(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】ハンドル
(51)【国際特許分類】
H01M 50/256 20210101AFI20241203BHJP
B25F 5/00 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
H01M50/256 101
B25F5/00 H
(21)【出願番号】P 2023516138
(86)(22)【出願日】2021-09-13
(86)【国際出願番号】 US2021050036
(87)【国際公開番号】W WO2022056364
(87)【国際公開日】2022-03-17
【審査請求日】2023-04-19
(32)【優先日】2020-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598073073
【氏名又は名称】ミルウォーキー エレクトリック ツール コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】シルハ、ワイアット、アール.
(72)【発明者】
【氏名】メイヤー、ザカリー
(72)【発明者】
【氏名】マルクス、ジョン ジー.
【審査官】守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-107438(JP,A)
【文献】特表2017-517318(JP,A)
【文献】登録実用新案第3220693(JP,U)
【文献】特開2007-296241(JP,A)
【文献】実公昭40-006547(JP,Y1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0183221(US,A1)
【文献】特開平10-040895(JP,A)
【文献】特表2018-531710(JP,A)
【文献】特開2017-167780(JP,A)
【文献】特開2019-068552(JP,A)
【文献】特表2022-551059(JP,A)
【文献】特表2022-536483(JP,A)
【文献】特表2023-526198(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/256
B25F 5/00
H02J 7/00
B62J 9/00
A45C 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置された少なくとも1つのバッテリーセルと、
前記ハウジングに結合されたハンドルアセンブリ
と、を含み、前記ハンドルアセンブリは、
第1のスロットを含む第1のハンドルキャッチと、
第1の端部と第2の端部とを有する長尺状の可撓性部材であって、前記長尺状の可撓性部材は
、前記第1のハンドルキャッチに結合されており、前記第1のハンドルキャッチは
、前記第2の端部よりも前記第1の端部の近くに配置されている、長尺状の可撓性部材と、
前記第1の端部よりも前記第2の端部の近くで前記長尺状の可撓性部材に結合され
、第2のスロットを含む、第2のハンドルキャッチと、
前記第1のハンドルキャッチ、前記長尺状の可撓性部材、及び前記第2のハンドルキャッチのそれぞれの少なくとも一部分の上に配置された
、グリップ層と
、
前記ハウジングに直接結合され、締結具を受け入れる通路を有する第1の柱を含む、第1のハンドルマウントであって、前記第1のスロットは、前記第1の柱を受け入れ、前記第1のハンドルキャッチは、第1のハンドルマウントに対して摺動可能である、第1のハンドルマウントと、
前記ハウジングに直接結合され、締結具を受け入れる通路を有する第2の柱を含む、第2のハンドルマウントであって、前記第2のスロットは、前記第2の柱を受け入れ、前記第2のハンドルキャッチは、第2のハンドルマウントに対して摺動可能である、第2のハンドルマウントと、を含む、
バッテリーパック。
【請求項2】
前記グリップ層は
、前記長尺状の可撓性部材の大部分を覆っている、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項3】
前記長尺状の可撓性部材は
、前記グリップ層内にインサート成形されている、請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項4】
前記ハンドルアセンブリは、前記第1のハンドルキャッチを前記長尺状の可撓性部材に結合する第1の締結具と、前記第2のハンドルキャッチを前記長尺状の部材に結合する第2の締結具とを更に含み、
前記グリップ層は、前記第1の締結具及び前記第2の締結具のそれぞれの少なくとも一部分の上に配置されている、
請求項2に記載のバッテリー
パック。
【請求項5】
前記第1の締結具及び前記第2の締結具のそれぞれは
、リベットである、請求項4に記載のバッテリーパック。
【請求項6】
各ハンドルキャッチは、前記ハンドルキャッチの残り部分に対して角度をなした遠位端を有する、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項7】
前記遠位端は
、前記ハンドルキャッチの前記残り部分に対して鈍角をなしている、請求項
6に記載のバッテリーパック。
【請求項8】
前記長尺状の可撓性部材は
、ばね鋼のストリップを含む、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項9】
ハウジングと、
前記ハウジングの表面に画定される凹部と、
前記ハウジングを貫通している長手方向軸線と、
前記ハウジングに結合された可動ハンドルアセンブリ
と、を含み、前記可動ハンドルアセンブリは、
前記凹部の少なくとも一部分に掛け渡された長尺状の可撓性部材
であって、前記可動ハンドルアセンブリは
、格納位置から伸張位置に移行し、前記伸張位置は、前記格納位置に比べて前記ハウジングからより遠くに配置され
る、長尺状の可撓性部
材と、
前記凹部の2つの反対の側のそれぞれで前記ハウジングに直接結合されるハンドルマウントであって、各ハンドルマウントは、クロージャスペースを画定し、前記クロージャスペース内に延びる柱を有し、各柱は、各柱を通じる通路を有する、ハンドルマウントと、を含み、
前記長手方向軸線を含む平面
が、前記可動ハンドルアセンブリ及び前記凹部を二分している、
バッテリーパック。
【請求項10】
前記可動ハンドルアセンブリは、各ハンドルマウントの近傍で前記長尺状の可撓性部材に結合されるキャッチを含み、
各マウントの前記クロージャスペースは、前記キャッチを受け入れるように構成されている、
請求項
9に記載のバッテリーパック。
【請求項11】
各ハンドルマウントは、2つの切欠部と前記2つの切欠部の間に画定される中央部とを有する壁を含み、前記中央部は
、前記キャッチのスロット内に配置される、請求項
10に記載のバッテリーパック。
【請求項12】
前記中央部及び前記スロットは
、断面が矩形である、請求項
11に記載のバッテリーパック。
【請求項13】
前記長尺状の可撓性部材は、前記バッテリーパックの幅の大部分にわたって延びる、請求項
9に記載のバッテリーパック。
【請求項14】
前記表面は
、前記ハウジングの高さ方向に対して角度をなし、前記高さ方向は
、前記長手方向軸線に垂直に方向付けられている、請求項
9に記載のバッテリーパック。
【請求項15】
前記
可動ハンドル
アセンブリは
、前記格納位置に向けて付勢されている、請求項
9に記載のバッテリーパック。
【請求項16】
ハウジングと、
前記ハウジングの表面に画定される凹部と、
前記ハウジングを貫通している長手方向軸線と、
前記ハウジング内に配置された少なくとも1つのバッテリーセルと、
前記ハウジングに結合されたハンドルアセンブリ
と、を含み、前記ハンドルアセンブリは、
第1のスロットを有する第1のハンドルキャッチと、
前記凹部の少なくとも一部分に掛け渡さ
れ、第1の端部と第2の端部とを有する
、長尺状の可撓性部材であって、
長尺状の可撓性部材は
、前記第1のハンドルキャッチに結合されており、前記第1のハンドルキャッチは
、前記第2の端部よりも前記第1の端部の近くに配置されている、長尺状の可撓性部材と、
前記第1の端部よりも前記第2の端部の近くで前記長尺状の可撓性部材に結合され
、第2のスロットを有する、第2のハンドルキャッチと、
前記第1のハンドルキャッチ、前記長尺状の可撓性部材、及び前記第2のハンドルキャッチのそれぞれの少なくとも一部分の上に配置された
、グリップ層と、
前記凹部の第1の側で前記ハウジングに直接結合され、締結具を受け入れる通路を有する第1の柱を含む、第1のハンドルマウントであって、前記第1のスロットは、前記第1の柱を受け入れ、前記第1のハンドルキャッチは、第1のハンドルマウントに対して摺動可能である、第1のハンドルマウントと、
前記凹部の第2の側で前記ハウジングに直接結合され、締結具を受け入れる通路を有する第2の柱を含む、第2のハンドルマウントであって、前記第2のスロットは、前記第2の柱を受け入れ、前記第2のハンドルキャッチは、第2のハンドルマウントに対して摺動可能である、第2のハンドルマウントと、を含み、
前記ハンドルアセンブリは
、格納位置から伸張位置に移行可能であり、前記伸張位置は、前記格納位置に比べて前記ハウジングからより遠くに配置された前記長尺状の可撓性部材を
含み、
前記長手方向軸線を含む平面は
、前
記ハンドルアセンブリ及び前記凹部を二分している、
バッテリーパック。
【請求項17】
前記ハウジングは、パワーツールと係合するように構成されるマウント突起を含み、前記ハンドルアセンブリは、前記マウント突起とは反対の前記ハウジングの側で前記ハウジングに結合されている、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項18】
前記ハウジングは、パワーツールと係合するように構成されるマウント突起を含み、前記可動ハンドルアセンブリは、前記マウント突起とは反対の前記長手方向軸線の側で前記ハウジングに結合され、前記平面は、前記マウント突起を二分している、請求項9に記載のバッテリーパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年9月14日に出願された米国仮特許出願第63/078,231号明細書の利益を主張するものであり、同仮出願の内容全体を参照によって本願に援用する。
【背景技術】
【0002】
本開示は、ハンドルに関し、特に、バッテリーパックのハンドルに関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、一態様においては、バッテリーパックを提供する。バッテリーパックは、ハウジングと、少なくとも1つのバッテリーセルと、ハンドルアセンブリとを含む。バッテリーセルはハウジング内に配置されている。ハンドルアセンブリはハウジングに結合されている。ハンドルアセンブリは、第1のハンドルキャッチと、長尺状の可撓性部材と、第2のハンドルキャッチと、グリップ層とを含む。長尺状の可撓性部材は第1の端部と第2の端部とを有する。長尺状の可撓性部材は第1のハンドルキャッチに結合されている。第1のハンドルキャッチは、第2の端部よりも第1の端部の近くに配置されている。第2のハンドルキャッチは、第1の端部よりも第2の端部の近くで長尺状の可撓性部材に結合されている。グリップ層は、第1のハンドルキャッチ、長尺状の可撓性部材、及び第2のハンドルキャッチのそれぞれの少なくとも一部分の上に配置されている。
【0004】
本開示は、別の態様においては、ハウジングと可動ハンドルアセンブリとを含むバッテリーパックを提供する。凹部がハウジングの表面に画定される。長手方向軸線がハウジングを貫通している。可動ハンドルアセンブリはハウジングに結合されている。可動ハンドルアセンブリは長尺状の可撓性部材を含む。長尺状の可撓性部材は凹部の少なくとも一部分に掛け渡されている。可動ハンドルアセンブリは格納位置から伸張位置に移行する。伸張位置は、格納位置に比べてハウジングからより遠くに配置された長尺状の可撓性部材を含む。長手方向軸線を含む平面が可動ハンドルアセンブリ及び凹部を二分している。
【0005】
本開示は、更に別の態様においては、ハウジングと、少なくとも1つのバッテリーセルと、ハンドルアセンブリとを含むバッテリーパックを提供する。凹部がハウジングの表面に画定される。長手方向軸線がハウジングを貫通している。バッテリーセルはハウジング内に配置されている。ハンドルアセンブリはハウジングに結合されている。ハンドルアセンブリは、第1のハンドルキャッチと、長尺状の可撓性部材と、第2のハンドルキャッチと、グリップ層とを含む。長尺状の可撓性部材は凹部の少なくとも一部分に掛け渡されている。長尺状の可撓性部材は、第1の端部と第2の端部とを有する。長尺状の可撓性部材は第1のハンドルキャッチに結合されている。第1のハンドルキャッチは、第2の端部よりも第1の端部の近くに配置されている。第2のハンドルキャッチは、第1の端部よりも第2の端部の近くで長尺状の可撓性部材に結合されている。グリップ層は、第1のハンドルキャッチ、長尺状の可撓性部材、及び第2のハンドルキャッチのそれぞれの少なくとも一部分の上に配置されている。ハンドルアセンブリは格納位置から伸張位置に移行する。伸張位置は、格納位置に比べてハウジングからより遠くに配置された長尺状の可撓性部材を含む。長手方向軸線を含む平面が可動ハンドルアセンブリ及び凹部を二分している。
【0006】
本発明の他の特徴及び態様は、以下の詳細な説明及び添付の図面を検討すれば明らかになるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本明細書に開示される実施形態によるハンドルを有するバッテリーパックの詳細な上面斜視図である。
【
図2】ハンドルが伸張位置にある
図1のバッテリーパックの詳細な上面斜視図である。
【
図3】
図1のバッテリーパックのハンドルの斜視図である。
【
図7】グリップのない
図3のハンドルの上面斜視図である。
【
図8】
図1のバッテリーパックのハンドルマウントの上面斜視図である。
【
図9】
図8のハンドルマウントの底面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示のいずれの実施形態を詳細に説明する前に、本開示は、以下の記述で説明される、又は以下の図面に図示されている構造の細部及び構成要素の配置の用途に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々なやり方で実践又は実行することが可能である。また、本明細書において使用される語法及び専門用語は、説明を目的としたものであり、限定するものとみなすべきではないことを理解されたい。
【0009】
図1及び
図2を参照すると、バッテリーパック4が示されている。バッテリーパック4はハウジング8を含み、ハウジング8は、その表面10に画定される凹部6を有する。少なくとも1つのバッテリーセル11がハウジング8内に収容されている。ハウジング8に結合されているのはハンドルアセンブリ12であり、ハンドルアセンブリ12は、格納位置(
図1)と、ハンドルアセンブリ12の一部分が格納位置に比べてハウジング8からより遠くに配置される伸張位置(
図2)との間で移行するように構成されている。図示実施形態では、格納位置は、ハウジング8に対して比較的平らに置かれたハンドルアセンブリ12を含み、伸張位置は、ハウジング8に対して外向きに湾曲したハンドルアセンブリ12を含む。ハンドルアセンブリ12は、凹部6の反対の側に配置された第1及び第2のハンドルマウント16、20(
図8~
図10に詳細に示される)を介してハウジング8に結合されている。第1のハンドルマウント16及び第2のハンドルマウント20のそれぞれは、ハンドルアセンブリ12がハンドルマウント16、20に対して格納位置と伸張位置との間で摺動可能であるように、ハンドルアセンブリ12の一部分を受け入れるように構成されている。
【0010】
図1及び
図2を引き続き参照すると、ハウジング8は実質的に矩形の形状であり、その幅方向に広がる表面10上に画定される凹部6を含む。ハウジング8の長手方向軸線A1含む平面P1が凹部6及びハンドルアセンブリ12を二分している。更に、表面10は、ハウジング8の高さ方向に対して角度をなしている。ユーザがハンドルアセンブリ12を握るための容易なアクセスを凹部6が提供するように、ハンドルアセンブリ12は凹部6に掛け渡されている。いくつかの実施形態では、ハンドルアセンブリ12はハウジング8の幅の大部分に掛け渡されている。
【0011】
ここで、
図3~
図7を参照してハンドルアセンブリ12の詳細を述べる。ハンドルアセンブリ12は、少なくとも第1のハンドルキャッチ24と、長尺状の可撓性部材28と、第2のハンドルキャッチ32と、第1の締結具36と、第2の締結具40と、グリップ層44とを含む。
図5に最も良く示されるように、長尺状の可撓性部材28は比較的に弓状であり、第1の端部48及び第2の端部52を含む。第1のハンドルキャッチ24は第1の端部48の近くで長尺状の可撓性部材28に結合されており、第2のハンドルキャッチ32は第2の端部52の近くで長尺状の可撓性部材28に結合されている。換言すると、第1のハンドルキャッチ24は第2の端部52よりも第1の端部48の近くに配置されており、第2のハンドルキャッチ32は第1の端部48よりも第2の端部52の近くに配置されている。第1の締結具36は第1のハンドルキャッチ24を第1の端部48に結合し、第2の締結具40は第2のハンドルキャッチ32を第2の端部52に結合している。図示実施形態では、第1の締結具36及び第2の締結具40のそれぞれはリベットである。しかしながら、他の実施形態では、第1及び第2のハンドルキャッチ24、32は、例えば溶接、接着剤、ねじ、ボルトなどの他の手法で長尺状の可撓性部材28に結合されてもよい。
【0012】
図3及び
図5に最も良く示されるように、グリップ層44はハンドルアセンブリ12に含まれ、長尺状の可撓性部材28の大部分を、場合によっては全体を覆っている。グリップ層44は、ポリマーなどの、ハンドルアセンブリ12の残り部分と比べて弾力性のある、柔軟な、又は比較的柔らかい材料で作られていてもよい。グリップ層44は、追加の快適性及び/又は人間工学的利点をユーザに提供することを目的とする。図示実施形態では、グリップ層44は長尺状の可撓性部材28の全体を取り囲む。
図5を参照すると、グリップ層44は、第1のハンドルキャッチ24、第1の締結具36、第2のハンドルキャッチ32、及び第2の締結具40のそれぞれにも配置されている。図示実施形態では、グリップ層44は第1及び第2の締結具36、40を覆っている一方で、第1及び第2のハンドルキャッチ24、32の一部分のみに配置されている。長尺状の可撓性部材28などのハンドルアセンブリ12の一部分は、グリップ層44をハンドルアセンブリ12に適用するためにグリップ層44内にインサート成形されている。他の実施形態では、グリップ層44は、ハンドルアセンブリ12と別々に形成され、組み立て時にハンドルアセンブリ12に結合される複数部品クラムシェル構造であってもよい。
【0013】
ここで
図3、
図6、及び
図7を参照すると、第1のハンドルキャッチ24及び第2のハンドルキャッチ32のそれぞれは実質的に矩形の形状であり、キャッチ24、32の長手方向軸線に沿って方向付けられた長尺状のスロット56を含む。更に、各ハンドルキャッチ24、32は、対応する締結具36、40がその近くに適用される近位端と、近位端の反対側の遠位端とを含む。ハンドルキャッチ24、32の一部分の上に配置されているグリップ層44の場合、グリップ層44は近位端の少なくとも一部を覆っている。各遠位端は、ハンドルキャッチ24、32の残り部分に対して角度をなして曲げられている。角度をなした遠位端は、伸張位置にあるときのハンドルアセンブリ12の静止時の向きを提供することができる。いくつかの実施形態では、この特徴により、ハンドルが伸張位置に定まり、そこにとどまることを促す。図示実施形態では、遠位端のそれぞれは、ハンドルキャッチ24、32の残り部分に対して鈍角をなして曲げられている。ハンドルキャッチ24、32は、例えば硬化鋼を含む1種以上の金属で作られていてもよい。
【0014】
ここで
図5~
図7を参照すると、長尺状の可撓性部材28は比較的に弓状又は円弧状であり、ばね鋼のストラップを含み得る。ばね鋼は緩和状態のときには円弧状であり、ユーザに係合されたときにハンドルが伸張状態になることが可能となるように変形可能である。ばね鋼の円弧は、格納/緩和状態よりも伸張状態においてより小さい半径を有する。ばね鋼は、長尺状の可撓性部材28を緩和状態に対応する格納位置に向けて付勢する。
【0015】
ここで、
図8~
図10を参照してハンドルマウント16、20の詳細を述べる。ハンドルマウント16、20のそれぞれは、囲まれた空間64を画定する外側本体60を含む。外側本体60から延びるのは、その内部に通路72を有する柱68である。通路72は、ハンドルマウント16、20をハウジング8に選択的に固定するための締結具を受け入れるように構成されている。各柱68は、ハンドルキャッチ24、32の各々の長尺状のスロット56内に受け入れられるような大きさに作られている。図示実施形態では柱68は円筒状であるが、本明細書では他の幾何学的形状も企図される。ハンドルマウント16、20の側面に配置されているのは2つの矩形切欠部76である。2つの矩形切欠部76の間に配置されたマウントの表面は、大きさ及び形状が長尺状のスロット56に対応する。このようにして、ハンドルキャッチ24、32は、長尺状のスロット56によりハンドルマウント16、20に対して摺動することはできるが、回転することは阻止される。マウント16、20は、金属、ポリマー、又は他の材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、柱68は、マウント16、20の残り部分と異なる、それよりも比較的硬質な材料で形成されてもよい。
【0016】
バッテリーパック4を操作する際のハンドルの使用中に、ユーザは、ハンドルアセンブリ12を適切に握るために、ハンドルアセンブリ12をバッテリーパック4から遠ざかる方に(例えば、伸張位置へと)引くことができる。ハンドルアセンブリ12をバッテリーパック4から遠ざかる方に引く際に、各マウント16、20、したがって各柱68は、対応するハンドルキャッチ24、32が柱68に対して摺動可能に移動する間に、ハウジング8に対して所定の位置にとどまっている。各ハンドルキャッチ24、32は、切欠部76によって回転を阻止される一方で、長尺状のスロット56によって、対応する柱68に対し自由に摺動可能に移動する。更に、ハンドルアセンブリ12をバッテリーパック4から遠ざかる方に引くと、長尺状の可撓性部材28はより小さい半径の円弧形状に曲がることができる。
【0017】
ユーザがハンドルの利用を終了すると、ユーザはハンドルアセンブリ12を押してそれを格納位置(
図1)に戻すことができる。いくつかの実施形態では、格納位置への復帰は、緩和した形状に戻る長尺状の可撓性部材28のばね鋼によって支援される。いくつかの実施形態では、ユーザはハンドルアセンブリ12を格納位置に戻すためにハンドルアセンブリ12を押す必要は全くない。他の実施形態では、各ハンドルキャッチ24、32は、ハンドルキャッチ24、32を互いに引き離してハンドルアセンブリ12を格納位置に戻す付勢によって、対応する各ハンドルマウント16、20内に取り付けることができる。
【0018】
本開示を、特定の好適な実施形態を参照して詳細に述べてきたが、記載されている本開示の1つ以上の独立した態様の範囲及び主旨内に変形形態及び修正形態が存在する。
【0019】
本開示の様々な特徴及び利点は、以下の特許請求の範囲に提示する。