(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241203BHJP
【FI】
A63F7/02 333A
A63F7/02 320
(21)【出願番号】P 2021182986
(22)【出願日】2021-11-10
【審査請求日】2023-12-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
【審査官】佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-007961(JP,A)
【文献】特開2019-069118(JP,A)
【文献】特開2017-080049(JP,A)
【文献】特開2023-006909(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
遊技に用いられる遊技価値と付与される遊技価値との差分に関するカウンタ値を算出可能であり、
通常状態と、該通常状態よりも有利な特別状態と、に制御可能であり、
前記有利状態の終了後に、前記特別状態に制御可能であり、
前記通常状態に制御されており、かつ可変表示中にカウンタ値が作動値になる場合、遊技の進行を停止する遊技停止制御を行い、
前記有利状態に制御されているときにカウンタ値が作動値になる場合、該有利状態中に前記遊技停止制御を行わず、該有利状態の終了後に前記特別状態に制御することなく前記遊技停止制御を行い、
前記通常状態に制御されており、かつ可変表示中にカウンタ値が作動値になり、前記遊技停止制御が行われる場合、遊技の進行を停止している旨を示す所定メッセージ表示を表示し、
前記有利状態に制御されているときにカウンタ値が作動値になり、該有利状態の終了後に前記遊技停止制御が行われる場合、遊技者に注意を促す注意喚起表示を表示した後、前記所定メッセージ表示を表示し、
前記通常状態に制御されており、かつ可変表示中にカウンタ値が作動値になり前記遊技停止制御が行われる場合に表示される前記所定メッセージ表示と、前記有利状態に制御されているときの所定タイミングにおいてカウンタ値が作動値になり該有利状態の終了後に前記遊技停止制御が行われる場合に表示される前記所定メッセージ表示と、は共通の表示であり、
前記遊技停止制御が行われているときに電源断が発生して初期化を伴わない電源投入がされた場合に、該遊技停止制御は終了せず、
前記遊技停止制御が行われているときに電源断が発生して初期化を伴う電源投入がされた場合に、該遊技停止制御は終了し、
前記有利状態に制御されており、カウンタ値が作動値となっているときに電源断が発生して電源投入がされた場合に、該有利状態で復旧し、該有利状態の終了後に前記特別状態に制御することなく前記遊技停止制御を行
い、
前記遊技停止制御が行われている場合に、遊技用装置から記憶媒体を返却することに関する第1制御と、遊技用装置から出力される信号にもとづく遊技価値の付与に関する第2制御と、を実行可能とした、遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機には、有利区間におけるゲーム数が1500ゲームに到達したことや、付与された遊技価値の純増枚数が上限値を超えた場合(所定条件が成立した場合)において、遊技の進行を停止する遊技停止状態に制御可能なものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1にあっては、遊技の進行を停止する遊技停止状態に制御可能な遊技機として商品性を高める余地があるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、遊技停止状態に制御可能な遊技機であって、商品性を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の遊技機は、
遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
遊技に用いられる遊技価値と付与される遊技価値との差分に関するカウンタ値を算出可能であり、
通常状態と、該通常状態よりも有利な特別状態と、に制御可能であり、
前記有利状態の終了後に、前記特別状態に制御可能であり、
前記通常状態に制御されており、かつ可変表示中にカウンタ値が作動値になる場合、遊技の進行を停止する遊技停止制御を行い、
前記有利状態に制御されているときにカウンタ値が作動値になる場合、該有利状態中に前記遊技停止制御を行わず、該有利状態の終了後に前記特別状態に制御することなく前記遊技停止制御を行い、
前記通常状態に制御されており、かつ可変表示中にカウンタ値が作動値になり、前記遊技停止制御が行われる場合、遊技の進行を停止している旨を示す所定メッセージ表示を表示し、
前記有利状態に制御されているときにカウンタ値が作動値になり、該有利状態の終了後に前記遊技停止制御が行われる場合、遊技者に注意を促す注意喚起表示を表示した後、前記所定メッセージ表示を表示し、
前記通常状態に制御されており、かつ可変表示中にカウンタ値が作動値になり前記遊技停止制御が行われる場合に表示される前記所定メッセージ表示と、前記有利状態に制御されているときの所定タイミングにおいてカウンタ値が作動値になり該有利状態の終了後に前記遊技停止制御が行われる場合に表示される前記所定メッセージ表示と、は共通の表示であり、
前記遊技停止制御が行われているときに電源断が発生して初期化を伴わない電源投入がされた場合に、該遊技停止制御は終了せず、
前記遊技停止制御が行われているときに電源断が発生して初期化を伴う電源投入がされた場合に、該遊技停止制御は終了し、
前記有利状態に制御されており、カウンタ値が作動値となっているときに電源断が発生して電源投入がされた場合に、該有利状態で復旧し、該有利状態の終了後に前記特別状態に制御することなく前記遊技停止制御を行い、
前記遊技停止制御が行われている場合に、遊技用装置から記憶媒体を返却することに関する第1制御と、遊技用装置から出力される信号にもとづく遊技価値の付与に関する第2制御と、を実行可能とした、
ことを特徴としている。
【0007】
尚、本発明は、本発明の請求項に記載された発明特定事項のみを有するものであって良いし、本発明の請求項に記載された発明特定事項とともに該発明特定事項以外の構成を有するものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。
【
図3】払出制御基板の回路構成を示すブロック図である。
【
図8】変動パターン判定テーブルを示す説明図である。
【
図9】(A)は表示結果判定テーブルを示す説明図であり、(B)、(C)は大当り種別判定テーブルを示す説明図であり、(D)は大当り種別の説明図である。
【
図10】特別可変入賞球装置の構造を示す概略図である。
【
図11】特別可変入賞球装置の開放パターンの説明図である。
【
図12】遊技制御用データ保持エリアを示す説明図である。
【
図13】(A)は演出制御用データ保持エリアを示す説明図であり、(B)は始動入賞時受信コマンドバッファを示す説明図である。
【
図16】遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
【
図17】遊技制御用タイマ割込処理を示すフローチャートである。
【
図18】電源断検出処理を示すフローチャートである。
【
図19】遊技停止監視処理を示すフローチャートである。
【
図20】特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【
図21】始動入賞判定処理を示すフローチャートである。
【
図22】入賞時乱数値判定処理を示すフローチャートである。
【
図23】特別図柄通常処理を示すフローチャートである。
【
図24】変動パターン判定処理を示すフローチャートである。
【
図25】特別図柄停止処理を示すフローチャートである。
【
図26】大当り終了処理を示すフローチャートである。
【
図27】遊技停止処理を示すフローチャートである。
【
図29】(A)はエラーが発生した場合の説明図であり、(B)はMYカウンタ値が規定値に到達した場合の説明図である。
【
図30】(A)は遊技制御基板から払出制御基板に対して出力される制御信号の内容の一例を示す説明図であり、(B)は遊技制御基板と払出制御基板との間で送受信される制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
【
図31】制御信号および制御コマンドの送受信に用いられる信号線等を示すブロック図である。
【
図32】通常動作時における遊技制御用マイクロコンピュータと払出制御用マイクロコンピュータとの信号の送受信を示すシーケンス図である。
【
図33】払出制御メイン処理を示すフローチャートである。
【
図34】払出制御タイマ割込処理を示すフローチャートである。
【
図35】カードユニットとパチンコ遊技機との間の通信を説明するためのタイミング図である。
【
図36】通常動作時における遊技制御用マイクロコンピュータと払出制御用マイクロコンピュータとの信号の送受信を示すタイミング図である。
【
図37】演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
【
図38】演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【
図39】先読予告設定処理を示すフローチャートである。
【
図40】先読み予告演出の実行の有無と各表示パターンの決定割合の説明図である。
【
図41】遊技停止示唆演出処理を示すフローチャートである。
【
図42】右打ち促進表示処理を示すフローチャートである。
【
図43】可変表示開始設定処理を示すフローチャートである。
【
図44】予告演出決定処理を示すフローチャートである。
【
図45】予告演出の実行の有無及び各演出パターンの決定割合の説明図である。
【
図46】特図当り待ち処理を示すフローチャートである。
【
図47】エンディング演出処理を示すフローチャートである。
【
図48】遊技停止演出処理を示すフローチャートである。
【
図49】図柄確定期間中演出、エンディング演出、遊技停止演出の実行期間及び演出内容の説明図である。
【
図50】第2図柄確定期間中演出を示すタイミングチャートである。
【
図51】エンディング演出を示すタイミングチャートである。
【
図52】遊技停止演出を示すタイミングチャートである。
【
図53】大当り遊技開始時の表示態様を示す説明図である。
【
図54】時短状態または確変状態から通常状態に制御されるときの表示態様を示す説明図である。
【
図55】遊技停止示唆演出の表示態様を示す説明図である。
【
図56】遊技停止示唆演出の表示態様を示す説明図である。
【
図57】遊技停止状態に制御されるときの表示態様を示す説明図である。
【
図58】遊技停止状態に制御されるときの表示態様を示す説明図である。
【
図59】客待ちデモ演出の表示態様を示す説明図である。
【
図60】変形例としての遊技停止演出の表示態様を示す説明図である。
【
図61】変形例としての第2図柄確定期間中演出の表示態様を示す説明図である。
【
図62】変形例としての度数表示LEDの表示態様を示す説明図である。
【
図63】変形例としての表示モニタの表示態様を示す説明図である。
【
図64】変形例としての遊技制御用マイクロコンピュータと払出制御用マイクロコンピュータとの信号の送受信を示すタイミング図である。
【
図65】遊技停止状態においてパチンコ遊技機を起動させるときの表示態様を示す説明図である。
【
図66】変形例における表示結果判定テーブルを示す説明図である。
【
図67】(A)は変形例におけるエラーが発生した場合の説明図であり、(B)は変形例におけるMYカウンタ値が規定値に到達した場合の説明図であり、(C)は変形例における設定変更状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る遊技機を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【0010】
形態1の遊技機は、
遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段(例えば、CPU103が
図17に示す少旧処理を実行する部分)と、
前記遊技価値付与手段により付与された遊技価値にもとづく所定条件(例えば、MYカウンタ値が98194に達すること)が成立した場合に、遊技の進行が停止される遊技停止状態に制御可能な遊技停止制御手段(例えば、CPU103が
図17に示す遊技停止処理を実行する部分)と、
前記有利状態とは異なる状態であって遊技者にとって有利な特別状態(例えば、時短状態や確変状態)と、前記有利状態とは異なる状態であって前記特別状態よりも遊技者にとって有利ではない非特別状態(例えば、通常状態)と、に制御可能な状態制御手段(例えば、CPU103が
図20に示す特別図柄プロセス処理を実行する部分)と、
前記特別状態を含む有利期間が終了するときに前記遊技価値付与手段により付与された遊技価値に関する情報(例えば、賞球カウンタの値)を付与情報表示として表示可能な付与情報表示手段(例えば、
図54に示すように、演出制御用CPU120が、第2図柄確定期間演出として賞球カウンタの値を表示する部分)と、
前記有利状態終了後の特別期間において、前記特別状態に制御されることを報知する特別報知演出を実行可能な特別報知演出実行手段(例えば、
図51及び
図53に示すように、演出制御用CPU120が、大当り遊技終了後の20秒間に亘ってエンディング演出として時短状態や確変状態に制御される旨を表示する部分)と、
を備え、
前記付与情報表示手段は、前記有利状態に制御されているときに前記所定条件が成立した場合に、前記特別期間において前記付与情報表示を表示可能である(例えば、
図52及び
図56に示すように、大当り遊技中にMYカウンタ値が98194に達した場合、演出制御用CPU120が、該大当り遊技終了後に遊技停止演出として賞球カウンタの値を表示する部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技停止状態に制御可能な遊技機の商品性を高めることができる。
【0011】
形態2の遊技機は、
前記付与情報表示手段は、
前記遊技停止状態に制御されているときに前記付与情報表示を表示可能であり(例えば、
図57や
図58に示すように、遊技停止演出として賞球カウンタの値が表示される部分)、
前記遊技停止状態に制御されているときは、前記付与情報表示に加えて該遊技機の設置されている遊技場の従業員を呼び出すよう促す呼び出し促進表示を表示する(例えば、変形例005SG-1として
図60に示すように、遊技停止演出として、賞球カウンタの値を表示した後、該賞球カウンタの値に加えてパチンコ遊技機1が設置されている遊技場の従業員を呼ぶように促す表示を行う部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技停止状態に制御されるまでに付与された遊技価値に関する情報を遊技者に認識させて遊技興趣を向上させることができるとともに、遊技停止状態に制御されたことに対して遊技者に遊技場の従業員を呼び出すよう促すことにより、遊技場の従業員が該遊技停止状態に制御された遊技機に対して対処し易くできる。
【0012】
形態3の遊技機は、
発光可能な発光手段(例えば、遊技効果ランプ9)を備え、
前記有利期間は、前記所定条件が成立した場合(例えば、MYカウンタ値が98194に達した場合)と該所定条件とは異なる特別条件が成立した場合(例えば、時短状態や確変状態において、大当り遊技状態に制御されることなく100回の可変表示が実行された場合)に終了する期間であり、
前記付与情報表示は、前記所定条件の成立にもとづいて前記有利期間が終了する場合に第1期間に亘って表示される第1付与情報表示(例えば、
図52に示すように、MYカウンタ値が98194に達したことにもとづいて、第1遊技停止演出として15秒間に亘って賞球カウンタ値が表示される部分)と、前記特別条件の成立にもとづいて前記有利期間が終了する場合に前記第1期間よりも短い第2期間に亘って表示される第2付与情報表示(例えば、
図50に示すように、時短状態や確変状態において、大当り遊技状態に制御されることなく100回の可変表示が実行されたことにもとづいて、10秒間に亘って第2図柄確定期間中演出として賞球カウンタの値が表示される部分)と、を含み、
前記第2付与情報表示が表示される場合は、前記第2期間に亘って前記発光手段が所定パターンにて発光され(例えば、
図50に示すように、第2図柄確定期間中演出においては、10秒間に亘って周期T1にて遊技効果ランプの点滅が実行される部分)、
前記第1付与情報表示が表示される場合は、前記第2期間に亘って前記発光手段が前記所定パターンにて発光された後、前記第1期間が経過するまで前記発光手段が前記所定パターンにて発光される(例えば、
図52に示すように、遊技停止演出においては、第1遊技停止演出として10秒間に亘って周期T1にて遊技効果ランプ9の点滅が実行された後、パチンコ遊技機1の周期T1にて遊技効果ランプ9の点滅が継続される部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1付与情報表示が表示される場合と第2付与情報が表示される場合とで発光手段を共通の所定パターンにて発光させることによって、発光手段を発光させるためのデータを第1付与情報表示が表示される場合と第2付与情報が表示される場合とで流用することができるので、第1付与情報表示が表示される場合と第2付与情報が表示される場合とで各付与情報表示の表示期間を異ならせつつ遊技機の製造コストを低減することができる。
【0013】
形態4の遊技機は、
遊技媒体を第1経路(例えば、左遊技領域2L)または該第1経路とは異なる第2経路(例えば、右遊技領域2R)に流下させることで遊技可能な遊技機であって、
前記有利期間は、前記所定条件が成立した場合と該所定条件とは異なる特別条件が成立した場合に終了する期間であり(例えば、連荘状態は、MYカウンタ値が98194に達することと、時短状態や確変状態において大当り遊技状態に制御されることなく100回の可変表示が実行されることによって終了する部分)、
前記非特別状態は、遊技媒体を前記第1経路に流下させることで遊技媒体を前記第2経路に流下させるよりも遊技者にとって有利となる状態であり(例えば、通常状態は、遊技球を左遊技領域2Lに向けて打ち出すことによって、遊技球を右遊技領域2Rに向けて打ち出すよりも遊技者にとって有利な遊技状態である部分)、
前記第1経路への遊技媒体の流下を促す第1経路流下促進演出を実行可能な第1経路流下促進演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120が
図38に示す左打ち促進表示処理を実行する部分)を備え、
前記付与情報表示手段は、前記有利期間が前期所定条件の成立にもとづいて終了するときと、前記有利期間が前期特別条件の成立にもとづいて終了するときとで、異なる態様で前記付与情報を表示可能であり(例えば、
図54(C)、
図57(F)に示すように、MYカウンタ値が98194に達したことにより第1遊技停止演出として賞球カウンタの値が表示される場合と、時短状態や確変状態において大当り遊技状態に制御されることなく100回の可変表示が実行されたことにより第2図柄確定期間中演出として賞球カウンタの値が表示される場合とで表示態様が異なる部分)、
前記第1経路流下促進演出実行手段は、
前記特別条件の成立にもとづいて前記有利期間が終了する場合は、前記第1経路流下促進演出を実行し(例えば、
図54に示すように、時短状態や確変状態において大当り遊技状態に制御されることなく100回の可変表示が実行された場合は、通常状態に制御された際に左打ち促進表示が表示される部分)、
前記所定条件の成立にもとづいて前記有利期間が終了する場合は、前記第1経路流下促進演出を実行しない(例えば、
図57や
図58に示すように、MYカウンタ値が98194に達した場合は、左打ち促進表示が表示されない部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、状況に応じて好適に付与情報表示を表示することができる。また、付与情報表示後に移行する状態に応じて適切に第1経路流下促進演出を実行することができる。
【0014】
形態5の遊技機は、
前記有利期間は、遊技媒体を前記第2経路に流下させることで遊技媒体を前記第1経路に流下させるよりも遊技者にとって有利となる状態であり(例えば、大当り遊技状態、時短状態、確変状態を含む連荘状態では、遊技球を右遊技領域2Rに向けて打ち出すことによって、遊技球を左遊技領域2Lに向けて打ち出すよりも遊技者にとって有利な遊技状態である部分)、
前記付与情報表示は、前記所定条件の成立にもとづいて表示される第1付与情報表示(例えば、
図52に示すように、MYカウンタ値が98194に達したことにもとづいて、第1遊技停止演出として15秒間に亘って賞球カウンタ値が表示される部分)と、前記特別条件の成立にもとづいて表示される第2付与情報表示(例えば、
図50に示すように、時短状態や確変状態において、大当り遊技状態に制御されることなく100回の可変表示が実行されたことにもとづいて、第2図柄確定期間中演出として賞球カウンタの値が表示される部分)と、を含み、
前記第2経路への遊技媒体の流下を促す第2経路流下促進演出を実行可能な第2経路流下促進演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120が
図38に示す右打ち促進表示処理を実行する部分)を備え、
前記第2経路流下促進演出実行手段は、前記第2付与情報表示が表示されているときに前記第2経路流下促進演出を実行可能である一方で、前記第1付与情報表示が表示されているときは前記第2経路流下促進演出の実行を制限する(例えば、
図50、
図52、
図54、
図57、
図58に示すように、第2図柄確定期間中演出として賞球カウンタの値が表示されているときは右打ち促進表示が表示されている一方で、第1遊技停止演出として賞球カウンタの値が表示されているときは右打ち促進表示が表示されない部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第2付与情報表示が表示される場合は遊技停止状態に制御されるので、第2付与情報表示が表示されているときに第2経路流下促進演出の実行を制限することで、遊技停止状態における第2経路への遊技媒体の流下を防ぐことができる。
【0015】
形態6の遊技機は、
実行条件の成立(例えば、第1始動入賞口や第2始動入賞口への遊技球の入賞)にもとづいて可変表示を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
前記付与情報表示は、前記所定条件の成立にもとづいて表示される第1付与情報表示(例えば、
図52に示すように、MYカウンタ値が98194に達したことにもとづいて、第1遊技停止演出として15秒間に亘って賞球カウンタ値が表示される部分)と、前記特別条件の成立にもとづいて表示される第2付与情報表示(例えば、
図50に示すように、時短状態や確変状態において、大当り遊技状態に制御されることなく100回の可変表示が実行されたことにもとづいて、第2図柄確定期間中演出として賞球カウンタの値が表示される部分)と、を含み、
未だ実行されていない可変表示に関する情報を保留記憶として記憶可能な記憶手段(例えば、
図12に示す遊技制御用データ保持エリア005SG150)と、
前記記憶手段に記憶されている保留記憶に前記有利状態に制御される可変表示に応じた保留記憶が含まれていることを示唆する特殊示唆演出を実行可能な特殊示唆演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120が変形例005SG-2として
図61に示す復活報知演出を実行する部分)と、
を備え、
前記特殊示唆演出実行手段は、
前記第2付与情報表示の表示に関連して前記特殊示唆演出を実行可能であり(例えば、
図61(D)に示すように、第2図柄確定期間中演出において復活報知演出を実行可能な部分)、
前記第1付与情報表示の表示に関連して前記特殊示唆演出を実行しない(例えば、
図61(D)に示すように、遊技停止演出において復活報知演出を実行しない部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1付与情報が表示される場合は遊技停止状態に制御されるため、第1付与情報表示の表示に関連して特殊示唆演出を実行しないことにより、有利状態に制御されないことによる遊技者の遊技興趣の低下を防ぐことができる。
【0016】
形態7の遊技機は、
前記特別状態は、第1特別状態(例えば、時短状態)と、該第1特別状態よりも遊技者にとって有利な第2特別状態(例えば、確変状態)と、を含み、
前記付与情報表示手段は、前記第1特別状態において前記所定条件が成立した場合と、前記第2特別状態において前記所定条件が成立した場合とで、共通の態様で前記付与情報表示を表示可能である(例えば、
図57(E)~
図57(H)に示すように、遊技状態が時短状態であるときにMYカウンタ値が98194に達した場合と、遊技状態が確変状態であるときにMYカウンタ値が98194に達した場合とで、同一態様にて遊技停止演出が実行される部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1特別状態において所定条件が成立した場合と第2特別状態において所定条件が成立した場合とで付与情報を表示するために使用するデータを共通化することができるので、遊技機の製造コストを低減できる。
【0017】
形態8の遊技機は、
前記非特別状態は、前記特別状態を含む前記有利期間よりも付与される遊技価値の大きさが小さい状態であり(例えば、通常状態は遊技球が第1始動入賞口と一般入賞口10のみに入賞可能である一方で、大当り遊技状態、時短状態、確変状態を含む連荘状態は、遊技球が大入賞口、第2始動入賞口に入賞可能であることにより通常状態よりも払い出される遊技球数が多い部分)、
前記付与情報表示手段は、前記非特別状態において前記所定条件が成立した場合は、前記付与情報表示を表示しない(例えば、
図57(A)~
図57(B)に示すように、通常状態においてMYカウンタ値が98194に達した場合の第1遊技停止演出においては、賞球カウンタの値が表示されない部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、非特別状態は特別状態を含む有利期間よりも付与される遊技価値の大きさが小さいので、非特別状態において所定条件が成立した場合に付与情報表示を表示しないことによって遊技者の遊技興趣の低下を防ぐことができる。
【0018】
形態9の遊技機は、
前記遊技停止状態に制御されることを報知する遊技停止報知演出(例えば、遊技停止演出)を実行可能な遊技停止報知演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120が
図38に示す遊技停止演出処理を実行する部分)を備え、
前記特別状態は、第1特別状態(例えば、時短状態)と、該第1特別状態よりも遊技者にとって有利な第2特別状態(例えば、確変状態)と、を含み、
前記遊技停止報知演出実行手段は、前記第1特別状態において前記所定条件が成立した場合と、前記第2特別状態において前記所定条件が成立した場合とで、共通の態様で前記遊技停止報知演出を実行可能である(例えば、
図57(E)~
図57(H)に示すように、遊技状態が時短状態であるときにMYカウンタ値が98194に達した場合と、遊技状態が確変状態であるときにMYカウンタ値が98194に達した場合とで、同一の態様にて遊技停止演出が実行される部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1特別状態において所定条件が成立した場合と第2特別状態において所定条件が成立した場合とで遊技停止報知演出を実行するために使用するデータを共通化することができるので、遊技機の製造コストを低減できる。
【0019】
形態10の遊技機は、
前記遊技停止報知演出実行手段は、前記特別状態において前記所定条件が成立した場合と、前記非特別状態において前記所定条件が成立した場合とで、異なる態様で前記遊技停止報知演出を実行可能である(例えば、
図57(A)~
図57(H)に示すように、遊技状態が通常状態であるときにMYカウンタ値が98194に達した場合と、遊技状態が時短状態や確変状態であるときにMYカウンタ値が98194に達した場合とで、異なる態様にて遊技停止演出が実行される部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、所定条件が成立した状態に応じて好適に遊技停止報知演出を実行することができるので、遊技興趣を向上できる。
【0020】
形態11の遊技機は、
前記特別状態は、第1特別状態(例えば、時短状態)と、該第1特別状態よりも遊技者にとって有利な第2特別状態(例えば、確変状態)と、を含み、
前記所定条件が成立するよりも前に特定条件が成立したこと(例えば、MYカウンタ値が95001に達したこと)にもとづいて前記遊技停止状態に制御されることを示唆する遊技停止示唆演出(例えば、遊技停止示唆演出)を実行可能な遊技停止示唆演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120が
図38に示す遊技停止示唆演出処理を実行する部分)を備え、
前記遊技停止示唆演出実行手段は、前記第1特別状態において前記特定条件が成立した場合と、前記第2特別状態において前記特定条件が成立した場合とで、共通の態様で前記遊技停止示唆演出を実行可能である(例えば、
図55(D)~
図55(F)に示すように、遊技状態が時短状態であるときにMYカウンタ値が95001に達した場合と、遊技状態が確変状態であるときにMYカウンタ値が95001に達した場合とで、同一態様で遊技停止示唆演出が実行される部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1特別状態において特定条件が成立した場合と第2特別状態において特定条件が成立した場合とで遊技停止示唆演出を実行するために使用するデータを共通化することができるので、遊技機の製造コストを低減できる。
【0021】
形態12の遊技機は、
前記遊技停止示唆演出実行手段は、前記特別状態において前記所定条件が成立した場合と、前記非特別状態において前記所定条件が成立した場合とで、異なる態様で前記遊技停止示唆演出を実行可能である(例えば、
図55(A)~
図55(F)に示すように、遊技状態が通常状態であるときにMYカウンタ値が95001に達した場合と、遊技状態が時短状態や確変状態であるときにMYカウンタ値が95001に達した場合とで、異なる態様で遊技停止示唆演出が実行される部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、所定条件が成立した状態に応じて好適に遊技停止示唆演出を実行することができるので、遊技興趣を向上できる。
【0022】
形態13の遊技機は、
実行条件の成立(例えば、第1始動入賞口や第2始動入賞口への遊技球の入賞)にもとづいて可変表示を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
未だ実行されていない可変表示に関する情報を保留記憶として記憶可能な記憶手段(例えば、
図12に示す遊技制御用データ保持エリア005SG150)と、
前記記憶手段に記憶されている保留記憶に前記有利状態に制御される可変表示に応じた保留記憶が含まれていることを報知する特殊報知演出(例えば、先読み予告演出として保留表示が「V」の字で表示される部分)を実行可能な特殊報知演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120が
図38に示す先読予告設定処理を実行する部分)と、
を備え、
前記特殊報知演出実行手段は、前記所定条件が成立する前の所定期間において、前記記憶手段に記憶されている保留記憶に前記有利状態に制御される可変表示に応じた保留記憶が複数含まれている場合は、前記特殊報知演出の実行を制限する(例えば、
図40(B)に示すように、MYカウンタ値が95001以上(95001~98194)かつ大当りとなる保留記憶が2個以上ある場合については、保留表示を「V」の字で表示する表示パターンγの決定割合が0%に設定されている部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、特殊報知演出が実行されたにもかかわらず、複数回有利状態に制御されるよりも前に遊技停止状態に制御されることによる遊技興趣の低下を防ぐことができる。
【0023】
形態14の遊技機は、
可変表示の実行中において前記有利状態に制御されることを示唆する有利状態示唆演出(例えば、予告演出)を実行可能な有利状態示唆演出実行手段を備え(例えば、演出制御用CPU120が
図43に示す予告演出決定処理を実行した後に
図38に示す可変表示中演出処理を実行する部分)、
前記有利状態示唆演出は、第1有利状態示唆演出(例えば、
図45に示すように、演出パターンXや演出パターンYの予告演出)と、該第1有利状態示唆演出よりも前記有利状態に制御される割合が高いことを示唆する第2有利状態示唆演出(例えば、
図45に示すように、演出パターンZの予告演出)と、を含み、
前記有利状態示唆演出実行手段は、前記所定条件が成立する前の特定期間において、前記第2有利状態示唆演出の実行を制限する(例えば、MYカウンタ値が95001~98194である場合は、演出パターンZの決定割合が0%に設定されている部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、例えば、可変表示中に第2有利状態示唆演出が実行されたにもかかわらず、該可変表示中において所定条件が成立したことにより有利状態に制御されるよりも前に遊技停止状態制御されるといった事象の発生による遊技興趣の低下を防ぐことができる。
【0024】
形態15の遊技機は、
前記所定条件は、第1所定条件と、該第1所定条件とは異なる第2所定条件と、を含み、
前記遊技停止制御手段は、
前記非特別状態に制御されているときに、前記遊技価値付与手段により付与された遊技価値が特定値に到達したことを前記第1所定条件が成立したとして、前記遊技停止状態に制御可能であり(例えば、
図55(A)~
図55(C)に示すように、遊技状態が通常状態であるときにMYカウンタ値が98194に達したことにもとづいて、パチンコ遊技機1における遊技が停止される部分)、
前記有利期間内の前記有利状態において前記遊技価値付与手段により付与された遊技価値が前記特定値に到達したことを前記第2所定条件が成立したとして、該有利状態の終了後に前記遊技停止状態に制御可能である(例えば、
図56に示すように、大当り遊技中においてMYカウンタ値が98194に達した場合は、該大当り遊技の終了後にパチンコ遊技1における遊技が停止される部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1所定条件と第2所定条件とのどちらの所定条件が成立したかに応じて好適に遊技停止状態制御することができる。
【0025】
形態16の遊技機は、
遊技媒体に関する処理を実行可能な遊技用装置(例えば、払出制御基板21TM037やカードユニット21TM050)から出力される信号を受信可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
前記遊技用装置から出力される信号にもとづいて遊技媒体を付与可能な遊技媒体付与手段を備え(例えば、払出制御基板21TM037が、PRDY信号がON状態であり、かつ、BRDY信号及びBRQ信号が何れもON状態であることに基づいて払出モータ21TM289を駆動し、所定個(例えば125個)の貸し球を遊技者に払い出す部分)、
遊技媒体付与手段は、記遊技停止状態に制御されているときに、前記遊技用装置から出力される信号にもとづく遊技媒体の付与を制限する(例えば、変形例005SG-5として、
図64に示すように、パチンコ遊技機1において遊技が停止された場合、主基板11からの接続確認信号の出力を停止することによって、遊技者により球貸スイッチ21TM062が操作されても新たな遊技球の貸し出しを実行しないようにする部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技停止状態に制御されているときに、遊技用装置から出力される信号にもとづいて遊技媒体の付与に関して適切な制御を行うことができる。
【0026】
形態17の遊技機は、
前記遊技用装置から出力される信号にもとづいて遊技媒体の付与に関する第1処理(例えば、払出制御用CPU21TM371が
図34に示す賞球球貸し制御処理を実行する部分)と、遊技媒体に関する情報が記憶された記憶媒体を返却する返却操作に関する第2処理(例えば、払出制御用CPU21TM371が
図34に示すプリペイドカードユニット制御処理を実行する部分)と、を少なくとも含む特定処理を実行可能な特定処理実行手段(例えば、払出制御用CPU21TM371が
図34に示す払出制御タイマ割込処理を実行する部分)を備え、
前記特定処理実行手段は、前記遊技停止状態において、前記第1処理の実行は制限するが前記第2処理の実行は制限しない(例えば、変形例005SG-5に示すように、パチンコ遊技機1において遊技停止となった場合には、主基板11からの接続確認信号の出力を停止することによって新たな遊技球の貸し出しを実行しない一方で、返却スイッチ21TM063の操作によるプリペイドカードの遊技者への返却は実行可能とする部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技停止状態において記憶媒体が返却されないことによるトラブルの発生を未然に防ぐことができる。
【0027】
形態18の遊技機は、
前記遊技媒体付与手段によって付与可能な遊技媒体数に関連した遊技媒体関連表示(例えば、プリペイドカードの残高の表示)を表示可能な遊技媒体関連表示表示手段(例えば、度数表示LED21TM060)を備え、
前記遊技停止状態に制御されているときと前記遊技停止状態に制御されていないときとでは、前記遊技媒体関連表示が異なる態様で表示される(例えば、変化例005SG-3として
図62に示すように、パチンコ遊技機1において遊技可能な状態では、度数表示LED21TM060においてプリペイドカードの残金に応じた数値を表示し、パチンコ遊技機1において遊技が停止されている状態では、度数表示LED21TM060において遊技不能となったことを示す表示を行う部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、技媒体関連表示表示手段に表示される遊技媒体関連表示の態様によって遊技停止状態に制御されているか否かを遊技者に対して分かり易く認識させることができる。
【0028】
形態19の遊技機は、
遊技媒体に関する処理を実行可能な遊技用装置(例えば、払出制御基板21TM037やカードユニット21TM050)から出力される信号を受信可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
前記遊技用装置から出力される信号にもとづいて遊技媒体を付与可能な遊技媒体付与手段(例えば、払出制御基板21TM037が、PRDY信号がON状態であり、かつ、BRDY信号及びBRQ信号が何れもON状態であることに基づいて払出モータ21TM289を駆動し、所定個(例えば125個)の貸し球を遊技者に払い出す部分)を備え、
前記遊技用装置から出力される信号にもとづいて遊技媒体の付与に関する第1処理(例えば、払出制御用CPU21TM371が
図34に示す賞球球貸し制御処理を実行する部分)と、遊技媒体に関する情報が記憶された記憶媒体を返却する返却操作に関する第2処理(例えば、払出制御用CPU21TM371が
図34に示すプリペイドカードユニット制御処理を実行する部分)と、を少なくとも含む特定処理を実行可能な特定処理実行手段(例えば、払出制御用CPU21TM371が
図34に示す払出制御タイマ割込処理を実行する部分)を備え、
前記特定処理実行手段は、前記遊技停止状態に制御されているときに、前記特定処理を実行可能である(例えば、
図34に示すように、払出制御用CPU21TM371は、パチンコ遊技機1において遊技が停止されているときにおいても払出制御タイマ割込処理が含む各処理を実行可能な部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技停止状態に制御された場合においても記憶媒体の返却が可能となるので、遊技停止状態において記憶媒体が返却されないことによるトラブルの発生を未然に防ぐことができる。また、遊技停止状態において複雑な処理を必要としないので、特定処理において意図しない不具合の発生を抑えることができる。
【0029】
形態20の遊技機は、
前記遊技停止状態に制御されるときであって、前記付与情報表示が表示される際に前記記憶媒体の返却操作に関する返却操作関連表示を表示可能である(例えば、
図53、
図57、
図58に示すように、大当り遊技状態から時短状態や確変状態に制御される場合に、エンディング演出としてプリペイドカードを取り忘れないよう促す旨が表示される部分と、第1遊技停止演出として賞球カウンタの値が表示される場合に、第2遊技停止演出としてプリペイドカードを取り忘れないよう促す旨が表示される部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技停止状態に制御される場合に、遊技者が記憶媒体の返却操作を忘れて当該遊技機から立ち去ってしまうといったトラブルの発生を未然に防ぐことができる。
【0030】
形態21の遊技機は、
前記返却操作関連表示は、前記有利状態から前記特別状態に制御される際(例えば、大当り遊技状態から時短状態や確変状態に制御される際)の第1状況と、前記遊技停止状態に制御されるときであって、前記付与情報表示が表示される際(例えば、第1遊技停止演出として賞球カウンタの値が表示される際)の第2状況と、において表示される表示であって、
前記第1状況で表示される前記返却操作関連表示の態様と、前記第2状況で表示される前記返却操作関連表示の態様とは、少なくとも一部が共通している(例えば、
図53、
図57、
図58に示すように、大当り遊技状態から時短状態や確変状態に制御される際と、第1遊技停止演出として賞球カウンタの値が表示される際とで、プリペイドカードを取り忘れないよう促す旨の表示が同一態様にて表示される部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1状況で表示される返却操作関連表示と、第2状況で表示される返却操作関連表示とで、これら返却操作関連表示を表示するためのデータの少なくとも一部を共通化することができるので、遊技機の製造コストを低減できる。
【0031】
形態22の遊技機は、
前記遊技価値付与手段により付与された遊技価値に関する情報(例えば、役比や連比)を表示可能な情報表示手段(例えば、表示モニタ21TM029)を備え、
前記情報表示手段は、前記遊技停止状態に制御されているときと前記遊技停止状態に制御されていないときとで、異なる態様の表示を行う(例えば、変形例005SG-4として
図63に示すように、パチンコ遊技機1において遊技可能である状態(遊技可能状態)においては、表示モニタ21TM029において連比、役比などの各種入賞情報を表示する一方で、パチンコ遊技機1において遊技が停止された(遊技停止状態となった)場合においては、表示モニタ21TM029において入賞情報とは異なる表示であって遊技不能となったことを示す表示を行う部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、情報表示手段に表示されている表示の態様によって遊技停止状態に制御されているか否かを好適に認識させることができる。
【0032】
形態23の遊技機は、
遊技機への電源投入時に操作可能な操作手段(例えば、クリアスイッチ92)と、
遊技機への電源投入時に前記操作手段が操作されたことにもとづいて遊技機の初期化処理を実行可能な初期化処理実行手段(例えば、CPU103が
図16に示す遊技制御メイン処理におけるステップS8の初期化処理を実行する部分)と、
を備え、
前記初期化処理実行手段は、
前記遊技停止状態に制御されているときに遊技機への電力供給が停止され、その後に遊遊技機への電源投入時に前記操作手段が操作されたことにもとづいて前記初期化処理を実行することで遊技可能な状態に制御可能であり(例えば、パチンコ遊技機1での遊技が停止されているときに該パチンコ遊技機1での電力の供給が停止された後、クリアスイッチ92の操作とともにパチンコ遊技機1に電源が投入されることによって初期化処理が実行され、パチンコ遊技機1において遊技可能となる部分)、
前記遊技停止状態に制御されているときに遊技機への電力供給が停止され、その後に遊遊技機への電源投入時に前記操作手段が操作されなかったことにもとづいて前記遊技停止状態に制御可能であり(例えば、パチンコ遊技機1での遊技が停止されているときに該パチンコ遊技機1での電力の供給が停止された後、クリアスイッチ92の操作をせずにパチンコ遊技機1に電源が投入される場合は、復旧処理が実行されることによって遊技が停止されている状態でパチンコ遊技機1が復旧する部分)、
前記遊技停止状態に制御されているときに遊技機への電力供給が停止され、その後に遊遊技機への電源投入時に前記操作手段が操作されなかったことにもとづいて前記遊技停止状態に制御された場合にエラー報知を実行可能なエラー報知手段を更に備える(例えば、変形例005SG-6として
図65に示すように、パチンコ遊技機1を電断させた後、クリアスイッチ92を操作することなく再度パチンコ遊技機1に電源を投入する(ホットスタートによりパチンコ遊技機1を起動させる)ときは、該起動後のパチンコ遊技機1の画像表示装置5において、該パチンコ遊技機1が未だ遊技が停止されている状態であることや、クリアスイッチ92を操作しつつパチンコ遊技機1に電源を投入するよう促すエラー報知を実行する部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技機への電源投入時に遊技停止状態が継続していることをエラー報知により該遊技機が設定されている遊技場の従業員等に認識させることができるので、遊技機が電源投入時から遊技停止状態のまま放置されてしまう虞を低減できる。
【0033】
形態24の遊技機は、
特定信号(例えばセキュリティ信号)を外部出力可能な特定信号出力手段(例えば、情報出力回路112)を備え、
前記遊技停止状態は、第1遊技停止状態と、該第1遊技停止状態とは異なる第2遊技停止状態と、を含み、
前記遊技停止制御手段は、
前記遊技価値付与手段により付与された遊技価値にもとづく所定条件が成立したことにもとづいて前記第1遊技停止状態に制御可能であり(例えば、MYカウンタ値が98194に達したことによってパチンコ遊技機1での遊技が停止される部分)、
前記所定条件とは異なる条件が成立したことにもとづいて前記第2遊技停止状態に制御可能であり(例えば、遊技停止エラーが発生したことによってパチンコ遊技機1での遊技が停止される部分)、
前記特定信号出力手段は、前記第1遊技停止状態に制御されるときと、前記第2遊技停止状態に制御されるときとで、共通の出力態様で前記特定信号を出力可能である(例えば、
図29に示すように、MYカウンタ値が98194に達した場合と遊技停止エラーが発生した場合とでは、いずれもパチンコ遊技機1への電力の供給が停止されるまで(電源がOFFとなるまで)セキュリティ信号が出力される部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1遊技停止状態に制御されるときと、第2遊技停止状態に制御されるときとで、共通の出力態様で特定信号が出力されることで、遊技機が遊技停止状態に制御されたことを遊技機が設置されている遊技場の従業員等が把握し易くできる。
【0034】
形態25の遊技機は、
第1エラー(例えば、始動口2異常入賞エラー)と該第1エラーよりも重要度の高い第2エラー(例えば、電波エラー、磁石エラー、遊技球誘導蓋作動エラー)とを含む複数のエラーの発生を判定可能なエラー判定手段(例えば、
図17に示すように、CPU103がメイン側エラー処理を実行する部分)を備え、
前記遊技停止制御手段は、前記第2エラーの発生の判定に関連して前記第2遊技停止状態に制御可能であり(例えば、電波エラー、磁石エラー、遊技球誘導蓋作動エラー等の発生によって遊技が停止される部分)、
前記特定信号出力手段は、
前記第1エラーの発生が判定されたときと、前記第2エラーの発生が判定されたときに前記特定信号を出力可能であり(例えば、
図29に示すように、始動口2異常入賞エラー、電波エラー、磁石エラー、遊技球誘導蓋作動エラーが発生したときに、情報出力回路112がセキュリティ信号を出力する部分)、
前記第1エラーの発生が判定されたときと、前記第2エラーの発生が判定されたときとで、異なる期間に亘って前記特定信号を出力可能である(例えば、始動口2異常入賞エラーの発生時はセキュリティ信号が4分間に亘って出力される一方で、電波エラー、磁石エラー、遊技球誘導蓋作動エラーが発生した場合は、パチンコ遊技機1への電力の供給が停止されるまで(電源がOFFとなるまで)セキュリティ信号が出力される部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技機において発生したエラーが第1エラーであるか第2エラーであるかを、遊技機が設置されている遊技場の従業員等が特定信号の出力期間によって判別することが可能となるので、遊技機が設置されている遊技場の従業員等が発生したエラーに対して適切な対処を行うことが可能となる。
【0035】
形態26の遊技機は、
前記有利状態に制御される割合に関する設定が可能な設定手段(例えば、変形例005SG―7に示すように、特定の設定手段の操作により複数の設定値を設定可能とし、いずれの設定値が設定されているかに応じて可変表示結果が大当りとなる割合を異ならせる部分)を備え、
前記遊技停止状態は、前記第1遊技停止状態及び前記第2遊技停止状態とは異なる第3遊技停止状態を更に含み、
前記遊技停止制御手段は、前記第1遊技停止状態及び前記第2遊技停止状態とは異なる条件にもとづいて前記第3遊技停止状態に制御可能であり(例えば、変形例005SG-7に示すように、パチンコ遊技機1を設定変更可能状態とすることでCPU103がパチンコ遊技機1での遊技を停止させる部分)、
前記第3遊技停止状態は、前記設定手段による設定に関する状態であって、
前記特定信号出力手段は、前記第3遊技停止状態に制御されているときに、前記第1遊技停止状態及び前記第2遊技停止状態とは異なる期間に亘って前記特定信号を出力可能である(例えば、
図67(C)に示すように、情報出力回路112は、設定値変更可能状態となってから5秒間に亘ってセキュリティ信号を出力する部分)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、いずれかの遊技停止状態に制御された場合に、該遊技停止状態が設定手段による設定に関する第3遊技停止状態であるか否かを、遊技機が設置されている遊技場の従業員等が特定信号の出力期間によって判別することが可能となるので、第3遊技停止状態を第1遊技停止状態や第2遊技停止状態と誤認されてしまう虞を低減できる。
【0036】
本発明に係る遊技機を実施するための形態を図面に基づいて以下に説明する。以下において、
図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を後方(後面、背面)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。また、フローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」や「005SGS1」と略記したり、「ノーマルリーチ」を「Nリーチ」、「スーパーリーチ」を「SPリーチ」と略記したりする場合がある。
【0037】
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
【0038】
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出または導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
【0039】
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
【0040】
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタおよびスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
【0041】
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲームおよび飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
【0042】
画像表示装置5の画面下部には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示を表示するための表示エリア(第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5U)が設けられている。
【0043】
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
【0044】
遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示装置25Aと第2保留表示装置25Bとが設けられている。第1保留表示装置25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示する。第2保留表示装置25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
【0045】
画像表示装置5の下方には入賞球装置6Aが設けられており、該入賞球装置6Aの右側方には、可変入賞球装置6Bが設けられている。
【0046】
入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、該遊技球が入賞球装置6A内に設けられた第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことにもとづいて、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
【0047】
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、第1ソレノイド81(
図2参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、第2始動入賞口の上方において進退可能な可動片を有し、第1ソレノイド81がオフ状態であるときに可動片が進出することにより、当該可動片の先端が第2始動入賞口の上方を覆い、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、第1ソレノイド81がオン状態であるときに可動片が第2始動入賞口の上方から退避することにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、該遊技球が入賞球装置6A内に設けられた第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことにもとづいて、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、可動片を備えるものに限定されない。
【0048】
遊技盤2の所定位置(
図1に示す例では、遊技領域の左下方3箇所と可変入賞球装置6Bの上方1箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。一般入賞口10に遊技球が進入したときには、該遊技球が一般入賞スイッチ25(
図2参照)によって検出されたことにもとづいて、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0049】
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bとの間には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、第2ソレノイド82(
図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
【0050】
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉711用(特別電動役物用)の第2ソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態(第1状態)として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用の第2ソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態(第2状態)として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
【0051】
大入賞口に遊技球が進入したときには、該遊技球が特別可変入賞球装置7内に設けられた第1カウントスイッチ23によって検出されたことにもとづいて、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口および一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
【0052】
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)への入賞を始動入賞ともいう。
【0053】
尚、詳細は後述するが、本実施例の特別可変入賞球装置7内には、上記した第1カウントスイッチ23に加えて、遊技球を検出可能な第2カウントスイッチ24も設けられている。該第2カウントスイッチ24は、後述する大当り遊技状態において大入賞口に進入した遊技球を検出することによって、該大当り遊技状態後に遊技状態を後述の確変状態(高確高ベース状態)に制御するためのスイッチである。
【0054】
遊技盤2の所定位置(
図1に示す例では、遊技領域の左下方)には、普通図柄表示装置20が設けられている。一例として、普通図柄表示装置20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
【0055】
画像表示装置5の右方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
【0056】
普通図柄表示装置20の下方には、普図保留表示装置25Cが設けられている。普図保留表示装置25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
【0057】
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車および多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。また、該パチンコ遊技機1の背面側には、上記した第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24、一般入賞スイッチ25にて検出された遊技球を更に検出するアウトスイッチ26が設けられており、該アウトスイッチ26にて検出された遊技球はパチンコ遊技機1外に排出されるようになっている(
図4参照)。
【0058】
尚、本実施例における遊技領域は、画像表示装置5の左方に形成された領域であって、遊技球が流下することによってこれら遊技球が一般入賞口10及び入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に入賞可能な左遊技領域2Lと、画像表示装置5の右方に形成された領域であって、遊技球が流下することによってこれら遊技球が、可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口、特別可変入賞球装置7が形成する特別入賞口に入賞可能且つ通過ゲート41を通過可能な右遊技領域2Rと、から構成されている。
【0059】
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられている。遊技機用枠3における画像表示装置5の上方位置にはメインランプ9aが設けられており、該メインランプ9aの左右には、遊技領域を包囲するように枠ランプ9bが設けられている。更に、遊技盤2における特別可変入賞球装置7の近傍位置にはアタッカランプ9cが設けられている。
【0060】
遊技盤2の所定位置(
図1では画像表示装置5の上方位置)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。また、可動体32には、可動体ランプ9d、が設けられている。
【0061】
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
【0062】
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。尚、遊技機用枠3には、上皿とは別に、上皿満タン時に賞球が払い出される払出部(打球供給皿)を設けてもよい。
【0063】
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(
図2参照)により検出される。
【0064】
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(
図2参照)により検出される。
【0065】
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
【0066】
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示装置20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
【0067】
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図はずれ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図はずれ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
【0068】
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
【0069】
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
【0070】
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
【0071】
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄(はずれ図柄、例えば「-」)が停止表示されれば「はずれ」となる。
【0072】
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。
【0073】
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、開放期間(例えば29秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば10個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。前記開放期間は、1ラウンドにおいて大入賞口を開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともいう。このように大入賞口が開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数(10回や4回)に達するまで繰り返し実行可能となっている。
【0074】
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
【0075】
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない大当り種別、または、ほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
【0076】
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態に制御されることがある。
【0077】
時短状態や確変状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態や確変状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
【0078】
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短等)ともいう。
【0079】
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率および特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
【0080】
時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。
【0081】
ここで、本実施例における通常状態は、遊技者が主に左遊技領域2Lに向けて遊技球を打ち出すことによって、これら遊技球の一部が一般入賞口10や始動入賞口に入賞して賞球の払出しや第1特別図柄の可変表示が実行される遊技状態である。また、通常状態は、遊技者が右遊技領域2Rに向けて遊技球を打ち出すことによってこれら遊技球の一部をゲートスイッチ21に検出させることが可能(遊技球の一部がゲート41を通過可能)な遊技状態であるが、時短状態(低確高ベース状態)や確変状態(高確高ベース状態)よりもゲートスイッチ21が遊技球を検出したことにもとづく普図当りの確率が低く、且つ普図当りが発生した場合の第2始動入賞口の開放期間が時短状態や確変状態よりも短く設定されている遊技状態である。また、通常状態は、大当り遊技状態ではないので大入賞口が開放されることはない。以上から、通常状態は、右遊技領域2Rに向けて遊技球を打ち込むよりも左遊技領域2Lに向けて遊技球を打ち込む方が遊技者にとって有利な遊技状態である。
【0082】
一方で、本実施例における時短状態及び確変状態は、遊技者が左遊技領域2Lに向けて遊技球を打ち出すことによって、これら遊技球の一部が一般入賞口10や始動入賞口に入賞して賞球の払出しや第1特別図柄の可変表示が実行される遊技状態であるが、遊技者が右遊技領域2Rに向けて遊技球を打ち出すことによってこれら遊技球の一部をゲートスイッチ21に検出させることが可能(遊技球の一部がゲート41を通過可能)な遊技状態である。ここで、時短状態や確変状態は、通常状態よりも普図当りの確率が高く、且つ普図当りが発生した場合の第2始動入賞口の開放期間が通常状態よりも長く設定されている遊技状態である。つまり、時短状態や確変状態は、通常状態よりも第2始動入賞口に遊技球が入賞し易い遊技状態である。
【0083】
更に、詳細は後述するが、第2始動入賞口に遊技球が入賞した場合の特別図柄の可変表示(第2特別図柄の可変表示)の可変表示結果が大当りとなる場合は、第1始動入賞口に遊技球が入賞した場合の特別図柄の可変表示(第1特別図柄の可変表示)の可変表示結果が大当りとなる場合よりもラウンド数の多い大当り遊技状態に制御される割合及び大当り遊技中に遊技球が第2カウントスイッチ24を通過する割合(大当り遊技終了後に確変状態に制御される割合)が高く設定されている。つまり、時短状態や確変状態は、遊技者が左遊技領域2Lに向けて遊技球を打ち出すよりも右遊技領域2Rに向けて遊技球を打ち出すほうが有利な遊技状態である。
【0084】
尚、
図1に示すように、特別可変入賞球装置7は右遊技領域2Rに設けられていることから、大当り遊技状態において、右遊技領域2Rを流下する遊技球は、左遊技領域2Lを流下する遊技球よりも大入賞口に入賞し易くなっている。つまり、大当り遊技状態は、遊技者が左遊技領域2Lに向けて遊技球を打ち出すよりも右遊技領域2Rに向けて遊技球を打ち出すほうが有利な遊技状態である。
【0085】
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて、または当該表示に代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9の点灯や消灯、可動体32の動作、あるいは、これらの一部または全部を含む任意の演出装置を用いた演出として行われてもよい。
【0086】
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
【0087】
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
【0088】
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
【0089】
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
【0090】
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」(後述するように、大当り遊技中に遊技球の一部が第2カウントスイッチ24にて検出される大当り)である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」(後述するように、大当り遊技中に遊技球の一部が第2カウントスイッチ24にて検出されない大当り)である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
【0091】
特図ゲームの表示結果が「はずれ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチはずれ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチはずれ」となる)ことがある。また、表示結果が「はずれ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチはずれ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチはずれ」となる)こともある。
【0092】
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読予告演出がある。先読予告演出として、可変表示対応表示(保留表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
【0093】
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
【0094】
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。
【0095】
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
【0096】
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば
図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板などといった、各種の基板が配置されている。さらには、電源基板17も搭載されている。各種制御基板は、導体パターンが形成されて電気部品を実装可能なプリント配線板などの電子回路基板だけでなく、電子回路基板に電気部品が実装されて特定の電気的機能を実現するように構成された電子回路実装基板を含む概念である。
【0097】
電源基板17には、電源スイッチ91が接続されており、該電源スイッチ91を操作する(ON状態にする)ことによって、商用電源などの外部電源におけるAC100Vといった交流電源からの電力を、電源基板17から主基板11や演出制御基板12などの各種制御基板を含めた電気部品に供給可能である。電源基板17は、例えば交流(AC)を直流(DC)に変換するための整流回路、所定の直流電圧を特定の直流電圧(例えば直流12Vや直流5Vなど)に変換するための電源回路などを備えている。
【0098】
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、出力回路111、情報出力回路112などを有する。
【0099】
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
【0100】
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、一定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部または一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
【0101】
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
【0102】
I/O105は、例えば各種信号(検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示装置20、第1保留表示装置25A、第2保留表示装置25B、普図保留表示装置25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
【0103】
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、第1カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過または進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過または進入が検出されたことになる。
【0104】
スイッチ回路110には、電源基板17からのリセット信号、電源断信号、クリア信号が取り込まれて遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送される。リセット信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ100などの制御回路を動作停止状態とするための動作停止信号であり、電源監視回路、ウォッチドッグタイマ内蔵IC、システムリセットICのいずれかを用いて出力可能であればよい。電源断信号は、パチンコ遊技機1において用いられる所定電源電圧が所定値を超えるとオフ状態となり、所定電源電圧が所定値以下になった期間が電断基準時間以上まで継続したときにオン状態となる。クリア信号は、例えば電源基板17に設けられたクリアスイッチ92に対する押下操作などに応じてオン状態となる。
【0105】
出力回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、第1ソレノイド81、第2ソレノイド82、第3ソレノイド83をオンする信号など)を、普通電動役物用の第1ソレノイド81や大入賞口扉用の第2ソレノイド82、規制部材712用の第3ソレノイド83に伝送する。尚、情報出力回路112は、ターミナル基板21TM016からセキュリティ信号等の各種の信号の出力を行う。
【0106】
また、主基板11には、
図2及び
図4に示すように、パチンコ遊技機1の背面側から視認可能な表示モニタ21TM029が設けられており、該表示モニタ21TM029に、入賞に関する各種の入賞情報を表示する機能も備えている。尚、表示モニタ21TM029の左側方には表示切替スイッチ21TM030が設けられており、該表示切替スイッチ21TM030の操作によって表示モニタ21TM029に表示されている情報を切り替えることが可能となっている。
【0107】
また、主基板11は、
図4に示すように、透過性を有する合成樹脂材からなる基板ケース21TM201に封入されており、主基板11の中央には表示モニタ21TM029(例えば、7セグメント)が配置され、表示モニタ21TM029の左側には表示切替スイッチ21TM030が配置されている。表示モニタ21TM029及び表示切替スイッチ21TM030は、主基板11を視認する際の正面に配置されている。主基板11は、遊技機用枠3を開放していない状態では視認できないので、主基板11を視認する際の正面とは、遊技機用枠3を開放した状態における遊技盤2の裏面側を視認する際の正面であり、パチンコ遊技機1の正面とは異なる。ただし、主基板11を視認する際の正面とパチンコ遊技機1の正面とが共通するようにしてもよい。
【0108】
また、主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、各入賞口(大入賞口、第2始動入賞口、第1始動入賞口、般入賞口、以下、「進入領域」ともいう)への遊技球の進入数の集計を行い、該集計による連比、役比などの各種の入賞情報が表示モニタ21TM029に表示されるようになっており、これら入賞情報が表示されることで、遊技場に設置後における連比、役比などの各種の入賞情報を確認できる。つまり、パチンコ遊技機1のメーカー側においては、予め定められた頻度で一般入賞口に遊技球が進入するように(試験を通過するように)遊技盤面を設計することが通常である。また、試験を行う際には、あらかじめ定められた頻度で一般入賞口に遊技球が進入しているかが確認される。さらに、パチンコ遊技機1を設置した後においても、どのような調整が行われているか、その調整の結果、設計どおりの頻度で一般入賞口に遊技球が進入しているかが確認される。そこで、本実施例のパチンコ遊技機1では、当該パチンコ遊技機1において、設置後にどのような調整を加えられたかを認識できるようになっている。
【0109】
また、主基板11には、磁気を検出可能な磁気センサ005SG060、電波を検出可能な電波センサ005SG070、大入賞口扉の開放を検出可能な大入賞口扉センサ005SG091、上皿が遊技球で満タンになったことを検出可能な満タンセンサ005SG093、補給球が切れたことを検出可能な球切れセンサ005SG094が接続されている。
【0110】
図3は、払出制御基板21TM037および球払出装置21TM097などの払出に関連する構成要素を示すブロック図である。
図3に示すように、払出制御基板21TM037には、払出制御用CPU21TM371を含む払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が搭載されている。本実施例では、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、1チップマイクロコンピュータであり、少なくともRAMが内蔵されている。払出制御用マイクロコンピュータ21TM370、RAM(図示せず)、払出制御用プログラムを格納したROM(図示せず)およびI/Oポート等は、払出制御基板21TM037を構成する。すなわち、払出制御基板21TM037は、払出制御用CPU21TM371、RAMおよびROMを有する払出制御用マイクロコンピュータ21TM370と、I/Oポートとで実現される。また、I/Oポートは、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に内蔵されていてもよい。
【0111】
球切れスイッチ21TM187、満タンスイッチ21TM048および払出個数カウントスイッチ21TM301からの検出信号は、中継基板21TM072を介して払出制御基板21TM037のI/Oポート21TM372fに入力される。なお、本実施例では、払出個数カウントスイッチ21TM301からの検出信号は、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に入力されたあと、I/Oポート21TM372aおよび出力回路21TM373Bを介して主基板11に出力される。
【0112】
また、払出制御基板21TM037には、
図3に示すように、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠3の開放を検知する遊技機枠開放センサと、遊技盤2の前面を開閉可能に覆うガラス扉枠3aの開放を検知する扉枠開放センサと、を備える遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が接続されており、これらのセンサから出力される検知信号に基づいて、各種の異常(エラー)の発生を判定する機能も備えている。なお、遊技機用枠3の開放が検知されたときの検知信号と、ガラス扉枠3aの開放が検知されたときの検出信号とは、異なる端子に入力されることにより、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、遊技機用枠3の開放状態と、ガラス扉枠3aの開放状態とを、区別して認識可能となっている。
【0113】
また、払出モータ位置センサ21TM295からの検出信号は、中継基板21TM072を介して払出制御基板21TM037のI/Oポート21TM372eに入力される。払出モータ位置センサ21TM295は、払出モータ21TM289の回転位置を検出するための発光素子(LED)と受光素子とによるセンサであり、遊技球が詰まったこと、すなわちいわゆる球噛みを検出するために用いられる。払出制御基板21TM037に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、球切れスイッチ21TM187からの検出信号が球切れ状態を示していたり、満タンスイッチ21TM048からの検出信号が満タン状態を示していると、球払出処理を停止する。
【0114】
さらに、満タンスイッチ21TM048からの検出信号が満タン状態を示していると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、打球発射装置からの球発射を停止させるために、発射基板21TM090に対してローレベルの満タン信号を出力する。発射基板21TM090のAND回路21TM091が出力する発射モータ21TM094への発射モータ信号は、発射基板21TM090から発射モータ21TM094に伝えられる。払出制御用マイクロコンピュータ21TM370からの満タン信号は、発射基板21TM090に搭載されたAND回路21TM091の入力側の一方に入力され、駆動信号生成回路21TM092からの駆動信号(発射モータ21TM094を駆動するための信号であって、電源基板からの電源を供給する役割を果たす信号である。)は、AND回路21TM091の入力側の他方に入力される。そして、AND回路21TM091の発射モータ信号が発射モータ21TM094に入力される。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が満タン信号を出力している間は、発射モータ21TM094への発射モータ信号の出力が停止される。
【0115】
払出制御用マイクロコンピュータ21TM370には、遊技制御用マイクロコンピュータ100とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路21TM380が内蔵されている。本実施例では、遊技制御用マイクロコンピュータ100と 払出制御用マイクロコンピュータ21TM370とは、シリアル通信回路21TM505,21TM380を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ100と 払出制御用マイクロコンピュータ21TM370との間の接続確認を行うために、一定の間隔(例えば1秒)で信号(賞球要求信号、受信ACK信号)をやり取り(送受信)している。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、シリアル通信回路21TM505を介して、一定の間隔で接続確認を行うための信号(この実施の形態における賞球要求信号)を送信し、 払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの賞球要求信号を受信した場合、その旨を通知する信号(受信ACK信号)を遊技制御用マイクロコンピュータ100に送信する。本実施例では、賞球要求信号や受信ACK信号に特定のデータを乗せることにより、賞球要求信号や受信ACK信号を送受信するタイミングにおいて、遊技制御用マイクロコンピュータ100と払出制御用マイクロコンピュータ21TM370との間で特定のデータをやり取りするように構成している。例えば、入賞が発生した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、払い出すべき賞球個数を示すデータを、賞球要求信号の所定ビットを異ならせることにより設定し、当該設定がなされた賞球要求信号を 払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に送信する。そして、 払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、賞球払出動作が終了すると、賞球終了を示すデータを、受信ACK信号の所定ビットを異ならせることにより設定し、当該設定がなされた受信ACK信号を遊技制御用マイクロコンピュータ100に送信する。また、所定のエラー(球貸し、満タン、球切れなどのエラー)が発生した場合には、エラーの内容を示すデータを、受信ACK信号の所定ビットを異ならせることにより設定し、当該設定がなされた受信ACK信号を遊技制御用マイクロコンピュータ100に送信する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100と 払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるシリアル通信による具体的な信号のやり取りについては、
図32、
図35において詳述する。
【0116】
払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、出力ポート21TM372bを介して、賞球払出数を示す賞球情報信号および貸し球数を示す球貸し個数信号をターミナル基板(枠用外部端子基板と盤用外部端子基板とを含む)21TM160に出力する。なお、出力ポート21TM372bの外側に、ドライバ回路が設置されているが、
図3では記載省略されている。
【0117】
また、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、出力ポート21TM372cを介して、7セグメントLEDによるエラー表示用LED21TM374にエラー信号を出力する。さらに、出力ポート21TM372bを介して、点灯/消灯を指示するための信号を賞球LED21TM053および球切れLED21TM054に出力する。なお、払出制御基板21TM037の入力ポート21TM372fには、エラー状態を解除するためのエラー解除スイッチ21TM375からの検出信号が入力される。エラー解除スイッチ21TM375は、ソフトウェアリセットによってエラー状態を解除するために用いられる。
【0118】
さらに、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370からの払出モータ21TM289への駆動信号は、出力ポート21TM372aおよび中継基板21TM072を介して球払出装置21TM097の払出機構部分における払出モータ21TM289に伝えられる。なお、出力ポート21TM372aの外側に、ドライバ回路(モータ駆動回路)が設置されているが、
図3では記載省略されている。
【0119】
遊技機に隣接して設置されているカードユニット21TM050には、カードユニット制御用マイクロコンピュータが搭載されている。また、カードユニット21TM050には、使用可表示ランプ、連結台方向表示装置、カード投入表示ランプおよびカード挿入口が設けられている。インタフェース基板(中継基板)21TM066には、度数表示LED21TM060、球貸し可LED21TM061、球貸スイッチ21TM062および返却スイッチ21TM063が接続される。
【0120】
インタフェース基板21TM066からカードユニット21TM050には、遊技者の操作に応じて、球貸スイッチ21TM062が操作されたことを示す球貸スイッチ信号および返却スイッチ21TM063が操作されたことを示す返却スイッチ信号が与えられる。また、カードユニット21TM050からインタフェース基板21TM066には、プリペイドカードの残高を示すカード残高表示信号および球貸し可表示信号が与えられる。カードユニット21TM050と払出制御基板21TM037の間では、接続信号(VL信号)、ユニット操作信号(BRDY信号)、球貸し要求信号(BRQ信号)、球貸し完了信号(EXS信号)およびパチンコ起動作信号(PRDY信号)が入力ポート21TM372fおよび出力ポート21TM372dを介して送受信される。カードユニット21TM050と払出制御基板21TM037の間には、インタフェース基板21TM066が介在している。よって、接続信号(VL信号)等の信号は、
図9-2に示すように、インタフェース基板21TM066を介してカードユニット21TM050と払出制御基板21TM037の間で送受信されることになる。
【0121】
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、払出制御基板21TM037に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、カードユニット21TM050にPRDY信号を出力する。また、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、電源が投入されると、VL信号を出力する。払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、VL信号の入力状態によってカードユニット21TM050の接続状態/未接続状態を判定する。カードユニット21TM050においてカードが受け付けられ、球貸スイッチ21TM062が操作され球貸スイッチ信号が入力されると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板21TM037にBRDY信号を出力する。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板21TM037にBRQ信号を出力する。
【0122】
そして、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、カードユニット21TM050に対するEXS信号を立ち上げ、カードユニット21TM050からのBRQ信号の立ち下がりを検出すると、払出モータ21TM289を駆動し、所定個の貸し球を遊技者に払い出す。そして、払出が完了したら、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、カードユニット21TM050に対するEXS信号を立ち下げる。その後、カードユニット21TM050からのBRDY信号がオン状態でないことを条件に、遊技制御用マイクロコンピュータ100から払出指令信号を受けると賞球払出制御を実行する。
【0123】
カードユニット21TM050で用いられる電源電圧AC24Vは払出制御基板21TM037から供給される。すなわち、カードユニット21TM050に対する電源基板からの電力供給は、払出制御基板21TM037およびインタフェース基板21TM066を介して行われる。この例では、インタフェース基板21TM066内に配されているカードユニット21TM050に対するAC24Vの電源供給ラインに、カードユニット21TM050を保護するためのヒューズが設けられ、カードユニット21TM050に所定電圧以上の電圧が供給されることが防止される。
【0124】
尚、本実施例における度数表示LED21TM060、球貸し可LED21TM061、球貸スイッチ21TM062、返却スイッチ21TM063は、パチンコ遊技機1における所定位置(例えば、打球供給皿(上皿)の上部)に設置されている。このため、遊技者は、遊技中において視線を遊技領域から下方に移すことによって度数表示LED21TM060、球貸し可LED21TM061の点灯態様から遊技球の借り入れが可能であるか否かや、遊技球の借り入れを行うための残金(プリペイドカードの残高)を認識可能となっている。更に遊技者は、球貸スイッチ21TM062を操作することによって遊技球の借り入れを行うことが可能であるとともに、返却スイッチ21TM063を操作することによって獲得した賞球数や残金が記憶されたプリペイドカードをカードユニット21TM050から受け取り可能となっている。
【0125】
図2に示すように、主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
【0126】
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
【0127】
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
【0128】
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
【0129】
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
【0130】
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
【0131】
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32または当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
【0132】
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
【0133】
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
【0134】
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
【0135】
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
【0136】
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
【0137】
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
【0138】
図5(A)は、本実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。尚、
図4(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
【0139】
図5(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける可変表示の開始を指定する第1可変表示開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける可変表示の開始を指定する第2可変表示開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rで可変表示される飾り図柄(演出図柄ともいう)などの変動パターン(変動時間(可変表示時間))を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。尚、変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
【0140】
コマンド8CXXHは、可変表示結果指定コマンドであり、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する演出制御コマンドである。可変表示結果指定コマンドでは、例えば
図4(B)に示すように、可変表示結果(変動表示結果ともいう)が「はずれ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
【0141】
可変表示結果指定コマンドでは、例えば、
図5(B)に示すように、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「はずれ」となる旨の事前決定結果を示す第1可変表示結果指定コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りA」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2可変表示結果指定コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りB」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3可変表示結果指定コマンドである。コマンド8C03Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りC」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4可変表示結果指定コマンドである。
【0142】
コマンド8FXXHは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rで飾り図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。また、図柄確定コマンドは、図柄確定期間を通知するためのコマンドでもある。例えば、
図5(B)に示すように、コマンド8F00Hは、図柄確定期間が0.5秒であることを指定する第1図柄確定コマンドであり、コマンド8F01Hは、図柄確定期間が10秒であることを指定する第2図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御が行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとし、コマンド9502Hを時短制御と確変制御が行われる遊技状態(高確高ベース状態、確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとする。コマンド96XXHは、エラーが発生したことを通知するエラー通知コマンドである。エラー通知コマンドでは、例えは、発生したエラーに応じて、異なるEXTデータが設定される。
【0143】
コマンドA0XXHは、大当り遊技の開始を示す演出画像の表示を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技の終了時における演出画像の表示を指定する大当り終了指定コマンドである。
【0144】
大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果指定コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果指定コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば、後述する大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」~「10」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
【0145】
コマンドB100Hは、入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
【0146】
コマンドC1XXHは、特図保留記憶数を特定可能とするために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、特図保留記憶数を特定可能とするために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことにもとづいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことにもとづいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したとき(保留記憶数が減少したとき)に、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
【0147】
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。即ち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
【0148】
コマンドC4XXHおよびコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、可変表示結果が「大当り」となるか否か及び大当り種別(確変や非確変や突確)の判定結果および小当りとなることを示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン判定用の乱数値が、「非リーチ」、「スーパーリーチ」、「その他」のいずれの変動パターンとなるかの判定結果を示す変動カテゴリ指定コマンドである。また、コマンドC700Hは、大当り遊技中ではなく、パチンコ遊技機1において特別図柄の可変表示が実行されておらず、保留記憶が存在していない状態である非遊技状態であることにもとづいて、画像表示装置5において客待ちデモンストレーション(客待ちデモ演出)の実行を指定する演出制御コマンドである。
【0149】
コマンドD100Hは、遊技球が第2カウントスイッチ24により検出されて大当り遊技終了後に遊技状態が確変状態に制御されることが決定したこと(V入賞の発生)を通知するV入賞通知コマンドである。
【0150】
コマンドD3XXHは、遊技球が第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第1カウントスイッチ23、一般入賞スイッチ25等にて検出されたことにもとづき払い出される賞球数を通知する賞球数通知コマンドである。
【0151】
コマンドE0XXHは、パチンコ遊技機1がクリアスイッチ92の操作とともに起動してから払い出された賞球数とアウトスイッチ26にて検出された遊技球数の差(賞球の純増数)を監視するためのMYカウンタ値を通知するためのMYカウンタ値通知コマンドである。
図8(D)に示すように、E000Hは、MYカウンタ値が0~90000であることを示す第1MYカウンタ値通知コマンドであり、E001Hは、MYカウンタ値が90001~95000であることを示す第2MYカウンタ値通知コマンドであり、E002Hは、MYカウンタ値が95001~98194であることを示す第3MYカウンタ値通知コマンドである。コマンドF000Hは、MYカウンタ値が既定値である98194に到達したことにもとづく遊技の停止を通知する遊技停止通知コマンドである。
【0152】
尚、
図5(A)に示すコマンドは一例であり、これらのコマンドの一部を有しないものであってもよいし、これらのコマンドに代えて異なるコマンドを用いてもよいし、これらのコマンドと異なるコマンドを追加してもよい。例えば、各入賞口に遊技球が入賞したことにもとづいて払い出される賞球数を特定可能とするための賞球数通知コマンドや、遊技球が通過ゲート41を通過したことを通知するためのゲート通過通知コマンドや、確変制御や時短制御が実行される残りの可変表示回数を通知する通知コマンド等を設けるようにしてもよい。
【0153】
図6は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。
図6に示すように、本実施例では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
【0154】
乱数回路104は、これらの乱数値MR1~MR4の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば、図示しない遊技制御カウンタ設定部に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1~MR4の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
【0155】
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」~「65535」の範囲の値をとる。大当り種別判定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における大当り種別を「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」~「299」の範囲の値をとる。
【0156】
変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」~「997」の範囲の値をとる。
【0157】
普図表示結果判定用の乱数値MR4は、普通図柄表示装置20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図はずれ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」~「23」の範囲の値をとる。
【0158】
MR4初期値決定用の乱数値MR5は、乱数値MR4の初期値を決定するために用いられる乱数値であり、例えば、「3」~「23」の範囲をとる。
【0159】
図7は、本実施例における変動パターンを示している。本実施例では、可変表示結果が「はずれ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。尚、可変表示結果が「はずれ」で飾り図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「はずれ」で飾り図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「はずれ」となる場合に対応したはずれ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
【0160】
大当り変動パターン、リーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、本実施例では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、2種類以上のノーマルリーチ変動パターンを設けてもよい。また、本実施例では、スーパーリーチ変動パターンとしてスーパーリーチα、スーパーリーチβの2種類の変動パターンを設けているが、本発明はこれに限定さるものではなく、スーパーリーチ変動パターンを3種類以上或いは1種類のみ設けてもよい。
【0161】
これら変動パターンのうち大当りの変動パターン及び小当りの変動パターンについては、はずれ変動パターンと同一の特図変動時間の後に、可変表示結果が大当りであることを祝福する祝福演出を実行するための一律15秒間の特図表示時間が追加で設けられている。
【0162】
ここで、本実施例における大当り変動パターンとはずれ変動パターンについては、可変表示結果が報知されるまでの期間が共通に構成されており、可変表示結果が報知されるまでの期間の長さによって可変表示結果が大当り、はずれのいずれかであるかが遊技者に前もって認識されてしまうことを防いでいる。
【0163】
尚、本実施例では、後述するように。スーパーリーチ、ノーマルリーチ、非リーチの順に可変表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように各変動パターンの決定割合が設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては特図変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
【0164】
また、本実施例においては、後述するように、これら変動パターンを、変動パターン判定用の乱数値MR3のみを用いて決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、変動パターン判定用の乱数値MR3に加えて、変動パターン種別判定用の乱数値を設けて、これら変動パターン種別判定用の乱数値から変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンを決定するようにしてもよい。
【0165】
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが記憶されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定を行うために用意された、複数の判定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成するテーブルデータや、特別図柄や普通図柄などの可変表示における各図柄の変動態様となる変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルなどが記憶されている。
【0166】
図8は、本実施例における変動パターンの決定方法の説明図である。本実施例では、実行する可変表示の特別図図柄、可変表示の表示結果や保留記憶数、遊技状態等に応じて、選択する変動パターン判定テーブルを異ならせている。
【0167】
具体的には、
図8に示すように、可変表示結果が大当りであるときは、大当り用変動パターン判定テーブルを選択し、遊技状態が通常状態(低確低ベース状態)であり、可変表示対象の特図保留記憶数が1個以下であり且つ可変表示結果がはずれであるときは、はずれ用変動パターン判定テーブルAを選択し、遊技状態が通常状態(低確低ベース状態)であり、可変表示対象の特図保留記憶数が2~3個であり且つ可変表示結果がはずれであるときは、はずれ用変動パターン判定テーブルBを選択し、遊技状態が時短状態または確変状態(低確高ベース状態または高確高ベース状態)であり可変表示結果がはずれであるときは、はずれ用変動パターン判定テーブルCを選択する。
【0168】
大当り用変動パターン判定テーブルAには、変動パターン判定用の乱数値MR3が取り得る1~997のうち、1~20までがノーマルリーチ大当りの変動パターンPB1-1に割り当てられており、21~370までがスーパーリーチα大当りの変動パターンPB1-2に割り当てられており、371~997までがスーパーリーチβ大当りの変動パターンPB1-3に割り当てられている。
【0169】
はずれ用変動パターン判定テーブルAには、変動パターン判定用の乱数値MR3が取り得る1~997のうち、1~500までが非リーチはずれの変動パターンPA1-1に割り当てられており、501~900までがノーマルリーチはずれの変動パターンPA2-1に割り当てられており、901~970までがスーパーリーチαはずれの変動パターンPA2-2に割り当てられており、971~977までがスーパーリーチβはずれの変動パターンPA2-3に割り当てられている。
【0170】
はずれ用変動パターン判定テーブルBには、変動パターン判定用の乱数値MR3が取り得る1~997のうち、1~500までが非リーチはずれの変動パターンPA1-2に割り当てられており、501~900までがノーマルリーチはずれの変動パターンPA2-1に割り当てられており、901~970までがスーパーリーチαはずれの変動パターンPA2-2に割り当てられており、971~977までがスーパーリーチβはずれの変動パターンPA2-3に割り当てられている。
【0171】
はずれ用変動パターン判定テーブルCには、変動パターン判定用の乱数値MR3が取り得る1~997のうち、1~997までが非リーチはずれの変動パターンPA1-3に割り当てられている。
【0172】
図9は、ROM101に記憶される表示結果判定テーブルの構成例を示している。本実施例では、表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1特図と第2特図とで個別の表示結果判定テーブルを用いるようにしてもよい。
【0173】
表示結果判定テーブルは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1にもとづいて決定するために参照されるテーブルである。
【0174】
表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「はずれ」の特図表示結果に割り当てられている。
【0175】
表示結果判定テーブルにおいて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される判定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる判定用データとなっている。表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(本実施例では約1/200)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(本実施例では約1/100)。即ち、表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
【0176】
つまり、CPU103は、MR1の値が
図9(A)に示す大当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(大当りA~大当りC)とすることを決定する。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
【0177】
図9(B)、(C)は、ROM101に記憶されている大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を示す説明図である。このうち、
図9(B)は、遊技球が第1始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の可変表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。また、
図9(C)は、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の可変表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。
【0178】
大当り種別判定テーブルは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(MR2)に基づいて、大当りの種別を大当りA~大当りBのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。尚、本実施例では、
図9(B)、(C)に示すように、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)には、大当りAと大当りBが設けられているのに対し、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)には、大当りBと大当りCが設けられている。
【0179】
ここで、本実施例における大当り種別について、
図8(E)を用いて説明すると、本実施例では、大当り種別として、大当りA~大当りCが設定されている。
【0180】
これら大当りA~大当りCのうち、大当りAと大当りBは、大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが4回(いわゆる4ラウンド)、繰返し実行される大当りであり、大当りCは、大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが10回(いわゆる10ラウンド)、繰返し実行される大当りである。
【0181】
更に、大当りA~大当りCの大当り遊技状態の終了後は、最大で100回の可変表示に亘って時短制御が実行されるとともに、1ラウンド目に遊技球が第2カウントスイッチ24に検出されていることを条件に、最大で100回の可変表示に亘って確変制御が実行されるようになっている。
【0182】
尚、大当りAは、1ラウンド目において大入賞口を開放パターンKP-1にて開放し、2ラウンド目以降のラウンドにおいて大入賞口を開放パターンKP-3にて開放する大当り種別であり、大当りB及び大当りCは、1ラウンド目において大入賞口を開放パターンKP-2にて開放し、2ラウンド目以降のラウンドにおいて大入賞口を開放パターンKP-3にて開放する大当り種別である。
【0183】
ここで、本実施例における特別可変入賞球装置7の構成について説明する。
図10に示すように、特別可変入賞球装置7の上端部には、大入賞口が形成されている。該大入賞口は、前述したように、大入賞口扉711用(特別電動役物用)の第2ソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態(第1状態)として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用の第2ソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態(第2状態)として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
【0184】
図10に示すように、特別可変入賞球装置7内には、大入賞口に進入した遊技球が流下可能な遊技球流路750が形成されている。遊技球流路750は、大入賞口を通過した遊技球が通過可能な主経路740(
図10中実線に沿う領域)と該主経路740から下方に分岐する分岐路741(
図10中点線に沿う領域)とを有する。分岐路741の上端部には、第3ソレノイドの駆動により前後方向に進退可能な規制部材712が設けられている。該規制部材712は、第3ソレノイド83がオフ状態である場合には遊技球流路750内に突出することよって遊技球の分岐路741への進入を阻害し、第3ソレノイド83がオン状態である場合には遊技球流路750内から退避することによって遊技球の分岐路741への進入を許容するようになっている。
【0185】
分岐路741の下流部には、第2カウントスイッチ24が設けられており、遊技球は、該第2カウントスイッチ24を通過することによって該第2カウントスイッチ24によって検出される。尚、主経路740を流下した遊技球及び分岐路741を流下した遊技球は、最終的に遊技盤2に形成された図示しない貫通孔を介して遊技盤2の背面側に誘導された後、アウトスイッチ26にて検出されるようになっている。
【0186】
ここで、
図11(A)に示すように、前述した開放パターンKP-1とは、ラウンド遊技の開始タイミングT1からタイミングT2にかけて第2ソレノイド82がオフ状態であり、該タイミングT2からタイミングT3にかけて第2ソレノイド82がオン状態であることによって、大入賞口がタイミングT2からタイミングT3にかけて開放状態(第2状態)となる開放パターンである。また、前述した開放パターンKP-1とは、ラウンド遊技の開始タイミングT1からタイミングT2にかけて第3ソレノイド83がオン状態であり、該タイミングT2からタイミングT3にかけて第3ソレノイド83がオフ状態である開放パターンでもある。つまり、開放パターンKP-1は、大入賞口が開放状態となっている期間は、該大入賞口に進入した遊技球が規制部材712によって分岐路741への進入が阻害されていることによって第2カウントスイッチ24を通過不能な開放パターンである。
【0187】
また、
図11(B)に示すように、前述した開放パターンKP-2とは、ラウンド遊技の開始タイミングT1からタイミングT4(T4:タイミングT2とタイミングT3との間のタイミング)にかけて第2ソレノイド82がオン状態であり、該タイミングT4から第2ソレノイド82がオフ状態であることによって、大入賞口がタイミングT1からタイミングT4にかけて開放状態(第2状態)となる開放パターンである。また、前述した開放パターンKP-2とは、ラウンド遊技の開始タイミングT1からタイミングT2にかけて第3ソレノイド83がオン状態であり、該タイミングT2からタイミングT3にかけて第3ソレノイド83がオフ状態である開放パターンでもある。つまり、開放パターンKP-2は、タイミングT1からタイミングT4にかけて大入賞口が開放状態であるとともに、タイミングT1からタイミングT2にかけては、該大入賞口に進入した遊技球が分岐路741に進入して第2カウントスイッチ24を通過可能な解法パターンである。
【0188】
更に、
図11(C)に示すように、前述した開放パターンKP-3とは、ラウンド遊技の開始タイミングT1からタイミングT2にかけて第2ソレノイド82がオフ状態であり、該タイミングT2からタイミングT3にかけて第2ソレノイド82がオン状態であることによって、大入賞口がタイミングT2からタイミングT3にかけて開放状態(第2状態)となる開放パターンである。尚、開放パターンKP-3においては、第3ソレノイドはオフ状態であり、オン状態となることは無い。つまり、開放パターンKP-3は、大入賞口が開放状態となっている期間は、該大入賞口に進入した遊技球が規制部材712によって分岐路741への進入が阻害されていることによって第2カウントスイッチ24を通過不能な開放パターンである。
【0189】
つまり、
図9(D)に示すように、大当りAは、大当り遊技中に遊技者が遊技球を右遊技領域に2Rに向けて打ち出していても、遊技球が第2カウントスイッチ24を通過することがないことにより、大当り遊技終了後に最大100回の可変表示に亘り時短制御が実行される一方で、確変制御が実行されない(時短状態に制御される)大当り種別(実質的な非確変大当り)である。また、大当りB及び大当りCは、大当り遊技中に遊技者が遊技球を右遊技領域2Rに向けて打ち出していれば、極めて高い確率(ほぼ100%)で遊技球が第2カウントスイッチ24を通過することにより、大当り遊技終了後に最大100回の可変表示に亘り時短制御と確変制御が実行される(確変状態に制御される)大当り種別(実質的な確変大当り)である。
【0190】
尚、本実施例では、通常状態における第1特別図柄の可変表示結果が大当りとなった場合は、大当り遊技開始時から遊技者が右遊技領域2Rに向けて遊技球を打ち出すことによって大入賞口に遊技球が入賞することで賞球の払出しが行われるとともに、大当り遊技の終了後は、遊技状態が時短状態または確変状態に制御され、遊技者が右遊技領域2Rに向けての遊技球の打ち出しを継続することによって主に第2特別図柄の可変表示が実行される。ここで、
図9(C)に示すように、第2特別図柄の可変表示結果が大当りとなる場合は、大当り種別が実質的な確変大当りである大当りBと大当りCのいずれかとなることから、該大当り遊技終了後は極めて高い確率で遊技状態が確変状態に制御されることとなる。上記のように、通常状態における第1特別図柄の可変表示にもとづいて大当り遊技状態に制御されてから遊技者が主に遊技球を右遊技領域2Rに向けて打ち出す時短状態、確変状態、大当り遊技状態を繰り返す状態を連荘状態と呼ぶ。
【0191】
尚、本実施例では大当り種別として大当りA~大当りCの3種類が設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、大当り種別は4種類以上設けられていてもよく、また、2種類以下が設けられていてもよい。
【0192】
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、一定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
【0193】
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば
図12に示すような遊技制御用データ保持エリア005SG150が設けられている。
図12に示す遊技制御用データ保持エリア005SG150は、第1特図保留記憶部005SG151Aと、第2特図保留記憶部005SG151Bと、普図保留記憶部005SG151Cと、遊技制御フラグ設定部005SG152と、遊技制御タイマ設定部005SG153と、遊技制御カウンタ設定部005SG154と、遊技制御バッファ設定部005SG155とを備えている。
【0194】
第1特図保留記憶部005SG151Aは、入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部005SG151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された可変表示結果判定用の乱数値MR1や当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部005SG151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
【0195】
第2特図保留記憶部005SG151Bは、可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部005SG151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された可変表示結果判定用の乱数値MR1や当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部005SG151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
【0196】
尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
【0197】
普図保留記憶部005SG151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示装置20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部005SG151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
【0198】
遊技制御フラグ設定部005SG152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部005SG152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
【0199】
遊技制御タイマ設定部005SG153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部005SG153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
【0200】
遊技制御カウンタ設定部005SG154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部005SG154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部005SG154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
【0201】
遊技制御カウンタ設定部005SG154のランダムカウンタには、乱数回路104で生成されない乱数値、例えば、乱数値MR1~MR4を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
【0202】
遊技制御バッファ設定部005SG155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部005SG155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
【0203】
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
【0204】
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図可変表示時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
【0205】
特図可変表示時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
【0206】
特図可変表示時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
【0207】
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば
図13(A)に示すような演出制御用データ保持エリア005SG190が設けられている。
図13(A)に示す演出制御用データ保持エリア005SG190は、演出制御フラグ設定部005SG191と、演出制御タイマ設定部005SG192と、演出制御カウンタ設定部005SG193と、演出制御バッファ設定部005SG194とを備えている。
【0208】
演出制御フラグ設定部005SG191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部005SG191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
【0209】
演出制御タイマ設定部005SG192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部005SG192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
【0210】
演出制御カウンタ設定部005SG193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部005SG193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
【0211】
演出制御バッファ設定部005SG194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部005SG194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
【0212】
本実施例では、
図13(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ005SG194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部005SG194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ005SG194Aには、第1特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1-1」~「1-4」に対応した領域)と、可変表示中の第1特図に対応した格納領域(バッファ番号「1-0」に対応した領域)とが設けられている。また、始動入賞時受信コマンドバッファ005SG194Aには、第2特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「2-1」~「2-4」に対応した領域)と、可変表示中の第2特図に対応した格納領域(バッファ番号「2-0」に対応した領域)とが設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド及び保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という3つのコマンドが1セットとして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ005SG194Aにおける第1特図保留記憶に対応した格納領域と第2特図保留記憶に対応した格納領域は、これらの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて、第1特図保留記憶と第2特図保留記憶とに分けて格納するための格納領域(エントリ)が確保されている。
【0213】
これら格納領域(エントリ)の記憶内容は、開始条件が成立して最上位の保留記憶(バッファ番号「1-1」またはバッファ番号「2-1」)の可変表示が開始されるときに、後述するように1つずつ上位にシフトされていくとともに、該開始条件が成立した保留記憶の内容を格納するバッファ番号「1-0」またはバッファ番号「2-0」の記憶内容は、当該可変表示を終了するときに実行される飾り図柄変動停止処理においてクリアされるようになっている。
【0214】
更に、本実施例の始動入賞時受信コマンドバッファ005SG194Aには、後述する先読予告演出において画像表示装置5に表示する保留表示の表示態様を示す保留表示フラグをセットするための記憶領域が、第1特図保留記憶のバッファ番号「1-0」~「1-4」及び第2特図保留記憶のバッファ番号「2-0」~「2-4」毎に確保されている。
【0215】
演出制御用CPU120は、第1始動入賞口への始動入賞時には、コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ005SG194Aの第1特図保留記憶に対応する空きエントリにおける先頭(バッファ番号の最も若いエントリ)から格納していき、第2始動入賞口への始動入賞時には、コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ005SG194Aの第2特図保留記憶に対応する空きエントリにおける先頭(バッファ番号の最も若いエントリ)から格納していく。始動入賞時には、始動口入賞指定コマンドから保留記憶数通知コマンドまでが順次送信される。従って、コマンド受信が行われれば、第1特図保留記憶または第2特図保留記憶に対応するバッファ番号の末尾「1」~「4」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。
【0216】
図12(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ005SG194Aに格納されているコマンドは、飾り図柄の可変表示を開始するごとに、直前に終了した可変表示の保留記憶に対応したエントリ(バッファ番号「1-0」または「2-0」のエントリ)に格納されているものが削除されるとともに、該開始する可変表示の保留記憶に対応したエントリ(バッファ番号「1-1」または「2-1」に対応したエントリ)に格納されているものと、該開始する可変表示の保留記憶以降のエントリの記憶内容がシフトされる。例えば
図12(B)に示す格納状態において第1特図保留記憶の飾り図柄の可変表示が終了した場合には、バッファ番号「0」に格納されている各コマンドが削除され、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドがバッファ番号「0」にシフトされるとともに、バッファ番号「2」に対応した領域にて格納されている各コマンドがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされ、バッファ番号「3」、「4」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」、「3」に対応した領域にシフトされる。よって、バッファ番号「0」は、その時点において可変表示されている保留記憶に関する各コマンドを格納するための領域(エントリ)となる。
【0217】
尚、本実施例では、演出制御用CPU120がコマンド解析処理(S75)を実行する際に始動入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド、保留記憶数通知コマンドを受信しているか否かを判定し、これらコマンドを受信している場合には、これらコマンドを各特図の保留記憶として始動入賞時受信コマンドバッファ005SG194Aの空き領域の先頭に格納すればよい。
【0218】
(表示モニタ)
次に、本実施例における表示モニタ21TM029の表示について説明する。
【0219】
図14(A)に示すように、表示モニタ21TM029は、第1表示部21TM029A、第2表示部21TM029B、第3表示部21TM029C、第4表示部21TM029Dを備えている。第1表示部21TM029A~第4表示部21TM29Dは、いずれも「8」の字を描く7つのセグメントによって構成される7セグメントと、7セグメントの右側方下部に配置されたドットによって構成されている。これらの第1表示部21TM029A~第4表示部21TM29Dは、赤色にて点灯・点滅が可能となっている。
【0220】
尚、実施例における表示モニタ21TM029の表示制御は、パチンコ遊技機1の試験時においてROM101やRAM102の全領域における試験対象外の領域を用いて実行されるようになっている。
【0221】
表示モニタ21TM029には、
図14(B)及び
図14(C)に示すように、全遊技状態のアウト6000球毎の通常状態(低確低ベース状態)で算出されたベース値(計測中のリアルタイム値)であるベースLと、全遊技状態における1回目のアウト6000球毎の通常状態(低確低ベース状態)で算出されたベース値であるベース1と、全遊技状態における2回目のアウト6000球毎の通常状態(低確低ベース状態)で算出されたベース値であるベース2と、全遊技状態における3回目のアウト6000球毎の通常状態(低確低ベース状態)で算出されたベース値であるベース3と、を表示可能となっている。ベースL、ベース1、ベース2、ベース3は、百分率にて表示モニタ21TM029に表示される。
【0222】
実際に表示モニタ21TM029にてベースLを表示する場合は、該ベースLの略記である「bL.」を表示するために第1表示部21TM029Aに「b」、第2表示部21TM029Bに「L.」が表示されるとともに、算出した値の上位2桁(「00」~「99」の値)が第3表示部21TM029Cと第4表示部21TM029Dとにおいて表示される。また、表示モニタ21TM029にてベース1を表示する場合は、該ベースの略記である「b1.」を表示するために第1表示部21TM029Aに「b」、第2表示部21TM029Bに「1.」が表示されるとともに、算出した値の上位2桁(「00」~「99」の値)が第3表示部21TM029Cと第4表示部21TM029Dとにおいて表示される。また、表示モニタ21TM029にてベース2を表示する場合は、該ベースの略記である「b2.」を表示するために第1表示部21TM029Aに「b」、第2表示部21TM029Bに「2.」が表示されるとともに、算出した値の上位2桁(「00」~「99」の値)が第3表示部21TM029Cと第4表示部21TM029Dとにおいて表示される。また、表示モニタ21TM029にてベース3を表示する場合は、該ベースの略記である「b3.」を表示するために第1表示部21TM029Aに「b」、第2表示部21TM029Bに「3.」が表示されるとともに、算出した値の上位2桁(「00」~「99」の値)が第3表示部21TM029Cと第4表示部21TM029Dとにおいて表示される。
【0223】
本実施例の表示モニタ21TM029では、主基板11(CPU103)の制御によってこれらベースL、ベース1、ベース2、ベース3を順次表示する制御を実行するようになっている。例えば、
図15に示すように、主基板11は、ベースL→ベース1→ベース2→ベース3の順番で表示モニタ21TM029の表示を5秒間隔で切り替える制御を実行する。
【0224】
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
【0225】
(主基板11の主要な動作、遊技制御メイン処理)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。
図16は、主基板11におけるCPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
【0226】
図16に示す遊技制御メイン処理において、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
【0227】
次いで、復旧条件が成立したか否かを判定する。復旧条件は、クリア信号がオフ状態であり(ステップS3;Yes)、バックアップデータがあり(ステップS4;Yes)、バックアップRAMが正常である場合(ステップS5;Yes)に、成立可能である。パチンコ遊技機1の電力供給が開始されたときに、例えば電源基板17に設けられたクリアスイッチが押下操作されていれば、オン状態のクリア信号が遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。このようなオン状態のクリア信号が入力されている場合には、ステップS3にて復旧条件が成立していないと判定すればよい。バックアップデータは、遊技制御用のバックアップRAMとなるRAM102に保存可能であればよい。ステップS3では、バックアップデータの有無やデータ誤りの有無などを確認あるいは検査して、復旧条件が成立し得るか否かを判定すればよい。
【0228】
復旧条件が成立した場合には(ステップS3、ステップS4、ステップS5;Yes)、復旧処理(ステップS6)及び復旧時のコマンド送信(ステップS7)を実行した後に、シリアル通信回路21TM505の設定処理を実行するとともに(ステップS10a)、乱数回路設定処理(ステップS10b)を実行する。ステップS6の復旧処理により、RAM102の記憶内容に基づいて作業領域の設定が行われる。RAM102に記憶されたバックアップデータを用いて作業領域を設定することで、電力供給が停止したときの遊技状態に復旧し、例えば特別図柄の変動中であった場合には、停止前の状態から特別図柄の変動を再開可能であればよい。
【0229】
本実施例の復旧処理(ステップS6)では、バックアップデータ内の遊技停止フラグの状態を確認し、電断発生時において該遊技停止フラグがセットされた状態であったか否かを判定する。尚、遊技停止フラグは、パチンコ遊技機1が遊技停止状態に制御されていることを示すフラグである。電断発生時において遊技停止フラグがセットされていた場合(電断発生時においてパチンコ遊技機1における遊技が停止されていた場合)は、バックアップデータ内から後述するMYカウンタ値の復旧を行い、電断発生時において遊技停止フラグがセットされていなかった場合(電断発生時においてパチンコ遊技機1にて遊技が可能であった場合)は、バックアップデータ内から後述するMYカウンタ値を復旧せず、該MYカウンタ値として「0」をセットする。
【0230】
ステップS10bの設定処理では、主基板11の出力回路21TM067から払出制御基板21TM037の入力回路21TM373Aに接続確認信号が出力される(
図30、
図31を参照)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100のシリアル通信回路21TM505と、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370のシリアル通信回路21TM380との通信を実行可能な状態に設定する。
【0231】
また、復旧条件が成立しなかった場合(ステップS3、ステップS4、ステップS5のいずれかでNo)は、初期化処理(ステップS8)及び初期化指定コマンドの送信(ステップS9)を実行した後に、シリアル通信回路21TM505の設定処理を実行するとともに(ステップS10a)、乱数回路設定処理(ステップS10b)を実行する。ステップS8の初期化処理は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするクリア処理を含み、クリア処理の実行により作業領域に初期値が設定される。特に、本実施例の初期化処理(ステップ8)では、バックアップデータの内容にかかわらず、遊技停止フラグのクリア、及びMYカウンタ値を「0」にセットする処理が含まれている。つまり、本実施例では、パチンコ遊技機1が遊技停止状態であるときに電断が発生し、該パチンコ遊技機1にクリアスイッチ92の操作とともに電源が投入される場合は、パチンコ遊技機1が遊技可能な状態(遊技状態が通常状態)で起動するようになっている。
【0232】
乱数回路設定処理(ステップS10b)の実行後、CPU103は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS11)、割込みを許可する(ステップS12)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
【0233】
(遊技制御用タイマ割込処理)
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、
図17のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図17に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、電力の供給が断たれたか否かを判定する電源断検出処理(ステップS20)と、遊技を停止するか否かを監視する遊技停止開始処理(ステップS20a)を実行する。そして、後述の遊技停止フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS20b)。
【0234】
遊技停止フラグがセットされている場合(ステップS20b;No)は、特別図柄プロセスフラグの値を特定し(ステップS20c)、該特定した特別図柄プロセスフラグの値が大当り開放前処理、大当り開放中処理、大当り開放後処理のいずれかに応じた値であるか否かを判定する(ステップS20d)。
【0235】
遊技停止フラグがセットされていない場合(ステップS20b;No)または特定した特別図柄プロセスフラグの値が大当り開放前処理、大当り開放中処理、大当り開放後処理のいずれかに応じた値である場合(ステップS20d;Yes)、CPU103は、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24、一般入賞スイッチ25、アウトスイッチ26といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS21)。続いて、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第1カウントスイッチ23、一般入賞スイッチ25において遊技球が検出された場合に賞球を払い出すための設定を行う賞球処理(ステップS21a)、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24、一般入賞スイッチ25、アウトスイッチ26において遊技球が検出されたことにもとづきベース値(
図14(C)参照)を算出する入賞情報処理(ステップS21b)、算出したベース値を
図15に示すように表示モニタ21TM029にて表示する入賞情報表示制御処理(ステップS21c)を実行する。また、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
【0236】
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行および保留の管理や、大当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される。
【0237】
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行および保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示装置20を駆動することにより行われ、普図保留表示装置25Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
【0238】
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
【0239】
尚、特定した特別図柄プロセスフラグの値が大当り開放前処理、大当り開放中処理、大当り開放後処理のいずれかに応じた値でもない場合については、該パチンコ遊技機1における遊技を停止するための遊技停止処理(ステップS20e)を実行し、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
【0240】
(電源断検出処理)
図18は、電断検出処理を示すフローチャートである。電源断検出処理においてCPU103は、先ず、電源基板(図示略)からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号の入力が有るか否かを判定する(005SGS081)。電源断信号の入力が無い場合は(005SGS081;N)、処理を終了し、電源断信号の入力が有る場合は(005SGS081;Y)、RAM122に記憶されている情報を含むバックアップデータを特定し(005SGS082)、該特定したバックアップデータをRAM122に設けられたバックアップデータ記憶領域に格納する(005SGS083)。そして、バックアップデータを復旧させるときに用いるチェックデータを作成し、バックアップデータ記憶領域に格納した後(005SGS084)、パチンコ遊技機1が電断するまでいずれの処理も実行しないループ処理に移行する。
【0241】
尚、バックアップされるデータには、遊技停止フラグ、特別図柄プロセスフラグ値、MYカウンタ値、第1特別図柄保留記憶、第2特別図柄保留記憶、普図保留記憶、変動特図指定バッファ値、時短フラグ、確変フラグ、時短回数カウンタ値、大当りフラグ等が含まれている。
【0242】
図19は、遊技停止監視処理を示すフローチャートである。遊技停止監視処理においてCPU103は、先ず、スイッチ処理において第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第1カウントスイッチ23、一般入賞スイッチ25、アウトスイッチ26のいずれかがオン状態となったか否かを判定する(005SGS051)。スイッチ処理において第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第1カウントスイッチ23、一般入賞スイッチ25、アウトスイッチ26のいずれかがオン状態となった場合(005SGS051;Y)は、オン状態となったスイッチに応じた値をMYカウンタ値に加算する(005SGS052)。
【0243】
005SGS052の実行後、または、スイッチ処理において第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第1カウントスイッチ23、一般入賞スイッチ25、アウトスイッチ26のいずれもオン状態とならなかった場合(005SGS051;N)、CPU103は、スイッチ処理においてアウトスイッチ26がオン状態となったか否かを判定する(005SGS053)。スイッチ処理においてアウトスイッチ26がオン状態となった場合は、MYカウンタ値が0でなければ(005SGS054;N)、該MYカウンタ値を-1する(005SGS055)。
【0244】
005SGS055の実行後、スイッチ処理においてアウトスイッチ26がオン状態とならなかった場合(005SGS053;N)、MYカウンタ値が0である場合(005SGS054;Y)、CPU103は、MYカウンタ値を特定し(005SGS056)、該MYカウンタ値が98194以上であるか否かを判定する(005SGS057)。MYカウンタ値が98194以上ではない場合(005SGS057;N)は遊技停止監視処理を終了し、MYカウンタ値が98194以上である場合(005SGS057;Y)は、遊技停止フラグをセットして遊技停止監視処理を終了する(005SGS058)。
【0245】
尚、本実施例では、MYカウンタ値が98194に達したことを条件にパチンコ遊技機1での遊技を停止させる(パチンコ遊技機1を遊技停止状態に制御する)ようになっている。ここで、MYカウンタ値が98194に達したことを条件にパチンコ遊技機1での遊技を停止させる理由について詳述する。先ず、従来のパチンコ遊技機は、予め定められた確率で大当りの抽選が行われるため、極めて低い確率ではあるものの、運のよい遊技者が、1日に何度も大当りを重ねることによって設計値以上の賞球(例えば、100000球)を獲得し得る可能性があった。このため、パチンコ遊技機において過度に遊技者の射幸心を煽らないようにするための対策としては、従来の大当り確率、連荘継続率(遊技状態が通常状態を経由せずに大当り遊技状態と時短状態・確変状態とに制御され続ける割合)、1回の大当り遊技で獲得可能な賞球数を制限するだけでは十分ではなく、パチンコ遊技機において1日の遊技で遊技者が獲得可能な賞球数を制限する仕組みが必要とされている。
【0246】
以上の理由から本実施例では、MYカウンタ値を設け、該MYカウンタ値が98194に達したことを条件にパチンコ遊技機1での遊技を停止させるようになっている。尚、パチンコ遊技機1において遊技を停止させるためのMYカウンタ値である「98194」は、大当り遊技中の大入賞口への過入賞(大当り遊技中において想定よりも多くの遊技球が入賞すること。オーバー入賞ともいう)やその他の入賞口からの賞球を考慮したとしても、MYカウンタ値が「100000」に達することなく大当り遊技を最後のラウンド遊技まで実行して遊技者に最大限の賞球の払い出しを行うことができる数値である。
【0247】
(特別図柄プロセス処理)
図20は、特別図柄プロセス処理として、
図17に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
【0248】
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、
図17に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
【0249】
ステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110~S117の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110~S117)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設定が行われる。
【0250】
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄、はずれ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特
図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口および第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
【0251】
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じである。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている。
【0252】
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
【0253】
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
【0254】
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
【0255】
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、表示結果が「はずれ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「はずれ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、終了した可変表示が時短状態や確変状態における100回目の可変表示である場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
【0256】
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
【0257】
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間や第1カウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。また、第2カウントスイッチ24によって遊技球が検出されたことにもとづいて、演出制御基板12に対してV入賞通知コマンドを送信するための設定を行う処理も含まれている。尚、送信設定されたV入賞通知コマンドは、CPU103がコマンド制御処理(
図17参照)を実行することによって演出制御基板12に対して送信される。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
【0258】
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
【0259】
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
【0260】
(始動入賞判定処理)
図21は、
図20に示す始動入賞判定処理(S101)を示すフローチャートである。始動入賞判定処理においてCPU103は、先ず、入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(005SGS101)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(005SGS101;Y)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(005SGS102)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部005SG154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。005SGS102にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(005SGS102;N)、例えば遊技制御バッファ設定部005SG155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(005SGS103)。
【0261】
005SGS101にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(005SGS101;N)、005SGS102にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(005SGS102;Y)、可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(005SGS104)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(005SGS104;Y)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(005SGS105)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部005SG154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。005SGS105にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(005SGS105;N)、例えば遊技制御バッファ設定部005SG155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(S106)。
【0262】
005SGS103,005SGS106の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(005SGS107)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(005SGS108)。例えば、遊技制御カウンタ設定部005SG154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
【0263】
005SGS108の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部005SG154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果判定用の乱数値MR1や当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(005SGS109)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(005SGS110)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部005SG151Aに乱数値MR1~MR3を示す数値データが格納される一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部005SG151Bに乱数値MR1~MR3を示す数値データが格納される。
【0264】
特図表示結果判定用の乱数値MR1や当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否か、更には可変表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を判定するために用いられる。変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンを判定するために用いられる。CPU103は、005SGS109の処理を実行することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果や可変表示時間を含む可変表示態様の判定に用いられる乱数値のうち全部を示す数値データを抽出する。
【0265】
005SGS110の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(005SGS111)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、
図4に示すS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
【0266】
CPU103は、005SGS111の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(005SGS112)。その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(005SGS113)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、
図17に示すS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
【0267】
005SGS113の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか否かを判定する(005SGS114)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(005SGS114でY)始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(005SGS115)、2390SGS104の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(005SGS114でN)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(005SGS116)、始動入賞処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
【0268】
(入賞時乱数値判定処理)
図22(A)は、入賞時乱数値判定処理として、
図21の005SGS112にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。本実施例において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、特別図柄通常処理により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの判定が行われる。また、変動パターン設定処理において、飾り図柄の可変表示態様を具体的に規定する変動パターンの判定などが行われる。他方、これらの判定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がS112の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄や小当り図柄を導出表示すると判定されるか否かの判定を行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前、つまり、該可変表示の開始時に大当りとするか否かが判定されるよりも前に、特図表示結果が「大当り」となることを判定し、この判定結果に基づいて、演出制御用CPU120などにより、後述するように、先読予告(保留表示演出)が実行されるようになる。
【0269】
図22に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、現在の遊技状態を特定し(005SGS121)、
図9(A)に示す表示結果判定テーブルを選択してセットする(005SGS122)。その後、始動口バッファ値と
図21の005SGS109にて抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが005SGS121において特定した遊技状態における所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(005SGS123)。大当り判定範囲には、005SGS122の処理により選択された表示結果判定用テーブルにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の判定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各判定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する判定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる判定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定できる。
【0270】
005SGS123にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合、つまり、可変表示時に大当りとならないと判定された場合には(005SGS123;N)、はずれに応じた図柄指定コマンドの送信設定を行う(005SGS128)。また、時短フラグがセットされているか否か、つまり、現在の遊技状態が時短状態または確変状態であるか否かを判定する(005SGS129)。時短フラグがセットされていない場合(005SGS129;N)は、はずれ用変動パターン判定テーブルAを選択して005SGS138に進み(005SGS130)、時短フラグがセットされている場合(005SGS129;Y)は、はずれ用変動パターン判定テーブルCを選択して005SGS138に進む。
【0271】
また、005SGS123にて大当り判定範囲内であると判定された場合、つまり、可変表示時に大当りとなると判定された場合には(005SGS123;Y)、
図21の005SGS109にて抽出された大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データと始動口バッファ値に応じた大当り種別判定テーブル(
図9(B)及び
図9(C)参照)を選択し、大当り種別を判定し(005SGS132)、該判定した大当り種別に応じた図柄指定コマンドの送信設定を実行するとともに(005SGS133)、大当り用変動パターン判定テーブルを選択して005SGS138に進む。
【0272】
005SGS138の処理では、各ステップにおいてセットされた各変動パターン判定テーブルと変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データとを用いて、乱数値MR3が含まれる判定値の範囲に応じた変動カテゴリを判定する(005SGS138)。本実施例では、
図22(B)に示すように、少なくとも可変表示結果が「はずれ」となる場合に、合計保留記憶数にかかわらず共通して「非リーチ」の可変表示態様となる変動カテゴリと、「スーパーリーチ」の可変表示態様となる変動カテゴリと、「非リーチ」と「スーパーリーチ」以外の可変表示態様(例えばノーマルリーチ)となる「その他」の変動カテゴリと、を設け、乱数値MR3に基づいて、このような変動カテゴリに決定されるか否かを判定できればよい。
【0273】
その後、005SGS138の処理による判定結果に応じた変動カテゴリ指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(005SGS132)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
【0274】
尚、送信設定されたコマンドは、CPU103が
図17に示すコマンド制御処理を実行することで演出制御基板12に対して送信される。
【0275】
(特別図柄通常処理)
図23は、特別図柄通常処理として
図20のS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図23に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(005SGS161)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、005SGS161の処理では、遊技制御カウンタ設定部に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
【0276】
005SGS161にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(005SGS161;N)、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3をそれぞれ読み出す(005SGS162)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
【0277】
005SGS162の処理に続いて、第2特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部のデータを更新する。具体的には、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」~「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1~MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(005SGS163)。
【0278】
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新した後(005SGS164)、005SGS169に移行する。
【0279】
一方、005SGS161にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(005SGS161;Y)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(005SGS165)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、005SGS165の処理では、遊技制御カウンタ設定部にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、005SGS165の処理は、005SGS161にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
【0280】
尚、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかを決定できればよい。
【0281】
005SGS165にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(005SGS165;N)、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(005SGS166)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
【0282】
005SGS166の処理に続いて、第1特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部のデータを更新する。具体的には、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」~「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1~MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(005SGS167)。
【0283】
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「1」に更新した後(005SGS168)、005SGS169に移行する。
【0284】
005SGS169においては、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「はずれ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、
図9(A)に示す表示結果判定テーブルを選択してセットする。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「はずれ」の各特図表示結果に割り当てられた判定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「はずれ」のいずれとするかを判定する。
【0285】
005SGS170にて「大当り」であると判定された場合には(005SGS170;Y)、大当りフラグをオン状態とする(005SGS172)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別判定テーブル(
図9(B)、
図9(C)参照)を選択してセットする(005SGS173)。例えば、変動特図指定バッファ値が1である場合は
図9(B)に示す第1特別図柄用大当り種別判定テーブルを選択してセットし、変動特図指定バッファ値が2である場合は
図9(C)に示す第2特別図柄用大当り種別判定テーブルを選択してセットすればよい。こうしてセットされた大当り種別判定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データと、大当り種別判定テーブルにおいて「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」の各大当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(005SGS174)。
【0286】
こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(005SGS175)、決定された大当り種別を記憶する。一例として、大当り種別が「大当りA」である場合は、大当り種別バッファ値を「0」とし、大当り種別が「大当りB」である場合は、大当り種別バッファ値を「1」とし、大当り種別が「大当りC」である場合は、大当り種別バッファ値を「2」とすればよい。005SGS175の処理後は005SGS176に進む。尚、005SGS170にて「はずれ」であると判定された場合には(005SGS170;N)、005SGS172~005SGS175の処理を実行せずに005SGS176に進む。
【0287】
005SGS176では、CPU103は、大当り遊技状態に制御するか否か(大当りフラグがオン状態にされているか否か)の事前決定結果、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する。一例として、特図表示結果を「はずれ」とする旨の事前決定結果に対応して、はずれ図柄となる「-」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、005SGS170にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、005SGS174における大当り種別が「大当りA」である場合には「1」の数字を示す特別図柄を確定特別図柄に設定する。また、大当り種別が「大当りB」である場合には、「2」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別が「大当りC」である場合には、「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。尚、これら確定特別図柄は一例であり、これら以外の確定特別図柄を設定してもよいし、確定特別図柄として複数種類の図柄を設定するようにしてもよい。
【0288】
005SGS176にて確定特別図柄を設定した後には、MYカウンタ値を特定し(005SGS176a)、該MYカウンタ値に応じたMYカウンタ値通知コマンドの送信設定を行い(005SGS176b)、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(005SGS177)、特別図柄通常処理を終了する。
【0289】
尚、005SGS176bの処理では、MYカウンタ値が0~90000であれば第1MYカウンタ値通知コマンド、MYカウンタ値が90001~95000であれば第2MYカウンタ値通知コマンド、MYカウンタ値が95001~98194であれば第3MYカウンタ値通知コマンドの送信設定を行えばよい。このように、本実施例のMYカウンタ通知コマンドとしては3種類のみが設けられているため、CPU103は、0~98194のそれぞれの値に応じたMYカウンタ値通知コマンドの送信を実行しなくともよいので、CPU103が演出制御基板12に対して送信するコマンドの種類数を削減することができ、CPU103の処理負荷を低減することができる。一方で演出制御用CPU120は、特別図柄の可変表示の開始タイミング毎にMYカウンタ値の凡その値を把握することができる。
【0290】
また、本実施例では、上記したように、第1~第3MYカウンタ値通知コマンドによって演出制御用CPU120に対して凡そのMYカウンタ値を通知する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出制御用CPU120に対しては、具体的なMYカウンタ値を通知してもよい。例えば、CPU103は、上記した第1~第3MYカウンタ値通知コマンドに加えて、MYカウンタ値の千の位の数値を通知するコマンド(E1XXH)、MYカウンタ値の百の位の数値を通知するコマンド(E2XXH)、MYカウンタ値の十の位の数値を通知するコマンド(E3XXH)、MYカウンタ値の一の位の数値を通知するコマンド(E4XXH)を設け、各コマンドの「XX」(EXTデータ)として設定されている数値によってそれぞれの位の値を演出制御用CPU120が特定可能としてもよい。このようにすることで、演出制御用PU120は、第1~第3MYカウンタ値通知コマンド、E1XXH、E2XXH、E3XXH、E4XXHの各コマンドを受信することで、可変表示が実行される毎に正確なMYカウンタ値を特定することが可能となる。
【0291】
尚、005SGS165にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(005SGS165;Y)、所定のデモ表示設定を行ってから(005SGS178)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(客待ちデモ演出の実行)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、既に、客待ちデモ指定コマンドを送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための送信設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
【0292】
尚、005SGS176bにおいて送信設定されるMYカウンタ値通知コマンド、005SGS178において送信設定される客待ちデモ指定コマンドは、CPU103が
図17に示すコマンド制御処理を実行することで演出制御基板12に対して送信される。
【0293】
(変動パターン設定処理)
図24は、変動パターン設定処理として、
図20のS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。変動パターン設定処理においてCPU103は、まず、可変表示結果、遊技状態、保留記憶数等に応じて
図8に示す複数の変動パターン判定テーブルから1の変動パターン判定テーブルを選択する(005SGS161)。そして、
図21の005SGS109において抽出した変動パターン判定用の乱数値MR3の値と選択した変動パターン判定テーブルとを用いて変動パターンを決定する(005SGS162)。
【0294】
次に、CPU103は、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う(005SGS163)。
【0295】
005SGS163の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(005SGS164)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1可変表示開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部005SG155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2可変表示開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果指定コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、遊技制御バッファ設定部005SG155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。尚、送信設定が行われた各種コマンドは、CPU103が
図4に示すコマンド制御処理を実行することによって演出制御基板12に送信される。
【0296】
005SGS164の処理を実行した後、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の可変表示時間である特図可変表示時間を設定する(005SGS165)。特別図柄の可変表示時間となる特図可変表示時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が停止表示されるまでの所要時間である。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(005SGS166)、変動パターン設定処理を終了する。
【0297】
尚、送信設定されたコマンドは、CPU103が
図12に示すコマンド制御処理を実行することで演出制御基板12に対して送信される。
【0298】
(特別図柄停止処理)
図25は、特別図柄停止処理として、
図20のS113にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄通常処理においてCPU103は、まず、可変表示が停止している期間であることを示す図柄確定期間タイマの動作中であるか否かを判定する(005SGS201)。図柄確定期間タイマの動作中出ない場合(005SGS201;N)は、特別図柄の停止図柄を導出表示するとともに(005SGS202)、図柄確定コマンドの送信設定を行い(005SGS203)、大当りフラグがセットされているか否かを判定する(005SGS204)。
【0299】
大当りフラグがセットされている場合(005SGS204;Y)は、時短フラグや確変フラグがセットされていればこれら時短フラグや確変フラグをクリアする(005SGS205)。更に、大当り種別に応じて当り開始1指定コマンド~当り3開始指定コマンドのいずれか送信設定及び通常状態を示す遊技状態指定コマンドの送信設定を行い(005SGS207、005SGS208)、選択された変動パターンに応じた図柄確定期間タイマの値として、「0.5秒」に応じた値をセットする(005SGS209)。
【0300】
また、CPU103は、セットした図柄確定期間タイマの値に応じた図柄確定コマンドの送信設定を行い(005SGS210)、特別図柄停止処理を終了する。
【0301】
一方で、大当りフラグがセットされていない場合(005SGS204;N)は、更に確変フラグや時短フラグがセットされているか否かを判定する(005SGS220、005SGS221)。確変フラグがセットされている場合(005SGS220;Y)、または、確変フラグがセットされていないが時短フラグがセットされていない場合(005SGS220;N且つ005SGS221;Y)は、時短状態(高確高ベース状態、低確高ベース状態)における残り時短制御の可変表示回数を示す時短回数カウンタの値を-1する(005SGS222)。
【0302】
そして、CPU103は、時短回数カウンタの値が0となったか否かを判定する(005SGS223)。時短回数カウンタの値が0となった場合(005SGS223;Y)は、時短フラグと確変フラグのうちセットされているフラグをクリアするとともに(005SGS224)、図柄確定期間タイマに「10秒」に応じた値をセットし、005SGS227に進む(005SGS225)。
【0303】
尚、確変フラグと時短フラグの両方がセットされていない場合(005SGS220;N且つ005SGS221;N)と、時短回数カウンタの値が0となっていない場合(005SGS223;N)は、図柄確定期間タイマに「0.5秒」に応じた値をセットし、005SGS227に進む(005SGS226)。
【0304】
尚、005SGS227の処理では、時短フラグや確変フラグの状態に応じた遊技状態指定コマンドの送信設定を行い、前述した005SGS210の処理を実行して特別図柄停止処理を終了する。
【0305】
そして、図柄確定期間タイマが動作中である場合(005SGS201;Y)、CPU103は、図柄確定期間タイマの値を-1し(005SGS231)、該値を-1した後の図柄確定期間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(005SGS232)。図柄確定期間タイマがタイマアウトしていない場合(005SGS232;N)は特別図柄停止処理を終了し、図柄確定期間タイマがタイマアウトした場合(005SGS232;Y)は、停止図柄がはずれ図柄であるか否かを判定する(005SGS233)。
【0306】
停止図柄がはずれ図柄である場合(005SGS233;Y)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に応じた値にセットして特別図柄停止処理を終了し(005SGS324)、停止図柄がはずれ図柄ではない場合(005SGS233;N)は、大当り種別に応じた大当り表示時間タイマをセットするとともに(005SGS236)、大当り種別に応じた大当り開始指定コマンドの送信設定を行い(005SGS237)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理に応じた値にセットし(005SGS238)、特別図柄停止処理を終了する。
【0307】
(大当り終了処理)
図26は、大当り終了処理として、
図20のS117にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【0308】
大当り終了処理において、CPU103は、大当り終了表示タイマが動作中、つまりタイマカウント中であるか否かを判定する(005SGS321)。大当り終了表示タイマが動作中でない場合(005SGS321;N)には、大当り終了表示タイマに、画像表示装置5において大当り終了表示を行う時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間として「20秒」に相当する値を設定し(005SGS322)、処理を終了する。
【0309】
一方、大当り終了表示タイマが動作中である場合(005SGS321;Y)には、大当り終了表示タイマの値を1減算する(005SGS323)。そして、CPU103は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、即ち、大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(005SGS324)。経過していなければ処理を終了する。
【0310】
大当り終了表示時間を経過していれば(005SGS324;Y)、CPU103は、時短状態に制御されていることを示す時短フラグをセットするとともに、時短回数カウンタに時短制御が実行される最大可変表示回数である「100」をセットする。更に、CPU103は、大当り遊技中に第2カウントスイッチ24がオン状態となったか否か、つまり、V入賞が発生したか否かを判定する(005SGS327)。尚、V入賞が発生したか否かは、例えば、大当り遊技中に第2カウントスイッチ24がオン状態となったことに応じてV入賞フラグをセット可能とし、該V入賞フラグがセットされているか否かによって判定すればよい。
【0311】
大当り遊技中に第2カウントスイッチ24がオン状態となった場合(005SGS327;Y)は、確変フラグをセットするとともに(005SGS328)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に応じた値に設定して大当り終了処理を終了する(005SGS329)。一方で、大当り遊技中に第2カウントスイッチ24がオン状態とならなかった場合(005SGS327;N)は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に応じた値に設定して大当り終了処理を終了する(005SGS329)。
【0312】
(遊技停止処理)
図27は、遊技停止処理として、
図17のS20eにて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【0313】
遊技停止処理において、CPU103は、先ず、遊技停止通知コマンドを演出制御基板12に対して送信済であることを示す遊技停止通知コマンド送信済フラグがセットされているか否かを判定する(005SGS331)。遊技停止通知コマンド送信済フラグがセットされている場合(005SGS331;Y)は遊技停止処理を終了し、遊技停止通知コマンド送信済フラグがセットされていない場合(005SGS331;N)は、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示装置20、第1保留表示装置25A、第2保留表示装置25B、普図保留表示装置25Cを全て消灯させる(005SGS332)。
【0314】
また、遊技停止通知コマンドの送信設定を行うとともに(005SGS333)、遊技停止通知コマンド送信済フラグをセットする(005SGS334)。更に、遊技停止(遊技停止通知コマンドの出力)にもとづくセキュリティ信号の出力設定を実行し(005SGS335)、遊技停止処理を終了する。遊技停止通知コマンドは、CPU103が
図17に示すコマンド制御処理を実行することで演出制御基板12に対して送信される。また、005SGS335の処理では、例えば、情報出力回路112に対しセキュリティ信号の出力を実行することによって、該情報出力回路112から所定期間に亘ってセキュリティ信号が出力されるようにすればよい。
【0315】
以上のように、
図17に示す遊技制御用タイマ割込処理、
図19に示す遊技停止監視処理、
図27に示す遊技停止処理を実行することで、遊技が停止されるようになっている。特に、
図28に示すように、遊技状態が通常状態、時短状態、確変状態においては、MYカウンタ値が98194に達したタイミングで遊技が停止される一方で、大当り遊技中にMYカウンタ値が98194に達した場合は、該大当り遊技が終了する(全ラウンド遊技が終了する)タイミングにて遊技が停止されるようになっている。尚、本実施例では、一旦遊技停止フラグがセットされると、パチンコ遊技機1にクリアスイッチ92の操作とともに電源を投入する(パチンコ遊技機1をコールドスタートにより起動させる)場合を除き、該遊技停止フラグをクリアする手段は存在しない。つまり、大当り遊技中においてMYカウンタ値が一旦98194に達して遊技停止フラグがセットされると、その後遊技者が遊技球を左遊技領域2Lに向けて打ち出すことによって遊技球を大入賞口に入賞させず、MYカウンタ値を98194未満の値としても、該大当り遊技の終了とともにパチンコ遊技機1が遊技停止状態に制御されるようになっている。
【0316】
更に、大当り遊技中においてMYカウンタ値が98194に達して遊技停止フラグがセットされ、且つ該大当り遊技状態において電断が発生した場合については、電断検出処理において遊技停止フラグがセットされた状態でバックアップされる。このため、クリアスイッチ92が操作されることなくパチンコ遊技機1に電源が投入されると、パチンコ遊技機1は遊技停止状態ではなく大当り遊技状態にて起動する。つまり、パチンコ遊技機1は遊技停止フラグがセットされているにもかかわらず、大当り遊技状態として起動するので、該状態においては特段のエラー報知等は実行されない。そして、大当り遊技終了後は、遊技停止フラグがセットされていることにもとづいて遊技停止状態に制御されるようになっている。
【0317】
また、
図29(B)に示すように、MYカウンタ値が規定値である98194に達した場合については、遊技が停止されるとともに、パチンコ遊技機1の電源がOFFとなるまでターミナル基板16からセキュリティ信号の出力が実行される。尚、MYカウンタ値が規定値である98194に達して遊技が停止された場合は、パチンコ遊技機1の電源を一旦OFFにした後、クリアスイッチ92の操作とともにパチンコ遊技機1に再び電源を投入することによって初期化処理(
図16のステップ8)が実行されると、遊技可能な状態となる。つまり、遊技停止状態の解除条件は、初期化処理を伴ってパチンコ遊技機1を起動させる(コールドスタートさせる)ことである。
【0318】
尚、パチンコ遊技機1において遊技が停止された状態において、パチンコ遊技機1の電源を一旦OFFにした後に、クリアスイッチ92の操作せずにパチンコ遊技機1に再び電源を投入する場合は、電源がOFFとなる際に電源断検出処理においてバックアップデータが作成され、パチンコ遊技機1に再び電源が投入されたときに復旧処理(
図16のステップ6)が実行されることによって、パチンコ遊技機1がバックアップデータにもとづき遊技が停止されている状態で復旧される。
【0319】
(メイン側エラー処理)
ここで、
図17に示すメイン側エラー処理について説明する。該メイン側エラー処理では、例えば、各スイッチやセンサの検出状況を参照し、異常が発生しているか否かを判定する異常判定処理を実行し、異常が発生していると判定した場合には、該判定した異常を特定する。
【0320】
例えば、
図29(A)に示すように、CPU103は、電波センサ005SG070が所定の電波を検出したことにもとづいて電波エラーの発生を特定し、磁気センサ005SG060が所定の強さ以上の磁気を検出したことにもとづいて磁気エラーの発生を特定し、特別可変入賞球装置7が大当り遊技中や小当り遊技中以外で開放している、つまり、大入賞口扉センサ005SG091が大当り遊技中や小当り遊技中以外で大入賞口扉の開放を検出したことにもとづいて遊技球誘導蓋作動エラーの発生を特定し、低ベース状態において第2始動入賞が発生したこと(低ベース状態において第2始動口スイッチ22Bが遊技球を検出したこと)にもとづいて始動口2異常入賞エラーが発生したことを特定し、コントローラセンサユニット35Aがスティックコントローラ31Aの操作を検出できないこと等の異常を検出したことにもとづいてコントローラ接続エラーの発生を特定し、扉開放センサ005SG090が遊技機用枠3の開放を検出したことにもとづいてドア開放エラーが発生したことを特定し、球切れセンサ005SG094が補給球が切れたことを検出したことにもとづいて球切れエラーが発生したことを特定する。
【0321】
これらエラーには優先順位が設定されており、複数のエラーが重複して発生した場合には、原則的に該優先順位の最も高いエラーに応じたエラー通知コマンドの送信設定が行われ、CPU103が
図17に示すコマンド制御処理を実行することで該送信設定されたエラー通知コマンドが演出制御基板12に送信されるようになっている。
【0322】
尚、遊技停止エラーが発生した場合は、CPU103が遊技停止フラグをセットすることで、
図17に示すS20c~S20eの処理を実行して遊技を停止する。また、発生したエラーに応じたエラー通知コマンドの送信設定を行う。尚、送信設定されたエラー通知コマンドは、CPU103が
図17に示すコマンド制御処理を実行することで演出制御基板12に送信される。
【0323】
尚、本実施例では、上記遊技停止エラー(電波エラー、磁石エラー、遊技球誘導蓋作動エラー)が発生した場合は、大当り遊技中であればこれら遊技停止エラーが発生しても大当り遊技が終了するまでが遊技が停止されない形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技停止エラー(電波エラー、磁石エラー、遊技球誘導蓋作動エラー)が発生した場合は、大当り遊技中であるかいなかに関わりなく、即座に遊技を停止してもよい。
【0324】
また、これら遊技停止エラーが発生して遊技が停止された場合は、パチンコ遊技機1の電源を一旦OFFにした後、クリアスイッチ92の操作とともにパチンコ遊技機1に再び電源を投入することによって初期化処理(ステップS8)が実行されることで、遊技停止エラーが解除される。つまり、電波エラー、磁石エラー、遊技球誘導蓋作動エラーの解除条件は初期化処理を伴ってパチンコ遊技機1を起動させる(コールドスタートさせる)ことである。
【0325】
これら優先順位が上位3位以内のエラー(遊技停止エラー)が発生した場合は、ターミナル基板16からパチンコ遊技機1が設置されている遊技場に設けられている管理コンピュータや各台計数機等の管理装置に対して、ターミナル基板16からセキュリティ信号が出力される。尚、この場合のセキュリティ信号は、遊技停止エラーが発生してからパチンコ遊技機1の電源がOFFとなるまで出力される。
【0326】
尚、これらエラーのうち優先順位が4位以下のエラーについては、発生するエラー毎に
解除条件とセキュリティ信号の出力態様が異なっている。具体的には、始動口2異常入賞エラーが発生した場合は、発生から300秒の経過にもとづいて該始動口2異常入賞エラーが解除され、発生から4分間に亘ってセキュリティ信号の出力が行われる。不正入賞エラーが発生した場合は、発生から30秒の経過にもとづいて該不正入賞エラーが解除され、発生からパチンコ遊技機1の電源がOFFとなるまでセキュリティ信号の出力が行われる。コントローラ接続エラーが発生した場合は、発生から60秒の経過にもとづいて該コントローラ接続エラーが解除され、発生からパチンコ遊技機1の電源がOFFとなるまでセキュリティ信号の出力が行われる。ドア開放エラーが発生した場合は、ドア(遊技機用枠3)の閉鎖にもとづいて該ドア開放エラーが解除され、セキュリティ信号の出力は行われない。球切れエラーが発生した場合は、該球切れエラーの解除(補給球が供給されたこと)にもとづいて該球切れエラーが解除され、セキュリティ信号の出力は行われない。
【0327】
尚、本実施例では、電波エラー、磁石エラー、遊技球誘導蓋作動エラーについて、パチンコ遊技機1の電源をOFFとした後、クリアスイッチを操作しながらパチンコ遊技機1へ電源を投入することによって解除される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電波エラー、磁石エラー、遊技球誘導蓋作動エラーは、パチンコ遊技機1の電源をOFFとした後、クリアスイッチを操作せずともパチンコ遊技機1へ電源を投入する(パチンコ遊技機1をホットスタートで起動させる)ことによって解除されるようにしてもよい。
【0328】
また、このように、パチンコ遊技機1の電源をOFFとした後、クリアスイッチを操作せずともパチンコ遊技機1へ電源を投入することによって電波エラー、磁石エラー、遊技球誘導蓋作動エラーが解除される場合については、パチンコ遊技機1に電源を投入してから所定期間(例えば、4分間)に亘ってこれら電波エラー、磁石エラー、遊技球誘導蓋作動エラーにもとづくセキュリティ信号の出力が実行されるようにしてもよい。
【0329】
(賞球処理)
次に、メイン処理における賞球処理(S21a)を説明する。まず、主基板11と払出制御基板21TM037との間で送受信される払出制御信号(接続確認信号)および賞球要求信号(払出制御コマンド)について説明する。
【0330】
図30(A)は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から払出制御基板21TM037に対して出力される制御信号の内容の一例を示す説明図である。この実施の形態では、払出制御等に関する各種の制御を行うために、主基板11と払出制御基板21TM037との間で制御信号として接続確認信号が送受信される。
図30(A)に示すように、接続確認信号は、主基板11の立ち上がり時(遊技制御用マイクロコンピュータ100が遊技制御メイン処理を開始したとき)に出力され、払出制御基板21TM037に対して主基板11が立ち上がったことを通知するための信号(主基板11の接続確認信号)である。また、接続確認信号は、賞球払出が可能な状態であることを示す。なお、接続確認信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ100のI/Oポート21TM057および出力回路21TM067を介して出力され、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370の入力回路21TM373AおよびI/Oポート21TM372eを介して払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に入力される。接続確認信号は、それぞれ1ビットのデータであり、1本の信号線によって送信される。なお、接続確認信号は、電源投入時に実行されるS6,S8の処理によって出力ポート0の接続確認信号に対応するビットに初期値が設定されることによって出力可能な状態となる(具体的には
図34に示すS21TM2080の処理によって出力されるが、
図16に示すS6,S8のタイミングで出力されるようにしてもよい)。
【0331】
払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、遊技制御用マイクロコンピュータ100と同様に、シリアル通信回路21TM380を内蔵する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100が内蔵するシリアル通信回路21TM505と、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が内蔵するシリアル通信回路21TM380との間で、各種払出制御コマンドが送受信される。なお、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が内蔵するシリアル通信回路21TM380の構成及び機能は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が内蔵するシリアル通信回路21TM505の構成及び機能と同様である。
【0332】
図30(B)は、遊技制御用マイクロコンピュータ100と払出制御基板21TM037との間で送受信される制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。本実施例では、払出制御等に関する各種の制御を行うために、主基板11と払出制御基板21TM037とのマイクロコンピュータの間で各種制御コマンド(賞球要求信号)が送受信される。
【0333】
上述したように、賞球要求信号および受信ACK信号は、8ビットのデータ(2進8桁のデータ)によって構成され、設定された8ビットのデータの内容によって所定の内容を示す制御コマンドとして出力される。
【0334】
接続確認コマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ100と払出制御用マイクロコンピュータ21TM370との間の接続状態が正常であるか否かを確認するために一定間隔(1s)毎に遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信される制御コマンドである。接続確認コマンドのデータの内容は「A0(H)」すなわち「1010000」とされている。
【0335】
接続OKコマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ100と払出制御用マイクロコンピュータ21TM370との間の接続状態が正常であることを通知するための制御コマンドであって、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が接続確認コマンドの受信に応じて応答信号として送信する制御コマンドである。接続OKコマンドのデータの内容は「8x(H)」すなわち「10000xxx」とされている。ここで、賞球エラー(入賞にもとづく賞球払出動作や球貸し要求にもとづく球貸払出動作が正常に行えない状態になった異常状態)が発生した場合には、1ビット目の「x」に「1」が設定される。また、満タンエラーが発生した場合には、2ビット目の「x」に「1」が設定される。また、球切れエラーが発生した場合には、3ビット目の「x」に「1」が設定される。また、ドア開放エラーが発生した場合には、4ビット目の「x」に「1」が設定される。このようにして、遊技制御用マイクロコンピュータ100と払出制御用マイクロコンピュータ21TM370との間の接続確認を行っている最中に、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370における所定のエラーの発生を遊技制御用マイクロコンピュータ100に通知することができる。
【0336】
賞球個数コマンドは、払出要求を行う遊技球の個数(0~14個)を通知するための制御コマンドであって、遊技制御用マイクロコンピュータ100が入賞の発生に基づいて送信する制御コマンドである。賞球個数コマンドのデータの内容は「5x(H)」すなわち「0101xxxx」とされている。この実施の形態では、第1始動口スイッチ22A,第2始動口スイッチ22Bで遊技球が検出されると3個の賞球払出を行い、一般入賞口10に対応した一般入賞スイッチ25で遊技球が検出されると10個の賞球払出を行い、第1カウントスイッチ23で遊技球が検出されると14個の賞球払出を行う。よって、第1始動口スイッチ22A,第2始動口スイッチ22Bで遊技球が検出された場合、賞球数3個を通知するための賞球個数コマンド「01010011」が送信され、一般入賞口10に対応した入賞口スイッチで遊技球が検出された場合、賞球数10個を通知するための賞球個数コマンド「01011010」が送信され、第1カウントスイッチ23で遊技球が検出された場合、賞球数14個を通知するための賞球個数コマンド「01011110」が送信される。なお、接続確認コマンド及び賞球個数コマンドは賞球要求信号として、何れかが送信されるように構成されている。なお、賞球個数コマンドは、賞球の払出条件(入賞等の発生)が成立したことにもとづいて、接続確認コマンドが送信されるタイミングで、接続確認コマンドに代えて送信されるものである。この実施の形態では、上述したように、上位4ビットに賞球個数に対応したデータを設定しているが、上位4ビットを共通にして下位4ビットに賞球個数に対応したデータを設定するようにしてもよい。
【0337】
賞球終了コマンドは、賞球動作(賞球払出動作)が終了したことを示す制御コマンドであって、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が賞球動作の終了にもとづいて送信する制御コマンドである。賞球終了コマンドのデータの内容は「50(H)」すなわち「01010000」とされている。なお、賞球終了コマンドは、賞球動作が終了したことにもとづいて、接続OKコマンドが送信されるタイミングで、接続OKコマンドに代えて送信されるものである。この実施の形態では、賞球終了コマンドにエラー情報を示すデータを設定するように構成してない。これは、賞球終了コマンドは賞球動作が終了したときに1回だけ送信されるので、そのタイミングでエラー情報を送らなくても次の接続OKコマンドにエラー情報を示すデータを設定して送るようにすることが可能であるからである。なお、賞球終了コマンドの下位4ビットにエラー情報を示すデータを設定するようにしてもよい。
【0338】
賞球準備中コマンドは、所定のエラーが発生し賞球動作が終了していないことを通知する制御コマンドであって、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が賞球動作の実行中に所定のエラーが発生したことにもとづいて送信する制御コマンドである。接続OKコマンドのデータの内容は「8x(H)」すなわち「10000xxx」とされている。ここで、賞球エラーが発生した場合には、1ビット目の「x」に「1」が設定される。また、満タンエラーが発生した場合には、2ビット目の「x」に「1」が設定される。また、球切れエラーが発生した場合には、3ビット目の「x」に「1」が設定される。また、ドア開放エラーが発生した場合には、4ビット目の「x」に「1」が設定される。このようにして、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370から遊技制御用マイクロコンピュータ100に賞球動作の実行中に所定のエラーが発生し賞球動作が終了していないことを遊技制御用マイクロコンピュータ100に通知することができるとともに、エラーの内容も遊技制御用マイクロコンピュータ100に通知することができる。賞球準備中コマンドは、接続OKコマンドと同様に、下位4ビットの内容をエラー状態に応じて異ならせる(所定ビットを異ならせる)ことによって所定のエラーが発生したことを通知している。また、接続OKコマンド、賞球準備中コマンド、賞球終了コマンドは、受信ACK信号として、何れかのコマンドが送信されるように構成されている。なお、賞球準備中コマンドは、エラーが発生して賞球動作が実行できない状態のみならず、賞球動作の実行中の状態においても出力されるコマンド(信号)である。
【0339】
なお、賞球準備中コマンドは、エラーが発生して賞球動作が行えない状態になったことにもとづいて、接続OKコマンドが送信されるタイミングで、接続OKコマンドに代えて送信されるものである。
【0340】
図31は、
図30(A)に示す制御信号および
図30(B)に示す制御コマンドの送受信に用いられる信号線等を示すブロック図である。
図31に示すように、接続確認信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ100によって出力回路21TM067を介して出力され、入力回路21TM373Aを介して払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に入力される。また、制御コマンドのうちの接続確認コマンドおよび賞球個数コマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ100が内蔵するシリアル通信回路21TM505から出力され、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が内蔵するシリアル通信回路21TM380に入力される。制御コマンドのうちの接続OKコマンド、賞球終了コマンドおよび賞球準備中コマンドは、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が内蔵するシリアル通信回路21TM380から出力され、遊技制御用マイクロコンピュータ100が内蔵するシリアル通信回路21TM505に入力される。なお、
図31では、シリアル通信を行うための信号線として2本の信号線(賞球要求信号を送信するための信号線と受信ACK信号を送信するための信号線)を示しているが、実際は1本の信号線で賞球要求信号と受信ACK信号を送受信する。
【0341】
次に、通常動作時における遊技制御用マイクロコンピュータと払出制御用マイクロコンピュータとの信号(賞球要求信号、受信ACK信号;制御コマンド)の送受信について説明する。賞球要求信号は、接続確認コマンドと賞球個数コマンドからなり、受信ACK信号は、接続OKコマンドと賞球終了コマンドと賞球準備中コマンドからなる。
【0342】
図32は、通常動作時における遊技制御用マイクロコンピュータ100と払出制御用マイクロコンピュータ21TM370との信号の送受信を示すシーケンス図である。
図32に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、シリアル通信回路21TM505を介して、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370との間の信号線の接続が切れていないかどうかを確認するために、賞球要求信号としての接続確認コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に送信する。払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、賞球要求信号としての接続確認コマンドをシリアル通信回路21TM380を介して受信すると、受信ACK信号としての接続OKコマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ100に送信する。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、受信ACK信号としての接続OKコマンドを受信すると、受信した時点から1s(1秒)経過後に賞球要求信号としての接続確認コマンドを送信する。遊技制御用マイクロコンピュータ100および払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、接続状態が正常である限り、上記のような接続確認の通信処理を繰り返し実行する。
【0343】
(払出制御メイン処理)
次に、払出制御基板21TM037の動作について説明する。
図9-23は、払出制御基板21TM037が実行するメイン処理(払出制御メイン処理)を示すフローチャートである。メイン処理では、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370の払出制御用CPU21TM371は、まず、必要な初期設定を行う。すなわち、払出制御用CPU21TM371は、まず、割込禁止に設定する(S21TM1810)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S21TM1820)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S21TM1830)。また、払出制御用CPU21TM371は、内蔵デバイスレジスタの設定を行い(S21TM1840)、CTCおよびPIOの設定を行う(S21TM1850)を行った後に、RAMをアクセス可能状態に設定する(S21TM1860)。また、賞球未払出個数カウンタ初期値として0000(H)をセットする(S21TM1870)。
【0344】
本実施例では、内蔵CTCのうちの一つのチャネルがタイマモードで使用される。従って、S21TM1840の内蔵デバイスレジスタの設定処理およびS21TM1850の処理において、使用するチャネルをタイマモードに設定するためのレジスタ設定、割込発生を許可するためのレジスタ設定および割込ベクタを設定するためのレジスタ設定が行われる。そして、そのチャネルによる割込がタイマ割込として用いられる。タイマ割込を例えば2ms毎に発生させたい場合は、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
【0345】
なお、タイマモードに設定されたチャネル(本実施例ではチャネル3)に設定される割込ベクタは、タイマ割込処理の先頭アドレスに相当するものである。具体的は、Iレジスタに設定された値と割込ベクタとでタイマ割込処理の先頭アドレスが特定される。タイマ割込処理では、払出手段を制御する払出制御処理(少なくとも主基板からの賞球払出に関する指令信号に応じて払出モータ21TM289を駆動する処理を含み、球貸し要求に応じて払出モータ21TM289を駆動する処理が含まれていてもよい。)が実行される。
【0346】
本実施例では、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370でも割込モード2が設定される。従って、内蔵CTCのカウントアップにもとづく割込処理を使用することができる。また、CTCが送出した割込ベクタに応じた割込処理開始アドレスを設定することができる。CTCのチャネル3(CH3)のカウントアップにもとづく割込は、CPUの内部クロック(システムクロック)をカウントダウンしてレジスタ値が「0」になったら発生する割込であり、タイマ割込として用いられる。
【0347】
次に、払出制御用CPU21TM371は、まず、RAMクリア処理を行う(S21TM1880)。また、RAM領域のフラグやカウンタなどに初期値を設定する(S21TM1890)。S21TM1890の処理には、賞球未払出個数カウンタ初期値を賞球未払出個数カウンタにセットする処理が含まれる。
【0348】
また、払出制御用CPU21TM371は、シリアル通信回路21TM380を初期設定するシリアル通信回路設定処理を実行する(S21TM1900)。この場合、払出制御用CPU21TM371は、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が行うシリアル通信回路設定処理(S21TM2560参照)と同様の処理に従って、シリアル通信回路21TM380に遊技制御用マイクロコンピュータ100とシリアル通信させるための設定を行う。
【0349】
シリアル通信回路21TM380を初期設定すると、払出制御用CPU21TM371は、シリアル通信回路21TM380の割り込み要求に応じて実行する割込処理の優先順位を初期設定する(S21TM1910)。この場合、払出制御用CPU21TM371は、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が行う優先順位の初期設定処理と同様の処理に従って、割込処理の優先順位を初期設定する。
【0350】
そして、定期的にタイマ割込がかかるように払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に設けられているCTCのレジスタの設定を行う(S21TM1920)。すなわち、初期値としてタイマ割込発生間隔に相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。そして、初期設定処理のS21TM1810において割込禁止とされているので、初期化処理を終える前に割込が許可される(S21TM1930)。その後、タイマ割込の発生を監視するループ処理に入る。
【0351】
上記のように、この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370の内蔵CTCが繰り返しタイマ割込を発生するように設定される。そして、タイマ割込が発生すると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370の払出制御用CPU21TM371は、タイマ割込処理を実行する。
【0352】
(払出制御タイマ割込処理)
図34は、払出制御基板21TM037が実行するタイマ割込処理(払出制御タイマ割込処理)の例を示すフローチャートである。タイマ割込処理にて、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370の払出制御用CPU21TM371は、払出制御処理として以下の処理を実行する。まず、払出制御用CPU21TM371は、入力判定処理を行う(S21TM2010)。入力判定処理は、入力ポート0のビット4~6および入力ポート1のビット3~6の状態を検出して検出結果をRAMの所定の1バイト(入力状態フラグと呼ぶ。)に反映する処理である。なお、払出制御処理において、入力ポート0のビット4~6および入力ポート1のビット3~6の状態にもとづいて制御を行う場合には、直接入力ポートの状態をチェックするのではなく、入力状態フラグの状態をチェックする。
【0353】
次に、払出制御用CPU21TM371は、払出モータ制御処理を実行する(S21TM2020)。払出モータ制御処理では、払出モータ21TM289を駆動すべきときには、払出モータφ1~φ4のパターンを出力ポート0に出力するための処理を行う。
【0354】
また、払出制御用CPU21TM371は、カードユニット21TM050と通信を行うプリペイドカードユニット制御処理を実行する(S21TM2030)。本実施例におけるプリペイドカードユニット制御処理は、返却スイッチ21TM063が操作されたことにもとづいて、遊技者に払い出された賞球数のデータをプリペイドカードに書き込む処理、賞球のデータが書き込まれたプリペイドカードをカードユニット21TM050から排出して遊技者に返却する処理等を含んでいる。また、払出制御用CPU21TM371は、後述する主制御通信処理を実行する(S21TM2035)。さらに、カードユニット21TM050からの球貸し要求に応じて貸し球を払い出す制御を行い、また、主基板からの賞球個数コマンドが示す個数の賞球を払い出す制御を行う賞球球貸し制御処理を実行する(S21TM2040)。
【0355】
そして、払出制御用CPU21TM371は、各種のエラーを検出するエラー処理を実行する(S21TM2050)。また、遊技機外部に出力される賞球情報や球貸し情報を出力するための情報出力処理を実行する(S21TM2060)。また、エラー処理の結果に応じてエラー表示用LED21TM374に所定の表示を行うとともに、賞球LED21TM053および球切れLED21TM054を点灯するための表示制御処理を実行する(S21TM2070)。
【0356】
本実施例では、後述するエラー処理において各種エラー(例えば、満タンエラーや球切れエラー、プリペイドカードユニット未接続エラー)が検出されると、検出されたエラーに対応するエラービットがセットされる。そして、S21TM2070の表示制御処理において、エラービットがセットされていることに基づいて、払出制御用CPU21TM371は、エラー表示用LED21TM374に所定の表示を行う。また、払出制御用CPU21TM371は、表示制御処理において、賞球払出を行っている状態であるときに、賞球LED21TM053を点灯するための制御を行う。また、賞球払出を終了したら、賞球LED21TM053を消灯するための制御を行う。
【0357】
また、本実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポート0バッファ、出力ポート1バッファ、出力ポート2バッファ)が設けられているのであるが、払出制御用CPU21TM371は、出力ポート0バッファ、出力ポート1バッファおよび出力ポート2バッファの内容を出力ポートに出力する(S21TM2080:出力処理)。出力ポート0バッファ、出力ポート1バッファおよび出力ポート2バッファは、払出モータ制御処理(S21TM2020)、プリペイドカード制御処理(S21TM2030)、主制御通信処理(S21TM2035)、情報出力処理(S21TM2060)および表示制御処理(S21TM2070)で更新される。
【0358】
次に、S21TM2035の主制御通信処理において、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370の払出制御用CPU21TM371が各種コマンドを送受信する動作を説明する。
図31に示すように、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、遊技制御用マイクロコンピュータ100と各種コマンドをシリアル通信するシリアル通信回路21TM380を内蔵している。払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、シリアル通信回路21TM380を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ100から
図30(B)に示す賞球個数コマンドを受信する。また、賞球個数コマンドを受信すると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、シリアル通信回路21TM380を用いて、賞球ACKコマンド「D2」を受信確認信号として送信する。
【0359】
また、払出制御用CPU21TM371は、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103と同様に、割り込み許可状態である間にシリアル通信回路21TM380からの割り込み要求があると、シリアル通信回路21TM380が割り込み要求を行った割り込み原因に応じた割り込み処理を実行する。この実施の形態では、払出制御用CPU21TM371は、割り込み原因が、シリアル通信回路21TM380が受信データを受信したことであると特定すると、受信時割込処理を実行する。この場合、払出制御用CPU21TM371は、シリアル通信回路21TM380が受信データを受信していることを示す受信時割込フラグをセットする。なお、払出制御用CPU21TM371は、受信時割込処理において、受信時割込フラグをセットするのでなく、シリアル通信回路21TM380の受信データレジスタからデータを読み込んでもよい。この場合、例えば、払出制御用CPU21TM371は、受信時割込処理において、読み込んだ受信データが賞球個数コマンドであるか否かを判断する。また、受信データが賞球個数コマンドである場合、払出制御用CPU21TM371は、賞球個数コマンドが示す賞球数を賞球未払出個数カウンタに加算してもよい。そのようにすれば、後述する主制御通信処理において、受信時割込フラグがセットされていることにもとづいて受信データが賞球個数コマンドであるか否かを判定し、賞球数を賞球未払出個数カウンタに加算する処理を実行する必要がなくなる。
【0360】
(主基板、払出制御基板、カードユニット間の通信)
図35は、遊技機の主基板11、払出制御基板21TM037、及びカードユニット21TM050の間の通信を説明するためのタイミング図である。遊技機への電力供給が開始され、主基板11からの接続確認信号がON状態であることに基づいて、払出制御基板21TM037は、払出動作が可能なときにはPRDY信号をON状態にする。接続確認信号は、
図16に示す、S10aの処理であるシリアル通信回路設定処理でON状態となる(
図30(A)参照)。カードユニット21TM050は、電力供給が開始されると、接続信号としてのVL信号をON状態にする。
【0361】
カードユニット21TM050においてカードが受け付けられ、球貸スイッチ21TM062が操作され球貸スイッチ信号が入力されると、カードユニット21TM050は、PRDY信号がON状態であることに基づいて、払出制御基板21TM037にBRDY信号を出力する。すなわち、BRDY信号をON状態にする。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット21TM050は、BRDY信号がON状態であることに基づいて、払出制御基板21TM037にBRQ信号を出力する。すなわち、BRQ信号をON状態にする。
【0362】
そして、払出制御基板21TM037は、PRDY信号がON状態であり、かつ、BRDY信号及びBRQ信号が何れもON状態であることに基づいて、カードユニット21TM050に対するEXS信号をON状態にし、カードユニット21TM050からのBRQ信号の立ち下がり(OFF)を検出すると、払出モータ21TM289を駆動し、所定個(例えば125個)の貸し球を遊技者に払い出す。そして、払出制御基板21TM037は、カードユニット21TM050に対するEXS信号を立ち下げる。すなわちEXS信号をOFF状態にする。
【0363】
(賞球払出制御)
【0364】
図36は、通常動作時における遊技制御用マイクロコンピュータ100と払出制御用マイクロコンピュータ21TM370との信号の送受信を示すタイミング図である。
図36に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、賞球要求信号としての接続確認コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に送信すると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370から送信される受信ACK信号としての接続OKコマンドを受信する。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、受信ACK信号としての接続OKコマンドを受信すると、受信した時点から1s(1秒)経過後に賞球要求信号としての接続確認コマンドを再び送信する。遊技制御用マイクロコンピュータ100および払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、接続状態が正常である限り、上記のような接続確認の通信処理を繰り返し実行する。
【0365】
接続確認の通信処理を実行していないとき(受信ACK信号としての接続OKコマンドを受信してから賞球要求信号としての接続確認コマンドを送信するまでの間)に入賞があった場合は、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、賞球個数を示すデータを賞球要求信号に設定し、当該設定した賞球要求信号としての賞球個数コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に送信する。払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、賞球要求信号としての賞球個数コマンドを受信すると、賞球個数コマンドで指定された個数の賞球の払い出しを行い、賞球の払い出し(賞球払出動作)が終了すると、受信ACK信号としての賞球終了コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ100に送信する。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、受信ACK信号としての賞球終了コマンドを受信すると、受信した時点から1s(1秒)経過後に賞球要求信号としての接続確認コマンドを送信する。
【0366】
尚、図示していないが、接続確認の通信処理の実行中(賞球要求信号としての接続確認コマンドを送信してから受信ACK信号としての接続OKコマンドを受信するまでの間)に入賞があった場合は、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、賞球個数を示すデータを賞球要求信号に設定し、当該設定した賞球要求信号としての賞球個数コマンドを、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370からの受信ACK信号としての接続OKコマンドを受信した後に払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に送信する。払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、賞球要求信号としての賞球個数コマンドを受信すると、賞球個数コマンドで指定された個数の賞球の払い出しを行い、賞球の払い出し(賞球払出動作)が終了すると、受信ACK信号としての賞球終了コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ100に送信する。なお、賞球の払い出し(賞球払出動作)の実行中は、受信ACK信号としての賞球準備中コマンドが遊技制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
【0367】
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、
図37のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。
図37に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行される。
【0368】
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS73;No)、ステップS73の処理を繰返し実行して待機する。
【0369】
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
【0370】
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS73;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
【0371】
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
【0372】
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。ステップS77を実行した後は、エラー報知処理を実行する(ステップS78)。エラー報知処理では、例えば、当該パチンコ遊技機1にて発生したエラーを画像表示装置5での画像の表示、スピーカ8L、8Rからの音出力、遊技効果ランプ9の点灯等により報知する制御が行われる。そして、ステップS78を実行した後は、デモ演出処理を実行する(ステップS79)。デモ演出処理では、例えば、演出制御用CPU120は、CPU103から客待ちデモ指定コマンドを受信したことにもとづいて、客待ちデモ開始待ちタイマを動作させる。そして、客待ちデモ開始待ちタイマの動作期間中に新たな可変表示が開始されなければ、該客待ちデモ開始待ちタイマのタイマアウトにもとづいて客待ちデモ演出を実行する。尚、デモ演出の実行中に新たな可変表示が開始された場合は、実行中のデモ演出を中断する。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
【0373】
(演出制御プロセス処理)
【0374】
図38は、演出制御プロセス処理として、
図37のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図38に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、遊技停止通知コマンドの受信が有るか否かを判定する(ステップS160a)。遊技停止通知コマンドの受信が有る場合(ステップS160a;Y)は、演出制御プロセスフラグの値を遊技停止演出処理に応じた値である“6”に更新し、ステップS160cに進み(ステップS160b)、遊技停止通知コマンドの受信が無い場合(ステップ160a;N)はステップS160cに進む。
【0375】
ステップ160cにおいて演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値が遊技停止演出処理に応じた値である“6”であるか否かを判定する。演出制御プロセスフラグの値が“6”である場合(ステップ160c;Y)はステップS164に進み、演出制御プロセスフラグの値が“6”ではない場合(ステップ160c;N)は、先読予告演出設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告演出設定処理では、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読み予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
【0376】
先読予告演出設定処理の実行後は、通常状態から大当り遊技状態に制御されてから、再度通常状態に制御されるまでの期間中の各大当り遊技状態において払い出された賞球数を集計するための賞球数合算処理(ステップS162)、遊技者に対して当該パチンコ遊技機1における遊技が停止されることを示唆する遊技停止示唆演出を実行するための遊技停止示唆演出処理(ステップS163)を実行し、ステップS164に進む。
【0377】
賞球数合算処理では、通常状態から大当り遊技状態に制御されたタイミングで賞球数カウンタの値を0にセットし、大当り遊技中において大入賞口への入賞に応じた賞球数通知コマンドを受信する毎に該賞球カウンタの値の加算処理を実行すればよい。
【0378】
また、ステップS164において演出制御用CPU120は、大当り遊技状態、時短状態、確変状態において遊技者に対して右遊技領域2Rに向けて遊技球を打ち出すよう促す右打ち促進表示を画像表示装置5において表示するための右打ち促進表示処理を実行する。
【0379】
また、ステップ165において演出制御用CPU120は、遊技状態が時短状態や確変状態から通常状態に制御されたときに、遊技者に対して左遊技領域2Lに向けて遊技球を打ち出すよう促す左打ち促進表示を画像表示装置5において表示するための左打ち促進表示処理を実行する。
【0380】
ステップS165の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170~S177の処理のいずれかを選択して実行する。
【0381】
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
【0382】
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
【0383】
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
【0384】
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から大当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、演出プロセスフラグの値を“4”に更新する。また、大当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「はずれ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
【0385】
ステップS174の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新し、大当り中演出処理を終了する。また、本実施例の大当り中演出処理は、大当り遊技中において遊技球が第2カウントスイッチ24にて検出されたことを通知するV入賞通知コマンドを受信したことにもとづいてV入賞報知演出を実行する処理でもある。
【0386】
ステップS175のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
【0387】
ステップS177の遊技停止演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。この遊技停止演出処理において、演出制御用CPU120は、遊技停止通知コマンドを受信したことにもとづいて該パチンコ遊技機1における遊技が停止されたことを示す遊技停止演出を実行する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1は、一旦遊技が停止されると、電源をOFF状態にしてからクリアスイッチ92を操作しつつ電源をON状態として起動(コールドスタートにて起動)させなければ再度遊技可能な状態とならないため、遊技が停止されてからは、電源をOFF状態としない限り遊技停止演出が継続して実行されるようになっている。
【0388】
(先読予告演出設定処理)
図39は、先読予告演出設定処理として、
図38のステップS161にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図39に示す先読予告演出設定処理において、演出制御用CPU120は、先ず、始動入賞時受信コマンドバッファ005SG194Aをチェックし(ステップ005SGS241)、保留表示フラグがセットされていないエントリが有るか否かを判定する(ステップ005SGS242。)。
【0389】
保留表示フラグがセットされていないエントリが無い場合は(ステップ005SGS242;N)、ステップ005SGS252に進み、保留表示フラグがセットされていないエントリが有る場合は(ステップ005SGS242;Y)、さらに、該エントリの図柄指定コマンドが第1図柄指定コマンドであるか否か、つまり、図柄指定コマンドがはずれを示すコマンドであるか否かを判定する(ステップ005SGS243)。該エントリの図柄指定コマンドが第1図柄指定コマンドでない場合、つまり、大当りを示すコマンドである場合は(ステップ005SGS243;N)、MYカウンタ値の数値範囲を特定する(ステップ005SGS244)。尚、MYカウンタ値の数値範囲は、例えば、受信したMYカウンタ値通知コマンドから特定すればよい(
図5(D)参照)。
【0390】
また、演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファ005SG194Aから可変表示結果が大当りとなる保留記憶数を特定し(ステップ005SGS245)、当該エントリとして記憶されている保留記憶が大当りの保留記憶であること、大当りとなる保留記憶数、MYカウンタ値の数値範囲にもとづいて保留表示の表示パターンを決定する(005SGS246)。
【0391】
ステップ005SGS246においては、例えば、
図40(A)、
図40(B)に示すような決定割合で先読予告演出の実行の有無と表示パターン(予告種別)とを決定する。
【0392】
具体的には、先読予告演出の表示パターン(予告種別)として、表示パターンα、表示パターンβ、表示パターンγの3種類が設けられている。このうち、先読予告演出の表示パターンが表示パターンαに決定された場合には、保留記憶表示が白色の四角形(◇)で第1保留記憶表示エリア5Dまたは第2保留記憶表示エリア5Uに表示され、先読予告演出の表示パターン(予告種別)が表示パターンβに決定された場合には、保留記憶表示が白色の星形(☆)で第1保留記憶表示エリア5Dまたは第2保留記憶表示エリア5Uに表示され、先読予告演出の表示パターン(予告種別)が表示パターンγに決定された場合には、保留記憶表示がアルファベットの「V」字で第1保留記憶表示エリア5Dまたは第2保留記憶表示エリア5Uに表示される。尚、先読予告演出が実行されない場合については、保留表示が白色の丸形(〇)で第1保留記憶表示エリア5Dまたは第2保留記憶表示エリア5Uに表示される。
【0393】
尚、ステップ005SGS246においては、
図40(A)に示すように、MYカウンタ値が0~95000である場合、MYカウンタ値が95001以上且つ大当りとなる保留記憶数が1個である場合に、該保留記憶が大当りとなる保留記憶であることにもとづいて、5%の割合で先読み予告演出の非実行(保留表示を白色の丸形で表示すること)を決定し、25%の割合で先読み予告演出を表示パターンαで実行すること(保留表示を白色の四角形で表示すること)を決定し、65%の割合で先読み予告演出を表示パターンβで実行すること(保留表示を白色の星形で表示すること)を決定し、5%の割合で先読み予告演出を表示パターンγで実行すること(保留表示を「V」字で表示すること)を決定する。
【0394】
また、ステップ005SGS246においてMYカウンタ値が95001以上且つ大当りとなる保留記憶数が2個以上である場合においては、
図40(B)に示すように、該保留記憶が大当りとなる保留記憶であることにもとづいて、5%の割合で先読み予告演出の非実行(保留表示を白色の丸形で表示すること)を決定し、30%の割合で先読み予告演出を表示パターンαで実行すること(保留表示を白色の四角形で表示すること)を決定し、65%の割合で先読み予告演出を表示パターンβで実行すること(保留表示を白色の星形で表示すること)を決定し、0%の割合で先読み予告演出を表示パターンγで実行すること(保留表示を「V」字で表示すること)を決定する。
【0395】
また、ステップ005SGS243において、該エントリの図柄指定コマンドが第1図柄指定コマンドである場合、つまり、はずれを示すコマンドである場合は(ステップ005SGS243;Y)、該エントリの変動カテゴリ指定コマンドを特定し(ステップ005SGS248)、該特定した変動カテゴリにもとづいて先読予告演出の実行の有無と表示パターンとを決定する(ステップ005SGS249)。
【0396】
ステップ005SGS249では、
図40(C)に示すような決定割合で先読予告演出の実行の有無と表示パターン(予告種別)とを決定する。例えば、
図40(C)に示すように、変動カテゴリが「非リーチ」である場合は、該保留記憶がはずれの保留記憶であることにもとづいて、95%の割合で先読み予告演出の非実行(保留表示を白色の丸形で表示すること)を決定し、5%の割合で先読み予告演出を表示パターンαで実行すること(保留表示を白色の四角形で表示すること)を決定し、0%の割合で先読み予告演出を表示パターンβで実行すること(保留表示を白色の星形で表示すること)を決定し、0%の割合で先読み予告演出を表示パターンγで実行すること(保留表示を「V」字で表示すること)を決定する。
【0397】
また、変動カテゴリが「その他(ノーマルリーチ)」である場合は、該保留記憶がはずれの保留記憶であることにもとづいて、75%の割合で先読み予告演出の非実行(保留表示を白色の丸形で表示すること)を決定し、20%の割合で先読み予告演出を表示パターンαで実行すること(保留表示を白色の四角形で表示すること)を決定し、5%の割合で先読み予告演出を表示パターンβで実行すること(保留表示を白色の星形で表示すること)を決定し、0%の割合で先読み予告演出を表示パターンγで実行すること(保留表示を「V」字で表示すること)を決定する。
【0398】
そして、変動カテゴリが「スーパーリーチ」である場合は、該保留記憶がはずれの保留記憶であることにもとづいて、65%の割合で先読み予告演出の非実行(保留表示を白色の丸形で表示すること)を決定し、25%の割合で先読み予告演出を表示パターンαで実行すること(保留表示を白色の四角形で表示すること)を決定し、10%の割合で先読み予告演出を表示パターンβで実行すること(保留表示を白色の星形で表示すること)を決定し、0%の割合で先読み予告演出を表示パターンγで実行すること(保留表示を「V」字で表示すること)を決定する。
【0399】
つまり、
図40(A)~
図40(C)に示すように、本実施例では、先読予告演出が実行されない場合(保留表示が白色の丸形で表示される場合)は、先読み予告演出が実行される場合(保留表示が白色の四角形や星形、「V」字で表示される場合)よりも大当り遊技状態に制御される割合が低く設定されている。
【0400】
更に、先読み予告演出が実行される場合については、先読予告演出が表示パターンαで実行される場合が最も大当り遊技状態に制御される割合が低く設定されており、先読予告演出が表示パターンγで実行される場合が最も大当り遊技状態に制御される割合が高く設定されている(先読予告演出の実行の有無及び表示パターンに応じた大当り遊技状態に制御される割合(大当り期待度):先読予告演出非実行<先読予告演出を表示パターンαで実行<先読予告演出を表示パターンβで実行<先読予告演出を表示パターンγで実行)。
【0401】
特に、表示パターンγは、大当り遊技状態に制御されることを報知する表示パターンであるとともに、該表示パターンγは、MYカウンタ値が95001以上且つ大当りとなる保留記憶が複数存在する場合には決定され得ないように設定されている。
【0402】
ステップ005SGS246またはステップ005SGS149の処理の実行後、演出制御用CPU120は、先読予告演出の実行の有無及び表示パターンに応じたフラグ値を当該エントリの保留表示フラグにセットする(ステップ005SGS247)。例えば、保留表示予告演出の非実行が決定されている場合には、当該エントリの保留表示フラグに「0」をセットし、保留表示予告演出の表示パターンαでの実行が決定されている場合には、当該エントリの保留表示フラグに「1」をセットし、保留表示予告演出の表示パターンβでの実行が決定されている場合には、当該エントリの保留表示フラグに「2」をセットし、保留表示予告演出の表示パターンγでの実行が決定されている場合には、当該エントリの保留表示フラグに「3」をセットし、ステップ005SGS252に進む。
【0403】
そして、ステップ005SGS252では、始動入賞時受信コマンドバッファ005SG194Aの記憶内容(保留表示フラグの値)にもとづいて保留表示を更新する(ステップ005SGS252)。これにより、始動入賞時受信コマンドバッファ005SG194Aに新たに格納された保留記憶が、保留表示フラグにセットされた「0」、「1」、「2」、「3」のいずれかに対応した表示態様にて表示される。また、可変表示が実行されて、始動入賞時受信コマンドバッファ005SG194Aの記憶内容がシフトされた場合にも、該シフト後の始動入賞時受信コマンドバッファ005SG194Aの記憶内容に応じて、画像表示装置5の下方位置に設けられている第1保留記憶表示エリア5Dおよび第2保留記憶表示エリア5Uの保留表示が更新される。
【0404】
具体的には、
図8-18(B)に示すように、第1特図保留記憶数が1つであれば1つの保留記憶表示を表示する。この保留記憶表示の表示態様としては、該保留記憶に対応する保留表示フラグのフラグ値が「0」である場合には、
図8-18(B)に示すように「〇」の表示態様にて表示され、保留表示フラグのフラグ値が「1」である場合には、「◇」の表示態様にて表示され、保留表示フラグのフラグ値が「2」である場合には、「☆」の表示態様にて表示される。尚、第1特図保留記憶数が2つであれば、2つの保留記憶表示が表示され、それぞれの保留記憶表示が、対応する保留記憶の保留表示フラグにセットされたフラグ値に応じた態様にて第1保留記憶表示エリア5Dに表示される。また、第1特図保留記憶数が3つであれば、3つの保留記憶表示が表示され、それぞれの保留記憶表示が、対応する保留記憶の保留表示フラグにセットされたフラグ値に応じた態様にて第1保留記憶表示エリア5Dに表示される。また、第1特図保留記憶数が4つであれば、4つの保留記憶表示が表示され、それぞれの保留記憶表示が、対応する保留記憶の保留表示フラグにセットされたフラグ値に応じた態様にて第1保留記憶表示エリア5Dに表示される。
【0405】
尚、本実施例においては、ステップ005SGS252の処理を先読予告演出設定処理において実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら第1保留記憶表示エリア5Dおよび第2保留記憶表示エリア5Uの保留表示が更新するための処理を、先読予告演出設定処理とは異なる処理(例えば、保留表示更新処理)として個別に実行するようにしてもよい。
【0406】
また、本実施例では、前述のように第1始動入賞口への始動入賞と第2始動入賞口への始動入賞が同時に発生した場合には、第1特図における始動入賞時のコマンドが新たに格納された保留記憶と第2特図における始動入賞時のコマンドが新たに格納された保留記憶の双方を先読予告演出の実行と非実行の決定の対象としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、このような場合は、第1特図における保留記憶での先読予告演出の実行と非実行、第2特図における保留記憶での先読予告演出の実行と非実行を、いずれか一方のみに決定するようにしてもよい。
【0407】
具体的には、遊技状態が、高開放制御が行われない通常状態である場合は、第1特図における保留記憶での先読予告演出の実行と非実行の決定を第2特図における保留記憶での先読予告演出の実行と非実行の決定よりも優先して行う。そして、第1特図における保留記憶での先読予告演出の実行を決定した場合は、第2特図における保留記憶の先読予告演出の実行を一義的に非実行に決定し、第1特図における保留記憶での先読予告演出の非実行を決定した場合は、第2特図における保留記憶の先読予告演出の実行と非実行を決定すればよい。
【0408】
一方、遊技状態が、高開放制御が行われる時短状態や確変状態である場合は、第2特図における保留記憶での先読予告演出の実行と非実行の決定を第1特図における保留記憶での先読予告演出の実行と非実行の決定よりも優先して行う。そして、第2特図における保留記憶での先読予告演出の実行を決定した場合は、第1特図における保留記憶の先読予告演出の実行を一義的に非実行に決定し、第2特図における保留記憶での先読予告演出の非実行を決定した場合は、第1特図における保留記憶の先読予告演出の実行と非実行を決定すればよい。
【0409】
(遊技停止示唆演出処理)
図41は、遊技停止示唆演出処理として、
図38のステップS163にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図41に示す遊技停止示唆演出処理において、演出制御用CPU120は、先ず、遊技停止示唆演出プロセスタイマが動作中であるか否かを判定する(ステップ005SGS401)。遊技停止示唆演出プロセスタイマが動作中でない場合(ステップ005SGS401;N)は、更に第3MYカウンタ値通知コマンドの受信が有るか否かを判定する(ステップ005SGS402)。第3MYカウンタ値通知コマンドの受信が無い場合(ステップ005SGS402;N)は遊技停止示唆演出処理を終了し、第3MYカウンタ値通知コマンドの受信が有る場合、すなわち、MYカウンタ値が95001~98194の範囲である場合(ステップ005SGS402)は、遊技状態を特定し(ステップ005SGS403)、該特定した遊技状態が通常状態であるか否かを判定する(ステップ005SGS404)。
【0410】
特定した遊技状態が通所状態である場合(ステップ005SGS404;Y)は、通常状態に応じた遊技停止示唆演出のプロセステーブルを選択し、ステップ005SGS407に進む(ステップ005SGS405)。また、特定した遊技状態が時短状態、確変状態のいずれかである場合(ステップ005SGS404;N)は、時短状態・確変状態に応じた遊技停止示唆演出のプロセステーブルを選択し、ステップ005SGS407に進む(ステップ005SGS406)。
【0411】
そして、005SGS407において演出制御用CPU120は、選択した遊技停止示唆演出のプロセステーブルのプロセスデータ1における遊技停止示唆演出プロセスタイマをスタートさせる(ステップ005SGS407)。尚、本実施例では、各遊技停止示唆演出に対応する遊技停止示唆演出のプロセステーブルが予めROM121に記憶されている。
【0412】
そして演出制御用CPU120は、セットした遊技停止示唆演出プロセステーブルの最初のプロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1等)に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置5、演出用部品としての遊技効果ランプ9及び演出用部品としてのスピーカ8L,8R、スティックコントローラ31A、プッシュボタン31B等)の制御を開始し、遊技停止示唆演出処理を終了する(ステップ005SGS408)。
【0413】
また、ステップ005SGS401において遊技停止示唆演出プロセスタイマが動作中である場合(ステップ005SGS401;Y)は、遊技停止示唆演出プロセスタイマ値を-1し(ステップ005SGS409)、該遊技停止示唆演出プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(ステップ005SGS410)。遊技停止示唆演出プロセスタイマがタイマアウトしていない場合(ステップ005SGS410;N)はステップ005SGS414に進み、遊技停止示唆演出プロセスタイマがタイマアウトしている場合(ステップ005SGS410;Y)は、該タイマアウトした遊技停止示唆演出プロセスタイマが最後の遊技停止示唆演出プロセスタイマであるか否かを判定する(ステップ005SGS411)。タイマアウトした遊技停止示唆演出プロセスタイマが最後の遊技停止示唆演出プロセスタイマである場合(ステップ005SGS411;Y)は、ステップ005SGS407、ステップ005SGS408の処理を実行して遊技停止示唆演出処理を終了する。
【0414】
また、タイマアウトした遊技停止示唆演出プロセスタイマが最後の遊技停止示唆演出プロセスタイマではない場合(ステップ005SGS411;N)は、遊技停止示唆演出のプロセスデータの切り替えを行う(ステップ005SGS412)。即ち、遊技停止示唆演出のプロセステーブルにおいて次に設定されている遊技停止演出プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによって次のプロセスタイマ(遊技停止演出プロセスタイマ)をあらためてスタートさせ、ステップ005SGS414に進む(ステップ005SGS413)。
【0415】
尚、ステップ005SGS414では、遊技停止示唆演出プロセスタイマの値に応じて、遊技停止示唆演出のプロセスデータに含まれる表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を実行し、遊技停止医師さ演出処理を終了する。
【0416】
以上のように本実施例では、通常状態、時短状態、確変状態において、MYカウンタ値が95001に達したことにもとづいて遊技停止示唆演出を開始するようになっており、これら遊技停止示唆演出は、該パチンコ遊技機1において遊技が停止されるまで繰り返し実行されるようになっている。
【0417】
また、遊技状態が通常状態である場合と、遊技状態が時短状態・確変状態である場合とでは、ことなる遊技停止示唆演出のプロセステーブルが選択されるようになっていることから、通常状態において実行される遊技停止示唆演出の演出態様は、時短状態及び確変状態において実行される遊技停止示唆演出とは演出態様が異なっている。
【0418】
尚、本実施例では、遊技停止示唆演出を実行することによって、パチンコ遊技機1において遊技が停止されることを示唆する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技停止示唆演出としては、遊技が停止されるまでの残り球数(純増球数)を画像表示装置5での表示やスピーカ8L、8Rからの音出力において遊技者に対して報知してもよい。このように、遊技停止示唆演出として、遊技が停止されるまでの残り球数を報知する場合は、例えば、CPU103が演出制御基板12に向けて送信可能なコマンドとして、アウトスイッチ26が遊技球を検出したことを通知するコマンド(アウト通知コマンド)を設るとともに、演出制御用CPU120がアウト通知コマンドや賞球数通知コマンドの受信により値を増減可能な演出用MYカウンタを設け、該演出用MYカウンタの値によって遊技停止示唆演出を実行するか否かや、遊技が停止されるまでの残り球数(純増球数)の報知を実行可能としてもよい。
【0419】
尚、上記したように、演出用MYカウンタ値によって遊技停止示唆演出を実行する場合については、例えば、瞬停(瞬間的な停電)等の発生により演出制御基板12側のデータがリセットされてしまった場合や、CPU103からのコマンドを正常に受信できなかった場合等に、演出用MYカウンタにて正確なMYカウンタ値を把握することができなくなってしまう可能性がある。このため、演出制御用CPU120が演出用MYカウンタ値を把握(特定)できている場合には、遊技停止示唆演出として遊技が停止されるまでの残り球数を報知する一方で、演出制御用CPU120が演出用MYカウンタ値を把握(特定)できない場合には、遊技停止示唆演出として、遊技が停止されるまでの具体的な残り球数ではなく、「遊技停止間近」の表示(
図55参照)等、遊技が停止されることを示唆するのみに留めてもよい。
【0420】
更に、遊技停止示唆演出として遊技が停止されるまでの残り球数(純増球数)の報知を実行可能とする場合は、前述したように、CPU103が演出制御基板12に対して送信可能なコマンドとして、第1~第3MYカウンタ値通知コマンドに加えて、MYカウンタ値の千の位の数値を通知するコマンド(E1XXH)、MYカウンタ値の百の位の数値を通知するコマンド(E2XXH)、MYカウンタ値の十の位の数値を通知するコマンド(E3XXH)、MYカウンタ値の一の位の数値を通知するコマンド(E4XXH)を設け、各コマンドの「XX」(EXTデータ)として設定されている数値によってそれぞれの位の値を演出制御用CPU120が特定可能としてもよい。このようにすることで、各コマンドを正確に受信できなかったこと等により演出制御用CPU120がMYカウンタ値を特定できない場合であっても、次の可変表示の開始時に演出制御用CPU120が正確なMYカウンタ値を特定することが可能となり、遊技停止示唆演出として遊技が停止されるまでの残り球数(純増球数)の報知を正確に報知することが可能となる。
【0421】
また、本実施例では、大当り遊技状態において遊技停止フラグがセットされている状態とは、遊技停止示唆演出が実行されている状態でもあるが、該状態においてパチンコ遊技機1にて電断が発生した場合は、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態にて起動するため、CPU103が新たな可変表示の開始に伴ってMYカウンタ値通知コマンドを送信することができず、演出制御用CPU120は遊技停止示唆演出を再開することができない。そこで、CPU103は、パチンコ遊技機が大当り遊技状態で起動した場合には、該起動時において遊技停止フラグがセットされているか否かを示す遊技停止フラグ状態通知コマンドを演出制御基板12に対して送信し、演出制御用CPU120は、該遊技停止フラグ状態通知コマンドから遊技停止フラグがセットされていることを特定したことにもとづいて遊技停止示唆演出を再開してもよい。
【0422】
(右打ち促進表示処理)
図42は、右打ち促進表示処理として、
図38のステップS164にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図42に示す右打ち促進表示処理において、演出制御用CPU120は、先ず、演出制御プロセスフラグの値が大当り中演出処理を示す“4”であるか否かを判定する(ステップ005SGS421)。演出制御プロセスフラグの値が大当り中演出処理を示す“4”である場合(ステップ005SGS421;Y)は、既に画像表示装置5において右打ち促進表示の表示中であるか否かを判定する(ステップ005SGS422)。既に画像表示装置5において右打ち促進表示の表示中である場合(ステップ005SGS422;Y)は、右打ち促進表示処理を終了し、未だ画像表示装置5において右打ち促進表示が表示されていない場合(ステップ005SGS422;N)は、画像表示装置5の所定位置(例えば、画像表示装置5の表示領域の中央上部)において右打ち促進表示の表示を開始し、右打ち促進表示処理を終了する(ステップ005SGS423)。
【0423】
また、演出制御プロセスフラグの値が大当り中演出処理を示す“4”ではない場合(ステップ005SGS421;N)は、更に、演出制御プロセスフラグの値が可変表示開始待ち処理を示す“0”であるか否かを判定する(ステップ005SGS424)。演出制御プロセスフラグの値が可変表示開始待ち処理を示す“0”である場合は、遊技状態が通常状態であるか否かを判定する(ステップ005SGS425)。遊技状態が時短状態、確変状態、大当り遊技状態のいずれかである場合(ステップ005SGS425;N)は右打ち促進表示処理を終了し、遊技状態が通常状態である場合(005SGS425;Y)は、更に画像表示装置5において右打ち促進表示の表示中であるか否かを判定する(ステップ005SGS426)。
【0424】
画像表示装置5において右打ち促進表示の表示中ではない場合(ステップ005SGS426;N)は右打ち促進表示処理を終了し、画像表示装置5において右打ち促進表示の表示中である場合(005SGS426;Y)は、該右打ち促進表示の表示を終了し、右打ち促進表示処理を終了する(ステップ005SGS427)。
【0425】
また、演出制御プロセスフラグの値が可変表示開始待ち処理を示す“0”ではない場合(ステップ005SGS424;N)は、更に、演出制御プロセスフラグの値が遊技停止演出処理を示す“6”であるか否かを判定する(ステップ005SGS428)。演出制御プロセスフラグの値が遊技停止演出処理を示す“6”である場合(ステップ005SGS428;Y)は、該右打ち促進表示の表示を終了し、右打ち促進表示処理を終了し(ステップ005SGS427)、演出制御プロセスフラグの値が遊技停止演出処理を示す“6”ではない場合(ステップ005SGS428;N)は、右打ち促進表示処理を終了する。
【0426】
以上のように、本実施例では、通常状態における可変表示にもとづいて大当り遊技状態に制御されたことにより画像表示装置5において右打ち促進表示の表示が開始されるようになっている。また、該右打ち促進表示は、時短状態において大当り遊技状態に制御されることなく100回の可変表示が実行されるまで(再度通常状態に制御されるまで)、時短状態、確変状態、大当り遊技状態において表示が継続されるようになっている。
【0427】
(可変表示開始設定処理)
図43は、
図39に示された演出制御プロセス処理における可変表示開始設定処理(ステップS171)を示すフローチャートである。可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、第1可変表示開始コマンド受信フラグオン状態であるか否かを判定する(ステップ005SGS431)。第1可変表示開始コマンド受信フラグがオン状態である場合は(ステップ005SGS431;Y)、始動入賞時受信コマンドバッファ005SG194Aにおける第1特図保留記憶のバッファ番号「1-0」~「1-4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(ステップ005SGS432)。尚、バッファ番号「1-0」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
【0428】
具体的には、第1特図保留記憶のバッファ番号「1-1」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1-0」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1-2」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1-1」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1-3」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1-2」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1-4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1-3」に対応付けて格納するようにシフトする。
【0429】
また、ステップ005SGS431において第1可変表示開始コマンド受信フラグがオフである場合は(ステップ005SGS431;N)、第2可変表示開始コマンド受信フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップ005SGS433)。第2可変表示開始コマンド受信フラグがオフである場合は(ステップ005SGS433;N)、可変表示開始設定処理を終了し、第2可変表示開始コマンド受信フラグがオン状態である場合は(ステップ005SGS433;Y)、始動入賞時受信コマンドバッファ005SG194Aにおける第2特図保留記憶のバッファ番号「2-0」~「2-4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(ステップ005SGS434)。尚、バッファ番号「2-0」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
【0430】
具体的には、第2特図保留記憶のバッファ番号「2-1」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2-0」に対応付けて格納するようにシフトし、第2特図保留記憶のバッファ番号「2-2」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2-1」に対応付けて格納するようにシフトし、第2特図保留記憶のバッファ番号「2-3」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2-2」に対応付けて格納するようにシフトし、第2特図保留記憶のバッファ番号「2-4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2-3」に対応付けて格納するようにシフトする。
【0431】
ステップ005SGS432またはステップ005SGS434の実行後、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンド格納領域から変動パターン指定コマンドを読み出す(ステップ005SGS435)。
【0432】
次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(即ち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップ005SGS436)。この場合、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた飾り図柄の停止図柄を決定し、決定した飾り図柄の停止図柄を示すデータを飾り図柄表示結果格納領域に格納する。
【0433】
尚、本実施例では、受信した可変表示結果指定コマンドが大当りAに該当する第2可変表示結果指定コマンドである場合において、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が偶数で揃った飾り図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した可変表示結果指定コマンドが大当りBに該当する第3可変表示結果指定コマンドである場合においては、停止図柄として、「7」以外の奇数図柄の複数の組合せ(例えば「111」、「333」、「555」、「999」などの飾り図柄の組合せ)の中から決定する。また、受信した可変表示結果指定コマンドが大当りCに該当する第4可変表示結果指定コマンドである場合においては、停止図柄として、「7」図柄が揃った飾り図柄の組合せを決定する。また、受信した可変表示結果指定コマンドが、はずれに該当する第1可変表示結果指定コマンドである場合には、変動パターンが非リーチはずれの変動パターンであれば、停止図柄として3図柄が不揃いとなる飾り図柄の組合せ(非リーチはずれのはずれ図柄)を決定し、変動パターンがノーマルリーチはずれまたはスーパーリーチはずれの変動パターンであれば、停止図柄として左右の図柄が揃っているが中の図柄が揃っていない飾り図柄の組合せ(例えば、「121」や「434」等のリーチはずれのはずれ図柄)を決定すればよい。
【0434】
これら停止図柄の決定においては、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、飾り図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄判定テーブルを用いて、飾り図柄の停止図柄を決定すればよい。即ち、抽出した乱数に一致する数値に対応する飾り図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定すればよい。
【0435】
尚、本実施例では、可変表示結果が大当りとなる場合について、大当り種別が大当りAであれば偶数図柄の組合せ、大当種別が大当りBであれば「7」以外の奇数図柄の組合せに大当り図柄を決定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、大当り種別がAである場合に「7」以外の奇数図柄の組合せに大当り図柄を決定する場合を設けてもよいし、また、大当り種別が大当りBである場合に偶数図柄の組合せに大当り図柄を決定する場合を設けてもよい。更には、大当り種別が大当りCである場合に「7」以外の奇数や偶数の組合せに大当り図柄を決定する場合を設けてもよい。
【0436】
次いで、演出制御用CPU120は、予告演出決定処理(ステップ005SGS438)を実行した後、変動パターン指定コマンドに応じた演出制御パターン(プロセステーブル)を選択する(ステップ005SGS439)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップ005SGS440)。
【0437】
尚、プロセステーブルには、画像表示装置5の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのランプ制御実行データ、スピーカ8L,8Rから出力する音の制御するための音制御実行データや、プッシュボタン31Bやスティックコントローラ31Aの操作を制御するための操作部制御実行データ等が、各プロセスデータn(1~N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
【0438】
次いで、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置5、演出用部品としての各種ランプ及び演出用部品としてのスピーカ8L,8R、操作部(プッシュボタン31B、スティックコントローラ31A等))の制御を実行する(ステップ005SGS441)。例えば、画像表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるために、表示制御部123に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプ制御基板14に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8L,8Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
【0439】
尚、本実施例では、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに1対1に対応する変動パターンによる飾り図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
【0440】
そして、可変表示時間タイマに、変動パターン指定コマンドで特定される可変表示時間に相当する値を設定する(ステップ005SGS442)。また、可変表示制御タイマに所定時間を設定する(ステップ005SGS443)。尚、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU120は、所定時間が経過する毎に左中右の飾り図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、表示制御部123がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を画像表示装置5に出力し、画像表示装置5が信号に応じた画像を表示することによって飾り図柄の可変表示(変動)が実現される。次いで、演出制御プロセスフラグの値を可変表示中演出処理(ステップS172)に対応した値にセットし、可変表示開始設定処理を終了する(ステップ005SGS444)。
【0441】
(予告演出決定処理)
図44は、
図43に示された可変表示開始設定処理における予告演出決定処理(ステップ005SGS438)を示すフローチャートである。予告演出決定処理において、演出制御用CPU120は、先ず、読み出した変動パターン指定コマンドや、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ等から当該可変表示の可変表示結果及び変動パターンを特定するとともに(ステップ005SGS451)、受信したMYカウンタ値通知コマンドからMYカウンタ値の範囲を特定する(ステップ005SGS452)。そして、演出制御用CPU120は、特定した可変表示結果、変動パターン、MYカウンタ値の範囲に応じて予告演出の実行の有無及び予告演出の演出パターンを決定する(ステップ005SGS453)。
【0442】
尚、本実施例における予告演出は、例えば、画像表示装置5においてキャラクタを表示するキャラクタ予告演出であり、演出パターンに応じて表示するキャラクタが異なる演出である。また、キャラクタ予告演出としては、表示するキャラクタに(演出パターン)応じて可変表示結果が大当りとなる割合が異なっている。
【0443】
例えば、
図45(A)に示すように、可変表示結果が大当りでありMYカウンタ値の範囲が0~95000である場合については、15%の割合で予告演出の非実行を決定し、30%の割当で予告演出を演出パターンXにて実行すること(キャラクタ予告演出としてキャラクタXを表示すること)を決定し、50%の割合で予告演出を演出パターンYにて実行すること(キャラクタ予告演出としてキャラクタYを表示すること)を決定し、5%の割合で予告演出を演出パターンZにて実行すること(キャラクタ予告演出としてキャラクタZを表示すること)を決定する。
【0444】
また、
図45(B)に示すように、可変表示結果が大当りでありMYカウンタ値の範囲が95001~98194である場合については、15%の割合で予告演出の非実行を決定し、30%の割当で予告演出を演出パターンXにて実行すること(キャラクタ予告演出としてキャラクタXを表示すること)を決定し、55%の割合で予告演出を演出パターンYにて実行すること(キャラクタ予告演出としてキャラクタYを表示すること)を決定し、0%の割合で予告演出を演出パターンZにて実行すること(キャラクタ予告演出としてキャラクタZを表示すること)を決定する。
【0445】
図45(C)に示すように、可変表示結果がはずれであり、変動パターンが非リーチである場合については、95%の割合で予告演出の非実行を決定し、5%の割当で予告演出を演出パターンXにて実行すること(キャラクタ予告演出としてキャラクタXを表示すること)を決定し、0%の割合で予告演出を演出パターンYにて実行すること(キャラクタ予告演出としてキャラクタYを表示すること)を決定し、0%の割合で予告演出を演出パターンZにて実行すること(キャラクタ予告演出としてキャラクタZを表示すること)を決定する。また、可変表示結果がはずれであり、変動パターンがノーマルリーチである場合については、70%の割合で予告演出の非実行を決定し、25%の割当で予告演出を演出パターンXにて実行すること(キャラクタ予告演出としてキャラクタXを表示すること)を決定し、5%の割合で予告演出を演出パターンYにて実行すること(キャラクタ予告演出としてキャラクタYを表示すること)を決定し、0%の割合で予告演出を演出パターンZにて実行すること(キャラクタ予告演出としてキャラクタZを表示すること)を決定する。そして、可変表示結果がはずれであり、変動パターンがスーパーリーチである場合については、50%の割合で予告演出の非実行を決定し、30%の割当で予告演出を演出パターンXにて実行すること(キャラクタ予告演出としてキャラクタXを表示すること)を決定し、20%の割合で予告演出を演出パターンYにて実行すること(キャラクタ予告演出としてキャラクタYを表示すること)を決定し、0%の割合で予告演出を演出パターンZにて実行すること(キャラクタ予告演出としてキャラクタZを表示すること)を決定する。
【0446】
つまり、本実施例では、予告演出が実行される場合は、予告演出が実行されない場合よりも高い割合で可変表示結果が大当りとなるように設定されている。更に、予告演出を実行する場合については、予告演出が演出パターンXで実行される場合が最も可変表示結果が大当りとなる割合が低く、予告演出が演出パターンZで実行される場合が最も可変表示結果が大当りとなる割合が高く設定されている(予告演出の実行の有無及び演出パターンにおいて可変表示結果が大当りとなる割合(大当り期待度):予告演出非実行<予告演出を演出パターンXで実行<予告演出を演出パターンYで実行<予告演出を演出パターンZで実行)。
【0447】
特に本実施レイの演出パターンZは可変表示結果が大当りとなることを報知する演出パターンであるが、MYカウンタ値が0~95000の範囲である場合のみ決定され得る演出パターンであり、MYカウンタ値が95001以上である場合は決定されないように設定されている。
【0448】
図44に戻り、演出制御用CPU120は、ステップ005SGS453において予告演出の実行を決定したか否かを判定する(ステップ005SGS454)。予告演出の実行を決定していない場合(ステップ005SGS454;N)は予告演出決定処理を終了し、予告演出の実行を決定した場合(ステップ005SGS454;Y)は、予告演出開始待ちタイマをセットして予告演出決定処理を終了する(ステップ005SGS455)。
【0449】
尚、予告演出開始待ちタイマをセットした場合、演出制御用CPU120は、可変表示中演出処理(ステップ172)を実行する毎に予告演出開始待ちタイマの値を-1していき、該予告演出開始待ちタイマがタイマアウトしたタイミングから、決定した演出パターンに応じた予告演出のプロセステーブルを選択して予告演出のプロセスタイマをスタートさせる。そして、以降は、可変表示中演出処理を実行する毎に予告演出のプロセスタイマの値の減算、予告演出のプロセスタイマ値に応じたプロセスデータの制御内容の実施、予告演出のプロセスタイマやプロセスデータの切り替え等を行うことによって予告演出を実行すればよい。
【0450】
尚、本実施例では、予告演出としてキャラクタ予告演出を実行可能な形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、予告演出としては、例えば、キャラクタ予告演出以外のその他の態様の予告演出、例えば、予告画像が段階的に変化するステップアップ予告や、所定のキャラクタの一群が表示領域を横切る群予告等の実行を決定するようにしてもよく、これら異なる態様の予告演出を決定する場合には、予告演出を開始するタイミングが予告演出の態様に応じて異なるので、予告演出開始待ちタイマに、予告演出の態様に応じた異なる期間を設定すればよい。
【0451】
(特図当り待ち処理)
図46は、
図38に示された演出制御プロセス処理における特図当り待ち処理(ステップS173)を示すフローチャートである。特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、先ず、大当り開始指定コマンドの受信が有るか否かを判定する(ステップ005SGS800)。大当り開始指定コマンドの受信が無い場合(ステップ005SGS800;N)は、更に図柄確定期間中演出プロセスタイマの動作中であるか否かを判定する(ステップ005SGS801)。図柄確定期間中演出プロセスタイマの動作中ではない場合(ステップ005SGS801;N)は、可変表示中演出処理において第1図柄確定コマンドが受信されているか否かを判定する(ステップ005SGS803)。可変表示中演出処理において第1図柄確定コマンドが受信されている場合(ステップ005SGS803;Y)は、図柄確定期間が0.5秒であることに応じた図柄確定期間中演出(第1図柄確定期間中演出)用プロセステーブルを選択してステップ005SGS807に進む(ステップ005SGS804)。
【0452】
尚、本実施例における第1図柄確定期間中演出は、
図49に示すように、次の可変表示の開始までの図柄確定期間において確定停止図柄を表示するのみであり、その他の画像表示やLEDの発光、効果音の出力等は実行しない演出である。
【0453】
また、可変表示中演出処理において第2図柄確定コマンドが受信されている場合(ステップ005SGS803;N)、演出制御用CPU120は、賞球数カウンタの値を特定するとともに(ステップ005SGS805)、図柄確定期間が10秒であることに応じた図柄確定期間中演出(第2図柄確定期間中演出)用プロセステーブルを選択してステップ005SGS807に進む(ステップ005SGS806)。
【0454】
尚、本実施例における第2図柄確定期間中演出は、
図49に示すように、時短状態や確変状態において大当り遊技状態に制御されることなく100回の可変表示が実行されたことにもとづいて、遊技状態が時短状態や確変状態から通常状態に制御される旨、及び賞球数カウンタの値を画像表示装置5において表示する演出である。
【0455】
そして、演出制御用CPU120は、ステップ005SGS807において図柄確定期間に応じた図柄確定期間中演出プロセスタイマをスタートさせ、選択した図柄確定期間中演出用のプロセステーブルの最初のプロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1等)に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置5、演出用部品としての遊技効果ランプ9及び演出用部品としてのスピーカ8L,8R、スティックコントローラ31A、プッシュボタン31B等)の制御を開始し、特図当り待ち処理を終了する(ステップ005SGS808)。
【0456】
また、図柄確定期間中演出プロセスタイマが動作中の場合(ステップ005SGS801;Y)、演出制御用CPU120は、図柄確定期間中演出プロセスタイマの値を-1し(ステップ005SGS809)、該図柄確定期間中演出プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(ステップ005SGS810)。図柄確定期間中演出プロセスタイマがタイマアウトしていない場合(ステップ005SGS810;N)は、図柄確定期間中プロセスタイマに対応するプロセスデータの内容に従って演出装置の制御を実行して特図当り待ち処理を終了し(ステップ005SGS811)、図柄確定期間中演出プロセスタイマがタイマアウトした場合(ステップ005SGS810;Y)は、該タイマアウトした図柄確定期間中演出プロセスタイマが最後の図柄確定期間中演出プロセスタイマであるか否かを判定する(ステップ005SGS812)。
【0457】
タイマアウトした図柄確定期間中演出プロセスタイマが最後の図柄確定期間中演出プロセスタイマではない場合(ステップ005SGS812;N)は、プロセスデータの切り替えを行い(ステップ005SGS813)、次の図柄確定期間中演出プロセスタイマをスタートさせる(ステップ005SGS814)。そして、次のプロセスデータの内容に従って演出装置の制御を行い(ステップ005SGS815)、特図当り待ち処理を終了する。
【0458】
また、タイマアウトした図柄確定期間中演出プロセスタイマが最後の図柄確定期間中演出プロセスタイマである場合(ステップ005SGS812;Y)は、演出制御プロセスフラグの値を可変表示開始待ち処理に応じた値に更新し(ステップ005SGS816)、特図当り待ち処理を終了する。
【0459】
そして、大当り開始指定コマンドの受信がある場合(ステップ005SGS800;Y)は、演出制御プロセスフラグの値を大当り中演出処理に応じた値に更新し(ステップ005SGS817)、特図当り待ち処理を終了する。
【0460】
(エンディング演出処理)
図47は、
図38に示された演出制御プロセス処理におけるエンディング演出処理(ステップS175)を示すフローチャートである。尚、
図49に示すように、本実施例におけるエンディング演出は、大当り遊技終了後の20秒間に亘って、遊技状態が時短状態または確変状態に制御される旨やプリペイドカードの取り忘れの防止を促す画像を画像表示装置5にて表示する演出である。
【0461】
エンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、先ず、エンディング演出プロセスタイマの動作中であるか否かを判定する(ステップ005SGS822)。エンディング演出プロセスタイマの動作中でない場合(ステップ005SGS821;N)は、エンディング演出用のプロセステーブルを選択し(ステップ005SGS822)、エンディング演出プロセスタイマをスタートさせる(ステップ005SGS823)。また、プロセスデータ1の内容に従って演出装置を制御し(ステップ005SGS824)、エンディング演出処理を終了する。
【0462】
一方で、エンディング演出プロセスタイマの動作中である場合(ステップ005SGS821;Y)は、エンディング演出プロセスタイマの値を-1し(ステップ005SGS825)、該エンディング演出プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(ステップ005SGS826)。エンディング演出プロセスタイマがタイマアウトしていない場合(ステップ005SGS826;N)は、エンディング演出プロセスタイマに対応するプロセスデータの内容に従って演出装置の制御を実行し(ステップ005SGS831)、エンディング演出処理を終了する。
【0463】
また、エンディング演出プロセスタイマがタイマアウトした場合は、該タイマアウトしたエンディング演出プロセスタイマが最後のエンディング演出プロセスタイマであるか否かを判定する(ステップ005SGS827)。タイマアウトしたエンディング演出プロセスタイマが最後のエンディング演出プロセスタイマではない場合(ステップ005SGS827;N)は、プロセスデータの切り替えを行い(ステップ005SGS828)、次のエンディング演出プロセスタイマをスタートさせる(ステップ005SGS829)。そして、次のプロセスデータの内容に従って演出装置を制御し(ステップ005SGS830)、エンディング演出処理を終了する。
【0464】
尚、タイマアウトしたエンディング演出プロセスタイマが最後のエンディング演出プロセスタイマである場合(ステップ005SGS827;Y)は、演出制御プロセスフラグの値を可変表示開始待ち処理に応じた値にセットし(ステップ005SGS832)、エンディング演出処理を終了する。
【0465】
(遊技停止演出処理)
図48は、
図38に示された演出制御プロセス処理における遊技停止演出処理(ステップS177)を示すフローチャートである。尚、
図49に示すように、本実施例における遊技停止演出は、第1遊技停止演出と該第1遊技停止演出後に実行される第2遊技停止演出とで構成されている。このうち第1遊技停止演出は、遊技停止後の15秒間に亘って遊技が停止された旨を画像表示装置5にて表示する演出である。また、第1遊技停止演出は、時短状態や確変状態において遊技が停止された場合は、賞球数カウンタの値を画像表示装置5において表示する演出でもある。そして、第2遊技停止演出は、第1遊技停止演出の終了タイミングからパチンコ遊技機1への電力の供給が停止される(電源断)までの期間に亘って、プリペイドカードの取り忘れの防止を促す画像を画像表示装置5において表示する演出である。
【0466】
遊技停止演出処理において、演出制御用CPU120は、先ず、第2遊技停止演出プロセスタイマの動作中であるか否かを判定する(ステップ005SGS841)。第2遊技停止演出プロセスタイマの動作中でない場合(ステップ005SGS841;N)は、更に第1遊技停止演出プロセスタイマの動作中であるか否かを判定する(ステップ005SGS842)。
【0467】
第1遊技停止演出プロセスタイマの動作中ではない場合(ステップ005SGS842;N)、演出制御用CPU120は、賞球数カウンタの値を特定するとともに(ステップ005SGS843a)、遊技状態を特定する(ステップ005SGS843b)。そして、遊技状態に応じた第1遊技停止演出用のプロセステーブルを選択する(ステップ005SGS844)。また、第1遊技停止演出プロセスタイマをスタートさせ(ステップ005SGS845)、プロセスデータ1の内容に従って演出装置を制御し(ステップ005SGS846)、遊技停止演出処理を終了する。
【0468】
また、第1遊技停止演出プロセスタイマの動作中である場合(ステップ005SGS842;Y)、演出制御用CPU120は、第1遊技停止演出プロセスタイマの値を-1し(ステップ005SGS847)、該第1遊技停止演出プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(ステップ005SGS848)。第1遊技停止演出プロセスタイマがタイマアウトしていない場合(ステップ005SGS848;N)は、第1遊技停止演出用プロセスタイマに対応するプロセスデータの内容に従って演出装置を制御して(ステップ005SGS583)、遊技停止演出処理を終了し、第1遊技停止演出プロセスタイマがタイマアウトした場合(ステップ005SGS848;Y)、該タイマアウトした第1遊技停止演出プロセスタイマが最後の遊技停止演出プロセスタイマであるか否かを判定する(ステップ005SGS849)。
【0469】
タイマアウトした第1遊技停止演出プロセスタイマが最後の第1遊技停止演出プロセスタイマではない場合(ステップ005SGS849;N)は、プロセスデータの切り替えを行うとともに(ステップ005SGS850)、次の第1遊技停止演出プロセスタイマをスタートさせる(ステップ005SGS851)。そして、次のプロセスデータの内容に従って演出装置を制御し(ステップ005SGS852)、遊技停止演出処理を終了する。
【0470】
尚、タイマアウトした第1遊技停止演出プロセスタイマが最後の遊技停止演出プロセスタイマである場合(ステップ005SGS849;Y)は、次に第2遊技停止演出プロセステーブルを選択するとともに(ステップ005SGS854)、第2遊技停止演出プロセスタイマをスタートさせる(ステップ005SGS855)。そして、プロセスデータ1の内容に従って演出装置を制御し(ステップ005SGS856)、遊技停止演出処理を終了する。
【0471】
次に、第2遊技停止演出プロセスタイマの動作中である場合(ステップ005SGS841;Y)は、第2遊技停止演出プロセスタイマの値を-1し(ステップ005SGS857)、該第2遊技停止演出プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(ステップ005SGS858)。第2遊技停止演出プロセスタイマがタイマアウトしていない場合(ステップ005SGS858;N)は、第2遊技停止演出プロセスタイマに対応するプロセスデータの内容に従って演出装置の制御を行い(ステップ005SGS863)、遊技停止演出処理を終了する。また、第2遊技停止演出プロセスタイマがタイマアウトした場合(ステップ005SGS858;Y)は、該タイマアウトした第2遊技停止演出プロセスタイマが最後の第2遊技停止演出プロセスタイマであるか否かを判定する(ステップ005SGS589)。
【0472】
タイマアウトした第2遊技停止演出プロセスタイマが最後の第2遊技停止演出プロセスタイマではない場合(ステップ005SGS589;N)は、プロセスデータを切り替えるとともに(ステップ005SGS860)、次の第2遊技停止演出プロセスタイマをスタートさせる(ステップ005SGS861)。また、次のプロセウデータの内容に従って演出装置を制御し(ステップ005SGS862)、遊技停止演出処理を終了する。一方で、タイマアウトした第2遊技停止演出プロセスタイマが最後の第2遊技停止演出プロセスタイマである場合は、ステップ005SGS855及びステップ005SGS856の処理を実行して遊技停止演出処理を終了する。
【0473】
以上のように、本実施例では、
図49に示す第1図柄確定期間中演出、第2図柄確定期間中演出、エンディング演出、第1遊技停止演出、第2遊技停止演出を実行可能となっている。
【0474】
これら演出のうち第2図柄確定期間中演出については、
図50に示すように、時短状態や確変状態における100回目の可変表示(はずれの可変表示)が終了してからの10秒間に亘って実行される演出であって、該第2図柄確定演出の実行期間中においては、画像表示装置5において右打ち促進表示が時短状態から継続して実行されるようになっており、該右打ち促進表示は、第2図柄確定期間中演出の終了とともに非表示となる。更に、第2図柄確定期間中演出の実行期間中においては、遊技効果ランプ9の点滅が周期T1にて繰り返し実行されるようになっている。尚、遊技効果ランプ9は、第2図柄確定期間が終了すると、一旦消灯してから通常状態に応じた態様にて点灯を開始する。
【0475】
また、エンディング演出については、
図51に示すように、大当り遊技が終了してからの20秒間に亘って実行される演出であって、該エンディング演出の実行期間中においては、画像表示装置5において右打ち促進表示が大当り遊技状態から継続して実行されるようになっている。更に、エンディング演出の実行期間中においては、遊技効果ランプ9の点滅が周期T2にて繰返し実行されるようになっている。尚、遊技効果ランプ9は、エンディング演出が終了すると、一旦消灯してから大当り遊技後の遊技状態(確変状態または時短状態)に応じた態様にて点灯を開始する。
【0476】
遊技停止演出は、
図52(A)及び
図52(B)に示すように、大当り遊技中以外のタイミングでMYカウンタ値が98194に達したことにより実行される場合と、大当り遊技中にMYカウンタ値が98194に達したことにより実行される場合と、がある。
【0477】
図52(A)に示すように、大当り遊技中以外のタイミングでMYカウンタ値が98194に達した場合は、該タイミングで可変表示の実行中であれば該可変表示が停止されるとともに、画像表示装置5において右打ち促進表示の表示中であれば該右打ち促進表示が非表示となり、第1遊技停止演出が15秒間に亘って実行される。そして、該第1遊技停止演出が終了したタイミングからは、パチンコ遊技機1への電力の供給が停止されるまでのタイミングに亘って第2遊技停止演出が実行される。
【0478】
また、
図52(B)に示すように、大当り遊技中のタイミングでMYカウンタ値が98194に達した場合は、大当り遊技が終了したタイミングで右打ち促進表示が非表示となり、第1遊技停止演出が15秒間に亘って実行される。そして、該第1遊技停止演出が終了したタイミングからは、パチンコ遊技機1への電力の供給が停止されるまでのタイミングに亘って第2遊技停止演出が実行される。
【0479】
尚、
図52(A)及び
図52(B)に示すように、本実施例の第1遊技停止演出では、冒頭10秒間に亘って第2図柄停止期間中演出にて遊技効果ランプ9を点滅されるためのデータと同一のデータを用いることにより、遊技効果ランプ9を周期T1にて点滅されるようなっている。また、第2図柄停止期間中演出の演出期間に該当する10秒間が経過した後の5秒間及び該第1遊技停止演出に続く第2遊技停止演出においても、第2図柄停止期間中演出にて遊技効果ランプ9を点滅されるためのデータと同一のデータを継続して用いることにより、遊技効果ランプ9を周期T1にて点滅されるようになっている。
【0480】
(演出態様)
次に、本実施例におけるエンディング演出、第2図柄確定期間中演出、遊技停止示唆演出、遊技停止演出、デモ表示演出の演出態様について、
図53~
図59に基づいて説明する。
【0481】
先ず、
図53(A)~
図53(D)に示すように、通常状態において可変表示結果が大当りとなる場合は、画像表示装置5において飾り図柄が大当りを示す組合せで導出表示され、大当り遊技が開始される。このとき、画像表示装置5の上端部において右打ち促進表示の表示が開始される。
【0482】
尚、
図53(D)に示すように、大当り遊技中は、スピーカ8L、8Rから出力するための楽曲を遊技者がスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bの操作によって選択可能となっており、画像表示装置5の所定位置(本実施例では画像表示装置5の表示領域の左下部)においては現在スピーカ8L、8Rから出力中の楽曲のタイトルが表示される。また、画像表示装置5の右下部においては、当該大当り遊技中において払い出され得る賞球数と、当該大当り遊技中に払い出された賞球数との表示が行われる。
【0483】
そして、大当り遊技が終了すると、エンディング演出として遊技状態が時短状態または確変状態に制御される旨(
図53(E)に示す「チャンスタイム突入!」)の表示と、賞球数カウンタの値の表示が行われる。また、エンディング演出においては、
図53(F)及び
図53(G)に示すように、プリペイドカードの取り忘れの防止を促す画像の表示や、遊技へののめり込み防止を促す旨の表示も行われる。
【0484】
また、
図54(A)~
図54(D)に示すように、時短状態や確変状態において可変表示結果が大当たりとなることなく100回の可変表示が実行された場合(大当り遊技状態に制御されることなく100回の可変表示に亘って時短制御が実行された場合)は、100回目の可変表示が終了したタイミングから第2図柄確定期間中演出が実行される。該第2図柄確定期間中演出としては、遊技状態が通常状態に制御される旨の表示(「チャンスタイム終了」の表示)とともに、賞球数カウンタの値(初当りから該通常状態に制御されるまので大当り遊技中に払い出された賞球数の値)の表示が行われる。そして、第2図柄確定期間中演出の終了後は、所定期間(例えば、10秒間)に亘って遊技者に対して左遊技領域2Lに向けて遊技球を打ち出すよう促す左打ち促進表示の表示が行われる。
【0485】
また、
図55(A)~
図55(F)に示すように、通常状態、時短状態、確変状態においては、遊技球がいずれかの入賞口に入賞することによってMYカウンタ値が95001に達すると、次の可変表示の開始時から、遊技停止示唆演出として画像表示装置5の表示領域の左右両端部において間もなく当該パチンコ遊技機1において遊技停止が停止される旨の遊技停止示唆画像(「遊技停止間近」の表示)が表示される。尚、本実施例では、
図55(C)及び
図55(F)に示すように、通常状態においてMYカウンタ値が95001に達した場合に表示される遊技停止示唆画像の表示態様は、時短状態や確変状態においてMYカウンタ値が95001に達した場合に表示される遊技停止示唆画像の表示態様が異なっている。
【0486】
また、
図56(A)~
図56(F)に示すように、大当り遊技状態中において遊技球がいずれかの入賞口に入賞することによってMYカウンタ値が95001に達した場合については、該大当り遊技の終了後、時短状態や確変状態における1回目の可変表示の開始タイミングから遊技停止示唆演出として遊技停止示唆画像が表示される。
【0487】
そして、
図57(A)~
図57(H)に示すように、遊技停止示唆演出が開始された後は、更に遊技球がいずれかの入賞口に入賞することによってMYカウンタ値が98194達すると、第1遊技停止演出が実行された後に第2遊技停止演出が実行される。
【0488】
尚、
図57(A)~
図57(D)に示すように、遊技状態が通常状態であるときにMYカウンタ値が98194に達した場合は、第1遊技停止演出としてMYカウンタ値が98194に達したことにより遊技が停止した旨が表示される。一方で、
図57(E)~
図57(H)に示すように、遊技状態が時短状態や確変状態であるときにMYカウンタ値が98194に達した場合は、第1遊技停止演出としてMYカウンタ値が98194に達したことにより遊技が停止した旨と該MYカウンタ値が98194に達したことによる祝福の旨の表示、及び賞球カウンタ値の値が表示される。つまり、本実施例では、遊技状態が通常状態であるときと、遊技状態が時短状態や確変状態であるときとで、第1遊技停止演出の演出態様が異なっている。
【0489】
また、
図57(C)、
図57(D)及び
図57(G)、
図57(H)に示すように、第2遊技停止演出としては、遊技状態にかかわらず、プリペイドカードを取り忘れないよう促す旨と、遊技が停止したことにより該パチンコ遊技機1に設定されている遊技場の従業員を呼び出すよう促す旨の表示が行われる。
【0490】
尚、本実施例の第1遊技停止演出及び第2遊技停止演出については、第1遊技停止演出の開始タイミングから右打ち促進表示を非表示とするとともに、第1遊技停止演出や第2遊技停止演出の演出画像(
図57(B)~
図57(D)、
図57(F)~
図57(H)参照)をそれまでの飾り図柄や保留表示、遊技値停止示唆演出、小図柄等の画像が視認不能となるように重複表示する。これにより、例えば、可変表示の実行中にMYカウンタ値が98194に達したことによりパチンコ遊技機1での遊技が停止されても、画像表示装置5において静止画として表示される飾り図柄やその他演出の画像を遊技者から隠蔽することが可能となり、見栄えが悪くなってしまう事態を防ぐことができる。
【0491】
また、本実施例の第1遊技停止演出としては、遊技者が携帯端末を操作しながら遊技を行っていることにより画像表示装置5から目を離していること想定し、遊技者が画像表示装置5に表示されている演出画像(
図57(B)や
図57(F)に示す、遊技が停止された旨の画像)に気付くように、可変表示中に出力される音声よりも高音或いは音量の大きい音声がスピーカ8L、8Rから出力される。
【0492】
更に、本実施例の第2遊技停止演出としては、遊技場の従業員から認識され易いよう、上記した遊技場の従業員を呼び出すよう促す旨の表示(
図57(D)、
図57(H)参照)とともに、スピーカ8L、8Rからも、遊技場の従業員を呼び出すよう促す旨の音声の出力が繰り返し実行される。
【0493】
尚、遊技場の従業員が到達するまでに遊技場の従業員を呼び出すよう促す旨の音声の出力が長時間に亘って出力されると、該パチンコ遊技機1の遊技者や周囲の他の遊技者にとってストレスを与えてしまうこととなるので、遊技場の従業員を呼び出すよう促す旨の音声の出力は、インターバルを挟んで実行されるもの(例えば、1分間音声の出力を行った後に5分間インターバルをとることを繰り返す)であってもよいし、所定期間(例えば、1分間)遊技場の従業員を呼び出すよう促す旨の音声の出力を行った後は、以降スピーカ8L,8Rからの該音声の出力を実行しないようにしてもよい。
【0494】
また、
図52(A)、
図52(B)に示すように、本実施例における第1遊技停止演出の実行中と第2遊技停止演出の実行中においては、遊技効果ランプ9を周期T1にて点滅させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1遊技停止演出においては、遊技効果ランプ9を該第1遊技停止演出に応じた態様で発光(点滅または点灯)させる一方で、第2遊技停止演出においては、遊技効果ランプ9を該第2遊技停止演出に応じた態様として、第1遊技停止演出とは異なる態様にて発光させてもよい。特に、第2遊技停止演出としては、パチンコ遊技機1において遊技が停止されていることを遊技場の従業員が特定し易いように、遊技効果ランプ9を構成するメインランプ9a、枠ランプ9b、アタッカランプ9c、可動体ランプ9dの一部或いは全てを発光させてもよい。更に、第2遊技停止演出としては、パチンコ遊技機1において遊技が停止されていることを遊技場の従業員が特定し易いように、遊技効果ランプ9を構成するメインランプ9a、枠ランプ9b、アタッカランプ9c、可動体ランプ9dの一部或いは全てを、可変表示中や大当り遊技中よりも高輝度で発光させてもよい。
【0495】
尚、
図58(A)~
図58(H)に示すように、遊技停止示唆演出が実行されるときに可変表示結果が大当りとなった場合は該大当り遊技を最後に遊技が停止される旨(
図58(B)に示す「ENDING FEVER!」の表示)が表示されて大当り遊技が開始される。そして、該大当り遊技中にMYカウンタ値が98194に達した場合は、
図58(E)~
図58(H)に示すように、大当り遊技は中断されること無く最終ラウンド遊技まで継続される。そして、大当り遊技が終了すると、従来の大当り遊技終了後にエンディング演出が実行されるところ、時短状態や確変状態における第1遊技停止演出と同一態様にて第1遊技停止演出が実行された後、第2遊技停止演出が実行される。
【0496】
また、
図59(A)、
図59(B)に示すように、遊技状態が通常状態、時短状態、確変状態であるとき、特別図柄や飾り図柄の可変表示が実行されておらず、且つ保留記憶が存在しない場合については、可変表示が実行されていない期間が所定期間(例えば、1分間)に達すると、客待ちデモ演出が開始される。本実施例における客待ちデモ演出としては、先ず、
図59(B)に示すように、MYカウンタ値が98194に達したことにより遊技が停止されるエンディング機能を搭載している旨の表示が6秒間に亘って表示される。次に、本パチンコ遊技機1において実行される演出や遊技性等を紹介する紹介ムービーが30秒に亘って表示される。尚、該紹介ムービーの表示中は、前述したエンディング機能を搭載している旨の表示が継続して実行される。
【0497】
そして、紹介ムービーの表示が終了すると、エンディング機能を搭載している旨の表示も終了し、替えて、客待ちデモ演出として、
図59(D)に示すパチンコ遊技機1のメーカーロゴの表示が3秒間、
図59(E)に示す遊技へののめり込み防止を促す旨の表示が6秒間、
図59(F)に示すエンディング機能を搭載している旨の表示が6秒間、それぞれ実行される。
【0498】
最後に、
図59(H)に示すように、該パチンコ遊技機1の演出において登場するメインキャラクタや、該パチンコ遊技機1のタイトル等を含むキービジュアル画像の表示が5分間に亘って実行される。以降は、客待ちデモ演出として、
図59(B)~
図59(H)の表示が繰り返し実行される。尚、これら客待ちデモ演出としての表示は、遊技球が第1始動入賞口や第2始動入賞口に入賞したことにより特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されることにより終了される。
【0499】
尚、本実施例では、遊技状態が通常状態、時短状態、確変状態のいずれかであり、特別図柄や飾り図柄の可変表示が実行されておらず、保留記憶が存在しない場合について客待ちデモ演出を実行可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技停止示唆演出の実行中において客待ちデモ演出が実行される場合については、例えば、遊技停止示唆演出として画像表示装置5に表示する画像を、客待ちデモ演出として画像表示装置5に表示する画像よりも優先度の高いレイヤに描画する等することによって、遊技停止示唆演出の画像を客待ちデモ演出の画像よりも優先して表示してもよい。
【0500】
また、上記したように遊技停止示唆演出と客待ちデモ演出とを並行して実行する場合について、パチンコ遊技機1のメーカーロゴの表示期間や遊技へののめり込み防止を促す旨の表示期間等、エンディング機能を搭載している旨の表示とは異なる表示であって、他の表示よりも重要な内容の表示期間にあっては、一旦遊技停止示唆演出の画像を非表示化してもよい。このようにすることで、遊技停止示唆演出と客待ちデモ演出が並行して実行されている場合について、遊技者に対してパチンコ遊技機1のメーカーを分かり易く認識させるとこができるとともに、遊技へののめり込み防止についてより効果的に啓蒙することができる。
【0501】
以上、本実施例におけるパチンコ遊技機1にあっては、MYカウンタ値が98194に達したことを条件にパチンコ遊技機1における遊技を停止可能となっている。また、パチンコ遊技機1では、大当り遊技状態に制御された後に遊技状態が時短状態に制御され、更に該時短状態において大当り遊技状態に制御されることなく100回の可変表示が実行された場合は、
図50及び
図54に示すように、該100回目の可変表示の図柄定期期間において第2図柄確定期間中演出として遊技状態が通常状態に制御される旨と連荘状態における大当り遊技状態において払い出された賞球数、つまり、賞球カウンタの値が表示されるようになっている。更に、MYカウンタ値が98194に達していない状態での大当り遊技の終了後は、
図51及び
図53に示すように、エンディング演出として時短状態や確変状態に制御される旨が表示されるようになっている。そして、
図56に示すように、大当り遊技中にMYカウンタ値が98194に達した場合については、
図52及び
図58に示すように、該大当り遊技が最後まで実行された後、エンディング演出に替えて、遊技停止演出として賞球カウンタの値が表示されるようになっているので、遊技を停止可能なパチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。
【0502】
特に、本実施例におけるパチンコ遊技機1においては、時短状態を含む連荘状態の終了時に賞球カウンタの値が表示されることで、遊技者に対して連荘状態中の大当り遊技にて払い出された賞球数を認識させて遊技興趣を向上させることができるとともに、大当り遊技状態に制御されているときにMYカウンタ値が98194に達した場合においても、該大当り遊技の終了後に遊技停止演出として賞球カウンタの値が表示されることで、遊技者に対してパチンコ遊技機1において遊技が停止されるまでに払いされた賞球数を認識させて遊技興趣を一層向上させることができる。
【0503】
尚、本実施例では、MYカウンタ値が98194に達していない場合の大当り遊技終了後において、20秒間に亘りエンディング演出として賞球カウンタの値を表示する一方で、MYカウンタ値が98194に達した大当り遊技においては、該大当り遊技終了後に15秒間に亘って遊技停止演出(第1遊技停止演出)として賞球カウンタの値を表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、MYカウンタ値が98194に達した大当り遊技においては、MYカウンタ値が98194に達していない場合の大当り遊技終了後と同じく20秒間に亘って遊技停止演出(第1遊技停止演出)として賞球カウンタの値を表示してもよい。
【0504】
また、
図50に示すように、第2図柄確定期間中演出においては、10秒間に亘って周期T1にて遊技効果ランプの点滅が実行される一方で、
図52に示すように、遊技停止演出においては、第1遊技停止演出として10秒間に亘って周期T1にて遊技効果ランプ9の点滅が実行された後、パチンコ遊技機1の周期T1にて5秒間に亘り遊技効果ランプ9の点滅が継続されるようになっている。特に、本実施例では、第2図柄確定期間中演出と第1遊技停止演出とで遊技効果ランプ9を共通の周期にて点滅させることによって、遊技効果ランプ9を点滅させるためのデータをこれら第2図柄確定期間中演出と第1遊技停止演出とで流用することができ、第2図柄確定期間中演出と第1遊技停止演出とで賞球カウンタの値を表示する期間を異ならせつつパチンコ遊技機1の製造コストを低減させることができる。
【0505】
尚、本実施例では、第2図柄確定期間中演出と第1遊技停止演出とで遊技効果ランプ9を共通の所定パターンにて発光させる形態として、遊技効果ランプ9を周期T1にて点滅させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2図柄確定期間中演出と第1遊技停止演出とで遊技効果ランプ9を共通の所定パターンにて発光させる形態としては、遊技効果ランプ9を同じ色で発光させることや、同じ輝度で発光させるようにしてもよい。
【0506】
また、本実施例では、
図54(C)、
図57(F)に示すように、MYカウンタ値が98194に達したことにより第1遊技停止演出として賞球カウンタの値が表示される場合と、時短状態や確変状態において大当り遊技状態に制御されることなく100回の可変表示が実行されたことにより第2図柄確定期間中演出として賞球カウンタの値が表示される場合とで表示態様が異なるっていることにより、状況に応じた態様にて賞球カウンタの値を表示可能となっている。更に、
図54に示すように、時短状態や確変状態において大当り遊技状態に制御されることなく100回の可変表示が実行された場合には、通常状態に制御された際に左打ち促進表示が表示される一方で、
図57や
図58に示すように、MYカウンタ値が98194に達して遊技が停止された場合は、左打ち促進表示が表示されないので、賞球カウンタの値の表示後に移行する状態に応じて適切に左打ち促進表示を実行することが可能となっている。
【0507】
また、本実施例の連荘状態においては、画像表示装置5において右打ち促進表示を表示することによって遊技者に対して右遊技領域2Rに向けて遊技球を打ち出すように促すことができる。更に、
図50、
図52、
図54、
図57、
図58に示すように、第2図柄確定期間中演出として賞球カウンタの値が表示されているときは右打ち促進表示が表示されている一方で、第1遊技停止演出として賞球カウンタの値が表示されているときは右打ち促進表示が表示されない。つまり、第1遊技停止演出として賞球カウンタの値が表示されているときはパチンコ遊技機1での遊技が停止されているので、第1遊技停止演出として賞球カウンタの値が表示されているときに右打ち促進表示を非表示とすることにより、該遊技が停止されている状態において遊技球が右遊技領域2Rに向けて打ち込まれることを防ぐことができる。
【0508】
尚、本実施例では、第1遊技停止演出として賞球カウンタの値が表示されているときに右打ち促進表示を非表示とする形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1遊技停止演出として賞球カウンタの値が表示されているときは、第1遊技停止演出として賞球カウンタの値が表示される前よりも右打ち促進表示を小さく表示してもよいし、また、右打ち促進表示を遊技者からより視認し難い位置で表示してもよい。
【0509】
また、本実施例では、
図57(E)~
図57(H)に示すように、遊技状態が時短状態であるときにMYカウンタ値が98194に達した場合と、遊技状態が確変状態であるときにMYカウンタ値が98194に達した場合とで、同一態様にて遊技停止演出として賞球カウンタの値が表示されることにより、これら遊技状態が時短状態であるときにMYカウンタ値が98194に達した場合と、遊技状態が確変状態であるときにMYカウンタ値が98194に達した場合とで、遊技停止演出として賞球カウンタの値を表示するために使用するデータを共通化することができ、パチンコ遊技機1の製造コストを低減できる。
【0510】
尚、本実施例では、遊技状態が時短状態であるときにMYカウンタ値が98194に達した場合と、遊技状態が確変状態であるときにMYカウンタ値が98194に達した場合とで、同一態様にて遊技停止演出を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技状態が時短状態であるときにMYカウンタ値が98194に達した場合と、遊技状態が確変状態であるときにMYカウンタ値が98194に達した場合とでは、異なる態様で遊技停止演出を実行可能としてもよい。このようにすることで、時短状態と確変状態のどちらで遊技が停止されたかを遊技者に解り易く認識させることが可能となる。
【0511】
また、本実施例の通常状態は、一般的に遊技球が第1始動口と一般入賞口10にのみ入賞可能な状態であって、これら入賞口に入賞する遊技球数が時短状態、確変状態、大当り遊技状態よりも少ない遊技状態である。そして、
図57(A)~
図57(B)に示すように、通常状態においてMYカウンタ値が98194に達した場合の第1遊技停止演出においては、賞球カウンタの値が表示されないので、該通常状態においてパチンコ遊技機1での遊技が停止された場合に賞球カウンタの値が表示されることにより遊技者の遊技興趣が低下してしまうことが防止されている。
【0512】
また、
図57(E)~
図57(H)に示すように、遊技状態が時短状態であるときにMYカウンタ値が98194に達した場合と、遊技状態が確変状態であるときにMYカウンタ値が98194に達した場合とで、同一の態様にて遊技停止演出が実行されるので、時短状態においてMYカウンタ値が98194に達した場合と、確変状態においてMYカウンタ値が98194に達した場合とで、遊技停止演出を実行するために使用するデータを共通化することができるので、パチンコ遊技機1の製造コストを低減できる。
【0513】
更に、
図57(A)~
図57(H)に示すように、遊技状態が通常状態であるときにMYカウンタ値が98194に達した場合と、遊技状態が時短状態や確変状態であるときにMYカウンタ値が98194に達した場合とについては、異なる態様にて遊技停止演出が実行されるので、MYカウンタ値が98194に達した状態に応じて好適に遊技停止演出を実行することが可能となっている。
【0514】
尚、本実施例では、遊技状態が通常状態であるときにMYカウンタ値が98194に達した場合と、遊技状態が時短状態や確変状態であるときにMYカウンタ値が98194に達した場合とで、異なる態様にて遊技停止演出が実行される形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技状態が通常状態であるときにMYカウンタ値が98194に達した場合、遊技状態が時短状態であるときにMYカウンタ値が98194に達した場合、遊技状態が確変状態であるときにMYカウンタ値が98194に達した場合のそれぞれで、異なる態様にて遊技停止演出が実行されるようにしてもよい。このようにすることで、MYカウンタ値が98194に達した状態に応じてより好適に遊技停止演出を実行することが可能となる。
【0515】
また、
図55(D)~
図55(F)に示すように、遊技状態が時短状態であるときにMYカウンタ値が95001に達した場合と、遊技状態が確変状態であるときにMYカウンタ値が95001に達した場合とで、同一態様で遊技停止示唆演出が実行されるので、遊技状態が時短状態であるときにMYカウンタ値が95001に達した場合と、遊技状態が確変状態であるときにMYカウンタ値が95001に達した場合とで遊技停止示唆演出を実行するために使用するデータを共通化することができ、パチンコ遊技機1の製造コストを低減できる。
【0516】
更に、
図55(A)~
図55(F)に示すように、遊技状態が通常状態であるときにMYカウンタ値が95001に達した場合と、遊技状態が時短状態や確変状態であるときにMYカウンタ値が95001に達した場合とで、異なる態様で遊技停止示唆演出が実行されるので、MYカウンタ値が95001に達した状態に応じて好適に遊技停止示唆演出を実行することができ、遊技興趣を向上できる。
【0517】
尚、本実施例では、遊技状態が通常状態であるときにMYカウンタ値が98194に達した場合と、遊技状態が時短状態や確変状態であるときにMYカウンタ値が98194に達した場合とで、異なる態様にて遊技停止示唆演出が実行される形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技状態が通常状態であるときにMYカウンタ値が98194に達した場合、遊技状態が時短状態であるときにMYカウンタ値が98194に達した場合、遊技状態が確変状態であるときにMYカウンタ値が98194に達した場合のそれぞれで、異なる態様にて遊技停止示唆演出が実行されるようにしてもよい。このようにすることで、MYカウンタ値が98194に達した状態に応じてより好適に遊技停止示唆演出を実行することが可能となる。
【0518】
また、本実施例では、先読予告演出として保留表示演出を実行可能となっている。該保留表示演出の演出パターンとしては、保留表示の表示パターンとして表示パターンα~表示パターンγの3種類の表示パターンが設けられており、保留表示がいずれの表示パターンにて表示されるかに応じて大当り遊技状態に制御される割合(大当り期待度)が異なっている。特に、本実施例において表示パターンγは大当り遊技状態に制御されることを100%の割合で示唆する(大当り遊技状態に制御されることを報知する表示パターン)である一方で、該表示パターンγは、MYカウンタ値が95001以上であり且つ大当りとなる保留記憶が2個以上である場合は保留表示の表示パターンとして決定される割合が0%に設定されている。このようにすることで、本実施例では、保留表示が表示パターンγで表示されたにもかかわらず、複数回の大当り遊技状態に制御されるよりも前にパチンコ遊技機1における遊技が停止されることによって遊技者の遊技興趣が低下してしまうことを防止できるようになっている。
【0519】
尚、本実施例では、MYカウンタ値が95001以上であり且つ大当りとなる保留記憶が2個以上である場合は、保留表示の表示パターンとして大当り遊技状態に制御されることを報知する表示パターンγの決定割合を0%に設定する形態を例示したが、本發明はこれに限定されるものではなく、例えば、MYカウンタ値が95001以上であり且つ大当りとなる保留記憶が2個以上である場合であっても、遊技状態に応じて表示パターンγの決定の制限の有無自体を異ならせてもよいし、遊技状態に応じて表示パターンγの決定の制限の度合いを異ならせてもよい。
【0520】
例えば、MYカウンタ値が95001以上であり且つ大当りとなる保留記憶が2個以上である場合であっても、遊技状態が通常状態である場合は、表示パターンγの決定割合を0%に設定する一方で、時短状態や確変状態である場合は、表示パターンγの決定割合を5%に設定してもよい。このようにすることで、例えば、遊技停止示唆演出の実行中において保留表示が表示パターンγで表示された場合、パチンコ遊技機1での遊技が停止される前に該保留表示の可変表示が実行されて大当り遊技状態に制御されるか否かに対して遊技者を注目させる事が可能となる。
【0521】
更に、本実施例では、可変表示中に予告演出を演出パターンX~演出パターンZのうちいずれかの演出パターンにて実行可能となっており、該予告演出がいずれの演出パターンで実行されるかに応じて大当り遊技状態に制御される割合(大当り期待度)が異なっている。特に、本実施例における演出パターンZは、大当り遊技状態に制御されることを100%の割合で示唆する(大当り遊技状態に制御されることを報知する演出パターン)である一方で、該演出パターンZは、MYカウンタ値が95001以上である場合は予告演出の演出パターンとして決定される割合が0%に設定されている。このようにすることで、本実施例では、例えば、可変表示中に予告演出が演出パターンZにて実行されたにもかかわらず、該可変表示中においてMYカウンタ値が98194に達したことにより大当り遊技状態に制御されるよりも前にパチンコ遊技機1での遊技が停止されるといった事象の発生により遊技者の遊技興趣の低下を防ぐことが可能となっている。
【0522】
尚、本実施例では、MYカウンタ値が95001以上である場合、予告演出の演出パターンとして最も大当り期待度の高い演出パターンZの決定割合のみが0%に設定される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、MYカウンタ値が95001以上である場合は、演出パターンZよりも大当り期待度が低く且つ演出パターンXよりも大当り期待度が高い演出パターンYについても決定割合を0%としてもよいし、一義的に予告演出を実行しないようにしてもよい。
【0523】
また、本実施例では、通常状態や時短状態、確変状態においてMYカウンタ値が98194に達した場合は、即座にパチンコ遊技機1での遊技を停止させる一方で、大当り遊技状態においてMYカウンタ値が98194に達した場合は、該大当り遊技状態から時短状態や確変状態に制御される際にパチンコ遊技機1での遊技を停止させることで、好適にパチンコ遊技機1での遊技を停止させることが可能となっている。特に本実施例では、大当り遊技状態においてMYカウンタ値が98194に達しても大当り遊技が終了するまでは遊技が停止されないので、例えば、大当り遊技状態が途中で終了するといった遊技者にとって過度に不利な事象が発生してしまうことが防止されている。
【0524】
また、
図34に示すように、本実施例の払出制御タイマ割込処理では、パチンコ遊技機1において遊技が停止されているか否かにかかわらず一連の処理が実行されるようになっている。つまり、本実施例では、パチンコ遊技機1において遊技が停止されていても、遊技者が球貸スイッチ21TM062を操作することで賞球球貸し制御処理が実行されることによって遊技球の貸し出しが実行され、遊技者が返却スイッチ21TM063を操作することによってプリペイドカードユニット制御処理が実行されることによってプリペイドカードの返却等が行われる。このため、例えば、パチンコ遊技機1において遊技が停止された場合において、プリペイドカードの返却が可能となるので、パチンコ遊技機1において遊技が停止されているときにプリペイドカードの返却が行われないことによるトラブルの発生を未然に防ぐことができる。さらには、パチンコ遊技機1において遊技が停止された際に払出制御タイマ割込処理として複雑な処理を必要としないことにより、これら払出制御タイマ割込処理内の一連の処理において意図しない不具合の発生を抑えることができる。
【0525】
また、
図57に示すように、MYカウンタ値が98194に達した場合には遊技停止演出として遊技者に対してプリペイドカードを取り忘れないよう促す旨が画像表示装置5にて表示されるようになっているので、例えば、パチンコ遊技機1での遊技が停止された場合に、遊技者がプリペイドカードの返却操作(返却スイッチ21TM063の操作)を忘れて該パチンコ遊技機1から立ち去ってしまうといったトラブルの発生を未然に防ぐことができる。
【0526】
更に、
図56及び
図57に示すように、本実施例では、大当り遊技終了後のエンディング演出においても、遊技停止演出と同一態様にて遊技者に対してプリペイドカードを取り忘れないよう促す旨が画像表示装置5にて表示されるようになっているので、遊技停止演出とエンディング演出としてこれらプリペイドカードを取り忘れないよう促す旨を表示するためのデータの少なくとも一部を共通化することができ、パチンコ遊技機1の製造コストを低減できる。
【0527】
尚、本実施例では、遊技停止演出やエンディング演出として、プリペイドカードを取り忘れないよう促す旨の表示を画像表示装置5において行う形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技停止演出においては、プリペイドカードを取り忘れないよう促す旨の表示を、エンディング演出よりも広い領域にて表示する、エンディング演出よりも多い色彩で表示する、エンディング演出よりも長期間に亘って表示する等、エンディング演出の実行時よりも遊技者に認識されやすい態様で表示することにより、遊技者がプリペイドカードの返却操作を忘れて該パチンコ遊技機1から立ち去ってしまうといったトラブルの発生をより確実に防ぐようにしてもよい。
【0528】
また、本実施例のパチンコ遊技機1は、MYカウンタ値が98194に達した場合と、電波エラー、磁石エラー、遊技球誘導蓋作動エラー等の遊技停止エラーが発生した場合とでパチンコ遊技機1の遊技が停止されるようになっている。更に、MYカウンタ値が98194に達した場合と、上記遊技停止エラーが発生した場合とは、どちらも情報出力回路112によりセキュリティ信号がパチンコ遊技機1の電源がOFFとなるまで出力されるようになっているので、該セキュリティ信号の出力によって、パチンコ遊技機1の遊技が停止されていることを該パチンコ遊技機1が設置されている遊技場の従業員等が把握し易くすることが可能となっている。特に、上記のように遊技が停止された場合は、パチンコ遊技機1の電源がOFFとなるまでセキュリティ信号が出力されるので、該パチンコ遊技機1が遊技停止となっていることを遊技場の従業員等が見逃してしまうことも防止できる。
【0529】
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、上記した遊技停止エラーに加えて、始動口2異常入賞エラー等の遊技停止エラーよりもセキュリティ信号の出力優先度が低いエラーも検出可能となっている。更に、
図29に示すように、始動口2異常入賞エラーが発生した場合は、MYカウンタ値が98194に達した場合や遊技停止エラーが発生した場合と異なり、セキュリティ信号が4分間に亘って出力される。つまり、本実施例では、遊技停止エラーが発生した場合と該遊技停止エラーよりも優先度が低く且つ遊技を停止しないエラーが発生した場合とでは、セキュリティ信号の出力期間が異なっているので、該パチンコ遊技機1が設置されている遊技場の従業員等は、セキュリティ信号の出力期間によってパチンコ遊技機1に発生したエラーが遊技停止エラーであるか否かを用意に判別することができ、また、該発生したエラーに対して的別な対処を行うことが可能となっている。
【0530】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0531】
例えば、前記実施例では、
図58に示すように、MYカウンタ値が98194に達した場合に、第1遊技停止演出として賞球カウンタの値を表示した後、第2遊技停止演出としてパチンコ遊技機1が設置されている遊技場の巡業員を呼ぶように促す表示を行う形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例055SG-1として、
図60(A)~
図60(C)に示すように、MYカウンタ値が98194に達した場合は、遊技停止演出として賞球カウンタの値を表示した後、該賞球カウンタの値に加えてパチンコ遊技機1が設置されている遊技場の従業員を呼ぶように促す表示を行うようにしてもよい。このようにすることで、遊技が停止されるまでに付与された賞球を遊技者に認識させて遊技教主を向上させることができるとともに、遊技が停止されたことに対して遊技者に遊技場の従業員を呼び出すよう促すことにより、遊技場の従業員が該遊技停止されたパチンコ遊技機1に対して電力の供給を停止させる等の対処を行い易くすることができる。
【0532】
また、前記実施例では、保留表示の表示態様によって大当り遊技状態に制御される割合を遊技者に示唆する先読み予告演出(保留表示予告演出)を実行可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例005SG-2として
図61(A)に示すように、時短状態や確変状態における100回目の可変表示以降の第2特図保留記憶(遊技状態が通常状態に制御されてから実行される最大4回の第2特別図柄の可変表示に対応する保留記憶)については、先読み予告演出の実行対象外としてもよい。
【0533】
また、このように、時短状態や確変状態における100回目の可変表示以降の第2特図保留記憶を先読み予告演出の実行対象外とする場合は、
図61(A)~
図61(C)に示すように、これら第2特図保留記憶内に可変表示結果が大当りとなる保留記憶が有る場合は、第2図柄確定期間中演出において通常状態に制御されてからの第2特図保留記憶にもとづく可変表示において可変表示結果が大当りとなることを報知する復活報知演出(本実施例では、
図61(C)に示すように複数の星が画像表示装置5の表示領域を横切るように表示される演出)を実行可能としてもよい。
【0534】
尚、
図61(D)に示すように、遊技停止演出の開始タイミングにおいても可変表示結果が大当りとなる第2特図保留記憶が存在する場合が考えられるが、この場合については、既に遊技が停止されている状態であるので、遊技停止演出の実行中において復活報知演出を実行しないようにしてもよい。このように、遊技停止演出の実行中において復活演出が実行されないことにより、大当り遊技状態に制御されないことによる遊技者の遊技教主の低下を防ぐことができる。
【0535】
また、前記実施例では、度数表示LED21TM060をパチンコ遊技機1の上皿の上部に設置し、該度数表示LED21TM060において遊技球の借り入れを行うための残金(プリペイドカードの残高)を表示可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例005SG-3として
図62(A)及び
図62(B)に示すように、パチンコ遊技機1において遊技可能である状態(遊技可能状態)においては、度数表示LED21TM060において遊技球の借り入れを行うための残金(プリペイドカードの残高)を表示する一方で、パチンコ遊技機1において遊技が停止された(遊技停止態となった)場合においては、度数表示LED21TM060において残金(プリペイドカードの残高)とは異なる表示であって遊技不能となったことを示す表示を行ってもよい。このようにすることで、画像表示装置5における遊技停止演出に加えて、度数表示LED21TM060の表示態様によってパチンコ遊技機1の遊技が停止されているか否かを遊技者に対して分かり易く認識させることができる。
【0536】
また、前記実施例では、パチンコ遊技機1の背面側から視認可能な表示モニタ21TM029を設け、該表示モニタ21TM029において連比、役比などの各種の入賞情報を表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例005SG-4として、パチンコ遊技機1において遊技可能である状態(遊技可能状態)においては、表示モニタ21TM029において連比、役比などの各種入賞情報を表示する一方で、パチンコ遊技機1において遊技が停止された(遊技停止状態となった)場合においては、
図63に示すように、表示モニタ21TM029において入賞情報とは異なる表示であって遊技不能となったことを示す表示を行ってもよい。このようにすることで、パチンコ遊技機1において遊技不能となった場合、遊技場の従業員等がパチンコ遊技機1の背面側から表示モニタ21TM029を視認することによって、該パチンコ遊技機1が遊技不能な状態となったことを好適に確認することができる。
【0537】
また、前記実施例では、パチンコ遊技機1(主基板11)から払出制御基板21TM037に対して接続確認信号出力することや、払出制御基板21TM037が、PRDY信号がON状態であり、かつ、BRDY信号及びBRQ信号が何れもON状態であることに基づいて払出モータ21TM289を駆動することによって、所定個数の遊技球の貸し出しを実行可能とする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例005SG-5として、パチンコ遊技機1において遊技が停止された場合、主基板11からの接続確認信号の出力を停止してもよい。このように接続確認信号出力の出力が停止されると、PRDY信号、BRDY信号及びBRQ信号の出力も停止されるので、結果としてパチンコ遊技機1の遊技が停止された後、すなわち、遊技停止演出の実行中は、遊技者によって球貸スイッチ21TM062が操作されても新たな遊技球の貸し出し(
図34に示す賞球球貸し制御処理)を実行しないようにできる。
【0538】
尚、本変形例では、パチンコ遊技機1において遊技停止となった場合に、主基板11からの接続確認信号の出力を停止することによって新たな遊技球の貸し出し(
図34に示す賞球球貸し制御処理)を実行しない形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1において遊技停止となった場合には、主基板11からの接続確認信号の出力を停止することによって新たな遊技球の貸し出しを実行しない一方で、返却スイッチ21TM063の操作によるプリペイドカードの遊技者への返却は実行してもよい。このようにすることで、パチンコ遊技機1において遊技が停止されても、プリペイドカードが遊技者に対して返却されないといったトラブルの発生を未然に防ぐことができる。
【0539】
また、前記実施例では、MYカウンタ値が98194に達したことにもとづいて遊技が停止された場合は、パチンコ遊技機1を電断させた後、クリアスイッチ92の操作とともに再度パチンコ遊技機1に電力を投入する(コールドスタートによりパチンコ遊技機1を起動させる)ことによってパチンコ遊技機1が遊技可能な状態となる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例005SG-6として
図65(A)~
図65(D)に示すように、パチンコ遊技機1において遊技が停止された場合、パチンコ遊技機1を電断させた後、クリアスイッチ92の操作とともに再度パチンコ遊技機1に電力を投入する(コールドスタートによりパチンコ遊技機1を起動させる)ことによってパチンコ遊技機1を遊技可能とする一方で、パチンコ遊技機1を電断させた後、クリアスイッチ92を操作することなく再度パチンコ遊技機1に電源を投入する(ホットスタートによりパチンコ遊技機1を起動させる)ときは、該パチンコ遊技機1が未だ遊技が停止されている状態であることや、クリアスイッチ92を操作しつつパチンコ遊技機1に電源を投入するよう促すエラー報知を、画像表示装置5における画像の表示やスピーカ8L、8Rから音出力として実行してもよい。このようにすることで、パチンコ遊技機1への電源投入時に遊技が停止されていることを、エラー報知により該パチンコ遊技機1が設置されている遊技場の授業員等に認識させることができるので、パチンコ遊技機1が電源投入時から遊技が停止されている状態で放置されてしまう虞を低減できる。
【0540】
尚、遊技停止状態でパチンコ遊技機1が起動した場合は異常な状態であるので、上記したエラー報知としては、遊技中(通常状態、時短状態、確変状態、大当り遊技状態)や遊技停止演出において出力される音声よりも大音量にて該エラー報知の音声をスピーカ8L、8Rから出力してもよい。
【0541】
また、前記実施例では、遊技状態に応じた1の割合にて可変表示結果が大当りとなるか否かを判定可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例005SGS-7として
図65に示すように、例えば、特定の設定手段の操作により複数の設定値を設定可能とし、いずれの設定値が設定されているかに応じて可変表示結果が大当りとなる割合を異ならせるようにしてもよい。尚、このように、パチンコ遊技機1にいずれかの設定値を設定した場合は、パチンコ遊技機1の電源をOFF状態にし、クリアスイッチ92を操作しながら再度パチンコ遊技機1に電源を投入する(コールドスタートさせる)ことで、設定された設定値が反映されるようにすればよい。
【0542】
また、このように、パチンコ遊技機1において設定されている設定値に応じた大当り遊技状態に制御される割合を異ならせる場合について、CPU103は、設定値の変更を受け付ける際に、該設定値を変更可能な設定値変更可能状態である旨を演出制御基板12に対して通知する設定変更状態通知コマンドを出力し、演出制御基板12(演出制御用CPU120)は、該設定変更状態通知コマンドを受信したことにもとづいて設定値を変更可能な状態であることを報知する演出を実行可能としてもよい。更に、CPU103は、該設定変更状態通知コマンドの出力とともに、パチンコ遊技機1の遊技の停止及び情報出力回路112からセキュリティ信号を出力させるようにしてもよい。尚、該セキュリティ信号の出力期間は、MYカウンタ値が98194に達したことにもとづくセキュリティ信号の出力期間や、その他のエラー検出時のセキュリティ信号の出力期間と異ならせてもよい(例えば、
図67(C)に示すように、設定値変更可能状態となってから5秒間)。このようにすることで、パチンコ遊技機1での遊技が停止された場合に、該遊技の停止が特定のエラーの発生、MYカウンタ値が98194に達したこと、設定値を変更可能となったことのいずれによるものであるのかを、該パチンコ遊技機1の外部から確認することを判別可能となるので、設定値が変更可能であることにもとづく遊技停止が、MYカウンタ値が98194に達したことやその他のエラー検出による遊技停止と誤認されてしまうことを防ぐことができる。
【0543】
尚、本変形例では、パチンコ遊技機1を設定値変更可能状態とすることによって該パチンコ遊技機1での遊技を停止する(遊技停止状態とする)形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1については、前記設定値変更可能状態に加えて、設定されている設定値を遊技場の従業員等が確認可能な設定確認状態とすることを可能としてもよい。
【0544】
また、前記実施例及び本変形例では、磁石エラーや電波エラーの発生によりパチンコ遊技機1での遊技を停止させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1を上記した設定値確認状態としている場合については、遊技場の従業員がパチンコ遊技機1に近接して設定値を確認することが想定されるため、磁気センサ005SG060や電波センサ005SG070等の遊技停止エラーを検出するためのセンサを無効化し、これら磁気センサ005SG060や電波センサ005SG070等のセンサの誤作動によりパチンコ遊技機1が遊技停止状態となってしまうことを防止できるようにしてもよい。
【0545】
また、本変形例では、パチンコ遊技機1を設定値確認状態とすることで、該パチンコ遊技機1に設定されている設定値を確認可能とする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1が遊技停止状態に制御されている場合にあっては、パチンコ遊技機1が設定値確認状態に移行しないようにしてもよい。
【0546】
また、本変形例では、パチンコ遊技機1を設定値変更可能状態とすることによって該パチンコ遊技機1に設定されている設定値を変更可能とする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1が遊技停止状態に制御されている場合であっても、該パチンコ遊技機1を設定値変更可能状態とし、該パチンコ遊技機1に設定されている設定値を変更可能としてもよい。尚、この場合は、パチンコ遊技機1をコールドスタートさせることによって自ずとパチンコ遊技機1において遊技が可能となるとともに、設定された設定値に応じた確率で大当り遊技状態に制御可能な状態となる。
【0547】
また、前記実施例では、遊技状態が時短状態や確変状態であるときにMYカウンタ値が98194に達した場合、即座にパチンコ遊技機1における遊技が停止される形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技状態が時短状態や確変状態であるときにMYカウンタ値が98194に達した場合は、遊技状態が通常状態制御されたこと、或いは、次回の大当り遊技終了後にパチンコ遊技機1における遊技が停止されるようにしてもよい。
【0548】
更に、前記実施例では、MYカウンタ値が98194の近傍値(例えば、98000)に達していたとしても、大当り遊技中にMYカウンタ値が98194に達していなければ遊技を継続可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、MYカウンタ値が上記した98194の近傍値であるときに大当り遊技状態に制御された場合は、大当り遊技終了時にMYカウンタ値が98194に達していなくてもパチンコ遊技機1での遊技を停止してもよい。このようにすることで、例えば、大当りBのようなラウンド数が少ない大当り遊技において敢えて遊技球を打たないようにすることによって、大当りCのようなラウンド数が多い大当り遊技が実行されるまでパチンコ遊技機1の遊技の停止を遅延させるといった攻略打ちを防止することができる。
【0549】
また、前記実施例では、大当り遊技状態の終了後、大当り種別にかかわらず20秒間にわたりエンディング演出を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、エンディング演出の実行期間は大当り種別に応じて異なっていてもよい。また、このように、大当り種別に応じてエンディング演出の実行期間が異なる場合であっても、大当り遊技中にMYカウンタ値が98194に達した場合は、各大当り遊技終了後の一定期間(例えば、一律15秒)に亘って第1遊技停止演出として賞球カウンタの値の表示を行うようにしてもよい。
【0550】
また、前記実施例では、大当り遊技状態、時短状態、確変状態を含む連荘状態においては、画像表示装置5において右打ち促進表示を表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、連荘状態においては、右打ち促進表示に加えて、或いは替えて、遊技者に対して右遊技領域2Rに向けて遊技球を打ち出すよう促すためのLED(右打ちランプ)を点灯させることで、該連荘状態が右遊技領域2Rに向けて遊技球を打ち出す遊技状態であることを遊技者に対して分かり易くしてもよい。尚、該右打ちランプは、右打ち促進表示の表示期間と同じく、連荘状態において常に点灯していればよい。
【0551】
また、本実施例では、時短状態や確変状態においてMYカウンタ値が98194に達した場合は、遊技停止演出の開始とともに右打ち促進表示を非表示とする形態を例示しているが、上記したように連荘状態において右打ち促進表示の表示と右打ちランプの点灯の両方を実行可能とする場合は、パチンコ遊技機1において遊技が停止されたこと、すなわち、遊技球を右遊技領域2Rに向けて打ち出す遊技状態ではないことにより右打ち促進表示を非表示とするとともに右打ちランプを消灯してもよいし、また、パチンコ遊技機1において遊技が停止されたものの時短フラグがセットされていることにもとづいて、右打ち促進表示の表示と右打ちランプの点灯を継続してもよい。更に、MYカウンタ値が98194に達した場合は、CPU103が時短フラグや確変フラグをクリアし、これら時短フラグや確変フラグがクリアされたことにもとづいて、右打ち促進表示を非表示とするとともに右打ちランプを消灯してもよい。
【0552】
また、前記実施例では、
図57~
図58に示すように、MYカウンタ値が98194に達した場合、第2遊技停止演出として、プリペイドカードを取り忘れないよう促す旨と、遊技が停止したことにより該パチンコ遊技機1に設定されている遊技場の従業員を呼び出すよう促す旨の表示を行う形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2遊技停止演出としては、エンディング演出と同じく、プリペイドカードを取り忘れないよう促す旨と、遊技へののめり込み防止を促す旨の表示とを行うようにしてもよい。このようにすることで、第2遊技停止演出を実行するためのデータとエンディング演出を実行するためのデータとの少なくとも一部を共通化することができるので、パチンコ遊技機1の製造コストを抑えることができる。
【0553】
また、前記実施例では、MYカウンタ値が98194に達した場合、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示装置20、第1保留表示装置25A、第2保留表示装置25B、普図保留表示装置25Cを全て消灯させることによって遊技者に対してパチンコ遊技機1における遊技が停止されたことを報知する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、MYカウンタ値が98194に達した場合は、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示装置20、第1保留表示装置25A、第2保留表示装置25B、普図保留表示装置25Cを全て点灯させることによって遊技者に対してパチンコ遊技機1における遊技が停止されたことを報知してもよい。
【0554】
また、前記実施例では、
図17に示すように、パチンコ遊技機1における遊技が停止されると、CPU103が入賞情報処理を実行不能となるため、賞球の払出し中にパチンコ遊技機1の遊技が停止されると、該遊技の停止タイミングで役比や連比の算出が実行できなくなり、最終的に表示モニタ21TM029に表示される連比・役比と実際の連比・役比との間に大きな誤差が生じる虞があるが、本発明はこれに限定されるものではなく、賞球の払出し中にパチンコ遊技機1の遊技が停止される場合であっても、CPU103による入賞情報処理の実行を可能とし、表示モニタ21TM029に表示される連比・役比と実際の連比・役比との間に生じる誤差を小さくできるようにしてもよい。
【0555】
また、本実施例では、パチンコ遊技機1に電源を投入することで、演出制御用CPU120が可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う(初期動作制御処理を行う)形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1の遊技が停止されている状態で該パチンコ遊技機1の電源を一旦OFF状態にし、クリアスイッチ92を操作せずに再度パチンコ遊技機1に電源を投入する場合については、遊技が停止されている状態でパチンコ遊技機1起動することとなるので、演出制御用CPU120が上記した初期動作制御処理を実行しない、或いは、初期動作制御処理の一部のみを実行するようにしてもよい。
【0556】
また、前記実施例では、MYカウンタ値が98194に達した場合、CPU103が遊技停止処理を実行することで1度のみ遊技停止通知コマンドの送信が実行される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出制御基板12側にて遊技停止通知コマンドが正常に受信されない場合を考慮し、遊技停止通知コマンドについては複数回、或いは、CPU103が遊技停止処理を実行する毎に送信してもよい。このようにすることで、遊技停止通知コマンドを演出制御基板12側で確実に受信することができるので、
遊技が停止されたにもかかわらず遊技停止演出が実行されない等の不具合の発生を防ぐことができる。
【0557】
また、前記実施例では、パチンコ遊技機1において払い出された賞球数とアウト球数の差(純増球数)を計数するカウンタであって、アウトスイッチ26がONとなっても初期値である0より下の数値になることはないMYカウンタ値によってパチンコ遊技機1を遊技停止状態とするか否か判定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく例えば、パチンコ遊技機1において払い出された賞球数とアウト球数の差(純増球数)を計数するカウンタであって、アウトスイッチ26がONとなる毎に初期値よりも下の数値となるカウンタ(所謂差玉カウンタ)によってパチンコ遊技機1を遊技停止状態とするか否か判定してもよい。
【0558】
尚、本実施例のMYカウンタにてパチンコ遊技機1を遊技停止状態とするか否か判定する場合は、該カウンタの値が初期値より下の数値となることは無いので、大当り遊技状態を除き該カウンタ値が98194に達したときにパチンコ遊技機1が遊技停止状態に制御されることとなる、つまり、遊技者が獲得可能な賞球数は「98194」が上限となる。
【0559】
一方で、上記した差玉カウンタにてパチンコ遊技機1を遊技停止状態とするか否か判定する場合は、該カウンタの値が初期値より下の数値となることがあるので、該カウンタの値が初期値より下の数値であるときから連荘状態に移行した場合、遊技者は、上限値である「98194」に加えて、連荘状態に制御された時点から初期値での差分の賞球を得ることが可能となる。
【0560】
また、前記実施例では、遊技状態が通常状態、時短状態、確変状態のいずれの場合であっても、MYカウンタ値が98194に達したことにより遊技を停止する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技状態に応じて遊技を停止するMYカウンタ値が異なっていてもよい。例えば、遊技状態が通常状態である場合は、MYカウンタ値が98194に達したことにより遊技を停止する一方で、遊技状態が時短状態や確変状態である場合は、MYカウンタ値が10ラウンド大大当りを2回実行しても100000に達しない値である96398に達したことにより遊技を停止してもよい。特に、前記したように、遊技状態が友情状態よりも10ラウンド大当りに当選し易い時短状態や確変状態である場合は、遊技を停止するMYカウンタの判定値を、通常状態で遊技を停止するMYカウンタの判定値(98194)よりも小さくすることで、遊技が停止するまでに遊技者が過度に賞球を獲得してしまう虞を低減することができる。
【0561】
また、前記実施例では、大当り遊技中に遊技球が第2カウントスイッチ24にて検出されることによって該大当り遊技終了後に確変状態に制御されるパチンコ遊技機1に本發明を適用する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、大当り遊技状態と同じく大入賞口が開放される小当り遊技状態に制御可能であって、該小当り遊技中に遊技球が特定の領域を通過することによって大当り遊技状態に制御されるパチンコ遊技機や、大当り遊技終了後に確変状態に制御される場合は、次に大当り遊技状態に制御されるまで該確変状態が継続するパチンコ遊技機等に本発明を適用してもよい。
【0562】
また、前記実施の形態では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
【0563】
また、前記実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
【0564】
本発明の遊技機は、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機やスロットマシンなどにも適用することができる。また、遊技が可能な遊技機とは、少なくとも遊技を行うものであれば良く、パチンコ遊技機やスロットマシンに限らず、一般ゲーム機であっても良い。
【符号の説明】
【0565】
1 パチンコ遊技機
4A 第1特別図柄表示装置
4B 第2特別図柄表示装置
5 画像表示装置
100 遊技制御用マイクロコンピュータ
120 演出制御用CPU