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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】アトマイザー
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/46 20200101AFI20241203BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20241203BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20241203BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/20
A24F40/40
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023102318
(22)【出願日】2023-06-22
(65)【公開番号】P2024004477
(43)【公開日】2024-01-16
【審査請求日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】202221640744.6
(32)【優先日】2022-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517419906
【氏名又は名称】深▲せん▼麦克韋爾科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN SMOORE TECHNOLOGY LIMITED
【住所又は居所原語表記】16#, Dongcai Industrial Park, Gushu Town, Xixiang Street, Baoan District, Shenzhen, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(72)【発明者】
【氏名】文治華
(72)【発明者】
【氏名】張大志
(72)【発明者】
【氏名】▲シィン▼鳳雷
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/180968(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0375249(US,A1)
【文献】国際公開第2022/128826(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第114128923(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112754067(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
順に接続された基質セグメントと中空セグメントと濾過セグメントとを含むエアロゾル発生基質であって、前記中空セグメントの側壁には第1の集気孔が設けられ、前記基質セグメントの前記中空セグメントに近い一端の側壁には第2の集気孔が設けられるエアロゾル発生基質を、加熱して霧化するためのアトマイザーであって、
前記アトマイザーは、収容キャビティを有する本体を含み、前記収容キャビティは、対向して設けられた開口端と閉鎖端とを有し、
前記エアロゾル発生基質の前記基質セグメント及び前記中空セグメントは、前記収容キャビティ内に挿設され、前記エアロゾル発生基質と前記収容キャビティのキャビティ側壁との間には、隙間が存在して、前記第1の集気孔に連通する第1の気流通路と、前記第1の気流通路及び前記第2の集気孔に連通する第2の気流通路と、が形成され
前記収容キャビティの前記開口端に近い一端のキャビティ側壁には、前記第1の気流通路に連通する第1の吸気孔が設けられ、
前記アトマイザーは、密封支持部材を更に含み、前記密封支持部材は、前記収容キャビティの前記開口端に近い一端のキャビティ側壁に突設されて前記収容キャビティを密封す
ことを特徴とするアトマイザー。
【請求項2】
前記第1の気流通路は、前記収容キャビティの開口端に連通する
ことを特徴とする請求項1に記載のアトマイザー。
【請求項3】
前記エアロゾル発生基質は、前記収容キャビティの前記閉鎖端を形成するキャビティ底壁に当接する
ことを特徴とする請求項2に記載のアトマイザー。
【請求項4】
前記アトマイザーは、少なくとも2つの支持部材を更に含み、各前記支持部材は、前記収容キャビティのキャビティ側壁に突設され、且つ前記第2の気流通路内に位置し、隣接する2つの前記支持部材同士の間には、気流の流れのための通路が形成される
ことを特徴とする請求項2に記載のアトマイザー。
【請求項5】
前記収容キャビティの前記閉鎖端を形成するキャビティ底壁には、第2の吸気孔が設けられる
ことを特徴とする請求項に記載のアトマイザー。
【請求項6】
前記アトマイザーは、霧化アセンブリを更に含み、前記霧化アセンブリは、前記本体内に設けられ、前記本体には、吸気通路が更に設けられ、前記吸気通路の一端は、前記霧化アセンブリに連通し、前記吸気通路の他端は、前記第1の吸気孔及び前記第2の吸気孔に連通する
ことを特徴とする請求項に記載のアトマイザー。
【請求項7】
前記エアロゾル発生基質と前記収容キャビティのキャビティ側壁との間の隙間は、0.3mm~1mmである
ことを特徴とする請求項1に記載のアトマイザー。
【請求項8】
前記収容キャビティは、前記閉鎖端に近い加熱セグメントと前記開口端に近い収容セグメントとを含み、前記エアロゾル発生基質の前記基質セグメントは、前記加熱セグメント内に位置し、前記中空セグメントは、前記収容セグメント内に位置する
ことを特徴とする請求項1に記載のアトマイザー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、霧化技術分野に関し、特にアトマイザーに関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾルは、固体又は液体の小さな粒子が気体媒体中に分散・浮遊して形成されるコロイド分散体であり、エアロゾルは呼吸器系から人体に吸収されるので、ユーザに新しい代替吸収手段を提供する。アトマイザーとは、貯蔵された霧化可能な媒体から加熱又は超音波などの方法によってエアロゾルを形成する装置を意味する。
【0003】
非燃焼加熱のエアロゾル発生基質は、特殊な熱源を利用して基質を加熱し(加熱温度は500℃以下、あるいはそれ以下である)、加熱される時に霧化基質中の様々な物質が気化してエアロゾルを発生して喫煙者のニーズを満たす新しい基質である。非燃焼加熱のエアロゾル発生基質は、吸入過程において裸火や煤煙を発生しないため、環境により優しく、使用者に良好な使用体験を提供すると同時に、従来の基質の燃焼時の高温分解による有害物質の発生を減少させ、それにより使用者の体への損傷を減少させる。
【0004】
従来の非燃焼加熱のエアロゾル発生基質を霧化するための霧化器具は加熱キャビティを有し、霧化媒体を加熱キャビティに挿入した後、外部気流が霧化基質の底部からエアロゾル発生基質中に入り込み、気流とエアロゾル発生基質の内部が加熱されて発生した香りなどの有効物質とが混合された後に、ユーザによって吸入される。しかしながら、エアロゾル発生基質の底部に流入された気流により、エアロゾル発生基質の温度が低下し、エアロゾル発生基質内の物質が十分にベーキングされず、その中の有効物質が完全に放出されないため、霧化器具から出力したエアロゾル中に含まれる有効物質の量がより小さく、霧化器具の使用感が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに鑑みて、エアロゾル発生基質が十分にベーキングされない問題に対して、エアロゾル発生基質をベーキングして形成されたエアロゾル中の有効物質の含有量がより高い技術的効果を達成することができるアトマイザーを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様において、順に接続された基質セグメントと中空セグメントと濾過セグメントとを含むエアロゾル発生基質であって、前記中空セグメントの側壁には第1の集気孔が設けられ、前記基質セグメントの前記中空セグメントに近い一端の側壁には第2の集気孔が設けられるエアロゾル発生基質を、加熱して霧化するためのアトマイザーであって、前記アトマイザーは、収容キャビティを有する本体を含み、前記収容キャビティは、対向して設けられた開口端と閉鎖端とを有し、前記エアロゾル発生基質の前記基質セグメント及び前記中空セグメントは、前記収容キャビティ内に挿設され、前記エアロゾル発生基質と前記収容キャビティのキャビティ側壁との間には、隙間が存在して、前記第1の集気孔に連通する第1の気流通路と、前記第1の気流通路及び前記第2の集気孔に連通する第2の気流通路と、が形成されるアトマイザーを提供する。
【0007】
一実施例において、前記第1の気流通路は、前記収容キャビティの開口端に連通する。
【0008】
一実施例において、前記エアロゾル発生基質は、前記収容キャビティの前記閉鎖端を形成するキャビティ底壁に当接する。
【0009】
一実施例において、前記アトマイザーは、少なくとも2つの支持部材を更に含み、各前記支持部材は、前記収容キャビティのキャビティ側壁に突設され、且つ前記第2の気流通路内に位置し、隣接する2つの前記支持部材同士の間には、気流の流れのための通路が形成される。
【0010】
一実施例において、前記収容キャビティの前記開口端に近い一端のキャビティ側壁には、前記第1の気流通路に連通する第1の吸気孔が設けられる。
【0011】
一実施例において、前記収容キャビティの前記閉鎖端を形成するキャビティ底壁には、第2の吸気孔が設けられる。
【0012】
一実施例において、前記アトマイザーは、霧化アセンブリを更に含み、前記霧化アセンブリは、前記本体内に設けられ、前記本体には、吸気通路が更に設けられ、前記吸気通路の一端は、前記霧化アセンブリに連通し、前記吸気通路の他端は、前記第1の吸気孔及び前記第2の吸気孔に連通する。
【0013】
一実施例において、前記アトマイザーは、密封支持部材を更に含み、前記密封支持部材は、前記収容キャビティの前記開口端に近い一端のキャビティ側壁に突設されて前記収容キャビティを密封する。
【0014】
一実施例において、前記エアロゾル発生基質と前記収容キャビティのキャビティ側壁との間の隙間は、0.3mm~1mmである。
【0015】
一実施例において、前記収容キャビティは、前記閉鎖端に近い加熱セグメントと前記開口端に近い収容セグメントとを含み、前記エアロゾル発生基質の前記基質セグメントは、前記加熱セグメント内に位置し、前記中空セグメントは、前記収容セグメント内に位置する。
【0016】
上記アトマイザーによれば、気流の主な流動経路は収容キャビティの加熱セグメント及び基質セグメントの中空セグメントから離れた一端の底部とを通らないため、加熱セグメント内のベーク温度がより安定であり、温度の著しい変化によりエアロゾル発生基質のベーキング程度が変化することなく、エアロゾル発生基質は収容キャビティ内で十分にベーキングされ、その中の有効物質が十分に放出され、エアロゾルの食感が改善し、アトマイザーの使用体験を効果的に向上した。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1の実施例のアトマイザーの構造模式図である。
図2】本発明の第2の実施例のアトマイザーの構造模式図である。
図3】本発明の一実施例のエアロゾル発生基質の構造模式図である。
図4図1に示すアトマイザーへのエアロゾル発生基質の挿設を示す模式図である。
図5図2に示すアトマイザーへのエアロゾル発生基質の挿設を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明確に理解するために、以下、図面を参照しながら本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。以下の説明において、本発明を十分に理解するために、多くの具体的な細部を説明する。しかしながら、本発明は、ここで説明される実施形態とは異なる多くの他の形態で実施することができ、当業者であれば、本発明の趣旨から逸脱することなく類似な改善を行うことができる。したがって、本発明は以下に開示される具体的な実施例に限定されるものではない。
【0019】
本発明の説明において、理解すべきものとして、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などが指示する方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本発明を説明しやすく且つ説明を簡略化するためだけのものであり、言及される装置又は素子は特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作しなければならないことを意味又は示唆するものではなく、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【0020】
なお、用語「第1」、「第2」は説明の目的だけのものであり、相対的な重要性を意味又は示唆し、又は説明された技術的特徴の数を示唆すると理解されるものではない。従って、「第1」、「第2」で限定された特徴は、少なくとも1つの該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本発明の説明において、特に明示的かつ具体的に制限されない限り、「複数」の意味は少なくとも2つ、例えば2つ、3つなどである。
【0021】
本発明において、特に明確に規定及び限定されない限り、「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語は、広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよいし、着脱可能な接続であってもよいし、一体になってもよい。また、機械的接続であってもよいし、電気的接続であってもよい。また、特に明確に限定されない限り、直接接続されてもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されてもよいし、2つの素子の内部の連通又は2つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて本発明における上記の用語の具体的な意味を理解することができる。
【0022】
本発明において、特に明確に規定及び限定されない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」又は「下」にあることは、第1及び第2の特徴が直接に接触してもよいし、第1及び第2の特徴が中間媒体を介して間接的に接触してもよい。また、第1の特徴が第2の特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真上又は斜め上にあるか、あるいは第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも大きいことを示すだけであってもよい。第1の特徴が第2の特徴の「下」、「下方」及び「下面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の直下又は斜め下にあるか、あるいは第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも小さいことを示すだけであってもよい。
【0023】
説明すべきものとして、一方の素子が他方の素子に「固定される」又は「設けられる」と呼ばれる場合、他方の素子に直接存在してもよく、又は介在する要素が存在してもよい。一方の素子が他方の素子に「接続される」と考えられる場合、他方の素子に直接接続されてもよく、又は介在する要素が存在してもよい。本明細書で使用される用語「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「左」、「右」及び類似の表現は説明の目的だけのものであり、唯一の実施形態を示すものではない。
【0024】
図1及び図2を参照すると、本発明は、エアロゾル発生基質300を加熱して霧化するためのアトマイザー100/200を提供する。エアロゾル発生基質300は、柱状構造であり、軸方向に順に接続された基質セグメント320と中空セグメント340と濾過セグメント360とを含み、基質セグメント320は、アトマイザー100/200によって加熱されてエアロゾル及び他の有効物質を発生することができ、基質セグメント320中で発生したエアロゾル及び他の有効物質は、中空セグメント340及び濾過セグメント360によって合流・濾過された後に流出して使用者に吸入される。
【0025】
更に、エアロゾル発生基質300中の有効物質の十分な放出を可能にするために、中空セグメント340の側壁には第1の集気孔341が設けられ、エアロゾル発生基質3001の外側の気流は第1の集気孔341を通って中空セグメント340内に入り込むことができる。好ましくは、中空セグメント340には、複数の第1の集気孔341が設けられ、複数の第1の集気孔341は、周方向に沿って間隔をあけて配置される。基質セグメント320の中空セグメント340に近い一端の側壁には、第2の集気孔321が設けられ、エアロゾル発生基質3001の外側の気流は、第2の集気孔321を通って基質セグメント320中に入り込むことができる。好ましくは、基質セグメント320には、複数の第2の集気孔321が設けられ、複数の第2の集気孔321は、周方向に沿って間隔をあけて配置される。
【0026】
アトマイザー100/200は、本体120/210と加熱管140/230とを備える。本体120/210は、一端が開口された収容空間を有し、加熱管140/230は、中空の管状構造であり、加熱管140/230は、収容空間のその開口部から離れた一端内に收容され、加熱管140/230は、本体120/210と共に、対向して設けられた開口端と閉鎖端とを有する収容キャビティ160/250を画定して形成する。収容キャビティ160/250は、その形状がエアロゾル発生基質300の形状と一致し、加熱管140/230によって画定して形成された閉鎖端に近い加熱セグメント161/252と、収容空間によって画定して形成された開口端に近い収容セグメント163/254と、を含む。
【0027】
エアロゾル発生基質300の一端は、収容キャビティ160/250内に挿設され、具体的には、基質セグメント320は、加熱セグメント161/252内に位置し、基質セグメント320に接続される中空セグメント340の一端は、加熱セグメント161/252内に位置し、中空セグメント340の他端、及び中空セグメント340に接続される濾過セグメント360の一端は、収容セグメント163/254内に位置し、濾過セグメント360の他端は、収容キャビティ160/250の開口端から延びる。図4及び図5を参照すると、エアロゾル発生基質300と収容キャビティ160/250のキャビティ側壁との間には、隙間が存在して、第1の気流通路1632/2541と第2の気流通路1634/2543とが形成され、第1の気流通路1632/2541は、第1の集気孔341に連通し、第2の気流通路1634/2543は、第1の気流通路1632/2541と第2の集気孔321とに連通する。好ましい一実施形態として、エアロゾル発生基質300と収容キャビティ160/250のキャビティ側壁との間の隙間は、0.3mm~1mmであり、これにより、気流が円滑に流動できる。
【0028】
このように、エアロゾル発生基質3001の外側の気流は、まず第1の気流通路1632/2541に流入することができ、第1の気流通路1632/2541内の一部の気流は第1の集気孔341を通って中空セグメント340に流入し、別の一部の気流は第2の気流通路1634/2543及び第2の集気孔321を順に通って基質セグメント320に入り込んだ後に、基質セグメント320中で生成されたエアロゾル及び他の有効物質を運んで中空セグメント340に入り込んで中空セグメント340内の気流と合流する。
【0029】
これから分かるように、気流の主な流動経路は収容キャビティ160/250の加熱セグメント161/252及び基質セグメント320の中空セグメント340から離れた一端の底部を通らないため、加熱セグメント161/252内のベーク温度がより安定であり、温度の著しい変化によりエアロゾル発生基質300のベーキング程度が変化することなく、エアロゾル発生基質300は収容キャビティ160/250内で十分にベーキングされ、その中の有効物質が十分に放出され、生成されたエアロゾルの食感が改善し、アトマイザー100/200の使用体験が効果的に向上した。
【0030】
図1図3及び図4に示すように、本発明の第1の実施例は、アトマイザー100を提供し、当該アトマイザー100の第1の気流通路1632は、外部環境に連通し、第1の気流通路1632に流入された気流は外部環境からの空気である。
【0031】
具体的には、第1の実施例において、第1の気流通路1632は、周方向に沿ってエアロゾル発生基質300を取り囲み、且つ、エアロゾル発生基質300の軸方向において、収容キャビティ160の開口端から第1の集気孔341が位置する位置まで延伸する。第2の気流通路1634は、周方向に沿ってエアロゾル発生基質300を取り囲み、且つ、エアロゾル発生基質300の軸方向において、第1の集気孔341が位置する位置から第2の集気孔321が位置する位置まで延伸する。
【0032】
このように、外部環境中の気流は、収容キャビティ160の開口端から第1の気流通路1632に入り込み、その後に、その中の一部の気流が第1の集気孔341を通ってエアロゾル発生基質300の中空セグメント340内に流入し、別の一部の気流が第2の集気孔321を通って基質セグメント320中に入り込まれるまで、エアロゾル発生基質300の軸方向に沿って流動し続ける。
【0033】
更に、気流がエアロゾル発生基質300の基質セグメント320の中空セグメント340から離れた一端の底部から基質セグメント320に入り込まれることを回避するために、基質セグメント320の中空セグメント340から離れた一端の端壁は、収容キャビティ160の閉鎖端を形成するキャビティ底壁に当接する。このように、エアロゾル発生基質300の底部が収容キャビティ160のキャビティ底壁によって密封されるため、外部気流はエアロゾル発生基質300の底部を通って基質セグメント320に入り込むことができないので、基質セグメント320中の温度に影響が及ばない。
【0034】
いくつかの実施例において、アトマイザー100は、少なくとも2つの支持部材180を更に含み、各支持部材180は、収容キャビティ160のキャビティ側壁に突設され、且つ第2の気流通路1634内に位置し、隣接する2つの支持部材180同士の間には、気流の流れのための通路が形成され、いくつかの実施例において、前記通路は、具体的に連通溝として表現される。このように、支持部材180は、エアロゾル発生基質300に対して位置制限の役割を果たすことができ、それによりエアロゾル発生基質300の収容キャビティ160内での揺れを回避するとともに、エアロゾル発生基質300が吸入過程で持ち出されることを防止することができる。それと同時に、第2の気流通路1634内の気流は、隣接する2つの支持部材180同士の間の通路を流れることができるため、支持部材180の設置によって気流の流れが阻害されることはない。支持部材180の数や形状、設置位置は、限定されず、異なる要求を満たすように必要に応じて設置することができることを理解されたい。
【0035】
図2に示すように、本発明の第2の実施例は、アトマイザー200を提供し、当該アトマイザー200は、本体210内に設けられた霧化アセンブリ290を更に備え、霧化アセンブリ290は、液体のエアロゾル発生基質300を霧化してエアロゾルを生成することができ、第1の気流通路2541に流入した気流は、霧化アセンブリ290からのものである。
【0036】
具体的に、収容キャビティ250のキャビティ側壁の開口端に近い側には、第1の気流通路2541に連通する第1の吸気孔が設けられ、本体210には、吸気通路が更に設けられ、吸気通路の一端は、霧化アセンブリ290に連通し、吸気通路の他端は、第1の吸気孔に連通する。第1の気流通路2541は、周方向に沿ってエアロゾル発生基質300を取り囲み、且つ、エアロゾル発生基質300の軸方向において、第1の吸気孔の設置位置から第1の集気孔341が位置する位置まで延伸する。第2の気流通路2543は、周方向に沿ってエアロゾル発生基質300を取り囲み、且つ、エアロゾル発生基質300の軸方向において、第1の集気孔341が位置する位置から第2の集気孔321が位置する位置まで延伸する。
【0037】
このように、霧化アセンブリ290によって生成されたエアロゾルは、吸気通路を通って第1の吸気孔を介して第1の気流通路2541に入り込むことができ、その後に、その中の一部のエアロゾルが第1の集気孔341を通ってエアロゾル発生基質300の中空セグメント340内に流入し、別の一部エアロゾルは、第2の集気孔321を通って基質セグメント320中に入り込むまで、エアロゾル発生基質300の軸方向に沿って流動し続ける。
【0038】
いくつかの実施例において、収容キャビティ250の閉鎖端を形成するキャビティ底壁には、吸気通路に連通する第2の吸気孔が更に設けられ、霧化アセンブリ290中で生成されたエアロゾルの一部は、吸気通路及び第2の吸気孔を通って基質セグメント320中に入り込んだ後に、基質セグメント320中で発生したエアロゾル及び他の有効物質を運んで中空セグメント340に入り込むことができる。
【0039】
いくつかの実施例において、アトマイザー200は、密封支持部材270を更に含み、密封支持部材270は、収容キャビティ250のキャビティ側壁の開口端に近い側に突設され、且つ、周方向に沿ってエアロゾル発生基質300を取り囲んで収容キャビティ250を密封する。収容キャビティ250は外部環境に対して密封設置されるため、エアロゾル発生基質300内に流入した気流は、すべて霧化アセンブリ290からのものである。
【0040】
上記アトマイザー100/200は、第1の集気孔341及び第2の集気孔321が設けられているエアロゾル発生基質300と合わせて、第1の集気孔341に連通する第1の気流通路1632/2541と、第2の集気孔321に連通する第2の気流通路1634/2543と、を形成するため、全てがエアロゾル発生基質300の基質セグメント320の中空セグメント340から離れた一端の底部から吸気する手段とは異なり、本発明において気流の主な流動経路は基質セグメント320を通らないため、ベーク温度が安定になり、エアロゾル発生基質300へのベーキングがより安定になり、エアロゾル発生基質300中の有効物質が絶えずに放出されて、吸入による負圧によって流出され、それにより、より大きい霧化量を有し、エアロゾルはより良い食感を有し、ユーザにより良い使用体験を持たせる。
【0041】
以上説明した実施例の各技術的特徴は、任意に組み合わせることが可能であり、説明を簡潔にするために、上記実施例における各技術的特徴の全ての可能な組み合わせについては説明していないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、本明細書に記載される範囲内であると考えられるべきである。
【0042】
上記の実施例は、本願のいくつかの実施形態を示しているに過ぎず、その叙述は具体的かつ詳細であるが、本願の発明の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。当業者であれば、本願の思想から逸脱することなく、本願の範囲に含まれるいくつかの変形および改善を行うことができることに留意されたい。したがって、本願の特許の範囲は、添付の特許請求の範囲に従うものとする。
【符号の説明】
【0043】
100 アトマイザー
120 本体
140 加熱管
160 収容キャビティ
161 加熱セグメント
163 収容セグメント
1632 第1の気流通路
1634 第2の気流通路
180 支持部材
200 アトマイザー
210 本体
230 加熱管
250 収容キャビティ
252 加熱セグメント
254 収容セグメント
2541 第1の気流通路
2543 第2の気流通路
270 密封支持部材
290 霧化アセンブリ
300 エアロゾル発生基質
320 基質セグメント
321 第2の集気孔
340 中空セグメント
341 第1の集気孔
360 濾過セグメント
図1
図2
図3
図4
図5