(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】梱包材
(51)【国際特許分類】
B65D 77/04 20060101AFI20241203BHJP
B65D 65/12 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
B65D77/04 B
B65D65/12
(21)【出願番号】P 2021036041
(22)【出願日】2021-03-08
【審査請求日】2024-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】500213454
【氏名又は名称】ペーパークラフト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098202
【氏名又は名称】中村 信彦
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 竹男
【審査官】植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-313950(JP,A)
【文献】特開2011-126567(JP,A)
【文献】仏国特許発明第02869299(FR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 67/00-79/02
B65D 65/00-65/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被梱包物を包んだ状態を維持する結び目を作ることが可能な面状で柔軟な第一梱包資材と、
前記被梱包物に対する座面部と、前記座面部の両側においてそれぞれ立ち上げ可能に罫線を介して前記座面部に連接された側面部とを備えた面状で剛性を持った第二梱包資材と、
留め部材とを備え、
前記第二梱包資材は、前記座面部に留め用穴を備えると共に、二箇所の前記側面部における前記座面部との連接側と反対の端部側にそれぞれ前記第一梱包資材の一部を通過可能とする通し穴を備えており、
前記第一梱包資材上に位置させた前記留め部材を前記第一梱包資材の一部共々前記留め用穴に通過させることが可能で、かつ、この通過後に前記留め部材の向きを変えることで前記座面部に前記留め部材を引っかけ可能としてなる、梱包材。
【請求項2】
前記留め用穴は長穴状をなし、
前記留め部材は面状をなすと共に、
前記留め部材の最大長を、前記留め用穴の幅よりも大きく、かつ、前記留め部材の厚さを、前記留め用穴の幅と等しいかこれより小さくしてなる、請求項1に記載の梱包材。
【請求項3】
前記第二梱包資材に形成された破断可能な線状つなぎ部の内側に位置される前記第二梱包資材の一部が前記線状つなぎ部の破断により前記留め部材となるようにし、かつ、前記破断により前記通し穴が形成されるようにしてなる、請求項1又は請求項2に記載の梱包材。
【請求項4】
前記第一
梱包資材に前記留め部材を接着させてなる、請求項1又は請求項2に記載の梱包材。
【請求項5】
二箇所の前記側面部の前記端部側にそれぞれ、前記側面部を立ち上げた状態から、前記端部側を内側に向けて且つ横向きに折り曲げ可能な追加罫線を付してなる、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の梱包材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、梱包材の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
ボードと、このボードの一面に張り込まれたフィルムとからなり、ボードとフィルムとの間に被梱包物を位置させた状態からボードの一部を折ることでフィルムを被梱包物に密着させてフィルムとボードとで被梱包物をガサつきなく保持するようにした梱包材として、特許文献1に示されるものがある。
【0003】
しかるに、かかる梱包材にあっては、大きさや太さや形状などが異なる複数の被梱包物を一緒に保持する場合に難がある。なんとなれば、かかる梱包材では、複数の被梱包物の中の例えば最も太い被梱包物によってフィルムとボードとの間の間隔が決められてしまうため、これより細い被梱包物に対してフィルムとボードとを密着させることができない場合が生じるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする主たる問題点は、大きさや太さや形状などが異なる複数の被梱包物を一緒にガサつきなく保持し得る、これまでになかったタイプの梱包材の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を達成するために、この発明にあっては、第一の観点から、梱包材を、被梱包物を包んだ状態を維持する結び目を作ることが可能な面状で柔軟な第一梱包資材と、
前記被梱包物に対する座面部と、前記座面部の両側においてそれぞれ立ち上げ可能に罫線を介して前記座面部に連接された側面部とを備えた面状で剛性を持った第二梱包資材と、
留め部材とを備え、
前記第二梱包資材は、前記座面部に留め用穴を備えると共に、二箇所の前記側面部における前記座面部との連接側と反対の端部側にそれぞれ前記第一梱包資材の一部を通過可能とする通し穴を備えており、
前記第一梱包資材上に位置させた前記留め部材を前記第一梱包資材の一部共々前記留め用穴に通過させることが可能で、かつ、この通過後に前記留め部材の向きを変えることで前記座面部に前記留め部材を引っかけ可能としてなる、ものとした。
【0007】
かかる構成によれば、(1)前記留め部材を前記のように第二梱包資材の座面部に引っかけることで、第二梱包資材上に第一梱包資材を位置させた状態で両者を一体化できる。
(2)次いで、第二梱包資材上に位置された第一梱包資材によって被梱包物を包むことができ、さらに、包んだ状態から第一梱包資材の典型的には対向位置にある隅部同士を結んで結び目を作ることで、第二梱包資材の座面部上に被梱包物を第一梱包資材を介して保持させることができる。被梱包物が複数の場合でも第一梱包資材により複数の被梱包物間に隙間が生じないようにこれらを包み纏めることができる。
(3)次いで、第二梱包資材の二箇所の側面部を立ち上げると共に、この二箇所の側面部の一方に設けられた通し穴に第一梱包資材の一部を側面部の内側から通して外側に引き出し、かつ、この二箇所の側面部の他方に設けられた通し穴に第一梱包資材の他の一部を側面部の内側から通して外側に引き出し、この後、引き出された前記一部と前記他の一部とを結んで結び目を作ることができる。これにより、第二梱包資材の座面部上に位置づけられた被梱包物の左右にそれそれ側面部を位置させながら、この側面部の端部側でも第一梱包資材と第二梱包資材とを一体化させることができる。
(4)このように被梱包物を納めた梱包材は、第二梱包資材によって外箱内にガサつきなく納めることができる。また、第二梱包資材に第一梱包資材は前記座面部と前記側面部の端部側との二箇所で一体化されることから、被梱包物は第二梱包資材内でもガサつきを生じない。さらに、第一梱包資材によって被梱包物が複数でもこれらはガサつきなく第一梱包資材内に納められる。
【0008】
前記留め用穴は長穴状をなし、
前記留め部材は面状をなすと共に、
前記留め部材の最大長を、前記留め用穴の幅よりも大きく、かつ、前記留め部材の厚さを、前記留め用穴の幅と等しいかこれより小さくなるようにすることが、この発明の態様の一つとされる。
【0009】
また、前記第二梱包資材に形成された破断可能な線状つなぎ部の内側に位置される前記第二梱包資材の一部が前記線状つなぎ部の破断により前記留め部材となるようにし、かつ、前記破断により前記通し穴が形成されるようにすることが、この発明の態様の一つとされる。
【0010】
また、前記第一梱包資材に前記留め部材を接着させるようにすることが、この発明の態様の一つとされる。
【0011】
また、二箇所の前記側面部の前記端部側にそれぞれ、前記側面部を立ち上げた状態から、前記端部側を内側に向けて且つ横向きに折り曲げ可能な追加罫線を付すようにすることが、この発明の態様の一つとされる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、性状の異なる二種類の梱包資材としての前記第一梱包資材と前記第二梱包資材とを合理的に組み合わせることで、大きさや太さや形状などが異なる複数の被梱包物を一緒にガサつきなく保持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、この発明の一実施の形態にかかる梱包材(第一例)を構成する第二梱包資材の平面図である。
【
図2】
図2は、前記第一例の構成各部材を一緒に表した斜視図である。
【
図3】
図3は、前記第二梱包資材上に前記第一梱包資材を位置づけた様子を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、前記第二梱包資材の留め用穴に前記第一梱包資材の一部共々留め部材を差し込む様子を示した要部断面図である。
【
図5】
図5は、
図4の状態から前記第二梱包資材の留め用穴に差し込んだ留め部材の向きを変えて前記留め部材を前記第二梱包資材の座面部に引っかけた様子を示した要部断面図である。
【
図6】
図6は、前記留め部材によって前記第一梱包資材と前記第二梱包資材とを一体化させた様子を示した斜視図である。
【
図7】
図7は、
図6の状態から被梱包物を前記第一梱包資材によって包み、かつ、この包んだ状態を維持する結び目を前記第一梱包資材に形成した様子を示した斜視図である。
【
図8】
図8は、
図7の状態から前記第一梱包資材の一部を前記第二梱包資材の通し穴に通すと共に、このように通された前記第一梱包資材の一部に結び目を形成した状態を示した斜視図であり、外箱は想像線表している。
【
図9】
図9は、この発明の一実施の形態にかかる梱包材(第二例)を構成する第二梱包資材の平面図である。
【
図10】
図10は、前記第二例の構成各部材を一緒に表した斜視図である。
【
図11】
図11は、前記第二例にかかる第二梱包資材の留め用穴に前記第一梱包資材に接着した留め部材を通過させる直前の様子を示す斜視図である。
【
図12】
図12は、前記第二例にかかる第二梱包資材の留め用穴に前記第一梱包資材の一部共々留め部材を差し込む様子を示した要部断面図である。
【
図13】
図13は、
図12の状態から前記第二梱包資材の留め用穴に差し込んだ留め部材の向きを変えて前記留め部材を前記第二梱包資材の座面部に引っかけた様子を示した要部断面図である。
【
図14】
図14は、前記第二例にかかる留め部材によって前記第一梱包資材と前記第二梱包資材とを一体化させた様子を示した斜視図である。
【
図15】
図15は、
図14の状態から被梱包物を前記第一梱包資材によって包み、かつ、この包んだ状態を維持する結び目を前記第一梱包資材に形成した様子を示した斜視図である。
【
図16】
図16は、
図15の状態から前記第一梱包資材の一部を前記第二梱包資材の通し穴に通すと共に、このように通された前記第一梱包資材の一部に結び目を形成した状態を示した斜視図であり、タブ部により被梱包物を保持した梱包材はその下部側のみを外箱内に納めており、外箱は想像線で表している。
【
図17】
図17は、
図16の状態から第二梱包資材のタブ部を折って被梱包物を保持した梱包材を外箱内に完全に納めた状態を示した斜視図であり、外箱は想像線で表している。
【
図18】
図18は、第二例にかかる第一梱包資材の折り畳み方の一つを示した斜視図である。
【
図19】
図19は、この発明の一実施の形態にかかる梱包材(第三例)の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、
図1~
図19に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について、説明する。この実施の形態にかかる梱包材1は、大きさや太さや形状などが異なる複数の被梱包物Mを一緒にガサつきなく保持し得るものである。
【0017】
ここで、
図1~
図8は梱包材1の第一例を、
図9~
図18は第一例の構成の一部を変更した第二例を、
図19は第二例の第二梱包資材3の座面部3aに第一梱包資材2の中央部を接着して留め部材を省略した第三例を、それぞれ示している。
【0018】
(第一例)
第一例にかかる梱包材1は、第一梱包資材2と、第二梱包資材3と、留め部材4とから構成される。
【0019】
第一梱包資材2は、被梱包物Mを包んだ状態を維持する結び目2bを作ることが可能な面状で柔軟な構成となっている。図示の例では、第一梱包資材2は、四角形の輪郭を備えており、四箇所の隅部2aを備えた構成となっている。第一梱包資材2としては、典型的には、不織布、織布、編布、樹脂製シートなどを用いることができる。
【0020】
第二梱包資材3は、前記被梱包物Mに対する座面部3aと、前記座面部3aの両側においてそれぞれ立ち上げ可能に罫線3bを介して前記座面部3aに連接された側面部3cとを備えた面状で剛性を持った構成となっている。第二梱包資材3としては、段ボールシート、板紙、厚手の樹脂製シートなどを用いることができる。
【0021】
図示の例では、第二梱包資材3は、長さと幅とを備えた実質的に長方形のボード状を呈している。
【0022】
第二梱包資材3の長さ方向中程の位置に、後述の留め用穴5が形成されている。この留め用穴5を挟んだ両側にそれそれ第二梱包資材3の幅方向に沿った罫線3bが付されている。この二箇所の罫線3bの間が前記座面部3aとして機能するようになっている。
【0023】
前記二箇所の罫線3bの一方と第二梱包資材3の一方の幅方向に沿った辺部3dとの間、および、前記二箇所の罫線3bの他方と第二梱包資材3の他方の幅方向に沿った辺部3dとの間がそれぞれ、前記側面部3cとして機能するようになっている(
図1参照)。
【0024】
二箇所の側面部3cの長さは等しくなっている。また、図示の例では、二箇所の側面部3cにおける前記座面部3aとの連接側と反対の端部3e側にはそれぞれ、第二梱包資材3の幅方向に沿った追加罫線3fが付されている。
【0025】
第二梱包資材3は、前記罫線3bを利用して、二箇所の側面部3cをそれぞれ、座面部3aに交叉する向きに立ち上げるように、折ることが可能となっている(
図7参照)。それと共に、立ち上げられた側面部3cの端部3e側を、前記追加罫線3fを利用して、この端部3eにおける追加罫線3fよりも先に位置される箇所3gが座面部3aに向き合うように、前記端部3e側を内側に向けて且つ横向きに折り曲げ可能となっている(
図8参照)。
【0026】
なお、図示の例では、前記罫線3bと前記追加罫線3fの形成箇所にそれぞれ、この形成箇所において第二梱包資材3の幅寸法を減ずる切り欠き3hが付されている。切り欠き3hは、第二梱包資材3の長さ方向に沿った仮想の中心線x(
図1参照)に先端を向けた山状の領域を取り除くことで構成されており、第二梱包資材3の二箇所の長さ方向に沿った辺部3jのそれぞれに付されている。罫線3b及び追加罫線3fは、二箇所の切り欠き3h間に亘って形成されている。
【0027】
留め部材4は、図示の例では、第二梱包資材3と同様に面状で剛性を備えたものとなっている。図示の例では、留め部材4は、後述のように第二梱包資材3の一部を破断して得られるようになっている。
【0028】
また、前記第二梱包資材3は、前記座面部3aに留め用穴5を備えている。図示の例では、留め用穴5は、第二梱包資材3を貫通する細長い楕円状の長穴状を呈している。留め用穴5は、前記仮想の中心線xに対し、第二梱包資材3の長さ方向中程の位置で直交する仮想の直線y(
図1参照)に沿うように形成されている。
【0029】
また、前記第二梱包資材3は、二箇所の前記側面部3cにおける前記座面部3aとの連接側と反対の端部3e側にそれぞれ前記第一梱包資材2の一部を通過可能とする通し穴6を備えている。図示の例では、通し穴6は、第二梱包資材3を貫通する円形の穴となっている。図示の例では、通し穴6の中心6aは前記仮想の中心線x上に位置している。また、通し穴6の中心6aと通し穴6における罫線3b側に位置される穴縁6bとの間となる位置を通過する幅方向に沿った仮想の線分(図示は省略する。)に沿うように前記追加罫線3fが付されている。これにより、追加罫線3fを利用して側面部3cの端部3e側を前記のように折ると、通し穴6の一部は前記端部3eにおける追加罫線3fよりも先に位置される箇所3gを上下に貫通し、通し穴6の残りの一部は前記側面部3cを左右に貫通する形態となる(
図7参照)。
【0030】
そして、この実施の形態にあっては、前記第一梱包資材2上に位置させた前記留め部材4を前記第一梱包資材2の一部共々前記留め用穴5に通過させることが可能で(
図4参照)、かつ、この通過後に前記留め部材4の向きを変えることで前記座面部3aの裏側で前記座面部3aに前記留め部材4を引っかけ可能としている(
図5参照)。
【0031】
より、具体的には、前記留め部材4の最大長を、前記留め用穴5の幅よりも大きく、かつ、前記留め用穴5の長さと等しいかこれより小さく、
前記留め部材4の厚さを、前記留め用穴5の幅と等しいかこれより小さくしている。
【0032】
図示の例では、留め部材4は、前記留め用穴5の長さ5aより直径を小さくすると共に、前記留め用穴5の幅5bより直径を大きくし、かつ、前記留め用穴5の幅5bよりも厚さを小さくした円板状を呈している。
【0033】
この実施の形態にあっては、前記第二梱包資材3に形成された破断可能な線状つなぎ部3iの内側に位置される前記第二梱包資材3の一部が前記線状つなぎ部3iの破断により前記留め部材4となるようにし、かつ、前記破断により前記通し穴6が形成されるようにしている。図示の例では、
図1における
右側の前記通し穴6が、かかる破断により形成されるようになっている。
【0034】
図示の例では、線状つなぎ部3iは、第二梱包資材3を貫通する半円弧状の二つの切れ目と、二つの切れ目間に形成されるつなぎ目とからなり、つなぎ目を破断することで、第二梱包資材3から円板状の留め部材4が生成されるようになっている(
図1参照)。
【0035】
かかる構成により、留め部材4をその板面が第二梱包資材3の表面3kに直交する向きとなるようにした状態において、第一梱包資材2共々留め部材4を留め用穴5を通過させることが可能となる。この通過後、留め部材4の板面が第二梱包資材3の裏面3mに向き合うように留め部材4の向きを変えることで、前記座面部3aの裏側で前記座面部3aに前記留め部材4を
第一梱包資材2の一部を介在させた状態で引っかけることができる(
図4~
図6参照)。
【0036】
この実施の形態にかかる梱包材1によれば、性状の異なる二種類の梱包資材としての前記第一梱包資材2と前記第二梱包資材3とを合理的に組み合わせることで、大きさや太さや形状などが異なる複数の被梱包物Mを一緒にガサつきなく保持することが可能となる。
すなわち、(1)前記留め部材4を前記のように第二梱包資材3の座面部3aに引っかけることで、第二梱包資材3上に第一梱包資材2を位置させた状態で両者を一体化できる(
図6参照)。
(2)次いで、第二梱包資材3上に位置された第一梱包資材2によって被梱包物Mを包むことができ、さらに、包んだ状態から第一梱包資材2の典型的には対向位置にある隅部2a同士を結んで結び目2bを作ることで、第二梱包資材3の座面部3a上に被梱包物を第一梱包資材2を介して保持させることができる。被梱包物Mが複数の場合でも第一梱包資材2により複数の被梱包物M間に隙間が生じないようにこれらを包み纏めることができる(
図7参照)。
(3)次いで、第二梱包資材3の二箇所の側面部3cを立ち上げると共に、この二箇所の側面部3cの一方に設けられた通し穴6に第一梱包資材2の一部(典型的には先に結ばれた隅部2a以外の隅部2a)を側面部3cの内側から通して外側に引き出し、かつ、この二箇所の側面部3cの他方に設けられた通し穴6に第一梱包資材2の他の一部(典型的には先に結ばれた隅部2a以外の隅部2a)を側面部3cの内側から通して外側に引き出し、この後、引き出された前記一部と前記他の一部とを結んで結び目2bを作ることができる。これにより、第二梱包資材3の座面部3a上に位置づけられた被梱包物Mの左右にそれそれ側面部3cを位置させながら、この側面部3cの端部3e側でも第一梱包資材2と第二梱包資材3とを一体化させることができる(
図8参照)。
(4)このように被梱包物Mを納めた梱包材1は、第二梱包資材3によって外箱7内にガサつきなく納めることができる。また、第二梱包資材3に第一梱包資材2は前記座面部3aと前記側面部3cの端部3e側との二箇所で一体化されることから、被梱包物Mは第二梱包資材3内でもガサつきを生じない。さらに、第一梱包資材2によって被梱包物Mが複数でもこれらはガサつきなく第一梱包資材2内に納められる(
図8参照)。
【0037】
(第二例)
第二例にかかる梱包材1は、第一梱包資材2の中央に留め部材4を接着することで両者を一体化させている点で第一例にかかる梱包材1と異なっている。
【0038】
第二例では、留め部材4は、長さと、幅とを持った、小判型の形態となっている。留め部材4は、その一面を第一梱包資材2の中央に接着させることで、第一梱包資材2と一体化されている。
【0039】
第二梱包資材3の留め用穴5は、第二梱包資材3の幅方向に長さ方向を沿わせた長方形の貫通穴となっている。留め用穴5の長さ5aは、留め部材4の長さより小さく、これにより、留め用穴5には留め部材4はその幅側の辺部からは差し込めるが、長さ側の辺部からは差し込めないようになっている。これにより、この第二例にあっては、留め部材4を留め用穴5に通過させて引っかけると、四角形の第一梱包資材2の対角線Lの一方が第二梱包資材3の長さ方向に沿うようになり(
図14参照)、この対角線L上に第二梱包資材3の側面部3cの通し穴6が位置されるようになることから、かかる側面部3cの立ち上げ後にその通し穴6に第一梱包資材2を前記対角線L上に位置される隅部2aからスムースに通すことが可能となる。なお、
図18に示されるように、第一梱包資材2が実質的に四分の一の大きさになるように四角形に折り畳んだ第一梱包資材2の一つの隅部に留め部材4が位置されるように第一梱包資材2を折り畳んで提供するようにすれば、第二梱包部材の留め用穴5への留め部材4の通過作業を円滑なさしめることができる。
【0040】
図12に示されるように、第二梱包資材3の留め用穴5に第一梱包資材2に接着された留め部材4を通過させた後、
図13に示されるように、留め部材4の接着側と反対の面が第二梱包資材3の座面部3aの裏面3mに向き合うように向きを変えることで、第二梱包資材3の表面3k上を第一梱包資材2で覆った状態で両者は一体化される(
図14)。この状態から、第二梱包資材3の座面部3a上に被梱包物Mを載置し、通し穴6に通過されない第一梱包資材2の隅部2a同士を被梱包物M上で結んだ後、第二梱包資材3の側面部3cを立ち上げて前記対角線L上に位置される隅部2aを前記通し穴6に通過させて結ぶことで、梱包材1による被梱包物Mの梱包がなされる(
図15から
図16)。
【0041】
図示の例では、側面部3cの左右両側(第二梱包資材3の二箇所の辺部3j側)にそれぞれ、追加罫線9を介してタブ部8が接続されており、このタブ部8が外箱7の箱口7aに引っかかる位置まで被梱包物Mを座面部3a上に載置した梱包材1の座面部3a側を外箱内に入り込ませることで、外箱7によって側面部3cを立ち上げさせた状態で、梱包材1を外箱7に組み合わせることが可能となっている(
図16参照)。このタブ部8は、罫線3bと追加罫線3fとの間となる位置に設けられている。これにより、立ち上げられた側面部3cの通し穴6への第一梱包資材2の一部の通過作業と、この通過後に前記のように結び目2bを作る作業とが、スムースに行えるようになっている。作業終了後、追加罫線9によりタブ部8が側面部3cに直交する向きとなるように折ることで、前記引っかかりを解いて外箱7内に被梱包物Mを梱包した梱包材1を落とし込み納めることができる(
図17)。なお、図示の例では、座面部3aは外箱7の横断面形状と実質的に等しい形状・大きさとなっていると共に、座面部3aの左右両側(第二梱包資材3の二箇所の辺部3j側)にもそれぞれ、追加罫線11を介してタブ部
10が接続されており、この追加罫線11での折りによりタブ部
10を立ち上げた状態でのみ梱包材1は外箱内に納められるようになっている。このタブ部
10は、座面部3aの幅方向に亘る長さを備えている。これにより、前記タブ部
8を外箱7の箱口7aに引っかけた状態(
図16)における被梱包物Mの重量による座面部3aの座屈を防止するようになっている。
【0042】
第二例のその余の構成は、前記第一例と実質的に同一であるので、第二例を示す
図9~
図18に第一例を示す
図1~
図8で用いた符号と同一の符号を用いて、その説明は省略する。
【0043】
(第三例)
第三例にかかる梱包材1は、第二例の第二梱包資材3の座面部3aの中央に第一梱包資材2の中央部を接着することで、両者を一体化しており、これにより第二梱包資材3の中央には通し穴6を設けておらず、また、留め部材4を省略した構成となっている。
図19において接着箇所を符号12で示す。
【0044】
これにより、かかる梱包材1によっても、(1)第二梱包資材3上に位置された第一梱包資材2によって被梱包物Mを包むことができ、さらに、包んだ状態から第一梱包資材2の典型的には対向位置にある隅部2a同士を結んで結び目2bを作ることで、第二梱包資材3の座面部3a上に被梱包物Mを第一梱包資材2を介して保持させることができる。被梱包物Mが複数の場合でも第一梱包資材2により複数の被梱包物M間に隙間が生じないようにこれらを包み纏めることができる。
(2)次いで、第二梱包資材3の二箇所の側面部3cを立ち上げると共に、この二箇所の側面部3cの一方に設けられた通し穴6に第一梱包資材2の一部を側面部3cの内側から通して外側に引き出し、かつ、この二箇所の側面部3cの他方に設けられた通し穴6に第一梱包資材2の他の一部を側面部3cの内側から通して外側に引き出し、この後、引き出された前記一部と前記他の一部とを結んで結び目2bを作ることができる。これにより、第二梱包資材3の座面部3a上に位置づけられた被梱包物Mの左右にそれそれ側面部3cを位置させながら、この側面部3cの端部3e側でも第一梱包資材2と第二梱包資材3とを一体化させることができる。
(3)このように被梱包物Mを納めた梱包材1は、第二梱包資材3によって外箱7内にガサつきなく納めることができる。また、第二梱包資材3に第一梱包資材2は前記座面部3aと前記側面部3cの端部3e側との二箇所で一体化されることから、被梱包物Mは第二梱包資材3内でもガサつきを生じない。さらに、第一梱包資材2によって被梱包物Mが複数でもこれらはガサつきなく第一梱包資材2内に納められる。
【0045】
第三例のその余の構成は、前記第二例と実質的に同一であるので、第三例を示す
図19に第二例を示す
図9~
図18で用いた符号と同一の符号を用いて、その説明は省略する。
【0046】
なお、当然のことながら、本発明は以上に説明した実施態様に限定されるものではなく、本発明の目的を達成し得るすべての実施態様を含むものである。
【符号の説明】
【0047】
M 被梱包物
2 第一梱包資材
2b 結び目
3 第二梱包資材
3a 座面部
3b 罫線
3c 側面部
3e 端部
4 留め部材
5 留め用穴
6 通し穴