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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】コネクタ及びコネクタ付き電線
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/58 20060101AFI20241203BHJP
   H01R 13/6463 20110101ALI20241203BHJP
   H01B 7/00 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
H01R13/58
H01R13/6463
H01B7/00 306
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021094836
(22)【出願日】2021-06-07
(65)【公開番号】P2022187041
(43)【公開日】2022-12-19
【審査請求日】2024-04-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】塚本 真史
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-037040(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0158097(US,A1)
【文献】特開平02-114467(JP,A)
【文献】特開2016-081655(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/58
H01R 13/6463
H01B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線における被圧接部の芯線に圧接させる一対の圧接体が設けられた端子金具と、
前記電線毎の前記端子金具が収容され、かつ、2本の電線を撚り合わせた撚り対線が第1撚り線部側と第2撚り線部側とに折返し点を起点に折り返されて収容されるハウジングと、
を備え、
前記ハウジングは、前記撚り対線のそれぞれの前記電線毎の前記端子金具が並べて収容される端子収容室を有し、かつ、前記電線に前記一対の圧接体を圧接させた前記第1撚り線部側が配索される第1ハウジング本体と、前記第1ハウジング本体に組み付けられ、かつ、前記第2撚り線部側が電線配索室に配索される第2ハウジング本体と、前記第1ハウジング本体及び前記第2ハウジング本体の内の何れか一方に組み付けられ、かつ、前記端子収容室と前記電線配索室が互いの開口を介して対向配置された前記第1ハウジング本体及び前記第2ハウジング本体の組付け完了位置で、折返し形状の前記撚り対線の前記第1撚り線部側と前記第2撚り線部側との間に介在し、前記撚り対線の前記折返し点に圧を加えて前記撚り対線の折返し形状を保持する加圧部と、を有することを特徴としたコネクタ。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記第1ハウジング本体及び前記第2ハウジング本体の間に設けた本体ヒンジ部を有し、
前記本体ヒンジ部は、前記撚り対線における折返し後に前記第2撚り線部側の一部になる配索撚り線部が前記第2ハウジング本体に対して配索される前記第1ハウジング本体及び前記第2ハウジング本体の開位置と、前記組付け完了位置としての前記第1ハウジング本体及び前記第2ハウジング本体の閉位置と、の間で、前記第2ハウジング本体を前記配索撚り線部と共に前記第1ハウジング本体に対して相対回転させ得るものとして形成されることを特徴とした請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記ハウジングは、前記加圧部が前記電線配索室の前記開口に配置される閉位置と前記加圧部が前記電線配索室の前記開口を開放させる開位置との間で前記加圧部を前記第2ハウジング本体に対して相対回転させるヒンジ部を有することを特徴とした請求項1又は2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記ハウジングは、弾性変形に伴う弾発力で前記加圧部から前記折返し点に圧を加える弾性変形部を有することを特徴とした請求項1,2又は3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記加圧部と前記弾性変形部は、前記電線配索室の前記開口を塞ぐ蓋部材に設けることを特徴とした請求項4に記載のコネクタ。
【請求項6】
電線における被圧接部の芯線に圧接させる一対の圧接体が設けられた端子金具と、
前記電線毎の前記端子金具が収容され、かつ、2本の電線を撚り合わせた撚り対線が第1撚り線部側と第2撚り線部側とに折返し点を起点に折り返されて収容されるハウジングと、
を備え、
前記ハウジングは、前記撚り対線のそれぞれの前記電線毎の前記端子金具が前記一対の圧接体を露出させた状態で並べて収容される端子収容室を有する第1ハウジング本体と、前記撚り対線が前記第1撚り線部側と前記第2撚り線部側とに前記折返し点を起点に折り返されて収容され、前記第1ハウジング本体に組み付けられる第2ハウジング本体と、を有し、
前記第2ハウジング本体は、前記撚り対線の前記第1撚り線部側が配索され、かつ、前記第1ハウジング本体との組付け完了位置で前記一対の圧接体を前記第1撚り線部側の前記電線に圧接させる第1電線配索部と、前記第1電線配索部に組み付けられ、かつ、前記撚り対線の前記第2撚り線部側が配索される第2電線配索部と、前記第1電線配索部及び前記第2電線配索部の組付け完了位置で、折返し形状の前記撚り対線の前記第1撚り線部側と前記第2撚り線部側との間に介在し、前記撚り対線の前記折返し点に圧を加えて前記撚り対線の折返し形状を保持する加圧部と、を有することを特徴としたコネクタ。
【請求項7】
電線における被圧接部の芯線に圧接させる一対の圧接体が設けられた端子金具と、
2本の電線を撚り合わせた撚り対線と、
前記電線毎の前記端子金具が収容され、かつ、前記撚り対線が第1撚り線部側と第2撚り線部側とに折返し点を起点に折り返されて収容されるハウジングと、
を備え、
前記ハウジングは、前記撚り対線のそれぞれの前記電線毎の前記端子金具が並べて収容される端子収容室を有し、かつ、前記電線に前記一対の圧接体を圧接させた前記第1撚り線部側が配索される第1ハウジング本体と、前記第1ハウジング本体に組み付けられ、かつ、前記第2撚り線部側が電線配索室に配索される第2ハウジング本体と、前記第1ハウジング本体及び前記第2ハウジング本体の内の何れか一方に組み付けられ、かつ、前記端子収容室と前記電線配索室が互いの開口を介して対向配置された前記第1ハウジング本体及び前記第2ハウジング本体の組付け完了位置で、折返し形状の前記撚り対線の前記第1撚り線部側と前記第2撚り線部側との間に介在し、前記撚り対線の前記折返し点に圧を加えて前記撚り対線の折返し形状を保持する加圧部と、を有することを特徴としたコネクタ付き電線。
【請求項8】
電線における被圧接部の芯線に圧接させる一対の圧接体が設けられた端子金具と、
2本の電線を撚り合わせた撚り対線と、
前記電線毎の前記端子金具が収容され、かつ、前記撚り対線が第1撚り線部側と第2撚り線部側とに折返し点を起点に折り返されて収容されるハウジングと、
を備え、
前記ハウジングは、前記撚り対線のそれぞれの前記電線毎の前記端子金具が前記一対の圧接体を露出させた状態で並べて収容される端子収容室を有する第1ハウジング本体と、前記撚り対線が前記第1撚り線部側と前記第2撚り線部側とに前記折返し点を起点に折り返されて収容され、前記第1ハウジング本体に組み付けられる第2ハウジング本体と、を有し、
前記第2ハウジング本体は、前記撚り対線の前記第1撚り線部側が配索され、かつ、前記第1ハウジング本体との組付け完了位置で前記一対の圧接体を前記第1撚り線部側の前記電線に圧接させる第1電線配索部と、前記第1電線配索部に組み付けられ、かつ、前記撚り対線の前記第2撚り線部側が配索される第2電線配索部と、前記第1電線配索部及び前記第2電線配索部の組付け完了位置で、折返し形状の前記撚り対線の前記第1撚り線部側と前記第2撚り線部側との間に介在し、前記撚り対線の前記折返し点に圧を加えて前記撚り対線の折返し形状を保持する加圧部と、を有することを特徴としたコネクタ付き電線。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ及びコネクタ付き電線に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コネクタ及びコネクタ付き電線においては、電線に撚り対線(2本の電線を撚り合わせた所謂ツイストペア電線)を用いたものが知られている。例えば、この種のコネクタ及びコネクタ付き電線については、下記の特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-217358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、撚り対線においては、2本の電線の撚りが解かれると、その撚り戻しの発生した場所でノイズ耐性が低下するなど、通信性能を低下させてしまう可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、通信性能の低下を抑え得るコネクタ及びコネクタ付き電線を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する為、本発明に係るコネクタは、電線における被圧接部の芯線に圧接させる一対の圧接体が設けられた端子金具と、前記電線毎の前記端子金具が収容され、かつ、2本の電線を撚り合わせた撚り対線が第1撚り線部側と第2撚り線部側とに折返し点を起点に折り返されて収容されるハウジングと、を備え、前記ハウジングは、前記撚り対線のそれぞれの前記電線毎の前記端子金具が並べて収容される端子収容室を有し、かつ、前記電線に前記一対の圧接体を圧接させた前記第1撚り線部側が配索される第1ハウジング本体と、前記第1ハウジング本体に組み付けられ、かつ、前記第2撚り線部側が電線配索室に配索される第2ハウジング本体と、前記第1ハウジング本体及び前記第2ハウジング本体の内の何れか一方に組み付けられ、かつ、前記端子収容室と前記電線配索室が互いの開口を介して対向配置された前記第1ハウジング本体及び前記第2ハウジング本体の組付け完了位置で、折返し形状の前記撚り対線の前記第1撚り線部側と前記第2撚り線部側との間に介在し、前記撚り対線の前記折返し点に圧を加えて前記撚り対線の折返し形状を保持する加圧部と、を有することを特徴としている。
【0007】
また、上記目的を達成する為、本発明に係るコネクタは、電線における被圧接部の芯線に圧接させる一対の圧接体が設けられた端子金具と、前記電線毎の前記端子金具が収容され、かつ、2本の電線を撚り合わせた撚り対線が第1撚り線部側と第2撚り線部側とに折返し点を起点に折り返されて収容されるハウジングと、を備え、前記ハウジングは、前記撚り対線のそれぞれの前記電線毎の前記端子金具が前記一対の圧接体を露出させた状態で並べて収容される端子収容室を有する第1ハウジング本体と、前記撚り対線が前記第1撚り線部側と前記第2撚り線部側とに前記折返し点を起点に折り返されて収容され、前記第1ハウジング本体に組み付けられる第2ハウジング本体と、を有し、前記第2ハウジング本体は、前記撚り対線の前記第1撚り線部側が配索され、かつ、前記第1ハウジング本体との組付け完了位置で前記一対の圧接体を前記第1撚り線部側の前記電線に圧接させる第1電線配索部と、前記第1電線配索部に組み付けられ、かつ、前記撚り対線の前記第2撚り線部側が配索される第2電線配索部と、前記第1電線配索部及び前記第2電線配索部の組付け完了位置で、折返し形状の前記撚り対線の前記第1撚り線部側と前記第2撚り線部側との間に介在し、前記撚り対線の前記折返し点に圧を加えて前記撚り対線の折返し形状を保持する加圧部と、を有することを特徴としている。
【0008】
また、上記目的を達成する為、本発明に係るコネクタ付き電線は、電線における被圧接部の芯線に圧接させる一対の圧接体が設けられた端子金具と、2本の電線を撚り合わせた撚り対線と、前記電線毎の前記端子金具が収容され、かつ、前記撚り対線が第1撚り線部側と第2撚り線部側とに折返し点を起点に折り返されて収容されるハウジングと、を備え、前記ハウジングは、前記撚り対線のそれぞれの前記電線毎の前記端子金具が並べて収容される端子収容室を有し、かつ、前記電線に前記一対の圧接体を圧接させた前記第1撚り線部側が配索される第1ハウジング本体と、前記第1ハウジング本体に組み付けられ、かつ、前記第2撚り線部側が電線配索室に配索される第2ハウジング本体と、前記第1ハウジング本体及び前記第2ハウジング本体の内の何れか一方に組み付けられ、かつ、前記端子収容室と前記電線配索室が互いの開口を介して対向配置された前記第1ハウジング本体及び前記第2ハウジング本体の組付け完了位置で、折返し形状の前記撚り対線の前記第1撚り線部側と前記第2撚り線部側との間に介在し、前記撚り対線の前記折返し点に圧を加えて前記撚り対線の折返し形状を保持する加圧部と、を有することを特徴としている。
【0009】
また、上記目的を達成する為、本発明に係るコネクタ付き電線は、電線における被圧接部の芯線に圧接させる一対の圧接体が設けられた端子金具と、2本の電線を撚り合わせた撚り対線と、前記電線毎の前記端子金具が収容され、かつ、前記撚り対線が第1撚り線部側と第2撚り線部側とに折返し点を起点に折り返されて収容されるハウジングと、を備え、前記ハウジングは、前記撚り対線のそれぞれの前記電線毎の前記端子金具が前記一対の圧接体を露出させた状態で並べて収容される端子収容室を有する第1ハウジング本体と、前記撚り対線が前記第1撚り線部側と前記第2撚り線部側とに前記折返し点を起点に折り返されて収容され、前記第1ハウジング本体に組み付けられる第2ハウジング本体と、を有し、前記第2ハウジング本体は、前記撚り対線の前記第1撚り線部側が配索され、かつ、前記第1ハウジング本体との組付け完了位置で前記一対の圧接体を前記第1撚り線部側の前記電線に圧接させる第1電線配索部と、前記第1電線配索部に組み付けられ、かつ、前記撚り対線の前記第2撚り線部側が配索される第2電線配索部と、前記第1電線配索部及び前記第2電線配索部の組付け完了位置で、折返し形状の前記撚り対線の前記第1撚り線部側と前記第2撚り線部側との間に介在し、前記撚り対線の前記折返し点に圧を加えて前記撚り対線の折返し形状を保持する加圧部と、を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るコネクタ及びコネクタ付き電線においては、加圧部によって折返し形状が保たれたまま撚り対線がハウジングの中に収容される。よって、このコネクタ及びコネクタ付き電線は、その撚り対線の2本の電線の撚りが解かれ難くなっており、通信性能の低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態のコネクタ付き電線を示す斜視図である。
図2図2は、図1のX-X線断面を模式的に表した説明図である。
図3図3は、ハウジングが全開状態の実施形態のコネクタ付き電線を示す斜視図である。
図4図4は、図3のX-X線断面を模式的に表した説明図である。
図5図5は、ハウジングが全開状態の実施形態のコネクタ付き電線を示す斜視図であり、撚り対線の配索後を示す説明図である。
図6図6は、図5のX-X線断面を模式的に表した説明図である。
図7図7は、ハウジングの蓋部材を閉じた状態の実施形態のコネクタ付き電線を示す斜視図である。
図8図8は、図7のX-X線断面を模式的に表した説明図である。
図9図9は、実施形態のコネクタ付き電線の適用例を示す説明図である。
図10図10は、変形例1のコネクタ付き電線を示す斜視図である。
図11図11は、図10のX-X線断面を模式的に表した説明図である。
図12図12は、ハウジングが全開状態の変形例1のコネクタ付き電線を示す斜視図であり、撚り対線の配索後を示す説明図である。
図13図13は、図12のX-X線断面を模式的に表した説明図である。
図14図14は、ハウジングの蓋部材を閉じた状態の変形例1のコネクタ付き電線を示す斜視図である。
図15図15は、図14のX-X線断面を模式的に表した説明図である。
図16図16は、変形例1のコネクタ付き電線の適用例を示す説明図である。
図17図17は、変形例2のコネクタ付き電線を示す斜視図である。
図18図18は、図17のX-X線断面を模式的に表した説明図である。
図19図19は、第1ハウジング本体側と第2ハウジング本体側とを組み付ける前の変形例2のコネクタ付き電線を示す分解斜視図である。
図20図20は、図19のX-X線断面を模式的に表した説明図である。
図21図21は、全開状態の変形例2の第2ハウジング本体を示す斜視図である。
図22図22は、図21のX-X線断面を模式的に表した説明図である。
図23図23は、図21のX-X線断面に相当する模式図であり、撚り対線の配索後を示している。
図24図24は、蓋部材を閉じた状態の変形例2の第2ハウジング本体を示す斜視図である。
図25図25は、図24のX-X線断面を模式的に表した説明図である。
図26図26は、第1ハウジング本体側と第2ハウジング本体側とを組み付ける前の変形例3のコネクタ付き電線を示す分解斜視図である。
図27図27は、全開状態の変形例3の第2ハウジング本体を示す斜視図である。
図28図28は、全開状態の変形例3の第2ハウジング本体を示す斜視図であり、撚り対線の配索後を示している。
図29図29は、図27のY-Y線断の部分拡大図であり、撚り対線の組付け工程を表した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係るコネクタ及びコネクタ付き電線の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0013】
[実施形態]
本発明に係るコネクタ及びコネクタ付き電線の実施形態の1つを図1から図9に基づいて説明する。
【0014】
図1から図8の符号1は、本実施形態のコネクタ付き電線を示す。このコネクタ付き電線1は、複数本の電線10と、この複数本の電線10に取り付けられたコネクタ20と、を備える。
【0015】
このコネクタ付き電線1は、2本の電線10を撚り合わせた撚り対線10Aを少なくとも備える(図1図2及び図5から図8)。このコネクタ付き電線1においては、その撚り対線10Aが第1撚り線部側10Aと第2撚り線部側10Aとに折返し点10Aを起点に折り返されており、その折返し点10Aにコネクタ20が取り付けられる(図2)。例えば、コネクタ付き電線1は、幹線10X(図9)から引き出された1本の撚り対線10Aの折返し点10Aにコネクタ20を取り付けたものであり、その幹線10Xと共にワイヤハーネスWHを構成する。そのコネクタ20は、例えば、電子機器EPの相手方コネクタ(図示略)に嵌合接続される(図9)。
【0016】
電線10は、図中で明示しないが、導体たる芯線と、この芯線を覆う被覆と、を備える。
【0017】
コネクタ20は、端子金具30とハウジング40を備える(図2から図6及び図8)。このコネクタ20においては、電線10毎の端子金具30がハウジング40に収容される。ここでは、撚り対線10Aのそれぞれの電線10毎に端子金具30が設けられている。
【0018】
端子金具30は、金属等の導電性材料で成形される。この端子金具30は、例えば、母材となる金属板に対する折曲げ加工や切断加工等のプレス成形によって所定形状に成形される。
【0019】
この端子金具30は、電線10の芯線に対して物理的且つ電気的に接続させる電線接続部として、この電線10における被圧接部10aの芯線に圧接させる一対の圧接体31,31を有する(図2から図6及び図8)。この一対の圧接体31,31は、それぞれの端部が互いに間隔を空けて対向配置され、その端部間に差し入れられた電線10に対して、それぞれの端部で被覆を切り裂いて、それぞれの端部を芯線に圧接させる。この一対の圧接体31,31に圧接された電線10は、それぞれの圧接体31,31の対向配置方向とそれぞれの圧接体31,31の間への電線10の差し込み方向とに対する直交方向にその間から引き出される。この圧接体31は、片体として形成されている。この圧接体31の端部は、刃形の圧接刃として形成されたものであってもよく、母材の板厚分の厚さを有する平面として形成されたものであってもよい。
【0020】
この端子金具30は、相手方端子金具に対して物理的且つ電気的に接続させる接続端子として構成されており、一対の圧接体31,31と1つの端子接続部32とを有している(図2図4図6及び図8)。その端子接続部32と相手方端子金具の相手方端子接続部は、相互間の嵌合接続によって互いに物理的且つ電気的に接続させるものであり、その内の一方が雌端子形状に形成され、その内の他方が雄端子形状に形成される。ここで示す端子接続部32は、雌端子形状に形成されている。
【0021】
ここで示す端子金具30においては、相手方端子接続部への嵌合接続方向に一対の圧接体31,31と端子接続部32とが並べられる。そして、この端子金具30においては、一対の圧接体31,31と端子接続部32とが平板状の連結部33を介して繋がれる(図2図4図6及び図8)。ここで示す端子金具30においては、その連結部33から見て一対の圧接体31,31と端子接続部32とを各々逆向きに突出させている。ここでは、連結部33の一方の平面よりも一対の圧接体31,31を突出させ、かつ、連結部33の他方の平面よりも端子接続部32を突出させている。
【0022】
ここで示すコネクタ付き電線1においては、撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aと第2撚り線部側10Aとを端子接続部32の嵌合接続方向とは逆向きでハウジング40の外に引き出させる。このため、端子金具30においては、その引出方向へと第1撚り線部側10Aと第2撚り線部側10Aとを引き出させるように一対の圧接体31,31が形成されている。例えば、このコネクタ付き電線1は、幹線10Xから引き出されている撚り対線10Aのその引出方向がコネクタ20の嵌合接続方向になる(図9)。
【0023】
ハウジング40は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形される。
【0024】
このハウジング40には、電線10毎の端子金具30が収容され、かつ、撚り対線10Aが第1撚り線部側10Aと第2撚り線部側10Aとに折返し点10Aを起点に折り返されて収容される。
【0025】
このハウジング40は、第1ハウジング本体40Aと、この第1ハウジング本体40Aに組み付けられる第2ハウジング本体40Bと、を有する(図1から図8)。このハウジング40においては、第1ハウジング本体40Aと第2ハウジング本体40Bが組付け完了位置のときに、撚り対線10Aが折返し点10Aを起点にしたU字状に折り返されている。そして、このハウジング40においては、第1ハウジング本体40Aと第2ハウジング本体40Bが組付け完了位置のときに、撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aが第1ハウジング本体40Aに配索され、かつ、この撚り対線10Aの第2撚り線部側10Aが第2ハウジング本体40Bに配索されている。
【0026】
このハウジング40においては、折り返す前の撚り対線10Aの一部が組付け前の第1ハウジング本体40Aと第2ハウジング本体40Bとの間に亘って配索され、その第1ハウジング本体40Aと第2ハウジング本体40Bの組付け動作に連動して、撚り対線10Aが折り返される。ここでは、第1ハウジング本体40Aと第2ハウジング本体40Bを相互間で相対回転させながら組み付けていくことによって、この第1ハウジング本体40Aと第2ハウジング本体40Bで撚り対線10Aを押し動かしながら折り返していく。このハウジング40は、撚り対線10Aにおける折返し後に第2撚り線部側10Aの一部になる部分(以下、「配索撚り線部」という。)が第2ハウジング本体40Bに対して配索される第1ハウジング本体40A及び第2ハウジング本体40Bの開位置と、組付け完了位置としての第1ハウジング本体40A及び第2ハウジング本体40Bの閉位置と、の間で、第2ハウジング本体40Bをその配索撚り線部と共に第1ハウジング本体40Aに対して相対回転させる。つまり、このハウジング40は、撚り対線10Aが折り返されていない第1ハウジング本体40A及び第2ハウジング本体40Bの開位置と撚り対線10Aが折り返された第1ハウジング本体40A及び第2ハウジング本体40Bの閉位置との間で第2ハウジング本体40Bを第1ハウジング本体40Aに対して相対回転させる。そこで、このハウジング40は、第1ハウジング本体40Aと第2ハウジング本体40Bとの間に、その相対回転を担う本体ヒンジ部(以下、「第1ヒンジ部」という。)40Cを有している(図1から図8)。この第1ヒンジ部40Cは、第1ハウジング本体40Aと第2ハウジング本体40Bとの間に亘って撚り対線10Aの一部を配策したまま、閉位置と開位置との間で第2ハウジング本体40Bを第1ハウジング本体40Aに対して相対回転させ得る位置に設ける。ここで示すハウジング40においては、第1ヒンジ部40Cにリビングヒンジを適用し、第1ハウジング本体40Aと第2ハウジング本体40Bと第1ヒンジ部40Cとが一体になって成形されている。
【0027】
第1ハウジング本体40Aは、撚り対線10Aのそれぞれの電線10毎の端子金具30が並べて収容される当該端子金具30毎の端子収容室41を有する(図2から図8)。そして、この第1ハウジング本体40Aは、電線10に一対の圧接体31,31を圧接させた撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aが配索される。
【0028】
端子収容室41は、一対の圧接体31,31が収容される第1収容部41aと、端子接続部32が収容される第2収容部41bと、に大別される(図2図4図6及び図8)。
【0029】
第1収容部41aは、端子金具30毎に形成される部屋であってもよく、複数の端子金具30の一対の圧接体31,31が一纏めに収容される部屋であってもよい。この第1収容部41aには、第1ハウジング本体40Aと第2ハウジング本体40Bとが組付け完了位置(閉位置)のときに、撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aが収容されている。この第1収容部41aの中では、その第1撚り線部側10Aの電線10に端子金具30の一対の圧接体31,31を圧接させている。例えば、この第1収容部41aには、2つの端子金具30が既に収容されている状態で、折返し後に撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aとなる部分(以下、「配索撚り線部」という。)が開口(以下、「第1開口」という。)41c(図2から図6及び図8)から挿入される。そして、この第1収容部41aにおいては、その第1撚り線部側10Aの電線10毎に当該電線10の被圧接部10aをそれぞれの端子金具30の一対の圧接体31,31に差し込んで、この一対の圧接体31,31を被圧接部10aに圧接させる。撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aは、第1開口41cに直交する開口(以下、「第2開口」という。)41dから第1収容部41aの外に引き出される(図2から図4図6及び図8)。その第2開口41dは、第1撚り線部側10Aをハウジング40の外に引き出させる電線引出口として利用される。この第2開口41dは、相手方端子接続部への端子接続部32の嵌合接続方向とは逆向きに口を開けるものとして形成されている。
【0030】
一方、第2収容部41bは、端子金具30毎に形成されている。この第2収容部41bには、図示しないが、挿入中の端子接続部32に押動されながら撓み、この端子接続部32の収容が完了したときに撓みが解消されて当該端子接続部32を係止する端子係止部が設けられている。この端子係止部は、端子金具30のハウジング40の外への抜けを抑止するためのものである。ここでは、例えば、この端子係止部として所謂ランスを設ける。
【0031】
尚、先示すように、ここで示す端子金具30は、連結部33の一方の平面よりも一対の圧接体31,31を突出させ、かつ、連結部33の他方の平面よりも端子接続部32を突出させている。よって、ここで示す第1ハウジング本体40Aは、第2収容部41b側の第1収容体40Aと第1収容部41a側の第2収容体40Aとに分けられた分割構造を採っている(図2及び図4)。この第1ハウジング本体40Aは、その第1収容体40Aと第2収容体40Aとがヒンジ部40Aを介して回動自在に連結されている。この第1ハウジング本体40Aにおいては、端子接続部32を第2収容部41bに収容する際に、第1収容体40Aと第2収容体40Aとを開き、端子接続部32を第2収容部41bに収容した後で、第1収容体40Aと第2収容体40Aとを図2及び図4の位置まで閉じて、一対の圧接体31,31を第1収容部41aに収容する。ここで示す第1ハウジング本体40Aにおいては、ヒンジ部40Aにリビングヒンジを適用し、第1収容体40Aと第2収容体40Aとヒンジ部40Aとが一体になって成形されている。
【0032】
第2ハウジング本体40Bは、撚り対線10Aの第2撚り線部側10Aが配索される電線配索室42を有する(図2から図8)。この電線配索室42には、折返し後に撚り対線10Aの第2撚り線部側10Aとなる配索撚り線部が開口(以下、「第1開口」という。)42aから挿入される。撚り対線10Aの第2撚り線部側10Aは、第1開口42aに直交する開口(以下、「第2開口」という。)42bから電線配索室42の外に引き出される(図2から図8)。その第2開口42bは、第2撚り線部側10Aをハウジング40の外に引き出させる電線引出口として利用される。この第2開口42bは、第1ハウジング本体40Aと第2ハウジング本体40Bとが組付け完了位置(閉位置)のときに、相手方端子接続部への端子接続部32の嵌合接続方向とは逆向きに口を開けるものとして形成されている。
【0033】
このハウジング40においては、第1ハウジング本体40Aと第2ハウジング本体40Bとが組付け完了位置(閉位置)のときに、端子収容室41の第1収容部41aと電線配索室42が互いの第1開口41c,42aを介して対向配置され、かつ、互いの第2開口41d,42bが端子接続部32の嵌合接続方向とは逆向きに口を開ける(図2)。このため、このハウジング40においては、第1ハウジング本体40Aと第2ハウジング本体40Bとが組付け完了位置(閉位置)のときに、第1収容部41aにおける撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aと電線配索室42における撚り対線10Aの第2撚り線部側10Aとが対向配置状態で収容され、かつ、その第1撚り線部側10Aと第2撚り線部側10Aとが第2開口41d,42bから端子接続部32の嵌合接続方向とは逆向きで外に引き出されている。
【0034】
このハウジング40は、その組付け完了位置(閉位置)で、折返し形状の撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aと第2撚り線部側10Aとの間に介在し、撚り対線10Aの折返し点10Aに圧を加えて当該撚り対線10Aの折返し形状を保持する加圧部40Dを有する(図2から図8)。この加圧部40Dは、第1ハウジング本体40A及び第2ハウジング本体40Bの内の何れか一方に組み付けられる。ここでは、第1ハウジング本体40Aに加圧部40Dが組み付けられている。ここで示すハウジング40は、その加圧部40Dが第1収容部41aの第1開口41cに配置される閉位置と加圧部40Dが第1開口41cを開放させる開位置との間で当該加圧部40Dを第1ハウジング本体40Aに対して相対回転させる。そこで、このハウジング40は、第1ハウジング本体40Aと加圧部40Dとの間に、その相対回転を担うヒンジ部(以下、「第2ヒンジ部」という。)40Eを有している(図3及び図5)。ここで示すハウジング40においては、第2ヒンジ部40Eにリビングヒンジを適用し、第1ハウジング本体40Aと第2ハウジング本体40Bと加圧部40Dと第1ヒンジ部40Cと第2ヒンジ部40Eとが一体になって成形されている。
【0035】
このコネクタ20及びコネクタ付き電線1においては、第1ハウジング本体40Aと第2ハウジング本体40Bとが開位置で且つ第1ハウジング本体40Aと加圧部40Dとが開位置のときに、折返し後に撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aとなる配索撚り線部を端子収容室41の第1収容部41aに収容し、かつ、折返し後に撚り対線10Aの第2撚り線部側10Aとなる配索撚り線部を電線配索室42に収容して、この撚り対線10Aの一部を第1ハウジング本体40Aと第2ハウジング本体40Bとの間に亘って配索する(図3から図6)。その際、第1収容部41aでは、折返し後に撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aとなる配索撚り線部に端子金具30の一対の圧接体31,31を圧接させる(図5及び図6)。しかる後、このコネクタ20及びコネクタ付き電線1においては、第2ヒンジ部40Eを回転中心にして、加圧部40Dを第1ハウジング本体40Aに対して閉位置まで相対回転させる(図7及び図8)。そして、このコネクタ20及びコネクタ付き電線1においては、第1ヒンジ部40Cを回転中心にして、その第2ハウジング本体40Bを撚り対線10Aと共に第1ハウジング本体40Aに対して閉位置まで相対回転させる(図1及び図2)。これにより、このコネクタ20及びコネクタ付き電線1においては、加圧部40Dから加圧された折返し点10Aを起点にして、撚り対線10Aが折り返される。ここでは、その折り返された撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aと第2撚り線部側10Aが相手方端子接続部への端子接続部32の嵌合接続方向とは逆向きに引き出される。このため、ハウジング40においては、第1ハウジング本体40Aと第2ハウジング本体40Bとが開位置で且つ第1ハウジング本体40Aと加圧部40Dとが開位置のときに、撚り対線10Aの配索方向に対して回転軸の軸線方向を直交させた位置に第1ヒンジ部40Cを設ける。
【0036】
以上示したように、本実施形態のコネクタ20及びコネクタ付き電線1においては、加圧部40Dによって折返し形状が保たれたまま撚り対線10Aがハウジング40の中に収容される。例えば、このコネクタ20及びコネクタ付き電線1においては、加圧部40Dが折返し点10Aに圧を加えると共に、この加圧部40Dが折返し点10Aをハウジング40の内壁面に押し付けることが望ましい。ここでは、第2ハウジング本体40Bにおける第1開口42aに間隔を空けて対向配置させた内壁面40Baに対して、加圧部40Dが折返し点10Aを押し付けている(図2)。これにより、このコネクタ20及びコネクタ付き電線1においては、撚り対線10Aが折返し形状を保ったままハウジング40の中に収容される。よって、このコネクタ20及びコネクタ付き電線1は、その撚り対線10Aの2本の電線10の撚りが解かれ難くなっており、通信性能の低下を抑えることができる。
【0037】
ところで、本実施形態のハウジング40は、更に、弾性変形に伴う弾発力で加圧部40Dから撚り対線10Aの折返し点10Aに圧を加える弾性変形部40Dを有している(図2から図8)。これにより、本実施形態のコネクタ20及びコネクタ付き電線1においては、加圧部40Dが折返し点10Aに圧を加えているときに、この加圧部40Dが折返し点10Aから受けた反力を弾性変形部40Dで吸収させることができる。よって、このコネクタ20及びコネクタ付き電線1においては、加圧部40Dから折返し点10Aに過剰な圧が加わり難くなっているので、撚り対線10Aや加圧部40D、第2ヒンジ部40Eの耐久性を確保しつつ、この撚り対線10Aの撚り戻しを抑えて、通信性能の低下を抑制することができる。
【0038】
具体的に、本実施形態の加圧部40Dと弾性変形部40Dは、第1収容部41aの第1開口41cを塞ぐ蓋部材40Dに設けている(図2から図8)。
【0039】
この蓋部材40Dにおいては、第2ヒンジ部40Eに板状の弾性変形部40Dが繋がれている。ここで示す第2ヒンジ部40Eは、第2ハウジング本体40Bと弾性変形部40Dとの間で、その回転軸の軸線方向を第1ヒンジ部40Cの回転軸の軸線方向に直交させる位置に設けられる。
【0040】
また、この蓋部材40Dにおいては、第1開口41cを塞いでいるときの第1ヒンジ部40C側の端部に円柱状の加圧部40Dが設けられている。この加圧部40Dは、蓋部材40Dが第1開口41cを塞いでいるときに、その円柱の軸線が第1ヒンジ部40Cの回転軸と同じ方向を向くものとして設けられる。つまり、ここで示す加圧部40Dは、折返し点10Aの電線10を周方向に沿わせる弧状面が設けられたものである。その弧状面は、折返し点10Aの電線10に過剰な曲げ応力を発生させない大きさの曲率を持つものとして形成される。その過剰な曲げ応力とは、例えば、撚り対線10Aの耐久性を低下させてしまう大きさの曲げ応力や、撚り対線10Aの撚り戻しを発生させ得る大きさの曲げ応力などのことである。よって、このコネクタ20及びコネクタ付き電線1は、この点からも、耐久性や通信性能の低下を抑えることができる。
【0041】
更に、この蓋部材40Dにおいては、弾性変形部40Dにおける加圧部40D側とは逆側の端部40D21で折返し後の第2撚り線部側10Aを第2ハウジング本体40Bの内壁面40Baに押し付けている(図2図3図5図7及び図8)。これにより、このコネクタ20及びコネクタ付き電線1においては、ハウジング40の中で撚り対線10Aがより確実に折返し形状を保つことができるので、その撚り対線10Aの2本の電線10の撚りが更に解かれ難くなっており、通信性能低下の抑制効果を高めることができる。
【0042】
[変形例1]
図10から図15の符号2は、本変形例のコネクタ付き電線を示す。このコネクタ付き電線2は、前述した実施形態のコネクタ付き電線1において、コネクタ20を下記のコネクタ120に置き換えたものである。
【0043】
本変形例のコネクタ120は、実施形態のコネクタ20と同じように、端子金具130とハウジング140を備える(図11から図15)。
【0044】
本変形例の端子金具130は、実施形態の端子金具30と同様の一対の圧接体131,131と端子接続部132とを有する(図11から図15)。但し、本変形例のコネクタ付き電線2においては、撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aと第2撚り線部側10Aとを端子接続部132の嵌合接続方向に対する直交方向に向けてハウジング140から引き出させる。このため、本変形例の端子金具130においては、その引出方向に第1撚り線部側10Aと第2撚り線部側10Aとを引き出させるように一対の圧接体131,131が形成されている。例えば、このコネクタ付き電線2は、幹線10Xから引き出されている撚り対線10Aのその引出方向がコネクタ20の嵌合接続方向に対して直交することになる(図16)。
【0045】
更に、本変形例の端子金具130においては、実施形態の端子金具30と同じように、一対の圧接体131,131と端子接続部132とを繋ぐ平板状の連結部133も有しているが、その端子金具30とは異なり、この一対の圧接体131,131と端子接続部132とを連結部133から見て各々同じ向きに突出させている(図11図13及び図15)。ここでは、連結部133の一方の平面に対して一対の圧接体131,131と端子接続部132とを同じ向きに突出させている。
【0046】
本変形例のハウジング140は、実施形態のハウジング40と同じように、互いに組み付けられる第1ハウジング本体140Aと第2ハウジング本体140Bとを有している(図10から図15)。また、本変形例のハウジング140においては、実施形態のハウジング40と同じように、その第1ハウジング本体140Aと第2ハウジング本体140Bが組付け完了位置のときに、撚り対線10Aが折返し点10Aを起点にしてU字状に折り返されている。このハウジング140においても、撚り対線10Aは、第1撚り線部側10Aが第1ハウジング本体140Aに配索され、かつ、第2撚り線部側10Aが第2ハウジング本体140Bに配索されている。
【0047】
更に、本変形例のハウジング140は、実施形態のハウジング40と同じように、折り返す前の撚り対線10Aの一部が組付け前の第1ハウジング本体140Aと第2ハウジング本体140Bとの間に亘って配索され、その第1ハウジング本体140Aと第2ハウジング本体140Bを相互間で相対回転させながら組み付けていくことによって、この第1ハウジング本体140Aと第2ハウジング本体140Bで撚り対線10Aを押し動かしながら折り返していく。このため、このハウジング140は、実施形態のハウジング40と同じように、撚り対線10Aにおける折返し後に第2撚り線部側10Aの一部になる配索撚り線部が第2ハウジング本体140Bに対して配索される第1ハウジング本体140A及び第2ハウジング本体140Bの開位置と、組付け完了位置としての第1ハウジング本体140A及び第2ハウジング本体140Bの閉位置と、の間で、第2ハウジング本体140Bをその配索撚り線部と共に第1ハウジング本体140Aに対して相対回転させる。つまり、このハウジング140は、撚り対線10Aが折り返されていない第1ハウジング本体140A及び第2ハウジング本体140Bの開位置と撚り対線10Aが折り返された第1ハウジング本体140A及び第2ハウジング本体140Bの閉位置との間で第2ハウジング本体140Bを第1ハウジング本体140Aに対して相対回転させる。このハウジング140は、第1ハウジング本体140Aと第2ハウジング本体140Bとの間に、その相対回転を担う本体ヒンジ部(以下、「第1ヒンジ部」という。)140Cを有している(図11から図15)。この第1ヒンジ部140Cは、実施形態の第1ヒンジ部40Cと同じように、第1ハウジング本体140Aと第2ハウジング本体140Bとの間に亘って撚り対線10Aの一部を配策したまま、閉位置と開位置との間で第2ハウジング本体140Bを第1ハウジング本体140Aに対して相対回転させ得る位置に設ける。更に、この第1ヒンジ部140Cは、実施形態の第1ヒンジ部40Cと同じように、第1ハウジング本体140Aと第2ハウジング本体140Bとが開位置で且つ第2ハウジング本体140Bと後述する加圧部140D(蓋部材140D)とが開位置のときに、撚り対線10Aの配索方向に対して回転軸の軸線方向を直交させる位置に設ける。ここでは、この第1ヒンジ部140Cにリビングヒンジを用いている。
【0048】
本変形例の第1ハウジング本体140Aは、実施形態の第1ハウジング本体40Aと同じように、一対の圧接体131,131が収容される第1収容部141aと、端子接続部132が収容される第2収容部141bと、に大別される端子金具130毎の端子収容室141を有する(図11から図15)。この第1ハウジング本体140Aは、実施形態の第1ハウジング本体40Aと同じように、電線10に一対の圧接体131,131を圧接させた撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aが配索される。
【0049】
本変形例の第1収容部141aは、実施形態の第1収容部41aと同じように、端子金具130毎に形成される部屋であってもよく、複数の端子金具130の一対の圧接体131,131が一纏めに収容される部屋であってもよい。また、本変形例の第1収容部141aには、実施形態の第1収容部41aと同じように、第1ハウジング本体140Aと第2ハウジング本体140Bとが組付け完了位置(閉位置)のときに、その一対の圧接体131,131に圧接された撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aの電線10が収容されている。この第1収容部141aは、実施形態の第1収容部41aと同じように、折返し後に撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aとなる配索撚り線部を挿入する際の開口(以下、「第1開口」という。)141cと、この第1開口141cに直交させ、第1撚り線部側10Aをハウジング140の外に引き出させる電線引出口としての開口(以下、「第2開口」という。)141dと、を有する(図11から図15)。但し、本変形例の第2開口141dは、相手方端子接続部への端子接続部132の嵌合接続方向に対する直交方向に口を開けるものとして形成されている。更に、本変形例の第1収容部141aは、第1開口141cに直交させ且つ第2開口141dに間隔を空けて対向配置させ、第1撚り線部側10Aの折返し点10A側を外に引き出させる開口(以下、「第3開口」という。)141eを有する(図11から図15)。
【0050】
本変形例の第2収容部141bは、実施形態の第2収容部41bと同じように、端子金具130毎に形成されている。
【0051】
本変形例の第2ハウジング本体140Bは、実施形態の第2ハウジング本体40Bと同じように、撚り対線10Aの第2撚り線部側10Aが配索される電線配索室142を有する(図11から図13及び図15)。この電線配索室142は、実施形態の電線配索室42と同じように、折返し後に撚り対線10Aの第2撚り線部側10Aとなる配索撚り線部を挿入するための開口(以下、「第1開口」という。)142aと、この第1開口142aに直交させ、第2撚り線部側10Aをハウジング140の外に引き出させる電線引出口としての開口(以下、「第2開口」という。)142bと、を有する(図11から図13及び図15)。但し、本変形例の第2開口142bは、相手方端子接続部への端子接続部132の嵌合接続方向に対する直交方向に口を開けるものとして形成されている。
【0052】
本変形例のハウジング140においては、実施形態のハウジング40と同じように、第1ハウジング本体140Aと第2ハウジング本体140Bとが組付け完了位置(閉位置)のときに、端子収容室141の第1収容部141aと電線配索室142が互いの第1開口141c,142aを介して対向配置される一方、互いの第2開口141d,142bが端子接続部32の嵌合接続方向に対する直交方向に口を開ける(図10及び図111)。このため、このハウジング140においては、第1ハウジング本体140Aと第2ハウジング本体140Bとが組付け完了位置(閉位置)のときに、第1収容部141aにおける撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aと電線配索室142における撚り対線10Aの第2撚り線部側10Aとが対向配置状態で収容され、かつ、その第1撚り線部側10Aと第2撚り線部側10Aとが第2開口141d,142bから端子接続部132の嵌合接続方向に対する直交方向に向けて外に引き出されている。
【0053】
本変形例のハウジング140は、実施形態のハウジング40と同じように、その組付け完了位置(閉位置)で、折返し形状の撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aと第2撚り線部側10Aとの間に介在し、撚り対線10Aの折返し点10Aに圧を加えて当該撚り対線10Aの折返し形状を保持する加圧部140Dを有する(図10図12及び図14)。この加圧部140Dは、実施形態の加圧部40Dと同じように、第1ハウジング本体140A及び第2ハウジング本体140Bの内の何れか一方に組み付けられる。本変形例では、第2ハウジング本体140Bに加圧部140Dが組み付けられている。本変形例のハウジング140は、その加圧部140Dが電線配索室142の第1開口142aに配置される閉位置と加圧部140Dが第1開口142aを開放させる開位置との間で当該加圧部140Dを第2ハウジング本体140Bに対して相対回転させる。そこで、このハウジング140は、第2ハウジング本体140Bと加圧部140Dとの間に、その相対回転を担うヒンジ部(以下、「第2ヒンジ部」という。)140Eを有している(図10図12及び図14)。この第2ヒンジ部140Eは、実施形態の第2ヒンジ部40Eと同じように、第1ハウジング本体140Aや第2ハウジング本体140B等と共にリビングヒンジとして一体になって成形されている。
【0054】
本変形例のハウジング140は、実施形態のハウジング40と同じように、更に、弾性変形に伴う弾発力で加圧部140Dから撚り対線10Aの折返し点10Aに圧を加える弾性変形部140Dを有している(図11図12図14及び図15)。
【0055】
この加圧部140Dと弾性変形部140Dは、実施形態のハウジング40と同じように、蓋部材140Dに設けている(図10から図12図14及び図15)。本変形例のコネクタ120及びコネクタ付き電線2においては、図示しないが、実施形態のコネクタ20及びコネクタ付き電線1と同じように、その加圧部140Dが折返し点10Aに圧を加えると共に、この加圧部140Dが折返し点10Aをハウジング140の内壁面に押し付けることが望ましい。例えば、その加圧部140Dは、第2ハウジング本体140Bにおける第1開口142aに間隔を空けて対向配置させた内壁面に対して折返し点10Aを押し付ける。但し、本変形例の蓋部材140Dは、電線配索室142の第1開口142aを塞ぐものである。よって、本変形例のハウジング140においては、この蓋部材140Dを第2ヒンジ部140Eで第1開口142aに対する閉位置と開位置との間で相対回転させる。
【0056】
本変形例の蓋部材140Dは、その第2ヒンジ部140Eを介して第2ハウジング本体140Bに連結させた矩形の平板状の主体140Dを有する(図11図12図14及び図15)。ここで示す蓋部材140Dにおいては、その主体140Dにて2箇所の切欠きによって形成された矩形の片持ちの片体を弾性変形部140Dとし、この弾性変形部140Dの自由端を当該自由端の辺部の延在方向を軸線とする円柱状に形成している(図12)。この蓋部材140Dにおいては、その弾性変形部140Dの自由端における円柱部分を加圧部140Dとして利用する。ここでは、その弾性変形部140Dの自由端の辺部に直交する主体140Dの辺部に第2ヒンジ部140Eを設ける。そして、加圧部140Dは、第1ハウジング本体140Aと第2ハウジング本体140Bと蓋部材140Dが全て組付け完了位置(閉位置)のときに、その円柱の軸線が第1ヒンジ部140Cの回転軸と同じ方向を向くものとして設けられる。
【0057】
本変形例のコネクタ120及びコネクタ付き電線2においては、第1ハウジング本体140Aと第2ハウジング本体140Bとが開位置で且つ第2ハウジング本体140Bと加圧部140D(蓋部材140D)とが開位置のときに、折返し後に撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aとなる配索撚り線部を端子収容室141の第1収容部141aに収容し、かつ、折返し後に撚り対線10Aの第2撚り線部側10Aとなる配索撚り線部を電線配索室142に収容して、この撚り対線10Aの一部を第1ハウジング本体140Aと第2ハウジング本体140Bとの間に亘って配索する(図12及び図13)。その際、第1収容部141aでは、折返し後に撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aとなる配索撚り線部に端子金具130の一対の圧接体131,131を圧接させる。しかる後、このコネクタ120及びコネクタ付き電線2においては、第2ヒンジ部140Eを回転中心にして、加圧部140D(蓋部材140D)を第2ハウジング本体140Bに対して閉位置まで相対回転させる(図14及び図15)。そして、このコネクタ120及びコネクタ付き電線2においては、第1ヒンジ部140Cを回転中心にして、その第2ハウジング本体140Bと加圧部140D(蓋部材140D)を撚り対線10Aと共に第1ハウジング本体140Aに対して閉位置まで相対回転させる(図10及び図11)。これにより、本変形例のコネクタ120及びコネクタ付き電線2においては、加圧部140Dから加圧された折返し点10Aを起点にして、撚り対線10Aが折り返される。ここでは、その折り返された撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aと第2撚り線部側10Aが相手方端子接続部への端子接続部32の嵌合接続方向に対して直交方向に引き出される。
【0058】
以上示したように、本変形例のコネクタ120及びコネクタ付き電線2においては、実施形態のコネクタ20及びコネクタ付き電線1と同じように、加圧部140Dによって折返し形状が保たれたまま撚り対線10Aがハウジング140の中に収容されるので、その撚り対線10Aの2本の電線10の撚りが解かれ難くなっており、通信性能の低下を抑えることができる。
【0059】
更に、本変形例のコネクタ120及びコネクタ付き電線2においては、実施形態のコネクタ20及びコネクタ付き電線1と同じように、加圧部140Dが折返し点10Aに圧を加えているときに、この加圧部140Dが折返し点10Aから受けた反力を弾性変形部140Dで吸収させることができるので、撚り対線10Aや加圧部140D、第2ヒンジ部140Eの耐久性を確保しつつ、この撚り対線10Aの撚り戻しを抑えて、通信性能の低下を抑制することができる。
【0060】
また更に、本変形例のコネクタ120及びコネクタ付き電線2においては、実施形態のコネクタ20及びコネクタ付き電線1と同じように、加圧部140Dが折返し点10Aを沿わせる弧状面を有するものとなり、その弧状面を折返し点10Aに過剰な曲げ応力を発生させない大きさの曲率にすることで、耐久性や通信性能の低下を抑えることができる。
【0061】
[変形例2]
図17から図20の符号3は、本変形例のコネクタ付き電線を示す。このコネクタ付き電線3は、前述した実施形態のコネクタ付き電線1において、コネクタ20を下記のコネクタ220に置き換えたものである。
【0062】
本変形例のコネクタ220は、実施形態のコネクタ20と同じように、端子金具230とハウジング240を備える(図18から図20)。
【0063】
本変形例の端子金具230は、実施形態の端子金具30と同様の一対の圧接体231,231と端子接続部232とを有する(図18及び図20)。この端子金具230は、実施形態の端子金具30と同じように、撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aと第2撚り線部側10Aとを端子接続部232の嵌合接続方向とは逆向きでハウジング240から引き出させるものとして形成されている。よって、本変形例のコネクタ付き電線3は、前述した実施形態のコネクタ付き電線1と同じように、幹線(図示略)から引き出されている撚り対線10Aのその引出方向がコネクタ220の嵌合接続方向になる。
【0064】
また、本変形例の端子金具230においては、実施形態の端子金具30と同じように、一対の圧接体231,231と端子接続部232とを繋ぐ平板状の連結部233も有しているが、その端子金具30とは異なり、この一対の圧接体231,231と端子接続部132とを連結部233から見て各々同じ向きに突出させている(図18及び図20)。ここでは、連結部233の一方の平面に対して一対の圧接体231,231と端子接続部232とを同じ向きに突出させている。
【0065】
本変形例のハウジング240は、実施形態のハウジング40と同じように、互いに組み付けられる第1ハウジング本体240Aと第2ハウジング本体240Bとを有している(図17から図20)。但し、本変形例のハウジング240においては、第2ハウジング本体240Bの中に撚り対線10Aが折り返された状態で収容される。つまり、本変形例の第2ハウジング本体240Bは、撚り対線10Aが第1撚り線部側10Aと第2撚り線部側10Aとに折返し点10Aを起点に折り返されて収容されており、この折返し形状の撚り対線10Aを収容したまま第1ハウジング本体240Aに組み付けられる。本変形例のハウジング240においては、撚り対線10Aが収容されている第2ハウジング本体240Bを第1ハウジング本体240Aに組み付けることによって、撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aの電線10に一対の圧接体231,231を圧接させる。
【0066】
具体的に、本変形例の第1ハウジング本体240Aは、実施形態の第1ハウジング本体40Aと同じように、一対の圧接体231,231が収容される第1収容部241aと、端子接続部232が収容される第2収容部241bと、に大別される端子金具230毎の端子収容室241を有する(図18から図20)。但し、本変形例の端子収容室241においては、撚り対線10Aのそれぞれの電線10毎の端子金具230が一対の圧接体231,231を露出させた状態で並べて収容される。
【0067】
本変形例の第1収容部241aは、撚り対線10Aのそれぞれの電線10毎の端子金具230における一対の圧接体231,231を一纏めに露出状態で収容させる部屋として形成される(図19)。本変形例のハウジング240は、この第1収容部241aに第2ハウジング本体240Bを組み付けることによって、その第2ハウジング本体240Bの中の撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aの電線10に一対の圧接体231,231を圧接させる。
【0068】
本変形例の第2収容部241bは、実施形態の第2収容部41bと同じように、端子金具230毎に形成されている。
【0069】
また、本変形例の第2ハウジング本体240Bは、撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aが配索される第1電線配索部240Bと、この第1電線配索部240Bに組み付けられ、かつ、撚り対線10Aの第2撚り線部側10Aが配索される第2電線配索部240Bと、を有する(図17から図25)。この第2ハウジング本体240Bにおいては、第1電線配索部240Bと第2電線配索部240Bが組付け完了位置のときに、撚り対線10Aが折返し点10Aを起点にしてU字状に折り返されている(図17から図20)。
【0070】
この第2ハウジング本体240Bにおいては、折り返す前の撚り対線10Aの一部が組付け前の第1電線配索部240Bと第2電線配索部240Bとの間に亘って配索され、その第1電線配索部240Bと第2電線配索部240Bの組付け動作に連動して、撚り対線10Aが折り返される。ここでは、第1電線配索部240Bと第2電線配索部240Bを相互間で相対回転させながら組み付けていくことによって、この第1電線配索部240Bと第2電線配索部240Bで撚り対線10Aを押し動かしながら折り返していく。この第2ハウジング本体240Bは、撚り対線10Aにおける折返し後に第1撚り線部側10Aの一部になる配索撚り線部が第1電線配索部240Bに対して配索される第1電線配索部240B及び第2電線配索部240Bの開位置と、組付け完了位置としての第1電線配索部240B及び第2電線配索部240Bの閉位置と、の間で、第2電線配索部240Bをその配索撚り線部と共に第1電線配索部240Bに対して相対回転させる。つまり、この第2ハウジング本体240Bは、撚り対線10Aが折り返されていない第1電線配索部240B及び第2電線配索部240Bの開位置と撚り対線10Aが折り返された第1電線配索部240B及び第2電線配索部240Bの閉位置との間で第1電線配索部240Bを第2電線配索部240Bに対して相対回転させる。そこで、この第2ハウジング本体240Bは、第1電線配索部240Bと第2電線配索部240Bとの間に、その相対回転を担うヒンジ部(以下、「第1ヒンジ部」という。)240Bを有している(図18及び図20から図25)。この第1ヒンジ部240Bは、第1電線配索部240Bと第2電線配索部240Bとの間に亘って撚り対線10Aの一部を配策したまま、閉位置と開位置との間で第2電線配索部240Bを第1電線配索部240Bに対して相対回転させ得る位置に設ける。ここでは、その第1ヒンジ部240Bにリビングヒンジを用いている。
【0071】
この第2ハウジング本体240Bにおいては、撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aが第1電線配索部240Bの第1電線配索室242に配索され、かつ、撚り対線10Aの第2撚り線部側10Aが第2電線配索部240Bの第2電線配索室243に配索される(図17から図25)。
【0072】
第1電線配索室242には、折返し後に撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aとなる配索撚り線部が開口(以下、「第1開口」という。)242aから挿入される(図21から図23)。撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aは、第1開口242aに直交する開口(以下、「第2開口」という。)242bから第1電線配索室242の外に引き出される(図17から図20)。その第2開口242bは、第1撚り線部側10Aをハウジング240の外に引き出させる電線引出口として利用される。
【0073】
第2電線配索室243には、折返し後に撚り対線10Aの第2撚り線部側10Aとなる配索撚り線部が開口(以下、「第1開口」という。)243aから挿入される(図21から図23)。撚り対線10Aの第2撚り線部側10Aは、第1開口243aに直交する開口(以下、「第2開口」という。)243bから第2電線配索室243の外に引き出される(図17から図20)。その第2開口243bは、第2撚り線部側10Aをハウジング240の外に引き出させる電線引出口として利用される。
【0074】
この第2ハウジング本体240Bにおいては、第1電線配索部240Bと第2電線配索部240Bとが組付け完了位置(閉位置)のときに、第1電線配索室242と第2電線配索室243が互いの第1開口242a,243aを介して対向配置され、かつ、互いの第2開口242b,243bが同じ向きに口を開ける(図17から図20)。このため、この第2ハウジング本体240Bにおいては、第1電線配索部240Bと第2電線配索部240Bとが組付け完了位置(閉位置)のときに、第1電線配索室242における撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aと第2電線配索室243における撚り対線10Aの第2撚り線部側10Aとが対向配置状態で収容され、かつ、その第1撚り線部側10Aと第2撚り線部側10Aとが第2開口242b,243bから同じ向きで外に引き出されている。ここで示す第2ハウジング本体240Bは、相手方端子接続部への端子接続部232の嵌合接続方向とは逆向きに第2開口242b,243bが口を開けるよう第1ハウジング本体240Aの第1収容部241aに組み付ける。
【0075】
更に、この第2ハウジング本体240Bは、その組付け完了位置(閉位置)で、折返し形状の撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aと第2撚り線部側10Aとの間に介在し、撚り対線10Aの折返し点10Aに圧を加えて当該撚り対線10Aの折返し形状を保持する加圧部240B41を有する(図18及び図20から図25)。この加圧部240B41は、第1電線配索部240Bに組み付けられる。ここで示す第2ハウジング本体240Bは、その加圧部240B41が第1電線配索室242の第1開口242aに配置される閉位置と加圧部240B41が第1開口242aを開放させる開位置との間で加圧部240B41を第1電線配索部240Bに対して相対回転させるヒンジ部(以下、「第2ヒンジ部」という。)240Bを有する(図21)。ここでは、その第2ヒンジ部240Bにリビングヒンジを用いている。
【0076】
加圧部240B41は、実施形態の加圧部40Dと同じように、弾性変形に伴う弾発力で加圧部240B41から撚り対線10Aの折返し点10Aに圧を加える弾性変形部240B42と共に、蓋部材240Bに設けている(図18図20図21図24及び図25)。本変形例の蓋部材240Bは、第1電線配索室242の第1開口242aを塞ぐための部材であり、第2ヒンジ部240Bに繋がれた矩形の平板状の主体240B43を有している(図17から図21図24及び図25)。ここで示す第2ヒンジ部240Bは、第1電線配索部240Bと主体240B43の一辺との間で、その回転軸の軸線方向を第1ヒンジ部240Bの回転軸の軸線方向に直交させる位置に設けられる。ここで示す蓋部材240Bは、実施形態の蓋部材40Dと同じように形成されている。本変形例のコネクタ220及びコネクタ付き電線3においては、実施形態のコネクタ20及びコネクタ付き電線1と同じように、加圧部240B41が折返し点10Aに圧を加えると共に、この加圧部240B41が折返し点10Aを第2ハウジング本体240Bの内壁面に押し付けることが望ましい。例えば、その加圧部240B41は、第2ハウジング本体140Bにおける第2電線配索部240Bの第1開口243aに間隔を空けて対向配置させた内壁面に対して折返し点10Aを押し付けている(図18)。
【0077】
本変形例のハウジング240においては、第2ハウジング本体240Bを第1ハウジング本体240Aの第1収容部241aに組み付けることによって、その第1収容部241aの一対の圧接体231,231を第1電線配索部240Bの第1電線配索室242の中の電線10に圧接させる。このため、第1電線配索部240Bは、第1ハウジング本体240Aと第2ハウジング本体240Bの組付け完了位置で、第1電線配索室242に第1収容部241aの一対の圧接体231,231を挿入させ、この第1電線配索室242の中で一対の圧接体231,231を撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aの電線10に圧接させるものとして形成されている。
【0078】
例えば、第1電線配索部240Bには、第1ハウジング本体240Aと第2ハウジング本体240Bとが組付け完了位置のときに、一対の圧接体231,231を第1電線配索室242に挿入させる挿通孔244が設けられている(図18図20図22図23及び図25)。この挿通孔244は、端子金具230毎に設けた貫通孔であってもよく、複数の端子金具230の一対の圧接体231,231を挿通させる1つの貫通孔であってもよい。ここで示す挿通孔244は、第1電線配索部240Bの壁体の内、第1電線配索部240Bと第2電線配索部240Bとが組付け完了位置(閉位置)のときに蓋部材240Bに対して間隔を空けて対向配置される壁体に設けている。
【0079】
更に、第2ハウジング本体240Bには、第1電線配索室242の中で撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aの電線10をその軸線方向で間隔を空けて保持する保持部245が設けられている(図18図20から図23及び図25)。この第2ハウジング本体240Bにおいては、その電線10の軸線方向で互いに間隔を空けて配置された一対の保持部245によって当該電線10を保持する。そして、この第2ハウジング本体240Bにおいては、第1電線配索室242に挿入された一対の圧接体231,231がその一対の保持部245の間に差し込まれ、この一対の圧接体231,231をその一対の保持部245の間で電線10に圧接させる。この一対の保持部245は、第1撚り線部側10Aの電線10毎に設けられている。また、この一対の保持部245は、挿通孔244を間に置いて配置される。
【0080】
例えば、ここで示す保持部245は、第1電線配索部240Bに設けた第1保持部245aと、蓋部材240Bの主体240B43に設けた第2保持部245bと、を備える(図18図20から図23及び図25)。この保持部245は、蓋部材240Bが第1開口242aに対して閉位置のときに、折返し後に撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aとなる配索撚り線部を第1保持部245aと第2保持部245bとによって挟み込んで保持するものである。ここで示す保持部245は、互いに間隔を空けてその間に電線10を差し込ませる一対の第1保持部245aと、蓋部材240Bが第1開口242aに対して閉位置のときに一対の第1保持部245aの間に差し込んで、この一対の第1保持部245aの間の電線10を当該一対の第1保持部245aと共に挟み込む第2保持部245bと、を備えている。その一対の第1保持部245aは、挿通孔244が形成されている第1電線配索部240Bの壁体に設ける。
【0081】
このコネクタ220及びコネクタ付き電線3においては、第1電線配索部240Bと第2電線配索部240Bとが開位置で且つ第1電線配索部240Bと加圧部240B41(蓋部材240B)とが開位置のときに、折返し後に撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aとなる配索撚り線部を第1電線配索部240Bの第1電線配索室242に収容し、かつ、折返し後に撚り対線10Aの第2撚り線部側10Aとなる配索撚り線部を第2電線配索部240Bの第2電線配索室243に収容して、この撚り対線10Aの一部を第1電線配索部240Bと第2電線配索部240Bとの間に亘って配索する(図21から図23)。しかる後、このコネクタ220及びコネクタ付き電線3においては、第2ヒンジ部240Bを回転中心にして、加圧部240B41(蓋部材240B)を第1電線配索部240Bに対して閉位置まで相対回転させる(図24及び図25)。これにより、第2ハウジング本体240Bにおいては、折返し後に撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aとなる配索撚り線部が保持部245によって保持される。
【0082】
続いて、このコネクタ220及びコネクタ付き電線3においては、第1ヒンジ部240Bを回転中心にして、第2電線配索部240Bを撚り対線10Aと共に第1電線配索部240Bと加圧部240B41(蓋部材240B)に対して閉位置まで相対回転させる(図19及び図20)。これにより、第2ハウジング本体240Bにおいては、その加圧部240B41から加圧された折返し点10Aを起点にして撚り対線10Aが折り返される。
【0083】
このコネクタ220及びコネクタ付き電線3においては、その第2ハウジング本体240Bを第1ハウジング本体240Aの第1収容部241aに組み付ける(図17から図20)。これに伴い、このコネクタ220及びコネクタ付き電線3においては、第1収容部241aで露出している端子金具230の一対の圧接体231,231が挿通孔244から第1電線配索部240Bの第1電線配索室242に入り込み、その第1電線配索室242の中で保持部245に保持されている撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aの電線10に一対の圧接体231,231が圧接される。本変形例のコネクタ220及びコネクタ付き電線3においては、このようにして組付けが完了する。
【0084】
以上示したように、本変形例のコネクタ220及びコネクタ付き電線3においては、実施形態のコネクタ20及びコネクタ付き電線1と同じように、加圧部240B41によって折返し形状が保たれたまま撚り対線10Aがハウジング240の中に収容されるので、その撚り対線10Aの2本の電線10の撚りが解かれ難くなっており、通信性能の低下を抑えることができる。
【0085】
更に、本変形例のコネクタ220及びコネクタ付き電線3においては、実施形態のコネクタ20及びコネクタ付き電線1と同じように、加圧部240B41が折返し点10Aに圧を加えているときに、この加圧部240B41が折返し点10Aから受けた反力を弾性変形部240B42で吸収させることができるので、撚り対線10Aや加圧部240B41、第2ヒンジ部240Bの耐久性を確保しつつ、この撚り対線10Aの撚り戻しを抑えて、通信性能の低下を抑制することができる。
【0086】
また更に、本変形例のコネクタ220及びコネクタ付き電線3においては、実施形態のコネクタ20及びコネクタ付き電線1と同じように、加圧部240B41が折返し点10Aを沿わせる弧状面を有するものとなり、その弧状面を折返し点10Aに過剰な曲げ応力を発生させない大きさの曲率にすることで、耐久性や通信性能の低下を抑えることができる。
【0087】
[変形例3]
図26の符号4は、本変形例のコネクタ付き電線を示す。このコネクタ付き電線4は、前述した変形例2のコネクタ付き電線3において、コネクタ220を下記のコネクタ320に置き換えたものである。そして、本変形例のコネクタ320は、変形例2のコネクタ220において、ハウジング240を下記のハウジング340に置き換えたものである。図中では、端子金具230を省略している。本変形例のハウジング340は、変形例2のハウジング240において、第2ハウジング本体240Bを下記の第2ハウジング本体340Bに置き換えたものである。
【0088】
本変形例の第2ハウジング本体340Bは、変形例2の第2ハウジング本体240Bと同じように、撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aが配索される第1電線配索部340Bと、この第1電線配索部340Bに組み付けられ、かつ、撚り対線10Aの第2撚り線部側10Aが配索される第2電線配索部340Bと、を有する(図26から図28)。この第2ハウジング本体340Bにおいては、第1電線配索部340Bと第2電線配索部340Bが組付け完了位置のときに、撚り対線10Aが折返し点10Aを起点にしてU字状に折り返されている。更に、本変形例の第2ハウジング本体340Bは、変形例2の第2ハウジング本体240Bと同じように、撚り対線10Aにおける折返し後に第1撚り線部側10Aの一部になる配索撚り線部が第1電線配索部340Bに対して配索される第1電線配索部340B及び第2電線配索部340Bの開位置と、組付け完了位置としての第1電線配索部340B及び第2電線配索部340Bの閉位置と、の間で、第2電線配索部340Bをその配索撚り線部と共に第1電線配索部340Bに対して相対回転させる。つまり、この第2ハウジング本体340Bは、変形例2の第2ハウジング本体240Bと同じように、撚り対線10Aが折り返されていない第1電線配索部340B及び第2電線配索部340Bの開位置と撚り対線10Aが折り返された第1電線配索部340B及び第2電線配索部340Bの閉位置との間で第2電線配索部340Bを第1電線配索部340Bに対して相対回転させるヒンジ部(以下、「第1ヒンジ部」という。)340Bを有している(図27及び図28)。ここでは、その第1ヒンジ部340Bにリビングヒンジを用いている。
【0089】
この第2ハウジング本体340Bにおいては、変形例2の第2ハウジング本体240Bと同じように、撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aが第1電線配索部340Bの第1電線配索室342に配索され、かつ、撚り対線10Aの第2撚り線部側10Aが第2電線配索部340Bの第2電線配索室343に配索される(図27及び図28)。但し、この第2ハウジング本体340Bにおいては、第2電線配索部340Bが変形例2の第2電線配索部240Bと同等のものとして形成される一方、第1電線配索部340Bが変形例2の第1電線配索部240Bとは異なるものとして形成される。
【0090】
本変形例の第1電線配索部340Bは、基部340B11と、第1ヒンジ部340Bの軸線方向に沿って基部340B11から互いに同じ向きに突出させた片持ちの第1から第4の突出部340B12-340B15と、を有する(図27及び図28)。
【0091】
第1突出部340B12と第2突出部340B13は、自身の突出方向と折り返す前の撚り対線10Aの配索方向とに対する直交方向で互いに隙間を空けて対向配置され、その隙間にそれぞれの自由端側の開口から差し込まれた撚り対線10Aの2本の電線10を保持する(図27及び図28)。この第1突出部340B12と第2突出部340B13は、その隙間が電線10の電線径と同等の大きさとなるように形成される。
【0092】
第3突出部340B14と第4突出部340B15は、その第1突出部340B12と第2突出部340B13の組み合わせと同じように形成され、かつ、この第1突出部340B12と第2突出部340B13の組み合わせよりも第1ヒンジ部340B側に間隔を空けて対向配置される(図27及び図28)。
【0093】
第1電線配索部340Bにおいては、その第1突出部340B12と第2突出部340B13との間の隙間から第3突出部340B14と第4突出部340B15との間の隙間に亘った空間が第1電線配索室342となる。
【0094】
更に、第4突出部340B15については、第1電線配索部340Bと第2電線配索部340Bの組付け完了位置(閉位置)で、折返し形状の撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aと第2撚り線部側10Aとの間に介在し、撚り対線10Aの折返し点10Aに圧を加えて当該撚り対線10Aの折返し形状を保持する加圧部340Bとしても利用される(図27及び図28)。そこで、この第4突出部340B15は、第3突出部340B14とは逆側の外壁面が自身の突出方向を軸とする弧状面として形成されている。
【0095】
この第1電線配索部340Bにおいては、そのそれぞれの開口から挿入された撚り対線10Aのそれぞれの電線10を1本ずつ第1突出部340B12と第2突出部340B13の間及び第3突出部340B14と第4突出部340B15の間に案内しながら差し入れていく。このため、この第1電線配索部340Bにおいては、第1突出部340B12と第2突出部340B13におけるそれぞれの自由端側の端部間に、開口に向かうほど間隔が広がるテーパ部344aを設け、かつ、第3突出部340B14と第4突出部340B15におけるそれぞれの自由端側の端部間に、開口に向かうほど間隔が広がるテーパ部344bを設ける(図27から図29)。これにより、この第1電線配索部340Bにおいては、それぞれの開口から挿入された撚り対線10Aのそれぞれの電線10を各テーパ部344a,344bで案内しながら1本ずつ第1突出部340B12と第2突出部340B13の間及び第3突出部340B14と第4突出部340B15の間に差し入れていくことができる(図29)。
【0096】
この第1電線配索部340Bにおいては、第1突出部340B12と第2突出部340B13の開口からその隙間に撚り対線10Aの2本の電線10が挿入され、かつ、第3突出部340B14と第4突出部340B15の開口からその隙間に撚り対線10Aの2本の電線10が挿入される。これに伴い、この第1電線配索部340Bにおいては、第1突出部340B12及び第2突出部340B13と第3突出部340B14及び第4突出部340B15との間にて、その撚り対線10Aの2本の電線10が挿入方向に沿って並べられる。そして、この第1電線配索部340Bにおいては、第1突出部340B12と第2突出部340B13の隙間及び第3突出部340B14と第4突出部340B15の隙間で折返し後に撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aとなる配索撚り線部が保持される。
【0097】
このコネクタ320及びコネクタ付き電線4においては、第1電線配索部340Bと第2電線配索部340Bとが開位置のときに、折返し後に撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aとなる配索撚り線部を第1電線配索部340Bの第1電線配索室342に収容し、かつ、折返し後に撚り対線10Aの第2撚り線部側10Aとなる配索撚り線部を第2電線配索部340Bの第2電線配索室343に収容して、この撚り対線10Aの一部を組付け前の第1電線配索部340Bと第2電線配索部340Bとの間に亘って配索する(図27及び図28)。しかる後、このコネクタ320及びコネクタ付き電線4においては、第1ヒンジ部340Bを回転中心にして、その第1電線配索部340Bを撚り対線10Aと共に第2電線配索部340Bに対して閉位置まで相対回転させる(図26)。これにより、第2ハウジング本体340Bにおいては、その加圧部340Bから加圧された折返し点10Aを起点にして撚り対線10Aが折り返される。
【0098】
このコネクタ320及びコネクタ付き電線4においては、その第2ハウジング本体340Bを第1ハウジング本体240Aの第1収容部241aに組み付ける(図26)。これに伴い、このコネクタ320及びコネクタ付き電線4においては、第1収容部241aで露出している端子金具230の一対の圧接体231,231が第1突出部340B12と第3突出部340B14との間から第1電線配索部340Bの第1電線配索室342に入り込み、その第1電線配索室342の中の撚り対線10Aの第1撚り線部側10Aの電線10に一対の圧接体231,231が圧接される。本変形例のコネクタ320及びコネクタ付き電線4においては、このようにして組付けが完了する。
【0099】
以上示したように、本変形例のコネクタ320及びコネクタ付き電線4においては、変形例2のコネクタ220及びコネクタ付き電線3と同じように、加圧部340Bによって折返し形状が保たれたまま撚り対線10Aがハウジング340の中に収容されるので、その撚り対線10Aの2本の電線10の撚りが解かれ難くなっており、通信性能の低下を抑えることができる。
【0100】
更に、本変形例のコネクタ320及びコネクタ付き電線4においては、変形例2のコネクタ220及びコネクタ付き電線3と同じように、加圧部340Bが折返し点10Aを沿わせる弧状面を有するものとなり、その弧状面を折返し点10Aに過剰な曲げ応力を発生させない大きさの曲率にすることで、耐久性や通信性能の低下を抑えることができる。
【符号の説明】
【0101】
1,2,3,4 コネクタ付き電線
10 電線
10a 被圧接部
10A 撚り対線
10A 第1撚り線部側
10A 第2撚り線部側
10A 折返し点
20,120 コネクタ
30,130 端子金具
31,131 圧接体
40,140 ハウジング
40A,140A 第1ハウジング本体
40B,140B 第2ハウジング本体
40C,140C 第1ヒンジ部(本体ヒンジ部)
40D,140D 蓋部材
40D,140D 加圧部
40D,140D 弾性変形部
40E,140E 第2ヒンジ部(ヒンジ部)
41,141 端子収容室
41c,141c 第1開口(開口)
42,142 電線配索室
42a,142a 第2開口(開口)
220,320 コネクタ
230 端子金具
231 圧接体
240,340 ハウジング
240A 第1ハウジング本体
240B,340B 第2ハウジング本体
240B,340B 第1電線配索部
240B,340B 第2電線配索部
240B 蓋部材
240B41,340B 加圧部
240B42 弾性変形部
241 端子収容室
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