(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】鋼管製造システム
(51)【国際特許分類】
B21C 37/08 20060101AFI20241203BHJP
B21C 51/00 20060101ALI20241203BHJP
C23C 2/16 20060101ALI20241203BHJP
C23C 2/26 20060101ALI20241203BHJP
C23C 2/38 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
B21C37/08 R
B21C51/00 K
B21C51/00 J
B21C37/08 A
C23C2/16
C23C2/26
C23C2/38
(21)【出願番号】P 2022507062
(86)(22)【出願日】2020-03-10
(86)【国際出願番号】 JP2020010376
(87)【国際公開番号】W WO2021181540
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2023-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】591285527
【氏名又は名称】大和鋼管工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】玉村 忠義
(72)【発明者】
【氏名】中村 慎市郎
(72)【発明者】
【氏名】谷本 睦
(72)【発明者】
【氏名】山田 充志
【審査官】池ノ谷 秀行
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-057499(JP,A)
【文献】特開2005-103503(JP,A)
【文献】特開2002-148026(JP,A)
【文献】特開2002-129389(JP,A)
【文献】特開2005-181429(JP,A)
【文献】特開平06-304647(JP,A)
【文献】特開平07-198302(JP,A)
【文献】特開2006-334611(JP,A)
【文献】特開平05-240844(JP,A)
【文献】国際公開第2018/013715(WO,A2)
【文献】特許第5669972(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21C 37/00-37/30
B21C 51/00
C23C 2/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面と前記第1の面と向かい合わせの第2の面とを有する板状の鋼板から、前記第1の面を内面とし前記第2の面を外面とする管状体を連続して成形する成形装置と、
前記鋼板に対して処理する鋼板処理部と、前記管状体に対して処理する管状体処理部と、のうちの少なくとも一方の処理部と、を備え、
前記鋼板処理部は
、
前記鋼板の状態で前記第1の面にめっきを施す鋼板めっき処理部と、
前記鋼板めっき処理部による第1めっき工程の前後の各々における前記鋼板の板厚を測定する鋼板板厚測定部と、
前記第1めっき工程の前の板厚と前記第1めっき工程の後の板厚との差から、前記第1めっき工程のめっき膜厚が制御可能な範囲に含まれているか否かを判別し、前記第1めっき工程のめっき膜厚が制御可能な範囲に含まれている場合には、前記鋼板めっき処理部に関する制御パラメータを決定する第1めっき膜厚判別部と、を有するとともに、
前記鋼板を
連続的に移動させつつ
、前記鋼板めっき処理部と前記鋼板板厚測定部
との処理を、
前記鋼板の移動に沿った互いに異なる位置において、前記鋼板に対し
て施し、
前記第1めっき膜厚判別部の処理を連続して行い、
前記管状体処理部は、
前記成形装置によって前記鋼板から前記管状体
に成型された後に
、前記管状体の状態で前記第2の面にめっきを施す管状体めっき処理部と、
前記管状体めっき処理部による第2めっき工程の前後の各々における前記管状体の外径を測定する管状体外径測定部と、
前記第2めっき工程の前の外径と前記第2めっき工程の後の外径との差から、前記第2めっき工程のめっき膜厚が制御可能な範囲に含まれているか否かを判別し、前記第2めっき工程のめっき膜厚が制御可能な範囲に含まれている場合には、前記管状体めっき処理部に関する制御パラメータを決定する第2めっき膜厚判別部と、を有するとともに、
前記管状体を
連続的に移動させつつ
、前記管状体めっき処理部と前記管状体外径測定部
との処理を、
前記管状体の移動に沿った互いに異なる位置において、前記管状体に対し
て施し、前記第2めっき膜厚判別部の処理を連続して行う、鋼管製造システム。
【請求項2】
前記鋼板めっき処理部は、前記第1の面にめっきを施す第1のめっき装置を有し、
前記鋼板板厚測定部は、
前記第1めっき工程の前の前記鋼板の板厚を測定する第1板厚測定装置と、
前記第1めっき工程の後の前記鋼板の板厚を測定する第2板厚測定装置と、
を有する請求項1に記載の鋼管製造システム。
【請求項3】
前記管状体めっき処理部は、前記管状体の前記外面にめっきを施す第2のめっき装置を、更に有し、
前記管状体外径測定部は、
前記第2のめっき装置による第2めっき工程の前の前記管状体の外径を測定する第1外径測定装置と、
前記第2のめっき装置による第2めっき工程の後の前記管状体の外径を測定する第2外径測定装置と、を有する請求項1又は2に記載の鋼管製造システム。
【請求項4】
前記第1めっき工程で用いた溶融体のうち余分なものを除去することでめっき膜厚を調整する第1膜厚調整装置と、
前記第1めっき膜厚判別部によって決定された前記制御パラメータに基づいて前記第1膜厚調整装置を制御する第1膜厚制御装置と、を更に備える請求項2に記載の鋼管製造システム。
【請求項5】
前記第2めっき工程で用いた溶融体のうち余分なものを除去することでめっき膜厚を調整する第2膜厚調整装置と、
前記第2めっき膜厚判別部によって決定された前記制御パラメータに基づいて前記第2膜厚調整装置を制御する第2膜厚制御装置と、を更に備える請求項3に記載の鋼管製造システム。
【請求項6】
前記外面に塗膜を形成する塗膜装置と、
前記塗膜装置による塗膜工程の前後で前記管状体の外径を測定する塗膜外径測定部と、
塗膜前の外径と塗膜後の外径との差から、塗膜の膜厚が制御可能な範囲に含まれているか否かを判別し、塗膜の膜厚が制御可能な範囲に含まれている場合には、塗膜工程に関する制御パラメータを決定する塗膜膜厚判別部と、を更に備える請求項1ないし5のいずれかに記載の鋼管製造システム。
【請求項7】
前記塗膜工程の塗膜のうち余分なものを除去することで膜厚を調整する塗膜膜厚調整装置と、
前記塗膜膜厚判別部によって決定された前記制御パラメータに基づいて前記塗膜膜厚調整装置を制御する塗膜膜厚制御装置と、を更に備える請求項6に記載の鋼管製造システム。
【請求項8】
第1の面と前記第1の面と向かい合わせの第2の面とを有する板状の鋼板から、前記第1の面を内面とし前記第2の面を外面とする管状体を連続して成形する成形装置と、
前記管状体に成型された後の前記外面に塗膜を形成する塗膜装置と、
前記塗膜装置による塗膜工程の前後で前記管状体の外径を測定する塗膜外径測定部と、
塗膜前の外径と塗膜後の外径との差から、塗膜の膜厚が制御可能な範囲に含まれているか否かを判別し、塗膜の膜厚が制御可能な範囲に含まれている場合には、前記塗膜装置による塗膜の形成に関する制御パラメータを決定する塗膜膜厚判別部と、を備え、
前記管状体を
連続的に移動させつつ、前記塗膜装置と
前記塗膜外径測定部との処理を、
前記管状体の移動に沿った互いに異なる位置において、前記管状体に対し
て施し、前記塗膜膜厚判別部の処理を連続して行う、鋼管製造システム。
【請求項9】
前記塗膜工程の塗膜のうちの余分なものを除去することで膜厚を調整する塗膜膜厚調整装置と、
前記塗膜膜厚判別部によって決定された前記制御パラメータに基づいて前記塗膜膜厚調整装置を制御する塗膜膜厚制御装置と、を更に備える請求項
8に記載の鋼管製造システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
めっき層や樹脂層などの膜厚を管理するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
鋼板などの製造過程においてめっき層の厚さを測定するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従前の鋼板などの製造過程で板の厚さを測定するものは、板状などの一の形態において測定するものであった。しかしながら、板状や管状などの各種の形態に変えつつ寸法を測定することはできなかった。
【0005】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、板状や管状などの形態に連続的に変える製造工程内で、各形態での寸法を取得できる鋼管製造システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による鋼管製造システムの特徴は、
第1の面と前記第1の面と向かい合わせの第2の面とを有する板状の鋼板から、前記第1の面を内面とし前記第2の面を外面とする管状体を連続して成形する成形装置と、
前記鋼板に対して処理する鋼板処理部と、前記管状体に対して処理する管状体処理部と、のうちの少なくとも一方の処理部と、を備え、
前記鋼板処理部は、
前記鋼板の状態で前記第1の面にめっきを施す鋼板めっき処理部と、
前記鋼板めっき処理部による第1めっき工程の前後の各々における前記鋼板の板厚を測定する鋼板板厚測定部と、
前記第1めっき工程の前の板厚と前記第1めっき工程の後の板厚との差から、前記第1めっき工程のめっき膜厚が制御可能な範囲に含まれているか否かを判別し、前記第1めっき工程のめっき膜厚が制御可能な範囲に含まれている場合には、前記鋼板めっき処理部に関する制御パラメータを決定する第1めっき膜厚判別部と、を有するとともに、
前記鋼板を連続的に移動させつつ、前記鋼板めっき処理部と前記鋼板板厚測定部との処理を、前記鋼板の移動に沿った互いに異なる位置において、前記鋼板に対して施し、前記第1めっき膜厚判別部の処理を連続して行い、
前記管状体処理部は、
前記成形装置によって前記鋼板から前記管状体に成型された後に、前記管状体の状態で前記第2の面にめっきを施す管状体めっき処理部と、
前記管状体めっき処理部による第2めっき工程の前後の各々における前記管状体の外径を測定する管状体外径測定部と、
前記第2めっき工程の前の外径と前記第2めっき工程の後の外径との差から、前記第2めっき工程のめっき膜厚が制御可能な範囲に含まれているか否かを判別し、前記第2めっき工程のめっき膜厚が制御可能な範囲に含まれている場合には、前記管状体めっき処理部に関する制御パラメータを決定する第2めっき膜厚判別部と、を有するとともに、
前記管状体を連続的に移動させつつ、前記管状体めっき処理部と前記管状体外径測定部との処理を、前記管状体の移動に沿った互いに異なる位置において、前記管状体に対して施し、前記第2めっき膜厚判別部の処理を連続して行う、ことである。
【発明の効果】
【0007】
板状や管状などの形態に連続的に変える製造工程内で、各形態での寸法を取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施の形態による鋼管製造システム10の構成を示す概略図である。
【
図2】鋼板SSから管状体PBを製造するための製造装置と、製造装置を用いて管状体PBを製造する工程とを示す図である。
【
図3】測定装置100の構成を示すブロック図である。
【
図4】第1注ぎ掛け部324から第1ワイピング部332へ鋼板SSを移動させる過程を示す斜視図である。
【
図5】第1ワイピング部332と鋼板SSとの位置関係を示す一部断面図である。
【
図6】浸漬部426から第2ワイピング部432へ管状体PBを移動させる過程を示す斜視図である。
【
図7】第2ワイピング部432と管状体PBとの位置関係を示す一部断面図である。
【
図8】内面めっき処理前板厚測定装置110又は内面めっき処理後板厚測定装置120で、鋼板SSの板厚を測定する状態を示す斜視図である。
【
図9】外面めっき処理前外形測定装置130、外面めっき処理後外形測定装置140、コーティング処理前外形測定装置150、コーティング処理後外形測定装置160の構成を示す斜視図である。
【
図10】制御・判断部200及び制御装置の構成の概略を示すブロック図である。
【
図11】膜厚制御処理を示すフローチャートである。
【
図12】内面めっき処理対応位置、外面めっき処理対応位置、外面コーティング処理対応位置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<<<<本実施の形態の概要>>>>
従来では、めっき膜厚やコーティング膜厚や外形などを測定する場合には、鋼管を製造する設備と、製造した鋼管を測定する設備との2つの設備を必要としていた。さらに、それぞれの設備において、人、場所、費用、時間なども必要としていた。
【0010】
また、製造した鋼管のめっきの均一性を測る硫酸銅試験や、コーティングの均一性や付着性を測定するためのオフライン試験といった各種の試験などを必要としていた。これらの試験は、いずれも破壊試験であるため、製造した鋼管などから試験片を作成する必要があった。試験片を取り出した鋼管は製品として市場に出すことができず、試験することによって歩留まりが低下せざるを得なかった。
【0011】
さらに、この破壊検査の1つである硫酸銅試験では、試験片1つに対して測定に15~20分を必要となる。このため、試験データは、連続して製造される製品に対して間欠的(不連続)に得られるに過ぎず、製品の全体を連続的に示すものでなかった。
【0012】
また、めっき膜厚、コーティング膜厚、外形などの製造に必要なパラメータは、様々な製造条件に応じて変えざるを得ない。これらのパラメータの値は、破壊試験では、リアルタイムで取得することができない。
【0013】
このため、破壊試験で測定する以上、測定結果をリアルタイムに製造装置ヘフィードバックすることができない。また、測定結果に基づく制御信号を生成して自動的に出力することもできない。製造設備ヘのフィードバックのために、入力装置を追加するとコストも嵩まざるを得なかった。
【0014】
<<第1の実施の態様>>
第1の実施の態様によれば、
第1の面(例えば、後述する第1の面FFなど)と前記第1の面と向かい合わせの第2の面(例えば、後述する第2の面SFなど)とを有する板状の鋼板(例えば、鋼板SSなど)から、前記第1の面を内面とし前記第2の面を外面とする管状体(例えば、管状体PBなど)を連続して成形する成形装置(例えば、フォーミング装置342など)と、
前記鋼板の板厚と前記管状体の外形(例えば、直径や真円度などの管状体を形状を特徴付けるパラメータ)との少なくとも一方を測定する成形測定部(例えば、内面めっき処理前板厚測定装置110及び内面めっき処理後板厚測定装置120や外面めっき処理前外形測定装置130及び外面めっき処理後外形測定装置140など)と、を備える鋼管製造システムが提供される。
【0015】
鋼板の板厚の測定装置や管状体の外形の測定装置などの非破壊試験装置を、連続溶融金属めっき鋼管の製造設備に組み込むことができる。測定に要する設備や場所や人や時間や費用などを省くことができる。
【0016】
非破壊試験装置を連続溶融金属めっき鋼管の製造設備に取り入れることができるので、試験片の作成を省くことができ、歩留まりを向上させることができる。さらに、破壊試験で必要となっていた設備や場所や人や時間も省くことができる。
【0017】
製造工程中に成形測定部を組み込むことで、サンプリングすることなく、その場で測定結果を得ることができる。このように構成することで、迅速性、リアルタイム性を高めた製造プロセス監視システムを提供することができる。
【0018】
<<第2の実施の態様>>
第2の実施の態様は、第1の実施の態様において、
前記成形測定部は、前記鋼板の板厚を測定する板厚測定部を有する。
【0019】
製造工程中に成形測定部を組み込むことで、サンプリングすることなく、その場で鋼板の板厚を測定することができる。このように構成することで、迅速性、リアルタイム性を高めた製造プロセス監視システムを提供することができる。
【0020】
<<第3の実施の態様>>
第3の実施の態様は、第1又は第2の実施の態様において、
前記成形測定部は、前記管状体の外形を測定する外形測定部を有する。
【0021】
製造工程中に成形測定部を組み込むことで、サンプリングすることなく、その場で管状体の外形を測定することができる。このように構成することで、迅速性、リアルタイム性を高めた製造プロセス監視システムを提供することができる。
【0022】
<<第4の実施の態様>>
第4の実施の態様は、第1ないし第3の実施の態様において、
前記鋼板の前記第1の面と前記管状体の前記外面との少なくとも一方の面にめっきを施すめっき処理部(例えば、内面めっき装置320や外面めっき装置420など)と、
前記めっき処理部によるめっき工程の前後の各々における前記鋼板の板厚と前記管状体の外形との少なくとも一方を測定するめっき処理測定部(例えば、内面めっき処理前板厚測定装置110、内面めっき処理後板厚測定装置120、外面めっき処理前外形測定装置130、外面めっき処理後外形測定装置140など)と、
前記めっき工程の前の板厚と前記めっき工程の後の板厚との差と、前記めっき工程の前の外形と前記めっき工程の後の外形との差との少なくとも一方から、前記めっき工程のめっき膜厚を判別するめっき膜厚判別部(例えば、制御・判断部200など)と、を更に備える。
【0023】
めっきやコーティングの均一性や膜厚や外形の測定結果を、連続的にかつ遅延することなく取得することができる。また、取得した測定結果に基づいて制御信号を生成して、各製造装置に送信し、製造装置をリアルタイムで制御することで、めっき膜やコーティング膜などに測定結果を迅速に反映させて、精度のより高い鋼管を製造することができる。
【0024】
<<第5の実施の態様>>
第5の実施の態様は、第4の実施の態様において、
前記めっき処理部は、前記鋼板の前記第1の面にめっきを施す第1のめっき装置(例えば、内面めっき装置320など)を有し、
前記めっき処理測定部は、
前記第1のめっき装置による第1めっき工程の前の前記鋼板の板厚を測定する第1板厚測定装置(例えば、内面めっき処理前板厚測定装置110など)と、
前記第1のめっき装置による第1めっき工程の後の前記鋼板の板厚を測定する第2板厚測定装置(例えば、内面めっき処理後板厚測定装置120など)と、
前記第1めっき工程の前の板厚と前記第1めっき工程の後の板厚との差から、前記第1めっき工程のめっき膜厚を判別する第1めっき膜厚判別部(例えば、制御・判断部200など)と、を有する。
【0025】
<<第6の実施の態様>>
第6の実施の態様は、第4の実施の態様又は第5の実施の態様において、
前記めっき処理部は、前記管状体の前記外面にめっきを施す第2のめっき装置(例えば、外面めっき装置420など)を、さらに有し、
前記めっき処理測定部は、
前記第2のめっき装置による第2めっき工程の前の前記管状体の外形を測定する第1板厚測定装置(例えば、外面めっき処理前外形測定装置130など)と、
前記第2のめっき装置による第2めっき工程の後の前記管状体の外形を測定する第2板厚測定装置(例えば、外面めっき処理後外形測定装置140など)と、を有し、
前記第2めっき工程の前の外形と前記第2めっき工程の後の外形との差から、前記第2めっき工程のめっき膜厚を判別する第2めっき膜厚判別部(例えば、制御・判断部200など)と、をさらに有する。
【0026】
<<第7の実施の態様>>
第7の実施の態様は、第5の実施の態様において、
前記第1めっき工程のめっき膜厚を調整する第1膜厚調整装置(例えば、第1ワイピング部332など)と、
第1めっき膜厚判別部の判定結果に基づいて前記第1膜厚調整装置を制御する第1膜厚制御装置(例えば、制御・判断部200など)と、をさらに備える。
【0027】
<<第8の実施の態様>>
第8の実施の態様は、第6の実施の態様において、
前記第2めっき工程のめっき膜厚を調整する第2膜厚調整装置(例えば、第2ワイピング部432など)と、
第2めっき膜厚判別部の判定結果に基づいて前記第2膜厚調整装置を制御する第2膜厚制御装置(例えば、制御・判断部200など)と、をさらに備える。
【0028】
<<第9の実施の態様>>
第9の実施の態様は、第1の実施の態様ないし第8の実施の態様において、
前記外面に塗膜を形成する塗膜装置(例えば、トップコート装置520)と、
前記塗膜装置による塗膜工程の前後で前記管状体の外形を測定する塗膜外形測定部(例えば、コーティング処理前外形測定装置150及びコーティング処理後外形測定装置160など)と、
塗膜前の外形と塗膜後の外形との差から、塗膜の膜厚を判別する塗膜膜厚判別部(例えば、制御・判断部200など)と、をさらに備える。
【0029】
<<第10の実施の態様>>
第10の実施の態様は、第9の実施の態様において、
前記塗膜工程の塗膜の膜厚を調整する塗膜膜厚調整装置(例えば、第3ワイピング部532など)と、
塗膜膜厚判別部の判定結果に基づいて前記塗膜膜厚調整装置を制御する塗膜膜厚制御装置(例えば、制御・判断部200など)と、をさらに備える。
【0030】
<<第11の実施の態様>>
第11の実施の態様によれば、
第1の面と前記第1の面と向かい合わせの第2の面とを有する板状の鋼板から、前記第1の面を内面とし前記第2の面を外面とする管状体を連続して成形する成形装置と、
前記鋼板の前記第1の面と前記管状体の前記外面との少なくとも一方の面にめっきを施すめっき処理部と、
前記めっき処理部によるめっき工程の前後の各々における前記鋼板の板厚と前記管状体の外形との少なくとも一方を測定するめっき処理測定部と、
前記めっき工程の前の板厚と前記めっき工程の後の板厚との差と、前記めっき工程の前の外形と前記めっき工程の後の外形との差との少なくとも一方から、前記めっき工程のめっき膜厚を判別するめっき膜厚判別部と、を備える。
【0031】
<<第12の実施の態様>>
第12の実施の態様は、第11の実施の態様において、
前記めっき処理部は、前記鋼板の前記第1の面にめっきを施す第1のめっき装置を有し、
前記めっき処理測定部は、
前記第1のめっき装置による第1めっき工程の前の前記鋼板の板厚を測定する第1板厚測定装置と、
前記第1のめっき装置による第1めっき工程の後の前記鋼板の板厚を測定する第2板厚測定装置と、
前記第1めっき工程の前の板厚と前記第1めっき工程の後の板厚との差から、前記第1めっき工程のめっき膜厚を判別する第1めっき膜厚判別部と、を有する。
【0032】
<<第13の実施の態様>>
第13の実施の態様は、第11の実施の態様又は第12の実施の態様において、
前記めっき処理部は、前記管状体の前記外面にめっきを施す第2のめっき装置を、更に有し、
前記めっき処理測定部は、
前記第2のめっき装置による第2めっき工程の前の前記管状体の外形を測定する第1板厚測定装置と、
前記第2のめっき装置による第2めっき工程の後の前記管状体の外形を測定する第2板厚測定装置と、を有し、
前記第2めっき工程の前の外形と前記第2めっき工程の後の外形との差から、前記第2めっき工程のめっき膜厚を判別する第2めっき膜厚判別部と、を更に有する。
【0033】
<<第14の実施の態様>>
第14の実施の態様は、第12の実施の態様において、
前記第1めっき工程のめっき膜厚を調整する第1膜厚調整装置と、
第1めっき膜厚判別部の判定結果に基づいて前記第1膜厚調整装置を制御する第1膜厚制御装置と、を更に備える。
【0034】
<<第15の実施の態様>>
第15の実施の態様は、第13の実施の態様において、
前記第2めっき工程のめっき膜厚を調整する第2膜厚調整装置と、
第2めっき膜厚判別部の判定結果に基づいて前記第2膜厚調整装置を制御する第2膜厚制御装置と、を更に備える。
【0035】
<<第16の実施の態様>>
第16の実施の態様は、第11の実施の態様ないし第15の実施の態様において、
前記外面に塗膜を形成する塗膜装置と、
前記塗膜装置による塗膜工程の前後で前記管状体の外形を測定する塗膜外形測定部と、
塗膜前の外形と塗膜後の外形との差から、塗膜の膜厚を判別する塗膜膜厚判別部と、を更に備える。
【0036】
<<第17の実施の態様>>
第17の実施の態様は、第16の実施の態様において、
前記塗膜工程の塗膜の膜厚を調整する塗膜膜厚調整装置と、
前記塗膜膜厚判別部の判定結果に基づいて前記塗膜膜厚調整装置を制御する塗膜膜厚制御装置と、を更に備える。
【0037】
<<第18の実施の態様>>
第18の実施の態様によれば、
第1の面と前記第1の面と向かい合わせの第2の面とを有する板状の鋼板から、前記第1の面を内面とし前記第2の面を外面とする管状体を連続して成形する成形装置と、
前記外面に塗膜を形成する塗膜装置と、
前記塗膜装置による塗膜工程の前後で前記管状体の外形を測定する塗膜外形測定部と、
塗膜前の外形と塗膜後の外形との差から、塗膜の膜厚を判別する塗膜膜厚判別部と、を備える。
【0038】
<<第19の実施の態様>>
第19の実施の態様は、第18の実施の態様において、
前記塗膜工程の塗膜の膜厚を調整する塗膜膜厚調整装置と、
前記塗膜膜厚判別部の判定結果に基づいて前記塗膜膜厚調整装置を制御する塗膜膜厚制御装置と、を更に備える。
【0039】
<<第20の実施の態様>>
第20の実施の態様は、
前記第1のめっき装置による第1めっき工程において、前記鋼板を一の搬送速度で搬送し、
成形装置による成形工程において、前記第1のめっき装置を通過する前記鋼板と一体を保ちつつ、前記一の搬送速度と同じ搬送速度で前記鋼板及び前記管状体を搬送し、
前記第2のめっき装置による第2めっき工程において、前記成形装置を通過する前記鋼板及び前記管状体と一体を保ちつつ、前記一の搬送速度と同じ搬送速度で前記管状体を搬送する搬送装置を、さらに備える。
【0040】
<<第21の実施の態様>>
第21の実施の態様は、
前記搬送装置によって前記一の搬送速度と同じ搬送速度で前記鋼板を搬送させつつ、前記板厚測定部は前記鋼板の板厚を測定する。
【0041】
<<第22の実施の態様>>
第22の実施の態様は、
前記搬送装置によって前記一の搬送速度と同じ搬送速度で前記管状体を搬送させつつ、前記外形測定部は前記管状体の外形を測定する。
【0042】
<<第23の実施の態様>>
第23の実施の態様は、
前記管状体と一体を保ち、前記搬送装置によって前記一の搬送速度と同じ搬送速度で前記管状体を搬送させつつ、前記塗膜装置が前記管状体の外面に塗膜する。
【0043】
<<第24の実施の態様>>
第24の実施の態様は、
前記搬送装置によって前記一の搬送速度と同じ搬送速度で前記管状体を搬送させつつ、前記塗膜外形測定部は前記管状体の外形を測定する。
【0044】
<<<<本実施の形態の詳細>>>>
以下に、実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0045】
図1は、鋼管製造システム10の構成を示す概略図である。鋼管製造システム10は、測定装置100と、制御・判断部200と、製造装置300とを有する。測定装置100は、鋼板SSの板厚を測定する装置及び管状体PBの外形を測定する装置を有する(後述する
図3参照)。制御・判断部200は、測定装置100によって測定した板厚や外形に基づいて、製造装置300を制御する。製造装置300は、鋼板SSから管状体PBを製造する装置である(後述する
図2及び
図10参照)。
【0046】
測定装置100、制御・判断部200、製造装置300の詳細については、以下で説明する。
【0047】
<<<製造工程の概要>>>
図2は、鋼板SSから管状体PBを製造するための製造装置300と、製造装置300を用いて管状体PBを製造する工程とを示す図である。
【0048】
製造工程の上流から下流へ処理することによって、コイル(図示せず)に予め巻回された長尺の帯状の形状を有する鋼板SS(帯鋼)を送り出し、連続的に管状に成形して管状体PBを製造することができる。すなわち、製造工程は、平坦な鋼板SSの形態から、管状の管状体PBの形態に変形させる工程である。
【0049】
鋼板SSは、コイルから送り出されると、平坦な形状に成形される。鋼板SSは、平坦な形状の第1の面FFと、第1の面FFと向かい合わせとなる平坦な形状の第2の面SFとを有する。管状体PBに成形されたときには、第1の面FFが管状体PBの内面IFとなり、第2の面SFが、管状体PBの外面OFとなる。以下では、鋼板SSの形態であるときでも、説明の都合で、第1の面FFを内面IFと称する場合がある。
【0050】
また、以下では、長尺な形状を有する鋼板SSや管状体PBの長手に沿った方向を長手方向LDと称する。鋼板SSの幅や管状体PBの半径(直径)に沿った方向を幅方向WDと称する。幅方向WDは、長手方向LDに対して垂直な方向となる。鋼板SSの第1の面FFの法線方向と平行な方向を遠近方向PDと称する。遠近方向PDも、長手方向LDに対して垂直な方向となる。
【0051】
図2に示すように、製造工程は、前処理装置310、第1洗浄装置312、第1加熱装置314、内面めっき装置320、第1膜厚調整装置330、第1冷却装置340、フォーミング装置342、溶接装置350、ビードカット装置352、第2洗浄装置412、第2加熱装置414、外面めっき装置420、第2膜厚調整装置430、第2冷却装置440、サイジング装置442、トップコート装置520、第3膜厚調整装置530、乾燥装置550、切断装置560を含む。
【0052】
<<前処理装置310>>
前処理装置310によって、鋼板SSの第1の面FF及び第2の面SFの双方の面に表面処理を施して酸化皮膜層を剥がす。
【0053】
<<第1洗浄装置312>>
第1洗浄装置312は、酸や水などの液体によって鋼板SSの第1の面FFを洗浄する。液体は、洗浄及び酸化防止用のフラックス液などがある。
【0054】
<<第1加熱装置314>>
第1加熱装置314は、ヒータ(図示せず)を有し、鋼板SSの第1の面FFを乾燥させるとともに、鋼板SSを加熱する。第1加熱装置314の第1加熱温度は、第1の面FFのめっき層の質などに影響する。第1加熱温度は、加熱処理の制御パラメータである。
【0055】
<<内面めっき装置320>>
内面めっき装置320は、鋼板SSの第1の面FFに所望の溶融金属を注ぎ掛ける。鋼板SSの第1の面FFに溶融金属を浴びせることで第1の面FFをめっきする。めっき装置は、第1溶融金属ポンプ322と第1注ぎ掛け部324とを有する(
図4参照)。第1溶融金属ポンプ322は、溶融金属を第1注ぎ掛け部324に供給する。第1注ぎ掛け部324は、第1溶融金属ポンプ322から供給された溶融金属を鋼板SSの第1の面FFに注ぎ掛ける。溶融金属の温度は、第1の面FFのめっき膜厚などに影響する。溶融金属の温度は、内面めっき装置320の制御パラメータである。また、第1注ぎ掛け部324を長手方向LDに沿って移動させることができる場合には、第1注ぎ掛け部324の位置も、内面めっき装置320の制御パラメータにすることができる。例えば、後述する第1可動部334と同様にモータやソレノイドなどからなる駆動装置(図示せず)を設けることによって、第1注ぎ掛け部324の長手方向LDの位置を調整することができる。
【0056】
<<第1膜厚調整装置330>>
第1膜厚調整装置330は、めっき処理後の鋼板SSの第1の面FFに気体を拭きつける。第1膜厚調整装置330は、第1ワイピング部332と第1可動部334とを有する。
【0057】
<第1ワイピング部332>
第1ワイピング部332は、第1注ぎ掛け部324で第1の面FFに注ぎ掛けられた溶融金属のうち余分なものを除去する。第1ワイピング部332は、不活性ガス又はエアーワイパー等の気体を鋼板SSの第1の面FFに吹き付け(
図4及び
図5の矢印AR)、余分な溶融金属を除去する。
【0058】
<第1可動部334>
第1可動部334は、モータやソレノイドなど(図示せず)からなる3つの駆動装置336a、駆動装置336b、駆動装置336cを有する。駆動装置336a、駆動装置336b、駆動装置336cは、第1ワイピング部332に駆動可能に連結されている。
【0059】
駆動装置336aは、第1ワイピング部332を長手方向LDに往復移動可能に駆動する。駆動装置336aを駆動することによって、第1注ぎ掛け部324から第1ワイピング部332までの距離を調整することができる。
【0060】
駆動装置336bは、第1ワイピング部332を遠近方向PDに移動可能に駆動する。駆動装置336bを駆動することによって、第1ワイピング部332から鋼板SSまでの距離を調整することができる(
図5参照)。
【0061】
駆動装置336cは、第1ワイピング部332を鋼板SSに対して時計回り又は反時計回りに回転可能に駆動する。鋼板SSの第1の面FFに対するワイピング部の傾き(角度)を調整することができる(
図5参照)。
【0062】
内面めっき膜厚や内面めっき膜厚の分布は、第1注ぎ掛け部324から第1ワイピング部332までの距離や、第1ワイピング部332から鋼板SSまでの距離や、鋼板SSの第1の面FFに対するワイピング部の傾きによって定まる。第1注ぎ掛け部324から第1ワイピング部332までの距離や、第1ワイピング部332から鋼板SSまでの距離や、鋼板SSの第1の面FFに対するワイピング部の傾きは、内面めっき処理の制御パラメータである。
【0063】
また、第1ワイピング部332から排出して鋼板SSの第1の面FFに拭きつける気体の流量や流量の分布も内面めっき膜厚に影響する。例えば、第1ワイピング部332のノズルに、第1ワイピング部332から排出する気体の流量や流量の分布を調節できる機構(図示せず)を設けることができる。第1ワイピング部332から排出する気体の流量や流量の分布は、内面めっき処理の制御パラメータである。
【0064】
なお、第1ワイピング部332は、一定の位置や角度に固定されていてもよい。一定にすることで、振動などの影響を受けにくくし、第1ワイピング部332の姿勢を安定させることができ、余分な溶融金属を的確に除去することができる。
【0065】
<<第1冷却装置340>>
第1冷却装置340は、溶融めっき後の鋼板SSを冷やす。
【0066】
<<フォーミング装置342>>
フォーミング装置342は、ロール成形装置(図示せず)などを有する。フォーミング装置342は、鋼板SSを連続的に管状に変形して管状体PBを成形する。この処理によって、鋼板SSから管状に形態を変えることができる。フォーミング装置342による成形は、鋼板SSの材質やめっきの材質などに応じて、冷間成形、温間成形、熱間成形などを適宜に選択することができる。鋼管製造システム10では、鋼板SSから管状体PBに一体状態を維持して連続的に成形する。すなわち、鋼板SSの搬送速度と管状体PBの搬送速度とを異ならしめることなく、鋼板SSから管状体PBへ連続して加工することができる。
【0067】
<<溶接装置350>>
溶接装置350は、長手方向LDに沿って互いに向かい合う鋼板SSの2つの端部を溶接して、間隙のない管状体PBを形成する。
【0068】
<<ビードカット装置352>>
ビードカット装置352は、刃物(図示せず)を有し、溶接処理で成形された溶接ビード部を刃物によって連続的に切削する。切削処理によって、管状体PBの外面OFを滑らかに形成することができる。
【0069】
<<第2洗浄装置412>>
第2洗浄装置412は、酸や水などの液体によって管状体PBの外面OFを洗浄する。液体は、洗浄及び酸化防止用のフラックス液などがある。
【0070】
<<第2加熱装置414>>
第2加熱装置414は、ヒータ(図示せず)を有し、管状体PBの外面OFを乾燥させるとともに、管状体PBを加熱する。第2加熱装置414の第2加熱温度は、内面IFのめっき層の質などに影響する。第2加熱温度は、加熱処理の制御パラメータである。
【0071】
<<外面めっき装置420>>
外面めっき装置420は、管状体PBの外面OFに連続的に溶融金属めっきをして溶融金属めっき鋼管を形成する。外面めっき装置420は、第2溶融金属ポンプ422と浸漬部426とを有する(
図6参照)。第2溶融金属ポンプ422は、溶融金属を浸漬部426に供給する。浸漬部426は、供給された溶融金属を貯留し、浸漬部426に管状体PBを通過させることで外面OFに溶融金属めっき処理を行う。溶融金属の温度は、外面OFのめっき膜厚などに影響する。溶融金属の温度は、外面めっき装置420の制御パラメータである。
【0072】
外面めっき装置420として、複数個の浸漬部426を設けることができる。稼働させる浸漬部426の個数によって、浸漬時間などを調整することができる。溶融金属の種類などに応じて、稼働させる浸漬部426の個数が変えることができる。このように、稼働させる浸漬部426の個数も、外面めっき装置420の制御パラメータにすることができる。
【0073】
また、複数個の浸漬部426で稼動させる浸漬部426のうち、後述する第2ワイピング部432に最も近い浸漬部426の位置も、外面めっき装置420の制御パラメータにすることができる。稼働させる浸漬部426の個数を変更することで、第2ワイピング部432に最も近い浸漬部426と第2ワイピング部432との距離を調整することができる。さらに、浸漬部426に第1可動部334と同様にモータやソレノイドなどからなる駆動装置(図示せず)を設けることによって、浸漬部426の長手方向LDの位置を調整することもできる。
【0074】
<<第2膜厚調整装置430>>
第2膜厚調整装置430は、めっき処理後の管状体PBの外面OFに気体を拭きつける。第2膜厚調整装置430は、第2ワイピング部432と第2可動部434とを有する(
図6参照)。
【0075】
<第2ワイピング部432>
第2ワイピング部432は、浸漬部426で管状体PBの外面OFに付着した溶融金属のうち余分なものを除去する。第2ワイピング部432は、不活性ガス又はエアーワイパー等の気体を管状体PBの外面OFに吹き付け、余分な溶融金属を除去する。第2ワイピング部432は、貫通孔438を有する。管状体PBは、第2ワイピング部432の貫通孔438を通過することができる。管状体PBが貫通孔438を通過するときに、気体(
図7の矢印AR)を管状体PBに拭きつけて余分な溶融金属を除去する。
【0076】
<第2可動部434>
第2可動部434は、モータやソレノイドなど(図示せず)からなる3つの駆動装置436a、駆動装置436b、駆動装置436cを有する。駆動装置436a、駆動装置436b、駆動装置436cは、第2ワイピング部432に駆動可能に連結されている。
【0077】
駆動装置436aは、第2ワイピング部432を長手方向LDに往復移動可能に駆動する。駆動装置436aを駆動することによって、浸漬部426から第2ワイピング部432までの距離を調整することができる。
【0078】
駆動装置436bは、第2ワイピング部432を幅方向WDに往復移動可能に駆動する。駆動装置436cは、第2ワイピング部432を遠近方向PDに往復移動可能に駆動する。駆動装置436bを駆動することによって、第2ワイピング部432から管状体PBの外周までの幅方向WDの距離を調整することができる。駆動装置436cを駆動することによって、第2ワイピング部432から管状体PBの外周までの遠近方向PDの距離を調整することができる(
図7参照)。駆動装置436b及び駆動装置436cを駆動することによって、第2ワイピング部432の貫通孔438の中心WOから管状体PBの中心POを偏心させることができる。
【0079】
外面めっき膜厚や外面めっき膜厚の分布は、浸漬部426から第2ワイピング部432までの距離や、第2ワイピング部432から管状体PBの外周までの幅方向WDの距離や、第2ワイピング部432から管状体PBの外周までの遠近方向PDの距離によって決定される。浸漬部426から第2ワイピング部432までの距離や、第2ワイピング部432から管状体PBの外周までの幅方向WDの距離や、第2ワイピング部432から管状体PBの外周までの遠近方向PDの距離は、外面めっき処理の制御パラメータである。
【0080】
また、第2ワイピング部432から排出して管状体PBの外面OFに拭きつける気体の流量や流量の分布も外面めっき膜厚に影響する。例えば、第2ワイピング部432のノズルに、第2ワイピング部432から排出する気体の流量や流量の分布を調節できる機構(図示せず)を設けることができる。第2ワイピング部432から排出する気体の流量や流量の分布は、外面めっき処理の制御パラメータである。
【0081】
なお、第2ワイピング部432は、一定の位置に固定されていてもよい。一定にすることで、振動などの影響を受けにくくし、第2ワイピング部432の姿勢を安定させることができ、余分な溶融金属を的確に除去することができる。
【0082】
<<第2冷却装置440>>
第2冷却装置440は、外面めっき処理によって加熱された管状体PBを冷やす。
【0083】
<<サイジング装置442>>
サイジング装置442は、複数のローラを有する成形装置(図示せず)によって、外面めっき処理後の管状体PBを冷間ロール加工することで、外形を整えるとともに断面の形状を真円に近づけて、規格の寸法に成形する処理である。
【0084】
<<トップコート装置520>>
トップコート装置520は、管状体PBの外面OFに樹脂を塗布する処理である。樹脂を塗布することによって、管状体PBの外面OFに施されためっきを保護することができる。
【0085】
また、トップコート装置520を長手方向LDに沿って移動させることができる場合には、トップコート装置520の位置も、トップコート装置520の制御パラメータにすることができる。例えば、上述した第1可動部334と同様にモータやソレノイドなどからなる駆動装置(図示せず)を設けることによって、トップコート装置520の長手方向LDの位置を調整することができる。
【0086】
<<第3エアブロー装置530>>
第3エアブロー装置530は、樹脂を塗布した後の管状体PBの外面OFに気体を拭きつける。第3エアブロー装置530は、第3ワイピング部532と第3可動部534とを有する。
【0087】
なお、
図6及び
図7では、便宜的に、トップコート装置520、第3ワイピング部532、第3可動部534の位置関係を示すために、これらの符号を括弧を付して示した。外面めっき装置420の浸漬部426がトップコート装置520に対応し、第3ワイピング部532が第2ワイピング部432に対応し、第3可動部534が第2可動部434に対応する。
【0088】
<第3ワイピング部532>
第3ワイピング部532は、第2ワイピング部432と同様の機能を有する。第3ワイピング部532は、トップコート装置520で塗布された樹脂のうち余分なものを除去する。第3ワイピング部532は、不活性ガス又はエアーワイパー等の気体を管状体PBの外面OFに吹き付け、余分な樹脂を除去する。第3ワイピング部532は、環状の形状を有し、貫通孔538を有する。管状体PBは、第3ワイピング部532の貫通孔538を通過することができる。管状体PBが貫通孔538を通過するときに、気体を管状体PBに拭きつけて余分な樹脂を除去する。
【0089】
<第3可動部534>
第3可動部534は、モータやソレノイドなど(図示せず)からなる3つの駆動装置536a、駆動装置536b、駆動装置536cを有する。駆動装置536a、駆動装置536b、駆動装置536cは、第3ワイピング部532に駆動可能に連結されている。
【0090】
駆動装置536aは、第3ワイピング部532を長手方向LDに往復移動可能に駆動する。駆動装置536aを駆動することによって、トップコート装置520から第3ワイピング部532までの距離を調整することができる。
【0091】
駆動装置536bは、第3ワイピング部532を幅方向WDに往復移動可能に駆動する。駆動装置536cは、第3ワイピング部532を遠近方向PDに往復移動可能に駆動する。駆動装置536bを駆動することによって、第3ワイピング部532から管状体PBの外周までの幅方向WDの距離を調整することができる。駆動装置536cを駆動することによって、第3ワイピング部532から管状体PBの外周までの遠近方向PDの距離を調整することができる(
図7参照)。駆動装置536b及び駆動装置536cを駆動することによって、第3ワイピング部532の貫通孔538の中心WOから管状体PBの中心POを偏心させることができる。
【0092】
樹脂層の膜厚や樹脂層の膜厚の分布は、トップコート装置520から第3ワイピング部532までの距離や、第3ワイピング部532から管状体PBの外周までの幅方向WDの距離や、第3ワイピング部532から管状体PBの外周までの遠近方向PDの距離によって決定される。トップコート装置520から第3ワイピング部532までの距離や、第3ワイピング部532から管状体PBの外周までの幅方向WDの距離や、第3ワイピング部532から管状体PBの外周までの遠近方向PDの距離は、樹脂の膜厚の制御パラメータである。
【0093】
また、第3ワイピング部532から排出して管状体PBの外面OFに拭きつける気体の流量や流量の分布も樹脂の膜厚に影響する。例えば、第3ワイピング部532のノズルに、第3ワイピング部532から排出する気体の流量や流量の分布を調節できる機構(図示せず)を設けることができる。第3ワイピング部532から排出する気体の流量や流量の分布は、樹脂の膜厚の制御パラメータである。
【0094】
なお、第3ワイピング部532は、一定の位置に固定されていてもよい。一定にすることで、振動などの影響を受けにくくし、第3ワイピング部532の姿勢を安定させることができ、余分な樹脂を的確に除去することができる。
【0095】
<<乾燥装置550>>
乾燥装置550は、管状体PBの外面OFに塗布した樹脂を乾燥させる。
【0096】
<<切断装置560>>
切断装置560は、管状体PBを所定の長さに切断する処理である。
【0097】
<<搬送装置600>>
前述したように、鋼管製造システム10では、鋼板SSから管状体PBに一体状態を維持して連続的に成形する。すなわち、搬送装置600は、鋼板SS及び管状体PBを一定の搬送速度TVで搬送する。鋼板SS及び管状体PBは、前処理装置310から乾燥装置550までの工程で、一体状態を維持しつつ停止することなく、搬送装置600によって連続して搬送される。言い換えれば、鋼板SSから管状体PBへ形態が変わる過程のすべての工程において、鋼板SS及び管状体PBが一定の速度で搬送される(鋼板SSの搬送速度と管状体PBの搬送速度は等しい(搬送速度TV))。搬送速度も内面めっきのめっき時間や外面めっきのめっき時間や樹脂の塗布時間などを共通して制御する制御パラメータとなる。
【0098】
<<<測定装置100>>>
図3は、測定装置100の構成を示すブロック図である。測定装置100は、内面めっき処理前板厚測定装置110と、内面めっき処理後板厚測定装置120と、外面めっき処理前外形測定装置130と、外面めっき処理後外形測定装置140と、コーティング処理前外形測定装置150と、コーティング処理後外形測定装置160とを有する。
【0099】
<内面めっき処理前板厚測定装置110及び内面めっき処理後板厚測定装置120>
内面めっき処理前板厚測定装置110は、内面めっき処理をする前の鋼板SSの板厚を測定するための装置である。具体的には、第1洗浄装置312による洗浄処理と、第1加熱装置314による加熱処理との間(
図2に示す(1-1))で、鋼板SSの板厚を測定することができる。また、第1加熱装置314による加熱処理と内面めっき装置320によるめっき処理との間(
図2に示す(1-2))で、鋼板SSの板厚を測定することができる。
【0100】
内面めっき処理後板厚測定装置120は、内面めっき処理をした後の鋼板SSの板厚を測定するための装置である。具体的には、第1エアーブロー装置330による気体の吹き付け処理と、第1冷却装置340による冷却処理との間(
図2に示す(2-1))で、鋼板SSの板厚を測定することができる。また、第1冷却装置340による冷却処理とフォーミング装置342によるロール成形処理との間(
図2に示す(2-2))で、鋼板SSの板厚を測定することができる。
【0101】
内面めっき処理前板厚測定装置110及び内面めっき処理後板厚測定装置120は、レーザー光を鋼板SSに照射し、鋼板SSから反射された反射光を受光することで、鋼板SSの変位を測定する。
【0102】
内面めっき処理前板厚測定装置110及び内面めっき処理後板厚測定装置120は、センサヘッド112a及び112b(
図8参照)とコントローラ(図示せず)とを有する。センサヘッド112a及び112bは、コントローラに接続されている。センサヘッド112aは、鋼板SSの第1の面FFの変位を検出する。センサヘッド112bは、鋼板SSの第2の面SFの変位を検出する。センサヘッド112a及び112bは、光学的に変位を検出するセンサである。センサヘッド112a及び112bは、検出した変位を示す検出信号を出力する。検出信号は、コントローラに供給される。
【0103】
図8は、内面めっき処理前板厚測定装置110又は内面めっき処理後板厚測定装置120によって、鋼板SSの板厚を測定する状態を示す斜視図である。
【0104】
センサヘッド112aは、レーザー光を鋼板SSの第1の面FFに照射し、第1の面FFから反射された反射光を受光して、鋼板SSの第1の面FFの変位を測定する。センサヘッド112bは、レーザー光を鋼板SSの第2の面SFに照射し、第2の面SFから反射された反射光を受光して、鋼板SSの第2の面SFの変位を測定する。鋼板SSの第1の面FFの変位を示す信号と、鋼板SSの第2の面SFの変位を示す信号とは、コントローラ(図示せず)を介して、制御・判断部200に供給される。
【0105】
図8に示すように、センサヘッド112a及び112bは、同心に配置されている。制御・判断部200は、センサヘッド112aが検出した第1の面FFの変位と、センサヘッド112bが検出した第2の面SFの変位とから、鋼板SSの板厚を取得することができる。センサヘッド112a及び112bは、駆動装置(図示せず)を有する。センサヘッド112a及び112bは、駆動装置によって、同心状態を維持しつつ、幅方向WDに沿って移動することができる。センサヘッド112a及び112bは、鋼板SSの幅方向WDに沿った任意の位置における板厚を測定することができる。本実施の形態では、センサヘッド112a及び112bは、駆動装置によって、常に往復移動されて、鋼板SSの板厚を測定する。
【0106】
制御・判断部200は、内面めっき処理前板厚測定装置110によって、内面めっき処理をする前の鋼板SSの板厚を取得する。同様に、制御・判断部200は、内面めっき処理後板厚測定装置120によって、内面めっき処理をした後の鋼板SSの板厚を取得する。制御・判断部200は、内面めっき処理をする前の鋼板SSの板厚と、内面めっき処理をした後の鋼板SSの板厚とから、内面めっき処理によって形成されためっきの厚さを取得できる。
【0107】
<外面めっき処理前外形測定装置130及び外面めっき処理後外形測定装置140>
外面めっき処理前外形測定装置130は、外面めっき処理をする前の管状体PBの外形(例えば、直径や真円度などの管状体PBを形状を特徴付けるパラメータ)を測定するための装置である。具体的には、第2洗浄装置412による洗浄処理と、第2加熱装置414による加熱処理との間(
図2に示す(3-1))で、管状体PBの外形を測定することができる。また、第2加熱装置414による加熱処理と外面めっき装置420によるめっき処理との間(
図2に示す(3-2))で、管状体PBの外形を測定することができる。
【0108】
外面めっき処理後外形測定装置140は、外面めっき処理をした後の管状体PBの外形(例えば、直径や真円度などの管状体PBを形状を特徴付けるパラメータ)を測定するための装置である。具体的には、第2エアーブロー装置430による気体の吹き付け処理と、第2冷却装置440による冷却処理との間(
図2に示す(4-1))で、管状体PBの外形を測定することができる。また、第2冷却装置440による冷却処理とサイジング装置442による成形処理との間(
図2に示す(4-2))で、管状体PBの外形を測定することができる。
【0109】
外面めっき処理前外形測定装置130及び外面めっき処理後外形測定装置140は、レーザー光を管状体PBに照射し、管状体PBから反射された反射光を受光することで、管状体PBの外形を測定する。
【0110】
図9は、外面めっき処理前外形測定装置130、外面めっき処理後外形測定装置140、コーティング処理前外形測定装置150、コーティング処理後外形測定装置160の構成を示す斜視図である。なお、コーティング処理前外形測定装置150及びコーティング処理後外形測定装置160は、外面めっき処理前外形測定装置130及び外面めっき処理後外形測定装置140と同様の構成を有する。
【0111】
図9に示すように、外面めっき処理前外形測定装置130は、管状体PBの搬送路に設置されている。外面めっき処理前外形測定装置130は、軸方向に中心孔131を有する。中心孔131は、略円形の形状を有する。中心孔131の直径は、管状体PBの直径よりも大きい。
【0112】
外面めっき処理前外形測定装置130は、回転体132とベース部133とを有する。ベース部133は、搬送路に対して一定の位置に設けられている。回転体132は、管状体PBと同心に配置される。管状体PBの搬送中には、管状体PBの中心軸は回転体132の中心軸から偏倚する場合がある。回転体132は、ベース部133に対して回転することができる。
【0113】
3つの距離センサ135a、135b、135cが、回転体132の中心軸に向かって回転体132に設けられている。3つの距離センサ135a、135b、135cは、レーザ光を用いた距離センサユニットである。3つの距離センサ135a、135b、135cは、レーザ光を回転体132の中心軸に向かって照射し、中心孔131に配置されている管状体PBから反射された反射光を受信することで管状体PBまでの距離を測定する。
【0114】
回転体132は、外周面に歯車136を有する。ベース部133は、モータ137と歯車138とを有する。歯車136は、歯車138と嵌合している。モータ137の回転力が、歯車138を介して、歯車136に伝達され、回転体132が回転する。
【0115】
回転体132が回転することで、3つの距離センサ135a、135b、135cは、管状体PBを周回する。3つの距離センサ135a、135b、135cは、管状体PBを周回しながら、管状体PBまでの距離を測定し、測定した距離を示す距離信号を出力する。出力された距離信号は、コントローラ(図示せず)を介して、制御・判断部200に供給される。
【0116】
3つの距離センサ135a、135b、135cは、測定中は、常に回転移動しており、無線通信により距離信号を発する。例えば、Bluetooth(登録商標)や、赤外線通信などの近距離無線通信を用いることができる。なお、ブラシなどの移動可能な接触子などで電気的接続を形成して、有線で距離信号を出力してもよい。
【0117】
このようにして、搬送されている管状体PBを、回転する3つの距離センサ135a、135b、135cによって、管状体PBまでの距離を測定することができる。
【0118】
制御・判断部200は、外面めっき処理前外形測定装置130によって、外面めっき処理をする前の管状体PBの外形を取得する。同様に、制御・判断部200は、外面めっき処理後外形測定装置140によって、外面めっき処理をした後の管状体PBの外形を取得する。制御・判断部200は、外面めっき処理をする前の管状体PBの外形と、外面めっき処理をした後の管状体PBの外形とから、外面めっき処理によって形成されためっきの厚さを取得できる。
【0119】
<コーティング処理前外形測定装置150及びコーティング処理後外形測定装置160>
コーティング処理前外形測定装置150は、樹脂を塗布する前の管状体PBの外形(例えば、直径や真円度などの管状体PBを形状を特徴付けるパラメータ)を測定するための装置である。具体的には、サイジング装置442による成形処理と、トップコート装置520による樹脂の塗布処理との間(
図2に示す(5))で、管状体PBの外形を測定することができる。
【0120】
コーティング処理後外形測定装置160は、樹脂を塗布した後の管状体PBの外形(例えば、直径や真円度などの管状体PBを形状を特徴付けるパラメータ)を測定するための装置である。具体的には、乾燥装置550による乾燥処理と、切断装置560による切断処理との間(
図2に示す(6))で、管状体PBの外形を測定することができる。
【0121】
図9に示すように、コーティング処理前外形測定装置150及びコーティング処理後外形測定装置160は、外面めっき処理前外形測定装置130及び外面めっき処理後外形測定装置140と同様の構成を有する。
【0122】
制御・判断部200は、コーティング処理前外形測定装置150によって、樹脂を塗布する前の管状体PBの外形を取得する。制御・判断部200は、コーティング処理後外形測定装置160によって、樹脂を塗布した後の管状体PBの外形を取得する。制御・判断部200は、樹脂を塗布する前の管状体PBの外形と、樹脂を塗布した後の管状体PBの外形とから、樹脂の塗布処理によって形成された樹脂の厚さを取得できる。
【0123】
<<<制御・判断部200>>>
図10は、制御・判断部200及び制御装置の構成の概略を示すブロック図である。
【0124】
制御・判断部200は、演算部210と、記憶部220と、入出力部230と、表示部240とを有する。演算部210は、CPU(中央処理装置)からなる。記憶部220は、ROM(リードオンリーメモリ)やRAM(ランダムアクセスメモリ)やHDD(ハードディスクドライブ)などからなる。記憶部220は、各種のプログラムやデータを読み出し可能に記憶できるものであればよい。入出力部230は、I/Oポートや通信インターフェースなどからなる。通信インターフェースは、無線通信のほか、有線通信のインターフェースを有する。表示部は、液晶ディスプレイなどからなる。
【0125】
図11は、膜厚制御処理を示すフローチャートである。制御・判断部200の記憶部220にプログラムが記憶されて、演算部210によって呼び出されて実行される。以下では、鋼管製造システム10は、初期化などの起動処理を完了しており定常に動作しているものとする。
図11に示すフローチャートは、所定のタイミング毎に繰り返し実行される。
【0126】
最初に、制御・判断部200の演算部210は、内面めっき処理前板厚測定装置110から出力された内面めっき処理前板厚信号を受け取り、内面めっき処理前板厚を取得し、制御・判断部200の記憶部220に記憶する(ステップS1111)。
【0127】
次に、制御・判断部200の演算部210は、内面めっき処理前板厚測定装置110から出力された内面めっき処理後板厚信号を受け取り、内面めっき処理後板厚を取得し、制御・判断部200の記憶部220に記憶する(ステップS1113)。
【0128】
次に、制御・判断部200の演算部210は、内面めっき処理前板厚測定装置110から出力された外面めっき処理前外形信号を受け取り、外面めっき処理前外形を取得し、制御・判断部200の記憶部220に記憶する(ステップS1115)。
【0129】
次に、制御・判断部200の演算部210は、内面めっき処理前板厚測定装置110から出力された外面めっき処理後外形信号を受け取り、外面めっき処理後外形を取得し、制御・判断部200の記憶部220に記憶する(ステップS1117)。
【0130】
次に、制御・判断部200の演算部210は、内面めっき処理前板厚測定装置110から出力された外面コーティング処理前外形信号を受け取り、外面コーティング処理前外形を取得し、制御・判断部200の記憶部220に記憶する(ステップS1119)。
【0131】
次に、制御・判断部200の演算部210は、内面めっき処理前板厚測定装置110から出力された外面コーティング処理後外形信号を受け取り、外面コーティング処理後外形を取得し、制御・判断部200の記憶部220に記憶する(ステップS1121)。
【0132】
前述した内面めっき処理前板厚信号、内面めっき処理後板厚信号、外面めっき処理前外形信号、外面めっき処理後外形信号、外面コーティング処理前外形信号、外面コーティング処理後外形信号は、いずれも各種のフィルター処理などの信号処理によって予め波形整形され、鋼板SS及び管状体PBのうねりや撓みなどの長い波長の変位や、凹凸や傷などの短い波長の変位は除去されている。これらの信号は、アナログ信号でもデジタル信号でもよい。アナログ信号の場合には、ADコンバータで事前にデジタル信号に変換すればよい。
【0133】
次に、制御・判断部200の演算部210は、内面めっき処理対応位置を算出する(ステップS1123)。内面めっき処理前板厚測定装置110が板厚を測定した鋼板SSの長手方向LDの位置と、内面めっき処理後板厚測定装置120が板厚を測定した鋼板SSの長手方向LDの位置とを対応付けるための処理である。
【0134】
具体的には、内面めっき処理前板厚測定装置110と内面めっき処理後板厚測定装置120との間の距離SL(
図12(a))と、鋼板SSの搬送速度TVとから、鋼板SS上の長手方向LDの所定の位置が、内面めっき処理前板厚測定装置110を通過したとき(IT1)から、内面めっき処理後板厚測定装置120に到達して通過する(IT2)までの時間IT(=IT2-IT1)を算出することで、測定位置を対応付けることができる。
【0135】
なお、前述したように、内面めっき処理前板厚測定装置110及び内面めっき処理後板厚測定装置120は、幅方向WDに往復移動しながら板厚を測定している。内面めっき処理前板厚測定装置110の測定位置と、内面めっき処理後板厚測定装置120の測定位置とを一致させることができない場合も想定される。このため、位置を対応付けるのではなく、内面めっき処理前板厚測定装置110が、長手方向LDに沿った一定の長さに亘って測定した領域と、内面めっき処理後板厚測定装置120が、長手方向LDに沿った一定の長さに亘って測定した領域とを対応付ければよい。このようにすることで、一定の長さに亘って平均化した板厚を得ることができる。
【0136】
次に、制御・判断部200の演算部210は、外面めっき処理対応位置を算出する(ステップS1125)。外面めっき処理前外形測定装置130が板厚を測定した鋼板SSの長手方向LDの位置と、外面めっき処理後外形測定装置140が板厚を測定した鋼板SSの長手方向LDの位置とを対応付けるための処理である。
【0137】
具体的には、外面めっき処理前外形測定装置130と外面めっき処理後外形測定装置140との間の距離PL(
図12(b))と、管状体PBの搬送速度TVとから、管状体PB上の長手方向LDの所定の位置が、外面めっき処理前外形測定装置130を通過したとき(OT1)から、外面めっき処理後外形測定装置140に到達して通過する(OT2)までの時間OT(=OT2-OT1)を算出することで、測定位置を対応付けることができる。
【0138】
なお、前述したように、外面めっき処理前外形測定装置130及び外面めっき処理後外形測定装置140は、管状体PBを周回しながら外形を測定している。外面めっき処理前外形測定装置130の測定位置と、外面めっき処理後外形測定装置140の測定位置とを一致させることができない場合も想定される。このため、位置を対応付けるのではなく、外面めっき処理前外形測定装置130が、長手方向LDに沿った一定の長さに亘って測定した領域と、外面めっき処理後外形測定装置140が、長手方向LDに沿った一定の長さに亘って測定した領域とを対応付ければよい。このようにすることで、一定の長さに亘って平均化した外形を得ることができる。
【0139】
次に、制御・判断部200の演算部210は、外面コーティング処理対応位置を算出する(ステップS1127)。コーティング処理前外形測定装置150が板厚を測定した鋼板SSの長手方向LDの位置と、コーティング処理後外形測定装置160が板厚を測定した鋼板SSの長手方向LDの位置とを対応付けるための処理である。
【0140】
具体的には、コーティング処理前外形測定装置150とコーティング処理後外形測定装置160との間の距離PL(
図12(b))と、管状体PBの搬送速度TVとから、管状体PB上の長手方向LDの所定の位置が、コーティング処理前外形測定装置150を通過したとき(RT1)から、コーティング処理後外形測定装置160に到達して通過する(RT2)までの時間RT(=RT2-RT1)を算出することで、測定位置を対応付けることができる。なお、
図12(b)では、便宜的に、外面めっき処理前外形測定装置130をコーティング処理前外形測定装置150に置き換え可能に、かつ、外面めっき処理後外形測定装置140をコーティング処理後外形測定装置160に置き換え可能に示した。
【0141】
なお、前述したように、コーティング処理前外形測定装置150及びコーティング処理後外形測定装置160は、管状体PBを周回しながら外形を測定している。コーティング処理前外形測定装置150の測定位置と、コーティング処理後外形測定装置160の測定位置とを一致させることができない場合も想定される。このため、位置を対応付けるのではなく、コーティング処理前外形測定装置150が、長手方向LDに沿った一定の長さに亘って測定した領域と、コーティング処理後外形測定装置160が、長手方向LDに沿った一定の長さに亘って測定した領域とを対応付ければよい。このようにすることで、一定の長さに亘って平均化した外形を得ることができる。
【0142】
次に、制御・判断部200の演算部210は、ステップS1123の処理で対応付けた内面めっき処理対応位置について、内面めっき処理をする前の鋼板SSの板厚と、内面めっき処理をした後の鋼板SSの板厚との差から、内面めっき処理による内面めっき膜厚を算出する(ステップS1129)。
【0143】
次に、制御・判断部200の演算部210は、ステップS1125の処理で対応付けた外面めっき処理対応位置について、外面めっき処理をする前の管状体PBの外形と、外面めっき処理をした後の管状体PBの外形との差から、外面めっき処理による外面めっき膜厚を算出する(ステップS1131)。
【0144】
次に、制御・判断部200の演算部210は、ステップS1127の処理で対応付けた外面コーティング処理対応位置について、コーティング処理前の管状体PBの外形と、コーティング処理後の管状体PBの外形との差から、コーティング処理による樹脂膜厚を算出する(ステップS1133)。
【0145】
次に、制御・判断部200の演算部210は、内面めっき膜厚、外面めっき膜厚、樹脂膜厚が制御可能な範囲に含まれているか否かを判断する(ステップS1135)。
【0146】
制御・判断部200の演算部210は、ステップS1135の判断処理で、内面めっき膜厚、外面めっき膜厚、樹脂膜厚が制御可能な範囲に含まれていると判断したときには(YES)、内面めっき膜厚、外面めっき膜厚、樹脂膜厚の値に応じて制御パラメータを決定する(ステップS1137)。
【0147】
内面めっき処理に関連する制御パラメータは、以下のものがある。第1加熱温度は、第1加熱装置314の加熱処理の制御パラメータである。溶融金属の温度は、内面めっき装置320の制御パラメータである。第1注ぎ掛け部324から第1ワイピング部332までの距離や、第1ワイピング部332から鋼板SSまでの距離や、鋼板SSの第1の面FFに対するワイピング部の傾きは、内面めっき装置320の内面めっき処理の制御パラメータである。第1注ぎ掛け部324の位置も制御パラメータである。第1ワイピング部332から排出する気体の流量や流量の分布は、内面めっき処理の制御パラメータである。
【0148】
なお、第1注ぎ掛け部324から第1ワイピング部332までの距離を調整する場合には、第1注ぎ掛け部324の位置や第1ワイピング部332の位置を調整すればよい。
【0149】
ステップS1137の処理では、内面めっき膜厚を調整する場合には、これらの制御パラメータのいずれかを選択する。
【0150】
外面めっき処理に関連する制御パラメータは、以下のものがある。第2加熱温度は、加熱処理の制御パラメータである。溶融金属の温度は、外面めっき装置420の制御パラメータである。稼働させる浸漬部426の個数も、外面めっき装置420の制御パラメータにすることができる。浸漬部426から第2ワイピング部432までの距離や、第2ワイピング部432から管状体PBの外周までの幅方向WDの距離や、第2ワイピング部432から管状体PBの外周までの遠近方向PDの距離は、外面めっき処理の制御パラメータである。第2ワイピング部432から排出する気体の流量や流量の分布は、外面めっき処理の制御パラメータである。
【0151】
なお、浸漬部426から第2ワイピング部432までの距離を調整する場合には、第2ワイピング部432の位置や、稼動させる浸漬部426や、浸漬部426の位置を調整すればよい。
【0152】
ステップS1137の処理では、外面めっき膜厚を調整する場合には、これらの制御パラメータのいずれかを選択する。
【0153】
樹脂の塗布処理に関連する制御パラメータは、以下のものがある。トップコート装置520から第3ワイピング部532までの距離や、第3ワイピング部532から管状体PBの外周までの幅方向WDの距離や、第3ワイピング部532から管状体PBの外周までの遠近方向PDの距離は、樹脂層の制御パラメータである。第3ワイピング部532から排出する気体の流量や流量の分布は、樹脂層の制御パラメータである。
【0154】
ステップS1137の処理では、樹脂膜厚を調整する場合には、これらの制御パラメータのいずれかを選択する。
【0155】
工程全体に関連する制御パラメータは、以下のものがある。搬送速度は、内面めっきや外面めっきのめっき時間などを制御する制御パラメータである。ステップS1137の処理では、内面めっき膜厚、外面めっき膜厚、樹脂膜厚を共通して調整する場合には、搬送速度を選択する。
【0156】
次に、制御・判断部200の演算部210は、ステップS1137の処理で決定した制御パラメータについて、目標とする制御値を決定する(ステップS1139)。例えば、決定した制御パラメータが第1加熱温度であれば、目標とする温度を決定する。また、決定した制御パラメータ、第1注ぎ掛け部324から第1ワイピング部332までの距離であれば、目標とする距離を決定する。
【0157】
次に、制御・判断部200の演算部210は、ステップS1139の処理で決定した制御値を、各装置に出力し(ステップS1141)、本サブルーチンを終了する。
【0158】
制御・判断部200の演算部210は、ステップS1135の判断処理で、内面めっき膜厚、外面めっき膜厚、樹脂膜厚が制御可能な範囲に含まれていないと判断したときには(NO)、制御できないと判断して表示部240にエラー表示などをし(ステップS1143)、本サブルーチンを終了する。
【0159】
<<<他の実施の形態>>>
前述した実施の形態では、内面めっき処理をして、内面めっき処理前板厚測定装置110及び内面めっき処理後板厚測定装置120によって、内面めっきの厚さを取得し、外面めっき処理をして、外面めっき処理前外形測定装置130及び外面めっき処理後外形測定装置140によって、外面めっきの厚さを取得し、塗布処理をして、コーティング処理前外形測定装置150及びコーティング処理後外形測定装置160によって、塗布膜厚を取得する例を示した。これらの処理及び測定には限られない。以下の組合せの各々に対応することができる。
【0160】
1.内面めっき処理のみをする。
2.内面めっき処理をして、内面めっきの厚さを取得する。
3.外面めっき処理のみをする。
4.外面めっき処理をして、外面めっきの厚さを取得する。
5.塗布処理のみをする。
6.塗布処理をして、塗布膜厚を取得する。
7.内面めっき処理及び外面めっき処理をする。
8.内面めっき処理及び外面めっき処理をして、内面めっきの厚さを取得する。
9.内面めっき処理及び外面めっき処理をして、外面めっきの厚さを取得する。
10.内面めっき処理及び外面めっき処理をして、内面めっきの厚さ及び外面めっきの厚さを取得する。
11.内面めっき処理及び塗布処理をする。
12.内面めっき処理及び塗布処理をして、内面めっきの厚さを取得する。
13.内面めっき処理及び塗布処理をして、塗布膜厚の厚さを取得する。
14.内面めっき処理及び塗布処理をして、内面めっきの厚さ及び塗布膜厚の厚さを取得する。
15.外面めっき処理及び塗布処理をする。
16.外面めっき処理及び塗布処理をして、外面めっきの厚さを取得する。
17.外面めっき処理及び塗布処理をして、塗布膜厚の厚さを取得する。
18.外面めっき処理及び塗布処理をして、外面めっきの厚さ及び塗布膜厚の厚さを取得する。
19.内面めっき処理、外面めっき処理及び塗布処理をする。
20.内面めっき処理、外面めっき処理及び塗布処理をして、内面めっきの厚さを取得する。
21.内面めっき処理、外面めっき処理及び塗布処理をして、外面めっきの厚さを取得する。
22.内面めっき処理、外面めっき処理及び塗布処理をして、塗布膜厚の厚さを取得する。
23.内面めっき処理、外面めっき処理及び塗布処理をして、内面めっきの厚さ及び外面めっきの厚さを取得する。
24.内面めっき処理、外面めっき処理及び塗布処理をして、内面めっきの厚さ及び塗布膜厚の厚さを取得する。
25.内面めっき処理、外面めっき処理及び塗布処理をして、外面めっきの厚さ及び塗布膜厚の厚さを取得する。
26.内面めっき処理、外面めっき処理及び塗布処理をして、内面めっきの厚さ、外面めっきの厚さ及び塗布膜厚の厚さを取得する。
なお、26番目の組合せは、本実施形態の組合せである。
【0161】
例えば、
図2の第1洗浄装置312による洗浄工程から第1冷却装置340による冷却工程までの工程を省くことで、内面めっき処理をせずに、外面めっき処理のみをすることができる。同様に、
図2の第2洗浄装置412による洗浄工程から第2冷却装置440による冷却工程までの工程を省くことで、内面めっき処理のみをして、外面めっき処理をしないようにもできる。
【0162】
前述した1~26の組み合わせにおいて、内面めっき処理の前後において、内面めっき処理前の板厚の測定と、内面めっき処理後の板厚の測定とを測定したが、前後のいずれか一方の板厚の測定でもよい。同様に、外面めっき処理の前後において、外面めっき処理前の外形の測定と、外面めっき処理後の外形の測定とを測定したが、前後のいずれか一方の外形の測定でもよい。さらに、塗布処理の前後において、塗布処理前の外形の測定と、塗布処理後の外形の測定とを測定したが、前後のいずれか一方の外形の測定でもよい。
【0163】
また、前述した1~26の組み合わせの各々に、前処理装置310による処理や、第1洗浄装置312による処理の後に、板厚の測定を加えてもよい。各処理前の段階の鋼板SSの状態を取得することができる。
【0164】
<内面めっき処理前板厚測定装置110や内面めっき処理後板厚測定装置120>
内面めっき処理前板厚測定装置110や内面めっき処理後板厚測定装置120(以下、単に、内面めっき処理前板厚測定装置110と称する。)は、めっき処理とは別に、鋼板SSの板厚や鋼板SSの板厚のばらつきを測定するだけでなく、鋼板SSの傷やへこみなどを検出することができる。内面めっき処理前板厚測定装置110による測定は、フォーミング装置342の処理の前に行えばよい。
【0165】
<外面めっき処理前外形測定装置130や外面めっき処理後外形測定装置140>
外面めっき処理前外形測定装置130や外面めっき処理後外形測定装置140(以下、単に、外面めっき処理前外形測定装置130と称する。)は、めっき処理とは別に、管状体PBの外形や管状体PBの外形のばらつきや管状体PBの真円からのずれを測定するだけでなく、管状体PBの外面の傷やへこみなどを検出することができる。外面めっき処理前外形測定装置130による測定は、サイジング装置442の処理の前に行えばよい。
【0166】
<内面めっき処理前板厚測定装置110及び/又は外面めっき処理前外形測定装置130>
内面めっき処理前板厚測定装置110による測定と外面めっき処理前外形測定装置130による測定は、双方の測定をしても、いずれか一方のみの測定をしてもよい。すなわち、内面めっき処理前板厚測定装置110を用いて鋼板SSの板厚などを測定するとともに、外面めっき処理前外形測定装置130を用いて管状体PBの外形などを測定してもよい。また、内面めっき処理前板厚測定装置110のみを用いて鋼板SSの板厚などのみを測定してもよい。外面めっき処理前外形測定装置130のみを用いて管状体PBの外形などのみを測定してもよい。必要とするものに応じて適宜に選択することができる。
【0167】
<めっき無し又はめっき済み>
めっき無しの鋼板SSを用いた場合には、めっき無しの状態の鋼板SSの板厚などや、めっき無しの状態の管状体PBの外形などを測定することができる。また、鋼板SSの第1の面FF及び第2の面SFの双方が予めめっき処理されたものを用いることで、めっき済みの状態の鋼板SSの板厚などや、めっき済みの状態の管状体PBの外形などを測定することができる。
【0168】
<<<<変形例>>>
前述した例では、トップコート装置520によって、管状体PBの外面OFに樹脂を塗布する例を示したが、塗布するものは、樹脂に限られない。例えば、流動性を有し管状体PBの外面OFを覆うことができるものであれば、管状体PBの外面OFに塗布することができる。
【0169】
<<<<本実施の形態の範囲>>>>
上述したように、本発明は、本実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす記載及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきでない。このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態等を含む。
【符号の説明】
【0170】
10 鋼管製造システム
110 内面めっき処理前板厚測定装置
120 内面めっき処理後板厚測定装置
130 外面めっき処理前外形測定装置
140 外面めっき処理後外形測定装置
150 コーティング処理前外形測定装置
160 コーティング処理後外形測定装置
320 内面めっき装置
420 外面めっき装置
520 トップコート装置