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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】バックプレーンの構造および動作
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/32 20160101AFI20241203BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
G09G3/32 A
G09G3/20 611A
G09G3/20 612E
G09G3/20 621F
G09G3/20 624B
G09G3/20 641D
G09G3/20 641Q
G09G3/20 680H
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021542316
(86)(22)【出願日】2020-01-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-25
(86)【国際出願番号】 US2020014050
(87)【国際公開番号】W WO2020154190
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2023-01-17
(31)【優先権主張番号】62/796,394
(32)【優先日】2019-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/739,740
(32)【優先日】2020-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘ、ガン
【審査官】武田 悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-202778(JP,A)
【文献】特開2015-152699(JP,A)
【文献】特開2003-223137(JP,A)
【文献】特開2002-189446(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0039935(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106469539(CN,A)
【文献】米国特許第06525709(US,B1)
【文献】特開2005-300897(JP,A)
【文献】国際公開第2019/129474(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ内の発光素子を駆動するためのバックプレーンに含まれるバックプレーンユニットセルであって、
選択信号に基づいて、データ信号を選択するように構成された第1のスイッチと、
前記第1のスイッチに連結され、前記第1のスイッチによって選択された前記データ信号に応答して、前記データ信号の値を記憶するように構成された記憶素子と、
前記第1のスイッチに連結され、前記記憶素子に記憶された前記値と基準信号の値との比較に基づいて出力を生成するように構成された比較器と、
前記比較器に連結され、前記比較器の前記出力を受信して、前記比較器の出力に従って電力信号を選択するように構成された第2のスイッチとを備え前記第2のスイッチは、前記第2のスイッチによって選択された前記電力信号に応答して、前記電力信号を制御入力信号として電源に提供するように構成されており、
前記バックプレーンユニットセルは、さらに、
前記ディスプレイ内の前記発光素子のうちの選択された1つの発光を制御するように、前記電力信号に基づいて駆動信号を生成するように構成された前記電源を備え
記電源は、電流源または電圧源であり、
前記基準信号は非線形信号または劣線形信号であり、前記電力信号は非線形信号または超線形信号である、バックプレーンユニットセル。
【請求項2】
前記基準信号は、前記バックプレーンユニットセルを含む、前記バックプレーン内の複数のバックプレーンユニットセルに提供される包括的な基準信号である、請求項1に記載のバックプレーンユニットセル。
【請求項3】
前記電力信号は、前記バックプレーンユニットセルを含む、前記バックプレーン内の複数のバックプレーンユニットセルに提供される包括的な電力信号である、請求項1または2に記載のバックプレーンユニットセル。
【請求項4】
前記記憶素子は、少なくとも1つのコンデンサを備えている、請求項1~のいずれか1項に記載のバックプレーンユニットセル。
【請求項5】
前記記憶素子は、前記スイッチで次のデータ信号を選択する次の選択信号に応答して、次の値が記憶されるまで、前記データ信号の前記値を記憶するように構成されている、請求項1~のいずれか1項に記載のバックプレーンユニットセル。
【請求項6】
前記データ信号は、バックプレーン列選択信号であり、
前記選択信号は、バックプレーン行選択信号である、請求項1~のいずれか1項に記載のバックプレーンユニットセル。
【請求項7】
前記発光素子は、発光ダイオード(LED)であり、
前記電源は、前記LEDを駆動するように構成されている、請求項1~のいずれか1項に記載のバックプレーンユニットセル。
【請求項8】
前記LEDは無機LEDである、請求項に記載のバックプレーンユニットセル。
【請求項9】
ディスプレイ内の発光素子を駆動するためにバックプレーンに含まれるバックプレーンユニットセルを動作させる方法であって、
前記バックプレーンユニットセル内で、選択信号に応答してデータ信号の値を記憶素子に記憶する工程と、
前記バックプレーンユニットセルにより、前記記憶素子に記憶された前記値と基準信号の値を比較して、前記比較の出力を生成する工程と、
前記バックプレーンユニットセルにより、前記比較の出力に基づいて電力信号を選択して制御入力信号として電源に供給する工程と、
前記バックプレーンユニットセルの前記電源により、前記ディスプレイ内の前記発光素子のうちの選択された1つのための駆動信号を生成する工程を含み、
前記駆動信号は、前記電力信号に基づいて生成され、前記選択された発光素子の1つまたは複数の動作特性を調整するように構成されており、
前記基準信号は非線形信号または劣線形信号であり、前記電力信号は非線形信号または超線形信号である、方法。
【請求項10】
前記選択信号は、前記ディスプレイのフレーム動作に連動している、請求項に記載の方法。
【請求項11】
次の選択信号を受信する工程と、
前記バックプレーンユニットセル内で、受信された前記次の選択信号に応答して、データ信号の次の値を前記記憶素子に記憶する工程をさらに含み、
前記選択信号および前記次の選択信号は、前記ディスプレイのフレーム動作に連動している、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記データ信号は、バックプレーン列選択信号であり、
前記選択信号は、バックプレーン行選択信号である、請求項~1のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記基準信号は、前記バックプレーンユニットセルを含む、前記バックプレーン内の複数のバックプレーンユニットセルに提供される包括的な基準信号である、請求項~1のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記選択された発光素子の前記1つまたは複数の動作特性は、
帯域幅、
電流、
ガンマ補正、
およびダイナミックレンジ、のうちの1つまたは複数を含む、請求項~1のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記駆動信号を生成する工程は、前記発光素子の前記1つまたは複数の動作特性を調整するための可変幅を有するパルス信号を生成する工程を含む、請求項~1のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記基準信号および前記電力信号は、前記ディスプレイのフレーム動作中であって、かつ前記フレーム動作のための前記データ信号が、前記バックプレーンユニットセルを含む対応するバックプレーンユニットセルに提供された後に、同時に適用される、請求項~1のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本特許出願は、「バックプレーンの構造および動作」と題され、2020年1月10日に出願された米国非仮特許出願第16/739,740号、および「バックプレーンの構造および動作」と題され、2019年1月24日に出願された米国仮特許出願第62/796,394号に基づく優先権を主張し、それらの内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示の態様は、一般に、様々なタイプのディスプレイで使用されるバックプレーン、より具体的には、ライトフィールドディスプレイを含む高画素密度ディスプレイを可能にする様々なバックプレーンユニットセル、アーキテクチャ、およびバックプレーンの動作に関連する。
【0003】
多くのディスプレイで見落とされている側面の1つとして、メインディスプレイパネルの画素(画素の配列や個々の光学素子など)を駆動するために使用されるバックプレーン技術がある。バックプレーンは、ディスプレイパネル内の個々の画素のオンとオフを切り替える様々な電子回路および/またはトランジスタの設計、組み立て、または配置であり、したがって、ディスプレイ全体の解像度、リフレッシュレート、および消費電力に重要な役割を果たす。
【0004】
将来のディスプレイの画素数は、現在のディスプレイと比較して大幅に増加することが予想される。これにより、バックプレーン技術における消費電力と全体の帯域幅に課題が生じ、非常に高い解像度および画素数を有するディスプレイの実装が制限されるおそれがある。
【0005】
したがって、高解像度ディスプレイをサポートするために、低消費電力で動作帯域幅の広いバックプレーン技術を実現する技術および装置が求められている。
【発明の概要】
【0006】
このような態様の基本的な理解を得るために、以下に1つまたは複数の態様の簡略化された概要を提示する。この概要は、考え得るすべての態様の広範な概要ではなく、すべての態様の鍵となる要素または重要な要素を特定するものではなく、一部またはすべての態様の範囲を明確にするものでもない。その目的は、後に提示されるより詳細な説明の前置きとして、1つまたは複数の態様のいくつかの概念を簡略化された形式で提示することである。
【0007】
本開示の一態様では、ディスプレイ内の発光素子を駆動するためのバックプレーンユニットセルが説明される。このバックプレーンユニットセルは、選択信号に基づいてデータ信号を選択するように構成された第1のスイッチと、前記第1のスイッチに連結され、前記第1のスイッチによって選択された前記データ信号に応答して、前記データ信号の値を記憶するように構成された記憶素子と、前記第1のスイッチに連結され、前記記憶素子に記憶された前記値と基準信号の値との比較に基づいて出力を生成するように構成された比較器と、前記比較器に連結され、前記比較器の前記出力を受信して電力信号を選択するように構成された第2のスイッチと、前記ディスプレイ内の前記発光素子のうちの選択された1つの発光を制御するための駆動信号を生成するように構成された電源を備えており、前記第2のスイッチは、前記第2のスイッチによって選択された前記電力信号に応答して、前記電力信号を入力として前記電源に提供するように構成されており、前記駆動信号は、前記電力信号に基づいており、前記電源は、電流源または電圧源であってもよい。
【0008】
本開示の他の態様では、ディスプレイ内の発光素子を駆動するための装置が説明される。この装置は、複数のデータ列および複数の行選択を含むアクティブマトリックストポロジーで構成されたバックプレーンと、前記アクティブマトリックストポロジーに関連付けられ、前記バックプレーンを前記ディスプレイに電気的に接続するように構成された電気接点のセットを備えており、前記ディスプレイは、パッシブマトリックストポロジーで構成された複数の発光素子を有している。
【0009】
本開示の他の態様では、ディスプレイ内の発光素子を駆動するためにバックプレーンを動作させる方法が説明される。この方法は、前記バックプレーン内の異なる行を順次選択し、前記バックプレーン内の前記異なる行に関連付けられた複数のバックプレーンユニットセルのそれぞれについて、前記バックプレーン内の対応する行が選択された時点で、対応するデータ列内に設けられた値を記憶する工程と、前記バックプレーン内のすべての前記異なる行が選択され、前記値が記憶された後、前記バックプレーン内の前記異なる行のそれぞれに関連付けられた発光素子の第1の行への駆動信号の適用を同時に有効にする工程を含み、前記駆動信号は前記記憶された値に基づく。
【0010】
本開示のさらに他の態様では、ディスプレイ内の発光素子を駆動するためにバックプレーンを動作させる方法が説明される。この方法は、前記バックプレーン内の異なる行を順次選択し、前記バックプレーン内の前記異なる行に関連付けられた複数のバックプレーンユニットセルのそれぞれについて、前記バックプレーン内の前記対応する行が選択された時点で、対応するデータ列内に設けられた値を記憶する工程と、前記バックプレーン内の前記異なる行のうちの1つが選択された後であって、かつ前記対応する値が記憶された後、前記バックプレーン内の前記対応する行に関連付けられた発光素子の第1の行への駆動信号の適用を順次有効にする工程を含み、前記駆動信号は前記記憶された値に基づく。
【図面の簡単な説明】
【0011】
添付の図面は、いくつかの実施形態を例示しているに過ぎず、したがって範囲を限定するものとは見なされない。
【0012】
図1A図1Aは、本開示の態様による、ディスプレイの一例およびディスプレイのコンテンツのソースを示す。
【0013】
図1B図1Bは、本開示の態様による、ディスプレイ内の表示処理部の一例を示す。
【0014】
図2A図2Aは、本開示の態様による、複数の画素を有するディスプレイの一例を示す。
【0015】
図2B図2Bは、本開示の態様による、複数の画素を有するライトフィールドディスプレイの一例を示す。
図2C図2Cは、本開示の態様による、複数の画素を有するライトフィールドディスプレイの一例を示す。
【0016】
図2D図2Dは、本開示の態様による、ライトフィールドディスプレイの一部の断面図の一例を示す。
【0017】
図3図3は、本開示の態様による、発光素子の配列が組み込まれたバックプレーンの一例を示す。
【0018】
図4A図4Aは、本開示の態様による、画素内の発光素子の配列の一例を示す。
【0019】
図4B図4Bは、本開示の態様による、副画素を備えた画素の一例を示す。
【0020】
図5図5は、本開示の態様による、バックプレーンドライバの一例を示す。
【0021】
図6A図6Aは、本開示の態様による、アナログ変調方式で動作するバックプレーンユニットセルの一例を示す。
図6B図6Bは、本開示の態様による、アナログ変調方式で動作するバックプレーンユニットセルの一例を示す。
【0022】
図7A図7Aは、本開示の態様による、2値コード化パルス幅変調(B-PWM)方式で動作するバックプレーンユニットセルの一例を示す。
図7B図7Bは、本開示の態様による、2値コード化パルス幅変調(B-PWM)方式で動作するバックプレーンユニットセルの一例を示す。
【0023】
図8A図8Aは、本開示の態様による、単一パルス幅変調(S-PWM)方式で動作するバックプレーンユニットセルの一例を示す。
図8B図8Bは、本開示の態様による、単一パルス幅変調(S-PWM)方式で動作するバックプレーンユニットセルの一例を示す。
【0024】
図9A図9Aは、本開示の態様による、高ダイナミックレンジ(HDR)のパルス幅変調(HDR-PWMまたはH-PWM)方式で動作するバックプレーンユニットセルの一例を示す。
図9B図9Bは、本開示の態様による、高ダイナミックレンジ(HDR)のパルス幅変調(HDR-PWMまたはH-PWM)方式で動作するバックプレーンユニットセルの一例を示す。
図9C図9Cは、本開示の態様による、高ダイナミックレンジ(HDR)のパルス幅変調(HDR-PWMまたはH-PWM)方式で動作するバックプレーンユニットセルの一例を示す。
【0025】
図10A図10Aは、本開示の態様による、バックプレーンアドレス指定の一例を示す。
図10B図10Bは、本開示の態様による、バックプレーンアドレス指定の一例を示す。
図10C図10Cは、本開示の態様による、バックプレーンアドレス指定の一例を示す。
【0026】
図11図11は、本開示の態様による、ハイブリッドマトリックストポロジーで構成されたバックプレーンの一例を示す。
【0027】
図12A図12Aは、本開示の態様による、ハイブリッドトポロジーで構成されたバックプレーンの駆動動作の一例を示す。
図12B図12Bは、本開示の態様による、ハイブリッドトポロジーで構成されたバックプレーンの駆動動作の一例を示す。
【0028】
図13A図13Aは、本開示の態様による、ハイブリッドトポロジーでバックプレーンを駆動させる方法を示すフローチャートである。
図13B図13Bは、本開示の態様による、ハイブリッドトポロジーでバックプレーンを駆動させる方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
添付の図面に関連して以下に記載する詳細な説明は、様々な構成の説明として意図されており、本明細書に記載の概念が実施され得る唯一の構成を表すことを意図するものではない。詳細な説明には、様々な概念の十分な理解を目的として具体的な詳細が含まれている。しかしながら、これらの概念がその具体的な詳細がなくとも実施され得ることは当業者には明らかであろう。場合によっては、そのような概念の不明瞭化を避けるために、周知の構成要素はブロック図の形式で示される。
【0030】
上述したように、将来のディスプレイの画素数は、現在のディスプレイよりもはるかに多く、場合によっては桁違いに増えると予想される。このようなディスプレイは、特に消費電力と全体の帯域幅の観点から、最終的に使用されるバックプレーンのタイプに課題が生じる。バックプレーンのこれらの要因により、非常に高い解像度と非常に高い画素数を有するディスプレイの実装が制限される可能性があるためである。適切なバックプレーンを決定する際に検討すべき点として、様々なバックプレーン技術オプションと様々なバックプレーン統合オプションが挙げられる。検討すべきバックプレーン技術オプションには、半導体技術オプション、変調オプション、およびアドレス指定オプションがある。
【0031】
バックプレーン技術オプションに関しては、アモルファスシリコン(a-Si)、金属酸化物、低温ポリシリコン(LTPS)、および相補型金属酸化物半導体(CMOS)基板を含む、様々な半導体技術を本開示に関連して検討することができる。これらの半導体技術の中で、a-Siは、最小の最大移動度(例えば、1cm/V・s)、帯域幅(例えば、0.1MHz)、共通の設計ルール(例えば、3μm)、およびパネルサイズ(例えば、3m)を有する。次に続くのは、金属酸化物(例えば10cm/V・s、1MHz、3μm、3m)、LTPS(例えば100cm/V・s、10MHz、1μm、2m)、そしてCMOSウェーハ(例えば1400cm/V・s、1000MHz、0.18μm、0.3m)である。加えて、a-Siは液晶ディスプレイ(LCD)に電流駆動が使用され、金属酸化物、LTPS、およびCMOSウェーハは発光ダイオード(LED)に電流駆動が使用される。さらに、a-SiはNMOSトランジスタを使用し、比較的低コストで、ファウンドリのサポートが制限されており、通常、アクティブマトリックスLCD(AMLCD)ディスプレイアプリケーションに使用される。同様に、金属酸化物は、NMOSトランジスタを使用し、比較的低コストで、ファウンドリのサポートが制限されており、通常、大型のアクティブマトリックス有機LED(AMOLED)ディスプレイアプリケーションに使用される。これに対し、LTPSはCMOSを使用し、比較的中程度のコストで、ファウンドリのサポートが制限されており、通常、モバイルAMOLEDディスプレイアプリケーションに使用される。最後に、CMOSウェーハはCMOSを使用し、比較的高コストで、ファウンドリのサポートが利用可能であり、通常、マイクロディスプレイに使用される。
【0032】
これらの半導体技術のうち、LTPSおよびCMOSウェーハは、バックプレーンの帯域幅と密度の要件に応じて、より柔軟なオプションを提供し得る。例えば、CMOSウェーハは、1MHz~1,000MHzの範囲の帯域幅と、1μm~30μmの範囲のドライバセルピッチに対応可能である。一方、LTPSは、1MHz~15MHzの範囲の帯域幅と、10μm~10,000μmの範囲のドライバセルピッチに対応可能である。
【0033】
バックプレーンのバックプレーンユニットセルに関連して使用可能な、様々な変調オプションもある。例えば、変調オプションの1つであるアナログ変調(AM)は、単純な回路を有しており、要求される帯域幅が低く、LEDを駆動するための電流が可変であり、グレースケールのグラデーションが滑らかで、ちらつきが発生しないという特徴がある。他の可能な変調には、2値コード化パルス幅変調(B-PWM)などのデジタル変調が挙げられる。デジタル変調もまた単純な回路を有しており、要求される帯域幅が高く、LEDを駆動するための電流が固定であり、場合によってはグレースケールのグラデーションのすじが発生することがあり、ちらつきが発生することもある。さらに他の可能なデジタル変調オプションとして、単一パルス幅変調(S-PWM)がある。単一パルス幅変調は、複雑な回路を有しており、要求される帯域幅が高く、LEDを駆動するための電流が固定であり、グレースケールのグラデーションが滑らかで、場合によってはちらつきが発生することがある。さらに、本開示は、高ダイナミックレンジ(HDR)パルス幅変調(HDR-PWMまたはH-PWM)として説明されるさらに他の可能な変調オプションを提供する。この変調オプションは、非常に複雑な回路を有しているが、B-PWMまたはS-PWMよりも要求される帯域幅が低く、低照度でLEDを駆動するための電流が小さく、グレースケールのグラデーションが滑らかで、場合によってはちらつきが発生することがある。バックプレーンユニットセルにおけるこのタイプの変調は、高帯域幅および低消費電力が要求されるディスプレイに有用となり得る。これらの変調オプションについての追加の詳細は、図6A乃至図9Cに関連して以下に説明される。
【0034】
さらに、考慮すべき様々なバックプレーンアドレス指定オプションがある。例えば、パッシブマトリックスアドレス指定は画素を行ごとにスキャンし、アクティブマトリックスはすべての画素を同時に駆動する。本開示は、これら2つの方式、すなわちアクティブ方式とパッシブ方式を組み合わせたハイブリッド方式を提供する。これらのアドレス指定オプションについての追加の詳細は、図10A乃至図12Bに関連して以下に説明される。
【0035】
一般に、本開示は、高解像度ディスプレイ(例えば、ライトフィールドディスプレイ)に対応可能な、低消費電力および高帯域幅で動作するバックプレーンに関する様々な技術および装置を説明する。これらの技術および装置は、ディスプレイアプリケーション(タブレット、電話、時計、テレビ、ノートパソコン、モニター、看板のディスプレイなど)、半導体技術、変調オプション、アドレス指定オプションなど、様々な特徴を考慮に入れることができる。
【0036】
以下の図1A乃至図4Bでは、本開示で説明される様々なバックプレーンの態様を適用可能なディスプレイのタイプの一般的な概要を説明する。
【0037】
図1Aは、ソース120からコンテンツ/データ125(例えば、画像コンテンツ、動画コンテンツ、またはその両方)を受信するディスプレイ110の一例を示す模式図100aである。ディスプレイ110は、1つまたは複数のパネルを備えていてもよく(例えば、図1B参照)、ディスプレイ110内の各パネルは、発光パネルまたは反射パネルである。パネルは、所定の配置または配列で構成された発光素子または光反射素子を備えているだけでなく、発光素子または光反射素子を駆動するためのバックプレーンを備えていてもよい。発光パネルが使用される場合、発光パネルは、複数の発光素子を備えていてもよい(例えば、図2Aの発光素子220参照)。これら発光素子は、1つまたは複数の半導体材料から構成された発光ダイオード(LED)であってもよい。LEDは無機LEDであってもよい。LEDは、例えば、マイクロLED(マイクロLED、mLED、またはμLEDとも呼ばれる)であってもよい。発光素子を構成する他のディスプレイ技術としては、液晶ディスプレイ(LCD)技術または有機LED(OLED)技術が挙げられる。「発光素子」、「発光体」、または単に「エミッタ」という用語は、本開示において交換可能に使用することがある。
【0038】
ディスプレイ110は、(例えば、8K以上の解像度に対応する)超高解像度性能、高ダイナミックレンジ(コントラスト)性能、またはライトフィールド性能、またはこれらの性能の組み合わせを有していてもよい。ディスプレイ110がライトフィールド性能を有し、ライトフィールドディスプレイとして動作可能な場合、ディスプレイ110は、複数の画素(例えば、スーパーラクセル)を備えていてもよく、各画素は、それぞれの光誘導光学素子と、発光素子の配列(例えば、サブラクセル)を有している。発光素子の配列(例えば、サブラクセル)は、同一の半導体基板上に一体的に構成され、配列内の発光素子が別個のグループ(例えば、ラクセル)に配置されて、ライトフィールドディスプレイ(例えば、図2A乃至図3参照)によってサポートされる複数のビューを提供する。
【0039】
図1Bには、図1Aのディスプレイ110の追加の詳細を説明するための模式図100bが示されている。この例では、ソース120は、コンテンツ/データ125を、ディスプレイ110内に一体に組み込まれた表示処理部130に提供する。「表示処理部」および「処理部」という用語は、本開示において交換可能に使用することがある。ディスプレイソースについて上述した機能に加えて、ソース120は、動画または特別なカメラからの赤色・緑色・青色、および奥行き(RGBD)データを流すように構成されてもよく、コンピュータ生成コンテンツからのRGBDデータを描写するように構成されてもよい。ソース120は、HDMI(登録商標)/DisplayPortを介してコンテンツ/データ125を提供してもよく、例えば、コンテンツ/データ125は、10ビット高ダイナミックレンジ(HDR)データまたはRGBDデータであってもよい。
【0040】
表示処理部130は、ディスプレイ110に表示するためにコンテンツ/データ125内の画像または動画コンテンツを変更するように構成されている。表示処理部130によって、画像または動画コンテンツを処理するために使用される情報を記憶するディスプレイメモリ135も示されている。ディスプレイメモリ135またはその一部は、表示処理部130に一体に組み込まれてもよい。表示処理部130によって実行可能なタスクのセットは、カラーマネジメント、データ変換、および/またはマルチビュー処理動作に関連するタスクを含んでもよい。表示処理部130は、処理されたコンテンツ/データをタイミングコントローラ(TCON)140に提供してもよく、これにより、タイミングコントローラ(TCON)140は、適切な表示情報をパネル150に提供する。上述したように、パネル150(ディスプレイパネルとも呼ばれる)は、パネル150内の発光素子または光反射素子を駆動するためのバックプレーンを備えていてもよい。模式図100bに示すように、処理されたコンテンツ/データを表示処理部130からTCON140に転送するために使用される、複数の低電圧差動信号(LVDS)および/またはMIPIインターフェースを有していてもよい。同様に、TCON140からパネル150への情報または信号の伝達は、並列化されてもよい。
【0041】
図2Aの模式図200aは、典型的には画素またはディスプレイ画素と呼ばれる、複数の発光素子220を有するディスプレイ210を示している。発光素子220は、一般に、配列状に形成され、互いに隣接することで、高解像度のディスプレイ210を提供する。ディスプレイ210は、模式図100aおよび模式図100bのディスプレイ110の一例であってもよい。
【0042】
図2Aに示す例では、発光素子220は、Q×Pの配列で構成または配置されてもよく、Qは配列内の画素の行数であり、Qは配列内の画素の列数である。このような配列の拡大部分がディスプレイ210の右側に示されている。小さなディスプレイの場合、配列サイズの例として、Q≧10およびP≧10、Q≧100およびP≧100が挙げられる。大きなディスプレイの場合、配列サイズの例として、Q≧500およびP≧500、Q≧1,000およびP≧1,000、Q≧5,000およびP≧5,000、Q≧10,000およびP≧10,000が挙げられ、さらに大きな配列サイズも可能である。
【0043】
図示しないが、ディスプレイ210は、発光素子220の配列に加えて、配列を駆動するためのバックプレーンを備えていてもよい。ディスプレイ210に使用されるバックプレーンは、低消費電力および高帯域幅で動作可能なバックプレーンを実現するための、本明細書で説明される特徴に基づいていてもよい。
【0044】
図2Bの模式図200bは、複数の画素またはスーパーラクセル225を有するライトフィールドディスプレイ210aを示している。本開示では、「画素」という用語と「スーパーラクセル」という用語は、ライトフィールドディスプレイ内の同様の構造単位を説明するために交換可能に使用することがある。ライトフィールドディスプレイ210aは、ライトフィールド性能を有する模式図100aおよび模式図100bのディスプレイ110の一例であってもよい。ライトフィールドディスプレイ210aは、異なるタイプの用途に使用されてもよく、そのサイズは用途に応じて変化し得る。例えば、ライトフィールドディスプレイ210aは、いくつか例を挙げると、時計、近視用アプリケーション、電話、タブレット、ノートパソコン、モニター、テレビ、および看板のディスプレイとして使用される場合、異なるサイズを有してもよい。したがって、用途に応じて、ライトフィールドディスプレイ210a内の画素225は、配列、格子、または他のタイプの順序付けられた、異なるサイズの配置で構成され得る。ライトフィールドディスプレイ210aの画素225は、1つまたは複数のディスプレイパネルに分散させることができる。
【0045】
図2Bの例に示すように、画素225は、N×Mの配列に構成または配置することができ、Nは配列内の画素の行数であり、Mは配列内の画素の列数である。そのような配列の拡大部分は、ライトフィールドディスプレイ210aの右側に示されている。小さなディスプレイの場合、配列サイズの例として、N≧10およびM≧10、N≧100およびM≧100を挙げることができ、配列内の各画素225は、それ自体が発光素子220または(さらに右側に示す)サブラクセルの配列または格子を有する。大きなディスプレイの場合、配列サイズの例は、N≧500およびM≧500、N≧1,000およびM≧1,000、N≧5,000およびM≧5,000、N≧10,000およびM≧10,000を挙げることができ、配列内の各画素225は、それ自体が発光素子220の配列または格子を有する。
【0046】
画素またはスーパーラクセル225が、赤色(R)光、緑色(G)光、および青色(B)光を生成する同一の半導体基板上の異なるLEDを発光素子220として含む場合、ライトフィールドディスプレイ210aは、一体的に構成されたRGBLEDスーパーラクセルから作られていると言うことができる。
【0047】
対応する光誘導光学素子215(例えば、図2Cの模式図200cに示す一体型結像レンズ)を含む、ライトフィールドディスプレイ210a内の各画素225は、ディスプレイの解像度によって制限される最小の画素サイズを代表することができる。これに関して、画素225の発光素子220の配列または格子は、その画素に対応する光誘導光学素子215よりも小さくすることができる。しかしながら、実際には、画素225の発光素子220の配列または格子のサイズは、対応する光誘導光学素子215のサイズ(例えば、マイクロレンズまたは小型レンズの直径)と同様であってもよく、これは、画素225間のピッチ230と同様または同じであり得る。
【0048】
上述したように、画素225の発光素子220の配列の拡大図が、模式図200bの右側に示されている。発光素子220の配列は、X×Yの配列とすることができ、Xは配列内の発光素子220の行数であり、Yは配列内の発光素子220の列数である。配列サイズの例として、X≧5およびY≧5、X≧8およびY≧8、X≧9およびY≧9、X≧10およびY≧10、X≧12およびY≧12、X≧20およびY≧20、およびX≧25およびY≧25を挙げることができる。一例では、X×Yの配列は、81個の発光素子またはサブラクセル220を含む9×9の配列である。
【0049】
各画素225において、配列内の発光素子220は、別個の明確に区別される発光素子220のグループ(例えば、図2Dの発光素子260のグループを参照)を含むことができる。これら発光素子220は、空間的および角度的近接性に基づいて割り当てられ、またはグループ化され(例えば、論理的にグループ化され)、ライトフィールドディスプレイ210aによって視聴者に提供されるライトフィールドビューの生成に寄与する異なる光出力(例えば、指向性光出力)を生成するように構成される。サブラクセルまたは発光素子のラクセルへのグループ化は、一意である必要はない。例えば、組み立て中または製造中に、表示エクスペリエンスを最適化する特定のラクセルへのサブラクセルのマッピングが存在してもよい。同様の再マッピングは、一度配置されたディスプレイによって、例えば、異なる色の発光素子の経年変化および/または光誘導光学素子の経年変化を含む、ディスプレイの様々な部品または要素の経年変化を考慮して、実行され得る。本開示では、「発光素子のグループ」という用語と「ラクセル」という用語は、ライトフィールドディスプレイ内の同様の構造単位を説明するために交換可能に使用されることがある。発光素子またはラクセルの様々なグループの寄与によって生成されるライトフィールドビューは、連続的または非連続的なビューとして視聴者によって知覚され得る。
【0050】
発光素子220の配列内の発光素子220の各グループは、少なくとも3つの異なる色の光(例えば、赤色光、緑色光、青色光、あるいはまた、白色光)を生成する複数の発光素子を含む。一例では、これらのグループまたはラクセルのそれぞれは、赤色光を生成する少なくとも1つの発光素子220、緑色光を生成する1つの発光素子220、および青色光を生成する1つの発光素子220を含む。あるいは、白色光を生成する少なくとも1つの発光素子220が含まれていてもよい。
【0051】
図2Cの模式図200cは、上述した対応する光誘導光学素子215を備えた画素225の配列の一部の拡大図を示すライトフィールドディスプレイ210aの他の例を示している。ピッチ230は、画素225間の間隔または距離を表すことができ、光誘導光学素子215のサイズ(例えば、マイクロレンズまたは小型レンズのサイズ)であり得る。画素225は互いに分離して示されているが、より分かりやすい説明を目的とするものであり、画素225は通常互いに隣接して構成されている。
【0052】
図2Dの模式図200dは、本開示で説明される構造単位のいくつかを例示するために、ライトフィールドディスプレイ(例えば、ライトフィールドディスプレイ210a)の一部の断面図を示している。ここで、図1Aは、ライトフィールドディスプレイとして構成されている。例えば、模式図200dは、3つの隣接する画素またはスーパーラクセル225aを示しており、それぞれは対応する光誘導光学素子215を有する。この例では、光誘導光学素子215は、画素220aとは別個であるとみなすことができるが、他の例では光誘導光学素子215は、画素の一部であるとみなすことができる。
【0053】
図2Dに示されるように、各画素225aは、複数の発光素子220(例えば、複数のサブラクセル)を含み、異なるタイプのいくつかの発光素子220(例えば、いくつかのサブラクセル)は、グループ260に(例えば、ラクセルの中に)グループ化されてもよい。グループまたはラクセルは、中央の画素225a内の最も右側のグループまたはラクセルによって示されるように、特定の光線要素255に寄与する様々な成分を生成することができる。異なる画素内の異なるグループまたはラクセルによって生成された光線要素255は、ライトフィールドディスプレイから離れた視聴者によって知覚されるビューに寄与することができることを理解されるであろう。
【0054】
図2Dに記載されている追加の構造単位は、画素225aと同じタイプの(例えば、同じ色の光を生成する)発光素子220のグループを表す副画素270の概念である。
【0055】
上述した他の例のように、図2Dの模式図200dでは互いに分離して示されている要素のいくつかは、より分かりやすい説明を目的とするものであり、通常は互いに隣接して構成されている。
【0056】
図3の模式図300は、発光素子の配列が一体に組み込まれたバックプレーンの一例を示している。図300は、図2Dの模式図200dと同様に断面図を示している。図300は、発光素子(サブラクセル)220、発光素子(ラクセル)のグループ260、画素(スーパーラクセル)225a、および光誘導光学素子215を示している。異なる画素からの様々な光線255がどのように寄与して、ビューAおよびビューBなどの異なるビューを生成することができるかについても示している。さらに、画素225aの発光素子220は、より大きな配列330を形成し、この配列330は、バックプレーン310に接続されている。これにより、バックプレーン310は、発光素子220のそれぞれを駆動するように構成されている。
【0057】
図4Aは、画素225の一実施形態の様々な詳細を説明する模式図400aを示している。例えば、画素225(例えば、スーパーラクセル)は、それぞれの光誘導光学素子215(破線で示される)を有し、同一の半導体基板上に一体的に構成された複数の発光素子220(例えば、サブラクセル)の配列または格子410を含む。光誘導光学素子215は、配列410と同一または同様のサイズであってもよいし、または図示したように配列410よりわずかに大きくてもよい。本開示の図に示されているサイズのいくつかは、説明の目的で誇張されており、実際のサイズまたは相対的なサイズの正確な表現であるとみなされる必要はないことを理解されたい。
【0058】
配列410内の複数の発光素子220は、異なる色の光を生成するための異なるタイプの複数の発光素子を含み、ライトフィールドディスプレイによって生成される複数のビューに異なる寄与を提供する別個のグループ260(例えば、別個のラクセル)内に配置されている。
【0059】
図4Aに示されるように、配列410は、2つまたはそれよりも多い画素の隣接または近接した配置を可能にする幾何学的配置を有する。幾何学的配置は、六角形(図4Aに示される)、正方形、または長方形のいずれかであり得る。
【0060】
図示されていないが、図4Aの画素225は、画素225内の複数の発光素子220を駆動するように構成された複数の駆動回路を含む、対応する電子的手段(例えば、バックプレーン内)を有してもよい。
【0061】
図4Bは、画素225の他の実施形態の様々な詳細を説明する模式図400bを示している。例えば、図4Bの画素225(例えば、スーパーラクセル)は、同一の半導体基板上に一体的に構成された複数の副画素270を含む。各副画素270は、それぞれの光誘導光学素子215(破線で示されている)を有し、同じ色の光を生成する複数の発光素子220(例えば、複数のサブラクセル)の配列または格子410aを含む。光誘導光学素子215は、配列410aと同一または同様のサイズであってもよいし、または図示したように配列410aよりわずかに大きくてもよい。画素225において、副画素270のうちの1つの光誘導光学素子215は、その副画素720内の複数の発光素子220によって生成される光の色の色分散を最適化するように構成されている。さらに、光誘導光学素子215は、それぞれの副画素270の配列410aに整列され、結合され得る。
【0062】
副画素720の発光素子220は、別々のグループ260(例えば、ラクセル)に配置される。図4Bに示されるように、一例では、各グループ260は、副画素270のそれぞれからの、まとまって配置された複数の発光素子220(例えば、各副画素内の同じ位置)を含んでもよい。しかしながら、上述したように、様々な発光素子220の異なるグループ260へのマッピングは、製造中および/または動作中に変化させることができる。
【0063】
図4Bに示されるように、配列410aは、2つまたはそれよりも多い副画素の隣接する配置を可能にする幾何学的配置を有する。幾何学的配置は、六角形(図4Bに示される)、正方形、または長方形のいずれかであり得る。
【0064】
図示されていないが、図4Bの画素225は、画素225内の複数の発光素子220を駆動するように構成された複数の駆動回路を含む、対応する電子的手段(例えば、バックプレーン内)を有してもよい。いくつかの例では、1つまたは複数の共通の駆動回路を使用して、副画素270のそれぞれを駆動することができる。
【0065】
図5の模式図500は、バックプレーンを駆動するためにディスプレイに使用可能なディスプレイドライバ510などのバックプレーンドライバの概略図の一例を示している。ディスプレイドライバ510は、画像および/または動画コンテンツを再生するために、ディスプレイパネル(例えば、パネル150)内のバックプレーンおよび画素の配列が一緒に動作するための、適切な情報を提供する信号を生成するように構成されてもよい。
【0066】
ディスプレイドライバ510は、画素540の配列内の行の選択を制御するために行ドライバ520に提供される行選択信号(「行選択」)を生成することができる。ディスプレイドライバはまた、列のデータ(「列データ」)を生成することができる。列データは、列ドライバ530に提供され、列ドライバ530は、再生される画素540の配列にデータがどのように提供されるかを制御する。いくつかの実施形態では、行ドライバ520および列ドライバ530は、バックプレーンアーキテクチャの一部であるとみなされ、他の実施形態では、行ドライバ520および列ドライバ530は、バックプレーンアーキテクチャから分離されているとみなされてもよい。画素540の配列は、各画素に関連付けられた発光素子だけでなく、対応するバックプレーントランジスタおよび/または回路を含んでもよい。
【0067】
図6Aおよび図6Bは、アナログ変調(AM)方式で動作するバックプレーンユニットセルの一例を示す図600aおよび図600bを示している。このバックプレーンユニットセルの構造は、図600aに示すように、第1のスイッチ610、記憶素子620、および電源630を含んでいる。発光素子640もまた、電源630に電気的に接続されて示されているが、発光素子640は、バックプレーンユニットセルのように、バックプレーンアーキテクチャの一部を形成していない。一実施形態では、第1のスイッチ610および記憶素子620は、それぞれ2つのトランジスタ(2T)およびコンデンサ(C)(2T1C回路とも呼ばれる)から構成されてもよい。電源630は電流源として示されているが、電源630は、使用される発光素子640に応じて、電流源または電圧源であってもよい。例えば、発光素子640が液晶ディスプレイ(LCD)の画素である場合、電源630は電圧源であってもよい。あるいは、発光素子640がLEDである場合、電源630は、電流源であってもよい。
【0068】
このようなバックプレーンユニットセルの構成では、行選択信号(「行」)が列データの値(「列」)を選択し、選択された値が記憶素子620に記憶される。行選択信号は、図5図500の「行選択」および/または行ドライバ520の出力に対応してもよく、列データは、図5図500の「列データ」および/または列ドライバ530の出力に対応してもよい。次に、記憶素子620に記憶された値は、発光素子640を駆動するために電源630に提供される。発光素子640によって生成される光の強度は、電源630によって提供される駆動信号に基づくことができ、これにより、記憶素子620に記憶された値に基づくことができる。
【0069】
上述した図600aのバックプレーンユニットセルの動作について、タイミング図600bを用いてより詳細に説明する。信号670は動画フレームを表しており、信号671は、記憶素子620に記憶される列データの行選択を表している。信号672は、経時的に変化し得る列データに対応しており、信号673(破線)は、行選択時に記憶素子620に記憶された列データの値に対応する値であり、次の行選択が行われるまで同じ値を維持する。
【0070】
このようなバックプレーンユニットセルの構成では、発光素子640がLEDである場合、その帯域幅は、使用されるリフレッシュレートfrefreshに対応し、行および列の双方の帯域幅は、frefresh・rowsに対応し、rowsは、行の数である。したがって、AMバックプレーンユニットセルは、単純な回路を有しており、要求される帯域幅が低く、発光素子640としてのLEDに可変電流を提供する。
【0071】
図7Aおよび図7Bは、2値コード化パルス幅変調(B-PWM)方式で動作するバックプレーンユニットセルの一例を示す図700aおよび図700bを示している。このバックプレーンユニットセルの構造には、図700aに示すように、第1のスイッチ610、記憶素子620、および電源630を含んでおり、これは、図6Aおよび図6bの図600aおよび図60bに関連して上述したバックプレーンユニットセルの構造と同様の構造である。電源630に電気的に接続された発光素子640も示されている。しかしながら、この例では、記憶素子620に記憶された列データの値(「列」)を選択する行選択信号(「行」)は、記憶素子620に記憶された値の2値コード化パルス幅変調を行うデジタル信号であり、発光素子640を駆動するために電源630に提供される。
【0072】
上述した図700aのバックプレーンユニットセルの動作について、タイミング図700bを用いてより詳細に説明する。信号770は動画フレームを表しており、信号771は、記憶素子620に記憶される列データの行選択を表している。ここで、信号771は、2値コード化パルス幅変調を生じるための2値コード化信号である。この例では、2値コード化信号は1001の2値コードである。信号772は、経時的に変化し得る列データに対応しており、信号773(破線)は、行選択時に記憶素子620に記憶された値であり、次の行選択が行われるまで同じ値を維持する。
【0073】
このようなバックプレーンユニットセルの構成では、発光素子640がLEDである場合、その帯域幅、および行と列の帯域幅は、frefresh・rows・2に対応し、ここで、nは、2値コード化のビット数である。したがって、B-PWMバックプレーンユニットセルは、単純な回路を有しており、要求される帯域幅が高く、発光素子640としてのLEDに固定電流を提供する。
【0074】
図8Aおよび図8Bは、単一パルス幅変調(S-PWM)方式で動作するバックプレーンユニットセルの一例を示す図800aおよび図800bを示している。このバックプレーンユニットセルの構造には、図800aに示すように、第1のスイッチ610、記憶素子620、電源630、および比較器810を含んでいる。電源630に電気的に接続された発光素子640も示されている。
【0075】
このようなバックプレーンユニットセルの構成では、行選択信号(「行」)が列データの値(「列」)を選択し、選択された値が記憶素子620に記憶される。次に、記憶素子620に記憶された値は、比較器810に提供され、基準信号(「基準」)と比較されて、比較器810の出力は、発光素子640を駆動するために電源630に提供される。基準信号は、基準ランプ波とも呼ばれ、このバックプレーンユニットセルの構成にガンマ補正を組み込むために使用可能な非線形信号である。
【0076】
上述した図800aのバックプレーンユニットセルの動作について、タイミング図800bを用いてより詳細に説明する。信号870は動画フレームを表しており、信号871は、記憶素子620に記憶される列データの行選択を表している。信号872は、経時的に変化し得る列データに対応しており、信号873(短い破線)は、行選択時に記憶素子620に記憶された値であり、次の行選択が行われるまで同じ値を維持する。
【0077】
信号874は、比較器810に提供される基準信号(「基準」)に対応しており、信号875(長い破線)は、比較器810の出力に対応している。信号874は、信号872が現在の動画フレームのすべての列データの提供を完了した後、低い値となり、その後、再び値が上昇する。いくつかの実施形態では、信号874は低い値であり、信号872が現在の動画フレームのすべての列データの提供を完了した後に、値が上昇してもよい。比較器810は、信号873と信号874とを比較して、信号873の値(列データの値)が信号874の値(基準信号値)よりも大きいときに、信号875の値が高く、電源630は発光素子640を駆動する。一方、信号873の値が信号874の値よりも小さい場合、信号875の値は低く、電源630は発光素子640を駆動しない。
【0078】
このようなバックプレーンユニットセルの構成では、発光素子640がLEDである場合、その帯域幅はfrefresh・2に対応し、行と列の双方の帯域幅はfrefresh・rowsに対応する。したがって、S-PWMバックプレーンユニットセルは、より複雑な回路とする必要があり、要求される帯域幅が高く、発光素子640としてのLEDの固定電流を提供し、グレースケールが滑らかである(例えば、基準信号によって提供されるガンマ補正)。
【0079】
図9A乃至図9Cは、高ダイナミックレンジ(HDR)パルス幅変調(H-PWM)方式で動作するバックプレーンユニットセルの一例を示す図900a、図900b、および図900cを示している。このバックプレーンユニットセルの構造は、図900aに示すように、第1のスイッチ610、記憶素子620、電源630、比較器810、および第2のスイッチ910を含んでいる。発光素子640も示されている。
【0080】
このようなバックプレーンユニットセルの構成では、行選択信号(「行」)が列データの値(「列」)を選択し、選択された値が記憶素子620に記憶される。次に、記憶素子620に記憶された値は、比較器810に提供され、基準信号(「基準」)と比較されて、比較器810の出力は、第2のスイッチ910に提供される。第2のスイッチ910は、発光素子640を駆動するために電源630に提供される電力信号(「電力」)を選択するために使用される。基準信号は、基準ランプ波とも呼ばれ、このバックプレーンユニットセルの構成にガンマ補正を組み込むために使用可能な非線形信号である。電源ランプ波とも呼ばれる電力信号は、同じ帯域幅で高ダイナミックレンジを実現するために使用可能な非線形信号である。基準信号は劣線形信号であってもよく、電力信号は超線形信号であってもよい。
【0081】
上述した図900aのバックプレーンユニットセルの動作について、タイミング図900bを用いてより詳細に説明する。信号970は動画フレームを表しており、信号971は、記憶素子620に記憶される列データの行選択を表している。信号972は、経時的に変化し得る列データに対応しており、信号973(短い破線)は、行選択時に記憶素子620に記憶された値であり、次の行選択が行われるまで同じ値を維持する。
【0082】
信号974は、比較器810に提供される基準信号(「基準」)に対応しており、信号975(一点鎖線)は、電力信号(「電力」)に対応しており、信号976(長い破線)は、比較器810の出力に対応している。比較器810は、信号973と信号974とを比較し、信号973の値(列データの値)が信号974の値(基準信号値)よりも大きいときに、比較器810の出力は高く、電力信号(信号975)が、発光素子640を駆動するための電源630への入力として選択される。図900bに示すように、比較器の出力が高いとき、信号976は信号975に追従する。一方、信号973の値が信号974の値よりも小さいときは、比較器810の出力は低く、電源630は発光素子640を駆動しない。図900bに示すように、比較器810の出力が低いときは、信号976も低い。
【0083】
図900cは、動作をより明確に説明するために、図9B図900bの信号973,974,975,976の拡大図を示している。信号973(例えば、記憶素子620に記憶された値)が信号974(例えば、基準信号)よりも小さいときは、比較器810の出力は高い。この場合、発光素子640を駆動するために電源630に用いられる信号976は、第2のスイッチ910によって選択される信号975(例えば、電力信号)に追従する。信号974の値が信号973の値よりも大きいときは、比較器810の出力は低いため、信号976も低く、信号976は信号975に追従しなくなる。
【0084】
このようなバックプレーンユニットセルの構成では、発光素子640がLEDである場合、その帯域幅はfrefresh・2に対応し、行と列の双方の帯域幅はfrefresh・rowsに対応する。したがって、H-PWMバックプレーンユニットセルは、より複雑な回路とする必要があり、要求される帯域幅が低く、低照度において発光素子640としてのLEDの電流を低減する。また、この構成により、ガンマ補正および高ダイナミックレンジを実現することができる。
【0085】
上述した図6A乃至図9Cでは、バックプレーン内のバックプレーンユニットセルに関連して使用可能な様々な変調オプションを示している。上述したように、可能な変調オプションの1つであるアナログ変調(AM)は、単純な回路を有しており、要求される帯域幅が低く、LEDを駆動するための電流が可変であり、グレースケールのグラデーションが滑らかで、ちらつきが発生しない(例えば、図6Aおよび図6B参照)。他の可能な変調であるB-PWMなどのデジタル変調は、単純な回路を有しており、要求される帯域幅が高く、LEDを駆動するための電流が固定であり、場合によってはグレースケールのグラデーションにすじが発生することがあり、ちらつきが発生することもある(例えば、図7Aおよび図7B参照)。さらに他の可能なデジタル変調オプションであるS-PWMは、複雑な回路を有しており、要求され帯域幅が高く、LEDを駆動するための電流が固定であり、グレースケールのグラデーションが滑らかで、場合によってはちらつきが発生することがある(例えば、図8Aおよび8Bを参照)。本開示では、さらに他の可能な変調オプションを提示し、HDR-PWMまたはH-PWMとして説明される。この新たに提示された変調オプションは、最も複雑な回路を有しており、B-PWMまたはS-PWMよりも要求される帯域幅が低く、低照度でLEDを駆動するための電流を低減し、グレースケールのグラデーションが滑らかで、場合によってはちらつきが発生することがあるため、高帯域幅および低消費電力が要求されるディスプレイに適している。
【0086】
図10A乃至図10C図1000a、図1000b、および図1000cは、バックプレーンアドレス指定の様々な例を示している。図1000aには、行ごとに画素をスキャンするパッシブマトリックスの構造が示されている。この例では、画素は、上述したように、サブラクセルまたは個々の発光素子を指すことがある。パッシブマトリックスの構造は点線で示されており、ディスプレイパネルのバックプレーンではなく、ディスプレイパネルの画素の配列上に完全に実装されることを示している。この例は、複数の行選択1010a,1010b、複数の列1020a,1020b、および各行選択と各列との交点にある複数の発光素子1030(例えば、LED)を示している。
【0087】
パッシブマトリックスの構造では、LEDが発光素子1030として使用される場合、LEDごとにドライバセルまたは接点がなく、接点の配置は行と列であり、大型ディスプレイではちらつきが発生する場合があり、LEDのピーク電流が大きくなる可能性があり、バックプレーンのマトリックス密度がない。さらに、最大LEDデューティサイクルは1/(Rowview・Rowpixel)である。
【0088】
図1000bでは、すべての画素(例えば、サブラクセル)が常時駆動されるアクティブマトリックスの構造が示されている。アクティブマトリックスの構造は、発光素子1030を点線で示す配置とすることによって、発光素子1030がディスプレイパネルの画素の配列上に完全に実装されることを示しており、その一方で、実線で示す素子はディスプレイパネルのバックプレーン上に実装されることを示している。この例は、複数の行選択1040a,1040b、複数の列1050a,1050b、および複数の発光素子1030(例えば、LED)を示している。さらに、各発光素子1030には、バックプレーンユニットセルが使用される。この例では、図6Aおよび図6Bを参照して説明したように、単純なAMバックプレーンユニットセルの構造であり、2T1C回路を有している。この場合、トランジスタ1060は第1のスイッチ610に対応し、コンデンサ1064は記憶素子620に対応し、トランジスタ1062は電源630に対応している。上述した他のバックプレーンユニットセルも使用することができる。
【0089】
アクティブマトリックスの構造では、LEDが発光素子1030として使用される場合、LEDごとにドライバセルまたは接点があり、接点の配置は点と面であり、ちらつきの発生がなく、ピークLED電流が小さく、バックプレーンのマトリックス密度が最も高くなる。さらに、最大LEDデューティサイクルは1である。
【0090】
最後に、図1000cでは、ハイブリッドマトリックスの構造が示されている。この構造は、あらゆるタイプのディスプレイで使用可能である。ライトフィールドディスプレイの場合、画素またはスーパーラクセルはアクティブマトリックス方式を使用することができ、それらの画素内の発光素子またはサブラクセルはパッシブマトリックス方式を使用することができる。ハイブリッドマトリックスの構造は、発光素子1030、列1020a,1020b、および行選択1010a,1010bを示している。点線で示す発光素子1030、列1020a,1020b、および行選択1010a,1010bは、これらがディスプレイパネルの画素の配列上に完全に実装されることを示しており、その一方で、行選択1040aおよび列1050a,1050bなどの実線で示す素子は、ディスプレイパネルのバックプレーン上に実装されることを示している。発光素子1030(例えば、LED)の各列は、この例では、トランジスタ1060、コンデンサ、およびトランジスタ1062を備えた単純なAMバックプレーンユニットセルからなるバックプレーンユニットセルが使用されている。上述した他のバックプレーンユニットセルが使用されてもよい。
【0091】
ハイブリッドマトリックスの構造では、LEDが発光素子1030として使用される場合、LEDごとに1/Rowviewのドライバセルまたは接点があり、接点の配列は行と列であり、わずかにちらつきが発生する場合があり、LEDのピーク電流は中程度であり、バックプレーンマトリックス密度も中程度である。さらに、最大LEDデューティサイクルは1/Rowviewである。
【0092】
図11は、図10C図1000cに示す構造のハイブリッドマトリックストポロジーで構成されたバックプレーンの一例を示す図1100を示している。図1000cと同様に、点線は、ディスプレイパネルの画素の配列上に完全に実装される素子または構成要素を示しており、実線は、ディスプレイパネルのバックプレーン上に実装される素子または構成要素を示している。この例では、発光素子1130(例えば、LED)をアドレス指定するための複数の列1110が示されている。バックプレーンに実装されているハイブリッドマトリックストポロジーにおけるアクティブマトリックスの動作は、AM1やAM2などのAM行選択1120を含む。発光素子1130の配列に実装されているハイブリッドマトリックストポロジーにおけるパッシブマトリックスの動作は、AM1に関連付けられたPM1.1、PM1.2、PM1.3、PM1.4や、AM2に関連付けられたPM2.1、PM2.2、PM2.3、PM2.4などのPM行選択1140を含む。列の数1110、AM行選択1120、およびPM行選択1140は、説明のために提示されるものであり、限定されるものではない。
【0093】
また、図1100には、バックプレーンユニットセル11150が示されており、このバックプレーンユニットセル1150は、上述したバックプレーンユニットセルのいずれか1つであり得る。説明の簡略化、およびハイブリッドマトリックストポロジーの理解を容易にするために、単純な2T1Cのバックプレーンユニットセルが示されている。
【0094】
列1110のグループに対応する発光素子のグループ1160と、AM行選択1120のうちの1つは、対応するPM行選択1140とともに、画素(スーパーラクセル)の発光素子に対応することができる。この場合、グループ1160は、1画素に対応するということができる。同様に、グループ1150は、1画素よりも小さい部分、例えば、画素の発光素子の2分の1、または画素の発光素子の4分の1に対応してもよいし、1画素よりも大きい部分、例えば、画素の1.25倍、画素の1.5倍、または画素の2倍に対応してもよい。
【0095】
図1100の例では、各データ列および各行選択は、バックプレーンの1つまたは複数の縁部を介して直接アクセス可能である。
【0096】
図12Aおよび図12Bは、図11図1100を参照して説明したハイブリッドトポロジーで構成されたバックプレーンの駆動動作の異なる例を示す図1200aおよび図1200bを示している。
【0097】
図1200aは、バックプレーンハイブリッドトポロジーのアクティブマトリックスおよびパッシブマトリックスの動作が行われるタイミングの一例を示すタイミング図である。この場合では、AM行選択(例えば、AM1、AM2、AM3)は、互いに1時間単位ずつずらして行われ、PM行選択(例えば、PM1.1、PM2.1、PM3.1)は、同時に行われる。例えば、AM1は時間単位1,5,9,13(クロスハッチングで示す)で選択され、AM2は時間単位2,6,10,14(クロスハッチングで示す)で選択され、AM3は時間単位3,7,11,15(クロスハッチングで示す)で選択される。
【0098】
AM1、AM2、AM3が時間単位1,2,3でそれぞれ選択された後、PM1.1、PM2.1、PM3.1が時間単位4(斜線ハッチングで示す)で選択される。AM1、AM2、AM3が時間単位5,6,7でそれぞれ選択された後、PM1.2、PM2.2、PM3.2が時間単位8(斜線ハッチングで示す)で選択される。AM1、AM2、AM3が時間単位9,10,11でそれぞれ選択された後、PM1.3、PM2.3、PM3.3が時間単位12(斜線ハッチングで示す)で選択される。最後に、AM1、AM2、AM3が時間単位13,14,15でそれぞれ選択された後、PM1.4、PM2.4、PM3.4が時間単位16(斜線ハッチングで示す)で選択される。AM行選択が3つよりも多い場合、および1つのAM行選択に対して4つよりも多いPM行選択がある場合も、このタイミング図で説明した方法と同様の方法に従うことができる。
【0099】
図1200bは、バックプレーンハイブリッドトポロジーのアクティブマトリックスおよびパッシブマトリックスの動作が行われるタイミングの他の例を示すタイミング図である。この場合では、AM行選択(例えば、AM1、AM2、AM3)は、PM行選択(例えば、PM1.1、PM2.1、PM3.1)と同様に、互いに1時間単位ずつずらして行われる。例えば、AM1は時間単位1,4,7,10,13(クロスハッチングで示す)で選択され、AM2は時間単位2,5,8,11,14(クロスハッチングで示す)で選択され、AM3は時間単位3,6,9,12(クロスハッチングで示す)で選択される。
【0100】
AM1、AM2、AM3が、時間単位1,2,3でそれぞれ選択された後、PM1.1は時間単位2,3(斜線ハッチングで示す)で選択され、PM2.1は時間単位3,4(斜線ハッチングで示す)で選択され、PM3.1は時間単位4,5(斜線ハッチングで示す)で選択される。AM1、AM2、AM3の他の選択についても同様である。この方法では、PM行選択は、すべてのAM行選択が行われるまで待つ必要がない。AM行選択が3つよりも多い場合、および1つのAM行選択に対して4つよりも多いPM行選択がある場合も、このタイミング図で説明した方法と同様の方法に従うことができる。
【0101】
図13Aおよび図13Bは、タイミング図1200aおよびタイミング図1200bを参照して説明した駆動動作を用いて、ハイブリッドトポロジーで構成されたバックプレーンを駆動する方法1300aおよび方法1300bをそれぞれ示すフローチャートである。
【0102】
方法1300aは、バックプレーンがハイブリッドトポロジーで構成されているディスプレイにおいて、発光素子を駆動するためにバックプレーンを動作させる方法である。方法1300aは、図12Aのタイミング図1200aの少なくとも一部に基づいている。
【0103】
1310では、方法1300aは、バックプレーン内の異なる行(例えば、AM1、AM2、AM3)を順次選択し、バックプレーン内の上記異なる行に関連付けられた複数のバックプレーンユニットセルのそれぞれについて、バックプレーン内の対応する行が選択された時点で、対応するデータ列内に設けられた値を記憶する工程を含む。
【0104】
1315では、方法1300aは、バックプレーン内のすべての異なる行が選択され、上記値が記憶された後、バックプレーン内の異なる行のそれぞれに関連付けられた発光素子の第1の行(例えば、PM1.1、PM2.1、PM3.1で選択された行)への駆動信号の適用を同時に有効にする工程を含み、上記駆動信号は上記記憶された値に基づく。
【0105】
一態様では、1320では、方法1300aは、バックプレーン内の異なる行のそれぞれについて、発光素子の第1の行への駆動信号の適用を同時に無効にする工程を含んでもよい。1325では、方法1300aはまた、バックプレーン内の異なる行を再び順次選択し、バックプレーン内の異なる行に関連付けられた複数のバックプレーンユニットセルのそれぞれについて、バックプレーン内の対応する行が再び選択された時点で、対応するデータ列内に設けられた値を記憶する工程を含んでもよい。1330では、方法1300aは、バックプレーン内のすべての異なる行が再び選択され、上記値が記憶された後、バックプレーン内の異なる行のそれぞれに関連付けられた発光素子の第2の行への駆動信号の適用を同時に有効にする工程をさらに含んでもよく、上記駆動信号は上記記憶された値に基づく。発光素子の第1の行および発光素子の第2の行は、ディスプレイ内の発光素子の行のサブセットの一部であってもよい。サブセット内の発光素子の第1の行および発光素子の第2の行は、ディスプレイ内の発光素子の第1の物理的な行および発光素子の第2の物理的な行とは、対応して異なっている。
【0106】
方法1300aは、バックプレーン内の異なる行のそれぞれに関連付けられた、発光素子の行のセット内の発光素子の上記第1の行の後の、残りの発光素子の行のそれぞれについて、発光素子の前の行への駆動信号の上記適用を同時に無効にする工程と、バックプレーン内の異なる行を再び順次選択し、バックプレーン内の異なる行に関連付けられた複数のバックプレーンユニットセルのそれぞれについて、バックプレーン内の対応する行が再び選択された時点で、対応するデータ列内に設けられた値を記憶する工程と、バックプレーン内のすべての異なる行が再び選択され、上記値が記憶された後、バックプレーン内の異なる行のそれぞれに関連付けられた発光素子の現在の行への駆動信号の適用を同時に有効にする工程を実行することをさらに含んでもよい。発光素子の上記現在の行に適用される上記駆動信号は、上記記憶された値に基づく。
【0107】
他の態様では、駆動信号の適用が有効にされる期間は、バックプレーン内の各行が選択される期間よりも長い。
【0108】
方法1300bは、バックプレーンがハイブリッドトポロジーで構成されているディスプレイにおいて、発光素子を駆動するためにバックプレーンを動作させる他の方法である。方法1300bは、図12Bのタイミング図1200bの少なくとも一部に基づいている。
【0109】
1350では、方法1300bは、バックプレーン内の異なる行(例えば、AM1、AM2、AM3)を順次選択し、バックプレーン内の上記異なる行に関連付けられた複数のバックプレーンユニットセルのそれぞれについて、バックプレーン内の対応する行が選択された時点で、対応するデータ列内に設けられた値を記憶する工程を含む。
【0110】
1355では、方法1300bは、バックプレーン内の異なる行のそれぞれについて、選択され、対応する値が記憶された後、バックプレーンの対応する行に関連付けられた発光素子の第1の行(例えば、PM1.1、PM2.1、PM3.1で選択された行)への駆動信号の適用を順次有効にする工程を含む。上記駆動信号は上記記憶された値に基づく。
【0111】
一態様では、1360では、方法1300bは、バックプレーン内の対応する行が再び選択されるまで、有効にされた発光素子の第1の行への駆動信号の適用を維持する工程を含む。
【0112】
他の態様では、1365では、方法1300bは、バックプレーン内の異なる行における発光素子の第1の行への駆動信号の適用を順次無効にする工程を含んでもよい。1370では、方法1300bはまた、バックプレーン内の異なる行を再び順次選択し、バックプレーン内の異なる行に関連付けられた複数のバックプレーンユニットセルのそれぞれについて、バックプレーン内の対応する行が再び選択された時点で、対応するデータ列内に設けられた値を記憶する工程を含んでもよい。1375では、方法1300bは、バックプレーン内の異なる行のそれぞれについて、選択され、対応する値が記憶された後、バックプレーン内の対応する行に関連付けられた発光素子の第2の行への駆動信号の適用を有効にする工程をさらに含んでもよい。発光素子の上記第2の行に適用される上記駆動信号は、上記記憶された値に基づく。さらに、1380では、方法1300bはまた、バックプレーン内の対応する行が再び選択されるまで、有効にされた発光素子の第2の行への駆動信号の適用を維持する工程を含んでもよい。発光素子の第1の行および発光素子の第2の行は、ディスプレイ内の発光素子の行のサブセットの一部であってもよい。サブセット内の発光素子の第1の行および発光素子の第2の行は、ディスプレイ内の発光素子の第1の物理的な行および発光素子の第2の物理的な行とは、対応して異なっている。
【0113】
方法1300bは、バックプレーン内の異なる行のそれぞれに関連付けられた、発光素子の行のセット内の発光素子の第1の行の後の、残りの発光素子の行のそれぞれについて、バックプレーン内の異なる行における発光素子の前の行への駆動信号の適用を順次無効にする工程と、バックプレーン内の異なる行を再び順次選択し、バックプレーン内の異なる行に関連付けられた複数のバックプレーンユニットセルのそれぞれについて、バックプレーン内の対応する行が再び選択された時点で、対応するデータ列内に設けられた値を記憶する工程と、バックプレーン内の異なる行のそれぞれについて、再び選択され、対応する値が記憶された後、バックプレーン内の対応する行に関連付けられた発光素子の現在の行への駆動信号の適用を有効にする工程を実行することをさらに含んでもよい。発光素子の上記現在の行に適用される上記駆動信号は、上記記憶された値に基づく。
【0114】
本開示は、ライトフィールドディスプレイなどの高解像度ディスプレイで使用するために、低消費電力および高い動作帯域幅を可能とするバックプレーンを実現する様々な技術および装置を説明している。
【0115】
したがって、本開示は、示された実施形態に従って提供されたが、当業者は、実施形態に変形があり得ること、およびそれらの変形が本開示の範囲内にあることを容易に認識するであろう。したがって、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、当業者によって多くの修正が行われてもよい。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11
図12A
図12B
図13A
図13B