(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】システム、コンピュータ、プログラムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/1053 20230101AFI20241203BHJP
【FI】
G06Q10/1053
(21)【出願番号】P 2024009283
(22)【出願日】2024-01-25
【審査請求日】2024-09-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518159382
【氏名又は名称】株式会社タイミー
(74)【代理人】
【識別番号】100131842
【氏名又は名称】加島 広基
(74)【代理人】
【識別番号】100215267
【氏名又は名称】古屋 秀人
(74)【代理人】
【識別番号】100215555
【氏名又は名称】今井 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】高石 一樹
(72)【発明者】
【氏名】神田 和慧
(72)【発明者】
【氏名】古田 克海
(72)【発明者】
【氏名】岡野 兼也
(72)【発明者】
【氏名】新谷 哲平
(72)【発明者】
【氏名】村田 翔
(72)【発明者】
【氏名】田中 幸一
(72)【発明者】
【氏名】石井 つぐみ
(72)【発明者】
【氏名】石鍋 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】海津 翔太
(72)【発明者】
【氏名】胡 光耀
(72)【発明者】
【氏名】阿部 勇一郎
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-047838(JP,A)
【文献】特開2019-197282(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112749943(CN,A)
【文献】サイバーセキュリティー求人のヒートマップ作成を支援,[online],国立研究開発法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター,2016年01月04日,https://crds.jst.go.jp/dw/20160104/201601047663/,[検索日 2024.09.17]
【文献】RESAS - 地域経済分析システム 基本操作マニュアル 求人・求職構造分析,[online],内閣府 地方創生推進室 ビッグデータチーム,2023年12月21日,https://resas.go.jp/manual/#/13/13101,https://resas.go.jp/api/v1/download/manual-regional-employ-analysis,[検索日 2024.09.17]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
登録されている求職者の識別情報および位置情報を関連付けて記憶する記憶部と、
所定エリアにおける求職者の登録状況の確認に関する指示を受け付けたときに、前記記憶部に記憶されている求職者の位置情報に基づいて、前記所定エリアにおける求職者の登録状況に関する情報を出力する制御部と、
を備え
、
前記記憶部には、登録されている求職者の過去のマッチング履歴に関する情報が求職者の識別情報に紐付けられて記憶されており、
前記制御部は、前記所定エリアにおける求職者の登録状況の確認に関する指示を受け付けたときに、前記記憶部に記憶されている求職者の位置情報および過去のマッチング履歴に関する情報に基づいて、前記所定エリアにおける過去のマッチング履歴が所定の条件を満たす求職者の登録状況に関する情報を出力する、システム。
【請求項2】
前記記憶部には、前記所定エリアにおける求職者と雇用者との過去のマッチングに関する情報が記憶されており、
前記制御部は、
前記所定エリアにおける求職者の登録状況の確認に関する指示を受け付けたときに、前記記憶部に記憶されている求職者と雇用者とのマッチングに関する情報に基づいて、前記所定エリアにおける求職者と雇用者との過去のマッチングに関する情報を出力する、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記記憶部には、登録されている求職者の技能に関する情報が求職者の識別情報に紐付けられて記憶されており、
前記制御部は、前記所定エリアにおける所定の技能を有する求職者の登録状況の確認に関する指示を受け付けたときに、前記記憶部に記憶されている求職者の位置情報および技能に関する情報に基づいて、前記所定エリアにおける所定の技能を有する求職者の登録状況に関する情報を出力する、請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記記憶部には、前記所定エリアにおける所定の技能を有する求職者と当該技能を有する求職者を求める雇用者との過去のマッチングに関する情報が記憶されており、
前記制御部は、
前記所定エリアにおける求職者の登録状況の確認に関する指示を受け付けたときに、前記記憶部に記憶されている求職者と雇用者とのマッチングに関する情報に基づいて、前記所定エリアにおける所定の技能を有する求職者と当該技能を有する求職者を求める雇用者との過去のマッチングに関する情報を出力する、請求項3記載のシステム。
【請求項5】
過去のマッチングに関する情報は、過去に雇用者が求職者の募集を行ったときの募集人数に対する求職者の応募人数または稼働人数の割合であるマッチング率に関する情報である、請求項2または4記載のシステム。
【請求項6】
前記所定エリアは、所定の位置から所定の距離の範囲内のエリア、所定の位置から所定の移動時間で移動可能な範囲内のエリアまたは所定の行政区画を含む、請求項1記載のシステム。
【請求項7】
前記制御部は、出力された情報を端末に表示させるよう当該端末に表示指示信号を送信する、請求項1記載のシステム。
【請求項8】
前記制御部により出力された情報を表示する表示部を更に備えた、請求項1記載のシステム。
【請求項9】
プログラムを実行することにより記憶手段と、受付手段と、出力手段として機能するコンピュータであって、
前記記憶手段は、登録されている求職者の識別情報および位置情報を関連付けて記憶部に予め記憶させてお
くとともに、登録されている求職者の過去のマッチング履歴に関する情報を求職者の識別情報に紐付けて記憶させておき、
前記受付手段は、所定エリアにおける求職者の登録状況の確認に関する指示を受け付け、
前記出力手段は、前記記憶部に記憶されている求職者の位置情報に基づいて、前記所定エリアにおける求職者の登録状況に関する情報を出力する
とともに、前記記憶部に記憶されている求職者の位置情報および過去のマッチング履歴に関する情報に基づいて、前記所定エリアにおける過去のマッチング履歴が所定の条件を満たす求職者の登録状況に関する情報を出力する、コンピュータ。
【請求項10】
コンピュータを記憶手段と、受付手段と、出力手段として機能させるプログラムであって、
前記記憶手段は、登録されている求職者の識別情報および位置情報を関連付けて記憶部に予め記憶させてお
くとともに、登録されている求職者の過去のマッチング履歴に関する情報を求職者の識別情報に紐付けて記憶させておき、
前記受付手段は、所定エリアにおける求職者の登録状況の確認に関する指示を受け付け、
前記出力手段は、前記記憶部に記憶されている求職者の位置情報に基づいて、前記所定エリアにおける求職者の登録状況に関する情報を出力する
とともに、前記記憶部に記憶されている求職者の位置情報および過去のマッチング履歴に関する情報に基づいて、前記所定エリアにおける過去のマッチング履歴が所定の条件を満たす求職者の登録状況に関する情報を出力する、プログラム。
【請求項11】
制御部を有するコンピュータにより行われる情報処理方法であって、
前記制御部が、登録されている求職者の識別情報および位置情報を関連付けて記憶部に予め記憶させておく
とともに、登録されている求職者の過去のマッチング履歴に関する情報を求職者の識別情報に紐付けて記憶させておく工程と、
前記制御部が、所定エリアにおける求職者の登録状況の確認に関する指示を受け付ける工程と、
前記制御部が、前記記憶部に記憶されている求職者の位置情報に基づいて、前記所定エリアにおける求職者の登録状況に関する情報を出力する
とともに、前記記憶部に記憶されている求職者の位置情報および過去のマッチング履歴に関する情報に基づいて、前記所定エリアにおける過去のマッチング履歴が所定の条件を満たす求職者の登録状況に関する情報を出力する工程と、を備える、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム、コンピュータ、プログラムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の労働環境の変化により、半日や1日などの短期かつ単発のアルバイト等の日雇い労働が増加傾向にある。求職者および雇用者をマッチングさせるシステムに関して、従来から様々な技術が開示されている(例えば、特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
求職者および雇用者をマッチングさせるシステムを雇用者が活用するにあたり、雇用可能な求職者の登録状況を知りたいというニーズがあった。
【0005】
本開示はこのような点を考慮してなされたものであり、雇用者が雇用可能な求職者の登録状況を知ることができるシステム、コンピュータ、プログラムおよび情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のシステムは、
登録されている求職者の識別情報および位置情報を関連付けて記憶する記憶部と、
所定エリアにおける求職者の登録状況の確認に関する指示を受け付けたときに、前記記憶部に記憶されている求職者の位置情報に基づいて、前記所定エリアにおける求職者の登録状況に関する情報を出力する制御部と、
を備える。
【0007】
本開示のシステムにおいては、
前記記憶部には、前記所定エリアにおける求職者と雇用者との過去のマッチングに関する情報が記憶されており、
前記制御部は、所定エリアにおける求職者の登録状況の確認に関する指示を受け付けたときに、前記記憶部に記憶されている求職者と雇用者とのマッチングに関する情報に基づいて、前記所定エリアにおける求職者と雇用者との過去のマッチングに関する情報を出力するようになっていてもよい。
【0008】
本開示のシステムにおいては、
前記記憶部には、登録されている求職者の技能に関する情報が求職者の識別情報に紐付けられて記憶されており、
前記制御部は、前記所定エリアにおける所定の技能を有する求職者の登録状況の確認に関する指示を受け付けたときに、前記記憶部に記憶されている求職者の位置情報および技能に関する情報に基づいて、前記所定エリアにおける所定の技能を有する求職者の登録状況に関する情報を出力するようになっていてもよい。
【0009】
本開示のシステムにおいては、
前記記憶部には、前記所定エリアにおける所定の技能を有する求職者と当該技能を有する求職者を求める雇用者との過去のマッチングに関する情報が記憶されており、
前記制御部は、所定エリアにおける求職者の登録状況の確認に関する指示を受け付けたときに、前記記憶部に記憶されている求職者と雇用者とのマッチングに関する情報に基づいて、前記所定エリアにおける所定の技能を有する求職者と当該技能を有する求職者を求める雇用者との過去のマッチングに関する情報を出力するようになっていてもよい。
【0010】
本開示のシステムにおいては、
過去のマッチングに関する情報は、過去に雇用者が求職者の募集を行ったときの募集人数に対する求職者の応募人数または稼働人数の割合であるマッチング率に関する情報であってもよい。
【0011】
本開示のシステムにおいては、
前記記憶部には、登録されている求職者の過去のマッチング履歴に関する情報が求職者の識別情報に紐付けられて記憶されており、
前記制御部は、前記所定エリアにおける求職者の登録状況の確認に関する指示を受け付けたときに、前記記憶部に記憶されている求職者の位置情報および過去のマッチング履歴に関する情報に基づいて、前記所定エリアにおける過去のマッチング履歴が所定の条件を満たす求職者の登録状況に関する情報を出力するようになっていてもよい。
【0012】
本開示のシステムにおいては、
前記所定エリアは、所定の位置から所定の距離の範囲内のエリア、所定の位置から所定の移動時間で移動可能な範囲内のエリアまたは所定の行政区画を含むようになっていてもよい。
【0013】
本開示のシステムにおいては、
前記制御部は、出力された情報を端末に表示させるよう当該端末に表示指示信号を送信するようになっていてもよい。
【0014】
本開示のシステムにおいては、
前記制御部により出力された情報を表示する表示部を更に備えていてもよい。
【0015】
本開示のコンピュータは、
プログラムを実行することにより記憶手段と、受付手段と、出力手段として機能するコ
ンピュータであって、
前記記憶手段は、登録されている求職者の識別情報および位置情報を関連付けて記憶部に予め記憶させておき、
前記受付手段は、所定エリアにおける求職者の登録状況の確認に関する指示を受け付け、
前記出力手段は、前記記憶部に記憶されている求職者の位置情報に基づいて、前記所定エリアにおける求職者の登録状況に関する情報を出力する。
【0016】
本開示のプログラムは、
コンピュータを記憶手段と、受付手段と、出力手段として機能させるプログラムであっ
て、
前記記憶手段は、登録されている求職者の識別情報および位置情報を関連付けて記憶部に予め記憶させておき、
前記受付手段は、所定エリアにおける求職者の登録状況の確認に関する指示を受け付け、
前記出力手段は、前記記憶部に記憶されている求職者の位置情報に基づいて、前記所定エリアにおける求職者の登録状況に関する情報を出力する。
【0017】
本開示の情報処理方法は、
制御部を有するコンピュータにより行われる情報処理方法であって、
前記制御部が、登録されている求職者の識別情報および位置情報を関連付けて記憶部に予め記憶させておく工程と、
前記制御部が、所定エリアにおける求職者の登録状況の確認に関する指示を受け付ける工程と、
前記制御部が、前記記憶部に記憶されている求職者の位置情報に基づいて、前記所定エリアにおける求職者の登録状況に関する情報を出力する工程と、
を備える。
【発明の効果】
【0018】
本開示のシステム、コンピュータ、プログラムおよび情報処理方法によれば、雇用者が雇用可能な求職者の登録状況を知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本実施の形態に係るシステムの構成を示す概略図である。
【
図2】本実施の形態に係るシステムにおいて、出力された表示形態の一例を示す概略図である。
【
図3】本実施の形態に係るシステムの情報処理のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本実施の形態に係るシステム1について説明する。
図1乃至
図3は、本実施の形態に係るシステムを示す図である。このうち、
図1は、本実施の形態に係るシステムの構成を示す概略図である。
図2は、本実施の形態に係るシステムにおいて、出力された表示形態の一例を示す概略図である。
図3は、本実施の形態に係るシステムの情報処理のフロー図である。
【0021】
―システム1―
図1は、本実施の形態に係るシステム1の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係るシステム1は、管理サーバ(コンピュータ10)と、登録者データベース(第1記憶部20)と、クライアントデータベース(第2記憶部30)と、表示端末40と、を備えている。例えば、コンピュータ10は、第1記憶部20と、第2記憶部30と、表示端末40と、それぞれ通信可能に接続されている。また、これらの第1記憶部20、第2記憶部30、表示端末40およびコンピュータ10は、インターネット回線等の通信ネットワークにより互いに通信可能に接続されていてもよい。このようなシステム1の各構成要素について以下に説明する。ここで、登録者とは求職者を意味し、クライアントとは雇用者を意味する。
【0022】
<コンピュータ10の構成>
コンピュータ10は、例えばインターネット回線等の通信ネットワークを通じて利用できる管理サーバである。コンピュータ10は、インターネットでアクセスできる物理サーバ内に仮想的な専用サーバを構築した状態で提供されるものであってもよい。コンピュータ10は、記憶部11と、制御部12と、通信部13とを有している。制御部12は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、コンピュータ10の動作を制御する。より詳細には、制御部12は、記憶部11に記憶されているプログラムを実行することにより、記憶手段121、受付手段122、情報取得手段123および出力手段124として機能し、コンピュータ10の機能を発揮させる。
【0023】
記憶手段121は、求職者の識別情報および位置情報(登録情報)を関連付けて第1記憶部20に記憶させる。求職者の識別情報は、識別ID、タグ等の情報であり、求職者個々人を特定できる情報である。また、求職者の位置情報は、緯度および経度で求められる座標情報等であり、求職者個々人の住所、居所、現在地のうち少なくとも1つを表す情報である。ここで、現在地を表す場合には、例えば、求職者が所有している携帯端末からのGPS情報に基づいて、リアルタイムに更新され得る。
【0024】
また、記憶手段121は、雇用者の識別情報および位置情報を第2記憶部30に記憶させる。雇用者の識別情報は、識別ID、タグ等の情報であり、雇用者個々人を特定できる情報である。雇用者の位置情報は、緯度および経度で求められる座標情報等であり、雇用者の業務が行われる居所、住所、現在地のうち少なくとも1つを表す情報である。例えば、雇用者が所有している携帯端末からのGPS情報に基づいて、リアルタイムに更新され得る。なお、リアルタイムでの情報の更新は、情報の引き出し時に停止する。
【0025】
受付手段122は、所定エリアにおける求職者の登録状況の確認に関する指示を受け付ける。受付手段122は、受け付けた求職者の登録状況(登録情報)の確認に関する指示を第1記憶部20に送る。第1記憶部20が受付手段122から求職者の登録状況の確認に関する指示を受信したことがトリガーとなることにより、求職者の登録情報が第1記憶部20からコンピュータ10に送られる状態に移行する。ここで、所定エリアは、求職者の雇用を検討する者(雇用者)が設定するエリアであって、所定の位置から所定の距離の範囲内のエリア、所定の位置から所定の移動時間で移動可能な範囲内のエリアまたは所定の自治体を包含する行政区画を含む。求職者の登録状況の確認に関する指示とは、雇用者からシステム1に対して送られる、求職者の登録情報である属性情報を確認するための指示である。また、属性情報には、登録者の氏名、住所、居所、現在地、保有技能、過去の雇用者により付与される各種の認定マークの有無といった技能に関する情報、保有資格、勤務回数・勤務場所・欠勤率等の勤務歴、希望勤務時間帯、勤務希望エリア、希望給与といった求職者の希望条件、条件交渉の可否、従事してきた業務等の経験に関する情報が含まれる。
【0026】
また、受付手段122は、雇用者の識別情報および位置情報の確認に関する指示を受け付ける。受付手段122は、受け付けた雇用者の識別情報および位置情報の確認に関する指示を第2記憶部30に送る。第2記憶部30が受付手段122から雇用者の識別情報および位置情報の確認に関する指示を受信したことがトリガーとなり、雇用者の識別情報および位置情報の情報が第2記憶部30からコンピュータ10に送られる状態に移行する。なお、雇用者の識別情報および位置情報の確認に関する指示は、所定エリアにおける求職者の登録状況の確認に関する指示が送られるタイミングで第2記憶部30に送られる。
【0027】
情報取得手段123は、受付手段122により第1記憶部20および第2記憶部30から情報が送られる状態において、第1記憶部20から求職者の登録情報および第2記憶部30から雇用者の識別情報および位置情報を、それぞれコンピュータ10に送る。コンピュータ10に送られた各情報は、コンピュータ10の記憶部11に保存される。
【0028】
出力手段124は、記憶部11に記憶されている求職者の登録情報に基づいて、所定エリアにおける求職者の登録状況に関する情報を出力する。
【0029】
まず、出力手段124は、雇用者の識別情報および位置情報に基づいて、後述の記憶部11に記憶されている地図情報に、雇用者の所望するエリアを、エリア表記としてオーバーレイ表示する。このとき、エリア表記の中心は、雇用者の位置情報に一致する。また、出力手段124は、求職者の位置情報に基づいて、地図情報に求職者の位置情報により規定されるポイントまたは所定のエリアを、エリア表記としてオーバーレイ表示する。求職者に関するエリア表記は、雇用者の所望するエリアにおけるエリア表記との関係で、濃淡を付けて表される。
【0030】
また、出力手段124は、雇用者の所望するエリアにおけるエリア表記の範囲内における求職者の位置情報に基づいて、求職者の人数をカウントし、カウントした数値、クライアントに各種サービスを提供する外部事業者により各種認定された求職者の人数、認定率を地図情報に表示させることができる。
【0031】
地図情報に表示される求職者の位置情報により規定されるポイントまたは所定のエリアは、表示端末40上でポインティングすることができる。ポインティングされることにより求職者の識別情報に基づいて、ポイントまたは所定のエリアにおける求職者の属性情報が表示端末40に表示可能になる。
【0032】
このようなシステム1の構成により、
図2に示すような表示形態を示すことが可能になる。
【0033】
なお、制御部12により実行されるプログラムは記憶部11に記憶されているものに限定されない。制御部12により実行されるプログラムとして、外部装置から通信部13を介して制御部12に送信されるものや、コンピュータ10に装着されたUSBメモリ等の記憶媒体に記憶されているもの、コンピュータ10とは別のコンピュータ(例えば、クラウドサーバ)等に記憶されているもの等が用いられてもよい。
【0034】
記憶部11は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)またはSSD(Solid State Drive)等から構成されている。記憶部11には、制御部12により実行されるプログラムを含む各種プログラムが記憶されている。また、記憶部11には、各種情報をオーバーレイ表示可能な地図情報が記憶されている。地図情報には、地形、建造物等が表示される地図および余白箇所が含まれる。
【0035】
通信部13は、例えば、有線LAN(Local Area Network)モジュール、無線LANモジュール等であり、有線または無線通信を行うためのインターフェースを含む。すなわち、通信部13は、通信ネットワークを介して他の装置と通信を行うように構成された通信インターフェースから構成されている。また、通信部13は、出力された情報を表示端末40に表示させるよう、表示端末40に表示指示信号を送信する。なお、表示端末40は、受信した表示指示信号を表示する表示部41を備える。
【0036】
次に、システム1の処理の情報処理の流れについて説明する。なお、以下に示すシステム1の動作は、コンピュータ10において制御部12が記憶部11に記憶されているプログラムを実行することによって行われる。
【0037】
記憶手段121は、第1記憶部20に求職者の識別情報および位置情報を関連付けて記憶させる。また、記憶手段121は、第2記憶部30に雇用者の識別情報および位置情報を関連付けて記憶させる。
【0038】
図3に示すように、雇用者は、所定エリアを設定するとともに、所定エリアにおける求職者の登録状況の確認に関する指示信号をシステム1に入力する(ステップS10)。
【0039】
所定エリアにおける求職者の登録状況の確認に関する指示信号がシステム1に入力されると、受付手段122は、所定エリアにおける求職者の登録状況の確認に関する指示を受け付ける。受け付けられた求職者の登録状況の確認に関する指示は第1記憶部20に送られ、求職者の登録情報が第1記憶部20からコンピュータ10に送られる状態に移行する。また、受付手段122は、雇用者の識別情報および位置情報の確認に関する指示を受け付け、第2記憶部30に送る。これにより、雇用者の識別情報および位置情報の情報が第2記憶部30からコンピュータ10に送られる状態に移行する(ステップS20)。
【0040】
次に、情報取得手段123は、第1記憶部20から求職者の登録情報および第2記憶部30から雇用者の識別情報および位置情報を、それぞれコンピュータ10に送る(ステップS30)。コンピュータ10に送られた各情報は、コンピュータ10の記憶部11に保存される。
【0041】
その後、出力手段124は、記憶部11に記憶されている求職者の登録情報に基づいて、所定エリアにおける求職者の登録状況に関する情報を出力する(ステップS40)。雇用者は、求職者の各種情報を知ることができる。
【0042】
以上のような構成からなる本実施の形態のシステム1によれば、システム1は、登録されている求職者の識別情報および位置情報を関連付けて記憶する記憶部11と、所定エリアにおける求職者の登録状況の確認に関する指示を受け付けたときに、記憶部11に記憶されている求職者の位置情報に基づいて、所定エリアにおける求職者の登録状況に関する情報を出力する制御部12と、を備える。より詳細に説明すると、昨今の労働環境の変化により、半日や1日などの短期かつ単発のアルバイト等の日雇い労働が増加傾向にあるが、求職者および雇用者をマッチングさせるシステムを雇用者が活用するにあたり、雇用可能な求職者の登録状況を知りたいというニーズがあった。そこで、上記の構成によれば、求職者の識別情報および位置情報を記憶部11に記憶させておき、所定のエリアにおける求職者の登録状況の確認に関する指示を受け付けたときに記憶部11に記憶されている情報に基づいて所定のエリアにおける求職者の登録状況に関する情報を出力することができる。
【0043】
また、本実施の形態に係るシステム1においては、上述したように、所定エリアは、所定の位置から所定の距離の範囲内のエリア、所定の位置から所定の移動時間で移動可能な範囲内のエリアまたは所定の行政区画を含むようになっていてもよい。この場合、所定エリアの範囲を明確にすることができる。
【0044】
また、本実施の形態に係るシステム1においては、上述したように、制御部12は、出力された情報を端末に表示させるよう当該端末に表示指示信号を送信するようになっていてもよい。この場合、雇用者の端末に所定エリアにおける求職者の登録状況に関する情報を表示させることができる。
【0045】
また、本実施の形態に係るシステム1においては、上述したように、システム1は、制御部12により出力された情報を表示する表示部41を更に備えていてもよい。この場合、システム1の表示部41に、所定エリアにおける求職者の登録状況に関する情報を表示させることができる。
【0046】
なお、本開示に係るシステム1、コンピュータ10、プログラムおよび情報処理方法は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
【0047】
本実施の形態に係るシステム1において、第1記憶部20および第2記憶部30はコンピュータ10とは異なる装置として説明してきたが、本実施の形態における効果を奏するのであれば、これに限定されない。例えば、コンピュータ10に、第1記憶部20および/または第2記憶部30を包含させる形態であってもよい。この場合、制御部12は、記憶部11に記憶されているプログラムを実行することにより、記憶手段121、受付手段122および出力手段124として機能する。記憶手段121は、登録されている求職者の識別情報および位置情報を関連付けて記憶部11に予め記憶させる。受付手段122は、所定エリアにおける求職者の登録状況の確認に関する指示を受け付ける。出力手段124は、記憶部11に記憶されている求職者の位置情報に基づいて、所定エリアにおける求職者の登録状況に関する情報を出力する。このような場合、システム1に第1記憶部20および/または第2記憶部30を備えさせることなく、コンピュータ10の記憶部11に第1記憶部20および/または第2記憶部30の機能を付与してもよい。
【0048】
また、本実施の形態に係るシステム1においては、雇用者の識別情報および位置情報を第2記憶部30に記憶させる形態を例示して説明したが、これに限定されない。例えば、記憶手段121は、雇用主が求職者に保有しておいてもらいたい技能(例えば、コンビニでの勤務経験、接客経験、ドリンカー経験、キッチン業務経験、レジ作業経験)に関する情報を、更にコンピュータ10の記憶部11、第1記憶部20および第2記憶部30の少なくとも1つに記憶させていてもよい。この場合には、出力手段124は、所定エリアにおける所定の技能を有する求職者の登録状況の確認に関する指示を受け付けたときに、雇用者の所望するエリアにおけるエリア表記の範囲内における求職者の位置情報に基づいて、該当技能を保有する求職者の人数をカウントし、カウントした数値および/またはカウントした数値を表す濃淡等の表記を地図情報に表示させることができる。また、対象エリアにおける平均給与額も地図上に表示させることもできる。
【0049】
また、コンピュータ10の記憶部11、第1記憶部20および第2記憶部30の少なくとも1つには、所定エリアにおける求職者と雇用者との過去のマッチングに関する情報が記憶されていてもよい。ここで、過去のマッチングに関する情報とは、対象エリアに含まれる全雇用者または各雇用者が出した全求人または各求人(求職者の募集を行ったときの募集人数)への応募者に対する、対象エリアに含まれる全雇用者または各雇用者が契約した全求人または各求人への応募者の数(応募人数)もしくは応募者の割合または稼働者の人数(稼働人数)もしくは稼働者の割合(マッチング率)をいう。この場合、出力手段124は、所定エリアにおける求職者の登録状況の確認に関する指示を受け付けたときに、雇用者の識別情報および位置情報に基づいて、記憶部11に記憶されている地図情報に、記憶部11、第1記憶部20および第2記憶部30の少なくとも1つに記憶されている求職者と雇用者との過去のマッチングに関する情報を出力し、表示させることができる。
【0050】
また、コンピュータ10の記憶部11、第1記憶部20および第2記憶部30の少なくとも1つには、所定エリアにおける雇用主が求職者に保有しておいてもらいたい技能を有する求職者と該当技能を有する求職者を求める雇用者との過去のマッチングに関する情報が記憶されていてもよい。この場合、出力手段124は、所定エリアにおける求職者の登録状況の確認に関する指示を受け付けたときに、記憶部11、第1記憶部20および第2記憶部30の少なくとも1つに記憶されている求職者と雇用者とのマッチングに関する情報に基づいて、所定エリアにおける所定の技能を有する求職者と該当技能を有する求職者を求める雇用者との過去のマッチングに関する情報を地図情報に出力してもよい。これにより、所定エリアにおける所定の技能を有する求職者と雇用者とのマッチングに関する情報を出力することができる。
【0051】
また、コンピュータ10の記憶部11、第1記憶部20および第2記憶部30の少なくとも1つには、登録されている求職者の過去のマッチング履歴に関する情報が求職者の識別情報に紐付けられて記憶されていてもよい。ここで、過去のマッチング履歴に関する情報とは、対象エリアに含まれる全雇用者または各雇用者が出した全求人または各求人への各応募者における、該当する求人との契約に至ったかの有無情報、該当する求人との契約数、該当する求人との非契約数、契約率をいう。この場合、出力手段124は、所定エリアにおける求職者の登録状況の確認に関する指示を受け付けたときに、求職者の位置情報および過去のマッチング履歴に関する情報に基づいて、所定エリアにおける過去のマッチング履歴が所定の条件を満たす求職者の登録状況に関する情報を地図情報に出力してもよい。ここで、所定の条件とは、雇用者の希望により適宜設定可能な条件であり、例えば、登録されている求職者の過去のマッチング履歴に関する情報において、該当する求人との契約に至ったかの有無情報、該当する求人との契約数、該当する求人との非契約数および契約率のうち少なくとも1つの最低値(閾値)を意味する。
【0052】
また、出力手段124は、雇用者の所望するエリアにおけるエリア表記の範囲内における求職者の位置情報に基づいて、求職者の人数をカウントし、カウントした数値、外部事業者により各種認定された求職者の人数、認定率を地図情報に表示させることができる。
【0053】
また、本実施の形態に係るシステム1においては、雇用者の所望するエリアを、エリア表記としてオーバーレイ表示し、エリア表記の中心は、雇用者の位置情報に一致する形態を例示して説明したが、本実施の形態における効果を奏するのであれば、これに限定されない。例えば、エリア表記の範囲内において、雇用者の位置情報はエリア表記の中心になくてもよく、エリア表記の範囲外であってもよい。このような場合、雇用者の位置情報に、地形、季節等を考慮して、より柔軟に求職者を探索することが可能になる。
【0054】
また、本実施の形態に係るシステム1においては、出力手段124により地図情報に表示される雇用者の所望するエリア表記は、雇用者の希望に応じて、リアルタイムで変更することができる。
【0055】
また、本実施の形態に係るシステム1においては、出力手段124は求職者をカウンティングし、カウンティングに基づく数値を地図情報に表示させる形態を例示して説明したが、これに限定されるものではない。例えば、まず、出力手段124は、所定エリアにおける求職者の登録状況に関する情報を出力するにあたり、求職者の登録情報に優先度を付してもよい。この場合、出力手段124は、雇用者の希望に応じて、雇用者が優先する属性に差異を設け、雇用者の業務および求職者の属性情報の関連度合いに基づくマッチングを行うために、求職者の属性情報に含まれる各種情報ごとに重み付け係数を割り振っておく。そして、出力手段124は、重み付け係数の合算値または最大値が予め設定した閾値以上または閾値を超えている求職者の人数をカウントする。そして、出力手段124は、カウントした数値を地図情報に表示させる。
【符号の説明】
【0056】
1 :システム
10 :コンピュータ
11 :記憶部
12 :制御部
13 :通信部
20 :第1記憶部
30 :第2記憶部
40 :表示端末
41 :表示部
121 :記憶手段
122 :受付手段
123 :情報取得手段
124 :出力手段
【要約】
【課題】雇用者が雇用可能な求職者の登録状況を知ることができるシステム、コンピュータ、プログラムおよび情報処理方法を提供する。
【解決手段】システム1は、登録されている求職者の識別情報および位置情報を関連付けて記憶する記憶部11と、所定エリアにおける求職者の登録状況の確認に関する指示を受け付けたときに、記憶部11に記憶されている求職者の位置情報に基づいて、所定エリアにおける求職者の登録状況に関する情報を出力する制御部12と、を備える。
【選択図】
図1