(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】食品用もち感増強用組成物、食品のもち感増強方法、もち種の大麦粉及びそれを含有する食品
(51)【国際特許分類】
A23L 7/10 20160101AFI20241203BHJP
A21D 2/38 20060101ALI20241203BHJP
A21D 13/047 20170101ALI20241203BHJP
A21D 13/44 20170101ALI20241203BHJP
A23L 35/00 20160101ALI20241203BHJP
【FI】
A23L7/10 H
A21D2/38
A21D13/047
A21D13/44
A23L35/00
(21)【出願番号】P 2019209130
(22)【出願日】2019-11-19
【審査請求日】2022-11-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000227489
【氏名又は名称】日東富士製粉株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】森岡 由夏
(72)【発明者】
【氏名】中野 和泉
(72)【発明者】
【氏名】中村 聰
(72)【発明者】
【氏名】高柳 雅義
(72)【発明者】
【氏名】大島 秀男
【審査官】吉岡 沙織
(56)【参考文献】
【文献】特許第6435447(JP,B1)
【文献】特開2019-187394(JP,A)
【文献】善通寺市生まれの大麦・ダイシモチ、新食品次々 甘み・食感好評、作付け拡大/香川県, 日経テレコン, [online], 朝日新聞,2012年11月21日,朝刊,p.33,[検索日 2024年5月21日], Retrieved from the Internet: <URL: http://t21.nikkei.co.jp>
【文献】特産で新名物に 善通寺ダイシモチ麦 「大師大福」いかが=香川, 日経テレコン, [online], 大阪読売新聞,2015年03月28日,朝刊,p.33,[検索日 2024年5月21日], Retrieved from the Internet: <URL: http://t21.nikkei.co.jp>
【文献】「もち麦」菓子、特産品で販売 三好の主婦グループ/徳島, 日経テレコン, [online], 朝日新聞,2005年02月08日,朝刊,p.29,[検索日 2024年5月21日], Retrieved from the Internet: <URL: http://t21.nikkei.co.jp>
【文献】香川産大麦でパンケーキミックス 血糖値上昇抑える, 日経テレコン, [online], 日本経済新聞,2019年04月11日,地方経済面 四国,[2023年11月7日検索], Retrieved from the Internet: <URL: http://t21.nikkei.co.jp>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
A21D
A23G
日経テレコン
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均粒径が15~100μmであり、かつ熱処理されていないもち種の大麦粉を有効成分として含有
し、蒸しパン、ホットケーキから選択された食品に用いられるものであることを特徴とする食品用もち感増強用組成物。
【請求項2】
前記もち種の大麦粉のマルトース価は、150mg/10gよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の食品用もち感増強用組成物。
【請求項3】
前記もち種の大麦粉は、全粒大麦粉であることを特徴とする請求項1又は2に記載の食品用もち感増強用組成物。
【請求項4】
前記もち種の大麦粉は、はだか麦の全粒大麦粉であることを特徴とする請求項3に記載の食品用もち感増強用組成物。
【請求項5】
穀粉及び/又は澱粉を原料とする
、蒸しパン、ホットケーキから選択された食品に対し、請求項1乃至4のいずれかに記載の食品用もち感増強用組成物を、前記穀粉及び前記澱粉の合計100質量部中に5~100質量部含まれるように添加することを特徴とする食品のもち感増強方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、蒸しパン等の食品用もち感増強用組成物、食品のもち感増強方法、もち種の大麦粉及び食品に関する。
【背景技術】
【0002】
大麦に含有されているβグルカンは、コレステロールの低下、血糖値の上昇抑制等に効果があるといわれている。このため、食品の原料に大麦粉を原料に含有させることが行われている。例えば、特許文献1には、菓子、スナック、パン、麺などに用いられる熱処理大麦粉が開示されている。
【0003】
また、大麦には、食品の粘度を著しく上昇させる成分が含有されている。このため、大麦を含有する食品の粘度を抑制することも行われている。例えば、特許文献2には、ゼラチン等の粘度調整剤と大麦粉末とを含む食品原料が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-136020号公報
【文献】特開2019-010127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献2の粘度調整剤として挙げられているゼラチン等は、固有の風味があるため、食品本来の味を損なう恐れがある。
【0006】
本発明は、上記従来技術に鑑み、食品本来の味を損なわず、かつ食品の食感であるもち感を向上させることが可能な食品用もち感増強用組成物、食品のもち感増強方法、もち種の大麦粉及びそれを含有する食品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の食品用もち感増強用組成物は、平均粒径が15~100μmであり、かつ熱処理されていないもち種の大麦粉を有効成分として含有することを特徴としている。
【0008】
本発明の食品用もち感増強用組成物によれば、もち種の大麦粉を有効成分としているため食品本来の味を損なわず、食品の食感であるもち感を向上させることが可能となる。
【0009】
本発明の食品用もち感増強用組成物において、前記もち種の大麦粉のマルトース価は、150mg/10gよりも大きいものであるとよい。
【0010】
また、前記もち種の大麦粉は、全粒大麦粉であるとよい。更に、前記もち種の大麦粉は、はだか麦の全粒大麦粉であるとよい。
【0011】
本発明の食品用もち感増強方法は、穀粉及び/又は澱粉を原料とする食品に対し、前記穀粉及び前記澱粉の合計100質量部中に5~100質量部含まれるように、前記食品用もち感増強用組成物を添加することを特徴とする。
【0012】
本発明のもち種の大麦粉は、もち種の全粒大麦粉であって、平均粒径が15~100μmであり、かつ熱処理されていないことを特徴とする。
【0013】
本発明のもち種の大麦粉は、マルトース価が150mg/10gよりも大きいものであるとよい。また、もち種の大麦粉は、はだか麦の大麦粉であるとよい。
【0014】
本発明の食品は、穀粉及び/又は澱粉を原料とする食品であって、前記もち種の大麦粉を、前記穀粉及び前記澱粉の合計100質量部中に5~100質量部含有することを特徴とする。また、食品は、パン、菓子、スナック、麺から選択されたものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、粘度調整剤のような固有の風味を有する成分を含有せずに、もち種の大麦粉を有効成分としているため食品本来の味を損なうことなく、食品の食感であるもち感を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明で用いるもち種の大麦は、アミロペクチンの含有量がうるち種の大麦よりも多い。例えば、もち種の大麦粉におけるアミロペクチンの含有量は、通常90質量%以上、より具体的には95~100質量%程度であるのに対し、うるち種大麦粉におけるアミロペクチンの含有量は、通常75質量%以下、より具体的には70~75質量%程度である。
【0017】
本発明において、もち種の大麦の種類は、特には限定されないが、子実と籾殻が離れやすい理由から、特に、はだか麦が好ましく用いられる。はだか麦の品種としては、例えば、ダイシモチ等が挙げられる。
【0018】
また、もち種の大麦粉としては、剥皮した大麦粉よりも全粒大麦粉の方が吸水が高く、もち感の強い食感になる理由から、特に、全粒大麦粉が好ましく用いられる。
【0019】
更に、もち種の大麦粉は、熱処理をすると色が茶褐色になり、食品に添加する際に用途が限られる理由から、熱処理がされていないものが用いられる。ここで、本発明における熱処理とは、大麦粉を製造する過程で行われる熱処理を意味する。例えば、大麦自体、あるいは製粉後の大麦粉に対して、乾熱加熱、湿熱加熱等の公知の方法で行われる熱処理が挙げられる。本発明のもち種の大麦粉は、大麦粒及び大麦粒を粉状にした大麦粉のいずれにおいても熱処理がなされていないものが用いられる。
【0020】
もち種の大麦粉は、もち種の大麦粒、すなわち脱穀後の大麦の種子を粉砕することで得られる。大麦粒を粉砕する方法としては、公知の粉砕方法を採用することができ、具体的にはロール式粉砕、石臼式粉砕、衝撃式粉砕、気流式粉砕などが挙げられる。特に、気流式粉砕によれば、粒度の細かい粉砕物を得ることができるので、より好ましい。
【0021】
気流式粉砕に用いられる装置としては、「ウェーブミル」(ツカサ工業社製)、「スーパーパウダーミル」(西村機械製作所社製)、「ドリームミル」(古河産機システムズ社製)などを用いることができる。
【0022】
また、粉砕した後、篩別や空気分級などで大麦粉の粒度を揃えることが好ましい。大麦粉は、市販されているものを用いてもよく、市販の大麦粉を更に粉砕、粒度調整等して用いてもよい。
【0023】
本発明において、もち種の大麦粉の平均粒径は、15~100μmとされ、より好ましくは、15~75μm、更に好ましくは、15~54μmとされる。平均粒径が100μmよりも大きくなると食感に与える影響、すなわち、良好なもち感が得られにくくなる傾向があるためである。平均粒径が15μmよりも小さいと当該もち種の大麦粉の製造が困難となり生産効率が低下する。
【0024】
もち種の大麦粉の「平均粒径」は、例えばレーザー回折/散乱法などに基づく粒度分布測定装置(例えば商品名「マイクロトラック」、日機装社製)により測定することができる。そして、本発明における「平均粒径」とは、体積平均径[MV]を意味する。
【0025】
本発明で用いるもち種の大麦粉は、マルトース価が150mg/10gよりも大きいことが好ましく、250mg/10g以上であることがより好ましい。マルトース価は、澱粉損傷度を表す指標となり、マルトース価が高いほど澱粉の損傷度が高くなる。マルトース価は、AACC(American Association of Cereal Chemists)の公定法(22-15)により測定することができる。マルトース価が150mg/10gよりも大きいと、もち感が強い食感となる利点が得られる。
【0026】
本発明の食品用もち感増強組成物は、上述したもち種の大麦粉を有効成分として含有するものである。また、本発明の食品のもち感増強方法は、上記食品用もち感増強用組成物を原料として用いることを特徴とする。更に、本発明のもち種の大麦粉は、もち種の全粒大麦粉であって、平均粒径が15~100μmであり、かつ熱処理されていないことを特徴とする。更にまた、本発明の食品は、上記もち種の大麦粉を含有することを特徴とする。
【0027】
本発明が適用される食品としては、穀粉及び/又は澱粉を原料として含むものが好ましく、例えば、パン類、菓子類、スナック類、麺類などが挙げられる。
【0028】
パン類としては、例えば、蒸しパン、フランスパン、食パン、ロールパン、ポンデケイジョ、菓子パン、ハンバーガーバンズ、デニッシュペストリー、ドーナツ、速製パン(マフィン、アメリカンビスケット等)などが挙げられる。
【0029】
菓子類としては、例えば、スポンジケーキ、バターケーキ、シュークリーム、パンケーキ、ホットケーキ、チョコレートケーキ、ソフトクッキーなどが挙げられる。
【0030】
スナック類としては、たい焼き、大判焼き、たこ焼き、お好み焼き、アメリカンドッグなどが挙げられる。
【0031】
麺類としては、パスタ、中華麺、うどん、ひやむぎ、そうめん、焼きそば、そば風麺などが挙げられる。
【0032】
上記食品の原料となる穀粉としては、例えば、小麦粉、フスマ、ライムギ粉、オーツ粉、米粉、あるいはこれら穀類の全粒粉等が挙げられる。このうち小麦粉としては、強力粉(例えば、パン用小麦粉)、中力粉(例えば、麺用小麦粉)、薄力粉(例えば、菓子用小麦粉)のいずれを用いてもよい。
【0033】
また、上記食品の原料となる澱粉としては、例えば、コーンスターチ、米澱粉、小麦澱粉などの生澱粉だけでなく、それらをα化、エステル化、エーテル化、架橋など処理を施した加工澱粉を用いることもできる。また、澱粉に油脂を添加して熟成処理を施した油脂加工澱粉を用いることもできる。
【0034】
これらの食品にもち感を付与するため、本発明の食品用もち感増強用組成物は、これらの食品の原料である穀粉及び澱粉の合計100質量部中に、5~100質量部含まれるように添加することが好ましく、10~100質量部含まれるように添加することがより好ましく、30~100質量部含まれるように添加することがより好ましい。なお、澱粉は必ずしも含まれていなくてもよい。食品の原料である穀粉及び澱粉の合計100質量部中の食品用もち感増強用組成物の添加量が、5質量部よりも少ないと、もち感の増強効果が乏しくなる傾向がある。
【0035】
こうして得られた本発明の食品は、平均粒径が15~100μmであり、かつ熱処理されていないもち種の大麦粉を含有することにより、もち感が増強された食品となる。また、大麦粉を含有することにより、βグルカンなどの栄養成分が豊富に含有される。
【実施例】
【0036】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0037】
<試験例1>(蒸しパンのもち感評価1)
蒸しパンの原料に含まれるもち種の大麦粉の平均粒径を変えて、実施例1乃至6及び比較例1の蒸しパンを製造した。具体的には、下記の表1に示す配合に従って実施例1乃至6及び比較例1の蒸しパンを製造した。
【0038】
すなわち、平均粒径が15μmのもち種の大麦粉を用いたものを実施例1とし、平均粒径が33μmのもち種の大麦粉を用いたものを実施例2とし、平均粒径が45μmのもち種の大麦粉を用いたものを実施例3とし、平均粒径が54μmのもち種の大麦粉を用いたものを実施例4とし、平均粒径が75μmのもち種の大麦粉を用いたものを実施例5とし、平均粒径が100μmのもち種の大麦粉を用いたものを実施例6とし、平均粒径が301μmのもち種の大麦粉を用いたものを比較例1とした。
【0039】
実施例1乃至6及び比較例1の製造に用いたもち種の大麦粉は、精選したもち種の大麦粒(はだか麦)を、上記した平均粒径になるように気流粉砕あるいはピンミルによって粉砕したもの(全粒粉)を用いた。なお、平均粒径は、レーザー回折/散乱法に基づく粒度分布測定装置(商品名「マイクロトラック」、マイクロトラック・ベル株式会社製)により測定した体積平均径[MV]で表した。
【0040】
各々の実施例1乃至6及び比較例1の蒸しパンは、次のようにして製造した。
(工程1) ビーターを使用して表1に示した全原料をミキシングした。ミキシングは、低速で2分間、掻き落とした後、中速で1分間行った。
(工程2) 各々の実施例1乃至6及び比較例1の生地重量を80gずつとって成形し、それらを中圧蒸気にて蒸した。蒸し条件は、100℃において13分とした。
【0041】
【0042】
各々の実施例1乃至6及び比較例1の蒸しパンの食感である、もち感について官能評価を行った。官能評価は、次のようにして行った。官能評価の結果を表2に示す。
【0043】
パネラーは10名とした。官能評価では比較例2の蒸しパンのもち感の評価が1点となるように評価基準を定め、5点満点の5段階で点数付けをしてもらい、その平均点を求めた。
5点:極めてもち感がある
4点:非常にもち感がある
3点:かなりもち感がある
2点:ややもち感がある
1点:普通
【0044】
【0045】
表2の結果から、平均粒径が本発明で規定する15~100μmに入る実施例1乃至6では、いずれも良好なもち感が得られた。一方、平均粒径が100μmを超える比較例1では、もち感が実施例1乃至6よりも劣っていた。
〈試験例2〉(蒸しパンのもち感評価2)
蒸しパンの原料に含まれるもち種の全粒大麦粉の添加量を変えて、実施例7乃至10及び比較例2乃至3の蒸しパンを製造した。具体的には、下記の表3に示す配合に従って実施例7乃至10及び比較例2乃至3の蒸しパンを製造した。
【0046】
尚、実施例7乃至10及び比較例2乃至3の蒸しパンを製造に用いたもち種の大麦粉は、平均粒径が33μmであった。また、蒸しパンの製造工程及び官能評価は、試験例1と同様に行った。
【0047】
【0048】
表3の結果から、もち種の大麦粉の添加量が5質量部以上であれば、もち感が増大することがわかる。そして、もち種の大麦粉の添加量が増大するほど、もち感が増大することがわかる。
【0049】
〈試験例3〉(蒸しパンのもち感評価3)
蒸しパンの原料に含まれるもち種の大麦粉の剥皮割合を変えて、実施例11及び12及び比較例4の蒸しパンを製造した。具体的には、下記の表4に示す配合に従って実施例11及び12及び比較例4の蒸しパンを製造した。
【0050】
尚、実施例11のもち種の大麦粉は、平均粒径が33μmのものを用い、実施例12のもち種の大麦粉は、平均粒径が55μmのものを用い、比較例4のうるち種の大麦粉は、平均粒径が34μmのものを用いた。各々の蒸しパンの原料の配合比は、表1に示したものと同一である。また、蒸しパンの製造工程及び官能評価は、試験例1と同様に行った。
【0051】
【0052】
表4の結果から、もち種の大麦粉の全粒粉である実施例11は、もち感が顕著に高くな
っており、剥皮割合が30%で、平均粒径が55μmのもち種の大麦粉である実施例12
は、もち感が実施例11より劣ることがわかる。また、比較例4から、うるち種の大麦粉
は、平均粒径が小さくても、もち感増大効果は乏しいことがわかる。また、マルトース価が高いほど、もち感は増大することがわかる。なお、マルトース価は、前述したように、AACC(American Association of Cereal Chemists)の公定法(22-15)により測定した。
【0053】
〈試験例4〉(ホットケーキのもち感評価)
もち種の大麦粉を原料に含むホットケーキ(実施例13)及びもち種の大麦粉を原料に含まないホットケーキ(比較例5)を製造した。もち種の大麦粉は、平均粒径33μmの全粒粉を用いた。尚、各々のホットケーキの原料の配合を表5に示す。また、各々のホットケーキに用いたミックス粉の配合を表6に示す。
【0054】
各々の実施例13及び比較例5のホットケーキの製造は、次のようにして行った。
(工程1) ビーターを備えるホバートミキサーを用いて表5に示した全原料をミキシングした。ミキシングは、低速で1分間行い、掻き落とした後、中速で1分間行った。
(工程2) 各々の実施例13及び比較例5の生地重量を80gとし、それらを160℃に熱したグリドルで、表面を3分間、裏面を2分間の計5分間焼成した。
【0055】
尚、実施例13及び比較例5のホットケーキの官能評価は、試験例1と同様に行った。その結果を表6に示す。
【0056】
【0057】
【0058】
表6に示されるように、もち種の大麦粉を、ミックス粉の配合中に10質量部含有する実施例13は、もち感の増強効果が優れていることがわかる。