(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20241203BHJP
G06Q 10/08 20240101ALI20241203BHJP
B64C 27/04 20060101ALI20241203BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20241203BHJP
B64D 9/00 20060101ALI20241203BHJP
B64F 1/12 20060101ALI20241203BHJP
B65G 61/00 20060101ALI20241203BHJP
G08G 5/00 20060101ALI20241203BHJP
G01C 21/34 20060101ALI20241203BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20241203BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20241203BHJP
G16Y 40/60 20200101ALI20241203BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G06Q10/08
B64C27/04
B64C39/02
B64D9/00
B64F1/12
B65G61/00 542
G08G5/00 A
G01C21/34
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/60
(21)【出願番号】P 2021130266
(22)【出願日】2021-08-06
【審査請求日】2024-01-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】518064374
【氏名又は名称】株式会社オプティマインド
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡部 耕太郎
(72)【発明者】
【氏名】安部 真由子
(72)【発明者】
【氏名】駒嶺 聡史
(72)【発明者】
【氏名】松下 健
(72)【発明者】
【氏名】高田 陽介
(72)【発明者】
【氏名】堂田 丈明
【審査官】宮地 将斗
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-011334(JP,A)
【文献】特開2020-144655(JP,A)
【文献】特開2020-090152(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
G06Q 10/08
B64C 27/04
B64C 39/02
B64D 9/00
B64F 1/12
B65G 61/00
G16Y 10/40
G16Y 20/20
G16Y 40/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物が配送される複数の配送先の位置に関する位置情報に基づいて、車両によって荷物が配送される一または複数の第1配送先と、前記車両に搭載されるドローンによって荷物が配送される一または複数の第2配送先と、前記車両が前記一または複数の第1配送先に荷物を配送する経路を含む走行経路と、前記ドローンが前記車両から前記一または複数の第2配送先への飛行を開始する前記走行経路上の第1地点と、前記ドローンが前記車両に帰着する前記走行経路上の第2地点とを決定すること、
を実行する制御部を含
み、
前記制御部は、
前記位置情報に基づいて、単位面積当たりの配送先の数を算出し、
前記単位面積当たりの配送先の数に基づいて、所定の第1エリアを決定し、
前記複数の配送先のうち、決定された前記所定の第1エリア内の配送先を前記一または複数の第1配送先として決定し、前記所定の第1エリア外における一または複数の配送先を前記一または複数の第2配送先として決定する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記所定の第1エリアは、所定の道路沿いのエリアである、
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記ドローンの航続可能距離に基づいて、前記第1地点と前記第2地点とを決定する、
請求項1
又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記ドローンが前記車両から飛行を開始することと前記車両に帰着することとが可能な所定の第2エリアにさらに基づいて、前記走行経路、前記第1地点、および前記第2地点
を決定する、
請求項1から
3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記ドローンが前記一または複数の第2配送先への配送を完了する予定時刻に基づいて、前記第2地点を決定する、
請求項1から
4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
荷物が配送される複数の配送先の位置に関する位置情報に基づいて、車両によって荷物が配送される一または複数の第1配送先と、前記車両に搭載されるドローンによって荷物が配送される一または複数の第2配送先と、前記車両が前記一または複数の第1配送先に荷物を配送する経路を含む走行経路と、前記ドローンが前記車両から前記一または複数の第2配送先への飛行を開始する前記走行経路上の第1地点と、前記ドローンが前記車両に帰着する前記走行経路上の第2地点とを決定すること、
を含
み、
前記位置情報に基づいて、単位面積当たりの配送先の数を算出し、
前記単位面積当たりの配送先の数に基づいて、所定の第1エリアを決定し、
前記複数の配送先のうち、決定された前記所定の第1エリア内の配送先を前記一または複数の第1配送先として決定し、前記所定の第1エリア外における一または複数の配送先を前記一または複数の第2配送先として決定する、
情報処理方法。
【請求項7】
前記所定の第1エリアは、所定の道路沿いのエリアである、
請求項
6に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記ドローンの航続可能距離に基づいて、前記第1地点と前記第2地点とを決定する、
請求項
6又は7に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記ドローンが前記車両から飛行を開始することと前記車両に帰着することとが可能な所定の第2エリアにさらに基づいて、前記走行経路、前記第1地点、および前記第2地点を決定する、
請求項
6から
8のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記ドローンが前記一または複数の第2配送先への配送を完了する予定時刻に基づいて、前記第2地点を決定する、
請求項
6から
9のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータに情報処理方法を実行させるためのプログラムであって、
前記情報処理方法は、
荷物が配送される複数の配送先の位置に関する位置情報に基づいて、車両によって荷物が配送される一または複数の第1配送先と、前記車両に搭載されるドローンによって荷物が配送される一または複数の第2配送先と、前記車両が前記一または複数の第1配送先に荷物を配送する経路を含む走行経路と、前記ドローンが前記車両から前記一または複数の第2配送先への飛行を開始する前記走行経路上の第1地点と、前記ドローンが前記車両に帰着する前記走行経路上の第2地点とを決定すること、
を含
み、
前記位置情報に基づいて、単位面積当たりの配送先の数を算出し、
前記単位面積当たりの配送先の数に基づいて、所定の第1エリアを決定し、
前記複数の配送先のうち、決定された前記所定の第1エリア内の配送先を前記一または
複数の第1配送先として決定し、前記所定の第1エリア外における一または複数の配送先を前記一または複数の第2配送先として決定する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の配送地に荷物を配送する車両が開示されている。特許文献1に開示されている車両は、荷物を目的地から配送地まで配送する移動体を格納している。そして、車両は、複数の配送地の広がり度合いに基づいて一または複数の目的地を設定する。そして、車両は、設定された一または複数の目的地に向けて現在位置から順に走行を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、荷物を効率よく配送することを可能にする技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様に係る情報処理装置は、
荷物が配送される複数の配送先の位置に関する位置情報に基づいて、車両によって荷物が配送される一または複数の第1配送先と、前記車両に搭載されるドローンによって荷物が配送される一または複数の第2配送先と、前記車両が前記一または複数の第1配送先に荷物を配送する経路を含む走行経路と、前記ドローンが前記車両から前記一または複数の第2配送先への飛行を開始する前記走行経路上の第1地点と、前記ドローンが前記車両に帰着する前記走行経路上の第2地点とを決定すること、
を実行する制御部を含む。
【0006】
本開示の第2の態様に係る情報処理方法は、
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
荷物が配送される複数の配送先の位置に関する位置情報に基づいて、車両によって荷物が配送される一または複数の第1配送先と、前記車両に搭載されるドローンによって荷物が配送される一または複数の第2配送先と、前記車両が前記一または複数の第1配送先に荷物を配送する経路を含む走行経路と、前記ドローンが前記車両から前記一または複数の第2配送先への飛行を開始する前記走行経路上の第1地点と、前記ドローンが前記車両に帰着する前記走行経路上の第2地点とを決定すること、
を含む。
【0007】
本開示の第3の態様に係るプログラムは、
コンピュータに情報処理方法を実行させるためのプログラムであって、
前記情報処理方法は、
荷物が配送される複数の配送先の位置に関する位置情報に基づいて、車両によって荷物が配送される一または複数の第1配送先と、前記車両に搭載されるドローンによって荷物が配送される一または複数の第2配送先と、前記車両が前記一または複数の第1配送先に荷物を配送する経路を含む走行経路と、前記ドローンが前記車両から前記一または複数の第2配送先への飛行を開始する前記走行経路上の第1地点と、前記ドローンが前記車両に帰着する前記走行経路上の第2地点とを決定すること、
を含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示により、荷物を効率よく配送することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、管理システムの概略構成を示す図である。
【
図2】
図2は、車両とドローンとによる荷物の配送の概要を示す図である。
【
図3】
図3は、管理サーバの機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図4】
図4は、配送先情報のテーブル構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態において、管理サーバが決定する、走行経路、飛行開始地点、および帰着地点の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、第2実施形態において、管理サーバが決定する走行経路、飛行開始地点、および帰着地点の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の第1の態様に係る情報処理装置は、荷物の配送を管理する情報処理装置である。ここで、荷物の配送は、車両と、車両に搭載されたドローンとによって行われる。車両に搭載されたドローンは、荷物を搭載して、車両から飛び立つことによって荷物の配送を行う。本開示の第1の態様に係る情報処理装置における制御部は、複数の配送先の位置に関する位置情報に基づいて、一または複数の第1配送先と一または複数の第2配送先とを決定する。ここで、第1配送先は、複数の配送先のうち、車両によって荷物が配送される配送先である。また、第2配送先は、複数の配送先のうち、車両に搭載されるドローンによって荷物が配送される配送先である。
【0011】
また、情報処理装置における制御部は、走行経路と第1位置と第2位置とを決定する。ここで、走行経路は、車両が一または複数の第1配送先に荷物を配送する経路を含む経路である。また、第1地点は、ドローンが車両から一または複数の第2配送先への飛行を開始する走行経路上の地点である。また、第2地点は、ドローンが車両に帰着する走行経路上の地点である。このように、制御部によって第1地点が決定されることにより、ドローンが車両から一または複数の第2配送先への飛行が開始される。また、走行経路に沿って車両が走行を行う。そして、ドローンは、帰着地点において車両に帰着することができる。
【0012】
以上説明したように、情報処理装置は、位置情報に基づいて一または複数の第1配送先と一または複数の第2配送先とを決定する。また、情報処理装置は、走行経路と第1地点と第2地点とを決定する。これにより、車両による配送が好適な位置に存在する配送先には、車両によって荷物を配送することができる。また、ドローンによる配送が好適な位置に存在する配送先には、ドローンによって荷物を配送することができる。このようにして、情報処理装置によって、効率的に荷物の配送を行うことが可能となる。
【0013】
以下、本開示の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、および、その相対配置等は、特に記載がない限りは本開示の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0014】
<第1実施形態>
(システムの概略)
本実施形態における管理システム1について、
図1に基づいて説明する。
図1は、管理システム1の概略構成を示す図である。管理システム1は、車両100、ドローン200
、および管理サーバ300を含んで構成される。管理システム1においては、車両100、ドローン200、および管理サーバ300がネットワークN1によって相互に接続される。ネットワークN1には、例えば、インターネット等の世界規模の公衆通信網であるWAN(Wide Area Network)または、携帯電話等の電話通信網が採用されてもよい。
【0015】
(車両)
車両100は、荷物を配送するために使用される車両である。車両100は、配送先の付近まで走行する。そして、車両100の搭乗員が配送先に荷物を運搬することによって、配送先に荷物が配送される。なお、荷物の配送をする方法は、車両100が配送先の付近まで走行し、車両100の搭乗員が配送先に荷物を運搬する方法以外の方法であってもよい。例えば、車両100が配送先まで直接自律走行し、車両100に積載されている荷物を配送先に配送してもよい。この場合において、荷物の配送先が建物の内部である場合、車両100は建物の内部を自律走行し、荷物を配送先まで配送する。
【0016】
(ドローン)
ドローン200は、荷物を配送するために使用されるドローンである。また、ドローン200は、車両100に搭載されるドローンである。ドローン200は、荷物を搭載して車両100から荷物の配送先へ飛行する。このようにして、ドローン200は、配送先に荷物を配送する。
【0017】
図2は、車両100とドローン200とによる荷物の配送の概要を示す図である。
図2に示すように、ドローン200は車両100に搭載されている。ドローン200は、荷物を配送するために車両100から荷物の配送先への飛行を開始する。そして、ドローン200は、荷物の配送が終了すると、車両100に帰着する。一方で、
図2に示すように、車両100は、荷物の配送のために移動している。そのため、ドローン200が車両100から飛び立った地点と、ドローン200が車両100に帰着するための地点とは、異なる地点であってもよい。車両100とドローン200との荷物の配送の詳細については、後述する。
【0018】
(管理サーバ)
管理サーバ300は、車両100とドローン200とによる荷物の配送を管理するサーバである。管理サーバ300は、プロセッサ310、主記憶部320、補助記憶部330、および通信インタフェース(通信I/F)340を有するコンピュータを含んで構成される。プロセッサ310は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはDSP(Digital Signal Processor)である。主記憶部320は、例えば、RAM(Random Access Memory)である。補助記憶部330は、例えば、ROM(Read Only Memory)である。また、補助記憶部330は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、またはCD-ROM、DVDディスク、もしくはブルーレイディスクのようなディスク記録媒体である。また、補助記憶部330は、リムーバブルメディア(可搬記憶媒体)であってもよい。ここで、リムーバブルメディアとして、例えば、USBメモリまたはSDカードが例示される。通信I/F340は、例えば、LAN(Local Area Network)インターフェースボード、または無線通信のための無線通信回路である。
【0019】
管理サーバ300において、補助記憶部330には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、および各種情報テーブル等が格納されている。また、管理サーバ300において、プロセッサ310が、補助記憶部330に記憶されたプログラムを主記憶部320にロードして実行することによって、後述するような各種の機能を実現することができる。ただし、管理サーバ300における一部または全部の機能はASICまたはF
PGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。なお、管理サーバ300は、必ずしも単一の物理的構成によって実現される必要はなく、互いに連携する複数台のコンピュータによって構成されてもよい。なお、車両100およびドローン200も、管理サーバ300と同様に、コンピュータを含んで構成される。
【0020】
(機能構成)
次に、管理システム1を構成する、管理サーバ300の機能構成について、
図3から
図5に基づいて説明する。
図3は、管理サーバ300の機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。管理サーバ300は、制御部301、通信部302、配送先情報データベース(配送先情報DB)303、および地図情報データベース(地図情報DB)304を含んで構成される。通信部302は、管理サーバ300をネットワークN1に接続するための機能を有する。通信部302は、管理サーバ300における通信I/F340によって実現できる。
【0021】
配送先情報DB303は、配送先情報を格納する機能を有する。配送先情報は、車両100とドローン200とによって配送される荷物の配送先の位置に関する情報である。配送先情報は、例えば、管理サーバ300の管理者によって入力される。配送先情報DB303は、管理サーバ300における補助記憶部330によって実現できる。
図4は、配送先情報のテーブル構成の一例を示す図である。
図4に示すように、配送先情報は、荷物IDフィールド、および配送先フィールドを含んでいる。
【0022】
荷物IDフィールドには、荷物を特定するための識別子(荷物ID)が入力される。本実施形態においては、配送先情報は、複数の荷物の荷物IDを入力するための複数のレコードを有している。つまり、車両100とドローン200とによって、複数の荷物が複数の配送先に配送される。配送先フィールドには、荷物IDフィールドに入力されている荷物IDに対応する荷物の配送先の位置を特定するための情報が入力される。配送先フィールドには、例えば、配送先の住所等が入力される。
【0023】
地図情報DB304は、地図情報を格納する機能を有する。地図情報は、車両100とドローン200とが荷物を配送する地域の道路および建物に関する地図を含む情報である。地図情報DB304は、管理サーバ300における補助記憶部330によって実現できる。
【0024】
制御部301は、管理サーバ300の制御をするための演算処理を行う機能を有する。制御部301は、管理サーバ300におけるプロセッサ310によって実現できる。制御部301は、配送先情報DB303に格納されている配送先情報を取得する。制御部301は、取得した配送先情報に基づいて、車両100が荷物を配送する配送先(以下、「第1配送先」と称する場合がある。)を決定する。また、制御部301は、取得した配送先情報に基づいて、ドローン200が荷物を配送する配送先(以下、「第2配送先」と称する場合がある。)を決定する。
【0025】
具体的には、制御部301は、配送先情報に基づいて、配送先が密集しているエリア(以下、「密集エリア」と称する場合がある。)を決定する。制御部301は、配送先情報における配送先フィールドに入力されている複数の配送先の位置情報に基づいて、単位面積当たりの配送先の数を算出する。制御部301は、算出した単位面積当たりの配送先の数に基づいて、密集エリアを決定する。そして、制御部301は、密集エリア内の配送先を第1配送先として決定する。また、制御部301は、密集エリア外における配送先を第2配送先として決定する。なお、本実施形態においては、制御部301によって、複数の第1配送先と一の第2配送先とが決定される。
【0026】
また、制御部301は、第1配送先の位置と第2配送先の位置とに基づいて、走行経路と飛行開始地点と帰着地点とを決定する。ここで、走行経路は、密集エリアにおいて車両100が複数の第1配送先において荷物を配送する経路を含む経路である。また、飛行開始地点は、ドローン200が車両100から第2配送先への飛行を開始する走行経路上の地点である。また、帰着地点は、ドローン200が車両100に帰着する走行経路上の地点である。
【0027】
本実施形態においては、制御部301は、まず、複数の第1配送先に対して荷物を配送するのに最も効率のよい経路を走行経路として算出する。そして、制御部301は、算出した走行経路上に飛行開始地点と帰着地点とを決定する。ここで、制御部301は、ドローン200の航続可能距離に基づいて飛行開始地点と帰着地点と決定する。つまり、制御部301は、ドローン200が飛行開始地点から飛行を開始し、第2配送先に荷物を配送し、帰着地点に到着するまでの距離(飛行距離)を算出する。そして、制御部301は、ドローン200の飛行距離がドローン200の航続可能距離以下となるように、飛行開始地点と帰着地点とを決定する。
【0028】
図5は、本実施形態において、管理サーバ300が決定する、走行経路、飛行開始地点、および帰着地点の一例を示す図である。
図5には、車両100とドローン200とが荷物を配送する地域の地図が示されている。
図5に示すように、密集エリアが管理サーバ300によって決定されている。ここで、
図5に示す密集エリアは、単位面積当たりの配送先の数が所定の閾値よりも大きいエリアである。
図5においては、第1配送先が黒塗り星印によって示されている。車両100は、
図5に示す走行経路に沿って密集エリア内の複数の第1配送先に荷物を配送する。
【0029】
また、
図5に示す例において、密集エリア外の配送先である第2配送先には、ドローン200が荷物を配送する。
図5において、第2配送先は白抜き星印によって示されている。ドローン200は、
図5に示す飛行開始地点から飛行を開始し、第2配送先に荷物を配送する。そして、ドローン200は、帰着地点において車両100に帰着する。このように、ドローン200は、
図5に示すように、飛行開始地点から第2配送先を経由して帰着地点までの飛行経路を飛行する。
【0030】
制御部301は、走行経路、飛行開始地点、および帰着地点が決定されると、走行経路に関する走行情報と、飛行経路に関する飛行情報とを生成する。ここで、飛行情報には、飛行開始地点と帰着地点との情報が含まれている。また、飛行情報には、第2配送先の位置情報が含まれている。そして。制御部301は、通信部302を経由して、走行情報を車両100に送信する。また、制御部301は、通信部302を経由して、飛行情報をドローン200に送信する。
【0031】
(決定処理)
次に、管理システム1において、管理サーバ300における制御部301によって実行される決定処理について、
図6に基づいて説明する。決定処理は、走行経路、飛行開始地点、および帰着地点を決定する処理である。
図6は、決定処理のフローチャートである。
【0032】
決定処理においては、まずS101において、配送先情報が配送先情報DB303から取得される。次に、S102において、取得された配送先情報における配送先の位置に基づいて、複数の第1配送先と第2配送先とが決定される。具体的には、S102において、密集エリアが決定され、密集エリア内の配送先が第1配送先、密集エリア外の配送先が第2配送先として決定される。そして、S103において、車両100に対する走行経路と、ドローン200に対する飛行開始地点および帰着地点とが決定される。次に、S104において、決定された走行経路に基づいて走行情報が生成される。また、S104にお
いて、飛行開始地点、および帰着地点に基づいて、飛行情報が生成される。次に、S105において、走行情報が車両100に送信され、飛行情報がドローン200に送信される。そして、車両100は、受信した走行情報に基づいて、走行経路を走行する。また、ドローン200は、受信した飛行情報に基づいて、飛行経路を飛行する。そして、決定処理は終了される。
【0033】
以上説明したように、管理システム1における管理サーバ300は、複数の第1配送先と第2配送先とを決定する。そして、管理サーバ300は、走行経路と飛行開始地点と帰着地点とを決定する。これにより、車両による配送が好適な位置に存在する第1配送先には、車両100によって荷物を配送することができる。また、密集エリアから離れた位置に存在する第2配送先には、ドローン200によって荷物を配送することができる。これにより、車両100が密集エリアから離れた位置に存在する第2配送先まで移動することなく、第2配送先に荷物を配送することができる。このようにして、管理システム1によって、効率的に荷物の配送を行うことが可能となる。
【0034】
(変形例1)
本実施形態においては、ドローン200が一の第2配送先に荷物を配送する。しかしながら、ドローン200が荷物を配送する第2配送先は複数であってもよい。また、本実施形態においては、車両100が複数の第1配送先に荷物を配送する。しかしながら、車両100が荷物を配送する第1配送先は一か所であってもよい。
【0035】
(変形例2)
本実施形態においては、管理サーバ300は、密集エリアに基づいて第1配送先と第2配送先とを決定する。しかしながら、管理サーバ300は、必ずしも、密集エリアに基づいて第1配送先と第2配送先を決定しなくてもよい。管理サーバ300は、例えば、所定の道路沿いの所定のエリア内の配送先を第1配送先として決定し、所定の道路沿いの所定のエリア外の配送先を第2配送先として決定してもよい。ここで、所定の道路は、例えば、道幅が所定の幅以上あることで、車両100が荷物の配送をするのが容易である道路である。これにより、車両100が荷物の配送をするのに不便な道路(道幅が所定の幅以下の道路)沿いの配送先には、ドローン200が荷物を配送することが可能となる。このようにしても、荷物の配送を効率的に行うことが可能となる。
【0036】
(変形例3)
なお、管理サーバ300は、ドローン200が第2配送先への荷物の配送を完了する予定の時刻(以下、「予定時刻」と称する場合がある。)に基づいて、帰着地点を決定してもよい。具体的には、管理サーバ300は、ドローン200が飛行開始地点から第2配送先へ荷物を配送するのにかかる時間を計算し、予定時刻を算出する。そして、管理サーバ300は、車両100が予定時刻に存在すると予測される位置と、第2配送先の位置とに基づいて、帰着地点を算出する。管理サーバ300は、例えば、車両100の走行速度とドローン200の飛行速度とに基づいて、車両100が帰着地点に到着する予想される時刻とドローン200が帰着地点に到着すると予想される時刻との差が所定の範囲内となるように、帰着地点を算出する。これにより、先に帰着地点に到着した車両100がドローン200が帰着地点に到着するまで待機する時間を抑制することもできる。また、先に帰着地点に到着したドローン200が車両100が帰着地点に到着するまで待機する時間を抑制することが可能となる。その結果、ドローン200が使用する電力または燃料の消費を抑制することができる。
【0037】
(変形例4)
本実施形態においては、車両100が荷物を配送している途中にドローン200が帰着する。しかしながら、ドローン200は、必ずしも車両100が荷物を配送している途中
に帰着しなくてもよい。管理サーバ300は、車両100が荷物を配送する前、または荷物を配送した後の車両100の走行経路上に帰着地点を決定してもよい。また、本実施形態においては、飛行開始地点と帰着地点とは道路上に決定される。しかしながら、飛行開始地点と帰着地点とは、必ずしも道路上に決定されなくてもよい。例えば、車両100が走行可能な広場等の所定の場所に飛行開始地点と帰着地点とが決定されてもよい。この場合において、車両100の走行経路は、所定の場所を走行するように設定される。
【0038】
<第2実施形態>
本実施形態においては、車両100とドローン200とによって荷物が配送される地域において、ドローン200が車両100からの飛行を開始することと車両100に帰着することとが可能なエリア(以下、「発着可能エリア」と称する場合がある。)が定められている。本実施形態においては、管理サーバ300は、発着可能エリアにさらに基づいて、走行経路、飛行開始地点、および帰着地点を決定する。以下、第1実施形態と異なる点のみ説明する。
【0039】
発着可能エリアは、例えば、ドローン200が安全に車両100に対して発着することができる所定の速度以下で車両100が移動していると想定されるエリアである。この場合、例えば、所定の速度を超える速度で車両100が走行していると想定される道路(例えば、高速道路)上は、ドローン200は、安全に車両100に対して発着することができない。そのため、高速道路上は、発着可能エリアでない場合がある。
【0040】
制御部301は、地図情報DB304に格納されている地図情報から、発着可能エリアを取得する。そして、制御部301は、複数の第1配送先の位置と、第2配送先の位置と、発着可能エリアとに基づいて、走行経路、飛行開始地点、および帰着地点を決定する。
図7は、本実施形態において、管理サーバ300が決定する走行経路、飛行開始地点、および帰着地点の一例を示す図である。
【0041】
ここで、
図7における複数の第1配送先の位置と第2配送先の位置とは、
図5に示す複数の第1配送先の位置と第2配送先の位置と同じである。複数の第1配送先については、第1実施形態と同様に、密集エリア内の配送先が第1配送先として決定される。
【0042】
また、発着可能エリアが
図7に示す範囲に設定されているため、
図5に示す走行経路は、発着可能エリアに含まれていない。そのため、
図5に示す走行経路を車両100が走行した場合、ドローン200は車両100に対して発着することができない。そのため、制御部301は、走行経路が発着可能エリアに含まれるように、走行経路を決定する。そして、走行経路上の地点であって、発着可能エリアに含まれる地点を飛行開始地点と帰着地点として決定する。このように、管理システム1において、飛行可能エリアが定まっている場合であっても、荷物を効率的に配送することが可能となる。
【0043】
(変形例)
なお、本実施形態においては、発着可能エリアは、ドローン200が安全に車両100に対して発着することができる速度で車両100が移動していると想定されるエリアである。しかしながら、発着可能エリアは、ドローン200が安全に車両100に対して発着することができる速度で車両100が移動していると想定されるエリア以外であってもよい。発着可能エリアは、ドローン200が車両100から飛行を開始することが可能となる所定の広さを周囲に有するエリアであってもよい。これにより、ドローン200が発着のために十分な広さを有さないことにより、ドローン200が車両100に対して発着する際に危険が生じることを抑制することが可能となる。
【0044】
また、発着可能エリアは、例えば、車両100が一旦停車することが可能なエリアであ
ってもよい。この場合において、管理サーバ300は、車両100が一旦停止することができる2地点を飛行開始地点と帰着地点とに決定する。このように、車両100が発着可能エリアにおいて一旦停止することによって、ドローン200が安全に車両100に対して発着することが可能となる。
【0045】
<第3実施形態>
第1実施形態においては、管理サーバ300は、密集エリアに基づいて第1配送先と第2配送先とを決定する。一方、本実施形態においては、管理サーバ300は、配送先の高度に基づいて第1配送先と第2配送先を決定する。以下、第1実施形態と異なる点のみ説明する。
【0046】
(管理サーバ)
管理サーバ300における配送先情報DB303に格納されている配送先情報は、配送先の高度に関する情報を含んでいる。具体的には、配送先情報DB303に格納されている配送先情報における配送先フィールドは、配送先の住所に加えて、配送先の高度に関する情報を含んでいる。配送先の高度に関する情報は、例えば、配送先の建物における階層についての情報である。また、配送先の高度に関する情報は、配送先の、標高、海抜、または道路を基準とした高さに関する情報であってもよい。
【0047】
管理サーバ300における制御部301は、各配送先の高度に関する情報にさらに基づいて、荷物を配送する複数の配送先から、複数の第1配送先と複数の第2配送先とを決定する。具体的には、制御部301は、各配送先の高度に関する情報に基づいて、配送先の階層が所定の階層以上である配送先を第2配送先として決定する。また、制御部301は、配送先の階層が所定の階層未満の配送先を第1配送先として決定する。
【0048】
以上説明したように、管理システム1における管理サーバ300によって、配送先の階層が所定の階層以上である配送先が第2配送先として決定される。これにより、建物の上階に存在する配送先に荷物を配送するために車両100の搭乗員が配送先の存在する階層まで移動することが抑制される。その結果、複数の配送先に荷物を配送するのに必要な時間を短縮することが可能となる。このようにしても、荷物の配送を効率的に行うことが可能となる。
【0049】
<その他の実施形態>
上述の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。また、本開示において説明した処理および手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0050】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0051】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、またはハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、またはブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読
み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、または光学式カードのような、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0052】
1・・管理システム
100・・車両
200・・ドローン
300・・管理サーバ
301・・制御部
302・・通信部
303・・配送先情報DB
304・・地図情報DB
310・・プロセッサ
320・・主記憶部
330・・補助記憶部
340・・通信I/F