(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】室内照明灯
(51)【国際特許分類】
B60Q 3/51 20170101AFI20241203BHJP
B60Q 3/74 20170101ALI20241203BHJP
F21V 17/10 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
B60Q3/51
B60Q3/74
F21V17/10 100
(21)【出願番号】P 2021122061
(22)【出願日】2021-07-27
【審査請求日】2024-05-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】大塚 玄士
(72)【発明者】
【氏名】落合 良平
(72)【発明者】
【氏名】三渕 哲寛
【審査官】當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-095018(JP,A)
【文献】特開2010-089645(JP,A)
【文献】特開2005-335452(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0174151(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 3/51
B60Q 3/74
F21V 17/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の室内を照明する照明部と、
前記照明部を内部に収容する収容本体部および前記収容本体部の周囲に形成された枠部を有するベースと、
を備え、
前記ベースは、前記室内に配置される内装材に形成された貫通孔に対して前記室内側から前記収容本体部の少なくとも一部が挿入方向に挿入した挿入位置と、前記挿入位置から前記貫通孔に対して前記挿入方向と直交する係止方向に移動したスライド位置とに変化するものであり、
前記枠部は、
前記挿入方向に突出して形成されており、前記挿入位置において前記内装材に対して前記室内側と反対側である室外側に先端部が突出し、前記スライド位置において前記内装材に対して前記先端部が前記挿入方向において対向することで、前記内装材に対する前記ベースの挿入方向と反対方向である抜去方向および前記係止方向への移動を規制する第1係止部と、
前記挿入方向に突出して形成されており、前記第1係止部よりも前記係止方向と反対方向である解除方向に位置する被係止部と、
前記挿入方向に突出して形成されており、前記被係止部に係止される第2係止部と、
を有し、
前記第2係止部は、
可撓性を有するヒンジ部を介して前記枠部と連結されており、
非係止状態において前記挿入方向に延在しており、係止状態において前記解除方向に延在しており、
前記スライド位置において前記係止状態となり、前記解除方向において前記貫通孔を構成する内周面と当接することで、前記内装材に対する前記ベースの前記解除方向への移動を規制する、
ことを特徴とする室内照明灯。
【請求項2】
前記被係止部は、
前記係止状態おいて前記第2係止部に対して爪部が前記挿入方向において対向することで、前記第2係止部に対する前記挿入方向への移動を規制し、
前記枠部は、
当該枠部の解除方向側端部の少なくとも一部が、前記係止状態において、前記挿入方向に前記内装材と対向しており、
当該枠部のうち、前記係止状態において前記第2係止部と前記挿入方向に対向する面に設けられ、かつ前記被係止部から前記解除方向側端部に向けて前記抜去方向側に傾斜する傾斜面を有する、
請求項1に記載の室内照明灯。
【請求項3】
前記枠部は、
前記傾斜面の一部から前記挿入方向側に突出して前記解除方向側に延在して形成され、前記係止状態において前記第2係止部に対して前記挿入方向に対向し、かつ弾性を有する弾性片を少なくとも1つ有し、
前記弾性片は、
前記係止状態において前記第2係止部に対して挿入方向側で当接して弾性変形することで前記第2係止部を挿入方向側に押圧する、
請求項2に記載の室内照明灯。
【請求項4】
前記枠部は、
前記傾斜面の一部から前記挿入方向側に突出して形成され、かつ前記係止状態において前記第2係止部に対して前記挿入方向側に対向する変形凸部を少なくとも1つ有し、
前記変形凸部は、
前記係止状態において、外力により前記第2係止部が前記抜去方向側の前記傾斜面に向かうことで、前記第2係止部に対して挿入方向側で当接して、前記第2係止部による前記抜去方向に向かう押圧力によって塑性変形する、
請求項2に記載の室内照明灯。
【請求項5】
前記被係止部は、
前記係止状態において、前記係止方向から見た場合に前記第2係止部を挟んで前記係止方向及び前記挿入方向と直交する幅方向の両側に位置する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の室内照明灯。
【請求項6】
前記第2係止部は、
前記係止状態において、当該第2係止部から前記解除方向に突出して延在し、前記内装材の室外側に当接する内装材抑え部を有する、
請求項5に記載の室内照明灯。
【請求項7】
前記第2係止部は、
当該第2係止部の前記係止方向及び前記挿入方向と直交する幅方向の両端から外側に突出して凸状に形成された一対の係止凸部を有し、
前記被係止部は、
前記係止状態において、前記係止方向から見た場合に前記第2係止部を挟んで前記係止方向及び前記挿入方向と直交する幅方向の両側に位置し、かつ少なくとも前記幅方向に弾性変形可能に構成され、
前記係止凸部は、
前記係止状態において、一対の前記被係止部の前記幅方向に対向する面に設けられた凹状の係止凹部に係止される、
請求項1~4のいずれか1項に記載の室内照明灯。
【請求項8】
前記枠部は、
前記挿入方向に突出し、かつ少なくとも前記第2係止部の係止方向側に形成されており、前記係止状態において、前記第2係止部の係止方向側の規制面と係止方向において隙間をもって対向する過変位防止リブを有する、
請求項7に記載の室内照明灯。
【請求項9】
前記係止凸部は、
前記幅方向に中心軸を有する円柱状のピンであり、
前記係止凹部は、
前記幅方向に貫通する円孔であり、
前記被係止部は、
前記挿入方向側端部に前記円孔と連通するスリットが形成されており、
前記係止凸部は、
前記非係止状態から前記係止状態に移行する際に、前記スリットを通って前記円孔に嵌合する、
請求項7または8に記載の室内照明灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内照明灯に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両には、例えば車室内の天井面に車室内を照明する室内照明灯が設けられる。例えば、特許文献1では、車両の内装材に設けられた開口に室内照明灯のハウジングを挿入し、ハウジング裏面に立設された立設部材と、立設部材先端に連結され、かつ、ハウジング裏面に対して略平行に屈曲可能な屈曲部材との間に内装材を挟持することで取り付けられる室内照明灯が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、室内照明灯は、光源にLED等が使用されていることからバルブ交換が不要であり、また、子供のいたずら等を考慮して車室内の内装材から容易に外れにくい構造を有することが好ましい。そこで、室内照明灯が内装材から容易に脱落せず、組付け作業時の内装材への負荷が少ない固定構造として、例えば、内装材に形成された貫通孔に係止部を挿入し、水平方向の一方にスライドさせて係止部に形成された係止爪を内装材に引っ掛けるものがある。この場合、室内照明灯を係止方向にスライドさせて室内照明灯を内装材に固定する必要があることから、スライドさせた状態を維持するために室内照明灯の相対移動を規制する構造が必要となる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、内装材に組み付けられた室内照明灯の当該内装材に対する相対移動を容易に規制することができる室内照明灯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る室内照明灯は、車両の室内を照明する照明部と、前記照明部を内部に収容する収容本体部および前記収容本体部の周囲に形成された枠部を有するベースと、を備え、前記ベースは、前記室内に配置される内装材に形成された貫通孔に対して前記室内側から前記収容本体部の少なくとも一部が挿入方向に挿入した挿入位置と、前記挿入位置から前記貫通孔に対して前記挿入方向と直交する係止方向に移動したスライド位置とに変化するものであり、前記枠部は、前記挿入方向に突出して形成されており、前記挿入位置において前記内装材に対して前記室内側と反対側である室外側に先端部が突出し、前記スライド位置において前記内装材に対して前記先端部が前記挿入方向において対向することで、前記内装材に対する前記ベースの挿入方向と反対方向である抜去方向および前記係止方向への移動を規制する第1係止部と、前記挿入方向に突出して形成されており、前記第1係止部よりも前記係止方向と反対方向である解除方向に位置する被係止部と、前記挿入方向に突出して形成されており、前記被係止部に係止される第2係止部と、を有し、前記第2係止部は、可撓性を有するヒンジ部を介して前記枠部と連結されており、非係止状態において前記挿入方向に延在しており、係止状態において前記解除方向に延在しており、前記スライド位置において前記係止状態となり、前記解除方向において前記貫通孔を構成する内周面と当接することで、前記内装材に対する前記ベースの前記解除方向への移動を規制する、ことを特徴とする。
【0007】
本発明に係る室内照明灯によれば、内装材に組み付けられた室内照明灯の当該内装材に対する相対移動を容易に規制することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る室内照明灯と内装材の概略構成を示す分解斜視図
【
図2】
図2は、
図1の内装材に組み付けられた室内照明灯の外観斜視図
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る室内照明灯の概略構成を示す分解斜視図
【
図4】
図4(A)は、第1実施形態に係る室内照明灯の挿入位置を示す側面図、
図4(B)は、室内照明灯のスライド位置を示す側面図、
図4(C)は室内照明灯の固定構造の固定後状態を示す側面図
【
図5】
図5は、第1実施形態の第1変形例に係る室内照明灯の外観斜視図
【
図6】
図6(A)は、第1変形例に係る室内照明灯を内装材から取り外す状態を示す外観斜視図、
図6(B)は、室内照明灯の固定構造を解除する状態を示す外観斜視図
【
図7】
図7(A)は、第1実施形態の第2変形例に係る室内照明灯の外観斜視図、
図7(B)は、第2変形例に係る室内照明灯の固定構造の固定後状態を示す側断面図
【
図8】
図8は、第1実施形態の第3変形例に係る室内照明灯の外観斜視図
【
図9】
図9(A)は、第3変形例に係る室内照明灯の固定構造の固定後状態を示す側断面図、
図9(B)は、第3変形例に係る室内照明灯の固定構造を解除する状態を示す側断面図
【
図10】
図10(A)は、第2実施形態に係る室内照明灯の外観斜視図、
図10(B)は、第2実施形態に係る室内照明灯の固定構造の固定前後状態を示す側断面図
【
図11】
図11(A)は、第3実施形態に係る室内照明灯の外観斜視図、
図11(B)は、第3実施形態に係る室内照明灯の固定構造の固定前後状態を示す側断面図
【
図12】
図12(A)は、第4実施形態に係る室内照明灯の外観斜視図、
図12(B)は、第4実施形態に係る室内照明灯の固定構造の固定後状態を示す側断面図
【
図13】
図13は、第4実施形態に係る室内照明灯の固定構造の固定後状態を示す係止方向断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明に係る実施形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態の構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。また、下記実施形態の構成要素は、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【0010】
本実施形態に係る室内照明灯1A,1B,1C,1D,1E,1F,1Gは、例えば、車両の室内において、車室の一部を構成する内装材100に組み付けられ、当該車両の室内を照明するものである。室内照明灯1A~1Gは、例えば、車室内の天井面に配置されるルームランプであり、車両の乗員の操作または車両のドアの開閉に応じて、点灯したり、消灯したりする。室内照明灯1A~1Gは、
図1及び
図2に示すように、車室内に配置される内装材100に形成された貫通孔101に対して室内側から当該室内照明灯1Aの一部が挿入方向に挿入した状態で内装材100に固定される。
【0011】
内装材100において、貫通孔101は、挿入方向から見た場合、当該貫通孔101に挿入される室内照明灯1A~1Gの一部の形状に合わせて矩形状に形成される。貫通孔101は、室内側に面する内装材表面100aと室外側に面する内装材裏面100bとの間を板厚方向に貫通している。貫通孔101は、内周面101aに一対の孔溝部102を有する。各孔溝部102は、内周面101aから外側に凹むように形成され、かつ挿入方向から見て略矩形状を有する。一対の孔溝部102は、貫通孔101を挿入方向から見た場合、スライド方向に沿った幅方向側の内周面101aの略中央部に位置し、かつ幅方向に対向して形成される。
【0012】
なお、以下の説明において、図示のX方向は、内装材100に対する室内照明灯1A~1Gのスライド方向である。X方向のうち、X1方向が係止方向、X2方向が解除方向である。図示のY方向は、室内照明灯1A~1Gの幅方向であり、X方向と直交する。図示のZ方向は、内装材100に対する室内照明灯1A~1Gの挿抜方向であり、X方向及びY方向と直交する。Z方向のうち、Z1方向が室内照明灯1A~1Gの挿入方向、Z2方向が抜去方向である。ここで、X方向及びY方向は、車両が水平面に位置する状態では、水平方向に沿い、Z方向は鉛直方向に沿う。また、以下の説明で用いる各方向は、特に断りのない限り、各部が相互に組み付けられ、車両に搭載された状態での方向を表すものとする。また、各図においては、適宜、各部材を簡略化、省略化して図示している。
【0013】
[第1実施形態]
まず、第1実施形態に係る室内照明灯1Aについて
図1~
図5を参照して説明する。室内照明灯1Aは、
図3に示すように、ベース2と、照明部3と、カバー4と、スイッチ(SW)ノブ5と、レンズ6とを含んで構成される。ベース2は、内装材100に対して室内照明灯1Aを係止し固定する機能、照明部3やSWノブ5を収容し支持する機能、カバー4、レンズ6を係止する機能等を有する。ベース2は、照明部3を内部に収容する収容本体部10および収容本体部10の周囲に形成された枠部11Aを有する。
【0014】
照明部3は、車室内の照明する部分である。照明部3は、光源として少なくとも1つのLED(不図示)を有する。LEDは、基板に半田付けされている。基板には、車両側コネクタ(不図示)と接続するPCBコネクタ、LEDを点灯/消灯を切り替えるスイッチが設けられている。カバー4は、収容本体部10に収容された照明部3を保護するものである。SWノブ5は、ベース2に組み付けられた状態で、照明部3のスイッチに連動し、乗員の操作を受け付ける操作部である。レンズ6は、ベース2を挿入方向から覆うように形成され、少なくとも一部に光を透過する部分を有し、照明部3を保護するものである。レンズ6は、SWノブ5を室内側に露出するための貫通孔を有する。
【0015】
ベース2は、
図4の(A)に示すように、内装材100に形成された貫通孔101に対して室内側から収容本体部10の少なくとも一部が挿入方向に挿入した挿入位置(以下、単に「挿入位置」とする)と、
図4の(B)に示すように、挿入位置から貫通孔101に対して挿入方向と直交する係止方向に移動したスライド位置(以下、単に「スライド位置」とする)とに変化するものである。
【0016】
枠部11Aは、平板状に形成されており、かつ挿入方向から見た場合、略矩形状を有する。枠部11Aは、スライド方向及び幅方向の略中央に収容本体部10を有する。枠部11Aは、第1係止部12と、被係止部13と、第2係止部14とを有する。
【0017】
第1係止部12は、内装材100に係止されるものである。第1係止部12は、枠部11Aから挿入方向に突出して形成されており、収容本体部10を挟んで幅方向の両側にそれぞれ配置されている。第1係止部12は、挿入位置において内装材100に対して室内側と反対側である室外側に突出する先端部12aを有する。先端部12aは、第1係止部12から係止方向に突出して形成される。先端部12aは、スライド位置において、内装材100に対して挿入方向に対向する。先端部12aは、係止方向に突出した部分が、枠部裏面11bと挿抜方向に対向する対向面を有し、当該対向面が、スライド位置において、内装材裏面100bと挿抜方向に対向する。
【0018】
第1係止部12は、挿入位置にて内装材100に対して室外側に突出していない部分が、スライド位置にて内装材100の孔溝部102の内側面に係止方向において当接する。第1係止部12は、スライド位置において内装材100に対して先端部12aが挿入方向において対向することで、内装材100に対するベース2の抜去方向および係止方向への移動を規制する。第1係止部12は、挿入位置において、貫通孔101の孔溝部102に対して挿入方向に挿通される。孔溝部102のスライド方向の幅は、先端部12aのスライド方向の幅よりも広く設定される。
【0019】
被係止部13は、枠部11Aから挿入方向に突出して形成されており、第1係止部12よりも解除方向側に位置する。被係止部13は、挿入方向側の端部から解除方向に突出して形成された爪部16を有する。爪部16は、挿入位置及びスライド位置において、内装材100の貫通孔101の内周面101aに対してスライド方向に対向する。爪部16は、第2係止部14が被係止部13に係止された係止状態(以下、単に「係止状態」とする)において、第2係止部14に対して挿入方向において対向する。被係止部13は、係止状態おいて第2係止部14に対して爪部16が挿入方向において対向することで、第2係止部14に対する挿入方向への移動を規制する。
【0020】
第2係止部14は、被係止部13に係止されるものである。第2係止部14は、可撓性を有するヒンジ部15を介して枠部11Aと連結されており、スライド方向にて被係止部13と収容本体部10の解除方向側端部との間に位置する。ヒンジ部15は、枠部11Aから挿入方向に突出して形成され、幅方向に一定の間隔を開けて2つに分割されている。ヒンジ部15は、
図4の(B)に示すように、非係止状態において挿入方向に延在しており、
図4の(C)に示すように、係止状態において解除方向側に屈曲する。第2係止部14は、幅方向に延在して形成されており、非係止状態において挿入方向に延在し、係止状態において解除方向に延在している。第2係止部14は、非係止状態において、収容本体部10に組み付けられたカバー4の解除方向側外周面に対向し、かつ、係止状態において、被係止部13の爪部16に対して挿入方向に対向する係止面14aを有する。係止面14aは、係止状態において、第2係止部14の係止方向側端部から解除方向側に向けて形成されている。第2係止部14は、係止状態において、解除方向側端部14bが、貫通孔101を構成する内周面101aと解除方向において当接することで、内装材100に対するベース2の解除方向への移動を規制する。このように、第2係止部14は、被係止部13に対して係止されることで、室内照明灯1Aの固定構造を構成する。本実施形態の枠部11Aは、当該枠部11Aの解除方向側端部11aの少なくとも一部が、非係止状態及び係止状態のうちの少なくとも係止状態において、挿入方向に内装材100と対向している。また、枠部11Aの解除方向側端部11aの少なくとも一部は、挿入位置とスライド位置との間の少なくともスライド位置において、挿入方向に内装材100と対向している。
【0021】
次に、内装材100に対する室内照明灯1Aの組付方法について説明する。作業者は、室内照明灯1Aを手に持ち水平状態を保ちながら、内装材100に向けて持ち上げ、内装材100に形成された貫通孔101に対して室内側から収容本体部10を挿入方向に向けて挿入する。このとき、各第1係止部12は、貫通孔101に形成され各第1係止部12に対応する孔溝部102に対して、先端部12a側から挿入され、挿入位置にて室内側から室外側に突出する(
図4の(A))。また、スライド方向において、収容本体部10の係止方向側端部と貫通孔101の内周面101aとの間には、室内照明灯1Aがスライド位置に移動した場合でも、貫通孔101の内周面101aに対して収容本体部10の係止方向側端部が係止方向に当接しない空間を有する。一方、スライド方向において、収容本体部10の解除方向側端部と貫通孔101の内周面101aとの間には、非係止状態の第2係止部14及び被係止部13が収容される空間を有する。
【0022】
次に、作業者は、室内照明灯1Aを挿入位置から係止方向に向けてスライド位置までスライド移動させる。このとき、第1係止部12は、スライド位置において内装材100に対して先端部12aが挿入方向において対向することで、内装材100に対するベース2の抜去方向および係止方向への移動を規制する(
図4の(B))。これにより、室内照明灯1Aは、内装材100に対して仮係止される。次に、作業者は、スライド位置において、第2係止部14を解除方向に向けて倒しこみつつ抜去方向側に押し込み、当該第2係止部14を被係止部13に係止させる(
図4の(B))。このとき、被係止部13は、第2係止部14が抜去方向において爪部16を乗り越える際に、係止方向側に一時的に弾性変形した後、非係止状態から係止状態に移行して、弾性復帰する(
図4の(C))。第2係止部14は、係止状態において、スライド方向に延在した状態となり、解除方向側端部14bが解除方向において貫通孔101の内周面101aと当接することで、内装材100に対するベース2の解除方向への移動を規制する。また、第2係止部14は、係止状態において、係止方向に被係止部13と当接することで、内装材100に対するベース2の係止方向への移動を規制する。
【0023】
以上で説明した室内照明灯1Aは、収容本体部10の周囲に形成された枠部11Aが、スライド位置で内装材100に対して先端部12aが挿入方向にて対向することで、内装材100に対するベース2の抜去方向および係止方向への移動を規制する第1係止部12と、第1係止部12よりも解除方向に位置する被係止部13と、被係止部13に係止される第2係止部14とを有する。第2係止部14は、スライド位置にて係止状態となり、解除方向側端部14bが解除方向において貫通孔101の内周面101aと当接することで、内装材100に対するベース2の解除方向への移動を規制する。
【0024】
上記構成により、内装材100に対する室内照明灯1Aの位置を固定して、当該室内照明灯1Aのスライド位置から解除方向への移動を規制する。この結果、内装材100に組み付けられた室内照明灯1Aの当該内装材100に対する相対移動を容易に規制することができる。また、例えば、室内照明灯側のハウジングに設けられた係止爪を内装材の貫通孔周縁に引っ掛けて、室内照明灯を押し込むように内装材に組み付ける場合と比較して、内装材100や室内照明灯1Aに負荷を与えることなく組付け作業を行うことができる。
【0025】
[第1実施形態の第1変形例]
次に、第1実施形態の第1変形例に係る室内照明灯1Bについて
図5、
図6を参照して説明する。室内照明灯1Bは、ベース2の枠部11Bが傾斜面17を有する点で上記室内照明灯1Aと異なる。なお、以下の実施形態および変形例では、上記第1実施形態と同様の構成要素には共通の符号を付して、それらの説明は省略するとともに、共通する作用、効果について、重複した説明はできるだけ省略する。枠部11Bは、
図5に示すように、第1係止部12、被係止部13、及び第2係止部14に加えて、傾斜面17を有する。
【0026】
傾斜面17は、被係止部13から枠部11Bの解除方向側端部11aに向けて抜去方向側に傾斜する。傾斜面17は、枠部11Bの解除方向側端部11aの少なくとも一部が、係止状態において、挿入方向に内装材100と対向する枠部裏面11bに設けられている。傾斜面17は、枠部11Bのうち、係止状態において第2係止部14と挿入方向に対向する枠部裏面11bに設けられている。
【0027】
次に、内装材100に対する室内照明灯1Bの取り外し方法について説明する。作業者は、従来と同様に、内装材100と室内照明灯1Bとの間にドライバー等の工具110の先端を差し込み、当該先端により第2係止部14を抜去方向側に押し込んで被係止部13から外す(
図6の(A))。工具110の先端が、内装材100の内装材表面100aとレンズ6との間に挿入されると、レンズ6が抜去方向側に押し下げられる。その後、工具110の先端が、挿入方向側で係止方向側に押し込まれると、内装材100の内装材表面100aと傾斜面17との間の隙間に差し込まれる。そして、工具110の持ち手側を抜去方向側に押し下げながら、当該工具110を挿入方向側に押し込むと、工具110の先端が係止状態にある第2係止部14の係止面14a側に到達し、当該第2係止部14を傾斜面17側に押し付ける。第2係止部14が傾斜面17側に押し込まれることで、係止面14aが被係止部13の爪部16から外れる(
図6の(B))。これにより、被係止部13に対する第2係止部14の係止状態を非係止状態にすることができる。
【0028】
以上で説明した室内照明灯1Bは、枠部11Bが、係止状態において第2係止部14と挿入方向に対向する枠部裏面11bに設けられ、かつ被係止部13から解除方向側端部11aに向けて抜去方向側に傾斜する傾斜面17を有する、これにより、解除方向側端部11aと内装材100との間に隙間ができ、当該隙間に工具110が差し込みやすくなり、当該工具110の第2係止部14へのアクセスが容易になる。また、傾斜面17を設けることにより、係止状態の第2係止部14と枠部11Bとの挿入方向における隙間を広くすることができ、工具110を差し込んで第2係止部14を抜去方向側に押し込むことが容易となり、第2係止部14を容易に非係止状態にすることができる。この結果、室内照明灯交換時の作業性を向上させることができる。
【0029】
[第1実施形態の第2変形例]
次に、第1実施形態の第2変形例に係る室内照明灯1Cについて
図7を参照して説明する。室内照明灯1Cは、ベース2の枠部11Cが弾性片18を有する点で上記室内照明灯1Bと異なる。枠部11Cは、
図7の(A)に示すように、第1係止部12、被係止部13、第2係止部14、及び傾斜面17に加えて、弾性片18を有する。
【0030】
弾性片18は、傾斜面17の一部から挿入方向側に突出して解除方向側に延在して形成される。弾性片18は、傾斜面17において、幅方向に一定の間隔を開けて2箇所に配置されている。弾性片18は、挿入方向から見て被係止部13に対して解除方向に対向する位置には配置されておらず、係止方向から見た場合、被係止部13を挟んで幅方向の両側に配置されている。弾性片18は、係止状態において第2係止部14に対して挿入方向に対向し、かつ弾性を有する。弾性片18は、非係止状態において、少なくとも一部が傾斜面17から挿入方向側に突出しており、当該弾性片18に外力が作用していない状態で、係止状態の第2係止部14に挿入方向に当接する高さに設定される。弾性片18は、係止状態において、第2係止部14に対して挿入方向に当接する(
図7の(B))。弾性片18は、係止状態において、例えば工具110の先端により第2係止部14が傾斜面17側に押し付けられると弾性力(反発力)が発生し、当該弾性力により当該第2係止部14を挿入方向側に押し返す。
【0031】
以上で説明した室内照明灯1Cは、枠部11Cが、傾斜面17の一部から挿入方向側に突出して解除方向側に延在して形成され、係止状態において第2係止部14に対して挿入方向に対向し、かつ弾性を備えた弾性片18を有する。これにより、弾性片18が係止状態の第2係止部14を挿入方向側に押圧することにより、第2係止部14の抜去方向側への移動を規制することができ、室内照明灯1Cが外部から振動を受けたり、高温になった場合でも、第2係止部14と被係止部13との係止状態を確実に維持することができる。
【0032】
上記第1実施形態の第2変形例では、枠部11Cが、一対の弾性片18を有するが、これに限定されず、1つであってもよい。
【0033】
[第1実施形態の第3変形例]
次に、第1実施形態の第3変形例に係る室内照明灯1Dについて
図8~
図9を参照して説明する。室内照明灯1Dは、ベース2の枠部11Dが変形凸部20を有する点で上記室内照明灯1Bと異なる。枠部11Dは、
図8に示すように、第1係止部12、被係止部13、第2係止部14、及び傾斜面17に加えて、変形凸部20を有する。
【0034】
変形凸部20は、傾斜面17の一部から挿入方向側に突出して形成される。変形凸部20は、傾斜面17において、幅方向に一定の間隔を開けて2箇所に配置されている。変形凸部20は、挿入方向から見て被係止部13に対して解除方向に対向する位置には配置されておらず、係止方向から見た場合、被係止部13を挟んで幅方向の両側に配置されている。変形凸部20は、
図9の(B)に示すように、係止状態において第2係止部14に対して挿入方向側に対向する。係止凸部20は、挿入方向の高さが、係止状態の第2係止部14に接触しない高さに設定される。本実施形態では、変形凸部20は、幅方向に延在する基部21と一体的に形成されている。変形凸部20は、係止状態において、例えば工具による外力により第2係止部14が抜去方向側の傾斜面17に向かうことで、第2係止部14に対して挿入方向側で当接して、第2係止部14による抜去方向に向かう押圧力によって塑性変形する。
【0035】
変形凸部20は、係止状態において、例えば工具110の先端により第2係止部14が傾斜面17側に押し付けられると、第2係止部14に当たった部分が当該第2係止部による押圧力により塑性変形する(
図9の(B))。塑性変形した変形凸部20は、第2係止部14と接触している部分との間で接触摩擦力により第2係止部14の挿入方向への移動、すなわち第2係止部14が元の係止状態に戻ろうとする動きを一時的に規制する。これにより、被係止部13に対する第2係止部14の非係止状態を一時的に維持することができる。
【0036】
以上で説明した室内照明灯1Dは、枠部11Dが、傾斜面17の一部から挿入方向側に突出して形成され、かつ係止状態において第2係止部14に対して挿入方向側に対向する変形凸部20を有する。変形凸部20は、係止状態において、外力により第2係止部14が抜去方向側の傾斜面17に向かうことで、第2係止部14に対して挿入方向側で当接して、第2係止部14による抜去方向に向かう押圧力によって塑性変形する。これにより、内装材100から室内照明灯1Dを取り外す際に、枠部11Dの解除方向側端部11aと内装材100との間の隙間に工具110を差し込んで第2係止部14を抜去方向側に押し込んだとき、変形凸部20が第2係止部14に当接して当該第2係止部14の押圧力により塑性変形する。塑性変形した変形凸部20と第2係止部14との間の接触摩擦力により第2係止部14の挿入方向への移動を一時的に規制するので、第2係止部14の係止状態を容易に非係止状態とすることができる。
【0037】
上記第1実施形態の第3変形例では、枠部11Dが、一対の変形凸部20を有するが、これに限定されず、1つであってもよい。
【0038】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る室内照明灯1Eについて
図10を参照して説明する。室内照明灯1Eは、被係止部23の形状及び位置、第2係止部24の形状が異なる点で上記室内照明灯1Aと異なる。枠部11Eは、
図10に示すように、第1係止部12と、一対の被係止部23と、第2係止部24とを有する。
【0039】
一対の被係止部23は、係止状態において、係止方向から見た場合に第2係止部24を挟んで幅方向の両側に位置し、幅方向に弾性変形可能に構成される。各被係止部23は、枠部11Eから挿入方向に突出して形成され、第1係止部12よりも解除方向側に位置する。各被係止部23は、挿入方向側の端部から幅方向の一方に突出して形成された爪部26を有する。一対の爪部26のうち、一方の爪部26は、他方の爪部26に対して、幅方向に対向する。爪部26は、係止状態において、第2係止部24に対して挿入方向において対向する。被係止部23は、係止状態おいて第2係止部24に対して爪部26が挿入方向において対向することで、第2係止部24に対する挿入方向への移動を規制する。
【0040】
第2係止部24は、一対の被係止部23に係止されるものである。第2係止部24は、可撓性を有するヒンジ部25を介して枠部11Eと連結されており、スライド方向にて被係止部23と収容本体部10の解除方向側端部との間に位置する。ヒンジ部25は、枠部11Eから挿入方向に突出して形成され、幅方向に一定の間隔を開けて2つに分割されている。ヒンジ部25は、
図10の(B)に示すように、非係止状態において挿入方向に延在しており、係止状態において解除方向側に屈曲する。第2係止部24は、幅方向に延在して形成され、非係止状態において挿入方向に延在し、係止状態において解除方向に延在している。第2係止部24は、係止状態において、幅方向から見た形状が抜去方向側に凹む凹状に形成されている。第2係止部24は、非係止状態において、収容本体部10に組み付けられたカバー4の解除方向側外周面に対向し、かつ、係止状態において、被係止部23の爪部26に対して挿入方向に対向する係止面24aを有する。係止面24aは、第2係止部24の幅方向の一方の端部から他方側に向けて形成されている。第2係止部24は、係止状態において、解除方向側端部24bが、貫通孔101を構成する内周面101aと解除方向において当接することで、内装材100に対するベース2の解除方向への移動を規制する。第2係止部24は、
図10の(A)、
図10の(B)に示すように、係止状態において、当該第2係止部24から解除方向に突出して延在し、内装材100の室外側、すなわち内装材裏面100bに当接する内装材抑え部27を有する。内装材抑え部27は、幅方向に延在して形成される。内装材抑え部27は、幅方向から見た場合、係止状態において、内装材100に対して枠部11Eと挿抜方向において挟み込む。
【0041】
次に、内装材100に対する室内照明灯1Eの組付方法について説明する。なお、室内照明灯1Eが、内装材100に対して仮係止されるまでの組付け手順は、上記第1実施形態および第1~第3変形例と同様である。
【0042】
作業者は、スライド位置において、第2係止部24を解除方向に向けて倒しこみつつ抜去方向側に押し込み、当該第2係止部24を一対の被係止部23に係止させる(
図10の(B))。このとき、被係止部23は、第2係止部24が抜去方向において爪部26を乗り越える際に、係止方向側に一時的に弾性変形した後、非係止状態から係止状態に移行して、弾性復帰する。第2係止部24は、係止状態において、スライド方向に延在した状態となり、解除方向において貫通孔101の内周面101aと当接することで、内装材100に対するベース2の解除方向への移動を規制する。また、第2係止部24は、係止状態において、係止方向に被係止部23と当接することで、内装材100に対するベース2の係止方向への移動を規制する。
【0043】
以上で説明した室内照明灯1Eは、被係止部23が、係止状態において、係止方向から見た場合に第2係止部24を挟んで幅方向の両側に位置する。これにより、係止状態の第2係止部24を挿入方向から見た場合、1つの被係止部23が第2係止部24の一辺だけを係止するものと比較して、2つの被係止部23が第2係止部24の隣り合わない二辺を係止するので、例えば、外部から振動に対して第2係止部24の振れを容易に抑えることができる。第2係止部24は、係止状態において、幅方向から見た形状が抜去方向側に凹む凹状に形成されている。これにより、係止状態の第2係止部24がスライド方向へ移動すると、被係止部26に対してスライド方向を当接し、第2係止部24のスライド方向への移動を規制することができる。
【0044】
また、室内照明灯1Eは、第2係止部24が、係止状態において、当該第2係止部24から解除方向に突出して延在し、内装材100の室外側に当接する内装材抑え部27を有する。これにより、係止状態の第2係止部24を挿入方向から見た場合、第2係止部24の二辺をそれぞれ被係止部23で係止した上で、残りの一辺を内装材抑え部27により抑えて第2係止部24の抜去方向への移動を規制するので、例えば、外部から振動に対して第2係止部24の振れを確実に抑えることができる。
【0045】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る室内照明灯1Fについて
図11を参照して説明する。室内照明灯1Fは、被係止部33の形状、第2係止部34の形状が異なる点で上記室内照明灯1Eと異なる。枠部11Eは、
図11の(A)に示すように、第1係止部12と、一対の被係止部33と、第2係止部34とを有する。
【0046】
一対の被係止部33は、係止状態において、係止方向から見た場合に第2係止部34を挟んで幅方向の両側に位置し、幅方向に弾性変形可能に構成される。各被係止部33は、枠部11Fから挿入方向に突出して形成され、第1係止部12よりも解除方向側に位置する。各被係止部33は、一対の被係止部33の幅方向に対向する面に設けられた凹状の係止凹部36を有する。係止凹部36は、例えば、板厚方向(幅方向)に貫通する円孔である。係止凹部36は、挿入方向側端部に形成され、外部と連通するスリット38を有する。一対の係止凹部36のうち、一方の係止凹部36は、他方の係止凹部36に対して、幅方向に対向する。係止凹部36は、係止状態において、第2係止部34に対して幅方向に対向する。
【0047】
第2係止部34は、一対の被係止部33に係止されるものである。第2係止部34は、可撓性を有するヒンジ部35を介して枠部11Fと連結され、スライド方向にて被係止部33と収容本体部10の解除方向側端部との間に位置する。ヒンジ部35は、枠部11Fから挿入方向に突出して形成され、幅方向に一定の間隔を開けて2つに分割されている。ヒンジ部35は、
図11の(B)に示すように、非係止状態において挿入方向に延在しており、係止状態において解除方向側に屈曲する。第2係止部34は、幅方向に延在して形成され、非係止状態において挿入方向に延在し、係止状態において解除方向に延在している。第2係止部34は、当該第2係止部34の幅方向の両端から外側に突出して凸状に形成された一対の係止凸部37を有する。係止凸部37は、例えば、幅方向に中心軸を有する円柱状のピンである。係止凸部37は、係止状態において、被係止部33の係止凹部33aに係止される。係止凸部37は、非係止状態から係止状態に移行する際に、スリット38を通って係止凹部33aに嵌合する。第2係止部34は、係止状態において、解除方向側端部34bが、貫通孔101を構成する内周面101aと解除方向において当接することで、内装材100に対するベース2の解除方向への移動を規制する。被係止部33は、係止状態おいて、係止凹部33aに対して第2係止部34の係止凸部37が幅方向において嵌合することで、第2係止部34に対する挿入方向及びスライド方向への移動を規制する。
【0048】
次に、内装材100に対する室内照明灯1Fの組付方法について説明する。作業者は、スライド位置において、第2係止部34を解除方向に向けて倒しこみつつ抜去方向側に押し込み、当該第2係止部34の係止凸部37を被係止部33の係止凹部33aに係止させる(
図11の(B))。このとき、各係止凸部37は、被係止部33のスリット38を通って円孔である係止凹部33aに嵌合する。係止凹部33aは、係止凸部37がスリット38を通過する際に、スライド方向に開いて弾性変形した後、被係止状態から係止状態に移行して、弾性復帰してスライド方向に閉じる(
図11の(B))。第2係止部14は、係止状態において、スライド方向に延在した状態となり、解除方向側端部34bが解除方向において貫通孔101の内周面101aと当接することで、内装材100に対するベース2の解除方向への移動を規制する。また、第2係止部14は、係止状態において、係止方向に被係止部13と当接することで、内装材100に対するベース2の係止方向への移動を規制する。
【0049】
以上で説明した室内照明灯1Fは、被係止部33が、係止状態において、係止方向から見た場合に第2係止部34を挟んで幅方向の両側に位置する。これにより、係止状態の第2係止部34を挿入方向から見た場合、1つの被係止部33が第2係止部34の一辺だけを係止するものと比較して、2つの被係止部33が第2係止部34の隣り合わない二辺を係止するので、例えば、外部から振動に対して第2係止部34の振れを容易に抑えることができる。
【0050】
また、室内照明灯1Fは、第2係止部34が、当該第2係止部34の幅方向の両端から外側に突出して凸状に形成された一対の係止凸部37を有する。被係止部33は、係止状態において、係止方向から見た場合に第2係止部34を挟んで幅方向の両側に位置し、かつ幅方向に弾性変形可能に構成される。係止凸部37は、係止状態において、一対の被係止部33の幅方向に対向する面に設けられた凹状の係止凹部36に係止される。これにより、被係止部33の係止凹部36に対して第2係止部34の係止凸部37が係止するので、係止状態にある係止凸部37の挿入方向への移動が規制されるだけでなく、少なくとも係止方向および解除方向への移動が規制されるので、第2係止部34の移動をより規制することができる。
【0051】
また、室内照明灯1Fは、被係止部33が、挿入方向側端部に係止凹部36(円孔)と連通するスリット38が形成されているので、被係止部33に第2係止部34を係止する際に、第2係止部34の係止凸部37(ピン)の押圧力によりスリット38が開いて当該係止凸部37が係止凹部36に挿入しやすくなる。また、被係止部33の円孔に対してピンが嵌合するので、係止状態において、当該ピンが全周に渡って円孔に当接し、第2係止部34に対する係止方向および解除方向への移動を規制して、内装材100に対する室内照明灯1Fの位置を固定することができる。また、車両振動により第2係止部34と被係止部33とが当たって異音が発生することを防止することができる。
【0052】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る室内照明灯1Gについて
図12、
図13を参照して説明する。室内照明灯1Gは、被係止部43の形状、第2係止部44の形状が異なり、枠部11Gが過変位防止リブ48を有する点で上記室内照明灯1Fと異なる。枠部11Gは、
図12の(A)に示すように、第1係止部12と、一対の被係止部43と、第2係止部44と、過変位防止リブ48とを有する。
【0053】
一対の被係止部43は、
図13に示すように、係止状態において、係止方向から見た場合に第2係止部44を挟んで幅方向の両側に位置し、幅方向に弾性変形可能に構成される。各被係止部43は、枠部11Gから挿入方向に突出して形成され、第1係止部12よりも解除方向側に位置する。各被係止部43は、一対の被係止部43の幅方向に対向する面に設けられた凹状の係止凹部46と、係止凹部46の一部を形成する壁部50とを有する。一対の係止凹部46のうち、一方の係止凹部46は、他方の係止凹部46に対して、幅方向に対向する。係止凹部46は、係止状態において、第2係止部44に対して幅方向に対向する。各係止凹部46は、係止状態で第2係止部44の係止凸部47と挿入方向に対向する係止面43aと、係止面34aと直交し、かつスライド方向に対向する一対の内側面43bとを有する。壁部50は、被係止部43の挿入方向側の端部に形成され、枠部11G側に係止面34aを有する。
【0054】
第2係止部44は、一対の被係止部43に係止されるものである。第2係止部44は、可撓性を有するヒンジ部45を介して枠部11Gと連結され、スライド方向にて被係止部43と収容本体部10の解除方向側端部との間に位置する。ヒンジ部45は、枠部11Gから挿入方向に突出して形成され、幅方向に一定の間隔を開けて2つに分割されている。ヒンジ部45は、非係止状態において挿入方向に延在しており、係止状態において解除方向側に屈曲する。第2係止部44は、幅方向に延在して形成され、非係止状態において挿入方向に延在し、係止状態において解除方向に延在している。第2係止部44は、当該第2係止部44の幅方向の両端から外側に突出して凸状に形成された一対の係止凸部47を有する。係止凸部47は、係止状態において、被係止部43の係止凹部46に係止される。係止凸部47は、非係止状態から係止状態に移行する際に、壁部50を乗り越えて係止凹部33aに挿入する。係止凸部47は、挿入方向側に係止面44aを有する。係止面44aは、係止状態において、係止凹部46の係止面43aに挿入方向において対向する。第2係止部44は、係止状態において、解除方向側端部44bが貫通孔101を構成する内周面101aと解除方向において当接することで、内装材100に対するベース2の解除方向への移動を規制する。被係止部43は、係止状態おいて、係止凹部36に対して第2係止部44の係止凸部47が幅方向において挿入することで、第2係止部44に対する挿入方向及びスライド方向への移動を規制する。
【0055】
過変位防止リブ48は、
図12の(B)に示すように、挿入方向に突出し、かつ少なくとも第2係止部44の係止方向側に形成されている。過変位防止リブ48は、挿入方向から見た場合、スライド方向に延在し、かつ幅方向においてヒンジ部45の間に位置する。過変位防止リブ48は、非係止状態において、挿入方向側端部が第2係止部44と接触せず、かつ第2係止部44の非係止状態から係止状態への移行途中で、当該第2係止部44と接触しない高さ(挿入方向の長さ)に設定されている。過変位防止リブ48は、係止状態において、第2係止部44の係止方向側の規制面48aと係止方向において隙間49をもって対向する。隙間49は、第2係止部44が非係止状態から係止状態に移行でき得る程度の長さを有することが好ましい。
【0056】
以上で説明した室内照明灯1Gは、被係止部43が、係止状態において、係止方向から見た場合に第2係止部44を挟んで幅方向の両側に位置する。これにより、係止状態の第2係止部44を挿入方向から見た場合、1つの被係止部43が第2係止部44の一辺だけを係止するものと比較して、2つの被係止部43が第2係止部44の隣り合わない二辺を係止するので、例えば、外部から振動に対して第2係止部44の振れを容易に抑えることができる。
【0057】
また、室内照明灯1Gは、第2係止部44が、当該第2係止部44の幅方向の両端から外側に突出して凸状に形成された一対の係止凸部47を有する。被係止部43は、係止状態において、係止方向から見た場合に第2係止部44を挟んで幅方向の両側に位置し、かつ幅方向に弾性変形可能に構成される。係止凸部47は、係止状態において、一対の被係止部43の幅方向に対向する面に設けられた凹状の係止凹部46に係止される。これにより、被係止部43の係止凹部46に対して第2係止部44の係止凸部47が係止するので、係止状態にある係止凸部47の挿入方向への移動が規制されるだけでなく、少なくとも係止方向および解除方向への移動が規制されるので、第2係止部44の移動をより規制することができる。
【0058】
また、室内照明灯1Gは、枠部11Gが、挿入方向に突出し、かつ少なくとも第2係止部44の係止方向側に形成され、係止状態において、第2係止部44の係止方向側の規制面48aと係止方向において隙間49をもって対向する過変位防止リブ48を有する。これにより、係止状態の第2係止部44に対して内装材100から係止方向に外力を受けた場合、第2係止部44の係止方向側端部が過変位防止リブ48に当接することで、変形状態にあるヒンジ部45の係止方向側の変形を抑制することができる。この結果、ヒンジ部45に対する外力を軽減してヒンジ部45を保護することができる。また、内装材100により係止状態の第2係止部44が係止方向側に押圧された場合、第2係止部44が内装材100と共に係止方向側に移動しようとするが、その隙間49を埋めて過変位防止リブ48に当接するので、室内照明灯1Gの内装材100に対する相対移動を抑制することができる。
【0059】
なお、上述した実施形態及び変形例に係る室内照明灯1A~1Gは、以上で説明した実施形態、変形例の構成要素を適宜組み合わせることで構成してもよい。
【符号の説明】
【0060】
1A 室内照明灯
2 ベース
3照明部
10 収容本体部
11A 枠部
12 第1係止部
12a 先端部
13 被係止部
14 第2係止部
15 ヒンジ部
100 内装材
101 貫通孔
101a 内周面