(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】分離デバイス及び動作方法
(51)【国際特許分類】
B07B 1/28 20060101AFI20241203BHJP
B07B 1/46 20060101ALI20241203BHJP
B01F 31/445 20220101ALI20241203BHJP
B01F 35/222 20220101ALI20241203BHJP
【FI】
B07B1/28 B
B07B1/46 K
B01F31/445
B01F35/222
(21)【出願番号】P 2022506370
(86)(22)【出願日】2020-07-31
(86)【国際出願番号】 EP2020071701
(87)【国際公開番号】W WO2021019087
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2023-06-12
(32)【優先日】2019-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2019-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】522040001
【氏名又は名称】アー オー イデアス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カラスコ、セザール
【審査官】佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】特表平08-500058(JP,A)
【文献】特開2005-058876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07B 1/28
B07B 1/46
B01F 31/445
B01F 35/222
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インプット位置へ送達可能であり且つアウトプット位置において異なる粒子サイズに又は少なくとも略単一の粒子サイズに処理されて取り出し可能であるバルク材料の粒子を分離するためのデバイス(1)であって、貫通開口部(30)を備えた金属の分離板(31)を有する少なくとも1つの分離要素(3)を備え、前記分離要素(3)は、超音波エネルギーを与えられることができ、この目的のために超音波トランスデューサ(6)に接続され且つ保持デバイス(2)によって保持されている、デバイス(1)において、
前記保持デバイス(2)は取付けシャフト(2)であり、前記取付けシャフト(2)は、一方の端部又は両方の端部
で可動に保持され、且つ一方の端部又は両方の端部で前記超音波トランスデューサ(6)に接続され、超音波エネルギーは、前記超音波トランスデューサ(6)によって、前記取付けシャフト(2)を介して前記分離要素(3)に結合可能であり、前記分離要素(3)は寸法安定的であり、前記取付けシャフト(2)は回転可能に保持されており、又は前記取付けシャフト(2)は、その長手軸に沿って変位可能であり、或いは前記取付けシャフト(2)は回転可能に保持されており且つその長手軸に沿って変位可能であ
り、前記取付けシャフト(2)は、集電環(42;44)及び滑り接点(41;43)を有する接触デバイス(4)を備え、前記接触デバイス(4)を介して、交流電圧信号又は直流電圧信号が、前記超音波トランスデューサ(6)に伝達可能であることを特徴とする、デバイス(1)。
【請求項2】
前記分離板(31)が、平坦な又は湾曲した表面を有すること、又は前記分離板(31)が、一定の厚さ若しくは外側に向かって減少する厚さを有すること、又は前記分離板(31)が、平坦な又は湾曲した表面と、一定の厚さ若しくは外側に向かって減少する厚さとを有することを特徴とする、請求項1に記載の分離デバイス(1)。
【請求項3】
前記分離板(31)が、格子構造又はワイヤ・メッシュ構造(319)を有し、前記格子構造又はワイヤ・メッシュ構造(319)は、接続スリーブ(32)などの少なくとも1つの取付け要素(32、320)によって、又は同じ若しくは異なる直径を有する少なくとも2つの接続棒(321、322)によって、前記取付けシャフト(2)に接続されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の分離デバイス(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの分離要素(3)は、中心軸(x)を有し且つ前記中心軸(x)に関して回転対称であり、また前記取付けシャフト(2)は、前記中心軸(x)に少なくとも略同軸に位置合わせされることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一項に記載の分離デバイス(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの分離要素(3)の前記分離板(31)は、円錐形状、波形状又は球面波形状、螺旋形状、渦形状などの基本構造を有し、また任意で、前記基本構造上に重ね合わせられた表面構造を有し、前記表面構造は、前記バルク材料との機械的相互作用のために設けられることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一項に記載の分離デバイス(1)。
【請求項6】
前記分離板(31)は、接続スリーブなどの少なくとも1つの取付け要素(32)によって、又は同じ若しくは異なる直径を有する少なくとも2つの接続棒(321、322)によって、前記取付けシャフト(2)に接続されることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか一項に記載の分離デバイス(1)。
【請求項7】
前記取付けシャフト(2)は複数のシャフト要素(2A、2B、2B)を有し、各シャフト要素(2A、2B、2B)が、複数の前記分離要素(3A、3B、3B)のうちの1つに固定して又は取外し可能に接続され、また前記シャフト要素(2A、2B、2B)は、好ましくは互いに確実に接続され、互いに回転可能に接続され、互いに螺合され、又は互いに溶接されることを特徴とする、請求項6に記載の分離デバイス(1)。
【請求項8】
前記取付けシャフト(2)は、一方の端部で駆動モータ(8A;8B)に接続され、又は両方の端部で駆動モータ(8A;8B)に接続されており、前記駆動モータ(8A;8B)によって、前記取付けシャフト(2)、又は前記取付けシャフト(2)の2つのシャフト要素(2A、2B)は、その長手軸の周りで一方向に又は他の方向に個々に駆動され、或いは一方向に及び他の方向に交互に個々に駆動され得ることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか一項に記載の分離デバイス(1)。
【請求項9】
前記超音波トランスデューサ(6)は、好ましくは、少なくとも1つの圧電素子(611)を備えた圧電トランスデューサ(61)を有し、好ましくは20kHzから45kHzの周波数範囲内の一定の又は可変の周波数の交流電圧信号が
、超音波発生器(70)から前記圧電トランスデューサ(61)に供給可能であることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか一項に記載の分離デバイス(1)。
【請求項10】
好ましくはリング形状の複数の圧電素子(631)が、2つの金属要素又は金属板(632)の間にクランプされ、前記金属要素又は金属板(632)は、前記取付けシャフト(2)に形状適合態様で、螺合可能な態様で、圧力嵌合態様で、又は一体的に接続され、且つ接続接点(64)及び前記接触デバイス(4)によって前記超音波発生器(70)に接続されることを特徴とする、請求項9に記載の分離デバイス(1)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの分離要素(3)が接続された前記取付けシャフト(2)が、開口した又は閉鎖可能な貫通チャネル(50)を有する搬送容器(5)内に配置され、前記バルク材料は、前記貫通チャネル(50)を通して、前記インプット位置から前記アウトプット位置へ搬送され得ることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか一項に記載の分離デバイス(1)。
【請求項12】
前記搬送容器(5)が、前記分離要素(3A、3B、3C)のうちの少なくとも1つのための出口開口部(50A、50B、50C)を有すること、並びに/或いは、前記搬送容器(5)が、好ましくは前記分離要素(3A、3B、3C)のそれぞれのための入口チャネル(500A、500B、500C)及び/又は出口チャネル(501A、501B、501C)を有することを特徴とする、請求項11に記載の分離デバイス(1)。
【請求項13】
1つの前記駆動モータ(8A)又は複数の前記駆動モータ(8A、8B)に接続される電力供給デバイス(90)と、制御プログラムを含む制御ユニット(9)とが設けられ、前記制御プログラムによって、前記バルク材料の前記粒子を分離するためのプロセスが制御可能であることを特徴とする、請求項
8に記載の分離デバイス(1)。
【請求項14】
請求項
8に記載の分離デバイス(1)を制御するための動作方法であって、
混合フェーズにおいて、1つの前記駆動モータ(8A)又は複数の前記駆動モータ(8A、8B)は、前記取付けシャフト(2)が所定の混合速度で、スイッチング周波数に対応する回転部分だけ、一方向に回転され且つ再度他の方向に回転されるように、制御可能であり、又は、
排出フェーズにおいて、前記取付けシャフト(2)は、所定の排出速度で複数回転分、一方向に又は他の方向に回転され、
前記所定の混合速度及び前記スイッチング周波数は、前記バルク材料が混合されるように選択され、また前記所定の排出速度は、残ったバルク材料が遠心力により前記少なくとも1つの分離要素(3)から除去されるように選択されることを特徴とする、分離デバイス(1)を制御するための動作方法。
【請求項15】
前記混合フェーズにおいて、バルク材料が前記分離要素(3)のうちの少なくとも1つから除去されること、又は、前記混合フェーズにおいて、前記分離要素(3)のうちの少なくとも1つに補助材料が追加されることを特徴とする、請求項14に記載の分離デバイス(1)を制御するための動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好ましくは篩(sieve)である分離要素を保持する保持デバイスを備えた分離デバイス、及びこの分離デバイスのための動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食品産業、化学産業、製薬産業、及び建設資材産業などの多くの産業部門において、粒子形態で利用可能な、即ち互いに分離された粒子の形態で「霧化」された中間体が、しばしば必要とされる。この形態では、中間体は、正確に投与され、且つ、効率的に使用され得る。望ましくない味、固化、金銭上又は医学上の問題を引き起こし得る不正確な投与は、回避される。バルク材料は、一様な粒子サイズ(粒径)において、又は異なる粒子サイズにおいても、霧化されることが必要とされ得る。
【0003】
したがって、分離デバイスは、バルク材料の粒子が互いに分離されることを可能にし、また、必要であれば、ほとんど一様な粒子サイズでバルク材料を提供する。バルク材料は、インプット位置から、バルク材料が所望の形態で提供されるアウトプット位置へ搬送される。この搬送は、通常、重力の影響下で、機械的運動の影響下で、且つ、選別技術において、また場合より超音波エネルギーの供給下で、行われる。
【0004】
https://en.wikipedia.org/wiki/Sieveによれば、篩デバイスの実施例における分離デバイスは、分離媒体と同じ大きさの多数の開口部を含む篩ライニングを有する。開口部の大きさは、メッシュ・サイズと呼ばれる。より大きな粒状体は、開口部の上に残り(シーブ・オーバフロー)、より小さな粒状体は、通り抜ける(シーブ・パッセージ)。メッシュ・サイズとおおよそ同じ大きさの粒状体は、限界粒状体(limit grain)と呼ばれる。篩は、1つ又は複数の重ね合わせられた篩層で構成されてよく、最大のメッシュ・サイズを有する篩層が、篩スタックの一番上に位置する。スクリーン・ライニングの清浄度は、スクリーンの能力に重要である。具体的には、境界粒状体(boundary grain)による篩開口部の目詰まりは、適切な手段によって(例えば、篩の上又は下を「走る」ブラシ、ボール、鎖、ゴム・キューブによって、又は、例えば円錐形に若しくは二重円筒形に穿孔される穴の場合には、穴径を下向きに大きくすることによって)防止されなければならない。
【0005】
大規模用途では、スクリーン・ライニングは、選別性能を向上させるために、特定の動作を行うように駆動装置によって励振される。スクリーン・ライニングの動作は、供給材料をスクリーンの長手方向にさらに搬送すること、境界粒状体をメッシュ開口部から排出すること、及び、分離(選別効率)の持続可能性を向上させることに役立つ。
【0006】
タンブラ選別機械が知られており(例えば、欧州特許出願公開第0943374A2号参照)、そのようなタンブラ選別機械は、タンブラ運動(tumbler motion)(投出及び揺動運動)の状態になされ得るスクリーン構造と、スクリーン構造及び電気モータによって回転駆動される取付けシャフトを弾性的に支持する支持デバイスとを有し、電気モータは、傾斜及び偏心度が調節可能な摺動ピンを駆動し、摺動ピン上には、スクリーン構造が取り付けられる。したがって、取付けシャフト及び摺動ピンは、スクリーン・ライニングを所定の一定な運動に設定する。そのようなシステムは、設計が複雑であり、かなりの建物振動及び騒音を引き起こし、且つ、比較的高水準のメンテナンスを必要とする。
【0007】
粉体及びバルク材料の搬送、保管、混合、分別、投与、及び取扱い中、それらの流動性が、重要な役割を果たす。バルク材料を選別する場合、その粒子が分離されてスクリーン開口部を通過できることが重要である。
【0008】
国際公開第2018219840A1号は、スクリーンを保持する支持デバイスを含む選別デバイスを説明しており、この選別デバイスは、駆動デバイスに接続されるスクリーン・フレームによって保持されるスクリーン・ライニングを有する。制御ユニットによって制御される駆動デバイスは、少なくとも3つのアクチュエータを有し、これらのアクチュエータは、一方では第1の回転継手を介してそれぞれ支持デバイスに接続され、他方では第2の回転継手を介してそれぞれスクリーン・フレームに接続され、その結果、スクリーンは、もっぱらアクチュエータによって保持され、且つ、可動範囲内で移動可能であり、また場合により回転可能である。スクリーン・ライニングはまた、選別プロセスが加速されるように、超音波エネルギーにさらされることが好ましい。非常に良好な結果をもたらすこの分離デバイスもまた、複雑であり、且つ、比較的大きな空間を必要とする。他方では、搬送容器を通じたバルク材料の供給は、容易ではないか、又は多大な労力を払ってのみ実現され得る。
【0009】
特開2011-245446号は、外側フレームによって保持され且つ金属隔壁が当接するスクリーン・ライニングによる選別を開示しており、金属隔壁を介して、超音波源からスクリーン・ライニングに超音波エネルギーが伝達される。スクリーン・ライニングのメッシュ・サイズよりも直径が小さいバルク材料の粒子は、超音波エネルギーの影響下で、スクリーン・パッセージとしてより迅速にスクリーン・ライニングを通過することができる。スクリーン・ライニングのメッシュ・サイズよりも直径が大きいバルク材料の粒子は、スクリーン・オーバフローとして外側フレームを介して外側へ運び去られる。スクリーン・ライニング及び隣接する隔壁を含むこの分離デバイスもまた、比較的複雑である。
【0010】
独国特許第4448017B4号は、スクリーン・フレーム内に設けられた選別表面とそれに関連付けられた超音波トランスデューサとを含む、乾燥固形物又は液体中の乾燥固形物を選別、分級、精査、濾過、若しくは分類するためのデバイスを開示しており、超音波トランスデューサにより、選別表面に振動が印加され得る。超音波トランスデューサには少なくとも1つの共振器が関連付けられ、この少なくとも1つの共振器は、スクリーン表面と接触し、また、超音波トランスデューサの共振に同調され、且つ、超音波トランスデューサによって振動させられ得る。スクリーンが機械的振動にさらされるべき場合、スクリーンは、例えば、振動選別機に設置される。振動選別機への設置は、相応に高い費用をもたらす。さらに、振動選別機によってスクリーンに及ぼされ得る機械的動作は、動作の形態が限定され、且つ、ゆっくりとしか効果を発揮しない。
【0011】
Dietmar Schulze、Pulver及びSchuttguter、Fliesseigenschaften and Handhabung、3.Edition、Springer-Verlag Berlin 2014、第1章は、バルク材料に共通する問題を説明している。出口開口部が過度に小さい場合、堅固な円蓋(橋)が生じて、バルク材料の流れを停止させ得る。別の問題は、ホッパ壁が十分に急勾配でないか又は滑らかでない場合に起こる、コア流れであり得る。この場合、充填サイロ内のバルク材料は、ホッパ壁を直接滑り落ちることができない。非対称であり得る死角が形成され、この死角では、バルク材料は、もはや重力だけによって流れ出ることができない。また、コア流れにより、製品の一部が極度に短い滞留時間を有する可能性があり、その結果、新たに充填された製品は、再び即時に引き抜かれて、サイロ内で中間的に処理及び通気され得ない。説明された問題は、一方では設備状態に起因し、他方ではバルク材料の特性(強度、摩擦)に起因する。サイロ、供給ホッパ、大型箱、などを設計する場合、又は、粉体及びバルク材料を最適化する場合、まず、バルク材料の挙動が確定されなければならない。すると、それにより、根拠の確かな設計方法の適用を通じて、幾何学的形状(ホッパ、出口サイズ)がもたらされる。
【0012】
したがって、既知のデバイスは、通常、特定のタイプのバルク材料の処理に結び付けられ、それが、これらのデバイスの柔軟な使用が不可能である理由である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】欧州特許出願公開第0943374A2号
【文献】国際公開第2018219840A1号
【文献】特開2011-245446号
【文献】独国特許第4448017B4号
【文献】中国特許第105827059A号
【非特許文献】
【0014】
【文献】Dietmar Schulze、Pulver及びSchuttguter、Fliesseigenschaften and Handhabung、3.Edition、Springer-Verlag Berlin 2014、第1章
【発明の概要】
【0015】
したがって本発明は、超音波エネルギーを使用してバルク材料の粒子が互いに分離されることを可能にする、バルク材料の粒子を分離するための改善されたデバイスを提供するという目的に基づく。
【0016】
本発明のデバイスにより、分離板などの分離要素上でのバルク材料の良好な分散が、単純な手段で、より迅速に達成されることになる。
【0017】
バルク材料の粒子を異なる粒子サイズ若しくは類似した粒子サイズで又は少なくともおおよそ一様な粒子サイズで提供することが、可能であろう。
【0018】
さらに、バルク材料を装填、分離、混合、曝気、脱気、荷下ろしするためのプロセスなどの様々なプロセスを有利に行うことを可能にする、この改善された分離デバイスの動作方法が特定されるであろう。さらに、分離デバイスの洗浄及びメンテナンスのためのプロセスが、有利に実現可能であろう。
【0019】
分離デバイスは、単純且つコンパクトな設計を有し、且つ、維持するのが容易であろう。分離デバイスは、高い効率と、相応に低下したエネルギー消費率を有するであろう。既知の分離デバイスによって生じるような振動及び衝撃は、分離デバイスの効率を低下させることなしに回避されるか又は著しく軽減されるであろう。
【0020】
嵩張る設置を回避するために、インプット位置とアウトプット位置との間の最短の可能な経路長内でバルク材料を処理することが、可能であろう。
【0021】
処理済みバルク材料は、処理済みバルク材料の適用中の不正確な投与が回避され得るように、高い分離度を有して高い品質で提供されるであろう。
【0022】
バルク材料の処理中、簡易な方法でさらなる処理を行うことが、可能であろう。具体的には、特定の処理状態におけるバルク材料の除去が、簡易な方法で可能であろう。さらに、有利には少なくとも1種類のさらなる材料が、バルク材料に混合可能であり、その後、混合製品もまた、所望の粒子形状で提供されるであろう。
【0023】
バルク材料の処理は、空気又は液体の増大又は減少した圧力下で有利に可能であろう。
【0024】
分離デバイス、並びに供給チャネル及び/又は排出チャネルは、バルク材料のタイプにほとんど無関係に設計され、且つ、小さな寸法で実現されるであろう。バルク材料の残渣、及び対応する搬送経路の断面の変化、特に死角は、分離デバイスの動作中は回避されるであろう。
【0025】
動作方法は、存在する目下処理されているバルク材料が最適に分離され得るように、分離デバイスの最適な作業パラメータの設定を可能にするであろう。
【0026】
この課題は、請求項1及び14に明記された特徴をそれぞれ有する分離デバイス及び動作方法によって解決される。本発明の有利な実施例は、さらなる請求項に明記される。
【0027】
インプット位置において送達可能であり且つアウトプット位置において異なる粒子サイズ又は少なくともおおよそ単一の粒子サイズで処理されて取り出し可能であるバルク材料の粒子を分離するように機能する本デバイスは、貫通開口部が設けられた金属の分離板を有する少なくとも1つの分離要素を有し、この分離要素は、超音波エネルギーを与えられることが可能であり、またこの目的のために超音波トランスデューサに接続され、且つ、保持デバイスによって保持される。
【0028】
本発明によれば、保持デバイスは取付けシャフトであり、この取付けシャフトは、一方の端部において又は両方の端部において固定して又は移動可能に、具体的には回転可能に且つ/又は軸方向に変位可能に保持され、また、取付けシャフトは、一方の端部において又は両方の端部において超音波トランスデューサに接続され、この超音波トランスデューサにより、取付けシャフトを介して分離要素に超音波エネルギーを結合可能であり、分離要素は、寸法安定性のあるように設計される。
【0029】
電気エネルギーの伝達、特に超音波発生器から超音波トランスデューサへの交流電圧の伝達のために、取付けシャフトは、接触デバイスを備えることが好ましい。接触デバイスは、スリップ・リング及びそれに接続された滑り接点を有することが好ましく、それらを介して、AC電圧信号及び/又はDC電圧信号、場合により制御信号が、超音波トランスデューサ若しくはそこに設けられた制御デバイス、及び/又は取付けシャフトに接続された超音波トランスデューサに伝達され得、取付けシャフトは、超音波トランスデューサに供給する。
【0030】
超音波トランスデューサは、圧電トランスデューサを有することが好ましく、圧電トランスデューサは、幾つかの圧電素子を有することが好ましい。圧電素子は、2枚の金属板の間に挟持されることが好ましく、2枚の金属板は、確実に又は不確実に取付けシャフトに接続又は溶接され、且つ、接続接点により一緒に又は個々に超音波発生器に接続される。圧電素子の振動は、金属板を介して取付けシャフトに伝達され、さらに、少なくとも1つの分離要素に伝達される。金属板は、取付けシャフトにおけるねじ山上にそれぞれスクリュ・ナットとして配置され得る。ナットを締め付けることにより、圧電素子は固定され、それと同時にナットと取付けシャフトとの間の最適な接続がもたらされる。取付けシャフトにしっかりと接続された金属板にピエゾ素子を押し付けることができる1つだけのスクリュ・ナットを使用することも、有利である。
【0031】
取付けシャフトは、1つ又は複数の部品から作られ得る。取付けシャフトは、駆動モータのモータ・シャフトに一体に接続されるか又は連結器によって接続される。
【0032】
好ましい実施例では、圧電素子は、取付けシャフトを囲むことができるように、リング形状とされる。この設計により、最大効率を有するコンパクトな構造がもたらされる。5個から20個の圧電素子が設けられることが好ましい。圧電素子は、接点要素により、また必要であれば絶縁板により、互いに分離されることが好ましい。
【0033】
超音波範囲内の交流電圧により、ピエゾ素子は、振動するように励起され得、振動は、少なくとも1つの分離要素に伝達される。超音波振動は、バルク材料の粒子を互いに孤立させ、且つ、それらの粒子が相応に小さな直径を有する場合には、分離要素を通過させる。さらに、分離要素とバルク材料との間の強い接触が防止される。したがって、静止摩擦及び/又は滑り摩擦、したがって分離要素とバルク材料との間に生じる摩擦力は、実質的に軽減され、その結果、バルク材料は、流れる状態に保たれ、阻害されない。
【0034】
本発明の分離要素により、任意の種類のバルク材料、均質のバルク材料又は不均質のバルク材料、及び任意の粒子サイズを有するバルク材料が、処理され得る。分離デバイス内では、バルク材料は、熱的に処理され且つ/又は曝気され且つ/又は浄化され且つ/又は組成を変更されるプロセスにさらされ得る。
【0035】
分離板は、接続スリーブなどの少なくとも1つの取付け要素により又は同じ若しくは異なる直径を有する少なくとも2つの接続棒により取付けシャフトに接続される、格子構造又はワイヤ・メッシュ構造を有し得る。分離板は、例えば、リングによって囲まれてよく、このリングは、接続棒により、取付けシャフトに又は取付けシャフトを囲む取付けスリーブに接続される。
【0036】
寸法的に安定した分離要素を使用すること、及び、超音波エネルギーが結合され得る例えば棒形状の又は円筒形の金属で作られた細長い取付けシャフトに分離要素を接続することにより、多くの利点を有する分離デバイスが得られる。
【0037】
分離要素は、好ましくは中心に配置された取付けシャフトによって保持され、且つ、寸法的に安定しているので、より大きな取付けデバイス、具体的には取付けフレームを含む分離要素は、もはや必要とされない。それと同時に、バルク材料は、より直接的に且つ柔軟に作用され得る。バルク材料は、場合により、分離プロセスを最適化するために、任意の機械的及び音響的な影響にさらされ得る。分離プロセスはまた、エネルギー消費を抑えてより効率的に行われ得る。取付けシャフトを介して、少なくとも1つの分離要素又は少なくとも1つの分離板が、任意の軸方向運動及び回転性運動、並びに任意の超音波にさらされ得る。取付けシャフトを保持する軸受デバイスも回転可能に取り付けられる場合、さらなる回転運動が行われ得る。
【0038】
少なくとも1つの分離要素は、周辺で保持されるのではなく取付けシャフトによって中心で保持されるので、分離デバイスは、より柔軟になる。分離要素を例えばハウジング、ホルダ、又はさらなる取付け要素と周辺で接続させる接続要素を回避することにより、今や分離要素から独立している部品は、より高い自由度で実現され得る。
【0039】
デバイスの強化された柔軟性により、分離デバイスの特性は、制御デバイスの動作パラメータによって大部分は決定することができ、したがって、分離デバイスの設計は、注意及び労力が少なくて済む。分離板は、例えば、フランジ間で周囲に突出して、例えばハウジングに対するクロージャを形成し且つバルク材料が分離要素のみを通過し得ることを確実にすることができる。基本的に、取付けシャフトの取付けもまた、分離要素の取付けによって支持されるか又は置き換えられ得る。
【0040】
分離デバイスは、簡易な手段又は動作パラメータの選択により、バルク材料、及びユーザによって指定された目標に適合され得る。したがって、本発明の分離デバイスは、様々なタイプのバルク材料を最適に処理することができる。例えば、化学的な粉末、食品粒子、結晶、小さな機械部品などが、同じ分離デバイスを用いて処理され得る。他方では、常に同じバルク材料が処理される場合、相応に適合された寸法を分離デバイスに与えることが、望ましい。
【0041】
したがって、分離デバイス及び分離要素の寸法は、数桁異なり得る。同様に、動作パラメータ、特に回転可能に取り付けられた分離要素の回転速度、及びスイッチング周波数は、数桁異なり得る。
【0042】
分離デバイスは、供給チャネル及び/又は排出チャネルを含めて、実質的に異なる動作パラメータを設定する可能性に関してバルク材料のタイプとはほとんど無関係に設計され得る。それにより、分離デバイスを製造するのに必要とされる労力は、設計レベルからソフトウェア・レベルに有利に振り替えられる。分離デバイスは、単純であるが非常に柔軟な設計を有し、そのような設計は、バルク材料の処理のための新規なプロセスの実現を可能にする。
【0043】
バルク材料は、インプット位置とアウトプット位置との間の短い経路長の範囲内で処理され得、そのため、言及した産業部門におけるバルク材料の処理を対象とした本発明による分離デバイスは一般に、寸法を抑えて実現され得る。
【0044】
バルク材料に作用する有利な可能性に起因して、粒子の分離は、分離要素の領域においてのみならず、バルク材料の搬送経路全体にわたって、より効率的に行われ得る。分離デバイスの強化された柔軟性、及びバルク材料へのより有利な作用に起因して、搬送経路の断面の変化、具体的には死角を伴う残渣は、有利に回避される。したがって、分離デバイスの最適な動作は、より長期間にわたって維持され得、分離デバイスのメンテナンスに必要とされる労力は、著しく軽減される。分離デバイスの柔軟化はまた、デバイスの少なくとも部分的な自己洗浄を可能にする。この目的のために、分離デバイスは、例えばスクリーン・オーバフローを除去するために、必要とされる速度で動かされ得る。好ましい実施例では、作業プロセスに影響を与えるために、例えば同じチャネルを介して洗浄剤が注入又は噴霧され得る(
図4a参照)。
【0045】
したがって、分離デバイスの強化された柔軟性は、分離プロセスの最適な実現のみならず、さらなるプロセス、特に混合プロセス及び洗浄プロセスの実現も可能とする。バルク材料の処理中、例えば、追加の材料、物質、及び媒体が、任意の時点又は任意の分離要素において容易に追加され得、且つ/又は、中間処理されたバルク材料が取り出され得る。
【0046】
バルク材料はまた、閉鎖チャンバ内で、任意のガス圧下で、必要であれば真空下で処理され得る。
【0047】
バルク材料への有利な直接作用に起因して、エネルギー必要量が減少され得る。既知の分離デバイスによって生じるような振動及び衝撃は、著しく軽減される。減少したエネルギーにより、バルク材料は、より直接的に、したがってより集中的に作用され得る。建物の振動につながり得る分離デバイスの振動は、有利に回避される。
【0048】
処理済みバルク材料は、処理済みバルク材料の適用中の不正確な投与が回避されるように、高い分離度を有して高い品質で提供され得る。述べたように、バルク材料の質的変化は、作業プロセスにおいて有利になされ得る。雑多な材料が、最適に分散された形でバルク材料に統合される。
【0049】
分離要素又は分離板は、回転体(rotational body)を形成することが好ましい。
【0050】
好ましい実施例では、分離板は、基本構造を有し、且つ、例えば、平坦、円錐形、螺旋形(helical)、渦形(spiral)、コルゲート形、波形状、鋸歯形状とされるか、又は、段若しくは屈曲が与えられる。特に好ましい実施例では、分離板は、球面波形状とされる。この設計では、超音波は、分離板の表面にわたって特に有利に伝播し得る。
【0051】
分離板のうちの少なくとも1つはまた、追加的な3次元表面構造を備えることができ、この3次元表面構造は、基本構造上に重ね合わせられ、また、バルク材料と係合してバルク材料を移動させることができる。表面構造は、規則的な又は不規則な間隔で配置される、径方向に傾斜したくぼみ又は突起の形態で使用されることが好ましい。したがって、分離板は、超音波の一様な伝播に有利に働く第1の基本構造を有することができ、この第1の基本構造は、バルク材料との機械的相互作用に役立つ表面構造によって覆われ得る。
【0052】
分離板は、一様な厚さを有するか、又は、例えば刃の態様で中心から周辺に向かって徐々に若しくは連続的に先細になり得る。薄くなった周辺部では、より大きな振幅を伴う揺動が発達し得る。その他の点では、分離板の寸法は、バルク材料の必要とされる強度及び分離板の直径に応じて選択される。分離板が取付けシャフトに接続される位置では、材料の厚さは、1mmから50mmの範囲内であり得る。分離板が外方に先細になる場合、材料の厚さは、10分の1から100分の1に減少され得る。分離板の直径は、10mmから100mmの範囲内、又はそれ以上であり得る。この場合もやはり、バルク材料の特性、特に比重が、決定的である。
【0053】
アルミニウム、鋼鉄、特にステンレス鋼、銅、黄銅、チタン、又は例えばそのような金属を含む合金などの超音波を伝導する金属で作られたセパレータ板が使用されることが、好ましい。貴金属層などの抵抗性保護層を備えるセパレータ板を使用することもまた、有利である。
【0054】
分離板は、例えば、粒状の、粉状の、若しくは液化された材料からの基礎成形により、圧延、鍛造、曲げ加工、圧縮成形、若しくは深絞り加工などの成形により、スパーク腐食、形彫り放電加工、レーザ切断などの熱腐食により、又は、機械加工により、例えば旋削、穿孔、フライス削り、研削により、製造される。
【0055】
分離板における貫通開口部もまた、挙げられたプロセスによって実現され得る。貫通開口部の直径は、例えば、粉状のバルク材料に対して1ミクロン~1000ミクロンの範囲内である。より大きな機械的粒子(mechanical particle)を含むバルク材料の場合、貫通開口部の直径は、例えば1mm~15mmの範囲内であり得る。全ての分離要素の貫通開口部の直径は、同じであってよく、又は、最初に通過する分離板が最大の貫通開口部を有し、最後に通過する分離板が最小の貫通開口部を有するように、徐々に変化してもよい。
【0056】
好ましい実施例では、分離要素は、中心軸を有し、且つ、この中心軸に関して回転対称である。取付けシャフトは、分離要素の中心軸に対して同軸であるか又はわずかにしか偏心しないことが好ましい。取付けシャフトが中心軸に対して偏心している場合、分離プロセスを促進する揺動及び振動が得られる。分離板は、それらが同軸位置から偏心位置に回転又は変位され且つ固定され得るように、回転可能又は変位可能に配置されることが好ましい。この配置における少なくとも1つの分離要素が、所望のスイッチング周波数において一方向又は逆方向に選択的に回転され、また好ましくは選択的に加速され得ることが、特に有利である。
【0057】
分離要素は、様々な方法で取付けシャフトに接続され得る。例えば、分離板は、接続スリーブ又は好ましくは異なる直径を有する少なくとも2本の接続棒の形態の取付け要素を有する。例えば、異なる直径を有する4本の接続棒が、交差するように設けられる。そのような接続棒を使用することにより、結合は、有利な態様で、特に円形に回転する態様で行われ得る。定在波は、回避されるか又は軽減される。代わりに、様々な波が重ね合わせられ、それにより、分離板の表面全体が活性化される。
【0058】
金属で作られた一体の又は組立形の取付けシャフトは、細長く、且つ、好ましくは棒形状又は円筒形である。取付けシャフトが、幾つかの相互接続可能なシャフト要素を有し、シャフト要素のそれぞれが、関連する分離要素に固定可能に又は回転可能にまた場合により取外し可能に接続されることが、好ましい。個々のシャフト要素は、互いに確実に接続可能であるか、一緒に螺合されるか、又は一緒に溶接されることが、好ましい。個々のシャフト要素が互いに取外し可能である場合、分離デバイスは、要望通りに構成され、且つ、特定のバルク材料に適合され得る。
【0059】
特に好ましい実施例では、一体の又は組立形の取付けシャフトは、一方の端部又は両方の端部において、駆動モータに接続される。駆動モータにより、取付けシャフト又はシャフト要素は、それらの長手軸の周りで、一方向若しくは逆方向に個々に駆動されるか、又は、一方向及び逆方向に交互に個々に駆動され得る。
【0060】
取付けシャフトは、一方の端部又は両方の端部において、軸受デバイス内に固定されるか又は回転可能に取り付けられ、また好ましくは、径方向に位置合わせされた接続体により、取付け体に、場合により搬送容器に接続される。
【0061】
様々な作業プロセスの実現のために、少なくとも1つの分離要素を含む取付けシャフトは、バルク材料が捕捉される搬送容器内に配置されることが好ましく、搬送容器内では、ガス過剰圧力(gas overpressure)又はガス低圧力(gas underpressure)又は真空、スプレー・ミスト、などのような様々な条件が実現され得、したがって、様々な処理プロセスが実現され得る。
【0062】
この目的のために、搬送容器は、開口した又は任意に閉鎖可能な貫通チャネルを備え、それを通してバルク材料をインプット位置からアウトプット位置へ運搬することができる。
【0063】
搬送容器は、それを通して処理済みの若しくは分離済みのバルク材料構成要素などのバルク材料構成要素又はオーバフローを排出することができる、分離要素のうちの少なくとも1つのための出口開口部を有することが好ましい。出口開口部は、場合により閉じられ得ることが好ましい。
【0064】
さらなる好ましい実施例では、搬送容器は、分離要素のそれぞれのための入口チャネル及び/又は出口チャネルを有することが好ましく、それらは例えば管状要素によって実現される。
【0065】
好ましい実施例では、駆動モータにまた場合により1つ又は複数の超音波トランスデューサに接続される電力供給デバイス、及び、制御プログラムを含む制御ユニットが設けられ、制御ユニットにより、バルク材料の粒子を分離するためのプロセス、また場合により洗浄プロセス又はメンテナンス・プロセスなどのさらなるプロセスが、制御され得る。パラメータを設定することにより、様々なプロセス・フェーズが実現され得る。混合フェーズでは、バルク材料は、数回転、又は何分の1かの回転、例えば45°~180°の回転にわたる少なくとも1つの分離要素の連続的な又は交代性の回転により、大まかに分散され得る。作業フェーズでは、バルク材料は、粒子を互いに分離し且つそれらの粒子が分離要素の貫通開口部を通過することを可能にする、例えば0.5°~5°のほんのわずかな回転にわたる少なくとも1つの分離要素の交代性の回転による機械的振動にさらされ得る。排出フェーズでは、残りのバルク材料又はスクリーン・オーバフローが、少なくとも1つの分離要素の高速度での回転により、外方に飛ばされて除去され得る。
【0066】
パラメータは、広い範囲にわたって、また、分離要素に結合される超音波エネルギーに少しも依存せずに、変化し得る。
【0067】
回転速度は、1回転から数千回転の範囲内であってよく、且つ、バルク材料の粒子の大きさ、形状、及び比重、並びに分離要素の設計に基本的に依存し得る。加速の大きさもまた、重要である。何分の1かの回転にわたる、例えば5°から180°の範囲内での高加速度は、混合フェーズにおいてバルク材料の層を変位させ且つ混合させる。この効果は、分離板に表面構造を組み込むことによって高められ得る。
【0068】
作業フェーズでは、バルク材料は、すでに比較的よく混合されており、且つ、分離要素上で少なくとも部分的に分離されている。このフェーズでは、バルク材料粒子同士の完全な分離と、分離要素の貫通開口部を通した運搬とが行われる。この目的のために、取付けシャフトは、好ましくは10Hz~1000Hzの範囲内又はそれ以上であるスイッチング周波数により、例えば0.5°~5°の範囲内の小さな回転範囲にわたって前後に動かされる。したがって、作業フェーズでは、セパレータは、10Hz~1000Hzの範囲内の機械的振動と、典型的には10kHz~40kHZの範囲内の超音波振動とにさらされる。機械的振動のためのスイッチング周波数は、作業フェーズ中に連続的に又は突然に変更されることが好ましい。超音波振動の周波数もまた、連続的に又は突然に変更されることが好ましい。例えば、スイッチング周波数の周波数、及び超音波振動の周波数は、キー・シフト(key shift)され、即ち、幾つかの、場合により予め定められた又は不規則に選択された周波数値の間で、連続的に変更される。或いは、スイッチング周波数の周波数及び超音波揺動の周波数は、連続的に変更されるか、又はそれぞれがいわゆるスキャンにさらされ、それにより、周波数変化は、互いに反して又は同じ方向に進む。周波数のうちの1つが再スキャンされ、他の1つがスキャンされることも可能である。
【0069】
作業フェーズから混合フェーズへの散発的な変更も可能である。
【0070】
排出フェーズでは、分離要素は、例えば毎秒25から1000回転の範囲内の高速度において、バルク材料が除かれる。次いで、分離要素を洗浄するために、洗浄液が分離デバイスに例えば噴霧されて導入されることが好ましい。最後に、分離デバイスを乾燥させるために、空気などの気体媒体が導入され得る。したがって、排出フェーズの後、分離デバイスは、オペレーティング・ソフトウェアにより、分離デバイスがその初期状態に戻される洗浄フェーズへ移送され得る。したがって、分離デバイスは、特にこの自己洗浄機能に関して、最小限のメンテナンスで動作され得る。
【0071】
好ましい実施例では、力がまた重力に平行に又は逆平行にバルク材料粒子に作用し得るように、混合フェーズ及び/又は作業フェーズ及び/又は排出フェーズにおいて、交代性の力又は振動が取付けシャフトに同軸に結合され得る。選択可能な周波数を伴うそのような力の効果は、簡易な方法で、例えば音響ラウドスピーカのプランジャ・コイル原理(plunger coil principle)に従って、取付けシャフトに結合され得る。例えば、取付けシャフトは、弾性的に又は垂直方向に変位可能に保持され、且つ、例えば、5Hz~15kHzの範囲内の交流電流が供給されるコイル内に埋没される円筒磁石を底部又は頂部に備える。取付けシャフトに対する上述の全ての効果は、同時に若しくは交互に、又は散発的にのみ生じ得る。
【0072】
超音波発生器は、好ましくは15kHz~45kHzの範囲内の周波数においてAC電圧信号を出力するように設計される。超音波発生器は、AC電圧信号の周波数を連続的に変化させること、及び/又はAC電圧信号の周波数をシフトさせること、及び/又はAC電圧信号の振幅を変化させることが可能であるように設計されることが好ましい。前述の周波数範囲内にある出力信号の周波数は、10Hz~2kHzの範囲内にある再サンプリング周波数を伴って変更されることが好ましい。例えば、超音波発生器の出力信号は、25kHzから35kHzの超音波周波数の間で、10Hzのシフト・キーイング周波数(shift keying frequency)を伴って毎秒10回反復してシフトされる。反復周波数はまた、例えば25kHz、30kHz、及び35kHzの超音波周波数のシーケンス全体をスキャンするために使用され得る。定刻の再サンプリングの代わりに、連続的な周波数変更が行われてもよい。例えば、2つ以上の超音波周波数間のスキャンが、10Hzの変更周波数(change frequency)を伴って毎秒10回行われる。
【0073】
説明された超音波周波数の変化は、分離板において定常波節(stationary wave node)が生じないこと、及び、超音波信号の効果が間隔を伴わずに生じることを確実にする。
【0074】
以下、図面を参照しながら、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【
図1a】1つだけの分離要素3を含む基本的な実施例における、任意選択の駆動デバイス8、80を含む本発明の分離デバイス1であって、分離要素3が、貫通開口部30を含む円錐形状の分離板31を有し、また、分離要素3が、固定して又は回転可能に取り付けられた取付けシャフト2によって保持され、超音波発生器70によって供給される超音波トランスデューサ6が、取付けシャフト2に接続される、分離デバイス1の図である。
【
図1b】回転可能に取り付けられた分離要素3に超音波エネルギーを供給するための例示的なデバイスを含む、
図1aの分離デバイス1の図である。
【
図2】3つの分離要素3A、3B、3Cを含み、それらの分離要素が、固定して又は回転可能に取り付けられた多部品取付けシャフト2によって保持され、超音波トランスデューサ6が、多部品取付けシャフト2に接続される、4分の1断面(quarter section)における本発明の分離デバイス1の図である。
【
図3】搬送容器5内に配置された6つの分離要素3A、3B、3C、3D、3E、3Fを含み、それらの分離要素が、超音波エネルギーが結合され得る多部品取付けシャフト2によって回転可能に保持される、本発明の分離デバイス1の図である。
【
図4a】取付けシャフト2によって回転可能に支持された6つの分離要素3A、3B、…を含み、異なる時点において処理済みバルク材料に材料又はガスを供給すること及び処理済みバルク材料を取り出すことをさらに可能にする、本発明の分離デバイス1の図である。
【
図4b】
図4aの分離デバイス1の一部分の図である。
【
図5a】螺旋形の分離要素3A、…、3Lを含み、それらの分離要素が、関連する取付けシャフト2によって回転可能に取り付けられ、取付けシャフト2に超音波エネルギーが印加され得る、本発明の分離デバイス1の図である。
【
図5b】
図5aの分離デバイス1の一部分の図である。
【
図6】金属板31を取付けシャフト2に接続する、異なる太さの4本の接続棒321、322、323、324を含む分離要素3の好ましい設計における、
図2aの分離デバイスの図である。
【
図7】
図4のデバイスで使用されるような球面波の形状をなす分離板31を含む分離要素3の図である。
【
図8】格子構造又はワイヤ・メッシュ319を有し、格子構造又はワイヤ・メッシュ319が、リング320によって囲まれ、リング320が、接続棒321、322、323、324により、取付けシャフト2、又は取付けシャフト2を囲む取付け要素32に接続される、分離要素3の図である。
【発明を実施するための形態】
【0076】
図1は、プロセス材料又はバルク材料Sの粒子を分離するための本発明によるデバイス1を示し、プロセス材料又はバルク材料Sは、インプット位置Aにおいて供給されて、分離デバイス1における処理の後、異なる若しくは類似した粒子サイズで、又は少なくともおおよそ一様な粒子サイズで、アウトプット位置Bにおいて取り出され得る。
【0077】
この実施例では、分離デバイス1は、金属の分離板31を含む1つだけの分離要素3を有し、分離板31は、回転体又は円錐体を形成し、好ましくは同じ大きさの貫通開口部30を有する。分離要素3又は円錐形の分離板31は、中央取付け要素32を有し、中央取付け要素32は、取付けシャフト2により固定して保持されるか又は回転可能且つ/若しくは軸方向に変位可能に保持される。取付けシャフト2は、分離要素3の回転軸と同軸のその長手軸xにより、好ましくは重力の軸に平行に位置合わせされる。したがって、バルク材料は、好ましくは重力により分離デバイス1を通して運搬される。
【0078】
この運搬プロセスは、下記の手段によって支援され且つ加速されることが好ましい。処理中、分離要素3は、少なくとも断続的に、典型的には15kHzから40kHzの周波数範囲内の超音波にさらされる。この目的のために、取付けシャフト2は、下側で超音波トランスデューサ6に接続され、この超音波トランスデューサ6には、超音波発生器70からの電気信号71Aが送られ得る。超音波発生器70は、超音波周波数が要望通りに設定され且つ変更され得るように、制御デバイス9又は制御デバイス9に実装された制御プログラム99によって制御可能であることが好ましい。
【0079】
さらに、分離要素3は、数Hzから例えば1kHzの周波数範囲内の機械的振動にさらされ得る。第1の選択肢として、取付けシャフト2を一方向及び/又は逆方向に回転させることができる駆動モータ8が設けられる。回転範囲、加速度及び回転速度、並びに回転方向を変更するためのスイッチング周波数は、この場合もやはり、制御デバイス9又は制御デバイス9に実装された制御プログラム99によって制御可能である。本発明による分離デバイスで使用され得る高周波数振動モータが、例えば中国特許第105827059A号から知られている。
【0080】
分離デバイス1は、取付けシャフト2の長手軸xに沿った力効果を含む振動運動にさらにさらされ得る。そのような振動は、モータ・シャフトが偏心荷重を受けるモータによって、容易に生成され得る。取付けシャフト2は、そのようなモータ80に結合されてよく、モータ80は、制御デバイス9又は制御デバイス9に実装された制御プログラム99によって制御可能であってよい。すると、振動の任意の周波数が、モータ80の速度に従って設定され得る。
【0081】
或いは、取付けシャフト2は、好ましくは円筒形の磁石28に接続されてよく、この磁石28は、コイル88内に配置され、コイル88には、周波数発生器800により、交流電流が供給され得る。交流電流のスイッチング及び切断並びに周波数は、制御デバイス9又は制御デバイス9に実装された制御プログラム99によって制御可能である。
【0082】
好ましい実施例では、混合フェーズ及び/又は作業フェーズ及び/又は排出フェーズにおける分離デバイス1の制御は、センサ95によって発せられるセンサ信号を考慮して行われる。例えば、分離要素3上に位置するバルク材料は、光学的に監視される。
【0083】
垂直の又は回転的な振動のための、また、分離要素3からの超音波エネルギーを結合するための、説明された選択肢は、個別に、又は場合により組み合わせて使用され得る。振動周波数及び/又は振動振幅は、同じであってもよいし異なっていてもよい。
【0084】
分離要素3のための保持デバイスとして機能する取付けシャフト2は、取付けデバイス52及び軸受デバイス58により、固定して又は回転可能に且つ/若しくは軸方向の変位又は振動中に振幅によって必要とされる程度まで軸方向に変位可能に保持される。この実施例では、取付けシャフト2は、片側のみで保持される。さらに、超音波トランスデューサは、好ましくは形状嵌合(form-fitting)及び圧力嵌合(force fitting)の態様で、好ましくは螺合され、例えば圧入によって挟持されるか、又は溶接されて、取付けシャフト2の下側に取り付けられる。
【0085】
図1bは、回転可能に取り付けられた分離要素3に超音波エネルギーを供給するための例示的なデバイスを含む、
図1aの分離デバイス1を示す。電気エネルギーは、超音波発生器70から多心ケーブル71B及び接触デバイス4を介して超音波トランスデューサ6に供給され、接触デバイス4は、取付けシャフト2に回転可能に取り付けられた集電環42、44に対接する滑り接点41、43を有する。多心ケーブル71Bは、滑り接点41、43に接続される。滑り接点41を介して、交流電圧が超音波の周波数範囲内で伝達される。対応するスリップ・リング42は、接続ケーブル77に接続され、AC電圧は、この接続ケーブル77を介してピエゾ素子631に、又は場合により制御ユニット60に伝達され、制御ユニット60では、AC電圧は、スイッチを介してピエゾ素子631に送られる。
【0086】
超音波トランスデューサ6は、接触要素64(1つのみ図示される)により互いに分離された幾つかのピエゾ素子631を有することが好ましく、ピエゾ素子631のそれぞれは、取付けシャフト2が案内される伝達開口部を有する。ピエゾ素子631は、取付けシャフト2に接続された2つのロッキング要素632によって押し合わされ、ロッキング要素632を介して超音波振動が取付けシャフト2に伝達される。ロッキング要素632は、例えばスクリュ・ナットであり、そのそれぞれが、取付けシャフト2内に機械加工されたねじ山によって回転可能に保持される。したがって、ピエゾ素子631は、簡易な方法で固定され、且つ、中間の接触要素64を介して電圧を供給され得る。
【0087】
好ましい実施例では、中央制御デバイス9に接続される制御ユニット60が、超音波トランスデューサ6内に配置される。制御信号が、ケーブル71Bを介して、さらなる集電環44に接続されたさらなる滑り接点43に伝達される。制御信号は、制御線78を介して制御ユニット60に伝達され、続いて、制御ユニット60は、ピエゾ素子631及びターミナル接点(terminal contact)64それぞれへのAC電圧の出力を制御する。制御ユニット60はまた、接触デバイス4を介して供給電圧が送られ得る超音波発生器を有することができ、この超音波発生器は、超音波信号を出力するために設けられる。この場合、図示された超音波発生器70は、制御ユニット60に組み込まれる。
【0088】
図1a及び
図1bは、本発明による分離デバイス1の大きな利点を示す。最小限の構造上の労力により取付けシャフト2が機械的に且つ/又は超音波エネルギーを伴って様々な方法で分離要素3に作用するように使用され得ることが分かる。機械的及び音響的な振動、回転、並びに軸方向変位が、簡易な手段により取付けシャフト2に伝達され得、取付けシャフト2は、回転され且つ/又は変位され得るように、簡易な方法で取り付けられ得る。取付けシャフト2に作用する機械的運動及び/又は超音波は、取付けシャフト2から少なくとも1つの分離要素3へ中心的に伝達され得る。
【0089】
簡易な実施例において示された
図1a及び1bの分離デバイスは簡易な方法で構成され得ることも、特に有利である。
【0090】
図2は、取付けシャフト2を含む本発明による分離デバイス1を示し、この取付けシャフト2は、3つのシャフト要素2A、2B、2Cを有し、そのそれぞれが、分離要素3A;3B;3Cに接続される。シャフト要素2A、2B、2Cは、互いに挿入されるか又は一緒に螺合され得る連結要素21、22を両側に有する。したがって、取付けシャフト2は、要望通りに延長されて、所望の数の分離要素3A、3B、3Cを含む分離デバイス1をもたらすことができる。シャフト要素2A、2B、2Cは、好ましくは同一の設計のものであるが、例えば、異なる大きさの分離要素3を保持することができるように、それらの寸法、特に長さが異なっていてもよい。超音波トランスデューサ6が、一番下のシャフト要素2Cに確実に接続され、場合により螺合される。したがって、本発明による全ての分離デバイス1の取付けシャフト2は、一体に設計されるか、又は幾つかのシャフト要素で構成されてもよい。
【0091】
分離要素3A、3B、3Cは、個々の粒子が、互いに分離されるだけでなく大きさでも分離されるように、又は分離要素3A、3B、3Cのそれぞれの上でグループ化され得るように、様々な大きさの開口部を有する。作業フェーズの後、バルク材料の粒子は、様々な大きさで互いに分離されており、分離要素3A、3B、3C上で取り除かれる準備ができている。排出フェーズでは、分離要素3A、3B、3Cは、互いに分離されたバルク材料粒子を遠心力により出口チャネル5A、5B、及び5Cに通して遠くに案内するために、回転され得る。
【0092】
個々の分離要素3A、3B、3Cは、異なる大きさの貫通開口部30を有する。これは、典型的には、異なる大きさの粒子が互いに分離されるべき場合に設けられる。しかし、異なる大きさの貫通開口部30はまた、バルク材料の塊が上方の分離要素3A、3Bにおいて破砕されて、最後にようやく同じ大きさの個々の粒子が互いに分離される場合に、設けられ得る。
【0093】
図3は、搬送容器5内に配置された6つの分離要素3A、…、3Fを含む、本発明による分離デバイス1を示し、分離要素3A、…、3Fは、多部品取付けシャフト2によって保持されており、この取付けシャフト2は、その長手軸xを分離デバイス1の運搬軸に平行に位置合わせされている。この好ましい実施例では、取付けシャフト2は、下方シャフト要素2A及び上方シャフト要素2Bを有し、これらのシャフト要素は、互いに同軸に位置合わせされ、且つ、連結要素26、場合により連結スリーブにより、向かい合う端部において互いに回転可能に接続され、且つ、互いに反対の側を向いた端部において、軸受デバイス58A;58B内に回転可能に取り付けられる。シャフト要素2A、2Bによって保持される超音波トランスデューサ6A、6Bは、軸受デバイス58A、58Bに組み込まれる。軸受デバイス58A、58Bの下流では、少なくとも1つの超音波発生器70に接続される接触デバイス4A、4Bが、シャフト要素2A、2Bに接続され、接触デバイス4A、4Bはさらに、それぞれ関連するカップリング85A及び85Bを介して、関連する駆動モータ8A及び8Bにそれぞれ接続される。
【0094】
したがって、下方の3つの分離要素3A、3B、3Cは、制御プログラム99によって制御される下方の駆動モータ8Aによって回転されることが可能であり、一方で、上方の3つの分離要素3D、3E、3Fは、制御プログラム99によって制御される上方の駆動モータ8Bによって回転されることが可能である。
【0095】
同様に、制御信号及びAC電圧信号は、下方及び上方の接触デバイス4A及び4Bそれぞれを介して、下方及び上方の超音波トランスデューサ6A、6Bに個別に伝達され得る。
【0096】
したがって、示された分離デバイス1は、3つの分離要素3A、3B、3C、及び3D、3E、3Fをそれぞれ含む、2つのより小さな分離デバイス1’、1”を有する。3つの分離要素3A、3B、3Cを含む下方の分離デバイス1’、及び、3つの分離要素3D、3E、3Fを含む上方の分離デバイス1”は、同じ処理フェーズ又は異なる処理フェーズにおいて独立して動作され得る。第1の処理フェーズ中、下方の分離デバイス1’に混合フェーズ・プログラムが適用されている間に、上方の分離デバイス1”に作業フェーズ・プログラムが適用され得る。第2の処理フェーズにおいて、作業フェーズのプログラムが、下方及び上方の分離デバイス1’、1”に適用され得る。第3の処理フェーズにおいて、下方の分離デバイス1’がなおも作業フェーズで動作されている間に、上方の分離デバイス1”に排出フェーズのプログラムが適用され得る。
【0097】
6つの分離要素3A、…、3Fを含む取付けシャフト2は、搬送容器5内に配置され、この搬送容器5は、頂部及び底部が開口しており、且つ、バルク材料Sが重力によって搬送される運搬チャネル50を有する。搬送容器5は、側壁に出口開口部又は出口チャネル50A、…、50Fをさらに有し、そのそれぞれを通してバルク材料Sのオーバフロー又は中間製品Sa、Sb、Sc、Sd、Se、Sfが、記号的に示されるように、外方に、また関連する分離要素3A、…、3Fから離れるように、運搬され得る。排出フェーズにおいて、分離要素3A、…、3Fの回転速度は、中間製品Sa、Sb、Sc、Sd、Se、Sfが遠心力によって運び去られるように、高められる。
【0098】
示された電力供給デバイス90は、モータ8A、8Bに、また場合により超音波発生器70に電力を供給するように制御ユニット9によって制御され、超音波発生器70はまた、電力供給デバイス90に組み込まれ得る。
【0099】
図4aは、取付けシャフト2によって回転可能に保持され且つ平坦な球面波形状を有する6つの分離要素3A、…、3Fを含む、本発明の分離デバイス1を示す。球面波形状は、石が投げ込まれた後の水に生じる波形である。球面波形状は、バルク材料の分離が特に効率的になるように、超音波の最適な分散を促進する。分配要素3A、3B、…は、最小限の超音波エネルギーによって最大限の振動が生成される、1つ又は複数の共振周波数を有することが好ましい。作業フェーズでは特に、超音波の周波数は、バルク材料への最も集中的且つ変化する影響が生じてバルク材料をその粒子に迅速に分離するように、共振周波数間でスキャンされることが好ましい。
【0100】
分離要素3A、…、3Fは、取付けシャフト2によって互いに接続され、取付けシャフト2は、一体に形成されるか、又は、互いにしっかりと接続される幾つかのシャフト要素を有してもよい。取付けシャフト2は、カップリング85Bを介して上方の駆動モータ8Bに接続され、駆動モータ8Bは、制御ユニット9又はそれに接続された電力供給デバイス90から制御信号81Bを供給され得る。取付けシャフト2は、上方の軸受デバイス58において、回転可能に支持され且つ事実上上方の超音波トランスデューサ6bによって懸下される。搬送容器5は、例えば、ブラケットにより、建物の床、壁、又は天井に固定される。
【0101】
分離デバイス1の底部、一番下の分離要素3Fの下には、最後まで処理されたバルク材料の粒子が集められる閉口コーン55が設けられる。
【0102】
搬送容器5は、分離要素3A、…、3Fのそれぞれに対して、管状の入口チャネル500A、…、500F、及び、出口チャネル501A、…、501Fを有する。入口チャネル500A、…、500Fを通じて、好ましくは少なくとも1種類の粉末状固体材料、少なくとも1種類の液体、又は少なくとも1種類の気体媒体が、バルク材料に供給され得る。アウトプット・チャネル501A、…、501Fを通じて、個々の分離要素3A、…、3Fから、又は端部コーン55から、材料が取り出され得る。
【0103】
この形態における搬送容器5は、バルク材料の処理が正圧又は負圧下で行われ得るように、密封されることが好ましい。バルク材料又はバルク材料構成要素は、入口管5S1、5S2を通じて供給され得る。処理済みバルク材料は、1つ又は2つの出口管5X、5Yを通じて取り出され得る。
【0104】
したがって、分離デバイス1の示された実施例は、バルク材料の様々な中間処理を行うこと、及び、簡易な方法でバルク材料を曝気又は脱気することを可能にする。
【0105】
各分離要素3A、…、3Fの高さにおいて、特定の混合製品を得るために、又は、その高さでの分離プロセスを加速するために、任意の混合プロセスが行われ得る。
【0106】
図4bは、
図4aの分離デバイス1の一部分の拡大図を示す。アウトプット・チャネル501A、…、501Fは、インプット・チャネル500A、…、500Fのように、前部が斜めに切断されている。有利には、他の形状、例えば側面に向けられた刃形状も使用されてよく、その場合、材料は、容易に集められ且つ遠くに搬送され、場合により吸い出され得る。
【0107】
図5aは、螺旋形の分離要素3A、…、3Lを含む、本発明による分離デバイス1を示し、分離要素3A、…、3Lは、関連するシャフト2によって回転可能に取り付けられ、また、分離要素3A、…、3Lには、超音波エネルギーが印加され得る。分離要素3A、…、3Lは、2つ一組で互いに向けられ、且つ、互いに垂直方向にずらされる。分離要素3A、…、3Lが螺旋又は渦の形状において同じ方向に連続的に伸びる配置も、可能である。
【0108】
この分離デバイス1によれば、バルク材料の全ての粒子が、搬送容器5全体を通過し、且つ、互いに完全に分離される。この分離デバイス1は、バルク材料の粒子が互いに分離されるが大きさでグループ化されるべきではないときに使用されることが好ましい。
【0109】
図5bは、
図5aの分離デバイス1の一部分の拡大図を示す。
【0110】
図6は、それを用いることにより金属板31が取付けシャフト2に接続される異なる太さの4本の接続棒321、322、323、324を含む、好ましい構成における
図2aの分離デバイスを示す。接続棒321、322、323、324の直径の変更は、等差級数に従って、又は等比級数に従ってなされる。このようにして、超音波エネルギーの結合は、有利に影響され得る。具体的には、波節が減少される波像(wave image)が生成され得る。記号的に径方向波の形態の表面構造がダッシュ記号によって示されており、その表面構造を用いることにより、バルク材料を移動させ且つ分散させるためのバルク材料との相互作用が行われる。
【0111】
図7は、
図4のデバイスで使用されるような分離要素3を示す。分離要素3又は分離板31は、球面波形状を有する。
【0112】
図8は、分離板31を含む分離要素3を示し、分離板31は、リング320によって囲まれた格子構造又はワイヤ・メッシュ319を有し、リング320は、接続棒321、322、323、324により、取付けシャフト2、又は取付けシャフト2を囲む取付けシャフト32に接続される。この分離要素3はまた、本発明による全てのデバイス1で使用され得る。分離板31は、
図6におけるように円錐形であってよく、又は、
図7におけるように平坦若しくはコルゲート形であってよい。
【0113】
分離要素3の機能が荷重下で維持され、また、バルク材料が安全に保持されるように、分離要素3が寸法的に安定していることが、必須である。