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特許7597377デンドライト防止及び界面接着性制御機能層を備えるアノードフリー固体電池
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】デンドライト防止及び界面接着性制御機能層を備えるアノードフリー固体電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/0585 20100101AFI20241203BHJP
   H01M 4/134 20100101ALI20241203BHJP
   H01M 4/38 20060101ALI20241203BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20241203BHJP
   H01M 10/0562 20100101ALI20241203BHJP
   H01M 10/0565 20100101ALI20241203BHJP
【FI】
H01M10/0585
H01M4/134
H01M4/38 Z
H01M10/052
H01M10/0562
H01M10/0565
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021531860
(86)(22)【出願日】2020-01-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-14
(86)【国際出願番号】 IB2020050804
(87)【国際公開番号】W WO2020115727
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2023-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】521240527
【氏名又は名称】テラワット テクノロジー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】緒方 健
(72)【発明者】
【氏名】井本 浩
【審査官】松嶋 秀忠
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-089417(JP,A)
【文献】特表2014-520370(JP,A)
【文献】特開2018-129159(JP,A)
【文献】特開2000-100429(JP,A)
【文献】特開2017-073205(JP,A)
【文献】特開2021-051866(JP,A)
【文献】特開2021-089814(JP,A)
【文献】特開2016-029653(JP,A)
【文献】特表2020-512663(JP,A)
【文献】特表2003-515892(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/05-39
H01M 4/13-62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気車に動力を供給する装置において、
電気車内に、前記電気車に動力を供給するために配置されるバッテリパックと、
前記バッテリパック内に配列された電池であって、筐体であって、前記電池の前記筐体内に空洞を画定する筐体を有し、
第一の面と第二の面を有して、前記第一の面と前記第二の面との間でイオンを移動させる固体電解質であって、前記空洞内に配列される固体電解質と、
前記空洞内に前記固体電解質の前記第一の面に沿って配置され、正極活物質を有するカソードであって、正端子に電気的に連結されるカソードと、
前記空洞内に前記固体電解質の前記第二の面に沿って配置されるデンドライト防止機能層であって、第一の面と第二の面を有し、前記デンドライト防止機能層の前記第一の面は、前記固体電解質の前記第二の面と接触し、前記デンドライト防止機能層は、ビスマス(Bi)、銀(Ag)、アンチモン(Sb)、セレン(Se)、鉛(Pb)、ヒ素(As)、リン(P)、硫黄(S)若しくはプラチナ(Pt)、又はそれらの何れかの組合せからなり、前記固体電解質を介して受け取ったリチウム材と合金を形成するデンドライト防止機能層と、
前記空洞内に前記デンドライト防止機能層の前記第二の面に沿って配置されるフレームワーク層であって、負端子に電気的に連結されるフレームワーク層と、
を有し、負極活物質を有しないアノードフリーの電池と、
を含む装置。
【請求項2】
前記電池であって、
第一の面と第二の面を有する前記フレームワーク層であって、前記フレームワーク層の前記第一の面は前記デンドライト防止機能層の前記第二の面と接触して、前記固体電解質を介して前記リチウム材を受け取る前記フレームワーク層と、
前記空洞内に前記フレームワーク層の前記第二の面に沿って配置され、前記フレームワーク層の前記第二の面からの前記リチウム材のデンドライト成長を防止する第二のデンドライト防止機能層と、
を有する前記電池を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記電池であって、
前記正端子に電気的に連結された正の導電層と、
第一の面と第二の面を有する前記カソードであって、前記カソードの前記第一の面は前記固体電解質と接触し、前記カソードの前記第二の面は前記正の導電層と接触する前記カソードと、
を有する前記電池を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記電池であって、
前記負端子に電気的に連結された負の導電層と、
第一の面と第二の面を有する前記フレームワーク層であって、前記フレームワーク層の前記第一の面は前記デンドライト防止機能層の前記第二の面と接触して、前記固体電解質を介して前記リチウム材を受け取り、前記フレームワーク層の前記第二の面は前記負の導電層を介して前記負端子と電気的に連結される前記フレームワーク層と、
を有する前記電池を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記固体電解質の前記第二の面に沿って、前記リチウム材と形成された前記合金を介して前記固体電解質に結合されて、前記固体電解質を介して前記リチウム材を受け取る前記デンドライト防止機能層
を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
第一の面と第二の面を有する前記フレームワーク層であって、前記フレームワーク層の前記第一の面は前記デンドライト防止機能層の前記第二の面と接触して、前記固体電解質を介して前記リチウム材を受け取り、前記フレームワーク層の前記第二の面は、前記電池の充電と同時にリチウムめっきの生成を、及び前記電池の放電と同時にリチウム剥離を可能にする前記フレームワーク層
を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記デンドライト防止機能層の少なくとも一部の勾配分散を含む前記フレームワーク層を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記電池の最初の充電サイクルまでは前記リチウム材を含まない前記フレームワーク層を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記装置は、0.01μm~10μmの範囲の厚さを有する前記デンドライト防止機能層を含み、前記デンドライト防止機能層の前記厚さは前記フレームワーク層の厚さより薄い、
請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記装置は、1μm~30μmの範囲の厚さを有する前記フレームワーク層を含み、前記フレームワーク層の前記厚さは前記デンドライト防止機能層の厚さより厚い、
請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記電気車内に搭載されて、前記電気車の1つ又は複数のコンポーネントに動力を供給する前記バッテリパック
を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
電気車に動力を供給する電池を提供する方法において、
電気車内に、前記電気車に動力を供給するためにバッテリパックを配置することと、
前記バッテリパックの中に、負極活物質を有しないアノードフリーの電池であって、筐体を有し、それが前記電池の前記筐体内に空洞を画定する電池を配列することと、
前記空洞内に、第一の面と第二の面を有して前記第一の面と前記第二の面との間でイオンを移動させる固体電解質を配列することと、
前記空洞内に、前記固体電解質の前記第一の面に沿って、正端子に電気的に連結される、正極活物質を有するカソードを配置することと、
前記空洞内に、前記固体電解質の前記第二の面に沿って、第一の面と第二の面を有するデンドライト防止機能層であって、前記デンドライト防止機能層の前記第一の面は前記固体電解質の前記第二の面と接触し、前記デンドライト防止機能層は、ビスマス(Bi)、銀(Ag)、アンチモン(Sb)、セレン(Se)、鉛(Pb)、ヒ素(As)、リン(P)、硫黄(S)若しくはプラチナ(Pt)、又はそれらの何れかの組合せからなり、前記固体電解質を介して受け取ったリチウム材と合金を形成するデンドライト防止機能層を配置することと、
前記空洞内に、前記デンドライト防止機能層の前記第二の面に沿って、負端子に電気的に連結されるフレームワーク層を配置することと、
を含む方法。
【請求項13】
第一の面と第二の面を有する前記フレームワーク層であって、前記フレームワーク層の前記第一の面は前記デンドライト防止機能層の前記第二の面と接触して、前記固体電解質を介して前記リチウム材を受け取る前記フレームワーク層を配置することと、
前記空洞内に、前記フレームワーク層の前記第二の面に沿って、第二のデンドライト防止機能層を配置して、前記フレームワーク層の前記第二の面からの前記リチウム材のデンドライト成長を防止することと、
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記空洞内に、前記正端子に電気的に連結される正の導電層を配置することと、
第一の面と第二の面を有する前記カソードであって、前記カソードの前記第一の面は前記固体電解質と接触し、前記カソードの前記第二の面は前記正の導電層と電気的に接触する前記カソードを配置することと、
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記空洞内に、前記負端子に電気的に連結される負の導電層を配置することと、
第一の面と第二の面を有する前記フレームワーク層であって、前記フレームワーク層の前記第一の面は前記デンドライト防止機能層の前記第二の面と接触して、前記固体電解質を介して前記リチウム材を受け取り、前記フレームワーク層の前記第二の面は前記負の導電層を介して前記負端子に電気的に連結される前記フレームワーク層を配置することと、
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記デンドライト防止機能層の少なくとも一部の勾配分散を含む前記フレームワーク層を配置すること
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
電気車において、
1つ又は複数のコンポーネントと、
前記1つ又は複数のコンポーネントに電力を供給するバッテリパックと、
前記バッテリパック内に配列された電池であって、筐体であって、前記電池の前記筐体内に空洞を画定する筐体を有し、
第一の面と第二の面を有して、前記第一の面と前記第二の面との間でイオンを移動させる固体電解質であって、前記空洞内に配列される固体電解質と、
前記空洞内に前記固体電解質の前記第一の面に沿って配置され、正極活物質を有するカソードであって、正端子に電気的に連結されるカソードと、
前記空洞内に前記固体電解質の前記第二の面に沿って配置されるデンドライト防止機能層であって、第一の面と第二の面を有し、前記デンドライト防止機能層の前記第一の面は前記固体電解質の前記第二の面と接触し、前記デンドライト防止機能層は、ビスマス(Bi)、銀(Ag)、アンチモン(Sb)、セレン(Se)、鉛(Pb)、ヒ素(As)、リン(P)、硫黄(S)若しくはプラチナ(Pt)、又はそれらの何れかの組合せからなり、前記固体電解質を介して受け取ったリチウム材と合金を形成するデンドライト防止機能層と、
前記空洞内に前記デンドライト防止機能層の前記第二の面に沿って配置されるフレームワーク層であって、負端子に電気的に連結されるフレームワーク層と、
を有し、負極活物質を有しないアノードフリーの電池と、
を含む電気車。
【請求項18】
前記電池であって、
第一の面と第二の面を有する前記フレームワーク層であって、前記フレームワーク層の前記第一の面は前記デンドライト防止機能層の前記第二の面と接触して、前記固体電解質を介して前記リチウム材を受け取る前記フレームワーク層と、
前記空洞内に前記フレームワーク層の前記第二の面に沿って配置され、前記フレームワーク層の前記第二の面からの前記リチウム材のデンドライト成長を防止する第二のデンドライト防止機能層と、
を有する前記電池を含む、請求項17に記載の電気車。
【請求項19】
前記電池であって、
前記空洞内に配置され、前記正端子に電気的に連結された正の導電層と、
第一の面と第二の面を有する前記カソードであって、前記カソードの前記第一の面は前記固体電解質と接触し、前記カソードの前記第二の面は前記正の導電層と電気的に接触する前記カソードと、
を有する前記電池を含む、請求項17に記載の電気車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本願は、2018年12月4日に出願された米国特許出願第16/209,828号の優先権を主張するものであり、その内容の全体をあらゆる目的のために参照によって本願に援用する。
【背景技術】
【0002】
[0002] バッテリは、そこに接続された各種の電気コンポーネントに電力を供給するための電気化学セルを含むことができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003] 本開示は、バッテリパック用電池に関する。電池は、デンドライト防止機能層とフレームワーク層を備えるアノードフリーの充電電池とすることができる。デンドライト防止機能層とフレームワーク層の両方を電池内の電解質層と導電層との間に配置することができる。デンドライト防止機能層は、導電層との界面接着性より高い電解質層との界面接着性を有することができる。電池の動作中、デンドライト防止機能層は、カソード層から電解質層を通って移動したリチウムイオンと結合して、リチウム物質と合金を形成することができる。デンドライト防止機能層を含めることで、電解質層内へのリチウムのデンドライト成長を防止することによって電池の動作と耐久性を改善できる。電解質層との界面接着性がより高いことで、リチウムの広がりを導電層との界面へと導くことができ、それによって、電解質層及びカソード層からの樹枝状リチウムの成長が空間的に制限される。
【0004】
[0004] 少なくとも1つの態様は、電気車に動力を供給する装置に関する。装置は、バッテリパックを含むことができる。バッテリパックは、電気車に動力を供給するために電気車内に配置できる。装置は電池を含むことができる。バッテリパック内に配列される電池。電池は筐体を有することができ、これは電池の筐体の中に空洞を画定する。電池は固体電解質を有することができる。固体電解質は第一の面と第二の面を有して、第一の面と第二の面との間でイオンを移動させることができる。固体電解質は空洞内に配列できる。電池はカソードを有することができる。カソードは、空洞内に固体電解質の第一の面に沿って配置できる。カソードは、正端子に電気的に連結できる。電池は、デンドライト防止機能層を有することができる。デンドライト防止機能層は、空洞内に固体電解質の第二の面に沿って配置できる。デンドライト防止機能層は、第一の面と第二の面を有することができる。デンドライト防止機能層の第一の面は、固体電解質の第二の面と接触することができる。デンドライト防止機能層は、固体電解質を介して受け取ったリチウム材と合金を形成できる。電池はフレームワーク層を有することができる。フレームワーク層は、空洞内にデンドライト防止機能層の第二の面に沿って配置できる。フレームワーク層は負端子に電気的に連結できる。
【0005】
[0005] 少なくとも1つの態様は、電気車に動力を供給する電池を提供する方法に関する。方法は、電気車内に、電気車に動力を供給するためにバッテリパックを配置することを含むことができる。方法は、バッテリパックの中に電池を配列することを含むことができ、これは筐体であって、電池の筐体内に空洞を画定する筐体を有する。方法は、空洞内に、第一の面と第二の面を有して第一の面と第二の面との間でイオンを移動させる固体電解質を配列することを含むことができる。方法は、空洞内に、固体電解質の第一の面に沿って、正端子に電気的に連結されるカソードを配置することを含むことができる。方法は、空洞内に、固体電解質の第二の面に沿って、第一の面と第二の面を有するデンドライト防止機能層を配置することを含むことができる。デンドライト防止機能層の第一の面は、固体電解質の第二の面と接触していることができる。デンドライト防止機能層は、固体電解質を介して受け取ったリチウム材と合金を形成することができる。方法は、空洞内に、デンドライト防止機能層の第二の面に沿って、負端子に電気的に連結されるフレームワーク層を配置することを含むことができる。
【0006】
[0006] 少なくとも1つの態様は電気車に関する。電気車は、1つ又は複数のコンポーネントを含むことができる。電気車は、バッテリパックを含むことができる。バッテリパックは電気車の中に、1つ又は複数のコンポーネントに電力を供給するために配置できる。電気車は電池を含むことができる。バッテリパック内に配列される電池。電池は筐体を有することができ、これは電池の筐体の中に空洞を画定する。電池は固体電解質を有することができる。固体電解質は第一の面と第二の面を有して、第一の面と第二の面との間でイオンを移動させることができる。固体電解質は、空洞内に配列できる。電池はカソードを有することができる。カソードは、空洞内に固体電解質の第一の面に沿って配置できる。カソードは、正端子に電気的に連結できる。電池は、デンドライト防止機能層を有することができる。デンドライト防止機能層は、空洞内に固体電解質の第二の面に沿って配置できる。デンドライト防止機能層は、第一の面と第二の面を有することができる。デンドライト防止機能層の第一の面は、固体電解質の第二の面と接触していることができる。デンドライト防止機能層は、固体電解質を介して受け取ったリチウム材と合金を形成できる。電池はフレームワーク層を有することができる。フレームワーク層は、空洞内にデンドライト防止機能層の第二の面に沿って配置できる。フレームワーク層は、負端子に電気的に連結できる。
【0007】
[0007] 少なくとも1つの態様は方法に関する。方法は、装置を提供することを含むことができる。装置は電気車内に含めることができる。装置はバッテリパックを含むことができる。バッテリパックは、電気車の中に、電気車に動力を供給するために配置できる。装置は電池を含むことができる。バッテリパック内に配列される電池。電池は筐体を有することができ、これは電池の筐体内に空洞を画定する。電池は、固体電解質を有することができる。固体電解質は第一の面と第二の面を有して、第一の面と第二の面との間でイオンを移動させることができる。固体電解質は空洞内に配列できる。電池はカソードを有することができる。カソードは、空洞内に固体電解質の第一の面に沿って配置できる。カソードは正端子に電気的に連結できる。電池は、デンドライト防止機能層を有することができる。デンドライト防止機能層は、空洞内に固体電解質の第二の面に沿って配置できる。デンドライト防止機能層は、第一の面と第二の面を有することができる。デンドライト防止機能層の第一の面は、固体電解質の第二の面と接触していることができる。デンドライト防止機能層は、固体電解質を介して受け取ったリチウム材と合金を形成することができる。電池はフレームワーク層を有することができる。フレームワーク層は、空洞内にデンドライト防止機能層の第二の面に沿って配置できる。フレームワーク層は、負端子に電気的に連結できる。
【0008】
[0008] 少なくとも1つの態様は、電気車に動力を供給する電池に関する。電池はバッテリパック内に配置することができる。バッテリパックは、電気車の中に、電気車に動力を供給するために配置することができる。電池は筐体を有することができ、これは電池の筐体内に空洞を画定する。電池は、固体電解質を有することができる。固体電解質は、第一の面と第二の面を有して、第一の面と第二の面との間でイオンを移動させることができる。固体電解質は空洞内に配列できる。電池はカソードを有することができる。カソードは、空洞内に固体電解質の第一の面に沿って配置することができる。カソードは正端子に電気的に連結できる。電池はデンドライト防止機能層を有することができる。デンドライト防止機能層は、空洞内に固体電解質の第二の面に沿って配置することができる。デンドライト防止機能層は、第一の面と第二の面を有することができる。デンドライト防止機能層の第一の面は、固体電解質の第二の面と接触していることができる。デンドライト防止機能層は、固体電解質を介して受け取ったリチウム材と合金を形成できる。電池はフレームワーク層を有することができる。フレームワーク層は、空洞内にデンドライト防止機能層の第二の面に沿って配置できる。フレームワーク層は、負端子に電気的に連結できる。
【0009】
[0009] これら及びその他の態様及び実施例を以下に詳しく説明する。上記の情報及び下記の詳細な説明は、各種の態様及び実施例の実例を含んでおり、特許請求される態様及び実施例の性質と特徴を理解するための概要又は構成を提供する。図面は、各種の態様及び実施例の図を示し、さらに理解を深めるものであり、本明細書に組み込まれ、その一部をなす。
【0010】
[0010] 添付の図面は正確な縮尺によって描かれたものではない。異なる図面の中の同様の参照番号と符号は同様の要素を示す。明瞭にするために、すべての図においてすべてのコンポーネントに符号を付与できるとはかぎらない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】[0011]電気車に動力を供給するための例示的な電池の等角断面斜視図である。
図2】[0012]電気車に動力を供給するための例示的な電池の断面図である。
図3】[0013]電気車に動力を供給するための電池の例示的な層パターンの断面図である。
図4】[0014]電気車に動力を供給するための電池の例示的な層パターンの断面図である。
図5】[0015]電気車に動力を供給するための電池の例示的な層パターンの断面図である。
図6】[0016]充電サイクル中の、電気車に動力を供給するための例示的な電池の断面図である。
図7】[0017]放電サイクル中の、電気車に動力を供給するための例示的な電池の断面図である。
図8】[0018]電気車内に電池を保持するための例示的なバッテリモジュールの断面図を描いたブロック図である。
図9】[0019]電気車内に電池を保持するための例示的なバッテリパックの上面図を描いたブロック図である。
図10】[0020]バッテリパックが搭載された例示的な電気車の断面図を描いたブロック図である。
図11】[0021]電気車のためのバッテリパック用電池を組み立てる例示的な方法を描いたフロー図である。
図12】[0022]電気車のためのバッテリパック用電池を提供する方法の例を描いたフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0023] 以下は、電気車内のバッテリパック用電池に関する各種のコンセプトとその実施例のより詳しい説明である。電池は、デンドライト防止及び界面接着性制御機能層を備えるアノードフリー固体リチウムイオンバッテリとすることができる。上で紹介し、以下により詳しく説明する様々なコンセプトは、多様な方法のうちの何れによっても実施できる。
【0013】
[0024] 本明細書では、自動車構成のための電気車内のバッテリパック用電池を説明する。自動車構成には、あらゆる種類の車両の中の電気、電子、機械、又は電気機械装置の構成、配列、又はネットワークが含まれる。自動車構成は、電気車(EV)内のバッテリパック用電池を含むことができる。EVには、電気自動車、車、オートバイ、スクータ、旅客車両、旅客又は商用トラック及びその他の車両、例えば海上又は航空輸送車両、飛行機、ヘリコプタ、潜水艦、船舶、又はドローン等を含めることができる。EVは完全自動、一部自動、又は無人とすることができる。
【0014】
[0025] リチウムイオン電池は、電気車の中でその中のコンポーネントに動力を供給するために使用できる。リチウムイオン電池において、リチウムイオンは、電池の充電中に正の電極から負の電極に移動し、電池の放電中には負の電極から正の電極へと反対に移動することができる。リチウムイオン電池の各コンポーネントは、少なくとも部分的にリチウム材を含むことができる。リチウムイオン電池のカソードは、リチウム系酸化物材料を含むことができる。リチウムイオン電池の電解質は、リチウム材を含む固体電解質とすることができる。リチウムイオン電池のアノードは、リチウム又は黒鉛を含むことができる。カソードとアノードは、電池内の電解質の反対面に沿って配列できる。電池の充電及び放電の繰返しにより、電解質を通じて移動したリチウム材は電池のアノード内に堆積する可能性があり、リチウム材の不均一な分布の結果、電解質内へとデンドライトが成長する可能性がある。最終的に、アノードからのリチウム材のデンドライト成長がカソードと接触する電解質を貫通し、その結果、電池の短絡及び破局故障が起こり得る。
【0015】
[0026] リチウム材のデンドライト成長を軽減する1つの方法は、有機緩衝層又は無機緩衝層を電解質とアノードとの間に配置することを含むことができる。有機緩衝層と無機層は、リチウムイオンを電解質からアノードへと移動させ、他方で電池を通じた同程度の電気インピーダンスを維持できる。緩衝層はリチウム材の堆積を物理的にブロックして、アノード内にリチウム材を保持できる。しかしながら、緩衝層により提供されるリチウム成長に対する障害は最終的に失敗に終わる可能性がある。有機又は無機緩衝層でも長期サイクルを経てデンドライト成長が阻止され得ず、それは、このような緩衝層が電解質を通じたリチウム移動及びアノードへの堆積の不均質性を考慮していないか、又はそれに対する対策を講じ得ないからである。リチウムの不均質又は不均一な分布は、特により速い充電速度においてより大きな問題となる可能性がある。したがって、アノードと電解質との間に有機又は無機ブロック層を使用して、電解質内へのリチウムのデンドライト成長を抑制することは難しいかもしれない。
【0016】
[0027] リチウムイオンバッテリのリチウム材のデンドライト成長における技術的課題を解決するために、デンドライト防止及び界面接着性制御機能層とフレームワーク層を備えるアノードフリー固体リチウムイオン電池を利用できる。デンドライト防止機能層とフレームワーク層の両方を電池の負電極側に配置し、位置付けることができる。デンドライト防止機能層は、電池内に、電解質のカソードと反対面に沿って配列できる。フレームワーク層は、固体電解質と導電性コンタクトとの間に配列して、電流を電池の中に、又はそこから外に流すことができる。デンドライト防止機能層は、ビスマス(Bi)、錫(Sn)、ケイ素(Si)、銀(Au)、金(Ag)、ゲルマニウム(Ge)、アンチモン(Se)、セレン(Sb)、鉛(Pb)、ヒ素(As)、リン(P)、硫黄(S)、又はプラチナ(Pt)等の様々な元素の何れの化学量論的な組合せを含むこともできる。デンドライト防止機能層は、電解質を介して受け取ったリチウム材との結合又は合金を形成できる。デンドライト防止機能層はまた、フレームワーク層構造の一部も形成でき、緩衝層の材料が少なくとも部分的にフレームワーク層構造の中へと分散する。デンドライト防止機能層は、フレームワーク層構造とは別でそれと接することができ、単層又は多層構造とすることができる。
【0017】
[0028] 初期充電プロセス中、カソードからのリチウムイオンが電解質を通じて移動する可能性があり、反対側のデンドライト防止機能層及びフレームワーク層構造に到達する可能性がある。リチウム材がデンドライト防止機能層に到達すると、デンドライト防止機能層はリチウム材と合金を形成し、リチウム材をその中に保持することができる。リチウム材が緩衝層と結合すると、相互拡散緩衝レイがリチウムのデンドライト成長の可能性を低下させる遮断層及び電解質内へのリチウムイオンの拡散を促進するアクセレレータとして機能することができる。それに加えて、デンドライト防止機能層内を横切るリチウム材は、フレームワーク層構造と導電性コンタクトとの界面に向かって導かれることができる。絶縁体(例えば、有機又は無機緩衝層)とフレームワーク層構造との間の界面接着性は、フレームワーク層構造と導電性コンタクトとの間の界面接着性より強力である可能性がある。そのため、電解質を介して受け取ったリチウム材はフレームワーク層構造と導電性コンタクトとの間の界面を覆う可能性がある。さらに、たとえフレームワーク層構造と導電層との間の界面でのリチウム材の分布と濃度が不均質であっても、電解質へのデンドライト成長はデンドライト防止機能層によって防止できる。
【0018】
[0029] 特に図1は、電気車に動力を供給するための電池105の等角断面図を示す。電池105は系又は装置100の一部とすることができ、これは、電気車のコンポーネントに動力を供給するための電池105を含む少なくとも1つのバッテリパックを含むことができる。電池105は、電気コンポーネントに動力を供給するためのアノードフリーリチウムイオン電池とすることができる。電気コンポーネントは、電気車の一部とすることができる。電池105により動力が供給される電気コンポーネントは、電気車の設定外のものとすることができる。電池105は筐体110を含むことができる。筐体110は、電気車に取り付けられるバッテリモジュール、バッテリパック、又はバッテリアレイの中に収容することができる。筐体110は何れの形状とすることもできる。筐体110の形状は、円形(例えば、図示されているとおり)、長円、又は楕円等の底面を有する円柱とすることができる。筐体110の形状はまた、三角形、正方形、長方形、五角形、及び六角形等の多角形の底面を有する角柱とすることもできる。筐体110の長さ(又は高さ)は65mm~125mmの範囲とすることができる。筐体110の幅(又は、図示されているとおりの円柱の例の直径)は18mm~45mmの範囲とすることができる。筐体110の厚さは100mm~200mmの範囲とすることができる。
【0019】
[0030] 電池105の筐体110は、様々な導電率若しくは熱伝導率、又はその組合せを有する1つ又は複数の材料を含むことができる。電池105の筐体110のための導電性且つ熱伝導性材料は、金属材料、例えばアルミニウム、アルミニウムと銅の合金、ケイ素、錫、マグネシウム、マンガン、又は亜鉛(例えば、アルミニウム1000、4000、又は5000シリーズのもの)、鉄、鉄炭素合金(例えば、鋼鉄)、銀、ニッケル、銅、及び銅合金等を含むことができる。電池105の筐体110のための電気的絶縁性且つ熱伝導性材料には、セラミック材料(例えば、窒化ケイ素、シリコンカーバイド、チタンカーバイド、二酸化ジルコニウム、酸化ベリリウム等)及び熱可塑性材料(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、又はナイロン)等を含めることができる。
【0020】
[0031] 電池105の筐体110は、少なくとも1つの横方向の面、例えば上表面115と底表面120を有することができる。上表面115は、筐体110の横方向の上面に対応することができる。上表面115は筐体110の一体部分とすることができる。上表面115は、筐体110とは別で、筐体110の横方向の上面に付加することができる。底表面120は、筐体110の横方向の底面に対応することができ、上表面115の反対面とすることができる。底表面120は、筐体110の横方向の上面に対応することができる。底表面120は筐体110の一体部分とすることができる。上表面115は、筐体110とは別で、筐体110の横方向の上面に付加することができる。電池105の筐体110は、少なくとも1つの縦方向の表面、例えば側壁125を有することができる。側壁125は、筐体110の上表面115と底表面120との間に延びることができる。側壁125は、その上にくぼみ部分(本明細書ではネック又は縮小領域と呼ばれることもある)を有することができる。上表面115、底表面120、及び側壁125は、筐体110内に空洞130を画定できる。空洞130は、筐体110内の、電池105の内容物を保持するための空虚な空間、領域、又は体積に対応することができる。空洞130は、筐体110内で上表面115、底表面120、及び側壁125の間に広がることができる。
【0021】
[0032] 電池105は少なくとも1つのカソード層135(本明細書では概してカソードと呼ばれることもある)を含むことができる。カソード層135は、筐体110により画定される空洞130の中に位置付け、配列し、又はそれ以外に配置することができる。カソード層135の少なくとも一部は、側壁125の内面と接触し、又はそれと同一平面とすることができる。カソード層135の少なくとも一部は、底表面120の内面と接触し、又はそれと同一平面とすることができる。カソード層135は、電池105の放電中、電池105から通常電流を放出でき、電子を受け取ることができる。カソード層135はまた、電池105の放電中、リチウムイオンを放出する可能性がある。反対に、カソード層135は、電池105の充電中は、電池105への通常電流を受け取ることができ、電子を放出することができる。カソード層135は、電池105の充電中にリチウムイオンを受け取る可能性がある。カソード層135は、リチウム系酸化物材料又はリン酸塩材料を含むことができる。カソード層135は、酸化リチウムコバルト(LiCoO2)、リン酸鉄リチウム(LiFePO4)、酸化リチウムマンガン(LiMn24)、酸化リチウムニッケルマンガンコバルト(LiNixMnyCoz2)、及び酸化リチウムニッケルコバルトアルミニウム(LiNiCoAlO2)及びその他のリチウム系材料を含むことができる。カソード層135の長さ(又は高さ)は50mm~120mmの範囲とすることができる。カソード層135の幅は50mm~2000mmの範囲とすることができる。カソード層135の厚さは1μm~200μmの範囲とすることができる。カソード層135の面積負荷は0.3gm/cm2~60mg/cm2の範囲とすることができる。
【0022】
[0033] 電池105はアノードフリーとすることができ、活性(又は反応性)アノード層(本明細書では概してアノードと呼ばれることもある)を欠くことができる。アノードを備える電池では、アノード層は活性母材、例えば黒鉛(例えば、活性炭素又は、導電性材料が注入されたもの)、チタン酸リチウム(Li4Ti512)、又はケイ素、及びその他の材料を含むことができる。このような電池の放電中、アノード層では酸化が起こる可能性があり、電池への通常電流を受け取り、電池から電子を放出することができる。それと同時に、このような電池のカソード層では還元が起こる可能性があり、電池から通常電流を放出し、電池への電子を受け取ることができる。反対に、このような電池の充電中、アノード層では還元が起こる可能性があり、電池から通常電流を放出し、電池への電子を受け取ることができる。それに加えて、このような電池のカソード層では酸化が起こる可能性があり、電池への通常電流を受け取り、電池から電子を放出することができる。
【0023】
[0034] 電池105は、活性アノード層の代わりに少なくとも1つの複合体構造140(本明細書では受動層、不活性層、非反応性層、又は相互拡散層と呼ばれることもある)を含むことができる。複合体構造140は、筐体110により画定される空洞130の中に位置付け、配列し、又はそれ以外に配置することができる。複合体構造140の少なくとも一部は、側壁125の内面と接触するか、又はそれと同一平面とすることができる。複合体構造140の少なくとも一部は、底表面120の内面と接触し、又はそれと同一平面とすることができる。複合体構造140は、電池105の放電中は電池105への、電池105の充電中は電池105からの通常電流の搬送を提供することができる。アノードを備える電池のアノード層と異なり、電池105の複合体構造140では電池105の動作中に酸化又は還元が起こり得ない。複合体構造140の長さ(又は高さ)は50mm~120mmの範囲とすることができる。複合体構造140の幅は50mm~2000mmの範囲とすることができる。複合体構造140の厚さは1μm~40μmの範囲とすることができる。
【0024】
[0035] 電池105は、固体電解質層145(本明細書では概して電解質又は固体電解質と呼ばれることもある)を含むことができる。固体電解質層145は、筐体110により画定される空洞130内に位置付け、配置し、又はそれ以外に配列することができる。固体電解質層145の少なくとも一部は、側壁125の内面と接触し、又はそれと同一平面とすることができる。固体電解質層145の少なくとも一部は、底表面120の内面と接触し、又はそれと同一平面とすることができる。固体電解質層145は、複合体構造140とカソード層135との間に配列して、複合体構造140とカソード層135を分離することができる。固体電解質層145は、複合体構造140とカソード層135との間でイオンを移動させることができる。固体電解質層145は、電池105の動作中に複合体構造140からカソード層135へとカチオンを移動させることができる。固体電解質層145は、電池105の動作中にカソード層135から複合体構造140にアニオン(例えば、リチウムイオン)を移動させることができる。固体電解質層145の長さ(又は高さ)は50mm~120mmの範囲とすることができる。固体電解質層145の幅は50mm~2000mmの範囲とすることができる。固体電解質層145の厚さは1μm~200μmの範囲とすることができる。
【0025】
[0036] 固体電解質層145は、固体電解質材料を含むことができる。固体電解質層145は、セラミック電解質材料、例えばリン酸リチウムオキシナイトライド(LixPOyz)、リン酸リチウムゲルマニウム硫黄(Li10GeP212)、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、NASICON(Na3Zr2Si2PO12)、ベータアルミナ固体電解質(BASE)、ペロブスカイト型セラミクス(例えば、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3))等を含むことができる。固体電解質層145は、ポリマ電解質材料(本明細書ではハイブリッド又は擬似固体電解質と呼ばれることもある)、例えばポリアクリルニトリル(PAN)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリメチル-メタクリレート(PMMA)、及びフッ化ポリニリデン(PVDF)等を含むことができる。固体電解質層145は、ガラス状電解質材料、例えば硫化リチウム-五硫化リン(Li2S-P25)、硫化リチウム-硫化ホウ素(Li2S-B23)、及び硫化錫-五硫化リン(SnS-P25)を含むことができる。電解質材料145は、セラミック電解質材料、ポリマ電解質材料、及びガラス状電解質材料等の何れの組合せを含むことができる。
【0026】
[0037] 電池105は、少なくとも1つの中央支持材150を含むことができる。中央支持材150は、筐体130により画定される空洞130内に位置付け、配列し、又は配置することができる。中央支持材150の少なくとも一部は、側壁125の内面と接触し、又はそれと同一平面とすることができる。中央支持材150の少なくとも一部は、底表面120の内面と接触し、又はそれと同一平面とすることができる。中央支持材150は、複合体構造140、カソード層135、又は固体電解質層145により画定される中空部の中に位置付けることができる。中空部内の中央支持材150は、積層形態のカソード層135、受動層140、及び電解質層145の周囲を包む何れの構造又は部材とすることもできる。中央支持材150は、電気的絶縁材料を含むことができ、電池105のための正端子としても負端子としても機能しないことができる。電池105はまた、中央支持材150を欠くこと、すなわち含まないことができる。
【0027】
[0038] 特に図2は、電気車に動力を供給するための電池105の断面図を示す。図のように、少なくとも1つのカソード層135、少なくとも1つの複合体構造140、及び少なくとも1つの固体電解質層145は、電池105の筐体110の中の空洞130内に配列できる。少なくとも1つのカソード層135、少なくとも1つの複合体構造140、及び少なくとも1つの固体電解質層145は、連続的に配列することも、又は交互積層することもできる。カソード層135の少なくとも1つ及びアノード層140の少なくとも1つは、カソード層135との間に固体電解質145を挟まずに分離することができる。カソード層135の少なくとも1つとアノード層140の少なくとも1つは、相互に隣接することができる。カソード層135の群とアノード層140の群は、相互に連続して電気的に連結できる。各カソード層135は、アノード層140のうちの1つに電気的に連結できる。各複合体構造140は、カソード層135のうちの1つに電気的に連結できる。各カソード層135、各複合体構造140、各固体電解質層145は、空洞130内に縦方向に配列することができる。各カソード層135、各複合体構造140、及び各固体電解質層145は、少なくとも部分的に底表面120から上表面115まで延びることができる。各カソード層135、各複合体構造140、各固体電解質層145は、空洞130内に横方向に配列できる。各カソード層135、各複合体構造140、及び各固体電解質層145は、少なくとも部分的に1つの側壁125から他の側壁125へと延びることができる。
【0028】
[0039] 固体電解質層145は、少なくとも1つの第一の面200を含むことができる。第一の面200は、固体電解質層145の1つの表面(例えば、縦又は横方向)に対応できる。第一の面200は、固体電解質層145のうちカソード層135に面する表面に対応できる。カソード層135は、空洞130内に少なくとも部分的に固体電解質層145の第一の面200に沿って配置できる。固体電解質層145の第一の面200の少なくとも一部は、カソード層135の少なくとも1つの面と接触し、又はそれと同一平面とすることができる。固体電解質層145は、第一の面200を介してカソード層135に電気的に連結できる。電池105の動作中(例えば、充電又は放電)、固体電解質層145は第一の面200を介してカソード層135からリチウム材を受け取ることができる。カソード層135により放出されたリチウム材は、カチオンとして固体電解質層145を通って固体電解質層145の反対の面の複合体構造140に向かって移動することができる。
【0029】
[0040] 固体電解質層145は、少なくとも1つの第二の面205を含むことができる。第二の面205は、固体電解質層145の1つの表面(例えば、縦又は横方向)に対応できる。第二の面205は、第一の面200の反対面にあることができる。第二の面205は、複合体構造140に面する表面に対応できる。複合体構造140は、空洞130内に少なくとも部分的に固体電解質層145の第二の面205に沿って配置できる。固体電解質層145の第二の面205の少なくとも一部は、複合体構造140の少なくとも1つの面と接触し、又はそれと同一平面とすることができる。電池105の動作中(例えば、充電又は放電)、固体電解質層145はカソード層135から複合体構造140へと第二の面205を介してリチウム材を移動させることができる。何れの緩衝層も持たない電池においては、アノード層で、リチウム材が電池の動作の繰返しに伴って集合するにつれてリチウム材のデンドライト成長が起こる可能性がある。アノード層からのリチウム材のデンドライト形成は最終的に電解質層を貫通してカソード層に到達する可能性があり、これは電池の短絡につながる。
【0030】
[0041] カソード層135は、少なくとも1つの第一の面210を含むことができる。第一の面210は、カソード層135の1つの表面(例えば、縦又は横方向)に対応できる。カソード層135の第一の面210は、固体電解質層145の第一の面に面することができる。カソード層135の第一の面210の少なくとも一部は、固体電解質層145の第一の面200の少なくとも一部と接触し、又はそれと同一平面とすることができる。カソード層135の第一の面210は、固体電解質層145の第一の面200と接することができる。カソード層135は、第一の面210を介して固体電解質層145に電気的に連結できる。電池105の動作中(例えば、充電又は放電)、カソード層135は第一の面210を介して固体電解質層145にリチウム材を放出することができる。それに加えて、カソード層135は少なくとも1つの第二の面215を含むことができる。第二の面215は、カソード層135の1つの表面(例えば、縦又は横方向)に対応できる。第二の面215は、カソード層135上の第一の面210の反対とすることができる。電池105の放電中、カソード層135は第二の面215を通じて電子を受け取り、第二の面215を介して通常電流を放出できる。電池105の充電中、カソード層135は第二の面215を通じて電子を放出でき、第二の面215を介して通常電流を受け取ることができる。
【0031】
[0042] 複合体構造140は、少なくとも1つの第一の面220を含むことができる。第一の面220は、複合体構造140の1つの表面(例えば、縦又は横方向)に対応できる。複合体構造140の第一の面220は、固体電解質層145の第二の面205に面することができる。複合体構造140の第一の面220の少なくとも一部は、固体電解質層145の第二の面205の少なくとも一部と接触し、又はそれと同一平面とすることができる。複合体構造140の第一の面220は、固体電解質層145の第二の面205と接することができる。複合体構造140は、第一の面220を介して固体電解質層145に電気的に連結できる。電池105の動作中(例えば、充電又は放電)、複合体構造140は、第一の面220を介して固体電解質層145からカソード層により放出されたリチウム材を受け取ることができる。さらに、複合体構造140は、少なくとも1つの第二の面225を含むことができる。第二の面225は、複合体構造140上の第一の面220と反対とすることができる。電池105の放電中、複合体構造140は第二の面225を通じて電子を放出し、第二の面225を介して通常電流を受け取ることができる。反対に、電池105の充電中、複合体構造140は第二の面225から電子を受け取り、第二の面225を介して通常電流を放出できる。
【0032】
[0043] 電池105は、少なくとも1つの正の導電層230(本明細書では正の導電板又はシートと呼ばれることもある)を含むことができる。正の導電層230は、電池105のための正端子に対応し、又はそれを画定することができる。正の導電層230は、電池105の筐体110の空洞130内に、カソード層135の第二の面215に沿って配置又は配列できる。正の導電層230の少なくとも一部は、カソード層135の第二の面215の少なくとも一部と接触し、又はそれと同一平面とすることができる。正の導電層230は、第二の面215に沿ってカソード層135と接することができる。正の導電層230は、第二の面215を介してカソード層135に電気的に連結できる。正の導電層230を通じて、カソード層135は電池105のための正端子に電気的に連結できる。正の導電層230は、導電性材料を含むことができる。正の導電層230のための導電性材料には、金属材料、例えばニッケル、銅、アルミニウムと銅の合金、ケイ素、錫、マグネシウム、マンガン又は亜鉛(例えば、アルミニウム1000、4000、又は5000シリーズのもの)、鉄、鉄炭素合金(例えば、鋼鉄)、銀、及び銅合金等を含めることができる。正の導電層230のための導電性材料にはまた、炭素系材料、例えば黒鉛及び炭素繊維等も含めることができる。電池105の放電中、正の導電層230は電池105への電子を受け取り、電池105から通常電流を放出できる。反対に、電池105の充電中、正の導電層230は、電池105から電子を放出し、電池105への通常電流を受け取ることができる。正の導電層230の長さ(又は高さ)は50mm~120mmの範囲とすることができる。正の導電層230の幅は50mm~2000mmとすることができる。正の導電層230の厚さは1~30μmの範囲とすることができる。
【0033】
[0044] 電池105は、少なくとも1つの負の導電層235(本明細書では負の導電板又はシートと呼ばれることもある)を含むことができる。負の導電層235は、電池105の負端子に対応し、又はそれを画定できる。負の導電層235は、正の導電層230の反対の極性とすることができる。負の導電層235は、電池105の筐体110の空洞130内に、複合体構造140の第二の面225に沿って配置又は配列できる。負の導電層235の少なくとも一部は、複合体構造140の第二の面225の少なくとも一部と接触し、又はそれと同一平面とすることができる。負の導電層235は、複合体構造140と第二の面225に沿って接することができる。負の導電層235は、複合体構造140に第二の面225を介して電気的に連結できる。負の導電層235を通じて、複合体構造140は電池105のための負端子に電気的に連結できる。負の導電層235は、導電性材料を含むことができる。負の導電層235のための導電性材料には、金属材料、例えばニッケル、銅、アルミニウムと銅の合金、ケイ素、錫、マグネシウム、マンガン又は亜鉛(例えば、アルミニウム1000、4000、又は5000シリーズのもの)、鉄、鉄炭素合金(例えば、鋼鉄)、銀、及び銅合金等を含めることができる。負の導電層235のための導電性材料にはまた、炭素系材料、例えば黒鉛及び炭素繊維等も含めることができる。電池105の放電中、負の導電層235は電池105から電子を放出し、電池105からの通常電流を受け取ることができる。反対に、電池105の充電中、負の導電層235は、電池105からの電子を受け取り、電池105へと通常電流を放出することができる。負の導電層235の長さ(又は高さ)は50mm~120mmの範囲とすることができる。負の導電層235の幅は50mm~2000mmとすることができる。負の導電層235の厚さは1~30μmの範囲とすることができる。
【0034】
[0045] 特に図3は、電気車に動力を供給するための電池105の層パターン300の断面図を示す。図のように、電池105のための層パターン300において、複合体構造140は少なくとも1つのデンドライト防止機能層305(本明細書では、電解質界面相互拡散緩衝層又はデンドライト防止及び界面接着制御層とも呼ばれることがある)を含むことができる。層パターン300では、デンドライト防止機能層305は、電池105の筐体110の空洞130内に固体電解質層145の第二の面205に沿って配置又は配列できる。デンドライト防止機能層305は、複合体構造140の第一の面220に沿って複合体構造140の少なくとも一部を形成し、又はそれに対応することができる。デンドライト防止機能層305の少なくとも片面は、複合体構造140の第一の面220を含むことができ、又はそれに対応することができる。デンドライト防止機能層305のうち複合体構造140の第一の面220に対応する面は、固体電解質層145の第二の面205と面することができる。デンドライト防止機能層305の第一の面220に沿った少なくとも一部は、固体電解質層145の第二の面205の少なくとも一部と接触し、又はそれと同一平面とすることができる。デンドライト防止機能層305は固体電解質層145と第一の面220を通じて接することができる。デンドライト防止機能層305は、固体電解質層145と第一の面220を介して結合できる。デンドライト防止機能層305は、固体電解質層145と第一の面220を通じて電気的に連結できる。それに加えて、デンドライト防止機能層305は、少なくとも1つの第二の面315(本明細書では中間面と呼ばれることもある)を有することができる。第二の面315は、固体電解質層145の1つの表面(例えば、縦又は横方向)に対応できる。デンドライト防止機能層305の第二の面315は、固体電解質層145と接触する第一の面220の反対とすることができる。デンドライト防止機能層305の長さ(又は高さ)は50mm~120mmの範囲とすることができる。デンドライト防止機能層305の幅は50mm~2000mmの範囲とすることができる。デンドライト防止機能層305の厚さは0.01μm~10μmの範囲とすることができる。デンドライト防止機能層305の厚さは、第一の面220と第二の面315との間の距離に対応できる。
【0035】
[0046] デンドライト防止機能層305は、金属、半導体、又は非金属材料、例えばビスマス(Bi)、錫(Sn)、ケイ素(Si)、銀(Au)、金(Ag)、ゲルマニウム(Ge)、アンチモン(Se)、セレン(Sb)、鉛(Pb)、ヒ素(As)、リン(P)、硫黄(S)若しくはプラチナ(Pt)、又はそれらの何れかの組合せ等を含むことができる。デンドライト防止機能層305の材料の濃度は、0.1g/cc~30g/ccの範囲とすることができる。デンドライト防止機能層305はまた、無機又は有機物質を含むことができる。デンドライト防止機能層305は、当初、電池105の最初の充電サイクルまでは何れのリチウム材も含まないようにすることができる。電池105の動作中(例えば、放電又は充電)、デンドライト防止機能層305は、固体電解質層145の第二の面205を通じてカソード層135から移動したリチウム材を受け取る可能性がある。デンドライト防止機能層305は、固体電解質層145から受け取ったリチウム材と結合し、又はそれと合金を形成する可能性がある。受け取ったリチウム材との合金の形成を介して、デンドライト防止機能層305は、第一の面220に沿って固体電解質層145と結合する可能性がある。リチウム材とデンドライト防止機能層305との結合は、固体電解質層145を通じたリチウム材の分散の不均一性とは無関係である可能性がある。デンドライト防止機能層305により形成される合金には、例えば二元合金(例えば、リチウム-ビスマス(Li-Bi)、リチウム-錫(Li-Sn)、若しくはリチウム-ケイ素(Li-Si))、三元合金(例えば、リチウム-ビスマス-ケイ素(Li-Bi-Sn)若しくはリチウム-リン-プラチナ(Li-P-Pt))、又は四元合金(例えば、リチウム-ケイ素ゲルマニム-アンチモン(Li-Si-Ge-Se))及びその他のあらゆる組合せを含めることができる。固体電解質層145から受け取ったリチウム材と合金を形成することによって、デンドライト防止機能層305は、固体電解質層145の中へのリチウムのデンドライト成長を防止できる。それに加えて、デンドライト防止機能層305の特性により、デンドライト防止機能層305は固体電解質層145を通じて移動するリチウム材の拡散を加速させることができる。
【0036】
[0047] 電池105の層パターン300において、複合体構造140は少なくとも1つのフレームワーク層310(本明細書ではカーボンマトリクス構造、黒鉛マトリクス構造、又は立体網目構造とも呼ばれることがある)を含むことができる。フレームワーク層310は、電池105の筐体110の空洞130内に配置又は配列できる。フレームワーク層310は、複合体構造140の第二の面225に沿った一部を形成し、又はそれに対応することができる。フレームワーク層310の少なくとも片面は、複合体構造140の第二の面225を含むことができ、又はそれに対応できる。フレームワーク層310の、複合体構造140の第二の面225に対応する面は、負の導電層235の片面に面することができる。フレームワーク層310の第二の面225に沿った少なくとも一部は、負の導電層235の片面の少なくとも一部と接触し、又はそれと同一平面とすることができる。フレームワーク層310は、第二の面225を介して負の導電層235に機械的に連結できる。フレームワーク層310は、負の導電層235と第二の面225を通じて接することができる。フレームワーク層310は、負の導電層235に第二の面225を通じて電気的に連結できる。
【0037】
[0048] それに加えて、フレームワーク層310は少なくとも1つの第一の面320(本明細書では中間面とも呼ばれることがある)を有することができる。第一の面320は、固体電解質層145の1つの表面(例えば、縦又は横方向)に対応することができる。フレームワーク層310の第一の面320は、固体電解質層145と接触する第一の面220の反対とすることができる。フレームワーク層310の第一の面320に沿った少なくとも一部は、デンドライト防止機能層305の第二の面315の少なくとも一部と接するか、又はそれと同一平面とすることができる。フレームワーク層310の第一の面320は、第二の面315を通じてデンドライト防止機能層305に機械的に連結できる。フレームワーク層310の第一の面320は、第二の面315を介してデンドライト防止機能層305と接することができる。フレームワーク層310の第一の面320は、デンドライト防止機能層305の第二の面315に機械的に連結できる(例えば、噛み合い、結合され、又は接続される)。噛み合うか又は結合される場合、フレームワーク層310の第一の面320はデンドライト防止機能層305の第二の面315と重複することができ、その逆もある。フレームワーク層310は、フレームワーク層310の第一の面320を介してデンドライト防止機能層305に電気的に連結できる。フレームワーク層310の長さ(又は高さ)は50mm~120mmの範囲とすることができる。フレームワーク層310の幅は50mm~2000mmの範囲とすることができる。フレームワーク層310の厚さは1μm~30μmの範囲とすることができる。フレームワーク層310の厚さは、第一の面320と第二の面225との間の距離に対応することができる。フレームワーク層310の厚さは、デンドライト防止機能層305の厚さより大きくすることができる。フレームワーク層310の厚さとデンドライト防止機能層305の厚さとの比は、0~1000の範囲とすることができる。
【0038】
[0049] フレームワーク層310は、有機材料を含むことができる。フレームワーク層310は、炭素系複合材料、例えば炭素繊維、各種の炭素、熱分解炭素、グラフェン、黒鉛層間化合物(GIC)等を含むことができる。炭素系複合材料は、炭素と、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、及びポリイミド(PI)等の結合剤とを含むことができる。フレームワーク層310の炭素系複合材料の気孔率は1%~99%の範囲とすることができる。フレームワーク層310は、金属有機構造体(MOF:metal-organic framework)又は共有結合性有機構造体(COF:covalent organic framework)を含むことができる。フレームワーク層310は、無機材料、例えば金属酸化物又は金属無機構造体(MIF:metal-inorganic framework)を含むことができる。フレームワーク層310のための無機材料の気孔率はナノメートル~マイクロメートルの範囲とすることができる。フレームワーク層310は当初、電池105の最初の充電サイクルまでは、何れのリチウム材も含まないようにすることができる。フレームワーク層310の材料は、デンドライト防止機能層305の材料と結合することができる。例えば、デンドライト防止機能層305の材料の第二の面315に沿った少なくとも一部は、フレームワーク層310の第二の面320に沿った炭素系複合材料と噛み合い、又は挟み合うことができる。そのため、デンドライト防止機能層305の第二の面315とフレームワーク層310の第二の面320との間の境界は斜面とすることができる。
【0039】
[0050] 電池105の充電中、固体電解質層145を通じてカソード層135から受け取ったリチウム材は、デンドライト防止機能層305と結合する可能性があり、又はフレームワーク層310を横切る可能性がある。材料の違いにより、デンドライト防止機能層305の第一の面220と電解質層145の第二の面205との間の界面接着性は、フレームワーク層310の第二の面225と負の導電層235の面との間の界面接着性より強力である可能性がある。デンドライト防止機能層305と電解質145との間の界面接着性がより強力であるため、第二の面205に沿ったリチウム材付着の可能性を低くすることができる。その代わりに、フレームワーク層310の第二の面225に沿ったリチウム材の付着の可能性をより高くすることができる。そのため、デンドライト防止機能層305の第一の面220上に堆積するのではなく、リチウム材はフレームワーク層310を通じて負の導電層235へと導かれることが可能となる。フレームワーク層310により、電池105の充電中、第二の面225に沿ったリチウム材の蓄積が可能となり得る。リチウム材は固体電解質層145からさらに堆積するため、固体電解質層145の中に入り込むリチウム材の成長の可能性を低減させることができる。反対に、電池105の放電中、リチウム材は負の導電層235からデンドライト防止機能層305へと再び移動することができる。フレームワーク層310により、電池105の放電中に複合体構造140の第二の面225に沿って蓄積されたリチウム材の分散又は剥離が可能となり得る。このようにして、複合体構造140において受け取られたリチウム材のめっきは、フレームワーク層310によって第二の面225に向かって制限することができる。
【0040】
[0051] 特に図4は、電気車に動力を供給するための電池105の層パターン400の断面図を示す。図のように、電池105のための層パターン400における複合体構造140は、デンドライト防止機能層305とフレームワーク層310を含むことができる。それに加えて、電池105の層パターン400では、フレームワーク層310は複合体構造140の第二の面225から分離された少なくとも1つの第二の面405(本明細書では中間面と呼ばれることもある)を有することができる。フレームワーク層310は、層パターン400内の複合体構造140の少なくとも1つの中間部分を形成し、又はそれに対応することができる。第二の面405は、複合体構造140の第二の面225とは別であり、そこから物理的に離すことができる。そのため、フレームワーク層310の第二の面405は、負の導電層235と直接物理的に接触し得ない。フレームワーク層310の第二の面405は、負の導電層235と直接接し得ない。フレームワーク層310の第二の面405は、複合体構造140の他の下層を通じて負の導電層235に電気的に連結できる。他方で、層パターン400において、フレームワーク層310の第一の面320の少なくとも一部は、デンドライト防止機能層305の第二の面315と接触し、又はそれと同一平面とすることができる。フレームワーク層310の第一の面320は、デンドライト防止機能層305の第二の面315と接することができる。
【0041】
[0052] 電池105の層パターン400において、複合体構造140は、少なくとも1つの他のデンドライト防止機能層410(本明細書では導電層界面デンドライト防止機能層とも呼ばれることがある)を含むことができる。デンドライト防止機能層410は、電池105の筐体110の空洞130内に炭素マトリクス構造310の第二の面405に沿って配置又は配列できる。デンドライト防止機能層410は、筐体110の空洞130内の炭素マトリクス構造310の第二の面405と負の導電層235との間に位置付けることができる。デンドライト防止機能層410は、複合体構造140の第二の面225に沿った少なくとも一部を形成し、又はそれに対応することができる。デンドライト防止機能層410の少なくとも片面は、複合体構造140の第二の面225を含み、又はそれに対応することができる。デンドライト防止機能層410のうち複合体構造140の第二の面225に対応する面は、負の導電層235の片面に面することができる。デンドライト防止機能層410の第二の面225に沿った少なくとも一部は、負の導電層235の片面の少なくとも一部と接触し、又はそれと同一平面とすることができる。デンドライト防止機能層410は、第二の面225を介して負の導電層235と機械的に連結できる。デンドライト防止機能層410は、第二の面225を通じて負の導電層235と接することができる。デンドライト防止機能層410は、第二の面225を介して負の導電層235に電気的に連結できる。
【0042】
[0053] それに加えて、デンドライト防止機能層410は、少なくとも1つの第一の面415(本明細書では中間面と呼ばれることもある)を有することができる。第一の面415は、デンドライト防止機能層410の1つの表面(例えば、縦又は横方向)に対応することができる。デンドライト防止機能層410の第一の面415は、負の導電層235と接触する第二の面225の反対とすることができる。デンドライト防止機能層410の第一の面415に沿った少なくとも一部は、フレームワーク層310の第二の面405の少なくとも一部と接触し、又はそれと同一平面とすることができる。デンドライト防止機能層410の第一の面415は、第二の面405を通じてフレームワーク層310と機械的に連結できる。デンドライト防止機能層410の第一の面415は、第二の面405を介してフレームワーク層310と接することができる。デンドライト防止機能層410の第一の面415は、フレームワーク層310の第二の面405に機械的に連結できる(例えば、噛み合い、結合され、又は接続される)。デンドライト防止機能層410は、フレームワーク層310の第一の面405を介してフレームワーク層310に電気的に連結できる。デンドライト防止機能層410の長さ(又は高さ)は50mm~120mmの範囲とすることができる。デンドライト防止機能層410の幅は50mm~120mmの範囲とすることができる。デンドライト防止機能層410の厚さは0.01μm~10μmの範囲とすることができる。デンドライト防止機能層410の厚さは、デンドライト防止機能層305の厚さと同じとすることも、又はそれと違えることもできる。デンドライト防止機能層410の厚さは、第一の面415と第二の面225との間の距離に対応することができる。デンドライト防止機能層410の厚さは、フレームワーク層310の厚さより薄くすることができる。デンドライト防止機能層405の厚さとフレームワーク層310の厚さとの間の比は0~1000の範囲とすることができる。
【0043】
[0054] デンドライト防止機能層410は、金属、半導体、又は非金属材料、例えばビスマス(Bi)、錫(Sn)、ケイ素(Si)、銀(Au)、金(Ag)、ゲルマニウム(Ge)、アンチモン(Se)、セレン(Sb)、鉛(Pb)、ヒ素(As)、リン(P)、硫黄(S)若しくはプラチナ(Pt)、又はそれらの何れかの組合せ等を含むことができる。デンドライト防止機能層410の材料の濃度は、0.1g/cc~30g/ccの範囲とすることができる。デンドライト防止機能層410はまた、無機又は有機物質を含むことができる。デンドライト防止機能層410は、当初、電池105の最初の充電サイクルまでは何れのリチウム材も含まないようにすることができる。フレームワーク層310の炭素系複合材料は、デンドライト防止機能層410の材料と結合する可能性がある。例えば、デンドライト防止機能層410の材料の第一の面415に沿った少なくとも一部は、第二の面405に沿ったフレームワーク層310の炭素系複合材料と噛み合い、又は挟み合う可能性がある。そのため、デンドライト防止機能層305の第一の面415とフレームワーク層310の第二の面405との間の境界は斜面とすることができる。
【0044】
[0055] 電池105の充電中、デンドライト防止機能層410は、カソード層135から発せられ、デンドライト防止機能層305とフレームワーク層310を横切るリチウム材を受け取る可能性がある。デンドライト防止機能層410は、受け取ったリチウム材と結合し、又はそれと合金を形成する可能性がある。リチウム材とデンドライト防止機能層410との結合は、固体電解質層145を通じたリチウム材の分散の不均一性とは無関係である可能性がある。デンドライト防止機能層305により形成される合金には、例えば二元合金(例えば、リチウム-ビスマス(Li-Bi)、リチウム-錫(Li-Sn)、若しくはリチウム-ケイ素(Li-Si))、三元合金(例えば、リチウム-ビスマス-ケイ素(Li-Bi-Sn)若しくはリチウム-リン-プラチナ(Li-P-Pt))、又は四元合金(例えば、リチウム-ケイ素-ゲルマニム-アンチモン(Li-Si-Ge-Se))及びその他のあらゆる組合せを含めることができる。固体電解質層145から受け取ったリチウム材と合金を形成することによって、デンドライト防止機能層305は、固体電解質層145の中へのリチウムのデンドライト成長を防止できる。それに加えて、デンドライト防止機能層305の特性により、デンドライト防止機能層305は固体電解質層145を通じて移動するリチウム材の拡散を加速させることができる。
【0045】
[0056] 電池105の充電中、固体電解質層145を通じてカソード層135から受け取ったリチウム材はデンドライト防止機能層305と結合する可能性があり、又はデンドライト防止機能層410を横切る可能性がある。材料の違いにより、デンドライト防止機能層305の第一の面220と電解質層145の第二の面205との間の界面接着性は、デンドライト防止機能層410の第二の面225と負の導電層235の面との間の界面接着性より強力である可能性がある。デンドライト防止機能層305と電解質145との間の界面接着性がより強力であるため、第二の面205に沿ったリチウム材付着の可能性を低くすることができる。その代わりに、デンドライト防止機能層410の第二の面225に沿ったリチウム材の付着の可能性をより高くすることができる。そのため、デンドライト防止機能層305の第一の面220上に堆積するのではなく、リチウム材はフレームワーク層310とデンドライト防止機能層410を通じて負の導電層235へと導かれることが可能となる。フレームワーク層310とデンドライト防止機能層410により、電池105の充電中、第二の面225に沿ったリチウム材の蓄積が可能となり得る。リチウム材は固体電解質層145からさらに堆積するため、固体電解質層145の中に入り込むリチウム材の成長の可能性を低減させることができる。反対に、電池105の放電中、リチウム材は負の導電層235からデンドライト防止機能層305へと再び移動することができる。フレームワーク層310とデンドライト防止機能層410により、電池105の放電中に複合体構造140の第二の面225に沿って蓄積されたリチウム材の分散又は剥離が可能となり得る。このようにして、複合体構造140において受け取られたリチウム材のめっきは、フレームワーク層310及びデンドライト防止機能層410によって第二の面225に向かって制限することができる。
【0046】
[0057] 特に図5は、電気車に動力を供給するための電池105の層パターン500の断面図を示す。電池105のための層パターン500では、複合体構造140はフレームワーク層310を含むことができ、フレームワーク層310の中にデンドライト防止機能層305が散在している。フレームワーク層310は、電池105の筐体110の空洞130内に、固体電解質層145の第二の面205に沿って配置又は配列できる。フレームワーク層310は、電池105の層パターン500の中の複合体構造140の全体又は実質的に全体(例えば、85%を超える)を形成し、又はそれに対応することができる。フレームワーク層310は、少なくとも部分的に複合体構造140の第一の面220から第二の面225へと広げることができる。デンドライト防止機能層305は部分的に、フレームワーク層310内で複合体構造140の第一の面220から発して第二の面225に向かって広げることができる。
【0047】
[0058] フレームワーク層310の少なくとも片面(例えば、縦又は横方向)は、複合体構造140の第一の面220を含み、又はそれに対応することができる。フレームワーク層310の第一の面220に沿った少なくとも一部は、固体電解質層145の第二の面205の少なくとも一部と接触し、又はそれと同一平面とすることができる。フレームワーク層310は、固体電解質層145に第一の面220を通じて機械的に連結できる。フレームワーク層310は、固体電解質層145と第一の面220を介して接することができる。フレームワーク層310は、固体電解質層145と第一の面220を通じて電気的に連結できる。フレームワーク層310の少なくとも片面(例えば、縦又は横方向)は、複合体構造140の第二の面225を含み、又はそれに対応することができる。フレームワーク層310の第二の面225に沿った少なくとも一部は、負の導電層235の片面の少なくとも一部と接触するか、又はそれと同一平面とすることができる。フレームワーク層310は、負の導電層235と第二の面225を通じて機械的に連結できる。フレームワーク層310は、負の導電層235と第二の面225を介して接することができる。フレームワーク層310は、負の導電層235と第二の面225を通じて電気的に連結できる。層パターン500において、フレームワーク層310の長さ(又は高さ)は50mm~120mmの範囲とするこができる。フレームワーク層310の幅は50mm~2000mmの範囲とすることができる。フレームワーク層310の厚さは0.02μm~30μmの範囲とすることができる。フレームワーク層310の厚さは、複合体構造140の第一の面220と第二の面225との間の距離に対応することができる。
【0048】
[0059] デンドライト防止機能層305は、フレームワーク層310の中に拡散、分布、又は散在させることができる。デンドライト防止機能層305は、金属、半導体、又は非金属材料、例えばビスマス(Bi)、錫(Sn)、ケイ素(Si)、銀(Au)、金(Ag)、ゲルマニウム(Ge)、アンチモン(Se)、セレン(Sb)、鉛(Pb)、ヒ素(As)、リン(P)、硫黄(S)若しくはプラチナ(Pt)、又はそれらの何れかの組合せ等を含むことができる。デンドライト防止機能層305は、無機又は有機物質を含むことができる。デンドライト防止機能層305の材料は、フレームワーク層310の有機又は無機材料の中に注入し、噛み合わせ、又は散在させることができる。デンドライト防止機能層305の材料の濃度(density)又は濃度(concentration)は、フレームワーク層310内で変化させ、又は違えることができ、0.1g/cc~30g/ccの範囲とすることができる。
【0049】
[0060] デンドライト防止機能層305は、フレームワーク層310内に勾配分散を形成することができる。フレームワーク層310内のデンドライト防止機能層305のための材料の勾配分散は線形とすることができる(例えば、図5において影付きで示される)。第一の面220に沿ったデンドライト防止機能層305の材料の濃度は、第二の面225に沿ったデンドライト防止機能層305の材料の濃度より高くすることができる。例えば、デンドライト防止機能層305のための材料の濃度は、第一の面220に沿って最大とすることができ、25g/cc~30g/ccの範囲とすることができる。デンドライト防止機能層305の材料に関する濃度は、第二の面225に沿って最小とすることができ、0.1g/cc~5g/ccの範囲とすることができる。反対に、第一の面220に沿ったデンドライト防止機能層305の材料の濃度は、第二の面225に沿ったデンドライト防止機能層305の材料の濃度より低くすることができる。例えば、デンドライト防止機能層305のための材料の濃度は、第一の面220に沿って最大とすることができ、10g/cc~15g/ccの範囲とすることができる。デンドライト防止機能層305の材料に関する濃度は、第二の面225に沿って最小とすることができ、25g/cc~30g/ccの範囲とすることができる。デンドライト防止機能層305のための材料の勾配分散は、凸状とすることも又は凹状とすることもできる。第一の面220及び第二の面225に沿ったデンドライト防止機能層305の材料の濃度は、概して炭素マトリクス構造310の中心線505に沿ったデンドライト防止機能層305の材料の濃度より高くすることができる。例えば、デンドライト防止機能層305のための材料の濃度は、第一の面220に向かって25g/cc~30g/ccの範囲、第二の面225に向かって20g/cc~25g/ccの範囲、及び中心線505に沿って0.1g/cc~5g/ccの範囲とすることができる。
【0050】
[0061] 電池105の動作中、デンドライト防止機能層305とフレームワーク層310は、固体電解質層145の第二の面205を通じて、カソード層135から発せられるリチウム材を受け取ることができる。デンドライト防止機能層305は、固体電解質層145から受け取ったリチウム材と結合し、又はそれと合金を形成できる。デンドライト防止機能層305とリチウム材の結合は、固体電解質層145を通じたリチウム材の分散の不均一性とは無関係である可能性がある。デンドライト防止機能層305により形成される合金には、例えば二元合金(例えば、リチウム-ビスマス(Li-Bi)、リチウム-錫(Li-Sn)、若しくはリチウム-ケイ素(Li-Si))、三元合金(例えば、リチウム-ビスマス-ケイ素(Li-Bi-Sn)若しくはリチウム-リン-プラチナ(Li-P-Pt))、又は四元合金(例えば、リチウム-ケイ素-ゲルマニム-アンチモン(Li-Si-Ge-Se))及びその他のあらゆる組合せを含めることができる。固体電解質層145から受け取ったリチウム材と合金を形成することによって、デンドライト防止機能層305は、固体電解質層145の中へのリチウムのデンドライト成長を防止できる。それに加えて、デンドライト防止機能層305の特性により、デンドライト防止機能層305は固体電解質層145を通じて移動するリチウム材の拡散を加速させることができる。
【0051】
[0062] リチウム材の蓄積は、デンドライト防止機能層305によってフレームワーク層310の中に維持できる。それに加えて、デンドライト防止機能層305の特性により、デンドライト防止機能層305は固体電解質層145を通じて移動するリチウム材の拡散を加速させることができる。さらに、フレームワーク層310内に散在するため、デンドライト防止機能層305の材料と受け取ったリチウム材との間に形成される合金は、フレームワーク層310の中に存在する可能性がある。デンドライト防止機能層305の材料と受け取ったリチウム材との間に形成される合金の濃度は、フレームワーク層310内のデンドライト防止機能層305の濃度に依存する可能性がある。
【0052】
[0063] さらに、材料の違いにより、電解質層145の第一の面220と第二の面205との間の界面接着性は、第二の面225と負の導電層235の面との間の界面接着性より高い可能性がある。デンドライト防止機能層305と電解質145との間の界面接着性がより強力であるため、第二の面205に沿ったリチウム材の付着可能性を低減させることができる。その代わりに、フレームワーク層310の第二の面225に沿ったリチウム材付着の可能性を高めることができる。そのため、第一の面220上に堆積する代わりに、リチウム材はフレームワーク層310を通じて負の導電層235に向かって導かれる可能性がある。フレームワーク層310により、電池105の充電中に第二の面225に沿ってリチウム材を蓄積させることができる。リチウム材は固体電解質層145からさらに堆積するため、固体電解質層145に入り込むリチウム材の成長の可能性を低減させることができる。反対に、電池105の放電中、リチウム材は負の導電層235から電解質層145を通じて遠ざかる可能性がある。フレームワーク層310により、電池105の放電中、第二の面225に沿って蓄積するリチウム材の分散又は剥離を可能にすることができる。このようにして、複合体構造140で受け取ったリチウム材のめっきは、炭素マトリクス構造300によって第二の面225に向かって制限できる。
【0053】
[0064] 特に図6は、充電サイクル600中の、電気車に動力を供給するための電池105の断面図を示す。電池105の充電前には、複合体構造140には当初、リチウム材の蓄積又は堆積が全くない可能性がある(605)。その代わりに、電池105のリチウム材は、カソード層135又は固体電解質層145の中に存在することができる。電池105が充電されると、リチウム材は複合体構造140内に負の導電層235に沿ってめっき615として蓄積する可能性がある(610)。デンドライト防止機能層305は固体電解質層145に沿って配列されるため、固体電解質層145を通じて受け取ったリチウム材はフレームワーク層310を通じて負の導電層235に向かって導かれることが可能である。負の導電層235に向かって到達すると、フレームワーク層310はリチウム材を蓄積させて、フレームワーク層310と負の導電層235との間の界面にリチウムめっき615を生じさせることができる。リチウムめっき615の厚さ620は0.01μm~100μmの範囲とすることができる。電池105をさらに充電すると、ますます多くのリチウム材がフレームワーク層310の中の負の導電層235との界面に沿って蓄積する可能性がある(625)。固体電解質層145を通じてますます多くのリチウムが受け取られると、リチウムめっき615は厚さ620より厚い厚さ630を有することができる。リチウムめっき615の厚さ630は、0.01μm~100μmの範囲とすることができる。さらに蓄積されるリチウム材は複合体構造140のデンドライト防止機能層305と結合し、又はそれと合金を形成することができ、それによって固体電解質層145の中へのリチウムのデンドライト成長が防止される。
【0054】
[0065] 特に図7は、放電サイクル700中の、電気車に動力を供給するための層パターン300を有する電池105の断面図を示す。充電サイクル600の後、複合体構造140は、フレームワーク層310の中に負の導電層325との界面に沿ってリチウムめっき615を有する可能性がある(705)。リチウムめっき615は厚さ630を有することができる。リチウム材のめっきは、放電により逆転させることができる。電池105が放電すると、リチウム材は受動層145から再び固体電解質層145及びカソード層135へと移動する可能性がある(710)。その結果、リチウムめっき615は厚さ715を有することができ、これは充電後の厚さ630より薄い可能性がある。リチウムめっき615の厚さ715は、0.01μm~100μmの範囲とすることができる。電池105がさらに放電すると、ますます多くのリチウム材が再び固体電解質層145及びカソード層145に向かって移動する可能性があり、リチウムめっき615は最終的に剥離できる(720)。
【0055】
[0066] 電池105が繰り返し使用されると(例えば、充電サイクル600と放電サイクル700)、リチウム材の移動は不均一に分布する可能性がある。その結果、1つの領域内にリチウムが集合し、界面に沿った他の領域にはリチウムがないことになる可能性がある。複合体構造140内にデンドライト防止機能層305がないと、電池105にはリチウムデンドライトが成長する可能性があり、これは最終的に固体電解質層145を貫通する可能性があり、それが短絡の原因となる。しかしながら、デンドライト防止機能層305が固体電解質層145に沿って配置された場合、リチウム材の固体電解質層145内へのデンドライト成長を防止できる。リチウム材が固体電解質層145及びカソード層135に向かって戻ると、リチウム材はデンドライト防止機能層305と結合するようになる可能性があり、それと合金を形成する可能性がある。
【0056】
[0067] 特に図8は、電気車内に電池105の集合を保持するためのバッテリモジュール800の断面図を示す。バッテリモジュール800は、系又は装置100の一部とすることができる。バッテリモジュール800は、何れの形状とすることもできる。バッテリモジュール800の形状は、円形、長円形、又は楕円形等の底面を有する円柱とすることができる。バッテリモジュール800の形状はまた、例えば三角形、正方形、長方形(例えば、図示されているとおり)、五角形、及び六角形等の多角形の底面を有する角柱とすることもできる。バッテリモジュール800の長さは10cm~200cmの範囲とすることができる。バッテリモジュール800の幅は10cm~200cmの範囲とすることができる。バッテリモジュール800の高さは、65mm~100cmの範囲とすることができる。
【0057】
[0068] バッテリモジュール800は、少なくとも1つのバッテリケース805とキャッピング要素815を含むことができる。バッテリケース805は、キャッピング要素815とは別とすることができる。バッテリケース805は、ホルダ810の集合を含むか、又はそれを画定することができる。各ホルダ810は、バッテリケース805により画定される中空部又は中空部分とすること、又はそれを含むことができる。各ホルダ810は、電池105を格納、収容、保管、又は保持することができる。バッテリケース805は、少なくとも1つの導電性若しくは熱伝導性材料又はその組合せを含むことができる。バッテリケース805とキャッピング要素815との間に、バッテリモジュール800は少なくとも1つの正極集電体820、少なくとも1つの負極集電体825、及び少なくとも1つの電気的絶縁層830を含むことができる。正極集電体820と負極集電体825は各々、電気車内のその他の電気コンポーネントに電力を供給するための導電性材料を含むことができる。正極集電体820(本明細書では正のバスバーと呼ばれることもある)は、結合要素835を介して、ホルダ810の集合の中に格納された各電池105の正の導電層230に接続し、又はそれ以外に電気的に連結できる。結合要素835の一方の端は、電池105の正の導電層230に結合、溶接、接続、付着、又はそれ以外に電気的に連結できる。負極集電体825(本明細書では負のバスバーと呼ばれることもある)は、結合要素840を介してホルダ810の集合内に格納された各電池105の負の導電層235に接続又はそれ以外に電気的に連結できる。結合要素840は、電池105の負の導電層235に結合、溶接、接続、付着、又はそれ以外に電気的に連結できる。
【0058】
[0069] 正極集電体820と負極集電体825は、電気的絶縁層830によって相互に分離できる。電気的絶縁層830は、正極集電体820に接続される正極結合要素835及び負極集電体825に接続される負極結合要素825を通過させ、又はフィットさせるための空間を含むことができる。電気的絶縁層830は、バッテリケース805とキャッピング要素815によって画定される体積の一部又は全体に広がることができる。電気的絶縁層830の上面は、キャッピング要素815の底面と接触するか、又はそれと同一平面とすることができる。電気的絶縁層830の底面は、バッテリケース805の上面と接触するか、又はそれと同一平面とすることができる。電気的絶縁層830は、正極集電体820を負極集電体825から分離するために、何れの電気的絶縁材料又は誘電材料、例えば、空気、窒素、六フッ化硫黄(SF6)、セラミック、ガラス、及びプラスチック(例えば、ポリシロキサン)等も含むことができる。
【0059】
[0070] 特に図9は、電気車内に複数の電池105を保持するためのバッテリモジュール800の上面図を示す。バッテリモジュール800は、ホルダ810の集合を画定し、又は含むことができる。各ホルダ810の形状は電池105の筐体105の形状と合致することができる。各ホルダ810の形状は、円形(例えば、図示されているとおり)、長円形、又は楕円形等の底面を有する円柱とすることができる。各ホルダ810の形状はまた、例えば三角形、正方形、長方形、五角形、及び六角形等の多角形の底面を有する角柱とすることもできる。各ホルダ810の形状は、バッテリモジュール800の全体を通じて変化することも、又は同一とすることもできる。例えば、幾つかのホルダ810は形状において六角形とすることができ、それに対して他のホルダは形状において円形とすることができる。各ホルダ810の寸法は、その中に格納される電池105の寸法より大きくすることができる。各ホルダ810の長さは10mm~300mmの範囲とすることができる。各ホルダ810の幅は10mm~300mmの範囲とすることができる。各ホルダ810の高さ(又は深さ)は65mm~100cmの範囲とすることができる。
【0060】
[0071] 特に図10は、バッテリパック1005が搭載された電気車1000の断面図を示す。電気車1000に動力を供給する装置は、少なくとも1つの電池105、少なくとも1つのバッテリモジュール800、及びそのコンポーネントを含む少なくとも1つのバッテリパック1005を含むことができる。例えば、バッテリパック1005は、1つ又は複数のバッテリモジュールを含むことができる。電気車1000は、電気自動車(例えば、図示されているもの)、ハイブリッド、オートバイ、スクータ、旅客車両、旅客若しくは商用トラック、及びその他の種類の車両、例えば海上又は航空輸送車両、飛行機、ヘリコプタ、潜水艦、船舶、又はドローン等とすることができる。電気車1000は、少なくとも1つのバッテリパック1005を含むことができる。バッテリパック1005は、系又は装置100の一部とすることができる。バッテリパック1005は、バッテリモジュール700の集合を格納し、収容し、又はそれ以外に含むことができる。バッテリパック1005内のバッテリモジュール700の数は、~の範囲とすることができる。バッテリパック1005は何れの形状とすることもできる。バッテリパック1005の形状は、円形、長円形、又は楕円形等の底面を有する円柱とすることができる。バッテリパック1005の形状はまた、例えば三角形、正方形、長方形(例えば、図示されているとおり)、五角形、及び六角形等の多角形の底面を有する角柱とすることもできる。バッテリパック905の長さは100cm~600cmの範囲とすることができる。バッテリパック905の幅は、50cm~400cmの範囲とすることができる。バッテリパック905の高さは70mm~1000mmの範囲とすることができる。
【0061】
[0072] 電気車1000は、少なくとも1つのシャシ1010(例えば、フレーム、内フレーム、又は支持構造)を含むことができる。シャシ1010は、電気車1000の各種のコンポーネントを支持することができる。シャシ1010は、電気車1000の前方部分1015(例えば、ボンネット(hood)又はボンネット(bonnet)部分)、本体部分1020、及び後方部分1025(例えば、トランク部分)にわたることができる。バッテリパック1005は、電気車1000内に搭載又は設置できる。バッテリパック1005は、電気車1000のシャシ1010上の、前方部分1015、本体部分1020(図10に図示されているとおり)、又は後方部分1025に搭載できる。
【0062】
[0073] 電気車1000は、1つ又は複数のコンポーネント1030を含むことができる。1つ又は複数のコンポーネント1030は、電気エンジン、娯楽システム(例えば、ラジオ、表示スクリーン、及び音声システム)、オンボードダイアグノーシスシステム、及び電気制御ユニット(ECU)(例えば、エンジン制御モジュール、トランスミッション制御モジュール、ブレーキ制御モジュール、及び車体制御モジュール)等を含むことができる。1つ又は複数のコンポーネント1030は、電気車100の前方部分1015、本体部分1020、又は後方部分1025に搭載できる。電気車1000に搭載されたバッテリパック1005は、少なくとも1つの正極集電体1035及び少なくとも1つの負極集電体1040を介して1つ又は複数のコンポーネント1030に電力を提供できる。正極集電体1035と負極集電体1040は、電気車1000のその他の電気的コンポーネントに接続され、又はそれ以外に電気的に連結されて、電力を提供できる。正極集電体1035(例えば、正のバスバー)は、バッテリパック1005内の各バッテリモジュール800の各正極集電体1035に接続し、又はそれ以外に電気的に連結できる。負極集電体1040(例えば、負のバスバー)は、バッテリパック1005内の各バッテリモジュール800の各負極集電体825に接続し、又はそれ以外に電気的に連結できる。
【0063】
[0074] 特に図11は、電気車に動力を供給するための電池を組み立てる方法1100を示す。方法1100の機能性は、図1~10に関して詳しく上述したシステム、装置、又は電池の何れを使って実装又は実行することもできる。方法1000は、バッテリパック1005を配置すること(動作1105)を含むことができる。バッテリパック905は、電気車1000の中に搭載し、配列し、又はそれ以外に配置することができる。バッテリパック905は、バッテリモジュール700の集合を格納し、収容し、又は含むことができる。バッテリパック905は、電気車1000の1つ又は複数のコンポーネント1030のための電力を貯蔵することができる。バッテリパック1005は、正極集電体1035と負極集電体1040を介して1つ又は複数のコンポーネント1030に電力を提供できる。
【0064】
[0075] 方法1100は、電池105を配列することを含むことができる(動作1110)。電池105は、リチウムイオン電池とすることができる。電池105は、バッテリパック1005内に含められたバッテリモジュール800のホルダ820の中に保管し、又は収容することができる。電池105は筐体110を含むことができる。筐体110は、円形、長円形、若しくは楕円形の底面を有する円柱ケーシングから、又は多角形の底面を有する角柱ケーシングから形成できる。筐体110は、上表面115、底表面120、及び側壁125を含むことができる。筐体110は、電池105の内容を収容する空洞130を有することができる。筐体110内の空洞130は、上表面115、底表面120、及び側壁125によって画定できる。
【0065】
[0076] 方法1100は、固体電解質層145を配列することを含むことができる(動作1115)。固体電解質層145は、固体又は液体電解質材料を含むことができる。固体電解質層145のための材料は、化学蒸着(例えば、化学気相成長法(CVD)若しくは原子層堆積(ALD))又は物理蒸着(例えば、分子線エピタキシ(MBE)若しくは物理気相成長法(PVD))等の成膜技術を使って形成できる。液体電解質の場合、固体電解質層145のための材料は、有機溶媒に浸し、又は溶融させることができる。固体電解質層145は、電池105のための筐体110の空洞130の中に供給し、挿入し、又はそれ以外に設置することができる。固体電解質層145は、電池105のための筐体110の上表面115、底表面120、及び側壁125の間に少なくとも部分的に広がることができる。
【0066】
[0077] 方法1100は、カソード層140を配置することを含むことができる(動作1120)。カソード層135は、化学蒸着(例えば、化学気相成長法(CVD)若しくは原子層堆積(ALD))又は物理蒸着(例えば、分子線エピタキシ(MBE)若しくは物理気相成長法(PVD))等の成膜技術を使って形成できる。カソード層135は、固体カソード材料、例えばリチウム系酸化物材料又はリンを含むことができる。カソード層135は、電池105のための筐体110の空洞130内に設置し、又は挿入できる。カソード層135は、少なくとも部分的に固体電解質層145の第一の面200に沿って位置付けることができる。カソード層135は、電池100へと通常電流を出力できる。カソード層135は、同じく電池105の筐体110内の空洞130に挿入される正の導電層230に電気的に連結できる。
【0067】
[0078] 方法1100は、デンドライト防止機能層305を配置することを含むことができる(動作1125)。デンドライト防止機能層305は、金属前駆体、溶媒(例えば、無機若しくは有機)、又は炭素材料等と混合したスラリコーティング加工技術を使って形成できる。デンドライト防止機能層305はまた、化学蒸着(例えば、化学気相成長法(CVD)若しくは原子層堆積(ALD))又は物理蒸着(例えば、分子線エピタキシ(MBE)若しくは物理気相成長法(PVD))等の成膜技術を使っても形成できる。デンドライト防止機能層305は、デンドライト防止機能層305のための1つ又は複数の材料、例えばビスマス(Bi)、錫(Sn)、ケイ素(Si)、銀(Au)、金(Ag)、ゲルマニウム(Ge)、アンチモン(Se)、セレン(Sb)、鉛(Pb)、ヒ素(As)、リン(P)、硫黄(S)、及びプラチナ(Pt)等を金型整形、鋳造、及び溶錬することを用いて形成できる。デンドライト防止機能層305は、電気めっき技術を使って形成できる。デンドライト防止機能層305は、電池105のための筐体110の空洞130内に、複合体構造140の一部として設置又は挿入できる。デンドライト防止機能層305は、少なくとも部分的に固体電解質層145の第二の面205に沿って位置付けることができる。デンドライト防止機能層305は、同じく電池105の筐体110の空洞130内に挿入される負の導電層235と他のコンポーネントを介して電気的に連結できる。
【0068】
[0079] 方法1100は、フレームワーク層310を配置することを含むことができる(動作1130)。デンドライト防止機能層305は、前駆体材料、溶媒(例えば、無機若しくは有機)、又は炭素材料等と混合したスラリコーティング加工技術を使って形成できる。フレームワーク層310は、化学蒸着(例えば、化学気相成長法(CVD)若しくは原子層堆積(ALD))又は物理蒸着(例えば、分子線エピタキシ(MBE)若しくは物理気相成長法(PVD))等の成膜技術を使って形成できる。フレームワーク層310は、炭素系複合材料を含むことができる。フレームワーク層310は、電池105のための筐体110の空洞130内に、複合体構造140の一部として設置又は挿入できる。フレームワーク層310は、少なくとも部分的にデンドライト防止機能層305の第二の面315に沿って位置付けることができる。フレームワーク層310は、同じく電池105の筐体110内の空洞130に挿入された負の導電層235と電気的に連結できる。
【0069】
[0080] 特に図12は、電気車に動力を供給するための電池を提供する方法1200を示す。方法1200の機能性は、図1~10に関して詳しく上述したシステム、装置、又は電池の何れを使っても実装又は実行できる。方法1100は、装置100を提供することを含むことができる(動作1205)。装置100は、電気車1000に搭載できる。装置100は、電気車1000の1つ又は複数のコンポーネント930に動力を供給するために電気車1000に配置されたバッテリパック1005を含むことができる。バッテリパック1005は、1つ又は複数のバッテリモジュール800を含むことができる。装置100は電池105の集合を含むことができる。各電池105は、バッテリモジュール800内に配列できる。電池105は、筐体110を含むことができる。筐体110は、上表面115、底表面120、及び側壁125を含むことができる。上表面115、底表面120、及び側壁125は、空洞130を画定できる。
【0070】
[0081] 筐体110により画定される空洞130の中に、電池105は固体電解質層145を有することができる。固体電解質層145は、第一の面200と第二の面205を有することができ、第一の面200と第二の面205との間でイオンを移動させることができる。電池105は、筐体110の空洞130内に固体電解質層145の第一の面200に沿って配置されたカソード層135を有することができる。カソード層135は、正の導電層230を介して電池の正端子に電気的に連結できる。電池105は、筐体110の空洞130内に第二の面205に沿って配置されたデンドライト防止機能層305を有することができる。デンドライト防止機能層305は、筐体110内で第二の面205に沿って空洞130内に配置された複合体構造140の一部とすることができる。デンドライト防止機能層305は、第一の面220と第二の面315を有することができる。デンドライト防止機能層305は、第一の面220を通じて固体電解質層145の第二の面205と接触していることができる。デンドライト防止機能層305は、固体電解質層145を介して受け取ったリチウム材と合金を形成できる。電池105は、筐体110の空洞130内にデンドライト防止機能層305の第二の面315に沿って配置されたフレームワーク層310を有することができる。フレームワーク層310は、負の導電層235を介して電池105の負端子に電気的に連結できる。
【0071】
[0082] 動作は図中、特定の順序で示されているが、このような動作は図示された特定の順序で、又は連続的順序で実行しなければならないわけではなく、図示された動作の必ずしもすべてを実行しなければならないわけでもない。本明細書で説明する動作は、別の順序で行うこともできる。
【0072】
[0083] 以上、幾つかの例示的な実施態様を説明したが、上記は例として提示され、例示であって限定的ではないことが明らかであろう。特に、本明細書で提示される例の多くは方法の動作又はシステムの要素の特定の組合せを含んでいるが、これらの動作及びこれらの要素は、他の方法で組み合わせても同じ目的を実現できる。1つの実施例に関連して説明した動作、要素、及び特徴は、他の実施例又は実施例における同様の役割から排除されることは意図されていない。
【0073】
[0084] 本明細書で使用される表現法と用語は説明を目的としており、限定的とみなされるべきではない。本明細書における「~を含む(including)」、「~を含む(comprising)」、「~を有する(having)」、「~を含む(containing)」、「~を含む(involving)」、「~により特徴付けられる」、「~ことを特徴とする」及びその変化形は、その前に列挙された項目、その等価物、及び追加の項目のほか、その前に列挙された項目のみからなる代替的な実施例も包含することが意図される。1つの実施例において、本明細書に記載のシステム及び方法は、記載された要素、動作、又はコンポーネントのうちの1つ、複数の各組合せ、又は全部からなる。
【0074】
[0085] 本明細書において単数形で表されるシステム及び方法の実施例又は要素若しくは動作への何れの言及も、複数のこれらの要素を含む実施例も包含でき、また、本明細書における何れの実施例又は要素若しくは動作への複数の何れの言及も単数の要素のみを含む実施例も包含できる。単数形又は複数形での言及は、本願で開示されているシステム又は方法、それらのコンポーネント、動作、又は要素を単数又は複数の構成に限定しようとするものではない。何れかの情報に基づく何れの動作又は要素への言及は、その動作又は要素が少なくとも部分的に何れかの情報、動作、又は要素に基づく実施例を含むことができる。
【0075】
[0086] 本明細書で開示される何れの実施例も、何れの他の実施例又は実施形態とも組み合わせることができ、「ある実施例」、「幾つかの実施例」、「1つの実施例」、又はその他への言及は、必ずしも相互に排他的であるとは限らず、その実施例に関連して記載された特定の特徴、構造、又は特長が少なくとも1つの実施例又は実施形態に含まれ得ることを示すものである。本明細書で使用されるこのような用語は、必ずしもすべてが同じ実施例に言及しているわけではない。何れの実施例も、本明細書で開示される態様及び実施例と何れかの方法で両立する何れの他の実施例とも包含的又は排他的に組み合わせることができる。
【0076】
[0087] 「又は」への言及は包含的に解釈することができ、「又は」を用いて説明される何れの用語も、説明された用語の1つ、複数、又は全部を示すことができる。例えば、「A及びBの少なくとも一方」とは、Aのみ、Bのみ、及びAとBの両方を含むことができる。「~を含む(comprising)」又はその他の開放型の用語と共に使用されるこのような言及は、それ以外の項目も含むことができる。
【0077】
[0088] 図面、詳細な説明、又は何れかの特許請求項において技術的特徴に参照符号が付加されている場合、この参照符号は図面、詳細な説明、及び特許請求項をわかりやすくするために含められている。したがって、参照符号も、それがないことも、何れの特許請求要素の範囲にも限定的な影響を与えない。
【0078】
[0089] 記載されている要素及び動作の変更、例えば各種の要素の大きさ、寸法、構造、形状、及び割合、パラメータの数値、取付の配置、材料の使用、色、向きの変更は、本明細書で開示される主旨の教示及び利点から実質的に逸脱せずに行うことができる。例えば、一体に形成されているように示される要素は、複数の部分又は要素として構成することもでき、要素の位置を逆転又はそれ以外に変更でき、個別の要素の性質若しくは数又は位置を変更又は変化させることができる。開示された要素及び動作の設計、動作条件、及び配置において、本開示の範囲から逸脱せずにその他の置換、改良、変更、及び省略も行うことができる。
【0079】
[0090] 本明細書に記載のシステムと方法は、その特徴から逸脱することなく、他の具体的な形態で実施されてもよい。例えば、正及び負の電気的特性の説明は逆転させてもよい。例えば、負の要素として説明された要素は、その代わりに正の要素として構成でき、正の要素として説明された要素は、その代わりに負の要素として構成できる。さらに、相対的な平行、垂直、縦、及びその他の位置付け又は向きの説明は、純粋な縦、平行、又は垂直の位置付けから+/-10%又は+/-10度以内のばらつきを含む。「ほぼ」、「約」、「実質的に」、又は程度を示すその他の用語への言及は、明確に別段の表示がないかぎり、示された測定値、単位、又は範囲から+/-10%のばらつきも含む。連結される要素は、相互に直接、又は介在要素を用いて電気的、機械的、又は物理的に連結できる。本明細書に記載のシステムと方法の範囲はそれゆえ、上述の説明ではなく、付属の特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の等価物の意味と範囲に含まれる変更もその中に包含される。
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