(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】フレキシブルバスバ
(51)【国際特許分類】
H01R 35/02 20060101AFI20241203BHJP
【FI】
H01R35/02 A
H01R35/02 B
(21)【出願番号】P 2020208368
(22)【出願日】2020-12-16
【審査請求日】2023-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 敦郎
(72)【発明者】
【氏名】大島 慶亮
(72)【発明者】
【氏名】金井 彬洋
(72)【発明者】
【氏名】岩倉 栄作
(72)【発明者】
【氏名】柴田 一穂
(72)【発明者】
【氏名】小岩 慎一朗
【審査官】▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-161350(JP,A)
【文献】実開昭56-117485(JP,U)
【文献】実開平01-166992(JP,U)
【文献】特開2005-347540(JP,A)
【文献】特開2020-161333(JP,A)
【文献】特開2019-125430(JP,A)
【文献】特開2019-096527(JP,A)
【文献】特開昭63-250082(JP,A)
【文献】特開2012-182047(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/24- 4/46
H01R 4/58- 4/72
H01R 9/03- 9/11
H01R 35/00-35/04
H01B 5/00- 5/16
H01B 7/00- 7/02
H01B 7/38- 7/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟性及び導電性を有する柔軟導体と、
前記柔軟導体の一端部に接続された第1端子と、
前記柔軟導体の他端部に接続された第2端子と、
絶縁性を有し、前記柔軟導体を被覆する絶縁部材と、を備え、
前記第1端子及び前記第2端子は、
接続先に接続される接続端部と、
前記接続端部に対して屈曲しており、前記接続端部と前記柔軟導体との間に設けられた中間部と、を有し、
前記第1端子の前記中間部は、
前記接続端部と前記柔軟導体とを連結する連結部と、
前記接続端部と前記柔軟導体とを結ぶ第1方向と交差する第2方向に前記連結部から突出する一対の突起と、を有し、
前記一対の突起は、前記第1方向に互いに離間して
おり、
前記第1方向及び前記第2方向の双方と直交する方向における各前記突起の厚みは、前記第1方向における各前記突起の寸法より小さく、かつ、前記第2方向における各前記突起の寸法より小さく、
各前記突起は、前記第1方向に前記柔軟導体と重ならない位置に設けられている、フレキシブルバスバ。
【請求項2】
前記第1端子における前記連結部の表面積と前記一対の突起の表面積との和は、前記第1端子における前記接続端部の表面積よりも大きい、請求項1に記載のフレキシブルバスバ。
【請求項3】
前記第1方向における各前記突起の寸法は、前記第1方向における前記一対の突起間の距離よりも大きい、請求項1又は2に記載のフレキシブルバスバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フレキシブルバスバに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特開2008-41330号公報には、編組線と、編組線の両端に取り付けられた接続端子と、編組線の外周に設けられた絶縁被覆と、を備える電フレキシブルバスバが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開2008-41330号公報に記載されるようなフレキシブルバスバでは、当該フレキシブルバスバに対して編組線と接続端子との接続部や絶縁被覆の許容温度以上の入熱が生じた際に、溶損が発生する。
【0005】
本開示の目的は、溶損の発生を抑制可能なフレキシブルバスバを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一局面に従ったフレキシブルバスバは、柔軟性及び導電性を有する柔軟導体と、前記柔軟導体の一端部に接続された第1端子と、前記柔軟導体の他端部に接続された第2端子と、絶縁性を有し、前記柔軟導体を被覆する絶縁部材と、を備え、前記第1端子及び前記第2端子は、接続先に接続される接続端部と、前記接続端部に対して屈曲しており、前記接続端部と前記柔軟導体との間に設けられた中間部と、を有する。
【0007】
また、前記絶縁部材は、前記柔軟導体と前記第1端子との接続部、及び、前記柔軟導体と前記第2端子との接続部を被覆することが好ましい。
【0008】
また、前記第1端子の前記中間部は、前記接続端部と前記柔軟導体と連結する連結部と、前記接続端部と前記柔軟導体とを結ぶ第1方向と交差する第2方向に前記連結部から突出するとともに、前記第1方向に互いに離間する位置に形成された一対の突起と、を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、溶損の発生を抑制可能なフレキシブルバスバが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態のフレキシブルバスバが接続された状態を概略的に示す斜視図である。
【
図3】フレキシブルバスバの変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0012】
図1は、本開示の一実施形態のフレキシブルバスバが接続された状態を概略的に示す斜視図である。このフレキシブルバスバ1は、例えば、車両に用いられる。
図1に示されるように、フレキシブルバスバ1は、車両の端子台10と、ステータ20に設けられたステータ端子22と、に接続されている。
【0013】
図2に示されるように、フレキシブルバスバ1は、柔軟導体100と、第1端子200と、第2端子300と、絶縁部材400と、を備えている。なお、
図1では、絶縁部材400の図示は省略されており、柔軟導体100は、概略的に示されている。
【0014】
柔軟導体100は、柔軟性及び導電性を有している。柔軟導体100は、大電流を流すことが可能な導体からなる。柔軟導体100は、例えば、導線の集合体、編組線、電線束からなる。この柔軟導体100は、組付けばらつき(部品寸法や締結時のみずみ等)を吸収可能である。
【0015】
第1端子200は、柔軟導体100の一端部101に接続されている。第1端子200は、溶接、溶着又はかしめによって柔軟導体100に接続されている。第1端子200は、1枚の金属板からなる。第1端子200は、接続端部210と、中間部220と、を有している。
【0016】
接続端部210は、接続先(端子台10)に接続される部位である。接続端部210には、ボルト等の締結部材を挿通させる貫通孔210hが設けられている。
【0017】
中間部220は、接続端部210に対して屈曲している。中間部220は、接続端部210と柔軟導体100との間に設けられている。中間部220の表面積は、接続端部210の表面積よりも大きい。中間部220は、連結部222と、一対の突起224と、を有している。
【0018】
連結部222は、接続端部210と柔軟導体100の一端部101と連結している。連結部222は、平板状に形成されている。
【0019】
一対の突起224は、接続端部210と柔軟導体100とを結ぶ第1方向(
図2を参照)と交差する第2方向(
図2を参照)に連結部222から突出している。一対の突起224は、第1方向に互いに離間する位置に形成されている。各突起224の突出寸法は、第2方向における連結部222の寸法よりも小さくてもよい。第1方向における各突起224の寸法は、第1方向における突起224間の距離よりも大きくてもよい。
【0020】
第2端子300は、柔軟導体100の他端部102に接続されている。第2端子300は、溶接、溶着又はかしめによって柔軟導体100に接続されている。第2端子300は、1枚の金属板からなる。第2端子300は、接続端部310と、中間部320と、を有している。
【0021】
接続端部310は、接続先(ステータ端子22)に接続される部位である。本実施形態では、接続端部310は、ナット付き端子で構成されている。接続端部310は、ボルト等の締結部材30(
図1を参照)によってステータ端子22に接続される。
【0022】
中間部320は、接続端部310に対して屈曲している。中間部320は、接続端部310と柔軟導体100との間に設けられている。中間部320の表面積は、接続端部310の表面積よりも大きい。
【0023】
絶縁部材400は、絶縁性を有し、柔軟導体100を被覆している。絶縁部材400は、柔軟導体100と第1端子200との接続部、及び、柔軟導体100と第2端子300との接続部を被覆している。絶縁部材400は、例えば、樹脂製のフィルムやチューブからなる。
【0024】
以上に説明したように、本実施形態のフレキシブルバスバ1では、接続端部210,310に対して屈曲した中間部220,320を有しているため、第1端子200及び第2端子300の表面積が確保される。これにより、各端子200,300の放熱性が高まるため、溶損の発生が抑制される。
【0025】
また、第1端子200の中間部220は、一対の突起224を有しているため、第1端子200の表面積がさらに確保される。また、一対の突起224は、組付け時に部品を保持することが可能であるため、組付性が良好となる。
【0026】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0027】
例えば、
図3に示されるように、第1端子200の中間部220は、一対の他の突起226をさらに有していてもよい。他の突起226は、第2方向に連結部222を基準として突起224と反対側に配置されている。
【符号の説明】
【0028】
1 フレキシブルバスバ、100 柔軟導体、101 一端部、102 他端部、200 第1端子、210 接続端部、220 中間部、222 連結部、224 突起、226 他の突起、300 第2端子、310 接続端部、320 中間部、400 絶縁部材。