(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】非対称のデュアルエンドエフェクタロボットアーム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20241203BHJP
B25J 9/06 20060101ALI20241203BHJP
B25J 9/04 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B25J9/06 D
B25J9/04 Z
(21)【出願番号】P 2021554561
(86)(22)【出願日】2020-03-11
(86)【国際出願番号】 US2020022004
(87)【国際公開番号】W WO2020185841
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2023-03-06
(32)【優先日】2019-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514062448
【氏名又は名称】パーシモン テクノロジーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】PERSIMMON TECHNOLOGIES, CORP.
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】ウィルカス スコット
(72)【発明者】
【氏名】ホシェク マルチン
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0154033(US,A1)
【文献】特表2016-505219(JP,A)
【文献】特開2005-161416(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0229361(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0118010(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0205416(US,A1)
【文献】特表2020-507938(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
B25J 9/06
B25J 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のエンドエフェクタを
備えると共に、不等リンク
長を有する第1のリンク機構を備える
、第1のアームと、
第2のエンドエフェクタを
備えると共に、等リンク
長を有する第2のリンク機構を備える
、第2のアームと、
前記第1のアーム及び前記第2のアームに接続された駆動ユニットであって、前記第1のアーム及び前記第2のアームを動かすように構成された駆動ユニットと、
を備える装置であって、
前記第1のアームは、前記駆動ユニットに接続される第1の上方リンクと、前記第1の上方リンクを前記第1のエンドエフェクタに接続する第1の下方リンクとを有し、前記第2のアームは、前記駆動ユニットに接続される第2の上方リンクと、前記第2の上方リンクを前記第2のエンドエフェクタに接続する第2の下方リンクとを有し、前記装置の収縮位置において、前記第1の下方リンクと前記第2の下方リンクとは少なくとも部分的に上下に重なっており、
前記第1のエンドエフェクタは、前記第2のエンドエフェクタに対して非対称であり、
前記第1のエンドエフェクタは、前記第1のエンドエフェクタ上の第1の基板支持部が前記第2のエンドエフェクタ上の第2の基板支持部の上又は下に位置しないように、前記第2のエンドエフェクタに対して角度が付けられている、
装置。
【請求項2】
前記第1のアーム又は前記第2のアームを動かす際に、前記第1のエンドエフェクタ上の前記第1の基板支持部又は前記第2のエンドエフェクタ上の前記第2の基板支持部のうちの一方は、前記第1のエンドエフェクタ上の前記第1の基板支持部又は前記第2のエンドエフェクタ上の前記第2の基板支持部のうちの他方の上又は下で移動しない、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記
第2のリンク機構及び前記
第1のリンク機構のうちの一方又は両方のリンク機構は、少なくとも1つの非円形のプーリによって動かされる、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1のアーム及び前記第2のアームは、前記第1のアームの伸長する動きの際に、前記第1のエンドエフェクタが前記第2のエンドエフェクタから離れて移動するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のアーム及び前記第2のアームは、前記第2のアームの伸長する動きの際に、前記第2のエンドエフェクタが前記第1のエンドエフェクタから離れて移動するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記
第2のリンク機構のリンク上にリンクがある位置では、前記第1のエンドエフェクタ及び前記第2のエンドエフェクタの向きは、前記第2のエンドエフェクタが直線に沿って移動するにつれて変化する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第2のエンドエフェクタが伸長位置にあるとき、前記第1のエンドエフェクタ及び前記第2のエンドエフェクタの前記向きは一定であり、前記第2のエンドエフェクタは、前記直線に沿って移動し続ける、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記
第1のリンク機構のリンク上にリンクがある位置では、前記第1のエンドエフェクタ及び前記第2のエンドエフェクタの向きは、前記第1のエンドエフェクタが直線に沿って移動するにつれて変化する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記第1のエンドエフェクタが伸長位置にあるとき、前記第1のエンドエフェクタ及び前記第2のエンドエフェクタの前記向きは一定であり、前記第1のエンドエフェクタは、前記直線に沿って移動し続ける、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
少なくとも2つの基板を搬送するための基板搬送装置であって、
不等長の2つのリンク及び下方エンドエフェクタを備える下腕と、
等長の2つのリンク及び上方エンドエフェクタを備える上腕と、
前記下腕及び前記上腕に接続された駆動ユニットであって、前記下腕及び前記上腕を回転させ伸長させるように構成された駆動ユニットと、
を備え、
前記下腕は、前記駆動ユニットに接続される第1の上方リンクと、前記第1の上方リンクを前記下方エンドエフェクタに接続する第1の下方リンクとを有し、前記上腕は、前記駆動ユニットに接続される第2の上方リンクと、前記第2の上方リンクを前記上方のエンドエフェクタに接続する第2の下方リンクとを有し、前記基板搬送装置の収縮位置において、前記第1の下方リンクと前記第2の下方リンクとは少なくとも部分的に上下に重なっており、
前記下方エンドエフェクタは、前記下方エンドエフェクタの遠位端が前記上方エンドエフェクタの遠位端の下に位置しないように、かつ前記下腕又は前記上腕を動かす際に、前記下方エンドエフェクタの前記遠位端が前記上方エンドエフェクタの前記遠位端の下で移動しないように、前記上方エンドエフェクタに対して、非対称であり、かつ角度が付けられている、
基板搬送装置。
【請求項11】
前記下腕の前記リンクの関節及び前記上腕の前記リンクの関節に配置されたプーリを更に備え、各アームの前記プーリは、前記駆動ユニットの動作が前記下腕の動き及び/又は前記上腕の動きをもたらすように、前記駆動ユニット及び同じアームの他のプーリに動作可能に接続されている、請求項10に記載の基板搬送装置。
【請求項12】
前記プーリのうちの少なくとも1つは、非円形のプーリである、請求項11に記載の基板搬送装置。
【請求項13】
前記下腕及び前記上腕はそれぞれ、前記下腕の伸長する動きの際に、前記下方エンドエフェクタが前記上方エンドエフェクタから離れて移動し、前記上腕の伸長する動きの際に、前記上方エンドエフェクタが前記下方エンドエフェクタから離れて移動するように構成されている、請求項10に記載の基板搬送装置。
【請求項14】
前記上腕のリンク上にリンクがある位置では、前記上方エンドエフェクタ及び前記下方エンドエフェクタの向きは、前記下方エンドエフェクタが直線に沿って移動するにつれて変化し、
前記下腕のリンク上にリンクがある位置では、前記下方エンドエフェクタ及び前記上方エンドエフェクタの向きは、前記上方エンドエフェクタが直線に沿って移動するにつれて変化する、請求項10に記載の基板搬送装置。
【請求項15】
第1の基板及び第2の基板を搬送する方法であって、
駆動ユニットのシャフト周りで、第1のエンドエフェクタを有する第1のリンク機構を備える第1のアームを回転させることと、
第2のエンドエフェクタを有する第2のリンク機構を備える第2のアームに対して、前記第1のリンク機構を伸長させることと、
を含み、
前記第1のエンドエフェクタは、前記第1の基板を搬送するように構成され、
前記第2のエンドエフェクタは、前記第1のエンドエフェクタに対して、非対称であり、かつ角度が付けられており、
前記第2のエンドエフェクタは、前記第2の基板を搬送するように構成され、
前記第1のアームは、前記駆動ユニットに接続される第1の上方リンクと、前記第1の上方リンクを前記第1のエンドエフェクタに接続する第1の下方リンクとを有し、前記第2のアームは、前記駆動ユニットに接続される第2の上方リンクと、前記第2の上方リンクを前記第2のエンドエフェクタに接続する第2の下方リンクとを有し、前記第1のアーム及び前記第2のアームが収縮した状態において、前記第1の下方リンクと前記第2の下方リンクとは少なくとも部分的に上下に重なっており、
前記収縮した状態で、前記第1の基板は、前記第2の基板の上又は下に位置しておらず、
前記第1のリンク機構を伸長させる際に、前記第1の基板は、前記第2の基板の上又は下で移動しない、
方法。
【請求項16】
前記第1のリンク機構は、少なくとも1つの非円形のプーリを使用して伸長される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のアーム及び前記第2のアームは、前記第1のリンク機構を伸長させる際に、前記第1のエンドエフェクタが前記第2のエンドエフェクタから離れて移動するように構成されている、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のリンク機構のリンク上にリンクがある位置では、前記第1のエンドエフェクタ及び前記第2のエンドエフェクタの向きは、前記第1のエンドエフェクタが直線に沿って移動するにつれて変化する、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のエンドエフェクタが伸長位置に移動しているとき、前記第1のエンドエフェクタ及び前記第2のエンドエフェクタの前記向きは一定であり、前記第1のエンドエフェクタは、前記直線に沿って移動し続ける、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
基板搬送装置を組み立てる方法であって、
第1のリンク機構アームの上方リンクを駆動ユニットの回転可能なシャフトに接続することと、
第1の肘関節で前記第1のリンク機構アームの下方リンクを前記第1のリンク機構アームの前記上方リンクに接続することと、
第1の手首関節で第1のエンドエフェクタを前記第1のリンク機構アームの前記下方リンクに接続することと、
第2のリンク機構アームの上方リンクを前記駆動ユニットの
回転可能なシャフトに接続することと、
第2の肘関節で前記第2のリンク機構アームの下方リンクを前記第2のリンク機構アームの前記上方リンクに接続することと、
第2の手首関節で第2のエンドエフェクタを前記第2のリンク機構アームの前記下方リンクに接続することと、
を含み、
少なくとも前記第1のリンク機構アームの前記上方リンク及び前記第1のリンク機構アームの前記下方リンクは、不等長であり、
前記基板搬送装置の収縮位置において、前記第1のリンク機構アームの前記下方リンクと前記第2のリンク機構アームの前記下方リンクとは少なくとも部分的に上下に重なっており、
前記第1のエンドエフェクタは、前記第1のエンドエフェクタの遠位端
における第1の基板支持部が前記第2のエンドエフェクタの遠位端
における第2の基板支持部の上又は下でないように、前記第2のエンドエフェクタに対して角度が付けられている、
方法。
【請求項21】
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを
格納する少なくとも1つの
不揮発性メモリと、
を備える装置であって、
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記装置に少なくとも、
駆動ユニットのシャフト周りで、第1のエンドエフェクタを有する第1のリンク機構を備える第1のアームを回転させることと、
第2のエンドエフェクタを有する第2のリンク機構を備える第2のアームに対して、前記第1のリンク機構を伸長させることと、
を実行させるように構成され、
前記第1のエンドエフェクタは、第1の基板を搬送するように構成され、
前記第2のエンドエフェクタは、前記第1のエンドエフェクタに対して、非対称であり、かつ角度が付けられており、
前記第2のエンドエフェクタは、第2の基板を搬送するように構成され、
前記第1のアームは、前記駆動ユニットに接続される第1の上方リンクと、前記第1の上方リンクを前記第1のエンドエフェクタに接続する第1の下方リンクとを有し、前記第2のアームは、前記駆動ユニットに接続される第2の上方リンクと、前記第2の上方リンクを前記第2のエンドエフェクタに接続する第2の下方リンクとを有し、前記装置の収縮位置において、前記第1の下方リンクと前記第2の下方リンクとは少なくとも部分的に上下に重なっており、
前記収縮位置で、前記第1の基板は、前記第2の基板の上又は下に位置しておらず、
前記第1のリンク機構を伸長させる際に、前記第1の基板は、前記第2の基板の上又は下で移動しない、
装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される例示的かつ非制限的な実施形態は、概して、ロボットアームに関し、より詳細には、アーム上のエンドエフェクタが互いに対してオフセットされている2つ以上のアームを有するロボットに関する。
【従来技術の簡単な説明】
【0002】
半導体、LED、ソーラー、MEMS、又は他のデバイスの製造のためのプロセスは、保管場所、処理場所、又は他の場所へ、及びこれらの場所から、基板及び基板に対応付けられたキャリアを搬送するために、ロボティクス及び他の形態の自動化を利用する。このような基板の搬送は、1つ以上の基板を搬送する単一のアーム、又は各々が1つ以上の基板を搬送する複数のアームで、個々の基板や基板のグループを移動させることを含み得る。例えば、半導体製造に対応付けられる製造の大部分は、設置面及び容積が貴重な真空環境で行われる。更に、自動化された搬送の大部分は、ワークスペースの容積内で最大効率の基板移動を実現するために行われる。したがって、最大化された移動効率で、所与の範囲の搬送用途について最小の設置面及びワークスペースの容積を利用する基板搬送自動化を提供する要望がある。
【摘要】
【0003】
以下の摘要は、単に例示的であるように意図される。当該摘要は、特許請求の範囲を制限することを意図したものではない。
【0004】
一態様によれば、例示的な装置は、第1のエンドエフェクタを有する不等リンクのリンク機構を備える第1のアームと、第2のエンドエフェクタを有する等リンクのリンク機構を備える第2のアームと、前記第1のアーム及び前記第2のアームに接続された駆動ユニットであって、前記第1のアーム及び前記第2のアームを動かすように構成された駆動ユニットと、を備える。前記第1のエンドエフェクタは、前記第2のエンドエフェクタに対して非対称である。前記第1のエンドエフェクタは、前記第1のエンドエフェクタ上の第1の基板支持部が前記第2のエンドエフェクタ上の第2の基板支持部の上又は下に位置しないように、前記第2のエンドエフェクタに対して角度が付けられている。
【0005】
別の態様によれば、少なくとも2つの基板を搬送するための例示的な基板搬送装置は、不等長の2つのリンク及び下方エンドエフェクタを備える下腕と、等長の2つのリンク及び上方エンドエフェクタを備える上腕と、前記下腕及び前記上腕に接続された駆動ユニットであって、前記下腕及び前記上腕を回転させ伸長させるように構成された駆動ユニットと、を備える。前記下方エンドエフェクタは、前記下方エンドエフェクタの遠位端が前記上方エンドエフェクタの遠位端の下に位置しないように、かつ前記下腕又は前記上腕を動かす際に、前記下方エンドエフェクタの前記遠位端が前記上方エンドエフェクタの前記遠位端の下で移動しないように、前記上方エンドエフェクタに対して、非対称であり、かつ角度が付けられている。
【0006】
別の態様によれば、第1の基板及び第2の基板を搬送する例示的な方法は、駆動ユニットのシャフト周りで、第1のエンドエフェクタを有する第1のリンク機構を備える第1のアームを回転させることと、第2のエンドエフェクタを有する第2のリンク機構を備える第2のアームに対して、前記第1のリンク機構を伸長させることと、を含む。前記第1のエンドエフェクタは、前記第1の基板を搬送するように構成されている。前記第2のエンドエフェクタは、前記第1のエンドエフェクタに対して、非対称であり、かつ角度が付けられている。前記第2のエンドエフェクタは、第2の基板を搬送するように構成されている。静止位置で、前記第1の基板は、前記第2の基板の上又は下に位置していない。前記第1のリンク機構を伸長させる際に、前記第1の基板は、前記第2の基板の上又は下で移動しない。
【0007】
別の態様によれば、基板搬送装置を組み立てる例示的な方法は、第1のリンク機構アームの上方リンクを駆動ユニットの回転可能なシャフトに接続することと、第1の肘関節で前記第1のリンク機構アームの下方リンクを前記第1のリンク機構アームの前記上方リンクに接続することと、第1の手首関節で第1のエンドエフェクタを前記第1のリンク機構アームの前記下方リンクに接続することと、第2のリンク機構アームの上方リンクを前記駆動ユニットの前記回転可能なシャフトに接続することと、第2の肘関節で前記第2のリンク機構アームの下方リンクを前記第2のリンク機構アームの前記上方リンクに接続することと、第2の手首関節で第2のエンドエフェクタを前記第2のリンク機構アームの前記下方リンクに接続することと、を含む。少なくとも前記第1のリンク機構アームの前記上方リンク及び前記第1のリンク機構アームの前記下方リンクは、不等長である。前記第1のエンドエフェクタは、前記第1のエンドエフェクタの遠位端での第1の基板支持部が前記第2のエンドエフェクタの遠位端での第2の基板支持部の上又は下でないように、前記第2のエンドエフェクタに対して角度が付けられている。
【0008】
別の態様によれば、例示的な装置は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つの非一時的メモリと、を備える。前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記装置に少なくとも、駆動ユニットのシャフト周りで、第1のエンドエフェクタを有する第1のリンク機構を備える第1のアームを回転させることと、第2のエンドエフェクタを有する第2のリンク機構を備える第2のアームに対して、前記第1のリンク機構を伸長させることと、を実行させるように構成されている。前記第1のエンドエフェクタは、第1の基板を搬送するように構成されている。前記第2のエンドエフェクタは、前記第1のエンドエフェクタに対して、非対称であり、かつ角度が付けられている。前記第2のエンドエフェクタは、第2の基板を搬送するように構成されている。静止位置で、前記第1の基板は、前記第2の基板の上又は下に位置していない。前記第1のリンク機構を伸長させる際に、前記第1の基板は、前記第2の基板の上又は下で移動しない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
前述の態様及び他の特徴は、以下の説明で添付図面と共に説明される。
【0010】
【
図1A】基板を移動させるためのロボットの斜視図であり、このロボットは、等リンクのリンク機構アームと、不等リンクのリンク機構アームと、を有し、ここで、これらのアーム上のエンドエフェクタは、積み重ねられた構成で配置されている。
【0011】
【0012】
【
図1C】本明細書に記載されるような特徴を含む基板処理システムでの基板移動の例を示す。
【
図1D】本明細書に記載されるような特徴を含む基板処理システムでの基板移動の例を示す。
【0013】
【
図2A】静止位置での積み重ねられたエンドエフェクタを示す、
図1A及び
図1Bのロボットの基板搬送装置の斜視図である。
【0014】
【
図2B】一方のエンドエフェクタが他方のエンドエフェクタに対して移動していることを示す、
図2Aのロボットの基板搬送装置の斜視図である。
【
図2C】一方のエンドエフェクタが他方のエンドエフェクタに対して移動していることを示す、
図2Aのロボットの基板搬送装置の斜視図である。
【0015】
【
図3】エンドエフェクタが積み重ねられていない基板搬送装置の斜視図である。
【0016】
【0017】
【
図5A】静止位置での
図3の基板搬送装置の斜視図である。
【0018】
【
図5B】装置の不等リンクのリンク機構の伸長を示す、
図5Aの装置の斜視図である。
【
図5C】装置の不等リンクのリンク機構の伸長を示す、
図5Aの装置の斜視図である。
【0019】
【
図6A】静止位置での
図3の基板搬送装置の斜視図である。
【0020】
【
図6B】装置の等リンクのリンク機構の伸長を示す、
図6Aの装置の斜視図である。
【
図6C】装置の等リンクのリンク機構の伸長を示す、
図6Aの装置の斜視図である。
【0021】
【
図7】非対称のデュアルアームを有し、非円形プーリを使用し、収縮位置にある搬送装置の概略図である。
【0022】
【
図8A】収縮位置から伸長位置への、搬送装置の斜めでないエンドエフェクタの伸長の概略図である。
【
図8B】収縮位置から伸長位置への、搬送装置の斜めでないエンドエフェクタの伸長の概略図である。
【
図8C】収縮位置から伸長位置への、搬送装置の斜めでないエンドエフェクタの伸長の概略図である。
【0023】
【
図9A】収縮位置から伸長位置への、
図8A~
図8Cの搬送装置の斜めであるエンドエフェクタの伸長の概略図である。
【
図9B】収縮位置から伸長位置への、
図8A~
図8Cの搬送装置の斜めであるエンドエフェクタの伸長の概略図である。
【
図9C】収縮位置から伸長位置への、
図8A~
図8Cの搬送装置の斜めであるエンドエフェクタの伸長の概略図である。
【実施形態の詳細説明】
【0024】
図1A及び
図1Bを参照すると、基板搬送のための装置は、全体を参照符号10で示されるようなロボットを備え得る。ロボット10は、例えば、基板処理室及びロードロック間で基板14a、14bを搬送するように構成された基板搬送装置12(以下、「搬送装置12」)を備える。ロボット10はまた、搬送装置12のアーム及び複数のエフェクタを駆動し、それによって基板を搬送させるように構成された(例えば、1つ以上のモータ又は任意の他の好適な駆動手段を含み得る)駆動ユニット16を備える。一例として、複数のエンドエフェクタを有するロボットは、2018年2月15日出願の米国特許出願番号第15/897,374号(発明の名称「複数のエンドエフェクタを備えた材料取り扱いロボット(Material-Handling Robot With Multiple End-Effectors)」)に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0025】
搬送装置12は、各アームが駆動ユニット16を介して伸長可能及び回転可能にされた複数のアームを備える。例示的な一実施形態では、複数のアームは、非円形のプーリで駆動可能な少なくとも1つの不等リンクのリンク機構20を備える。不等リンクのリンク機構20は、上腕31と下腕32とを有し、上腕31は、肩部で駆動ユニット16に接続されており、下腕32は、肘部で上腕31に接続されている。第1のエンドエフェクタ22が、手首で下腕32に接続されている。第1のエンドエフェクタ22は、脚部と、下方基板14aを支持するための脚部の遠位端での基板支持部と、を有する。複数のアームはまた、上腕33と下腕34とを有する少なくとも1つの等リンクのリンク機構24を備え、上腕33は、肩部で駆動ユニットに接続されており、下腕34は、肘部で上腕33に接続されている。第2のエンドエフェクタ26が、手首で下腕34に接続されている。第2のエンドエフェクタ26は、脚部と、上方基板14bを支持するための脚部の遠位端での基板支持部と、を有する。
【0026】
第1のエンドエフェクタ22及び第2のエンドエフェクタ26は、非対称である。図示するように、第1のエンドエフェクタ22の脚部は、曲がっているか、他の形で角度が付けられているか、又は湾曲しているが、一方、第2のエンドエフェクタ26の脚部は、まっすぐである。但し、いくつかの例示的な実施形態では、第1のエンドエフェクタ22の脚部及び第2のエンドエフェクタ26の脚部の両方が曲がっていてもよい。各エンドエフェクタ22、26の脚部は、対応するリンク機構20、24についてエンドエフェクタの手首関節に基板支持部を接続している。ここで、脚は、手首関節に接続された第1の部分と、基板支持部に接続された第2の部分と、を有する。脚が曲がっている第1のエンドエフェクタ22では、第1及び第2の部分は、約90度~約120度の角度で互いに接続されている。一例として、エンドエフェクタの脚が曲がっているか、又は他の形で角度が付けられているアームを有するロボットは、2015年10月6日発行の米国特許第9,149,936号(発明の名称「不等リンク長を有するアームを有するロボット(Robot Having Arm With Unequal Link Lengths)」)に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0027】
図1Bに示すように、不等リンクのリンク機構20は、床面28から距離D以上で配置されている。搬送装置12の構成は、所与の格納直径から最大の径方向のリーチを提供する。一例として、不等リンク長を有するアームを有するロボットは、2015年10月6日発行の米国特許第9,149,936号(発明の名称「不等リンク長を有するアームを有するロボット(Robot Having Arm With Unequal Link Lengths)」)に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0028】
図1C及び
図1Dを参照すると、例示的な基板処理システム又は半導体ウェハ処理システムの全体が1000で示されており、以下、「システム1000」と称される。システム1000は、例えば、1つ以上の径方向ステーション1012と、1つ以上のオフセットステーション1014と、を備え得る。ロボット10は、ステーション1012、1014間、又は環境室1013に接続された他のモジュール/ステーション(図示せず)間で1つ以上の基板Sを移動させるために提供され得る。環境室1013は、例えば、真空環境を提供し得、この室1013の底壁を介して、ロボット10は少なくとも部分的に室1013によって定められる環境内に延在する。ロボット10及びステーション1012、1014は、少なくとも1つのプロセッサ1017と、システム1000の動作を制御するためのソフトウェア1021を含む少なくとも1つのメモリ1019と、を備える少なくとも1つのコントローラ1015に接続されている。システム1000は、例えば、以下のウェハ取り扱い動作を提供し得る。(a)
図1Cに図示するように、単一の径方向ステーション1012から/へ単一のウェハ又は基板Sを取り上げ(pick)/配置(place)し(1016)、(b)
図1Dに図示するように、1対の積み重ねられた径方向ステーション1012から/へ1対のウェハ又は基板Sを同時に取り上げ/配置する(1018)。オフセットステーション1014に関係する他の動作も可能である。
【0029】
図2A~
図2Cを参照すると、搬送装置12の最初の位置は、上方基板14bが積み重ねられた構成で下方基板14aの上に位置するように、第2のエンドエフェクタ26の一部が第1のエンドエフェクタ22の一部の上に位置する(
図2A)構成である。下方基板14aを支持する第1のエンドエフェクタ22が伸長する際(
図2B)、不等リンクのリンク機構20(下腕)上の手首30は、等リンクのリンク機構24(上腕)上の肩部40を通過する。同様の移動が、同じエンドエフェクタの収縮の間に生じる。等リンクのリンク機構24の移動なしで、下方基板14aを支持する第1のエンドエフェクタ22が完全に伸長する際(
図2C)、等リンクのリンク機構24移動の長さは、手首の格納及び最大移動を可能にする。
【0030】
図3を参照すると、エンドエフェクタ上の基板支持部が静止位置で互いにオフセットされるか、又は互いに対して斜めであるように、少なくとも1つのエンドエフェクタが、角度が付けられているか、又は曲がっているエンドエフェクタを有する基板処理のための基板搬送装置の全体が112で示されており、以下、「搬送装置112」と称される。例示的な一実施形態では、搬送装置112は、不等リンクのリンク機構120及び第1のエンドエフェクタ122を備える下腕と、等リンクのリンク機構124及び第2のエンドエフェクタ126を備える上腕と、を備える。アームは、例えば、駆動ユニット116(1つ又は複数のモータ)によって伸長可能及び回転可能である。第1のエンドエフェクタ122は、第2のエンドエフェクタ126に対して非対称であるが、第1のエンドエフェクタ122はまた、基板支持部が静止位置で互いにオフセットされるか、又は互いに対して斜めである(積み重ねられていない)ように、第2のエンドエフェクタ126に対して角度が付けられているか、曲がっているか、又は湾曲している。上記のように、各エンドエフェクタ122、126の脚部は、手首関節に基板支持部を接続している。ここで、脚は、手首関節に接続された第1の部分と、基板支持部に接続された第2の部分と、を有する。エンドエフェクタが、角度が付けられているか、又は曲がっている場合、脚の第1及び第2の部分は、約90度~約120度の角度で互いに接続されている。本明細書に示すように、第1のエンドエフェクタ122は、最初の静止位置にある間、上腕の等リンクのリンク機構124の基板支持部上で支持される上方基板114bが不等リンクのリンク機構120の基板支持部上で支持される下方基板114aの上に位置しないように、第2のエンドエフェクタ126に対して角度が付けられている。また、不等リンクのリンク機構120によって定められる下腕及び等リンクのリンク機構124によって定められる上腕のいずれか又は両方の移動の間、上方基板114bは、下方基板114aの上で移動しない。搬送装置112又はロボット組み込み搬送装置112は、ロボット10と同様に、少なくとも1つのプロセッサと、システムの動作を制御するためのソフトウェアを含む少なくとも1つのメモリと、を備える少なくとも1つのコントローラに接続され得る。
【0031】
図4を参照すると、リンク機構は、第1のエンドエフェクタ122上のウェハ(基板114a)から離れて第2のエンドエフェクタ126上のウェハ(基板114b)を移動させるために、駆動ユニット116のシャフト周りで回転する。等リンクのリンク機構124の一部は、不等リンクのリンク機構120の手首から離れて等リンクのリンク機構124の肘部を動かすように関節でつながれている。不等リンクのリンク機構120のリンク機構は、不等リンクのリンク機構120の手首、肘部、及び/又は肩部の駆動ユニット116への接続などの不等リンクのリンク機構120の関節に配置された1つ以上のプーリ121によって伸長され得るか、又は別の形で動かされ得、ここでプーリは、円形又は非円形である。いくつかの例示的な実施形態では、等リンクのリンク機構124のリンク機構は、同様に、円形又は非円形であるプーリ25によって動かされ得る。
【0032】
図5Aを参照すると、静止位置で、オフセットされるか又は斜めである基板支持部を有する非対称のエンドエフェクタ122、126の構成は、第2のエンドエフェクタ126上で搬送されるウェハ(基板114b)が第1のエンドエフェクタ122上のウェハ(基板114a)の上にならないようにする。
【0033】
図5Bを参照すると、不等リンクのリンク機構120が駆動ユニット116によって回転するとき、不等リンクのリンク機構120が伸長され、第1のエンドエフェクタ122は、第2のエンドエフェクタ126から離れて移動する。
【0034】
図5Cを参照すると、不等リンクのリンク機構120が更に伸長されるとき、第1のエンドエフェクタ122は、第2のエンドエフェクタ126から更に離れて移動する。
【0035】
図6Aを参照すると、静止位置で、オフセットされるか又は斜めである基板支持部を有する非対称のエンドエフェクタの構成は、第2のエンドエフェクタ126上で搬送されるウェハ(基板114b)が第1のエンドエフェクタ122上のウェハ(基板114a)の上にならないようにする(
図5Aも参照)。
【0036】
図6Bを参照すると、等リンクのリンク機構124が駆動ユニット116によって回転するとき、等リンクのリンク機構124が伸長され、第2のエンドエフェクタ126は、第1のエンドエフェクタ122から離れて移動する。
【0037】
図6Cを参照すると、等リンクのリンク機構124が更に伸長されるとき、第2のエンドエフェクタ126は、第1のエンドエフェクタ122から更に遠くに離れて移動する。
【0038】
図7を参照すると、不等リンクのリンク機構120及び等リンクのリンク機構124は、円形又は非円形のプーリによって動かされ得る。エンドエフェクタ122、126は、各エンドエフェクタ122、126間及び各リンク機構120、124の少なくとも肘部間で追加の間隔を取るするために、径方向の向きから回転する。
【0039】
図8A~
図8Cを参照すると、等リンクのリンク機構124の伸長について、最初の段階(
図8A、収縮位置)では、基板114bは、基板114aの上に位置していない。
【0040】
図8Bに示すように、リンク上にリンクがある位置では、エンドエフェクタ122、126の向きは、エンドエフェクタ126が直線127に沿って移動するにつれて変化する。より具体的には、等リンクのリンク機構124の手首が、等リンクのリンク機構124が駆動ユニット116(肩部)に接続されているポイントの真上に位置しているとき、エンドエフェクタ122、126の向きは、基板114bの中心が直線127に沿って移動するにつれて変化する。
【0041】
図8Cに示すように、エンドエフェクタ126(したがって、基板114b)が伸長位置にある最後の段階では、エンドエフェクタ122、126の向きは一定であり、基板114bの中心は、直線127に沿って移動し続ける。
【0042】
図9A~
図9Cを参照すると、不等リンクのリンク機構120の伸長について、最初の段階(
図9A、収縮位置)では、この場合も、基板114bは、基板114aの上に位置していない。
図9Bに示すように、リンク上にリンクがある位置では、エンドエフェクタ122、126の向きは、基板114aの中心が直線に沿って移動するにつれて変化する。
図9Cに示すように、基板114aが伸長位置にある最後の段階では、エンドエフェクタ122、126の向きは一定であり、基板114aの中心は、直線に沿って移動し続ける。
【0043】
任意の実施形態では、本明細書に記載されるロボットアームの上腕(例えば、上腕31及び上腕33)は、駆動ユニットの第1のシャフトに直接取り付けられ得る。下腕(例えば、下腕32及び下腕34)は、回転肘関節を介して対応する上腕に接続され、ベルト機構を使用して、第1のシャフトと同軸に配置された、駆動ユニットの第2のシャフトによって駆動され得る。このベルト機構は、駆動ユニットの第3のシャフトに取り付けられ得る肩プーリと、上腕に取り付けられ得る肘プーリと、2つのプーリ間で動作を伝達し得るバンド、ベルト、もしくはケーブル(又は任意の他の好適な手段)と、を備え得る。ベルト機構は、一定又は可変の伝達比を特徴とし得る。一例として、可変の伝達比は、エンドエフェクタを有する上腕の向きが、上腕及び駆動ユニットの駆動シャフトの相対位置に応じて、予め定められた方法で変化するように選択され得る。しかしながら、任意の他の好適な機構を使用してもよい。
【0044】
例示的な一実施形態では、装置は、第1のエンドエフェクタを有する不等リンクのリンク機構を備える第1のアームと、第2のエンドエフェクタを有する等リンクのリンク機構を備える第2のアームと、前記第1のアーム及び前記第2のアームに接続された駆動ユニットであって、前記第1のアーム及び前記第2のアームを動かすように構成された駆動ユニットと、を備える。前記第1のエンドエフェクタは、前記第2のエンドエフェクタに対して非対称である。前記第1のエンドエフェクタは、前記第1のエンドエフェクタ上の第1の基板支持部が前記第2のエンドエフェクタ上の第2の基板支持部の上又は下に位置しないように、前記第2のエンドエフェクタに対して角度が付けられている。
【0045】
前記第1のアーム又は前記第2のアームを動かす際に、前記第1のエンドエフェクタ上の前記第1の基板支持部又は前記第2のエンドエフェクタ上の前記第2の基板支持部のうちの一方は、前記第1のエンドエフェクタ上の前記第1の基板支持部又は前記第2のエンドエフェクタ上の前記第2の基板支持部のうちの他方の上又は下で移動しない場合がある。前記等リンクのリンク機構及び前記不等リンクのリンク機構のうちの一方又は両方のリンク機構は、少なくとも1つの非円形のプーリによって動かされ得る。前記第1のアーム及び前記第2のアームは、前記第1のアームの伸長する動きの際に、前記第1のエンドエフェクタが前記第2のエンドエフェクタから離れて移動するように構成され得る。前記第1のアーム及び前記第2のアームは、前記第2のアームの伸長する動きの際に、前記第2のエンドエフェクタが前記第1のエンドエフェクタから離れて移動するように構成され得る。前記等リンクのリンク機構のリンク上にリンクがある位置では、前記第1のエンドエフェクタ及び前記第2のエンドエフェクタの向きは、前記第2のエンドエフェクタが直線に沿って移動するにつれて変化し得る。前記第2のエンドエフェクタが伸長位置にあるとき、前記第1のエンドエフェクタ及び前記第2のエンドエフェクタの前記向きは一定であり得、前記第2のエンドエフェクタは、前記直線に沿って移動し続け得る。前記不等リンクのリンク機構のリンク上にリンクがある位置では、前記第1のエンドエフェクタ及び前記第2のエンドエフェクタの向きは、前記第1のエンドエフェクタが直線に沿って移動するにつれて変化し得る。前記第1のエンドエフェクタが伸長位置にあるとき、前記第1のエンドエフェクタ及び前記第2のエンドエフェクタの向きは一定であり得、前記第1のエンドエフェクタは、前記直線に沿って移動し続け得る。
【0046】
別の例示的な実施形態では、少なくとも2つの基板を搬送するための基板搬送装置は、不等長の2つのリンク及び下方エンドエフェクタを備える下腕と、等長の2つのリンク及び上方エンドエフェクタを備える上腕と、前記下腕及び前記上腕に接続された駆動ユニットであって、前記下腕及び前記上腕を回転させ伸長させるように構成された駆動ユニットと、を備える。前記下方エンドエフェクタは、前記下方エンドエフェクタの遠位端が前記上方エンドエフェクタの遠位端の下に位置しないように、かつ前記下腕又は前記上腕を動かす際に、前記下方エンドエフェクタの前記遠位端が前記上方エンドエフェクタの前記遠位端の下で移動しないように、前記上方エンドエフェクタに対して、非対称であり、かつ角度が付けられている。
【0047】
前記基板搬送装置は、前記下腕の前記リンクの関節及び前記上腕の前記リンクの関節に配置されたプーリを更に備え得、各アームの前記プーリは、前記駆動ユニットの動作が前記下腕の動き及び/又は前記上腕の動きをもたらすように、前記駆動ユニット及び同じアームの他のプーリに動作可能に接続されている。前記プーリのうちの少なくとも1つは、非円形のプーリであり得る。前記下腕及び前記上腕はそれぞれ、前記下腕の伸長する動きの際に、前記下方エンドエフェクタが前記上方エンドエフェクタから離れて移動し、前記上腕の伸長する動きの際に、前記上方エンドエフェクタが前記下方エンドエフェクタから離れて移動するように構成され得る。前記上腕のリンク上にリンクがある位置では、前記上方エンドエフェクタ及び前記下方エンドエフェクタの向きは、前記下方エンドエフェクタが直線に沿って移動するにつれて変化し得、前記下腕のリンク上にリンクがある位置では、前記下方エンドエフェクタ及び前記上方エンドエフェクタの向きは、前記上方エンドエフェクタが直線に沿って移動するにつれて変化し得る。
【0048】
別の例示的な実施形態では、第1の基板及び第2の基板を搬送する方法は、駆動ユニットのシャフト周りで、第1のエンドエフェクタを有する第1のリンク機構を備える第1のアームを回転させることと、第2のエンドエフェクタを有する第2のリンク機構を備える第2のアームに対して、前記第1のリンク機構を伸長させることと、を含む。前記第1のエンドエフェクタは、前記第1の基板を支持及び搬送するように構成されている。前記第2のエンドエフェクタは、前記第1のエンドエフェクタに対して、非対称であり、かつ角度が付けられている。前記第2のエンドエフェクタは、第2の基板を支持及び搬送するように構成されている。静止位置で、前記第1の基板は、前記第2の基板の上又は下に位置していない。前記第1のリンク機構を伸長させる際に、前記第1の基板は、前記第2の基板の上又は下で移動しない。
【0049】
前記第1のリンク機構は、少なくとも1つの非円形のプーリを使用して伸長され得る。前記第1のアーム及び前記第2のアームは、前記第1のリンク機構を伸長させる際に、前記第1のエンドエフェクタが前記第2のエンドエフェクタから離れて移動するように構成され得る。前記第1のリンク機構のリンク上にリンクがある位置では、前記第1のエンドエフェクタ及び前記第2のエンドエフェクタの向きは、前記第1のエンドエフェクタが直線に沿って移動するにつれて変化し得る。前記第1のエンドエフェクタが伸長位置に移動しているとき、前記第1のエンドエフェクタ及び前記第2のエンドエフェクタの前記向きは一定であり得、前記第1のエンドエフェクタは、前記直線に沿って移動し続け得る。
【0050】
別の例示的な実施形態では、基板搬送装置を組み立てる方法は、第1のリンク機構アームの上方リンクを駆動ユニットの回転可能なシャフトに接続することと、第1の肘関節で前記第1のリンク機構アームの下方リンクを前記第1のリンク機構アームの前記上方リンクに接続することと、第1の手首関節で第1のエンドエフェクタを前記第1のリンク機構アームの前記下方リンクに接続することと、第2のリンク機構アームの上方リンクを前記駆動ユニットの前記回転可能なシャフトに接続することと、第2の肘関節で前記第2のリンク機構アームの下方リンクを前記第2のリンク機構アームの前記上方リンクに接続することと、第2の手首関節で第2のエンドエフェクタを前記第2のリンク機構アームの前記下方リンクに接続することと、を含む。少なくとも前記第1のリンク機構アームの前記上方リンク及び前記第1のリンク機構アームの前記下方リンクは、不等長である。前記第1のエンドエフェクタは、前記第1のエンドエフェクタの遠位端での第1の基板支持部が前記第2のエンドエフェクタの遠位端での第2の基板支持部の上又は下でないように、前記第2のエンドエフェクタに対して角度が付けられている。
【0051】
別の例示的な実施形態では、装置は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つの非一時的メモリと、を備える。前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記装置に少なくとも、駆動ユニットのシャフト周りで、第1のエンドエフェクタを有する第1のリンク機構を備える第1のアームを回転させることと、第2のエンドエフェクタを有する第2のリンク機構を備える第2のアームに対して、前記第1のリンク機構を伸長させることと、を実行させるように構成されている。前記第1のエンドエフェクタは、第1の基板を支持及び搬送するように構成されている。前記第2のエンドエフェクタは、前記第1のエンドエフェクタに対して、非対称であり、かつ角度が付けられている。前記第2のエンドエフェクタは、第2の基板を支持及び搬送するように構成されている。静止位置で、前記第1の基板は、前記第2の基板の上又は下に位置していない。前記第1のリンク機構を伸長させる際に、前記第1の基板は、前記第2の基板の上又は下で移動しない。
【0052】
前述の説明は、単なる例示であることを理解されたい。様々な代替及び修正が当業者によって考案され得る。例えば、様々な従属請求項で列挙される特徴は、任意の好適な組合せ(複数可)で互いに組み合わされ得る。加えて、上述の異なる実施形態からの特徴が、新しい実施形態に選択的に組み合わされ得る。したがって、前述の説明は、これらすべての代替、修正、及び変形を包含することが意図される。