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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】2重容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/06 20060101AFI20241203BHJP
【FI】
B65D77/06 H BRL
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021077997
(22)【出願日】2021-04-30
(65)【公開番号】P2022171391
(43)【公開日】2022-11-11
【審査請求日】2023-11-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100113169
【弁理士】
【氏名又は名称】今岡 憲
(72)【発明者】
【氏名】高橋 翔平
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-008277(JP,A)
【文献】特開平08-207962(JP,A)
【文献】特開2019-026329(JP,A)
【文献】特開2018-140816(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0105476(US,A1)
【文献】実開平06-012324(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 67/00-79/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面開口で筒状の容器本体(1)と、
前記容器本体(1)内に収納されたレフィル容器(40)と
を具備しており、
前記容器本体(1)は、前記レフィル容器(40)を収納するための縦向きの収納筒(22)を有するとともに当該収納筒(22)の上端に前記レフィル容器(40)の挿入口(О)を開口する内側収容体(20)と、この内側収容体(20)を挿入させた有底筒状の外側容器体(2)とで形成されており、
これら内側収容体(20)と外側容器体(2)とは分別可能な別体として形成されており、
前記外側容器体(2)の底壁(4)側に形成された被嵌合部(B)に対して、前記収納筒(22)の下部で形成する嵌合部(A)が着脱可能に嵌着するように構成し2重容器において、
前記被嵌合部(B)は、前記底壁(4)から起立する係合筒(6)の内周面(8i)として形成されており、
前記収納筒(22)は下端開口に形成されているとともに、この収納筒(22)の下端側から上方へ延びる複数の切割り(30)を穿設することにより、各切割り(30)の間の筒壁部分が可撓片(32)を形成しており、
これら可撓片(32)の下端部(33)で形成する嵌合部(A)が、前記被嵌合部(B)に分離可能に嵌着するように設けたことを特徴とする2重容器。
【請求項2】
前記嵌合部(A)と前記被嵌合部(B)とに、前記外側容器体(2)からの前記内側収容体(20)の抜出しを規制する抜止め機構(T)として、相互に分離可能に係止し合う係合手段(10、34)が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の2重容器。
【請求項3】
前記レフィル容器(40)を前記収納筒(22)の内面に嵌着させることにより、各可撓片(32)は内方への撓み変形ができないように前記レフィル容器(40)の表面に当接しており、
この当接状態で前記可撓片(32)の下端部(33)を前記係合筒(6)の内周面(8i)に圧接させたことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の2重容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2重容器、特にレフィル容器を収納する容器本体を2体に分別することが可能な2重容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の2重容器として、ジャー型のレフィル容器(内容器)と、このジャー容器の挿入口を上面に有する筒形状の容器本体(外容器)とからなり、この容器本体内に前記レフィル容器を嵌入させたものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-34836
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の2重容器の容器本体は全体として一体の部材として成形されている。
しかしながら、近年では、筒状の容器本体自体を、相互に分別可能な内外の2体で成形したいという要請がある。
例えば、レフィル式のジャー型容器において、高級感を出すために、内側の容器体に加飾を行うとともに、内側の容器体を囲む外側の容器体を透明材料で形成することが要請される場合がある。
そして、内側の容器体に加飾性を、また外側の容器体に透明性を確保するためにそれぞれ異材質で形成した場合には、廃棄の際に材料の再資源化のために、両者を分別可能とすることが望ましい。
こうした要請に応えるためには、予め、内側の容器体を外側の容器体にどのように組み付けるのかを考慮する必要があり、例えば、アンダーカット嵌合などにより、内側の容器体を外側の容器体の内部に嵌着させてしまうと、分別して廃棄することが困難となる。
【0005】
本発明の第1の目的は、レフィル容器を収納する容器本体を、内側収容体と外側容器体との2体に区分して、これら2体同士を着脱可能に嵌合させることで両者を分別廃棄することが可能な2重容器を提供することである。
本発明の第2の目的は、内側収容体と外側容器体との間の嵌合力を使い勝手が良く設計すること(特に内側収納体を外側容器体から外すことが容易であり、また不意に外れることを回避できるようにすること)である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の手段は、上面開口で筒状の容器本体1と、
前記容器本体1内に収納されたレフィル容器40と
を具備しており、
前記容器本体1は、前記レフィル容器40を収納するための縦向きの収納筒22を有するとともに当該収納筒22の上端に前記レフィル容器40の挿入口Оを開口する内側収容体20と、この内側収容体20を挿入させた有底筒状の外側容器体2とで形成されており、
これら内側収容体20と外側容器体2とは分別可能な別体として形成されており、
前記外側容器体2の底壁4側に形成された被嵌合部Bに対して、前記収納筒22の下部で形成する嵌合部Aが着脱可能に嵌着するように構成し2重容器において、
前記被嵌合部Bは、前記底壁4から起立する係合筒6の内周面8iとして形成されており、
前記収納筒22は下端開口に形成されているとともに、この収納筒22の下端側から上方へ延びる複数の切割り30を穿設することにより、各切割り30の間の筒壁部分が可撓片32を形成しており、
これら可撓片32の下端部33で形成する嵌合部Aが、前記被嵌合部Bに分離可能に嵌着するように設けた。
【0007】
本手段では、図1図4図6に示すように、レフィル容器40を収納する容器本体1を、レフィル容器40を収納するための縦向きの収納筒22を有するとともに当該収納筒22の上端にレフィル容器40の挿入口Оを開口する内側収容体20と、この内側収容体20を挿入させた有底筒状の外側容器体2とで相互に分別可能に形成している。
そして、前記外側容器体2の底壁4側に形成された被嵌合部Bに対して、前記収納筒22の下部で形成する嵌合部Aが着脱可能に嵌着するように構成した。
この構造によれば、内側収容体20と外側容器体2とを分別して廃棄することができ、資源の再利用に資することができる。
また本手段では、図1(A)に示すように、前記被嵌合部Bは、前記底壁4から起立する係合筒6の内周面8iとして形成されており、前記収納筒22は下端開口に形成されている。
また、図1(B)に点線で示すように、この収納筒22の下端側から上方へ延びる複数の切割り30を穿設することにより、各切割り30の間の筒壁部分が可撓片32を形成しており、これら可撓片32の下端部で形成する嵌合部Aが、前記被嵌合部Bに分離可能に嵌着するように設けている。
この構造によれば、可撓片32が内方へ撓むことにより嵌合部A及び被嵌合部Bの間の嵌合力が緩和又は解消されるので、外側容器体2から内側収容体20を外すことが容易である。
【0008】
第2の手段は、第1の手段を有し、かつ前記嵌合部Aと前記被嵌合部Bとに、前記外側容器体2からの前記内側収容体20の抜出しを規制する抜止め機構Tとして、相互に分離可能に係止し合う係合手段10、34が形成されている。
【0009】
本手段では、図1(A)、図4(A)、図6(A)に示す如く、前記嵌合部Aと被嵌合部Bとに、前記外側容器体2からの内側収容体20の抜出しを規制する抜止め機構Tとして、相互に分離可能に係止し合う係合手段10、34が形成されている。
この構造によれば、本発明の2重容器を使用する際(例えばレフィル容器40を収納筒22から引き抜く際)に、不意に内側収容体20が外側容器体2から外れてしまうリスクを解消又は低減することができ、使い勝手がよい。
【0012】
の手段は、第の手段又は第2の手段を有し、かつ前記レフィル容器40を前記収納筒22の内面に嵌着させることにより、各可撓片32は内方への撓み変形ができないように前記レフィル容器40の表面に当接しており、
この当接状態で前記可撓片32の下端部33を前記係合筒6の内周面8iに圧接させている。
【0013】
本手段では、図1に示す如く、前記レフィル容器40を前記収納筒22の内面に嵌着させることにより、各可撓片32は内方への撓み変形ができないようにレフィル容器40の表面に当接しており、この当接状態で可撓片32の下端部を係合筒6の内周面8iに圧接させている。
この構造によれば、レフィル容器40が収納筒22内に収納された状態で嵌合部A(可撓片32の下端部33)と被嵌合部B(係合筒6の内周面8i)との嵌合力を高めることができるので、外側容器体2から内側収容体20が不意に離脱するリスクを低減できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、レフィル容器を収納する容器本体を、内側収容体と外側容器体との2体に区分して、これら2体同士を着脱可能に嵌合させたから、両者を分別廃棄することができる。
また本発明によれば、内側収容体と外側容器体との間の嵌合力を使い勝手が良く設計することでき、これにより、例えば内側収納体を外側容器体から外すことが容易であるようにすること、或いは、両者が不意に外れることを回避できるようにすることができる
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態に係る2重容器の構造を示しており、同図(A)は2重容器の全体を正面方向から見た半断面図、同図(B)は2重容器からキャップを省略して同じ方向から見た断面図である。
図2図1の2重容器の構造を、キャップを外した状態で示しており、同図(A)は側方から見た図、同図(B)は正面方向から見た半断面図である。
図3図1の2重容器の作用を示しており、同図(A)は図1(B)の状態からレフィル容器を外す工程の途中図、同図(B)はレフィル容器を外した状態を示す図、同図(C)は、レフィル容器を外した状態よりさらに内側収容体と外側容器体とを分離する行程の途中図である。
図4】本発明の参考例に係る2重容器の構造を示しており、同図(A)は2重容器の全体を正面方向から見た半断面図、同図(B)は、キャップを外した後に正面方向から見た半断面図である。
図5図4の2重容器の作用を示しており、同図(A)はレフィル容器を外す工程の途中図、同図(B)はレフィル容器を外した状態よりさらに内側収容体と外側容器体とを分離する行程の途中図である。
図6】本発明の他の参考例に係る2重容器の構造を示しており、同図(A)は2重容器の全体を正面方向から見た半断面図、同図(B)は、キャップを外した後に正面方向から見た半断面図である。
図7】図の2重容器の作用を示しており、同図(A)はレフィル容器を外す工程の途中図、同図(B)はレフィル容器を外した状態よりさらに内側収容体と外側容器体とを分離する行程の途中図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1から図3は、本発明の第1実施形態に係る2重容器を示している。本実施形態の2重容器は、容器本体1と、レフィル容器40と、キャップ60とからなる。これら各部材は例えば合成樹脂で形成することができる。より詳しい材質については後述する。
【0019】
容器本体1は、レフィル容器40を収容するための容器体であり、本発明において、外側容器体2と、内側収容体20とからなる。
これら内側収容体20と外側容器体2とは分別可能な別体として形成されている。
【0020】
前記外側容器体2は、全体として有底筒状の部材であり、本実施形態では、底壁4の周端から、内側収容体20を挿入させるための外周壁12を、また底壁4の上面から、前記外周壁12との間に一定の間隔を存して、内側収容体20と嵌合させるための係合筒6をそれぞれ立設させている。
図示例では、底壁4の外周部4aの内側部分が水平な隆起部4bが形成されている。
また前記外周壁12の上面の内周部には、図1(B)に示す如く、上向き段部14を形成している。
外側容器体2は、透明な材料で形成することができる。
また外側容器体2は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)や非晶性ポリエステル樹脂(PETG、PCTA、PCTGなど)で形成することができる。
【0021】
前記係合筒6は、後述の収納筒22と嵌合させるための部位であり、外周壁12に比べて背低に形成されている。
本実施形態では、前記係合筒6の内周面8iを、後述の収納筒22の嵌合部Aに嵌着させるための被嵌合部Bとしている。
また図示例では、係合筒6の内周面8iに、後述の嵌合部A側へ係止させるための第1係合手段10として、環状の係合突子が周設されている。
これらの構造は適宜変更することができるものとし、例えば係合突子は省略することができる。
また被嵌合部Bは、必ずしも係合筒6の内周面8iでなくてもよい。被嵌合部B外側容器体2の下部の適所に形成された略垂直の被嵌合面部とすることができる。
【0022】
前記内側収容体20は、レフィル容器を収容するための部材であって、全体としてほぼ筒形状であり、前記外周壁12より背高に形成されている。
前記内側収容体20は、レフィル容器40の挿入口Оを上端側に開口する収納筒22を有しており、また本実施形態では、図1(B)に示す如く、前記収納筒22の上端部24寄りの箇所から、外向きフランジ26を介して、補助筒部28が垂設されている。
前記収納筒22の下端部を前記係合筒6内に嵌着させており、また前記補助筒部28は前記外周壁12内に挿入されている。
内側収容体20は、絵柄や模様・文字などを加飾可能な素材で形成することができる。
また内側収容体20は、例えばポリプロピレン(PP)で形成することができる。
【0023】
前記収納筒22は、レフィル容器40を収納するための縦向きの筒体である。
収納筒22の筒壁の下端部は、前記外側容器体2の被嵌合部B(図示例では係合筒6の内周面8i)へ嵌着可能な嵌合部Aに形成されている。
本実施形態では、前記収納筒22を下端開口の筒体に形成するとともに、その筒壁の下端から上方へ延びる複数の切割り30を穿設している。そして、これら切割り30同士の間の筒壁部分が、内方へ撓み変形可能な可撓片32を形成している。
そして、これら可撓片32の下端部33を嵌合部Aとしている。
図示例では、前記嵌合部Aは、その下端側から上端側へ行くに従って厚肉に形成されており、嵌合部Aの内面の上端寄りに後述のレフィル容器40の外周面の適所(図示例では外周面の下部)へ突き当たる当接用突部Lが形成されている。
このようにすることで、前記レフィル容器40が内側収容体20内に嵌合されている状態では、前記可撓片32が内方へ撓むことができないようにしている。これにより、後述の如く、被嵌合部Bへの嵌合部Aの当接(圧接)を確実なものとしている。
もっとも、これらの構造は適宜変更することができ、前記当接用突部Lを省略して、可撓片32の内面全体がレフィル容器40の外周面に当接するように設けてもよい。
【0024】
本実施形態では、前記嵌合部Aは、前記被嵌合部Bと対向する位置に、前記第1係合手段10とかみ合う第2係合手段34を有する。図示例の第2係合手段34は、前記係合突子が嵌合する凹部(係合子受部)に形成されている。
もっとも図示例と異なり、第1係合手段10を凹状の係合手段に、第2係合手段34を凸状の係合手段に形成しても構わない。
第1係合手段10及び第2係合手段34は相互に係止し合っており、両係合手段により、外側容器体2からの内側収容体20の抜出しを規制する抜止め機構Tが形成されている。
これら係合手段10、34同士の係止力は、前記収納筒22内に嵌合されたレフィル容器40を上方へ引き抜くときのレフィル容器40と収納筒22との間に作用する摩擦力より大きいように設計されている。
こうすることにより、図1(B)の状態から摘み部50に指を掛けて引き上げる際に、内側収容体20が不意に外側容器体2から外れてしまうことを防止できる。故に、前記引上げ操作により、内側収容体20からレフィル容器40を確実に引き出すことができる。
【0025】
図示例では、前記補助筒部28は、小径の上方筒部28cから拡径部28bを介して大径の下方筒部28aを垂設している。
図示例では、前記下方筒部28aは前記外周壁12内に挿入されており、他方、拡径部28b及び上方筒部28cは外周壁12の上端より上方に配置されている。
この構造において、前記上方筒部28cは、把持部(把持筒)としての役割を有し、図1の状態から、上方筒部28cを把持して引き上げることにより、内側収容体20と外側容器体2とを分別できるようにしている。
また上方筒部28cの外周面には、後述のキャップ60と螺合させるためのオネジ部MS1が形成されている。
また本実施形態では、前記上方筒部28cの外周面の適所(図示例では図1(B)の左右両側に位置する部位)に、ネジ欠き部を兼ねる係合凹部Rを形成し、この係合凹部Rに後述の摘み部50を収納できるように設けている。
図示例の係合凹部Rは、補助筒部28の筒径方向外側から見て、図2(A)に示すように、水平な凹底部rbと、この凹底部rbの両端から逆ハの字状に延びる凹側部rsとで画成されている。もっとも、係合凹部Rの形状は適宜変更することができる。
前記下方筒部28aは、前記内側収容体20を外側容器体2内に嵌入する際に、前記外周壁12の内面へ差し込まれるガイド筒の役割を有する。
そして、前記下方筒部28aを外周壁12の内面へ差し込むだけで、前記内側収容体20側の嵌合部Aと外側容器体2側の被嵌合部Bの位置が合うように設けられている。
前記下方筒部28aは、前記外周壁12の上下長さと同程度の筒長を有する。この下方筒部28aの外面上端部には、図1(B)に示すように、前記上向き段部14と嵌合する係合凸部29が付設されている。
【0026】
レフィル容器40は、前記容器本体1に対して詰替えが可能な容器体であり、前記収納筒22内へ上方への引き抜き可能に嵌合されている。
図示例のレフィル容器40は、底板42の周端から起立してなる筒周壁44の上端に鍔部46を付設しており、この鍔部46を前記収納筒22の上端部24に載置させている。
前記鍔部46の上面には、図1(A)に示す如く、後述のパッキンPに食い込む環状の当接用リブ47が付設されている。
前記鍔部46の周端からは、前記収納筒22の上端部24を囲むリング筒48が垂設されている。
このリング筒48の下端からは、前記係合凹部R内へ嵌挿される一対の摘み部50が垂設されている。
この摘み部50の外面には、滑り止めMS2が付設されている。図示例の滑り止めMS2は、図2(A)に示す如く、前記オネジ部MS1のネジ山と対応して斜行する複数の突条に形成しており、恰もネジ構造の一部であるかの如き外観を有する。もっとも、この外観は適宜変更することができる。
【0027】
キャップ60は、天板62の周端から、前記上方筒部28cに嵌合させるためのキャップ周壁64を垂設させてなる。
このキャップ周壁64の内面には、前記オネジ部MS1とかみ合うメネジ部FSが形成されている。
また前記天板62の裏面にはパッキンPが組み込まれている。
【0028】
本発明の容器を使用するときには、まず図1(A)の状態から、図1(B)に示す如く、キャップ60を外して、レフィル容器40内の収納物を使い切った後には、図3(A)に示す如く、レフィル容器40の径方向両側から、一対の摘み部50を把持して引き上げると、レフィル容器40を内側収容体20から取り外すことができ、空になった容器本体(図3(B)参照)に新たなレフィル容器40を充填することができる。
なお、キャップ60を外した図1(B)の状態において、内側収容体20の可撓片32は、外側容器体2の係合筒6の内周面8iとレフィル容器40の外周面との間に挟まれ、保持されているから、嵌合部Aが被嵌合部Bから離れることがなく、内側収容体20の抜出しが防止されている。
さらに2重容器全体を廃棄するときには、外側容器体2の外面を持つとともに、把持部である上方筒部28cを把持して引き上げると、図3(B)に示す如く、可撓片32が内方へ撓むので、嵌合部Aが被嵌合部Bから離脱する。
そして、図3(C)に示す如く、内側収容体20が外側容器体2から引き上げられる。これにより、内側収容体20と外側容器体2とを分別して廃棄することができる。
【0029】
以下、本発明の他の実施形h態を説明する。これらの説明において第1実施形態と同じ構造については解説を省略する。
【0030】
図4及び図5は、本発明の参考例に係る2重容器を示している。
参考例では、第1実施形態の構成のうちで内側収容体20の構造並びに嵌合部A及び被嵌合部Bの構造を変更したものである。
すなわち、第1実施形態の内側収容体20の構造から補助筒部28を省略するとともに、前記収納筒22を、図5(A)に示す如く、外周壁12内へ挿入された大径筒部22aの上端から中径筒部22bを、また中径筒部22bの上端から小径筒部22cをそれぞれ上方へ突設している。
前記大径筒部22aは前記外周壁12の内側へ差し込まれている。
そして、本参考例では、係合筒6の外周面8оを被嵌合部Bとして、この被嵌合部Bと収納筒22の下端部である嵌合部Aとが相互に嵌合されるように設けている。
第2係合手段34は、嵌合部Aである収納筒22の下端部の内面に形成されている。図示の第2係合手段34は一本の環状の凹溝で形成されているが、その構造は適宜変更することができる。
【0031】
図6及び図7は、本発明の他の参考例に係る2重容器を示している。
参考例では、先の参考例(図4図5参照)の構成において、嵌合部Aを被嵌合部Bに螺着させたものである。すなわち、図7(B)に示す如く、第1係合手段10は雄ねじの形状に、第2係合手段34は雌ねじの形状に付形されている。また収納筒22は外周壁12に対して回転可能に形成されている。
これにより、外側容器体2に対して内側収容体20を螺着・螺脱操作により確実に着脱することができる。
なお、図示例では、第1係合手段10及び第2係合手段34を正ネジとして形成しているが、これらを逆ネジに形成することもできる。
【0032】
次に本発明の実施形態による効果を説明する。
全ての態様に共通する事柄として、レフィル容器40を収納する容器本体1を、レフィル容器40を収納するための縦向きの収納筒22を有するとともに当該収納筒22の上端にレフィル容器40の挿入口Оを開口する内側収容体20と、この内側収容体20を挿入させた有底筒状の外側容器体2とで相互に分別可能に形成しており、前記外側容器体2の底壁4側に形成された被嵌合部Bに対して、前記収納筒22の下部で形成する嵌合部Aが着脱可能に嵌着するように構成したから、内側収容体20と外側容器体2とを分別して廃棄することができる。
次に前記嵌合部Aと被嵌合部Bとに、前記外側容器体2からの内側収容体20の抜出しを規制する抜止め機構Tとして、相互に分離可能に係止し合う係合手段10、34が形成されている態様では、本発明の2重容器を使用する際に、不意に内側収容体20が外側容器体2から外れてしまうリスクを解消又は低減することができ、使い勝手がよい。
また前記被嵌合部Bは、前記底壁4から起立する係合筒6の内周面8iとして形成されており、前記収納筒22は下端開口に形成されているとともに、この収納筒22の下端側から上方へ延びる複数の切割り30を穿設することにより、各切割り30の間の筒壁部分が可撓片32を形成しており、これら可撓片32の下端部で形成する嵌合部Aが、前記被嵌合部Bに分離可能に嵌着するように設けた態様では、外側容器体2から内側収容体20を外すことが容易である。
次に本発明の参考例による効果を説明する。
前記レフィル容器40を前記収納筒22の内面に嵌着させることにより、各可撓片32は内方への撓み変形ができないようにレフィル容器40の表面に当接しており、この当接状態で可撓片32の下端部を係合筒6の内周面8iに圧接させた態様では、外側容器体2から内側収容体20が不意に離脱するリスクを低減できる。
また前記被嵌合部Bは、前記底壁4から起立する係合筒6の外周面8оとして形成されており、前記収納筒22は下端開口であるとともに前記外側容器体2内へ回転可能に挿入されており、前記収納筒22の嵌合部Aを前記被嵌合部Bに螺着させた態様では、外側容器体2からの内側収容体20の不意の離脱を確実に防止できる。
【符号の説明】
【0033】
1…容器本体 2…外側容器体 4…底壁 4a…外周部 4b…隆起部 6…係合筒
8i…内周面 8o…外周面 10…第1係合手段(係合子) 12…外周壁
14…上向き段部
20…内側収容体 22…収納筒 22a…大径筒部 22b…中径筒部
22c…小径筒部 24…上端部 26…外向きフランジ
28…補助筒部 28a…下方筒部 28b…拡径部 28c…上方筒部
29…係合凸部 30…切割り 32…可撓片 33…下端部
34…第2係合手段(係合子受部)
40…レフィル容器 42…底板 44…筒周壁 46…鍔部 47…当接用リブ
48…リング筒 50…摘み部
60…キャップ 62…天板 64…キャップ周壁
A…嵌合部 B…被嵌合部 FS…メネジ部 L…当接用突部
MS1…オネジ部 MS2…滑り止め O…挿入口 P…パッキン
R…係合凹部 rb…凹底部 rs…凹側部 T…抜止め機構


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7