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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】ワゴン装置及び什器ユニット
(51)【国際特許分類】
   A47B 31/00 20060101AFI20241203BHJP
   A47B 17/00 20060101ALI20241203BHJP
   A47B 83/04 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
A47B31/00 Z
A47B17/00 Z
A47B83/04
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020178890
(22)【出願日】2020-10-26
(65)【公開番号】P2022069934
(43)【公開日】2022-05-12
【審査請求日】2023-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】井澤 晶一
(72)【発明者】
【氏名】▲崎▼本 隆之
(72)【発明者】
【氏名】上田 洋士
【審査官】川村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】実開昭56-092526(JP,U)
【文献】実開平06-064536(JP,U)
【文献】実開平06-005538(JP,U)
【文献】特開2020-043953(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0298471(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 1/00-41/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動支持部と、
前記移動支持部によって移動可能に支持された基部と、
基部に支持されて物品を載置可能な載置面を有する載置部と、
前記基部に立設された立設部と、
前記立設部に支持されて前記基部の上方に配置された上方物品載置部と
を備え、
前記基部は、他の什器によって支持されることが可能な2つの支持側面を有し、
2つの前記支持側面が前側から後側に向かうに連れて近接されており、
前記基部の前部から後部に至る側縁部と前記上方物品載置部との間に、前記載置面を露出する側方開口部を有し、
前記基部の前記前部と前記上方物品載置部との間に、前記基部の上方に対して物品を出し入れ可能な前開口部を有し、
前記基部は、2つの前記側縁部を有し、
前記側方開口部は、一方の前記側縁部と前記上方物品載置部との間と、他方の前記側縁部と前記上方物品載置部との間との各々に設けられ、
上方から見て、一方の前記側方開口部が一方の前記支持側面と交差する方向に位置し、他方の前記側方開口部が他方の前記支持側面と交差する方向に位置し、前記前開口部が2つの前記支持側面が接続されることで形成される角部に対向するように位置する
ことを特徴とするワゴン装置。
【請求項2】
前記上方物品載置部は、他の什器によって支持されることが可能な2つの上方支持側面を有し、
2つの前記上方支持側面が前側から後側に向かうに連れて近接されている
ことを特徴とする請求項記載のワゴン装置。
【請求項3】
前記上方物品載置部の上面に露出されかつ前後方向の中央部よりも前記上方物品載置部の後部側に配置されたコンセント部を備えることを特徴とする請求項1または2記載のワゴン装置。
【請求項4】
天板と前記天板を支持する脚体とを有する天板付什器と、
前記天板の下方に配置された請求項1~いずれか一項に記載のワゴン装置と
を備えることを特徴とする什器ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワゴン装置及び什器ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
オフィスや公共施設、医療施設等の執務空間内においては、例えば天板付什器と共に使用するワゴン装置が広く用いられている。例えば、特許文献1には、ワゴン装置の上部に上方開口筐体が設けられ、上方からワゴン装置上に物品が載置可能なワゴン装置が開示されている。近年では、定席を持たずにその日ごとに執務する場所を自由に選択する「フリーアドレス」という働き方も多くみられる。特許文献1のように、執務に必要な電子機器や資料等を上方から物品が載置可能な可能とすることで、「フリーアドレス」に適合した働き方に対しても柔軟に対応することが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-068971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のようなワゴン装置は、天板付什器の天板の下方空間や、パネルによって囲まれた集中ブース等の限られた空間に配置されることが多い。このため、作業者の下肢空間を広く確保するためにも、ワゴン装置によって上述のような限られた空間の多くを占めることは避けるべきである。したがって、限られた空間を有効的に利用することで設置空間の減少を抑制しつつ、収容力を確保できるワゴン装置が望まれている。
【0005】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、ワゴン装置において、限られた空間を有効的に利用することで使い勝手の良い空間の減少を抑制しつつ、収容力を確保可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0007】
第1の発明は、移動支持部と、上記移動支持部によって移動可能に支持された基部と、基部に支持されて物品を載置可能な載置面を有する載置部とを備え、上記基部が、他の什器によって支持されることが可能な2つの支持側面を有し、2つの上記支持側面が前側から後側に向かうに連れて近接されているという構成を採用する。
【0008】
このような第1の発明によれば、他の什器によって支持されることが可能な2つの支持側面が後部に向かうに連れて近接されるため、基部が前部から後部に向けて窄む形状とされている。このため、設置空間の角空間等の狭い箇所に基部の後部を合わせるようにしてワゴン装置を設置することができる。したがって、本発明によれば、設置空間の利用し難い狭いスペースを有効的に利用して設置することができ、限られた空間を有効的に利用することで使い勝手の良い空間の減少を抑制することができる。さらに、本発明によれば、基部に支持された載置部に物品が載置可能とされており、収容力を確保することができる。よって、本発明によれば、ワゴン装置において、限られた空間を有効的に利用することで使い勝手の良い空間の減少を抑制しつつ、収容力を確保することが可能となる。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記基部に立設された立設部と、上記立設部に支持されて上記基部の上方に配置された上方物品載置部とを備えるという構成を採用する。
【0010】
このような第2の発明によれば、載置部の他に物品を載置可能な上方物品載置部を備えている。このため、平面視におけるワゴン装置の全体の大きさが大きくなることを防止しつつさらに収容力を大きくすることが可能となる。
【0011】
第3の発明は、上記第2の発明において、上記上方物品載置部が、他の什器によって支持されることが可能な2つの上方支持側面を有し、2つの上記上方支持側面が前側から後側に向かうに連れて近接されているという構成を採用する。
【0012】
このような第3の発明によれば、上方物品載置部も基部と同様に、前部から後部に向けて窄む形状となる。このため、上方物品載置部も設置空間の角空間等の狭い箇所に進入させることができ、より広い物品載置スペースを確保することが可能となる。
【0013】
第4の発明は、上記第2または第3の発明において、上記上方物品載置部の上面に露出されかつ前後方向の中央部よりも上記上方物品載置部の後部側に配置されたコンセント部を備えるという構成を採用する。
【0014】
このような第4の発明によれば、上部物品載置部の後部にコンセント部が配置されている。このため、上部物品載置部の狭い部位をプラグの差し込み箇所として効率的に利用することが可能となる。また、本発明によれば、コンセント部を備えているため、電子機器への給電を行うことが可能となる。
【0015】
第5の発明は、上記第2~第4いずれかの発明において、上記基部の前部から後部に至る側縁部と上記上方物品載置部との間に、上記載置面を露出する側方開口部を有するという構成を採用する。
【0016】
このような第5の発明によれば、側方開口部を介することで、物品をワゴン装置の側方から載置部の載置面に対して出し入れすることができる。このため、正面のみならず様々な方向から載置部の載置面に対して物品を出し入れすることが可能となる。
【0017】
第6の発明は、什器ユニットであって、天板と上記天板を支持する脚体とを有する天板付什器と、上記天板の下方に配置された上記第1~第5いずれかの発明であるワゴン装置とを備えるという構成を採用する。
【0018】
このような第6の発明によれば、本発明のワゴン装置を備えている。このため、天板の下の限られた空間を有効的に利用することで使い勝手の良い空間の減少を抑制しつつ、収容力を確保することが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明においては、載置部を支持する基部が、他の什器によって支持されることが可能な2つの支持側面を有し、2つの上記支持側面が前側から後側に向かうに連れて近接されている。このため、基部の後側を狭い空間に進入させることができる。したがって、本発明によれば、ワゴン装置において、限られた空間を有効的に利用することで使い勝手の良い空間の減少を抑制しつつ、収容力を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1実施形態におけるワゴン装置の概略構成を示す全体図であり、(a)が正面図であり、(b)が平面図であり、(c)が(a)のA-A断面図である。
図2】本発明の第1実施形態におけるワゴン装置が備える下部プレートの概略構成を示す全体図であり、(a)が平面図であり、(b)が側面図である。
図3】本発明の第1実施形態におけるワゴン装置が備える上部プレートの概略構成を示す全体図であり、(a)が平面図であり、(b)が側面図である。
図4】本発明の第1実施形態におけるワゴン装置が備える下部載置部の概略構成を示す平面図である。
図5】本発明の第1実施形態におけるワゴン装置が備える上部載置部の概略構成を示す平面図である。
図6】本発明の第2実施形態における什器システムの概略構成図であり、(a)が正面図であり、(b)が平面図である。
図7】本発明の第3実施形態における什器システムの概略構成を示す平面図である。
図8】本発明の一実施形態におけるワゴン装置の変形例の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明に係るワゴン装置及び什器ユニットの一実施形態について説明する。
【0022】
(第1実施形態)
本実施形態のワゴン装置1は、天板付什器の天板の下方等に設置される物品載置用の什器であり、例えば天板付什器の利用者の荷物が載置可能とされている。図1は、本実施形態のワゴン装置1の概略構成を示す全体図であり、(a)が正面図であり、(b)が平面図であり、(c)が(a)のA-A断面図である。
【0023】
なお、本実施形態のワゴン装置1においては、図1(b)に示す幅広とされた側を前側、図1(b)における幅狭とされた側を後側と称する。つまり、本実施形態のワゴン装置1は、前側から後側に向かうに連れて連続的に幅が狭くなっている。なお、図1(b)における前後方向と直交する方向を幅方向と称する。
【0024】
本実施形態のワゴン装置1は、図1に示すように、本体パネル2と、下部プレート3と、下部化粧板4と、キャスタ5(移動支持部)と、上部プレート6と、上部化粧板7と、取付台8と、給電部9と、シート部材10と、保持ベルト11とを備えている。
【0025】
本体パネル2は、ワゴン装置1の骨格となる部材であり、例えば1枚の金属板を板金加工することによって形成されている。この本体パネル2は、下部2aと、上部2bと、下部2aと上部2bとの間に位置する立設部2cとを有している。
【0026】
図1(b)に示すように、本体パネル2は、背面2d(奥側の面)が湾曲部2eを形成するように湾曲されている。このような本体パネル2の平面視形状は、前側から後側に向かうに連れて幅寸法が連続的に減少する窄んだ形状とされており、この結果、奥側に角部を有する形状とされている。
【0027】
本体パネル2の下部2a、上部2b及び立設部2cのうち、本体パネル2の背面2dを形成する部位は、平面視にて背面2dに沿った形状を有している。下部2a(基部)及び上部2b及び立設部2cは、いずれも本体パネル2の背面2dに設けられた湾曲部2eを含む位置に設けられている。このため、本体パネル2の下部2a、上部2b及び立設部2cは、いずれも湾曲部2eに沿って湾曲する部位を有している。
【0028】
本体パネル2の下部2aは、上述の湾曲部2eが設けられた部位を含む背面部2a1と、背面部2a1の幅方向における両端の各々に設けられたアーム部2a2とを有している。これらのアーム部2a2は、互いの先端が近接するように背面部2a1の縁部から延伸されており、下部プレート3を囲むように湾曲されている。これらのアーム部2a2の先端同士の間には、幅方向に一定の隙間が設けられている。このアーム部2a2の先端同士の間の隙間は、下部プレート3を設置するためのスペースとされている。
【0029】
本体パネル2の上部2bは、上述の湾曲部2eが設けられた部位を含む背面部2b1と、背面部2b1の幅方向における両端の各々に設けられたアーム部2b2とを有している。これらのアーム部2b2は、互いの先端が近接するように背面部2b1の縁部から延伸されており、上部プレート6を囲むように湾曲されている。これらのアーム部2b2の先端同士の間には、幅方向に一定の隙間が設けられている。このアーム部2b2の先端同士の間の隙間は、上部プレート6を設置するためのスペースとされている。
【0030】
立設部2cは、本体パネル2の下部2aと上部2bとを接続する部位であり、下部2aの後側の縁部に沿って立設されている。このように立設部2cが下部2aの前側の縁部に設けられておらず、後側の縁部のみに設けられていることから、本体パネル2の前部には、下部2aの上方に対して物品を出し入れ可能な前開口部2c1が形成されている。また、立設部2cは、図1(c)に示すように、上部2b及び下部2aよりも前後方向における寸法が小さい。このため、本体パネル2には、側方から本体パネル2の下部2aの上方に対して物品を出し入れ可能な側方開口部2c2が形成されている。
【0031】
また、本体パネル2には、下部プレート3と上部プレート6との間の位置に前後方向に貫通する丸開口2fとスリット2gとが設けられている。丸開口2f及びスリット2gは、保持ベルト11が挿通される貫通孔である。また、丸開口2fは、保持ベルト11と共に給電部9の後述する給電コード9bが挿通される。
【0032】
下部プレート3は、本体パネル2の下部2aに固定された板状の部位である。図2は、下部プレート3の概略構成を示す全体図であり、(a)が平面図であり、(b)が側面図である。この図に示すように、下部プレート3は、底板部3aと、接合部3bと、化粧板取付部3cとを有している。
【0033】
底板部3aは、本体パネル2の下部2aの背面部2a1とアーム部2a2とによって囲まれた領域を平面視にて埋設する平板状の部位である。この底板部3aは、前側から後側に向かうに連れて幅寸法が減少する略二等辺三角形状とされている。底板部3aの上面には、シート部材10が敷設されている。この底板部3aは、シート部材10の上に載置された物品を下方から支持する。
【0034】
また、底板部3aには、複数の貫通孔3dが設けられている。これらの貫通孔3dは、例えば、底板部3aの上に敷かれたシート部材10を取り外す場合に、底板部3aの下方から工具を差し入れてシート部材10を浮かせるために用いられる。
【0035】
接合部3bは、底板部3aの後縁から下方に垂下した板状の部位である。この接合部3bは、本体パネル2の下部2aの背面部2a1に当接された状態で接合される部位である。この接合部3bは、例えばスポット溶接によって本体パネル2に対して接合される。
【0036】
化粧板取付部3cは、底板部3aの前縁から下方に垂下した板状の部位である。この化粧板取付部3cは、前側から見て、下部2aの一方のアーム部2a2の先端と他方のアーム部2a2の先端との間の隙間に配置されている。この化粧板取付部3cは、下部化粧板4が接合されて、下部化粧板4をアーム部2a2の先端と他方のアーム部2a2の先端との間の隙間にて保持する。
【0037】
下部化粧板4は、化粧板取付部3cに接合されており、本体パネル2の下部2aの一方のアーム部2a2の先端と他方のアーム部2a2の先端との間の隙間を埋設するように配置されている。この下部化粧板4の高さ寸法は、アーム部2a2の高さ寸法と一致されている。また、下部化粧板4とアーム部2a2とは、隙間を最小限にあるいは当接されて配置されている。このように、下部化粧板4の高さ寸法がアーム部2a2の高さ寸法と一致され、下部化粧板4とアーム部2a2とが隙間を最小限にあるいは当接されて配置されていることで、下部化粧板4とアーム部2a2との一体感が高められている。
【0038】
キャスタ5は、下部プレート3の底板部3aの下面に対して複数取り付けられており、本体パネル2、下部プレート3、下部化粧板4、上部プレート6、上部化粧板7、取付台8、給電部9、シート部材10及び保持ベルト11を直接的あるいは間接的に下方から支持している。これらのキャスタ5は、転動可能に床面に対して当接されており、本体パネル2、下部プレート3、下部化粧板4、上部プレート6、上部化粧板7、取付台8、給電部9、シート部材10及び保持ベルト11を移動可能に支持している。なお、本体パネル2等を移動可能に支持する移動支持部は、必ずしもキャスタ5である必要はない。例えば、下面の摩擦係数が低い部材を移動支持部として備えることも可能である。
【0039】
上部プレート6は、本体パネル2の上部2bに固定された板状の部位である。図3は、上部プレート6の概略構成を示す全体図であり、(a)が平面図であり、(b)が側面図である。この図に示すように、上部プレート6は、底板部6aと、接合部6bと、化粧板取付部6cとを有している。
【0040】
底板部6aは、本体パネル2の上部2bの背面部2b1とアーム部2b2とによって囲まれた領域を平面視にて埋設する平板状の部位である。この底板部6aは、前側から後側に向かうに連れて幅寸法が減少する略二等辺三角形状とされている。底板部6aの上面には、シート部材10が敷設されている。この底板部6aは、シート部材10の上に載置された物品を下方から支持する。
【0041】
また、底板部6aには、複数の貫通孔6dが設けられている。これらの貫通孔6dは、例えば、底板部6aの上に敷かれたシート部材10を取り外す場合に、底板部6aの下方から工具を差し入れてシート部材10を浮かせるために用いられる。
【0042】
また、底板部6aには、給電部9の後述するコンセント部9aを露出するためのコンセント用開口6eが2つ設けられている。これらのコンセント用開口6eは、図3に示すように、前後方向にて底板部6aの中央部よりも奥側に配置されている。
【0043】
接合部6bは、底板部6aの後縁から下方に垂下した板状の部位である。この接合部6bは、本体パネル2の上部2bの背面部2b1に当接された状態で接合される部位である。この接合部6bは、例えばスポット溶接によって本体パネル2に対して接合される。
【0044】
化粧板取付部6cは、底板部6aの前縁から下方に垂下した板状の部位である。この化粧板取付部6cは、前側から見て、上部2bの一方のアーム部2b2の先端と他方のアーム部2b2の先端との間の隙間に配置されている。この化粧板取付部6cは、上部化粧板7が接合されて、上部化粧板7をアーム部2b2の先端と他方のアーム部2b2の先端との間の隙間にて保持する。
【0045】
上部化粧板7は、化粧板取付部6cに接合されており、本体パネル2の上部2bの一方のアーム部2b2の先端と他方のアーム部2b2の先端との間の隙間を埋設するように配置されている。この上部化粧板7の高さ寸法は、アーム部2b2の高さ寸法と一致されている。また、上部化粧板7とアーム部2b2とは、隙間を最小限にあるいは当接されて配置されている。このように、上部化粧板7の高さ寸法がアーム部2b2の高さ寸法と一致され、上部化粧板7とアーム部2b2とが隙間を最小限にあるいは当接されて配置されていることで、上部化粧板7とアーム部2b2との一体感が高められている。
【0046】
図1に戻り、取付台8は、上部プレート6の下面(図3に示す底板部6aの下面)に対して固定されている。この取付台8は、給電部9のコンセント部9aが下方から固定される台部であり、コンセント用開口6eの下方に配置されている。この取付台8は、平面視において中央部にコンセント部9aを差し込むための開口を有しており、コンセント部9aが下方からネジ等によって締結される。
【0047】
給電部9は、コンセント部9aと、給電コード9bとを有する。コンセント部9aは、外部の電子機器のプラグが差し込まれるソケットを有する部位である。このコンセント部9aは、上方から見てソケットをコンセント用開口6eから露出させるようにして取付台8に対して固定されている。なお、コンセント部9aは、コンセント用開口6eの数に合わせて2つのソケットを有している。給電コード9bは、コンセント部9aに接続されており、コンセント部9aに対して電力を供給するためのコードである。この給電コード9bは、本体パネル2の丸開口2fを介して外部に引き出し可能とされており、先端部に対して商用電源等に接続するための不図示のプラグを有している。
【0048】
シート部材10は、下部プレート3の底板部3aの上面と、上部プレート6の底板部6aの上面との各々に敷かれている。このシート部材10の上面は、物品を載置可能な載置面とされており、例えば表面が不織布等によって形成されている。このシート部材10は、下部プレート3の底板部3aの上面の全体あるいは上部プレート6の底板部6aの上面の全体を覆う形状とされている。
【0049】
保持ベルト11は、上述のように丸開口2f及びスリット2gに挿通されており、端部同士が面ファスナ等によって着脱可能とされている。この保持ベルト11は、丸開口2fに挿通されて給電コード9bを保持可能な部材であり、巻回されて環状とされた給電コード9bの一部に対して挿通されて給電コード9bを保持する。このような保持ベルト11によって、例えば、商用電源等に接続されていない状態の給電コード9bをコンパクトに収容することが可能となる。
【0050】
このような本実施形態のワゴン装置1は、本体パネル2の下部2a及び下部プレート3を含む下部載置部20と、本体パネル2の上部2b及び上部プレート6を含む上部載置部30(上方物品載置部)とを有している。図4は、下部載置部20の概略構成を示す平面図である。この図に示すように、下部載置部20は、前側から後側に向かうに連れて近づく2つの外壁面21(支持側面)を有している。これらの外壁面21は、本体パネル2の外壁面によって形成されており、他の什器等によって支持されることが可能とされた面である。下部載置部20は、これらの2つの外壁面21が接続されることで形成される角部32を有している。つまり、下部載置部20は、前側から後側に向かうに連れて窄む形状を有しており、奥側に角部32が設けられた形状を有している。また、下部載置部20には、上方から物品が載置可能な載置面23が設けられている。この載置面23は、本実施形態においてはシート部材10の上面によって形成されている。つまり、シート部材10が、載置面23を有する載置部とされている。なお、シート部材10は必ずしも設ける必要はない。この場合には、下部プレート3の表面が載置面23となり、下部プレート3が載置部となる。
【0051】
図5は、上部載置部30の概略構成を示す平面図である。この図に示すように、上部載置部30は、前側から後側に向かうに連れて近づく2つの外壁面31(上方支持側面)を有している。これらの外壁面21は、本体パネル2の外壁面によって形成されており、他の什器等によって支持されることが可能とされた面である。上部載置部30は、これらの2つの外壁面31が接続されることで形成される角部32を有している。つまり、上部載置部30は、手前から奥側に向かうに連れて窄む形状を有しており、奥側に角部32が設けられた形状を有している。また、上部載置部30には、上方から物品が載置可能な載置面33が設けられている。この載置面33は、本実施形態においてはシート部材10の上面によって形成されている。なお、シート部材10は必ずしも設ける必要はない。この場合には、上部プレート6の表面が載置面23となる。
【0052】
このような本実施形態のワゴン装置1は、例えば、デスクの天板の下方に配置され、デスクで作業を行う作業者が自らの荷物を下部載置部20あるいは上部載置部30に載置する。例えば、作業者は、カバン等の比較的大きな荷物を下部載置部20に載置し、携帯端末等の比較的に小さな荷物を上部載置部30に載置する。
【0053】
以上のような本実施形態のワゴン装置1においては、キャスタ5と、キャスタ5によって移動可能に支持された本体パネル2の下部2aと、本体パネル2の下部2aに支持されて物品を載置可能な載置面23を有するシート部材10とを備え、本体パネル2の下部2aが、他の什器によって支持されることが可能な2つの外壁面21を有し、2つの外壁面21が前側から後側に向かうに連れて近接されている。
【0054】
このような本実施形態のワゴン装置1によれば、他の什器によって支持されることが可能な2つの外壁面21が後部に向かうに連れて近接されるため、本体パネル2の下部2aが前部から後部に向けて窄む形状とされている。このため、設置空間の角空間等の狭い箇所に本体パネル2の下部2aの後部を合わせるようにしてワゴン装置1を設置することができる。したがって、本実施形態のワゴン装置1によれば、設置空間の利用し難い狭いスペース(デッドスペース)を有効的に利用して設置することができ、限られた空間を有効的に利用することで使い勝手の良い空間の減少を抑制することができる。さらに、本実施形態のワゴン装置1によれば、本体パネル2の下部2aに支持されたシート部材10に物品が載置可能とされており、収容力を確保することができる。よって、本実施形態のワゴン装置1によれば、限られた空間を有効的に利用することで使い勝手の良い空間の減少を抑制しつつ、収容力を確保することが可能となる。
【0055】
また、本実施形態のワゴン装置1においては、本体パネル2の下部2aに立設された立設部2cと、立設部2cに支持されて本体パネル2の下部2aの上方に配置された上部載置部30とを備えている。このため、平面視におけるワゴン装置1の全体の大きさが大きくなることを防止しつつさらに収容力を大きくすることが可能となる。
【0056】
また、本実施形態のワゴン装置1においては、上部載置部30が、他の什器によって支持されることが可能な2つの外壁面31を有し、2つの外壁面31が前側から後側に向かうに連れて近接されている。このような本実施形態のワゴン装置1によれば、上部載置部30も下部載置部20と同様に、前部から後部に向けて窄む形状となる。このため、上部載置部30も設置空間の角空間等の狭い箇所に進入させることができ、より広い物品載置スペースを確保することが可能となる。
【0057】
また、本実施形態のワゴン装置1においては、上部載置部30の上面に露出されかつ前後方向の中央部よりも上部載置部30の後部側に配置されたコンセント部9aを備えている。このため、上部載置部30の狭い部位をプラグの差し込み箇所として効率的に利用することが可能となる。また、本実施形態のワゴン装置1によれば、コンセント部9aを備えているため、電子機器への給電を行うことが可能となる。
【0058】
また、本実施形態のワゴン装置1においては、本体パネル2の下部2aの前部から後部に至る側縁部と上部載置部30との間に、載置面23を露出する側方開口部2c2を有している。このような本実施形態のワゴン装置1によれば、側方開口部2c2を介することで、物品をワゴン装置1の側方からシート部材10の載置面23に対して出し入れすることができる。このため、正面のみならず様々な方向からシート部材10の載置面23に対して物品を出し入れすることが可能となる。
【0059】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本第2実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0060】
図6は、本実施形態の什器システムS1の概略構成を示す図であり、(a)が正面図であり、(b)が平面図である。これらの図に示すように、本実施形態の什器システムS1は、昇降デスク100(天板付什器)と、上記第1実施形態のワゴン装置1とを備えている。
【0061】
昇降デスク100は、平面視が矩形状の天板101と、天板101を昇降可能な昇降脚102(脚体)とを備えている。ワゴン装置1は、天板101の下方に配置されており、図6(b)に示すように、天板101の奥側の角部の下方に後部が位置するように配置されている。また、ワゴン装置1は、一方の外壁面21が昇降脚102に近接(あるいは当接して)配置されている。
【0062】
このような本実施形態の什器システムS1によれば、デッドスペースとなりやすい天板101の奥側の角部の下方にワゴン装置1を入れ込んで配置することができ、例えば作業者の脚が自由に動かせる空間を広く確保することが可能となる。
【0063】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、本第3実施形態の説明においても、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0064】
図7は、本実施形態の什器システムS2の概略構成を示す平面図である。この図に示すように、本実施形態の什器システムS2は、丸天板テーブル200(天板付什器)と、上記第1実施形態のワゴン装置1とを備えている。
【0065】
丸天板テーブル200は、平面視が円形の天板201と、天板201を支持する十字状の脚体202とを備えている。ワゴン装置1は、天板201の下方に配置されており、十字状の脚体202の平面視の中央に後側を近づけて配置されている。
【0066】
このような本実施形態の什器システムS2によれば、通常であれば、ワゴン装置を設置することが困難な十字状の脚体202で支持された天板201の下方空間にワゴン装置1を配置することが可能となる。
【0067】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0068】
例えば、上記実施形態においては、ワゴン装置1が下部載置部20と上部載置部30とを備える構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図8に示すように、下部載置部20のみによって構成されたワゴン装置とすることも可能である。
【符号の説明】
【0069】
1……ワゴン装置、2……本体パネル、2a……下部(基部)、2b……上部、2c……立設部、2c1……前開口部、2c2……側方開口部、3……下部プレート、4……下部化粧板、5……キャスタ(移動支持部)、6……上部プレート、7……上部化粧板、8……取付台、9……給電部、9a……コンセント部、9b……給電コード、10……シート部材(載置部)、11……保持ベルト、20……下部載置部、21……外壁面(支持側面)、23……載置面、30……上部載置部(上方物品載置部)、31……外壁面(上方支持側面)、32……角部、33……載置面、100……昇降デスク(天板付什器)、101……天板、102……昇降脚、200……丸天板テーブル(天板付什器)、201……天板、202……脚体、S1……什器システム、S2……什器システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8