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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】制御装置
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/406 20060101AFI20241203BHJP
   G05B 19/409 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
G05B19/406 S
G05B19/409 C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022563804
(86)(22)【出願日】2021-11-17
(86)【国際出願番号】 JP2021042255
(87)【国際公開番号】W WO2022107817
(87)【国際公開日】2022-05-27
【審査請求日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】P 2020193516
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】尾関 真一
【審査官】稲垣 浩司
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-262409(JP,A)
【文献】特開2019-168994(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/18 - 19/416
G05B 19/42 - 19/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業用機械を制御する制御装置において、
前記産業用機械の制御に係る設定項目の値の設定を検知する設定検知部と、
前記設定に係る情報を通知する通知部と、
前記設定検知部が検知した設定に係る情報が前記制御装置の表示画面に表示されるか否かを検知する表示検知部を備え、
前記通知部は、前記設定に係る情報が前記表示画面に表示されないと前記表示検知部が検知した場合に前記設定に係る情報を前記表示画面の上に通知する制御装置。
【請求項2】
前記通知部による通知は、ガイダンスメッセージの表示、ポップアップウィンドウによる表示の少なくともいずれかである、
請求項1に記載された制御装置。
【請求項3】
前記設定検知部が検知する設定は、MDIプログラム実行による設定、加工プログラム実行による設定、外部信号による設定、ネットワークを介した上位のコンピュータからの設定の少なくともいずれかである、
請求項1に記載された制御装置。
【請求項4】
前記設定検知部が検知した設定に係る情報の履歴を記憶する設定履歴記憶部と、
前記設定履歴記憶部に記憶された設定に係る情報の履歴を表示する設定履歴表示部と、
を更に備えた請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
前記設定履歴表示部により表示された設定履歴から選択された設定に係る情報で設定された設定項目を設定するための設定画面を表示する設定画面表示部を更に備える、
請求項4に記載された制御装置。
【請求項6】
前記設定画面表示部は、前記設定画面における前記設定に係る情報で設定された設定値を強調表示する、
請求項5に記載された制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工作機械やロボットなどの産業用機械を制御装置で制御する際、該産業用機械を制御するために必要となるパラメータや工具データなどの設定項目の値を制御装置上で設定する。設定項目の例としては、ワーク座標値や送り速度、ゲイン値、オフセット値などが挙げられる。このような設定項目は、制御装置に実装されている設定画面を表示して、その設定画面上で制御対象となる産業用機械の仕様や、これから行う制御動作の内容に合わせて、オペレータが適切な設定値を設定する(特許文献1など)。
設定画面では、設定項目の値の設定が正常に行われた場合は、その旨が画面上のメッセージなどで通知される。一方で、設定項目の値の設定が正常に行われなかった場合、例えば設定値の形式が誤っている場合や、設定値が予め定められている設定可能範囲を逸脱している場合、他の設定項目に設定されている値と矛盾するために設定できない場合などには、設定ができなかった旨が画面上のメッセージなどで通知される。
【0003】
一方で、制御のための設定項目を設定する方法は、上記した設定画面を介して行う場合以外にも存在する。例えば、MDI(Manual Data Input)プログラムを用いて、計測サイクルによってワーク座標、工具オフセットの測定を行う場合は、G2025指令、G10指令等の指令を用いて設定画面を介さずに直接設定項目の値を設定する場合がある。このような方法により設定項目の値を設定する場合、MDIプログラムの実行画面には設定値の設定がうまくいったかどうかを示すメッセージは通知されない。いわゆる加工プログラムなどにより設定する場合も同様である。
【0004】
また、外部信号の入力により設定項目の値が変更される場合、現場で作業しているオペレータが見ている制御装置の画面上には、信号により設定項目の値が設定されたことを示すメッセージは通知されない。
【0005】
更に、工場に設置されている複数の産業用機械がネットワークを介して上位の管理コンピュータに接続されているケースにおいては、管理コンピュータで作成された生産計画に基づいて、各産業用機械を制御する制御装置に対してネットワークを介した設定項目の値の設定が行われる場合がある。このような場合にも、現場で作業しているオペレータが見ている制御装置の画面上には、設定項目の値が設定されたことを示すメッセージは通知されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平06-119021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、設定画面以外から制御装置の設定項目の値が設定された場合、制御装置を操作しているオペレータは設定がきちんと行われたかを確認できない。そのため、例えばMDIプログラムで設定を行った場合には、設定した項目を確認できる設定画面を呼び出して、設定された値を確認する必要がある。このような操作はオペレータにとって手間となり、作業時間が長くなる原因となる。
【0008】
また、外部信号や上位の管理コンピュータ等から設定が行われた場合、オペレータは設定が行われたこと自体に気づかない場合がある。そして、設定項目の値が変更されたことに気づくことなく産業用機械の運転を開始した結果、産業用機械が想定外の動作をしてしまい故障などの原因となってしまうこともある。
そのため、設定に係る情報が表示されない画面においても、設定項目の変更に係る情報を確認することができる仕組みが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による制御装置は、産業用機械を制御する制御装置において、該産業用機械の制御に係る設定項目に対する設定を監視し、設定項目の値の設定を検知すると、オペレータに対して設定項目の値の設定に係る情報を通知することで、上記課題を解決する。この通知は、設定が行われた項目名、設定された値、設定の成功/失敗、設定の更新要求元などの情報を含んでいてよい。また、通知は、現在表示されている画面上へのガイダンスメッセージの表示や、ガイダンス音声、外部信号、ネットワーク経由の情報の送信などで行われてよい。
【0010】
そして、本発明の一態様は、産業用機械を制御する制御装置において、前記産業用機械の制御に係る設定項目の値の設定を検知する設定検知部と、前記設定に係る情報を通知する通知部と、前記設定検知部が検知した設定に係る情報が制御装置の表示画面に表示されるか否かを検知する表示検知部を備え、前記通知部は、前記設定に係る情報が前記表示画面に表示されないと前記表示検知部が検知した場合に前記設定に係る情報を前記表示画面の上に通知する制御装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様により、設定項目の値が変更された際に、設定に係る情報が表示されない画面であっても設定項目の変更に係る情報がガイダンス通知されるため、オペレータは画面を遷移せずに確認が可能となる。これにより、オペレータの負担が軽減され、設定に係る動作の視認性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態による制御装置の概略的なハードウェア構成図である。
図2】第1実施形態による制御装置の機能を示す概略的なブロック図である。
図3】ガイダンスメッセージによる通知の例を示す図である。
図4】ポップアップウィンドウによる通知の例を示す図である。
図5】第2実施形態による制御装置の機能を示す概略的なブロック図である。
図6】設定履歴の表示例を示す図である。
図7】第3実施形態による制御装置の機能を示す概略的なブロック図である。
図8】ワーク座標設定画面の表示例を示す図である。
図9】工具オフセット設定画面の表示例を示す図である。
図10】設定項目の値が強調されたワーク座標設定画面の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1は本発明の第1実施形態による制御装置の要部を示す概略的なハードウェア構成図である。本発明の制御装置1は、例えば産業用機械3を制御用プログラムに基づいて制御する制御装置として実装することができる。
【0014】
本実施形態による制御装置1が備えるCPU11は、制御装置1を全体的に制御するプロセッサである。CPU11は、バス22を介してROM12に格納されたシステム・プログラムを読み出し、該システム・プログラムに従って制御装置1全体を制御する。RAM13には一時的な計算データや表示データ、及び外部から入力された各種データ等が一時的に格納される。
【0015】
不揮発性メモリ14は、例えばバッテリ(図示せず)でバックアップされたメモリやSSD(Solid State Drive)等で構成され、制御装置1の電源がオフされても記憶状態が保持される。不揮発性メモリ14には、インタフェース15を介して外部機器72から読み込まれた制御用プログラムやデータ、インタフェース18を介して入力装置71から入力された制御用プログラムやデータ、ネットワーク5を介してフォグコンピュータ6やクラウドサーバ7等の他の装置から取得された制御用プログラムやデータ等が記憶される。不揮発性メモリ14に記憶されるデータは、例えば産業用機械3が備える各モータの位置や速度、加速度、負荷、その他の産業用機械3に取り付けられた図示しないセンサで検出された各物理量に係るデータ等が含まれていてよい。不揮発性メモリ14に記憶された制御用プログラムやデータは、実行時/利用時にはRAM13に展開されてもよい。また、ROM12には、公知の解析プログラムなどの各種システム・プログラムがあらかじめ書き込まれている。
【0016】
インタフェース15は、制御装置1のCPU11と外部記憶媒体等の外部機器72と接続するためのインタフェースである。外部機器72側からは、例えば産業用機械3の制御に用いられる制御用プログラムや設定データ等が読み込まれる。また、制御装置1内で編集した制御用プログラムや設定データ等は、外部機器72を介して図示しないCFカードやUSBメモリ等の外部記憶媒体に記憶させることができる。PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)16は、ラダープログラムを実行して産業用機械3及び該産業用機械3の周辺装置(例えば、工具交換装置や、ロボット等のアクチュエータ、産業用機械3に取付けられている温度センサや湿度センサ等のセンサ)にI/Oユニット19を介して信号を出力し制御する。また、産業用機械3の本体に配備された操作盤の各種スイッチや周辺装置等の信号を受け取り、それに必要な信号処理をした後、CPU11に渡す。
【0017】
インタフェース20は、制御装置1のCPUと有線乃至無線のネットワーク5とを接続するためのインタフェースである。ネットワーク5は、例えばRS-485等のシリアル通信、Ethernet(登録商標)通信、光通信、無線LAN、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の技術を用いて通信をするものであってよい。ネットワーク5には、他の機械やフォグコンピュータ6、クラウドサーバ7等の上位の管理コンピュータが接続され、制御装置1との間で相互にデータのやり取りを行っている。
【0018】
表示装置70には、メモリ上に読み込まれた各データ、プログラム等が実行された結果として得られたデータ等がインタフェース17を介して出力されて表示される。また、キーボードやポインティングデバイス等から構成される入力装置71は、作業者による操作に基づく指令,データ等をインタフェース18を介してCPU11に渡す。
【0019】
産業用機械3が備える軸を制御するための軸制御回路30はCPU11からの軸の移動指令量を受け取って、軸の指令をサーボアンプ40にそれぞれ出力する。サーボアンプ40はこの指令を受け取って、産業用機械3が備える駆動部を軸に沿って移動させるサーボモータ50をそれぞれ駆動する。軸のサーボモータ50は位置・速度検出器(図示せず)を内蔵し、この位置・速度検出器からの位置・速度フィードバック信号を軸制御回路30にそれぞれフィードバックし、位置・速度のフィードバック制御を行う。なお、図1のハードウェア構成図では軸制御回路30、サーボアンプ40、サーボモータ50はそれぞれ1つずつしか示されていないが、実際には制御対象となる産業用機械3に備えられた軸の数だけ用意される。
【0020】
図2は、本発明の第1実施形態による制御装置1が備える機能を概略的なブロック図として示したものである。本実施形態による制御装置1が備える各機能は、図1に示した制御装置1が備えるCPU11がシステム・プログラムを実行し、制御装置1の各部の動作を制御することにより実現される。
【0021】
本実施形態の制御装置1は、設定検知部100、表示検知部110、通知部120を備える。また、制御装置1のRAM13乃至不揮発性メモリ14には、制御装置1における各設定項目に設定された値を記憶する領域である設定情報記憶部200が設けられている。
【0022】
設定検知部100は、図1に示した制御装置1が備えるCPU11がROM12から読み出したシステム・プログラムを実行し、主としてCPU11によるRAM13、不揮発性メモリ14を用いた演算処理が行われることで実現される。設定検知部100は、産業用機械の制御に係る設定項目の値の設定を検知する。設定検知部100は、例えば設定情報記憶部200に対する設定項目の値の更新要求(書き込み、変更等の要求)を監視する。設定項目の値の更新要求は、設定画面から行われる他にも、MDIプログラムや加工プログラムによる指令や、外部信号、管理装置などの他の装置からのネットワーク経由での指令など、さまざまなルートで送られてくる。しかしながら、設定項目の値の更新自体は共通の処理プログラムにより行われるので、その処理プログラムの動作を監視することで、容易に設定情報記憶部200に対する設定項目値の更新要求の監視が可能である。
設定情報記憶部200に対する更新要求を検知した場合、設定検知部100は、その更新要求の内容及び応答に基づいて、設定が行われた項目名、設定された値、設定の成功/失敗、設定の更新要求元などの設定に係る情報を取得する。設定検知部100が取得した設定に係る情報は、通知部120に通知される。
【0023】
表示検知部110は、図1に示した制御装置1が備えるCPU11がROM12から読み出したシステム・プログラムを実行し、主としてCPU11によるRAM13、不揮発性メモリ14を用いた演算処理と、インタフェース17等を用いた入出力処理とが行われることで実現される。表示検知部110は、設定検知部100により検出された設定項目の値の更新に係る表示が表示装置70の表示画面に対してされるか否かを監視する。そして、更新に係る表示がされない場合に、その旨を通知部120に通知する。
【0024】
通知部120は、図1に示した制御装置1が備えるCPU11がROM12から読み出したシステム・プログラムを実行し、主としてCPU11によるRAM13、不揮発性メモリ14を用いた演算処理と、インタフェース17等を用いた入出力処理とが行われることで実現される。通知部120は、設定検知部100から通知された設定項目に対する設定に係る情報を外部に通知する。通知部120は、設定に係る情報の通知を例えば表示装置70の表示画面上にガイダンスメッセージを表示することにより行ってもよい。
図3は、ガイダンスメッセージによる通知を行う例である。図3の例では、通常のMDI画面上にガイダンスメッセージ310を表示することで、設定項目の値が更新されたことをオペレータに通知している。通知部120は、設定に係る情報の通知を例えば表示装置70の表示画面上に対してポップアップウィンドウを表示することにより行ってもよい。
図4は、ポップアップウィンドウによる通知を行う例である。図4の例では、通常のMDI画面上にポップアップウィンドウ320を表示することで、設定項目の値の更新内容をオペレータに通知している。ポップアップウィンドウを通知に用いることで、より多くの情報をオペレータに通知できる。その他にも、通知部120は、例えば音声ガイダンスを出力することにより設定に係る情報の通知をしてもよい。通知部120は、通知音やランプなどを併用するようにしてもよい。また、外部信号や、外部ファイルへの出力、ネットワーク5を介した情報送信による通知を行うようにしてもよい。
【0025】
通知部120は、更に、設定に係る情報の通知を行うか否かを表示検知部110による通知内容に応じて決定してもよい。例えば、通知部120は、設定項目の値の更新に係る表示がされないことを表示検知部110が検知した場合に限って、設定項目に対する設定に係る情報を通知するようにしてもよい。このようにすることで、例えば設定画面を開いて設定している場合には通知部120による通知を行わず、MDIプログラムや加工プログラムの指令、外部信号、上位の管理装置などによる設定項目の更新要求が行われた場合にのみ、設定項目に対する設定に係る情報の通知が行われるようになり、冗長な通知を抑制することができる。
【0026】
上記構成を備えた制御装置1は、設定項目の値が変更された際に、設定に係る情報が表示されない画面であっても設定項目の変更に係る情報がガイダンス通知されるため、オペレータは画面を遷移せずに確認が可能となる。これにより、オペレータの負担が軽減され、設定に係る動作の視認性が向上する。
【0027】
図5は、本発明の第2実施形態による制御装置1が備える機能を概略的なブロック図として示したものである。本実施形態による制御装置1が備える各機能は、図1に示した制御装置1が備えるCPU11がシステム・プログラムを実行し、制御装置1の各部の動作を制御することにより実現される。
【0028】
本実施形態の制御装置1は、設定検知部100、表示検知部110、通知部120に加えて、更に設定履歴通知部130を備える。また、制御装置1のRAM13乃至不揮発性メモリ14には、制御装置1における各設定項目に設定された値を記憶する領域である設定情報記憶部200、設定項目の値の設定が行われた履歴を記憶するための領域である設定履歴記憶部210が設けられている。
【0029】
本実施形態による設定検知部100は、産業用機械の制御に係る設定項目の値の設定を検知した際に、取得した設定に係る情報を設定履歴記憶部210に履歴として記憶する。設定履歴記憶部210には、設定検知部100が取得した設定に係る情報が、更新要求が為された日時等の情報と関連付けられて記憶される。設定検知部100のその他の機能、及び表示検知部110及び通知部120の機能は、第1実施形態でのそれらの機能と同様である。
【0030】
設定履歴通知部130は、図1に示した制御装置1が備えるCPU11がROM12から読み出したシステム・プログラムを実行し、主としてCPU11によるRAM13、不揮発性メモリ14を用いた演算処理と、インタフェース17等を用いた入出力処理とが行われることで実現される。設定履歴通知部130は、設定履歴記憶部210に記憶された設定に係る情報の履歴を通知する。
図6は、設定に係る情報の履歴を表示装置70の表示画面上に通知した例を示している。例えば、表示画面上に表示される「設定履歴」のソフトキー330をタッチすると、設定履歴通知部130は、設定履歴記憶部210から直近に行われた設定に係る履歴を所定数読み出して、設定履歴ウインドウ340に日時でソートして表示する。この表示をすることで、オペレータはこれまでに行われてきた設定を時系列でさかのぼって確認できるため、例えば設定漏れや、どこまで設定が行われたのか、自分が行った以外の設定が行われていないかなど、を確認することができる。
【0031】
図7は、本発明の第3実施形態による制御装置1が備える機能を概略的なブロック図として示したものである。本実施形態による制御装置1が備える各機能は、図1に示した制御装置1が備えるCPU11がシステム・プログラムを実行し、制御装置1の各部の動作を制御することにより実現される。
【0032】
本実施形態の制御装置1は、設定検知部100、表示検知部110、通知部120、設定履歴通知部130に加えて、更に設定画面表示部140を備える。また、制御装置1のRAM13乃至不揮発性メモリ14には、制御装置1における各設定項目に設定された値を記憶する領域である設定情報記憶部200、設定項目の値の設定が行われた履歴を記憶するための領域である設定履歴記憶部210が設けられている。
【0033】
本実施形態による設定検知部100、表示検知部110、通知部120、設定履歴通知部130の機能は、第2実施形態でのそれら機能と同様である。
【0034】
設定画面表示部140は、図1に示した制御装置1が備えるCPU11がROM12から読み出したシステム・プログラムを実行し、主としてCPU11によるRAM13、不揮発性メモリ14を用いた演算処理と、インタフェース17等を用いた入出力処理とが行われることで実現される。設定画面表示部140は、設定履歴通知部130により通知された設定履歴で示される設定に係る情報が選択された際に、当該設定に係る情報で設定された設定項目を設定するための設定画面を表示装置70の表示画面上に表示する。
例えば、図6に例示される設定履歴ウインドウ340において、ワーク座標を設定した時の設定に係る情報を選択すると、図8に例示されるようなワーク座標設定画面が表示される。同様に、図6に例示される設定履歴ウインドウ340において、工具オフセットを設定した時の設定に係る情報を選択すると、図9に例示されるような工具オフセット設定画面が表示される。設定画面表示部140は、設定画面を表示した際に、選択された設定に係る情報で更新された設定項目の値を強調表示するようにしてもよい。例えば、図6において、「ワーク座標 G54 X10.0 Y20.0 2020/9/3 10:30」という設定に係る情報が選択されたときに、図10に例示するように、G54指令により設定されたワーク座標のX軸及びY軸のところを強調表示するようにしてよい。
【0035】
このような構成を設けることで、設定履歴の通知からそれぞれの設定に係る情報を確認及び更新するための設定画面を直接呼び出すことが可能となり、設定の確認及び修正等を簡単な操作で行うことができるようになる。また、表示した設定画面において、選択した履歴における設定に係る情報に関連する項目が強調表示されるため、オペレータはどの項目に注目するべきかが容易に把握することが可能となり、設定に係る作業の効率が向上することが期待される。
【0036】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態の例のみに限定されることなく、適宜の変更を加えることにより様々な態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 制御装置
3 産業用機械
5 ネットワーク
6 フォグコンピュータ
7 クラウドサーバ
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 不揮発性メモリ
15,17,18,20 インタフェース
16 PLC
19 I/Oユニット
22 バス
30 軸制御回路
40 サーボアンプ
50 サーボモータ
70 表示装置
71 入力装置
72 外部機器
100 設定検知部
110 表示検知部
120 通知部
130 設定履歴通知部
140 設定画面表示部
200 設定情報記憶部
210 設定履歴記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10