(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】ネットワーク構成検証装置および方法
(51)【国際特許分類】
H04L 43/00 20220101AFI20241203BHJP
【FI】
H04L43/00
(21)【出願番号】P 2021043180
(22)【出願日】2021-03-17
【審査請求日】2023-12-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】太田 貴彦
(72)【発明者】
【氏名】神宮 武志
【審査官】吉田 歩
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-020989(JP,A)
【文献】特開2010-015589(JP,A)
【文献】特開2005-318326(JP,A)
【文献】特開2010-147553(JP,A)
【文献】国際公開第2014/112581(WO,A1)
【文献】特開2018-069687(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象となるIPネットワークに接続された接続機器を示す機器情報を記憶する記憶回路と、
前記IPネットワークに接続された接続機器の保守時期を検証する制御回路とを備え、
前記制御回路は、前記IPネットワークのネットワーク構成を実際に特定して得られた実態構成情報を取得し、当該実態構成情報に含まれる接続機器ごとに、当該接続機器の保守時期を前記機器情報から取得して、保守時期の到来を検証する
ことを特徴とするネットワーク構成検証装置。
【請求項2】
請求項1に記載のネットワーク構成検証装置において、
前記制御回路は、前記実態構成情報に含まれる接続機器ごとに、当該接続機器を識別するための識別情報と一致する接続機器の保守時期を前記機器情報から取得することを特徴とするネットワーク構成検証装置。
【請求項3】
請求項2に記載のネットワーク構成検証装置において、
前記識別情報は、前記接続機器のMACアドレスからなることを特徴とするネットワーク構成検証装置。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれかに記載のネットワーク構成検証装置において、
前記制御回路は、前記接続機器のうち、前記保守時期が検証実施時点より超過している接続機器については、当該接続機器に関する保守時期の超過を示すアラートを出力することを特徴とするネットワーク構成検証装置。
【請求項5】
請求項1~請求項3のいずれかに記載のネットワーク構成検証装置において、
前記制御回路は、前記接続機器のうち、前記保守時期が検証実施時点から予め設定されている督促期間内に到来する接続機器については、当該接続機器に関する保守作業の実施を督促するアラートを画面表示することを特徴とするネットワーク構成検証装置。
【請求項6】
請求項1~請求項3のいずれかに記載のネットワーク構成検証装置において、
前記制御回路は、前記接続機器のうち、前記機器情報に登録されていない接続機器については、当該接続機器の前記保守時期の前記機器情報への登録を督促するアラートを画面表示することを特徴とするネットワーク構成検証装置。
【請求項7】
請求項1~請求項3のいずれかに記載のネットワーク構成検証装置において、
前記制御回路は、前記接続機器のうち、前記機器情報に登録されていない接続機器については、当該接続機器の前記保守時期を前記機器情報へ登録することを特徴とするネットワーク構成検証装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IPネットワークに接続されている通信制御機器や端末機器などの各種接続機器に関する接続形態を検証するためのネットワーク構成検証技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワーク構成を可視化する技術として、特許文献1には、ネットワーク機器のうち、例えばARP(Address Resolution Protocol)を用いて、L2スイッチなどMACアドレステーブルを有するネットワーク機器から、MACアドレステーブル情報を取得し、得られたMACアドレステーブル情報から、各接続機器に関する物理的な接続形態、すなわちネットワーク構成を特定する技術が提案されている。これにより、IPネットワークに接続された任意の情報処理端末から、リモートでネットワーク構成を特定することができ、商業ビル、オフィスビル、病院、学校、工場など、規模の大きい建物に構築されている大規模ネットワークであっても、容易にネットワーク構成を特定できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなネットワーク構成特定技術は、IPネットワークに接続されている接続機器の保守管理をするために用いられる場合がある。一般に、各接続機器には、正常運用を維持することを目的として、定期的に保守を行うための保守期間が設定されている。この際、IPネットワークの接続機器を特定するには、新たにネットワーク構成を特定すればよい。
【0005】
しかしながら、保守期間が過ぎた接続機器がどの接続機器かについては、新たに特定して得られた実際のネットワーク構成を示す実態構成情報を、設計上のネットワーク構成を示す図面や書類と、目視や手作業で比較確認する必要がある。このため、多数の接続機器から構成されている大規模ネットワークでは、極めて大きな作業負担さらには作業コストが生じるという問題点があった。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、大規模ネットワークであっても、IPネットワークに接続されている接続機器の保守期間を、容易に検証できるネットワーク構成検証技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するために、本発明にかかるネットワーク構成検証装置は、対象となるIPネットワークに接続された接続機器を示す機器情報を記憶する記憶回路と、前記IPネットワークに接続された接続機器の保守時期を検証する制御回路とを備え、前記制御回路は、前記IPネットワークのネットワーク構成を実際に特定して得られた実態構成情報を取得し、当該実態構成情報に含まれる接続機器ごとに、当該接続機器の保守時期を前記機器情報から取得して、保守時期の到来を検証するように構成したものである。
【0008】
また、本発明にかかる上記ネットワーク構成検証装置の一構成例は、前記制御回路が、前記実態構成情報に含まれる接続機器ごとに、当該接続機器を識別するための識別情報と一致する接続機器の保守時期を前記機器情報から取得するように構成したものである。
【0009】
また、本発明にかかる上記ネットワーク構成検証装置の一構成例は、前記識別情報として、前記接続機器のMACアドレスを用いるように構成したものである。
【0010】
また、本発明にかかる上記ネットワーク構成検証装置の一構成例は、前記制御回路が、前記接続機器のうち、前記保守時期が検証実施時点より超過している接続機器については、当該接続機器に関する保守時期の超過を示すアラートを出力するように構成したものである。
【0011】
また、本発明にかかる上記ネットワーク構成検証装置の一構成例は、前記制御回路が、前記接続機器のうち、前記保守時期が検証実施時点から予め設定されている督促期間内に到来する接続機器については、当該接続機器に関する保守作業の実施を督促するアラートを画面表示するように構成したものである。
【0012】
また、本発明にかかる上記ネットワーク構成検証装置の一構成例は、前記制御回路が、前記接続機器のうち、前記機器情報に登録されていない接続機器については、当該接続機器の前記保守時期の前記機器情報への登録を督促するアラートを画面表示するように構成したものである。
【0013】
また、本発明にかかる上記ネットワーク構成検証装置の一構成例は、前記制御回路が、前記接続機器のうち、前記機器情報に登録されていない接続機器については、当該接続機器の前記保守時期を前記機器情報へ登録するように構成したものである。
【0014】
また、本発明にかかるネットワーク構成検証方法は、対象となるIPネットワークに接続された正規の接続機器を示す機器情報を記憶する記憶回路と、前記IPネットワークに接続された不正機器を検証する制御回路とを備えるネットワーク構成検証装置で用いられるネットワーク構成検証方法であって、前記制御回路が、前記IPネットワークのネットワーク構成を実際に特定して得られた実態構成情報を取得する第1のステップと、前記制御回路が、前記実態構成情報に含まれる接続機器ごとに、当該接続機器の保守時期を前記機器情報から取得して、保守時期の到来を検証する第2のステップとを備えている。
【0015】
また、本発明にかかる上記ネットワーク構成検証方法の一構成例は、前記第2のステップは、前記制御回路が、前記実態構成情報に含まれる接続機器ごとに、当該接続機器を識別するための識別情報と一致する接続機器の保守時期を前記機器情報から取得する第3のステップを含むものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、多数の接続機器から構成されている大規模ネットワークであっても、IPネットワークに接続されている接続機器の保守期間を、容易に検証することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、ネットワーク構成検証装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、
図2の機器情報に対応するネットワーク構成例を示す説明図である。
【
図5】
図5は、保守時期検証結果画面例(保守時期の超過)を示す説明図である。
【
図6】
図6は、保守時期検証結果画面例(保守時期の近接)を示す説明図である。
【
図7】
図7は、保守時期検証結果画面例(保守時期の更新)を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
[ネットワーク構成検証装置]
まず、
図1を参照して、本実施の形態にかかるネットワーク構成検証装置10について説明する。
図1は、ネットワーク構成検証装置の構成を示すブロック図である。
このネットワーク構成検証装置10は、全体としてPCやサーバ装置などの情報処理装置からなり、ネットワーク構成特定装置20で特定したLANなどのIPネットワークNWのネットワーク構成に含まれる接続機器を、予め設定されている正規の接続機器を示す機器情報と比較するように構成されている。
【0019】
[ネットワーク構成特定装置]
ネットワーク構成特定装置20は、全体としてPCやサーバ装置などの情報処理装置からなり、特定対象となるLANなどのIPネットワークNWに接続されている。ネットワーク構成特定装置20は、例えば特許文献1など、公知のネットワーク構成特定技術に基づいて、IPネットワークNWに接続されているネットワーク機器や端末機器などの接続機器とデータ通信を行うことにより、これら接続機器に関する接続形態を示すネットワーク構成を特定して、可視化するように構成されている。
【0020】
なお、以下では、ネットワーク構成特定装置20が、ネットワーク構成検証装置10とは別個の装置で構成した場合を例として説明するが、ネットワーク構成特定装置20をネットワーク構成検証装置10の一部の構成として実装してもよい。
【0021】
また、本実施の形態では、L2(レイヤ2)スイッチ、L3(レイヤ3)スイッチ、ハブ、ルータ、ゲートウェイなど、パケットの転送制御を行う機器をネットワーク機器(通信制御機器)という。また、ネットワーク機器のうち、L2(レイヤ2)スイッチ、L3(レイヤ3)スイッチなど、自己のIPアドレスを有し、パケットの転送制御に用いるMACアドレステーブル情報を外部から取得可能な機器を、スイッチSWと呼ぶ。また、自己のIPアドレスを有さず、パケットの転送制御に用いるMACアドレステーブル情報を外部から取得不可能な機器を、ハブHUBと呼ぶ。
【0022】
また、PCなどの情報処理端末のほか、IoT(Internet of Things)で用いられるセンサ、フィールド機器、コントローラなどの様々な機器を端末機器という。
【0023】
[ネットワーク構成検証装置の構成]
次に、
図1を参照して、本実施の形態にかかるネットワーク構成検証装置10の構成について詳細に説明する。
図1に示すように、ネットワーク構成検証装置10は、主な回路部として、通信I/F11、操作入力回路12、表示回路13、記憶回路14、および制御回路15を備えている。
【0024】
[通信I/F]
通信I/F11は、通信回線Lを介してネットワーク構成特定装置20と接続されて、ネットワーク構成特定装置20との間でデータ通信を行うことにより、検証対象となるIPネットワークNWのネットワーク構成を特定して得られたネットワーク構成情報を取得するように構成されている。
【0025】
[操作入力回路]
操作入力回路12は、キーボード、マウス、タッチパネルなどの操作入力装置からなり、オペレータの操作を検出して制御回路15へ出力するように構成されている。
【0026】
[表示回路]
表示回路13は、LCDなどの画面表示装置からなり、制御回路15から出力された、メニュー画面、設定画面、ネットワーク構成検証結果画面などの各種画面情報を画面表示するように構成されている。
【0027】
[記憶回路]
記憶回路14は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、制御回路15でのネットワーク構成検証処理に用いる各種の処理データやプログラム14Pを記憶するように構成されている。
【0028】
[プログラム]
プログラム14Pは、制御回路15のCPUと協働することにより、制御回路15でのネットワーク構成検証処理に用いる各種の処理部を実現するためのプログラムである。このプログラム14Pは、ネットワーク構成検証装置10に通信回線Lを介して接続された外部装置や記録媒体(ともに図示せず)から、予め記憶回路14へ格納される。
【0029】
記憶回路14で記憶する主な処理データとして、機器情報14Aおよび実態構成情報14Bがある。
[機器情報]
機器情報14Aは、対象となるIPネットワークNWに接続されている各接続機器を示すデータである。
図2は、機器情報を示す説明図である。
図3は、
図2の機器情報に対応するネットワーク構成例を示す説明図である。
【0030】
図2の機器情報14Aには、接続機器のIPアドレス、MACアドレス、および保守時期が組として登録されている。機器情報14Aについては、図面や書類で管理しているIPネットワークNWの設計データから、PCなどを用いて予め生成し、例えば通信回線Lを介して接続された外部装置(図示せず)に蓄積しておけばよい。
【0031】
図3の構成例では、IPネットワークNWには、SW#0(IPアドレス「192.168.1.100」,MACアドレス「XX:XX:XX:XX:XX:0A」,保守時期「2021/04/01」)およびSW#1(IPアドレス「192.168.1.101」,MACアドレス「XX:XX:XX:XX:XX:0B」,保守時期「2020/04/01」)の2つのスイッチと、HUB#X(アドレス情報不明)の1つのハブと、PC#1(IPアドレス「192.168.1.1」,MACアドレス「XX:XX:XX:XX:XX:01」,保守時期「2025/04/01」),PC#2(IPアドレス「192.168.1.2」,MACアドレス「XX:XX:XX:XX:XX:02」,保守時期「2025/04/01」),PC#3(IPアドレス「192.168.1.3」,MACアドレス「XX:XX:XX:XX:XX:03」,保守時期「2025/04/01」),PC#4(IPアドレス「192.168.1.4」,MACアドレス「XX:XX:XX:XX:XX:04」,保守時期「2025/04/01」)の4つの端末機器とが接続されている。
【0032】
[実態構成情報]
実態構成情報14Bは、ネットワーク構成特定装置20で特定した、対象となるIPネットワークNWのネットワーク構成に関する実際の内容を示すデータである。
図4は、実態構成情報を示す説明図である。
【0033】
図4に示すように、実態構成情報14Bには、ネットワーク機器のポートごとに、当該ポートに接続されている接続機器のIPアドレスおよびMACアドレスが登録されている。
【0034】
[制御回路]
制御回路15は、CPUとその周辺回路を有し、記憶回路14のプログラム14Pを読み出してCPUと協働させることにより、ネットワーク構成検証処理を実行するための処理部を実現するように構成されている。
【0035】
制御回路15で実現される主な処理部として、データ取得部15A、検証部15B、および検証結果生成部15Cがある。
【0036】
[データ取得部]
データ取得部15Aは、通信I/F11および通信回線Lを介して外部装置(図示せず)から、IPネットワークNWのネットワーク構成を示す機器情報14Aを取得して、記憶回路14に保存するように構成されている。
【0037】
また、データ取得部15Aは、通信I/F11および通信回線Lを介してネットワーク構成特定装置20から、IPネットワークNWのネットワーク構成を示す実態構成情報14Bを取得して、記憶回路14に保存するように構成されている。実態構成情報14Bについては、データ取得部15Aから構成情報の取得要求を通知して、ネットワーク構成特定装置20で最新の実態構成情報14Bを取得するようにしてもよい。
【0038】
[検証部]
検証部15Bは、データ取得部15Aで取得した実態構成情報14Bに含まれる実際の接続機器ごとに、当該接続機器の保守時期を機器情報14Aから取得して、検証実施時点の日時と比較することにより、保守時期の到来を検証するように構成されている。
【0039】
また、検証部15Bは、実態構成情報14Bに含まれる実際の接続機器ごとに、当該接続機器を識別するための識別情報と一致する接続機器の保守時期を機器情報14Aから取得するように構成されている。
【0040】
以下では、接続機器の識別情報として、当該接続機器のMACアドレスを用いる場合を例として説明するが、これに限定されるものではなく、各接続機器を識別可能な情報であれば、その情報を識別情報として用いてもよい。
【0041】
また、検証部15Bは、操作入力回路12から出力された、検証開始を示すオペレータ操作に応じて、保守時期到来の検証を実行してもよいが、予め設定されている周期で、保守時期到来の検証を自動的に実行するようにしてもよい。
【0042】
[検証結果生成部]
検証結果生成部15Cは、検証部15Bで得られた、接続機器の保守時期と検証実施時点の日時との比較結果に基づいて、保守時期の到来に関する検証結果を出力するように構成されている。
【0043】
具体的には、検証結果生成部15Cは、保守時期が超過した接続機器が見つかった場合には、当該接続機器に関する保守時期の超過、さらには交換・使用停止等を示すアラートを表示回路13で画面表示するように構成されている。
【0044】
この際、保守時期が検証実施時点から予め設定されている督促期間内に到来する接続機器については、当該接続機器に関する保守作業の実施を督促するアラートを画面表示するようにしてもよい。
【0045】
なお、MACアドレスが一致する接続機器が機器情報14Aに存在しない場合、接続機器が変更されていると判定し、当該接続機器の確認を促すアラートを画面表示するようにしてもよい。この際、不正な接続機器であれば、IPネットワークNWからの切断などの保守作業を促すアラートを画面表示してもよい。また、保守が適切に行われている接続機器については、保守実施日の登録を促す入力画面を画面表示してもよい。
【0046】
[本実施の形態の動作]
次に、本実施の形態にかかるネットワーク構成検証装置10のネットワーク構成検証方法の動作について説明する。
【0047】
制御回路15は、検証開始タイミングの到来に応じて、対象となるIPネットワークNWに含まれる不正機器の検証を開始する。この際、検証開始に先立って、機器情報14Aおよび実態構成情報14Bは、データ取得部15Aにより、予め記憶回路14に保存されているものとする。
【0048】
まず、検証部15Bは、記憶回路14から機器情報14Aと実態構成情報14Bとを読み出し(第1のステップ)、実態構成情報14Bを参照して、各接続機器を識別するための識別情報としてMACアドレスを含む接続機器情報を抽出し、これら接続機器のMACアドレスと一致する接続機器の保守時期を、機器情報14Aから取得し、検証実施時点の日時と比較する(第2、第3のステップ)。
【0049】
次に、検証結果生成部15Cは、検証部15Bで得られた比較結果から、保守時期検証結果(アラート)を生成し、表示回路13で画面表示し、あるいは通信I/F11および通信回線Lを介して外部装置(図示せず)へ出力する。
【0050】
この際、検証結果生成部15Cは、保守時期が超過した接続機器が見つかった場合には、当該接続機器に関する保守時期の超過、さらには交換・使用停止等を示すアラートを生成する。
【0051】
図5は、保守時期検証結果画面例(保守時期の超過)を示す説明図である。
図5には、保守時期が超過した保守時期超過機器に関するIPアドレス、MACアドレス、および保守時期(超過後の経過期間長)と、当該接続端末の接続先情報として、IPアドレス、MACアドレス、およびポート番号が示されている。
【0052】
この際、保守時期が検証実施時点から予め設定されている督促期間内に到来する接続機器については、当該接続機器に関する保守作業の実施を督促するアラートを生成する。
【0053】
図6は、保守時期検証結果画面例(保守時期の近接)を示す説明図である。
図6には、保守時期が近接している保守時期近接機器に関するIPアドレス、MACアドレス、および保守時期(保守時期までの猶予期間長)と、当該接続端末の接続先情報として、IPアドレス、MACアドレス、およびポート番号が示されている。
【0054】
なお、MACアドレスが一致する接続機器が機器情報14Aに存在しない場合、接続機器が変更されていると判定し、当該接続機器の確認を促すアラートを生成してもよい。この際、不正な接続器であれば、IPネットワークNWからの切断などの保守作業を促すアラートを画面表示してもよい。また、
図7に示すように、新たに発見された接続機器の識別情報を確認して、機器情報14Aを更新し、新たな接続機器の保守時期の登録を促す画面を画面表示してもよいし、あるいは、保守が適切に行われていることを前提として、新たな接続機器の保守時期を自動的に登録することにより、機器情報14Aを自動更新し、その更新結果を画面表示するようにしてもよい。
【0055】
[本実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、ネットワーク構成検証装置10において、制御回路15が、対象となるIPネットワークNWのネットワーク構成を実際に特定して得られた実態構成情報14Bをネットワーク構成特定装置20から取得し、当該実態構成情報14Bに含まれる接続機器ごとに、当該接続機器の保守時期を機器情報14Aから取得して、保守時期の到来を検証するように構成したものである。
【0056】
より具体的には、実態構成情報14Bに含まれる接続機器ごとに、当該接続機器を識別するための識別情報であるMACアドレスと、一致する接続機器の保守時期を機器情報から取得するように構成したものである。
【0057】
これにより、IPネットワークNWのうちから、保守時期が到来している接続機器や、保守時期が近接している接続機器を、自動的に検証することができる。このため、多数の接続機器から構成されている大規模ネットワークであっても、IPネットワークNWに接続されている接続機器の保守期間を容易に検証することが可能となる。
【0058】
また、接続機器が保守交換されたかをMACアドレスに基づいて自動判定し、新たな接続機器及びその保守時期を機器情報14Aに自動的に登録することにより、保守交換の管理において保守者が手動で機器情報14Aを更新するような操作が不要になる。新たな接続機器の保守時期を自動的に登録することで、接続機器の保守時期の更新管理における負担を軽減するとともに、保守時期に関する情報更新を正確かつ確実に行うことができる。
【0059】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0060】
10…ネットワーク構成検証装置、11…通信I/F、12…操作入力回路、13…表示回路、14…記憶回路、14A…機器情報、14B…実態構成情報、14P…プログラム、15…制御回路、15A…データ取得部、15B…検証部、15C…検証結果生成部、20…ネットワーク構成特定装置、NW…IPネットワーク、L…通信回線。