(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】物品搬送装置
(51)【国際特許分類】
G01G 19/387 20060101AFI20241203BHJP
【FI】
G01G19/387 Z
(21)【出願番号】P 2020185848
(22)【出願日】2020-11-06
【審査請求日】2023-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】織田 一輝
(72)【発明者】
【氏名】影山 寿晴
(72)【発明者】
【氏名】宮本 慎一
【審査官】大森 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-100838(JP,A)
【文献】特開2014-235141(JP,A)
【文献】特開2013-096738(JP,A)
【文献】特開2019-124619(JP,A)
【文献】特開2017-009318(JP,A)
【文献】特開2015-151155(JP,A)
【文献】国際公開第98/001727(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/056502(WO,A1)
【文献】特開2001-330504(JP,A)
【文献】特開2000-046635(JP,A)
【文献】特開平08-114492(JP,A)
【文献】実開昭58-046127(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 19/387-19/393
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から投入される物品を一時的に格納した後、前記物品を下流に排出するホッパと、
前記ホッパを駆動する駆動部と、
前記駆動部が取り付けられる本体と、を有し、
前記本体は、
水平方向に平面を有する天板と、
前記駆動部が取り付けられる側面と、を有し、
前記側面は、
垂直方向に切り立ち、前記天板と
溶接により接続される第1面と、
前記第1面に連続して形成され、前記駆動部が取り付けられ、垂直方向の下側に向かうにつれて前記本体の中心軸に向かう方向に傾斜する第2面と、を有する、物品搬送装置。
【請求項2】
円形に配置される複数の前記ホッパから排出される前記物品を円形のシュートで受けて集合させるように構成されている組合せ計量装置である、請求項1に記載の物品搬送装置。
【請求項3】
前記ホッパは、
外部から投入される前記物品を一時的に格納した後、前記物品を下流に排出する第1ホッパと、
前記第1ホッパから排出される前記物品を一時的に格納した後、前記物品を下流に排出する第2ホッパと、を有し、
前記駆動部は、
前記第1ホッパを駆動させる第1モータと、
前記第2ホッパを駆動させる第2モータと、
前記第2ホッパに格納された前記物品の重量を検知するロードセルと、を有しており、
前記第1モータ、前記第2モータ及び前記ロードセルは、上下方向に並んだ状態で配置され、
前記第1モータ、前記第2モータ及び前記ロードセルのうち、少なくとも最も下側に配置される部材は、他の部材に対して、前記本体の内側にオフセットされて配置される、請求項1又は2に記載の物品搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、組合せ計量装置において、ホッパを駆動する駆動部が取り付けられる本体は、水平方向に平面を有する天板と、かかる駆動部が取り付けられる側面とを有している。
【0003】
例えば、垂直方向の下側に向かうにつれて本体の中心軸に向かう方向に連続して傾斜する側面を有し、この側面が天板と接続されるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、組合せ計量装置では、天板部及び側面は、溶接にて接合されることが想定されている。したがって、上述のように、上述の側面及び天板が垂直に重なり合わされていない状態で接合される場合、加工が難しくなり、製造コストが高くなるという問題点があった。また、溶接により熱歪が発生しやすく加工精度が低下するという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、天板部及び側面の接合を容易にし、接合による加工精度の低下を防ぐことができる物品搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係る物品搬送装置は、外部から投入される物品を一時的に格納した後、前記物品を下流に排出するホッパと、前記ホッパを駆動する駆動部と、前記駆動部が取り付けられる本体と、を有し、前記本体は、水平方向に平面を有する天板と、前記駆動部が取り付けられる側面と、を有し、前記側面は、垂直方向に切り立ち、前記天板と接続される第1面と、前記第1面に連続して形成され、前記駆動部が取り付けられ、垂直方向の下側に向かうにつれて前記本体の中心軸に向かう方向に傾斜する第2面と、を有することを要旨とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、溶接による天板部及び側面の接合を容易にし、かかる接合による加工精度の低下を防ぐことができる物品搬送装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る組合せ計量装置1の全体の一例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、一実施形態に係る組合せ計量装置1の本体100の構造の一例について説明するための図である。
【
図3】
図3は、一実施形態に係る組合せ計量装置1の本体100の構造の一例について説明するための図である。
【
図4】
図4は、一実施形態に係る組合せ計量装置1の本体100の構造の一例について説明するための図である。
【
図5】
図5は、一実施形態に係る組合せ計量装置1の駆動部10の構造の一例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0011】
(第1実施形態)
以下、
図1~
図5を参照して、本発明の第1実施形態において、搬送部を備える物品搬送装置の一例としての組合せ計量装置1について説明する。
【0012】
具体的には、本実施形態では、
図1に示すように、円形に配置される複数のホッパ60/70から排出される物品を円形のシュート80で受けて集合させるように構成されている組合せ計量装置1を例に挙げて説明する。
【0013】
図1に示すように、本実施形態に係る組合せ計量装置1は、分散テーブル20と、放射フィーダ30と、流量規制部40と、支持部50と、プールホッパ60と、計量ホッパ70と、シュート80と、タイミングホッパ90とを有する。
【0014】
分散テーブル10は、分散テーブル10は、外部から投入された物品を分散させながら、分散テーブル20の周囲に配置された複数の放射フィーダ30に供給するように構成されていてもよい。
【0015】
複数の放射フィーダ30の各々は、分散テーブル20から供給された物品を、各放射フィーダ30に対応して設けられたプールホッパ60まで搬送するように構成されている。
【0016】
なお、本実施形態では、分散テーブル10、プールホッパ60、計量ホッパ70、複数の放射フィーダ30、シュート80及びタイミングホッパ90は、投入される物品を搬送面で受け取り、受け取った物品を下流に搬送する搬送部に相当する。また、本実施形態において図示していないが、計量ホッパ70の下流且つシュート80の上流にブースターホッパが配置される場合は、そのブースターホッパも搬送部に相当する。
【0017】
また、各放射フィーダ30は、物品を搬送する搬送路を有しており、かかる搬送路上には、流量規制部40が配置される。流量規制部40は、プールホッパ60に搬送される物品の流量を規制するように構成されている。また、支持部50は、流量規制部40を支持するように構成されている。
【0018】
各プールホッパ60は、各放射フィーダ30からに供給された物品について、各プールホッパ60の下方に配置された計量ホッパ70へと受け渡すように構成されている。
【0019】
各計量ホッパ70は、各プールホッパ60から受け渡されて一時的に滞留する物品の重量値を取得するように構成されている。
【0020】
ここで、制御部(図示せず)は、各計量ホッパによって取得された重量値の組合せのうち、所定の許容範囲内で且つ最も目標値に近くなる組合せを選択し、かかる組合せに対応する計量ホッパ70から、一時的に滞留する物品を、かかる計量ホッパ70の下方に配置されたシュート80に排出させるように構成されている。
【0021】
シュート80は、各計量ホッパ70から排出された物品を、タイミングホッパ90に供給するように構成されている。
【0022】
タイミングホッパ90は、シュートによって供給された物品を、例えば、搬送装置1の後段に設置された製袋包装機等に供給するように構成されている。
【0023】
本実施形態では、プールホッパ60が、外部から投入される物品を一時的に格納した後、かかる物品を下流に排出する第1ホッパに相当し、計量ホッパ70が、プールホッパ60から排出される物品を一時的に格納した後、かかる物品を下流に排出する第2ホッパに相当するケースについて説明するが、本発明は、かかるケースに限定されるものではない、
また、本実施形態に係る組合せ計量装置1は、
図2及び
図3に示すように、プールホッパ60及び計量ホッパ70を駆動する駆動部10と、駆動部10が取り付けられる本体100とを更に有している。
【0024】
ここで、
図2及び
図3に示すように、本体100は、水平方向に平面を有する天板110と、駆動部10が取り付けられる側面120とを有している。
【0025】
また、側面120は、
図3及び
図4に示すように、第1面120Aと、第2面120Bとを有している。
【0026】
ここで、
図3及び
図4に示すように、第1面120Aは、垂直方向に切り立ち、天板110と接続される。
【0027】
一方、
図3及び
図4に示すように、第2面120Bは、第1面120Aに連続して形成され、駆動部10が取り付けられ、垂直方向の下側に向かうにつれて本体の中心軸O(
図1参照)に向かう方向に傾斜する。
【0028】
このように、第2面120Bは、垂直方向の下側に向かうにつれ傾斜しているため、第2面120Bへの付着物は、第2面120Bに沿って滑り落ちる又は落下する。そのため、組合せ計量装置1における衛生性を向上できる。また、第2面120Bを上記のように傾斜させることで、駆動部10の取付面も傾斜できる。そのため、駆動部10の上面についても連動させて傾斜でき、この上面に滞留する部品を低減できる。
【0029】
また、
図2に示すように、第2面120Bには、開口100Aが形成されている。駆動部10は、本体100の外側から内側に向かう方向で開口100Aに挿入されて本体100に取り付けられるように構成されている。
【0030】
かかる構成によれば、
図4に示すように、(1)第2面120Bにおける衛生性を向上させながら、(2)天板110及び第1面120Aが垂直になっている状態で、両者を溶接でき加工が容易になり、コストを削減できる。また、加工精度も向上させることができる。
【0031】
駆動部10は、
図5に示すように、プールホッパ60を駆動させる第1モータ14と、計量ホッパ70を駆動させる第2モータ13と、計量ホッパ70に格納された物品の重量を検知するロードセル12とを有している。
【0032】
ここで、
図5に示すように、第1モータ14、第2モータ13及びロードセル12は、上下方向U/Lに並んだ状態で配置されている。
図5の例では、上側Uから、第2モータ13、ロードセル12及び第1モータ14の順番に並んだ状態で配置されている。すなわち、第2モータ13は、ロードセル12よりも上側Uに配置されており、ロードセル12は、第1モータ14よりも上側Uに配置されている。
【0033】
ここで、第1モータ14、第2モータ13及びロードセル12のうち、少なくとも最も下側Lに配置される部材は、他の部材に対して、本体100の内側Iにオフセットされて配置される。
図5の例では、第1モータ14が、第2モータ13及びロードセル12に対して、本体100の内側Iにオフセットされて配置されている。
【0034】
かかる組合せ計量装置1では、本体100の側面に設けられている開口100Aよりも内側Iに配置される駆動部10の部品(内部部品)の高さ方向の寸法が、かかる開口10Aの高さ方向の寸法よりも大きくなっている。そのため、本体100の開口100Aに対して駆動部10を斜めにして内部部品を開口100Aに差し込むことで、本体100の側面に駆動部10を取り付けることができる。
【0035】
すなわち、上述の構成によれば、開口100Aの高さ方向の寸法を小さくできるため、防水性を向上させることができる。
【0036】
また、上述の構成によれば、第1モータ14がロードセル12の直下に配置されていないため、ロードセル12に対する第1モータ14の発熱の影響が小さくなり、計量精度を向上させることができる。
【0037】
本実施形態によれば、溶接による天板部及び側面の接合を容易にし、かかる溶接による加工精度の低下を防ぐことができる。
【0038】
上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施できる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0039】
1…組合せ計量装置(物品搬送装置)
10…駆動部
12…ロードセル
13…第2モータ
14…第1モータ
20…分散テーブル
30…放射フィーダ
40…流量規制部
50…支持部
60…プールホッパ
70…計量ホッパ
80…シュート
90…タイミングホッパ
100…本体
100A…開口
110…天板
120…側面
120A…第1面
120B…第2面