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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】サボニウス風力タービンの比率
(51)【国際特許分類】
   F03D 3/06 20060101AFI20241203BHJP
【FI】
F03D3/06 A
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023062990
(22)【出願日】2023-04-07
(62)【分割の表示】P 2021508307の分割
【原出願日】2019-10-30
(65)【公開番号】P2023100628
(43)【公開日】2023-07-19
【審査請求日】2023-05-05
(31)【優先権主張番号】62/767,879
(32)【優先日】2018-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/840,929
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521066673
【氏名又は名称】ファーブ,マーク ダニエル
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファーブ,マーク ダニエル
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-343419(JP,A)
【文献】米国特許第04784568(US,A)
【文献】特表2015-505594(JP,A)
【文献】仏国特許発明第00658943(FR,A)
【文献】米国特許第03627446(US,A)
【文献】特表2012-528271(JP,A)
【文献】特開2011-064169(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 1/00-80/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直軸タービンであって、タービンの高さに沿った任意の断面に対して水平面において実質的に半円形状の、垂直方向にシャフトを有する類似する羽根2枚を含み、前記羽根の凹面は部分的に対面し、各々は羽根の内面の距離を指す距離cの弦直径を有し、前記羽根が、第1の羽根の半円の内端点から第2の羽根の半円の内端点まで、直径sdのシャフトを通って直線的に通過する距離aを置いて配置され、内端点の位置は、対向する羽根の内端点から、対向する羽根の外端点までの弦の半分未満の距離で対向する羽根に面しており、
前記距離aは、前記直径sdの3~4倍であり、
前記距離cは、前記直径sdの6~7.2倍である、垂直軸タービン。
【請求項2】
さらに、
2つの内端点とシャフトの中心を接続する仮想線に対して水平面において実質的に垂直である、両方の羽根の内端点の端部での拡張部であるbと呼ばれる重複を含み、前記重複は各々の羽根の内端点から拡張する実質的に直線体を含む、請求項1に記載のタービン。
【請求項3】
前記重複は、直径sdの0~0.4倍である、請求項2に記載のタービン。
【請求項4】
前記直径sdが100mmである、請求項1に記載のタービン。
【請求項5】
前記羽根は、上部先端で羽根に接続される上部カバーを備えていない、請求項1に記載のタービン。
【請求項6】
前記羽根は、底部で羽根に接続される下部接続ベースを備えていない、請求項1に記載のタービン。
【請求項7】
さらに、
15%未満の羽根の垂直高さの大部分に沿った半円直径の変動を含む、請求項1に記載のタービン。
【請求項8】
先端速度比率が、0.475~0.546の範囲である、請求項1に記載のタービン。
【請求項9】
2枚の前記羽根は、二重カーブの形状である、請求項1に記載のタービン。
【請求項10】
垂直軸タービンを製造する方法であって、前記垂直軸タービンは、タービンの高さに沿った任意の断面に対して水平面において実質的に半円形状の、垂直方向にシャフトを有する類似する2枚の羽根を含み、前記羽根の凹面は部分的に対面し、各々は羽根の内面の距離を指す距離cの弦直径を有し、前記羽根が、第1の羽根の半円の内端点から第2の羽根の半円の内端点まで、直径sdのシャフトを通って直線的に通過する距離aを置いて配置され、内端点の位置は、対向する羽根の内端点から、対向する羽根の外端点までの弦の半分未満の距離で対向する羽根に面しており、前記方法は、
直径sdを選択する工程と、
直径sdのシャフトを通って直線的に通過する距離aを直径sdの3~4倍の範囲にする工程と、
弦直径を直径sdの6~7.2倍の範囲にする工程と
を含む、方法。
【請求項11】
さらに、
複を直径sdの0.~0.4倍の範囲にする工程を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
最高効率を達成するために先端速度比率を設定する工程を含む、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2019年4月30日に出願された、Savonius Wind Turbine Ratiosという題名の米国仮特許出願第62840929号、および2018年11月15日に出願された、Savonius Wind Turbine Variationsという題名の米国仮出願第62/767879号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、サボニウス型風力タービンをより効率的にすることに関する。
【0003】
最初に、サボニウス型タービンの部品を確認する。
【0004】
先行技術の典型的かつ最も単純なサボニウスは以下に検索できる図1に示される。https://www.google.com/search?q=picture+of+traditional+savonius+turbine&rlz=1C1CHBF_enUS700US700&tbm=isch&source=iu&ictx=1&fir=vSl6gAUd0IcTMM%253A%252CSF0EbdC8Ke20YM%252C_&usg=AI4_-kSNf2RWpapo3G9bducB_845_gPwZQ&sa=X&ved=2ahUKEwicjoW1waDeAhXR5p8KHXHuCMIQ9QEwBHoECAYQDA#imgrc=vSl6gAUd0IcTMM:
【0005】
それは、並列かつ同等のサイズである、下部(1)および上部(2)のカバーを備えている。(1)と(2)は完全な円形であることが多い。羽根(4)は、カバーに垂直であり、円形状であり、通常、空の半円筒を形成する。それらは全て、中心軸(3)のまわりを回転する。
【0006】
2枚のカバー(1と2)が支持を提供するため、シャフト(3)は支持のためのものではない。その結果、シャフトは通常、タービン総直径に対して小さく;示された例において、シャフトはタービン直径の約5%である。シャフトのまわりには、羽根の重複が必ずしもあるとは限らない。2枚の羽根があり、各々は内端(7)および外端(8)を有する。風は、一方の羽根の内端と他方の外端の間の空間(5)に入り、経路(6)に沿ってタービンを通って循環する。
【0007】
図2は断面図である。図2では、各々の羽根(21およびその同等な対面する半円形)には内端(22)および外端(23)がある。羽根は、技術的に弦の長さ(29)と呼ばれる直径を特徴とする。シャフト直径(25)を特徴とする中心シャフト(24)がある。(26)は、シャフトの中心を通り抜ける羽根の間の距離を表わす。中心にある自由空間は(26)から引いた(25)である。タービン直径(30)は、1つの外端(23)から第2の羽根の外端までの距離である。
【0008】
(27)は、重複、すなわち羽根の内端の拡張であり、および中間点を通って内端から直接に延長する線である。この場合、それは直線である。
【0009】
本特許は、より大きな効率をもたらす、シャフト、羽根の間の空間、重複および弦直径の間の新しい関係に関する。この背景にある根本的な概念は、タービン中の風の通過を最も有利にするために適度な条件しか要求されないというものである。本出願の背景にある概念は、中心の自由空間が最も重要な要素であるが、それは独立した要素ではない、なぜなら、重複、および弦の長さとの関係は、その自由空間に関連し、その結果、中間の自由空間は風流を過剰に集中させたり、摩擦を及ぼしたりすることない一方で、開きすぎず、風の再循環の効果を損失しないからというものである。
【0010】
先行文献の調査は、これらの重要な関係が無視され、中間の自由空間が正確にまたは完全に画定されていないことを示す。
【0011】
質的な基準では、以下のhttps://www.google.com/search?q=picture+of+cfd+in+savonius+turbine&rlz=1C1CHBF_enUS700US700&tbm=isch&source=iu&ictx=1&fir=FwFE5V4yy83HGM%253A%252CvcScgaYDdYXzwM%252C_&usg=AI4_-kTFTwy1PXgxeW_7o-2lzNKr-lb58Q&sa=X&ved=2ahUKEwjvnYmC36DeAhWI458KHQCJDFgQ9QEwA3oECAYQCg#imgrc=z4ofoODpHRgs2M: のより大きい自由空間はhttps://www.google.com/search?q=picture+of+cfd+in+savonius+turbine&rlz=1C1CHBF_enUS700US700&tbm=isch&source=iu&ictx=1&fir=FwFE5V4yy83HGM%253A%252CvcScgaYDdYXzwM%252C_&usg=AI4_-kTFTwy1PXgxeW_7o-2lzNKr-lb58Q&sa=X&ved=2ahUKEwjvnYmC36DeAhWI458KHQCJDFgQ9QEwA3oECAYQCg#imgrc=FwFE5V4yy83HGM: の狭すぎる自由空間より有効であることが理解されるであろう。
【0012】
典型的に、重複に関しては重複比率に焦点をおき、それは(重複-シャフト直径)/羽根の直径[本出願には弦の長さまたはcと呼ばれる;sd=シャフト直径]として定義される。1つの研究(B.D. Altan, M. Atilgan, An experimental study on improvement of a Savonius rotor performance with curtaining, Experimental Thermal and Fluid Science 32 (2008) 1673~1678)は、0.15を理想的な重複比率として示した。(これは本出願の仕様において重複比率の使用と異なることに注目されたい。我々の「重複比率」はシャフト直径で割った重複距離を指すから、100mmのシャフトのタービンに我々の理想的なパラメーターを備えた先行技術の重複比率の使用が(20-100)/660になり、重複はシャフト直径に対する関係性において大きくなければならないと先行技術が誤って考慮したので、それは負の数である。)
【0013】
別の研究(V.J. Modi, N.J. Roth, M.S. Fernando, Optimum-configuration, studies and prototype design of a wind-energy-operated, irrigation system, Journal of Wind Engineering and Industrial Aerodynamics 16 (1984) 85~96.)は、それが0.25であることを示した。我々の意見では、意見および結果におけるそのような相違は、理想的な重複比率のための条件を規定する別の要因があることを示す。研究は、羽根形状との関係を画定せず、自由空間の重要な構成部分について記述していない。しかしながら、従来の研究( Arriving at the Optimum Overlap Ratio for an Elliptical-Bladed Savonius Rotor, Nur Alom and Ujjwal K. Saha, ASME Turbo Expo 2017: Turbomachinery Technical Conference and Exposition, Volume 9: Oil and Gas Applications; Supercritical CO2 Power Cycles; Wind Energy, Charlotte, North Carolina, USA, June 26-30,2017および、理想的な重複を0として提供するMahmoudを参照)は、自由空間の量を、これを機能させるための実現手段として特定していない;理想的な配置では自由空間が3.5*sdであるとの我々の条件は、他の比率が有効であるためのより根本的な条件である。
【0014】
1つの研究(F. Mahamarakkalage, On the Performance and Wake Aerodynamics of the Savonius Wind Turbine, a Thesis of Doctoral of Philosophy, University of Peradenyia, Srilanka, 1980)は、ノーギャップが最も効率的であることを示し、32%の効率を見いだした。我々は、上記に説明されるように、アスペクトが一貫した、本明細書に参照されるシミュレーションの全てにおいて理想的なアスペクト比を使用することなく、その条件でシミュレーションを実行し、27%の最高効率を見いだした一方、我々のギャップを備えたシミュレーションは、同様のプログラミングを利用して全てが同じ人により着実に実行され、30%範囲を超えた。
【0015】
サボニウスロータの別の研究(Geometrical optimization of a swirling Savonius wind turbine using an open jet wind tunnel, Abdullah Al-Faruk *, Ahmad Sharifian, Computational Engineering and Science Research Centre (CESRC), University of Southern Queensland, Toowoomba, Queensland 4350, Australia, Received 19 March 2015; revised 19 June 2016; accepted 11 July 2016, available online 30 July 2016)は、「結果は、羽根重複比率、熱風入口直径および上端プレートの状態は、出力係数値およびトルク係数値に大きな影響を与えることを示す…」と主張する。それは自由空間が条件として無視されることの別の事例である。表1のそれらの要約は、中心の自由空間について全く記述していない。それらの理想的なタービンには湾曲した重複があった。
【0016】
An experimental study on improvement of Savonius rotor performance, by N.H. Mahmoud a, A.A. El-Haroun a, E. Wahba a, M.H. Nasef b, Alexandria Engineering Journal, Received 15 July 2010; accepted 21 November 2010は、重複比率およびアスペクト比(高さと幅との)のみに関係する。
【0017】
Computational Fluid Dynamics Prediction of a Modified Savonius Wind Turbine with Novel Blade Shapes, Wenlong Tian, Baowei Song, James H. VanZwieten and Parakram Pyakurel, Energies 2015, 8, 7915-7929; doi:10.3390/en8087915には、空気の空間が全くないことが望ましいとの結論に至り、25%の効率(Cp、出力の係数と呼ばれる)が取り上げられている。
【0018】
A double-step Savonius rotor for local production of electricity: a design study, J.-L Menet, Renewable Energy 29 (2004) 1843~1862は、方式または内部の空気空間の実寸法およびシャフトサイズとの任意の関係さえも示さない。
【0019】
Review of Savonius Wind Turbine Design and Performance by M. Zemamou, M. Aggour, and A. Toumi, Energy Procedia, 141 (2017), 383-388は、重複比率、アスペクト比および幕の使用をサボニウスの性能に関連することについて記述しているが、シャフト羽根関係について記述がない。
【0020】
DESIGN AND DEVELOPMENT OF HYBRID VERTICAL AXIS TURBINE, Md. Jahangir Alam, M.T. Iqbal, Faculty of Engineering and Applied Science, Memorial University of Newfoundlandは、先端速度比率および重複比率について重要な要因として記述している。それは正しいが、それらは唯一の要因ではない。
【0021】
EPO出願番号86907045.8(Alvin Benesh, WIND TURBINE SYSTEM USING A SAVONIUS-TYPE ROTOR)は、7ページに以下の通りに言及する:「シャフト(28)は好ましくは直径D3 = 0.1Diを有しているが、要望があれば、より大きなサイズのシャフトのための余地が大いに残っている。出願人の試験は、シャフト(28)のサイズによるロータ羽根(21)、(22)および(15)を通じて風通過の狭窄に起因して同様のロータが効率の相当の低減を示さなかったことを示した。しかしながら、出願人は、シャフト(28)の付近の風通過が完全にブロックされると、効率の著しい低下がみられることに注目した。」
彼は、全タービンの直径とシャフト直径を関連づけるだけである。彼は、自由空気空間が何であっても、効率に相違がないと信じており、これは、本出願との正反対の結論である。
【0022】
Experimental investigations on single stage, two stage and three stage conventional Savonius rotor, M. A. Kamoji1, S. B. Kedare1 and S. V. Prabhu, Int. J. Energy Res. 2008; 32:877~895は、シャフトと自由空間との関係を考慮しない。
【0023】
Experimental investigations on single stage modified Savonius rotor, M.A. Kamoji a, S.B. Kedare a, S.V. Prabhu, Applied Energy 86 (2009) 1064~1073も、論されるパラメーターについて記載していない:「研究されたパラメーターは、重複比率、羽根弧角度、アスペクト比およびレイノルズ数である。0.0の重複比率、124_の羽根弧角度および0.7のアスペクト比を備えた改良されたサボニウスロータは150,000のレイノルズ数で0.21の最大の出力係数を有しており、それは従来のサボニウスロータ(0.19)より高い。相関関係は単一段階のサボニウスロータに、研究されたレイノルズ数の範囲において展開された。」
【0024】
A review on the performance of Savonius wind turbines by Joao Vicente Akwaa, Horacio Antonio Vielmo, Adriane Prisco Petry, Renewable and Sustainable Energy Reviews 16 (2012) 3054~3064は、空気空間を有する中心シャフトが、省かれることができる妨害であるという一般的な見解を確認する。
【0025】
定義:風力タービンは以下のwの角速度(または以下の周波数)を有する。
【0026】
【化1】
【0027】
したがって、先端速度比率(ラムダとして示されたTSR)は以下である。
【0028】
【化2】
【0029】
すなわち、羽根の先端の接線速度と実際の風速との比率。これは、効率の決定要素として重要であり、タービンの直径および設計に応じて変更する。
【発明の概要】
【0030】
本発明は、風力タービンのサボニウス型の空力パラメーターの改善された構成の提供により、現在知られている構成の欠点に効果的に対処する。
【0031】
ここで、垂直軸タービンが初めて開示されており、本タービンは高さに沿った任意の断面に対して水平面において実質的に半円形状の、垂直方向に中心シャフトを有する類似する2枚の羽根を含み、前記羽根の凹面は部分的に対面し、各々は羽根の内面の距離を指す距離cの弦直径を有し、前記羽根が、第1の羽根の半円の内端点から第2の羽根の半円の内端点まで、直径sdのシャフトを通って直線的に通過する距離aを置いて配置され、内端点の位置は、対向する羽根の内端点から、対向する羽根の外端点までの弦の半分未満の距離で対向する羽根に面しており、
―sdの実質的に3~4倍である距離aを含む。
【0032】
別の実施形態によると、距離aはsdの約3.5倍である。
【0033】
別の実施形態によると、cは、aの6~7.2倍である。
【0034】
別の実施形態によると、cは、aの約6.6倍である。
【0035】
1つの実施形態では、システムはさらに
―2つの内端点とシャフトの中心を接続する仮想線に対して水平面において実質的に垂直である、両方の羽根の内端点の端部での拡張部であるbと呼ばれる重複を含み、前記重複は各々の羽根の内端点から拡張する実質的に直線体を含み、前記重複はaの0~0.25倍である。
【0036】
別の実施形態によると、前記重複はaの約0.2倍である。
【0037】
別の実施形態によると、羽根は、上部先端で羽根に接続する上部カバーを備えていない。
【0038】
別の実施形態によると、羽根は、下部接続ベースを備えていない。
【0039】
1つの実施形態では、タービンはさらに、
―15%未満の羽根の大多数の垂直の高さに沿った半円直径における変動を含む。
【0040】
1つの実施形態では、タービンはさらに、
―シャフト直径100mmのタービンにおいて、ミリメートルでのシャフト直径の0.475~0.546倍の範囲の先端速度比率を有し、前記先端速度比率は、シャフト直径および弦cの対応する変化の各々の2倍加に応じて2倍加し、比例して、サイズも2倍加し、およびシャフト直径と弦cの半減化に応じて、ほぼ半減し、比例してサイズも半減し、および弦対シャフト直径の比率に従って他のシャフト直径にも同様である。
【0041】
別の実施形態によると、2枚の羽根は、二重カーブの形状である。
【0042】
ここで、垂直軸タービンを製造する方法が初めて開示されており、前記垂直軸タービンは、高さに沿った任意の断面に対して水平面において実質的に半円形状の、垂直方向に中心シャフトを有する類似する羽根2枚を含み、前記羽根の凹面は部分的に対面し、各々は羽根の内面の距離を指す距離cの弦直径を有し、前記羽根が、第1の羽根の半円の内端点から第2の羽根の半円の内端点まで、直径sdのシャフトを通って直線的に通過する距離aを置いて配置され、内端点の位置は、対向する羽根の内端点から、対向する羽根の外端点までの弦の半分未満の距離で対向する羽根に面しており、前記方法は、
―シャフト直径を選択する工程と、
―一方の羽根の内部から他方の内部までシャフトの中心を通る距離をシャフト直径の約3.5倍、3~4倍の範囲にする工程と、
―重複をシャフト直径の約20%倍、0%~25%の範囲にする工程と、
―弦の長さをシャフト直径の約6.6倍にし、6~7.2倍の範囲にする工程と、を含む。
【0043】
1つの実施形態では、前記方法は、さらに
―羽根の配向を半円形から4分の1円形に比例的に変更する工程と、変更の度数に応じて羽根の間の距離をシャフト直径の約3.5~4倍にセットする工程と、変更の度数に応じて重複比率を図5に示される線に応じてシャフト直径の0~4倍にセットする工程と、弦直径を図6に示されたグラフに応じてシャフト直径の約6.6~30倍にセットする工程とを含む。
【0044】
図の項目の参照を備えた請求項
【0045】
1.垂直軸タービンであって、タービンの高さに沿った任意の断面に対して水平面において実質的に半円形状の、垂直方向に中心シャフト(24)を有する類似する羽根(21)2枚を含み、前記羽根の凹面(29)は部分的に対面し、各々は羽根の内面の距離を指す距離cの弦直径を有し、前記羽根が、第1の羽根の半円の内端点(22)から第2の羽根の半円の内端点まで、直径sd(25)のシャフトを通って直線的に通過する距離a(26)を置いて配置され、内端点の位置は、対向する羽根の内端点から、対向する羽根の外端点まで(22)と(23)の弦の半分未満の距離で対向する羽根に面しており、
―実質的にsdの3~4倍である距離aを含む、垂直軸タービン。
【0046】
2.前記距離aは、sdの約3.5倍である、請求項1に記載のタービン。
【0047】
3.前記cは、aの6~7.2倍である、請求項1または2に記載のタービン。
【0048】
4.前記cは、aの約6.6倍である、請求項1、2、または3に記載のタービン。
【0049】
5.さらに、
―2つの内端点とシャフトの中心を接続する仮想線に対して水平面において実質的に垂直である、両方の羽根の内端点の端部での拡張部であるb(27)と呼ばれる重複を含み、前記重複は各々の羽根の内端点から拡張する実質的に直線体を含み、前記重複はaの0~0.25倍である、請求項1、2、3または4に記載のタービン。
【0050】
6.前記重複はaの約0.2倍である、請求項1、2、3、4、または5に記載のタービン。
【0051】
7.前記羽根は、上部先端で羽根に接続する上部カバー(2)を備えていない、請求項1、2、3、4、5、6に記載のタービン。
【0052】
8.前記羽根は、下接続ベースを備えていない、請求項1、2、3、4、5、6、または7に記載のタービン。
【0053】
9.さらに、
―15%未満の羽根の大多数の垂直の高さに沿った半円直径における変動を含む、請求項1、2、3、4、5、6、7または8に記載のタービン。
【0054】
10.さらに、
―シャフト直径100mmのタービンに対して0.475~0.546の範囲の先端速度比率を有し、前記先端速度比率は、シャフト直径および弦cの対応する変化の各々の2倍加に応じて2倍加し、比例して、サイズも2倍加し、およびシャフト直径と弦cの半減化に応じて、ほぼ半減し、比例してサイズも半減し、および弦対シャフト直径の比率に従って他のシャフト直径にも同様である、請求項、2、3、4、5、6、7、8、または9に記載のタービン。
【0055】
11.2枚の前記羽根は、二重カーブの形状である、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10に記載のタービン。
【0056】
12.垂直軸タービンを製造する方法であって、タービンの高さに沿った任意の断面に対して水平面において実質的に半円形状の、垂直方向に中心シャフト(24)を有する類似する羽根(21)2枚を含み、前記羽根の凹面(29)は部分的に対面し、各々は羽根の内面の距離を指す距離cの弦直径を有し、前記羽根が、第1の羽根の半円の内端点(22)から第2の羽根の半円の内端点まで、直径sd(25)のシャフトを通って直線的に通過する距離a(26)を置いて配置され、内端点の位置は、対向する羽根の内端点から、対向する羽根の外端点まで(22)と(23)の弦の半分未満の距離で対向する羽根に面しており、前記方法は、
―シャフト直径を選択する工程と、
―一方の羽根の内部から他方の内部までシャフトの中心を通る距離をシャフト直径の約3.5倍、3~4倍の範囲にする工程と、
―重複をシャフト直径の約20%倍、0%~25%の範囲にする工程と、
―弦の長さをシャフト直径の約6.6倍にし、6~7.2倍の範囲にする工程とを含む、方法。
【0057】
13.さらに、
―羽根の配向を半円形状から4分の1円に比例的に変更する工程と、変更の度数に応じて羽根の間の距離をシャフト直径の約3.5~4倍にセットする工程と、変更の度数に応じて重複比率を図5に示される線に応じてシャフト直径の0~4倍にセットする工程と、弦直径を図6に示されたグラフに応じてシャフト直径の約6.6~30倍にセットする工程とを含む、請求項12に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0058】
本発明は、添付図面に参照し、例示のみによって本明細書に記載される。
図1図1は、典型的なサボニウスタービンの図である。
図2図2は、サボニウスタービンの重要な部品の断面図である。
図3図3は、サボニウスタービンを通る気流の図である。
図4図4は、4分の1円形のサボニウスの図である。
図5図5は、4分の1円形のサボニウスの重複比率のグラフである。
図6図6は、4分の1円形のサボニウスの弦比率のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0059】
本発明による風力タービンの原理および操作は、図面と添付説明を参照することで理解されるであろう。
【0060】
ここで、図面を参照して、図1および図2は、既に確認された様々なパラメーターを示す。図2では、シャフトはタービン直径の10%以上の割合である。これは強度および効率を向上させる。図1、先行技術では、シャフトはタービン直径の5%前後になるであろう。
【0061】
本出願でのパラメーターは、シャフトに面する羽根の内面を指すことに注意されたい。
【0062】
図2によると、理想的なパラメーターは以下に示され、計算される。それらはすべてのサイズに適用される;100mmのシャフト直径は数字の理解を容易にするために示される。合理的に予期される各々の変動は後に示される。シャフト(24)が、sdと呼ばれる直径(図2では(25)の距離)の100mmであると仮定すると:
内端の間の距離(図2の(26))は、sd x 3.5、または350mmが理想的である。
拡張b(図2の(27))は、sd x 0.2、または20mmが理想的である。
弦距離(羽根直径)c(図2の(22)と(23)との間の距離である(29))は、sd x 6.6、または660mmが理想的である。
さらに、参考までに、全タービンの直径は、図2に(30)によって示され、(sd x6.6)+((sd*6.6)-(sd*3.5))として計算される。
【0063】
よく機能する構成の範囲は、一方の羽根の半円形状の内端から他方の羽根の半円形状の内端までの距離(重複が存在する場合、混乱を避けるために、このように画定された)がシャフト直径の3~4倍であり、3.5であることが理想的である。
【0064】
よく機能する重複の範囲は、シャフト直径の5-25%であり、20%が理想であるが、0~40%の重複でさえ効率的なタービンにつながる場合がある。
【0065】
これは、シャフト直径の6-7倍、理想が6.6倍、の弦との組み合わせで最良に機能する。
【0066】
以下の表(表1)はいくつかのシミュレーションの選集である。(タービン直径は、弦直径プラス弦直径マイナス内部端距離である。)
【0067】
【表1】
【0068】
ケース8は、最も高い効率を有しており、上記に記載された比率の理想的なセットを示す。他の近いパラメーターのセットも、よく機能することが見られる。自由空間に対する内部シャフトの要件、および二番目に、弦距離との関係が注目されてきたので、サボニウス型タービンの理論的な効率が30%以上であると一貫して報告されたのが初めてである。重複は重大であるが、比較的重要ではない。下記の詳細に示されるように、先端速度比率は非常に重要である。
【0069】
図3は、サボニウスタービン内の風の循環を示し、本発明の比率の重要性を示す。図3では、風は左から来て、第1の羽根(32)に衝撃を与えることをライン(31)で示す。その後、風はライン(33)と(34)に沿ってシャフトのまわりを循環する。上記の計算のように、比率が理想的な場合、タービン内に循環する風のエリアがあって、それは矢印(35)の領域で行き渡って外側の風よりも加速し、次に第2の羽根(36)に衝撃を与える。これで、タービンの中心の自由空間に対する注目の重要性が明らかになる。風が適切な方法で集中されるように、それはあまり大き過ぎず、小さすぎてはならない。半円形からの拡張としても参照される重複は、タービン内の空気の側方動きによる風の消失を防ぐ。
【0070】
1つの追加の革新的なアプローチは、上部カバーを取り除き、代わりにそのカバーなしの2枚の羽根および、さらに、それらの垂直寸法に沿って単純な半円形状である代わりに二重カーブ(垂直方向においてより勾配が緩いカーブ)である2枚の羽根を製造する。それは風をよりよく取り入れ、それらはより流線形である。このアプローチは、タービンの垂直の全長にわたって正確な比率を使用することによる高い効率とバランスをとる必要がある。合理的な妥協案は、任意の水平面において、羽根形状および半円直径の各々、理想的なパラメーターからの15%の変形を可能にするであろう。それは他の任意の変化と組み合せた場合に新規である。
【0071】
カバーの除外は、支持に使用されるシャフトをより厚くする必要性を生み出す。上記の調査は、羽根の間の自由空間とシャフトサイズとの関係が画定されており、および同時に一旦自由空間の条件で適切な重複のための条件が満たされているケースを発見していない。
【0072】
上記に基づいて、本来の請求項は、効率が、空気が通過する真ん中の自由空間の量に大きく関係し、羽根の間の総空間とシャフトサイズとの比率が重大であると示される。この利点は、本出願で議論される他の比率およびパラメーターとの組み合わせで増強される。
【0073】
上記の表1は、最高の効率の条件が多元的であるが、全ては、自由空間および他の全比率を画定するシャフト直径に基づくことを示す。
【0074】
先端速度比率(TSR)は当技術において周知されており、以下である。
【0075】
【化3】
【0076】
それは、羽根の先端の接線速度と実際の風速との比率である。これは、すべてのタービンでの効率と非常に関係する。これらの場合では、約.511の先端速度比率が最良である。0.475未満では、上記のサイズに対して効率が実質的に低下する。したがって、このタービンサイズには、.511プラスまたはマイナス.035がよい範囲である。タービン直径が2倍になると、TSRは約2倍になる。ケース8には、970mmのタービン直径がある。このタイプのタービンには、この部分がシャフト直径に関連していない。このように、ケース8の比率であるが、シャフト直径200を備えたタービンは、約1.22プラスまたはマイナス0.07のTSRを有するであろう。
【0077】
全体的に、Cpはレイノルズ数および先端速度比率(TSR)に関連する。一般に、レイノルズ数での依存は小さく、したがって、圧力係数は主にTSRに依存する。最高の効率を達成するために、TSRとrpmを正確に調節する必要がある。この比率に注意を怠ることは、風力タービンを非常に非効率的にさせる場合があることに注意されたい。
【0078】
先行文献は、20年代中頃に、中心の自由空間の最重要性に注意を払うことなくサボニウスタービンのCpを主張した。シミュレーションは、本出願のアプローチが革新的だけでなく有意義であることを示す0.34のCp、ケース8、の1つの構成を含む。
【0079】
したがって、下記の請求項では、自由空間の計算は独立請求項において重要な革新だと考慮される。
【0080】
それを満すと、羽根弧に基づいた羽根サイズに対する重複比率の関係等の他の重要な革新はより効果的になる。
【0081】
サボニウスの半円形での別の変形は、4分の1円形に接近する異なる羽根形状を製造することにより可能である。これらの構成は多少効率が低下しているが、様々な費用便益状況等の状況に役立つ可能性がある。図4は、距離を示すために、背景にある罫線でそれがどのように見えるかを示す。(41)および(42)は、羽根である。(43)はシャフトである。(44)と(45)は重複、または4分の1円形の拡張である。この構成は5eと呼ばれる。
【0082】
羽根は4分の1円形になる頃には、理想的な重複はシャフト直径の0.2倍からシャフト直径の4倍に変化し、ここで羽根の間の距離はシャフト直径の4倍、3~5倍の範囲であり、および弦直径はシャフト直径の5倍、4-6倍の範囲である。
【0083】
以下の表2は、rpmおよび先端速度比率による、5eと呼ばれる構成の一定のCp(効率)のシミュレーションデータを示す:
【0084】
【表2】
【0085】
これは、約3メーターの弦直径に対する理想的な先端速度比率を示す。
【0086】
図5は、円形形状との重複の変動を示す。図5を使用して、円形の度数による理想的な重複を概算することができる。(51)は、半円形に対するシャフト直径の0.2倍の比率であり、および(52)は、4分の1円形に対するシャフト直径の4倍の比率である。
【0087】
図6は、円形形状を備えた弦直径の変動を示す。図6を使用して、円形の度数による理想的な弦直径を概算することができる。(61)は、半円形に対するシャフト直径の6.6倍の比率であり、および(62)は、4分の1円形に対するシャフト直径の28倍の比率である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6