(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】計量チャンバー及び液体処理装置
(51)【国際特許分類】
A61M 1/16 20060101AFI20241203BHJP
【FI】
A61M1/16 111
(21)【出願番号】P 2020212232
(22)【出願日】2020-12-22
【審査請求日】2023-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】507365204
【氏名又は名称】旭化成メディカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 英夫
【審査官】小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-524557(JP,A)
【文献】特開2015-128644(JP,A)
【文献】特開2015-181757(JP,A)
【文献】特開2020-054793(JP,A)
【文献】特開2010-148800(JP,A)
【文献】米国特許第04994026(US,A)
【文献】欧州特許出願公開第00890368(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/16
A61M 1/36
A61M 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体処理装置の液体流路に接続され、当該液体流路を流れる液体を計量するための計量チャンバーであって、
液体を流す内部流路と、前記内部流路に連通し液体を貯留する貯留部とを有するチャンバー本体と、
前記チャンバー本体の前面及び後面を覆い、前記チャンバー本体を保護する保護カバーと、を備え、
前記保護カバーは、当該計量チャンバーを前記液体処理装置の装置本体部に設置するための設置部を備えている、計量チャンバー。
【請求項2】
前記保護カバーは、
前記チャンバー本体の前面側に位置する前面カバーと、
前記チャンバー本体の後面側に位置する後面カバーと、
前記前面カバーと前記後面カバーを係合する係合機構と、を有する、請求項1に記載の計量チャンバー。
【請求項3】
前記係合機構は、
前記前面カバー又は前記後面カバーのうちの一方に設けられた係止部と、
前記前面カバー又は前記後面カバーのうちの前記係止部と異なる他方に設けられた被係止部と、
前記係止部が前記被係止部から外れることを規制する規制部と、を有する、請求項2に記載の計量チャンバー。
【請求項4】
前記チャンバー本体は、複数の貯留部が並べて配置された、方形状の方形部を有し、
前記係合機構は、前記方形部の四隅付近にそれぞれ設けられている、請求項2又は3に記載の計量チャンバー。
【請求項5】
前記保護カバーと前記チャンバー本体とを位置決めする位置決め機構をさらに備えた、請求項1~4のいずれかに記載の計量チャンバー。
【請求項6】
前記位置決め機構は、前記保護カバー又は前記チャンバー本体のうちの一方に設けられた凸部と、前記保護カバー又は前記チャンバー本体のうちの前記凸部と異なる他方に設けられた凹部を有し、前記凸部と前記凹部が嵌合することで前記保護カバーと前記チャンバー本体とを位置決めする、請求項5に記載の計量チャンバー。
【請求項7】
前記保護カバーは、前記チャンバー本体の一部を前面側と後面側から挟んで前記チャンバー本体の撓みを矯正する矯正部を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の計量チャンバー。
【請求項8】
前記保護カバーは、液体処理装置の装置本体部に近接する部分に平坦面を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の計量チャンバー。
【請求項9】
前記保護カバーは、前記チャンバー本体の貯留部が外部から目視できるように構成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の計量チャンバー。
【請求項10】
前記チャンバー本体は、塩化ビニルにより構成されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の計量チャンバー。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の計量チャンバーと、
前記計量チャンバーが設置される装置本体部と、を有する、液体処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計量チャンバー及び液体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば透析療法や血漿交換療法などの体外循環療法は、例えば血液浄化装置を用いて行われている。この血液浄化装置は、例えば患者の血液を血液浄化器に供給して浄化し患者に戻す血液回路と、血液浄化器に透析液を給排する透析液回路と、血液に補液を補充する補液回路等を有している(特許文献1参照)。血液浄化装置は、例えば患者の除水量を制御するために、血液浄化器に供給される透析液の供給量と、血液浄化器から廃液される透析液の廃液量と、血液回路に供給される補液の量の合計を計量する計量チャンバーを備えている(特許文献1参照)。
【0003】
上述の計量チャンバーは、各液体を貯留する貯留部と、各貯留部に液体を出し入れする内部流路を備えている(特許文献1、2参照)。また、計量チャンバーは、補液を体温まで加温する加温パネルやその加温パネルを保持するフレームと一体となって流路保持装置を構成している(特許文献3参照)。計量チャンバーは、使用時に血液浄化装置の装置本体の計量器に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5160455号公報
【文献】特開2015-181757号公報
【文献】特開2015-073847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような計量チャンバーは、例えば輸送時や滅菌処理時などに外力がかかったときに破損する恐れがある。特に、計量チャンバーは、接続されるチューブと同材質の塩化ビニルで構成されるのが好ましいが、この場合、計量チャンバーが、低温度で脆化しやすくなるため、低温時に外力がかかると破損しやすい。また、輸送時に計量チャンバーを保護するケースに入れると、血液浄化装置に取り付ける時に計量チャンバーをケースから取り出す必要があり、医療従事者の作業が増えて好ましくない。
【0006】
本出願はかかる点に鑑みてなされたものであり、輸送時などの破損を抑制しつつ、血液浄化装置などの液体処理装置に簡単に取り付けることができる計量チャンバー及び液体処理装置を提供することをその目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意検討した結果、計量チャンバーのチャンバー本体に保護カバーを設け、その保護カバーに、計量チャンバーを液体処理装置の装置本体部に設置するための設置部を設けることにより上記問題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は以下の態様を含む。
(1)液体処理装置の液体流路に接続され、当該液体流路を流れる液体を計量するための計量チャンバーであって、液体を流す内部流路と、前記内部流路に連通し液体を貯留する貯留部とを有するチャンバー本体と、前記チャンバー本体の前面及び後面を覆い、前記チャンバー本体を保護する保護カバーと、を備え、前記保護カバーは、当該計量チャンバーを前記液体処理装置の装置本体部に設置するための設置部を備えている、計量チャンバー。
(2)前記保護カバーは、前記チャンバー本体の前面側に位置する前面カバーと、前記チャンバー本体の後面側に位置する後面カバーと、前記前面カバーと前記後面カバーを係合する係合機構と、を有する、(1)に記載の計量チャンバー。
(3)前記係合機構は、前記前面カバー又は前記後面カバーのうちの一方に設けられた係止部と、前記前面カバー又は前記後面カバーのうちの前記係止部と異なる他方に設けられた被係止部と、前記係止部が前記被係止部から外れることを規制する規制部と、を有する、(2)に記載の計量チャンバー。
(4)前記チャンバー本体は、複数の貯留部が並べて配置された、方形状の方形部を有し、前記係合機構は、前記方形部の四隅付近にそれぞれ設けられている、(2)又は(3)に記載の計量チャンバー。
(5)前記保護カバーと前記チャンバー本体とを位置決めする位置決め機構をさらに備えた、(1)~(4)のいずれかに記載の計量チャンバー。
(6)前記位置決め機構は、前記保護カバー又は前記チャンバー本体のうちの一方に設けられた凸部と、前記保護カバー又は前記チャンバー本体のうちの前記凸部と異なる他方に設けられた凹部を有し、前記凸部と前記凹部が嵌合することで前記保護カバーと前記チャンバー本体とを位置決めする、(5)に記載の計量チャンバー。
(7)前記保護カバーは、前記チャンバー本体の一部を前面側と後面側から挟んで前記チャンバー本体の撓みを矯正する矯正部を有する、(1)~(6)のいずれか一項に記載の計量チャンバー。
(8)前記保護カバーは、液体処理装置の装置本体部に当接する部分に平坦面を有する、(1)~(7)のいずれか一項に記載の計量チャンバー。
(9)前記保護カバーは、前記チャンバー本体の貯留部が外部から目視できるように構成されている、(1)~(8)のいずれか一項に記載の計量チャンバー。
(10)前記チャンバー本体は、塩化ビニルにより構成されている、(1)~(9)のいずれか一項に記載の計量チャンバー。
(11)(1)~(10)のいずれか一項に記載の計量チャンバーと、前記計量チャンバーが設置される装置本体部と、を有する、液体処理装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、計量チャンバーの輸送時などの破損を抑制しつつ、計量チャンバーを液体処理装置に簡単に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図4】加温パネル及び押さえ部材が取り付けられた枠状フレームの正面図である。
【
図5】加温パネルが取り付けられた枠状フレームの正面図である。
【
図7】計量チャンバーを前面から見た斜視図である。
【
図8】計量チャンバーを後面から見た斜視図である。
【
図9】チャンバー本体を前面から見た斜視図である。
【
図11】後面カバーに本体チャンバーを取り付けた状態を前面から見た斜視図である。
【
図15】計量チャンバーのA-A断面の説明図である。
【
図16】計量チャンバーを計量器に取り付けた状態を示す説明図である。
【
図17】計量チャンバーを計量器に取り付けた状態を示す説明図である。
【
図18】計量チャンバーが装置本体部の壁面に近接した状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態の一例について説明する。なお、図面の上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。さらに、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。
【0012】
<血液浄化装置>
図1は、本実施の形態に係る計量チャンバーを備えた液体処理装置としての血液浄化装置1の構成の概略を示す説明図である。血液浄化装置1は、例えば装置本体部10と、操作パネル部11と、台車部12と、ポール部13と、液体回路14等を有している。
【0013】
装置本体部10は、血液処理を実行するために必要な各種機器、装置、部材が内蔵或いは取り付け可能に構成されている。例えば装置本体部10には、液体回路14の流路を開閉する各種クランプ群20と、液体回路14の液体を圧送するポンプ群21と、液体回路14の液体の圧力を検出する圧力センサ(図示せず)と、血液を浄化する後述の血液浄化器等が、内蔵或いは取り付け可能になっている。装置本体部10の側面には、扉30が設けられており、扉30を開けて露出した部分は、液体回路14の流路保持装置40を装着する装着部33になっている。装着部33には、平板状のヒータ31や計量器32が設けられている。
【0014】
流路保持装置40は、例えば加温パネル50と、枠状フレーム51と、押さえ部材52と、計量チャンバー53及びチューブ54を備えている。流路保持装置40を装着部33に装着し、ヒータ31から加温パネル50に給熱することで、加温パネル50を流れる液体を加温することができ、また計量器32により計量チャンバー53の重量を計測することができる。
【0015】
計量器32は、
図2に示すように計量チャンバー53の後述の突起部520を引っ掛けて支持する支持部60を有している。支持部60は、計量器32の左右の2か所に設けられている。計量器32は、支持部60に支持された計量チャンバー53の重量を計測するように構成されている。また、計量器32が固定されている壁面61には、計量チャンバー53の後述の貯留部の液量を検出するための液体検出センサ62が設けられている。液体検出センサ62は、例えば静電容量型センサーであり、液体が電界に進入した際の静電容量の変化により、液体の有無を検出することができる。
【0016】
図1に示す操作パネル部11は、例えばタッチパネルになっており、血液処理の各種設定を入力したり、血液処理の運転状態を表示できるようになっている。ポール部13には、血液処理で用いられる後述の透析液バッグや補液バッグ等の液体バッグを吊下げることができる。
【0017】
<液体回路>
図3は、透析療法を行うための液体回路14の構成の一例を示す説明図である。なお、
図3は、液体回路14の流路を説明するため、計量チャンバー53の保護カバーが省略されている。例えば液体回路14は、血液浄化器70と、血液回路71と、透析液供給ライン72、廃液ライン73及び補液ライン74等を有している。液体回路14は、血液浄化装置1の装置本体部10に着脱自在である。
【0018】
血液浄化器70は、例えば浄化膜としての中空糸膜を有する円筒状の膜モジュールであり、血液から不要成分を分離できる。
【0019】
血液回路71は、例えば採血部80と血液浄化器70とを接続する採血ライン90と、血液浄化器70と返血部81とを接続する返血ライン91を備えている。採血ライン90と返血ライン91は、主に軟質チューブにより構成されている。採血ライン90は、血液浄化器70の入口に接続され、返血ライン91は、血液浄化器70の出口に接続されている。
【0020】
採血ライン90には、例えば圧送ポンプ100が設けられている。返血ライン91には、ドリップチャンバ110や圧力センサが設けられている。
【0021】
透析液供給ライン72は、透析液バッグ120と、透析液バッグ120と血液浄化器70の透析液側ノズルを接続する透析液流路121を有している。透析液流路121は、主に塩化ビニルの軟質チューブにより構成されているが、一部が後述の加温パネル50の液体流路や計量チャンバー53の液体流路により構成されている。透析液流路121には、透析液ポンプ122が設けられている。
【0022】
廃液ライン73は、血液浄化器70の透析液側ノズルと廃液部を接続する廃液流路130を有している。廃液流路130は、主に塩化ビニルの軟質チューブにより構成されているが、一部が計量チャンバー53の液体流路により構成されている。廃液流路130には、例えば濾過ポンプ131が設けられている。
【0023】
補液ライン74は、補液バッグ140と、補液バッグ140と返血ライン91を接続する補液流路141を有している。補液流路141は、主に塩化ビニルの軟質チューブにより構成されているが、一部が加温パネル50の液体流路や計量チャンバー53の液体流路により構成されている。補液流路141には、補液ポンプ142が設けられている。
【0024】
以上の液体回路14では、例えば透析療法のための血液浄化処理が行われる。例えば血液回路71において、患者の血液が採血部80から血液浄化器70の浄化膜の血液側に送られ、血液浄化器70を通過後、返血部81から患者に戻される。このとき、透析液供給ライン72において透析液が血液浄化器70の浄化膜の透析液側に送られ、その後廃液ライン73を通じて廃液される。血液浄化器70では、浄化膜の血液側を通る血液中の不要成分が浄化膜を通じて透析液側に流出し、透析液とともに排出される。一方、補液ライン74において補液が血液回路71に供給され、血液中に所定の成分が補充される。
【0025】
<流路保持装置>
図3に示すように流路保持装置40は、例えば液体回路14の少なくとも一部、すなわち透析液流路121の少なくとも一部と、廃液流路130の少なくとも一部と、補液流路141の少なくとも一部を保持し、装置本体部10に対し脱着自在に構成されている。なお、流路保持装置40が、液体回路14のいずれかの流路をどの程度保持するかは適宜変更することができる。流路保持装置40は、例えば加温パネル50と、枠状フレーム51と、押さえ部材52と、計量チャンバー53と、液体流路の一部であるチューブ54を備えている。
【0026】
図4は、加温パネル50及び押さえ部材52が取り付けられた枠状フレーム51の正面図である。
図5は、加温パネル50が取り付けられた枠状フレーム51の正面図である。
図4及び
図5に示すように、枠状フレーム51は、方形の板形状を有し、硬質の樹脂、例えばABS樹脂で構成されている。枠状フレーム51は、中央に、加温パネル50が配置される開口部160を有している。開口部160は、方形状を有している。枠状フレーム51には、チューブ54を固定する複数の固定部161が設けられている。なお、固定部161の配置や数は、
図4及び
図5のものに限られず、適宜変更することができる。
【0027】
枠状フレーム51の開口部160の上方の上部51aには、加温パネル50の上部や押さえ部材52の上部を係止するための上部フック部170が設けられている。上部フック部170は、上部51aにおける開口部160の左右方向(水平方向)Yの両端部付近に対応する2か所に設けられている。なお、本明細書において、「上」、「下」、「左」、「右」は、
図1乃至
図5のように流路保持装置40の使用時の姿勢に基づいている。また、流路保持装置40について、
図1における装置本体部10側の面を「後面」、装置本体部10と反対側の面を「前面」とする。
【0028】
図4及び
図5に示すように枠状フレーム51の開口部160の下方の下部51bには、加温パネル50の下部を係止するための突起部180が設けられている。突起部180は、下部51bにおける開口部160の左右方向Yの中央部に対応する位置に設けられている。突起部180は棒形状を有し、枠状フレーム51の面方向に対し垂直の前後方向Xの前面方向に延設されている。
【0029】
図4及び
図5に示すように枠状フレーム51の開口部160の下方の下部51bには、押さえ部材52の下部を係止するための下部フック部190が設けられている。下部フック部190は、開口部160の左右方向Yの両端部付近に対応する2か所に設けられている。
【0030】
図4及び
図5に示すように加温パネル50は、略長方形の薄い板形状を有している。加温パネル50は、例えばチューブ54と同種の材質の塩化ビニルで構成されている。加温パネル50は、液体流路を有するパネル本体部250と、加温パネル50を枠状フレーム51と係合するための上部枠状部251及び下部枠状部252を備えている。
【0031】
パネル本体部250は、薄い長方形状に形成されている。パネル本体部250は、入口部260から出口部261まで一続きの加温流路262を2経路有している。入口部260と出口部261は、パネル本体部250の上下方向Zの上側の短辺に設けられている。
図5に示すように各加温流路262は、入口部260から左右に蛇行しながら下方に向かって延設された蛇行部270と、蛇行部270の下部から蛇行部270の横を直線的に通って出口部261に接続される直線部271を有している。2つの加温流路262は、パネル本体部250の左右に並べて配置されている。入口部260と出口部261は、加温流路262とチューブ54とを接続するための接続部を構成している。例えば一方の加温流路262の接続部には、透析液流路121のチューブ54が接続され、他方の加温流路262の接続部には、補液流路141のチューブ54が接続される。これにより、一方の加温流路262が透析液流路121の一部を構成し、他方の加温流路262が補液流路141の一部を構成する。
【0032】
上部枠状部251は、例えば加温パネル50の上縁部50aに設けられている。上部枠状部251は、加温パネル50の上縁部50aの左右方向Yの両端部に設けられている。上部枠状部251は、方形状に形成され、その中央には、枠状フレーム51の上部フック部170に係止される孔290が形成されている。
【0033】
下部枠状部252は、例えば加温パネル50の下縁部50bに設けられている。下部枠状部252は、加温パネル50の下縁部50bの左右方向Yの中央部に設けられている。下部枠状部252は、方形状に形成され、その中央には、枠状フレーム51の突起部180に係止される孔291が形成されている。
【0034】
図6に示すように押さえ部材52は、略長方形の薄い板形状を有している。押さえ部材52は、透明であり、例えばPET(ポリエチレンテレフタラート)で構成されている。押さえ部材52は、加温パネル50に比べて低温時の可撓性及び衝撃強度が高い。押さえ部材52は、加温パネル50の面積よりも大きく、加温パネル50の全面を覆うことができる。
【0035】
押さえ部材52は、枠状フレーム51の上部51aのフック部170に係止するための上部係止部320と、枠状フレーム51の下部51bのフック部190に係止するための下部係止部321を備えている。
【0036】
上部係止部320及び下部係止部321は、方形状の開口により形成されている。
【0037】
<計量チャンバー>
図1に示したように計量チャンバー53は、枠状フレーム51の下部に設けられている。計量チャンバー53は、患者の除水量を管理するため、血液浄化器70に供給される透析液の供給量と、血液浄化器70から廃液される透析液の廃液量と、血液回路71に供給される補液の量の合計を計量するためのチャンバーである。
【0038】
図7は、計量チャンバー53の前面側の斜視図であり、
図8は、計量チャンバー53の後面側の斜視図である。
【0039】
計量チャンバー53は、チャンバー本体350と、チャンバー本体350の前面及び後面を覆いチャンバー本体350を保護する保護カバー351を備えている。なお、保護カバー351は、チャンバー本体350の前面及び後面の全面を覆うものである必要はなく、チャンバー本体350の前面及び後面の少なくとも一部を覆うものであればよい。
【0040】
図9は、チャンバー本体350を前面側から見た斜視図である。
図9に示すようにチャンバー本体350は、薄いパネル状に形成され、透明で例えばチューブ54と同種の材質の塩化ビニルで構成されている。チャンバー本体350は、例えば略方形の上部方形部350aと、上部方形部350aの下に位置し上部方形部350aよりも大きい略方形の下部方形部350bを有している。チャンバー本体350は、その内部に、例えば3つの貯留部400、401、402と、7つの出入口410~416と、7つの流路420~426を有している。
【0041】
貯留部400、401、402は、チャンバー本体350の下部方形部350bに横に並べて設けられている。貯留部400、401、402は、上下方向Zに長い円筒形状を有している。例えば第1の貯留部400は、チャンバー本体350を前面側から見て左に位置し、第2の貯留部401は中央に位置し、第3の貯留部402は右に位置している。
【0042】
例えば第1~第3の出入口410~412は、例えばチャンバー本体350の上部方形部350aの左側縁に下から上に向けてこの順で設けられ、第4の出入口413は、例えば上部方形部350aの上縁に設けられている。第5、第6の出入口414、415は、上部方形部350aの右側縁に下から上に向けてこの順で設けられ、第7の出入口416は、例えば上部方形部350aの上縁の第4の出入口413よりも右側に設けられている。
【0043】
第1の流路420は、第1の貯留部400の上部と第1の出入口410とを接続し、第2の流路421は、第1の貯留部400の下部と第2の出入口411とを接続し、第3の流路422は、第2の貯留部401の下部と第3の出入口412とを接続している。第4の流路423は、第2の貯留部401の上部と第4の出入口413とを接続している。第5の流路424は、第2の貯留部401の下部と第5の出入口414とを接続し、第6の流路425は、第3の貯留部402の下部と第6の出入口415とを接続している。第7の流路426は、第3の貯留部402の上部と第7の出入口416とを接続している。
【0044】
第2の流路421及び第3の流路422は、第1の貯留部400と第2の貯留部401の間を上下方向Zに通る。第5の流路424及び第6の流路425は、第3の貯留部402の右側を上下方向Zに通っている。
【0045】
例えばチャンバー本体350の下部方形部350bには、位置決め機構430を構成する、後述の後面カバー450の凸部530と嵌合する凹部としての孔440が設けられている。孔440は、二か所に設けられている。一方の孔440は、例えば第2の貯留部401と第3の貯留部402に近い、第2の貯留部401、第3の貯留部402、第4の流路423及び第7の流路426に囲まれた領域R1に設けられている。他方の孔440は、例えば第2の貯留部401と第3の貯留部402に近い、第2の貯留部401、第3の貯留部402及び第5の流路424に囲まれた領域R2に設けられている。なお、孔440は、貫通孔であってもよいし、後面側に形成された有底の凹みであってもよい。
【0046】
第1の出入口410と第2の出入口411は、流路保持装置40の廃液流路130のチューブ54に接続されている。これにより、第1の貯留部400は、血液浄化器70から廃液される透析液を一旦貯留して計量する計量部として機能する。第3の出入口412と第5の出入口414は、流路保持装置40の透析液流路121のチューブ54に接続されている。これにより、第2の貯留部401は、血液浄化器70に供給される透析液を一旦貯留して計量する計量部として機能する。第6の出入口415は、流路保持装置40の補液流路141のチューブ54に接続されている。これにより、第3の貯留部402は、血液回路71に供給される補液を一旦貯留して計量する計量部として機能する。
【0047】
計量チャンバー53は、装置本体部10の計量器32により計量され、血液浄化器70に供給される透析液の供給量、血液浄化器70から廃液される透析液の廃液量、血液回路71に供給される補液の量の合計重量を計量することにより、合計重量の変化、すなわち患者の除水量の変化を把握することができる。
【0048】
図7及び
図8に示すように保護カバー351は、チャンバー本体350の後面を覆う後面カバー450と、チャンバー本体350の前面を覆う前面カバー451を有している。
【0049】
図10は、後面カバー450を前面側から見た斜視図である。
図10に示すように後面カバー450は、チャンバー本体350の形状に対応する、薄いパネル状に形成されている。後面カバー450は、チャンバー本体350よりも硬く、脆性が高い。後面カバー450は、例えばポリプロピレンで構成されている。後面カバー450は、例えば略方形の上部方形部450aと、上部方形部450aの下に位置し上部方形部450aよりも大きい略方形の下部方形部450bを有している。
【0050】
下部方形部450bは、チャンバー本体350の貯留部400~402をそれぞれ収容する3つの収容部460~462を有している。各収容部460~462は、半円筒状に形成され、貯留部400~402の形状に対応している。
【0051】
各収容部460~462は、例えば、貯留部400~402の上部の後面側を覆う上面470~472と、貯留部400~402の下部の後面側を覆う下面480~482と、貯留部400~402の後面側の側部を覆う側面490~492を有している。
【0052】
図8及び
図10に示すように各側面490~492には、上下に延びる方形の窓500が形成されており、装置本体部10内の液体検出センサ62は、窓500を通じて貯留部400~402内の液体を検出することができる。
【0053】
図8に示すように各側面490~492の後面(外面)には、平坦面510が形成されている。各側面490~492の後面は、計量チャンバー53において最も装置本体部10側(最後方)に位置し、この部分は、計量チャンバー53が計量器32に設置された時に壁面61に近接する。
【0054】
図10に示すように下部方形部450bは、左右方向Yの両側に、計量チャンバー53を装置本体部10に設置するため設置部としての突起部520を有している。各突起部520は、下部方形部450bの左右方向Yの外側に向けて棒状に突出している。各突起部520は、例えば上下2つの、上部突起部521と下部突起部522を有している。
【0055】
図10及び
図11に示すように下部方形部450bは、チャンバー本体350の孔440と嵌合する凸部530を有している。
図11は、後面カバー450をチャンバー本体350に取り付けた状態を示している。凸部530は、後面カバー450の前面(内面)に設けられている。凸部530は、例えばチャンバー本体350の孔440に対応する位置の、収容部461と収容部462の間の上下にそれぞれ設けられている。保護カバー351とチャンバー本体350とを位置決めする位置決め機構430は、後面カバー450の凸部530とチャンバー本体350の孔440とで構成されている。
【0056】
上部方形部450aは、後面カバー450に取り付けられたチャンバー本体350をその前面側から押さえる押さえ部540を有している。押さえ部540は、上部方形部450aの左右端部付近の二か所に設けられている。一方の押さえ部540は、第1~第3の出入口410~412付近を前面側から押さえ、他方の押さえ部540は、第5~第6の出入口414、415付近を前面側から押さえる。
【0057】
図10に示すように例えば押さえ部540は、上部方形部450aの前後方向Xの前方向に延設される第1の部分540aと、第1の部分540aの先端に接続され、当該先端から、上下方向Zの下方向に延設される第2の部分540bを有している。
【0058】
図12は、前面カバー451を後面から見た斜視図である。
図12に示すように前面カバー451は、チャンバー本体350の形状に対応する、薄いパネル状に形成されている。前面カバー451は、チャンバー本体350よりも硬く、脆性が高い。前面カバー451は、例えばポリプロピレンで構成されている。前面カバー451は、例えばチャンバー本体350の下部方形部350bの形状に対応する略方形の方形部451aを有している。
【0059】
方形部451aは、チャンバー本体350の貯留部400~402をそれぞれ収容する3つの収容部560~562を有している。収容部560~562には、開口570が形成されており、ユーザは、前面側から、開口570を通じて貯留部400~402の液量を目視することができる。
【0060】
図7に示すように保護カバー351は、後面カバー450と前面カバー451を係合する係合機構600を有している。係合機構600は、チャンバー本体350の下部方形部350bの四隅付近にそれぞれ設けられている。下部方形部350bの上部の左右方向Yの両端部に設けられた係合機構600を第1の係合機構610とし、下部方形部350bの下部の左右方向Yの両端部に設けられた係合機構600を第2の係合機構611とする。
【0061】
図13に示すように第1の係合機構610は、例えば、上部係止部630と、その上部係止部630に係止される上部被係止部631と、上部係止部630が上部被係止部631から外れることを規制する上部規制部632を有している。
【0062】
上部係止部630は、後面カバー450の下部方形部450bに設けられている。上部係止部630は、下部方形部450bの前方向に延設される第1の部分630aと、第1の部分630aの先端に延設され、当該先端から、上方向に突出する爪状の第2の部分630bを有している。
【0063】
上部被係止部631は、前面カバー451の方形部451aに設けられている。上部被係止部631は、上部係止部630が挿通する孔631aと、孔631aの上側に設けられ、上部係止部630の第2の部分630bが引っ掛かる板部631bを有している。
【0064】
上部規制部632は、前面カバー451の方形部451aに設けられている。上部規制部632は、上部被係止部631の孔631aに設けられ、上部係止部630の第2の部分630bが、外れる方向である下方向に動くことを規制する板形状を有している。上部規制部632と上部係止部630の第1の部分630aとの距離は、上部係止部630の第2の部分630bの上部被係止部631に対する係止量よりも小さいが、上部規制部632は、孔631aに設けられた板バネ形状になっているため、前後方向Xには容易に可動し、上部係止部630と上部被係止部631とを容易に係合させることができる。
【0065】
図14に示すように第2の係合機構611は、例えば、下部係止部640と、その下部係止部640に係止される下部被係止部641と、下部係止部640が下部被係止部641から外れることを規制する下部規制部642を有している。
【0066】
下部係止部640は、後面カバー450の下部方形部450bに設けられている。下部係止部640は、下部方形部450bの前方向に延設される第1の部分640aと、第1の部分640aの先端に延設され、当該先端から、下方向に突出する爪状の第2の部分640bを有している。
【0067】
下部被係止部641は、前面カバー451の方形部451aに設けられている。下部被係止部641は、下部係止部640が挿通する孔641aと、孔641aの下側に設けられ、下部係止部640の第2の部分640bが引っ掛かる板部641bを有している。
【0068】
下部規制部642は、前面カバー451の方形部451aに設けられている。下部規制部642は、下部被係止部641の孔641aに設けられ、下部係止部640の第2の部分640bが、外れる方向である上方向に動くことを規制する板形状を有している。下部規制部642と下部係止部640の第1の部分640aとの距離は、下部係止部640の第2の部分640bの下部被係止部641に対する係止量よりも小さいが、下部規制部642は、孔641aに設けられた板バネ形状になっているため、前後方向Xには容易に可動し、下部係止部640と下部被係止部641とを容易に係合させることができる。
【0069】
図7及び
図8に示すように保護カバー351は、チャンバー本体350の一部を前面側と後面側から挟んでチャンバー本体350の撓みを矯正する矯正部650を有している。
【0070】
矯正部650は、後面カバー450の内面(前面)に設けられた後面部分660と、前面カバー451の内面(後面)に設けられた前面部分661を有している。
【0071】
図10に示すように後面部分660は、後面カバー450の下部方形部450bから前方に延設され、板面が左右方向Yに向いた板形状を有している。後面部分660は、チャンバー本体350の貯留部400~402と流路420~426に干渉しない位置に設けられている。後面部分660は、前面から見て、例えば下部方形部450bの第1の収容部460と第2の収容部461との間に位置する第1の後面部分670と、第2の収容部461と第3の収容部462との間に位置する第2の後面部分671と、第3の収容部462の右側に位置する第3の後面部分672を有している。各後面部分670~672は、それぞれ上下方向に並んだ複数、例えば3か所に設けられている。後面部分670の一つは、収容部460~462の上部に対応する高さの位置、一つは、収容部460~462の下部に対応する高さの位置、もう一つは、収容部460~462の上下方向Zの中央部に対応する高さの位置に設けられている。後面部分671、672も、後面部分670と同様の3か所に設けられている
【0072】
図12に示すように前面部分661は、前面カバー451の方形部451aから後方に延設され、板面が左右方向Yに向いた板形状を有している。前面部分661は、チャンバー本体350の貯留部400~402と流路420~426に干渉しない位置で、後面部分660に対応する位置に設けられている。前面部分661は、後面から見て、例えば方形部451aの第1の収容部560と第2の収容部561との間に位置する第1の前面部分680と、第2の収容部561と第3の収容部562との間に位置する第2の前面部分681と、第3の収容部562の左側に位置する第3の前面部分682を有している。各前面部分680~682は、それぞれ上下方向に並んだ複数、例えば3か所に設けられている。前面部分680の一つは、収容部560~562の上部に対応する高さの位置、一つは、収容部560~562の下部に対応する高さの位置、もう一つは、収容部560~562の上下方向Zの中央部に対応する高さの位置に設けられている。前面部分681、682も、前面部分680と同様の3か所に設けられている。
【0073】
図15に示すように後面カバー450の後面部分660がチャンバー本体350の後面に当接し、前面カバー451の前面部分661がチャンバー本体350の前面に当接して、チャンバー本体350が、後面部分660と前面部分661により挟まれて撓みが矯正される。
【0074】
次に、上記計量チャンバー53の使用方法について説明する。
【0075】
計量チャンバー53は、運搬時及び使用時(液体処理時)において、
図7及び
図8に示すようにチャンバー本体350に保護カバー351が取り付けられている。このとき、後面カバー450と前面カバー451がチャンバー本体350の前後の両面を覆い、後面カバー450と前面カバー451が係合機構600により互いに係合されている。
【0076】
このとき、
図11に示すように位置決め機構430により、前面カバー451の凸部530とチャンバー本体350の孔440が嵌合し、チャンバー本体350と保護カバー351が位置決めされている。
【0077】
また、
図7、
図8及び
図15に示すようにチャンバー本体350は、保護カバー351の矯正部650により前面側と後面側から挟まれて撓みが矯正されている。
【0078】
そして、使用時には、
図16、
図17に示すように計量チャンバー53は、装置本体部10の計量器32に設置される。このとき、保護カバー351の突起部520が、計量器32の支持部60に支持され、
図18に示すように後面カバー450の平坦面510が壁面61に近接する。液体処理が開始されると、液体検出センサ62が、後面カバー450の窓500を通じてチャンバー本体350の貯留部400~402の液量を検出する。このチャンバー本体350の貯留部400~402の液量の検出結果は、液体回路14の各種液体流路の流量制御等に用いられる。
【0079】
本実施の形態によれば、計量チャンバー53が、チャンバー本体350の前面及び後面を覆いチャンバー本体350を保護する保護カバー351を備え、保護カバー351は、当該計量チャンバー53を血液浄化装置1の装置本体部10に設置するための突起部520を備えている。これにより、計量チャンバー53の輸送時などの破損を抑制しつつ、計量チャンバー53を血液浄化装置1に簡単に取り付けることができる。
【0080】
保護カバー351は、チャンバー本体350の前面側に位置する前面カバー451と、チャンバー本体350の後面側に位置する後面カバー450と、前面カバー451と後面カバー450を係合する係合機構600と、を有する。これにより、チャンバー本体350に対する保護カバー351の取り付けを簡単に行うことができる。
【0081】
係合機構600は、後面カバー450に設けられた係止部630、640と、前面カバー451に設けられた被係止部631、641と、係止部630、640が被係止部631、641から外れることを規制する規制部632、642とを有している。これにより、例えば計量チャンバー53の運搬時に、保護カバー351が外れることを抑制することができる。
【0082】
係合機構600は、チャンバー本体350の下部方形部350bの四隅付近にそれぞれ設けられているので、保護カバー351が外れることをより確実に抑制することができる。
【0083】
計量チャンバー53は、保護カバー351とチャンバー本体350とを位置決めする位置決め機構430を備えるので、チャンバー本体350の位置が安定し、液体検出センサ62による、チャンバー本体350の貯留部400~402の液体の検出を精度よく行うことができる。この結果、血液浄化装置1の処理を適切に行うことができる。
【0084】
位置決め機構430は、保護カバー351に設けられた凸部530と、チャンバー本体350に設けられた孔440を有し、凸部530と孔440が嵌合することで保護カバー351とチャンバー本体350とを位置決めする。これにより、保護カバー351とチャンバー本体350とを位置決めを簡単な構成で場所を取らずに行うことができる。
【0085】
保護カバー351は、チャンバー本体350の一部を前面側と後面側から挟んでチャンバー本体350の撓みを矯正する矯正部650を有している。これにより、チャンバー本体350の撓みが矯正され、チャンバー本体350の位置が安定するため、液体検出センサ62による、チャンバー本体350の貯留部400~402の液体の検出を精度よく行うことができる。
【0086】
保護カバー351は、装置本体部10の壁面61に当接する部分に平坦面510を有している。これにより、液体検出センサ62とチャンバー本体350の貯留部400~402との距離が短くなる。この結果、液体検出センサ62による貯留部400~402の液体の検出を精度よく行うことができる。
【0087】
保護カバー351は、前面カバー451に開口570を設けて、チャンバー本体350の貯留部400~402が外部から目視できるように構成されている。これにより、保護カバー351があってもユーザが貯留部400~402を目視することができ、例えば貯留部400~402の液量を確認することができる。
【0088】
チャンバー本体350は、塩化ビニルにより構成されている。この場合、チャンバー本体350と塩化ビニルのチューブ54とを接着等により簡単に接続することができる。その一方で、低温時のチャンバー本体350の強度が低下するが、保護カバー351で保護することで、チャンバー本体350の破損を抑制することができる。
【0089】
以上の実施の形態で記載した計量チャンバー53の構成はこれに限られない。例えばチャンバー本体350及び保護カバー351は、上記実施の形態のものに限られない。
【0090】
保護カバー351の装置本体部10に設置するための設置部は、突起部520でなくてもよい。また、突起部520は、前面カバー451に設けられていてもよいし、前面カバー451と後面カバー450の両方に設けられていてもよい。
【0091】
保護カバー351は、後面カバー450と前面カバー451を係合機構600により係合するものでなく、後面カバー450と前面カバー451が一体化したものであってもよい。係合機構600の構成も上記実施の形態のものに限られない。
【0092】
例えば係合機構600の位置や数は、上記実施の形態のものに限られない。係合機構600の係止部が前面カバー451に設けられ、被係止部が後面カバー450に設けられていてもよい。
【0093】
保護カバー351とチャンバー本体350とを位置決めする位置決め機構430は、凸部530と孔440でなくてもよい。矯正部650も他の構成を有するものであってもよい。
【0094】
以上の実施の形態で記載した計量チャンバー53を有する流路保持装置40の構成はこれに限られない。例えば加温パネル50、枠状フレーム51、押さえ部材52、チューブ54の構成は、上記実施の形態のものに限られない。
【0095】
計量チャンバー53が設けられる血液浄化装置1の構成は上記実施の形態のものに限られない。例えば上記実施の形態における血液浄化装置1は、透析療法を行うものであったが、血漿交換療法、白血球除去療法、持続緩徐式血液濾過療法などを行う他の液体処理装置にも本発明は適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、輸送時などの破損を抑制しつつ、液体処理装置に簡単に取り付けることができる計量チャンバーを提供する際に有用である。
【符号の説明】
【0097】
1 血液浄化装置
40 流路保持装置
53 計量チャンバー
350 チャンバー本体
351 保護カバー
400~402 貯留部
420~426 流路
450 後面カバー
451 前面カバー
520 突起部
600 係合機構