置であって、
前記優先度は、装置にアクセスした時刻と、装置アクセス時の利用者と、のうちの少なくとも一方に基づいて取得されている
情報処理装置。
(付記6)
付記4または付記5に記載の情報処理装置であって、
前記初期化部は、前記優先度が取得されているか否かに応じて、異なる基準で初期化を行う装置を選択する
情報処理装置。
(付記7)
付記1から付記6までのいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記初期化部は、装置を管理するための装置管理テーブルに基づいて生成したパス管理テーブルをもちいて初期化を管理する
情報処理装置。
(付記8)
付記1から付記7までのいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記初期化部が初期化を行わなかったパスについて初期化を行うOSを有する
情報処理装置。
(付記9)
複数の装置それぞれと複数のパスを介して接続された情報処理装置が、
装置と接続する複数のパスのうち一つのパスについて初期化が成功すると、当該装置と接続する他のパスについて初期化を行わずに、他の装置と接続するパスについて初期化を行う
初期化方法。
(付記10)
複数の装置それぞれと複数のパスを介して接続された情報処理装置に、
初期化対象の装置と接続する複数のパスのうち、一部のパスのみを初期化する初期化部を実現するためのプログラム。
【0099】
なお、上記各実施形態及び付記において記載したプログラムは、記憶装置に記憶されていたり、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されていたりする。例えば、記録媒体は、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、及び、半導体メモリ等の可搬性を有する媒体である。
【0100】
以上、上記各実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることが出来る。
【符号の説明】
【0101】
100 ホスト装置
110 システムイニシャライザ
111 装置管理テーブル
112 パス管理テーブル
113 装置管理テーブルコピー部
114 パス情報取得部
115 パス選択部
116 初期化I/O発行部
117 I/O結果チェック部
118 テーブル更新部
120 OSスタートプロセス
130 OS
131 パス管理テーブル
132 パス情報取得部
133 パス選択部
134 初期化I/O発行部
135 I/O結果チェック部
136 有効フラグ変更部
137 初期化フラグ変更部
138 優先度変更部
139 アクセス時刻変更部
140 通知部
200 装置
300 情報処理装置
301 CPU
302 ROM
303 RAM
304 プログラム群
305 記憶装置
306 ドライブ装置
307 通信インタフェース
308 入出力インタフェース
309 バス
310 記録媒体
311 通信ネットワーク
321 初期化部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11