(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】撮影妨害検知装置、撮影妨害検知システム、及び撮影妨害検知プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 23/60 20230101AFI20241203BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20241203BHJP
【FI】
H04N23/60
G03B15/00 V
(21)【出願番号】P 2021023819
(22)【出願日】2021-02-18
【審査請求日】2023-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今尾 勝崇
【審査官】東松 修太郎
(56)【参考文献】
【文献】特許第6808112(JP,B1)
【文献】特開2011-211558(JP,A)
【文献】特開2007-300185(JP,A)
【文献】特開2014-223135(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/60
G03B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが、複数の撮像装置のうちの対応する撮像装置が撮影妨害されているか否かの推定結果を示す複数の妨害推定情報を取得する推定情報取得部と、
前記複数の撮像装置を
、当該各撮像装置が置かれた照度環境に応じて複数の集合に分類し、前記推定情報取得部が取得した複数の妨害推定情報のうち、前記複数の撮像装置のうちの第1の撮像装置に対応する妨害推定情報、及び前記複数の撮像装置のうちの前記第1の撮像装置と同一の集合に属する第2の撮像装置に対応する妨害推定情報に基づいて、前記第1の撮像装置が撮影妨害されているか否かを特定する妨害特定部と、を備えていることを特徴とする、撮影妨害検知装置。
【請求項2】
前記妨害特定部は、現在時刻に基づいて、前記複数の撮像装置を複数の集合に分類することを特徴とする、請求項1に記載の撮影妨害検知装置。
【請求項3】
前記妨害特定部は、前記現在時刻が日中の時間帯に該当する場合、前記複数の撮像装置を複数の集合に分類し、前記現在時刻が夜中の時間帯に該当する場合、前記複数の撮像装置を分類しないことを特徴とする、請求項2に記載の撮影妨害検知装置。
【請求項4】
前記複数の撮像装置は、車両内に設置されており、
前記妨害特定部は、前記車両の現在位置に基づいて、前記複数の撮像装置を複数の集合に分類することを特徴とする、請求項1に記載の撮影妨害検知装置。
【請求項5】
前記妨害特定部は、前記車両が走行する経路上の位置と、当該位置において前記複数の撮像装置がそれぞれ画像を撮影する際に日光による影響を受けるか否かを示す日光影響情報とが位置毎に対応付けられた位置影響情報にさらに基づいて、前記複数の撮像装置を複数の集合に分類することを特徴とする、請求項4に記載の撮影妨害検知装置。
【請求項6】
前記妨害特定部は、前記推定情報取得部が取得した複数の妨害推定情報のうち、前記第1の撮像装置及び前記第2の撮像装置が属する集合の各撮像装置に対応する妨害推定情報が、全て、対応する撮像装置が撮影妨害されているという推定結果を示す場合、当該各撮像装置が全て撮影妨害されていないと特定することを特徴とする、請求項1から請求項5の何れか1項に記載の撮影妨害検知装置。
【請求項7】
前記推定情報取得部は、前記複数の撮像装置のうちの、撮影妨害されていると推定された撮像装置に関して、当該撮像装置が撮影妨害されていると継続して推定された妨害推定期間を示す妨害推定期間情報をさらに取得し、
前記妨害特定部は、前記推定情報取得部がさらに取得した妨害推定期間情報が示す妨害推定期間にさらに基づいて、前記第1の撮像装置が撮影妨害されているか否かを特定することを特徴とする、請求項1から請求項6の何れか1項に記載の撮影妨害検知装置。
【請求項8】
前記複数の撮像装置が撮影した各画像を複数の部分画像に分割し、当該各画像における部分画像毎の輝度を示す画像輝度情報を取得する画像輝度取得部と、
前記複数の撮像装置にそれぞれ対応する所定の基準輝度を示す基準輝度情報を取得する基準輝度取得部と、
前記画像輝度取得部が取得した画像輝度情報が示す部分画像毎の輝度、及び前記基準輝度取得部が取得した基準輝度情報が示す基準輝度を、撮像装置毎に比較することにより、撮像装置が撮影妨害されているか否かを撮像装置毎に推定することによって、前記複数の妨害推定情報を生成する妨害推定部と、をさらに備え、
前記推定情報取得部は、前記妨害推定部が生成した複数の妨害推定情報を取得することを特徴とする、請求項1から請求項7の何れか1項に記載の撮影妨害検知装置。
【請求項9】
前記複数の撮像装置がそれぞれ画像を撮影した際に用いた撮影パラメータを示す撮影パラメータ情報を取得する撮影パラメータ取得部と、
前記複数の撮像装置にそれぞれ対応する所定の基準撮影パラメータを示す基準撮影パラメータ情報を取得する基準撮影パラメータ取得部と、
前記撮影パラメータ取得部が取得した撮影パラメータ情報が示す撮影パラメータ、及び前記基準撮影パラメータ取得部が取得した基準撮影パラメータ情報が示す基準撮影パラメータを、撮像装置毎に比較することにより、撮像装置が撮影妨害されているか否かを撮像装置毎に推定することによって、前記複数の妨害推定情報を生成する妨害推定部と、をさらに備え、
前記推定情報取得部は、前記妨害推定部が生成した複数の妨害推定情報を取得することを特徴とする、請求項1から請求項8の何れか1項に記載の撮影妨害検知装置。
【請求項10】
前記撮影妨害検知装置の動作モードを、前記複数の撮像装置がそれぞれ撮影妨害されているか否かを検知する妨害検知モード、又は、前記複数の撮像装置がそれぞれ撮影妨害されているか否かを検知する妨害検知を休止する妨害検知休止モードの何れか一方に、現在時刻に基づいて切り替える時刻モード切替部をさらに備え、
前記時刻モード切替部が前記動作モードを前記妨害検知モードに切り替えた場合、前記推定情報取得部は、前記複数の妨害推定情報を取得し、前記妨害特定部は、前記第1の撮像装置が撮影妨害されているか否かを特定することを特徴とする、請求項1から請求項9の何れか1項に記載の撮影妨害検知装置。
【請求項11】
前記時刻モード切替部は、
前記現在時刻が日中の時間帯に該当する場合、前記動作モードを前記妨害検知休止モードに切り替え、
前記現在時刻が夜中の時間帯に該当する場合、前記動作モードを前記妨害検知モードに切り替えることを特徴とする、請求項10に記載の撮影妨害検知装置。
【請求項12】
前記複数の撮像装置は、車両内に設置されており、
前記撮影妨害検知装置の動作モードを、前記複数の撮像装置がそれぞれ撮影妨害されているか否かを検知する妨害検知モード、又は、前記複数の撮像装置がそれぞれ撮影妨害されているか否かを検知する妨害検知を休止する妨害検知休止モードの何れか一方に、前記車両の現在位置に基づいて切り替える位置モード切替部をさらに備え、
前記位置モード切替部が前記動作モードを前記妨害検知モードに切り替えた場合、前記推定情報取得部は、前記複数の妨害推定情報を取得し、前記妨害特定部は、前記第1の撮像装置が撮影妨害されているか否かを特定することを特徴とする、請求項1から請求項11の何れか1項に記載の撮影妨害検知装置。
【請求項13】
前記位置モード切替部は、
前記車両が走行する経路上の位置と、当該位置において前記複数の撮像装置がそれぞれ画像を撮影する際に日光による影響を受けるか否かを示す日光影響情報とが位置毎に対応付けられた位置影響情報にさらに基づいて、前記現在位置が、前記複数の撮像装置がそれぞれ画像を撮影する際に日光による影響を受ける位置であるか否かを判定し、
前記現在位置が、前記複数の撮像装置がそれぞれ画像を撮影する際に日光による影響を受ける位置であると判定した場合、前記動作モードを前記妨害検知休止モードに切り替え、
前記現在位置が、前記複数の撮像装置がそれぞれ画像を撮影する際に日光による影響を受ける位置ではないと判定した場合、前記動作モードを前記妨害検知モードに切り替えることを特徴とする、請求項12に記載の撮影妨害検知装置。
【請求項14】
前記推定情報取得部は、それぞれが、別の複数の撮像装置のうちの対応する撮像装置が撮影妨害されているか否かの推定結果を示す別の複数の妨害推定情報を、別の撮影妨害検知装置からさらに取得し、
前記妨害特定部は、前記推定情報取得部が取得した複数の妨害推定情報が、全て、対応する撮像装置が撮影妨害されているという推定結果を示す場合、前記推定情報取得部がさらに取得した別の複数の妨害推定情報に基づいて、前記複数の撮像装置がそれぞれ撮影妨害されているか否かを特定することを特徴とする、請求項1から請求項13の何れか1項に記載の撮影妨害検知装置。
【請求項15】
前記複数の撮像装置は、車両編成に連結された第1の車両内に設置されており、
前記別の複数の撮像装置は、前記車両編成に連結された第2の車両内に設置されていることを特徴とする、請求項14に記載の撮影妨害検知装置。
【請求項16】
前記妨害特定部が、前記第1の撮像装置が撮影妨害されていると特定した場合、撮影妨害されていると特定された第1の撮像装置を識別するための識別表示信号を出力する出力制御部をさらに備えていることを特徴とする、請求項1から請求項15の何れか1項に記載の撮影妨害検知装置。
【請求項17】
請求項16に記載の撮影妨害検知装置と、
前記複数の撮像装置と、
前記出力制御部が出力した識別表示信号を表示する表示装置と、を備えていることを特徴とする、撮影妨害検知システム。
【請求項18】
それぞれが、複数の撮像装置のうちの対応する撮像装置が撮影妨害されているか否かの推定結果を示す複数の妨害推定情報を取得する推定情報取得部
前記複数の撮像装置を
、当該各撮像装置が置かれた照度環境に応じて複数の集合に分類し、前記推定情報取得部が取得した複数の妨害推定情報のうち、前記複数の撮像装置のうちの第1の撮像装置に対応する妨害推定情報、及び前記複数の撮像装置のうちの前記第1の撮像装置と同一の集合に属する第2の撮像装置に対応する妨害推定情報に基づいて、前記第1の撮像装置が撮影妨害されているか否かを特定する妨害特定部
としてコンピュータを機能させるための撮影妨害検知プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮影妨害検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、撮影レンズが物体によって覆われている場合、撮像装置は、撮影対象を正常に撮影することができない(以下では、撮像装置が撮影対象を正常に撮影することができないことを撮影妨害と呼称する)。そこで、撮影妨害検知装置は、撮像装置が撮影妨害されているか否かを推定する。
【0003】
特許文献1には、遊技場に設置された台カメラが撮影した画像情報に基づいて、台カメラが撮影妨害されていることを検知する撮影妨害検知装置が記載されている。当該撮影妨害検知装置は、台カメラに入光した光の光量を数値化した情報を示す画像情報に基づいて、台カメラの撮影が妨害されているか否かを判定する撮影妨害判定手段を備えている。当該撮影妨害判定手段は、画像情報に示される数値情報が特定の閾値の範囲内に含まれる場合に、台カメラが撮影妨害を受けている可能性があることを示す第1の状態を判定し、第1の状態が所定の時間継続することにより、第1の状態よりも撮影妨害を受けている可能性が高い第2の状態を判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のような従来の技術では、撮像装置が置かれた環境によって、撮像装置の撮影レンズに入光する光の光量が異なるため、撮像装置が撮影妨害されていないにもかかわらず、撮像装置が撮影妨害されていると誤判定してしまう場合があるという問題がある。
【0006】
本開示は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、撮像装置が撮影妨害されているか否かの判定精度を向上させる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る撮影妨害検知装置は、それぞれが、複数の撮像装置のうちの対応する撮像装置が撮影妨害されているか否かの推定結果を示す複数の妨害推定情報を取得する推定情報取得部と、複数の撮像装置を、当該各撮像装置が置かれた照度環境に応じて複数の集合に分類し、推定情報取得部が取得した複数の妨害推定情報のうち、複数の撮像装置のうちの第1の撮像装置に対応する妨害推定情報、及び複数の撮像装置のうちの第1の撮像装置と同一の集合に属する第2の撮像装置に対応する妨害推定情報に基づいて、第1の撮像装置が撮影妨害されているか否かを特定する妨害特定部と、を備えている。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、撮像装置が撮影妨害されているか否かの判定精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る撮影妨害検知システムの複数の撮像装置がそれぞれ設置されている鉄道車両10の内部を上から見た図である。
【
図2】実施の形態1に係る撮影妨害検知システムのシステム構成の一例を示す構成図である。
【
図3】
図3A、
図3B、
図3C、及び
図3Dは、それぞれ、
図1の矢印Xの方向から鉄道車両10の内側を見た際の点線Ya1-Ya2、点線Yb1-Yb2、点線Yc1-Yc2、及び点線Yd1-Yd2における断面の一例を示す断面図である。
【
図4】複数の撮像装置がそれぞれ鉄道車両の車内を撮影する範囲の一例を示す図である。
【
図6】実施の形態1に係る撮影妨害検知システムにおける撮影妨害検知装置の要部の構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】
図7Aは、妨害特定部が、ある撮像装置が撮影妨害されていないと特定する場合の一例を示す図である。
図7Bは、妨害特定部が、ある撮像装置が撮影妨害されていると特定する場合の一例を示す図である。
【
図8】
図1に示す4台の撮像装置についてそれぞれ推定された撮影妨害の有無、及び、妨害特定部により特定された撮影妨害の有無の一例を示す図である。
【
図9】
図9A及び
図9Bは実施の形態1に係る撮影妨害検知システムにおける撮影妨害検知装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図10】実施の形態1に係る撮影妨害検知システムにおける撮影妨害検知装置の処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図11】実施の形態2に係る撮影妨害検知システムにおける撮影妨害検知装置の要部の構成の一例を示すブロック図である。
【
図12】実施の形態2に係る撮影妨害検知システムにおける撮影妨害検知装置の処理の一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示をより詳細に説明するため、本開示を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る撮影妨害検知システム1の複数の撮像装置がそれぞれ設置されている鉄道車両10の内部を上から見た図である。実施の形態1では、
図1が示すように、実施の形態1に係る撮影妨害検知システム1の複数の撮像装置がそれぞれ鉄道車両10の内部に設置されている例について説明するが、撮影妨害検知システム1の複数の撮像装置は、それぞれ、鉄道車両以外の車両の内部、又は建物内部等に設置されていてもよく、当該例に限定されない。
【0011】
図2は、実施の形態1に係る撮影妨害検知システム1のシステム構成の一例を示す構成図である。撮影妨害検知システム1は、要部として、鉄道車両10、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-N(Nは自然数)、通信ネットワーク12、画像記録装置13、表示装置14、及び撮影妨害検知装置100を備える。なお、撮影妨害検知システム1は、画像記録装置13を備えていなくてもよい。
【0012】
複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nは、それぞれ、例えば、デジタルスチルカメラ又はデジタルビデオカメラ等であり、撮影により得られた画像情報を外部に出力可能である。複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nは、それぞれ、鉄道車両10の内部に設置され、鉄道車両10の内部を撮影する。複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nは、それぞれ、LAN(Local Area Network)又は無線LAN等の通信ネットワーク12を介して、撮影により得られた画像情報を外部に出力する。
【0013】
なお、
図1及び
図2が示す例では、鉄道車両10に設置されている複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのうちの4台の撮像装置11-1,11-2,11-3,11-4のみを示し、実施の形態1に係る撮影妨害検知システム1の撮像装置の構成について、当該4台の撮像装置11-1,11-2,11-3,11-4を用いて説明する。なお、撮影妨害検知システム1が備える撮像装置の台数は、複数台であればよく、3台以下であっても5台以上であってもよい。
【0014】
図3A、
図3B、
図3C、及び
図3Dは、それぞれ、
図1の矢印Xの方向から鉄道車両10の内側を見た際の点線Ya1-Ya2、点線Yb1-Yb2、点線Yc1-Yc2、及び点線Yd1-Yd2における断面の一例を示す断面図である。
【0015】
図4は、複数の撮像装置11-1,11-2,11-3,11-4がそれぞれ鉄道車両10の車内を撮影する範囲の一例を示す図である。
図5A、
図5B、
図5C、及び
図5Dは、それぞれ、複数の撮像装置11-1,11-2,11-3,11-4がそれぞれ撮影することにより得られた画像情報の一例を示す図である。
【0016】
図3から
図5までの図から見て取れるように、複数の撮像装置11-1,11-2,11-3,11-4は、配置が千鳥配置となるように、それぞれ、乗客が乗降時に出入りする扉の上部に設置されている。これにより、複数の撮像装置11-1,11-2,11-3,11-4は、鉄道車両10の車内全体を撮影可能である。複数の撮像装置11-1,11-2,11-3,11-4は、それぞれ、鉄道車両10の車内を撮影することができればよく、乗降時に出入りする扉の上部と異なる位置に設置されていてもよい。複数の撮像装置11-1,11-2,11-3,11-4の配置は、千鳥配置と異なる配置であってもよい。
【0017】
画像記録装置13は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nが出力した各画像情報を取得し、取得した各画像情報を、撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nを識別するための識別情報と、画像を取得した時刻を示す取得時刻情報とに対応付けて、画像記録装置13に内蔵された不揮発性記憶媒体等に記録する。より具体的には、例えば、画像記録装置13は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nが出力した各画像情報を、通信ネットワーク12を介して取得する。
【0018】
画像記録装置13は、通信ネットワーク12を介して複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nが出力した各画像情報を取得できれば、画像記録装置13の設置場所は、鉄道車両10の内部に限るものではなく、例えば、画像記録装置13は、鉄道車両10と離れた場所に設置されてもよい。実施の形態1では、画像記録装置13は、鉄道車両10の内部に設置されているものとして説明する。
【0019】
撮影妨害検知装置100は、後述するように、それぞれが、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのうちの対応する撮像装置が撮影妨害されているか否かの推定結果を示す複数の妨害推定情報に基づいて、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nがそれぞれ撮影妨害されているか否かを特定し、撮影妨害されていると特定した撮像装置を識別するための識別表示信号を出力する。詳細については後述する。
【0020】
表示装置14は、撮影妨害検知装置100が出力した識別表示信号を表示する。表示装置14は、例えば、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nにそれぞれ対応する複数の発光体により構成される。当該発光体は、例えば、発光ダイオード又はランプ等である。表示装置14が複数の発光体により構成される場合、撮影妨害検知装置100は、識別表示信号を出力することにより、各発光体の発光制御を行う。
【0021】
なお、表示装置14は、複数の発光体により構成される表示装置のみに限定されない。例えば、表示装置14は、液晶ディスプレイ等のディスプレイであってもよい。表示装置14がディスプレイである場合、撮影妨害検知装置100は、撮影妨害されていると特定した撮像装置を識別するための画像を識別表示信号として当該ディスプレイに出力し、当該ディスプレイの表示制御を行う。
【0022】
または、例えば、表示装置14は、スピーカ又はブザー等の音声出力装置であってもよい。表示装置14が音声出力装置である場合、撮影妨害検知装置100は、音声出力装置に識別表示信号を出力することにより、音声により通知するための通知制御を行う。
【0023】
または、例えば、表示装置14は、不図示の計算機等の外部装置が出力する画像信号を表示するものであってよい。表示装置14が、外部装置が出力する画像信号を表示するものである場合、撮影妨害検知装置100は、通信ネットワーク12を介して、撮影妨害されていると特定した撮像装置を識別するための識別信号を当該外部装置に出力し、当該外部装置が、撮影妨害検知装置100から取得した識別信号に基づいて画像信号を生成して表示装置14に出力する。
【0024】
実施の形態1では、
図2に示すように、表示装置14は、撮影妨害検知装置100の筺体に配置された、複数の撮像装置11-1,11-2,11-3,11-4にそれぞれ対応する複数の発光体14-1,14-2,14-3,14-4により構成されている。表示装置14は、撮影妨害検知装置100が識別表示信号を出力することにより、複数の発光体14-1,14-2,14-3,14-4の各発光制御を行う。
【0025】
図6は、実施の形態1に係る撮影妨害検知システム1における撮影妨害検知装置100の要部の構成の一例を示すブロック図である。
撮影妨害検知装置100は、推定情報取得部110、画像取得部120、画像輝度取得部130、基準輝度取得部140、妨害推定部150、妨害特定部160、及び出力制御部170を備えている。
【0026】
画像取得部120は、通信ネットワーク12を介して、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nが出力した各画像情報を取得する。画像取得部120は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nが出力し、画像記録装置13が通信ネットワーク12を介して記録した各画像情報を、画像記録装置13から取得してもよい。
【0027】
画像輝度取得部130は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nが撮影した各画像を複数の部分画像に分割し、当該各画像における部分画像毎の輝度を示す画像輝度情報を取得する。より詳細には、実施の形態1では、画像輝度取得部130は、画像取得部120が取得した各画像情報が示す画像を複数の部分画像に分割し、当該各画像情報が示す画像における部分画像毎の輝度を示す画像輝度情報を取得する。
【0028】
さらに具体的には、画像輝度取得部130は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nが撮影した各画像を複数の部分画像に分割し、当該各画像における部分画像毎の輝度の平均値を算出することにより、当該各画像における部分画像毎の輝度の平均値を示す画像輝度情報を取得する。なお、ここにおける「部分画像毎の輝度の平均値」は、各部分画像において輝度を平均した値を意味する。
【0029】
例えば、画像輝度取得部130は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nが撮影した各画像における部分画像毎の輝度を示す画像輝度情報を、撮像装置11-1,11-2,・・・,11-N又は画像記録装置13から通信ネットワーク12を介して取得してもよい。
【0030】
例えば、画像輝度取得部130は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nが撮影した各画像を上半分と下半分に2分割し、当該各画像における上半分の輝度の平均値と、当該各画像における下半分の輝度の平均値とを算出する。なお、ここでは、画像輝度取得部130は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nが撮影した各画像に対して、3分割以上の分割をしてもよく、部分画像毎に大きさが異なるように分割してもよい。
【0031】
なお、画像輝度取得部130が部分画像毎に輝度を算出する理由は、後述するように複数の撮像装置11-1,・・・,11-Nを予め複数の集合に分類した場合、輝度が低い集合では、撮像装置がいたずらされても、輝度変化が小さいため、いたずらを検知できないおそれがあるためである。
【0032】
上記のように画像輝度取得部130が部分画像毎に輝度を算出することにより、例えば、撮像装置の前に非常灯が点灯するような、画像の一部に強い光が入るケースにおいて、後述する撮影妨害の検知ができない可能性を下げることが可能となる。
【0033】
基準輝度取得部140は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nにそれぞれ対応する所定の基準輝度を示す基準輝度情報を取得する。
例えば、基準輝度取得部140は、基準輝度情報を、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-N又は画像記録装置13から通信ネットワーク12を介して取得する。
基準輝度取得部140は、撮影妨害検知装置100の筺体の内部又は外部に備えられた不図示の記憶装置から基準輝度情報を読み出すことにより、基準輝度情報を取得してもよい。
【0034】
妨害推定部150は、画像輝度取得部130が取得した画像輝度情報が示す部分画像毎の輝度、及び基準輝度取得部140が取得した基準輝度情報が示す基準輝度を、撮像装置毎に比較する。妨害推定部150は、当該比較により、撮像装置が撮影妨害されているか否かを撮像装置毎に推定することによって、それぞれが、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのうちの対応する撮像装置が撮影妨害されているか否かの推定結果を示す複数の妨害推定情報を生成する。より詳細には、実施の形態1では、妨害推定部150は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのうちの、撮影妨害されていると推定した撮像装置に関して、当該撮像装置が撮影妨害されていると継続して推定した妨害推定期間を計測することにより、当該妨害推定期間を示す妨害推定期間情報を生成する。妨害推定部150は、生成した妨害推定情報及び妨害推定期間情報を推定情報取得部110に出力する。
【0035】
例えば、妨害推定部150は、撮影妨害の有無を推定する際に、基準輝度取得部140が取得した基準輝度情報が示す基準輝度の代わりに、画像輝度取得部130が取得した画像輝度情報が示す全ての画像における輝度の平均値を用いてもよい。
【0036】
例えば、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nの何れかの撮像装置におけるレンズ等の光学系の下半分が、遮光性の布等により覆われた場合、当該撮像装置が撮影した画像を上下2分割することにより得られる2つの部分画像の各輝度は、当該撮像装置の基準輝度に対して、上半分の部分画像の輝度が高い値となり、下半分の部分画像の輝度が低い値となる。そこで、妨害推定部150は、ある画像を上下2分割することにより得られる2つの部分画像の各輝度と、当該画像を撮影した撮像装置の基準輝度とを比較して、上半分の部分画像の輝度が当該基準輝度より高い値であり、下半分の部分画像の輝度が当該基準輝度より低い値であると判定した場合、当該撮像装置が撮影妨害されているという推定結果を示す妨害推定情報、又は当該撮像装置の光学系の下半分が撮影妨害されているという推定結果を示す妨害推定情報を生成する。
【0037】
または、例えば、妨害推定部150は、ある画像を上下2分割することにより得られる2つの部分画像の各輝度と、当該画像を撮影した撮像装置の基準輝度とを比較して、上半分の部分画像の輝度が当該基準輝度を中心とした所定の範囲内の値であり、下半分の部分画像の輝度が当該基準輝度を中心とした所定の範囲外の値であると判定した場合、当該撮像装置が撮影妨害されているという推定結果を示す妨害推定情報、又は当該撮像装置の光学系の下半分が撮影妨害されているという推定結果を示す妨害推定情報を生成する。
【0038】
つまり、妨害推定部150は、部分画像毎の輝度と基準輝度とを比較することによって、撮像装置が部分的に撮影妨害されているか否かの推定結果を示す妨害推定情報を生成してもよい。
【0039】
または、例えば、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nの何れかの撮像装置におけるレンズ等の光学系が、全体的に遮光性の布等により覆われた場合、当該撮像装置が撮影した画像を分割することにより得られる複数の部分画像の各輝度は、当該撮像装置の基準輝度に対して、全て低い値となる。そこで、例えば、妨害推定部150は、ある画像を分割することにより得られる複数の部分画像の各輝度と、当該画像を撮影した撮像装置の基準輝度とを比較して、当該各輝度が全て当該基準輝度よりも低いと判定した場合、当該撮像装置が撮影妨害されているという推定結果を示す妨害推定情報、又は当該撮像装置の光学系の全体が撮影妨害されているという推定結果を示す妨害推定情報を生成する。
【0040】
または、例えば、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nの何れかの撮像装置の光学系が、外部から強い白色光等により照射された場合、当該撮像装置が撮影した画像を分割することによって得られる複数の部分画像の各輝度は、当該撮像装置の基準輝度に対して、全て高い値となる。そこで、例えば、妨害推定部150は、ある画像を分割して得られる複数の部分画像の各輝度と、当該画像を撮影した撮像装置の基準輝度とを比較して、当該各輝度が全て当該基準輝度よりも高いと判定した場合、当該撮像装置が撮影妨害されているという推定結果を示す妨害推定情報、又は当該撮像装置の光学系の全体が撮影妨害されているという推定結果を示す妨害推定情報を生成する。
【0041】
または、例えば、妨害推定部150は、ある画像を分割することにより得られる複数の部分画像の各輝度と、当該画像を撮影した撮像装置の基準輝度とを比較して、当該各輝度が全て当該基準輝度を中心とした所定の範囲内の値であると判定した場合、当該撮像装置が撮影妨害されていないという推定結果を示す妨害推定情報を生成する。一方で、妨害推定部150は、当該各輝度が全て当該基準輝度を中心とした所定の範囲外の値であると判定した場合、当該撮像装置が撮影妨害されているという推定結果を示す妨害推定情報、又は当該撮像装置の光学系の全体が撮影妨害されているという推定結果を示す妨害推定情報を生成する。
【0042】
つまり、妨害推定部150は、部分画像毎の輝度と基準輝度とを比較することによって、撮像装置が全体的に撮影妨害されているか否かの推定結果を示す妨害推定情報を生成してもよい。
【0043】
実施の形態1では、一例として、妨害推定部150が、ある画像を上下2分割することにより得られる2つの部分画像の各輝度と、当該画像を撮影した撮像装置の基準輝度とを比較して、上半分の部分画像の輝度が当該基準輝度よりも高く、下半分の部分画像の輝度が当該基準輝度よりも低いと判定した場合、当該撮像装置の光学系の下半分が撮影妨害されているという推定結果を示す妨害推定情報を生成するものとして説明する。
【0044】
例えば、既に設置された複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-N、及び画像記録装置13がそれぞれ妨害推定情報を生成できないものであっても、上記のように、撮影妨害検知装置100が、画像取得部120、画像輝度取得部130、基準輝度取得部140、及び妨害推定部150を備えることにより、妨害推定情報を生成することができる。よって、妨害推定情報を用いた撮影妨害検知システム1を構築することができる。
【0045】
推定情報取得部110は、それぞれが、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのうちの対応する撮像装置が撮影妨害されているか否かの推定結果を示す複数の妨害推定情報を取得する。より詳細には、実施の形態1では、推定情報取得部110は、妨害推定部150が生成した複数の妨害推定情報を取得する。
【0046】
さらに詳細には、実施の形態1では、推定情報取得部110は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのうちの、撮影妨害されていると推定された撮像装置に関して、当該撮像装置が撮影妨害されていると継続して推定された妨害推定期間を示す妨害推定期間情報をさらに取得する。さらに詳細には、実施の形態1では、推定情報取得部110は、妨害推定部150が生成した妨害推定期間情報をさらに取得する。または、推定情報取得部110は、取得した複数の妨害推定情報に基づいて、妨害推定期間を計測することにより妨害推定期間情報を取得してもよい。推定情報取得部110は、取得した複数の妨害推定情報及び妨害推定期間情報を妨害特定部160に出力する。
【0047】
推定情報取得部110は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nが生成した妨害推定情報を、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nから取得してもよい。その場合、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nは、それぞれ、撮影した各画像を分割することにより得られる複数の部分画像の各輝度と、撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nにそれぞれ対応する所定の基準輝度とを比較することにより、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nがそれぞれ撮影妨害されているか否かを推定する。そして、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nは、それぞれ、推定した結果に基づいて、撮像装置が撮影妨害されているか否かを示す妨害推定情報を生成する。そして、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nは、それぞれ、通信ネットワーク12を介して、生成した妨害推定情報を撮影妨害検知装置100に出力する。
このように、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nがそれぞれ妨害推定情報を生成することにより、撮影妨害検知装置100の処理負荷を低減することができる。
【0048】
または、推定情報取得部110は、画像記録装置13が生成した妨害推定情報を、画像記録装置13から取得してもよい。その場合、画像記録装置13は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nから取得した各画像情報が示す画像を複数の部分画像に分割し、当該各画像情報が示す画像における部分画像毎の輝度を算出する。そして、画像記録装置13は、算出した部分画像毎の輝度と、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nにそれぞれ対応する所定の基準輝度とを比較することにより、妨害推定情報を生成する。そして、画像記録装置13は、通信ネットワーク12を介して、生成した妨害推定情報を撮影妨害検知装置100に出力する。
【0049】
このように、画像記録装置13が妨害推定情報を生成することにより、撮影妨害検知装置100の処理負荷を低減することができる。また、既に設置された複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nがそれぞれ妨害推定情報を生成できないものであっても、画像記録装置13が妨害推定情報を生成することにより、妨害推定情報を用いた撮影妨害検知システム1を構築することができる。
【0050】
なお、推定情報取得部110が、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-N、又は画像記録装置13が生成した妨害推定情報を取得する場合、撮影妨害検知装置100において、画像取得部120、画像輝度取得部130、基準輝度取得部140、及び妨害推定部150は、必須の構成ではない。
【0051】
妨害特定部160は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nを複数の集合に分類し、推定情報取得部110が取得した複数の妨害推定情報のうち、第1の撮像装置に対応する妨害推定情報、及び複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのうちの第1の撮像装置と同一の集合に属する第2の撮像装置に対応する妨害推定情報に基づいて、第1の撮像装置が撮影妨害されているか否かを特定する。なお、妨害特定部160は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nを単一の集合に分類してもよい。
【0052】
さらに詳細には、実施の形態1では、妨害特定部160は、推定情報取得部110が取得した複数の妨害推定情報のうち、第1の撮像装置及び第2の撮像装置が属する集合の各撮像装置に対応する妨害推定情報が、全て、対応する撮像装置が撮影妨害されているという推定結果を示す場合、当該各撮像装置が全て撮影妨害されていないと特定する。
【0053】
より具体的には、例えば、妨害特定部160は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nを単一の集合に分類し、撮像装置11-1が撮影妨害されていると推定され、且つ、複数の撮像装置11-2,・・・,11-Nの全てが撮影妨害されていると推定されていた場合、撮像装置11-1が撮影妨害されていないと特定する。
【0054】
これは、例えば、複数の撮像装置11-1,・・・,11-Nがそれぞれ設置された鉄道車両10が車内照明を全て点灯して車庫に入庫されている場合等、各撮像装置で撮影した映像の上半分が車内照明により明るく映り、映像の下半分が暗く映るような状況が想定されるためである。
【0055】
または、例えば、妨害特定部160は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nを第1の集合と第2の集合とに分類し、第1の集合に属する複数の撮像装置11-1乃至11-M(1≦M≦N-1)が全て撮影妨害されていると推定されている場合、撮像装置11-1が撮影妨害されていないと特定する。
【0056】
これは、例えば、複数の撮像装置11-1,・・・,11-Nがそれぞれ設置された鉄道車両10において、複数の撮像装置11-1乃至11-M(1≦M≦N-1)の正面の車内照明を全て点灯し、その他の撮像装置の正面の車内照明を全て消灯して、鉄道車両10が車庫に入庫されている場合等、複数の撮像装置11-1乃至11-Mで撮影した各映像の上半分が車内照明により明るく映り、映像の下半分が暗く映り、その他の撮像装置で撮影した映像が暗く映る状況が想定されるためである。または、例えば、複数の撮像装置11-1,・・・,11-Nが設置された鉄道車両10が車内照明を全て消灯して車庫に入庫されている場合等、鉄道車両内全体の照度が不足していることが想定されるためである。
【0057】
分類に関して、例えば、実施の形態1では、妨害特定部160は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nを、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-M(1≦M≦N-1)を含む第1の集合と、複数の撮像装置11-K,・・・,11-N(K=M+1)を含む第2の集合とに分類する。その場合、妨害特定部160は、複数の妨害推定情報のうち、第1の集合に属する複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Mに対応する各妨害推定情報に基づいて、撮像装置11-1が撮影妨害されているか否かを特定し、複数の妨害推定情報のうち、第2の集合に属する撮像装置11-K,・・・,11-Nに対応する各妨害推定情報に基づいて、撮像装置11-Kが撮影妨害されているか否かを特定する。
【0058】
例えば、妨害特定部160は、現在時刻に基づいて、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nを複数の集合に分類してもよい。その場合、例えば、妨害特定部160は、現在時刻が日中の時間帯に該当する場合、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nを複数の集合に分類し、現在時刻が夜中の時間帯に該当する場合、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nを分類しないか、又は単一の集合に分類する。なお、ここにおける日中の時間帯は、例えば、日の出から日の入りまでの時間帯である。また、ここにおける夜中の時間帯は、例えば、日の入りから日の出までの時間帯である。
【0059】
または、例えば、妨害特定部160は、車両の現在位置に基づいて、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nを複数の集合に分類する。その場合、例えば、妨害特定部160は、車両が走行する経路上の位置と、当該位置において複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nがそれぞれ画像を撮影する際に日光による影響を受けるか否かを示す日光影響情報とが位置毎に対応付けられた位置影響情報にさらに基づいて、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nを複数の集合に分類する。
【0060】
または、例えば、妨害特定部160は、推定情報取得部110が取得した複数の妨害推定情報に基づいて、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nを複数の集合に分類してもよい。その場合、例えば、妨害特定部160は、推定情報取得部110が取得した複数の妨害推定情報のうち、撮像装置が全体的に撮影妨害されているという推定結果を示す妨害推定情報に対応する撮像装置を第1の集合に分類する。また、例えば、妨害特定部160は、推定情報取得部110が取得した複数の妨害推定情報のうち、撮像装置が部分的に撮影妨害されているという推定結果を示す妨害推定情報に対応する撮像装置を第2の集合に分類する。
【0061】
より具体的には、妨害特定部160は、上記の何れかの情報、又は所定の分類基準に基づいて、以下のように複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nを分類する。例えば、車内照明を一部点灯する場合において、妨害特定部160は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nを、点灯する車内照明の正面に設置された撮像装置を含む第1の集合と、点灯する車内照明の正面に設置されていない撮像装置を含む第2の集合とに分類する。
【0062】
または、例えば、車両内に外光が入射する場合において、妨害特定部160は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nを、外光の影響を受けやすい撮像装置を含む第1の集合と、外光の影響を受けにくい撮像装置を含む第2の集合とに分類する。
【0063】
または、例えば、車両客室と車両客室以外(デッキ又は連結部など)に撮像装置を設置する場合において、妨害特定部160は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nを、車両客室に設置され、車内照明の輝度が相対的に高いエリアを撮影する撮像装置を含む第1の集合と、車両客室以外に設置され、車内照明の輝度が相対的に低いエリアを撮影する撮像装置を含む第2の集合とに分類する。
【0064】
または、例えば、車両内と車両外(パンタグラフなど)を撮影する撮像装置を設置する場合において、妨害特定部160は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nを、外光の影響を受けにくい、車両内を撮影する撮像装置を含む第1の集合と、外光の影響を受けやすい、車両外を撮影する撮像装置を含む第2の集合とに分類する。
【0065】
または、例えば、複数の撮像装置の設置高が異なる場合において、妨害特定部160は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nを、撮影妨害を受けやすい高さに設置された撮像装置を含む第1の集合と、撮影妨害を受けにくい高さに設置された撮像装置の第2の集合とに分類する。
【0066】
さらに詳細には、実施の形態1では、妨害特定部160は、推定情報取得部110がさらに取得した妨害推定期間情報が示す妨害推定期間にさらに基づいて、第1の撮像装置が撮影妨害されているか否かを特定する。
【0067】
例えば、妨害特定部160は、第1の集合に含まれる複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Mのうちの第1の撮像装置が撮影妨害されていると推定された場合、第1の集合に含まれる複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Mのうちの第2の撮像装置が撮影妨害されているか否かを示す妨害推定情報と、第1の撮像装置が撮影妨害されていると継続して推定された妨害推定期間の長さとに基づいて、第1撮像装置が撮影妨害されているか否かを特定する。
【0068】
同時に、例えば、妨害特定部160は、第2の集合に含まれる複数の撮像装置11-K,・・・,11-Nのうちの第3の撮像装置が撮影妨害されていると推定されている場合、第2の集合に含まれる複数の撮像装置11-K,・・・,11-Nのうちの第4の撮像装置が撮影妨害されているか否かを示す妨害推定情報と、第3の撮像装置が撮影妨害されていると継続して推定された妨害推定期間の長さとに基づいて、第3の撮像装置が撮影妨害されているか否かを特定する。
【0069】
より具体的には、例えば、4台の撮像装置11-1,・・・,11-4が存在し、妨害特定部160が、複数の撮像装置11-1,11-2を第1の集合、複数の撮像装置11-3,11-4を第2の集合と規定している場合、妨害特定部160は、撮像装置11-1について映像の下半分のみが撮影妨害されていると推定され、且つ、撮像装置11-2についても映像の下半分のみが撮影妨害されていると推定された場合、撮像装置11-1が撮影妨害されていないと特定する。
【0070】
同時に、例えば、妨害特定部160は、撮像装置11-3について映像全体が撮影妨害されていると推定され、且つ、撮像装置11-4についても映像全体が撮影妨害されていると推定された場合、撮像装置11-3が撮影妨害されていないと特定する。
【0071】
これは、例えば、複数の撮像装置11-1,・・・,11-4がそれぞれ設置された鉄道車両10において、撮像装置11-1及び撮像装置11-2の各正面の車内照明を全て点灯し、その他の撮像装置の正面の車内照明を全て消灯して車庫に入庫されている場合等、撮像装置11-1及び撮像装置11-2で撮影した各映像の上半分が車内照明により明るく映り、映像の下半分が暗く映り、その他の撮像装置で撮影した映像が暗く映る状況が想定されるためである。
【0072】
または、例えば、推定情報取得部110が妨害推定期間情報をさらに取得しない場合、以下の構成を採用してもよい。つまり、妨害特定部160は、撮像装置11-1が撮影妨害されていると推定され、且つ、撮像装置11-2,・・・,11-Nの何れかについて撮影妨害されていないと推定された場合、撮像装置11-1が撮影妨害されていると継続して推定された妨害推定期間の長さを計測してもよい。その場合、妨害特定部160は、撮像装置11-1に対応する妨害推定情報に基づいて、撮像装置11-1が撮影妨害されていると継続して推定した妨害推定期間の長さとして、最初に撮像装置11-1について撮影妨害されていると推定されたと判定してから継続して撮像装置11-1が撮影妨害されていると推定されたと判定するまでの妨害推定期間を、例えば、不図示のタイマーを用いて計測する。
【0073】
例えば、妨害特定部160は、撮像装置11-1が撮影妨害されていると継続して推定された妨害推定期間の長さが、所定の期間の長さより短い場合、撮像装置11-1が撮影妨害されていないと特定する。
【0074】
これは、撮像装置11-1の光学系が、鉄道車両10に乗車する乗客等の荷物により不用意に覆われてしまった場合等、一時的に撮像装置11-1の光学系が覆われていることが想定されるためである。
【0075】
妨害特定部160は、撮像装置11-1が撮影妨害されていると継続して推定された妨害推定期間の長さが、所定の期間の長さ以上である場合、撮像装置11-1が撮影妨害されていると特定する。
これは、撮像装置11-1の光学系が継続的に覆われていることが想定されるためである。
【0076】
例えば、妨害特定部160は、複数の撮像装置11-1,・・・,11-Nを予め複数の集合に分類し、各集合にて、撮像装置が撮影妨害されていると継続して推定された妨害推定期間の長さを計測してもよい。
【0077】
より具体的には、妨害特定部160は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-M(1≦M≦N-1)のうちの撮像装置11-1が撮影妨害されていると推定された場合、撮像装置11-1が撮影妨害されていると継続して推定された妨害推定期間の長さとして、最初に撮像装置11-1が撮影妨害されていると推定されたと判定してから、継続して撮像装置11-1が撮影妨害されていると推定されたと判定するまでの妨害推定期間を、例えば、不図示のタイマーを用いて計測する。さらに、妨害特定部160は、複数の撮像装置11-K,・・・,11-N(K=M+1)のうちの撮像装置11-Kが撮影妨害されていると推定された場合、撮像装置11-Kが撮影妨害されていると継続して推定された妨害推定期間の長さとして、最初に撮像装置11-Kが撮影妨害されていると推定されたと判定してから、継続して撮像装置11-Kが撮影妨害されていると推定されたと判定するまでの妨害推定期間を、例えば、不図示のタイマーを用いて計測する。
【0078】
妨害特定部160は、撮像装置11-1が撮影妨害されていると継続して推定された妨害推定期間の長さが、所定の期間の長さより短い場合、撮像装置11-1が撮影妨害されていないと特定する。また、妨害特定部160は、撮像装置11-Kが撮影妨害されていると継続して推定された妨害推定期間の長さが、所定の期間の長さより短い場合、撮像装置11-Kが撮影妨害されていないと特定する。
【0079】
これは、撮像装置11-1及び11-Kの各光学系が、鉄道車両10の点検等で乗車する作業者等の作業により覆われてしまった場合等、一時的に撮像装置11-1の光学系が覆われていることが想定されるためである。
【0080】
妨害特定部160は、撮像装置11-1が撮影妨害されていると継続して推定された妨害推定期間の長さが、所定の期間の長さより長い場合、撮像装置11-1が撮影妨害されていると特定する。また、妨害特定部160は、撮像装置11-Kが撮影妨害されていると継続して推定された妨害推定期間の長さが、所定の期間の長さより長い場合、撮像装置11-Kが撮影妨害されていると特定する。
これは、撮像装置11-1及び11-Kの各光学系が継続的に覆われていることが想定されるためである。
【0081】
以下で、
図7を参照して、妨害特定部160が、撮像装置11-1が撮影妨害されているか否かを特定する際に判定する妨害推定期間の長さについて説明する。
図7Aは、妨害特定部160が、ある撮像装置が撮影妨害されていないと特定する場合の一例を示す図である。
図7Bは、妨害特定部160が、ある撮像装置が撮影妨害されていると特定する場合の一例を示す図である。
図7A及び
図7Bにおいて、横軸は時刻を示し、縦軸は輝度の高さを示す。実線で示した折れ線は、ある撮像装置が撮影した画像における輝度を示す。破線で示した直線は、当該撮像装置の基準輝度を示す。
【0082】
図7Aに示すように、ある撮像装置が撮影した画像における輝度が当該撮像装置の基準輝度より低いが、所定の期間に亘って継続して低いわけではない場合、妨害特定部160は、当該撮像装置が撮影妨害されていないと特定する。
【0083】
また、
図7Bに示すように、ある撮像装置が撮影した画像における輝度が当該撮像装置の基準輝度より、所定の期間に亘って継続して低い場合、妨害特定部160は、当該撮像装置が撮影妨害されていると特定する。
【0084】
以下で、
図8を参照して、推定情報取得部110が取得した妨害推定情報に基づいて、妨害特定部160が撮影妨害の有無を特定する方法について説明する。
図8は、
図1に示す4台の撮像装置11-1,11-2,11-3,11-4についてそれぞれ推定された撮影妨害の有無、及び、妨害特定部160により特定された撮影妨害の有無の一例を示す図である。
【0085】
図8の(1)により示される時点において、4台の撮像装置11-1,11-2,11-3,11-4は、何れも撮影妨害されていないと推定されている。
図8は、(1)により示す時点以降、15分間経過ごとに、推定情報取得部110が4台の撮像装置11-1,11-2,11-3,11-4に対応する各妨害推定情報を取得し、推定情報取得部110が取得した各妨害推定情報に基づいて、妨害特定部160が撮影妨害の有無を特定する例を示している。
【0086】
図8の(2)から(8)までにより示される時点において、4台の撮像装置11-1,11-2,11-3,11-4のうち、撮像装置11-1が撮影妨害されていると推定され、撮像装置11-1以外の撮像装置が撮影妨害されていないと推定されている。
【0087】
図8は、妨害特定部160が、所定の期間である1時間を超えて継続して撮像装置11-1が撮影妨害されていると推定された場合に、撮像装置11-1が撮影妨害されていると特定する例を示している。
【0088】
出力制御部170は、妨害特定部160が、第1の撮像装置が撮影妨害されていると特定した場合、撮影妨害されていると特定された第1の撮像装置を識別するための識別表示信号を出力する。
【0089】
より詳細には、出力制御部170は、妨害特定部160が、撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのうちで、撮影妨害されていると特定した撮像装置を識別するための識別表示信号を出力する。より具体的には、例えば、出力制御部170は、当該識別表示信号を表示装置14に出力する。
【0090】
例えば、出力制御部170は、妨害特定部160が、撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのうちで、撮影妨害されていないと特定した撮像装置を識別するための識別表示信号を出力してもよい。
【0091】
例えば、出力制御部170は、
図2に示すように表示装置14が、複数の撮像装置11-1,11-2,11-3,11-4にそれぞれ対応する複数の発光体14-1,14-2,14-3,14-4により構成されたものである場合、撮影妨害されていないと特定された撮像装置に対応する発光体を消灯させ、撮影妨害されていると特定された撮像装置に対応する発光体を点灯させるように出力制御を行う。
表示装置14は、出力制御部170が出力した識別表示信号を表示する。
識別表示信号の詳細は、上述の表示装置14で説明したため、ここでは説明を省略する。
【0092】
図9A及び
図9Bは実施の形態1に係る撮影妨害検知システム1における撮影妨害検知装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
当該図を参照して、実施の形態1に係る撮影妨害検知システム1における撮影妨害検知装置100の要部のハードウェア構成について説明する。
【0093】
図9Aに示すように、撮影妨害検知装置100はコンピュータにより構成されており、当該コンピュータはプロセッサ901及びメモリ902を有している。メモリ902には、当該コンピュータを、推定情報取得部110、画像取得部120、画像輝度取得部130、基準輝度取得部140、妨害推定部150、妨害特定部160、及び出力制御部170として機能させるためのプログラムが記憶されている。メモリ902に記憶されているプログラムをプロセッサ901が読み出して実行することにより、推定情報取得部110、画像取得部120、画像輝度取得部130、基準輝度取得部140、妨害推定部150、妨害特定部160、及び出力制御部170の機能が実現される。
【0094】
また、
図9Bに示すように、撮影妨害検知装置100は処理回路903により構成されても良い。この場合、推定情報取得部110、画像取得部120、画像輝度取得部130、基準輝度取得部140、妨害推定部150、妨害特定部160、及び出力制御部170の機能が処理回路903により実現されても良い。
【0095】
また、撮影妨害検知装置100はプロセッサ901、メモリ902及び処理回路903により構成されても良い(不図示)。この場合、推定情報取得部110、画像取得部120、画像輝度取得部130、基準輝度取得部140、妨害推定部150、妨害特定部160、及び出力制御部170の機能のうちの一部の機能がプロセッサ901及びメモリ902により実現されて、残余の機能が処理回路903により実現されるものであっても良い。
【0096】
プロセッサ901は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ又はDSP(Digital Signal Processor)を用いたものである。
【0097】
メモリ902は、例えば、半導体メモリ又は磁気ディスクを用いたものである。より具体的には、メモリ902は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、SSD(Solid State Drive)又はHDD(Hard Disk Drive)などを用いたものである。
【0098】
処理回路903は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、SoC(System-on-a-Chip)又はシステムLSI(Large-Scale Integration)を用いたものである。
【0099】
図10を参照して、実施の形態1に係る撮影妨害検知システム1における撮影妨害検知装置100の動作について説明する。
図10は、実施の形態1に係る撮影妨害検知システム1における撮影妨害検知装置100の処理の一例を説明するフローチャートである。なお、撮影妨害検知装置100は、当該フローチャートの処理を、例えば、
図8に示す例のように、15分間等の所定時間経過ごとに繰り返し実行する。
【0100】
図10が示すように、ステップST101にて、基準輝度取得部140は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nにそれぞれ対応する所定の基準輝度を示す基準輝度情報を取得する。
次に、ステップST102にて、画像取得部120は、通信ネットワーク12を介して、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nが出力した各画像情報を取得する。
【0101】
次に、ステップST103にて、画像輝度取得部130は、画像取得部120が取得した各画像情報が示す画像を複数の部分画像に分割し、当該各画像情報が示す画像における部分画像毎の輝度を示す画像輝度情報を取得する。また、ステップST103にて、基準輝度取得部140は、複数の撮像装置にそれぞれ対応する所定の基準輝度を示す基準輝度情報を取得する。
【0102】
次に、ステップST104にて、妨害推定部150は、画像輝度取得部130が取得した画像輝度情報が示す部分画像毎の輝度、及び基準輝度取得部140が取得した基準輝度情報が示す基準輝度を、撮像装置毎に比較することにより、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nがそれぞれ撮影妨害されているか否かを撮像装置毎に推定することによって、複数の妨害推定情報を生成する。また、妨害推定部150は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのうちの、撮影妨害されていると推定した撮像装置に関して、当該撮像装置が撮影妨害されていると継続して推定された妨害推定期間を計測することにより、当該妨害推定期間を示す妨害推定期間情報を生成する。妨害推定部150は、生成した妨害推定情報及び妨害推定期間情報を推定情報取得部110に出力する。
【0103】
次に、ステップST105にて、推定情報取得部110は、妨害推定部150が生成した複数の妨害推定情報を取得する。また、ステップST105にて、推定情報取得部110は、妨害推定部150が生成した妨害推定期間情報をさらに取得する。
【0104】
次に、ステップST110にて、妨害特定部160は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nを第1の集合と第2の集合とに分類する。ここにおける第1の集合は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-M(1≦M≦N-1)から構成される。ここにおける第2の集合は、複数の撮像装置11-K,・・・,11-N(K=M+1)から構成される。
【0105】
次に、ステップST111にて、妨害特定部160は、推定情報取得部110が取得した複数の妨害推定情報のうち、第1の集合に属する複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Mに対応する各妨害推定情報に基づいて、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Mのうちの少なくとも1つの撮像装置が撮影妨害されていると推定されたか否かを判定する。また、ステップST111にて、妨害特定部160は、推定情報取得部110が取得した複数の妨害推定情報のうち、第2の集合に属する複数の撮像装置11-K,・・・,11-Nに対応する各妨害推定情報に基づいて、複数の撮像装置11-K,・・・,11-Nのうちの少なくとも1つの撮像装置が撮影妨害されていると推定されたか否かを判定する。
【0106】
妨害特定部160は、ステップST111において第1の集合に属する複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Mが全て撮影妨害されていないと判定した場合、ステップST112にて、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Mが全て撮影妨害されていないと特定する。ステップST112の後、ステップST113にて、出力制御部170は、妨害特定部160が、撮影妨害されていないと特定した第1の集合に属する複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Mをそれぞれ識別するための識別表示信号を出力する。
【0107】
また、妨害特定部160は、ステップST111において第2の集合に属する複数の撮像装置11-K,・・・,11-Nが全て撮影妨害されていないと判定した場合、ステップST112にて、複数の撮像装置11-K,・・・,11-Nが全て撮影妨害されていないと特定する。ステップST112の後、ステップST113にて、出力制御部170は、妨害特定部160が、撮影妨害されていないと特定した第2の集合に属する複数の撮像装置11-K,11-2,・・・,11-Nをそれぞれ識別するための識別表示信号を出力する。
【0108】
ステップST113の後、撮影妨害検知装置100は、当該フローチャートの処理を終了し、撮影妨害検知装置100は、所定時間経過毎に当該フローチャートの処理を繰り返し実行する。
【0109】
ステップST111にて、妨害特定部160が、第1の集合に属する複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-M(1≦M≦N-1)のうちの少なくとも1つの撮像装置が撮影妨害されていると推定されたと判定した場合、ステップST121にて、妨害特定部160は、推定情報取得部110が取得した複数の妨害推定情報のうち、第1の集合に属する複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Mに対応する各妨害推定情報に基づいて、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Mが全て撮影妨害されていると推定されたか否かを判定する。また、ステップST111にて、妨害特定部160が、第2の集合に属する複数の撮像装置11-K,・・・,11-N(K=M+1)のうちの少なくとも1つの撮像装置が撮影妨害されていると推定されたと判定した場合、ステップST121にて、妨害特定部160は、推定情報取得部110が取得した複数の妨害推定情報のうち、第2の集合に属する複数の撮像装置11-K,・・・,11-Nに対応する各妨害推定情報に基づいて、複数の撮像装置11-K,・・・,11-Nが全て撮影妨害されていると推定されたか否かを判定する。
【0110】
ステップST121にて、妨害特定部160が、第1の集合に属する複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Mが全て撮影妨害されていると推定されたと判定した場合、撮影妨害検知装置100は、ステップST112の処理を実行する。ステップST121にて、妨害特定部160が、第2の集合に属する複数の撮像装置11-K,・・・,11-Nが全て撮影妨害されていると推定されたと判定した場合、撮影妨害検知装置100は、ステップST112の処理を実行する。
【0111】
ステップST121にて、妨害特定部160が、第1の集合に属する複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Mのうちの少なくとも1つの撮像装置が撮影妨害されていいないと推定されたと判定した場合、ステップST131にて、妨害特定部160は、第1の集合に属する複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Mのうちの、撮影妨害されていると推定された撮像装置(ステップST111で撮影妨害されていると推定されたと妨害特定部160が判定した撮像装置)に関して、推定情報取得部110がさらに取得した妨害推定期間情報が示す妨害推定期間が、所定の期間を超えているか否かを判定する。
【0112】
また、ステップST121にて、妨害特定部160が、第2の集合に属する複数の撮像装置11-K,・・・,11-Nのうちの少なくとも1つの撮像装置が撮影妨害されていないと推定されたと判定した場合、ステップST131にて、妨害特定部160は、第2の集合に属する複数の撮像装置11-K,・・・,11-Nのうちの、撮影妨害されていると推定された撮像装置(ステップST111で撮影妨害されていると推定されたと妨害特定部160が判定した撮像装置)に関して、推定情報取得部110がさらに取得した妨害推定期間情報が示す妨害推定期間が、所定の期間を超えているか否かを判定する。
【0113】
第1の集合に属する複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Mのうちの、撮影妨害されていると推定された撮像装置(ステップST111で撮影妨害されていると推定されたと妨害特定部160が判定した撮像装置)に関して、妨害特定部160は、ステップST131にて、推定情報取得部110がさらに取得した妨害推定期間情報が示す妨害推定期間が所定の期間を超えていないと判定した場合、ステップST132にて、当該撮像装置(ステップST111で撮影妨害されていると推定されたと妨害特定部160が判定した撮像装置)が撮影妨害されていないと特定する。
【0114】
第1の集合に属する複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Mのうちの、撮影妨害されていると推定された撮像装置(ステップST111で撮影妨害されていると推定されたと妨害特定部160が判定した撮像装置)に関して、妨害特定部160は、ステップST131にて、推定情報取得部110がさらに取得した妨害推定期間情報が示す妨害推定期間が所定の期間を超えていると判定した場合、ステップST133にて、当該撮像装置(ステップST111で撮影妨害されていると推定されたと妨害特定部160が判定した撮像装置)が撮影妨害されていると特定する。
【0115】
また、第2の集合に属する複数の撮像装置11-K,・・・,11-Nのうちの、撮影妨害されていると推定された撮像装置(ステップST111で撮影妨害されていると推定されたと妨害特定部160が判定した撮像装置)に関して、妨害特定部160は、ステップST131にて、推定情報取得部110がさらに取得した妨害推定期間情報が示す妨害推定期間が所定の期間を超えていないと判定した場合、ステップST132にて、当該撮像装置(ステップST111で撮影妨害されていると推定されたと妨害特定部160が判定した撮像装置)が撮影妨害されていないと特定する。
【0116】
第2の集合に属する複数の撮像装置11-K,・・・,11-Nのうちの、撮影妨害されていると推定された撮像装置(ステップST111で撮影妨害されていると推定されたと妨害特定部160が判定した撮像装置)に関して、妨害特定部160は、ステップST131にて、推定情報取得部110がさらに取得した妨害推定期間情報が示す妨害推定期間が所定の期間を超えていると判定した場合、ステップST133にて、当該撮像装置(ステップST111で撮影妨害されていると推定されたと妨害特定部160が判定した撮像装置)が撮影妨害されていると特定する。
【0117】
ステップST132又はステップST133の後、ステップST134にて、第1の集合に属する複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Mのうちの、撮影妨害されていないと推定された撮像装置(ステップST111で撮影妨害されていないと推定されたと妨害特定部160が判定した撮像装置)に関して、妨害特定部160は、当該撮像装置が撮影妨害されていないと特定する。
【0118】
ステップST132又はステップST133の後、ステップST134にて、第2の集合に属する複数の撮像装置11-K,・・・,11-Nのうちの、撮影妨害されていないと推定された撮像装置(ステップST111で撮影妨害されていないと推定されたと妨害特定部160が判定した撮像装置)に関して、妨害特定部160は、当該撮像装置が撮影妨害されていないと特定する。
【0119】
ステップST134の後、ステップST135にて、出力制御部170は、妨害特定部160が撮影妨害されていると特定した撮像装置、又は妨害特定部160が撮影妨害されていないと特定した撮像装置を識別するための識別表示信号を出力する。
【0120】
ステップST135の後、撮影妨害検知装置100は、当該フローチャートの処理を終了し、撮影妨害検知装置100は、所定時間経過毎に当該フローチャートの処理を繰り返し実行する。
【0121】
なお、ステップST101の処理は、撮影妨害検知装置100が所定時間経過ごとに当該フローチャートの処理を繰り返し実行する際に、最初の1回だけ実行されるように構成してもよい。
【0122】
また、ステップST105にて、推定情報取得部110が複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのそれぞれから、又は、画像記録装置13等の外部装置から、妨害推定情報を取得可能である場合、ステップST101からステップST104までの処理は必須な処理ではない。
【0123】
なお、本実施の形態では、妨害特定部160が、複数の撮像装置を2種類の集合すなわち第1の集合と第2の集合とに分類する構成について説明したが、妨害特定部160は、複数の撮像装置を3種類以上の集合に分類してもよい。
【0124】
また、妨害特定部160において規定される撮像装置の集合数、又は、複数の集合のうちの各集合に属する撮像装置の組合せは、現在時刻又は車両の現在位置に応じて動的に変更してもよい。より具体的には、例えば、妨害特定部160は、車両が夜間に車庫に留置されており、撮像装置が撮像した画像において輝度変化が小さい場合に、現在時刻に基づいて、撮像装置の集合を1種類とする。一方で、例えば、妨害特定部160は、車両が昼間に営業運転しており、撮像装置が撮像した画像において輝度変化が大きい場合に、現在時刻に基づいて、撮像装置の集合を2種類以上とする。
【0125】
または、例えば、妨害特定部160は、車両が一部の非常灯を点灯した状態で車庫に留置されている場合、車両の現在位置に基づいて、撮像装置の集合を2種類以上とする。一方で、妨害特定部160は、車両が全点灯又は全消灯した状態で車庫に留置されている場合、車両の現在位置に基づいて、撮像装置の集合を1種類とする。
【0126】
または、例えば、妨害特定部160は、早朝又は夕方など、車内に直射日光が差し込む状態で車両が車庫に留置されている場合、現在時刻及び車両の現在位置に基づいて、撮像装置の集合を2種類以上とし、車両がそれ以外の環境で車庫に留置されている場合、現在時刻及び車両の現在位置に基づいて、撮像装置の集合を1種類とする。
【0127】
なお、実施の形態1では、画像輝度取得部130が、複数の撮像装置が撮影した各画像を2つの部分画像に分割し、当該各画像における部分画像毎の輝度を示す画像輝度情報を取得し、妨害推定部150が当該画像輝度情報に基づいて妨害推定情報を生成する構成について説明した。しかし、本願の妨害推定情報は、当該妨害推定情報に限定されない。
【0128】
例えば、画像輝度取得部130が、画像の左右を2分割してもよいし、画像の上下と左右をともに2分割することにより、撮像装置11-1の撮影範囲及び撮像装置11-2の撮影範囲が重複する部分画像と重複しない部分画像とに分割してもよい。その場合、画像輝度取得部130は、画像における左半分の輝度と右半分の輝度とを示す画像輝度情報、又は画像における左上の輝度と右上の輝度と左下の輝度と右下の輝度とを示す画像輝度情報を取得し、妨害推定部150が当該画像輝度情報に基づいて妨害推定情報を生成してもよい。
【0129】
以上のように構成することで、撮影妨害検知装置100は、複数の撮像装置が撮影した各画像における輝度に偏りがある場合に、撮像装置が正常な状態であるにも係わらず、撮影異常の状態であると誤判定してしまう可能性を下げることが可能となり、鉄道車両内に設置された撮像装置が撮影異常の状態にあるか否かを精度よく判定できる。また、このように構成することで、撮影妨害検知装置100は、画像における輝度に基づいて撮影妨害の有無を特定するために画像の特徴量を比較するパターンマッチング等の画像判定技術に基づいて撮影妨害の有無を特定する場合に比べて、CPU等のハードウェアにおける負荷が小さいため高速に処理を行うことができる。
【0130】
また、複数の部分画像についてそれぞれ輝度を算出するように構成したので、例えば、カメラの前に非常灯が点灯するような、画像の一部に強い光が入るケースにおいて、撮影異常の状態を検出できない可能性を下げることが可能となる。
【0131】
以上のように、実施の形態1に係る撮影妨害検知装置100は、それぞれが、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのうちの対応する撮像装置が撮影妨害されているか否かの推定結果を示す複数の妨害推定情報を取得する推定情報取得部110と、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nを複数の集合に分類し、推定情報取得部110が取得した複数の妨害推定情報のうち、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのうちの第1の撮像装置に対応する妨害推定情報、及び複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのうちの第1の撮像装置と同一の集合に属する第2の撮像装置に対応する妨害推定情報に基づいて、第1の撮像装置が撮影妨害されているか否かを特定する妨害特定部160と、を備えている。
【0132】
上記の構成によれば、第1の撮像装置に対応する妨害推定情報のみではなく、第1の撮像装置と同一の集合に属する第2の撮像装置に対応する妨害推定情報にさらに基づいて、第1の撮像装置が撮影妨害されているか否かを特定する。これにより、撮像装置が撮影妨害されているか否かの判定精度を向上させることができる。
【0133】
例えば、車両が留置されている状態で車両内に外光が入射する場合、又は、車両内の照明の一部を非常灯として点灯させた状態で車両が留置される場合に、撮像装置毎に照度環境が異なるため、複数の撮像装置が撮影した各画像における輝度に偏りが生じる。そのような状況においても、実施の形態1に係る撮影妨害検知装置100の上記の構成によれば
適宜、撮像装置が置かれた照度環境に応じて、複数の撮像装置を複数の集合に分類することにより、撮像装置が撮影妨害されているか否かを特定することができる。
【0134】
実施の形態1に係る撮影妨害検知装置100における妨害特定部160は、現在時刻に基づいて、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nを複数の集合に分類する。
上記の構成によれば、第1の撮像装置及び第2の撮像装置を、現在時刻に基づいた同一の集合に分類することができる。よって、第1の撮像装置に対応する妨害推定情報と第2の撮像装置に対応する妨害推定情報とに基づいて、第1の撮像装置が撮影妨害されているか否かを好適に特定することができる。従って、撮像装置が撮影妨害されているか否かの判定精度を向上させることができる。
【0135】
実施の形態1に係る撮影妨害検知装置100における妨害特定部160は、現在時刻が日中の時間帯に該当する場合、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nを複数の集合に分類し、現在時刻が夜中の時間帯に該当する場合、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nを分類しない。
【0136】
上記の構成によれば、夜中よりも撮像装置に対する照度環境の変化が大きい日中の時間帯に、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nを複数の集合に分類する。これにより、撮像装置が撮影妨害されていないにもかかわらず、撮像装置が撮影妨害されていると誤判定してしまう可能性が夜中よりも高い日中において、撮像装置の分類、及び当該分類に基づいた撮影妨害の有無の判定を行うことができる。
【0137】
実施の形態1に係る撮影妨害検知装置100における複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nは、車両内に設置されており、妨害特定部160は、車両の現在位置に基づいて、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nを複数の集合に分類する。
【0138】
上記の構成によれば、第1の撮像装置及び第2の撮像装置を、車両の現在位置に基づいた同一の集合に分類することができる。よって、第1の撮像装置に対応する妨害推定情報と第2の撮像装置に対応する妨害推定情報とに基づいて、第1の撮像装置が撮影妨害されているか否かを好適に特定することができる。従って、撮像装置が撮影妨害されているか否かの判定精度を向上させることができる。
【0139】
実施の形態1に係る撮影妨害検知装置100における妨害特定部160は、車両が走行する経路上の位置と、当該位置において複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nがそれぞれ画像を撮影する際に日光による影響を受けるか否かを示す日光影響情報とが位置毎に対応付けられた位置影響情報にさらに基づいて、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nを複数の集合に分類する。
【0140】
上記の構成によれば、例えば、画像を撮影する際に日光による影響を受ける撮像装置を同一の集合に分類することができる。従って、例えば、画像を撮影する際に日光による影響を受ける第1の撮像装置及び第2の撮像装置に対応する各妨害推定情報に基づいて、第1の撮像装置が撮影妨害されているか否かを好適に特定することができる。従って、撮像装置が撮影妨害されているか否かの判定精度を向上させることができる。
【0141】
実施の形態1に係る撮影妨害検知装置100における妨害特定部160は、推定情報取得部110が取得した複数の妨害推定情報のうち、第1の撮像装置及び第2の撮像装置が属する集合の各撮像装置に対応する妨害推定情報が、全て、対応する撮像装置が撮影妨害されているという推定結果を示す場合、当該各撮像装置が全て撮影妨害されていないと特定する。
【0142】
上記の構成によれば、同一の集合に分類した各撮像装置が全て撮影妨害されていると推定されるという不自然な状況で、適切に、当該各撮像装置が全て撮影妨害されていないと特定することができる。従って、撮像装置が撮影妨害されているか否かの判定精度を向上させることができる。
【0143】
実施の形態1に係る撮影妨害検知装置100における推定情報取得部110は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのうちの、撮影妨害されていると推定された撮像装置に関して、当該撮像装置が撮影妨害されていると継続して推定された妨害推定期間を示す妨害推定期間情報をさらに取得し、妨害特定部160は、推定情報取得部110がさらに取得した妨害推定期間情報が示す妨害推定期間にさらに基づいて、第1の撮像装置が撮影妨害されているか否かを特定する。
【0144】
上記の構成によれば、例えば、撮像装置が一時的に撮影妨害されているという状況よりも、撮像装置が継続して撮影妨害されているという、撮像装置が撮影妨害されている可能性が高い状況で、適切に、撮像装置が撮影妨害されていると特定することができる。従って、撮像装置が撮影妨害されているか否かの判定精度を向上させることができる。
【0145】
実施の形態1に係る撮影妨害検知装置100は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nが撮影した各画像を複数の部分画像に分割し、当該各画像における部分画像毎の輝度を示す画像輝度情報を取得する画像輝度取得部130と、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nにそれぞれ対応する所定の基準輝度を示す基準輝度情報を取得する基準輝度取得部140と、画像輝度取得部130が取得した画像輝度情報が示す部分画像毎の輝度、及び基準輝度取得部140が取得した基準輝度情報が示す基準輝度を、撮像装置毎に比較することにより、撮像装置が撮影妨害されているか否かを撮像装置毎に推定することによって、複数の妨害推定情報を生成する妨害推定部150と、をさらに備え、推定情報取得部110は、妨害推定部150が生成した複数の妨害推定情報を取得する。
【0146】
上記の構成によれば、撮像装置が部分的に撮影妨害されているなどの状況であっても、部分画像毎の輝度と基準輝度とを比較することにより、撮像装置が撮影妨害されているか否かを撮像装置毎に適切に推定することができる。そして、そのように生成した複数の妨害推定情報に基づいて、撮像装置が撮影妨害されているか否かを適切に特定することができる。従って、撮像装置が撮影妨害されているか否かの判定精度を向上させることができる。
【0147】
なお、図を用いて説明しないが、撮影妨害検知装置100は、撮影パラメータ取得部、及び基準撮影パラメータ取得部をさらに備えていてもよい。その場合、撮影パラメータ取得部は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nがそれぞれ画像を撮影した際に用いた撮影パラメータを示す撮影パラメータ情報を取得する。ここにおける撮影パラメータの例として、ISO(International Organization for Standardization)感度、シャッター速度値、AE(Automatic Exposure)検波値、又はAF(Autofocus)検波値等が挙げられる。基準撮影パラメータ取得部は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nにそれぞれ対応する所定の基準撮影パラメータを示す基準撮影パラメータ情報を取得する。ここにおける所定の基準撮影パラメータの例として、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nがそれぞれ画像を撮影する際に用いる基準となる、ISO感度値、シャッター速度値、絞り値、又はオートフォーカス検波値等の撮影パラメータの適用範囲を示す値が挙げられる。また、上述の妨害推定部150は、撮影パラメータ取得部が取得した撮影パラメータ情報が示す撮影パラメータ、及び基準撮影パラメータ取得部が取得した基準撮影パラメータ情報が示す基準撮影パラメータを、撮像装置毎に比較することにより、撮像装置が撮影妨害されているか否かを撮像装置毎に推定することによって、複数の妨害推定情報を生成してもよい。また、上述の推定情報取得部110は、妨害推定部150がこのように生成した複数の妨害推定情報を取得してもよい。以上の構成によっても、撮像装置が撮影妨害されているか否かを適切に推定することができる。
【0148】
または、図を用いて説明しないが、撮影妨害検知システム1は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nと同様の機能を有する別の複数の撮像装置、及び撮影妨害検知装置100と同様の機能を有する別の撮影妨害検知装置をさらに備えていてもよい。その場合、上述の推定情報取得部110は、それぞれが、別の複数の撮像装置のうちの対応する撮像装置が撮影妨害されているか否かの推定結果を示す別の複数の妨害推定情報を、別の撮影妨害検知装置からさらに取得してもよい。そして、上述の妨害特定部160は、推定情報取得部110が取得した複数の妨害推定情報(撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nに関する情報)が、全て、対応する撮像装置が撮影妨害されているという推定結果を示す場合、推定情報取得部110がさらに取得した別の複数の妨害推定情報に基づいて、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nがそれぞれ撮影妨害されているか否かを特定してもよい。例えば、このような構成において、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nは、車両編成に連結された第1の車両内に設置されており、別の複数の撮像装置は、車両編成に連結された第2の車両内に設置されている。以上の構成によれば、撮像装置が撮影妨害されているか否かの判定精度をさらに向上させることができる。
【0149】
実施の形態2.
以下で、実施の形態2について図面を参照して説明する。なお、実施の形態1で説明した構成と同様の機能を有する構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図11は、実施の形態2に係る撮影妨害検知システム1aにおける撮影妨害検知装置100aの要部の構成の一例を示すブロック図である。なお、実施の形態2に係る撮影妨害検知装置100aは、実施の形態1に係る撮影妨害検知装置100が備えていない時刻モード切替部180及び位置モード切替部181を備えた点において相違する。
実施の形態2に係る撮影妨害検知システム1aにおける撮影妨害検知装置100aは、推定情報取得部110、画像取得部120、画像輝度取得部130、基準輝度取得部140、妨害推定部150、妨害特定部160、出力制御部170、時刻モード切替部180、及び位置モード切替部181を備える。
【0150】
時刻モード切替部180は、撮影妨害検知装置100aの動作モードを、複数の撮像装置がそれぞれ撮影妨害されているか否かを検知する妨害検知モード、又は、複数の撮像装置がそれぞれ撮影妨害されているか否かを検知する妨害検知を休止する妨害検知休止モードの何れか一方に、現在時刻に基づいて切り替える。
【0151】
例えば、時刻モード切替部180が撮影妨害検知装置100aの動作モードを妨害検知モードに切り替えた場合、上述の推定情報取得部110は、複数の妨害推定情報を取得し、上述の妨害特定部160は、上述の方法により第1の撮像装置が撮影妨害されているか否かを特定する。
【0152】
より詳細には、実施の形態1では、時刻モード切替部180は、現在時刻が日中の時間帯に該当する場合、撮影妨害検知装置100aの動作モードを妨害検知休止モードに切り替え、現在時刻が夜中の時間帯に該当する場合、撮影妨害検知装置100aの動作モードを妨害検知モードに切り替える。
【0153】
より具体的には、時刻モード切替部180は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのそれぞれについて撮影妨害の有無を検知する妨害検知モード、及び、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのそれぞれについて撮影妨害の有無を検知しない検知休止モードの2つの動作モードを、現在の時刻を示す時刻情報に基づいて切り換える。
【0154】
さらに具体的には、例えば、時刻モード切替部180は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのそれぞれが撮影する際に日光による影響を受ける時間帯が予め定められた時間帯情報と、現在時刻を示す時刻情報とに基づいて、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのそれぞれが撮影する際に日光による影響を受ける時間帯において検知休止モードで動作するように動作モードを切り換え、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのそれぞれが撮影する際に日光による影響を受けない時間帯において妨害検知モードで動作するように動作モードを切り換える。
【0155】
さらに具体的には、例えば、時刻モード切替部180は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのそれぞれが撮影する際に日光による影響を受ける昼間の時間帯において検知休止モードで動作するように動作モードを切り換え、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのそれぞれが撮影する際に日光による影響を受けない夜間の時間帯において妨害検知モードで動作するように動作モードを切り換える。
【0156】
時刻情報は、例えば、撮影妨害検知装置100aに備えられた不図示の時計機能を用いて取得される。時計機能は、例えば、公知の汎用計算機等の電子装置に備えられた時計機能と同様であり、公知の技術であるため、詳細な説明を省略する。
【0157】
時間帯情報は、例えば、時刻モード切替部180に予め保持されている。または、例えば、時間帯情報は、撮影妨害検知装置100aの筺体の内部若しくは外部に備えられた不図示の記憶装置、又は、通信ネットワーク12を介して画像記録装置13等の外部装置から、時刻モード切替部180により取得されてもよい。
【0158】
このように、撮影妨害検知装置100aは、時刻モード切替部180を備えることにより、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのそれぞれが撮影する際に日光による影響を受けない時間帯において、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのそれぞれについて撮影妨害の有無を検知するため、誤検知することを抑制することができる。
【0159】
位置モード切替部181は、撮影妨害検知装置の動作モードを、複数の撮像装置がそれぞれ撮影妨害されているか否かを検知する妨害検知モード、又は、複数の撮像装置がそれぞれ撮影妨害されているか否かを検知する妨害検知を休止する妨害検知休止モードの何れか一方に、車両の現在位置に基づいて切り替える。
【0160】
なお、位置モード切替部181が撮影妨害検知装置100aの動作モードを妨害検知モードに切り替えた場合、上述の推定情報取得部110は、複数の妨害推定情報を取得し、妨害特定部160は、上述の方法により第1の撮像装置が撮影妨害されているか否かを特定する。
【0161】
より詳細には、位置モード切替部181は、車両が走行する経路上の位置と、当該位置において複数の撮像装置がそれぞれ画像を撮影する際に日光による影響を受けるか否かを示す日光影響情報とが位置毎に対応付けられた位置影響情報にさらに基づいて、現在位置が、複数の撮像装置がそれぞれ画像を撮影する際に日光による影響を受ける位置であるか否かを判定する。妨害特定部160は、現在位置が、複数の撮像装置がそれぞれ画像を撮影する際に日光による影響を受ける位置であると判定した場合、撮影妨害検知装置100aの動作モードを妨害検知休止モードに切り替える。妨害特定部160は、現在位置が、複数の撮像装置がそれぞれ画像を撮影する際に日光による影響を受ける位置ではないと判定した場合、撮影妨害検知装置100aの動作モードを妨害検知モードに切り替える。
【0162】
より具体的には、位置モード切替部181は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのそれぞれについて撮影妨害の有無を検知する妨害検知モード、及び、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのそれぞれについて撮影妨害の有無を検知しない検知休止モードの2つの動作モードを、鉄道車両10が走行する位置を示す位置情報に基づいて切り換える。
【0163】
さらに具体的には、例えば、位置モード切替部181は、鉄道車両10が走行する経路上における複数の位置の各位置を示す情報と、各位置において複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのそれぞれが撮影する際に日光による影響の有無を示す日光影響情報とが予め対応付けられた位置影響情報と、現在の位置に関する情報とに基づいて、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのそれぞれが撮影する際に日光による影響を受ける位置を鉄道車両10が走行する際に、検知休止モードで動作するように動作モードを切り換え、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのそれぞれが撮影する際に日光による影響を受けない位置を鉄道車両10が走行する際に、妨害検知モードで動作するように動作モードを切り換える。
【0164】
より具体的には、例えば、位置モード切替部181は、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのそれぞれが撮影する際に日光による影響を受ける地上を鉄道車両10が走行する際に検知休止モードで動作するように動作モードを切り換え、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのそれぞれが撮影する際に日光による影響を受けない地下を鉄道車両10が走行する際に妨害検知モードで動作するように動作モードを切り換える。
【0165】
位置情報は、例えば、鉄道車両10又は鉄道車両10が連結された列車等に備えられた不図示の走行位置検出機能を用いて取得される。走行位置検出機能は、例えば、GPS(Global Positioning System)等のGNSS(Global Navigation Satellite System)等を用いることにより鉄道車両10の位置を検出するものである。GNSSを用いた位置検出方法は公知であるため、詳細な説明を省略する。
【0166】
位置影響情報は、例えば、位置モード切替部181に予め保持されている。または、例えば、位置影響情報は、撮影妨害検知装置100aの筺体の内部若しくは外部に備えられた不図示の記憶装置、又は、通信ネットワーク12を介して画像記録装置13等の外部装置から、位置モード切替部181により取得されてもよい。
【0167】
このように、撮影妨害検知装置100aは、位置モード切替部181を備えることにより、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのそれぞれが撮影する際に日光による影響を受けない位置において、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのそれぞれについて撮影妨害の有無を検知するため、誤検知することを抑制することができる。
【0168】
なお、撮影妨害検知装置100aは、時刻モード切替部180又は位置モード切替部181の何れか一方を備えるものであっても、時刻モード切替部180及び位置モード切替部181の両方を備えるものであって良い。
【0169】
例えば、撮影妨害検知装置100aが時刻モード切替部180及び位置モード切替部181の両方を備える場合、撮影妨害検知装置100aは、時刻モード切替部180により動作モードが妨害検知モードに設定される時間帯では、妨害検知モードで動作し、時刻モード切替部180により動作モードが検知休止モードに設定される時間帯では、位置モード切替部181により動作モードが妨害検知モードに設定される位置に限り、妨害検知モードで動作するようにしてもよい。
【0170】
撮影妨害検知装置100aの要部のハードウェア構成は、実施の形態1にて
図9A及び
図9Bを参照して説明したものと同様であるため、図示及び説明を省略する。すなわち、推定情報取得部110、画像取得部120、画像輝度取得部130、基準輝度取得部140、妨害推定部150、妨害特定部160、出力制御部170、時刻モード切替部180、及び位置モード切替部181の各々の機能は、プロセッサ901及びメモリ902により実現されるものであっても良く、又は処理回路903により実現されるものであっても良い。
【0171】
図12は、実施の形態2に係る撮影妨害検知システム1aにおける撮影妨害検知装置100aの処理の一例を説明するフローチャートである。当該図を参照して実施の形態2に係る撮影妨害検知システム1aにおける撮影妨害検知装置100aの処理について説明する。
【0172】
撮影妨害検知装置100aは、
図12が示すフローチャートの処理を
図10に示すフローチャートの処理の前段の処理として繰り返し実行し、撮影妨害検知システム1aは、動作モードが妨害検知モードである場合に限り、
図10に示すフローチャートの処理を実行する。
【0173】
まず、ステップST1201にて、時刻モード切替部180は、現在の時刻が日光による影響を受ける時間帯であるか否かを判定する。
ステップST1201にて、時刻モード切替部180が、現在の時刻が日光による影響を受ける時間帯でないと判定した場合、ステップST1202にて、時刻モード切替部180は、動作モードを妨害検知モードに切り換える。
【0174】
ステップST1202の後、撮影妨害検知装置100aは、当該フローチャートの処理を終了し、撮影妨害検知装置100aは、当該フローチャートの処理を繰り返し実行する。
ステップST1201にて、時刻モード切替部180が、現在の時刻が日光による影響を受ける時間帯であると判定した場合、ステップST1203にて、時刻モード切替部180は、動作モードを検知休止モードに切り換える。
【0175】
ステップST1203の後、ステップST1204にて、位置モード切替部181は、鉄道車両10が走行する位置が日光による影響を受ける位置であるか否かを判定する。
ステップST1204にて、位置モード切替部181が、鉄道車両10が走行する位置が日光による影響を受ける位置であると判定した場合、撮影妨害検知装置100aは、当該フローチャートの処理を終了し、撮影妨害検知装置100aは、当該フローチャートの処理を繰り返し実行する。
【0176】
ステップST1204にて、位置モード切替部181が、鉄道車両10が走行する位置が日光による影響を受ける位置でないと判定した場合、ステップST1205にて、位置モード切替部181は、動作モードを妨害検知モードに切り換える。
ステップST1205の後、撮影妨害検知装置100aは、当該フローチャートの処理を終了し、撮影妨害検知装置100aは、当該フローチャートの処理を繰り返し実行する。
【0177】
以上のように構成することで、撮影妨害検知装置100aは、鉄道車両内に設置された撮像装置が撮影異常の状態にあるか否かを精度よく判定できる。また、このように構成することで、撮影妨害検知装置100aは、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのそれぞれが撮影する際に日光による影響を受けない時間帯において、複数の撮像装置11-1,11-2,・・・,11-Nのそれぞれについて撮影妨害の有無を検知するため、誤検知することを抑制することができる。
【0178】
なお、撮影妨害検知装置100又は撮影妨害検知装置100aは、画像の輝度に変えて、画像の色合いや合焦度を初めとする画像を撮影した際の撮影パラメータを使用して撮影妨害の有無を検知してもよい。さらに、撮影妨害検知装置100又は撮影妨害検知装置100aは、鉄道車両10への適用に限らず、大型乗合自動車等の車両、又は家屋等の建物に適用可能である。
なお、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0179】
本開示に係る撮影妨害検知装置は、撮影妨害検知システムに適用することができる。また、本開示に係る撮影妨害検知装置は、は、鉄道車両への適用に限らず、大型乗合自動車等の車両、又は家屋等の建物に適用可能である。
【符号の説明】
【0180】
1,1a,1b,1c 撮影妨害検知システム、10,10-1,・・・,10-m,・・・,10-M 鉄道車両、11-1,11-2,・・・,11-N,11-1-1,11-2-1,・・・,11-N-1,11-1-m,11-2-m,・・・,11-N-m,11-1-M,11-2-M,・・・,11-N-M 撮像装置、12 通信ネットワーク、13 画像記録装置、14 表示装置、14-1,14-2,14-3,14-4 発光体、100,100a,100b,100b-1,100b-2,・・・,100b-M,100c 撮影妨害検知装置、110 推定情報取得部、111 撮影パラメータ推定情報取得部、120 画像取得部、130 画像輝度取得部、131 撮影パラメータ取得部、140 基準輝度取得部、141 基準撮影パラメータ取得部、150 妨害推定部、151 撮影パラメータ妨害推定部、160,160b,160c 妨害特定部、170 出力制御部、180 時刻モード切替部、181 位置モード切替部、901 プロセッサ、902 メモリ、903 処理回路。